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特許7483096金属含有フォトレジスト現像液組成物、およびこれを用いた現像工程を含むパターン形成方法
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  • 特許-金属含有フォトレジスト現像液組成物、およびこれを用いた現像工程を含むパターン形成方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】金属含有フォトレジスト現像液組成物、およびこれを用いた現像工程を含むパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/32 20060101AFI20240507BHJP
   G03F 7/38 20060101ALI20240507BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
G03F7/32
G03F7/38 501
G03F7/004 531
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023070735
(22)【出願日】2023-04-24
(65)【公開番号】P2024007318
(43)【公開日】2024-01-18
【審査請求日】2023-04-24
(31)【優先権主張番号】10-2022-0082642
(32)【優先日】2022-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】許 倫 ▲みん▼
(72)【発明者】
【氏名】▲はい▼ 鎭 希
(72)【発明者】
【氏名】文 炯 朗
(72)【発明者】
【氏名】郭 澤 秀
(72)【発明者】
【氏名】朴 景 鈴
(72)【発明者】
【氏名】李 忠 憲
(72)【発明者】
【氏名】黄 丙 奎
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-142547(JP,A)
【文献】特開2023-087948(JP,A)
【文献】特開2018-044202(JP,A)
【文献】特開2023-052469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/32
G03F 7/38
G03F 7/004
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機溶媒、ならびに
亜リン酸系化合物、次亜リン酸系化合物、亜硫酸系化合物、およびヒドロキサム酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含み、
前記亜リン酸系化合物は、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、n-オクチルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、アミノメチルホスホン酸、メチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、1-アミノ1-ホスホノオクチルホスホン酸、エチドロン酸、2-アミノエチルホスホン酸、3-アミノプロピルホスホン酸、6-ヒドロキシヘキシルホスホン酸、デシルホスホン酸、メチレンジホスホン酸、ニトリロトリメチレントリホスホン酸、および1H,1H,2H,2H-ペルフルオロオクタンホスホン酸からなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記亜硫酸系化合物は、ビニルスルホン酸、2-プロペン-1-スルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、3-ヒドロキシプロパン-1-スルホン酸、および4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸からなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記添加剤は、金属含有フォトレジスト現像液組成物の全質量に対して0.0001質量%以上1.0質量%未満の含有量で含まれる、金属含有フォトレジスト現像液組成物。
【請求項2】
前記添加剤の含有量は、前記金属含有フォトレジスト現像液組成物の全質量に対して0.5質量%以下である、請求項1に記載の金属含有フォトレジスト現像液組成物。
【請求項3】
前記次亜リン酸系化合物は、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン酸、ホスフィン酸、ビス(ヒドロキシメチル)ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、およびp-(3-アミノプロピル)-p-ブチルホスフィン酸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の金属含有フォトレジスト現像液組成物。
【請求項4】
前記ヒドロキサム酸系化合物は、ホルムヒドロキサム酸、アセトヒドロキサム酸、ベンゾヒドロキサム酸、サリチルヒドロキサム酸、2-アミノベンゾヒドロキサム酸、2-クロロベンゾヒドロキサム酸、2-フルオロベンゾヒドロキサム酸、2-ニトロベンゾヒドロキサム酸、3-ニトロベンゾヒドロキサム酸、4-アミノベンゾヒドロキサム酸、4-クロロベンゾヒドロキサム酸、4-フルオロベンゾヒドロキサム酸、および4-ニトロベンゾヒドロキサム酸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の金属含有フォトレジスト現像液組成物。
【請求項5】
