(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】ブランクマスク及びそれを用いたフォトマスク
(51)【国際特許分類】
G03F 1/58 20120101AFI20240426BHJP
G03F 1/80 20120101ALI20240426BHJP
【FI】
G03F1/58
G03F1/80
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023056461
(22)【出願日】2023-03-30
【審査請求日】2023-04-05
(31)【優先権主張番号】10-2022-0058833
(32)【優先日】2022-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】505232852
【氏名又は名称】エスケー エンパルス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SK enpulse Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1043,Gyeonggi-daero,Pyeongtaek-si,Gyeonggi-do 17784, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソンユン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ソンフン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ミンギョ
(72)【発明者】
【氏名】シン、インキュン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、スクヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ヒョンジュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、スヒョン
【審査官】大門 清
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-003255(JP,A)
【文献】特開2017-027006(JP,A)
【文献】特開2007-178498(JP,A)
【文献】特開2016-197225(JP,A)
【文献】特開2019-185063(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2377406(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 1/58
G03F 1/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性基板、及び前記光透過性基板上に配置される遮光膜を含み、
前記遮光膜は、遷移金属及び酸素を含み、
前記遮光膜上に波長172nm及び強度10kJ/cm
2の光を照射する際に、スカム(scum)形成の所要時間が120分以上である、ブランクマスク。
【請求項2】
前記遮光膜の表面の前記遷移金属の含量は30at%~50at%である、請求項1に記載のブランクマスク。
【請求項3】
前記遮光膜の表面の前記酸素の含量は35at%~55at%である、請求項1に記載のブランクマスク。
【請求項4】
前記遮光膜は、第1遮光層、及び前記第1遮光層上に配置される第2遮光層を含み、
アルゴンガスでエッチングして測定した前記第2遮光層のエッチング速度が0.4Å/s以上0.5Å/s以下である、請求項1に記載のブランクマスク。
【請求項5】
アルゴンガスでエッチングして測定した前記第1遮光層のエッチング速度が0.56Å/s以上である、請求項4に記載のブランクマスク。
【請求項6】
塩素系ガスでエッチングして測定した前記遮光膜のエッチング速度は1.3Å/s以上である、請求項1に記載のブランクマスク。
【請求項7】
前記遮光膜は、第1遮光層、及び前記第1遮光層上に配置される第2遮光層を含み、
前記第2遮光層は、前記遷移金属を50at%~80at%含み、前記酸素を10at%以上含む、請求項1に記載のブランクマスク。
【請求項8】
前記遷移金属は、Cr、Ta、Ti及びHfのうちの少なくともいずれか1つを含む、請求項1に記載のブランクマスク。
【請求項9】
前記遮光膜は、第1遮光層、及び前記第1遮光層上に配置される第2遮光層を含み、
前記遮光膜の厚さに対する前記第2遮光層の厚さの比率は0.05~0.15である、請求項1に記載のブランクマスク。
【請求項10】
光透過性基板、及び前記光透過性基板上に配置される遮光パターン膜を含み、
前記遮光パターン膜は、遷移金属及び酸素を含み、
前記遮光パターン膜上に波長172nm及び強度10kJ/cm
2の光を照射する際に、スカム(scum)形成の所要時間が120分以上である、フォトマスク。
【請求項11】
光源、フォトマスク、及びレジスト膜が塗布された半導体ウエハを配置する準備ステップと、前記フォトマスクを介して、前記光源から入射された光を前記半導体ウエハ上に選択的に透過させて出射する露光ステップと、前記半導体ウエハ上にパターンを現像する現像ステップとを含み、
前記フォトマスクは、光透過性基板、及び前記光透過性基板上に配置される遮光パターン膜を含み、
前記遮光パターン膜は、遷移金属及び酸素を含み、
前記遮光パターン膜上に波長172nm及び強度10kJ/cm
2の光を照射する際に、スカム(scum)形成の所要時間が120分以上である、半導体素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
具現例は、ブランクマスク及びそれを用いたフォトマスクなどに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスなどの高集積化により、半導体デバイスの回路パターンの微細化が求められている。これにより、ウエハの表面上にフォトマスクを用いて回路パターンを現像する技術であるリソグラフィー技術の重要性が益々高まっている。
【0003】
微細化された回路パターンを現像するためには、露光工程で用いられる露光光源の短波長化が要求される。最近用いられている露光光源としてはArFエキシマレーザー(波長193nm)などがある。
【0004】
一方、フォトマスクにはバイナリマスク(Binary mask)と位相反転マスク(Phase shift mask)などがある。
【0005】
バイナリマスクは、光透過性基板上に遮光層パターンが形成された構成を有する。バイナリマスクのパターンが形成された面において、遮光層を含まない透過部は露光光を透過させ、遮光層を含む遮光部は露光光を遮断することによって、ウエハ表面のレジスト膜上にパターンを露光させる。但し、バイナリマスクのパターンが微細化されるほど、露光工程で透過部の縁部で光の回折が発生して、微細パターンの現像に問題が発生することがある。
【0006】
位相反転マスクとしては、レベンソン型(Levenson type)、アウトリガー型(Outrigger type)、及びハーフトーン型(Half-tone type)がある。その中でハーフトーン型位相反転マスクは、光透過性基板上に半透過膜パターンが形成された構成を有する。ハーフトーン型位相反転マスクのパターンが形成された面において、半透過層を含まない透過部は露光光を透過させ、半透過層を含む半透過部は減衰された露光光を透過させる。前記減衰された露光光は、透過部を通過した露光光と比較して位相差を有するようになる。これにより、透過部の縁部で発生する回折光は、半透過部を透過した露光光によって相殺され、位相反転マスクは、ウエハの表面にさらに精巧な微細パターンを形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】日本登録特許第6830985号
