IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.の特許一覧

特許7482258磁石アセンブリ、コイルアセンブリ、平面モータ、位置決めデバイス及びリソグラフィ装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】磁石アセンブリ、コイルアセンブリ、平面モータ、位置決めデバイス及びリソグラフィ装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20240502BHJP
   H02K 55/02 20060101ALI20240502BHJP
   H02K 41/03 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
G03F7/20 501
G03F7/20 521
H02K55/02
H02K41/03 A
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022570459
(86)(22)【出願日】2021-04-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-23
(86)【国際出願番号】 EP2021060007
(87)【国際公開番号】W WO2021233615
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】20175785.3
(32)【優先日】2020-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】デ ゲルセム,グドルン,ギレーヌ,アグネス
(72)【発明者】
【氏名】ハメリンク, ロジャー,フランシスカス,マテウス,マリア
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ダイヴェンボード,ジェロエン
【審査官】菅原 拓路
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0327327(US,A1)
【文献】特開2000-032733(JP,A)
【文献】特開2006-014592(JP,A)
【文献】特開2005-327993(JP,A)
【文献】国際公開第2019/058735(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20
H02K 41/00
55/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面電磁モータのための磁石アセンブリであって、
面パターンで配置された第1の複数の超伝導(SC)コイル、
前記平面パターンの外側境界に沿って配置された第2の複数のSCコイルであって、前記第1の複数のSCコイルのうちのコイルは、第1の面内形状を有し、及び前記第2の複数のSCコイルのうちのコイルは、前記第1の面内形状と異なる第2の面内形状を有し、前記第2の複数のSCコイルは、全ての前記第1の複数のSCコイルを囲む最小の矩形として定義される外周の内側に少なくとも部分的に配置される、第2の複数のSCコイル
を含む磁石アセンブリ。
【請求項2】
前記第1の面内形状の外側境界又は前記第2の面内形状の外側境界は、実質的に多角形の形状を有する、請求項に記載の磁石アセンブリ。
【請求項3】
前記第1の面内形状の前記外側境界は、実質的に矩形、八角形又は六角形の形状を有する、請求項に記載の磁石アセンブリ。
【請求項4】
前記第2の面内形状の前記外側境界は、実質的に三角形の形状を有する、請求項又はに記載の磁石アセンブリ。
【請求項5】
前記第1の複数のSCコイルのうちのコイルの外幅(Wo)は、前記平面パターンの平面に実質的に垂直な軸方向(AD)に沿って変化する、請求項1~の何れか一項に記載の磁石アセンブリ。
【請求項6】
前記第1の複数のSCコイルのうちのコイルの断面は、前記平面パターンの前記平面に実質的に垂直な平面においてテーパ形状を含む、請求項に記載の磁石アセンブリ。
【請求項7】
前記コイルの内幅(Wi)は、前記軸方向(AD)に沿って実質的に一定であり、前記コイルの外幅(Wo)は、前記軸方向に沿って変化する、請求項又はに記載の磁石アセンブリ。
【請求項8】
前記第1の複数のSCコイルのうちのコイル又は前記第2の複数のSCコイルのうちのコイルは、複数のSCコイルを含む、請求項1~の何れか一項に記載の磁石アセンブリ。
【請求項9】
前記第1の複数のSCコイル及び前記第2の複数のSCコイルの上面は、実質的に同一平面である、請求項1~の何れか一項に記載の磁石アセンブリ。
【請求項10】
前記上面は、使用中に前記平面電磁モータのコイルアセンブリに面する前記磁石アセンブリの平面を画定する、請求項に記載の磁石アセンブリ。
【請求項11】
前記上面に配置された導電性の層、箔又はプレートを更に含む、請求項又は10に記載の磁石アセンブリ。
【請求項12】
請求項1~11の何れか一項に記載の磁石アセンブリと、コイルアセンブリであって、前記磁石アセンブリと協働し、それにより、使用中、前記磁石アセンブリに対して前記コイルアセンブリを変位させるための電磁力を発生させるコイルアセンブリとを含む平面電磁モータ。
【請求項13】
前記第2の複数のSCコイルは、使用時、前記第1の複数のSCコイルによって使用時に発生された磁界の不均一性を少なくとも部分的に補償し、前記不均一性は、前記平面パターンの前記外側境界又はその付近で発生する、請求項12に記載の平面電磁モータ。
【請求項14】
前記第1の複数のSCコイルは、二次元空間交番磁界を発生させる、請求項12又は13に記載の平面電磁モータ。
【請求項15】
オブジェクトテーブルと、前記オブジェクトテーブルを変位させるための、請求項12に記載の平面電磁モータとを含む位置決めデバイス。
【請求項16】
前記磁石アセンブリの前記SCコイルに電流を供給するための電源を更に含む、請求項15に記載の位置決めデバイス。
【請求項17】
前記オブジェクトテーブルの位置を特定する位置測定システムを更に含む、請求項16に記載の位置決めデバイス。
【請求項18】
前記位置測定システムからのフィードバック信号に基づいて、前記電磁モータの前記電磁力を制御する制御システムを更に含み、前記フィードバック信号は、前記オブジェクトテーブルの前記位置を表す、請求項17に記載の位置決めデバイス。
【請求項19】
基板を位置決めするための、請求項18に記載の位置決めデバイスを含むリソグラフィ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2020年5月20日に出願された欧州特許出願公開第20175785.3号の優先権を主張するものであり、この特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、複数の超伝導コイルを含む磁石アセンブリと、そのような磁石アセンブリのための超伝導コイルアセンブリと、そのような磁石アセンブリを適用した平面モータと、そのような平面モータを含む位置決めデバイスと、そのような位置決めデバイスを含むリソグラフィ装置とに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に施すように構成された機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用され得る。リソグラフィ装置は、例えば、パターニングデバイス(例えば、マスク)のパターン(多くの場合に「設計レイアウト」又は「設計」とも呼ばれる)を、基板(例えば、ウェーハ)に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上に投影し得る。パターンの転写は、通常、基板に設けられた放射感応性材料(レジスト)層への結像により行われる。一般に、単一の基板は、順次パターン形成される隣接したターゲット部分のネットワークを含む。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンしながら、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行又は逆平行に同期してスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。
【0004】
[0004] 半導体製造プロセスが進歩し続けるにつれて、回路素子の寸法が小さくなり続ける一方、デバイス1個当たりのトランジスタなどの機能素子の量は、一般に「ムーアの法則」と呼ばれる傾向に従い、数十年にわたって着実に増加し続けている。ムーアの法則に追随するために、半導体業界では、一層小さいフィーチャを作成することを可能にする技術が求められている。基板にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は、電磁放射を使用し得る。この放射線の波長により、基板にパターン形成されるフィーチャの最小サイズが決まる。現在使用されている典型的な波長は、365nm(i線)、248nm、193nm及び13.5nmである。小さいフィーチャを基板に形成するために、例えば193nmの波長の放射線を使用するリソグラフィ装置ではなく、4nm~20nmの範囲内、例えば6.7nm又は13.5nmの波長を有する極端紫外線(EUV)放射を使用するリソグラフィ装置が使用され得る。
【0005】
