(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】キャップ部材、半導体パッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 23/02 20060101AFI20240502BHJP
H01S 5/022 20210101ALI20240502BHJP
H01L 23/04 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
H01L23/02 J
H01S5/022
H01L23/04 A
H01L23/02 D
H01L23/02 F
(21)【出願番号】P 2020207626
(22)【出願日】2020-12-15
【審査請求日】2023-07-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】中澤 勝哉
【審査官】佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-129815(JP,A)
【文献】国際公開第2020/105162(WO,A1)
【文献】特開2006-041456(JP,A)
【文献】特開2010-182988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/02
H01S 5/022
H01L 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状部と、
前記筒状部の一端から前記筒状部の中心側に延伸する、開口部を備えた天板部と、
前記開口部を塞ぐように、前記天板部の内面に接着剤で接着された透明部材と、を有し、
前記天板部の前記開口部の外側に1以上の貫通孔が形成され、
前記接着剤は、前記天板部と前記透明部材の互いに対向する領域の間に位置する第1部分と、前記第1部分と連続し、前記貫通孔内に位置する第2部分と、を含む、キャップ部材。
【請求項2】
前記接着剤は、前記貫通孔の内壁のすべてに接している、請求項1に記載のキャップ部材。
【請求項3】
前記接着剤は、前記貫通孔内から前記天板部の外面に延伸する、請求項1又は2に記載のキャップ部材。
【請求項4】
前記貫通孔は、前記天板部の外面側の開口面積が前記天板部の内面側の開口面積よりも大きいテーパー部を備え、
前記接着剤は、前記テーパー部に達している、請求項1乃至3の何れか一項に記載のキャップ部材。
【請求項5】
前記貫通孔は、前記天板部の外面側の開口面積が前記天板部の内面側の開口面積よりも大きい段差部を備え、
前記接着剤は、前記貫通孔の前記段差部よりも前記天板部の外面側に達している、請求項1乃至3の何れか一項に記載のキャップ部材。
【請求項6】
前記透明部材はガラスであり、前記接着剤は前記ガラスよりも融点の低いガラスである、請求項1乃至5の何れか一項に記載のキャップ部材。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載のキャップ部材と、
ステムの素子搭載面に搭載された半導体素子と、を有し、
前記キャップ部材が前記ステムに固定され、前記半導体素子が前記キャップ部材によって気密封止されている、半導体パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップ部材、及び半導体パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光素子がキャップ部材で気密封止された状態でステムに搭載された半導体パッケージが知られている。そのような半導体パッケージのキャップ部材では、キャップ本体の天板部の中央に開口部が設けれ、開口部を塞ぐように、天板部の内面に接着剤で接着された透明部材が配置されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようなキャップ部材では、天板部と透明部材との接着力が弱く、外力に対する接着耐性が十分ではなかった。