【文献】韓国登録特許第10-1579848号
【文献】日本登録特許第6571224号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
具現例の目的は、優れた遮光特性を有する遮光膜を含み、パターニング時の反復的な露光工程でも安定した解像度を有するブランクマスクなどを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書の一実施例に係るブランクマスクは、光透過性基板、及び前記光透過性基板上に配置される遮光膜を含む。
【0010】
前記遮光膜は、遷移金属及び酸素を含む。
【0011】
前記遮光膜上に波長172nm及び強度10kJ/cm2の光を照射する際に、スカム(scum)形成の所要時間が120分以上である。
【0012】
前記遮光膜の表面の遷移金属の含量は30at%~50at%であってもよい。
【0013】
前記遮光膜の表面の酸素の含量は35at%~55at%であってもよい。
【0014】
前記遮光膜は、第1遮光層、及び前記第1遮光層上に配置される第2遮光層を含むことができる。
【0015】
アルゴンガスでエッチングして測定した前記第2遮光層のエッチング速度が0.4Å/s以上0.5Å/s以下であってもよい。
【0016】
アルゴンガスでエッチングして測定した前記第1遮光層のエッチング速度が0.56Å/s以上であってもよい。
【0017】
塩素系ガスでエッチングして測定した前記遮光膜のエッチング速度は1.3Å/s以上であってもよい。
【0018】
前記遮光膜は、第1遮光層、及び前記第1遮光層上に配置される第2遮光層を含むことができる。
【0019】
前記第2遮光層は、遷移金属を50at%~80at%含み、酸素を10at%以上含むことができる。
【0020】
前記遷移金属は、Cr、Ta、Ti及びHfのうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0021】
前記遮光膜は、第1遮光層、及び前記第1遮光層上に配置される第2遮光層を含むことができる。
【0022】
前記遮光膜の厚さに対する前記第2遮光層の厚さの比率は0.05~0.15であってもよい。
【0023】
本明細書の他の実施例に係るフォトマスクは、光透過性基板、及び前記光透過性基板上に配置される遮光パターン膜を含む。
【0024】
前記遮光パターン膜は、遷移金属及び酸素を含む。
【0025】
前記遮光パターン膜上に波長172nm及び強度10kJ/cm2の光を照射する際に、スカム(scum)形成の所要時間が120分以上である。
【0026】
本明細書の更に他の実施例に係る半導体素子の製造方法は、光源、フォトマスク、及びレジスト膜が塗布された半導体ウエハを配置する準備ステップと、前記フォトマスクを介して、前記光源から入射された光を前記半導体ウエハ上に選択的に透過させて出射する露光ステップと、前記半導体ウエハ上にパターンを現像する現像ステップとを含む。
【0027】
前記フォトマスクは、光透過性基板、及び前記光透過性基板上に配置される遮光パターン膜を含む。
【0028】
前記遮光パターン膜は、遷移金属及び酸素を含む。
【0029】
前記遮光パターン膜上に波長172nm及び強度10kJ/cm2の光を照射する際に、スカム(scum)形成の所要時間が120分以上である。
【発明の効果】
【0030】
具現例に係るブランクマスクなどは、優れた遮光特性を有する遮光膜を含み、パターンの具現時の反復的な露光工程でも安定した解像度を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本明細書が開示する一実施例に係るブランクマスクを説明する概念図である。
【
図2】本明細書が開示する他の実施例に係るブランクマスクを説明する概念図である。
【
図3】本明細書が開示する更に他の実施例に係るブランクマスクを説明する概念図である。
【
図4】本明細書が開示する更に他の実施例に係るフォトマスクを説明する概念図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、具現例の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、実施例について詳細に説明する。しかし、具現例は、様々な異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0033】
本明細書で使用される程度の用語「約」、「実質的に」などは、言及された意味に固有の製造及び物質の許容誤差が提示されるとき、その数値で又はその数値に近接した意味で使用され、具現例の理解を助けるために正確又は絶対的な数値が言及された開示内容を非良心的な侵害者が不当に利用することを防止するために使用される。
【0034】
本明細書全体において、マーカッシュ形式の表現に含まれた「これらの組み合わせ」という用語は、マーカッシュ形式の表現に記載された構成要素からなる群から選択される1つ以上の混合又は組み合わせを意味するものであって、前記構成要素からなる群から選択される1つ以上を含むことを意味する。
【0035】
本明細書全体において、「A及び/又はB」の記載は、「A、B、または、A及びB」を意味する。
【0036】
本明細書全体において、「第1」、「第2」又は「A」、「B」のような用語は、特に説明がない限り、同一の用語を互いに区別するために使用される。
【0037】
本明細書において、A上にBが位置するという意味は、A上にBが位置したり、それらの間に別の層が位置しながらA上にBが位置したりすることができることを意味し、Aの表面に当接してBが位置することに限定されて解釈されない。
【0038】
本明細書において、単数の表現は、特に説明がなければ、文脈上解釈される単数又は複数を含む意味で解釈される。
【0039】
遷移金属が適用された遮光パターン膜が露光光に露出される場合、前記遷移金属は、イオン化されて他の位置に移動し得る。遮光パターン膜が露光工程に長期間使用される場合、遷移金属イオンの移動が累積して、遮光パターン膜の形状にかなりの変形が発生することがある。これは、フォトマスクの解像度が低下する原因となり得る。特に、パターニングされた遮光膜の線幅が狭いほど、パターンの変形がフォトマスクの解像度に及ぼす影響がさらに大きい。
【0040】
具現例の発明者らは、高エネルギーの光照射による遮光膜のスカム形成の所要時間を制御するなどの方法を通じて、耐光性に優れ、反復的な露光工程でも安定した解像度を有するブランクマスクなどを提供できることを確認し、具現例を完成した。
【0041】
以下、具現例について具体的に説明する。
【0042】
図1は、本明細書が開示する一実施例に係るブランクマスクを説明する概念図である。前記
図1を参照して具現例のブランクマスクを説明する。
【0043】
ブランクマスク100は、光透過性基板10、及び前記光透過性基板10上に配置される遮光膜20を含む。
【0044】
光透過性基板10の素材は、露光光に対する光透過性を有し、ブランクマスク100に適用できる素材であれば制限されない。具体的には、光透過性基板10の波長193nmの露光光に対する透過率は85%以上であってもよい。前記透過率は87%以上であってもよい。前記透過率は99.99%以下であってもよい。例示的に、光透過性基板10は合成クォーツ基板が適用されてもよい。このような場合、光透過性基板10は、前記光透過性基板10を透過する光の減衰(attenuated)を抑制することができる。
【0045】
また、光透過性基板10の平坦度及び粗さなどの表面特性を調節して、ブランクマスク100の光学歪みの発生を抑制することができる。
