(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】表面弾性波デバイス用のハイブリッド構造及び関連する製造方法
(51)【国際特許分類】
H03H 9/25 20060101AFI20240501BHJP
H03H 3/08 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
H03H9/25 C
H03H3/08
(21)【出願番号】P 2020543227
(86)(22)【出願日】2019-03-13
(86)【国際出願番号】 FR2019050540
(87)【国際公開番号】W WO2019186011
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-02-25
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】598054968
【氏名又は名称】ソイテック
【氏名又は名称原語表記】Soitec
【住所又は居所原語表記】Parc Technologique des fontaines chemin Des Franques 38190 Bernin, France
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】アリベルト, フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】ヴェイティゾウ, クリステル
【審査官】▲高▼橋 徳浩
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/021614(WO,A1)
【文献】特開2010-018514(JP,A)
【文献】特開2015-073331(JP,A)
【文献】国際公開第2017/134357(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/163722(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/163729(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H3/007-H03H3/10
H03H9/00-H03H9/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有用層(1)の熱膨張係数よりも低い熱膨張係数を有する支持基板(2)に組み付けられた、圧電材料の有用層(1)と、前記有用層(1)の第1の面(1a)と前記支持基板(2)との間に位置する中間層(3)と、前記第1の面(1a)とは反対側の前記有用層(1)の第2の面(1b)上に設けられた2つの電極(20)であって、前記2つの電極(20)は、前記2つの電極(20)間で、前記第2の面(1b)の表面近くを伝搬する音響信号を生成するためのものである、2つの電極(20)と、を含む表面弾性波デバイス用のハイブリッド構造(10)において、前記中間層(3)が少なくとも第1の材料と前記第1の材料とは異なる第2の材料の粉末を含む焼結複合層(3)であり、
前記第1の材料が前記有用層(1)の音響インピーダンス値の周りに20%以下の偏差を有する音響インピーダンス値を有し、
前記有用層(1)の前記音響インピーダンス
値の、前記第2の材料の前記音響インピーダンス
値に対する比が2よりも大きく、
前記第1及び前記第2の材料の前記粉末の粒子の平均サイズが、前記第2の面(1b)の前記表面近くを伝搬するように意図された前記音響信号の波長の4分の1以上であることを特徴とする、ハイブリッド構造(10)。
【請求項2】
有用層(1)の熱膨張係数よりも低い熱膨張係数を有する支持基板(2)に組み付けられた、圧電材料の有用層(1)と、前記有用層(1)の第1の面(1a)と前記支持基板(2)との間に位置する中間層(3)と、前記第1の面(1a)とは反対側の前記有用層(1)の第2の面(1b)上に設けられた2つの電極(20)であって、前記2つの電極(20)は、前記2つの電極(20)間で、前記第2の面(1b)の表面近くを伝搬する音響信号を生成するためのものである、2つの電極(20)と、を含む表面弾性波デバイス用のハイブリッド構造(10)において、前記中間層(3)が少なくとも第1の材料と前記第1の材料とは異なる第2の材料の粉末を含む焼結複合層(3)であり、
前記第1の材料及び前記第2の材料が、前記有用層(1)と前記支持基板(2)との間に音響インピーダンス整合層を形成するように選択され、
前記第1及び前記第2の材料の前記粉末の粒子の平均サイズが、前記第2の面(1b)の前記表面近くを伝搬するように意図された前記音響信号の波長の4分の1未満であることを特徴とする、ハイブリッド構造(10)。
【請求項3】