そのため、外力により天板部の変形で天板部と接着剤との間で剥がれ、透明部材が脱落するおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、外力に対する接着耐性を向上することが可能なキャップ部材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本キャップ部材は、筒状部と、前記筒状部の一端から前記筒状部の中心側に延伸する、開口部を備えた天板部と、前記開口部を塞ぐように、前記天板部の内面に接着剤で接着された透明部材と、を有し、前記天板部の前記開口部の外側に1以上の貫通孔が形成され、前記接着剤は、前記天板部と前記透明部材の互いに対向する領域の間に位置する第1部分と、前記第1部分と連続し、前記貫通孔内に位置する第2部分と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、外力に対する接着耐性を向上することが可能なキャップ部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係るキャップ部材を例示する図である。
【
図2】比較例に係るキャップ部材を例示する図である。
【
図3】比較例に係るキャップ部材の問題点を説明する図である。
【
図4】第1実施形態の変形例1に係るキャップ部材を例示する部分断面図である。
【
図5】第1実施形態の変形例2に係るキャップ部材を例示する平面図である。
【
図6】第2実施形態に係る半導体パッケージを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
〈第1実施形態〉
図1は、第1実施形態に係るキャップ部材を例示する図であり、
図1(a)は平面図、
図1(b)は
図1(a)のA-A線に沿う断面図である。
【0011】
図1を参照すると、第1実施形態に係るキャップ部材1は、キャップ本体10と、透明部材20と、接着剤30とを有している。
【0012】
キャップ本体10は、筒状部12と、天板部14と、フランジ部16とを有している。筒状部12は、例えば、内部が空洞の円筒状である。天板部14は、平面視において、筒状部12の一端から筒状部12の中心側に延伸する板状の部材である。ここで、平面視とは、対象物を
図1(a)の方向から視ることである。フランジ部16は、平面視において、筒状部12の下端から外側に環状に突き出る板状の部材である。天板部14とフランジ部16とは、例えば、平行に配置されている。
【0013】
筒状部12、天板部14、及びフランジ部16は、例えば、鉄(Fe)系の金属板が加工されて一体に形成されたものである。鉄(Fe)系の金属としては、好適には、42アロイ(鉄(Fe)/ニッケル(Ni)合金)、又はコバール(鉄(Fe)/ニッケル(Ni)/コバルト(Co)合金)などを使用できる。筒状部12、天板部14、及びフランジ部16の表面に、めっきが施されていてもよい。筒状部12、天板部14、及びフランジ部16の厚さは、略一定であり、例えば、0.1mm~0.2mm程度である。
【0014】
天板部14は、中央部に開口部14xを備えている。また、天板部14の開口部14xの外側に1以上の貫通孔14yが形成されている。なお、ここでいう外側とは、天板部14において、天板部14と筒状部12が繋がった部分から開口部14xまでの領域のことを指す。
【0015】
図1の例では、天板部14の開口部14xの外側に4つの貫通孔14yが形成されている。貫通孔14yは、例えば、筒状部12の中心から所定の半径の円弧上に等間隔で配置される。開口部14xは、例えば平面形状が円形である。貫通孔14yは、例えば平面形状が開口部14xよりも小径の円形であり、その場合、直径は0.3mm~1mm程度である。貫通孔14yの直径が0.3mm以上であれば天板部14の貫通孔14yの内部に接着剤30が入り込み十分な接着力が得られ、貫通孔14yの直径が1mm以下であれば天板部14の接着平面を確保しつつ、接着剤30が容易に貫通孔14y内に入り込む。
【0016】
透明部材20は、所定の波長範囲の光を透過可能な板状の部材である。透明部材20の表面には、例えば、無反射コートが施されている。透明部材20は、キャップ本体10の内部に配置されている。具体的には、透明部材20は、開口部14xを塞ぐように、天板部14の内面に接着剤30で接着されている。透明部材20の材料としては、例えば、ガラスを用いることができる。なお、天板部14の内面とは、天板部14において筒状部12の内側に露出する面であり、天板部14の外面とは、天板部14の内面の反対面である。
【0017】
透明部材20は、例えば、平面視で正六角形状であるが、これには限定されず、平面視で円形などの各種の形状を採用できる。ただし、大型ガラス基板を切断して個々の透明部材20を得る際に正六角形状は加工しやすいため、この観点では、透明部材20は平面視で正六角形状であることが好ましい。透明部材20の厚さは、略一定であり、例えば、0.15mm~1.20mm程度である。
【0018】
