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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 7/04 20060101AFI20240501BHJP
   F21S 8/00 20060101ALI20240501BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20240501BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240501BHJP
【FI】
F21V7/04 100
F21S8/00 100
F21V7/00 320
F21Y115:10
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020088636
(22)【出願日】2020-05-21
(65)【公開番号】P2021027028
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2023-04-21
(31)【優先権主張番号】P 2019144826
(32)【優先日】2019-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】若藤 晃由
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-508891(JP,A)
【文献】特開2018-152321(JP,A)
【文献】特開2014-203616(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0235576(US,A1)
【文献】特開2013-114744(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 7/04
F21S 8/00
F21V 7/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光学部と、
第1光源部と、
を含む第1発光部を備え、
前記第1光学部は、第1反射部及び第2反射部を含み、
前記第1反射部から前記第2反射部への第1方向は、前記第1光源部から前記第2反射部への第2方向と交差し、
前記第1光源部から前記第1反射部への方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む第1平面に沿い、前記第2方向と交差し、
前記第1反射部と前記第1光源部との間の距離は、前記第2反射部と前記第1光源部との間の距離よりも長く、
前記第1光源部から出射した第1出射光が前記第1反射部で反射した第1反射部光の前記第1平面内における配光角は、前記第1出射光が前記第2反射部で反射した第2反射部光の前記第1平面内における配光角よりも大きく、
前記第1反射部光の光軸と、前記第2方向と、の間の第1角度は、前記第2反射部光の光軸と、前記第2方向と、の間の第2角度よりも大きい、照明装置。
【請求項2】
前記第1反射部光の前記第1平面に対して垂直な第3方向における配光角は、前記第2反射部光の前記第3方向における配光角よりも大きい、請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記第1反射部は、第1反射面を含み、
前記第2反射部は、第2反射面を含み、
前記第1出射光が前記第1反射面で反射した第1反射面光の前記第3方向における配光角は、前記第1出射光が前記第2反射面で反射した第2反射面光の前記第3方向における配光角よりも大きい、請求項記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1反射面光の前記第1平面における配光角は、前記第2反射面光の前記第1平面における配光角よりも大きい、請求項記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1反射部は、第3反射面及び第4反射面をさらに含み、前記第3方向における前記第1反射面の位置は、前記第3方向における前記第3反射面の位置と、前記第3方向における前記第4反射面の位置と、の間にあり、
前記第2反射部は、第5反射面及び第6反射面をさらに含み、前記第3方向における前記第2反射面の位置は、前記第3方向における前記第5反射面の位置と、前記第3方向における前記第6反射面の位置と、の間にある、請求項またはに記載の照明装置。
【請求項6】
前記第1反射部は、前記第1反射部光の少なくとも一部の進行方向において凸状であり、
前記第2反射部は、前記第2反射部光の少なくとも一部の進行方向において凹状である、請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
第1光学部と、
第1光源部と、
を含む第1発光部を備え、
前記第1光学部は、第1反射部及び第2反射部を含み、
前記第1反射部から前記第2反射部への第1方向は、前記第1光源部から前記第2反射部への第2方向と交差し、
前記第1光源部から前記第1反射部への方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む第1平面に沿い、前記第2方向と交差し、
前記第1反射部と前記第1光源部との間の距離は、前記第2反射部と前記第1光源部との間の距離よりも長く、
前記第1光源部から出射した第1出射光が前記第1反射部で反射した第1反射部光の前記第1平面内における配光角は、前記第1出射光が前記第2反射部で反射した第2反射部光の前記第1平面内における配光角よりも大きく、
前記第1反射部は、前記第1反射部光の少なくとも一部の進行方向において凸状であり、
前記第2反射部は、前記第2反射部光の少なくとも一部の進行方向において凹状である、照明装置。
【請求項8】
前記第1反射面は、前記第3反射面を基準にして突出しており、前記第4反射面を基準にして突出しており、
前記第2反射面は、前記第5反射面を基準にして後退しており、前記第6反射面を基準にして後退している、請求項記載の照明装置。
【請求項9】
前記第1平面に平行な切断面において、前記第1反射面は、凹状であり、
前記第3方向を含む第2平面に平行な切断面において、前記第1反射面は、凸状であり、
前記第1平面に平行な切断面において、前記第2反射面は、凹状であり、
前記第2平面に平行な切断面において、前記第2反射面は、凹状である、請求項記載の照明装置。
【請求項10】
前記第1平面に平行な切断面において、前記第3反射面は、凹状であり、
前記第2平面に平行な切断面において、前記第3反射面は、凸状であり、
前記第1平面に平行な切断面において、前記第4反射面は、凹状であり、
前記第2平面に平行な切断面において、前記第4反射面は、凸状である、請求項9記載の照明装置。
【請求項11】
前記第1光学部は、第3反射部をさらに含み、
