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特許7481864基本体の取付面に、少なくとも長手方向の位置を測定するための測定目盛を有するとともに長手方向に延在する支持体を端側で固定するアッセンブリ
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  • 特許-基本体の取付面に、少なくとも長手方向の位置を測定するための測定目盛を有するとともに長手方向に延在する支持体を端側で固定するアッセンブリ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】基本体の取付面に、少なくとも長手方向の位置を測定するための測定目盛を有するとともに長手方向に延在する支持体を端側で固定するアッセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/245 20060101AFI20240502BHJP
【FI】
G01D5/245 110W
G01D5/245 110J
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020042597
(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公開番号】P2020183936
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】19173237
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】390014281
【氏名又は名称】ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】DR. JOHANNES HEIDENHAIN GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】ラインハルト・マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ヨーゼフ・ミッターライトナー
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング・プーヒャー
【審査官】眞岩 久恵
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-017010(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0187117(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0154616(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00-5/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基本体(20)の取付面(18)に、少なくとも長手方向(X)の位置を測定するための測定目盛(16.1)を有するとともに長手方向(X)に延在する支持体(12)を端側で固定するアッセンブリ(10)であって、
前記アッセンブリ(10)は、第1の固定要素(22)と第2の固定要素(24)とを備え、前記第1の固定要素(22)と前記第2の固定要素(24)とは、前記支持体(12)の、長手方向(X)で反対の側に位置決め可能であり、前記第1の固定要素(22)および前記第2の固定要素(24)は、前記支持体(12)の端部に前記第1の固定要素(22)および前記第2の固定要素(24)が側方で接触可能であるように構成されており、
前記第1の固定要素(22)は、前記支持体(12)を、前記第1の固定要素(22)に面する端部にて、長手方向(X)で前記基本体(20)に対して固く支持することができるように構成されており、前記第2の固定要素(24)は、前記支持体(12)を、前記第2の固定要素(24)に面する端部にて、長手方向(X)で前記基本体(20)に対して自由に運動可能に支持することができるように構成されている、
アッセンブリにおいて、
前記第1の固定要素(22)は、前記基本体(20)に固く結合可能である第1の主要セクション(26)と、前記支持体(12)に固く結合可能である部分セクション(32.1~32.4)の第1の群とを有し、前記第1の主要セクション(26)は、少なくとも部分的に、前記長手方向(X)に対して横向きの第1の平面(S1)内に延在し、前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)は、第1の中心点(P1)の周りに、前記第1の平面(S1)内に位置する円形の周(C1)に沿って分散して配置されており、
前記第1の主要セクション(26)と前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)との間に、それぞれ第1の結合セクション(34.1~34.4)が配置されており、前記第1の結合セクション(34.1~34.4)は、該第1の結合セクション(34.1~34.4)が前記第1の主要セクション(26)と前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)との間の、前記第1の中心点(P1)を起点とする半径方向(R1)の運動を許容するが、前記第1の主要セクション(26)と前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)との間の、前記第1の中心点(P1)を起点とする周方向(T1)の運動を許容しないように構成されており、
前記第2の固定要素(24)は、前記基本体(20)に固く結合可能である第2の主要セクション(36)と、前記支持体(12)に固く結合可能である部分セクション(42.1~42.4)の第2の群とを有し、前記第2の主要セクション(36)は、少なくとも部分的に、前記長手方向(X)に対して横向きの第2の平面(S2)内に延在し、前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)は、第2の中心点(P2)の周りに、前記第2の平面(S2)内に位置する円形の周(C2)に沿って分散して配置されており、
前記第2の主要セクション(36)と前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)との間に、それぞれ第2の結合セクション(44.1~44.4)が配置されており、前記第2の結合セクション(44.1~44.4)は、該第2の結合セクション(44.1~44.4)が前記第2の主要セクション(36)と前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)との間の、前記第2の中心点(P2)を起点とする半径方向(R2)の運動を許容するが、前記第2の主要セクション(36)と前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)との間の、前記第2の中心点(P2)を起点とする周方向(T2)の運動を許容しないように構成されている
