(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】溶接逆止弁
(51)【国際特許分類】
F16K 15/16 20060101AFI20240430BHJP
【FI】
F16K15/16 D
(21)【出願番号】P 2022528222
(86)(22)【出願日】2020-10-21
(86)【国際出願番号】 US2020056605
(87)【国際公開番号】W WO2021096646
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-07-20
(32)【優先日】2019-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】レイズ, ジョン エー.
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-125643(JP,A)
【文献】登録実用新案第3106263(JP,U)
【文献】特公昭51-023731(JP,B2)
【文献】特開平05-209692(JP,A)
【文献】特開昭48-047616(JP,A)
【文献】特表2008-514891(JP,A)
【文献】国際公開第2017/218148(WO,A1)
【文献】中国実用新案第208058040(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/00- 1/54
15/00-15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部通路を含む逆止弁であって、逆止弁は内部通路を通る流体流を制御するように構成されており、逆止弁は、
(a)内部組立体であり、
(i)ポペット組立体、
(ii)第1の端部においてポペット組立体に接触するばね、及び
(iii)ばねに接触する、1つ又は複数の貫通孔を含むディスク、を有する、内部組立体と、
(b)第1の開口及び第1の開口の反対側にある第1の開口部を有する第1の外側部片と、
(c)第2の開口及び第2の開口の反対側にある第2の開口部を有する第2の外側部片と、を備え、第1の外側部片及び第2の外側部片は、第1の開口部及び第2の開口部において溶接部によって接続されて内部組立体を保持するための内部空間を画定しており、逆止弁は更に、
(d)ディスクを内部空間内の溶接部から離れた位置に選択的に保持するように構成されている、内部空間内に配置されているディスク保持機構を備え、
内部組立体は、内部通路をある方向に通る流体流を遮断し、内部通路を反対方向に通る流れを許容するように構成されており、
ディスク保持機構は第1の外側部片から内部空間内へと延在する複数の保持リブを備え、複数の保持リブの保持リブは複数の間隙によって互いに分離されており、複数の間隙の各々はポペット組立体の最も外側の縁部の厚さ及びディスクの厚さよりも長い、逆止弁。
【請求項2】
ポペット組立体保持機構を備え、ポペット組立体保持機構は、
第1の外側部片から内部空間内へと延在する複数の保持リブを備え、第1の複数の保持リブの保持リブは第1の複数の間隙によって互いに分離されており、
複数の間隙の各々はポペット組立体の最も外側の縁部の厚さよりも大きい、請求項1に記載の逆止弁。
【請求項3】
ポペット組立体の最も外側の縁部は、内部空間の直径よりも小さく複数の保持リブの対向する保持機構の間の距離よりも大きい直径を画定する、請求項2に記載の逆止弁。
【請求項4】
逆止弁を組み立てる方法であって、
逆止弁の第1の外側部片内にポペット組立体を挿入することであって、第1の外側部片は逆止弁の入口を含む、ポペット組立体を挿入することと、
ポペット組立体に押し付けてばねを設置することと、
ディスクをディスクがばねに接触するように挿入することと、
第1の外側部片を溶接接合部において第2の外側部片に溶接することと、を含み、
ディスクは溶接中、逆止弁の第1の外側部片の
保持機構によって溶接接合部から離れた位置に保持され、
ディスクは第1の外側部片の内側表面にある複数の保持リブを含む保持機構によって保持され、ディスクの挿入中、ディスクはディスクの外側縁部が複数の保持リブのリブ同士の間の間隙を通過するように回転され、方法はディスクが複数の保持リブに接触するようにディスクを回転させることを更に含
み、
複数の間隙の各々はポペット組立体の最も外側の縁部の厚さ及びディスクの厚さよりも長い、方法。
【請求項5】
内部通路を含む逆止弁であって、逆止弁は内部通路を通る流体流を制御するように構成されており、逆止弁は、
(a)内部組立体であり、
(i)ポペット組立体、
(ii)第1の端部においてポペット組立体に接触するばね、及び
(iii)ばねに接触する、1つ又は複数の貫通孔を含むディスク、を有する、内部組立体と、
(b)第1の開口及び第1の開口の反対側にある第1の開口部を有する第1の外側部片と、
(c)第2の開口及び第2の開口の反対側にある第2の開口部を有する第2の外側部片と、を備え、第1の外側部片及び第2の外側部片は、第1の開口部及び第2の開口部において溶接部によって接続されて内部組立体を保持するための内部空間を画定しており、逆止弁は更に、
(d)ディスクを内部空間内の溶接部から離れた位置に選択的に保持するように構成されている、内部空間内に配置されている
第1のディスク保持機構
及び第2のディスク保持機構を備え、
第1のディスク保持機構は、第1の外側部片の内側表面に形成されている1つ又は複数のデテントを備え、
デテントは、第1の外側部片の外側表面が圧縮されているときにディスクの通過を可能にせず、第1の外側部片の外側表面が圧縮されていないときにディスクの通過を可能に
し、
第2のディスク保持機構は第1の外側部片から内部空間内へと延在する複数の保持リブを備え、複数の保持リブの保持リブは複数の間隙によって互いに分離されており、複数の間隙の各々はポペット組立体の最も外側の縁部の厚さ及びディスクの厚さよりも長い、逆止弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は2019年11月14日に出願された米国出願第16/683,491号に対する利益および優先権を主張し、その全体を参照によって本願に組み込む。
【0002】
本開示は逆止弁、特に溶接逆止弁を対象とする。
【背景技術】
【0003】
逆止弁は流体の流れを単一方向にのみ可能にし、許容された流れのその単一方向の反対方向への流れを遮断する。
【0004】
逆止弁の組立ては典型的には、内部構成要素を配置すること、および、逆止弁の外側本体を形成する複数の部片をねじ込みによって1つにすることによって行われる。ねじの機械加工は高コストとなる場合があり、また温度変化によって逆止弁のねじ込み接合部において媒体漏れが生じる可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
