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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】染毛剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/33 20060101AFI20240502BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20240502BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
A61K8/33
A61K8/34
A61Q5/06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021507216
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(86)【国際出願番号】 JP2020009949
(87)【国際公開番号】W WO2020189365
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】P 2019052385
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000387
【氏名又は名称】株式会社ADEKA
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】中島 和哉
(72)【発明者】
【氏名】安谷 聡人
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-154984(JP,A)
【文献】特開2009-191040(JP,A)
【文献】Schwarzkopf & Henkel, Germany,Hair Blush,Mintel GNPD [online],2017年02月,Internet <URL:https://portal.mintel.com>,ID#4635921, [検索日:2020年4月22日], 表題部分及び成分
【文献】Central Watsons, Thailand,Colour Blast Miracle,Mintel GNPD [online],2019年11月,Internet <URL:https://portal.mintel.com>,ID#7048457, [検索日:2023年12月1日], 表題部分及び成分
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
n-ヘキシルグリセリルエーテル、シクロヘキシルグリセリルエーテル及び1,2-ヘキサンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種の(A)成分と、酸性染料、塩基性染料及びHC染料からなる群から選ばれる少なくとも1種の(B)成分と、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びセテアリルアルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種の高級アルコールと、を含み、pHが4.5~12.5である染毛剤組成物。
【請求項2】
染毛剤組成物中の(A)成分の含有量が、染毛剤組成物全質量に対して0.01質量%~20質量%である、請求項1に記載の染毛剤組成物。
【請求項3】
少なくとも1種の増粘剤を含有する、請求項1又は2に記載の染毛剤組成物。
【請求項4】
炭化水素油、エステル油、及びシリコーン油からなる群から選ばれる少なくとも1種の油性成分を含有する、請求項1~のいずれか一項に記載の染毛剤組成物。
【請求項5】
染毛剤組成物に、n-ヘキシルグリセリルエーテル、シクロヘキシルグリセリルエーテル及び1,2-ヘキサンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種の(A)成分を配合することを含む、染毛剤組成物の染毛性及び使用感を向上させる方法であって、前記染毛剤組成物は、酸性染料、塩基性染料及びHC染料からなる群から選ばれる少なくとも1種の(B)成分と、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びセテアリルアルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種の高級アルコールと、を含み、pHが4.5~12.5である、前記方法。
【請求項6】
染毛剤組成物の染毛性及び使用感を向上させるための、n-ヘキシルグリセリルエーテル、シクロヘキシルグリセリルエーテル及び1,2-ヘキサンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種の(A)成分の使用であって、前記染毛剤組成物は、酸性染料、塩基性染料及びHC染料からなる群から選ばれる少なくとも1種の(B)成分と、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びセテアリルアルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種の高級アルコールと、を含み、pHが4.5~12.5である、前記使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、染毛性及び使用感に優れる染毛剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪の永久染毛剤や一時染毛料等の染毛剤においては、その染毛性や使用感等を改善するために、さまざまな組成を有する染毛剤の開発や添加剤の開発が行われている。例えば特許文献1には、グリコール酸及び/又はピロリドンカルボン酸及び/又はこれらの塩と、特定の染料を含有する頭髪用酸性染毛料組成物が提案されている。また、特許文献2には、カルボキシビニルポリマーと、エチルアルコール、ブチルアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール等の一価アルコール、及び多価アルコールの中から選ばれるアルコール類と、染料とを含有する頭髪用酸性染毛料組成物が提案されている。特許文献3には、pH1.5~4に調整された第1剤と、酸性染料を含有するpH1.5~4に調整された第2剤とからなり、増粘剤を含有する染毛剤が提案されている。特許文献4には、酸性染料が溶解した水性溶媒中に、芳香族アルコールを内包するハイドロゲル粒子が分散している染毛剤組成物が提案されている。
