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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】情報表示方法及び対応する表示システム
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/21 20240101AFI20240507BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
B60K35/21
G01C21/36
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022560516
(86)(22)【出願日】2021-04-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 EP2021058990
(87)【国際公開番号】W WO2021204832
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-10-04
(31)【優先権主張番号】2005169.4
(32)【優先日】2020-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】522296653
【氏名又は名称】コンチネンタル・オートモーティヴ・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 友子
(72)【発明者】
【氏名】タンガム・アイヤム・ピライ・バラジ
(72)【発明者】
【氏名】キングカム・ドゥライ・ウィンフレッド・ポール・ルーク
【審査官】松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-500919(JP,A)
【文献】特開平09-005121(JP,A)
【文献】特開2017-144876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00-37/20
G01C 21/00-21/36,23/00-25/00
B62J 50/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のための情報表示方法(100)であって、前記方法が、
前記車両の表示デバイス上に情報を第1の表示モードで表示するか又は第2の表示モードで表示するかの選択を制御デバイスから受け付けること(110)と、
車両運動データを取得することと、
前記選択された表示モードにしたがって前記表示デバイス上に情報を表示すること(112、116)と
を含み、
前記第1の表示モードでは、前記情報が、車両運動に関係なく表示され、前記第2の表示モードでは、前記情報が、前記車両運動データに基づいて車両運動条件を満たした場合に表示される、車両のための情報表示方法(100)において、
前記車両運動条件が、速度閾値未満に低下すること、加速度閾値未満に低下すること、又は二輪車のブレーキをかけることのうちの少なくとも1つを含むことと、
前記方法が、前記表示デバイスにモバイルデバイスを通信可能に結合すること(104)を更に含み、前記第1の表示モード及び前記第2の表示モードが、前記モバイルデバイスから受信した情報の表示を制御することと
を特徴とする、車両のための情報表示方法(100)。
【請求項2】
前記第1の表示モード及び前記第2の表示モードが、ナビゲーション情報の表示を制御する、請求項に記載の方法(100)。
【請求項3】
取得された前記車両運動データが、速度、加速度、又は前記二輪車の制動のうちの少なくとも1つである、請求項1又は2に記載の方法(100)。
【請求項4】
前記車両運動条件が、速度閾値未満に低下すること、加速度閾値未満に低下すること、又は二輪車のブレーキをかけることのうちの少なくとも1つを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項5】
前記表示デバイスが、インスツルメントクラスタディスプレイである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項6】
車両のための表示システム(200)であって、前記システムが、
表示デバイス(210)と、
前記表示デバイス(210)上に情報を第1の表示モードで表示するか又は第2の表示モードで表示するかの選択を受け付けるように構成された制御デバイス(220)と
を備え、
前記表示デバイス(210)が、前記選択された表示モードにしたがって情報を表示するように構成され、
前記第1の表示モードでは、前記情報が、車両運動に関係なく表示され、前記第2の表示モードでは、前記情報が、前記表示デバイス(210)によって取得された車両運動データに基づいて車両運動条件を満たした場合に表示される、車両のための表示システム(200)において、