【0046】
遮光膜20は、光透過性基板10の上面(top side)上に位置することができる。
【0047】
遮光膜20は、光透過性基板10の下面(bottom side)側に入射する露光光の少なくとも一部を遮断する特性を有することができる。また、光透過性基板10と遮光膜20との間に位相反転膜30(
図3参照)などが位置する場合、前記位相反転膜30などをパターンの形状通りにエッチングする工程で遮光膜20をエッチングマスクとして使用できる。
【0048】
遮光膜20は、遷移金属及び酸素を含む。
【0049】
遮光膜の表面の組成
遮光膜20の表面の遷移金属の含量は30at%~50at%である。
【0050】
具現例は、遮光膜20の表面の遷移金属の含量を制御することができる。これを通じて、露光光に直接的に露出される遷移金属原子の数を減少させて、遮光膜20に由来するディフェクトが形成されることを抑制することができる。これと同時に、遮光膜20をドライエッチングする過程において、遮光膜20の表面部のエッチング速度が過度に高くなることを抑制することができる。
【0051】
遮光膜20の表面の遷移金属の含量は50at%以下であってもよい。前記含量は45at%以下であってもよい。前記含量は40at%以下であってもよい。前記含量は30at%以上であってもよい。前記含量は35at%以上であってもよい。このような場合、遮光膜は、安定した消光特性を有すると共に、耐光性が向上することができる。
【0052】
具現例は、遮光膜20の表面の酸化の程度を制御することができる。これを通じて、光に対する遷移金属の反応性を低下させることができ、遷移金属がイオン化されて遮光膜20の表面から離脱することを抑制することができる。
【0053】
遮光膜20の表面の酸素の含量は35at%以上であってもよい。前記含量は40at%以上であってもよい。前記含量は45at%以上であってもよい。前記含量は55at%以下であってもよい。前記含量は52at%以下であってもよい。前記含量は50at%以下であってもよい。このような場合、遷移金属のマイグレーション(migration)が抑制された遮光膜を提供することができる。
【0054】
遮光膜20の表面の窒素の含量は1at%以上であってもよい。前記含量は2at%以上であってもよい。前記含量は10at%以下であってもよい。
【0055】
遮光膜20の表面の炭素の含量は5at%以上であってもよい。前記含量は10at%以上であってもよい。前記含量は25at%以下であってもよい。前記含量は20at%以下であってもよい。
【0056】
遮光膜20の表面の元素別の含量は、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)成分分析器を通じて測定する。例示的に、各薄膜の元素別の含量は、サーモサイエンティフィック(Thermo Scientific)社のK-alphaモデルを通じて測定することができる。
【0057】
遮光膜の耐光性
遮光膜20上に波長172nm及び強度10kJ/cm2の光を照射する際に、スカム(scum)形成の所要時間が120分以上である。
【0058】
スカム(scum)は、遮光膜に由来した欠陥である。スカムは遷移金属化合物を含む。
【0059】
前記スカム形成の所要時間は、遮光膜20の表面の遷移金属の含量だけでなく、遷移金属の結晶構造にも影響を受けるパラメータである。具体的に、遮光膜20に遷移金属の結晶化が発生すると、遮光膜20の表面に結晶粒界が形成され得る。結晶粒界は、遷移金属原子間の結合が他の領域に比べて相対的に弱く、反応性が高い特性を有し得る。すなわち、同じ遷移金属含量が適用された遮光膜でも、遮光膜内の遷移金属の結晶構造に応じて異なる耐光性を有し得る。
【0060】
具現例は、遮光膜20の表面の組成と共に、遮光膜のスカム形成の所要時間を制御することができる。これを通じて、遮光膜20の表面の結晶粒界の密度を調節して、遮光膜がさらに向上した耐光性を有するようにすることができる。
【0061】
遮光膜20のスカム形成の所要時間の測定方法は、次の通りである。スカムを容易に把握するために、遮光膜内に一定の線幅を有する透過パターンを形成する。その後、UV露光加速器を用いて、遮光膜の表面に波長172nm及び強度10kJ/cm2の光照射を行う。光を照射する過程において、30分単位で遮光膜の表面イメージをSEM(Scanning Electron Microscopy)で測定し、スカムが形成されたか否かを判定する。スカムが観察されるまで同じ方法で光照射を繰り返す。
【0062】
遮光膜20上に波長172nm及び強度10kJ/cm2の光を照射する際に、スカム(scum)形成の所要時間が120分以上であってもよい。前記スカム形成の所要時間が150分以上であってもよい。前記スカム形成の所要時間が300分以下であってもよい。前記スカム形成の所要時間が200分以下であってもよい。このような場合、遮光膜の表面の結晶粒界の密度をさらに減少させることで、遮光膜の耐光特性をさらに向上させることができる。
【0063】
遮光膜のエッチング特性
図2は、本明細書が開示する他の実施例に係るブランクマスクを説明する概念図である。前記
図2を参照して具現例のブランクマスクを説明する。
【0064】
遮光膜20は、第1遮光層21、及び前記第1遮光層21上に配置される第2遮光層22を含むことができる。
【0065】
アルゴンガスでエッチングして測定した第2遮光層22のエッチング速度が0.4Å/s以上0.5Å/s以下であってもよい。
【0066】
アルゴンガスをエッチャント(etchant)として適用して行った乾式エッチングは、エッチャントと遮光膜20との間に実質的に化学反応を伴わない物理的エッチングに該当する。アルゴンガスをエッチャントとして測定したエッチング速度は、遮光膜20内の各層の組成、化学反応性などに対して独立しており、前記各層の結晶粒界の密度を効果的に反映できるパラメータであると考えられる。
【0067】
具現例は、アルゴンガスでエッチングして測定した第2遮光層のエッチング速度を制御することができる。これを通じて、遮光膜の上部の結晶粒界の密度を調節し、露光による遷移金属のイオン化及びマイグレーションを効果的に抑制することができる。
【0068】
アルゴンガスでエッチングして第1遮光層21及び第2遮光層22のエッチング速度を測定する方法は、以下の通りである。
【0069】
まず、TEM(Transmission Electron Microscopy)を用いて第1遮光層21及び第2遮光層22の厚さを測定する。具体的には、測定対象であるブランクマスク100を横15mm、縦15mmのサイズに加工して試験片を準備する。前記試験片の表面をFIB(Focused Ion Beam)処理した後、表面処理された試験片をTEMイメージ測定装備内に配置し、前記試験片のTEMイメージを測定する。前記TEMイメージから第1遮光層21及び第2遮光層22の厚さを算出する。例示的に、TEMイメージは、JEOL LTD社のJEM-2100F HRモデルを通じて測定することができる。
【0070】
その後、前記試験片の第1遮光層21及び第2遮光層22をアルゴンガスでエッチングし、各層をエッチングするのにかかる時間を測定する。具体的には、前記試験片をXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)測定装備内に配置し、前記試験片の中央部に位置する横4mm、縦2mmの領域をアルゴンガスでエッチングして、各層別のエッチング時間を測定する。エッチング時間の測定時に、測定装備内の真空度は1.0×10-8mbar、X-rayソース(Source)はMonochromator Al Kα(1486.6eV)、アノード電力は72W、アノード電圧は12kV、アルゴンイオンビームの電圧は1kVとして適用する。例示的に、XPS測定装備は、サーモサイエンティフィック(Thermo Scientific)社のK-Alphaモデルを適用することができる。