前記第3反射部の少なくとも一部は、前記第1反射部と前記第2反射部との間にある、請求項1~10のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項12】
前記第1光学部は、第4反射部をさらに含み、
前記第4反射部の少なくとも一部は、前記第3反射部と前記第反射部との間にある、請求項11記載の照明装置。
【請求項13】
前記第1光学部は、第1部材を含み、
前記第1反射部及び前記第2反射部は、前記第1部材の表面に設けられた第1反射膜を含む、請求項1~12のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項14】
前記第1発光部が、被照明面の側方から前記被照明面を照らし、
前記第1反射部光は、前記被照明面の第1照明領域に入射し、
前記第2反射部光は、前記被照明面の第2照明領域に入射し、
前記第1照明領域の少なくとも一部と前記第1発光部との間の距離は、前記第2照明領域と前記第1発光部との間の距離よりも短い、請求項1~13のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項15】
第2発光部をさらに備え、
前記第2発光部は、
連続した曲面状の第2光学部反射面を含む第2光学部と、
前記第2光学部反射面に第2出射光を入射させる第2光源部と、
を含む、請求項1~13のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項16】
前記照明装置が、被照明面の側方から前記被照明面を照らし、
前記第1発光部は、前記被照明面の第1照明領域を照らし、
前記第2発光部は、前記被照明面の第3照明領域を照らし、
前記第3照明領域の少なくとも一部と前記第2発光部との間の距離は、前記第1照明領域と前記第1発光部との間の距離よりも短い、請求項15記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、道路、壁または屋内などの各種の物体を照らすために照明装置が用いられる。照明装置において、被照明面における明るさの均一性を向上することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-206704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、被照明面における明るさの均一性を向上可能な照明装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、照明装置は、第1光学部と、第1光源部と、を含む第1発光部を含む。前記第1光学部は、第1反射部及び第2反射部を含む。前記第1反射部から前記第2反射部への第1方向は、前記第1光源部から前記第2反射部への第2方向と交差する。前記第1光源部から前記第1反射部への方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む第1平面に沿い、前記第2方向と交差する。前記第1反射部と前記第1光源部との間の距離は、前記第2反射部と前記第1光源部との間の距離よりも長い。前記第1光源部から出射した第1出射光が前記第1反射部で反射した第1反射部光の前記第1平面内における配光角は、前記第1出射光が前記第2反射部で反射した第2反射部光の前記第1平面内における配光角よりも大きい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、被照明面における明るさの均一性を向上可能な照明装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係る照明装置を例示する模式的斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係る照明装置の一部を例示する模式的斜視図である。
図3図3は、第1実施形態に係る照明装置の一部を例示する模式的平面図である。
図4図4は、第1実施形態に係る照明装置の一部を例示する模式的断面図である。
図5図5は、第1実施形態に係る照明装置の一部を例示する模式的断面図である。
図6図6は、第1実施形態に係る照明装置の一部を例示する模式的断面図である。
図7図7は、第1実施形態に係る照明装置の一部を例示する模式的断面図である。
図8図8は、第1実施形態に係る照明装置の一部を例示する模式的断面図である。
図9図9は、第1実施形態に係る照明装置の一部を例示する模式的断面図である。
図10図10は、第1実施形態に係る照明装置の一部を例示する模式的断面図である。
図11図11は、第1実施形態に係る照明装置における光の反射を例示する模式的平面図である。
図12図12は、第1実施形態に係る照明装置における光の反射を例示する模式的断面図である。
図13図13は、第1実施形態に係る照明装置における光を例示する模式図である。
図14図14は、第1実施形態に係る照明装置における配光角を例示する模式図である。
図15図15は、第1実施形態に係る照明装置における配光角を例示する模式図である。
図16図16は、第1実施形態に係る照明装置における配光角を例示する模式図である。
図17図17は、第1実施形態に係る照明装置における配光角を例示する模式図である。
図18図18は、第1実施形態に係る照明装置における配光角を例示する模式図である。
図19図19は、第1実施形態に係る照明装置における配光角を例示する模式図である。
図20図20は、第1実施形態に係る照明装置における配光角を例示する模式図である。
図21図21は、第1実施形態に係る照明装置における配光角を例示する模式図である。
図22図22は、第1実施形態に係る照明装置の一部を例示する模式図である。
図23図23は、第1実施形態に係る照明装置の一部を例示する模式図である。
図24図24は、第1実施形態に係る照明装置の一部を例示する模式図である。
図25図25は、第1実施形態に係る照明装置における光を例示する模式図である。
図26図26は、第1実施形態に係る照明装置の使用状態を例示する模式図である。
図27図27は、第2実施形態に係る照明装置の一部を例示する模式的断面図である。
図28図28は、第3実施形態に係る照明装置の一部を例示する模式的断面図である。
図29図29は、実施形態に係る照明装置の使用状態を例示する模式図である。
図30図30は、実施形態に係る照明装置の使用状態を例示する模式的側面図である。
図31図31は、実施形態に係る照明装置の特性を例示する表である。
図32図32は、実施形態に係る照明装置の特性を例示する模式図である。
図33図33は、実施形態に係る照明装置の特性を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る照明装置を例示する模式的斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る照明装置の一部を例示する模式的斜視図である。
図3は、第1実施形態に係る照明装置の一部を例示する模式的平面図である。