【0003】
特に近年では、染毛剤の使用目的や使用時の形態の多様化が進んでいる状況であることから、より優れた染毛性及び使用感を発揮できる染毛剤組成物の開発が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平6-298630号公報
【文献】特開平7-101841号公報
【文献】特開平11-071248号公報
【文献】特開2018-083777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、染毛性及び使用感に優れる染毛剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明者等は鋭意検討し、染毛性及び使用感に優れる染毛剤組成物を見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、n-ヘキシルグリセリルエーテル、シクロヘキシルグリセリルエーテル及び1,2-ヘキサンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種の(A)成分と、酸性染料、塩基性染料及びHC染料からなる群から選ばれる少なくとも1種の(B)成分とを含み、pHが4.5~12.5である染毛剤組成物である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、染毛性及び使用感に優れる染毛剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の染毛性組成物は、n-ヘキシルグリセリルエーテル、シクロヘキシルグリセリルエーテル及び1,2-ヘキサンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種の(A)成分と、酸性染料、塩基性染料及びHC染料からなる群から選ばれる少なくとも1種の(B)成分とを含み、pHが4.5~12.5に調整された染毛剤組成物である。
【0009】
本発明の染毛剤組成物は、(A)成分として、n-ヘキシルグリセリルエーテル、シクロヘキシルグリセリルエーテル及び1,2-ヘキサンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する。本発明においては、このような成分を含有することで、染毛性及び使用感(染毛処理後の毛髪の触感等)に優れるだけなく、使用性(染毛剤組成物の取り扱いの容易性、塗布時の塗布性、すすぎ時の染毛剤組成物除去の容易性等)に優れた染毛剤組成物を得ることができる。ここでいう「使用感に優れる」とは、染毛処理後の毛髪を染毛処理前の毛髪と比較した場合のごわつき感の低減、又はべたつき感のなさ、といった触感等の向上を意味することとする。さらに、上記(A)成分は抗菌剤としても作用することから、染毛剤組成物中で抗菌性を有し、保存安定性に優れた染毛剤組成物を得ることができる。本発明においては、染毛剤組成物の染毛性、使用感及び使用性の観点から、(A)成分としてn-ヘキシルグリセリルエーテル又はシクロヘキシルグリセリルエーテルを含有することが好ましく、シクロヘキシルグリセリルエーテルを含有することがより好ましい。
【0010】
本発明の染毛剤組成物の(A)成分の含有量は特に限定されないが、染毛剤組成物の染毛性及び使用感の観点から、染毛剤組成物中の(A)成分の含有量が染毛剤組成物全質量に対して0.01質量%~20質量%であることが好ましい。本発明においては、染毛剤組成物中の(A)成分の含有量がこのような範囲であることにより、(B)成分が毛髪等の表面及び内部に浸透しやすくなることで染毛性を高め、かつ使用感を高めることができる。また染毛剤組成物の使用感の観点から、染毛剤組成物中の(A)成分の含有量は、染毛剤組成物全質量に対して0.02質量%~10質量%であることがより好ましく、0.05質量%~5質量%であることがさらにより好ましい。
【0011】
本発明の染毛剤組成物は、(B)成分として、酸性染料、塩基性染料及びHC染料からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する。本発明に用いることができる酸性染料、塩基性染料及びHC染料としては特に限定されず、例えば、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、赤色201号、赤色206号、赤色227号、赤色230号、赤色231号、赤色232号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色402号、黄色403号、黄色406号、黄色407号、青色1号、青色2号、青色202号、青色203号、青色205号、橙色205号、橙色207号、橙色403号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、緑色401号、緑色402号、褐色201号、褐色201号、紫色401号、黒色401号等の酸性染料;塩基性青7、塩基性青16、塩基性青22、塩基性青26、塩基性青75、塩基性青99、塩基性紫10、塩基性紫14、塩基性茶12、塩基性茶16、塩基性茶17、塩基性赤2、塩基性赤12、塩基性赤22、塩基性赤51、塩基性赤76、塩基性黄57、塩基性黄87、塩基性橙31、塩基性黒2等の塩基性染料;HC青2、HC青5、HC青6、HC青9、HC青10、HC青11、HC青12、HC青13、HC紫1、HC紫2、HC赤1、HC赤3、HC赤7、HC赤10、HC赤11、HC赤13、HC赤14、HC黄2、HC黄4、HC黄5、HC黄6、HC黄9、HC黄10、HC黄11、HC黄12、HC黄13、HC黄14、HC黄15、HC橙1、HC橙2、HC橙3等のHC染料が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、染毛剤組成物の染毛性及び使用感の観点から、少なくとも1種の塩基性染料又は少なくとも1種のHC染料を用いることが好ましく、少なくとも1種の塩基性染料及び少なくとも1種のHC染料を用いることがより好ましい。