前記車両運動条件が、速度閾値未満に低下すること、加速度閾値未満に低下すること、又は二輪車のブレーキをかけることのうちの少なくとも1つを含むことと、前記第1の表示モード及び前記第2の表示モードが、前記二輪車の前記表示デバイス(200)に通信可能に結合されたモバイルデバイス(300)から受信された情報の表示を制御することと
を特徴とする、車両のための表示システム(200)。
【請求項7】
前記第1の表示モード及び前記第2の表示モードが、ナビゲーション情報の表示を制御する、請求項に記載のシステム(200)。
【請求項8】
前記表示デバイス(210)が、インスツルメントクラスタディスプレイである、請求項6又は7に記載のシステム(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両における表示システム及び車両における情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の操作者に提示される情報の量が増え続けている。この傾向によって、所望の情報を読み取って識別するまでの時間が長くなっただけでなく、操作者が注意散漫になり得ることから、安全上の問題もある。
【0003】
加えて、操作者によって使用される個人用デバイス、又は車両のディスプレイ若しくは他のシステムに接続されるデバイスが、操作者の注意を散漫にする一因となることがある。
【0004】
操作者が注意散漫になるのを緩和するための既存の解決策としては、操作者が運転している場合の情報の提示に変更を加えることが挙げられる。しかしながら、そのような解決策は、車両のコスト及び複雑さを増大させる。
【0005】
したがって、上で論じた欠点のうちの1つ以上を克服する、又は少なくとも改善する車両ディスプレイを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、上で論じた課題に対処するべく車両のための情報表示方法及び車両の表示システムを提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的及び他の目的を実現すべく、一態様において、車両のための情報表示方法が提供され、本方法は、車両の表示デバイス上に情報を第1の表示モードで表示するか又は第2の表示モードで表示するかの選択を制御デバイスから受け付けることと、車両運動データを取得することと、選択された表示モードにしたがって表示デバイス上に情報を表示することとを含み、第1の表示モードでは、情報が、車両運動に関係なく表示され、第2の表示モードでは、情報が、車両運動データに基づいて車両運動条件を満たした場合に表示される。車両運動条件は、速度閾値未満に低下すること、加速度閾値未満に低下すること、又は二輪車のブレーキをかけることのうちの少なくとも1つを含む。
【0008】
別の態様では、車両のための表示システムが提供され、本システムは、表示デバイスと、表示デバイス上に情報を第1の表示モードで表示するか又は第2の表示モードで表示するかの選択を受け付けるように構成された制御デバイスとを備え、表示デバイスが、選択された表示モードにしたがって情報を表示するように構成され、第1の表示モードでは、情報が、車両運動に関係なく表示され、第2の表示モードでは、情報が、表示デバイスによって受信された車両運動データに基づいて車両運動条件を満たした場合に表示される。車両運動条件は、速度閾値未満に低下すること、加速度閾値未満に低下すること、又は二輪車のブレーキをかけることのうちの少なくとも1つを含む。
【0009】
好都合なことに、車両の操作者又は運転者は、情報の表示モードを所望に応じて選択することができる。従来の解決策では、このような各個人に合わせたカスタマイズは提供されない。
【0010】
第2の表示モードでは、特定のシナリオでのみ、つまり車両運動条件を満たした場合にのみ、情報を表示させることができる。車両運動は、運転者が情報参照以外の活動、すなわち車両を動かすことに従事していることを示していることが考えられる。したがって、車両運動と情報表示を関連付けることにより、好都合なことに、安全性を高めることができる。車両運動のレベルが高いことは、運転者が車両を動かすことに関与しているレベルが高いことを示し得る。表示デバイス上への情報の表示は、車両運動のレベルが低下したこと、及び/又は車両運動が存在しないことを検出した場合にのみ行われてもよい。第2の表示モードでは、情報は、車両運動が存在しないことを含む車両運動のレベル低下を検出すると表示されてもよい。第2の表示モードでは、情報は、車両運動が存在しないことを検出すると表示されてもよい。
【0011】
第1の表示モードでは、車両運動に関係なく、常に情報を表示させることができる。絶えず情報を見ることを好む個人が、第1の表示モードを選択するように選択することができる。
【0012】