図4図10は、第1実施形態に係る照明装置の一部を例示する模式的断面図である。 図4図10は、それぞれ、図2のIV-IV線、V-V線、VI-VI線、VII-VII線、VIII-VIII線、IX-IX線、及び、X-X線における断面図である。
【0010】
図1に示すように、第1実施形態に係る照明装置110は、第1発光部81を含む。照明装置110は、複数の第1発光部81を含んでも良い。照明装置110は、第2発光部82を含んでも良い。第2発光部82については、後述する。
【0011】
図1及び図2に示すように、第1発光部81は、第1光学部10及び第1光源部31を含む。第1光源部31は、例えば、LED(light emitting diode)を含む。
【0012】
図3に示すように、第1光源部31は、複数の光源(例えば、第1光源31a、第2光源31b及び第3光源31cなど)を含んでも良い。第1光源31a、第2光源31b及び第3光源31cのそれぞれは、例えば、LEDを含む。この例では、第1光源31aは、第2光源31b及び第3光源31cの間にある。複数の光源のそれぞれから光が出射する。
【0013】
第1光源部31の位置として、第1光源部31の中心の位置を用いて良い。例えば、第1光源部31の位置は、実質的に、第1光源31aの中心の位置でも良い。
【0014】
図2に示すように、第1光学部10は、第1反射部11及び第2反射部12を含む。このように、第1光学部10は、複数の反射部を含む。この例では、第1光学部10は、第3反射部13及び第4反射部14をさらに含む。第3反射部13の少なくとも一部は、第1反射部11と第2反射部12との間にある。第4反射部14の少なくとも一部は、第3反射部13と第2反射部12との間にある。第1光学部10に設けられる複数の反射部の数は、任意である。
【0015】
図2に示すように、第1反射部11は、第1反射面11aを含み、第2反射部12は、第2反射面12bを含む。この例では、第1反射部11は、第3反射面11c及び第4反射面11dを含む。例えば、第1反射面11aの少なくとも一部は、第3反射面11cと第4反射面11dとの間にある。第2反射部12は、第5反射面12e及び第6反射面12fを含む。例えば、第2反射面12bの少なくとも一部は、第5反射面12eと第6反射面12fとの間にある。第1反射部11及び第2反射部12のそれぞれに設けられる反射面の数は、任意である。
【0016】
実用的に、第1反射部11の位置としては、第1反射部11の中心の位置を用いても良い。例えば、第1反射部11の位置は、実質的に、第1反射面11aの中心11ac(図4参照)の位置でも良い。
【0017】
実用的に、第2反射部12の位置として、第2反射部12の中心の位置を用いても良い。例えば、第2反射部12の位置は、実質的に、第2反射面12bの中心12bc(図4参照)の位置でも良い。
【0018】
図2及び図4に示すように、第1反射部11から第2反射部12への方向を第1方向D1とする。図4に示すように、第1反射面11aの中心11acから第2反射面12bの中心12bcへの方向が、第1方向D1に対応する。
【0019】
図2及び図4に示すように、第1光源部31から第2反射部12への方向を第2方向D2とする。第1方向D1は、第2方向D2と交差する。例えば、第2方向D2は、第1光源部31の第1光源31aの中心から、第2反射面12bの中心12bcへの方向に対応する。
【0020】
図4に示すように、第1光源部31から第1反射部11への方向Dz1は、第1方向D1及び第2方向D2を含む第1平面(D1-D2平面)に沿う。方向Dz1は、第2方向D2と交差する。すなわち、第1光源部31の位置を基準にして、第2反射部12への方向と、第1反射部11への方向と、は互いに異なる。第1光源部31から第1反射部11への方向Dz1は、第1光源部31の中心の位置から第1反射部11の中心の位置への方向に対応する。
【0021】
例えば、第1方向D1及び第2方向D2を含む第1平面(D1-D2平面)に対して垂直な方向を第3方向D3とする。
【0022】
後述するように、照明装置110は、例えば、被照明面を照らす。照明装置110から出射した光が、被照明面に入射する。1つの例において、被照明面は、道路である。この場合、照明装置は、被照明面(道路の表面)と交差する側面に設けられる。側面は、道路の側壁などの面である。照明装置110により、道路が照明される。
【0023】
例えば、側面の下から上への方向をY軸方向(図2参照)とする。Y軸方向は、例えば、道路の表面に対して実質的に垂直である。側面の下端から道路への方向をZ軸方向(図2参照)とする。Z軸方向は、道路の側部から道路の中央部への方向に対応する。道路における着目している位置において、道路の延びる方向をX軸方向(図2参照)とする。Y軸方向、Z軸方向及びX軸方向は、互いに直交する。
【0024】
例えば、第3方向D3は、X軸方向に沿う。第1方向D1及び第2方向D2を含む第1平面(D1-D2平面)は、例えば、X軸方向に対して垂直である。例えば、第1方向D1は、Z軸方向に対して傾斜している。例えば、第2方向D2も、Z軸方向に対して傾斜している。
【0025】
例えば、図3に示すように、第3方向D3における第1反射面11aの位置は、第3方向D3における第3反射面11cの位置と、第3方向D3における第4反射面11dの位置と、の間にある。
【0026】
図10は、第1反射部11のY軸方向の中心を含むZ-X平面に沿う断面図に対応する。第3方向D3における第1反射面11aの位置として、実用的に、第3方向D3における第1反射面11aの中心11acの位置(図3及び図10参照)を用いて良い。第3方向D3における第3反射面11cの位置として、実用的に、第3方向D3における第3反射面11cの中心11ccの位置(図3及び図10参照)を用いて良い。第3方向D3における第4反射面11dの位置として、実用的に、第3方向D3における第4反射面11dの中心11dcの位置(図3及び図10参照)を用いて良い。
【0027】
例えば、図3に示すように、第3方向D3における第2反射面12bの位置は、第3方向D3における第5反射面12eの位置と、第3方向D3における第6反射面12fの位置と、の間にある。
【0028】
図7は、第2反射部12のY軸方向の中心を含むZ-X平面に沿う断面図に対応する。第3方向D3における第2反射面12bの位置として、実用的に、第3方向D3における第2反射面12bの中心12bcの位置(図3及び図7参照)を用いて良い。第3方向D3における第5反射面12eの位置として、実用的に、第3方向D3における第5反射面12eの中心12ecの位置(図3及び図7参照)を用いて良い。第3方向D3における第6反射面12fの位置として、実用的に、第3方向D3における第6反射面12fの中心12fcの位置(図3及び図7参照)を用いて良い。
【0029】