本開示は逆止弁に、特に1つに溶接されて逆止弁となるポリマー構成要素に関する。逆止弁のポリマー構成要素を1つに溶接することによって、逆止弁構成要素の製造が簡略化されるとともに、より高品質の封止部が得られる。更に、ねじ式接続部を排除することによって、ねじ式構成要素の組立て中に引き起こされる粒子生成の可能性が低減される。この結果溶接逆止弁は、半導体製造中の流体流の制御など、高純度に関して改善された性能を提供し得る。逆止弁は熱溶接技法を使用して溶接され得る。そのような熱溶接は、ポリマー製の逆止弁構成要素を溶接部またはシームの部位から離して維持することを可能にする保持機構を含めることによって、可能になり得る。逆止弁構成要素を溶接部位から離して維持することによって、溶接工程によって逆止弁の溶融加工可能な構成要素が損傷するかまたは不適正に接着されるのを防止することができる。
【0006】
逆止弁の実施形態は内部通路を含み、内部通路を通る流体流を制御するように構成されている。逆止弁は内部組立体を含む。内部組立体は、ポペット組立体と、第1の端部においてポペット組立体に接触するばねと、ばねに接触する、1つまたは複数の貫通孔を含むディスクと、第1の開口および第1の開口の反対側にある開口部を有する第1の外側部片と、第2の開口および第2の開口の反対側にある第2の開口部を有する第2の外側部片と、を有する。第2の外側部片は、第2の開口の反対側にある開口部にある溶接部によって、第1の外側部片に連結される。第1の外側部片および第2の外側部片は、内部組立体を保持するための内部空間を画定する。内部空間内にはディスク保持機構が配置されており、このディスク保持機構は、ディスクを第1の外側部片内の溶接部から離れた位置に選択的に保持するように構成されている。溶接工程中、この機構によって逆止弁の内部構成要素が、損傷をもたらす可能性のある熱から離れて有利に保持される。内部組立体は、内部通路をある方向に通る流体流を遮断し、内部通路を反対方向に通る流れを許容するように構成されている。
【0007】
ある実施形態では、逆止弁はポペット組立体保持機構を含む。ポペット組立体保持機構は、第1の外側部片から内部空間内へと延在する複数の保持リブを備え、第1の複数の保持リブの保持リブは第1の複数の間隙によって互いに分離されており、複数の間隙の各々はポペット組立体の最も外側の縁部の厚さよりも大きい。
【0008】
ある実施形態では、ポペット組立体の最も外側の縁部は、内部空間の直径よりも小さく複数の保持リブの対向する保持機構の間の距離よりも大きい直径を画定する。
【0009】
ある実施形態では、ポペット組立体はポペットとポペット組立体ディスクとを備え、ポペット組立体ディスクは1つまたは複数の貫通孔を含み、ポペット組立体ディスクはポペット組立体の外側縁部を含む。
【0010】
ある実施形態では、複数の保持リブは偶数個の保持リブであり、複数の間隙は偶数個の間隙である。
【0011】
ある実施形態では、ディスク保持機構は、第1の外側部片から内部空間内へと延在する複数の保持リブを備える。第2の複数の保持リブの保持リブは第2の複数の間隙によって互いに分離されており、第2の複数の間隙の各々はポペット組立体の最も外側の縁部の厚さおよびディスクの厚さよりも長い。
【0012】
ある実施形態では、ディスク保持機構は、第1の外側部片の内側表面に形成されている1つまたは複数のデテントを含む。ある実施形態では、デテントは第1の外側部片の外側表面が圧縮されているときにディスクの通過を可能にせず、第1の外側部片の外側表面が圧縮されていないときにディスクの通過を可能にする。
【0013】
ある実施形態では、第1の外側部片は、第1の外側部片の内側表面に形成されている環状溝を含む。ある実施形態では、ディスク保持機構は、環状溝に挿入されるように構成されているスナップリングであり、スナップリングが環状溝に挿入されるとき、スナップリングはディスクの外径よりも小さい内径を有する。ある実施形態では、ディスクは環状溝に挿入されるように構成されており、環状溝は保持機構である。
【0014】
ある実施形態では、第1の外側部片、第2の外側部片、ポペット組立体、およびばねは、1種または複数種のフルオロポリマーを各々含む。フルオロポリマーは溶融加工可能であり得る。
【0015】
ある実施形態では、逆止弁を組み立てる方法は、ポペット組立体を逆止弁の第1の外側部片内に挿入することであって、第1の外側部片は逆止弁の入口を含む、ポペット組立体を挿入することと、ポペット組立体に押し付けてばねを設置することと、ディスクをディスクがばねに接触するように挿入することと、第1の外側部片を溶接接合部において第2の外側部片に溶接することと、を含む。ディスクは溶接中、逆止弁の第1の外側部片の1つまたは複数の機構によって、溶接接合部から離れた位置に保持される。
【0016】
ある実施形態では、ディスクは第1の外側部片の内側表面にある複数の保持リブを含む保持機構によって保持され、ディスクの挿入中、ディスクはディスクの外側縁部が複数の保持リブのリブ同士の間の間隙を通過するように回転され、方法は、ディスクが複数の保持リブに接触するようにディスクを回転させることを更に含む。
【0017】
ある実施形態では、ポペット組立体の挿入中、ポペット組立体はポペット組立体の外側縁部が複数の保持リブのリブ同士の間の間隙を通過するように回転される。
【0018】
ある実施形態では、ポペット組立体の挿入中ポペット組立体は第2の保持機構を通過し、第2の保持機構は複数の第2の保持リブを備え、方法は、ポペット組立体が第1の外側部片の軸線に沿って逆止弁の入口から離れる方に移動するときに、ポペット組立体が複数の第2の保持リブに接触できるように、ポペット組立体を回転させることを更に含む。
【0019】
ある実施形態では、方法は、第2の外側部片への第1の外側部片の溶接後に、ディスクをこれが複数の保持リブによって溶接部の近傍に保持されるように移動させることを更に含む。
【0020】
ある実施形態では、第1の外側部片を第2の外側部片に溶接することは、熱溶接することを含む。
【0021】
ある実施形態では、熱溶接することは、加熱パドルの第1の面を使用して第1の外側部片の溶接表面を加熱することと、加熱パドルの第2の面を使用して第2の外側部片の溶接表面を加熱することと、第1の外側部片の溶接表面と第2の外側部片の溶接表面を1つに押し付けることと、を含む。
【0022】
ある実施形態では、方法は、ディスクの挿入後かつ溶接の前に、第1の外側部片を通る第1の方向への流れの試験、および第1の外側部片を通る第1の反対の第2の方向への流れの試験を行うことを、更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図3】A~Hは、ある実施形態に係る逆止弁内にポペット、ばね、およびディスクを挿入する例のステップを示す図である。
