(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】接点構造、基板ホルダ、めっき装置、及び基板に給電する方法
(51)【国際特許分類】
C25D 17/10 20060101AFI20240508BHJP
C25D 17/08 20060101ALI20240508BHJP
C25D 21/00 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
C25D17/10 B
C25D17/08 H
C25D17/08 R
C25D21/00 A
(21)【出願番号】P 2020163755
(22)【出願日】2020-09-29
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【氏名又は名称】小野 達己
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】宮本 松太郎
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-144497(JP,A)
【文献】特開2000-017497(JP,A)
【文献】特開2001-316870(JP,A)
【文献】特開2000-219998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 7/00
C25D 17/00
C25D 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に接触する先端側の第1接点部分と、前記第1接点部分よりも基端側の第2接点部分とを有する基板接点と、
前記基板接点の周囲を覆い、前記基板に接触して前記基板接点をシールするシール面を有するシール部材と、
前記基板接点に前記基板への接触圧力を弾性的に与える第1押圧部分と、
前記シール部材に接触し、前記第1押圧部分と独立して前記シール部材に前記基板への接触圧力を与える第2押圧部分と、
を備え、
前記第1接点部分は、前記シール部材に接着されており、
前記第2接点部分は、
前記シール部材に接着されておらず、前記シール部材
の基端側が前記第2接点部分とは独立に変位及び変形可能である、
接点構造。
【請求項2】
請求項1に記載の接点構造において、
前記第2押圧部分は、前記シール部材の前記シール面と略平行な面を介して前記シール部材に接触する、接点構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の接点構造において、
前記第2押圧部分は、前記基板接点を基準として前記シール部材の前記シール面よりも外側にある、接点構造。
【請求項4】
請求項1から3の何れかに記載の接点構造において、
前記第2接点部分の基端側の一部は、前記シール部材から突出しており、
前記シール部材上に配置され、前記シール部材に接触して押圧する第1押圧板と、
前記基板接点に給電するための接点プレートであり、前記第1押圧板上に配置され、前記第2接点部分に接触して弾性的に押圧する接点プレートとを備え、
前記接点プレートの前記第2接点部分との接触部分が前記第1押圧部分として機能し、
前記基板接点の周囲の一部又は全周において前記シール部材を押圧する前記第1押圧板の部分が、前記第2押圧部分として機能する、接点構造。
【請求項5】
請求項4に記載の接点構造において、
前記第1押圧板は貫通孔を有し、
前記第2接点部分は、前記第1押圧板の前記貫通孔を少なくとも部分的に通っている、接点構造。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の接点構造において、
前記接点プレートに給電するためのバスバーを備え、
前記シール部材は、前記バスバーの貫通孔
に、前記バスバーに
対して相対
移動可能に
、篏合されており、
前記接点プレートは、前記第2接点部分と接触する側と反対側でバスバーに固定され、前記バスバーにより片持ち支持されている、接点構造。
【請求項7】
請求項6に記載の接点構造において、
前記接点プレート上に配置され、前記接点プレートと前記バスバーとの接触均一性及び前記接点プレートの片持ち剛性を調整するための第2押圧板を備える、
接点構造。
【請求項8】
請求項4から7の何れかに記載の接点構造において、
複数の前記基板接点が設けられ、
前記接点プレートは、
弾性を有する部材であり、各
基板接点に取り付けられる複数の先端部を有し、
各基板接点が互いに独立して変位可能となるように、前記接点プレートの各先端部が独立に変位可能に互いに分離されている、接点構造。
【請求項9】
請求項1から3の何れかに記載の接点構造において、
前記シール部材上に配置され、前記シール部材に接触して押圧する接点ブロックと、
前記接点ブロックと前記基板接点の前記第2接点部分との間に配置された弾性部材と、を備え、
前記弾性部材の前記基板接点との接触部分が、前記第1押圧部分として機能し、
前記接点ブロックの前記シール部材との接触部分が、前記第2押圧部分として機能する、接点構造。
【請求項10】
請求項9に記載の接点構造において、