前記支持基板(2)が、ケイ素、ガラス、シリカ、サファイア、アルミナ、窒化アルミニウムから選択された材料を含む、請求項1又は2に記載のハイブリッド構造(10)。
【請求項4】
前記有用層(1)が、タンタル酸リチウム(LiTaO
3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO
3)、石英、酸化亜鉛(ZnO)から選択された圧電材料を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のハイブリッド構造(10)。
【請求項5】
前記第1及び第2の材料が、酸化ケイ素、窒化ケイ素、ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ、ゲルマニウム、サファイア、ジルコニウムから選択されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のハイブリッド構造(10)。
【請求項6】
i)圧電材料の有用層(1)、及び前記有用層(1)の熱膨張係数よりも低い熱膨張係数を有する支持基板(2)を用意するステップと、
ii)少なくとも第1の材料と前記第1の材料とは異なる第2の材料の粉末の混合物から形成された層(3’)を、前記有用層(1)の第1の面(1a)及び/又は前記支持基板(2)の第1の面(2a)に堆積させるステップと、
iii)前記粉末の混合物から形成された前記層(3’)を焼結して、前記有用層(1)の前記第1の面(1a)及び/又は前記支持基板(2)の前記第1の面(2a)に強固に取り付けられた焼結複合層(3)を得るステップと、
iv)前記
焼結複合層(3)が前記有用層(1)の第1の面(1a)と前記支持基板(2)との間に配置されるように、前記有用層(1)と前記支持基板(2)とを組み立てるステップと、
v)前記第1の面(1a)とは反対側の前記有用層(1)の第2の面(1b)上に2つの電極(20)を設けるステップであって、前記2つの電極(20)は、前記2つの電極(20)間で、前記第2の面(1b)の表面近くを伝搬する音響信号を生成するためのものである、ステップと、
を含み、
前記ステップiii)及びiv)の後で、前記第1の材料が前記有用層(1)の音響インピーダンス値の周りに20%以下の偏差を有する音響インピーダンス値を有し、前記有用層(1)の前記音響インピーダンス
値の、前記第2の材料の前記音響インピーダンス
値に対する比が2よりも大きく、
前記ステップiii)の後で、前記第1及び前記第2の材料の前記粉末の粒子の平均サイズが、前記第2の面(1b)の前記表面近くを伝搬するように意図された前記音響信号の波長の4分の1以上である、ことを特徴とする、表面弾性波デバイス用のハイブリッド構造(10)を製造するための方法。
【請求項7】
i)圧電材料の有用層(1)、及び前記有用層(1)の熱膨張係数よりも低い熱膨張係数を有する支持基板(2)を用意するステップと、
ii)少なくとも第1の材料と前記第1の材料とは異なる第2の材料の粉末の混合物から形成された層(3’)を、前記有用層(1)の第1の面(1a)及び/又は前記支持基板(2)の第1の面(2a)に堆積させるステップと、
iii)前記粉末の混合物から形成された前記層(3’)を焼結して、前記有用層(1)の前記第1の面(1a)及び/又は前記支持基板(2)の前記第1の面(2a)に強固に取り付けられた焼結複合層(3)を得るステップと、
iv)前記
焼結複合層(3)が前記有用層(1)の第1の面(1a)と前記支持基板(2)との間に配置されるように、前記有用層(1)と前記支持基板(2)とを組み立てるステップと、
v)前記第1の面(1a)とは反対側の前記有用層(1)の第2の面(1b)上に2つの電極(20)を設けるステップであって、前記2つの電極(20)は、前記2つの電極(20)間で、前記第2の面(1b)の表面近くを伝搬する音響信号を生成するためのものである、ステップと、
を含み、
前記第1の材料及び前記第2の材料が、前記ステップiii)及びiv)の後で前記有用層(1)と前記支持基板(2)との間に音響インピーダンス整合層を形成するように選択され、
前記ステップiii)の後で、前記第1及び前記第2の材料の前記粉末の粒子の平均サイズが、前記第2の面(1b)の前記表面
近くを伝搬するように意図された前記音響信号の波長の4分の1未満である、ことを特徴とする、表面弾性波デバイス用のハイブリッド構造(10)を製造するための方法。
【請求項8】
前記有用層(1)の前記第1の面(1a)及び/又は前記支持基板(2)の前記第1の面(2a)が、ステップii)
において前記粉末の混合物から形成された前記層(3’)の前記堆積の前に、保護層(4、4a)を含む、請求項6又は7に記載の表面弾性波デバイス用のハイブリッド構造(10)を製造するための方法。
【請求項9】
前記保護層(4、4a)が、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、及びアルミナから選択された少なくとも1つの材料によって形成される、請求項8に記載の表面弾性波デバイス用のハイブリッド構造(10)を製造するための方法。