【
図4】ある実施形態に係る方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示は逆止弁、特に溶接逆止弁を対象とする。
【0025】
図1は、ある実施形態に係る溶接逆止弁の分解図を示す。溶接逆止弁100は、第1の外側部片102と、ポペット組立体104と、ばね106と、ディスク108と、第2の外側部片110と、を含む。第1の外側部片102は、開口112と開口部114とを含む。第2の外側部片110は、開口116と開口部118とを含む。組立て時、第1の外側部片102の開口部114は、第2の外側部片110の開口部118に溶接される。
【0026】
第1の外側部片102は、逆止弁100の本体の一部を定める。第1の外側部片102は開口112を含む。
図1に示す実施形態では、開口112は逆止弁100の入口を形成しており、逆止弁100を通る内部チャネルの一部である。第1の外側部片102は開口部114を含む。第1の外側部片102の内側表面は、ポペット組立体104またはディスク108のうちの1つまたは複数を位置付けるかまたはその移動を制限するための保持機構(図示せず)を含み得る。
【0027】
ポペット組立体104は、第1の外側部片104内に嵌合するように構成されている。ポペット組立体104は、ポペット120とポペット組立体ディスク122とを含む。
【0028】
ポペット組立体104において、ポペット120は、例えばばね106からの力または開口112に向かう逆止弁100を通る流れがもたらす圧力によってポペット120が開口112に押し付けられるように位置付けられるとき、そこを通る流れを遮断するように構成されている。ポペット120は、開口112を通って進入する流れがばね106がもたらす力よりもよりも大きな力をもたらすときに押し離されるように構成されている。ポペットは、開口112から開口部118に向かう一方向の流れを可能にし、反対方向の流れを阻止するように構成されている。
【0029】
ポペット組立体104において、ポペット組立体ディスク122は、第1の外側部片102の内側に嵌合できるような直径を有する円形のディスクである。ポペット組立体ディスク122は、ポペット組立体104が第1の外側部片102内に1つまたは複数の保持機構によって保持されることを可能にする直径を有し得る。ポペット組立体ディスク122は、流体の通過を可能にする1つまたは複数の貫通孔を含む。ポペット組立体ディスクは、ポペット組立体104の移行が第1の外側部片102の内側表面に設けられた1つまたは複数の保持機構によって制限されるように構成され得る。
【0030】
ある実施形態では、ポペット組立体104は一体に形成され、ポペット組立体ディスクはポペットからの延長部である。ある実施形態では、ポペット組立体104はポペットとは別個の構成要素であるポペット組立体ディスクを含み、ポペットおよびポペット組立体ディスクは、例えば機械的接合部、接着剤、もしくは任意の好適な連結方法、またはこれらの組合せを介して、互いに固定される。
【0031】
ばね106は、ポペット組立体104およびディスク108に接触するように構成されたばねであり得る。ばね106は、ポペット組立体104とディスク108の間で圧縮されるように構成されている。ばね106は、ポペット組立体104に作用する力が対抗していないとき、ポペット組立体104を開口112に押し付ける。ばね106がポペット組立体104を押す力は、開口112を通る流れの圧力によって容易に克服される小さい力であってもよい。当業者は逆止弁の動作にとって適切なばね力を選択できることが理解される。ある実施形態では、ばね106は、約1psi未満の圧力をもたらす開口112からの流れによってばね106を圧縮し、逆止弁102を通る流れを可能にすべくポペット組立体104を移動させることができるように選択され得る。ばね106は成形されたポリマー製のばねであり得る。
【0032】
ディスク108はばね106を保持し、ばね106がポペット組立体104を押すようにばね106を位置付けるために使用される。ディスク108は、流体がディスク108を通過するのを可能にする1つまたは複数の貫通孔を含む。ディスク108は、第1の外側部分102内に嵌合するように構成されている。ある実施形態では、ディスク108は、第1の外側部分102内に配置されている保持機構によって保持されるように構成されている。ある実施形態では、ディスク108は、第1の外側部分102内の直径よりも小さいが、第1の外側部分102内の1つまたは複数の保持機構上の対向する2地点間の距離よりも大きい外径を有する。
【0033】
第2の外側部片110が第1の外側部片102と組み合わされて、逆止弁100の本体が形成される。第2の外側部片110は開口116と開口部118とを含む。ある実施形態では、開口116は逆止弁の出口である。開口部118は、第2の外側部片の開口116の反対側の端部にある。開口部118は溶接表面によって包囲され得る。
【0034】
組立て時、第1の外側部片102の開口部114は、第2の外側部片110の開口部118に溶接される。溶接前には端部114および118は平坦な溶接表面を各々含むことができ、溶接表面は対応するサイズおよび形状を有し得る。ある実施形態では、端部114および118における溶接表面は、それらが互いに完全に接触するように互いに整合している。溶接部は例えば熱溶接部であり得る。溶接部は、第1の外側部片102および第2の外側部片104の各々を例えばクランプまたは万力を介して把持し、端部114および118の各々を例えば加熱されたパドルを使用して加熱し、端部114および118を互いに位置合わせし、加熱された端部114および118を1つに押し付けることによって、形成され得る。ある実施形態では、端部114および118の溶接後に、ディスク108が第1の外側部片102内の1組の保持機構から解放され得る。熱溶接工程の例が、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第4,929,293号に開示されている。
【0035】
