(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】固体材料供給装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20240424BHJP
C23C 16/448 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
H01L21/31 F
C23C16/448
(21)【出願番号】P 2020091958
(22)【出願日】2020-05-27
【審査請求日】2023-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】320011650
【氏名又は名称】大陽日酸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土渕 岳
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 克昌
【審査官】船越 亮
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-513950(JP,A)
【文献】特表2008-538158(JP,A)
【文献】特表2005-530031(JP,A)
【文献】特表2006-503178(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/205
H01L 21/365
H01L 21/469
H01L 21/86
C23C 16/00-16/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
常温・常圧(25℃、1気圧)で固体の材料が蒸気圧に応じて揮発又は昇華した気体を供給する固体材料供給装置であって、
内部に前記材料を充填可能な充填容器と、前記充填容器から前記気体を導出する導出配管と、前記充填容器を加温する加熱器と、を有する供給ユニットと、
2以上の前記供給ユニットを収容する収容容器と、
前記収容容器の内側で全ての前記導出配管と連通し、前記収容容器の外側に前記気体を供給する供給配管と、を備え、
全ての前記供給ユニットは、少なくとも前記充填容器が前記収容容器から着脱自在に収容され
、
前記充填容器が、すべて同一の形状であり、内径が50~100mmであり、高さが400mm以上の円筒形状を有する、固体材料供給装置。
【請求項2】
前記気体を供給する前記供給ユニットを選択する供給系統切り替え機構をさらに備える、請求項1に記載の固体材料供給装置。
【請求項3】
前記加熱器の運転を個別に制御する温度調整機構をさらに備える、請求項1又は2に記載の固体材料供給装置。
【請求項4】
すべての前記供給ユニットが収容された前記収容容器を平面視した際、前記充填容器が互いに重ならないように前記収容容器に配置される、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の固体材料供給装置。
【請求項5】
前記供給ユニットが、前記充填容器の内部の圧力を測定する圧力測定器と、前記充填容器の内部の温度を測定する温度測定器と、を有する、請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の固体材料供給装置。
【請求項6】
供給系統切り替え機構が、前記圧力測定器から得られる圧力値に基づいて前記気体を供給する前記供給ユニットを自動的に選択する、請求項
5に記載の固体材料供給装置。
【請求項7】
前記充填容器の材質が、ステンレス、アルミニウム、炭化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、又は窒化珪素である、請求項1乃至
6のいずれか一項に記載の固体材料供給装置。
【請求項8】
前記充填容器の内周面が、ステンレス、アルミニウム、炭化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化珪素、及びガラスからなる群から選択される材質でコーティングされる、請求項1乃至
6のいずれか一項に記載の固体材料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体材料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの微細化や高集積化に起因する課題を解決するため、従来使用されてこなかった前駆体を用いた新しい成膜技術が求められている。従来、前駆体材料としては、比較的ハンドリングの容易な気体材料や液体材料が広く用いられてきた。一方で、アルミニウム、ハフニウム、インジウム、モリブデン、タンタル、チタン、タングステン、イットリウム、ジルコニウム等の無機金属化合物及び有機金属化合物の一部は、標準温度および標準圧力において固体である。標準温度および標準圧力で固体の前駆体材料は、成膜プロセス用チャンバへと直接輸送することはできない。これらの固体材料は、一般に、高い融点および低い蒸気圧を有するため、成膜チャンバへの導入に先立って、固体材料を昇華する必要がある。
【0003】
これらの固体の前駆体材料を使用した半導体デバイスの量産プロセスでは、容器交換等のダウンタイムが生産性低下の要因となるため、QTAT(Quick Turn Around Time)の短縮が課題である。すなわち、容器交換の頻度を下げるために、容器内に充填される固体材料を大容量化することが求められている。
【0004】
例えば、特許文献1には、容器内に充填された固体材料を気化し、一定濃度で固体材料蒸気をチャンバ内へ供給する固体材料容器が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載された固体材料容器では、容器内の充填部が複雑に接続された構造となっている。そのため、特許文献1に記載された固体材料容器を大容量化した場合、加温用ヒータの配置が制約を受けるため、容器内に充填された固体材料温度の均一化が困難である。
【0005】
一般的に、固体の前駆体材料は、昇華法や再結晶法により精製され、高純度化される。例えば、特許文献2には、固体前駆体材料を昇華温度以上に加熱し、不純物を除去・精製する方法が提案されている。しかしながら、充填された固体材料中に高融点の不純物が含まれている場合、使用後の容器内に未昇華の不純物が残存することとなる。
【0006】
なお、一般に、容器内に充填された前駆体材料は全量を使い切ることはなく、一部の材料が容器内に残存した状態で製造業者に返却され、再充填が行われる。また、固体材料を再充填するには、使用済みの供給容器内に残存する固体材料をあらかじめ除去する必要があるため、残存する固体材料の除去作業は、生産性を著しく低下させる要因であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2019-007073号公報
【文献】特開2016-204755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、固体材料の気化供給が長時間安定的に行えて、固体材料の再充填が容易な固体材料供給装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を備える。