【0012】
本発明の染毛剤組成物中の(B)成分の含有量は特に限定されないが、染毛剤組成物の染毛性及び使用感の観点から、染毛剤組成物中の(B)成分の含有量が染毛剤組成物全質量に対して0.001質量%~10質量%であることが好ましく、0.01質量%~5質量%であることがより好ましく、0.05質量%~3質量%であることがさらにより好ましい。
【0013】
本発明の染毛剤組成物は、pHが4.5~12.5であることによって高い染毛性および優れた使用感を発揮できる。なお本発明において、pHは、ガラス電極式水素イオン濃度計を用いて25℃で測定される値である。染毛剤組成物の染毛性及び使用感の観点からは、pHが4.8~12.0であることが好ましく、5.5~11.5であることがより好ましい。本発明においてpHをこのような範囲にする方法は特に限定されないが、例えばpH調整剤を染毛剤組成物に添加する方法等が挙げられる。染毛剤組成物に添加するpH調整剤としては特に限定されないが、例えば、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、レブリン酸、酢酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マンデル酸等の有機酸及びそれらの塩、リン酸、ピロリン酸、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、アンモニア、アルカノールアミン、ケイ酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、メタケイ酸塩、硫酸塩、塩化物、リン酸塩、有機アミン(例えば、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン等)、塩基性アミノ酸、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物等のアルカリ剤が挙げられ、これらの中でも、クエン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、アルカリ土類金属の水酸化物が好ましく、クエン酸又は水酸化カリウムがより好ましい。
【0014】
本発明の染毛剤組成物は、染毛剤組成物の使用感の観点から、少なくとも1種の増粘剤を含有することが好ましい。本発明に用いることができる増粘剤は特に限定されないが、例えば、塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリルアミド共重合体、アクリルアミド/アクリル酸/塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、セルロース又はその誘導体(例えば、ヒドロキシエチルセルロース等)、ケラチン及びコラーゲン又はそれらの誘導体、アルギン酸カルシウム、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グアーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、β-1,3-1,6-グルカン以外のβグルカン、βグルカン誘導体、ジェランガム、デキストラン、α-グルコース及びα-グルコースの誘導体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、染毛剤組成物の使用感の観点から、セルロース又はその誘導体、ケラチン及びコラーゲン又はそれらの誘導体、キサンタンガム、カラギーナン又はグアーガムを含有することが好ましく、セルロース又はその誘導体を含有することがより好ましい。
【0015】
本発明の染毛剤組成物中の、増粘剤の含有量は特に限定されないが、染毛剤組成物の使用感の観点から、染毛剤組成物中の増粘剤の含有量が染毛剤組成物全質量に対して0.001質量%~10質量%であることが好ましく、0.01質量%~5質量%であることがより好ましく、0.1質量%~1質量%であることがさらにより好ましい。
【0016】
本発明の染毛剤組成物は、染毛剤組成物の使用感の観点から、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びセテアリルアルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種の高級アルコールを含有することが好ましい。これらの中でも、染毛剤組成物の染毛性及び使用感の観点から、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びセテアリルアルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましく、ステアリルアルコール又はセテアリルアルコールを含有することがより好ましい。また、染毛剤組成物の使用感の観点からは、本発明の染毛剤組成物中の高級アルコールにおけるステアリルアルコールの含有比率が、高級アルコール全質量のうち20質量%~100質量%であることが好ましく、50質量%~100質量%であることが特に好ましい。
【0017】
本発明の染毛剤組成物中の、高級アルコールの含有量は特に限定されないが、染毛剤組成物の使用感の観点から、染毛剤組成物中の高級アルコールの含有量が染毛剤組成物全質量に対して0.01質量%~20質量%であることが好ましく、0.1質量%~15質量%であることがより好ましく、1質量%~10質量%であることがさらにより好ましい。
【0018】
本発明の染毛剤組成物は、染毛剤組成物の染毛性及び使用感の観点から、炭化水素油、エステル油、及びシリコーン油からなる群から選ばれる少なくとも1種の油性成分を含有することが好ましい。また、上記観点から、炭化水素油、エステル油、及びシリコーン油からなる群から選ばれる2種以上を含有することがより好ましく、炭化水素油、エステル油、及びシリコーン油の3種を含有することがさらにより好ましい。炭化水素油、エステル油、及びシリコーン油を含有する場合の炭化水素油、エステル油、シリコーン油の含有質量比率は特に限定されないが、染毛剤組成物の使用感の観点から、染毛剤組成物中の油性成分全質量における炭化水素油、エステル油、シリコーン油の含有質量比率は、10~80:10~80:10~80であることが好ましく、15~60:20~70:15~60であることがより好ましく、20~40:30~60:20~40(いずれも質量比の合計は100)であることがさらにより好ましい。