【請求項10】
前記粉末の混合物が粘性ペーストの形態であり、ステップii)における前記混合物によって形成された前記層(3’)の前記堆積がスピンコーティングによって行われる、請求項6~9のいずれか一項に記載の表面弾性波デバイス用のハイブリッド構造(10)を製造するための方法。
【請求項11】
前記粉末の混合物によって形成された前記層(3’)の前記堆積に続いて、前記粘性ペーストの少なくとも1つの液体成分を放出するために低温熱処理が行われる、請求項10に記載の表面弾性波デバイス用のハイブリッド構造(10)を製造するための方法。
【請求項12】
前
記ステップiv)の前に、接合層(4b)を前記
焼結複合層(3)に堆積させる、請求項6~11のいずれか一項に記載の表面弾性波デバイス用のハイブリッド構造(10)を製造するための方法。
【請求項13】
ステップi)において用意される前記有用層(1)が圧電材料ドナー基板(1’)である、請求項6~12のいずれか一項に記載の表面弾性波デバイス用のハイブリッド構造(10)を製造するための方法。
【請求項14】
前記
表面弾性波デバイスの前記製造のために前記
圧電材料ドナー基板(1’)を前記有用層(1)の所望の厚さまで薄くするステップv)を含む、請求項13に記載の表面弾性波デバイス用のハイブリッド構造(10)を製造するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面弾性波デバイスの分野に関する。本発明は、詳細には、表面弾性波デバイスの製造に適したハイブリッド構造に関する。
【背景技術】
【0002】
表面弾性波(SAW)デバイスなどの音響共振器の構造は、電気信号を音響波に変換するために、及びその逆を行うために、圧電基板上に生成された1つ又は複数のインターデジタルトランスデューサを使用する。このようなSAWデバイス又は共振器は、フィルタ用途でしばしば使用される。高周波(RF)SAW技術は、高いアイソレーション及び低い挿入損失などの優れた性能を提供する。このため、本技術は、無線通信用途のRFデュプレクサに使用されている。
【0003】
RF SAWデバイスの性能の改善は、特に、温度に対して安定した周波数応答を得ることによってもたらされる。SAWデバイスの動作周波数の温度に対する依存性、すなわち周波数の温度係数(TCF)は、一方では、一般に、使用される圧電基板の比較的高い熱膨張係数(CTE)に起因するトランスデューサの櫛形電極間の間隔のばらつきに依存し、他方では、TCFは、圧電基板の膨張又は収縮が表面弾性波の速度の増加又は減少を伴うため、速度の温度係数に依存する。したがって、周波数の温度係数(TCF)を最小限に抑えるために、1つの目的は、特に音響波が伝搬する表面ゾーンにおいて、圧電基板の膨張/収縮を最小限に抑えることである。
【0004】
K.Hashimoto、M.Kadotaらによる文献「Recent development of temperature compensated SAW devices」、IEEE Ultrason.Symp.2011、79~86ページ、2011年では、SAWデバイスの周波数応答の温度に対する依存性の問題を克服するために一般的に使用される手法の概要が記載されている。
【0005】
1つの有利な手法は、例えば、シリコン基板に配置された圧電材料の層から構成されたハイブリッド基板を使用することにある。シリコンの低いCTEにより、温度に対する圧電層の膨張/収縮を制限することが可能になる。タンタル酸リチウム(LiTaO3)の圧電層の場合、上述した文献は、LiTaO3の厚さとシリコン基板の厚さとの比が10であると、周波数の温度係数(TCF)を適切に改善することが可能であることを示している。この手法の欠点の1つは、ハイブリッド基板上に生成された共振器の周波数特性に悪影響を及ぼす寄生音響波(文献「Characterization of bonded wafer for RF filters with reduced TCF」、B.P.Abbottら、Proc.2005 IEEE International Ultrasonics Symposium,Sept 19~21、2005年、926~929ページでは「spurious acoustic modes」と呼ばれている)の存在に由来する。これらの寄生共振は、特にLiTaO3とシリコンとの間の界面を含む、下にある界面での主音響波(主にLiTaO3層の表面ゾーンで伝搬する)の寄生反射に特に関連している。これらの寄生共振を減少させるための1つの解決策は、LiTaO3層の厚さを増加させることであるが、これは、TCFの改善を維持するためにSi基板の厚さを増加させることも伴うため、ハイブリッド基板の全厚さが、特に携帯電話市場に対応するための、最終的な構成要素の厚さを削減する要件にもはや適合しなくなる。