(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】基板処理システムのための温度調節された基板支持体
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240502BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240502BHJP
H05B 3/00 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/302 101G
H05B3/00 310D
(21)【出願番号】P 2019560734
(86)(22)【出願日】2018-05-10
(86)【国際出願番号】 US2018031996
(87)【国際公開番号】W WO2018209041
(87)【国際公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-05-07
(32)【優先日】2017-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メルトケ・ノーマン
(72)【発明者】
【氏名】チョクシ・ヒマンシュ
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-207979(JP,A)
【文献】特表2016-526303(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0040191(US,A1)
【文献】特表2014-534614(JP,A)
【文献】特開2003-249541(JP,A)
【文献】特開2013-42012(JP,A)
【文献】特開2010-251723(JP,A)
【文献】特開2011-44732(JP,A)
【文献】国際公開第2006/090730(WO,A1)
【文献】特開2010-157776(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
H05B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムにおいて処理中に一つの基板の温度を制御するためのシステムであって、
前記基板を支持し中央区画および径方向外側区画を規定する円形の基板支持体であって、前記基板は、処理中に前記中央区画および前記径方向外側区画の両方の上方に配置される、基板支持体と、
前記中央区画を加熱するように構成された第1のヒータと、
前記径方向外側区画を加熱するように構成された第2のヒータと、
前記円形の基板支持体の中心軸に沿って延びる、軸方向に延びる複数の突起を含み、前記中央区画と熱連通する一端を有する第1のヒートシンクと、
前記径方向外側区画と熱連通する一端を有する第2のヒートシンクと、を備え、
前記円形の基板支持体は、
第1の構成要素であって、
第1の厚さを有する第1の中央部と、
前記第1の厚さより小さい第2の厚さを有する径方向突部と、を含む第1の構成要素と、
前記第1の構成要素の径方向外側下方に配置された第2の構成要素であって、
環状の第2の中央部と、
前記第2の構成要素の前記第2の中央部、および前記第1の構成要素の前記径方向突部の径方向外縁に、接続されている軸方向突部と、を含む第2の構成要素と、
を備える、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムあって、
前記基板は、前記円形の基板支持体上に重力によって保持され、機械クランプまたは静電チャックによって保持されない、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、
第1の隙間は、前記第1の構成要素の前記第1の中央部と前記第2の構成要素の前記第2の中央部との間で軸方向に規定され、
第2の隙間は、前記第1の中央部の径方向外面と前記軸方向突部の径方向内面との間に規定される、システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、
前記第1の中央部の上面は、前記中央区画を少なくとも部分的に規定し、
前記軸方向突部の上面は、前記径方向外側区画を少なくとも部分的に規定する、システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、
前記第2の構成要素は、複数のボアを備え、
前記第1のヒートシンクは、前記第1の構成要素に接続され、前記複数のボアを貫通する複数の突起を備える、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、
前記円形の基板支持体は、
前記中央区画を少なくとも部分的に規定する上面を備える前記第1の構成要素と、
前記第1の構成要素の径方向外側下方に配置されている前記第2の構成要素と、を備え、
前記第1の構成要素および前記第2の構成要素は、離間してその間に隙間を規定し、
前記第2の構成要素は、前記径方向外側区画を少なくとも部分的に規定する上面を備える、システム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムであって、
前記第1の構成要素は円錐形を有し、前記第2の構成要素は逆円錐形を有する、システム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムであって、さらに、
処理中に前記基板と前記円形の基板支持体との間にあらかじめ定められた隙間を提供するように前記円形の基板支持体に配置された複数のスペーサを備える、システム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムであって、
前記第2のヒートシンクは、蛇腹ヒートシンクを含む、システム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムであって、
前記円形の基板支持体は、前記中央区画および前記径方向外側区画に規定されており
前記円形の基板支持体の外縁から径方向内向きに延びる複数のノッチを備える、システム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムであって、さらに、
前記第1のヒートシンクおよび前記第2のヒートシンクの他端と熱連通する温度制御された熱質量を備える、システム。
【請求項12】
請求項1に記載のシステムであって、
前記中央区画および前記径方向外側区画のうちの少なくとも1つは、90℃から350℃の範囲の温度で維持され、
前記中央区画と前記径方向外側区画との間の温度差は、18℃から100℃の範囲にある、システム。
【請求項13】
請求項1に記載のシステムであって、
前記処理は、フォトレジストアッシングを含み、
前記中央区画および前記径方向外側区画のうちの少なくとも1つは、90℃から350℃の範囲の温度で維持され、
前記中央区画と前記径方向外側区画との間の温度差は、18℃から100℃の範囲にある、システム。
【請求項14】
基板処理システムにおける処理中に基板の温度を制御するためのシステムであって、
前記基板を支持する円形の基板支持体であって、
第1の構成要素であって、
第1の厚さを有し、中央区画を部分的に規定する中央部と、
前記第1の厚さより小さい第2の厚さを有する径方向突部と、を含む第1の構成要素と、
前記第1の構成要素の径方向外側下方に配置された第2の構成要素であって、
環状部と、