[1] 常温・常圧(25℃、1気圧)で固体の材料が蒸気圧に応じて揮発又は昇華した気体を供給する固体材料供給装置であって、
内部に前記材料を充填可能な充填容器と、前記充填容器から前記気体を導出する導出配管と、前記充填容器を加温する加熱器と、を有する供給ユニットと、
2以上の前記供給ユニットを収容する収容容器と、
前記収容容器の内側で全ての前記導出配管と連通し、前記収容容器の外側に前記気体を供給する供給配管と、を備え、
全ての前記供給ユニットは、少なくとも前記充填容器が前記収容容器から着脱自在に収容される、固体材料供給装置。
[2] 前記気体を供給する前記供給ユニットを選択する供給系統切り替え機構をさらに備える、前項[1]に記載の固体材料供給装置。
[3] 前記加熱器の運転を個別に制御する温度調整機構をさらに備える、前項[1]又は[2]に記載の固体材料供給装置。
[4] 前記充填容器が、すべて同一の形状である、前項[1]乃至[3]のいずれかに記載の固体材料供給装置。
[5] すべての前記供給ユニットが収容された前記収容容器を平面視した際、前記充填容器が互いに重ならないように前記収容容器に配置される、前項[4]に記載の固体材料供給装置。
[6] 前記充填容器は、内径が50~100mmであり、高さが400mm以上の円筒形状を有する、前項[4]又は[5]に記載の固体材料供給装置。
[7] 前記供給ユニットが、前記充填容器の内部の圧力を測定する圧力測定器と、前記充填容器の内部の温度を測定する温度測定器と、を有する前項[1]乃至[6]のいずれかに記載の固体材料供給装置。
[8] 供給系統切り替え機構が、前記圧力測定器から得られる圧力値に基づいて前記気体を供給する前記供給ユニットを自動的に選択する、前項[7]に記載の固体材料供給装置。
[9] 前記充填容器の材質が、ステンレス、アルミニウム、炭化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、又は窒化珪素である、前項[1]乃至[8]のいずれかに記載の固体材料供給装置。
[10] 前記充填容器の内周面が、ステンレス、アルミニウム、炭化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化珪素、及びガラスからなる群から選択される材質でコーティングされる、前項[1]乃至[8]のいずれかに記載の固体材料供給装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明の固体材料供給装置は、固体材料の気化供給が長時間安定的に行えて、固体材料の再充填が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態である固体材料供給装置の断面模式図である。
【
図2】本発明の一実施形態である固体材料供給装置の平面図である。
【
図3】本発明の固体材料供給装置を備える成膜装置を模式的に示す系統図である。
【
図4】本発明の比較例である固体材料供給装置の断面模式図である。
【
図5】本発明の比較例である固体材料供給装置の平面図である。
【
図6】本発明の実施例の効果を説明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0013】
<固体材料供給装置>
先ず、本発明の一実施形態として、
図1及び
図2に示す固体材料供給装置1について説明する。
なお、
図1は、本発明の一実施形態である固体材料供給装置1の構成を模式的に示す断面図である。
図2は、本発明の固体材料供給装置1の平面図である。
【0014】
本実施形態の固体材料供給装置1は、
図1及び
図2に示すように、内部に固体材料Sを充填可能な充填容器3と、充填容器3から固体材料Sのガス(気体)を導出する導出配管4と、充填容器3を加温する加熱器5と、を有する供給ユニットUと、2以上の供給ユニットUを収容する収容容器2と、収容容器2の内側で全ての導出配管4と連通し、収容容器2の外側に固体材料Sのガス(気体)を供給する供給配管8とを備える。なお、本実施形態の固体材料供給装置1では、7つの供給ユニットUが収容容器2内に収容される場合を一例として説明する。
【0015】
本実施形態の固体材料供給装置1は、常温・常圧(25℃、1気圧)で固体の材料(以下、単に「固体材料」という場合がある)Sが蒸気圧に応じて揮発又は昇華したガス(気体、以下、単に「固体材料蒸気」という場合がある)を供給する装置である。
【0016】
固体材料Sは、常温・常圧(25℃、1気圧)で固体の状態である材料であれば、特に限定されない。固体材料Sは、結晶状、粉末状でもよく、支持体等に担持した状態でもよい。また、固体材料Sは、充填時に固体状態であってもよく、運搬時に固体状態であってもよく、充填時もしくは加温時には液体状態であってもよい。
【0017】
固体材料Sとしては、有機化合物、有機金属化合物、金属ハロゲン化物、金属オキシハロゲン化物、およびこれらの化合物が挙げられる。より具体的には、アルミニウム、ハフニウム、インジウム、モリブデン、タンタル、チタン、タングステン、イットリウム、ジルコニウム等の無機金属化合物及び有機金属化合物が挙げられる。
固体材料Sとしては、これらの化合物からなる群のうち、いずれか1つを用いてもよいし、2つ以上を含んでいてもよい。
【0018】
充填容器3は、内側に固体材料Sを充填可能な容器であれば、特に限定されない。具体的には、充填容器3は、内側に充填された固体材料Sを気体状態で供給した後、再び内側に固体材料を充填することで、繰り返して使用することが可能である。
【0019】
充填容器3は、特に限定されないが、内側に固体材料を充填する観点から、有底筒状の容器本体と、容器本体の開口部となる上面を閉塞する蓋とを有する筒状の容器であることが好ましい。
【0020】
充填容器3の形状は、特に限定されない。充填容器3の形状としては、多角形の上面及び底面が多角形の角柱形状であってもよいし、上面及び底面が円形の円柱形状(円筒形状)であってもよい。これらの中でも、角部への固体材料の固着を防ぐ観点から、円柱形状であることがより好ましい。
【0021】
充填容器3の大きさは、固体材料の連続供給の観点から、容量を大きくすることが好ましいが、容器内に充填された固体材料を充填容器3の外側から加温する際に、容器内の周辺部と中央部との温度ムラを考慮して適宜選択される。
【0022】
充填容器3が円筒形状の場合、上述した温度ムラを低減する観点から、内径が100mm以下であることが好ましく、80mm以下であることがより好ましい。一方で、内径を小さくしすぎると、充填可能量が少なくなり、連続供給あるいは設備高さの面で不具合が生じる。具体的には、内径が50mm以上であることが好ましい。
また、固体材料の連続供給の観点から、充填容器3の高さは、400mm以上であることが好ましく、800mm以上であることがより好ましい。一方、充填容器3の高さの上限は、収容容器2及び固体材料供給装置1の全高との関係により、選択することが好ましい。具体的には、充填容器3の高さは、1500mm以下であることが好ましく、1400mm以下であることがより好ましい。
【0023】