[0005] パターンを放射ビームでスキャンしながら、パターン像で基板を同期してスキャンするために、位置決めデバイスを使用して配置されるオブジェクトテーブル上にパターニングデバイス及び基板が取り付けられる。一般に、このような位置決めデバイスは、電磁アクチュエータとモータとの組み合わせを含む。典型的な構成では、このような位置決めデバイスは、パターニングデバイス又は基板を6自由度で比較的短い距離にわたって正確に位置決めするためのショートストロークモジュールを含み得、パターニングデバイス又は基板を含むショートストロークモジュールは、ロングストロークモジュール(例えば、1つ又は複数の平面モータを含む)によって比較的長い距離にわたって移動可能である。このようなロングストロークモジュールの設計は、力の要件、使用可能なフットプリントに関する制約、許容可能な損失に関する制約など、様々な制約を満たす必要がある。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本発明の目的は、リソグラフィ装置に適用され得る改良されたロングストローク位置決めデバイスを提供することである。
【0007】
[0007] 本発明の第1の態様によれば、平面電磁モータのための磁石アセンブリであって、
- 外周の内側にあり、及び矩形パターンなどの平面パターンで配置された第1の複数の超伝導(SC)コイル、
- 平面パターンの外側境界に沿って配置された第2の複数のSCコイルであって、第1の複数のSCコイルのうちのコイルは、第1の面内形状を有し、及び第2の複数のSCコイルのうちのコイルは、第1の面内形状と異なる第2の面内形状を有し、第2の複数のSCコイルは、外周の内側に少なくとも部分的に配置される、第2の複数のSCコイル
を含む磁石アセンブリが提供される。
【0008】
[0008] 本発明の第2の態様によれば、平面電磁モータの磁石アセンブリのための超伝導(SC)コイルアセンブリであって、複数のSCコイルを含むSCコイルアセンブリが提供される。
【0009】
[0009] 本発明の第3の態様によれば、本発明による磁石アセンブリと、コイルアセンブリであって、磁石アセンブリと協働し、それにより、使用中、磁石アセンブリに対してコイルアセンブリを変位させるための電磁力を発生させるように構成されたコイルアセンブリとを含む平面電磁モータが提供される。
【0010】
[00010] 本発明の第4の態様によれば、本発明による平面電磁モータを含むリソグラフィ装置が提供される。
【0011】
[00011] ここで、添付の図面を参照して本発明の実施形態を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】リソグラフィ装置の概略図を示す。
図2図1のリソグラフィ装置の一部の詳細図を示す。
図3】位置制御システムを概略的に示す。
図4】当技術分野で既知の平面電磁モータの上面図を概略的に示す。
図5】超伝導コイルを有する磁石アセンブリを概略的に示す。
図6a】本発明による磁石アセンブリを概略的に示す。
図6b】本発明による磁石アセンブリを概略的に示す。
図6c】本発明による磁石アセンブリを概略的に示す。
図7】本発明による磁石アセンブリに適用され得るような、本発明によるコイル及びコイルアセンブリを概略的に示す。
図8】本発明による磁石アセンブリに適用され得るような、本発明によるコイル及びコイルアセンブリを概略的に示す。
図9】本発明の一実施形態による磁石アセンブリの一部を概略的に示す。
図10】本発明によるSCコイルアセンブリの断面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[00012] 本明細書では、「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(例えば、365、248、193、157又は126nmの波長を有する紫外線)及びEUV(極端紫外線、例えば5~100nmの範囲の波長を有する極端紫外線)を含む、あらゆるタイプの電磁放射を包含するように使用される。
【0014】
[00013] 本明細書において使用される場合、「レチクル」、「マスク」又は「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分に形成されるパターンに対応する、パターン形成された断面を入射放射ビームに与えるために使用され得る一般的なパターニングデバイスを指すものとして広義に解釈され得る。「ライトバルブ」という用語もこれに関連して使用され得る。古典的なマスク(透過性又は反射性、バイナリ、位相シフト、ハイブリッドなど)の他に、このようなパターニングデバイスの他の例としては、プログラマブルミラーアレイ及びプログラマブルLCDアレイが挙げられる。
【0015】
[00014] 図1は、リソグラフィ装置LAを概略的に示す。リソグラフィ装置LAは、放射ビームB(例えば、UV放射、DUV放射又はEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータとも呼ばれる)ILと、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続されたマスクサポート(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストでコーティングされたウェーハ)Wを保持するように構築され、特定のパラメータに従って基板サポート(例えば、ウェーハテーブル)WTを正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板サポートWTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば、1つ又は複数のダイを含む)ターゲット部分Cに投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSとを含む。
【0016】
[00015] 動作中、照明システムILは、放射源SOからの放射ビームを、例えばビームデリバリシステムBDを介して受光する。照明システムILは、放射を誘導、整形及び/又は制御するために、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気及び/又は他のタイプの光学コンポーネント或いはそれらの何れかの組み合わせなど、様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。イルミネータILは、パターニングデバイスMAの平面において放射ビームBが放射ビームBの断面内に所望の空間及び角度の強度分布を有するように放射ビームBを調節するために使用され得る。
【0017】
[00016] 本明細書で使用される「投影システム」PSという用語は、使用される露光放射及び/又は液浸液の使用若しくは真空の使用などの他の因子に合わせて、適宜、屈折光学系、反射光学系、反射屈折光学系、アナモルフィック光学系、磁気光学系、電磁気光学系及び/又は静電気光学系或いはそれらの任意の組み合わせを含む、様々なタイプの投影システムを包含するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書で「投影レンズ」という用語が使用される場合、これは、より一般的な「投影システム」PSという用語と同義と見なされ得る。
【0018】
[00017] リソグラフィ装置LAは、投影システムPSと基板Wとの間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部が、水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆われ得るタイプであり得、これは、液浸リソグラフィとも呼ばれる。液浸技法に関する更なる情報については、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,952,253号を参照されたい。
【0019】
[00018] リソグラフィ装置LAは、2つ以上の基板サポートWTを有するタイプでもあり得る(「デュアルステージ」とも呼ばれる)。このような「マルチステージ」機械では、基板サポートWTを並行して使用し得、及び/又は一方の基板サポートWT上に配置された基板Wに対して基板Wの後の露光の準備における工程が実行されている間、他方の基板サポートWT上の別の基板Wにパターンを露光するために別の基板Wを用い得る。
【0020】
[00019] 基板サポートWTに加えて、リソグラフィ装置LAは、測定ステージを含み得る。測定ステージは、センサ及び/又は洗浄デバイスを保持するように構成される。センサは、投影システムPSの特性又は放射ビームBの特性を測定するように構成され得る。測定ステージは、複数のセンサを保持し得る。洗浄デバイスは、投影システムPSの一部又は液浸液を供給するシステムの一部など、リソグラフィ装置の一部を洗浄するように構成され得る。基板サポートWTが投影システムPSから離れている場合、測定ステージは、投影システムPSの下方で移動し得る。
【0021】
[00020] 動作時、放射ビームBは、マスクサポートMT上に保持されている、マスクなどのパターニングデバイスMAに入射し、パターニングデバイスMA上に存在するパターン(設計レイアウト)によってパターン形成される。パターニングデバイスMAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分Cに合焦させる。第2のポジショナPW及び位置測定システムIFを用いて、例えば放射ビームBの経路内の合焦し、位置合わせした位置に異なるターゲット部分Cを位置決めするように、基板サポートWTを正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPMと、場合により別の位置センサ(図1には明示的に図示せず)とを用いて、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めし得る。パターニングデバイスMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を用いて位置合わせすることができる。図示されている基板アライメントマークP1、P2は、専用のターゲット部分を占有するが、それらをターゲット部分間の空間に配置することも可能である。基板アライメントマークP1、P2は、これらがターゲット部分C間に配置される場合、スクライブラインアライメントマークとして知られている。