【0071】
測定された第1遮光層21及び第2遮光層22の厚さ及びエッチング時間から、アルゴンガスでエッチングして測定した各層のエッチング速度を算出する。
【0072】
アルゴンガスでエッチングして測定した前記第2遮光層22のエッチング速度が0.4Å/s以上0.5Å/s以下であってもよい。前記エッチング速度が0.41Å/s以上であってもよい。前記エッチング速度が0.5Å/s以下であってもよい。前記エッチング速度が0.47Å/s以下であってもよい。前記エッチング速度が0.45Å/s以下であってもよい。このような場合、遮光膜の上部が低い結晶粒界の密度を有することができ、遮光膜の耐光性が向上することができる。
【0073】
アルゴンガスでエッチングして測定した前記第1遮光層21のエッチング速度が0.56Å/s以上であってもよい。前記エッチング速度が0.58Å/s以上であってもよい。前記エッチング速度が0.6Å/s以上であってもよい。前記エッチング速度が1Å/s以下であってもよい。前記エッチング速度が0.8Å/s以下であってもよい。このような場合、遮光膜20のパターニング時に、パターニングされた遮光膜20の側面が、基板の表面からさらに垂直に近い形状を有するように助けることができ、遮光膜20のエッチング速度が過度に低くなることを防止することができる。
【0074】
具現例は、塩素系ガスでエッチングして測定した遮光膜20のエッチング速度を制御することができる。これを通じて、遮光膜20のパターニング時に、さらに薄いレジスト膜を適用できるようにすることができ、遮光膜20のパターニング過程でレジストパターン膜が崩れる現象を抑制することができる。
【0075】
塩素系ガスに対する遮光膜20のエッチング速度を測定する方法は、以下の通りである。
【0076】
まず、遮光膜20のTEMイメージを測定して遮光膜20の厚さを測定する。遮光膜20のTEMイメージを測定する方法は、前述した内容と重複するので省略する。
【0077】
その後、塩素系ガスで遮光膜20をエッチングしてエッチング時間を測定する。塩素系ガスは、塩素気体を90~95体積比%、酸素気体を5~10体積比%含むガスを適用する。測定した遮光膜20の厚さ及びエッチング時間から、塩素系ガスでエッチングして測定した遮光膜20のエッチング速度を算出する。
【0078】
塩素系ガスでエッチングして測定した遮光膜20のエッチング速度は1.3Å/s以上であってもよい。前記エッチング速度は1.6Å/s以上であってもよい。前記エッチング速度は1.7Å/s以上であってもよい。前記エッチング速度は3Å/s以下であってもよい。前記エッチング速度は2Å/s以下であってもよい。このような場合、遮光膜のパターニング時に、相対的に薄い厚さのレジスト膜を遮光膜上に形成できるので、さらに精巧な遮光膜パターンを実現することができる。
【0079】
遮光膜の組成
具現例は、遮光膜の露光光に対する反応性、消光特性、エッチング特性などを考慮して、各層別の元素別の含量を制御することができる。
【0080】
第2遮光層22は、遷移金属及び酸素を含むことができる。第2遮光層22は遷移金属を50at%以上含んでもよい。第2遮光層22は遷移金属を55at%以上含んでもよい。第2遮光層22は遷移金属を60at%以上含んでもよい。第2遮光層22は遷移金属を65at%以上含んでもよい。第2遮光層22は遷移金属を80at%以下含んでもよい。第2遮光層22は遷移金属を75at%以下含んでもよい。
【0081】
第2遮光層22は酸素を10at%以上含んでもよい。第2遮光層22は酸素を12at%以上含んでもよい。第2遮光層22は酸素を30at%以下含んでもよい。第2遮光層22は酸素を25at%以下含んでもよい。第2遮光層22は酸素を20at%以下含んでもよい。
【0082】
このような場合、第2遮光層に含まれた遷移金属の酸化の程度が制御されることで、光照射による遷移金属原子の反応性を低下させることができ、第2遮光層が安定した遮光性を有することができる。また、エッチングガスに対する第2遮光層のエッチング速度が制御されることで、前記遮光膜から具現された遮光パターン膜の側面が、光透過性基板の表面から垂直に近く形成され得る。
【0083】
第2遮光層22は窒素をさらに含むことができる。第2遮光層22は炭素をさらに含むことができる。
【0084】
第2遮光層22は窒素を3at%以上含んでもよい。第2遮光層22は窒素を5at%以上含んでもよい。第2遮光層22は窒素を20at%以下含んでもよい。第2遮光層22は窒素を15at%以下含んでもよい。
【0085】
第2遮光層22は炭素を1at%以上含んでもよい。第2遮光層22は炭素を10at%以下含んでもよい。
【0086】
このような場合、遮光膜20内の各層のエッチング速度を、具現例で予め設定した範囲に容易に調節されるように助けることができる。
【0087】
第1遮光層21は、遷移金属と、酸素及び窒素を含むことができる。第1遮光層21は遷移金属を20at%以上含んでもよい。第1遮光層21は遷移金属を25at%以上含んでもよい。第1遮光層21は遷移金属を30at%以上含んでもよい。第1遮光層21は遷移金属を35at%以上含んでもよい。第1遮光層21は遷移金属を60at%以下含んでもよい。第1遮光層21は遷移金属を55at%以下含んでもよい。第1遮光層21は遷移金属を50at%以下含んでもよい。
【0088】
第1遮光層21は酸素を20at%以上含んでもよい。第1遮光層21は酸素を25at%以上含んでもよい。第1遮光層21は酸素を30at%以上含んでもよい。第1遮光層21は酸素を50at%以下含んでもよい。第1遮光層21は酸素を45at%以下含んでもよい。第1遮光層21は酸素を40at%以下含んでもよい。
【0089】
第1遮光層21は窒素を3at%以上含んでもよい。第1遮光層21は窒素を7at%以上含んでもよい。第1遮光層21は窒素を20at%以下含んでもよい。第1遮光層21は窒素を15at%以下含んでもよい。
【0090】
第1遮光層21は炭素を5at%以上含んでもよい。第1遮光層21は炭素を10at%以上含んでもよい。第1遮光層21は炭素を25at%以下含んでもよい。第1遮光層21は炭素を20at%以下含んでもよい。
【0091】
このような場合、第1遮光層21は、遮光膜20に優れた消光特性を付与することができる。また、第1遮光層21のエッチング速度が制御されることで、精巧な遮光パターン膜を実現することができる。
【0092】
第2遮光層22の遷移金属の含量から第1遮光層21の遷移金属の含量を引いた値の絶対値は15at%以上であってもよい。前記絶対値は20at%以上であってもよい。前記絶対値は25at%以上であってもよい。前記絶対値は45at%以下であってもよい。前記絶対値は40at%以下であってもよい。前記絶対値は35at%以下であってもよい。このような場合、パターニングされた遮光膜の側面が光透過性基板から垂直に近い形状を有するように各層のエッチング特性が制御され得る。
【0093】
遷移金属は、Cr、Ta、Ti及びHfのうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。遷移金属はCrであってもよい。
【0094】
遮光膜20の各層別の元素別の含量は、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)を用いたデプスプロファイル(depth profile)を測定して確認できる。具体的には、ブランクマスク100を横15mm、縦15mmのサイズに加工して試験片を準備する。その後、前記試験片をXPS測定装備内に配置し、前記サンプルの中心部に位置する横4mm、縦2mmの領域をエッチングして各層の元素別の含量を測定する。