車両において表示される情報は、運転者が見る情報を含む。車両において表示される情報は、車両の操作に関連する情報、車両運動情報、燃料又はバッテリ情報、車両のエンジン又はモータの状態に関する情報、変速又は走行モードに関する情報、及び他の同様の情報など、インスツルメントクラスタ上に表示される典型的な情報を含むことができる。車両において表示される情報は、インフォテインメント情報、ナビゲーション情報、電話及びテレマティックス情報、並びに他のこのような情報を含むことができる。車両において表示される情報は、車両、又は表示デバイス若しくは表示システムなどの車両のシステムに通信可能に結合されたモバイルデバイス又は個人用ユーザデバイスから受信された情報を含むことができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1の表示モード又は第2の表示モードは、表示される情報のタイプに応じて自動的に選択され得る。このような実施形態では、開示された表示モードは、車両において表示されるすべてのタイプの情報を制御し得る。車両、又は表示システムなどの車両のシステムは、ある表示モードで情報を表示する選択を制御デバイスに自動的に提供するように構成され得る。表示モードのうちの1つは、設計に応じて、デフォルトで自動的に選択されてもよい。第1の表示モード又は第2の表示モードで表示される情報は、事前に決定され、車両又は車両システム内で設定されてもよい。常に表示される必要のある情報は、第1の表示モードで表示されるように事前に決定されてもよい。例えば、車両の操作に関連する情報は、運転者はこのような情報をいつでも参照する必要があるため、車両運動に関係なく、第1の表示モードに応じて表示されてもよい。車両運動の検出時にのみ表示される必要があり得る情報、又は車両運動のレベルの低下及び/若しくは車両運動が存在しないことの検出時にのみ表示されるべき情報は、第2の表示モードで表示されるように事前に決定されてもよい。或いは、常に表示される必要がある情報が、除外されてもよいし、又は開示された表示モードによって制御されなくてもよい。
【0014】
いくつか又は追加的な実施形態では、開示された表示モードは、車両において表示されるいくつかのタイプの情報を制御してもよい。例えば、開示された表示モードは、常に表示される必要のない情報の表示を制御してもよい。別の例では、開示された表示モードは、車両運動の検出時にのみ表示される必要があり得る情報、又は車両運動のレベルの低下及び/若しくは車両運動が存在しないことの検出時にのみ表示されるべき情報の表示を制御してもよい。
【0015】
車両又は車両システムに通信可能に結合されたモバイルデバイス又は個人用ユーザデバイスから受信された情報は、開示された表示モードによって制御され得る情報の特定の実施形態であってもよい。携帯情報端末、携帯電話、タブレットコンピュータ、又はポータブルナビゲーションシステムなどのモバイルデバイス又は個人用ユーザデバイスは、車両又は車両システムに通信プロトコルによって接続されてもよい。モバイルデバイス又は個人用ユーザデバイスは、車両又は車両システムに有線又は無線によって接続されてもよい。通信プロトコルは、USBなどの有線通信プロトコルであってもよいし、又はBluetooth又はWi-Fiなどの無線通信プロトコルであってもよい。接続されたデバイスは、多くの場合、電話機能、メディア機能、又はナビゲーション機能などの付加的な機能を車両に補う。接続されたデバイスの機能は、通常、車両の表示システム又はスピーカシステムなどの車両システムを利用する。接続されたデバイスの機能は、通常、車両の操作に対して任意選択であるため、車両運動の閾値未満への低下が満たされた場合に接続されたデバイスから受信された情報を表示することが賢明であり得る。
【0016】
ナビゲーション情報は、開示された表示モードによって制御され得る情報の別の特定の実施形態である。第1の表示モード及び第2の表示モードは、ナビゲーション情報の表示を制御してもよい。ナビゲーションアプリケーション又はシステムのターンバイターン方式の指示にしたがう車両の操作が必要な場合、速度及び加速度などの車両の運動は、通常、操作を行うために低下する。このとき、運転者が操作を行うために参照するために、ナビゲーション情報を表示すると有用であり得る。したがって、第2の表示モードが選択された場合、車両運動の閾値未満への低下が満たされた場合にナビゲーション情報が表示されてもよい。一方、運転者が不慣れな土地で運転する場合、ナビゲーション情報を常に表示することが有用であり得る。したがって、第1の表示モードは、車両運動に関係なく、常にナビゲーション情報を表示させることができるように選択されてもよい。別の例では、ナビゲーション情報は、次の車両操作だけでなく、将来の、今後の車両操作を含んでもよい。次の車両操作は第1の表示モードにおいて自動的に表示され、将来の操作は第1の表示モード又は第2の表示モードにおいて選択可能であってもよい。
【0017】
いくつかの又は追加的な実施形態において、開示された表示モードによって制御され得る情報のタイプは、車両のタイプに依存し得る。自動二輪車などの小型で軽量な車両が、自動車などの大型車両と同じ機能範囲を車両操作時に有することは、より安全ではなくなり得る。したがって、大型車両と比べてこのような小型の軽量な車両において運転者の注意の散漫の程度を軽減することがより重要であり得る。特定の実施形態では、車両は二輪車である。本開示は、二輪車の表示デバイス上にナビゲーション情報を表示するのに有利であり得る。開示された表示モードは、二輪車の表示デバイス上に表示されるナビゲーション情報を制御し得る。