【0022】
[00021] 本発明を明確にするためにデカルト座標系を用いる。デカルト座標系は、3つの軸、すなわちx軸、y軸及びz軸を有する。3つの軸のそれぞれは、他の2つの軸に対して直交している。x軸を中心とした回転をRx回転と呼ぶ。y軸を中心とした回転をRy回転と呼ぶ。z軸を中心とした回転をRz回転と呼ぶ。x軸及びy軸は、水平面を画定し、z軸は、垂直方向を向く。デカルト座標系は、本発明を限定するものではなく、単に明確にするために使用される。代わりに、円筒座標系などの別の座標系を用いて本発明を明確にすることも可能である。デカルト座標系の向きは、例えば、z軸が水平面に沿った成分を有するなど、異なり得る。
【0023】
[00022] 図2は、図1のリソグラフィ装置LAの一部の更なる詳細図を示す。リソグラフィ装置LAは、ベースフレームBF、バランスマスBM、メトロロジフレームMF及び防振システムISが設けられ得る。メトロロジフレームMFは、投影システムPSを支持する。加えて、メトロロジフレームMFは位置測定システムPMSの一部を支持し得る。メトロロジフレームMFは、防振システムISを介してベースフレームBFによって支持される。防振システムISは、ベースフレームBFからメトロロジフレームMFに振動が伝播することを防止又は低減するように配置される。
【0024】
[00023] 第2のポジショナPWは、基板サポートWTとバランスマスBMとの間に駆動力を与えることにより、基板サポートWTを加速させるように構成される。駆動力は、基板サポートWTを所望の方向に加速させる。運動量の保存により、駆動力は、バランスマスBMにも、等しい大きさであるが、所望の方向とは反対の方向に印加される。典型的には、バランスマスBMの質量は、第2のポジショナPW及び基板サポートWTの可動部分の質量よりも著しく大きい。
【0025】
[00024] 一実施形態では、第2のポジショナPWは、バランスマスBMによって支持される。例えば、第2のポジショナPWは、基板サポートWTをバランスマスBMの上方に浮かせるための平面モータを含む。別の実施形態では、第2のポジショナPWは、ベースフレームBFによって支持される。例えば、第2のポジショナPWがリニアモータを含み、第2のポジショナPWは、基板サポートWTをベースフレームBFの上方に浮かせるためのガスベアリングなどのベアリングを含む。
【0026】
[00025] 位置測定システムPMSは、基板サポートWTの位置を特定するのに適した任意のタイプのセンサを含み得る。位置測定システムPMSは、マスクサポートMTの位置を特定するのに適した任意のタイプのセンサを含み得る。センサは、干渉計又はエンコーダなどの光センサであり得る。位置測定システムPMSは、干渉計とエンコーダとの複合システムを含み得る。センサは、磁気センサ、静電容量センサ又は誘導センサなどの別のタイプのセンサであり得る。位置測定システムPMSは、メトロロジフレームMF又は投影システムPSなどの基準に対する位置を特定し得る。位置測定システムPMSは、位置を測定するか、或いは速度又は加速度などの位置の時間微分を測定することにより、基板テーブルWT及び/又はマスクサポートMTの位置を特定し得る。
【0027】
[00026] 位置測定システムPMSは、エンコーダシステムを含み得る。エンコーダシステムは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる2006年9月7日出願の米国特許出願公開第2007/0058173号から知られる。エンコーダシステムは、エンコーダヘッド、格子及びセンサを含む。エンコーダシステムは、1次放射ビーム及び2次放射ビームを受光し得る。1次放射ビーム及び2次放射ビームの何れも、同じ放射ビーム、すなわちオリジナル放射ビームから生じる。1次放射ビーム及び2次放射ビームの少なくとも一方は、格子を用いてオリジナル放射ビームを回折させることによってもたらされる。1次放射ビーム及び2次放射ビームの両方が、格子を用いてオリジナル放射ビームを回折させることによってもたらされる場合、1次放射ビームは、2次放射ビームと異なる回折次数を有する必要がある。異なる回折次数は、例えば、+1次、-1次、+2次及び-2次である。エンコーダシステムは、1次放射ビーム及び2次放射ビームを複合放射ビームに光学的に組み合わせる。エンコーダヘッド内のセンサは、複合放射ビームの位相又は位相差を測定する。センサは、位相又は位相差に基づいて信号を発生させる。信号は、格子に対するエンコーダヘッドの位置を表す。エンコーダヘッド及び格子の一方は、基板構造WT上に配置され得る。エンコーダヘッド及び格子の他方は、メトロロジフレームMF又はベースフレームBF上に配置され得る。例えば複数のエンコーダヘッドは、メトロロジフレームMF上に配置され、格子は、基板サポートWTの上面上に配置される。別の例では、格子は、基板サポートWTの底面上に配置され、エンコーダヘッドは、基板サポートWTの下に配置される。
【0028】
[00027] 位置測定システムPMSは、干渉計システムを含み得る。干渉計システムは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる1998年7月13日出願の米国特許第6,020,964号から知られている。干渉計システムは、ビームスプリッタ、ミラー、基準ミラー及びセンサを含み得る。放射のビームは、ビームスプリッタによって基準ビーム及び測定ビームに分割される。測定ビームは、ミラーに伝播し、ミラーによってビームスプリッタに後方反射される。基準ビームは、基準ミラーに伝播し、基準ミラーによってビームスプリッタに後方反射される。ビームスプリッタにおいて、測定ビームと基準ビームとは、複合放射ビームに組み合わされる。複合放射ビームは、センサに入射する。センサは、複合放射ビームの位相又は周波数を測定する。センサは、位相又は周波数に基づいて信号を発生させる。信号は、ミラーの変位を表す。一実施形態では、ミラーは、基板サポートWTに接続される。基準ミラーは、メトロロジフレームMFに接続され得る。一実施形態では、測定ビーム及び基準ビームは、ビームスプリッタではなく、追加の光学コンポーネントにより、複合放射ビームに組み合わされる。
【0029】
[00028] 第1のポジショナPMは、ロングストロークモジュールとショートストロークモジュールとを含み得る。ショートストロークモジュールは、小さい移動範囲にわたって高精度でロングストロークモジュールに対してマスクサポートMTを移動させるように構成される。ロングストロークモジュールは、大きい移動範囲にわたって相対的に低い精度で投影システムPSに対してショートストロークモジュールを移動させるように構成される。ロングストロークモジュールとショートストロークモジュールとを組み合わせることにより、第1のポジショナPMは、大きい移動範囲にわたって高精度で投影システムPSに対してマスクサポートMTを移動させることができる。同様に、第2のポジショナPWは、ロングストロークモジュールとショートストロークモジュールとを含み得る。ショートストロークモジュールは、小さい移動範囲にわたって高精度でロングストロークモジュールに対して基板サポートWTを移動させるように構成される。ロングストロークモジュールは、大きい移動範囲にわたって相対的に低い精度で投影システムPSに対してショートストロークモジュールを移動させるように構成される。ロングストロークモジュールとショートストロークモジュールとを組み合わせることにより、第2のポジショナPWは、大きい動範囲にわたって高精度で投影システムPSに対して基板サポートWTを移動させることができる。
【0030】
[00029] 第1のポジショナPM及び第2のポジショナPWは、マスクサポートMT及び基板サポートWTをそれぞれ移動させるためのアクチュエータがそれぞれ設けられる。アクチュエータは、単一の軸、例えばy軸に沿って駆動力を提供するためのリニアアクチュエータであり得る。複数の軸に沿って駆動力を提供するために複数のリニアアクチュエータが設けられ得る。アクチュエータは、複数の軸に沿って駆動力を提供するための平面アクチュエータであり得る。例えば、平面アクチュエータは、基板サポートWTを6自由度で移動させるように構成され得る。アクチュエータは、少なくとも1つのコイルと少なくとも1つの磁石とを含む電磁アクチュエータであり得る。アクチュエータは、少なくとも1つのコイルに電流を印加することにより、少なくとも1つの磁石に対して少なくとも1つのコイルを移動させるように構成される。アクチュエータは、それぞれ基板サポートWT及びマスクサポートMTに結合される少なくとも1つの磁石を有する磁石可動タイプのアクチュエータであり得る。アクチュエータは、それぞれ基板サポートWT及びマスクサポートMTに結合される少なくとも1つのコイルを有するコイル可動タイプのアクチュエータであり得る。アクチュエータは、ボイスコイルアクチュエータ、リラクタンスアクチュエータ、ローレンツアクチュエータ若しくはピエゾアクチュエータ又は任意の他の適切なアクチュエータであり得る。
【0031】
[00030] リソグラフィ装置LAは、図3に概略的に示すような位置制御システムPCSを含む。位置制御システムPCSは、セットポイントジェネレータSP、フィードフォワードコントローラFF及びフィードバックコントローラFBを含む。位置制御システムPCSは、アクチュエータACTに駆動信号を提供する。アクチュエータACTは、第1のポジショナPM又は第2のポジショナPWのアクチュエータであり得る。アクチュエータACTは、基板サポートWT又はマスクサポートMTを含み得るプラントPを駆動する。プラントPの出力は、位置又は速度又は加速度などの位置量である。位置量は、位置測定システムPMSを用いて測定される。位置測定システムPMSは、プラントPの位置量を表す位置信号である信号を発生させる。セットポイントジェネレータSPは、プラントPの所望の位置量を表す基準信号である信号を発生させる。例えば、基準信号は、基板サポートWTの所望の軌道を表す。基準信号と位置信号との間の差分は、フィードバックコントローラFBのための入力を形成する。入力に基づいて、フィードバックコントローラFBは、アクチュエータACTのための駆動信号の少なくとも一部を提供する。基準信号は、フィードフォワードコントローラFFのための入力を形成し得る。入力に基づいて、フィードフォワードコントローラFFは、アクチュエータACTのための駆動信号の少なくとも一部を提供する。フィードフォワードFFは、質量、剛性、共振モード及び固有周波数など、プラントPの動的特徴に関する情報を使用し得る。