ある実施形態では、逆止弁100の全ての構成要素がポリマー材料で製作され得る。ある実施形態では、逆止弁100の全ての構成要素が同じポリマー材料で製作され得る。ある実施形態では、逆止弁100の構成要素のうちの少なくともいくつかは、互いに異なるフルオロポリマーから製作され得る。ある実施形態では、ポリマー材料はフルオロポリマーである。構成要素を形成するために使用されるフルオロポリマーの例としては、限定するものではないが、全て溶融加工可能である、ペルフルオロアルコキシアルカンポリマー(PFA)、エチレンテトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、エチレンテトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレンポリマー(EFEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、およびフッ素化エチレンプロピレンポリマー(FEP)などの、フルオロポリマーを挙げることができる。非腐食性で不活性の構造を提供することに加えて、多くのフルオロポリマー、例えばPFAは、射出成形可能で押出可能である。1つの好ましい実施形態では、フルオロポリマーはペルフルオロアルコキシアルカンポリマー(PFA)である。他の実施形態では、フルオロポリマーは、溶融加工可能ではないが圧縮成形および機械加工が可能である、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはテトラフルオロエチレンポリマー(PTFE)または変性テトラフルオロエチレンポリマー(TFM)であり得る。
【0036】
図2は、ある実施形態に係る逆止弁200の断面図を示す。
図2に示す実施形態では、第1の外側部片202は、溶接部206において第2の外側部片204に連結される。第1の外側部片202および第2の外側部片204は、ポペット組立体208、ばね210、およびディスク212を収容する内部空間を画定する。第1の外側部片202の内側表面は、ポペット組立体保持機構214と、ディスク保持機構216と、溶接ディスク保持機構218と、を含む。
【0037】
第1の外側部片202は、逆止弁200の本体の一部である。第1の外側部片202は、一方の端部に開口220を、および反対側の端部に開口部222を含む。開口部222は溶接表面で包囲され得る。第1の外側部片202は、開口220と開口部222の間に内部空間を有する。この内部空間は、逆止弁200を通る内部通路の一部である。内部空間は第1の外側部片の内側表面224によって画定される。
【0038】
第2の外側部片204は、逆止弁200の本体の別の一部である。第2の外側部片204は、一方の端部に開口226を、および反対側の端部に開口部234を含む。
【0039】
溶接部206は、第1の外側部片202と第2の外側部片204をこれらが内部空間を画定するように連結する。内部空間には、ポペット組立体208とばね210とディスク212とを含む内部組立体が収容される。溶接部は、第1の外側部片202と第2の外側部片204を連結する任意の好適な溶接部であり得る。好適な溶接部は例えば、熱溶接部または超音波溶接部を含み得る。ある実施形態では、溶接部206は熱溶接部である。
【0040】
ポペット組立体208は、ポペット228とポペット組立体ディスク230とを含み得る。ある実施形態では、ポペット228およびポペット組立体ディスク230は、例えば機械的接合部、接着剤、または部品を互いに固定する任意の他の好適な方法のうちの1つまたは複数によって互いに連結された、別個の構成要素である。
【0041】
図2に示す実施形態では、ポペット228は、ポペット228の外周部から開口220に向かって延在するリップ232を含み得る。リップ232は、ポペット228がその開口220に向かう流れを妨げるときに封止表面を形成し得る。リップ232は封止表面を形成するように可撓性であり得る。リップ232は、第1の外側部片202の内側表面と接合して、ポペット228を通過して開口220に向かう流体の流れを防止する封止部を形成するように構成され得る。ポペット228は、ポペット228が流れを制限する向きにある開口220へのチャネルの直径を上回る直径を有し得る。流れが開口220から到来して開口226へと向けられるとき、その流れはポペットに、ポペット組立体が開口226に向かって移動してばね210を圧縮するような圧力を加えることができる。これによりポペット組立体は、開口220からの流れがポペット228を通過し得るように位置付けられる。この流れは次いでポペット組立体ディスク230およびディスク212に形成されている貫通孔を通過し、逆止弁200内の内部空間を通過して開口226に至る。
【0042】
ポペット組立体ディスク230は、第1の外側部片202の内側に嵌合できるような直径を有する円形のディスクである。ポペット組立体ディスク230は、動作位置にあるときにポペット組立体208が1つまたは複数のポペット組立体保持機構214によって保持されることを可能にする直径を有し得る。ポペット組立体ディスク230は、流体の通過を可能にする1つまたは複数の貫通孔を含む。ポペット組立体ディスク230は、ポペット組立体208が開口220から見て開口226へと向かうかまたはそこから離れるような方向に移行し得るように構成され得る。ポペット組立体208の移行の方向は、逆止弁200の内部空間のポペット組立体208のところを通る流体の流れの方向であり得る。ポペット組立体208の移行は、第1の外側部片202の内側表面224上に設けられた1つまたは複数のポペット組立体保持機構214によって制限され得る。
【0043】
ばね210は、ポペット組立体208およびディスク212に接触するように構成されたばねである。ばね210は、対抗するものがないときはポペット組立体208を押して開口220を遮断するように構成されている。ばね210がポペット組立体208を押す力は、開口220を通る流れの圧力によって容易に克服される小さい力であってもよい。ばね210は成形されたポリマー製のばねであり得る。
【0044】
ディスク212は、ばね210がポペット組立体208に力を加えることができるようにばね210を固止する。ディスク212はディスク保持機構216によって所定位置に維持される。ディスク212は、流体がディスク212を通過するのを可能にするように構成されている1つまたは複数の貫通孔を含む。ある実施形態では、ディスク212は、ディスク保持機構216によって保持されるように構成されている。ある実施形態では、ディスク212は、第1の外側部分202内の内部空間の直径よりも小さいが、第1の外側部片202内の内部空間の中心線に対して互いに対向するディスク保持機構216の2点間の距離よりも大きい外径を有する。
【0045】
第1の外側部片202の内側表面224は、ポペット組立体保持機構214を含む。