前記円形の基板支持体の中心軸に沿って延びる軸方向突部であって、前記第2の構成要素の前記環状部、および、前記第1の構成要素の前記径方向突部の径方向外縁に接続され、径方向外側区画を部分的に規定する軸方向突部と、を含む第2の構成要素と、を備え、前記基板は、処理中に前記中央区画および前記径方向外側区画の両方の上方に配置される、基板支持体と、
前記第1の構成要素を加熱するように構成された第1のヒータと、
前記第2の構成要素を加熱するように構成された第2のヒータと、
前記第1の構成要素と熱連通する一端を有する第1のヒートシンクと、
前記第2の構成要素と熱連通する一端を有する第2のヒートシンクと、を備える、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、
前記基板は、前記円形の基板支持体上に重力によって保持され、機械クランプまたは静電チャックによって保持されない、システム。
【請求項16】
請求項14に記載のシステムであって、
前記中央部の上面は前記中央区画に対応し、前記軸方向突部の上面は前記径方向外側区画に対応する、システム。
【請求項17】
請求項14に記載のシステムであって、
前記第2の構成要素は、複数のボアを備え、
前記第1のヒートシンクは、前記第1の構成要素に接続され、前記複数のボアを貫通する複数の突起を備える、システム。
【請求項18】
請求項14に記載のシステムであって、さらに、
処理中に前記基板と前記円形の基板支持体との間にあらかじめ定められた隙間を提供するように前記中央区画に配置された複数のスペーサを備える、システム。
【請求項19】
請求項14に記載のシステムであって、
前記円形の基板支持体は、前記円形の基板支持体の外縁から径方向内向きに突出する複数のノッチを備える、システム。
【請求項20】
請求項14に記載のシステムであって、さらに、
前記第1のヒートシンクおよび前記第2のヒートシンクの両端と熱連通する温度制御された熱質量を備える、システム。
【請求項21】
請求項14に記載のシステムであって、
前記中央区画および前記径方向外側区画のうちの少なくとも1つは、90℃から350℃の範囲の温度で維持され、
前記第1の構成要素と前記第2の構成要素との間の温度差は、18℃から100℃の範囲にある、システム。
【請求項22】
請求項14に記載のシステムであって、
前記処理は、フォトレジストアッシングを含み、
前記中央区画および前記径方向外側区画のうちの少なくとも1つは、90℃から350℃の範囲の温度で維持され、
前記第1の構成要素と前記第2の構成要素との間の温度差は、18℃から100℃の範囲にある、システム。
【請求項23】
基板処理システムにおける処理中に基板の温度を制御するためのシステムであって、
基板支持体であって、
中央区画を少なくとも部分的に規定する上面を備える第1の構成要素と、
前記第1の構成要素の径方向外側下方に配置されている第2の構成要素と、を備え、
前記第1の構成要素および前記第2の構成要素は、離間してその間に隙間を規定し、前記第2の構成要素は、径方向外側区画を少なくとも部分的に規定する上面を備える、基板支持体と、
前記第1の構成要素を加熱するように構成された第1のヒータと、
前記第2の構成要素を加熱するように構成された第2のヒータと、
前記第1の構成要素と熱連通する一端を有する第1のヒートシンクと、
前記第2の構成要素と熱連通する一端を有する第2のヒートシンクと、
複数の高さ調節機構であって、前記第2の構成要素に対する前記第1の構成要素の高さを調節して、前記第1の構成要素と前記第2の構成要素との間の隙間を調節し、前記第1の構成要素と前記第2の構成要素との間の熱結合の量を変える、複数の高さ調節機構と、を備える、システム。
【請求項24】
請求項23に記載のシステムであって、
前記基板は、前記基板支持体上に重力によって保持され、機械クランプまたは静電チャックによって保持されない、システム。
【請求項25】
請求項23に記載のシステムであって、
前記第1の構成要素は円錐形を有し、前記第2の構成要素は逆円錐形を有する、システム。
【請求項26】
請求項23に記載のシステムであって、
前記第2のヒートシンクは、蛇腹式ヒートシンクを含む、システム。
【請求項27】
請求項23に記載のシステムであって、さらに、
処理中に前記基板と前記基板支持体との間にあらかじめ定められた隙間を提供するように前記中央区画に配置された複数のスペーサを備える、システム。
【請求項28】
請求項23に記載のシステムであって、
前記基板支持体は、前記基板支持体の外縁から径方向内向きに突出する複数のノッチを備える、システム。
【請求項29】
請求項23に記載のシステムであって、さらに、
前記第1のヒートシンクおよび前記第2のヒートシンクの両端と熱連通する温度制御された熱質量を備える、システム。
【請求項30】
請求項23に記載のシステムであって、
前記中央区画および前記径方向外側区画のうちの少なくとも1つは、90℃から350℃の範囲の温度で維持され、
前記第1の構成要素と前記第2の構成要素との間の温度差は、18℃から100℃の範囲にある、システム。
【請求項31】
請求項23に記載のシステムであって、
前記処理は、フォトレジストアッシングを含み、
前記中央区画および前記径方向外側区画のうちの少なくとも1つは、90℃から350℃の範囲の温度で維持され、
前記第1の構成要素と前記第2の構成要素との間の温度差は、18℃から100℃の範囲にある、システム。
【請求項32】
請求項14に記載のシステムであって、
前記第2の厚さは、前記径方向突部全体にわたって均一である、システム。
【請求項33】
請求項1に記載のシステムあって、
前記処理中の前記中央区画と前記径方向外側区画との間の温度差は、10℃より大きい、システム。
【請求項34】
請求項14に記載のシステムであって、
前記処理中の前記第1の構成要素と前記第2の構成要素との間の温度差は、10℃以上から100℃の範囲にある、システム。
【請求項35】
請求項23に記載のシステムであって、
前記処理中の前記第1の構成要素と前記第2の構成要素との間の温度差は、10℃から100℃の範囲にある、システム。
【請求項36】
請求項23に記載のシステムであって、
前記複数の高さ調節機構のそれぞれは、
前記第1の構成要素の底面のスロット内に配された球と、
前記第2の構成要素に形成された空洞内に配された高さ調整装置と、を備える、システム。
【請求項37】
請求項1に記載のシステムであって、
前記軸方向に延びる複数の突起は、前記中央区画から延びている、システム。
【請求項38】
請求項14に記載のシステムであって、
前記第1の構成要素から、前記円形の基板支持体の中心軸に沿って延びる、軸方向に延びる複数の突起を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2017年5月12日出願の米国実用出願第15/593,987号の優先権を主張する。上記出願の全ての開示は、参照として本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、基板処理システムに関し、特に、基板処理システムのための温度調節された基板支持体に関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書に記載の背景技術の説明は、一般に本開示の内容の提示を目的とする。現在名前が挙げられている発明者の発明は、この背景技術欄だけでなく、出願時に先行技術に該当しない記載の態様において説明される範囲において、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【0004】