ことを特徴とする、アッセンブリ。
【請求項2】
前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)は、前記第1の平面(S1)に対して平行に延在し、前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)は、前記第2の平面(S2)に対して平行に延在する、請求項1に記載のアッセンブリ(10)。
【請求項3】
前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)と前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)とは、それぞれ円盤状に構成されている、請求項1または2に記載のアッセンブリ(10)。
【請求項4】
前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)は、前記支持体(12)の、前記第1の固定要素(22)に面する端部と、前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)との材料接続式の結合のために接着剤を塗布するための第1の表面を有し、前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)は、前記支持体(12)の、前記第2の固定要素(24)に面する端部と、前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)との材料接続式の結合のために接着剤を塗布するための第2の表面を有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載のアッセンブリ(10)。
【請求項5】
前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)と前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)とは、それぞれ少なくとも3つの部分セクションを有する、請求項1から4までのいずれか1項に記載のアッセンブリ(10)。
【請求項6】
前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)および前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)は、それぞれ相互に同一の角度距離を置いて配置されている、請求項1から5までのいずれか1項に記載のアッセンブリ(10)。
【請求項7】
前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)は、半径方向(R1)で前記第1の中心点(P1)から同一の距離を有し、前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)は、半径方向(R2)で前記第2の中心点(P2)から同一の距離を有する、請求項1から6までのいずれか1項に記載のアッセンブリ(10)。
【請求項8】
前記第1の結合セクション(34.1~34.4)は、前記第1の平面(S1)に対して平行に延在し、前記第2の結合セクション(44.1~44.4)は、前記第2の平面(S2)に対して平行に延在する、請求項1から7までのいずれか1項に記載のアッセンブリ(10)。
【請求項9】
前記第1の結合セクション(34.1~34.4)および前記第2の結合セクション(44.1~44.4)は、それぞれウェブ状に構成されており、前記第1の結合セクション(34.1~34.4)は、それぞれ前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)から出発して、周方向(T1)に前記第1の主要セクション(26)へと延在し、前記第2の結合セクション(44.1~44.4)は、それぞれ前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)から出発して、周方向(T2)に前記第2の主要セクション(36)へと延在する、請求項1から8までのいずれか1項に記載のアッセンブリ(10)。
【請求項10】
前記第1の結合セクション(34.1~34.4)は、該第1の結合セクション(34.1~34.4)が前記第1の主要セクション(26)と前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)との間の、前記長手方向(X)の運動を許容するように構成されており、前記第2の結合セクション(44.1~44.4)は、該第2の結合セクション(44.1~44.4)が前記第2の主要セクション(36)と前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)との間の、前記長手方向(X)の運動を許容するように構成されている、請求項1から9までのいずれか1項に記載のアッセンブリ(10)。
【請求項11】
前記第1の結合セクション(34.1~34.4)は、第1の固体ジョイントを形成し、該第1の固体ジョイントを介して、前記第1の主要セクション(26)と前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)とが相互に結合されており、前記第2の結合セクション(44.1~44.4)は、第2の固体ジョイントを形成し、該第2の固体ジョイントを介して、前記第2の主要セクション(36)と前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)とが相互に結合されている、請求項1から10までのいずれか1項に記載のアッセンブリ(10)。
【請求項12】
前記第1の固体ジョイント(34.1~34.4)および前記第2の固体ジョイント(44.1~44.4)は、それぞれ板ばねジョイントである、請求項11に記載のアッセンブリ(10)。
【請求項13】
前記第1の固定要素(22)は、前記部分セクション(32.1~32.4)の前記第1の群に対して付加的に、前記支持体(12)に固く結合可能である別の部分セクション(32.5)を有し、該別の部分セクション(32.5)は、前記第1の平面(S1)内で前記第1の中心点(P1)に配置されており、前記第1の主要セクション(26)と前記別の部分セクション(32.5)とは、結合手段(34.5)を介して、前記第1の主要セクション(26)と前記別の部分セクション(32.5)との間の前記長手方向(X)の運動が阻止されるように、相互に結合されている、請求項1から12までのいずれか1項に記載のアッセンブリ(10)。