【0095】
例示的に、各薄膜の元素別の含量は、サーモサイエンティフィック(Thermo Scientific)社のK-alphaモデルを通じて測定することができる。
【0096】
遮光膜の厚さ
遮光膜の厚さに対する第2遮光層の厚さの比率は0.05~0.15であってもよい。前記厚さの比率は0.07以上であってもよい。前記厚さの比率は0.12以下であってもよい。
【0097】
第1遮光層21の厚さは25nm以上であってもよい。前記厚さは30nm以上であってもよい。前記厚さは35nm以上であってもよい。前記厚さは40nm以上であってもよい。前記厚さは65nm以下であってもよい。前記厚さは60nm以下であってもよい。前記厚さは55nm以下であってもよい。前記厚さは50nm以下であってもよい。
【0098】
第2遮光層22の厚さは2nm以上であってもよい。前記厚さは5nm以上であってもよい。前記厚さは20nm以下であってもよい。前記厚さは15nm以下であってもよい。前記厚さは10nm以下であってもよい。
【0099】
このような場合、遮光膜をパターニングして具現された遮光パターン膜の形状制御を容易にすることができ、遮光膜が露光光を実質的に遮断するのに十分な遮光性を有するようにすることができる。
【0100】
遮光膜20の厚さは27nm以上であってもよい。前記厚さは35nm以上であってもよい。前記厚さは40nm以上であってもよい。前記厚さは45nm以上であってもよい。前記厚さは85nm以下であってもよい。前記厚さは75nm以下であってもよい。前記厚さは65nm以下であってもよい。前記厚さは57nm以下であってもよい。このような場合に、遮光膜は安定した遮光効果を示すことができる。
【0101】
遮光膜の光学特性
波長193nmの光に対する遮光膜20の光学密度が1.3以上であってもよい。前記光学密度が1.4以上であってもよい。
【0102】
波長193nmの光に対する遮光膜20の透過率が1%以下であってもよい。前記透過率が0.5%以下であってもよい。前記透過率が0.2%以下であってもよい。
【0103】
このような場合、遮光膜20は、露光光の透過を効果的に遮断することを助けることができる。
【0104】
遮光膜20の光学密度及び透過率は、分光エリプソメータ(spectroscopic ellipsometer)を用いて測定できる。例示的に、遮光膜20の光学密度及び透過率は、ナノビュー社のMG-Proモデルを用いて測定できる。
【0105】
その他の薄膜
図3は、本明細書の更に他の実施例に係るブランクマスクを説明する概念図である。前記
図3を参照して、以下の内容を説明する。
【0106】
光透過性基板10と遮光膜20との間に位相反転膜30が配置され得る。位相反転膜30は、前記位相反転膜30を透過する露光光の光強度を減衰し、露光光の位相差を調節して、転写パターンの縁部に発生する回折光を実質的に抑制する薄膜である。
【0107】
波長193nmの光に対する位相反転膜30の位相差が170~190°であってもよい。波長193nmの光に対する位相反転膜30の位相差が175~185°であってもよい。
【0108】
波長193nmの光に対する位相反転膜30の透過率が3~10%であってもよい。波長193nmの光に対する位相反転膜30の透過率が4~8%であってもよい。
【0109】
このような場合、パターン膜の縁部で発生し得る回折光を効果的に抑制することができる。
【0110】
波長193nmの光に対する位相反転膜30と遮光膜20を含む薄膜の光学密度が3以上であってもよい。波長193nmの光に対する位相反転膜30と遮光膜20を含む薄膜の光学密度が5以下であってもよい。このような場合、前記薄膜は、露光光の透過を効果的に抑制することができる。
【0111】
位相反転膜30の位相差、透過率、及び位相反転膜30と遮光膜20を含む薄膜の光学密度は、分光エリプソメータを用いて測定できる。例示的に、分光エリプソメータは、ナノビュー社のMG-Proモデルを用いることができる。
【0112】
位相反転膜30は、遷移金属及び珪素を含んでもよい。位相反転膜30は、遷移金属、珪素、酸素及び窒素を含んでもよい。前記遷移金属はモリブデンであってもよい。
【0113】
遮光膜20上にハードマスク(図示せず)が位置することができる。ハードマスクは、遮光膜20のパターンエッチング時にエッチングマスクの機能を行うことができる。ハードマスクは、珪素、窒素及び酸素を含むことができる。
【0114】
遮光膜上にレジスト膜(図示せず)が位置することができる。レジスト膜は、遮光膜の上面に接して形成されてもよい。レジスト膜は、遮光膜上に配置された他の薄膜の上面に接して形成されてもよい。
【0115】
レジスト膜は、電子ビームの照射及び現像を通じてレジストパターン膜を形成することができる。レジストパターン膜は、遮光膜20のパターンエッチング時にエッチングマスクの機能を行うことができる。
【0116】
レジスト膜は、ポジティブレジスト(positive resist)が適用されてもよい。レジスト膜は、ネガティブレジスト(negative resist)が適用されてもよい。例示的に、レジスト膜は、Fuji社のFEP255モデルを適用することができる。
【0117】
フォトマスク
図4は、本明細書の更に他の実施例に係るフォトマスクを説明する概念図である。前記
図4を参照して、以下の内容を説明する。
【0118】
本明細書の更に他の実施例に係るフォトマスク200は、光透過性基板10、及び前記光透過性基板10上に配置される遮光パターン膜25を含む。
【0119】
遮光パターン膜は、遷移金属及び酸素を含む。
【0120】
遮光パターン膜上に波長172nm及び強度10kJ/cm2の光を照射する際に、スカム形成の所要時間が120分以上である。
【0121】
フォトマスク200に含まれた光透過性基板10についての説明は、前述した内容と重複するので省略する。
【0122】
遮光パターン膜25は、前述した遮光膜20をパターニングして形成することができる。
【0123】
遮光パターン膜25の層構造、物性、組成などについての説明は、先の遮光膜20についての説明と重複するので省略する。
【0124】
遮光膜の製造方法
本明細書の一実施例に係るブランクマスクの製造方法は、遷移金属を含むスパッタリングターゲット及び光透過性基板をスパッタリングチャンバ内に配置する準備ステップと、光透過性基板上に遮光膜を成膜する成膜ステップと、遮光膜を熱処理する熱処理ステップとを含む。
【0125】
準備ステップにおいて、遮光膜の組成を考慮して、遮光膜を成膜する際のターゲットを選択することができる。
【0126】
スパッタリングターゲットは、Cr、Ta、Ti及びHfのうちの少なくともいずれか1つを90重量%以上含んでもよい。スパッタリングターゲットは、Cr、Ta、Ti及びHfのうちの少なくともいずれか1つを95重量%以上含んでもよい。スパッタリングターゲットは、Cr、Ta、Ti及びHfのうちの少なくともいずれか1つを99重量%以上含んでもよい。スパッタリングターゲットは、Cr、Ta、Ti及びHfのうちの少なくともいずれか1つを100重量%以下含んでもよい。
【0127】
スパッタリングターゲットはCrを90重量%以上含んでもよい。スパッタリングターゲットはCrを95重量%以上含んでもよい。スパッタリングターゲットはCrを99重量%以上含んでもよい。スパッタリングターゲットはCrを99.9重量%以上含んでもよい。スパッタリングターゲットはCrを99.97重量%以上含んでもよい。スパッタリングターゲットはCrを100重量%以下含んでもよい。
【0128】