K.Hashimotoらによって提案された別の解決策(上述した文献)は、(基板との接合界面において)LiTaO3層の下面を粗面化して、そこでの弾性波の反射を制限することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の1つの目的は、従来技術の解決策に対する代替の解決策を提供することである。本発明の1つの目的は、特に、前記寄生音響波の低減及び/又は除去を可能にするハイブリッド構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、有用層の熱膨張係数よりも低い熱膨張係数を有する支持基板に組み付けられた、圧電材料の有用層と、有用層と支持基板との間に位置する中間層と、を含む、表面弾性波デバイス用のハイブリッド構造に関する。ハイブリッド構造は、中間層が、少なくとも第1の材料と第1の材料とは異なる第2の材料の粉末から形成された焼結複合層であるという点で注目に値する。
【0008】
本発明の有利な特徴によると、以下が単独で又は組み合わせて考慮される。
【0009】
第1の材料は、有用層の音響インピーダンスと同様の音響インピーダンスを有し、有用層の音響インピーダンスと第2の材料の音響インピーダンスとの比は、2よりも大きく、第1及び第2の材料の粉末の粒子の平均サイズは、表面弾性波デバイスの表面で伝搬するように意図された音響信号の波長の4分の1以上である。
【0010】
第1の材料及び第2の材料は、有用層と支持基板との間に音響インピーダンス整合層を形成するように選択され、第1及び第2の材料の粉末の粒子の平均サイズは、表面弾性波デバイスの表面で伝搬するように意図された音響信号の波長の4分の1未満である。
【0011】
支持基板は、シリコン、ガラス、シリカ、サファイア、アルミナ、窒化アルミニウムから選択された材料を含む。
【0012】
有用層は、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、石英、酸化亜鉛(ZnO)から選択された圧電材料を含む。
【0013】
第1及び第2の材料は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ、ゲルマニウム、サファイア、ジルコニウムから選択される。
【0014】
複合層の厚さは、数100ナノメートル~数10ミクロンである。
【0015】
本発明は、以下のステップ、すなわち、
i)圧電材料の有用層、及び有用層の熱膨張係数よりも低い熱膨張係数を有する支持基板を用意するステップと、
ii)少なくとも第1の材料と第1の材料とは異なる第2の材料の粉末の混合物から形成された層を、有用層の第1の面及び/又は支持基板の第1の面に堆積させるステップと、
iii)粉末の混合物から形成された層を焼結して、有用層の第1の面及び/又は支持基板の第1の面に強固に取り付けられた焼結複合層を得るステップと、
iv)複合層が有用層と支持基板の間に配置されるように、有用層と支持基板とを組み立てるステップと、
を含む表面弾性波デバイス用のハイブリッド構造を製造するための方法にも関する。
【0016】
本発明の有利な特徴によると、以下が単独で又は組み合わせて考慮される。
【0017】
有用層の第1の面及び/又は支持基板の第1の面は、ステップii)からの粉末の混合物から形成された層の堆積の前に、保護層を含む。
【0018】
保護層は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、及びアルミナから選択された少なくとも1つの材料によって形成される。
【0019】
粉末の混合物は、粘性ペーストの形態であり、ステップii)における前記混合物によって形成された層の堆積は、スピンコーティングによって行われる。
【0020】
粉末の混合物によって形成された層の堆積に続いて、粘性ペーストの少なくとも1つの液体成分を放出するために低温熱処理が行われる。
【0021】
組み立てステップiv)の前に、接合層を焼結複合層に堆積させる。
【0022】
ステップi)で用意される有用層は、圧電材料のドナー基板である。
【0023】
製造方法は、弾性波デバイスの製造のためにドナー基板を有用層の所望の厚さまで薄くするステップv)を含む。
【0024】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1a】本発明によるハイブリッド構造の焼結複合層を形成するための適切な材料のリストである。
【
図1b】本発明によるハイブリッド構造の有用層を形成するための材料のリストである。
【
図2a】本発明によるハイブリッド構造の図である。
【
図2b】本発明によるハイブリッド構造の図である。
【
図3】SAWデバイスを含む、本発明によるハイブリッド構造の図である。
【
図4a】本発明によるハイブリッド構造を製造するための方法を示す図である。
【
図4b】本発明によるハイブリッド構造を製造するための方法を示す図である。
【