半導体ウエハなどの基板の処理中に、1つ以上の膜層が基板の上に堆積される。堆積後に、層は、パターニングされ、エッチングされてよい。パターニング中は、下地層の選択部分を保護するためにフォトレジストまたはハードマスクが用いられてよい。処理後に、フォトレジストまたはハードマスクは、剥離プロセスを用いて除去される。
【発明の概要】
【0005】
基板処理システムにおいて処理中に基板の温度を制御するためのシステムは、中央区画および径方向外側区画を規定する基板支持体を備える。基板は、処理中に中央区画および径方向外側区画の両方の上方に配置される。第1のヒータは、中央区画を加熱するように構成されている。第2のヒータは、径方向外側区画を加熱するように構成されている。第1のヒートシンクは、中央区画と熱連通する一端を有する。第2のヒートシンクは、径方向外側区画と熱連通する一端を有する。処理中の中央区画と径方向外側区画との間の温度差は、10℃より大きい。
【0006】
他の特徴では、基板は、基板支持体上で重力によって保持され、機械クランプまたは静電チャックによって保持されない。基板支持体は、第1の厚さを有する中央部と、第1の厚さ未満の第2の厚さを有する径方向突部とを含む第1の構成要素を備える。第2の構成要素は、第1の構成要素の下方径方向外側に配置され、環状部と、第2の構成要素の環状部および第1の構成要素の径方向突部の径方向外縁に接続された軸方向突部とを備える。
【0007】
他の特徴では、第1の構成要素の中央部と第2の構成要素の中央部との間で、第1の隙間が軸方向に規定される。第2の隙間は、中央部の径方向外面と軸方向突部の径方向内面との間に規定される。中央部の上面は、中央区画を少なくとも部分的に規定する。軸方向突部の上面は、径方向外側区画を少なくとも部分的に規定する。
【0008】
他の特徴では、第2の構成要素は、複数のボアを備える。第1のヒートシンクは、第1の構成要素に接続されて複数のボアを貫通する複数の突起を備える。
【0009】
他の特徴では、基板支持体は、中央区画を少なくとも部分的に規定する上面を備える。第2の構成要素は、第1の構成要素の径方向外側下方に配置される。第1の構成要素および第2の構成要素は、離間してその間に隙間を規定する。第2の構成要素は、径方向外側区画を少なくとも部分的に規定する上面を備える。
【0010】
他の特徴では、第1の構成要素は円錐形を有し、第2の構成要素は逆円錐形を有する。処理中に基板と基板支持体との間にあらかじめ定められた隙間を設けるために、複数のスペーサが基板支持体に配置される。第2のヒートシンクは、蛇腹ヒートシンクを備える。基板支持体は、中央区画および径方向外側区画に規定された複数のノッチであって、基板支持体の外縁から径方向内向きに延びる複数のノッチを備える。
【0011】
他の特徴では、温度調節された熱質量は、第1のヒートシンクおよび第2のヒートシンクの両端と熱連通している。
【0012】
他の特徴では、中央区画および径方向外側区画の少なくとも1つは、90℃から350℃の範囲の温度で維持される。温度差は、18℃から100℃の範囲にある。他の特徴では、処理は、フォトレジストアッシングを含み、中央区画および径方向外側区画の少なくとも1つは、90℃から350℃の範囲の温度で維持される。温度差は、18℃から100℃の範囲にある。
【0013】
基板処理システムにおいて処理中に基板の温度を制御するためのシステムは、第1の厚さを有し、中央区画を部分的に規定する中央部と、第1の厚さより大きい第2の厚さを有する径方向突部とを含む第1の構成要素を備える、基板支持体を備える。第2の構成要素は、第1の構成要素の径方向外側下方に配置され、環状部を備える。軸方向突部は、第2の構成要素の環状部および第1の構成要素の径方向突部の径方向外端に接続され、径方向外側区画を部分的に規定する。基板は、処理中に中央区画および径方向外側区画の両方の上方に配置される。第1のヒータは、第1の構成要素を加熱するように構成されている。第2のヒータは、第2の構成要素を加熱するように構成されている。第1のヒートシンクは、第1の構成要素と熱連通する一端を有する。第2のヒートシンクは、第2の構成要素と熱連通する一端を有する。処理中の第1の構成要素と第2の構成要素との間の温度差は、10℃以上から100℃の範囲にある。
【0014】
他の特徴では、基板は、基板支持体上に重力によって保持され、機械クランプまたは静電チャックによって保持されない。中央部の上面は、中央区画に対応する。軸方向突部の上面は、径方向外側区画に対応する。
【0015】
他の特徴では、第2の構成要素は、複数のボアを備える。第1のヒートシンクは、第1の構成要素に接続された、複数のボアを貫通する複数の突起を備える。
【0016】
他の特徴では、中央区画に配置された複数のスペーサは、処理中に基板と基板支持体との間にあらかじめ定められた隙間を提供する。基板支持体は、基板支持体の外縁から径方向内向きに突出する複数のノッチを備える。
【0017】
他の特徴では、温度調節された熱質量は、第1のヒートシンクおよび第2のヒートシンクの両端と熱連通している。中央区画および径方向外側区画の少なくとも1つは、90℃から350℃の範囲の温度で維持される。温度差は、18℃から100℃の範囲にある。
【0018】
他の特徴では、処理は、フォトレジストアッシングを含む。中央区画および径方向外側区画の少なくとも1つは、90℃から350℃の範囲の温度で維持される。温度差は、18℃から100℃の範囲にある。基板は、基板支持体上に重力によって保持され、機械クランプまたは静電チャックによって保持されない。
【0019】
基板処理システムにおいて処理中に基板の温度を制御するためのシステムは、中央区画を少なくとも部分的に規定する上面を含む第1の構成要素を備える基板支持体を備える。第2の構成要素は、第1の構成要素の径方向外側下方に配置される。第1の構成要素および第2の構成要素は、離間してその間に隙間を規定する。第2の構成要素は、径方向外側区画を少なくとも部分的に規定する上面を備える。第1のヒータは、第1の構成要素を加熱するように構成されている。第2のヒータは、第2の構成要素を加熱するように構成されている。第1のヒートシンクは、第1の構成要素と熱連通する一端を有する。第2のヒートシンクは、第2の構成要素と熱連通する一端を有する。処理中の第1の構成要素と第2の構成要素との間の温度差は、10℃以上から100℃の範囲にある。
【0020】
他の特徴では、基板は、基板支持体上に重力によって保持され、機械クランプまたは静電チャックによって保持されない。第1の構成要素は円錐形を有し、第2の構成要素は逆円錐形を有する。第2のヒートシンクは、蛇腹式ヒートシンクを含む。
【0021】
中央区画に配置された複数のスペーサは、処理中に基板と基板支持体との間にあらかじめ定められた隙間を提供する。基板支持体は、基板支持体の外縁から径方向内向きに突出する複数のノッチを備える。
【0022】
他の特徴では、温度調節された熱質量は、第1のヒートシンクおよび第2のヒートシンクの両端と熱連通している。中央区画および径方向外側区画の少なくとも1つは、90℃から350℃の範囲の温度で維持される。温度差は、18℃から100℃の範囲にある。
【0023】
他の特徴では、処理は、フォトレジストアッシングを含む。中央区画および径方向外側区画の少なくとも1つは、90℃から350℃の範囲の温度で維持される。温度差は、18℃から100℃の範囲にある。
【0024】