準備ステップにおいて、スパッタリングチャンバ内にマグネットを配置することができる。マグネットは、スパッタリングターゲットにおけるスパッタリングが発生する一面と対向する面に配置され得る。
【0129】
成膜ステップは、光透過性基板上に第1遮光層を成膜する第1遮光層成膜過程、及び前記第1遮光層上に第2遮光層を成膜する第2遮光層成膜過程を含むことができる。
【0130】
成膜ステップにおいて、遮光膜に含まれた各層別にスパッタリング工程の条件を異なって適用することができる。具体的には、各層別に要求される結晶化特性、消光特性及びエッチング特性などを考慮して、雰囲気ガスの組成、スパッタリングターゲットに加える電力、成膜時間などの各種工程条件を各層別に異なって適用することができる。
【0131】
雰囲気ガスは反応性ガスを含むことができる。反応性ガスは、成膜される薄膜を構成する元素を含むガスである。
【0132】
雰囲気ガスは、プラズマ雰囲気でイオン化してターゲットと衝突するスパッタリングガスを含むことができる。
【0133】
雰囲気ガスは、成膜される薄膜の応力を調節する応力調節ガスをさらに含むことができる。
【0134】
スパッタリングガスは、Ar、Ne及びKrのうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。スパッタリングガスはArであってもよい。
【0135】
応力調節ガスはHeを含むことができる。応力調節ガスはHeであってもよい。
【0136】
反応性ガスは、窒素を含むガスを含むことができる。前記窒素を含むガスは、例示的にN2、NO、NO2、N2O、N2O3、N2O4、N2O5などであってもよい。反応性ガスは、酸素を含むガスを含むことができる。前記酸素を含むガスは、例示的にO2、CO2などであってもよい。反応性ガスは、窒素を含むガス、及び酸素を含むガスを含むことができる。前記反応性ガスは、窒素と酸素の両方を含むガスを含むことができる。前記窒素と酸素の両方を含むガスは、例示的にNO、NO2、N2O、N2O3、N2O4、N2O5などであってもよい。
【0137】
スパッタリングターゲットに電力を加える電源は、DC電源を使用してもよく、またはRF電源を使用してもよい。
【0138】
成膜ステップにおいて、光透過性基板の温度を具現例で予め設定した範囲内に制御して、成膜される遮光膜の表面の結晶粒界の密度を制御することができる。成膜される薄膜の発熱を迅速に制御して、遷移金属の結晶粒界の形成を効果的に抑制することができる。
【0139】
光透過性基板の温度は、冷却手段を介した冷却処理を通じて制御することができる。具体的に、温度が制御された冷媒を基板の周辺部またはスパッタリングチャンバの外部で循環させることで、スパッタリング過程で発生する熱を除去することができる。冷媒は、流体を適用することができ、例示的に水を適用してもよい。
【0140】
光透過性基板の温度は、温度測定センサを介して測定することができる。
【0141】
成膜ステップにおいて、光透過性基板の温度は10℃以上であってもよい。前記温度は15℃以上であってもよい。前記温度は20℃以上であってもよい。前記温度は40℃以下であってもよい。前記温度は35℃以下であってもよい。前記温度は30℃以下であってもよい。
【0142】
第1遮光層成膜過程において、光透過性基板の温度は10℃以上であってもよい。前記温度は15℃以上であってもよい。前記温度は20℃以上であってもよい。前記温度は40℃以下であってもよい。前記温度は35℃以下であってもよい。前記温度は30℃以下であってもよい。
【0143】
第2遮光層成膜過程において、光透過性基板の温度は10℃以上であってもよい。前記温度は15℃以上であってもよい。前記温度は20℃以上であってもよい。前記温度は40℃以下であってもよい。前記温度は35℃以下であってもよい。前記温度は30℃以下であってもよい。
【0144】
このような場合、光照射による遷移金属イオンの移動を抑制することを助けることができる。
【0145】
第1遮光層成膜過程において、スパッタリングターゲットに加える電力を1.5kW以上2.5kW以下として適用してもよい。前記スパッタリングターゲットに加える電力を1.6kW以上2kW以下として適用してもよい。
【0146】
第1遮光層成膜過程において、雰囲気ガスはスパッタリングガスを10体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスはスパッタリングガスを15体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスはスパッタリングガスを30体積%以下含んでもよい。雰囲気ガスはスパッタリングガスを25体積%以下含んでもよい。
【0147】
雰囲気ガスは反応性ガスを30体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスは反応性ガスを35体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスは反応性ガスを40体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスは反応性ガスを60体積%以下含んでもよい。雰囲気ガスは反応性ガスを55体積%以下含んでもよい。雰囲気ガスは反応性ガスを50体積%以下含んでもよい。
【0148】
雰囲気ガスは、酸素を含むガスを25体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスは、酸素を含むガスを30体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスは、酸素を含むガスを45体積%以下含んでもよい。雰囲気ガスは、酸素を含むガスを40体積%以下含んでもよい。
【0149】
雰囲気ガスは、窒素を含むガスを5体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスは、窒素を含むガスを20体積%以下含んでもよい。雰囲気ガスは、窒素を含むガスを15体積%以下含んでもよい。
【0150】
雰囲気ガスは応力調節ガスを20体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスは応力調節ガスを25体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスは応力調節ガスを30体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスは応力調節ガスを50体積%以下含んでもよい。雰囲気ガスは応力調節ガスを45体積%以下含んでもよい。雰囲気ガスは応力調節ガスを40体積%以下含んでもよい。
【0151】
第1遮光層成膜過程において、雰囲気ガスの圧力は0.8×10-4torr~1.5×10-3torrであってもよい。前記圧力は1×10-3torr~1.5×10-3torrであってもよい。
【0152】
このような場合、成膜された第1遮光層は、遮光膜が十分な消光特性を有するように助けることができる。また、遮光膜から具現される遮光パターン膜の形状を精密に制御することを助けることができる。
【0153】
第1遮光層成膜過程は、200秒以上300秒以下の時間行ってもよい。第1遮光層成膜過程は、230秒以上280秒以下の時間行ってもよい。このような場合、第1遮光層は、遮光膜に十分な遮光性を付与できる程度の厚さを有することができる。
【0154】
第2遮光層成膜過程において、スパッタリングターゲットに加える電力を1~2kWとして適用してもよい。前記電力を1.2~1.7kWとして適用してもよい。
【0155】