【請求項14】
前記結合手段(34.5)は、固体ジョイント又はノッチジョイントである、請求項13に記載のアッセンブリ(10)。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか1項に記載のアッセンブリ(10)と、少なくとも長手方向(X)の位置を測定するための測定目盛(16.1)を有する支持体(12)とを備える、構成ユニット。
【請求項16】
前記支持体(12)は、少なくとも1つのスケール(14.1)を有し、前記スケール(14.1)は、前記長手方向(X)に延在し、前記スケール(14.1)は、前記測定目盛(16.1)の中間支持体として構成されている、請求項15に記載の構成ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の、基本体の取付面に、少なくとも長手方向の位置を測定するための測定目盛を有するとともに長手方向に延在する支持体を端側で固定するアッセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
位置測定装置は、相互に移動可能な2つの構成部材の位置を特定するのに用いられる。位置測定装置は、加工機械においては、加工されるべき工作物に対する工具の相対移動を測定するために使用され、また座標測定器において使用され、そして半導体産業においてもウェハの位置決めおよび加工のためにますます頻繁に使用される。
【0003】
位置測定装置は、測定基準器と測定基準器を走査する走査ユニットとから成る。位置測定装置に対する要求はますます高くなる。位置測定のより高い解像度、より高い精度および再現性が要求され続けられる。基本体(機械のベッドなど)に対する測定基準器の締結点を形成するために、測定基準器を、測定方向で基本体に対して1箇所で位置固定に締結することが知られている。
【0004】
たいていの場合、測定基準器と基本体とは、それぞれ異なる熱膨張特性を有する材料から成る。位置固定の締結は、温度が変化しても基本体から測定基準器へ拘束力が及ばされないように構成すべきである。
【0005】
冒頭で述べたようなアッセンブリは、旧東ドイツ経済特許第3509390号明細書において公知である。旧東ドイツ経済特許第3509390号明細書は、シールドタイプの長さ測定装置、特に機械に測定システムを固定する手段を開示している。測定装置は、測定目盛と走査ユニットとを有し、測定目盛および走査ユニットは、閉鎖カバーによって端面が閉じられた細長い中空体内に配置されている。閉鎖カバーは、弾性的な中間片を介して、それぞれ固定ブロックに結合されており、この場合、各固定ブロックの直交する3つの面に、機械に固定するための手段が設けられている。中空体は、直交する3つの長手面に、弾性的に作用する固定手段を受容するための溝を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】旧東ドイツ経済特許第3509390号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の根底を成す課題は、堅牢に構成されているとともに精確な位置測定を可能にする、基本体の取付面に、少なくとも長手方向の位置を測定するための測定目盛を有するとともに長手方向に延在する支持体を端側で固定するアッセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、本発明によれば、請求項1の特徴を有するアッセンブリによって解決される。
【0009】
本発明に従って構成されたアセンブリは、基本体の取付面に、少なくとも長手方向の位置を測定するための測定目盛を有するとともに長手方向に延在する支持体を端側で固定するために用いられる。アッセンブリは、第1の固定要素と第2の固定要素とを備える。第1の固定要素と第2の固定要素とは、支持体の、長手方向で反対の側に位置決め可能である。第1の固定要素および第2の固定要素は、支持体の端部に第1の固定要素および第2の固定要素が側方で接触可能であるように構成されている。第1の固定要素は、支持体を、第1の固定要素に面する端部にて、長手方向で基本体に対して固く支持することができるように構成されている。第2の固定要素は、支持体を、第2の固定要素に面する端部にて、長手方向で基本体に対して自由に運動可能に支持することができるように構成されている。第1の固定要素は、基本体に固く結合可能である第1の主要セクションと、支持体に固く結合可能である部分セクションの第1の群とを有する。第1の主要セクションは、少なくとも部分的に、長手方向に対して横向きの第1の平面内に延在する。第1の群の部分セクションは、第1の中心点の周りに、第1の平面内に位置する円形の周に沿って分散して配置されている。第1の主要セクションと第1の群の部分セクションとの間に、それぞれ第1の結合セクションが配置されている。第1の結合セクションは、第1の結合セクションが第1の主要セクションと第1の群の部分セクションとの間の、第1の中心点を起点とする半径方向の運動を許容するが、第1の主要セクションと第1の群の部分セクションとの間の、第1の中心点を起点とする周方向の運動を許容しないように構成されている。第2の固定要素は、基本体に固く結合可能である第2の主要セクションと、支持体に固く結合可能である部分セクションの第2の群とを有する。第2の主要セクションは、少なくとも部分的に、長手方向に対して横向きの第2の平面内に延在する。第2の群の部分セクションは、第2の中心点の周りに、第2の平面内に位置する円形の周に沿って分散して配置されている。第2の主要セクションと第2の群の部分セクションとの間に、それぞれ第2の結合セクションが配置されている。第2の結合セクションは、第2の結合セクションが第2の主要セクションと第2の群の部分セクションとの間の、第2の中心点を起点とする半径方向の運動を許容するが、第2の主要セクションと第2の群の部分セクションとの間の、第2の中心点を起点とする周方向の運動を許容しないように構成されている。
【0010】
好適には、アッセンブリは、基本体の取付面に、複数のスケールのビーム状の支持体を端側で固定するために用いられる。スケールは、それぞれ長手方向に延在する。スケールは、それぞれ少なくとも長手方向の位置を測定するための測定目盛を有する。
【0011】
好適には、第1の平面内に位置する円形の周は、第1の中心点を起点として規定されており、第2の平面内にある円形の周は、第2の中心点を起点として規定されている。
【0012】