前記接点ブロックは、前記基板接点ごとに設けられている、接点構造。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の接点構造において、
前記弾性部材は、導電性を有し、前記接点ブロックから前記弾性部材を介して前記基板接点に給電可能である、接点構造。
【請求項12】
請求項9から11の何れかに記載の接点構造において、
前記基板接点に給電するための接点プレートであり、前記接点ブロックに接触して押圧する接点プレートを備える、接点構造。
【請求項13】
請求項1から12の何れかに記載の接点構造において、
前記第2接点部分の径は、前記第1接点部分の径よりも大径である、接点構造。
【請求項14】
請求項13に記載の接点構造において、
前記基板接点は、前記
第1接点部分と前記第2接点部分との間にテーパ部分を有する、接点構造。
【請求項15】
請求項14に記載の接点構造において、
前記テーパ部分と前記第1接点部分との接続部、及び/又は、前記テーパ部分と前記第2接点部分との接続部には、Rが設けられている、接点構造。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の接点構造において、
前記テーパ部分は、前記シール部材に接着されている、接点構造。
【請求項17】
請求項1から16の何れかに記載の接点構造において、
前記シール部材は、前記基板接点と共に加硫成型により一体成型され、前記基板接点と前記シール部材とは架橋接着されている、接点構造。
【請求項18】
請求項1から17の何れかに記載の接点構造において、
前記第1接点部分の先端と前記シール部材の前記シール面とは略面一に構成されている、接点構造。
【請求項19】
互いに係合して、基板を挟んで保持する第1保持部材及び第2保持部材を備え、
前記第1及び第2保持部材の少なくとも一方は、請求項1から18の何れかに記載の接点構造を有する少なくとも1つの給電モジュールを有する、
基板ホルダ。
【請求項20】
請求項19に記載の基板ホルダと、
前記基板ホルダに保持された基板をめっきするめっき槽と、
備えるめっき装置。
【請求項21】
基板に給電する方法であって、
周囲をシール部材により覆われた基板接点であり、前記シール部材に接着されている、前記基板に接触する側の第1接点部分と、前記第1接点部分より基端側で
前記シール部材に接着されていない第2接点部分とを有する前記基板接点を、前記基板に接触させ、
前記基板接点に前記基板への接触圧力を弾性的に与えると共に、前記基板接点への接触圧力の付与とは独立して、前記シール部材に前記基板への接触圧力を与え
ることにより、前記シール部材の基端側が前記第2接点部分とは独立に変位及び変形して、前記シール部材によるシール圧力を発生させる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に給電するための接点構造、基板ホルダ、めっき装置、及び基板に給電する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハやプリント基板等の基板の表面に配線やバンプ(突起状電極)等を形成することが行われている。この配線及びバンプ等を形成する方法として、電解めっき法が知られている。電解めっき法に用いるめっき装置では、円形又は多角形の基板の端面をシールし、被めっき面を露出させて保持する基板ホルダを備える。このようなめっき装置において基板表面にめっき処理を行うときは、基板を保持した基板ホルダをめっき液中に浸漬させる。ところで、近年、回路線幅の小寸法化に伴い、基板表面に形成される通電用のシード層も薄膜化する傾向がある。シード層が薄くなり(例えば約1μm以下)、電気接点(コンタクト)まわりがウェットであると、シード層にシャント電流(バイポーラ電流)が流れること、及び/又は、気液界面近傍のエッチング(溶存酸素濃度勾配による局部電池腐食)が生じることにより、シード層の溶解を引き起こす場合がある。シード層の溶解が発生すると、適正なめっきができなくなるため、少なくとも電気接点まわりをドライにする必要がある。
【0003】
従来、基板接点とめっき液との接触を抑制ないし防止するための種々の接点構造が提案されている。特開平8-13198号公報(特許文献1)には、円柱形の基板接点をフッ素ゴムのカバーで覆い、カバーに接点の先端よりも突出して拡開する中空円錐状部分を設けた構成が記載されている。この構成では、基板接点が基板に接触した際に、カバーの中空円錐状部分が基板に押し付けられて密着され、中空円錐状部分の内側空間に接点の接触面が密閉収容されるようになっている。特開平7-54199号公報(特許文献2)には、弾性片の先端側を折り曲げて形成された爪の形状のコンタクトにおいて、弾性片を絶縁テープで被覆すると共に爪に接着剤を塗布し、コンタクトの接触箇所以外を絶縁体でシールドする構成が記載されている。特開2000-219998公報(特許文献3)には、板状又は棒状の導電性の支持部と、その先端に設けられた導電性の接触部とを備えるコンタクトにおいて、接触部以外を絶縁性の被覆部で覆った構成が記載されている。この構成では、絶縁性の被膜によりコンタクトと基板との間の接触箇所をシールしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平8-13198号公報