充填容器3の材質は、特に限定されるものではないが、固体材料への伝熱効率を向上するため、熱伝導率の高い材質が好ましい。このような材質としては、ステンレス、アルミニウム、炭化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、及び窒化珪素が挙げられる。
【0024】
また、充填容器3には、伝熱効率以外にも、材料に対する耐腐食性や強度が必要とされる場合がある。充填容器3として、複数の特性が要求される場合には、複数の材質を積層する構成としてもよい。具体的には、充填容器3として、上述したステンレス、アルミニウム、炭化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、及び窒化珪素からなる群から選択される一の材質からなる第1層(内周面)と、ステンレス、アルミニウム、炭化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化珪素、及びガラスからなる群から選択される第1層とは異なる他の材質からなる第2層との積層構造を採用してもよい。換言すると、充填容器3の内周面が、ステンレス、アルミニウム、炭化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化珪素、及びガラスからなる群から選択される材質でコーティングされていてもよい。
【0025】
例えば、アルミニウムは高い熱伝導率を有しているが、塩化水素等に代表されるハロゲン系の材料によって侵されやすい。そこで、充填容器3の外壁の材質をアルミニウムとし、内壁の材質としてアルマイトや石英ガラス等の耐腐食性に優れた材質を選択することで、熱伝導率と耐腐食性を両立できる。
【0026】
また、充填容器3の内側に、水分と反応することで、腐食性のガスが発生するような固体材料を充填する場合には、充填容器3の内壁の吸着水分の脱ガス性を向上するため、充填容器3の表面が円滑であることが好ましい。例えば、充填容器3の材質としてステンレスを使用する場合、表面を電解研磨(EP:Electro Polishing)処理したステンレスを用いることが好ましく、SUS304等と比較して表面が円滑なSUS316Lを用いることがより好ましい。
【0027】
充填容器3が容器本体と蓋とにより構成される場合、接ガス面には金属製もしくは樹脂製のパッキンを設けることが好ましい。これにより、充填容器3の気密性を保つことができる。
【0028】
充填容器3の上面に位置する蓋には、導出配管4が貫通するようにそれぞれ設けられている。これにより、充填容器3に充填された固体材料が気化したガス(気体)を、導出配管4を介して充填容器3の外側へ導出できる。また、充填容器3の蓋には、充填容器3の内部の圧力を測定する圧力測定器(図示略)と、充填容器3の内部の温度を測定する温度測定器(図示略)とが、配置されていてもよい。
【0029】
導出配管4は、充填容器3から固体材料が気化したガス(気体)を導出する経路である。導出配管4は、充填容器3と供給配管8との間に位置する。導出配管4の一端は、充填容器3の内側と連通するように、充填容器3(の蓋)と接続されている。また、導出配管4の他端は、供給配管8と連通するように、供給配管8と接続されている。これにより、導出配管4を介して、充填容器3から固体材料が気化したガス(気体)を供給配管8へと導出できる。
【0030】
導出配管4には、全開(開度100%)から全閉(開度0%)まで任意の開度に調整が可能であり、遠隔操作が可能な開閉弁7がそれぞれ設けられている。
【0031】
導出配管4には、マスフローコントローラ(MFC)が配置されていてもよいし、キャリアガスの供給経路が接続されていてもよい。なお、固体材料を供給する際にキャリアガスを使用する場合、例えば、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、窒素(N2)などの不活性ガスを用いることができる。
【0032】
加熱器5は、充填容器3の周囲を覆うようにそれぞれ位置し、充填容器3をそれぞれ加温する。すなわち、加熱器5は、充填容器3の外側から、充填容器3の内側に充填された固体材料を加温する。
【0033】
加熱器5は、充填容器3の周囲を覆うように配置可能であれば、特に限定されない。加熱器5としては、マントルヒータ、シーズヒータ、シリコンラバーヒータ、多管式熱交換器、流体循環型恒温槽等が挙げられる。これらの中でも、断熱性および簡便性の観点から、マントルヒータが好ましい。
【0034】
加熱器5は、充填容器3を着脱自在に収容する。具体的には、充填容器3を上方に持ち上げることで、加熱器5から取り出すことができる。
【0035】
供給ユニットUは、充填容器3、導出配管4、及び加熱器5を少なくとも1つずつ有して構成される。また、供給ユニットUは、それぞれ、上述した圧力測定器及び温度測定器を有する構成であることがより好ましい。
【0036】
収容容器2は、供給ユニットUを内側に収容する容器である。収容容器2は、特に限定されないが、内側に複数の供給ユニットUを収容する観点から、有底筒状の容器本体2Aと、容器本体2Aの開口部となる上面を閉塞する蓋2Bとを有する筒状の容器であることが好ましい。また、容器本体2Aと蓋2Bとは、ねじ込み式又はワンタッチ式の留め具2Cを用いて接続する構成となっている。
【0037】
収容容器2の形状は、特に限定されない。収容容器2の形状としては、多角形の上面及び底面が多角形の角柱形状であってもよいし、上面及び底面が円形の円柱形状(円筒形状)であってもよい。収容容器2の形状は、供給ユニットUを効率的に収容する観点から、充填容器3の形状と相似形とすることが好ましい。したがって、充填容器3が円筒形状の場合、収容容器2も円筒形状とすることが好ましい。
【0038】
収容容器2への供給ユニットUの配置は、少なくともすべての充填容器3が収容容器2から着脱自在に収容される態様であれば、特に限定されない。具体的には、
図2に示すように、すべての供給ユニットU1~U7が収容された収容容器2を平面視した際、充填容器3が互いに重ならないように収容容器2に配置されることが好ましい。また、
図1に示すように、すべての充填容器3の軸方向と、収容容器2の軸方向とが同一の方向であることがより好ましい。収容容器2に収容される際、充填容器3が高さ方向に重ならないように平面的に配置されることにより、使用済みの充填容器3を上方に引き上げることで収容容器2から容易に取り出すことができる。また、充填済の新たな充填容器3は、所定の設置場所に位置する加熱器5中央の空間に、上方から挿入することで容易に取り付けることができる。すなわち、すべての充填容器3は、収容容器2から容易に着脱できるように収容される。
【0039】
また、収容容器2への供給ユニットUの配置は、
図2に示すように、収容容器2の底面に対して最密となるように配置することが好ましい。このように配置することで、収容容器2の内側に効率よく供給ユニットUを収容でき、収容容器2のフットプリントを小さくできる。また、供給ユニットUの間の加熱器5が近接するため、全体の加熱効率が向上する。特に、供給ユニットU1~U7に含まれる充填容器3が、すべて同一の形状であることが好ましい。例えば、充填容器3が円筒形状である場合、収容容器2に平面的に配置する際、六方最密構造となるように配置することができる。