【0018】
いくつかの又は追加的な実施形態において、開示された表示モードによって制御され得る情報のタイプは、車両の表示デバイスに依存し得る。開示された表示モードは、運転者の道路の視野を遮る可能性があり得る情報を表示するように構成された表示デバイス上に表示される情報を制御し得る。例えば、表示デバイスは、ヘッドアップディスプレイ、フロントガラスに投影されるディスプレイ、又は車両ユーザによって装着されるヘルメットに投影されるディスプレイであってもよい。開示された表示モードは、インスツルメントクラスタ、副ディスプレイ、又は接続されたデバイスのディスプレイ上に表示された情報を制御し得る。特定の実施形態では、表示デバイスはインスツルメントクラスタディスプレイである。別の特定の実施形態では、表示デバイスは、二輪車のインスツルメントクラスタディスプレイ又は速度計ディスプレイである。
【0019】
車両運動条件が満たされると、第2の表示モードにしたがって情報が表示される。車両運動条件は、車両運動のレベルの低下、又は閾値未満になった車両運動のレベルであり得る。代替的又は追加的に、車両運動条件は車両運動が存在しないことであり得る。車両運動のレベルの低下は、速度の低下、加速度の低下、又は減速の増加を含み得る。車両運動のレベルの低下は、ブレーキをかけることによって検出され得る。いくつかの実施形態では、車両の速度がゼロである場合など、車両運動が存在しない場合にのみ情報を表示すると有用であり得る。いくつかの実施形態では、車両運動条件は、速度閾値未満に低下すること、加速度閾値未満に低下すること、又はブレーキをかけることのうちの少なくとも1つを含み得る。一実施形態では、車両運動条件は、速度閾値未満に低下した車両速度であり得る。別の実施形態では、車両運動条件は、速度閾値未満に低下した車両速度であり得、車両の加速度はゼロ又は負である。車両運動条件又は条件の組み合わせは特に限定されるものではなく、車両又は設計に依存し得る。閾値は特に限定されるものではなく、車両又は設計に依存し得る。したがって、取得された車両運動データは、速度、加速度、又は制動のうち少なくとも1つであり得る。車両運動は、本開示を実施するために車両で利用可能な、又は車両に結合された任意の適切な測定デバイス又は検出デバイスから取得され得る。測定値又はデータは、車両運動条件が満たされているか否かを判定するために表示システム又は表示デバイスに送信され得る。例えば、速度が、車両の速度計によって測定されてもよく、速度データは、車両運動条件が満たされているか否かを判定するために表示デバイスに送信されてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、所望の表示モードの選択は、入力デバイスを介して行われてもよい。制御デバイスは入力デバイスであってもよい。入力デバイスは所望の表示モードの選択を受け付けてもよい。制御デバイス又は入力デバイスは、運転者などのユーザから所望の表示モードを選択する入力を受け付けてもよい。選択は、ボタン又はダイヤル又はスイッチを作動させることによって行われてもよい。表示デバイスがタッチスクリーンディスプレイなどのヒューマンマシンインターフェースである場合、選択は、表示デバイス上に表示された仮想ボタンをタッチすることによって行われてもよい。所望の表示モードの選択を受け付けると、制御デバイス又は入力デバイスは、車両、又は表示システムなどの車両システムに、表示デバイス上での情報の表示を制御させてもよい。車両システムは、表示デバイス上に表示すべき情報を出力するために、又は出力しないために、ディスプレイサーバなどのシステムのプレゼンテーション層及び/又はシステムの他の構成要素に命令してもよい。その結果、車両システムは、選択された表示モードにしたがって表示デバイス上に情報を表示し得る。本明細書で説明される車両又は車両システムの動作は、そのメモリに記憶された一式の命令によって構成されてもよい。命令は、システムのアプリケーション層の一部分であってもよい。命令は、車両システムのプロセッサによって実行されてもよい。
【0021】
他の実施形態では、上述のように、所望の表示モードの選択は、車両又は車両システムによって自動的に行われ、制御デバイスによって受け付けられてもよい。所望の表示モードの選択は、車両、又は表示システムなどの車両システムのメモリに記憶された一式の命令によって構成されてもよい。命令は、車両システムのプロセッサによって実行されてもよい。所望の表示モードは、命令にしたがって選択されてもよい。そのような実施形態では、制御デバイスは、車両又は車両システムのメモリに記憶された一式の命令であってもよい。制御デバイスは、選択を受け付け、表示デバイス上での情報の表示を制御するように構成されてもよい。制御デバイスは、表示デバイス上に表示すべき情報を出力するために、又は出力しないために、ディスプレイサーバなどのシステムのプレゼンテーション層及び/又はシステムの他の構成要素に命令してもよい。本明細書で説明される車両システム又は制御デバイスの動作は、システムのメモリに記憶された命令によって構成されてもよい。命令は、システムのアプリケーション層の一部分であってもよい。