前記金属含有フォトレジストは、有機オキシ基含有スズ化合物、および有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物からなる群より選択される少なくとも1種の金属化合物を含む、請求項1に記載の金属含有フォトレジスト現像液組成物。
【請求項6】
前記金属含有フォトレジストは、下記化学式1で表される金属化合物を含む、請求項1に記載の金属含有フォトレジスト現像液組成物:
【化1】

前記化学式1中、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、または-Ra-O-Rb(ここで、Raは置換または非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Rbは置換または非置換の炭素数1~20のアルキル基である)であり、
~Rは、それぞれ独立して、-ORまたは-OC(=O)Rで表される基であり、
この際、Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
【請求項7】
基板上に金属含有フォトレジストを塗布する工程;
前記基板上の前記金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物を塗布する工程;
乾燥および加熱して前記基板上に金属含有フォトレジスト膜を形成させる熱処理工程;
前記金属含有フォトレジスト膜を露光する工程;ならびに
請求項1~のいずれか1項に記載の金属含有フォトレジスト現像液組成物を用いて現像する工程、
を含む、パターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属含有フォトレジスト現像液組成物、およびこれを用いた現像工程を含むパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体産業では臨界寸法の継続的な縮小が伴われ、このような寸法縮小により、次第にさらに小さなフィーチャー(feature)の加工およびパターニングの要求を充足させるための、新たな類型の高性能フォトレジスト材料およびパターニング方法が要求されている。
【0003】
伝統的な化学増幅型(chemically amplified、CA)フォトレジストは、高い感度のために設計されたが、それらの典型的な元素構成(主に、さらに少量の酸素原子、フッ素原子、硫黄原子等を有する、有機基)が、13.5nmの波長の極端紫外線(EUV)で露光した際のフォトレジストの吸光度を低下させる。その結果、感度が減少するため、部分的にはEUV露光下でさらに困ることがある。CAフォトレジストはまた、小さなフィーチャー大きさで粗さ(roughness)の問題によって困ることがあり、部分的には酸触媒工程の本質に起因して、光速度(photospeed)が減少するにつれてラインエッジ粗さ(LER)が増加することが実験的に確認された。CAフォトレジストの欠点および問題に起因して、半導体産業では新たな類型の高性能フォトレジストに対する要求がある。
【0004】
特にフォトリソグラフィ工程で優れたエッチング耐性および解像力を有するとともに、感度および限界寸法(CD、critical dimension)の均一性を向上させることができ、ラインエッジ粗さ特性を改善することができるフォトレジストの開発が必要なのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、フォトリソグラフィ工程で優れたエッチング耐性および解像力を有するとともに、感度および限界寸法(CD、critical dimension)の均一性を向上させることができ、ラインエッジ粗さ特性を改善することができる金属含有フォトレジスト現像液組成物を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、当該組成物を用いた現像工程を含むパターン形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による金属含有フォトレジスト現像液組成物は、有機溶媒、ならびに亜リン酸系化合物、次亜リン酸系化合物、亜硫酸系化合物、およびヒドロキサム酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含み、前記添加剤の含有量は、金属含有フォトレジスト現像液組成物の全質量に対して0.0001質量%以上1.0質量%未満である。
【0008】
上記添加剤の含有量は、上記金属含有フォトレジスト現像液組成物の全質量に対して0.5質量%以下であってもよい。
【0009】
上記亜リン酸系化合物は、ホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、n-オクチルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、アミノメチルホスホン酸、メチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、1-アミノ1-ホスホノオクチルホスホン酸、エチドロン酸、2-アミノエチルホスホン酸、3-アミノプロピルホスホン酸、6-ヒドロキシヘキシルホスホン酸、デシルホスホン酸、メチレンジホスホン酸、ニトリロトリメチレントリホスホン酸、および1H,1H,2H,2H-ペルフルオロオクタンホスホン酸からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
【0010】
上記次亜リン酸系化合物は、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン酸、ホスフィン酸、ビス(ヒドロキシメチル)ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、およびp-(3-アミノプロピル)-p-ブチルホスフィン酸からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
【0011】