第2遮光層成膜過程において、雰囲気ガスはスパッタリングガスを35体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスはスパッタリングガスを40体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスはスパッタリングガスを45体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスはスパッタリングガスを50体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスはスパッタリングガスを75体積%以下含んでもよい。雰囲気ガスはスパッタリングガスを70体積%以下含んでもよい。雰囲気ガスはスパッタリングガスを65体積%以下含んでもよい。雰囲気ガスはスパッタリングガスを60体積%以下含んでもよい。
【0156】
雰囲気ガスは反応性ガスを20体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスは反応性ガスを25体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスは反応性ガスを30体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスは反応性ガスを35体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスは反応性ガスを60体積%以下含んでもよい。雰囲気ガスは反応性ガスを55体積%以下含んでもよい。雰囲気ガスは反応性ガスを50体積%以下含んでもよい。
【0157】
雰囲気ガスは、窒素を含むガスを20体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスは、窒素を含むガスを25体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスは、窒素を含むガスを30体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスは、窒素を含むガスを35体積%以上含んでもよい。雰囲気ガスは、窒素を含むガスを60体積%以下含んでもよい。雰囲気ガスは、窒素を含むガスを55体積%以下含んでもよい。雰囲気ガスは、窒素を含むガスを50体積%以下含んでもよい。
【0158】
第2遮光層成膜過程において、雰囲気ガスの圧力は2×10-4torr~9×10-4torrであってもよい。前記圧力は3×10-4torr~7×10-4torrであってもよい。
【0159】
このような場合、遮光膜の表面が優れた耐光性を有しながらも、遮光膜のパターニング時に精巧な遮光パターン膜の具現が可能なようにすることができる。
【0160】
第2遮光層成膜過程は、10秒以上30秒以下の時間行ってもよい。第2遮光層成膜過程は、15秒以上25秒以下の時間行ってもよい。このような場合、ドライエッチングを介した遮光パターン膜の具現時に、遮光パターン膜の側面が光透過性基板の表面から垂直に近く形成され得る。
【0161】
熱処理ステップにおいて、遮光膜の表面の温度などを調節して、遮光膜の表面の元素別の組成を制御することができる。これを通じて、光照射による遷移金属イオンの形成を抑制すると同時に、遮光膜の表面がエッチングガスによって過度にエッチングされることを防止することができる。
【0162】
熱処理ステップにおいて、遮光膜の表面の温度は150℃以上であってもよい。前記温度は200℃以上であってもよい。前記温度は220℃以上であってもよい。前記温度は400℃以下であってもよい。前記温度は350℃以下であってもよい。前記温度は300℃以下であってもよい。
【0163】
熱処理ステップは2分以上行われてもよい。熱処理ステップは5分以上行われてもよい。熱処理ステップは15分以下行われてもよい。
【0164】
熱処理ステップは、ドライエア(dry air)の雰囲気で行われてもよい。ドライエアは、水蒸気を含まない不飽和空気である。
【0165】
このような場合、遮光膜の表面部の耐エッチング性の低下を抑制しながらも、遮光膜の耐光性を向上させることができる。
【0166】
半導体素子の製造方法
本明細書の他の実施例に係る半導体素子の製造方法は、光源、フォトマスク、及びレジスト膜が塗布された半導体ウエハを配置する準備ステップと、前記フォトマスクを介して、前記光源から入射された光を前記半導体ウエハ上に選択的に透過させて出射する露光ステップと、前記半導体ウエハ上にパターンを現像する現像ステップとを含む。
【0167】
フォトマスクは、光透過性基板、及び前記光透過性基板上に配置される遮光パターン膜を含む。
【0168】
遮光パターン膜は、遷移金属及び酸素を含む。
【0169】
遮光パターン膜上に波長172nm及び強度10kJ/cm2の光を照射する際に、スカム(scum)形成の所要時間が120分以上である。
【0170】
準備ステップにおいて、光源は、短波長の露光光を発生させることができる装置である。露光光は、波長200nm以下の光であってもよい。露光光は、波長193nmのArF光であってもよい。
【0171】
フォトマスクと半導体ウエハとの間にレンズがさらに配置されてもよい。レンズは、フォトマスク上の回路パターンの形状を縮小して半導体ウエハ上に転写する機能を有する。レンズは、ArF半導体ウエハ露光工程に一般に適用できるものであれば限定されない。例示的に、前記レンズは、フッ化カルシウム(CaF2)で構成されたレンズを適用できる。
【0172】
露光ステップにおいて、フォトマスクを介して、半導体ウエハ上に露光光を選択的に透過させることができる。このような場合、レジスト膜において露光光が入射した部分で化学的変性が発生することができる。
【0173】
現像ステップにおいて、露光ステップを終えた半導体ウエハを現像溶液で処理して半導体ウエハ上にパターンを現像することができる。塗布されたレジスト膜がポジティブレジスト(positive resist)である場合、レジスト膜において露光光が入射した部分が現像溶液によって溶解され得る。塗布されたレジスト膜がネガティブレジスト(negative resist)である場合、レジスト膜において露光光が入射していない部分が現像溶液によって溶解され得る。現像溶液の処理によって、レジスト膜はレジストパターンとして形成される。前記レジストパターンをマスクとして半導体ウエハ上にパターンを形成することができる。
【0174】
フォトマスクについての説明は、前述の内容と重複するので省略する。
【0175】
以下、具体的な実施例についてより詳細に説明する。
【0176】
製造例:遮光膜の成膜
実施例1:DCスパッタリング装備のチャンバ内に、横6インチ、縦6インチ、厚さ0.25インチ、平坦度500nm未満のクォーツ素材の光透過性基板を配置した。T/S距離が255mm、基板とターゲットとの間の角度が25°を形成するようにクロムターゲットをチャンバ内に配置した。前記スパッタリングターゲットの後面にマグネットを設置した。スパッタリングチャンバの外部には、冷却水が循環できる冷媒管を設置した。
【0177】
その後、Ar19体積比%、N211体積比%、CO236体積比%、He34体積比%が混合された雰囲気ガスを、1.2×10-3torrの圧力でチャンバ内に導入し、スパッタリングターゲットに加える電力を1.85kW、マグネットの回転速度を113rpm、光透過性基板の温度を24℃として適用して、248秒間スパッタリング工程を行って第1遮光層を成膜した。
【0178】
第1遮光層の成膜を終えた後、第1遮光層上に、Ar57体積比%とN243体積比%が混合された雰囲気ガスを、5.4×10-4torrの圧力でチャンバ内に導入し、スパッタリングターゲットに加える電力を1.5kW、マグネットの回転速度を113rpmとして適用し、光透過性基板の温度を24℃として適用して、22.5秒間スパッタリング工程を行って第2遮光層を成膜した。
