(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】画像形成装置用天板および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/00 20060101AFI20240502BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
B41J29/00 A
G03G15/00 550
(21)【出願番号】P 2020085056
(22)【出願日】2020-05-14
【審査請求日】2023-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】宇治 賢太郎
(72)【発明者】
【氏名】金田 隆太
【審査官】大関 朋子
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-085932(JP,A)
【文献】特開2006-099175(JP,A)
【文献】特開平03-164891(JP,A)
【文献】特開2016-189516(JP,A)
【文献】特開平05-081557(JP,A)
【文献】特開2019-179110(JP,A)
【文献】特開2002-137493(JP,A)
【文献】特開2016-188891(JP,A)
【文献】特開2015-101066(JP,A)
【文献】特開2015-030097(JP,A)
【文献】特開2006-102121(JP,A)
【文献】実開昭62-182649(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に配置される画像形成装置用天板であって、
前記画像形成装置の上面に配置されたときに、前記画像形成装置の外形より外側に存在する突出部と、
前記突出部の下側面に設けられた凹形状と、
天板上面の外周の
全周に設けられた凸形状と、を有する
画像形成装置用天板。
【請求項2】
画像形成装置に配置される画像形成装置用天板であって、
前記画像形成装置の上面に配置されたときに、前記画像形成装置の外形より外側に存在する突出部と、
前記突出部の下側面に設けられた凹形状と、
天板上面の外周の少なくとも一部分に設けられた凸形状と
、
天板裏面に設置され、内部に液体を保持可能な一以上の容器と、有し、
前記天板上面から前記容器へ貫通する穴が設けられ、
前記天板上面が前記穴に向かって傾斜を有する
画像形成装置用天板。
【請求項3】
画像形成装置に配置される画像形成装置用天板であって、
前記画像形成装置の上面に配置されたときに、前記画像形成装置の外形より外側に存在する突出部と、
前記突出部の下側面に設けられた凹形状と、
天板上面の外周の少なくとも一部分に設けられた凸形状と
、
前記画像形成装置が有する操作部を囲む切り欠き形状と、有し、
前記天板上面は、前記切り欠き形状の少なくとも一部分に沿って、前記凸形状を有し、
天板裏面は、前記切り欠き形状に沿った箇所に凹形状が設けられない
画像形成装置用天板。
【請求項4】
画像形成装置に配置される画像形成装置用天板であって、
前記画像形成装置の上面に配置されたときに、前記画像形成装置の外形より外側に存在する突出部と、
前記突出部の下側面に設けられた凹形状と、
天板上面の外周の少なくとも一部分に設けられた凸形状と、を有
し、
前記凸形状は、前記画像形成装置の外装に露出した電装部の上方に設けられる高さが、他の部分より高い
画像形成装置用天板。
【請求項5】
天板裏面に設置され、内部に液体を保持可能な一以上の容器をさらに有し、
前記天板上面から前記容器へ貫通する穴が設けられ、
前記天板上面が前記穴に向かって傾斜を有する
ことを特徴とする請求項
1または3に記載の画像形成装置用天板。
【請求項6】
天板裏面に設置され、内部に液体を保持可能な一以上の容器をさらに有し、
前記天板上面から前記容器へ貫通する穴が設けられ、
前記天板上面が前記穴に向かって傾斜を有する
ことを特徴とする請求項
4に記載の画像形成装置用天板。
【請求項7】
前記一以上
の容器は、
前記天板裏面に設置される一以上の脚形状である
ことを特徴とする請求項
2または5に記載の画像形成装置用天板。
【請求項8】
前記一以上
の容器は、
前記天板裏面に設置される一以上の脚形状である
ことを特徴とする請求項
6に記載の画像形成装置用天板。
【請求項9】
前記画像形成装置が有する操作部を囲む切り欠き形状をさらに有し、
前記天板上面は、前記切り欠き形状の少なくとも一部分に沿って、前記凸形状を有し、
天板裏面は、前記切り欠き形状に沿った箇所に凹形状が設けられない
ことを特徴とする請求項
1、2、4、6、8のいずれか一項に記載の画像形成装置用天板。
【請求項10】