【0019】
本発明において油性成分として用いることができる炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、ポリイソブテン、ポリイソプレン、イソデカン、イソドデカン、イソヘキサデカン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、ケロシン、デカリン、テトラリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0020】
本発明において油性成分として用いることができるエステル油としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸へキシル、酢酸デシル、プロピオン酸ブチル、オクタン酸セチル、ジメチルオクタン酸へキシルデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸グリセリン、ステアリン酸ブチル、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、ステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル、コハク酸2-エチルヘキシル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、セチルエチルヘキサノエート、トリエチルヘキサノイン、ポリグリセリル-2トリイソステアレート、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリチルテトライソステアレート、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル等の合成エステル油;ラノリン、ミンク油、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の動植物エステル油等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0021】
本発明において油性成分として用いることができるシリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、ジフェニルポリシロキサン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、オクタメチルトリシロキサン等の鎖状シリコーン油、デカメチルシクロテトラシロキサン、ドデカメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルシクロヘキサシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン油、アルキル変性ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、脂肪酸変性ポリシロキサン、高級アルコール変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性シリコーン油等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0022】
本発明の染毛剤組成物の、油性成分の含有量は特に限定されないが、染毛剤組成物の染毛性及び使用感の観点から、染毛剤組成物中の油性成分の含有量が染毛剤組成物全質量に対して0.001質量%~30質量%であることが好ましく、0.1質量%~20質量%であることがより好ましく、0.5質量%~10質量%であることがさらにより好ましい。
【0023】
本発明の染毛剤組成物は、使用目的や使用態様に応じて保存時、使用時、使用後における各種特性(安定性、使用感、塗布性、浸透性、保湿性、安全性、意匠性、芳香性等)を向上改質させるために化粧料組成物で一般に使用される成分を含有することができる。このような成分としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、粉末成分、高級脂肪酸、保湿剤、金属イオン封鎖剤、糖類及びその誘導体、アミノ酸及びその誘導体、酸化防止剤、紫外線吸収剤、抗菌防腐剤、香料、溶剤等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有していてもよい。
【0024】
アニオン界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、硫酸化オレフィン塩、高級アルキルスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、硫酸化脂肪酸塩、スルホン化脂肪酸塩、リン酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、グリセライド硫酸エステル塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、α-スルホ脂肪酸メチルエステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩、スルホコハク酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸塩、N-アシル-N-メチルタウリンの塩、N-アシルグルタミン酸又はその塩、アシルオキシエタンスルホン酸塩、アルコキシエタンスルホン酸塩、N-アシル-β-アラニン又はその塩、N-アシル-N-カルボキシエチルタウリン又はその塩、N-アシル-N-カルボキシメチルグリシン又はその塩、アシル乳酸塩、N-アシルサルコシン塩、及びアルキル又はアルケニルアミノカルボキシメチル硫酸塩等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。本発明の染毛剤組成物中のアニオン界面活性剤の含有量は特に限定されないが、例えば、染毛剤組成物全質量に対して0.01質量%~20質量%であることが好ましく、0.02質量%~10質量%であることがより好ましい。