上記亜硫酸系化合物は、ビニルスルホン酸、2-プロペン-1-スルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、3-ヒドロキシプロパン-1-スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種であってもよい。
【0012】
上記ヒドロキサム酸系化合物は、ホルムヒドロキサム酸、アセトヒドロキサム酸、ベンゾヒドロキサム酸、サリチルヒドロキサム酸、2-アミノベンゾヒドロキサム酸、2-クロロベンゾヒドロキサム酸、2-フルオロベンゾヒドロキサム酸、2-ニトロベンゾヒドロキサム酸、3-ニトロベンゾヒドロキサム酸、4-アミノベンゾヒドロキサム酸、4-クロロベンゾヒドロキサム酸、4-フルオロベンゾヒドロキサム酸、および4-ニトロベンゾヒドロキサム酸からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
【0013】
上記金属含有フォトレジストは、有機オキシ基含有スズ化合物、および有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物からなる群より選択される少なくとも1種の金属化合物を含むことができる。
【0014】
上記金属含有フォトレジストは、下記化学式1で表される金属化合物を含むことができる。
【0015】
【化1】
【0016】
上記化学式1中、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、または-R-O-R(ここで、Rは置換または非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Rは置換または非置換の炭素数1~20のアルキル基である)であり、
~Rは、それぞれ独立して、-ORまたは-OC(=O)Rで表される基であり、
この際、Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
【0017】
本発明の他の実施形態によるパターン形成方法は、基板上に金属含有フォトレジスト組成物を塗布する工程、上記基板のエッジに沿って金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物を塗布する工程、乾燥および加熱して上記基板上に金属含有フォトレジスト膜を形成させる熱処理工程、上記金属含有フォトレジスト膜を露光する工程、ならびに上述の金属含有フォトレジスト現像液組成物を用いて現像する工程、を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、フォトリソグラフィ工程で優れたエッチング耐性および解像力を有するとともに、感度および限界寸法の均一性を向上させることができ、ラインエッジ粗さ特性を改善することができる金属含有フォトレジスト現像液組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態によるパターン形成方法を説明するための断面概略図である。
図2】本発明の一実施形態によるパターン形成方法を説明するための断面概略図である。
図3】本発明の一実施形態によるパターン形成方法を説明するための断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、本発明を説明するために、既に公知である機能あるいは構成に関する説明は、本発明の要旨を明瞭にするために省略することにする。
【0021】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分を省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一な参照符号を付けるようにした。また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図示されたところに限定されるわけではない。
【0022】
図面において、様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。層、膜、領域、板などの部分が他の部分「の上に」または「上に」あるという時、これは他の部分「の直上に」ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。
【0023】
本明細書において、「置換」とは、水素原子が、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキルアミノ基、ニトロ基、置換もしくは非置換の炭素数1~40のアルキルシリル基、炭素数1~30のアルキル基、炭素数1~10のハロアルキル基、炭素数1~10のアルキルシリルオキシ基、炭素数3~30のシクロアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数1~20のアルコキシ基、またはシアノ基で置換されたことを意味する。「非置換」とは、水素原子が他の置換基で置換されずに水素原子として残っていることを意味する。
【0024】
本明細書において、「アルキル基」とは、別途の定義がない限り、直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基は、いかなる二重結合や三重結合を含んでいない「飽和アルキル基」であってもよい。
【0025】
アルキル基は、炭素数1~20のアルキル基であってもよい。より具体的に、アルキル基は、炭素数1~10のアルキル基または炭素数1~6のアルキル基であってもよい。例えば、炭素数1~4のアルキル基は、アルキル鎖に1~4個の炭素原子が含まれるものを意味し、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、およびt-ブチル基からなる群より選択される基を表す。
【0026】
アルキル基の具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