本開示のさらなる適用性の範囲は、発明を実施するための形態、特許請求の範囲、および、図面から明らかになるだろう。発明を実施するための形態および特定の例は、例示のみを目的とし、本開示の範囲を限定する意図はない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本開示は、発明を実施するための形態および付随の図面からより十分に理解されるだろう。
【0026】
【
図1】本開示による基板処理システム例の機能ブロック図。
【0027】
【0028】
【0029】
【
図4】基板中央からの距離の関数として温度変化例を表すグラフ。
【
図5】基板中央からの距離の関数として温度変化例を表すグラフ。
【0030】
【
図6】本開示による
図1の基板支持体の別の例の断面図。
【
図7】本開示による
図1の基板支持体の別の例の断面図。
【0031】
【
図8A】本開示による異なる処理温度について基板中央からの距離の関数としてフォトレジスト除去を表すグラフ。
【
図8B】本開示による異なる処理温度について基板中央からの距離の関数としてフォトレジスト除去を表すグラフ。
【0032】
【
図9】本開示により基板を処理するための工程を表すフローチャート。
【0033】
図面では、参照番号は、類似および/または同一の要素を識別するために再利用されてよい。
【発明を実施するための形態】
【0034】
いくつかのフォトレジスト剥離プロセスでは、フォトレジスト層は、不均一の厚さを有する。つまり、フォトレジスト層は、基板の縁では厚く(または、薄く)、基板の中央では薄い(または、厚い)。フォトレジストの厚さは、基板ごとに、またはバッチごとに異なる可能性もある。フォトレジスト層は、均一のウエハ温度を用いて剥離されうるが、剥離プロセスは、端(または、中央)においてより厚いフォトレジストを完全に除去するほど十分に長く実行される必要があるだろう。しかし、ウエハの中央(または、端)は、オーバーエッチングされ、下地層に損害を与える可能性がある。
【0035】
他の例では、用いられるフォトレジスト剥離プロセスは、中央から端まで不均一なアッシング速度を有してよい。つまり、フォトレジスト層が中央から端まで均一な厚さを有するときでも、フォトレジスト剥離プロセスは、端に比べて中央ではより多く(または、より少なく)除去してよい。
【0036】
フォトレジスト剥離速度は、通常、温度に強く依存する。本開示によるシステムおよび方法は、温度調節された基板支持体を用いて不均一なウエハ温度プロファイルを形成することによって、フォトレジスト層の厚さの不均一性、および/または、プロセスのアッシング速度の不均一性を補う。いくつかの例では、+/-10%、+/-20%、またはそれ以上より大きく変化しうる異なるアッシング速度を生み出すために、10℃から100℃の範囲の温度差が中央と端との間で生成される。いくつかの例では、+/-10%、+/-20%、またはそれ以上より大きく変化しうる異なるアッシング速度を生み出すために、18℃から100℃の範囲の温度差が中央と端との間で生成される。いくつかの例では、+/-10%、+/-20%、またはそれ以上より大きく変化しうる異なるアッシング速度を生み出すために、25℃から100℃の範囲の温度差が中央と端との間で生成される。
【0037】
いくつかの例では、基板支持体は、アルミニウムなどの高い熱伝導率を有する材料で作られてよい。そのため、不均一の温度を作り出すことは難問である。いくつかの例では、基板は、重力によって保持され、機械的にクランプされない、または、静電チャックによって保持されない。さらに、処理チャンバ内のガス圧は、比較的低い(例えば、1Torrから2Torrの範囲)。結果的に、ガス移送媒体は、低い熱伝導率を有する。これらの条件は、基板の温度が基板支持体の温度よりはるかに低いことを意味する。そのため、所望の温度の不均一性を作り出してフォトレジスト厚さのバラツキを補うためには、基板支持体全体における非常に大きな温度の変動が必要である。
【0038】
いくつかの例では、温度の不均一性の設定は、1バッチの基板に用いられる。他の例では、温度の不均一性の設定は、受け入れ基板の測定されたフォトレジストの厚さプロファイルに基づいて、個々の基板について設定される。例えば、フォトレジスト層の厚さは、基板が処理チャンバに入るときに基板のチャンバへの搬入前に、または、基板がチャンバ内にあるときに、in-situで非接触の光干渉測定を用いて測定されうるが、フォトレジスト層の厚さを測定するための他の方法が用いられてよい。
【0039】
本開示によるシステムおよび方法は、基板の中央から端における熱勾配を推進するために、中央区画および径方向外側区画という2つの独立して制御された区画を提供する。このシステムおよび方法は、中央から端のプロセス調整能力を提供する。第1の例では、基板支持体は、基板に均一な表面を提供し、中央区画と径方向外側区画との間の比較的狭い部分全体の熱勾配を促進する。別の例では、中央区画および径方向外側区画は、隙間によって離間し、中央区画と径方向外側区画との間でより大きな温度差を作り出し、基板におけるより大きな熱勾配を促進する。2つの例では、各区画は、正確な温度制御を可能にするためにヒートシンクが設けられてよい。いくつかの例では、両方のヒートシンクは、温度制御された熱質量と熱連通している。
【0040】
ここで
図1を参照すると、基板処理システム10の例が示されている。特定の処理チャンバが示されているが、他の種類のチャンバが用いられてよい。基板処理システム10は、下部チャンバ12と、離間したスルーホールを有するフェースプレートまたはシャワーヘッド14などのガス分配装置13とを備える。基板支持体16は、下部チャンバ12に配置されてよい。使用中に、基板18(半導体ウエハまたは他の種類の基板など)は、基板支持体16の上に配置される。
【0041】
基板処理システム10は、ガス混合物(フォトレジスト剥離プロセスガスなど)および/またはパージガスを供給するためにガス供給システム20を備える。例えのみでは、ガス供給システム20は、1つ以上のガス源22-1、ガス源22-2、・・・、およびガス源22-N(総称して、ガス源22)、ならびに、バルブ24-1、バルブ24-2、・・・、およびバルブ24-N(総称して、バルブ24)、ならびに、マスフローコントローラ(MFC)26-1、MFC26-2、・・・、およびMFC26-N(総称して、MFC26)を備えてよい(Nは、ゼロより大きい整数)。
【0042】
ガス供給システム20の出力は、マニホルド30で混合され、ガス分配装置13の上方に配置された上部チャンバ32に供給されてよい。いくつかの例では、上部チャンバ32は、ドーム型である。プラズマ源は、上部チャンバ32の周りに配置された誘導コイル34を含む。プラズマ電源および整合ネットワーク38は、高周波(RF)プラズマ電力またはマイクロ波(MW)プラズマ電力を誘導コイル34に選択的に供給する。誘導結合プラズマ(ICP)システムが示されているが、他の種類のプラズマ生成法が用いられてよい。例えば、リモートプラズマ源が用いられてよい。あるいは、プラズマは、直接処理チャンバ内で生成されてよい。例えのみでは、容量結合プラズマ(CCP)システムまたは他の適した種類のプラズマシステムが用いられてよい。さらに他の例では、処理チャンバは、プラズマなしで堆積またはエッチングを実施する。
【0043】
コントローラ40は、温度、圧力などの、処理チャンバにおける動作パラメータを監視する1つ以上のセンサ41に接続されてよい。2つ以上のヒータ42は、基板支持体16の2つ以上の区画および基板18を所望のプロセス温度に加熱するために設けられてよい。ヒータ42は、抵抗発熱体、流体経路、熱電装置などを含んでよい。いくつかの例では、ヒータ42は、コントローラ40によって独立して制御可能な2つ以上の区画を備える。いくつかの例では、ヒータ42は、2つ以上の区画への熱を独立して制御する。