【0179】
第2遮光層の成膜を終えた試験片を熱処理チャンバ内に配置した。その後、ドライエアの雰囲気で遮光膜の表面温度を250℃として適用して10分間熱処理を行った。
【0180】
比較例1:実施例1と同じ条件でスパッタリングチャンバ内にクロムターゲットを配置した。
【0181】
その後、Ar21体積比%、N211体積比%、CO232体積比%、He36体積比%が混合された雰囲気ガスを、9.5×10-4torrの圧力でチャンバ内に導入し、スパッタリングターゲットに加える電力を1.85kW、マグネットの回転速度を113rpm、光透過性基板の温度を120℃として適用して、283秒間スパッタリング工程を行って第1遮光層を成膜した。
【0182】
第1遮光層の成膜を終えた後、第1遮光層上に、Ar80体積比%とN220体積比%が混合された雰囲気ガスを、4.6×10-4torrの圧力でチャンバ内に導入し、スパッタリングターゲットに加える電力を1.5kW、マグネットの回転速度を113rpmとして適用し、光透過性基板の温度を120℃として適用して、25秒間スパッタリング工程を行って第2遮光層を成膜した。
【0183】
第2遮光層の成膜を終えた試験片を熱処理チャンバ内に配置した。その後、ドライエアの雰囲気で遮光膜の表面温度を120℃として適用して20分間熱処理を行った。
【0184】
比較例2:実施例1と同じ条件でスパッタリングチャンバ内にクロムターゲットを配置した。
【0185】
その後、Ar22体積比%、N26体積比%、CO233体積比%、He39体積比%が混合された雰囲気ガスを、8.0×10-4torrの圧力でチャンバ内に導入し、スパッタリングターゲットに加える電力を1.85kW、マグネットの回転速度を113rpm、光透過性基板の温度を120℃として適用して、137秒間スパッタリング工程を行って第1遮光層を成膜した。
【0186】
第1遮光層上に、Ar80体積比%とN220体積比%が混合された雰囲気ガスを、4.7×10-4torrの圧力でチャンバ内に導入し、スパッタリングターゲットに加える電力を1.5kW、マグネットの回転速度を113rpmとして適用し、光透過性基板の温度を120℃として適用して、20秒間スパッタリング工程を行って第2遮光層を成膜した。
【0187】
第2遮光層上に、Ar21体積比%、N211体積比%、CO232体積比%、He36体積比%が混合された雰囲気ガスを、1.0×10-3torrの圧力でチャンバ内に導入し、スパッタリングターゲットに加える電力を1.5kW、マグネットの回転速度を113rpmとして適用し、光透過性基板の温度を120℃として適用して、70秒間スパッタリング工程を行って第3遮光層を成膜した。
【0188】
実施例及び比較例別に適用された成膜ステップでの光透過性基板の温度、熱処理温度及び時間は、下記表1に記載した。
【0189】
評価例:スカム形成時間の測定
実施例及び比較例別の試験片の遮光膜内に一定の線幅を有する透過パターンを形成した。その後、波長172nmのUV露光加速器を用いて遮光膜の表面に波長172nm及び強度10kJ/cm2の光照射を行った。光を照射する過程において、30分単位で遮光膜の表面イメージをSEM(Scanning Electron Microscopy)で測定し、透過パターン上にスカムが形成されたかを判定した。
【0190】
実施例及び比較例別に測定されたスカム形成時間は、下記表1に記載した。
【0191】
評価例:遮光膜の層別のエッチング特性の測定
実施例1の試験片をそれぞれ2個ずつ横15mm、縦15mmのサイズに加工した。加工した試験片の表面をFIB(Focussed Ion Beam)処理した後、JEOL LTD社のJEM-2100F HRモデルの装備内に配置し、前記試験片のTEMイメージを測定した。前記TEMイメージから第1遮光層及び第2遮光層の厚さを算出した。
【0192】
その後、実施例1の一つの試験片に対して、アルゴンガスで第1遮光層及び第2遮光層をエッチングするのにかかる時間を測定した。具体的には、前記試験片をサーモサイエンティフィック(Thermo Scientific)社のK-Alphaモデル内に配置し、前記試験片の中央部に位置する横4mm、縦2mmの領域をアルゴンガスでエッチングして、各層別のエッチング時間を測定した。各層別のエッチング時間の測定時に、測定装備内の真空度は1.0×10-8mbar、X-rayソース(Source)はMonochromator Al Kα(1486.6eV)、アノード電力は72W、アノード電圧は12kV、アルゴンイオンビームの電圧は1kVとして適用した。
【0193】
測定された第1遮光層及び第2遮光層の厚さ及びエッチング時間から、各層別のエッチング速度を算出した。
【0194】
実施例1のアルゴンガスに対するエッチング速度の測定値は、下記表2に記載した。
【0195】
評価例:全体遮光膜の厚さ及びエッチング特性の測定
実施例及び比較例の試験片を横15mm、縦15mmのサイズに加工した。加工した試験片の表面をFIB(Focussed Ion Beam)処理した後、JEOL LTD社のJEM-2100F HRモデルの装備内に配置し、前記試験片のTEMイメージを測定した。前記TEMイメージから遮光膜内の各層別の厚さを算出した。
【0196】
その後、ドライエッチング機器であるアプライドマテリアルズ社のTETRA Xモデルを用いて、実施例及び比較例の試験片を塩素系ガスでエッチングして、全体遮光膜をエッチングするのにかかる時間を測定した。前記塩素系ガスとして、塩素気体を90~95体積比%、酸素気体を5~10体積比%含むガスを適用した。前記遮光膜の厚さ及び遮光膜のエッチング時間から、塩素系ガスに対する遮光膜のエッチング速度を算出した。
【0197】
実施例及び比較例別の遮光膜内の層別の厚さ及び塩素系ガスに対するエッチング速度の測定値は、下記表3に記載した。
【0198】
評価例:遮光膜の表面及び層別の組成の測定
実施例1の遮光膜の表面、及び実施例と比較例の遮光膜の層別の組成をXPS分析を用いて測定した。具体的に、実施例及び比較例別のブランクマスクを横15mm、縦15mmのサイズに加工して試験片を準備した。前記試験片をサーモサイエンティフィック(Thermo Scientific)社のK-Alphaモデルの測定装備内に配置した後、前記試験片の中央部に位置した横4mm、縦2mmの領域の元素別の含量を測定した。その後、前記領域をエッチングして、各層の元素別の含量を測定した。
【0199】
実施例及び比較例別の測定結果は、下記表4に記載した。
【0200】
評価例:遮光膜の消光特性の評価
実施例及び比較例別の遮光膜の波長193nmの光に対する透過率を測定した。具体的に、分光エリプソメータであるナノビュー社のMG-Proモデルを用いて、各試験片の遮光膜の波長193nmの光に対する透過率を測定した。
【0201】
実施例及び比較例別の測定結果は、下記表4に記載した。
【0202】
【0203】
【0204】
【0205】
【0206】
前記表1において、実施例1のスカム形成の所要時間は150分と測定されたのに対し、比較例は100分以下と測定された。
【0207】
以上、好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲は、これに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲で定義している具現例の基本概念を利用した当業者の様々な変形及び改良形態もまた本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0208】
100 ブランクマスク
10 光透過性基板
20 遮光膜
21 第1遮光層
22 第2遮光層
25 遮光パターン膜
30 位相反転膜
200 フォトマスク