【0027】
本明細書において、「シクロアルキル基」とは、別途の定義がない限り、1価の環状脂肪族炭化水素基を意味する。シクロアルキル基の具体的な例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0028】
本明細書において、「アルケニル基」とは、別途の定義がない限り、直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基であって、1つ以上の二重結合を含む脂肪族不飽和アルケニル基を意味する。
【0029】
本明細書において、「アルキニル基」とは、別途の定義がない限り、直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基であって、1つ以上の三重結合を含む脂肪族不飽和アルキニル基を意味する。
【0030】
本明細書において、「アリール基」は、環状の置換基の全ての元素がp-軌道を有しており、これらp-軌道が共役を形成している置換基を意味し、単環または縮合多環(すなわち、炭素原子の隣接した対を共有する環)官能基を含む。
【0031】
以下、本発明の一実施形態による金属含有フォトレジスト現像液組成物を説明する。
【0032】
本発明の一実施形態による金属含有フォトレジスト現像液組成物は、有機溶媒、ならびに亜リン酸系化合物、次亜リン酸系化合物、亜硫酸系化合物、およびヒドロキサム酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含み、上記添加剤の含有量は、金属含有フォトレジスト現像液組成物の全質量に対して0.0001質量%以上1.0質量%未満である。
【0033】
上記添加剤の含有量の上限は、0.9質量%以下であってもよく、具体的には、0.8質量%以下、または0.7質量%以下、または0.6質量%以下であってもよく、さらに具体的には、0.5質量%以下であってもよい。
【0034】
例えば、金属含有フォトレジスト現像液組成物は、組成物の全質量に対して有機溶媒を95.5質量%超99.9999質量%未満の含有量で含み、上述の添加剤を0.0001質量%超0.5質量%未満の含有量で含むことができる。
【0035】
このような組成物を適用することにより、露光工程後に金属含有フォトレジスト膜に存在するディフェクトを最小限にし、容易に現像が行われるようにすることによって、優れたコントラスト特性を実現することができるようにする。それだけでなく、優れた感度および減少したラインエッジ粗さ(LER)も実現することができる。
【0036】
現像液が有機酸を含む場合、含有量の調節によってもパターン形成性の改善効果が示されないが、本発明による亜リン酸系化合物、次亜リン酸系化合物、亜硫酸系化合物、およびヒドロキサム酸系化合物のうちの少なくとも1種の添加剤を含む場合には、添加剤の含有量を0.0001質量%~0.5質量%の範囲に調節することによって、パターン形成性において顕著に改善された効果を得ることができる。
【0037】
亜リン酸系化合物は、ホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、n-オクチルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、アミノメチルホスホン酸、メチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、1-アミノ-1-ホスホノオクチルホスホン酸、エチドロン酸、2-アミノエチルホスホン酸、3-アミノプロピルホスホン酸、6-ヒドロキシヘキシルホスホン酸、デシルホスホン酸、メチレンジホスホン酸、ニトリロトリメチレントリホスホン酸、および1H,1H,2H,2H-ペルフルオロオクタンホスホン酸からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
【0038】
次亜リン酸系化合物は、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン酸、ホスフィン酸、ビス(ヒドロキシメチル)ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、およびp-(3-アミノプロピル)-p-ブチルホスフィン酸からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
【0039】
一例として、亜硫酸系化合物は、ビニルスルホン酸、2-プロペン-1-スルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、3-ヒドロキシプロパン-1-スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種であってもよい。
【0040】
ヒドロキサム酸系化合物は、ホルムヒドロキサム酸、アセトヒドロキサム酸、フェニルヒドロキサム酸、ベンゾヒドロキサム酸、サリチルヒドロキサム酸、2-アミノベンゾヒドロキサム酸、2-クロロベンゾヒドロキサム酸、2-フルオロベンゾヒドロキサム酸、2-ニトロベンゾヒドロキサム酸、3-ニトロベンゾヒドロキサム酸、4-アミノベンゾヒドロキサム酸、4-クロロベンゾヒドロキサム酸、および4-フルオロベンゾヒドロキサム酸、4-ニトロベンゾヒドロキサム酸からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
【0041】