図2に示す実施形態では、ポペット組立体保持機構は第1の外側部片202の内側表面224と一体に形成され、その表面から内向きに延在する。この実施形態では、ポペット組立体保持機構は2つ以上のリブであってもよく、リブはそれらの間の2つ以上の間隙によって分離される。リブは、第1の外側部片202内の内部空間の中心に対して互いに対向するリブ上の地点間の距離が、ポペット組立体ディスク230の外径よりも小さくなるように、内向きに突出し得る。ある実施形態では、ポペット組立体保持機構214はスナップリングであってもよいか、または、第1の外側部片202の内側表面224に形成されている溝に挿入されるスナップリング上に含まれてもよい。ポペット組立体保持機構214は、ディスク保持機構216または溶接ディスク保持機構218などの他の保持機構よりも、開口220のより近くにおよび第1の外側部片202の開口226からより遠くにあり得る。
【0046】
図2に示す実施形態では、ディスク保持機構216は、第1の外側部片220の内側表面224に含まれる。ディスク保持機構216は第1の外側部片202と一体に形成され得る。この実施形態では、ディスク保持機構は2つ以上のリブであってもよく、リブはそれらの間の2つ以上の間隙によって分離される。リブは、第1の外側部片202内の内部空間の中心に対して互いに対向するリブ上の地点間の距離が、ディスク212の外径よりも小さくなるように、内向きに突出し得る。ある実施形態では、ディスク保持機構216はスナップリングであってもよいか、または、第1の外側部片202の内側表面224に形成されている溝に挿入されるスナップリング上に含まれてもよい。ディスク保持機構216は、ポペット組立体保持機構214または溶接ディスク保持機構218などの他の保持機構よりも、開口226のより近くにおよび第1の外側部片202の開口220からより遠くにあり得る。
【0047】
図2は、任意選択的な溶接ディスク保持機構218を示す。
図2に示す実施形態では、溶接ディスク保持機構218は、第1の外側部片202の長さ方向においてポペット組立体保持機構214とディスク保持機構216の間に配置されている、第1の外側部片202の内側表面224から突出している環状の隆起部である。ある実施形態では、溶接ディスク保持機構218はデテントである。ある実施形態では、溶接ディスク保持機構218はしまりばめを提供するようなサイズであり、この場合、ディスク212に力を加えると、ディスク212を溶接ディスク保持機構218の向こう側まで押すことができるようになっている。この実施形態では、ディスク212にばね210を超える外力が加わらないときは、このしまりばめによって、ディスク212は溶接ディスク保持機構218を通過することができない。ある実施形態では、溶接ディスク保持機構218は、第1の外側部片202の外側部に圧力が加わらないときはディスク212が溶接ディスク保持機構218を通過し得るが、第1の外側部片202の外側部に圧力が加わると、溶接ディスク保持機構218が、ディスク212を所定位置に維持するのにまたは開口部222に向かうディスク212の通過を妨げるのに十分な摩擦力を提供するようなサイズである。溶接ディスク保持機構218を使用して、溶接中に溶接部からより遠い位置でディスク212を固止し、その後逆止弁200が組み立てられ使用できる状態になったら、ディスク212を解放し、ディスク保持機構216へのディスク212の移動を可能にすることができる。
【0048】
ポペット組立体208、ばね210、およびディスク212を含む内部組立体は、内部通路をある方向に通る流体流を遮断し、内部通路を反対方向に通る流れを許容するように構成されている。ある実施形態では、第1の外側部片202の開口220から第2の外側部片204の開口226に向かって流体が流れているとき、ばね210がもたらすばね力を克服する圧力が流体流によって加えられ、この結果ポペット組立体208が、開口220から離れて開口226に向かうように移動される。このことによりポペット228は開口220からの流れを遮断しないように位置付けられ、流れはポペット228を通過し、ポペット組立体ディスク230およびディスク212に形成されている貫通孔を通って、開口226に至る。流れが開口226から開口220に向かう反対方向である場合、ばね210はポペット組立体208に作用し、ポペット228を開口220への流れを遮断するように位置付ける。開口226から開口220に向かう流れの圧力もまたポペット228を押圧し、ポペット228を所定位置に封止し、開口220への流れを妨げる。
図2に示す実施形態はこの結果、逆止弁200内の内部空間を通る一方向のみへの流れをもたらし、反対方向の流れを遮断する。
【0049】
ある実施形態では、逆止弁200の全ての構成要素がポリマー材料で製作され得る。ある実施形態では、逆止弁200の全ての構成要素が同じポリマー材料で製作され得る。ある実施形態では、逆止弁200の構成要素のうちの少なくともいくつかは、互いに異なるフルオロポリマーから製作され得る。ある実施形態では、ポリマー材料はフルオロポリマーである。構成要素を形成するために使用されるフルオロポリマーの例としては、限定するものではないが、全て溶融加工可能である、ペルフルオロアルコキシアルカンポリマー(PFA)、エチレンテトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、エチレンテトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレンポリマー(EFEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、およびフッ素化エチレンプロピレンポリマー(FEP)などの、フルオロポリマーを挙げることができる。非腐食性で不活性の構造を提供することに加えて、多くのフルオロポリマー、例えばPFAは、射出成形可能で押出可能である。1つの好ましい実施形態では、フルオロポリマーはペルフルオロアルコキシアルカンポリマー(PFA)である。他の実施形態では、フルオロポリマーは、溶融加工可能ではないが圧縮成形および機械加工が可能である、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、またはテトラフルオロエチレンポリマー(PTFE)、または変性テトラフルオロエチレンポリマー(TFM)であり得る。
【0050】
図3A~
図3Hは、ある実施形態に係る逆止弁の第1の外側部片300内に、ポペット組立体302とばね304とディスク306とを挿入する例のステップを示す。
【0051】
図3Aは、ある実施形態に係る弁を組み立てる方法において提供される逆止弁の、第1の外側部片300を示す。第1の外側部片300内に、ポペット組立体保持機構308、ディスク保持機構310、および溶接ディスク保持機構312を見ることができる。
【0052】