【0044】
コントローラ40は、圧力を制御し、処理チャンバからガスを排気するために、追加のバルブ50およびポンプ52を制御する。いくつかの例では、ポンプ52は、ターボ分子ポンプである。いくつかの例では、チャンバ内の圧力は、0.5Torrから3Torrの範囲に維持される。いくつかの例では、チャンバ内の圧力は、1Torrから2Torrの範囲に維持される。コントローラ40は、ガス供給システム20、ヒータ42、バルブ50、ポンプ52、および、プラズマ源によって生成されたプラズマを制御するのに用いられてよい。
【0045】
いくつかの例では、コントローラ40は、あらかじめ定められたガス比率を有するガス混合物を処理チャンバに供給するように構成されている。プラズマが用いられた場合は、コントローラ40は、リモートプラズマ源からプラズマを供給するように、または、処理チャンバでプラズマを衝突させるようにも構成されている。
【0046】
光干渉センサなどの1つ以上のセンサ80は、基板の中心からの様々な半径距離における基板の外層(フォトレジスト層など)の厚さを測定するのに用いられてよい。センサ80は、基板がチャンバに入る前、もしくは基板がチャンバに入る際に、処理チャンバにおいて、または別のステーションでin-situで測定を実施しうる。厚さの測定値は、コントローラ40に出力されうる。いくつかの例では、コントローラ40は、センサ80によって測定された異なる厚さに基づいて所望の温度勾配(中央から端への温度の上昇または低下)を生じさせるために、中央区画および径方向外側区画へのヒータ42の出力を変更する。
【0047】
いくつかの例では、温度制御された熱質量84は、1つ以上のヒートシンク(以下に記載)と熱連通している。温度制御された熱質量84は、液体源などの流体源86と流体連通している。ポンプ88は、温度制御された熱質量84内の経路89への流体の流れを制御するのに用いられてよい。温度センサ90は、流体温度および/または温度制御された熱質量84の温度を検出するのに用いられてよい。いくつかの例では、温度制御された熱質量84は、アルミニウムの塊を含む。
【0048】
次に
図2を参照すると、中央円筒部110および環状径方向突部114を有する第1の構成要素100を備える基板支持体16が示されている。第1の構成要素100の中央円筒部110および環状径方向突部114は、一般に同一平面にある上面118および上面120を規定する。基板18は、処理中は上面118および上面120の上に配置される。軸方向の中央円筒部110の厚さは、環状径方向突部114の厚さより大きい。いくつかの例では、第1の構成要素100の中央円筒部110の厚さは、第1の構成要素100の環状径方向突部114の厚さの2倍または4倍より大きい。
【0049】
第2の構成要素126は、中央円筒部128および環状軸方向突部130を備える。隙間132は、中央円筒部110の径方向外面133と環状軸方向突部130の径方向内面134との間、および、径方向突部の下面と第2の構成要素の上面との間で、径方向に形成される。いくつかの例では、隙間132は、環形状を有する。隙間136は、第1の構成要素100の下面137と第2の構成要素126の上面138との間に規定されている。いくつかの例では、隙間136は、一般に径方向に連続している。
【0050】
ヒータ139およびヒータ140は、それぞれ第1の構成要素100および第2の構成要素126の加熱を別々に制御するのに用いられる。環状軸方向突部130の端部141は、第1の構成要素100の環状径方向突部114の端部144に取り付けられてよい。いくつかの例では、環状軸方向突部130の端部141は、第1の構成要素100の環状径方向突部114の端部144に溶着される。いくつかの例では、電子ビーム溶接が用いられる。
【0051】
第2の構成要素126は、複数の離間したボア150を備える。複数の突部160は、第1のヒートシンクとして機能し、第1の構成要素100の下面137に接続される、または下面137から延びる。複数の突部160は、第2の構成要素126に形成された複数の離間したボア150を貫通し、第2の構成要素126の下方に配置されたヒートシンク構造体170に接続される。隙間162は、複数の突部160と複数の離間したボア150との間に形成される。
【0052】
第2のシートシンク180は、第2の構成要素126をヒートシンク構造体170に接続する。いくつかの例では、ヒートシンク構造体170は、温度制御された熱質量84に熱接続されてよい。基板および基板支持体はプラズマによって加熱されうるため、ヒートシンクおよび温度制御された熱質量84の寸法および/または構成は、処理中に基板にとって所望の最低プロセス温度によって部分的に決定される。
【0053】
次に
図3を参照すると、基板支持体16は、基板支持体の径方向外端部202から内向きに延びる複数のノッチ200(または、フィンガ)を備えてよい。ノッチ200は、基板18が設置されて基板支持体16から取り上げられることを可能にするクリアランスを提供する。動作時に、基板支持体16の温度は、温度勾配を生成する。つまり、同心の温度リング210-1、温度リング210-2、温度リング210-3、温度リング210-4の間に異なる温度が提供される。温度差は、温度リング210-1の内側に位置する基板支持体16の部分と温度リング210-4の外側の部分との間に提供されうる。温度差は、温度
リング210-1と温度リング210-4との間に規定される。いくつかの例では、温度差は、10℃、18℃、25℃、または100℃までの別の値より大きい。
【0054】
動作中に、第1の構成要素100が第2の構成要素126より高温であるときは、熱は、第1の構成要素100から複数の突部160を通ってヒートシンク構造体170に流れる。熱は、第1の構成要素100から環状径方向突部114を通って第2の構成要素126の軸方向突部130にも流れる。エアギャップ132、および、より小さい環状径方向突部114の相対厚さにより、環状径方向突部114は、第1の構成要素100の温度から第2の構成要素126の温度への温度勾配を示す。熱は、第1の構成要素100が第2の構成要素126より低温のときは、逆方向に流れる。
【0055】
次に
図4~
図5を参照すると、基板の中心部からの距離の関数として温度変化の例が示されている。
図4では、温度は、中心温度から端部温度に向かって上昇する。
図5では、温度は、中心温度から端部温度に向かって低下する。
【0056】
次に
図6~
図7を参照すると、基板支持体16は、中央構成要素250および外側構成要素260を備える。隙間261は、中央構成要素250と外側構成要素260との間に規定されている。中央構成要素250および外側構成要素260の加熱は、変更される。いくつかの例では、別々のヒートシンクが中央構成要素250および外側構成要素260に接続される。
【0057】
中央構成要素250の上面262および上面264ならびに外側構成要素260は、基板18を受けるための面を規定する。いくつかの例では、相補的な適合を提供するために、中央構成要素250はほぼ円錐形の下面を有し、外側構成要素260は逆円錐形の上面を有する。外側構成要素260は、径方向内向きに延びる下部280と、軸方向上向きに延びる上部282とを備える。上部282は、中央構成要素250の径方向外端部266の周りに配置される。
【0058】