好適には、長手方向は、(主)測定方向に相当する。半径方向は、長手方向に対して直交して延在する方向に相当し、第1の中心点を起点としてまたは第2の中心点を起点として規定されている。周方向は、半径方向に対して直交して延在する接線方向に相当し、第1の中心点を起点としてまたは第2の中心点を起点として規定されている、つまり第1の平面内にまたは第2の平面内に位置する。
【0013】
好適には、第1の固定要素は、固定側軸受として構成されている。第2の固定要素は、好適には、自由側軸受として構成されている。
【0014】
好適には、第1の群の部分セクションと第1中心点との間の半径方向の距離と、第2の群の部分セクションと第2中心点との間の半径方向の距離とが、アッセンブリの所定のねじり剛性が達成されるように選択される。
【0015】
本発明によって、堅牢に構成されたアッセンブリにより、一方では、基本体に対する測定基準器の(局所的に)位置固定の締結が可能になり、他方では、少なくとも長手方向(測定方向)で、かつそれぞれ端面側において半径方向での、基本体からの測定基準器の分離が可能になる。分離によって、温度が変化しても基本体から測定基準器へ拘束力が及ばされないことが達成される。特に、測定基準器、つまり測定目盛を有する支持体と、それぞれの固定要素、つまり固定側軸受または自由側軸受との間のそれぞれ異なる熱膨張特性を、長手方向に対して横向きの平面内で補整することができる。本発明は、さらに、アッセンブリのねじり剛性および固有振動数を増加させることを可能にする。これによって、アッセンブリの頑丈な構造が達成される。
【0016】
本発明に係るアッセンブリと、少なくとも長手方向の位置を測定するための測定目盛を有する支持体とを備える構成ユニットが、請求項15に記載されている。
【0017】
支持体は、特に、0°~50°の温度範囲で1.5×10-6-1未満、好適には0.1×10-6-1未満の熱膨張係数を有する材料から成る。
【0018】
本発明の有利な構成は、従属請求項から看取される。
【0019】
本発明に係るアッセンブリの詳細および利点は、添付の図面に基づいて、実施の形態の以下の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】それぞれビーム状の支持体の端側に配置された第1の固定要素と第2の固定要素とを有する、本発明に従って構成されたアッセンブリの斜視図を示す。
図2】第1の固定要素の斜視図を示す。
図3】第2の固定要素の斜視図を示す。
図4】第1の固定要素の、開口部内で長手方向に自由に運動可能な部分セクションを具体的に示すための、長手方向に延在する断面を含む、第1の固定要素の斜視図を示す。
図5】第1の固定要素の、開口部内で、回動中心点を中心に、横方向に対して平行にまたは高さ方向に対して平行に延在する回動軸周りに自由に回動可能な別の部分セクションを具体的に示すための、長手方向に延在する断面を含む、第1の固定要素の斜視図を示す。
図6】第2の固定要素の、開口部内で長手方向に自由に運動可能な部分セクションを具体的に示すための、長手方向に延在する断面を含む、第2の固定要素の斜視図を示す。
図7】第1の固定要素の部分セクションの群とビーム状の支持体との間の例示的な相対配置を具体的に示すための概略図を示す。
図8】第2の固定要素の部分セクションの群とビーム状の支持体との間の例示的な相対配置を具体的に示すための概略図を示す。
図9】第1の固定要素のセクションの群とビーム状の支持体との間の別の例示的な相対配置を具体的に示すための概略図を示す。
図10】第2の固定要素の部分セクションの群とビーム状の支持体との間の別の例示的な相対配置を具体的に示すための概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を、図1図6に基づいて説明する。本発明に従って構成されたアッセンブリ10が、図1に示されている。アッセンブリ10は、基本体20の取付面18に複数のスケール(以下、スケール14、図1には2つのスケール14.1,14.2だけが見える)のビーム状の支持体12を端側で固定するために用いられる。スケール14は、それぞれ長手方向Xに延在する。スケール14は、それぞれ1つの測定目盛(以下、測定目盛16、図1では2つの測定目盛16.1、16.2だけが見える)を有する。各測定目盛16は、少なくとも長手方向Xの高精度の位置測定のための、光電走査式のインクリメンタル目盛として構成されている。ビーム状の支持体12は、長手方向Xに延在し、好適には、無視できるほど小さな熱膨張係数、とりわけ、0°~50°の温度範囲では1.5×10-6-1未満の、それも特に0.1×10-6K-未満の熱膨張係数αを有する材料から成る。そのような材料は、ガラスまたはガラスセラミックス(たとえば、Zerodur(R))またはたとえばインバーなどの金属である。基本体20は、たとえば鋼から成る。
【0022】
スケール14は、ビーム状の支持体12の長手面のそれぞれ1つに、つまりビーム状の支持体12の、横方向Yで反対の側の2つの面に、また高さ方向Zで反対の側の2つの面に配置されている。スケール14は、それぞれ、それぞれのスケール14に対応付けられた測定目盛16の中間支持体として用いられる。スケール14は、ビーム状の支持体12の表面に接着されてよい。
【0023】
代替的に、スケール14を省略してもよい。この場合、測定目盛16は、ビーム状の支持体12の長手面に直接に(つまり中間支持体を介さずに)配置されている、またはこの長手面に組み込まれている。測定目盛16は、たとえばレーザー加工によって、ビーム状の支持体12の表面に形成される。
【0024】
アッセンブリ10とビーム状の支持体12とが、一構成ユニットを形成する。スケール14の測定目盛16は、図1には示されていない、ビーム状の支持体12を包囲する走査ユニットによって走査可能である。
【0025】
アッセンブリ10は、固定側軸受として構成された第1の固定要素22と、自由側軸受として構成された第2の固定要素24とを有する。第1の固定要素22と第2の固定要素24とは、ビーム状の支持体12の、長手方向Xで反対の側に配置されている。第1の固定要素22および第2の固定要素24は、ビーム状の支持体12の端部に第1の固定要素22および第2の固定要素24が側方で接触可能であるように構成されている。第1の固定要素22および第2の固定要素24は、ビーム状の支持体12とはそれぞれ異なる熱膨張係数を有する。たとえば、第1の固定要素22および第2の固定要素24は、鋼から成る。
【0026】
第1の固定要素22は、ビーム状の支持体12を、第1の固定要素22に面する端部にて、長手方向Xで基本体20に対して固く支持することができるように構成されている。第2の固定要素24は、ビーム状の支持体12を、第2固定要素24に面する端部にて、長手方向Xで基本体20に対して自由に運動可能に支持することができるように構成されている。図1に示されているように、第1の固定要素22および第2の固定要素24は、基本体20の取付面18に固定可能である。