【0022】
本明細書で開示される車両システム、例えば表示システムは、車両の電子制御ユニットであってもよい。表示システムは、表示デバイスを備える任意の制御ユニットであってもよい。表示システムは、速度計ディスプレイを備えるインスツルメントクラスタECUであってもよい。表示システムは、インフォテインメントシステム及び/又はナビゲーションシステムなどのセントラルスタックにおけるECUであってもよい。表示システムは、統合されたクラスタ及びインフォテインメントECUであってもよい。表示システムは、ヘッドアップディスプレイECUであってもよい。車両システムは、中央処理ユニット、グラフィックプロセッサ、及び画像プロセッサなどのプロセッサと、コンピュータ可読記憶媒体又はメモリとを備えるコンピューティングデバイスであってもよい。開示された表示システムは、開示された方法を実行するように構成されてもよい。開示された方法は、開示された表示システムの非一時的メモリに記憶され、システムのプロセッサによって実行可能なコンピュータ可読命令であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態による、自動二輪車のための情報表示方法100のフローチャートの図を示す。
図2】本発明の一実施形態による、自動二輪車の表示デバイス210の図を示す。
図3】本発明の一実施形態による、自動二輪車の表示システム200の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面中、同様の番号は同様の部分を示す。
【0025】
以下、添付の図面を参照しながら本発明の複数の例示的な実施形態について詳述する。本発明の詳細な説明は、本発明及びその現実的な適用の原理を説明することにより、各種の例示的な実施形態及び企図される特定の用途に適した各種の変更を通じて当業者が本発明を理解できるようにする目的で提供するものである。詳細な説明は、網羅的であること、又は開示する実施形態そのものに本発明を限定することを意図していない。修正形態及び等価物は当業者には明らかであり、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲に含まれる。
【0026】
実施形態では、車両のための情報表示方法が提供される。本方法は、車両の表示デバイス上に情報を第1の表示モードで表示するか又は第2の表示モードで表示するかの選択を制御デバイスから受け付けることと、車両運動データを取得することと、選択された表示モードにしたがって表示デバイス上に情報を表示することとを含む。第1の表示モードでは、情報は、車両運動に関係なく表示される。第2の表示モードでは、情報は、車両運動データに基づいて車両運動条件を満たした場合に表示される。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態による、自動二輪車のための情報表示方法100のフローチャートを示す。方法100は、自動二輪車のインスツルメントクラスタ表示システムによって実行される。
【0028】
方法100は、自動二輪車のイグニッションがオンに切り替えられたという入力を通信バスを介して受け付けると、表示システムを起動することから開始する(ステップ102)。ステップ104において、表示システムは、モバイルデバイスが表示システムに接続されているか否かを確認する。ステップ104でモバイルデバイスが接続されていることが確認されない場合、プロセスは、モバイルデバイスが表示システムに接続されているか否かを確認することを続ける。この確認は、一定の時間間隔で行われてもよいし、又はイベントが発生したとき、例えば、接続が検出されたとき、若しくは有線若しくは無線で接続されたモバイルデバイスからの通信を表示システムが受信できるようにするためのボタン(図2中の222)が選択されたときに行われてもよい。携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)が表示システムに通信可能に結合される場合、表示システムは、ステップ104でPDAが接続されていることを確認する。
【0029】
ステップ106において、PDAは、表示システムと同期される。PDA上で実行されているアプリケーション、例えばナビゲーションアプリケーションが、表示システムと同期される。正常に同期されない場合、プロセスは、PDAと表示システムとの同期を試み続ける。PDAと表示システムとの同期が成功すると、LCD表示画面は、ステップ106でPDA上に表示されているものをミラーリングする。同期が成功したか否かを指示する指示が、LCD表示画面上に提供されてもよい。指示は、LEDライト(図2の224)の形態であってもよい。同期が成功である場合、LEDライトが常時光るように構成されてもよい。それ以外の場合、LEDライトが不連続に光るように構成されてもよい。
【0030】