【0032】
[00031] 本発明では、改良された電磁モータ、特に平面電磁モータが説明される。通常、平面電磁モータは、磁石アセンブリとコイルアセンブリとを含む。図4では、当技術分野で既知の平面モータの上面図が概略的に示されている。平面モータ100は、2つの方向、すなわちX方向及びY方向で空間的な交番磁界を発生させるように構成された複数の永久磁石210を含む磁石アセンブリ200を含む。空間的な交番磁界は、X方向、Y方向並びにX方向及びY方向に垂直なZ方向に成分を有することに留意されたい。灰色の正方形で示された磁石は、白色の正方形で示された磁石とは反対の磁気分極を有する。灰色の正方形で示された磁石は、例えば、図面の紙面に垂直に及び紙面内に入る向きの磁界を発生し得る一方、白色の正方形で示された磁石は、例えば、図面の紙面に垂直に及び紙面の外に出る向きの磁界を発生し得る。
【0033】
[00032] 平面モータ100は、コイルアセンブリ220のコイル又はコイルセット220.1、220.2、220.3及び220.4に適切な電流を与えることにより、X方向及びY方向で力を発生させるように構成されたコイルアセンブリ220を更に含む。図示の実施形態では、各コイルセットは、3つ組のコイルを含む。コイルセットに適切な電力を供給することにより、コイルアセンブリ220のコイルを流れる電流と、磁石アセンブリ200の磁界との相互作用によって力を発生させることができる。矢印250は、電力供給時に異なるコイルセットで発生され得る力を概略的に示す。当業者に理解されるように、異なるコイルセットに適切に電力を供給することにより、コイルアセンブリ及びそれに取り付けられた任意の物体を、示されたXY平面内で変位させ位置決めすることができ、XY平面に垂直な軸を中心として回転させることができる。コイルセットに適切に電力を供給することにより、面外力、すなわちXY平面に平行でない力も発生させ得ることも指摘し得る。そうすることにより、コイルアセンブリ220の重量を相殺することができ、発生された電磁力により、コイルアセンブリを、例えばそれに取り付けられたオブジェクトテーブルと一緒に浮上させることができる。一般に、コイルアセンブリ220は、このように磁石アセンブリ200に対して6自由度、すなわち3並進自由度及び3回転自由度で位置決めされ得る。
【0034】
[00033] 平面モータ100などの平面電磁モータを動作させるために必要とされる磁界分布を発生させるために永久磁石210などの永久磁石を使用する代わりに、超伝導(SC)コイルを使用することが提案されている。このような実施形態では、円形又は円筒形のコイルは、コイルに電流が供給されたときにコイルの軸方向に沿って磁界を発生させる役割を果たし得る。コイル及び供給電流を適切に構成することにより、使用時、図4に示す磁石アセンブリ200によって発生される磁界と同様の二次元空間交番磁界を発生させる磁石アセンブリを得ることができる。図5は、電力が供給されると、二次元空間交番磁界を発生させ得る超伝導(SC)コイル310の磁石アセンブリ300の上面図を概略的に示す。SCコイル310における矢印320は、SCコイル310に流れる電流の方向を示す。
【0035】
[00034] このような超伝導コイル310の磁石アセンブリ300は、永久磁石210の同様のアレイよりも実質的に大きい磁界を発生させることができるという事実にもかかわらず、このようなアレイによって発生される磁界は、最適ではないことが判明している。
【0036】
[00035] したがって、本発明の目的は、超伝導コイルを装備した平面モータのための磁石アセンブリを更に改良し、そのような磁石アセンブリに適用され得る超伝導コイルを改良することである。
【0037】
[00036] 平面モータなどの電磁モータを設計する場合、モータのコイルアセンブリ、例えば図4に示すコイルアセンブリ220は、磁石アセンブリ、例えば図4に示す磁石アセンブリ200がカバーする領域全体にわたって動作し得ることを確保することが有益である。しかしながら、磁石アセンブリの縁部若しくは境界又はその付近では、発生した磁界がモータの要件を満たすために、同じ所望の又は必要な特性を有しないことがある。磁石アセンブリ300若しくは磁石アセンブリ200の縁部又はその付近では、磁界が徐々にエッジ効果を受けることにより、協働するコイルアセンブリとの相互作用が低下又は劣化する。そのため、磁石アセンブリに対してコイルアセンブリがモータの性能を損なわずに動作し得る領域は、磁石又はSCコイルによってカバーされる領域よりも一般に小さい。図5に示す点線340は、単に例示として、二次元空間交番磁界の発生に磁石アセンブリ300を使用する平面モータのコイルアセンブリの動作領域を概略的に示す。このように、点線340の内側の領域は、モータを動作させるための実際の有用な領域である一方、点線350によって示される磁石アセンブリの外周の内側の領域は、モータによってカバーされる実際のフットプリントと相互に相関する。このため、磁石アセンブリ300の縁部又はその付近で発生する磁界の変動又は減少により、磁石アセンブリ300によってカバーされる領域の部分が非効率又は無効になる。
【0038】
[00037] 図4及び図5にそれぞれ示すように、永久磁石210又は超伝導コイル310の何れかの磁石の分布を検討すると、磁石アセンブリの縁部に沿った磁気パターンは、やや鋸歯状又は歯状であり、すなわち磁石の二次元パターンに沿った縁部は、平滑でないことが分かる。換言すれば、磁石アセンブリの縁部に沿って、SCコイル310によってカバーされない小さい間隙又は空き領域360が存在することが分かる。本発明者らは、発生した磁界の不均一性又は変動が、空き領域360において磁石アセンブリの縁部に沿って追加のSCコイルを設けることにより、少なくとも部分的に相殺され得ることを見出した。そうすることにより、モータを動作させるための有用な領域340を拡大することができる。空き領域360において磁石アセンブリ300の縁部又は境界に沿って追加のSCコイルを設けることにより、磁石アセンブリの縁部付近で発生する磁界の不均一性又は変動を緩和することができる。
【0039】
[00038] 設けられる追加のSCコイルは、二次元空間交番磁界の発生に使用されるSCコイル310と異なる形状又はサイズを有する必要があることを更に指摘し得る。特に、領域360などの空き領域に適合するために、追加のSCコイルの面内形状は、空き領域を最も効果的に充填するために異なることが好ましい。一例として、追加のSCコイルは、例えば、くさび形又は三角形であり得る。これに関して、面内は、磁石アセンブリの平面を指し、磁石アセンブリの平面に沿ってSCコイル310のアレイが広がる。したがって、コイルの面内形状は、上面から見た形状と考えることができる。
【0040】
[00039] このため、本発明の一態様によれば、平面電磁モータのための磁石アセンブリが提供され、磁石アセンブリは、例えば、二次元空間交番磁界を発生させるための第1のセットのSCコイルと、磁石アセンブリの縁部又はその付近における磁界の均一性を改善するための、追加又は補助SCコイルとも呼ばれ得る第2のセットのSCコイルとを含む。
【0041】
[00040] したがって、このような磁石アセンブリは、
- 平面パターンで配置された第1の複数の超伝導(SC)コイルと、
- 平面パターンの外側境界に沿って配置された第2の複数のSCコイルであって、第1の複数のSCコイルのうちのコイルは、第1の面内形状を有し、及び第2の複数のSCコイルのうちのコイルは、第1の面内形状と異なる第2の面内形状を有する、第2の複数のSCコイルと
を含むと説明され得る。
【0042】
[00041] 本発明の一実施形態では、本発明による磁石アセンブリに設けられる第2の複数のSCコイルは、使用時、第1のセットのSCコイルによって使用時に発生された磁界の不均一性を少なくとも部分的に補償するように構成され、不均一性は、平面パターンの外側境界又はその付近で発生する。上で説明したように、磁石アセンブリの縁部に沿った間隙又は空き空間を追加のSCコイルで少なくとも部分的に充填することにより、磁石アセンブリの境界又は縁部の付近の不均一性を緩和し、それにより平面モータの有用又は有効な動作領域を増加させることができる。
【0043】
特に、このような実施形態では、第2の複数のSCコイルは、使用時、第1のセットのコイルによって使用時に発生された磁界の不均一性を少なくとも部分的に補償するように構成され、不均一性は、平面パターンの外側境界又はその付近で発生する。
【0044】
[00042] 図5を参照すると、磁石アセンブリ300の縁部に沿って追加のSCコイルを設けることにより、結果として、二次元空間交番磁界の発生のために磁石アセンブリ300を使用する平面モータの有用な領域340が拡大され得る。
【0045】
[00043] 本発明の一実施形態では、第2のセットのSCコイルは、磁石アセンブリ300の外周、特に第1のセットのSCコイルによって描かれる磁石アセンブリの外周350を越えて広がらないように寸法及びサイズを定められる。図5を参照すると、第1のセットのSCコイル310によって描かれる磁石アセンブリ300の外周350は、例えば、すべてのSCコイル310を囲む最小の矩形として定義され得る。第2のセットのSCコイルが磁石アセンブリ300の外周を越えて広がらないようにすることにより、磁石アセンブリ300のフットプリントは、第2のセットのSCコイルの追加により実質的に影響を受けない。