【0027】
第1の固定要素22および第2の固定要素24のさらなる詳細を、図2図6に基づいて(図7図10に関連して)説明する。
【0028】
図2は、第1の固定要素22の斜視図を示す。第1の固定要素22は、基本体20に固く結合可能である、アングル状に構成された第1の主要セクション26と、ビーム状の支持体12に固く結合可能である部分セクション32.1~32.4の第1の群とを有する。第1の主要セクション26は、少なくとも部分的に、第1の平面S1で、長手方向Xに対して横向きに延在する。第1の群の部分セクション32.1~32.4は、第1の平面S1内に位置する円形の周C1に沿って、第1の中心点P1の周りに分散して配置されている(図2および図7または図9参照)。
【0029】
図2および図7または図9に関して、第1の主要セクション26と第1の群の部分セクション32.1~32.4との間に、それぞれ第1の結合セクション34.1~34.4が配置されている。第1の結合セクション34.1~34.4は、第1の中心点P1を起点とする半径方向R1での第1の主要セクション26と第1の群の部分セクション32.1~32.4との間の運動を許容するが、第1の中心点P1を起点とする周方向T1での第1の主要セクション26と第1の群の部分セクション32.1~32.4との間の運動を許容しないように構成されている。
【0030】
図3は、第2の固定要素24の斜視図を示す。第2の固定要素24は、基本体20に固く結合可能である、アングル状に構成された第2の主要セクション36と、ビーム状の支持体12に固く結合可能である部分セクション42.1~42.4の第2の群とを有する。第2の主要セクション36は、少なくとも部分的に、第2の平面S2で、長手方向Xに対して横向きに延在する。第2の群の部分セクション42.1~42.4は、第2の平面S2内に位置する円形の周C2に沿って、第2の中心点P2の周りに分散して配置されている(図3および図8または図10参照)。
【0031】
図3および図8または図10に関して、第2の主要セクション36と第2の群の部分セクション42.1~42.4との間に、それぞれ第2の結合セクション44.1~44.4が配置されている。第2の結合セクション44.1~44.4は、第2の中心点P2を起点とする半径方向R2での第2の主要セクション36と第2の群の部分セクション42.1~42.4との間の運動を許容するが、第2の中心点P2を起点とする周方向T2での第2の主要セクション36と第2の群の部分セクション42.1~42.4との間の運動を許容しないように構成されている。
【0032】
第1の中心点P1と第2の中心点P2とが長手方向Xで相互に対向する(つまり第1の中心点P1と第2の中心点P2とが1本の長手軸上に位置する)と有利である。これによって、特に、第1の群の部分セクション32.1~32.4と第2の群の部分セクション42.1~42.4とがそれぞれ長手方向Xで相互に対向するような、鏡面対称の配置が達成される。これは特に、第1の群の部分セクション32.1~32.4と第1の中心点P1との間の半径方向R1の距離と、第2の群の部分セクション42.1~42.4と第2の中心点P2との間の半径方向R2の距離とが、同一の大きさに選択されるときに当てはまる。
【0033】
第1の結合セクション34.1~34.4と第2の結合セクション44.1~44.4とによって、ビーム状の支持体12の端部でビーム状の支持体12が分離され、つまり、ビーム状の支持体12と、それぞれ固定側軸受または自由側軸受として構成される固定要素22,24との間の、それぞれ異なる熱膨張係数に起因する相対的な膨張の補整が行われる。この場合、分離または相対的な膨張の補整は、それぞれ第1の中心点P1または第2の中心点P2を起点として、第1の平面S1または第2の平面S2(つまりYZ平面)内で半径方向R1,R2に行われる。同時に、第1の結合セクション34.1~34.4と第2の結合セクション44.1~44.4とによって、周方向T1,T2でのビーム状の支持体12とそれぞれの固定要素22,24との間の相対運動がそれぞれ端側でブロックされる。これによって、アッセンブリ10のねじり剛性および固有振動数が増加する。
【0034】
第1の主要セクション26は、固定セクション28.1と直方体状のセクション28.2とを有する。固定セクション28.1は、一対の開口部30.1,30.2を有する(特に図2および図5参照)。直方体状のセクション28.2は、長手方向Xに、第1の平面S1から、第1の面S1に対して平行に反対の側に位置する第3の平面S3へと延在する。直方体状のセクション28.2は、別の対偶の開口部30.3,30.4を有する。開口部30.1~30.4は、固定ねじを受容するのに役立つ。固定ねじによって、第1の固定要素22を基本体20に固定することができる。
【0035】
第2の主要セクション36は、固定セクション38.1と直方体状のセクション38.2とを有する。固定セクション38.1は、一対の開口部を有する(この場合、図3および図6ではそれぞれ1つの開口部40.1だけが見える)。直方体状のセクション38.2は、長手方向Xに、第2の平面S2から、第2の平面S2に対して平行に反対の側に位置する第4の平面S4へと延在する。直方体状のセクション38.2は、別の対偶の開口部40.3,40.4を有する。開口部40.1~40.4は、固定ねじを受容するのに役立つ。固定ねじによって、第2の固定要素24を基本体20に固定することができる。
【0036】
図2を参照すると、第1の固定要素22は、部分セクション32.1~32.4の第1の群に対して付加的に別の部分セクション32.5を有し、別の部分セクション32.5は、ビーム状の支持体12に固く結合可能である。別の部分セクション32.5は、第1の平面S1内で、第1の中心点P1に配置されている(図2および図7または図9参照)。第1の主要セクション26と別の部分セクション32.5とは、ノッチジョイント34.5(たとえばボールジョイント)を介して相互に結合されていて、第1の主要セクション26と別の部分セクション32.5との間の長手方向Xの運動が阻止される。これによって、基本体20に対する、スケール14を支持するビーム状の支持体12の(局所的な)位置固定の締結が達成される。
【0037】
図2に示されているように、第1の群の部分セクション32.1~32.4および別のセクション32.5は、第1の平面S1に対して平行に延在する。第1の群の部分セクション32.1~32.4および別のセクション32.5は、それぞれ円盤状に構成されている。図3に示されているように、第2の群の部分セクション42.1~42.4は、第2の平面S2に対して平行に延在する。第2の群の部分セクション42.1~42.4は、それぞれ円盤状に構成されている。