【0040】
収容容器2の大きさは、固体材料供給装置1の小型化の観点から、容量を小さくすることが好ましい。また、収容容器2は、収容する各供給ユニットUの温度低下を防ぐ観点から、断熱性能を有することが好ましい。したがって、収容容器2は、断熱性が高い材質とすることが好ましい。また、収容容器2の容器本体2A及び蓋2Bを断熱構造としてもよい。
【0041】
供給配管8は、収容容器2の外側に固体材料が気化したガス(気体)を供給するガス供給経路である。供給配管8は、収容容器2の蓋2Bを貫通するように設けられている。また、供給配管8は、
図1に示すように、収容容器2の内側で全ての導出配管4と連通するように、それぞれの導出配管4と接続されている。供給配管8には、全開(開度100%)から全閉(開度0%)まで任意の開度に調整が可能であり、遠隔操作が可能な開閉弁9が設けられている。
【0042】
配管加熱器6は、収容容器2の内側の、供給ユニットU1~U1が配置された上方の空間に位置する。配管加熱器6は、収容容器2の内側で、すべての導出配管4および開閉弁7、並びに供給配管8を加熱するために設けられている。なお、配管加熱器6は、導出配管4にそれぞれ温度測定器を設け、これらの温度測定器で測定された温度を参照しながら加熱量を制御するように構成されていてもよい。また、配管加熱器6は、導出配管4、開閉弁7及び供給配管8での固体材料の堆積を予防するために、供給ユニットU(充填容器3)の稼動状態に関わらず、常に加温状態を保持するように構成されることが好ましい。
【0043】
本実施形態の固体材料供給装置1は、それぞれの加熱器5の運転状態を個別に制御する温度調整機構(図示略)を備えることが好ましい。温度調整機構は、収容容器2内の全ての加熱器5と、充填容器3に温度測定器が設けられている場合にはそれらの温度測定器と、図示略の制御装置とを含む。
【0044】
なお、制御装置は、有線又は無線により全ての温度測定器から温度測定値を受信し、全ての加熱器5にそれぞれ運転信号(制御信号)を送信可能である。このような温度調整機構を備えることにより、充填容器3の内側の温度測定値を参照し、当該充填容器3を加温する加熱器5の運転状態をそれぞれ個別に制御できる。したがって、固体材料供給装置1は、固体材料蒸気の最大使用量に応じて、稼動状態とする供給ユニットU(すなわち、充填容器3)の個数(本数)を変更することができる。
【0045】
また、温度調整機構により、固体材料蒸気を供給状態の供給ユニットU、および待機状態の供給ユニットUを構成する充填容器3のみを加温し、使用済みの供給ユニットU、および待機状態の供給ユニットUを構成する充填容器3を加温しないように、それぞれの加熱器5の運転状態を制御できる。
【0046】
本実施形態の固体材料供給装置1は、固体材料蒸気(気体)を供給する供給ユニットUを選択する供給系統切り替え機構をさらに備えることが好ましい。供給経路切り替え機構は、各導出配管4に設けられた全ての開閉弁7と、充填容器3に圧力測定器が設けられている場合にはそれらの圧力測定器と、図示略の制御装置とを含む。
【0047】
なお、制御装置は、有線又は無線によりすべての圧力測定器から圧力測定値を受信し、全ての開閉弁7にそれぞれ開度信号(制御信号)を送信可能である。このような供給経路切り替え機構を備えることにより、充填容器3の内側の圧力測定値を参照し、導出配管4に位置する開閉弁7の開閉状態(あるいは開度)をそれぞれ個別に制御できる。したがって、固体材料供給装置1は、供給系統切り替え機構により、圧力測定器から得られる圧力値に基づいて固体材料蒸気(気体)を供給する、1以上の供給ユニットUを自動的に選択することができる。
【0048】
以下の表1に、供給ユニットUの自動選択の一例を示す。
表1は、固体材料供給装置1の運転状態の一例として、供給ユニットU2の充填容器3が圧力設定値(例えば160Torr)を下回ったため、供給ラインを供給ユニットU3に切り替えた直後の状態を示す。ここで、加熱器5は、供給ラインとして選択されている供給ユニットU3と、待機中の供給ユニットU4のみが運転状態となっている。これにより、本実施形態の固体材料供給装置1は、固体材料の気化に係る熱エネルギーの消費量を最小限にすることが可能である。
【0049】
【0050】
本実施形態の固体材料供給装置1によれば、複数の供給ユニットUを収容容器2に収納するため、一つ一つの充填容器3の容積を小さくしつつ、単一の大型容器を用いる場合と同程度の供給量を確保できる。
【0051】
ところで、単一の大型容器に固体材料を充填して用いる場合、充填容器の容積が大きくなるに従って、容器側面の伝熱部と充填された固体材料の中心部との距離が長くなり、中心部まで十分に熱が伝わらず、温度分布が大きくなる。そして、充填容器の温度分布が拡大すると、固体材料を供給する際、供給量が不安的となる要因や、使用効率が低下する要因となる。
【0052】
本実施形態の固体材料供給装置1によれば、円筒形状であり小型の充填容器3を用いる構成であるため、加温される充填容器3の側面部と中心部(中央部)との伝熱距離が短縮される。これにより、充填容器3の周囲を加熱器5によって加温する際、充填容器3に充填された固体材料を中心部まで均一に加温されるため、固体材料蒸気の供給量が安定し、固体材料の使用効率が向上する。
【0053】
(固体材料の供給方法)
次に、本実施形態の固体材料供給装置1を用いた固体材料の供給方法について、説明する。
先ず、固体材料供給装置1の供給配管8をユースポイントへと接続する。
次に、固体材料の気化を行うために、固体材料蒸気を供給する供給ユニットUの加熱器5の運転を開始し、充填容器3の加温を開始する。次いで、収容容器2内において、配管加熱器6の運転を開始して、充填容器3に繋がる導出配管4、及び供給配管8の加温も実施する。
【0054】
次に、選択された供給ユニットUの充填容器3内の温度及び圧力が設定値に到達し、所定の安定時間が経過した後、遠隔操作によって導出配管4の開閉弁7、及び供給配管8の開閉弁9をそれぞれ開くことで、固体材料蒸気をユースポイントへ供給できる。
【0055】
本実施形態の固体材料供給装置1では、選択された供給ユニットの充填容器3内の圧力及び温度が常に監視され、充填容器3内の圧力が設定された圧力値を下回った際に、供給系統切り替え機構の設定にしたがって、別の供給ユニットUへ自動的に切り替わる。これにより、大容量の固体材料蒸気を安定的かつ連続的にユースポイントへ供給できる。
【0056】
次に、全ての供給ユニットUの充填容器3に充填された固体材料の供給が完了した後、全ての供給ユニットUの導出配管4中に残存する固体材料蒸気の排出およびパージ作業を実施する。最後に、遠隔操作によって供給配管8の開閉弁9を閉止して、固体材料の供給を終了する。
【0057】
(固体材料の充填方法)
次に、本実施形態の固体材料供給装置1を用いた固体材料の充填方法について、説明する。
具体的には、固体材料の使用後に再充填を行う際、先ず、収容容器2の蓋2Bを開き、各供給ユニットUから充填容器3をそれぞれ収容容器2の外側へ取り出す。
次に、充填容器3内に残存した固体材料、および不純物成分の除去作業をそれぞれ行う。
【0058】