図3Aに示す実施形態において、ポペット組立体保持機構308は、第1の外側部片300に形成されておりかつ開口端からより遠くにある開口に向けて配置されている、複数のリブを含む。複数のリブは、第1の外側部片300の内側表面から内向きに延在する複数の間隙を含む。ある実施形態では、ポペット組立体保持機構308は少なくとも2つのリブであってもよく、少なくとも2つのリブの間には少なくとも2つの間隙が形成される。リブは第1の外側部片300と一体に形成され得る。複数の間隙の各々は、ポペット組立体302がその動作位置に対して回転されるとポペット組立体302がポペット組立体保持機構308を通過し得るようなサイズである。ある実施形態では、リブは、第1の外側部片300に形成されている溝に挿入されるスナップリング上に含まれてもよい。ある実施形態では、ポペット組立体保持機構308は、スナップリングを受け入れるように構成されている溝で置き換えられ、スナップリングの内径は、第1の外側部片300内の内部空間の内径よりも小さい。
【0053】
図3Aに示す実施形態において、ディスク保持機構310は、開口端に向けてかつ第1の外側部片300に形成されている開口から遠い方に配置されている、複数のリブを含む。複数のリブは、第1の外側部片300の内側表面から内向きに延在する複数の間隙によって分離されている。ある実施形態では、ディスク保持機構310は少なくとも2つのリブであってもよく、少なくとも2つのリブの間には少なくとも2つの間隙が形成される。複数の間隙の各々は、ポペット組立体302またはディスク306がそれらの動作位置に対して回転されると、ポペット組立体302およびディスク306がディスク保持機構310を各々通過し得るようなサイズである。リブは第1の外側部片300と一体に形成され得る。ある実施形態では、リブは、第1の外側部片300に形成されている溝に挿入されるスナップリング上に含まれてもよい。ある実施形態では、ディスク保持機構310は、スナップリングを受け入れるように構成されている溝で置き換えられ、スナップリングの内径は、第1の外側部片300内の内部空間の内径よりも小さい。
【0054】
図3Aに示す実施形態は、任意選択的な溶接ディスク保持機構312を更に含む。
図3Aに示す実施形態では、溶接ディスク保持機構312は、ポペット組立体保持機構308とディスク保持機構310の間に配置されている、第1の外側部片300の内側表面からの小さい突出部である。溶接ディスク保持機構312は、第1の外側部片300の外側部に圧力が加わらないときはディスク308が溶接ディスク保持機構312を通過し得るが、第1の外側部片300の外側部に圧力が加わると、溶接ディスク保持機構312が、ディスク308を所定位置に維持するのにまたは第1の外側部片300の解放端に向かうディスク308の通過を妨げるのに十分な摩擦力を提供するようなサイズである。溶接ディスク保持機構312を使用して、溶接中に溶接部からより遠い位置でディスク308を固止し、その後逆止弁が組み立てられ使用できる状態になったら、ディスク保持機構310へのディスク308の前進を可能にすることができる。溶接ディスク保持機構312によって維持されているときのディスクの位置を、
図3Hに見ることができる。
【0055】
図3Bは、第1の外側部片300内へのポペット組立体302の挿入を示す。ポペット組立体は、ポペット組立体ディスクがディスク保持機構310同士の間の間隙を、およびポペット組立体保持機構308同士の間の間隙を通過し得るように回転される。この結果、ポペット組立体を、第1の外側部片300の開口端の反対側で、第1の外側部片300に形成されている開口に向けて位置付けることができる。
【0056】
図3Cおよび
図3Dは、動作位置へのポペット組立体302の回転を示す。ポペット組立体302は、
図3Cでは回転の過程にあり、
図3Dでは完全に回転されている。
図3Dのポペット組立体は動作位置にあり、この場合、ポペット組立体302に含まれるディスクの平面は、流体が第1の外側部片300に形成されている開口を通して進入するであろう方向に対して垂直である。動作位置では、ポペット組立体302は、ポペットが第1の外側部片300の開口への流体経路を覆う閉じた位置と、ポペット組立体がポペット組立体保持機構308に接触する完全に開いた位置との間で、摺動可能であり得る。
【0057】
ポペット組立体保持機構308がスナップリングを含むかまたはスナップリングである実施形態では、ポペット組立体302を、
図3Bおよび
図3Cに示すように回転させることなく、第1の外側部片300内に
図3Dに示す動作位置で設置することができ、続いてスナップリングを第1の外側部片300内に挿入し、溝にスナップ係合させることができる。
【0058】
図3Eは、ポペット組立体と接触するようにばねを設置する様子を示す。ばねは第1の外側部片300内に直接挿入され、ばね304の端部はポペット組立体302に接触する。
【0059】
図3Fは、逆止弁内へのディスク306の挿入を示す。
図3Fに示すディスク306の挿入は、ばね304がポペット組立体302に接触する位置にある間に行われる。ディスクは、挿入中にディスクの最も外側の縁部がディスク保持機構310の間隙を通過できるように回転される。
【0060】
図3Gは、ディスク保持機構310によって保持された、動作位置にあるディスク306を示す。ディスクは、ディスク306の最も外側の縁部がディスク保持機構310に接触できるように回転される。動作位置では、ばね304はディスク306をディスク保持機構310に押し付け、この結果、ディスク306はディスク保持機構310に押し付けられて位置付けられ、ばね304はポペット組立体302に対して力を及ぼすことができる。
【0061】
ディスク保持機構310がスナップリングであるかまたはこれを含む実施形態では、ディスク306を
図3に示す動作位置においてばね304に押し付けて設置することができ、次いでディスク保持機構310の位置にある溝にスナップリングが挿入され得る。
【0062】
図3Hは、第1の外側部片300の端部上の溶接表面からより遠い、溶接用の任意選択的な位置まで移動させたディスク306を示す。次いで第1の外側部片300およびその中に保持される構成要素を第2の外側部片(図示せず)に溶接して、逆止弁を形成することができる。
図3Hに示すディスク306の位置を達成するためには、