【0038】
図2によれば、第1の群の部分セクション32.1~32.4および別のセクション32.5は、ビーム状の支持体12の、第1の固定要素22に面する端部と、第1の群の部分セクション32.1~32.4および別の部分セクション32.5との材料接続式の結合のために接着剤を塗布するための第1の表面を有する。図3によれば、第2の群の部分セクション42.1~42.4は、ビーム状の支持体12の、第2の固定要素24に面する端部と、第2の群の部分セクション42.1~42.4との材料接続式の結合のために接着剤を塗布するための第2の表面を有する。接着剤は、特に硬質の構造接着剤である。接着結合によって、ビーム状の支持体12におけるねじ穴を省略することができる。これによって、アッセンブリ10のコンパクトな構造が実現可能になる。
【0039】
図2に示されているように、それぞれウェブ状に構成された第1の結合セクション34.1~34.4は、第1の平面S1に対して平行に延在する。図3に示されているように、それぞれウェブ状に構成された第2の結合セクション44.1~44.4は、第2の平面S2に対して平行に延在する。第1の結合セクション34.1~34.4は、それぞれ第1の群の部分セクション32.1~32.4から出発して、周方向T1に、第1の主要セクション26へと延在する(図2および図7または図9参照)。第2の結合セクション44.1~44.4は、それぞれ第2の群の部分セクション42.1~42.4から出発して、周方向T2に、第2の主要セクション36へと延在する(図3および図8または図10参照)。第1の結合部分34.1~34.4および第2の結合セクション44.1~44.4は、特に半径方向R1,R2に変位可能である一方、周方向T1,T2には変位不能であり、したがって、X軸(長手軸)に対して平行に延在する回動軸周りのビーム状の支持体12の回動を阻止する。つまり、回転自由度RXが、実質的にブロックされている。
【0040】
他方、第1の結合セクション34.1~34.4と第2の結合セクション44.1~44.4とによって、それぞれY軸に対して平行にまたはZ軸に対して平行に延在する回動軸を中心とする、ビーム状の支持体12の両端の回動が可能になる。これによって、ビーム状の支持体12の撓曲が回避される。さらに、第1の結合セクション34.1~34.4と第2の結合セクション44.1~44.4とによって、横方向(Y方向)または高さ方向(Z方向)での比較的高い剛性が達成される。
【0041】
図2図4および図5によれば、第1の主要セクション26は、第1の群の部分セクション32.1~32.4に対応付けられた第1の開口部35.1~35.4を有する。第1の開口部35.1~35.4は、長手方向Xに、第1の主要セクション26を貫通して、第1の平面S1から第3の平面S3にまで延在する。図4において、特に部分セクション32.1に対応付けられた開口部35.1が良好に見える。第1の群の部分セクション32.1~32.4は、長手方向Xでの第1の結合セクション34.1~34.4の撓曲によって、第1の開口部35.1~35.4内で自由に運動可能である。これによって、ビーム状の支持体12の、第1の固定要素22に面する端部の回転自由度RYおよびRZがブロックされないことが達成される。
【0042】
特に、第1の結合セクション34.1~34.4は、これが第1の主要セクション26と第1の群の部分セクション32.1~32.4との間の長手方向Xの運動を許容するように構成されている。
【0043】
第1の主要セクション26は、さらに、別の部分セクション32.5に対応付けられた別の開口部35.5を有する。別の開口部35.5は、長手方向Xに、少なくとも部分的に第1の主要セクション26を貫通して、第1の平面S1から第3の平面S3の方向へと延在する。別の部分セクション32.5は、別の開口部35.5内で、回動中心点Qを中心とするノッチジョイント34.5の回動によって、少なくとも、Y方向に対して平行にまたはZ方向に対して平行に延在する回動軸を中心に自由に回動可能である。回動中心点Qは、図5に暗示されている。
【0044】
図3および図6によれば、第2の主要セクション36は、第2の群の部分セクション42.1~42.4に対応付けられた第2の開口部45.1~45.4を有する。第2の開口部45.1~45.4は、長手方向Xに、第2の主要セクション36を貫通して、第2の平面S2から第4の平面S4にまで延在する。図6において、特に、部分セクション42.1に対応付けられた開口部45.1が良好に見える。第2の群の部分セクション42.1~42.4は、長手方向Xでの第2の結合セクション44.1~44.4の撓曲によって、第2の開口部45.1~45.4内で長手方向Xに自由に運動可能である。これによって、ビーム状の支持体12の、第2の固定要素24に面する端部の回転自由度RYおよびRZがブロックされないことが達成される。
【0045】
特に、第2の結合セクション44.1~44.4は、これが第2の主要セクション36と第2の群の部分セクション42.1~42.4との間の長手方向Xの運動を許容するように構成されている。
【0046】
図7図10は、第1の固定要素22の部分セクション32.1~32.4および第2の固定要素24の部分セクション42.1~42.4のそれぞれの群とビーム状支持体12との間の様々な相対配置を具体的に示す概略図である。
【0047】
図7を参照すると、ビーム状の支持体12の、第1の固定要素22に面する端部の横断面の第1の中心点P1と第1の重心N1(たとえば中立軸と一致する重心)とは、第1の平面S1に対して垂直の観察方向で合同するように位置決めされている。図8を参照すると、ビーム状の支持体12の、第2の固定要素24に面する端部の横断面の第2の中心点P2と第2の重心N2(たとえば中立軸と一致する重心)とは、第2の平面S2に対して垂直の観察方向で合同するように位置決めされている。図7および図8による相対配置は、重心N1,N2に関して対称な配置を成している。この対称の配置は、有利である。
【0048】
図9および図10による相対配置は、図7および図8による相対配置とは異なり、第1の重心N1と第1の共通の点P1とが、第1の平面S1に対して垂直の観察方向で、相互に距離を置いて位置決めされていて(図9参照)、第2の重心N2と第2の共通の点P2とが、第2の平面S2に対して垂直の観察方向で、相互に距離を置いて位置決めされている(図10参照)。図9および図10による相対配置は、重心N1,N2に関して非対称の配置を成していて、代替的に使用可能である。
【0049】