【0025】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキル(アルケニル)トリメチルアンモニウム塩(例えば、セトリモニウムクロリド等)、ジアルキル(アルケニル)ジメチルアンモニウム塩、アルキル(アルケニル)四級アンモニウム塩、エーテル基若しくはエステル基若しくはアミド基を含有するモノ又はジアルキル(アルケニル)四級アンモニウム塩、アルキル(アルケニル)ピリジニウム塩、アルキル(アルケニル)ジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキル(アルケニル)イソキノリニウム塩、ジアルキル(アルケニル)モルホニウム塩、ポリオキシエチレンアルキル(アルケニル)アミン、アルキル(アルケニル)アミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。本発明の染毛剤組成物中のカチオン界面活性剤の含有量は特に限定されないが、例えば、染毛剤組成物全質量に対して0.01質量%~20質量%であることが好ましく、0.02質量%~10質量%であることがより好ましい。
【0026】
両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタイン型界面活性剤、スルホベタイン型界面活性剤、ホスホベタイン型界面活性剤、アミドアミノ酸型界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン型界面活性剤等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。本発明の染毛剤組成物中の両性界面活性剤の含有量は特に限定されないが、例えば、染毛剤組成物全質量に対して0.01質量%~20質量%であることが好ましく、0.02質量%~10質量%であることがより好ましい。
【0027】
非イオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの付加形態はランダム状、ブロック状の何れでもよい)、ポリエチレングリコールプロピレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセリン脂肪酸エステル又はそのエチレンオキサイド付加物、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸モノエタノールアミド又はそのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸-N-メチルモノエタノールアミド又はそのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸ジエタノールアミド又はそのエチレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグリセリンエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸メチルエステルエトキシレート、N-長鎖アルキルジメチルアミンオキサイド等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。本発明の染毛剤組成物中の非イオン界面活性剤の含有量は特に限定されないが、例えば、染毛剤組成物全質量に対して0.01質量%~20質量%であることが好ましく、0.02質量%~10質量%であることがより好ましい。
【0028】
粉末成分としては、例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸、窒化ホウ素等の無機粉末;ポリアミド樹脂粉末、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等の有機粉末等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。本発明の染毛剤組成物中の粉末成分の含有量は特に限定されないが、例えば、染毛剤組成物全質量に対して0.01質量%~10質量%であることが好ましく、0.02質量%~5質量%であることがより好ましい。
【0029】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ウンデシレン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、イソステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。本発明の染毛剤組成物中の高級脂肪酸の含有量は特に限定されないが、例えば、染毛剤組成物全質量に対して0.01質量%~10質量%であることが好ましく、0.02質量%~5質量%であることがより好ましい。
【0030】
保湿剤としては、例えば、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、グリセリン、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、セラミド、コレステロール、アミノ酸、脂肪酸類、リン脂質(ポリマー含む)等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。本発明の染毛剤組成物中の保湿剤の含有量は特に限定されないが、例えば、染毛剤組成物全質量に対して0.01質量%~10質量%であることが好ましく、0.02質量%~5質量%であることがより好ましい。
【0031】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、アミノポリカルボン酸系、芳香族又は脂肪族カルボン酸系、アミノ酸系、エーテルポリカルボン酸系、ホスホン酸系、リン酸系、ヒドロキシカルボン酸系、高分子電解質(オリゴマー電解質を含む)系、ジメチルグリオキシム、アスコルビン酸、チオグリコール酸、フィチン酸、グリオキシル酸、グリオキサール酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。本発明の染毛剤組成物中の金属イオン封鎖剤の含有量は特に限定されないが、例えば、染毛剤組成物全質量に対して0.01質量%~10質量%であることが好ましく、0.02質量%~5質量%であることがより好ましい。