図3Gに示す動作位置にあるディスク306をポペット組立体304に向かって押し、ばねを圧縮した状態でその位置に維持する。任意選択的な溶接ディスク保持機構312によって、ディスク306とのしまりばめがもたらされ得る。ある実施形態では、ディスク306に力を加えることによって、任意選択的な溶接ディスク保持機構312を越えるまでディスク306を押すことができる。ある実施形態では、ディスク306がばね304がもたらす力以外の力を受けていないときは、保持機構312のしまりばめによってディスク306を保持することができる。ある実施形態では、任意選択的な溶接ディスク保持機構312とディスク306のしまりばめは、第1の外側部片300に対する外力の影響を受ける場合がある。この実施形態では、ディスク306がこの位置にある間、第1の外側部片300の外部表面には、例えば、溶接のために部片を固止するために使用されるクランプなどのクランプを介して、圧力がかかっている。その場合、ばね304がディスク306を溶接ディスク保持機構312へと移動させる力を加えている状態で、外側表面に圧力が加わっている間にディスク306が解放される場合があるが、この場合、外側表面に圧力が加わっている間、摩擦力または機械的干渉によってディスク306が保持されている。ディスク306は、圧力が除去されると溶接ディスク保持機構312を通過することが可能になり得、代わりにディスク保持機構310によって保持され得る。
【0063】
図4は、ある実施形態に係る方法400のフローチャートを示す。方法400は、ポペット組立体を逆止弁の第1の外側部片内に挿入すること402と、ポペット組立体に押し付けてばねを設置すること404と、ディスクを挿入すること406と、を含む。任意選択的に、方法400は、ディスクが溶接部からディスクの動作位置よりも遠くに保持される408ように、ディスクを移動させることを含む。方法400は、第1の外側部片を溶接接合部において第2の外側部片に溶接すること410を更に含む。ある実施形態では、方法400は、ディスクの挿入後かつ溶接の前に、第1の外側部片を通る第1の方向への流れの試験412、および第1の外側部片を通る第1の反対の第2の方向への流れの試験414を行うことを、任意選択的に含む。
【0064】
ポペット組立体を逆止弁の第1の外側部片内に挿入すること402は、ポペット組立体を第1の外側部片内に設置することを含む。ある実施形態では、ポペット組立体は、ポペット組立体の最も外側の縁部がポペット組立体保持機構を、ポペット組立体保持機構に含まれるリブ間の間隙を通過することによってなどで通過し得るように回転され得る。この実施形態では、ポペット組立体は同じ様式でディスク保持機構を更に通過し得る。この実施形態では、ポペット組立体は次いで、ばねをポペット組立体に押し付けて設置する404前に動作位置へと回転され得る。動作位置は、逆止弁を通る流れの方向に対して垂直な、ポペット組立体のディスクの平面を含み得る。ある実施形態では、ポペット組立体は挿入時に動作位置において方向付けされ、ばねをポペット組立体に押し付けて設置する404前に、使用中にポペット組立体を保持するために溝の中にスナップリングが挿入される。
【0065】
ばねがポペット組立体に押し付けて設置される404。ばねの端部は、ポペット組立体上の機構に係合するように構成され得る。ばねは、第1の外側部片の開口端を介して第1の外側部片内に挿入され得る。ばねはその後挿入406されるディスクにも接触する。
【0066】
ディスクが挿入される406。406で挿入されるディスクは404で挿入されるばねと接触する。ある実施形態では、ディスクを挿入すること406は、ディスク保持機構に含まれるリブ同士の間の間隙を通過することによってなどで、ディスクの最も外側の縁部がディスク保持機構を通過し得るように、ディスクを回転させることを含む。この実施形態では、ディスクは、ディスク保持機構によってディスクが維持される動作位置へと回転され得る。ディスク保持機構がスナップリングを含むかまたはスナップリングである実施形態では、ディスクを動作位置で挿入し第1の外側部片内に維持することができ、その後、スナップリングが溝の中にありかつディスクが解放されているときにディスク保持機構がディスクに接触するように、スナップリングを挿入し、溝の中に位置付けることができる。
【0067】
任意選択的に、方法400は、ディスクが溶接部からディスクの動作位置よりも遠くに保持される408ように、ディスクを移動させることを含む。この任意選択的なステップでは、ディスクはポペット組立体に向けて移動され、溶接ディスク保持機構を通過し得る。ディスクは圧力がかかっている間その位置に維持される。ある実施形態では、溶接410中に逆止弁の第1の外側部分を維持するクランプを介して、圧力が加えられる。この圧力によって溶接ディスク保持機構が所定位置に入り、その結果溶接箇所からディスク保持機構よりも遠い位置にディスクを保持する摩擦力または機械的干渉が適用される。
【0068】
方法400は、逆止弁を形成するために第1の外側部片を溶接接合部において第2の外側部片に溶接すること410を含む。溶接部は熱溶接部であり得る。熱溶接は、例えばフルオロポリマーなどのポリマー材料を連結するのに適した熱溶接技法であり得る。ある実施形態では、熱溶接は、第1の外側部片および第2の外側部片の端部にある開口部を包囲する溶接表面を加熱することと、加熱された溶接表面を互いに対向するように位置付けることと、溶接表面を互いに押し付けて溶接部を形成することと、によって行われ得る。ある実施形態では、溶接表面は溶接を行う前に加熱されたパドルの両面上で加熱される。溶接表面が加熱される温度は、溶接表面において使用される1つの材料または複数の材料にとって好適な溶接温度であり得る。第1の外側部片を第2の外側部片に溶接すること410によって、溶接された第1および第2の外側部片内に内部空間が画定され、これにはポペット組立体とばねとディスクとを含む内部組立体が収容される。ある実施形態では、第1の外側部片を第2の外側部片に溶接することは、溶接表面を溶接表面の材料の融点以上の温度まで加熱することを含む。ある実施形態では、溶接表面に与えられる温度は1250°Fから2000°Fの間であり得る。ある実施形態では、第1の外側部片を第2の外側部片に溶接することは、組み立てられた第1の外側部片および第2の外側部片を維持し、溶接表面をパドルで所定の時間の間加熱し、パドルを除去し、溶接表面を1つに押し付ける機械によって、自動化することができる。
【0069】
ある実施形態では、方法400は、ディスクを挿入すること406の後かつ溶接すること410の前に、第1の外側部片を通る第1の方向への流れの試験412、および第1の外側部片を通る第1の反対の第2の方向への流れの試験414を行うことを、任意選択的に含む。第1の方向は、第1の外側部片に含まれる開口から、第1の外側部片の反対側の端部にある開口部に向かう方向であり得る。第1の方向への流れの試験は、第1の方向へのそのような流れを提供することによって試験され得る412。逆止弁は、第1の方向への流れがポペット組立体、ばね、およびディスクを通過するのを許容するとき、正常に機能している。第2の方向への流れの試験414は、反対方向への流れを提供することによって試験され得る。逆止弁
【0070】
態様
態様1~Xのうちの任意のものを態様Y~Zのうちの任意のものと組合せ可能であることが理解される。
【0071】
態様1.