図3に示すように、第3反射部13は、例えば、第1反射部11と第2反射部12との間にある。第3反射部13は、例えば、第7反射面13g、第8反射面13h及び第9反射面13iを含む。例えば、第7反射面13gの少なくとも一部は、第1反射面11aと第2反射面12bとの間にある。第8反射面13hの少なくとも一部は、第3反射面11cと第5反射面12eとの間にある。第9反射面13iの少なくとも一部は、第4反射面11dと第6反射面12fとの間にある。第3方向D3における第7反射面13gの位置は、第3方向D3における第8反射面13hの位置と、第3方向D3における第9反射面13iの位置と、の間にある。第3反射部13に設けられる反射面の数は、任意である。
【0030】
図9は、第3反射部13のY軸方向の中心を含むZ-X平面に沿う断面図に対応する。第3方向D3における第7反射面13gの位置として、実用的に、第3方向D3における第7反射面13gの中心13gcの位置(図9参照)を用いて良い。第3方向D3における第8反射面13hの位置として、実用的に、第3方向D3における第8反射面13hの中心13hcの位置(図9参照)を用いて良い。第3方向D3における第9反射面13iの位置として、実用的に、第3方向D3における第9反射面13iの中心13icの位置(図9参照)を用いて良い。
【0031】
図3に示すように、第4反射部14は、例えば、第3反射部13と第2反射部12との間にある。第4反射部14は、例えば、第10反射面14j、第11反射面14k及び第12反射面14lを含む。例えば、第10反射面14jの少なくとも一部は、第7反射面13gと第2反射面12bとの間にある。第11反射面14kの少なくとも一部は、第8反射面13hと第5反射面12eとの間にある。第12反射面14lの少なくとも一部は、第9反射面13iと第6反射面12fとの間にある。第3方向D3における第10反射面14jの位置は、第3方向D3における第11反射面14kの位置と、第3方向D3における第12反射面14lの位置と、の間にある。第4反射部14に設けられる反射面の数は、任意である。
【0032】
図8は、第4反射部14のY軸方向の中心を含むZ-X平面に沿う断面図に対応する。第3方向D3における第10反射面14jの位置として、実用的に、第3方向D3における第10反射面14jの中心14jcの位置(図8参照)を用いて良い。第3方向D3における第11反射面14kの位置として、実用的に、第3方向D3における第11反射面14kの中心14kcの位置(図8参照)を用いて良い。第3方向D3における第12反射面14lの位置として、実用的に、第3方向D3における第12反射面14lの中心14lcの位置(図8参照)を用いて良い。
【0033】
第1~第4反射部11~14は、例えば、互いに不連続である。例えば、第1~第4反射部11~14のそれぞれに含まれる複数の反射面は、互いに不連続である。例えば、第1~第4反射部11~14のそれぞれに含まれる複数の反射面の間に段差がある。例えば、第1~第4反射部11~14の間に段差がある。
【0034】
図4図10に示すように、例えば、第1光学部10として、第1反射膜18fが用いられても良い。この例では、第1反射膜18fは、第1部材18Mの表面に設けられる。例えば、第1部材18Mに凹凸が設けられる。凹凸が設けられた面に第1反射膜18fが設けられる。第1部材18Mは、例えば、樹脂、ガラスまたは金属などを含んでも良い。樹脂は、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)を含む。樹脂が用いられた場合は、加工が容易である。第1反射膜18fは、例えば、金属膜(例えばアルミニウム膜)などを含む。光は、第1反射膜18fの表面で反射する。例えば、第1~第4反射部11~14は、第1部材18Mの表面に設けられた第1反射膜18fを含む。例えば、第1~第4反射部11~14は、第1反射膜18fの表面に対応する。例えば、反射面は、第1反射膜18fの表面に対応する。
【0035】
第1光源部31から出射した光は、第1光学部10に含まれる複数の反射部に入射する。複数の反射部は、第1発光部81から出射した光を反射する。反射した光が、被照明面(例えば、道路など)に入射する。
【0036】
第1光源部31から出射した光は、複数の反射面に入射する。複数の反射面は、第1発光部81から出射した光を反射する。反射した光が、被照明面(例えば、道路など)に入射する。
【0037】
図4に示すように、第1反射部11と第1光源部31との間の距離d1は、第2反射部12と第1光源部31との間の距離d2よりも長い。距離d1は、例えば、第1反射面11aの中心11acと、第1光源部31の中心と、の間の距離に対応する。距離d2は、例えば、第2反射面12bの中心12bcと、第1光源部31の中心と、の間の距離に対応する。
【0038】
図11は、第1実施形態に係る照明装置における光の反射を例示する模式的平面図である。
図12は、第1実施形態に係る照明装置における光の反射を例示する模式的断面図である。
図13は、第1実施形態に係る照明装置における光を例示する模式図である。
図4及び図11に示すように、第1光源部31から出射した第1出射光31Lが第1反射部11で反射して、第1反射部光11Lとなる。第1光源部31から出射した第1出射光31Lが第2反射部12で反射して、第2反射部光12Lとなる。
【0039】
図4及び図11に示すように、第1反射部光11Lは、例えば、第1光源部31から出射した第1出射光31Lが第1反射面11aで反射して生じる第1反射面光11aLを含む。第2反射部光12Lは、第1光源部31から出射した第1出射光31Lが第2反射面12bで反射して生じる第2反射面光12bLを含む。
【0040】
図12及び図13に示すように、第1反射部光11Lの第1平面内(D1-D2平面内)における配光角DA1は、第2反射部光12Lの第1平面内における配光角DA2よりも大きい。配光角DA1は、例えば、第1反射面光11aLの第1平面内(D1-D2平面内)における配光角に対応する。配光角DA2は、例えば、第2反射面光12bLの第1平面内(D1-D2平面内)における配光角に対応する。配光角は、光の最高強度の1/2となる角度(半値全幅)の角度の範囲に対応する。
【0041】
図4及び図13に示すように、例えば、第1反射部11は、第1平面内(D1-D2平面内)において、第1焦点11fを有する。第1反射部11から第1焦点11fまでの距離が、第1焦点距離f1(図13参照)に対応する。図13に示すように、第1反射部光11Lは、焦点11fを通過した後に、被照明面91に入射する。
【0042】
一方、第2反射部12は、第1平面内(D1-D2平面内)において、焦点を有しない。または、第2反射部12が第1平面内(D1-D2平面内)において焦点を有していた場合において、第2反射部12の焦点距離は、第1焦点距離f1よりも長い。
【0043】
図13に示すように、第1発光部81は、被照明面91の側方から、被照明面91に光(第1反射部光11L及び第2反射部光12Lなど)を入射させる。第1反射部光11Lは、被照明面91の第1照明領域R1に入射する。第2反射部光12Lは、被照明面91の第2照明領域R2に入射する。第1照明領域R1の少なくとも一部と第1発光部81との間の距離は、第2照明領域R2と第1発光部81との間の距離よりも短い。
【0044】