【0046】
[00044] 本発明の別の態様によれば、平面モータのための磁石アセンブリが提供され、磁石アセンブリは、例えば、二次元空間交番磁界を発生させるための複数のSCコイルを有し、上記SCコイルは、実質的に多角形の形状を有する。特に、本発明の一実施形態では、設けられる複数のSCコイルは、コイルの面内形状の外側境界が実質的に多角形の形状を有するように形状を定められる。第1の面内形状を有する第1の複数のSCコイルと、第2の面内形状を有する第2の複数のSCコイルとを有する上述の実施形態を参照すると、本発明の一実施形態は、磁石アセンブリを含み得、第1の面内形状若しくは第2の面内形状の何れか又は第1の面内形状及び第2の面内形状の両方が実質的に多角形の形状を有する外側境界を有する。
【0047】
[00045] 実質的に多角形の形状を有するSCコイルを使用することにより、磁石アセンブリの利用可能なフットプリントをよりよく利用できることが提示される。図5を参照すると、磁石アセンブリ300の円形のSCコイル310間において、磁界の発生に寄与しない間隙又は空き領域370が存在することを指摘し得る。換言すれば、磁界の発生に使用されるSCコイル310のフィルファクタは、最適ではない。
【0048】
[00046] 本発明者らは、SCコイルの異なる形状、特に多角形の形状を使用することにより、改善された磁界の発生が実現され得ることを見出した。本発明の一実施形態では、第1の面内形状の外側境界は、実質的に三角形、矩形、八角形又は六角形の形状を有する。
【0049】
[00047] 多角形の形状が適用される、本発明による磁石アセンブリの第1の例が図6aに概略的に示されている。図6aは、本発明の一実施形態による磁石アセンブリ400の部分を概略的に示し、磁石アセンブリ400は、第1の複数のSCコイル410を含み、上記SCコイル410は、実質的に多角形の外側境界、特に矩形又は正方形の外側境界410.1を有する。
【0050】
[00048] 図示のように、図5に示す実質的に円形のSCコイル310ではなく、実質的に正方形のSCコイル410を使用した結果、隣接するSCコイル410間の間隙470が、図5に示す隣接する円形のSCコイル310間の間隙370よりも実質的に小さくなる点で磁石アセンブリのフットプリントがより有効に使用される。SCコイル410における矢印420は、使用中にSCコイルSC410に流れる電流の方向を示す。図示のように、印加された電流の方向により、時計回り及び反時計回りに流れる電流の空間交番パターンがもたらされ、その結果、一般にN極及びS極の二次元アレイとして表される空間交番磁界が生じ、各極は、磁石アセンブリ400のSCコイル410と関連付けられ得る。
【0051】
[00049] 図6aに示す実施形態では、磁石アセンブリ400は、磁石アセンブリ400の縁部に沿って配置された第2のセット又は複数のSCコイル430を更に含み、上記第2のセットのSCコイルのうちのコイル430は、実質的に三角形の形状を有する。特に、第2の複数のコイルのうちのコイル430の面内形状の外側境界430.1は、実質的に三角形の形状を有する。第2のセットのSCコイルを使用することにより、第1のセットのコイル410によって発生された磁界の不均一性が緩和され、これにより、平面モータで使用される場合の磁石アセンブリの有効動作領域又は有用な領域が増加することが分かる。
【0052】
[00050] 図6aに示す例では、矩形及び三角形のコイルを使用しているが、既に述べたように、他の面内形状又は異なる面内形状の特定の組み合わせも適用され得ることが当業者に理解されるであろう。このような他の多角形の形状のコイルを使用することは、利用可能なフットプリントのフィルファクタも改善し得、及び/又は磁石アセンブリの縁部若しくは境界又はその付近における磁界の均一性も改善し得る。
【0053】
[00051] 磁石アセンブリ400の縁部に沿って配置された第2のセット又は複数のSCコイル430を使用することに関連して、縁部又はその付近で磁界の均一性に同様の効果をもたらす代替的なコイル又は巻線を適用できることを指摘し得る。図6bは、このような構成を概略的に示す。
【0054】
[00052] 図6bは、SCコイル410と同様又は同じであり得る第1のセットのSCコイル510を含む磁石アセンブリ500を概略的に示す。矢印520は、使用時にSCコイル510に流れる電流の方向を示す。図6aに示すコイル430などの三角形のコイルを使用するのではなく、磁石アセンブリ500は、SCコイル530.1及び530.2などの直線経路又は軌道を辿るか、又はSCコイル530.3及び530.4などの蛇行若しくはジグザグの経路若しくは軌道を辿る第2のセットのSCコイル又は巻線530を更に含む。矢印530.5、530.6、530.7及び530.8は、それぞれのSCコイル530.1、530.2、530.3及び530.4における電流の方向を示す。当業者に理解されるように、図6bに概略的に示す第2のセットのSCコイル530によって発生される磁界は、図6aに示すSCコイル430によって発生される磁界と同様であり得る。SCコイル430と比較して、図6bに概略的に示すSCコイル530は、比較的鋭い縁部又は角部を有しないか又は必要としない。したがって、SCコイル530の必要な曲げ半径がより容易に実現され得る。
【0055】
[00053] 図6cは、本発明の一実施形態において適用され得る更に別の代替的なコイル又は巻線の構成を概略的に示す。図6cは、SCコイル410と同様又は同じであり得る第1のセットのSCコイル610を含む磁石アセンブリ600を概略的に示す。矢印620は、使用時にSCコイル610に流れる電流の方向を示す。図6aに示すコイル430などの三角形のコイルを使用するのではなく、磁石アセンブリ600は、第2のセットのSCコイル630を更に含む。第2のセットのSCコイルは、実質的に矩形の面内形状を有する第1のSCコイル630.1と、SCコイル610の周縁に沿って蛇行又はジグザグの経路又は軌道を辿る第2のSCコイル630.2とを含む。図示の実施形態では、コイル630.1及び630.2の両方が第1のセットのSCコイル610を囲んでいる。矢印630.3及び630.4は、使用中にそれぞれのSCコイル630.1及び630.2に流れる電流の向きを示す。当業者に理解されるように、図6cに概略的に示す第2のセットのSCコイル630によって発生される磁界は、図6aに示すSCコイル430によって発生される磁界と同様であり得る。SCコイル430と比較して、図6cに概略的に示すSCコイル630は、比較的鋭い縁部又は角部を有しないか又は必要としない。したがって、SCコイル630の必要な曲げ半径がより容易に実現され得る。
【0056】
[00054] 多角形の形状のコイルを使用することにより、SCコイルを密に又はより密に充填することができ、その結果、コイル間の力の伝達を改善することができ、コイル間の相互作用力を調節し得るように、コイルの機械的取り付けが容易になることを更に指摘し得る。この点において、使用中、SCコイル、特に磁石アセンブリの縁部又はその付近にあるSCコイルには、かなりの面内力が作用することを指摘し得る。
【0057】
[00055] 本発明の更に別の態様によれば、本発明による磁石アセンブリなどの磁石アセンブリに使用され得るSCコイルに対する様々な改良形態が提案される。
【0058】
[00056] 第1の例として、コイルの外幅が、平面パターンの平面に実質的に垂直な軸方向に沿って変化するSCコイルが開示される。
【0059】
[00057] このようなSCコイルが図7に概略的に示されている。図7(a)及び図7(b)は、2つのSCコイル700、750の断面図を概略的に示す。図7(a)及び図7(b)では、点線ADは、SCコイル700、750の軸方向を表す。これは、例えば、コイルが巻かれる軸を表すことができる。軸方向ADは、コイル700、750の縦軸とも呼ばれ得る。しかしながら、コイルは、円形又は円筒形のコイルである必要はなく、SCコイル700又はコイル750の面内形状、すなわち軸方向ADに実質的に垂直な方向の形状は、例えば、上述のように多角形の形状であり得ることに留意されたい。
【0060】
[00058] 図7に概略的に示すように、SCコイル700、750の外幅Woは、軸方向ADに沿って変化する。SCコイル700は、軸方向に沿ってコイルの外幅(Wo)が徐々に変化する部分を有する。このような部分は、テーパ部分とも呼ばれ得る。したがって、図7(a)に概略的に示すSCコイル700は、テーパ形状を含む断面を有するコイルと説明され得る。SCコイル750は、軸方向ADに沿って外幅Woがより急激に変化する。
【0061】
[00059] 図7(a)及び図7(b)に示す実施形態では、コイルの内幅(Wi)は、軸方向(AD)に沿って実質的に一定である。
【0062】
[00060] このようなコイル700、750の製造に関連して、SCコイルは、通常、テープ又はリボン状の超伝導体を用いて巻かれることを指摘し得る。このようなテープ又はリボン状の超伝導体は、絶縁層で包まれるか又は囲まれ得る。代替的に、超伝導テープ又はリボンは、非絶縁層又は金属層などの導電層で囲まれ得る。
【0063】
[00061] 一実施形態では、変化する外幅Woを有するSCコイル700、750は、その長さLに沿って変化する高さHを有するテープ状の超伝導体から製造され得る。このような導体725が図7(c)に概略的に示されている。図7(c)は、長さL及びSCコイルの内側におけるSCコイル700の高さに対応する初期高さH1を有するテープ状の導体725を概略的に示し、高さは、徐々に変化して、SCコイルの外側におけるSCコイル700の高さである高さH2となる。テープ状の超伝導体725に不連続又はより急激な高さの変化を与えた場合、図7(b)に示すSCコイルを得ることができる。