【文献】特開平7-54199号公報
【文献】特開2000-219998公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように、弾性変形する中空円錐状部分を設けると、強いシール力を発生させることが困難であるという問題がある。また、基板上でシールに覆われる面積が大きくなる問題がある。特許文献2及び特許文献3のようにコンタクトとシールとを一体とする構成は、シール力が維持される構造ではなく、この場合も十分なシール力を得ることができない。特許文献1から3の何れの構成も、シード層の溶解を防止するには問題がある。
【0006】
本発明の目的は、上述した課題の少なくとも一部を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面によれば、 基板に接触する先端側の第1接点部分と、前記第1接点部分よりも基端側の第2接点部分とを有する基板接点と、 前記基板接点の周囲を覆い、前記基板に接触して前記基板接点をシールするシール面を有するシール部材と、 前記基板接点に前記基板への接触圧力を弾性的に与える第1押圧部分と、 前記シール部材に接触し、前記第1押圧部分と独立して前記シール部材に前記基板への接触圧力を与える第2押圧部分と、を備え、 前記第1接点部分は、前記シール部材に接着されており、 前記第2接点部分は、前記シール部材に対して相対変位可能に篏合されている、 接点構造が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る基板ホルダが使用されるめっき装置の全体配置図である。
【
図4】各保持部材が分離された状態を示す基板ホルダの斜視図である。
【
図5】基板ホルダの外部接続部の拡大斜視図である。
【
図8】給電モジュール×1単位長分に対応するバスバーの背面側からの斜視図である。
【
図10】接点プレートの背面側からの斜視図である。
【
図11】給電モジュール×1単位長分に対応するフロントプレートの背面側からの斜視図である。
【
図12】給電モジュール近傍を拡大した平面図である。
【
図13】
図12のXIII-XIIIに沿う給電モジュールの断面図である。
【
図13A】シール部のエッジ効果を説明する説明図である。
【
図14】
図12のXIV-XIVに沿う給電モジュールの断面図である。
【
図16】押さえ板の他の構成を備えた給電モジュールの断面図である。
【
図18】他の実施形態に係る給電モジュールの断面図である。
【
図19】第2保持部材の係止機構付近を拡大した斜視図である。
【
図20】第1及び第2保持部材の係合状態で係止機構を示す斜視図である。
【
図21】第2保持部材の係止機構付近を拡大した背面図である。
【
図22】ロック状態における
図21のXXII-XXII線に沿う断面図である。
【
図23】ロック状態における
図21のXXIII-XXIIIに沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係るめっき装置およびめっき装置に使用される基板ホルダの実施形態を添付図面とともに説明する。添付図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
【0010】
本明細書において「基板」には、半導体基板、ガラス基板、液晶基板、プリント回路基板だけでなく、磁気記録媒体、磁気記録センサ、ミラー、光学素子、微小機械素子、あるいは部分的に製作された集積回路、その他任意の被処理対象物を含む。基板は、多角形、円形を含む任意の形状のものを含む。また、本明細書において「前面」、「背面」、「フロント」、「バック」、「上」、「下」、「左」、「右」等の表現を用いるが、これらは
、説明の都合上、例示の図面の紙面上における位置、方向を示すものであり、装置使用時等の実際の配置では異なる場合がある。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る基板ホルダが使用されるめっき装置の全体配置図である。めっき装置100は、基板ホルダ200(
図2)に基板を保持した状態で基板にめっき処理を施すものである。めっき装置100は、基板ホルダ200に基板をロードし、又は基板ホルダ200から基板をアンロードするロード/アンロード部110と、基板を処理する処理部120と、洗浄部50aとに大きく分けられる。処理部120は、さらに、基板の前処理及び後処理を行う前処理・後処理部120Aと、基板にめっき処理を行うめっき処理部120Bとを含む。
【0012】
ロード/アンロード部110は、2台のカセットテーブル25と、基板脱着機構29とを有する。カセットテーブル25は、基板を収納したカセット25aを搭載する。基板脱着機構29は、基板を基板ホルダ200に着脱するように構成される。また、基板脱着機構29の近傍(例えば下方)には、基板ホルダ200を収容するためのストッカ30が設けられる。洗浄部50aは、めっき処理後の基板を洗浄して乾燥させる洗浄装置50を有する。
【0013】