図4c】本発明によるハイブリッド構造を製造するための方法を示す図である。
【
図4d】本発明によるハイブリッド構造を製造するための方法を示す図である。
【
図4e】本発明によるハイブリッド構造を製造するための方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
説明の段落では、同じ性質の要素に対しては、図と同じ参照符号が使用されることがある。図は、識別しやすくするために縮尺通りではない概略図である。特に、z軸に沿った層の厚さは、x軸及びy軸に沿った横方向の寸法に対して縮尺通りではない。
【0027】
本発明は、表面弾性波(SAW)デバイスの製造に適したハイブリッド構造10に関し、本構造は、特に、数10MHz~数10GHzの範囲内の周波数を有するデバイスの製造に適する。
【0028】
本発明によるハイブリッド構造10は、
図1に示すように、第1の面1a及び第2の面1bを有する圧電材料の有用層1を含む。したがって、有用層1は、表面弾性波デバイスのその後の製造に使用されるため、有用層1は、その名前が付けられている。例として、ハイブリッド構造10の有用層1は、タンタル酸リチウムLiTaO
3(
図1bのLTO)、ニオブ酸リチウムLiNbO
3(
図1bのLNO)、窒化アルミニウムAlN(
図1b)、酸化亜鉛(ZnO)の群から選択された材料から構成されてもよい。
【0029】
ハイブリッド構造10は、(
図1に示すz軸に沿って)有用層1の下に配置された中間層3も含む。中間層は、少なくとも2つの異なる材料の粉末から形成された焼結複合層3である。焼結層は、粉末の混合物の圧密から生じる層を意味すると理解され、この圧密は、熱エネルギー及び任意選択で機械的エネルギーの入力によって得られるが、混合物の粉末材料の少なくとも1つを溶融させることはない。したがって、複合層の焼結された性質は、前記層の構造分析によって(例えば、走査型電子顕微鏡法によって)検出することができる。材料の粉末の粒子又はグレインは、互いに溶着しているように見え、複合層の密度は、圧密のためのエネルギーの入力中の混合物の圧縮の程度に依存する。
【0030】
焼結複合層3の各材料の粉末を形成する粒子は、典型的なガウス分布に従う寸法を有する。説明の残りの部分では、粒子の平均サイズは、所定の材料の粒子の等価平均直径に例えられる。粒子の平均サイズは、典型的には、数10ナノメートル~数ミクロンの間で変動することがある。
【0031】
焼結複合層3は、特に、酸化ケイ素、窒化ケイ素、ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ、ゲルマニウム、サファイア、ジルコニウムから選択された少なくとも第1及び第2の材料から形成されてもよく、それらのある特定の特性が
図1a、
図1bに示されている。
【0032】
焼結複合層3は、任意選択で3つ以上の異なる材料を含んでもよい。
【0033】
焼結複合層3は、実施形態に応じて、数100ナノメートル~数ミクロンの厚さを有する。
【0034】
最後に、ハイブリッド構造10は、(
図1に示すz軸に沿って)複合層3の下に配置された、有用層1の熱膨張係数よりも低い熱膨張係数を有する支持基板2を含み、これにより、温度に対する有用層1の膨張/収縮を制限すること(したがって、前記有用層1上に生成されるデバイスの周波数の温度係数を改善すること)が可能になる。支持基板2は、特に、ケイ素、III-V半導体、炭化ケイ素、ガラス、サファイアの群から選択された材料から構成されてもよい。
【0035】
図2a及び
図2bに示すように、ハイブリッド構造10は、優先的には、有用層1の第1の面1a及び/又は支持基板2の第1の面2a、並びに潜在的には支持基板2の第2の面2b及び前記基板2の縁部に配置された追加の層4を含む(
図2b)。ハイブリッド構造10を製造するための方法の説明中に分かるように、これらの追加の層4は、特に、焼結複合層3に含まれる、又は前記層3の製造中に存在する不純物の拡散に対して支持基板2及び/又は有用層1を保護する役割を有する。
【0036】
本発明によるハイブリッド構造10は、特に、有用層1上の金属電極20を含む表面弾性波(SAW)デバイスの製造に適しており、この金属電極20間で、(
図3の白矢印で表す)音響信号が、(x、y)平面において、有用層1の第2の面1bの表面近くを伝搬する。
【0037】
本発明のハイブリッド構造10の第1の実施形態によると、焼結複合層3は、音響信号から生じる、有用層1の体積内を複合層3まで伝播する入射音響波の拡散を最大化するように構成されている。
【0038】
このため、少なくとも第1及び第2の材料の粉末から形成された焼結複合層3において、第1の材料は、有用層1の音響インピーダンスと同様の音響インピーダンスを有する。同様という用語は、有用層1の音響インピーダンス値の周りに±20%の最大偏差、優先的には、±15%未満、又はさらには±10%未満の偏差を有することを意味すると理解される。例として、LiTaO3から作られた有用層1については、第1の材料は、アルミナであってもよく、その音響インピーダンス(40.6×106Pa秒/m)は、タンタル酸リチウムの音響インピーダンス(44.8×106Pa秒/m)と実質的に同じである。