【0032】
糖類及びその誘導体としては、例えば、D-グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン、D-エリトロース、D-エリトルロース、D-トレオース、エリスリトール、L-アラビノース、D-キシロース、L-リキソース、D-アラビノース、D-リボース、D-リブロース、D-キシルロース、L-キシルロース、D-グルコース、D-タロース、D-ブシコース、D-ガラクトース、D-フルクトース、L-ガラクトース、L-マンノース、D-タガトース、アルドヘプトース、ヘプロース、オクツロース、2-デオキシ-D-リボース、6-デオキシ-L-ガラクトース、6-デオキシ-L-マンノース、D-グルコサミン、D-ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸、D-グルクロン酸、D-マンヌロン酸、L-グルロン酸、D-ガラクツロン酸、L-イズロン酸等の単糖;ショ糖、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α-トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類のオリゴ糖;クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ケラト硫酸、カロニン酸等の多糖等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。本発明の染毛剤組成物中の糖類及びその誘導体の含有量は特に限定されないが、例えば、染毛剤組成物全質量に対して0.01質量%~10質量%であることが好ましく、0.02質量%~5質量%であることがより好ましい。
【0033】
アミノ酸及びその誘導体としては、例えば、スレオニン、システイン等の中性アミノ酸;ヒドロキシリジン等の塩基性アミノ酸;アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸のアミノ酸誘導体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。本発明の染毛剤組成物中のアミノ酸及びその誘導体の含有量は特に限定されないが、例えば、染毛剤組成物全質量に対して0.01質量%~10質量%であることが好ましく、0.02質量%~5質量%であることがより好ましい。
【0034】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。本発明の染毛剤組成物中の酸化防止剤の含有量は特に限定されないが、例えば、染毛剤組成物全質量に対して0.01質量%~10質量%であることが好ましく、0.02質量%~5質量%であることがより好ましい。
【0035】
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、5,5’-メチレンビス(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス(4-tert-オクチル-6-ベンゾトリアゾリルフェノール)、2-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-アクリロイルオキシエチル)-5-メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-tert-ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-tert-オクチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-tert-ブチルフェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-tert-アミル-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-(3-メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(2-メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、テトラデシル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ベヘニル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、2-エチル-2’-エトキシオキザニリド、2-エトキシ-4’-ドデシルオキザニリド、エチル-α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、メチル-2-シアノ-3-メチル-3-(p-メトキシフェニル)アクリレート、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、各種の金属塩又は金属キレート等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。本発明の染毛剤組成物中の紫外線吸収剤の含有量は特に限定されないが、例えば、染毛剤組成物全質量に対して0.01質量%~10質量%であることが好ましく、0.02質量%~5質量%であることがより好ましい。
【0036】
抗菌防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン等のパラベン系抗菌剤;チアベンダゾール、2-ベンツイミダゾリルカルバミン酸メチルプリベントール等のイミダゾール系抗菌剤;トリクロロカルバニリド、クロフルカルバン等のカーバニリド系抗菌剤;ベンゾチアゾール等のチアゾール系抗菌剤;デブコナゾール、カビノン等のトリアジン系抗菌剤;クロルヘキシジン塩酸塩、ポリヘキサメチレンビグアナイド等のビグアナイド系抗菌剤等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。本発明の染毛剤組成物中の抗菌防腐剤の含有量は特に限定されないが、例えば、染毛剤組成物全質量に対して0.01質量%~10質量%であることが好ましく、0.02質量%~5質量%であることがより好ましい。