カセットテーブル25、基板着脱機構29、及び洗浄部50aで囲まれる位置には、これらのユニット間で基板を搬送する搬送用ロボットからなる基板搬送装置27が配置されている。基板搬送装置27は、走行機構28により走行可能に構成される。基板搬送装置27は、例えば、めっき前の基板をカセット25aから取り出して基板着脱機構29に搬送し、めっき後の基板を基板着脱機構29から受け取り、めっき後の基板を洗浄部50aに搬送し、洗浄及び乾燥された基板を洗浄部50aから取り出してカセット25aに収納すように構成される。
【0014】
前処理・後処理部120Aは、プリウェット槽32と、プリソーク槽33と、プリリンス槽34と、ブロー槽35と、リンス槽36と、を有する。プリウェット槽32では、基板が純水に浸漬される。プリソーク槽33では、基板の表面に形成したシード層等の導電層の表面の酸化膜がエッチング除去される。プリリンス槽34では、プリソーク後の基板が基板ホルダと共に洗浄液(純水等)で洗浄される。ブロー槽35では、洗浄後の基板の液切りが行われる。リンス槽36では、めっき後の基板が基板ホルダと共に洗浄液で洗浄される。なお、この構成は一例であり、上述した構成に限定されず、前処理・後処理部120Aは、他の構成を採用することが可能である。
【0015】
めっき処理部120Bは、複数のめっき槽(めっきセル)39と、オーバーフロー槽38とを有する。各めっき槽39は、内部に一つの基板を収納し、内部に保持しためっき液中に基板を浸漬させて基板表面に銅めっき等のめっきを行う。ここで、めっき液の種類は、特に限られることはなく、用途に応じて様々なめっき液が用いられる。
【0016】
めっき装置100は、これらの各機器の側方に位置して、これらの各機器の間で基板ホルダ200を基板とともに搬送する、例えばリニアモータ方式を採用した基板ホルダ搬送装置37を有する。この基板ホルダ搬送装置37は、基板脱着機構29、ストッカ30、プリウェット槽32、プリソーク槽33、プリリンス槽34、ブロー槽35、リンス槽36、及びめっき槽39との間で基板ホルダを搬送するように構成される。
【0017】
以上のように構成されるめっき装置100は、上述した各部を制御するように構成された制御部としてのコントローラ175を有する。コントローラ175は、所定のプログラムを格納したメモリ175Bと、メモリ175Bのプログラムを実行するCPU175Aとを有する。メモリ175Bを構成する記憶媒体は、各種の設定データ、めっき装置10
0を制御するプログラムを含む各種のプログラムなどを格納している。プログラムは、例えば、基板搬送装置27の搬送制御、基板脱着機構29における基板の基板ホルダへの着脱制御、基板ホルダ搬送装置37の搬送制御、各処理槽における処理の制御、各めっき槽39におけるめっき処理の制御、洗浄部50aの制御を実行するプログラムを含む。記憶媒体は、不揮発性及び/又は揮発性の記憶媒体を含むことが可能である。記憶媒体としては、例えば、コンピュータで読み取り可能なROM、RAM、フラッシュメモリなどのメモリや、ハードディスク、CD-ROM、DVD-ROMやフレキシブルディスクなどのディスク状記憶媒体などの公知のものが使用され得る。
【0018】
コントローラ175は、めっき装置100及びその他の関連装置を統括制御する図示しない上位コントローラと通信可能に構成され、上位コントローラが有するデータベースとの間でデータのやり取りをすることができる。コントローラ175の一部又は全部の機能は、ASIC等のハードウェアで構成することができる。コントローラ175の一部又は全部の機能は、シーケンサで構成してもよい。コントローラ175の一部又は全部は、めっき装置100の筐体の内部及び/又は外部に配置することができる。コントローラ175の一部又は全部は、有線及び/又は無線によりめっき装置100の各部と通信可能に接続される。
【0019】
(基板ホルダ)
図2は、前面側からみた基板ホルダの斜視図である。
図3は、背面側からみた基板ホルダの斜視図である。
図4は、各保持部材が分離された状態を示す基板ホルダの斜視図である。
図5は、基板ホルダの外部接続部の拡大斜視図である。この基板ホルダ200は、第1保持部材210と第2保持部材220とを備え、第1保持部材210と第2保持部材220とが互いに係合し、第1保持部材210と第2保持部材220との間に基板Wを挟持した状態で保持する。
【0020】
第1保持部材210は、縦部材211aと、縦部材211bと、横部材212と、横部材213と、レール215と、アーム216と、外部接続部217と、を備えている。また、第1保持部材210は、第1保持部材210を第2保持部材220に係止するための係止機構として複数のピン270(
図4)を備えている。縦部材211a及び縦部材211bは、互いに略平行に延びており、基板Wの前面に接触して電流を流すための電気接点である基板接点(後述)を含む給電部を備えている。ここでは、縦部材211a及び縦部材211bのみに給電部を設ける場合を例に挙げるが、他の実施形態では、縦部材211a及び/又は縦部材211bに代えて又は加えて、横部材212及び/又は横部材213に給電部を設けることができる。横部材212は、アーム216から遠い側で縦部材211aと縦部材211bとを互いに連結する。横部材213は、アーム216から近い側で縦部材211aと縦部材211bとを互いに連結する。横部材212、213は、縦部材211a、211bを支持し、撓みを抑制するものである。これらの縦部材211a、211b及び横部材212、213で囲まれる領域において、基板Wの前面が露出されるようになっている。なお、横部材212、213を省略して、いわゆる門型の基板ホルダとしてもよい。