第1照明領域R1と第1発光部81との間の距離は、第2照明領域R2と第1発光部81との間の距離よりも短い。第1反射部光11Lは、被照明面91内の第1照明領域R1に入射する。第2反射部光12Lは、被照明面91内の第2照明領域R2に入射する。
【0045】
実施形態においては、第1反射部11は、第1光源部31を基準にして、第2反射部12よりも遠い位置に設けられる。第2反射部12は、第1光源部31を基準にして、第1反射部11よりも近い位置に設けられる。第1反射部11で反射した第1反射部光11Lの配光角DA1が、第2反射部12で反射した第2反射部光12Lの配光角DA2よりも大きい。これにより、被照明面91において、明るさの均一性を向上できる。
【0046】
第1反射部11で反射した第1反射部光11Lが、被照明面91内の、第1光源部31に近い第1照明領域R1に入射し、第2反射部12で反射した第2反射部光12Lが被照明面91内の第2照明領域R2に入射する。このとき、配光角を上記のような関係にすることで、第1光源部31に対して、近い照明領域と、遠い照明領域と、における明るさを互いに近づけることができる。これにより、被照明面91において、明るさの均一性を向上できる。
【0047】
例えば、道路などの被照明面91を上方から照らす第1参考例の照明器具がある。この場合、照明器具から出射した光の被照明面91における入射角は小さい。すなわち、光は、被照明面91に、垂直に近い角度で入射する。光は深い角度で、被照明面91に入射する。このような第1参考例においては、被照明面と照明器具との間の距離の変化が比較的小さい。このため、被照明面91における明るさの均一性を向上することは比較的容易である。
【0048】
一方、道路などの被照明面91を側方から照らす第2参考例として、自動車のヘッドライトなどがある。ヘッドライトから出射した光の被照明面91における入射角も比較的大きい。このような第2参考例においては、光源から遠い位置に設けられた反射部で反射した光の配光角は、光源に近い位置に設けられた反射部で反射した光の配光角よりも小さくなるように設計される。このような第2参考例においては、入射角を大きくすると、被照明面91における明るさの均一性を向上することが困難になることが分かった。自動車のヘッドライトのための設計思想においては、遠くを明るく照らすことは配慮されていたとしても、遠い領域から近い領域までの広い範囲における明るさを均一にすることは困難である。
【0049】
実施形態においては、第1発光部81は、被照明面91の側方から、入射角度の広い範囲で光を被照明面91に入射させた場合においても、被照明面91における明るさを均一にできる。実施形態において、第1発光部81から出射する光の俯角は、例えば、1度~40度程度の範囲である。一方、自動車のヘッドライトのような第2参考例における俯角は、1度~10度程度である。そして、上記のように、第2参考例においては、俯角が1度~10度の範囲においても、明るさの均一性は低い。これに対して、実施形態においては、俯角が1~40度のように広い範囲において、明るさを均一にできる。
【0050】
第1照明領域R1と第2照明領域R2との間の領域に、例えば、他の反射部(例えば、第3反射部13及び第4反射部14など)で反射された反射光が入射する。広い領域を均一な明るさで照らすことができる。
【0051】
図12に示すように、実施形態において、第1反射部光11Lの俯角は、第2反射部光12Lの俯角よりも大きい。例えば、第1反射部光11Lの光軸11xと、第2方向D2と、の間の第1角度θ1は、第2反射部光12Lの光軸12xと、第2方向D2と、の間の第2角度θ2よりも大きい。このような角度の関係により、第1発光部81が被照明面91の側方から被照明面91を照らしたときに、第1反射部光11Lは、被照明面91内の近い領域に入射し、第2反射部光12Lは、被照明面91内の遠い領域に入射する。
【0052】
図14図21は、第1実施形態に係る照明装置における配光角を例示する模式図である。
図14図21の横軸は、X軸方向における配光角LX(度)であり、縦軸は、Y軸方向における配光角LY(度)である。X軸方向における配光角LXは、第1方向D1及び第2方向D2を含む第1平面(D1-D2平面)に対して垂直な第3方向D3における配光角に対応する。Y軸方向における配光角LYは、第1平面内における配光角に対応する。
【0053】
図14に示すように、第1反射部光11LのX軸方向(第3方向D3)における配光角LX11は、後述する配光角LX12よりも大きい。既に説明したように、第1反射部光11LのY軸方向における配光角LY11は、後述する配光角LY12よりも大きい。
【0054】
図17に示すように、第2反射部光12LのX軸方向における配光角LX12は、配光角LX11よりも小さい。既に説明したように、第2反射部光12LのY軸方向における配光角LY12は、配光角LY11よりも小さい。
【0055】
図15に示すように、第3反射部光13Lは、X軸方向(第3方向D3)における配光角LX13と、Y軸方向における配光角LY13と、を有する。1つの例において、配光角LX13は、配光角LX11と配光角LX12との間である。1つの例において、配光角LY13は、配光角LY11と配光角LY12との間である。
【0056】
図16に示すように、第4反射部光14Lは、X軸方向(第3方向D3)における配光角LX14と、Y軸方向における配光角LY14と、を有する。1つの例において、配光角LX14は、配光角LX13と配光角LX12との間である。1つの例において、配光角LY14は、配光角LY13と配光角LY12との間である。
【0057】
配光角LX11及び配光角LY11は、第1反射部11に含まれる複数の反射面による反射光の合計の配光角に対応する。配光角LX12及び配光角LY12は、第2反射部12に含まれる複数の反射面による反射光の合計の配光角に対応する。配光角LX13及び配光角LY13は、第3反射部13に含まれる複数の反射面による反射光の合計の配光角に対応する。配光角LX14及び配光角LY14は、第4反射部14に含まれる複数の反射面による反射光の合計の配光角に対応する。
【0058】
図18は、第1反射面11aによる第1反射面光11aLを例示している。図19は、第7反射面13gによる第7反射面光13gLを例示している。図20は、第10反射面14jによる第10反射面光14jLを例示している。図21は、第2反射面12bによる第2反射面光12bLの配光角を例示している。
【0059】
図18に示すように、第1反射面光11aLは、X軸方向(第3方向D3)における配光角LX11aと、Y軸方向における配光角LY11aと、を有する。図19に示すように、第7反射面光13gLは、X軸方向(第3方向D3)における配光角LX13gと、Y軸方向における配光角LY13gと、を有する。図20に示すように、第10反射面光14jLは、X軸方向(第3方向D3)における配光角LX14jと、Y軸方向における配光角LY14jと、を有する。図21に示すように、第2反射面光12bLは、X軸方向(第3方向D3)における配光角LX12bと、Y軸方向における配光角LY12bと、を有する。