前記凸形状は、前記画像形成装置の外装に露出した電装部の上方にのみに設けられた
ことを特徴とする請求項
2または3に記載の画像形成装置用天板。
【請求項11】
前記凸形状の高さが3から5ミリメートルである
ことを特徴とする請求項1から
10のいずれか一項に記載の画像形成装置用天板。
【請求項12】
前記凸形状は、前記画像形成装置の外装に露出した電装部の上方に設けられる高さが、他の部分より高い
ことを特徴とする請求項1
または5に記載の画像形成装置用天板。
【請求項13】
請求項1から
12のいずれか一項に記載の画像形成装置用天板を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置用天板および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の上に天板を配置し、画像形成装置の上側のスペースを有効活用する構成が既に知られている。例えば、特許文献1には、プリンタ上面スペースの利用および排紙部のほこり堆積を防止する目的で、プリンタの上に天板を載せる構成が開示されている。
しかし、天板が机上と同じ役目を果たすために、横に飲み物の入ったカップを置いてパソコンを操作するなどのユーザーの使い方も考えられる。このような場合、飲み物をこぼしたときなど、液体が天板の側面を伝って機内に入りこむこと、あるいは、液体などが装置の外装を伝ってインレット、インターフェース部へ到達することなどにより、画像形成装置の故障を引き起こす可能性があるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、天板を有する画像形成装置において、天板上面に液体をこぼしたとき生じる不具合を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、本発明は、画像形成装置に配置される画像形成装置用天板であって、
前記画像形成装置の上面に配置されたときに、前記画像形成装置の外形より外側に存在する突出部と、
前記突出部の下側面に設けられた凹形状と、
天板上面の外周の全周に設けられた凸形状と、を有する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、天板を有する画像形成装置において、天板上面に液体をこぼしたときに生じる不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態の天板を配置した画像形成装置の一例を説明する斜視図である。
【
図2】
図1に示した画像形成装置の構成例を説明する模式図である。
【
図3】一実施形態の天板が有する凹形状と凸形状とを説明する断面図である。
【
図4】実施形態1の天板の一例を説明する図である。
【
図5】実施形態2の天板の一例を説明する図である。
【
図6】実施形態3の天板の一例を説明する図である。
【
図7】実施形態4の天板の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0008】
まず、本発明の一実施形態に係る画像形成装置用天板(以下適宜「一実施形態の天板」と称する)を用いる画像形成装置の一例について説明する。
図1は、一実施形態の天板300を配置した画像形成装置1の斜視図である。
図1に示されるX軸方向は画像形成装置1の幅方向であり、Y軸方向は画像形成装置1の高さ方向であり、Z軸方向は画像形成装置1の奥行き方向である。
【0009】
画像形成装置1は、物品の載置可能な上面を有する天板300と、画像形成装置1への操作入力を受け付ける操作部400と、シートに画像を形成する画像形成部60と、排出されたシートなどの記録媒体を収容する排出収容部(「排紙部」とも称する)200とを少なくとも備える。天板300は、
図1に示すように平らな上面を広く設けてあり、例えば天板300の上面に画像形成した書類を置いてメモを記入したり、ノートPCを置いて作業することが可能である。
【0010】
画像形成装置1は、また、画像形成部60に供給されるシートを載置する内部シート載置部10と、画像形成部60に供給されるシートを載置する第2の内部シート載置部15とを装置内部に備える。
【0011】
排出収容部200には、排出されたシートが載置されるシート載置面(排出シート載置部)240(
図2に示す)と、排出されたシートが載置される第2のシート載置面(第2の排出シート載置部)250とが配置されている。
【0012】
排出収容部200は、画像形成装置1の高さ方向(Y軸方向)の上側は天板300に覆われ、画像形成装置1の幅方向(X軸方向)の右側は側面510に覆われ、画像形成装置1の奥行き方向(Z軸方向)の後ろ側は後側面520に覆われている。
【0013】