【0021】
レール215は、アーム216に対して略平行に取り付けられており、縦部材211a、211bがレール215に沿ってスライド可能に取り付けられている。縦部材211a、211bをレール215に沿って接近又は離間するように移動させることにより、基板Wの大きさに応じて縦部材211a、211bの位置を調整可能に構成されている。
【0022】
アーム216は、基板ホルダ搬送装置37に把持される把持部分であり、各処理槽に配置される際に支持される部分である。アーム216は、縦部材211aと略直交して延在し、一方の端部に外部接続部217が設けられている。他の実施形態では、アーム216
の両方の端部に外部接続部217を設けてもよい。外部接続部217は、基板ホルダ200を外部の電源に電気的に接続するため外部接続端子であり、例えば、リーフ電極からなる複数の外部接続接点を有する(
図5)。外部接続接点の一部(
図5の手前側)は、バスバー218aに電気的に接続され、外部接続接点の他の一部(
図5の奥側)は、バスバー218bに電気的に接続される。バスバー218a、218bは、適宜、カバー又は保護部材で覆われる。バスバー218aは、アーム216の長手方向に沿って延び、縦部材211aのバスバー260(
図3)と機械的及び電気的に接続されるように構成されている。バスバー218aは、縦部材211aの位置の調整に応じて、複数の箇所で縦部材211aのバスバー260と連結可能な構成である。バスバー218bは、アーム216の長手方向に沿って延び、縦部材211bのバスバー260(
図3)と機械的及び電気的に接続されるように構成されている。バスバー218bは、縦部材211bの位置の調整に応じて、複数の箇所で縦部材211bのバスバー260と連結可能な構成である。バスバー218a、218bと縦部材211a、211bのバスバー260との接続箇所は、一例では、カバー又は保護部材の内側にある。
【0023】
第2保持部材220は、バックプレート280と、バックプレート280上に設けられ第2保持部材220を第1保持部材210に係止するためのロックプレート300を含む係止機構とを備えている。係止機構は、縦部材211a、211bに対応して延びるロックプレート300と、バックプレート280とロックプレート300と間でロックプレート300に対応して延びるフロートプレート290と、ロックプレート300とフロートプレート290との間で付勢力を発生する付勢機構305と、を有している。係止機構の詳細については、後述する。
【0024】
(給電モジュール)
図6は、縦部材の縦断面図である。縦部材211a及び縦部材211bは、同様の構成であるので、以下、縦部材211aを例に挙げて説明する。縦部材211aは、図示されるように、フロントプレート250と、バスバー260と、バスバー260に電気的に接続された複数の給電モジュール230と、各給電モジュール230の両側(隣接する給電モジュール230の間及び端部の給電モジュール230の外側)に配置された複数のピン270と、を備えている。
図6では、隣接するピン270の間隔をdで表示している。バスバー260は、
図3及び
図4に示すように、縦部材211aの全長に亘って延びており、上述したように、レール215に機械的に接続され、及びアーム216のバスバー218a、218b(
図5)に機械的及び電気的に接続される。バスバー260は、アーム216内のバスバー218a、218bを介して、外部接続部217に電気的に接続されている。フロントプレート250は、
図2及び
図6に示すように、バスバー260の前面側において、バスバー260に沿って縦部材211aの全長に亘って延びている。フロントプレート250は、シール部材231と共に基板接点236及び接点プレート233をめっき液から遮断している。給電モジュール230は、給電部を構成する給電ユニットであり、
図6に示すように、縦部材211aの長手方向に沿って、それぞれ、バスバー260の前面側に配置されている。この例では、給電モジュール230は、バスバー260とフロントプレート250との間に配置される。各給電モジュール230は、
図7を参照して後述するように、基板接点236を備え、基板接点236の先端側がバスバー260の貫通孔263を介してバスバー260の背面側(フロントプレート250の反対側)に延び、基板Wに接触するように配置されている。
【0025】
図7は、縦部材の分解斜視図である。
図8は、給電モジュール×1単位長分に対応するバスバーの背面側からの斜視図である。
図9は、シール部材の背面側からの斜視図である。
図10は、接点プレートの背面側からの斜視図である。
図11は、給電モジュール×1単位長分に対応するフロントプレートの背面側からの斜視図である。
図12は、給電モジュール近傍を拡大した平面図である。
図13は、
図12のXIII-XIIIに沿う給電
モジュールの断面図である。
図14は、
図12のXIV-XIVに沿う給電モジュールの断面図である。
図15は、給電モジュールの断面斜視図である。フロントプレート250及びバスバー260は、