接着剤30は、天板部14の内面と透明部材20の上面との間に環状に配置され、さらに貫通孔14yの内部に入り込んでいる。言い換えれば、接着剤30は、天板部14と透明部材20の互いに対向する領域の間に位置する環状の第1部分と、第1部分と連続し、貫通孔14y内に位置する第2部分とを含む。天板部14の開口部14xは、透明部材20で封着されて気密封止されている。接着剤30の材料としては、例えば、ビスマス系の低融点ガラス等を用いることができる。なお、低融点ガラスとは透明部材20を構成するガラスよりも融点の低いガラスである。
【0019】
キャップ部材1を作製するには、まず、平坦な金属板をプレス加工等により加工して、筒状部12と天板部14とフランジ部16とを備えたキャップ本体10を作製する。なお、天板部14には、この工程で開口部14x及び貫通孔14yを形成してもよいし、この工程では開口部14xのみを形成しておき、別工程で貫通孔14yを形成するようにしてもよい。あるいは、この工程では貫通孔14yのみを形成しておき、別工程で開口部14xを形成するようにしてもよい。別工程で開口部14xを形成する場合には、後から形成する開口部14xの真円度を高くすることができる。開口部14x及び貫通孔14yを形成後、必要に応じ、開口部14x及び貫通孔14yの内壁も含めたキャップ本体10の表面にめっきを施してもよい。この工程では、例えば、貴金属を含むめっきを好適に使用できる。
【0020】
次に、キャップ本体10を
図1(b)の状態とは上下反対に配置し、キャップ本体10の天板部14の内面に接着剤30を配置する。接着剤30としては、例えば、低融点ガラスを用いる。接着剤30は、例えばドーナツ型に形成され、キャップ本体10の天板部14の内面の開口部14xの外周側に配置される。続いて、接着剤30の上に透明部材20を配置する。透明部材20の外周部は、ドーナツ型の接着剤30に接する。この状態で、キャップ本体10、透明部材20、及び接着剤30を溶融炉に配置し、500℃程度の温度で加熱処置を行う。
【0021】
これにより、接着剤30が溶融し、透明部材20の重みによって接着剤30が濡れ広がり、接着剤30の一部は貫通孔14y内に流れ込み冷却固着する。透明部材20がガラスであり、接着剤30が低融点ガラスである場合、低融点ガラスはガラスよりも融点が低い。例えば、低融点ガラスの融点は500℃程度であり、ガラスの融点は730℃程度である。接着剤30として低融点ガラスを使用することにより、ガラスである透明部材20をキャップ本体10の天板部14に気密性よく接着できる。
【0022】
図2は、比較例に係るキャップ部材を例示する図であり、
図2(a)は平面図、
図2(b)は
図2(a)のB-B線に沿う断面図である。従来は、
図2に示す比較例に係るキャップ部材1Xのように、天板部14に貫通孔14yは設けられていなかった。そのため、キャップ部材1Xでは、天板部14の内面と透明部材20の上面の外周部のみが接着剤30で接着されている。
【0023】
キャップ部材1Xにおいて、例えば、キャップ本体10にめっきが施されており、接着剤30として低融点ガラスを用いた場合、キャップ本体10のめっきと低融点ガラスとの間は、共晶反応により形成されたナノレベルの非常に薄い共晶層のみで接着される。そのため、
図3に示すように、天板部14にキャップ本体10が弾性変形する程度の外力Fが加わった場合、非常に薄い共晶層はキャップ本体10の弾性変形により破壊され、天板部14の内面から低融点ガラスごと透明部材20が剥がれ落ちてしまうおそれがある。
【0024】
これに対して、キャップ部材1では、天板部14に貫通孔14yが設けられているため、接着剤30は、天板部14の内面と透明部材20の上面の外周部を接着すると共に、貫通孔14yの内部に入り込んで、天板部14と透明部材20とを3次元的に接合している。すなわち、キャップ部材1では、キャップ本体10のめっきと低融点ガラスとの間が共晶反応により形成された非常に薄い共晶層で接着されるだけではなく、貫通孔14y内で物理的に接合される。従って、共晶層の接着と物理的な接合により、強固な接合が得られるため、
図3に示すような外力に対して接着耐性が向上し、封着強度品質の向上が可能となる。なお、
図1では、4つの貫通孔14yが設けられているが、貫通孔14yが1つであっても接着耐性は向上する。
【0025】
〈第1実施形態の変形例1〉
第1実施形態の変形例1では、貫通孔に入り込む接着剤の形態のバリエーションについて示す。なお、第1実施形態の変形例1において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