排出収容部200には、画像形成装置1の奥行き方向(Z軸方向)前側の前側面、及び画像形成装置1の幅方向(X軸方向)の左側の左側面に開口する開口部210が形成されており、この開口部210を介して、シート載置面240と、第2のシート載置面250が、画像形成装置1の外部に露出している。これにより、シート載置面240、または、第2のシート載置面250に排出されたシートを容易に画像形成装置1から取り出すことができる。
天板300は、脚形状330を有することが好ましい。脚形状330は、排紙部200の上方に配置される天板300の部分を支え、天板300の安定感を向上させる。
【0014】
図2は、
図1に示した画像形成装置の構成例を説明する模式図であり、
図1に示した画像形成装置1の幅方向(X軸方向)および高さ方向(Y軸方向)を含む平面での断面図であって、奥行き方向(Z軸方向)の前側から見た断面図である。
【0015】
画像形成装置1は、内部シート載置部10に載置されたシートを画像形成部60に給送する内部シート給送部11と、第2の内部シート載置部15に載置されたシートを画像形成部60に給送する第2の内部シート給送部16と、内部シート給送部11および第2の内部シート給送部16から給送されるシートを搬送するシート搬送部40と、上述した画像形成部60により形成された画像をシート上に定着させる定着部70と、画像が定着したシートを排出するシート排出部80とを備える。
【0016】
シート搬送部40は、画像形成部60に向けてシートを搬送する搬送ローラ対42、43と、定着部70より下流側でシートの搬送先を切り替える搬送切替部(図示せず)と、画像が定着したシートを反転して搬送する第2の搬送ローラ対44、45と、第2の搬送ローラ対44、45から搬送されるシートを搬送ローラ対42、43に向けて搬送する第3の搬送ローラ対46、47とを備える。
【0017】
画像形成部60は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー各色のトナーを収納するトナー収納部62B、62C、62M、62Yと、画像に対応する画像書き込み光を生成する書き込み部63と、書き込み部63が生成した画像書き込み光によりブラック、シアン、マゼンタ、イエロー各色の画像を形成する画像形成ユニット64B、64C、64M、64Yと、画像形成ユニット64B、64C、64M、64Yが形成した各色の画像を重ね合わせてシートに転写する転写部66を備える。
【0018】
転写部66は、画像形成ユニット64B、64C、64M、64Yにより形成された各色の画像が重ね合わされて一次転写される中間転写ベルト67と、中間転写ベルト67上に転写された画像をシートに二次転写する二次転写部68とを備える。
【0019】
シート排出部80は、シート載置面240に向けてシートを排出するシート排出口81と、シートをシート排出口81に向けて搬送するシート排出ローラ対82、83と、第2のシート載置面250に向けてシートを排出する第2のシート排出口84と、シートを第2のシート排出口84に向けて搬送する第2のシート排出ローラ対85、86とを備える。排出収容部200は、シート排出口81および第2のシート排出口84が臨む空間であり、シート排出口81および第2のシート排出口84から排出されたシートを収容するように形成される。シートは、画像形成装置1の幅方向(横方向、X軸方向)の左側に向けて、シート排出口81および第2のシート排出口84から排出される。
【0020】
片面画像形成の場合、シート搬送部40およびシート排出部80は、画像形成部60により画像形成された面が下向きになるように、シート排出部80からシートを排出する。
【0021】
片面画像形成の場合、定着部70から搬送されるシートは、搬送切替部により、シート排出ローラ対82、83または第2のシート排出ローラ対85、86へ向けて搬送され、シート排出口81または第2のシート排出口84から排出される。
【0022】
両面画像形成の場合、定着部70から搬送されるシートは、搬送切替部により、第2のシート排出口84へ向けて搬送される。そして、シートは、第2のシート排出口84から完全に排出される前に、第2のシート排出ローラ対85、86が逆回転することにより、第2の搬送ローラ対44、45に向けて反転して搬送される。
【0023】
次に、一実施形態の天板について説明する。一実施形態の天板は、天板の大きさを画像形成部の外形より大きくした突出部と、突出部の下面側に溝または凹形状と、上面外周の少なくとも一部分に凸形状と、を有することを特徴とする。
図3は、一実施形態の天板が有する凹形状と凸形状とを説明する断面図であり、
図2に示す円形の破線で囲んだ部分を拡大した図である。
【0024】