図6に示したように、縦部材211aの全長に亘って延びるが、
図7、
図8、
図11では、図面の複雑化を避けるために、1つの給電モジュール230に対応する部分(給電モジュール×1単位長分)のみ図示している。なお、給電モジュールを接点シールモジュールとして参照する場合もある。
【0026】
給電モジュール230は、シール部材231と、シール部材231内に配置された基板接点236と、押さえ板232と、接点プレート233と、接点プレート押さえ234と、を備えている。給電モジュール230は、
図15に示すように、シール部235に囲まれた基板接点236が接点プレート233を介してバスバー260から給電を受け、バスバー260に片持ち支持された接点プレート233が、基板接点236に基板への接触圧力を弾性的に与えるとともに、押さえ板232が、シール部235に基板への接触圧力(シール圧力)を与える構成である。以下の説明では、「基板への接触圧力」を単に「接触圧力」として参照する場合がある。
【0027】
シール部材231は、概ね矩形の形状を有する弾性部材(ゴム等のエラストラマー)であり、基板接点236を受け入れるシール部235と、シール部材231の前面側(
図7では上面)に設けられたシール部237と、シール部235の外側に設けられた貫通孔238と、シール部材231の背面側(
図9参照)において貫通孔238の周囲に設けられたシール部239と、シール部材231の背面側(
図9参照)において貫通孔238の外側に設けられた突起240と、ピン270を逃がすための切欠241と、を備えている。基板接点236は、
図13から
図15に示すように、シール部235の前面側から背面側に貫通して設けられている。
【0028】
シール部235は、
図13に示すように、バスバー260の貫通孔263を通って、縦部材211aの背面側(同図の下側)に露出する。シール部235は、バスバー260に対して相対移動可能に貫通孔263に篏合されている。シール部235は、バスバー260の背面から所定の長さで突出するような長さに形成されている。シール部235は、先端面(シール面)に向かって小径となるテーパを有する。この構成によれば、シール部235の基板に接触する範囲(シール面)を所望の範囲に調整することができ、所望の範囲以外のシール部235の部分が基板に接触することを回避することができる。また、テーパを設けて接触範囲を調整することにより、シール部材の急激な形状変化を避け、シール部材を成型する際のゴムの流動性を確保し易い。
【0029】
シール部235には、
図7及び
図14に示すように、複数の基板接点236が、シール部材231の前面側から背面側に貫通するように設けられている。複数の基板接点236は、シール部材231の内側辺の近傍で内側辺に沿って並んで設けられる。基板接点236とシール部235の先端の位置関係が、一意的に決まるように、基板接点236とシール部235は凹凸等に組み合わされる(
図13から
図15)。複数の基板接点236は、例えば、ネジ246により接点プレート233に取り付けられる。
図13に示すように、基板接点236(大径部236a)の基端は、シール部235の前面から所定の距離だけ突出しており、基板接点236(小径部236c)の先端は、シール部235の先端面(シール面)と略面一(フラット)になるように配置されている。基板接点236の先端面をシール部235の先端面と面一に配置することで、基板接点236の先端に液体が残留することを抑制/防止する。なお、基板接点236(小径部236c)の先端が、シール部235の先端面(シール面)と略面一(フラット)の構成に限定されず、基板接点236(小径部236c)の先端が、シール部235の先端面(シール面)より後退する構成、あるいは、シール部235の先端面(シール面)より突出する構成を採用することも可能である。
【0030】
基板接点236は、導電性の部材であり、例えば、SUSで形成することができる。基板接点236は、ブロックピン構造であり、本実施形態では、円筒形状を有する。但し、基板接点236は、円筒形状以外の任意の形状であってもよい。基板接点236は、大径部236aと、小径部236cと、大径部236aと小径部236cとを接続するテーパ部236bとを備えている。基板接点236の先端側はシール部材231(シール部235)に接着され、基板接点236の基端側はシール部材231(シール部235)に接着されておらず、シール部材231(シール部235)に対して相対移動可能に篏合されている。ここで、「接着」とは、ゴム、樹脂等との一体成型時による結合、接着剤による結合、溶接による結合、その他の接合を含むものとする。なお、接着範囲及び非接着範囲は、基板ホルダで基板を保持した際に、基板側から受ける作用力により基板接点236が接触圧力とは反対方向(基板とは反対方向)に変位し、シール部235のシール面が残留する作用で、シール圧力(シール力)を発生させることが可能な範囲とする。
【0031】