図7および図8(または図9および図10)を参照すると、第1の群の部分セクション32.1~32.4と第2の群の部分セクション42.1~42.4とは、それぞれ第1の中心点P1または第2の中心点P2に関して対称な配置を成している。第1の群の部分セクション32.1~32.4と第2の群の部分セクション42.1~42.4とは、相互に同一の角度距離(たとえばφ=π/2)を置いて配置されたそれぞれ4つの部分セクションを有する。第1の群の部分セクション32.1~32.4は、半径方向R1に、第1の中心点P1から同一の距離を有する(図7または図9参照)。第2の群の部分セクション42.1~42.4は、半径方向R2に、第2の中心点P2から同一の距離を有する(図8または図10参照)。このような対称の配置によって、周にわたって均一に分配された、つまりあらゆる角度において同一の、半径方向R1,R2の剛性がもたらされる。さらに、この対称な配置によって、幅および高さにわたって同一の横剛性、つまりY方向またはZ方向の剛性がもたらされる。
【0050】
本発明に係るアッセンブリ10によって、回転剛性RYまたはRZと比べて、回転剛性RXが、固定側軸受の側および自由側軸受の側の両方で比較的大きいことが達成される。さらに、比較的高い横剛性、つまりY方向またはZ方向の剛性が達成される。これによって、一方では高い固有振動数が実現可能になり、他方では良好な分離が実現可能になる。
【0051】
第1の結合セクション34.1~34.4および第2の結合セクション44.1~44.4は、好適には、固体ジョイント、特に板ばねジョイント、または撓曲性のワイヤとして構成されている。
【0052】
本発明は、光電走査原理に限定されるものではない。測定目盛16は、特に磁気走査式にまたは誘導走査式に構成されてもよい。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下を含む。
1.
基本体(20)の取付面(18)に、少なくとも長手方向(X)の位置を測定するための測定目盛(16.1)を有するとともに長手方向(X)に延在する支持体(12)を端側で固定するアッセンブリ(10)であって、
前記アッセンブリ(10)は、第1の固定要素(22)と第2の固定要素(24)とを備え、前記第1の固定要素(22)と前記第2の固定要素(24)とは、前記支持体(12)の、長手方向(X)で反対の側に位置決め可能であり、前記第1の固定要素(22)および前記第2の固定要素(24)は、前記支持体(12)の端部に前記第1の固定要素(22)および前記第2の固定要素(24)が側方で接触可能であるように構成されており、
前記第1の固定要素(22)は、前記支持体(12)を、前記第1の固定要素(22)に面する端部にて、長手方向(X)で前記基本体(20)に対して固く支持することができるように構成されており、前記第2の固定要素(24)は、前記支持体(12)を、前記第2の固定要素(24)に面する端部にて、長手方向(X)で前記基本体(20)に対して自由に運動可能に支持することができるように構成されている、
アッセンブリにおいて、
前記第1の固定要素(22)は、前記基本体(20)に固く結合可能である第1の主要セクション(26)と、前記支持体(12)に固く結合可能である部分セクション(32.1~32.4)の第1の群とを有し、前記第1の主要セクション(26)は、少なくとも部分的に、前記長手方向(X)に対して横向きの第1の平面(S1)内に延在し、前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)は、第1の中心点(P1)の周りに、前記第1の平面(S1)内に位置する円形の周(C1)に沿って分散して配置されており、
前記第1の主要セクション(26)と前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)との間に、それぞれ第1の結合セクション(34.1~34.4)が配置されており、前記第1の結合セクション(34.1~34.4)は、該第1の結合セクション(34.1~34.4)が前記第1の主要セクション(26)と前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)との間の、前記第1の中心点(P1)を起点とする半径方向(R1)の運動を許容するが、前記第1の主要セクション(26)と前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)との間の、前記第1の中心点(P1)を起点とする周方向(T1)の運動を許容しないように構成されており、
前記第2の固定要素(24)は、前記基本体(20)に固く結合可能である第2の主要セクション(36)と、前記支持体(12)に固く結合可能である部分セクション(42.1~42.4)の第2の群とを有し、前記第2の主要セクション(36)は、少なくとも部分的に、前記長手方向(X)に対して横向きの第2の平面(S2)内に延在し、前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)は、第2の中心点(P2)の周りに、前記第2の平面(S2)内に位置する円形の周(C2)に沿って分散して配置されており、
前記第2の主要セクション(36)と前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)との間に、それぞれ第2の結合セクション(44.1~44.4)が配置されており、前記第2の結合セクション(44.1~44.4)は、該第2の結合セクション(44.1~44.4)が前記第2の主要セクション(36)と前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)との間の、前記第2の中心点(P2)を起点とする半径方向(R2)の運動を許容するが、前記第2の主要セクション(36)と前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)との間の、前記第2の中心点(P2)を起点とする周方向(T2)の運動を許容しないように構成されている
ことを特徴とする、アッセンブリ。
2.
前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)は、前記第1の平面(S1)に対して平行に延在し、前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)は、前記第2の平面(S2)に対して平行に延在する、上記1のアッセンブリ(10)。
3.
前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)と前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)とは、それぞれ円盤状に構成されている、上記1または2のアッセンブリ(10)。
4.