天板300は、画像形成装置1の上面に配置されたときに、画像形成装置の外形より外側に存在する突出部340と、突出部340の下側面に設けられた凹形状311と、天板300の上面320の外周の少なくとも一部分に設けられた凸形状321と、を有する。凹形状311は、凹んだ形状であり、例えば、溝の形状とする。以降適宜、天板300について、「上面」を「天板上面」、「下面」を「天板下面」とも称する。
【0025】
図3では、突出部340は、画像形成装置の外形より長さL突出した形状として示す。突出部340は、天板300の一部分であり、天板300のうち、画像形成装置1の外形を構成する側壁500の外側(側壁500の右側の面の外側)に存在する部分とする。
また、凹形状311は、突出部340の下側面に、幅W(Wは正の数値)、深さd(dは正の数値)の大きさで形成され、凸形状321は、上面320の外周に高さhの大きさで形成されている例を示す。
突出部340の下側面は、天板300の裏面310の一部分であり、裏面310うち、突出部340の範囲の部分とする。
【0026】
図3に示すように、一実施形態の天板300は、水などの液体をこぼした時に天板300を伝って画像形成装置1の内部に液体が入らないように、画像形成装置1本体より天板300を大きめにし、天板300の裏面310に、凹形状311を持つ。凹形状によって画像形成装置1の内部への液体の侵入を抑制することができる。
しかしながら、画像形成装置1の外装を伝って、インレット部やインターフェース部へ液体が到達することを十分に防ぐことができない。
【0027】
そこで、天板300は、上面320の縁部(外周)に凸形状321を有することにより、液体をせき止め天板300からこぼれる液体の量を減らし、画像形成装置1の不具合を発生させにくくする。このようにすると、流れた液体を一時せき止めることができる。
凸形状の高さhは、大きいほど液体を留めておく効果は強いが、大きすぎると天板300をテーブルとして使いにくくなってしまう。そのため、高さhを3から5ミリメートル(mm)程度とし、液体のせき止めと天板の使いやすさとを両立させるとよい。
なお、
図3に示す凸形状321および凹形状311は一例であり、他の形状や大きさであってもよい。
以下、前述の突出部340、凹形状311および凸形状321を少なくとも有する天板の実施形態について説明する。
【0028】
実施形態1.
図4は、実施形態1の天板の一例を示す斜視図であり、(A)は上面320aから見た図であり、(B)は裏面310aから見た図である。天板300aは、
図1に示す画像形成装置に配置する天板として用いることができる。
天板300aは、画像形成装置1の操作部400を囲むように、切り欠き形状350aを有する。また、天板300aは、切り欠き形状を設けた部分を除く外形に、
図3に示す突出部340を有する。
凸形状321は、天板上面320aの全周に設けられている。
凹形状311は、天板裏面310aに全周に設けられている。詳細には、凹形状311は、突出部340の下側面に加え、切り欠き形状に沿って設けられている。
また、天板300aは、脚形状330aを有する。脚形状330aは、内部を中空とし、液体を保持することができる容器として働く。また、天板300aは、天板上面320aから脚形状330aへ貫通する穴322を有する。
【0029】
凸形状321を設けることで、流れてきた液体を一時せき止めることができる。凸形状321を上面320aの全周に設けることで、天板300aからあふれる液体の絶対量を減らすこと、または、こぼれた液体を天板上にとどめておくことができる。これに加え、脚形状330の内部が中空であれば、液体をためる容器として活用できる。このように、天板300aに液体をこぼした後の二次被害を減らすことができる。また、容器部分を設置した状態から水平方向に取り出すことができれば液体の処理も簡単に行える。
さらに加え、天板上面320aは、穴322に向かって傾斜を有することが好ましい。例えば、上面に傾斜をつけてすり鉢状にする。このようにすると、天板上面320aにこぼれた液体が、凸形状321によって天板上にとどまり、穴322を介して脚形状330にためやすくなる。
【0030】
なお、
図4では、脚形状330aを容器の一例として用いた例を示したが、これに限られるものではない。例えば、天板裏面に、天板裏面と画像形成装置の上面との間に液体を保持可能な容器を設置し、天板上面と容器とを穴で接続することにより、天板上面にからこぼれた液体をためてもよい。
また、
図4では、凹形状を天板裏面310aの全周に設けたが、例えば、切り欠き形状350aの部分を除いた、突出部340のみに設けてもよい。このようにすると、天板の作製が容易になりコストを削減できる。
さらに、穴322に向かって天板上面320aが傾斜している場合には、例えば、穴322から離れている外周の一部分に凸形状321が設けない箇所があってもよい。
【0031】
実施形態2.