加熱コイル284および加熱コイル286は、中央構成要素250および外側構成要素260と熱接触して配置されて、それぞれ中央構成要素250および外側構成要素260の個々の温度制御を可能にする。第1のヒートシンク288は、中央構成要素250および外側構成要素260の下方に配置され、中央構成要素250と熱接触する一端を備える。第2のシートシンク290は、中央構成要素250および外側構成要素260の下方に配置され、外側構成要素260と熱接触する一端を備える。いくつかの例では、ヒートシンク290は、蛇腹式のヒートシンクであるが、他の種類のヒートシンクが用いられてよい。中央構成要素250および外側構成要素260は、基板が設置され取り上げられるように前述のノッチ294を備えてよい。
【0059】
図7では、中央構成要素250および外側構成要素260の温度を監視するために、それぞれ第1の熱電対300および第2の熱電対310が用いられてよい。
【0060】
図6では、複数の高さ調節機構320が上面262に配置され、基板支持体16の上面に対する基板18の高さを調節するのに用いられてよい。いくつかの例では、高さ調節機構320は、基板の高さを基板支持体16の上面上方の0.003’’から0.01’’の範囲に設定する。いくつかの例では、基板の高さは、基板支持体の上面上方の0.006’’で維持される。いくつかの例では、複数の高さ調節機構320は、基板18を支持するために、中央構成要素250の周囲の離間した位置に配置された3つ以上の高さ調節機構を備える。認められるように、高さ調節機構320は、基板支持体16から基板18までの熱
伝達量を変更する隙間の調節を可能にする。いくつかの例では、高さ調節機構320は、中央構成要素250の上面に形成された空洞354に配置された球350および高さ調節装置352を備える。球350は、基板の底部対向面との接触面積の減少を提供する。
【0061】
図7では、複数の高さ調節機構340は、外側構成要素260に対する中央構成要素250の高さを調節するために設けられてよい。いくつかの例では、複数の高さ調節機構340は、離間した位置に配置された3つ以上の高さ調節機構340を含む。認められるように、高さ調節機構340は、中央構成要素250と外側構成要素260との間の熱
伝達量を変更する隙間の調節を可能にす
る。
【0062】
いくつかの例では、高さ調節機構340は、外側構成要素260に形成された空洞374に配置された球370および高さ調節装置372を備える。いくつかの例では、球370は、中央構成要素250の底面382のスロット380に受け入れられる。いくつかの例では、球370は、サファイア製であるが、他の材料が用いられてよい。
【0063】
いくつかの例では、基板支持体16は、中央区画と径方向外側区画との間の温度差を10℃から100℃の範囲に規定する。いくつかの例では、基板支持体16は、中央区画と径方向外側区画との間の温度差を18℃から100℃の範囲に規定する。いくつかの例では、アッシング速度は、中央区画と径方向外側区画との間で+/-10%変化する。他の例では、アッシング速度は、中央区画と径方向外側区画との間で+/-20%変化する。いくつかの例では、基板支持体16は、90℃から350℃の範囲の温度で維持される。
【0064】
次に
図8Aおよび
図8Bを参照すると、フォトレジスト除去が基板の中央からの距離の関数として示されている。
図8Aに示すように、異なる基板温度は、異なるアッシング速度をもたらす。200℃で規格化されたときは、温度に基づく調節能力を示す。温度調節能力は、後続のフォトレジスト層における厚さ変化、および/または、フォトレジスト処理プロセスなどの処理プロセスにおける変化を補うのに用いられうる。
【0065】
次に
図9を参照すると、基板を処理するための方法400が示されている。404では、基板は、処理チャンバ内の基板支持体上に配置される。408では、基板の外層の様々な位置の厚さが測定されうる。いくつかの例では、測定は、光干渉センサを用いて行われてよい。412では、基板支持体の温度は、10℃より大きい温度差を作り出すように変更される。いくつかの例では、温度差は、408で測定された測定値または所定の測定推定値に基づく。414では、基板の外層の処理が実施される。いくつかの例では、この処理は、フォトレジスト層の剥離を含む。416では、この方法は、プロセス期間が終了したかどうかを決定する。416が正しくないときは、この方法は414において継続する。416が正しいときは、この方法は元に戻る。
【0066】
前述の説明は、本質的に単なる例示であり、本開示、その適用または使用を限定する意図はない。本開示の広義は、様々な形態で実施されうる。そのため、本開示は特定の例を含むが、他の変更は、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を検討すれば明らかになるため、本開示の真の範囲は、それほど限定されるべきではない。方法内の1つ以上の工程は、本開示の原理を変更することなく異なる順序で(または、同時に)実行されてよいことを理解されたい。さらに、各実施形態は特定の特徴を有するとして上述されているが、本開示の実施形態に関して記載された1つ以上のそれらの特徴は、他の実施形態において、および/または、他の実施形態の特徴と組み合わせて実施されうる(その組み合わせが明記されない場合でも)。つまり、記載の実施形態は、相互に排他的ではなく、1つ以上の実施形態の互いの並べ替えは、本開示の範囲内に留まる。
【0067】
要素間(例えば、モジュール間、回路素子間、半導体層間など)の空間的関係および機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接する」、「隣り合う」、「上に」、「上方」、「下方」、および「配置された」を含む様々な用語を用いて説明される。「直接」と明記されない限り、第1の要素と第2の要素との間の関係が上記開示で説明されるときは、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係でありうるが、同時に、第1の要素と第2の要素との間に1つ以上の介在要素が(空間的または機能的に)存在する間接的な関係でもありうる。本明細書では、A、B、およびCのうちの少なくとも1つとの表現は、非排他的なロジック、または、を用いるロジック(AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0068】
いくつかの実施形態では、コントローラは、上述の例の一部でありうるシステムの一部である。そのようなシステムは、処理ツール、チャンバ、処理用プラットフォーム、および/または、特定の処理部品(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む、半導体処理装置を備えうる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後の動作を制御するための電子機器と統合されてよい。電子機器は、システムの様々な部品または副部品を制御しうる「コントローラ」と呼ばれてよい。コントローラは、処理条件および/またはシステムの種類に応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)生成器の設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置動作設定、ツールおよび他の搬送ツール、および/または、特定のシステムに接続もしくは結合されたロードロックに対するウエハ搬送を含む、本明細書に開示のプロセスを制御するようにプログラムされてよい。