【0039】
さらに、有用層1の音響インピーダンスと焼結複合層3の第2の材料の音響インピーダンスとの比は、10%を超える反射係数を保証するように、2以上となるように選択される。例として、第1の材料がタンタル酸リチウム(44.8×106Pa秒/m)である場合、第2の材料は、音響インピーダンスが13.2×106Pa秒/mであるSiO2であってもよく、これにより、複合層3の粒子間の界面で30%程度の反射係数を得ることができ、多方向の反射(拡散)を生成することができる。
【0040】
最後に、第1及び第2の材料の粉末の粒子のサイズは、入射音響波の波長の4分の1以上である。この特徴により、確実に入射音響波が粒子の影響を受けることができる。例えば、約6ミクロンの波長(すなわち、約1GHzの周波数)を有する入射音響波に対しては、粒子の平均サイズは、約2ミクロンとなるように選択される。その場合、焼結複合層3は、5ミクロンを超える、又はさらには10ミクロンを超える厚さを有する。
【0041】
有用層1と複合層3との間に追加の層4が存在する場合、これら2つの層間の寄生反射を制限するために、追加の層4は、有用層1の音響インピーダンスに近い音響インピーダンスを有する必要がある。LiTaO3から作られた有用層1の場合、例えばアルミナを使用することができ、その音響インピーダンス(40.6×106Pa秒/m)は、LiTaO3の音響インピーダンスに近く、その結果、0.5%未満の反射がもたらされる。
【0042】
第1の実施形態による焼結複合層3は、入射波を多方向に拡散させることができ、したがって、表面弾性波デバイスの電極20に向かって反射される成分を大幅に抑制することができる。
【0043】
本発明のハイブリッド構造10の第2の実施形態によると、焼結複合層3は、音響信号から生じる、有用層1の体積内を複合層3まで伝播する入射音響波の伝達を最大化するように構成されている。
【0044】
このため、少なくとも第1及び第2の材料の粉末から形成された焼結複合層3において、第1の材料及び第2の材料は、有用層1と支持基板2との間に音響インピーダンス整合層を形成するように選択される。音響インピーダンス整合層を形成することは、複合層3の平均音響インピーダンスが、有用層1の音響インピーダンスと支持基板2の音響インピーダンスとの積の平方根に実質的に等しいことを意味する。
【0045】
【数1】
材料の音響インピーダンスZは、以下のように表されることを想起されたい。
【0046】
Z=ν×ρ
ここで、νは、材料内の音響波の速度、ρは、材料の密度である。
【0047】
複合層3の場合、複合層3を形成する各材料の体積分率V1及びV2が考慮され、したがって、次式から音響インピーダンス(2つの材料の場合)を評価することができる。
【0048】
Z複合層=(ν1×V1+ν2×V2)×(ρ1×V1+ρ2×V2)
ここで、ρ1及びρ2は、それぞれ第1及び第2の材料の密度、ν1及びν2は、それぞれ第1及び第2の材料内の音響波の速度である。
【0049】
体積分率V1及びV2は、複合層3の各材料の割合によって定義される。
【0050】
例として、第1の材料は、Al2O3であってもよく、第2の材料は、SiO2であってもよく、それぞれ65%及び35%の割合で複合層中に存在する。したがって、複合層3のインピーダンスは、30×106Pa秒/m程度であってもよい。
【0051】
さらに、この第2の実施形態によると、第1及び第2の材料の粉末の粒子の平均サイズは、入射音響波の波長の4分の1未満である。この特徴により、確実に入射音響波が複合層を実質的に均質な媒体として見ることができる。例として、約7.5ミクロンの波長(すなわち、約800MHzの周波数)を有する入射音響波に対しては、粒子の平均サイズは、約0.5ミクロンとなるように選択されてもよい。焼結複合層3は、数ミクロンの厚さを有することができる。
【0052】
有用層1と複合層3との間に追加の層4が存在する場合、これら2つの層間の寄生反射を制限するために、追加の層4は、有用層1の音響インピーダンスに近い音響インピーダンスを有する必要がある。LiTaO3から作られた有用層1の場合、例えばアルミナを使用することができ、その音響インピーダンス(40.6×106Pa秒/m)は、LiTaO3の音響インピーダンスに近く、その結果、0.5%未満の反射がもたらされる。
【0053】
複合層3と支持基板2との間に追加の層4が存在する場合、追加の層/支持基板界面での寄生反射を制限するために、この追加の層4は、支持基板2の音響インピーダンスに近い音響インピーダンスを有する必要がある。Siから作られた支持基板の場合、例えば窒化ケイ素を使用することができ、その音響インピーダンス(約22×106Pa秒/m)は、Siの音響インピーダンスに近く、その結果、0.5%未満の反射がもたらされる。