【0060】
例えば、配光角LX11aは、配光角LX12bよりも大きい。配光角LX11aは、第1出射光31Lが第1反射面11aで反射した第1反射面光11aLの第3方向D3における配光角に対応する。配光角LX12bは、第1出射光31Lが第2反射面12bで反射した第2反射面光12bLの第3方向D3における配光角に対応する。
【0061】
例えば、配光角LY11aは、配光角LY12bよりも大きい。配光角LY11aは、例えば、第1反射面光11aLの第1平面(D1-D2平面)における配光角に対応する。配光角LY12bは、第2反射面光12bLの第1平面における配光角に対応する。
【0062】
1つの例において、配光角LX13gは、配光角LX11aと配光角LX12bとの間である。1つの例において、配光角LY13gは、配光角LY11aと配光角LY12bとの間である。1つの例において、配光角LX14jは、配光角LX13gと配光角LX12bとの間である。1つの例において、配光角LY14jは、配光角LY13gと配光角LY12bとの間である。
【0063】
図10に示すように、第1反射部11は、凸状である。例えば、第1反射面11aは、第3反射面11cを基準にして突出している。例えば、第1反射面11aは、第4反射面11dを基準にして突出している。このように、第1反射部11は、第1反射部光11Lの少なくとも一部の進行方向(この例では、Z軸方向に沿う方向:図11参照))において凸状である。このような形状により、第1反射部光11Lが大きく広がる。第1反射部光11LのX軸方向における配光角を大きくできる。
【0064】
図7に示すように、第2反射部12は、凹状である。例えば、第2反射面12bは、第5反射面12eを基準にして後退している。例えば、第2反射面12bは、第6反射面12fを基準にして後退している。このように、第2反射部12は、第2反射部光12Lの少なくとも一部の進行方向(この例では、Z軸方向に沿う方向:図11参照))において凹状である。
【0065】
図8に示すように、この例では、第3反射部13は、凹状である。例えば、第3反射部13は、第3反射部光13Lの少なくとも一部の進行方向において凹状である。図9に示すように、この例では、第4反射部14は、凹状である。例えば、第4反射部14は、第4反射部光14Lの少なくとも一部の進行方向において凹状である。
【0066】
図4に示すように、第1平面(D1-D2平面)に平行な切断面において、第1反射面11aは、凹状である。第1平面に平行な切断面において、第2反射面12bは、凹状である。第1平面に平行な切断面において、第7反射面13gは、凹状である。第1平面に平行な切断面において、第10反射面14jは、凹状である。
【0067】
第3方向D3を含む第2平面は、例えば、X-Z平面である。図10に示すように、第2平面に平行な切断面において、第1反射面11aは、凸状である。図7に示すように、第2平面に平行な切断面において、第2反射面12bは、凹状または実質的に平面である。
【0068】
図5に示すように、第1平面(D1-D2平面)に平行な切断面において、第3反射面11cは、凹状である。図6に示すように、第1平面に平行な切断面において、第4反射面11dは、凹状である。
【0069】
図10に示すように、第2平面(X-Z平面)に平行な切断面において、第3反射面11cは、凸状である。第2平面に平行な切断面において、第4反射面11dは、凸状である。このような形状により、第1反射部11で反射した第1反射部光11Lの配光角を大きくできる。
【0070】
図4に示すように、第1~第4反射部11~14は、Y軸方向に沿う第1~第4長さH1~H4をそれぞれ有する。第1~第4長さH1~H4は、高さに対応する。第1長さH1は、第2長さH2よりも長い。例えば、第3長さH3は、第1長さH1よりも短く、第2長さH2よりも短い。例えば、第4長さH4は、第1長さH1よりも短く、第2長さH2よりも短い。
【0071】
例えば、第1~第4長さH1~H4を変えることで、第1~第4反射部11~14のそれぞれの面積が変更される。第1長さH1を大きくすることで、反射面を大きくでき、第1光源部31に近い広い領域を照明できる。第2長さH2をある程度大きくすることで、反射面を適度に広くでき。第1光源部31から遠い領域を必要な明るさで照明できる。第3反射部13及び第4反射部14などの中間の領域においては、第1反射部11から第1反射部光11L、または、第2反射部12からの第2反射部光12Lの影響を受けることができるため、大きな面積は必ずしも必要としない。
【0072】
既に説明したように、複数の第1発光部81が設けられても良い。図1に示すように、1つの例において、複数の第1発光部81の1つから、複数の第1発光部81の別の1つへの方向は、第3方向D3に沿う。
【0073】
以下、第2発光部82の例について説明する。図1に示すように、複数の第1発光部81が設けられる場合において、例えば、第2発光部82の少なくとも一部は、複数の第1発光部81の間に設けられても良い。
【0074】
図22図24は、第1実施形態に係る照明装置の一部を例示する模式図である。
図22図24は、第2発光部82を例示している。図22は、斜視図である。図23は、図22のXXIII-XXIII線断面図である。図24は、平面図である。
【0075】
図22図24に示すように、第2発光部82は、第2光学部20及び第2光源部32を含む。第2光学部20は、第2光学部反射面21を含む。第2光学部反射面21は、例えば、連続した曲面状である。第2光源部32は、第2光学部反射面21に第2出射光32Lを入射させる。
【0076】
第2光源部32は、例えば、LEDを含む。LEDから出射した光が、第2光学部反射面21に入射する。光は、第2光学部反射面21で反射し、第2光学部反射光21Lとなる。第2光学部反射光21Lは、被照明面91に入射する。第2光学部反射光21Lの少なくとも一部の進行方向において、第2光学部反射面21は、連続した凹状である。
【0077】
図23に示すように、第2光学部20として、第2反射膜28fが用いられても良い。この例では、第2反射膜28fは、第2部材28Mの表面に設けられる。例えば、第2部材28Mに凹部が設けられる。凹部が設けられた面に第2反射膜28fが設けられる。第2部材28Mは、例えば、樹脂、ガラスまたは金属などを含んでも良い。第2反射膜28fは、例えば、金属膜(例えばアルミニウム膜)などを含む。光は、第2反射膜28fの表面で反射する。例えば、第2光学部反射面21は、例えば、第2部材28Mの表面に設けられた第2反射膜28fを含む。
【0078】
図23に示すように、第2光学部反射光21Lは、Y-Z平面内で広がる。図24に示すように、第2光学部反射光21Lは、X-Z平面内で広がる。第2光学部反射光21Lは、Z軸方向に沿って進行する際にX軸方向にも広がる。
【0079】
図25は、第1実施形態に係る照明装置における光を例示する模式図である。