【0069】
概して、コントローラは、命令を受け取り、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェア形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサ、もしくは、マイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、様々な個別設定(または、プログラムファイル)の形式でコントローラに伝達される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ向けに、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であって、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ウエハダイの製作中における1つ以上の処理工程を実現してよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、コントローラは、システムと統合または結合された、そうでなければシステムにネットワーク接続された、もしくはこれらが組み合わされたコンピュータの一部であってよく、またはそのコンピュータに結合されてよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってよい、または、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にするファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってよい。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の進捗状況を監視し、過去の製造動作の経歴を調査し、複数の製造動作から傾向または実施の基準を調査し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理工程を設定し、または、新しいプロセスを開始してよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含みうるネットワークを通じて、プロセスレシピをシステムに提供できる。リモートコンピュータは、次にリモートコンピュータからシステムに伝達されるパラメータおよび/もしくは設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよい。いくつかの例では、コントローラは、1つ以上の動作中に実施される各処理工程のためのパラメータを特定するデータ形式の命令を受け取る。パラメータは、実施されるプロセスの種類、および、コントローラが接続するまたは制御するように構成されたツールの種類に固有であってよいことを理解されたい。そのため、上述のように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク接続される1つ以上の個別のコントローラを含むことや、本明細書に記載のプロセスや制御などの共通の目的に向かって協働することによって分散されてよい。そのような目的で分散されたコントローラの例は、遠隔に(例えば、プラットフォームレベルで、または、リモートコンピュータの一部として)位置し、協働してチャンバにおけるプロセスを制御する1つ以上の集積回路と連通する、チャンバ上の1つ以上の集積回路であろう。
【0071】
制限するのではなく、例示のシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはプラズマエッチングモジュール、堆積チャンバまたは堆積モジュール、スピンリンスチャンバまたはスピンリンスモジュール、金属めっきチャンバまたは金属めっきモジュール、クリーンチャンバまたはクリーンモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはベベルエッジエッチングモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはPVDモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはCVDモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはALDモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはALEモジュール、イオン注入チャンバまたはイオン注入モジュール、トラックチャンバまたはトラックモジュール、ならびに、半導体ウエハの製作および/もしくは製造において関連もしくは使用しうる他の半導体処理システムを含んでよい。
【0072】
上述のように、ツールによって実施されるプロセス工程に応じて、コントローラは、他のツール回路もしくはモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に設置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または、半導体製造工場においてツール位置および/もしくはロードポートに対してウエハ容器を搬入出する材料搬送に用いられるツール、のうちの1つ以上と連通してよい。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
基板処理システムにおいて処理中に一つの基板の温度を制御するためのシステムであって、
中央区画および径方向外側区画を規定する基板支持体であって、前記基板は、処理中に前記中央区画および前記径方向外側区画の両方の上方に配置される、基板支持体と、
前記中央区画を加熱するように構成された第1のヒータと、
前記径方向外側区画を加熱するように構成された第2のヒータと、
前記中央区画と熱連通する一端を有する第1のヒートシンクと、
前記径方向外側区画と熱連通する一端を有する第2のヒートシンクと、を備え、
前記処理中の前記中央区画と前記径方向外側区画との間の温度差は、10℃より大きい、システム。
適用例2:
請求項1に記載のシステムあって、
前記基板は、前記基板支持体上に重力によって保持され、機械クランプまたは静電チャックによって保持されない、システム。
適用例3:
請求項1に記載のシステムであって、
前記基板支持体は、
第1の構成要素であって、
第1の厚さを有する中央部と、
前記第1の厚さより小さい第2の厚さを有する径方向突部と、を含む第1の構成要素と、
前記第1の構成要素の径方向外側下方に配置された第2の構成要素であって、
環状部と、
前記第2の構成要素の前記環状部、および前記第1の構成要素の前記径方向突部の径方向外縁に、接続されている軸方向突部と、を含む第2の構成要素と、
を備える、システム。
適用例4:
請求項3に記載のシステムであって、
第1の隙間は、前記第1の構成要素の前記中央部と前記第2の構成要素の前記中央部との間で軸方向に規定され、
第2の隙間は、前記中央部の径方向外面と前軸方向突部の径方向内面との間に規定される、システム。
適用例5:
請求項3に記載のシステムであって、
前記中央部の上面は、前記中央区画を少なくとも部分的に規定し、
前記軸方向突部の上面は、前記径方向外側区画を少なくとも部分的に規定する、システム。
適用例6:
請求項3に記載のシステムであって、
前記第2の構成要素は、複数のボアを備え、
前記第1のヒートシンクは、前記第1の構成要素に接続され、前記複数のボアを貫通する複数の突起を備える、システム。