本発明の一実施形態による金属含有フォトレジスト現像液組成物に含まれる有機溶媒のとしては、エーテル、アルコール、グリコールエーテル、芳香族炭化水素化合物、ケトン、およびエステルのうちの少なくとも1種を含むことができるが、これらに限定されるものではない。例えば、有機溶媒は、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、4-メチル-2-ペンタノール(または、methyl isobutyl carbinol(MIBC)と記載できる)、ヘキサノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘプタノン、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、γ-ブチロラクトン、メチル-2-ヒドロキシイソブチレート、メトキシベンゼン、n-ブチルアセテート、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、メトキシエトキシプロピオネート、エトキシエトキシプロピオネート、またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
後述のその他の添加剤を含む場合、有機溶媒は、含まれる構成を除いた残部量で含まれてもよい。
【0043】
本発明による金属含有フォトレジスト現像液組成物は、界面活性剤、分散剤、吸湿剤、およびカップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種のその他の添加剤をさらに含むすることができる。
【0044】
界面活性剤は、金属含有フォトレジスト現像液組成物のコーティング均一性を向上させ、湿潤性を向上させる役割を果たすことができる。例示的な実施形態で、界面活性剤は、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル、石鹸、アミン塩、4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール、アルキルフェノールエチレンオキシド付加物、多価アルコール、窒素含有ビニル高分子、またはこれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されるものではない。例えば、界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルピリジニウム塩、ポリエチレングリコール、または4級アンモニウム塩を含むことができる。上記金属含有フォトレジスト現像液組成物が界面活性剤を含む場合、界面活性剤は、金属含有フォトレジスト現像液組成物の総質量を基準にして、0.001質量%~3質量%の含有量で含まれてもよい。
【0045】
上記分散剤は、上記金属含有フォトレジスト現像剤組成物を構成する各構成成分が、組成物内で均一に分散するようにする役割を果たすことができる。例示的な実施形態で、分散剤は、例えば、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、グルコース、ドデシルスルホン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、オレイン酸、リノール酸、またはこれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されるものではない。金属含有フォトレジスト現像剤組成物が分散剤を含む場合、分散剤は、金属含有フォトレジスト現像剤組成物の総質量を基準にして、0.001質量%~5質量%の含有量で含まれてもよい。
【0046】
吸湿剤は、金属含有フォトレジスト現像剤組成物において、水分による悪影響を防止する役割を果たすことができる。例えば、吸湿剤は、金属含有フォトレジスト現像剤組成物に含まれている金属が水分によって酸化されるのを防止する役割を果たすことができる。例示的な実施形態で、吸湿剤は、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、またはこれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されるものではない。金属含有フォトレジスト現像剤組成物が吸湿剤を含む場合、吸湿剤は、金属含有フォトレジスト現像剤組成物の総質量を基準にして0.001質量%~10質量%の含有量で含まれてもよい。
【0047】
カップリング剤は、金属含有フォトレジスト現像剤組成物を下部膜上にコーティングする際、下部膜との密着力を向上させる役割を果たすことができる。例示的な実施形態で、カップリング剤は、シランカップリング剤を含むことができる。シランカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、またはトリメトキシ[3-(フェニルアミノ)プロピル]シラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。金属含有フォトレジスト現像剤組成物がカップリング剤を含む場合、カップリング剤は、金属含有フォトレジスト現像剤組成物の総質量を基準にして約0.001重量%~約5重量%の含量で含まれてもよい。
【0048】
本発明の現像剤組成物が現像する対象となる金属含有フォトレジストは、有機オキシ基含有スズ化合物、および有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物から選択される少なくとも1種の金属化合物を含むことができる。
【0049】
例えば、上記有機オキシ基含有スズ化合物は、アルキルスズオキソ基であってもよい。
【0050】
例えば、上記有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物は、アルキルスズカルボキシ基であってもよい。
【0051】
一例として、金属含有フォトレジストは、下記化学式1で表される金属化合物を含むことができる。
【0052】
【化2】
【0053】
上記化学式1中、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、または-R-O-R(ここで、Rは置換または非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Rは置換または非置換の炭素数1~20のアルキル基である)のうちから選択され、