【0064】
[00062] 代替的に、軸方向又は縦軸に沿って変化する幅を有するSCコイルは、
- その長さに沿って実質的に一定の高さを有するテープ状の超伝導体を用いてSCコイルを巻くことと、
- SCコイルを巻いた後、所望の断面形状になるように余分な材料を除去することと
によって得ることもできる。
【0065】
[00063] 図7(d)は、このプロセスを図7(a)によるコイル700について概略的に示す。図7(d)では、SCコイル700は、第1の工程において、点線710で示されるように矩形の断面を有するコイルになるように、その全長に沿って高さH1を有するSCテープを巻くこと、次いで所望の断面になるように余分な材料を除去する第2の工程によって得られる。余分な材料を除去することは、例えば、適切な切削動作によって実現され得る。
【0066】
[00064] コイル700又は750など、変化する外幅Woを有するSCコイルに関連して、以下の利点を挙げることができる。
【0067】
[00065] まず、変化する外幅Woを有するSCコイルは、より有利な電流分布で動作することを指摘し得る。当業者に理解されるように、上で概略的に説明されたコイル700及び750は、外側の巻線と比較して、内側巻線における電流分布が異なる。外側巻線は、高さが小さいため、コイルの外側又はコイルの外側巻線の電流密度が内側巻線より高くなる。このような電流分布により、SCコイルに使用する空間をより小さくして同様の磁界を発生させ得ることが判明している。この点において、電流密度の上限は、コイルの外側巻線よりもコイルの内側巻線において小さくなり得ることを指摘し得る。当業者に理解されるように、SCコイルにおいて印加される電流密度は、超伝導体を超伝導状態に維持するための上限を有し、上記上限は、とりわけ、超伝導体の位置における局所磁界に依存する。このように、適用可能な電流密度の上記上限は、SCコイルの断面全体で一定でないことが判明している。特に、コイルの外側巻線では、内側巻線に比べて高い電流密度が許容されることが判明している。そのため、図7に概略的に示すコイルは、最適化された断面形状を有して、電流及び電流密度分布を改善すると考えられ得る。したがって、SCコイル700及び750は、その長さに沿って同じ高さを有する超伝導体を有するコイルと同じアンペア回数で動作させることができるが、必要とする空間がより少ない。
【0068】
[00066] SCコイル700及び750の断面を見ると、これらの断面は、一定の高さのテープ状の導体を用いて、コイルを巻くのみで得られる矩形の断面に比べて小さくなっていると考えられる。換言すれば、外幅のWoを変化させたSCコイルを構築することにより、本来SCコイルによって占有されるはずの空間が空く。図7(a)では、上記空き空間は、点線の三角形730で示され、図7(b)では、上記空き空間は、点線の矩形740で示されている。
【0069】
[00067] 本発明の一実施形態では、上記空き空間730又は740は、それぞれSCコイル700及びSCコイル750の熱的調節を改善するために使用される。特に、一実施形態では、空き空間730、740は、冷却フィンなどの冷却構造又は冷却剤を供給され得る冷却チャネルを収容するために使用され得る。
【0070】
[00068] 代替的に、空き空間730又は740を更なるSCコイルが占有することもできる。更に代替的に、空き空間は、空のままであり得る。このような場合、SCコイルが使用される磁石アセンブリの質量を減らすことができる。
【0071】
[00069] 図7に概略的に示すSCコイル700又はSCコイル750は、本発明による磁石アセンブリなどの磁石アセンブリに設けることができ、SCコイル700は、第1の複数のSCコイル若しくは第2の複数のコイル又はその両方において使用されることを指摘し得る。
【0072】
[00070] 改善された特性を有し、本発明による磁石アセンブリにおいて有利に設けられ得るSCコイルの第2の例として、複数のコイルを含むSCコイルが挙げられる。このような実施形態では、本発明による磁石アセンブリに設けられた場合、磁界の磁極は、単一のコイル、例えば図6に示すSCコイル410の1つで発生されるのではなく、複数のコイルの組み合わせによって発生される。本発明の意味において、磁極の発生のために磁石アセンブリで使用されるように構成されたこのような複数のSCコイルの組み合わせを超伝導(SC)コイルアセンブリと呼ぶ。
【0073】
[00071] 一実施形態では、そのようなSCコイルアセンブリの複数のコイルは、例えば、同じ軸方向又は縦方向軸を有し得る。
【0074】
[00072] 以下の図面は、本発明によるSCコイルアセンブリの様々な実施形態を概略的に示す。
【0075】
[00073] 図8(a)は、内側コイル810と外側コイル820とを含む、本発明によるSCコイルアセンブリ800の断面図を概略的に示す。図示の実施形態では、内側コイル810は、高さHiを有し、外側コイル820は、高さHoを有する。図示の実施形態では、Hi>Hoである。
【0076】
[00074] 図8(a)に概略的に示すSCコイルアセンブリ800は、図7を参照して説明したSCコイル700及び750と実質的に同じ又は同様の利点を提供し得、SCコイルアセンブリの性能を更に最適化するための追加の設計自由度を提供し得ることを指摘し得る。特に、当業者に理解されるように、一実施形態では、SCコイル810及び820は、別個の電源によって電力を供給されて、コイルにおける電流及び電流密度を独立に選択できるようにし得る。そのため、外側コイル820の電流密度は、内側コイルの電流密度よりもいくぶん高くなるように選択することができる。代替的に、コイル810及び820は、直列に接続され、同じ電源によって電力を供給され得る。内側コイル810の巻線の断面が大きいと仮定すると、内側コイル810の電流密度は、外側コイル820の電流密度よりも小さい。しかしながら、複数のコイルが設けられる場合、同じ種類の超伝導体から製造される必要はないことに留意されたい。本発明によるSCコイルアセンブリに複数のコイルを使用することにより、寸法又は使用される材料に関して各コイルを独立に設計できるという点で更なる設計の自由度が提供される。異なるコイルは、異なる巻線構成も有し得ることも指摘し得る。巻線構成は、例えば、コイルの巻数を含むことができるが、2つ以上の超伝導体を並列に巻くことも含み得る。例として、例えば、内側コイル810は、2つの超伝導体テープを並列に使用し、外側コイル820は、1つの超伝導体テープのみを使用して巻くことができる。そうすることにより、SCコイルアセンブリの異なるコイルにおける電流密度の更なる区別を確立することができる。
【0077】
[00075] 図8(a)に示す実施形態では、Hi>Hoとなる選択に起因して、またSCコイル810及び820を、それらの上面TSi及びTsoが同一平面であるように配置することにより、図7を参照して説明した空間730及び740と同様に、SCコイルアセンブリの熱的調節を改善するために使用され得る空間830が利用可能であることが更に分かる。
【0078】
[00076] 一実施形態では、本発明によるSCコイルアセンブリに設けられる異なるSCコイルは、同じ若しくは略同じ面内形状を有し得るか、又は異なる面内形状を有し得る。図8(a)を参照すると、SCコイル810及び820は、したがって、共通の対称軸ADを有する例えば円筒形のコイルを有し得る。代替的に、SCコイル810及び820は、何れも実質的に同じ多角形の形状、例えば三角形、矩形、六角形又は八角形の面内形状を有し得る。
【0079】
[00077] 代替的に、図8(b)に示すように、本発明によるSCコイルアセンブリに設けられる異なるSCコイルは、異なる面内形状を有し得る。図8(b)は、本発明によるSCコイルアセンブリ850を平面図として概略的に示し、SCコイルアセンブリ850は、内側コイル852と外側コイル854とを含む。図示の実施形態では、内側コイル852は、実質的に円形又は円筒形の形状を有し、外側コイル854は、実質的に矩形又は正方形の形状を有する。このような多角形のSCコイルと円筒形のSCコイルとの組み合わせは、更なる設計自由度を提供することを指摘し得る。多角形の形状の外側SCコイル854を用いることにより、SCコイルアセンブリが本発明による磁石アセンブリに使用された場合に好ましいフィルファクタを得ることができる。既に指摘したように、このようにコイルを密に充填することにより、コイル間の力の伝達がより良好になる。図8(b)を参照すると、例えばコイル854の内幅Wiを内側コイル852の外径Doに実質的に対応するように選択することにより、好ましいフィルファクタを得ることができることを指摘し得る。一実施形態では、内側SCコイル852と外側SCコイル854との間の数カ所又は1箇所の空間860は、好ましくは、サポート構造で満たされ、サポート構造は、例えば、SCコイル852とSCコイル854との間に明確に定義された相対位置を確保するために、適切な形状のくさび又はくさび形状のインサートを含み得る。冷却機能もサポート構造に又はサポート構造によって組み込まれ得ることを更に指摘し得る。また、SCコイル810及び820と同様に、SCコイル852及び854は、異なる断面寸法を有することができ、異なる巻線構成を有することができ、異なる材料又は異なる超伝導体から作ることができる。SCコイル852及び854は、1つの超伝導体から直列に巻かれ得るか又は別々に巻かれ得る。
【0080】
[00078] 本発明による磁石アセンブリに設けられる場合、SCコイルアセンブリ850などの複数のSCコイルアセンブリは、二次元空間交番磁界の発生に使用され得る。図9は、このような磁石アセンブリ900の一部を概略的に示し、4つのSCコイルアセンブリ910が密に充填され、各SCコイルアセンブリ910は、円筒形の内側SCコイル912と、多角形の外側SCコイル914、特に正方形の外側SCコイルとを含む。SCコイルにおける矢印は、コイルにおける電流の方向を示す。