適用例7:
請求項1に記載のシステムであって、
前記基板支持体は、
前記中央区画を少なくとも部分的に規定する上面を備える第1の構成要素と、
前記第1の構成要素の径方向外側下方に配置されている第2の構成要素と、を備え、
前記第1の構成要素および前記第2の構成要素は、離間してその間に隙間を規定し、
前記第2の構成要素は、前記径方向外側区画を少なくとも部分的に規定する上面を備える、システム。
適用例8:
請求項7に記載のシステムであって、
前記第1の構成要素は円錐形を有し、前記第2の構成要素は逆円錐形を有する、システム。
適用例9:
請求項1に記載のシステムであって、さらに、
処理中に前記基板と前記基板支持体との間にあらかじめ定められた隙間を提供するように前記基板支持体に配置された複数のスペーサを備える、システム。
適用例10:
請求項1に記載のシステムであって、
前記第2のヒートシンクは、蛇腹ヒートシンクを含む、システム。
適用例11:
請求項1に記載のシステムであって、
前記基板支持体は、前記中央区画および前記径方向外側区画に規定されており、前記基板支持体の外縁から径方向内向きに延びる複数のノッチを備える、システム。
適用例12:
請求項1に記載のシステムであって、さらに、
前記第1のヒートシンクおよび前記第2のヒートシンクの両端と熱連通する温度制御された熱質量を備える、システム。
適用例13:
請求項1に記載のシステムであって、
前記中央区画および前記径方向外側区画のうちの少なくとも1つは、90℃から350℃の範囲の温度で維持され、
前記温度差は、18℃から100℃の範囲にある、システム。
適用例14:
請求項1に記載のシステムであって、
前記処理は、フォトレジストアッシングを含み、
前記中央区画および前記径方向外側区画のうちの少なくとも1つは、90℃から350℃の範囲の温度で維持され、
前記温度差は、18℃から100℃の範囲にある、システム。
適用例15:
基板処理システムにおける処理中に基板の温度を制御するためのシステムであって、
基板支持体であって、
第1の構成要素であって、
第1の厚さを有し、中央区画を部分的に規定する中央部と、
前記第1の厚さより大きい第2の厚さを有する径方向突部と、を含む第1の構成要素と、
前記第1の構成要素の径方向外側下方に配置された第2の構成要素であって、
環状部と、
前記第2の構成要素の前記環状部、および、前記第1の構成要素の前記径方向突部の径方向外縁に接続され、径方向外側区画を部分的に規定する軸方向突部と、を含む第2の構成要素と、を備え、前記基板は、処理中に前記中央区画および前記径方向外側区画の両方の上方に配置される、基板支持体と、
前記第1の構成要素を加熱するように構成された第1のヒータと、
前記第2の構成要素を加熱するように構成された第2のヒータと、
前記第1の構成要素と熱連通する一端を有する第1のヒートシンクと、
前記第2の構成要素と熱連通する一端を有する第2のヒートシンクと、を備え、
前記処理中の前記第1の構成要素と前記第2の構成要素との間の温度差は、10℃以上から100℃の範囲にある、システム。
適用例16:
請求項15に記載のシステムであって、
前記基板は、前記基板支持体上に重力によって保持され、機械クランプまたは静電チャックによって保持されない、システム。
適用例17:
請求項15に記載のシステムであって、
前記中央部の上面は前記中央区画に対応し、前記軸方向突部の上面は前記径方向外側区画に対応する、システム。
適用例18:
請求項15に記載のシステムであって、
前記第2の構成要素は、複数のボアを備え、
前記第1のヒートシンクは、前記第1の構成要素に接続され、前記複数のボアを貫通する複数の突起を備える、システム。
適用例19:
請求項15に記載のシステムであって、さらに、
処理中に前記基板と前記基板支持体との間にあらかじめ定められた隙間を提供するように前記中央区画に配置された複数のスペーサを備える、システム。
適用例20:
請求項15に記載のシステムであって、
前記基板支持体は、前記基板支持体の外縁から径方向内向きに突出する複数のノッチを備える、システム。
適用例21:
請求項15に記載のシステムであって、さらに、
前記第1のヒートシンクおよび前記第2のヒートシンクの両端と熱連通する温度制御された熱質量を備える、システム。
適用例22:
請求項15に記載のシステムであって、
前記中央区画および前記径方向外側区画のうちの少なくとも1つは、90℃から350℃の範囲の温度で維持され、
前記温度差は、18℃から100℃の範囲にある、システム。
適用例23:
請求項15に記載のシステムであって、
前記処理は、フォトレジストアッシングを含み、
前記中央区画および前記径方向外側区画のうちの少なくとも1つは、90℃から350℃の範囲の温度で維持され、
前記温度差は、18℃から100℃の範囲にある、システム。
適用例24:
請求項15に記載のシステムであって、
前記基板は、前記基板支持体上に重力によって保持され、機械クランプまたは静電チャックによって保持されない、システム。
適用例25:
基板処理システムにおける処理中に基板の温度を制御するためのシステムであって、
基板支持体であって、
中央区画を少なくとも部分的に規定する上面を備える第1の構成要素と、
前記第1の構成要素の径方向外側下方に配置されている第2の構成要素と、を備え、
前記第1の構成要素および前記第2の構成要素は、離間してその間に隙間を規定し、前記第2の構成要素は、径方向外側区画を少なくとも部分的に規定する上面を備える、基板支持体と、
前記第1の構成要素を加熱するように構成された第1のヒータと、
前記第2の構成要素を加熱するように構成された第2のヒータと、
前記第1の構成要素と熱連通する一端を有する第1のヒートシンクと、
前記第2の構成要素と熱連通する一端を有する第2のヒートシンクと、を備え、
前記処理中の前記第1の構成要素と前記第2の構成要素との間の温度差は、10℃以上から100℃の範囲にある、システム。
適用例26:
請求項25に記載のシステムであって、
前記基板は、前記基板支持体上に重力によって保持され、機械クランプまたは静電チャックによって保持されない、システム。
適用例27:
請求項25に記載のシステムであって、
前記第1の構成要素は円錐形を有し、前記第2の構成要素は逆円錐形を有する、システム。
適用例28:
請求項25に記載のシステムであって、
前記第2のヒートシンクは、蛇腹式ヒートシンクを含む、システム。
適用例29:
請求項25に記載のシステムであって、さらに、
処理中に前記基板と前記基板支持体との間にあらかじめ定められた隙間を提供するように前記中央区画に配置された複数のスペーサを備える、システム。
適用例30:
請求項25に記載のシステムであって、
前記基板支持体は、前記基板支持体の外縁から径方向内向きに突出する複数のノッチを備える、システム。
適用例31:
請求項25に記載のシステムであって、さらに、
前記第1のヒートシンクおよび前記第2のヒートシンクの両端と熱連通する温度制御された熱質量を備える、システム。
適用例32:
請求項25に記載のシステムであって、
前記中央区画および前記径方向外側区画のうちの少なくとも1つは、90℃から350℃の範囲の温度で維持され、
前記温度差は、18℃から100℃の範囲にある、システム。
適用例33:
請求項25に記載のシステムであって、
前記処理は、フォトレジストアッシングを含み、
前記中央区画および前記径方向外側区画のうちの少なくとも1つは、90℃から350℃の範囲の温度で維持され、
前記温度差は、18℃から100℃の範囲にある、システム。