ところで、一般に、充填する容器の容積が大きくなるにつれ、また、充填する容器の形状が複雑なるにつれ、容器内に残存した固体材料の除去・洗浄作業は煩雑になる。
これに対して、本実施形態の固体材料供給装置1によれば、固体材料を単一の大型容器に充填する場合と比較して、充填容器3の容積が小さいため、容器内に残存した固体材料の除去・洗浄作業が容易となる。
【0059】
次に、洗浄作業、乾燥を実施した後、充填容器3(容器本体、蓋)、及び固体材料を不活性ガス雰囲気としたグローブボックス内に搬入し、不活性ガス雰囲気下で充填容器3に固体材料をそれぞれ所定量充填する。次いで、充填容器3の容器本体と蓋との間にパッキンを設け、ねじ込み式金具を使用して固定する。
【0060】
次に、固体材料が充填された充填容器3を、収容容器2の容器本体2Aの所定の位置(加熱器5の内側の空間内)にそれぞれ挿入した後、充填容器3に導出配管4をそれぞれ接続する。
最後に、収容容器2の容器本体2Aと蓋2Bとを留め具2Cで固定する。これにより、固体材料の充填作業を完了する。
【0061】
なお、本実施形態の固体材料供給装置1において、固体材料の充填は、全ての供給ユニットUの固体材料を使用した場合に限定されない。固体材料供給装置1の運転が停止している場合であれば、使用済みの供給ユニットUの充填容器3のみを取り外して、固体材料の再充填を行ってもよい。
【0062】
また、本実施形態の固体材料供給装置1によれば、収容容器2の内側に収容される供給ユニットUに用いる充填容器3の他に、固体材料が充填された充填容器3を複数用意しておくことが好ましい。予備の充填容器3をあらかじめ用意しておくことで、使用済みの充填容器3を充填済みの充填容器3と取り換えることで、すぐに固体材料供給装置1の稼働させることができる。また、固体材料供給装置1の稼働中に、使用済みの充填容器3を再充填することが好ましい。
【0063】
<成膜装置>
次に、上述した実施形態の固体材料供給装置1を原料ガスの供給源とする成膜装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図3は、本発明の固体材料供給装置1を備える成膜装置の構成を模式的に示す系統図である。
【0064】
図3に示すように、本実施形態の固体材料供給装置1を備える成膜装置(以下、単に「成膜装置」ともいう)10は、反応場となる処理室(チャンバ)12、処理室12内の被処理基材Pの表面温度を制御する図示略の温度制御装置、処理室12にキャリアガスを供給するキャリアガス供給経路L1、処理室12内の雰囲気を排気する排気経路L2、古材材料蒸気を原料ガスとして供給する原料ガス供給経路L3、キャリアガス供給経路L1内の雰囲気を排気する排気経路L4、及び処理室12に反応ガスを供給する反応ガス供給経路(図示略)を備える。
【0065】
成膜装置10は、少なくとも固体材料蒸気を用いた化学気相成長法により、被処理基材Pの表面の少なくとも一部に薄膜を成膜する成膜装置である。成膜装置10は、化学気相成長法に適用可能であれば、特に限定されない。成膜装置10としては、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置やALD(Atomic Layer Deposition)装置を用いることができる。
【0066】
被処理基材Pは、表面の少なくとも一部に薄膜を形成可能であれば、特に限定されない。被処理基材Pとしては、特に限定されないが、半導体ウエハ、樹脂、ガラスなどが挙げられる。具体的には、結晶シリコン(Si<100>またはSi<111>など)、酸化シリコン、歪みシリコン、SOI、シリコンゲルマニウム、ゲルマニウム、ドープされた又はドープされていないポリシリコン、ドープされた又はドープされていないシリコンウエハ、窒化シリコン、炭化シリコン、炭窒化シリコン、酸窒化シリコン、炭酸化シリコン、炭酸窒化シリコン、Cu、Al、Ru、Ta、W、Ti、Co、Zr、Hfなどの金属、TiN、TaN、WNなどの窒化金属、ZrO、HfO、TiO、TaO、WOなどの酸化金属、パターン形成された又はパターン形成されていないウエハなど、上記少なくとも1以上含まれる半導体ウエハ等を用いることができる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂などの樹脂を用いることができる。
【0067】
薄膜は、シリコン(Si)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、インジウム(In)、ハフニウム(Hf)からなる群から選択される1つ以上の金属元素を含むものであれば、特に限定されるものではない。これらの中でも、シリコン、チタン、及びタンタルうち、いずれか1つ以上を含むものが好ましい。
【0068】
具体的に、シリコン含有金属窒化膜としては、シリコン窒化(SiN)膜、シリコン炭窒化(SiCN)膜、シリコン酸窒化(SiON)膜、シリコン酸炭窒化(SiOCN)膜が挙げられる。これらの中でも、シリコン窒化膜及びシリコン炭窒化膜が好ましく、シリコン窒化膜がより好ましい。
【0069】
チタン含有窒化膜としては、チタン窒化(TiN)膜、チタン炭窒化(TiCN)膜、チタン酸窒化(TiON)膜、チタン酸炭窒化(TiOCN)膜が挙げられる。これらの中でも、チタン窒化膜及びチタン炭窒化膜が好ましく、チタン窒化膜がより好ましい。
【0070】
温度制御装置(図示略)は、処理室12内の被処理基材Pの表面温度を所要の温度に制御可能なものであれば、特に限定されない。温度制御装置としては、ヒータと、その制御装置とを用いることができる。
【0071】
キャリアガス供給経路L1は、処理室12内にキャリアガスを供給する。
キャリアガスとしては、特に限定されないが、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)などの希ガス、窒素(N2)、水素(H2)などが挙げられる。また、キャリアガスは、これらのうちいずれか1つを用いてもよいし、2以上を混合して用いてもよい。
【0072】
排気経路L2は、処理室12内のキャリアガス、および原料ガス等を含む雰囲気ガスを処理室12内から排出して、処理室12内を減圧する。排気経路L2には、自動圧力制御装置(APC:Auto Pressure Controller)13、及び減圧ポンプ等の減圧装置14が配置されている。
【0073】
原料ガス供給経路L3は、キャリアガス供給経路L1と合流し、このキャリアガス供給経路L1を介して処理室12内に原料ガスとして固体材料蒸気を供給する。原料ガス供給経路L3には、上述した実施形態の固体材料供給装置1が設けられている。
【0074】
なお、固体材料蒸気は、固体材料供給装置1と処理室12内との圧力差によって固体材料蒸気のみを輸送しても良く、キャリアガスを同伴して処理室12内へ供給してもよい。
キャリアガスとしては、特に限定されないが、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)などの希ガス、窒素(N2)、水素(H2)などが挙げられる。キャリアガスは、これらのうちいずれか1つを用いてもよいし、2以上を混合して用いてもよい。
【0075】