図25は、第2発光部82から出射する第2光学部反射光21Lを例示している。図25には、第1反射部光11Lが入射する第1照明領域R1、及び、第2反射部光12Lが入射する第2照明領域R2が例示されている。図25中において、第1発光部81の位置は、第2発光部82の位置と、実質的に同じである。図を見やすくするために、図25では、第1発光部81が省略されている。
【0080】
図25に示すように、照明装置110は、被照明面91の側方から被照明面91を照らす。第1発光部81から出射した光(例えば、第1反射部光11L)は、被照明面91の第1照明領域R1に入射する。すなわち、第1発光部81は、第1照明領域R1を照らす。第2発光部82から出射した光(例えば、第2光学部反射光21L)は、被照明面91の第3照明領域R3に入射する。すなわち、第2発光部82は、第3照明領域R3を照らす。第1発光部81または第2発光部82を基準にして、第3照明領域R3の少なくとも一部は、第1照明領域R1よりも近い。第3照明領域R3の少なくとも一部と第2発光部82との間の距離は、第1照明領域R1と第1発光部81との間の距離よりも短い。例えば、照明装置110から近い順に、第3照明領域R3、第1照明領域R1、及び、第2照明領域R2が形成される。
【0081】
第1発光部81に含まれる反射部(第1反射部11及び第2反射部12など)は、第1照明領域R1に反射光を入射させる。第2発光部82に含まれる第2光学部反射面21は、第3照明領域R3に反射光を入射させる。第1発光部81及び第2発光部82の組み合わせにより、広い面積を均一な明るさで照らすことができる。
【0082】
光源を基準として、第1反射部11は、第2反射部12よりも遠い位置にある。例えば、第1反射部11による第1反射部光11Lにおいては、後述する第2反射部光12Lよりも配光角が大きく、俯角が大きい。第1反射部11で反射した第1反射部光11Lにより、中間の距離の第1照明領域R1が照らされる。第2反射部12による第2反射部光12Lにおいては、第1反射部光11Lよりも配光角が小さく、俯角が小さい。第2反射部12で反射した第2反射部光12Lにより、遠方の第2照明領域R2が照らされる。第2発光部82の第2光学部反射面21による第2光学部反射光21Lにより、近傍の第3照明領域R3が照らされる。例えば、第1発光部81からの光に残る明るさのむらが、第2発光部82からの光により補正され、広い面積で明るさを均一にできる。
【0083】
図26は、第1実施形態に係る照明装置の使用状態を例示する模式図である。
図26に示すように、被照明面91は、道路の表面である。被照明面91と交差する側壁92が設けられる。実施形態に係る照明装置110は、例えば、側壁92に設けられる。照明装置110は、例えば、被照明面91と交差する側面92fに設けられ、照明装置110は、道路を側方から照らす。1つの照明装置110により、Z軸方向における明るさを均一にできる。
【0084】
図26に示すように、複数の照明装置110は、X軸方向に沿って並ぶ。被照明面91において、複数の照明装置110の1つから出射する光の一部は、複数の照明装置110の別の1つから出射する光と重なる。複数の照明装置110により、X軸方向における明るさを均一にできる。
【0085】
(第2実施形態)
図27は、第2実施形態に係る照明装置の一部を例示する模式的断面図である。
図27は、第2実施形態に係る照明装置120における第1発光部81Aを例示している。図27は、図4の断面に対応する断面を例示している。
【0086】
図27に示すように、第1発光部81Aも、第1光学部10及び第1光源部31を含む。第1光学部10は、第1部材18M及び第1反射膜18fを含む。第1光源部31から出射した光は、第1部材18Mを通過して第1反射膜18fに入射する。第1反射膜18fで反射した光が被照明面91に入射する。この場合も、第1光学部10は、第1反射部11及び第2反射部12などの複数の反射部を含む。第1反射膜18fが、複数の反射部として機能する。
【0087】
照明装置120における第1発光部81Aのように、第1光学部10は、裏面反射型でも良い。第2実施形態における反射部として、第1実施形態に関して説明した反射部の構成が適用できる。第2実施形態においても、被照明面における明るさの均一性を向上可能な照明装置が提供できる。
【0088】
(第3実施形態)
図28は、第3実施形態に係る照明装置の一部を例示する模式的断面図である。
図28は、第3実施形態に係る照明装置130における第2発光部82Aを例示している。図28は、図23の断面に対応する断面を例示している。
【0089】
図28に示すように、第2発光部82Aも、第2光学部20及び第2光源部32を含む。第2光学部20は、第2部材28M及び第2反射膜28fを含む。第2光源部32から出射した光は、第2部材28Mを通過して第2反射膜28fに入射する。第2反射膜28fで反射した光が被照明面91に入射する。この場合も、第2光学部20は、第2光学部反射面21を含む。第2反射膜28fが、第2光学部反射面21として機能する。
【0090】
照明装置130における第2発光部82Aのように、第2光学部20は、裏面反射型でも良い。第3実施形態における第2光学部反射面21として、第1実施形態に関して説明した第2光学部反射面21の構成が適用できる。第3実施形態においても、被照明面における明るさの均一性を向上可能な照明装置が提供できる。
【0091】
第2実施形態に関して説明した第1発光部81Aと、第3実施形態に関して説明した第2発光部82Aと、を組み合わせても良い。
【0092】
以下、実施形態に係る照明装置の別の使用状態の例について説明する。以下の例では、実施形態に係る照明装置として、照明装置110が用いられる。
図29は、実施形態に係る照明装置の使用状態を例示する模式図である。
図29に示すように、第1~第3実施形態に係る照明装置は、建物95を照明しても良い。被照明面91は、例えば、建物95の壁面95Sである。照明装置110から出射する光が壁面95Sに入射し、壁面95Sの少なくとも一部の照射領域91Eにおいて、実質的に均一な明るさが得られる。照射領域91Eは、「有効照射領域」に対応する。図29に示すように、照明装置110は、地面96から離れて設けられても良い。
【0093】
建物95の高さ方向がZ軸方向に対応する。壁面95Sの左右の方向がX軸方向に対応する。壁面95Sに対して垂直な方向がY軸方向に対応する。照射領域91EのZ軸方向に沿う長さを、長さDh3(高さ幅)とする。照射領域91EのX軸方向に沿う長さを、長さDx3(左右幅)とする。図29に示すように、光出射部110LをY軸方向において被照明面91(壁面95S)に投影した位置からZ軸方向に伸ばした線と、光出射部110LをY軸方向において被照明面91(壁面95S)に投影した位置から照射領域91Eの下端91Lの一方の端91Leに伸ばした線と、の間の角度を角度φ3とする。
【0094】
以下、照明装置110の特性のシミュレーション結果の例について説明する。
図30は、実施形態に係る照明装置の使用状態を例示する模式的側面図である。