実施形態2では、天板の外形が、画像形成装置の外形と同様である例を説明する。
図5は、実施形態2の天板の一例を説明する図であり、(A)は画像形成装置1bに天板300bを配置した外観を示す斜視図、(B)は天板300bを上から見た図であり、(C)は(B)に示すVC-VC線に沿った断面図である。
図5(B)では、画像形成装置1bの外形を二点破線で示している。
図5(B)、(C)に示すように、天板300bは、天板300bの外形と二点破線との間(長さL)を突出部340とし、突出部340の下側面(天板裏面310bの一部)に凹形状311を有する。また、天板上面320bは、全外周に凸形状321を有する。
【0032】
天板に切り欠き形状のない場合、天板は矩形(長方形)となり、天板の全方向を画像形成装置1bの外形より大きくし、凹形状311および凸形状321を全周に有する構成とすることができる。このようにすると、天板300の各側面で、液体がこぼれたときの対策を取ることが可能になり、液体がこぼれたときの対策をより強固にすることができる。
また、凹形状311は、利用者が指を入れることができる大きさにすると、天板300bの位置を微調整するときや天板300bを取り外すときなどに、天板300を持ちやすくすることができる。
なお、画像形成装置1bは、例えば、
図2に示す構成を有する。
【0033】
実施形態3.
実施形態3では、天板上面が操作部と同じ平面に配置される例を説明する。
オペレーションパネルとしての操作部は、画像形成装置の操作性から、天板と同じ位置または天板より上側の高い位置のような、操作部が天板と同じ高さ以上に配置される構成が考えられる。このような場合には、天板は一部に切り欠き形状を有することになる。
切り欠き形状で操作部を囲むように配置したときに、天板と操作部との間から液体が画像形成装置内部へ侵入することなど、画像形成装置の故障を引き起こす可能性があり、天板の下側(裏面)に溝などの凹形状を設けても液体の侵入を防ぐことができない。
なお、本実施形態では、天板上面と操作部とが同じ平面に配置される例を説明するが、前述の実施形態1は、操作部400を天板上面320より高い位置に配置した天板の一例となる。
【0034】
図6は、実施形態3の天板の一例を説明する図であり、(A)は画像形成装置1cに天板300cを配置した外観を示す斜視図、(B)は天板300cを上から見た図、(C)は(B)に示すVIC-VIC線に沿った断面図である。
図6(A)は天板上面320cと操作部400とが同じ位置(高さ)の場合の一例である。
【0035】
天板300cは、切り欠き形状350cを有し、天板300cの外形がL字型である例を示す。
図6(B)では、画像形成装置1cの外形を二点破線で示している。天板300cは、天板300cの外形と二点破線との間(長さL)を突出部とし、突出部の下側面に凹形状(図示せず)を有する。また、天板上面320cは、全外周に(詳細には、突出部と切り欠き形状350cとの外形に沿って)、凸形状321を有する。
切り欠き形状350cは、
図6(C)に示すように、凸形状321を有し、凹形状を持たない例を示す。なお、天板裏面310cは、切り欠き形状350cに沿って、凹形状を設けてもよい(例えば、実施形態1の
図4(B))。
【0036】
前述のように、操作部400を囲む切り欠き形状350cに凸形状321を設けることにより、天板と操作部との間から液体が画像形成装置内部へ侵入することを防止し、液体が画像形成装置に進入を防ぐことが可能になる。
本実施形態によれば、操作部による操作のしやすさと液体のこぼれの対策とを両立することができる。
【0037】
なお、画像形成装置の上面に配置されたときの、天板上面の高さが、操作部の高さ以下であるか否かは、例えば、操作部との最も高い部分と天板上面とを比較するとよい。
図6(B)では、凸形状321は天板300cの全周に設けられた例を示しているが、突出部と切り欠き形状350cとの少なくとも一部に凸形状を設けない箇所を有してもよい。
また、画像形成装置1cは、例えば、
図2に示す構成を有する。
【0038】
実施形態4.