排気経路L4は、キャリアガス供給経路L1と分岐し、このキャリアガス供給経路L1内の雰囲気は系外へ排気する。排気経路L4には、減圧ポンプ等の減圧装置15が配置されている。
【0076】
以上説明したように、本実施形態の固体材料供給装置1によれば、固体材料が充填された充填容器3を含む供給ユニットUを複数備えるため、固体材料の連続供給が可能である。また、充填容器3が小型であり、充填容器3を加熱器5によって側面から加温して5も充填容器3の中央部までの伝熱距離が短い。これにより、充填容器3に充填された固体材料を均一に加温することが可能であるため、固体材料の安定した供給が可能である。さらに、収容容器2内に配置された供給ユニットUは、少なくとも充填容器が収容容器2から着脱自在であるため、固体材料の再充填が容易である。
【0077】
また、本実施形態の固体材料供給装置1によれば、供給系統切り替え機構を備えることにより、充填容器3の圧力値に基づいて固体材料蒸気(気体)を供給する、1以上の供給ユニットUを自動的に選択することができる。すなわち、本実施形態の固体材料供給装置1によれば、固体材料の供給系統を自動で切り替えることができるため、連続的に大容量の固体材料を供給することができる。
【0078】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上述した実施形態の固体材料供給装置1では、取り外した充填容器3を収容容器2へ取り付ける際の位置決めに、各供給ユニットUとして収容容器2内に配置された加熱器5の中央の空間を用いる構成を一例として説明したが、これに限定されない。収容容器2の容器本体2Aの底面に充填容器3の底面及び側面の一部が収まる収納溝を設け、この収納溝に充填容器3を位置決めする構成としてもよい。この場合、上述した収納溝は、充填容器3を加温する加温機構を備えることが好ましい。
【実施例】
【0079】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0080】
<検証例1:三塩化アルミニウムの供給評価>
図3に示す成膜装置を用い、固体材料として三塩化アルミニウム粉末の供給量の評価を実施した。
ここで、
図1及び
図2に示す固体材料供給装置1では、各供給ユニットUの充填容器3内の圧力は、圧力センサ(HORIBASTEC製隔膜式真空計:VG200)を用いて測定した。また、充填容器3内の温度は、熱電対(八光電機製K熱電対等)を用いて測定した。
また、
図3に示す成膜装置10では、気化された固体材料蒸気はマスフローコントローラ(LINTEC製高温MFC:型番「MC-3202L-SC」)を使用して供給量を調整した。
【0081】
なお、供給量の評価は、固体材料供給装置1からのMFCの流量が145sccmを下回った点を終点として、固体材料蒸気の供給を停止した。その時点での供給継続時間を供給可能時間と定義した。
また、収容容器2の重量減少量より、総供給量、および総充填量に対する材料消費率を算出した。
【0082】
(比較例1)
図3に示す成膜装置10において、固体材料供給装置1に替えて
図4及び
図5に示す固体材料供給装置101を用いて供給量の評価を行った。
なお、
図4及び
図5に示すように、固体材料供給装置101は、単一の大型の充填容器103に固体材料Sが充填された構成となっている。
固体材料の供給条件、及び成膜工程の詳細は、以下の通りである。
【0083】
「供給条件」
・収容容器:
図4及び
図5に示す、単一の充填容器103を収容する収容容器102
・充填容器103の内径:200mm
・充填容器103の高さ:700mm
・充填容器103の材質:アルマイト被覆アルミニウム(被覆膜厚:15μm)
・固体材料:三塩化アルミニウム(AlCl
3)
・総充填量:20kg
・加熱温度:150℃
・設定流量:150sccm
・処理室12の圧力:20Torr
【0084】
「成膜工程」
第1の工程:充填容器103、及び供給配管108を真空引きする。
第2の工程:充填容器103を150℃に加温する。
第3の工程:原料ガス供給経路L3のMFCの供給流量を150sccmに設定する。
第4の工程:処理室12の圧力を20Torrに制御する。
第5の工程:処理室12直近のバルブを開放して、固体材料蒸気の供給を開始する。
第6の工程:MFCの流量が145sccmを下回ったとき、固体材料蒸気の供給を停止する。
【0085】
「評価結果」
・供給可能時間:11,621min
・総供給量:10.42kg
・材料消費率:52.1%
【0086】
使用後の充填容器103を観察した結果、容器側面と充填された固体材料との間に空隙が確認された。これは、容器側面の伝熱部と容器内に充填された固体材料の中心部との距離が長いため、容器側面の近傍からの昇華が優先的であり、容器中心付近からの昇華が少なかったことによる。すなわち、この空隙に起因する固体材料の加温不具合によって、容器中心付近に充填された固体材料が昇華されず、固体材料の使用可能量が低下した。
【0087】
(試験例1)
図3に示す成膜装置101に、
図1及び
図2に示す7個の供給ユニットUを有する固体材料供給装置1を使用した。
固体材料の供給条件、及び成膜工程の詳細は、以下の通りである。
【0088】
「供給条件」
・充填容器:
図1及び
図2に示す7個の充填容器3
・充填容器3の内径:100mm
・充填容器3の高さ:400mm
・充填容器3の材質:アルマイト被覆アルミニウム(被覆膜厚:15μm)
・固体材料:三塩化アルミニウム(AlCl
3)
・総充填量:20kg
・加熱温度:150℃
・設定流量:150sccm
・処理室12の圧力:20Torr
【0089】
「成膜工程」
第1の工程:充填容器3、導出配管4、及び供給配管8を真空引きする。
第2の工程:充填容器3を150℃に加温する。
第3の工程:原料ガス供給経路L3のMFCの供給流量を150sccmに設定する。
第4の工程:処理室12の圧力を20Torrに制御する。
第5の工程:処理室12直近のバルブを開放して、固体材料蒸気の供給を開始する。
第6の工程:充填容器3の圧力が80Torrを下回ったとき、供給系統の切り替えを実施する。
第7の工程:MFCの流量が145sccmを下回ったとき、固体材料蒸気の供給を停止する。
【0090】
「評価結果」
・供給可能時間:20,792min
・総供給量:18.68kg
・材料消費率:93.4%
【0091】
使用後の各充填容器3を観察した結果、容器側面と充填された固体材料との間に空隙は確認されなかった。これは、複数の小型の充填容器3を用いる形態により、充填容器3に充填された固体材料は中心部まで均一に加温され、容器中心付近と側面に位置する固体材料が均一に昇華されることで、材料消費率が向上した。
以上より、複数の小型の充填容器3と、供給系統切り替え機構とを有することで、固体材料の安定かつ長時間の供給に対して効果的であることが示された。
【0092】
<検証例2:オキシ塩化モリブデンの供給評価>
上述した検証例1と同様にして、オキシ塩化モリブデン粉末の供給量評価を実施した。
【0093】
(比較例2)
上述した比較例1と同様にして、評価を実施した。
固体材料の供給条件、及び成膜工程の詳細は、以下の通りである。
【0094】
「供給条件」
・収容容器:
図4及び