【0054】
第2の実施形態による焼結複合層3は、通常、ハイブリッド構造の界面で反射される入射音響波の、有用層1から基板2への伝達を(音響インピーダンス整合によって)有利にすることができ、したがって、ハイブリッド構造10で生成されるSAWデバイスの周波数特性に悪影響を及ぼす寄生反射を減少させることができる。
【0055】
ハイブリッド構造10の様々な記載された実施形態に適用可能な変形形態によると、焼結複合層3は、数ミクロンの酸化ケイ素と等価な電気絶縁を提供するように、良好な誘電特性(1E7オームcmよりも大きい抵抗率)及び(典型的には、シリコンの誘電率11F/mよりも低い)低い等価誘電率を有する。そのような焼結複合層3は、特に、高周波の分野における表面弾性波デバイスの線形性を改善することができる。
【0056】
ハイブリッド構造10の様々な記載された実施形態に適用可能な別の変形形態によると、焼結複合層3は、可動電荷トラッピング特性を有する。この特徴により、上部層のうちの1つ(追加の層4又は有用層1)に固定電荷が存在することに起因して、支持基板2の上部に現れる可能性のある電荷をトラップし、したがって中和することが可能になる。このトラッピング機能を有するために、複合層3の粒子を構成する材料の1つは、ケイ素であってもよい。
【0057】
本発明は、表面弾性波デバイス用のハイブリッド構造10を製造するための方法にも関する。本方法は、圧電材料の有用層1を用意する(i)で示される)第1のステップを含む。1つの有利な実施形態によると、有用層1は、マイクロエレクトロニクス産業用の標準的な厚さ及び直径の圧電材料ドナー基板1’の形態である(
図4a)。
【0058】
第1のステップは、ドナー基板1’の熱膨張係数よりも低い(すなわち、有用層1の熱膨張係数に比べても低い)熱膨張係数を有する支持基板2を用意することを含む。
【0059】
本発明による製造方法は、少なくとも第1の材料と第1の材料とは異なる第2の材料の粉末の混合物から形成された層3’を有用層1(又はドナー基板1’)の第1の面1a及び/又は支持基板2の第1の面2aに堆積させるステップを含む(ii)で示される)第2のステップを含む。
図4bに示す例では、粉末の混合物の層3’を支持基板2の第1の面2aに堆積させている。層3’を、有用層1の第1の面1aに堆積させることができ、層3’を、有用層1及び支持基板2の第1の面1a、2aのそれぞれにそれぞれ堆積させることもできる。
【0060】
支持基板2の第1の面2aは、粉末の混合物の層3’の堆積前に生成される保護層4aを含むのが有利である。保護層4aは、支持基板2を完全に封入することさえでき、すなわち、支持基板2の裏面2b及び支持基板2の縁部を覆うことができる。
【0061】
或いは、粉末の混合物の層3’を有用層1(又はドナー基板1’)に堆積させる場合、保護層を、少なくとも前記有用層1の(又はドナー基板1’の)第1の面1aに堆積させる。
【0062】
優先的には、保護層4aは、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、アルミナから選択された少なくとも1つの材料によって形成される。保護層4aは、様々な、知られている化学堆積技術によって生成されてもよい。保護層4aにより、層3’に含まれる不純物の支持基板2(又は有用層1)への拡散を回避するか、又は少なくとも制限することが可能になる。
【0063】
第1の実施形態の変形形態によると、粉末の混合物は、粘性ペーストの形態である。
【0064】
そのようなペーストは、通常、溶媒タイプ(特にアルコール、例えばエタノール)の液体化合物を粉末の乾燥混合物に添加することによって得られる。典型的には、使用される粉末は、数10ナノメートル~数ミクロンの平均サイズを有する粒子を含む。
【0065】
或いは、粉末の混合物は、高温でセラミックに変換することができる、シリコン系のポリマータイプのマトリックス(ポリマー由来のセラミックとしてのPDC)に組み込まれてもよい。PDCマトリックスを有する層3’の場合、その後に得られる焼結複合層3は、粉末の混合物に由来する第1及び第2の材料だけでなく、マトリックスのセラミックへの変換に由来するシリコンも含むことに留意されたい。
【0066】
ステップii)における前記混合物によって形成された層3’の堆積は、優先的には、スピンコーティング(若しくはディップコーティング)又はマスクを介したスクリーン印刷によって行われる。
【0067】
ペーストの粘度は、粉末/液体化合物(溶剤及び/又はポリマー)の比率によって調整される。ペーストの粘度は、数100ナノメートル~数ミクロンに及ぶ可能性のある厚さで、層3’の均一な堆積を可能にするために選択される。
【0068】