ステップ108において、表示システムは、PDAで利用可能なアプリケーション、例えばナビゲーションアプリケーションを実行する選択が受け付けられたか否かを確認する。選択は、LCD表示画面のタッチスクリーンを介して行われてもよい。また、LCD表示画面上に、例えばLEDライトの形態で、アプリケーションが接続されたデバイス上で実行されているか否か、及び/又は表示システム上でアプリケーションを実行する選択が受け付けられたか否かを指示する指示(図示せず)が提供されてもよい。
【0031】
表示システム上でアプリケーションを実行する選択がなされた後、ステップ110において、表示システムは、自動二輪車のLCD表示画面上に、実行中のアプリケーションを第1の表示モードで表示するか又は第2の表示モードで表示するかの選択が受け付けられているか否かを確認する。この選択は、LCD表示画面上に配置されたボタン(図2の220)で行うことができる。ボタンは、表示モードの切り替えを可能にしてもよい。或いは、ボタンを選択することにより、表示モードのうちの一方を作動させてもよい。換言すれば、他方の表示モードは、デフォルトで表示システムによって自動的に選択される。
【0032】
いずれの場合であっても、第1の表示モードが選択された場合、車両運動にかかわらず、接続されたPDA上で実行中のアプリケーションはLCD表示画面上に表示される(ステップ112)。
【0033】
第2の表示モードが選択された場合、車両運動条件を満たすと、接続されたPDA上で実行中のアプリケーションが表示される(ステップ114)。この場合、満たされるべき車両運動条件が3つあり、すなわち、自動二輪車のブレーキがかけられたか否かを検出すること(114a)と、自動二輪車の速度が30km/h未満か否かを検出すること(114b)と、自動二輪車が加速していないか否か、すなわち加速度がゼロ又はマイナスであるか否かを検出すること(114c)とがある。したがって、方法100は、速度データ、加速度データ、及びブレーキがかけられたか否かを示すデータを取得することを含む。3つの条件のどれかが満たされない場合、自動二輪車のLCD表示画面はPDAから受け付けた情報を表示しない。3つの条件がすべて満たされた場合、接続されたPDA上で実行中のアプリケーションは、LCD表示画面上に表示される(ステップ116)。
【0034】
また、実施形態では、車両のための表示システムも提供される。本システムは、表示デバイスと、表示デバイス上に情報を第1の表示モードで表示するか又は第2の表示モードで表示するかの選択を受け付けるように構成された制御デバイスとを備える。表示デバイスは、選択された表示モードにしたがって情報を表示するように構成される。第1の表示モードでは、情報は、車両運動に関係なく表示される。第2の表示モードでは、情報は、表示デバイスによって受信された車両運動データに基づいて車両運動条件を満たした場合に表示される。
【0035】
図2は、本発明の一実施形態による、自動二輪車の表示デバイス210の図を示す。表示デバイス210は、自動二輪車のインスツルメントクラスタ表示システムのLCD表示画面である。具体的には、表示デバイス210は、英数字のグラフィカルLCDディスプレイであり、これは、タッチスクリーン対応のヒューマンマシンインターフェースとして機能する。ボタン220は、表示デバイス210上に情報を第1の表示モードで表示するか又は第2の表示モードで表示するかをユーザが選択できるようにする、表示デバイス210の一部分として提供される。
【0036】
図3は、本発明の一実施形態による、自動二輪車のための表示システム200の図を示す。表示システム200は、図2の実施形態による表示デバイス210と、図2の実施形態による、表示デバイス上に情報を第1の表示モードで表示するか又は第2の表示モードで表示するかの選択を受け付けるように構成された制御デバイス220とを備える。表示デバイス210は、選択された表示モードにしたがって情報を表示するように構成される。第1の表示モードでは、情報は、車両運動に関係なく表示される。第2の表示モードでは、情報は、表示デバイス210によって受信された車両運動データに基づいて車両運動条件を満たした場合に表示される。表示システム200は、図1の実施形態による携帯情報端末(PDA)などのモバイルデバイス300に通信可能に結合される。第1の表示モード及び第2の表示モードは、接続されたデバイス300から受信した情報の表示を制御する。表示システム200は、方法100を実行するように構成されてもよい。表示システム200及びモバイルデバイス300は、有線又は無線の通信プロトコル400によって接続され得る。通信可能な結合を可能にするために、表示システム200は、通信モジュール230を備え、モバイルデバイス300も通信モジュール330を備える。
【0037】
表示システム200はまた、LEDライトなどの外部モジュール240に接続されてもよい。LEDライトは、接続されたデバイス300上でアプリケーションが実行中であるか否か、及び/又は、表示システム200上でアプリケーションを実行し表示する選択が受け付けられているか否かを指示するために使用されてもよい。
図1
図2
図3