図5に示す、単一の充填容器103を収容する収容容器102
・充填容器103の内径:200mm
・充填容器103の高さ:700mm
・充填容器103の材質:SUS316L(EP)
・固体材料:オキシ塩化モリブデン(MoO
2Cl
2)
・総充填量:20kg
・加熱温度:135℃
・設定流量:150sccm
・処理室12の圧力:20Torr
【0095】
「成膜工程」
第1の工程:充填容器103、及び供給配管108を真空引きする。
第2の工程:充填容器103を135℃に加温する。
第3の工程:原料ガス供給経路L3のMFCの供給流量を150sccmに設定する。
第4の工程:処理室12の圧力を20Torrに制御する。
第5の工程:処理室12直近のバルブを開放して、固体材料蒸気の供給を開始する。
第6の工程:MFCの流量が145sccmを下回ったとき、固体材料蒸気の供給を停止する。
【0096】
「評価結果」
・供給可能時間:6,904min
・総供給量:9.20kg
・材料消費率:46.0%
【0097】
使用後の充填容器103を観察した結果、容器側面と充填された固体材料との間に空隙が確認された。これは、容器側面の伝熱部と容器内に充填された固体材料の中心部との距離が長いため、容器側面の近傍からの昇華が優先的であり、容器中心付近からの昇華が少なかったことによる。すなわち、この空隙に起因する固体材料の加温不具合によって、容器中心付近に充填された固体材料が昇華されず、固体材料の使用可能量が低下した。
【0098】
(試験例2)
図3に示す成膜装置101に、
図1及び
図2に示す7個の供給ユニットUを有する固体材料供給装置1を使用した。
固体材料の供給条件、及び成膜工程の詳細は、以下の通りである。
【0099】
「供給条件」
・充填容器:
図1及び
図2に示す7個の充填容器3
・充填容器3の内径:200mm
・充填容器3の高さ:100mm
・充填容器3の材質:SUS316L(EP)
・固体材料:オキシ塩化モリブデン(MoO
2Cl
2)
・総充填量:20kg
・加熱温度:135℃
・設定流量:150sccm
・処理室12の圧力:20Torr
【0100】
「成膜工程」
第1の工程:充填容器3、導出配管4、及び供給配管8を真空引きする。
第2の工程:充填容器3を135℃に加温する。
第3の工程:原料ガス供給経路L3のMFCの供給流量を150sccmに設定する。
第4の工程:処理室12の圧力を20Torrに制御する。
第5の工程:処理室12直近のバルブを開放して、固体材料蒸気の供給を開始する。
第6の工程:充填容器3の圧力が200Torrを下回ったとき、供給系統の切り替えを実施する。
第7の工程:MFCの流量が145sccmを下回ったとき、固体材料蒸気の供給を停止する。
【0101】
「評価結果」
・供給可能時間:7,037min
・総供給量:9.42kg
・材料消費率:47.1%
【0102】
使用後の充填容器3を観察した結果、容器側面と充填された固体材料との間に空隙が確認された。これは、容器側面の伝熱部と容器内に充填された固体材料の中心部との距離が長いため、容器側面の近傍からの昇華が優先的であり、容器中心付近からの昇華が少なかったことによる。すなわち、この空隙に起因する固体材料の加温不具合によって、容器中心付近に充填された固体材料が昇華されず、固体材料の使用可能量が低下した。
この結果より、充填容器3の内径が100mm以上であると、充填された固体材料の内部まで均一に加温することが困難であることが示唆された。
【0103】
(試験例3)
図3に示す成膜装置101に、
図1及び
図2に示す7個の供給ユニットUを有する固体材料供給装置1を使用した。
固体材料の供給条件、及び成膜工程の詳細は、以下の通りである。
【0104】
「供給条件」
・充填容器:
図1及び
図2に示す7個の充填容器3
・充填容器3の内径:159mm
・充填容器3の高さ:159mm
・充填容器3の材質:SUS316L(EP)
・固体材料:オキシ塩化モリブデン(MoO
2Cl
2)
・総充填量:20kg
・加熱温度:135℃
・設定流量:150sccm
・処理室12の圧力:20Torr
【0105】
「成膜工程」
第1の工程:充填容器3、導出配管4、及び供給配管8を真空引きする。
第2の工程:充填容器3を135℃に加温する。
第3の工程:原料ガス供給経路L3のMFCの供給流量を150sccmに設定する。
第4の工程:処理室12の圧力を20Torrに制御する。
第5の工程:処理室12直近のバルブを開放して、固体材料蒸気の供給を開始する。
第6の工程:充填容器3の圧力が200Torrを下回ったとき、供給系統の切り替えを実施する。
第7の工程:MFCの流量が145sccmを下回ったとき、固体材料蒸気の供給を停止する。
【0106】
「評価結果」
・供給可能時間:7,324min
・総供給量:9.81kg
・材料消費率:49.1%
【0107】
使用後の充填容器3を観察した結果、容器側面と充填された固体材料との間に空隙が確認された。これは、容器側面の伝熱部と容器内に充填された固体材料の中心部との距離が長いため、容器側面の近傍からの昇華が優先的であり、容器中心付近からの昇華が少なかったことによる。すなわち、この空隙に起因する固体材料の加温不具合によって、容器中心付近に充填された固体材料が昇華されず、固体材料の使用可能量が低下した。
この結果より、充填容器3の内径が100mm以上であると、充填された固体材料の内部まで均一に加温することが困難であることが示唆された。
【0108】
(試験例4)
図3に示す成膜装置101に、
図1及び
図2に示す7個の供給ユニットUを有する固体材料供給装置1を使用した。
固体材料の供給条件、及び成膜工程の詳細は、以下の通りである。
【0109】
「供給条件」
・充填容器:
図1及び
図2に示す7個の充填容器3
・充填容器3の内径:126mm
・充填容器3の高さ:252mm
・充填容器3の材質:SUS316L(EP)
・固体材料:オキシ塩化モリブデン(MoO
2Cl
2)
・総充填量:20kg
・加熱温度:135℃
・設定流量:150sccm
・処理室12の圧力:20Torr
【0110】
「成膜工程」
第1の工程:充填容器3、導出配管4、及び供給配管8を真空引きする。
第2の工程:充填容器3を135℃に加温する。
第3の工程:原料ガス供給経路L3のMFCの供給流量を150sccmに設定する。
第4の工程:処理室12の圧力を20Torrに制御する。
第5の工程:処理室12直近のバルブを開放して、固体材料蒸気の供給を開始する。
第6の工程:充填容器3の圧力が200Torrを下回ったとき、供給系統の切り替えを実施する。
第7の工程:MFCの流量が145sccmを下回ったとき、固体材料蒸気の供給を停止する。
【0111】
「評価結果」
・供給可能時間:7,502min
・総供給量:10.04kg
・材料消費率:50.2%
【0112】
使用後の充填容器3を観察した結果、容器側面と充填された固体材料との間に空隙が確認された。これは、容器側面の伝熱部と容器内に充填された固体材料の中心部との距離が長いため、容器側面の近傍からの昇華が優先的であり、容器中心付近からの昇華が少なかったことによる。すなわち、この空隙に起因する固体材料の加温不具合によって、容器中心付近に充填された固体材料が昇華されず、固体材料の使用可能量が低下した。