前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)は、前記支持体(12)の、前記第1の固定要素(22)に面する端部と、前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)との材料接続式の結合のために接着剤を塗布するための第1の表面を有し、前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)は、前記支持体(12)の、前記第2の固定要素(24)に面する端部と、前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)との材料接続式の結合のために接着剤を塗布するための第2の表面を有する、上記1から3までのいずれか1つのアッセンブリ(10)。
5.
前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)と前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)とは、それぞれ少なくとも3つの部分セクションを有する、上記1から4までのいずれか1つのアッセンブリ(10)。
6.
前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)および前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)は、それぞれ相互に同一の角度距離を置いて配置されている、上記1から5までのいずれか1つのアッセンブリ(10)。
7.
前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)は、半径方向(R1)で前記第1の中心点(P1)から同一の距離を有し、前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)は、半径方向(R2)で前記第2の中心点(P2)から同一の距離を有する、上記1から6までのいずれか1つのアッセンブリ(10)。
8.
前記第1の結合セクション(34.1~34.4)は、前記第1の平面(S1)に対して平行に延在し、前記第2の結合セクション(44.1~44.4)は、前記第2の平面(S2)に対して平行に延在する、上記1から7までのいずれか1つのアッセンブリ(10)。
9.
前記第1の結合セクション(34.1~34.4)および前記第2の結合セクション(44.1~44.4)は、それぞれウェブ状に構成されており、前記第1の結合セクション(34.1~34.4)は、それぞれ前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)から出発して、周方向(T1)に前記第1の主要セクション(26)へと延在し、前記第2の結合セクション(44.1~44.4)は、それぞれ前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)から出発して、周方向(T2)に前記第2の主要セクション(36)へと延在する、上記1から8までのいずれか1つのアッセンブリ(10)。
10.
前記第1の結合セクション(34.1~34.4)は、該第1の結合セクション(34.1~34.4)が前記第1の主要セクション(26)と前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)との間の、前記長手方向(X)の運動を許容するように構成されており、前記第2の結合セクション(44.1~44.4)は、該第2の結合セクション(44.1~44.4)が前記第2の主要セクション(36)と前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)との間の、前記長手方向(X)の運動を許容するように構成されている、上記1から9までのいずれか1つのアッセンブリ(10)。
11.
前記第1の結合セクション(34.1~34.4)は、第1の固体ジョイントを形成し、該第1の固体ジョイントを介して、前記第1の主要セクション(26)と前記第1の群の前記部分セクション(32.1~32.4)とが相互に結合されており、前記第2の結合セクション(44.1~44.4)は、第2の固体ジョイントを形成し、該第2の固体ジョイントを介して、前記第2の主要セクション(36)と前記第2の群の前記部分セクション(42.1~42.4)とが相互に結合されている、上記1から10までのいずれか1つのアッセンブリ(10)。
12.
前記第1の固体ジョイント(34.1~34.4)および前記第2の固体ジョイント(44.1~44.4)は、それぞれ板ばねジョイントである、上記11のアッセンブリ(10)。
13.
前記第1の固定要素(22)は、前記部分セクション(32.1~32.4)の前記第1の群に対して付加的に、前記支持体(12)に固く結合可能である別の部分セクション(32.5)を有し、該別の部分セクション(32.5)は、前記第1の平面(S1)内で前記第1の中心点(P1)に配置されており、前記第1の主要セクション(26)と前記別の部分セクション(32.5)とは、結合手段(34.5)を介して、前記第1の主要セクション(26)と前記別の部分セクション(32.5)との間の前記長手方向(X)の運動が阻止されるように、相互に結合されている、上記1から12までのいずれか1つのアッセンブリ(10)。
14.
前記結合手段(34.5)は、固体ジョイント、特にノッチジョイントである、上記13のアッセンブリ(10)。
15.
上記1から14までのいずれか1つのアッセンブリ(10)と、少なくとも長手方向(X)の位置を測定するための測定目盛(16.1)を有する支持体(12)とを備える、構成ユニット。
16.
前記支持体(12)は、少なくとも1つのスケール(14.1)を有し、前記スケール(14.1)は、前記長手方向(X)に延在し、前記スケール(14.1)は、前記測定目盛(16.1)の中間支持体として構成されている、上記15の構成ユニット。
【符号の説明】
【0053】
10 アッセンブリ
12 支持体
14,14.1~14.2 スケール
16,16.1~16.2 測定目盛
18 取付面
20 基本体
22 第1の固定要素
24 第2の固定要素
26 第1の主要セクション
28.1 固定セクション
28.2 直方体状のセクション
30.1~30.4 開口部
32.1~32.5 部分セクション
32.5 別の部分セクション
34.1~34.4 第1の結合セクション
34.5 ノッチジョイント
35.1~35.4 第1の開口部
35.5 別の開口部
36 第2の主要セクション
38.1 固定セクション
38.2 直方体状のセクション
40.1~40.4 開口部
42.1~44.4 部分セクション
44.1~44.4 第2の結合セクション
45.1~45.4 第2の開口部
C1 周
C2 周
N1 第1の重心
N2 第2の重心
P1 第1の中心点
P2 第2の中心点
Q 回動中心点
R1 半径方向
R2 半径方向
RY,RZ 回転自由度、回転剛性
S1 第1の平面
S2 第2の平面
S3 第3の平面
S4 第4の平面
T1 周方向
T2 周方向
X 長手方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10