内部通路を含む逆止弁であって、逆止弁は内部通路を通る流体流を制御するように構成されており、逆止弁は、
(a)内部組立体であり、
(i)ポペット組立体、
(ii)第1の端部においてポペット組立体に接触するばね、および
(iii)ばねに接触する、1つまたは複数の貫通孔を含むディスク、を有する、内部組立体と、
(b)第1の開口および第1の開口の反対側にある第1の開口部を有する第1の外側部片と、
(c)第2の開口および第2の開口の反対側にある第2の開口部を有する第2の外側部片と、を備え、第1の外側部片および第2の外側部片は、第1の開口部および第2の開口部において溶接部によって接続されて内部組立体を保持するための内部空間を画定しており、逆止弁は更に、
(d)ディスクを内部空間内の溶接部から離れた位置に選択的に保持するように構成されている、内部空間内に配置されているディスク保持機構を備え、
内部組立体は、内部通路をある方向に通る流体流を遮断し、内部通路を反対方向に通る流れを許容するように構成されている、逆止弁。
【0072】
態様2.
ポペット組立体保持機構を備え、ポペット組立体保持機構は、
第1の外側部片から内部空間内へと延在する複数の保持リブを備え、第1の複数の保持リブの保持リブは第1の複数の間隙によって互いに分離されており、
複数の間隙の各々はポペット組立体の最も外側の縁部の厚さよりも大きい、態様1に記載の逆止弁。
【0073】
態様3.
ポペット組立体の最も外側の縁部は、内部空間の直径よりも小さく複数の保持リブの対向する保持機構の間の距離よりも大きい直径を画定する、態様2に記載の逆止弁。
【0074】
態様4.
ポペット組立体はポペットとポペット組立体ディスクとを備え、ポペット組立体ディスクは1つまたは複数の貫通孔を含み、ポペット組立体ディスクはポペット組立体の外側縁部を含む、態様2または3に記載の逆止弁。
【0075】
態様5.
複数の保持リブは偶数個の保持リブであり、複数の間隙は偶数個の間隙である、態様2~4のいずれか1つに記載の逆止弁。
【0076】
態様6.
ディスク保持機構は第1の外側部片から内部空間内へと延在する複数の保持リブを備え、第2の複数の保持リブの保持リブは第2の複数の間隙によって互いに分離されており、第2の複数の間隙の各々はポペット組立体の最も外側の縁部の厚さおよびディスクの厚さよりも長い、態様1~5のいずれか1つに記載の逆止弁。
【0077】
態様7.
ディスク保持機構は第1の外側部片の内側表面に形成されている1つまたは複数のデテントを備える、態様1~6のいずれか1つに記載の逆止弁。
【0078】
態様8.
デテントは第1の外側部片の外側表面が圧縮されているときにディスクの通過を可能にせず、第1の外側部片の外側表面が圧縮されていないときにディスクの通過を可能する、態様7に記載の逆止弁。
【0079】
態様9.
第1の外側部片は第1の外側部片の内側表面に形成されている環状溝を含む、態様1~8のいずれか1つに記載の逆止弁。
【0080】
態様10.
ディスク保持機構は環状溝に挿入されるように構成されているスナップリングであり、スナップリングが環状溝に挿入されるとき、スナップリングはディスクの外径よりも小さい内径を有する、態様9に記載の逆止弁。
【0081】
態様11.
ディスクは環状溝に挿入されるように構成されており、環状溝は保持機構である、態様9に記載の逆止弁。
【0082】
態様12.
第1の外側部片、第2の外側部片、ポペット組立体、およびばねは、1種または複数種のフルオロポリマーを各々含む、態様1~11のいずれか1つに記載の逆止弁。
【0083】
態様13.
逆止弁を組み立てる方法であって、
逆止弁の第1の外側部片内にポペット組立体を挿入することであって、第1の外側部片は逆止弁の入口を含む、ポペット組立体を挿入することと、
ポペット組立体に押し付けてばねを設置することと、
ディスクをディスクがばねに接触するように挿入することと、
第1の外側部片を溶接接合部において第2の外側部片に溶接することと、を含み、
ディスクは溶接中、逆止弁の第1の外側部片の1つまたは複数の機構によって溶接接合部から離れた位置に保持される、方法。
【0084】
態様14.
ディスクは第1の外側部片の内側表面にある複数の保持リブを含む保持機構によって保持され、ディスクの挿入中、ディスクはディスクの外側縁部が複数の保持リブのリブ同士の間の間隙を通過するように回転され、方法はディスクが複数の保持リブに接触するようにディスクを回転させることを更に含む、態様13に記載の方法。
【0085】
態様15.
ポペット組立体の挿入中、ポペット組立体はポペット組立体の外側縁部が複数の保持リブのリブ同士の間の間隙を通過するように回転される、態様14に記載の方法。
【0086】
態様16.
ポペット組立体の挿入中、ポペット組立体は第2の保持機構を通過し、第2の保持機構は複数の第2の保持リブを備え、方法は、ポペット組立体が第1の外側部片の軸線に沿って逆止弁の入口から離れる方に移動するときに、ポペット組立体が複数の第2の保持リブに接触できるように、ポペット組立体を回転させることを更に含む、態様15に記載の方法。
【0087】
態様17.
第2の外側部片への第1の外側部片の溶接後に、ディスクをこれが複数の保持リブによって溶接部の近傍に保持されるように移動させることを更に含む、態様13~16のいずれか1つに記載の方法。
【0088】
態様18.
第1の外側部片を第2の外側部片に溶接することは熱溶接することを含む、態様13~17のいずれか1つに記載の方法。
【0089】
態様19.
熱溶接することは、
加熱パドルの第1の面を使用して第1の外側部片の溶接表面を加熱することと、
加熱パドルの第2の面を使用して第2の外側部片の溶接表面を加熱することと、
第1の外側部片の溶接表面と第2の外側部片の溶接表面を1つに押し付けることと、を含む、態様18に記載の方法。
【0090】
態様20.
ディスクの挿入後かつ溶接の前に、第1の外側部片を通る第1の方向への流れの試験、および第1の外側部片を通る第1の反対の第2の方向への流れの試験を行うことを更に含む、態様13~19のいずれか1つに記載の方法。
【0091】
本願において開示される例はあらゆる点において例示的であり限定的ではないものと見なされるべきである。本発明の範囲は上述した説明によってではなく付属の特許請求の範囲によって示され、請求項の等価な意味および範囲内で行われるあらゆる変更がその中に包含されることが意図されている。