【0081】
[00079] 本発明によるSCコイルアセンブリの更に別の実施形態では、SCコイルアセンブリは、軸方向に沿って配置された複数のコイルを含む。ここでも同様に、上記複数のコイルは、異なる巻線構成、サイズ及び/又は使用される材料などの異なる特性を有し得る。
【0082】
[00080] 図10は、本発明によるSCコイルアセンブリの断面図を概略的に示し、複数のコイルが使用され、複数のコイルが軸方向に沿って配置される。特に、図10は、4つのコイル1010、1020、1030、1040を含むSCコイルアセンブリ1000の断面図を概略的に示す。
【0083】
図示の実施形態では、SCコイル1010は、下部コイルと呼ぶことができ、SCコイル1040は、上部コイルと呼ぶことができ、SCコイル1020及び1030は、軸方向ADに沿って下部コイル1010と上部コイル1040との間に配置された中間コイルと呼ぶことができる。中間コイル1020、1030の対において、コイル1020は、内側中間コイルと呼ぶことができ、コイル1030は、外側中間コイルと呼ぶことができる。上記と同様に、SCコイルアセンブリ1000の異なるコイルは、異なる巻線特性、異なるサイズ及び/又は異なる材料特性などの異なる特性を有し得る。後者に関して、異なるコイルには、粒子配向が異なる超伝導体を適用することが有利であり得ることを指摘し得る。この点において、超伝導体の通電能力は、超伝導体の位置における磁界配向に強く依存することを指摘し得る。特に、磁場Bとも呼ばれる局所的な磁界がテープ状の超伝導体の表面に略平行である場所では、超伝導体の通電能力は、例えば、4倍高くなり得る。このように、SCコイルアセンブリを磁石アセンブリで使用するために設計する場合、発生される磁界の局所配向を考慮することが有利であり得る。図10では、いくつかの磁力線1050を概略的に示す。SCコイルアセンブリの予期される磁界分布が分かっている場合、例えば異なるコイルの許容可能な電流密度を選択する際に考慮することができる。図10から分かるように、中間コイル1020、1030は、コイルを巻くのに使用されるテープ又はリボン状の超伝導体の表面に略平行な磁界を受けやすい。しかしながら、SCコイル1010及び1040の受ける磁界には、ラジアル成分もある。この磁界分布を考慮すると、例えば、SCコイル1020及び1030では、コイル1010及び1040に比べて大きい電流密度を印加することができる。代替的に、SCコイルアセンブリの異なるコイルに異なる粒子配向を有する超伝導体を適用することもできる。そうすることにより、コイルにおける許容可能な電流密度を増やすことができる。特に、コイル1010又は1040の超伝導体の粒子配向に適した粒子配向が選択されると、これらのコイルの通電能力を向上させることができる。このため、本発明の一実施形態では、SCコイルアセンブリが提供され、異なる粒子配向を有するコイルが適用されることにより、SCコイルアセンブリのコイルの通電能力が改善される。一実施形態では、SCコイルアセンブリの上部コイルに適用される超伝導体は、したがって、SCコイルアセンブリに適用される下部コイル又は中間コイルに適用される超伝導体と異なる粒子配向を有し得る。
【0084】
[00081] 本発明の一実施形態では、本発明による磁石アセンブリ又は本発明によるSCコイルアセンブリにおいて設けられるSCコイルは、非絶縁型又は金属絶縁型の超伝導体を使用する。本発明者らは、このような超伝導体を平面電磁モータのための磁石アセンブリに設けることにより、更なる利点を提供し得ることを見出した。例えば、超伝導テープ又はリボンの周囲の絶縁層を省略することにより、より高い電流密度を印加することができ、より高い機械的強度がもたらされることを指摘し得る。更なる利点としては、機械的特性及び熱的特性の改善、超伝導層の局所的な欠陥に対するロバスト性の向上並びに自己保護機能が挙げられる。特に、超伝導体の冷却が改善及び促進されることを指摘し得る。SCコイルを作るために絶縁層が設けられる場合、コイルの各巻線は、隣接する巻線から電気的にも熱的にも完全に遮断される。超伝導層に欠陥が生じた場合、電流は、上記巻線の安定化層にのみ流れるため、著しい局所的オーミック損失が発生する。絶縁層は、生じ得る熱流も遮断するため、局所的なホットスポットが発生することがあり、超伝導体にクエンチ(すなわち超伝導状態から通常のオーミック特性への制御不能な遷移)を引き起こす可能性がある。
【0085】
[00082] キャリアとしてのハステロイ又は任意の鋼類及び安定化層としての銅などの他の層に対する、例えばポリイミドを含む絶縁層の異なる機械的特性により、超伝導体が非常に異方的になり得ることを更に指摘し得る。
【0086】
[00083] これは、リニアモータ又は平面モータに必要とされる典型的なアレイ又はグリッド構成の超伝導磁石の機械的設計にとって大きい課題となる。一例として、隣接する2つのSCコイル間の相互作用力は、超伝導コイルの剥離を引き起こし得るようなものであり得る。加えて、リソグラフィ装置で使用される位置決めデバイスなどの精密駆動装置への用途では、SCコイルの許容値及び位置精度は、発生する力の不正確さを抑制するために厳密な制限値内に保たれるべきである。そのため、ポリイミドなど、むしろ軟らかい材料を使用することは、障害になり得る。更に、リソグラフィ装置の位置決めデバイスなどの精密駆動装置では、機構の固有周波数及び固有モードによって駆動装置の制御システムの達成可能な帯域幅が決まることに言及し得る。ここでも同様に、比較的「軟らかい」絶縁層を適用することにより、実現可能な機械的固有周波数が制限され、その結果、位置決めデバイスを制御するための実現可能な帯域幅が制限される。
【0087】
[00084] そのため、本発明の一実施形態では、絶縁層を有しないSCコイルが使用される。
【0088】
[00085] 絶縁層を省略することにより、超伝導体を囲む導電層における渦電流の発生を抑制できなくなることを更に指摘し得る。この点において、本発明による磁石アセンブリを本発明による平面モータに適用した場合、平面モータの磁石アセンブリと、平面モータのコイルアセンブリ、例えば図4に示すコイルアセンブリ220との間の電磁相互作用により、このような渦電流の発生が起こり得ることを指摘し得る。この影響を緩和するために、本発明の一実施形態では、磁石アセンブリで使用されるSCコイル又はSCコイルアセンブリの上面の上に導電性の層、箔又はプレートを配置することが提案される。そうすることにより、渦電流は、SCコイル又はSCコイルアセンブリではなく、導電性の層、箔又はプレートにおいて主に発生する。そうすることにより、発生する損失を除去し、磁石アセンブリのSCコイル又はSCコイルアセンブリの温度を所望の値、例えば実質的に一定の値又は特定の制限値内に維持することが容易になる。
【0089】
[00086] 渦電流が、平面モータの磁石アセンブリと、そのような平面モータのコイルアセンブリとの間の電磁的相互作用によって生じる場合、そのような導電層の設計は、例えば、磁石アセンブリに対するコイルアセンブリの動作領域又は動作範囲を考慮することができる。
【0090】
[00087] 一実施形態では、本発明に係る磁石アセンブリは、平面電磁モータで使用され得る。このような平面モータは、磁石アセンブリと協働し、それにより、使用中、コイルアセンブリを磁石アセンブリに対して変位させるための電磁力を発生させるように構成されたコイルアセンブリを更に含む。一例として、図4に示すコイルアセンブリ220又は同様のコイルアセンブリは、本発明による平面モータに適用され得る。本発明による磁石アセンブリを使用することにより、このような平面モータの特性が改善される。永久磁石に基づく磁石アセンブリを使用する平面モータと比較して、本発明による平面モータは、例えば、SC磁石アセンブリによって発生される磁界強度が増加することによってより効率的になり得、及び/又は動作領域が増加し得る。
【0091】
[00088] 本発明による平面モータは、有利には、本発明による位置決めデバイスに適用され得る。このような位置決めデバイスは、リソグラフィ装置において基板などの物体を保持するためのオブジェクトテーブルを含み得る。
【0092】
[00089] 本発明による位置決めデバイスは、磁石アセンブリのSCコイルに電流を供給するための電源を更に含み得る。位置決めデバイスは、オブジェクトテーブルの位置を特定するように構成された位置測定システムを更に含み得る。このような位置測定システムは、例えば、上記の位置測定システムPMSなどのシステムであり得る。本発明による位置決めデバイスは、位置測定システムからのフィードバック信号に基づいて、電磁モータの電磁力を制御するように構成された制御システムを更に含み得、フィードバック信号は、オブジェクトテーブルの位置を表す。このような制御システムは、例えば、図3に示す位置制御システムPCSに対応し得る。
【0093】
[00090] 本発明は、例えば基板の位置決めのための、本発明による位置決めデバイスを含むリソグラフィ装置を更に提供する。
【0094】
[00091] 本明細書では、ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。可能な他の用途としては、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造が挙げられる。
【0095】
[00092] 本明細書では、リソグラフィ装置に関連して本発明の実施形態に具体的に言及する場合があるが、本発明の実施形態は、他の装置で使用され得る。本発明の実施形態は、マスク検査装置、メトロロジ装置又はウェーハ(又は他の基板)若しくはマスク(又は他のパターニングデバイス)などの物体を計測又は処理する任意の装置の一部を形成し得る。これらの装置は、一般に、リソグラフィツールと呼ばれ得る。このようなリソグラフィツールは、真空条件を使用し得るか、又は周囲(非真空)条件を使用し得る。