図30に示すように、照明装置110の光出射部110Lと、被照明面91(壁面95S)と、の間のY軸方向に沿う距離を長さDy1とする。長さDy1は、光出射部110Lの、壁面95Sからの距離に対応する。照射領域91Eの下端と、光出射部110Lと、の間のZ軸方向に沿う距離を長さDh1とする。照射領域91Eの上端と、光出射部110Lと、の間のZ軸方向に沿う距離を長さDh2とする。長さDh1と長さDh3との和が、長さDh2に対応する。図30に示すように、光出射部110Lを通るY-Z平面内において、光出射部110Lと、照射領域91Eの下端91Lと、を結ぶ方向と、被照明面91(壁面95S)と、の間の角度を角度φ1とする。光出射部110Lを通るY-Z平面内において、光出射部110Lと、照射領域91Eの上端91Uと、を結ぶ方向と、被照明面91(壁面95S)と、の間の角度を角度φ2とする。
【0095】
図31は、実施形態に係る照明装置の特性を例示する表である。
図31は、長さDy1(光出射部110Lの壁面95Sからの距離)を変えたときの照射領域91E(実質的に均一な明るさが得られる「有効照射領域」)のシミュレーション結果を例示している。この例では、照射領域91Eにおけるピーク照度の1/2の照度が得られる範囲を、照射領域91Eの外縁とする。すなわち、長さDh3(高さ幅)を有する領域の高さ方向の端、及び、長さDx3(左右幅)を有する領域の左右方向の端における照度が、ピーク照度の1/2である。照射領域91Eの内側では、照度は実質的に均一であり、照射領域91Eの外側では、照度は不均一である。実用的には、照射領域91Eにおけるピーク照度の実質的に1/2の照度が得られる範囲を、照射領域91Eの外縁としてよい。
【0096】
この例では、角度φ3(図29参照)は、59.5度である。角度φ1(図30参照)は、32.1度である。角度φ2(図30参照)は、4.5度である。
【0097】
図31には、平均照度AvIL及び距離係数CDも示されている。平均照度AvILは、照射領域91Eにおける平均の照度である。距離係数CDは、長さDy1が1.0975mのときを1としたときの、他の長さDy1の比である。
【0098】
図31に示すように、長さDy1が長くなると、長さDh1、長さDh2、長さDh3、及び、長さDx3が長くなる。すなわち、長さDy1が長くなると、照射領域91Eの高さ方向の幅、及び、左右方向の幅が長くなる。一方、長さDy1が長くなると、平均照度AvILが低下する。
【0099】
図32及び図33は、実施形態に係る照明装置の特性を例示する模式図である。
図32において、X-Z平面における照度ILが例示されている。X軸方向の位置pX及びZ軸方向の位置pZは、光出射部110Lの位置を規準とする。図33は、図32の一部を拡大して示している。図32及び図33に示すように、X軸方向の位置pXにおいて、照度ILは実質的に左右対称である。Z軸方向に沿って、Z軸方向の位置pZが大きくなると、照度ILは低下する。図32及び図33に示すように、実質的に均一な照度が得られる照射領域91Eは、実質的に長方形状である。
【0100】
長さDy1が変化すると、図32及び図33に例示した照射領域91Eは相似で、照射領域91Eの大きさが変化する。
【0101】
1つの例において、長さDy1が1.75mのときに、長さDh1は2.79mであり、長さDh2は22.2mであり、長さDh3は、19.4mである。このときの照射領域91Eにおける平均照度AvILは、11.02lxである。
【0102】
上記のシミュレーションの結果の例は、被照明面91が道路の表面である場合にも適用できる。この場合、長さDy1は、道路の表面から光出射部110Lまでの距離(高さ)に対応する。
【0103】
実施形態によれば、被照明面における明るさの均一性が向上可能な照明装置を提供できる。
【0104】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0105】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、照明装置に含まれる光学部、反射部、反射面、光源部、及び、光源などのそれぞれの具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0106】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0107】
その他、本発明の実施の形態として上述した照明装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての照明装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0108】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと解される。
【符号の説明】
【0109】
10…第1光学部、 11~14…第1~第4反射部、 11L~14L…第1~第4反射部光、 11a…第1反射面、 11aL…第1反射面光、 11ac…中心、 11c…第3反射面、 11cc…中心、 11d…第4反射面、 11dc…中心、 11f…焦点、 11x…光軸、 12b…第2反射面、 12bL…第2反射面光、 12bc…中心、 12e…第5反射面、 12ec…中心、 12f…第6反射面、 12fc…中心、 12x…光軸、 13g…第7反射面、 13gL…第7反射面光、 13gc…中心、 13h…第8反射面、 13hc…中心、 13i…第9反射面、 13ic…中心、 14j…第10反射面、 14jL…第10反射面光、 14jc…中心、 14k…第11反射面、 14kc…中心、 14l…第12反射面、 14lc…中心、 18M…第1部材、 18f…第1反射膜、 20…第2光学部、 21…第2光学部反射面、 28M…第2部材、 28f…第2反射膜、 31、32…第1、第2光源部、 31L、32L…第1、第2出射光、 31a~31c…第1~第3光源、 81、81A…第1発光部、 82、82A…第2発光部、 91…被照明面、 91E…照射領域、 91L…下端、 91U…上端、 92…側壁、 92f…側面、 95…建物、 95S…壁面、 96…地面、 θ1、θ2…第1、第2角度、 φ1~φ3…角度、 110、120、130…照明装置、 110L…光出射部、 AvIL…平均照度、 CD…距離係数、 D1~D3…第1~第3方向、 DA1、DA2…配光角、 Dh1~Dh3、Dx3、Dy1…長さ、 Dz1…方向、 H1~H4…第1~第4長さ、 IL…照度、 LX、LX11、LX11a、LX12、LX12b、LX13、LX13g、LX14、LX14j、LY、LY11、LY11a、LY12、LY12b、LY13、LY13g、LY14、LY14j…配光角、 R1~R3…第1~第3照明領域、 d1、d2…距離、 f1…焦点距離、 pX、pZ…位置
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