層3’の堆積に続いて、低温(例えば150℃~400℃)での熱処理が行われ、これにより、層3’から溶媒(複数可)を放出することができ、工程中の、特に(後述する)組み立てステップ後の、その後の脱ガスを回避することができる。
【0069】
第2の実施形態の変形形態によると、粉末の混合物は、粉末状の乾燥した形態であり、支持基板2の第1の面2a(又は代替としてドナー基板1’の面1a)に層3’として堆積させる。この層3’の成形は、圧縮成形又は熱間等静圧圧縮成形によって行うことができる。いずれの場合も、混合物の粉末の粒子を互いに及び第1の面2aに強固に取り付けるために、圧縮応力が層3’に加えられる。粉末状の混合物を基板上に保持するために、及び前記基板の表面全体に均一な圧縮応力を加えるために、特定のツールが必要である。
【0070】
本発明による製造方法は、支持基板2の第1の面2aに強固に取り付けられた焼結複合層3を得るために、粉末の混合物から形成された層3’の焼結を含む(iii)で示される)第3のステップを含む(
図4c)。
【0071】
焼結は、通常、典型的には1000℃を超える高温で、数時間~約24時間の範囲であってもよい期間行われる。それにもかかわらず、焼結温度は、層3’に含まれる粉末のうちの少なくとも1つの融点よりも低いままである。熱の影響下で、粉末の粒子が互いに溶着され、以て、結果として生じる複合層3の凝集が形成される。複合層3は、支持基板2の第1の面2aにも強固に取り付けられる。
【0072】
任意選択で、焼結は、機械的応力下でさらに行われてもよく、これにより、複合層3をさらに密にすることが可能になる。
【0073】
したがって、焼結複合層3は、少なくとも第1及び第2の材料の粒子から構成されている。粒子間には、圧縮の程度に応じて、空隙(又はPDCマトリックスから生じるセラミックを含む隙間)が多かれ少なかれ存在する場合がある。粒子サイズの分布に応じて、これらの隙間の体積分率は、50%に達する可能性があり、特に複合層3の良好な機械的強度を確保するために、より優先的には、25%未満、又はさらには15%未満に維持される。簡略化のために、この体積分率の隙間は、上述したハイブリッド構造10の実施形態では考慮されておらず、この隙間は、粒子を形成する第1及び第2の材料に加えて、第3の材料と考えることができる。
【0074】
ステップii)で堆積させる層3’の厚さは、焼結複合層3の所望の厚さを得るように選択される。実際に、(溶媒及び/又はポリマーとのペーストの形態で、又は乾燥した形態で)堆積させた層3’のタイプに応じて、焼結ステップ中の厚さの減少は、より大きくなるか、又はより小さくなる。10~30%程度の層3’の体積の減少が起こる可能性がある。
【0075】
本発明による製造方法は、焼結複合層3が有用層1と支持基板2との間に配置されるように、有用層1(又はドナー基板1’)と支持基板2とを組み立てるステップを含む(iv)で示される)第4のステップを含む(
図4d)。
【0076】
優先的には、組み立てステップiv)の前に、接合層4bを複合層3に堆積させる。例として、酸化ケイ素の層を複合層3の自由表面に堆積させることができる。この接合層4bは、一方では、焼結複合層3の封入を提供し、ハイブリッド構造10の様々な層間の汚染のリスクを回避又は少なくとも制限し、他方では、接合層4bは、焼結複合層3の組成に特有ではない従来の表面処理を可能にするのに有利である場合がある。
【0077】
優先的には、組み立てステップは、接触させる2つの表面、すなわち、
図4cからの例では、有用層1(又はドナー基板1’)の第1の面1aと複合層3の自由面との分子接着による直接接合によって行われる。従来技術でよく知られている分子接着の原理は、ここではさらに詳細には説明しない。
【0078】
或いは、組み立ては、接着材料の層の追加によって、又は意図された用途に適した任意の他の接合技法によって行われてもよい。
【0079】
ほとんどの組み立て工程では、組み立てられる基板の良好な表面仕上げ(清浄度、低い粗さなど)が必要とされる。
【0080】
本発明による製造方法は、(v)で示される)第5のステップをさらに含むことができ、弾性波デバイスの製造のためにドナー基板1’を有用層1の所望の厚さまで薄くするステップを含む(
図4e)。このステップは、例えば、機械的研削と、それに続く乾式研磨又は化学機械的研磨とを含み、これにより、有用層1の良好な表面仕上げを確保することが可能になる。最終的なハイブリッド構造10の品質及び清浄度を保証するために、薄化ステップの間又は後に、様々な洗浄シーケンスを適用することができる。
【0081】
有用層1を得るためのドナー基板1’の薄化は、任意の他の知られている技法、特に、スマートカット(Smart Cut)(登録商標)プロセス、又は薄層を生成するための他の技法によって行われてもよい。
【0082】
もちろん、本発明は、記載された実施形態及び実施例に限定されるものではなく、変形実施形態は、特許請求の範囲によって定義されるような本発明の範囲から逸脱することなく、本発明に含まれ得る。