図13の例では、小径部236c及びテーパ部236bは、シール部材231に加硫成型により架橋接着されている(同図中、二点鎖線で示す接着領域400)。一方、大径部236aは、シール部材231に接着されておらず、シール部材231(シール部235)に対して相対移動可能に篏合されている。例えば、基板接点236のうち接着しない部分に、単に接着剤(ゴムを接着させる薬剤)を塗布しないか、ゴムの接着を防止する薬剤(剥離剤など)を塗布して、及び/又は、基板接点236のうち接着する部分に、ゴムを接着させる薬剤を塗布して、加硫成型することにより、基板接点236の先端側をシール部235に接着し、基端側をシール部235に接着させない構造を実現することができる。なお、一体成型に代えて、基板接点236を受け入れる孔を有するシール部材231を別体で形成し、基板接点236をシール部材231に接着剤等により接着、溶接等してもよい。
【0032】
大径部236aは、接点プレート233との接触面積(給電面積)を確保することが可能であり、及び、基板接点236をシール部材231と一体成型する際に、基板接点236がゴム材からの高圧に耐えうる強度を提供することが可能な径を有する。また、大径部236aを設けることにより、成形型内での基板接点236と成型型との取り合い(成型型に対する基板接点236の固定方法等)を構成する二次的効果もある。大径部236aには、接点プレート233を大径部236aに固定するためのネジ246が螺合されるネジ孔236dが設けられている。
【0033】
小径部236cは、大径部236aよりも小さい径を有し、剛性担保のために大径部236aよりも短い長さを有する。また、小径部236cは、シール部235の先端面(シール面)と共に、基板W上において割り当てられる領域(接触可能範囲)に適合するような寸法に形成されている。接触可能範囲は、基板の仕様により設定されるものである。また、基板接点236を先細りのブロックピン形状とすることにより、複数の基板接点間の間隔が確保できる効果もある。
【0034】
テーパ部236bは、基板接点236の寸法の急激な変化を抑制し、シール部材231と一体成型する際にゴムの流動性が確保できるようにするために設けられる。本実施形態では、さらにゴムの流動性が確保を確実にするために、テーパ部236bと小径部236cとの間の隅部、及びテーパ部236bと大径部236aとの間の隅部にR加工が施されている。
【0035】
本実施形態では、基板接点236を保持するシール部材231は、シール部235が基板W上においてレジストで覆われていないシード層に対して接触するように構成される。基板接点236を保持するシール部235の全体を基板上の同一高さの部分に接触させる
ことにより、シール部235による基板接点236のシール性を向上させることができる。
【0036】
シール部237は、
図7に示すように、シール部材231の前面の外周部に沿って設けられており、
図13に示すように、シール部材231とフロントプレート250との間をシールし、基板接点236、接点プレート233等をめっき液から保護するように構成されている。シール部237は、シール部材231に一体に設けられた突起部であってもよく、例えばOリングのような別部材をシール部材本体に取り付けたものであってもよい。貫通孔238は、シール部235の外側に設けられ、前面側から背面側に貫通している。貫通孔238の形状及び寸法は、バスバー260の突起部264の形状及び寸法に応じて任意の形状とすることができる。貫通孔238は、例えば、
図7に示すように、シール部235と略平行に延びる長孔形状とすることができる。貫通孔238には、
図13に示すように、バスバー260の突起部264が通され、バスバー260の突起部264の端面が、基板ホルダ前面側に露出する。バスバー260の突起部264は、接点プレート233との接続を容易にするために、シール部材231の前面から所定の長さで突出して、突起部264の端面が露出されるようにすることが好ましい。シール部239は、
図9及び
図13に示すように、シール部材231の背面において貫通孔238の周囲に設けられており、突起部264の周囲でシール部材231とバスバー260との間をシールして、突起部264と同部に接続される接点プレート233をめっき液から保護するように構成されている。シール部239は、シール部材231に一体に設けられた突起部であってもよく、例えばOリングのような別部材をシール部材本体に取り付けたものであってもよい。
【0037】
突起240は、
図9及び
図13に示すように、貫通孔238の外側にてシール部材231の背面から突出するように設けられている。突起240は、基板ホルダ200が基板Wを挟持した際に、第2保持部材220に当接する突っ張りとして機能し、第2保持部材220からの押圧力を受ける受圧部として機能する。突起240は、シール部235とともに第2保持部材220からの押圧力を受ける受圧部として機能するため、シール部235に対応する形状及び寸法に形成されることが好ましい。例えば、突起240は、
図7及び
図9に示すように、シール部235に略平行に延び、略同一の長さを有する細長い形状に形成される。突起240は、
図13に示すように、バスバー260の貫通孔267を通過して、背面側に配置される第2保持部材220(図示省略)に向かって延びる。突起240は、第1保持部材210及び第2保持部材220で基板Wを挟持したとき、第2保持部材220に接触して、第2保持部材220が第1保持部材210を押圧する力の一部を受け止める受圧部として機能する。