【0037】
香料としては、例えば、アセチルセドレン、アリルアミルグリコレート、β-イオノン、イソブチルキノリン、イリス油、イロン、インドール、ウンデカナール、ウンデセナール、γ-ウンデカラクトン、エストラゴール、オイゲノール、オークモス、オポポナックスレジノイド、オレンジ油、オイゲノール、オーランチオール、ガラクソリッド、カルバクロール、カンファー、キャロットシード油、クローブ油、ケイヒ酸メチル、ゲラニオール、ゲラニルニトリル、酢酸イソボルニル、酢酸ゲラニル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸スチラリル、酢酸セドリル、酢酸テレピネル、酢酸ベチベリル、酢酸ベンジル、酢酸リナリル、サリチル酸イソペンチル、サリチル酸ベンジル、サンダルウッド油、サンタロール、シクラメンアルデヒド、シクロペンタデカノリド、ジヒドロジャスモン酸メチル、ジヒドロミルセノール、ジャスミンアブソリュート、ジャスミンラクトン、シトラール、シトロネノール、シトロネラール、シナモンバーク油、スチラックスレジノイド、セダーウッド油、セドレン、セドロール、セロリシード油、タイム油、ダマスコン、ダマセノン、チモール、チュベローズアブソリュート、テルピネオール、γ-テルピネン、トリプラール、バニラアブソリュート、バニリン、バジル油、パチョリ油、ヒドロキシシトロネラール、α-ピネン、ピペリトン、ペルーバルサム、ベチバー油、ベチベロール、ペパーミント油、ペパー油、ヘリオトロピン、ベルガモット油、ベンジルベンゾエート、ボルネオール、ミルレジノイド、ムスクケトン、メチルノニルアセトアルデヒド、γ-メチルヨノン、メントール、L-メントール、L-メントン、ユーカリ油、β-ヨノン、ライム油、ラベンダー油、D-リモネン、リナロール、リラール、リリアール、レモン油、ローズアブソリュート、ローズオキシド、ローズ油、ローズマリー油等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。本発明の染毛剤組成物中の香料の含有量は特に限定されないが、例えば、染毛剤組成物全質量に対して0.01質量%~10質量%であることが好ましく、0.02質量%~5質量%であることがより好ましい。
【0038】
溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、アセトン、酢酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテル、水等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。本発明の染毛剤組成物中の溶剤の含有量は特に限定されないが、例えば、染毛剤組成物全質量に対して1質量%~95質量%であることが好ましく、10質量%~90質量%であることがより好ましい。
【0039】
本発明の染毛剤組成物の使用態様は、染毛剤として用いられる態様であれば特に限定されず、例えば、毛髪用、まつげ用、まゆげ用の、永久染毛剤、半永久染毛料、一時染毛料、脱色剤、脱染剤等を挙げることができる。また本発明の染毛剤組成物の形態も特に限定されず、使用態様や使用目的に応じて調整すればよいが、例えば、水溶液、分散液や乳液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等が挙げられ、それぞれ染毛剤組成物の各成分を公知の方法によって混合することで製造することができる。
【実施例
【0040】
以下、実施例及び比較例により本発明の詳細を説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。なお、以下の実施例等において、%は特に記載がない限り質量基準である。
【0041】
<染毛剤組成物の調製>
表1、2に記載の通りに本発明の(A)成分、(B)成分及びその他の成分を混合し、各pHを有するクリーム状の染毛剤組成物(実施例1~9、比較例1~3)を既知の方法により調製した。表中の各成分の数値は、染毛剤組成物全質量に対する各成分の質量%濃度を表す。また、(A)成分の代わりに(A)成分と化学構造が類似する化合物である(A)’成分を含有する染毛剤組成物(比較例4~19)、並びに(A)成分及び(A)’成分を含有しない染毛剤組成物(比較例20~23)を表3~5の通りに調製した。また、調製した実施例1~9、比較例1~23の染毛剤組成物のpHを、pHメータ(東亜ディーケーケー株式会社製、HM-25R)を用いて25℃で測定した。測定結果を表1~5にそれぞれ示す。
【0042】
<染毛性の評価>
調製した各染毛剤組成物1gを、それぞれ1gの毛髪束(白髪100%)に塗布し10分静置後、40℃の温水で10回すすぎ、室温で乾燥させることで染毛処理を行った。各染毛処理後の毛髪について目視で観察を行い、白髪の量がそれぞれ70%、50%、30%である毛髪サンプルと比較することで、下記評価基準に基づき染毛処理後の各毛髪の染毛性を評価した。評価結果を表6に示す。なお染毛性評価が○以上であれば実用性を有する。
【0043】
[染毛性の評価基準]
◎:残存白髪が30%未満
○:残存白髪が30%以上50%未満
△:残存白髪が50%以上70%未満
×:残存白髪が70%以上
【0044】
<触感評価>
染毛性の評価と同様の方法により、調製した各染毛剤組成物を用いて毛髪束をそれぞれ染毛処理した。各染毛処理後の毛髪の触感について、染毛処理前の毛髪の触感より向上した(ごわつき感が低減、べたつき感がない等)かどうかをパネラー10人がそれぞれ判定し、下記の評価基準に基づき触感評価を行った。評価結果を表6に示す。
【0045】
[触感の評価基準]
◎:触感が向上したと感じたパネラーが7人以上であった
○:触感が向上したと感じたパネラーが5~6人であった
△:触感が向上したと感じたパネラーが3~4人であった
×:触感が向上したと感じたパネラーが3人未満であった
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】
以上の結果から、本発明の染毛剤組成物は、染毛性及び使用感に優れることが示された。