この結果より、充填容器3の内径が100mm以上であると、充填された固体材料の内部まで均一に加温することが困難であることが示唆された。
【0113】
(試験例5)
図3に示す成膜装置101に、
図1及び
図2に示す7個の供給ユニットUを有する固体材料供給装置1を使用した。
固体材料の供給条件、及び成膜工程の詳細は、以下の通りである。
【0114】
「供給条件」
・充填容器:
図1及び
図2に示す7個の充填容器3
・充填容器3の内径:110mm
・充填容器3の高さ:330mm
・充填容器3の材質:SUS316L(EP)
・固体材料:オキシ塩化モリブデン(MoO
2Cl
2)
・総充填量:20kg
・加熱温度:135℃
・設定流量:150sccm
・処理室12の圧力:20Torr
【0115】
「成膜工程」
第1の工程:充填容器3、導出配管4、及び供給配管8を真空引きする。
第2の工程:充填容器3を135℃に加温する。
第3の工程:原料ガス供給経路L3のMFCの供給流量を150sccmに設定する。
第4の工程:処理室12の圧力を20Torrに制御する。
第5の工程:処理室12直近のバルブを開放して、固体材料蒸気の供給を開始する。
第6の工程:充填容器3の圧力が200Torrを下回ったとき、供給系統の切り替えを実施する。
第7の工程:MFCの流量が145sccmを下回ったとき、固体材料蒸気の供給を停止する。
【0116】
「評価結果」
・供給可能時間:8,998min
・総供給量:12.00kg
・材料消費率:60.0%
【0117】
使用後の充填容器3を観察した結果、容器側面と充填された固体材料との間に空隙が確認された。これは、容器側面の伝熱部と容器内に充填された固体材料の中心部との距離が長いため、容器側面の近傍からの昇華が優先的であり、容器中心付近からの昇華が少なかったことによる。すなわち、この空隙に起因する固体材料の加温不具合によって、容器中心付近に充填された固体材料が昇華されず、固体材料の使用可能量が低下した。
この結果より、充填容器3の内径が100mm以上であると、充填された固体材料の内部まで均一に加温することが困難であることが示唆された。
【0118】
(試験例6)
図3に示す成膜装置101に、
図1及び
図2に示す7個の供給ユニットUを有する固体材料供給装置1を使用した。
固体材料の供給条件、及び成膜工程の詳細は、以下の通りである。
【0119】
「供給条件」
・充填容器:
図1及び
図2に示す7個の充填容器3
・充填容器3の内径:100mm
・充填容器3の高さ:400mm
・充填容器3の材質:SUS316L(EP)
・固体材料:オキシ塩化モリブデン(MoO
2Cl
2)
・総充填量:20kg
・加熱温度:135℃
・設定流量:150sccm
・処理室12の圧力:20Torr
【0120】
「成膜工程」
第1の工程:充填容器3、導出配管4、及び供給配管8を真空引きする。
第2の工程:充填容器3を135℃に加温する。
第3の工程:原料ガス供給経路L3のMFCの供給流量を150sccmに設定する。
第4の工程:処理室12の圧力を20Torrに制御する。
第5の工程:処理室12直近のバルブを開放して、固体材料蒸気の供給を開始する。
第6の工程:充填容器3の圧力が200Torrを下回ったとき、供給系統の切り替えを
実施する。
第7の工程:MFCの流量が145sccmを下回ったとき、固体材料蒸気の供給を停止する。
【0121】
「評価結果」
・供給可能時間:13,191min
・総供給量:17.58kg
・材料消費率:87.9%
【0122】
使用後の各充填容器3を観察した結果、容器側面と充填された固体材料との間に空隙は確認されなかった。これは、複数の小型の充填容器3を用いる形態により、充填容器3に充填された固体材料は中心部まで均一に加温され、容器中心付近と側面に位置する固体材料が均一に昇華されることで、材料消費率が向上した。
以上より、複数の小型の充填容器3と、供給系統切り替え機構とを有することで、固体材料の安定かつ長時間の供給に対して効果的であることが示された。
【0123】
(試験例7)
図3に示す成膜装置101に、
図1及び
図2に示す7個の供給ユニットUを有する固体材料供給装置1を使用した。
固体材料の供給条件、及び成膜工程の詳細は、以下の通りである。
【0124】
「供給条件」
・充填容器:
図1及び
図2に示す7個の充填容器3
・充填容器3の内径:90mm
・充填容器3の高さ:500mm
・充填容器3の材質:SUS316L(EP)
・固体材料:オキシ塩化モリブデン(MoO
2Cl
2)
・総充填量:20kg
・加熱温度:135℃
・設定流量:150sccm
・処理室12の圧力:20Torr
【0125】
「成膜工程」
第1の工程:充填容器3、導出配管4、及び供給配管8を真空引きする。
第2の工程:充填容器3を135℃に加温する。
第3の工程:原料ガス供給経路L3のMFCの供給流量を150sccmに設定する。
第4の工程:処理室12の圧力を20Torrに制御する。
第5の工程:処理室12直近のバルブを開放して、固体材料蒸気の供給を開始する。
第6の工程:充填容器3の圧力が200Torrを下回ったとき、供給系統の切り替えを実施する。
第7の工程:MFCの流量が145sccmを下回ったとき、固体材料蒸気の供給を停止する。
【0126】
「評価結果」
・供給可能時間:13,150min
・総供給量:17.54kg
・材料消費率:87.7%
【0127】
使用後の各充填容器3を観察した結果、容器側面と充填された固体材料との間に空隙は確認されなかった。これは、複数の小型の充填容器3を用いる形態により、充填容器3に充填された固体材料は中心部まで均一に加温され、容器中心付近と側面に位置する固体材料が均一に昇華されることで、材料消費率が向上した。
以上より、複数の小型の充填容器3と、供給系統切り替え機構とを有することで、固体材料の安定かつ長時間の供給に対して効果的であることが示された。
【0128】
<検証結果>
試験例2~7では、7つの充填容器3の容積が同一となるように、充填容器3の内径および高さを変更して、供給評価を実施した。結果を以下の表2に示す。
【0129】
【0130】
また、
図6は、充填容器の内径に対する充填容器の表面積および材料消費率の関係を示す。
図6に示すように、充填容器の容積を一定とした場合、充填容器の内径が小さくなるにつれ、充填容器の表面積は増加する。すなわち、加熱器による加温面積の増大、および伝熱部と固体材料中心部との距離が短くなるにつれて、固体材料を均一に加温することが可能になり、材料消費率が改善することが確認された。特に、充填容器の内径が100mm以下の場合、材料消費率の著しい向上が確認された。
【符号の説明】
【0131】
1・・・固体材料供給装置
2・・・収容容器
3・・・充填容器
4・・・導出配管
5・・・加熱器
6・・・配管加熱器
7,9・・・開閉弁
8・・・供給配管
10・・・成膜装置
12・・・処理室(チャンバ)
13・・・自動圧力制御装置
14,15・・・減圧装置
P・・・被処理基材
S・・・固体材料(固体の材料)
U・・・供給ユニット
L1・・・キャリアガス供給経路
L2・・・排気経路
L3・・・原料ガス供給経路
L4・・・排気経路