~Rは、それぞれ独立して、-ORまたは-OC(=O)Rで表される基であり、
この際、Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
【0054】
一例として、Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基であり、
一例として、Rは、水素原子、または置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基である。
【0055】
一方、本発明の他の一実施形態によれば、上述の金属含有フォトレジスト現像液組成物を用いた現像工程を含むパターン形成方法を提供することができる。一例として、製造されたパターンは、ネガ型フォトレジストパターンであってもよい。
【0056】
本発明の一実施形態によるパターン形成方法は、基板上に金属含有フォトレジストを塗布する工程、上記基板上に塗布された金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物を塗布する工程、乾燥および加熱して上記基板上に金属含有フォトレジスト膜を形成させる熱処理工程、上記金属含有フォトレジスト膜を露光する工程、ならびに前述の金属含有フォトレジスト現像液組成物を用いて現像する工程、を含む。
【0057】
より具体的には、金属含有フォトレジストを使用してパターンを形成する工程は、金属含有フォトレジストを、薄膜が形成された基板上にスピンコーティング、スリットコーティング、インクジェット印刷などで塗布する工程および塗布された金属含有フォトレジストを乾燥してフォトレジスト膜を形成する工程、を含むことができる。金属含有フォトレジストは、スズ含有化合物を含むことができ、例えば、スズ含有化合物は、有機オキシ基含有スズ化合物、有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物およびアルキルスズヒドロキシ基のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0058】
次に、上記基板のエッジに沿って、金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物を塗布する工程を行うことができる。
【0059】
次に、金属含有フォトレジスト膜が形成されている基板を加熱する第1熱処理工程を行う。第1熱処理工程は、80℃~120℃の温度で行うことができ、この過程で溶媒は蒸発し、金属含有フォトレジスト膜は基板にさらに堅固に接着できる。
【0060】
そして、フォトレジスト膜を選択的に露光する。
【0061】
一例として、露光工程で使用できる光の例としては、活性化エネルギー線であるi線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの短波長を有する光だけでなく、極端紫外線(EUV、Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギーを有する光などが挙げられる。
【0062】
より具体的には、本発明の一実施形態による露光用の光は、5nm~150nm波長範囲を有する短波長光であってもよく、EUV(Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギーを有する光であってもよい。
【0063】
フォトレジストパターンを形成する工程で、ネガ型パターンを形成することができる。
【0064】
フォトレジスト膜中の露光された領域は、有機金属化合物間の縮合などの架橋反応によって重合体を形成することにより、フォトレジスト膜の未露光の領域と互いに異なる溶解度を有するようになる。
【0065】
次に、上記基板に対して第2熱処理工程を行う。上記第2熱処理工程は、90℃~200℃の温度で行うことができる。第2熱処理工程を行うことによって、フォトレジスト膜の露光された領域は、現像液に溶解し難い状態となる。
【0066】
具体的には、上述の金属含有フォトレジスト現像液組成物を使用して、未露光の領域に該当するフォトレジスト膜を溶解させた後除去することによって、ネガティブトーンイメージに該当するフォトレジストパターンが製造できる。
【0067】
先に説明したように、i線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの波長を有する光だけでなく、極端紫外線(EUV、波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギーを有する光などによって露光されて形成されたフォトレジストパターンは、5nm~100nmの幅を有することができる。一例として、上記フォトレジストパターンは、5nm~90nm、5nm~80nm、5nm~70nm、5nm~60nm、5nm~50nm、5nm~40nm、5nm~30nm、5nm~20nmの幅に形成することができる。
【0068】
一方、フォトレジストパターンは、50nm以下、例えば40nm以下、例えば30nm以下、例えば20nm以下、例えば15nm以下のハーフピッチ(half-pitch)および、10nm以下、5nm以下、3nm以下、2nm以下の線幅粗さを有するピッチを有することができる。
【0069】
下記にパターンを形成する方法を、図1~3を例として挙げて具体的に説明する。
【0070】
図1~3は、本発明の一実施形態によるパターン形成方法を説明するための断面概略図である。
【0071】
図1を参照すれば、露光されたフォトレジスト膜を現像して、基板100の上にフォトレジストパターン130Pを形成する。
【0072】
例示的な実施形態で、露光されたフォトレジスト膜を現像してフォトレジスト膜の非露光の領域を除去し、フォトレジスト膜の露光された領域からなるフォトレジストパターン130Pを形成することができる。フォトレジストパターン130Pは、複数の開口部OPを含むことができる。