【0026】
図4は、第1実施形態の変形例1に係るキャップ部材を例示する部分断面図である。
図4(a)に示すように、接着剤30が貫通孔14yの少なくとも一部に入り込むことで、天板部14と透明部材20とを3次元的に接合する効果が得られる。また、
図4(b)に示すように、接着剤30が貫通孔14yの内壁のすべてに接していることで、接着剤30と貫通孔14yとの接触面積が増えるため、
図4(a)の場合よりも更に接合強度が高まる。また、
図4(c)に示すように、接着剤30が貫通孔14y内から天板部14の外面に延伸してもよい。この場合、接着剤30が天板部14の外面から突出し、天板部14の外面とも接着されることで、アンカー効果が生じ、
図4(b)の場合よりも更に接合強度が高まる。
【0027】
図4(d)では、貫通孔14yは、天板部14の外面側の開口面積が天板部14の内面側の開口面積よりも大きいテーパー部14tを備え、接着剤30がテーパー部14tに達している。接着剤30がテーパー部14tに達することでアンカー効果が生じ、
図4(b)の場合よりも更に接合強度が高まる。
図4(e)では、貫通孔14yは、天板部14の外面側の開口面積が天板部14の内面側の開口面積よりも大きい段差部14sを備え、接着剤30が貫通孔14y内の段差部14sよりも天板部14の外面側に達している。接着剤30が貫通孔14y内の段差部14sよりも天板部14の外面側に達することでアンカー効果が生じ、
図4(b)の場合よりも更に接合強度が高まる。
【0028】
図4(d)又は
図4(e)の例では、接着剤30が天板部14の外面から突出しなくてもアンカー効果が得られる点で好適である。接着剤30が天板部14の外面から突出しないことにより、接着剤30が他の部品等に触れにくくなるため、低融点ガラス等からなる接着剤30が欠けるおそれを低減できる。但し、
図4(d)又は
図4(e)において、接着剤30が天板部14の外面から突出させることも可能である。
図4(d)又は
図4(e)と
図4(c)とを組み合わせることで、さらに大きなアンカー効果が得られる。なお、接着剤30を貫通孔14yのどこまで流れ込ませるかは、接着剤30の量によっても調整できるし、透明部材20に圧力をかけることでも調整できる。
【0029】
〈第1実施形態の変形例2〉
第1実施形態の変形例2では、貫通孔の形状のバリエーションについて示す。なお、第1実施形態の変形例2において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
【0030】
図5は、第1実施形態の変形例2に係るキャップ部材を例示する平面図である。貫通孔14yの平面形状は円形には限定されず、
図5(a)に示すキャップ部材1Aのように、六角形状であってもよい。また、
図5(b)に示すキャップ部材1Bのように、四角形状であってもよい。また、貫通孔14yの個数は、必要に応じて決定できる。
【0031】
なお、加工性を考慮すると、貫通孔14yの平面形状は円形が好ましい。貫通孔14yの平面形状が円形であれば、貫通孔14y内にバリが生じにくいからである。
【0032】
〈第2実施形態〉
第2実施形態では、第1実施形態に係るキャップ部材を搭載した半導体パッケージの例を示す。なお、第2実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
【0033】
図6は、第2実施形態に係る半導体パッケージを例示する図であり、
図6(a)は平面図、
図6(b)は
図6(a)のC-C線に沿う断面図である。ただし、
図6(a)において、キャップ部材1の図示は省略されている。
【0034】
図6を参照すると、半導体パッケージ2は、キャップ部材1と、アイレット110と、金属ブロック120と、第1リード131と、第2リード132と、封止部140と、発光素子150とを有する。なお、アイレット110と、金属ブロック120と、第1リード131と、第2リード132と、封止部140とを含めて、ステムと称する場合がある。
【0035】
アイレット110は、円板状の部材である。アイレット110の直径は、特に制限がなく、目的に応じて適宜決定できるが、例えば、φ5.6mmやφ9.0mm等である。アイレット110の厚さは、特に制限がなく、目的に応じて適宜決定できるが、例えば、0.5~3mm程度である。アイレット110は、例えば、鉄やステンレス等の金属材料から形成できる。アイレット110の表面にめっきを施してもよい。
【0036】