【0096】
[00093] これまで光リソグラフィに関連して本発明の実施形態の使用について具体的な言及がなされる場合があったが、本発明は、文脈上矛盾しない限り、光リソグラフィに限定されず、他の用途、例えばインプリントリソグラフィに使用され得ることが理解されるであろう。
【0097】
[00094] 文脈上矛盾しない限り、本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの任意の組み合わせで実施され得る。本発明の実施形態は、機械可読媒体に格納された命令としても実施され得、命令は、1つ又は複数のプロセッサによって読み取られて実行され得る。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピューティングデバイス)によって読み取り可能な形式で情報を格納又は送信するための任意の機構を含むことができる。例えば、機械可読媒体としては、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気的、光学的、音響的若しくは他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)が挙げられる。更に、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令は、特定のアクションを実行するものとして本明細書で説明され得る。しかしながら、そのような説明は、単に便宜上のものであり、そのようなアクションは、実際には、コンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ又はファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行する他のデバイスから生じ、その際、アクチュエータ又は他の装置が物理的世界と相互作用することを理解されたい。
【0098】
[00095] 本発明の具体的な実施形態をこれまで説明してきたが、本発明は、説明された以外の方法で実施され得ることが理解されるであろう。上記の説明は、例示を意図したものであり、限定することを意図されない。したがって、当業者に明らかであるように、以下に記載する特許請求の範囲から逸脱することなく、説明した本発明に対する修正形態がなされ得る。
[00096] 本発明の他の態様は、以下の番号付けされた条項のように定められる。
[条項1]
平面電磁モータのための磁石アセンブリであって、
外周の内側にあり、及び矩形パターンなどの平面パターンで配置された第1の複数の超伝導(SC)コイル、
前記平面パターンの外側境界に沿って配置された第2の複数のSCコイルであって、前記第1の複数のSCコイルのうちのコイルは、第1の面内形状を有し、及び前記第2の複数のSCコイルのうちのコイルは、前記第1の面内形状と異なる第2の面内形状を有し、前記第2の複数のSCコイルは、前記外周の内側に少なくとも部分的に配置される、第2の複数のSCコイル
を含む磁石アセンブリ。
[条項2]
前記第2の複数のSCコイルは、使用時、前記第1のセットのコイルによって使用時に発生された磁界の不均一性を少なくとも部分的に補償し、前記不均一性は、前記平面パターンの前記外側境界又はその付近で発生する、条項1に記載の磁石アセンブリ。
[条項3]
前記第1の複数のSCコイルは、二次元空間交番磁界を発生させる、条項1又は2に記載の磁石アセンブリ。
[条項4]
前記第1の面内形状の外側境界又は前記第2の面内形状の外側境界は、実質的に多角形の形状を有する、条項1~3の何れか一項に記載の磁石アセンブリ。
[条項5]
前記第1の面内形状の前記外側境界は、実質的に矩形、八角形又は六角形の形状を有する、条項4に記載の磁石アセンブリ。
[条項6]
前記第2の面内形状の前記外側境界は、実質的に三角形の形状を有する、条項4又は5に記載の磁石アセンブリ。
[条項7]
前記第1の複数のコイルのうちのコイルの外幅(Wo)は、前記平面パターンの平面に実質的に垂直な軸方向(AD)に沿って変化する、条項1~6の何れか一項に記載の磁石アセンブリ。
[条項8]
前記第1の複数のコイルのうちのコイルの断面は、前記平面パターンの前記平面に実質的に垂直な平面においてテーパ形状を含む、条項7に記載の磁石アセンブリ。
[条項9]
前記コイルの内幅(Wi)は、前記軸方向(AD)に沿って実質的に一定であり、前記コイルの外幅(Wo)は、前記軸方向に沿って増加する、条項7又は8に記載の磁石アセンブリ。
[条項10]
前記第1の複数のコイルのうちのコイル又は前記第2の複数のコイルのうちのコイルは、複数のSCコイルを含む、条項1~9の何れか一項に記載の磁石アセンブリ。
[条項11]
平面電磁モータの磁石アセンブリのための超伝導(SC)コイルアセンブリであって、複数のSCコイルを含む超伝導(SC)コイルアセンブリ。
[条項12]
前記複数のSCコイルは、一致する縦軸を有する、条項11に記載のSCコイルアセンブリ。
[条項13]
内側SCコイル及び外側SCコイルを含む、条項11又は12に記載のSCコイルアセンブリ。
[条項14]
前記内側SCコイルの高さは、前記外側SCコイルの高さと異なる、条項13に記載のSCコイルアセンブリ。
[条項15]
前記内側SCコイルの前記高さは、前記外側SCコイルの前記高さよりも大きい、条項14に記載のSCコイルアセンブリ。
[条項16]
前記内側SCコイルの上面は、前記外側SCコイルの上面と実質的に同一平面である、条項14又は15に記載のSCコイルアセンブリ。
[条項17]
前記内側SCコイルの面内形状は、前記外側SCコイルの面内形状と異なる、条項13~16の何れか一項に記載のSCコイルアセンブリ。
[条項18]
前記外側SCコイルの前記面内形状は、実質的に多角形の境界を含む、条項17に記載のSCコイルアセンブリ。
[条項19]
前記外側SCコイルの前記面内形状は、三角形、矩形、六角形又は八角形の境界など、実質的に多角形の内側境界を含む、条項18に記載のSCコイルアセンブリ。
[条項20]
前記内側SCコイルの前記面内形状は、実質的に円形の境界を含む、条項18又は19に記載のSCコイルアセンブリ。
[条項21]
前記内側SCコイルの巻線特性は、前記外側SCコイルの巻線特性と異なる、条項13~20の何れか一項に記載のSCコイルアセンブリ。
[条項22]
前記内側SCコイルは、並列に接続された複数の巻線を含む、条項21に記載のSCコイルアセンブリ。
[条項23]
前記内側SCコイル及び前記外側SCコイルは、直列に接続される、条項13~22の何れか一項に記載のSCコイルアセンブリ。
[条項24]
前記内側SCコイル及び前記外側SCコイルは、異なる電源によって電力供給される、条項13~22の何れか一項に記載のSCコイルアセンブリ。
[条項25]
上部SCコイル及び下部SCコイルを含む、条項11~24の何れか一項に記載のSCコイルアセンブリ。
[条項26]
前記上部SCコイル及び前記下部SCコイルは、共通の縦方向を有する、条項25に記載のSCコイルアセンブリ。
[条項27]
前記上部SCコイルの高さは、下部SCコイルと異なる、条項25又は26に記載のSCコイルアセンブリ。
[条項28]
前記上部SCコイルと前記下部SCコイルとの間において、前記上部SCコイル及び前記下部SCコイルの軸方向(AD)に沿って配置された中間SCコイルを更に含む、条項25~27の何れか一項に記載のSCコイルアセンブリ。
[条項29]
前記中間SCコイルは、内側SCコイル及び外側SCコイルを含む、条項28に記載のSCコイルアセンブリ。
[条項30]
前記上部SCコイルに適用された超伝導体は、前記下部SCコイル又は前記中間SCコイルに適用された超伝導体と異なる粒子配向を有する、条項25~29の何れか一項に記載のSCコイルアセンブリ。
[条項31]
前記複数のコイルの1つ又は複数は、非絶縁型又は金属絶縁型の超伝導体を含む、条項11~30の何れか一項に記載のSCコイルアセンブリ。
[条項32]
平面電磁モータのための磁石アセンブリであって、使用時に二次元空間交番磁界を発生させるための、条項11~31の何れか一項に記載の複数のSCコイルアセンブリを含む磁石アセンブリ。
[条項33]
前記SCコイルの上面は、実質的に同一平面である、条項1~10又は32の何れか一項に記載の磁石アセンブリ。
[条項34]
前記上面は、使用中に前記平面電磁モータのコイルアセンブリに面する前記磁石アセンブリの平面を画定する、条項33に記載の磁石アセンブリ。
[条項35]
前記上面に配置された導電性の層、箔又はプレートを更に含む、条項33又は34に記載の磁石アセンブリ。
[条項36]
条項1~10又は32~35の何れか一項に記載の磁石アセンブリと、コイルアセンブリであって、前記磁石アセンブリと協働し、それにより、使用中、前記磁石アセンブリに対して前記コイルアセンブリを変位させるための電磁力を発生させるコイルアセンブリとを含む平面電磁モータ。
[条項37]
オブジェクトテーブルと、前記オブジェクトテーブルを変位させるための、条項36に記載の平面電磁モータとを含む位置決めデバイス。
[条項38]
前記磁石アセンブリの前記SCコイルに電流を供給するための電源を更に含む、条項37に記載の位置決めデバイス。
[条項39]
前記オブジェクトテーブルの位置を特定する位置測定システムを更に含む、条項38に記載の位置決めデバイス。
[条項40]
前記位置測定システムからのフィードバック信号に基づいて、前記電磁モータの前記電磁力を制御する制御システムを更に含み、前記フィードバック信号は、前記オブジェクトテーブルの前記位置を表す、条項39に記載の位置決めデバイス。
[条項41]
基板を位置決めするための、条項40に記載の位置決めデバイスを含むリソグラフィ装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図7(a)】
図7(b)】
図7(c)】
図7(d)】
図8(a)】
図8(b)】
図9
図10