実施形態4では、凸形状を、画像形成装置の外装に配置された電装部の上方のみに設ける場合を説明する。
図7は、実施形態4の天板の一例を説明する図であり、(A)は画像形成装置に天板300dを配置した外観を上から見た図、(B)は天板300dを上から見た図である。
図7では、操作部400の配置が
図6に比べ中央寄りであり、天板300dは、操作部400を設置する場所を囲むように、凹んだ切り欠き形状350dを有する例を示している。
【0039】
一般的にコピー機、プリンタなどの画像形成装置では、インレットやインターフェース部(例えば、USB(Universal Serial Bus)、LAN(Local Area Network))などの電装部は使いやすさの観点から外側に露出して外装面に配置されている。
このような場合に、外装面を伝った液体が電装部に入ることで不具合が発生する可能性がある。このため、電装部の上にある天板の縁に凸形状を設け、電装部への液体の入り込みを起こしにくくすることが好ましい。
【0040】
また、天板は、凸形状があることで天板としての使い勝手が悪くなること、電装部がない箇所では外装を液体が伝っても問題ないこと、などを考慮して、凸形状を設ける範囲を限定し、凸形状を天板上面の全周に設けない構成としてもよい。このようすると、凸形状を持つ箇所を減らし、天板の使いやすさを向上させることができる。
そのため、電装部がある上方の位置にのみ凸形状を設け、凸形状を設けないところへ液体が流れるようにすることで、電装部への被害を少なくするとともに、天板の使いやすさを向上させることができる。
【0041】
図7(B)では、画像形成装置1bの外形を二点破線で示している。また、天板300dの下方に配置されている、画像形成装置の外装面に露出した電装部90を破線で示している。
天板上面320dは、凸形状321を電装部90の上方となる縁に設けている。
【0042】
天板300dでは、凸形状を設けない箇所から液体が流れるが、天板の裏面には凹形状を形成することにより、画像形成装置内部へ液体を侵入させないで外装を伝って下まで落とすことができる。
また、コピー機、プリンタなどの画像形成装置の外装は低騒音化などを目的とし、ラビリンス構造になっていることが多い。このような場合には、ラビリンス構造によって外装部のつなぎ目からの装置内部への液体の侵入も防ぐことができる。
【0043】
なお、
図7(B)では、天板上面320dが、電装部90の上方のみに凸形状321を有する例を示したが、これに限られるわけではない。天板上面の全外周に凸形状を設け(例えば、実施形態1から3)、電装部の上方に、他の凸形状より高い凸形状を設けてもよい。
また、
図7(B)において、天板上面は、電装部の上方に加え、操作部400を囲む切り欠き形状350dの縁に、実施形態3と同様に凸形状を設けてもよい。
【0044】
その他の実施形態.
上記各実施形態において、凹形状は図に示すような角型に限らず、角部にR(曲率半径)を持たせた逆U字型でも良い。
上記各実施形態の天板は、画像形成装置1の上面に着脱可能(取り付け取り外し可能)であることが好ましい。
【0045】
以上説明した通り、本発明の一実施形態の天板は、画像形成装置の上に配置されたときに、画像形成装置よりも一回り大きくなっている突出部を有すること、突出部下側面に凹形状を持ち、天板の上からこぼれてきた液体が機体内に入るのを防ぐこと、さらに天板上面の縁に凸形状を設けることを特徴とする。このようにすると、天板にこぼれた液体が流れるのをせき止めることが可能になり、外装面を伝う液体の量を減らすことができる。これにより、画像形成装置が故障する確率を低減し、不具合を起こしにくくすることができる。
【0046】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記各実施形態は、可能な範囲で組み合わせることできる。
【符号の説明】
【0047】
1 画像形成装置
300、300a~300d 天板
310、310a~310d 裏面(天板裏面)
311 凹形状
320、320a~320d 上面(天板上面)
321 凸形状
322 穴
330、330a 脚形状
340 突出部
350、350a、350c、350d 切り欠き形状
【先行技術文献】
【特許文献】
【0048】