【0073】
例示的な実施形態で、フォトレジスト膜の現像は、NTD(negative-tone development)工程で行うことができる。この際、現像液組成物として、本発明による金属含有フォトレジスト現像液組成物を使用することができる。
【0074】
図2を参照すれば、図1のように得られたフォトレジストパターン130Pを用いてフィーチャー層110を加工する。
【0075】
例えば、フィーチャー層110を加工するために、フォトレジストパターン130Pの開口部OPを通じて露出されるフィーチャー層110をエッチングする工程、フィーチャー層110に不純物イオンを注入する工程、開口部OPを通じてフィーチャー層110の上に追加の膜を形成する工程、開口部OPを通じてフィーチャー層110の一部を変形させる工程、など多様な工程を行うことができる。図2には、フィーチャー層110を加工する例示的な工程として開口部OPを通じて露出されるフィーチャー層110をエッチングして、フィーチャーパターン110Pを形成する場合を例示した。
【0076】
図3を参照すれば、図2のように得られたフィーチャーパターン110P上に残っているフォトレジストパターン130Pを除去する。フォトレジストパターン130Pを除去するために、アッシング(ashing)およびストリップ(strip)工程を用いることができる。
【実施例
【0077】
以下、上述の金属含有フォトレジスト現像液組成物の製造に関する実施例を通じて、本発明をさらに詳細に説明する。しかし、下記実施例によって本発明の技術的特徴が限定されるものではない。
【0078】
(金属含有フォトレジスト現像液組成物の製造)
PP製のボトルに、有機溶媒と添加剤とをそれぞれ下記表1の組成で混合した後、常温(25℃)で振って完全に溶解させた。その後、1μmポアサイズを有するPTFE材質のフィルターを通過させて、金属含有フォトレジスト現像液組成物を得た。
【0079】
【表1】
【0080】
(金属含有フォトレジストの製造)
下記化学式Cで表される構造を有する有機金属化合物を、4-メチル-2-ペンタノールに1質量%の濃度で溶かした後、0.1μm PTFEシリンジフィルターでろ過して、金属含有フォトレジストを製造した。
【0081】
【化3】
【0082】
評価1:コントラスト(contrast)性能
上記で製造した金属含有フォトレジスト(PR)を、8インチウェーハ上に1,500rpmで30秒間スピンコーティングした後、130℃で60秒間熱処理して、コーティングされたウェーハを製造した。
【0083】
これを、KrF scanner(ASML社製 PAS 5500/700D)を用いて、1.2cm×0.9cm大きさの長方形パターンで、10~100mJ/cmの積算光量で露光した。その後、170℃で60秒間熱処理し、実施例1~17および比較例1~4による現像液組成物をそれぞれ適用して現像した後、180℃で60秒間熱処理して、パターニングされたウェーハを完成させた。パターニングされたウェーハに対して、各露光部位の厚さを測定して得られたコントラスト曲線からコントラスト性能(γ(contrast))および感度(D)を算出して、その結果を下記表2に示した。
【0084】
【数1】
【0085】
評価2:感度およびラインエッジ粗さ(LER)評価
直径が500μmである50個の円形パッド直線アレイを、EUV光(Lawrence Berkeley National Laboratory Micro Exposure Tool、MET)を使用してウェーハに投射した。パッドの露光時間を調節して、EUVの線量が各パッドに適用されるようにした。
【0086】
その後、レジスト膜が乗った基板をホットプレート上で、160℃で120秒間、ベークした(post-exposure bake、PEB)。ベークしたフィルムを、実施例1~17および比較例1~4による現像液にそれぞれ30秒間浸漬させた後、同じ現像剤で追加的に15秒間洗浄して、ネガティブトーンイメージを形成した、すなわち、未露光のコーティング部分を除去した。最終的に150℃、2分間、ホットプレートによるベークを行って、工程を終結させた。
【0087】
偏光解析法(Ellipsometer)を使用して、露出されたパッドの残留レジスト厚さを測定した。各露出量に対して残っている厚さを測定して、露出量に対する関数でグラフ化して、レジストの種類別にD(現像が完了するエネルギーレベル)を下記基準によって2段階に評価して表2に示した。
【0088】
電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)の画像から確認された、形成された線のラインエッジ粗さ(LER)を測定した後、下記基準によってラインエッジ粗さを3段階に評価して表2に示した:
[感度]
A:16mJ/cm未満
B:16mJ/cm以上
[ラインエッジ粗さ(LER)]
○:4nm以下
△:4nm超7nm以下
×:7nm超。
【0089】
【表2】
【0090】
表2を参照すれば、実施例1~実施例17による金属含有フォトレジスト現像液組成物を適用する場合、比較例1~4による金属含有フォトレジスト現像液組成物を適用する場合に比べて、優れたコントラスト性能、優れた感度、および減少したラインエッジ粗さを示すのを確認することができる。
【0091】
以上、本発明の特定の実施例が説明され図示されたが、本発明は記載された実施例に限定されるものではなく、本発明の思想および範囲を逸脱せず多様に修正および変形できるのは、この技術の分野における通常の知識を有する者に自明なことである。したがって、そのような修正例または変形例は、本発明の技術的思想や観点から個別的に理解されてはならず、変形された実施例は本発明の特許請求の範囲に属するというべきである。
【符号の説明】
【0092】
100 基板、
110 フィーチャー層、
110P フィーチャーパターン、
130P フォトレジストパターン
OP 開口部。
図1
図2
図3