アイレット110の外縁部には、平面視において、外周側から中心側に窪んだ形状の切り欠き部111、112、及び113が形成されている。切り欠き部111、112、及び113は、例えば、平面形状が略三角状や略四角状の窪みである。切り欠き部111、112、及び113は、例えば、発光素子150を搭載する際の位置出し等に用いることができる。
【0037】
金属ブロック120は、ろう材等によりアイレット110の上面110aに接合され、アイレット110の上面110aから突出している。金属ブロック120は、発光素子150を搭載する素子搭載面120rを含んでいる。素子搭載面120rは、アイレット110の上面110aに対して略垂直になるように設けられている。
【0038】
金属ブロック120の上面とアイレット110の上面110aとの距離(金属ブロック120のアイレット110の上面110aからの突出量)は、例えば、2~3mm程度である。金属ブロック120には、アイレット110よりも熱伝導率の高い材料を用いることができる。アイレット110の材料が鉄であれば、例えば、金属ブロック120の材料は銅である。
【0039】
第1リード131及び第2リード132は、アイレット110を厚さ方向に貫通する貫通孔に、長手方向を厚さ方向に向けて挿入されている。アイレット110の貫通孔内において、第1リード131及び第2リード132の周囲は封止部140に封止されている。第1リード131及び第2リード132の一部は、アイレットの上面110a及びアイレットの下面110bから突出している。第1リード131及び第2リード132は、例えば、50%鉄-ニッケル合金やコバール等の金属から形成されており、封止部140は、例えば、ガラス材等の絶縁材料から形成されている。なお、搭載する発光素子150の仕様に合わせて、リードの数を増やしてもよい。
【0040】
発光素子150は、例えば、波長が405nm、650nm、又は780nmの半導体レーザチップである。発光素子150は、一方の端面が上側(透明部材20側)を向き、他方の端面が下側(アイレット110の上面110a側)を向くように、金属ブロック120の素子搭載面120rに搭載されている。半導体パッケージ2において、例えば、平面視において、発光素子150の発光点位置がアイレット110の上面110aの中心と略一致するように、発光素子150が搭載される。発光素子150の電極(図示せず)は、例えば、ボンディングワイヤ等により第1リード131及び第2リード132と接続されている。
【0041】
キャップ部材1は、例えば、フランジ部16が溶接等によりアイレット110の上面110aの外縁部近傍に接合されている。このように、キャップ部材1がステムに固定されることで、発光素子150がキャップ部材1によって気密封止される。発光素子150の一方の端面側から出射された光(例えば、レーザ光)は、天板部14の開口部14x内に位置する透明部材20を透過して半導体パッケージ2の外部に出射される。なお、発光素子150の他方の端面側から出射された光をフォトダイオード等により受光して、発光素子150の出射光量をモニタするようにしてもよい。フォトダイオードで受光する光量が一定になるように、半導体パッケージ2の外部に配置された回路で制御することにより、環境温度等によらず、半導体パッケージ2の出射光量を一定にできる。
【0042】
このように、半導体パッケージ2の素子搭載面120rに発光素子150を搭載してキャップ部材1で気密封止し、半導体パッケージ2を実現できる。前述のようにキャップ部材1は、
図3に示すような外力に対して接着耐性が向上し、封着強度品質が向上しているため、信頼性の高い半導体パッケージ2を実現できる。
【0043】
なお、第2実施形態では半導体パッケージ2に発光素子150を搭載する例を示したが、これには限定されず、半導体パッケージ2に発光素子以外の発熱性の半導体素子を搭載してもよい。
【0044】
以上、好ましい実施形態について詳説したが、上述した実施形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0045】
1、1A、1B キャップ部材
2 半導体パッケージ
10 キャップ本体
12 筒状部
14 天板部
14s 段差部
14t テーパー部
14x 開口部
14y 貫通孔
16 フランジ部
20 透明部材
30 接着剤
110 アイレット
110a 上面
110b 下面
111、112、113 切り欠き部
120 金属ブロック
120r 素子搭載面
131 第1リード
132 第2リード
140 封止部
150 発光素子