【0038】
押さえ板232は、
図7及び
図13に示すように、シール部材231と接点プレート233との間に設けられており、接点プレート233を支持すると共に、シール部材231を押さえる部材である。押さえ板232は、例えば、SUSで形成される。押さえ板232は、接点プレート233よりも高い剛性を有するように形成される。言い換えれば、押さえ板232は、接点プレート233と比較して、基板側から受ける力により基板から離れる方向に変位し難い剛性を有する。押さえ板232の厚みは、シール部材231から突出するバスバー260の突起部264の高さと略同一に形成される。押さえ板232には、シール部材231の貫通孔238に概ね対応して、バスバー260の突起部264を通過させる貫通孔242が設けられている。貫通孔242は、貫通孔238よりも若干大きくてもよい。
【0039】
押さえ板232は、基板接点236が基板Wに押し付けられるとき、シール部235を基板Wに対して押圧し、シール部235に基板Wへの接触圧力(基板への接触圧力、以下同様)を与える。押さえ板232による押圧により、シール部235の基端側(この例では、大径部236aに対応する部分)は、基板接点236とは独立して変形/変位し、基
板接点236と接着されているシール部235の先端側(この例では、テーパ部236b、小径部236cに対応する部分)を基板Wに対して押圧する。本実施形態では、シール部材231の基端面は基板に略平行に形成され、押さえ板232は、シール部235のシール面と略平行な面を介してシール部235に接触圧力を与えるので、シール部235に十分な押圧力を与えることができ、シール面に十分な接触圧力を与えることができる。なお、本実施形態では、押さえ板232とフロントプレート250がシール部235に接触圧力を与えている。
【0040】
押さえ板232は、基板接点236の近傍の全周においてシール部235に接触して、シール部235に接触圧力を弾性的に与えるようにしてもよい。
図16は、押さえ板の他の構成を備えた給電モジュールの断面図である。
図17は、押さえ板の他の構成を示す平面図である。この押さえ板232は、基板接点236の周囲を全周に亘って囲む延長部232aを備えており、延長部232aには、基板接点236の基端側(大径部236a)が通過する貫通孔232bが設けられている。この構成では、押さえ板232が、
図16の矢印Bで示すように、基板接点236の周囲を全周に亘ってシール部235を押さえるため、基板接点236の全周でシール部235をより均一に押さえ、基板接点236の全周でシール部235に均一な接触圧力を与えることができる。また、本実施形態では、押さえ板232の延長部232aと、フロントプレート250との間には、
図16に示すように、電気絶縁性のスペーサ232cが配置され、フロントプレート250と押さえ板232との間が電気的に絶縁されている。尚、簡素化の為、スペーサ232Cを無くし、直接フロントプレート250と押さえ板232が接触する形態とし、コーティング等で電気絶縁を図っても良い。
図16の構成では、
図13の構成に比べて、押さえ板232が片持ちではなく両持ちで固定されるため、押さえ板232の変形を防ぎ、より高いシール力を得ることができる。
【0041】
図13及び
図16の何れの構成でも、シール部235に接触圧力を与える押さえ板232の部分(押圧部分)やフロントプレート250が直接シール部235に接する箇所は、シール部235の基板に対するシール面より基板接点236に対し外側にある。このため、
図13Aに示すように、押圧部分がシール部235に与える荷重(矢印B)が、シール面の外側にかかるので、シール面の外側(端部)が基板接点236方向へのモーメント(矢印C)を受け、シール面によるシール圧力が維持されやすく、シールエッジでのシール効果が高められる(エッジ効果)。同図において、矢印Aは、基板が基板接点236を押す力(基板接点236が基板から受ける作用力)を示す。
【0042】
接点プレート233は、導電性の弾性を有する部材であり、例えば、板バネとして機能するように構成される。接点プレート233は、例えばSUSで形成される。接点プレート233は、その基端部がバスバー260の突起部264に固定されることで、片持ち支持される。
図13に示すように、接点プレート233の基端部は、ネジ248によりバスバー260の突起部264に固定され、接点プレート233の各先端部243には、ネジ246により各基板接点236が取り付けられる。接点プレート233を片持ち支持された板バネとすることで、基板接点236に接触力を弾性的に与える構成を実現している。また、接点プレート233は、
図7及び
図10に示すように、基板接点236に接触する複数の先端部243を有する。各先端部243は、スリット244により互いに分離されたリーフ電極の形態をとり、各基板接点236が互いに独立して変位可能になっている。これにより、各基板接点236が基板の反りや撓みに追従して基板に良好に接触可能となっている。各先端部243には、基板接点236に取り付けるためのネジ246を通す貫通孔243aが設けられている。接点プレート233の基端部には、バスバー260の突起部264に取り付けるためのネジ248が通される貫通孔245が設けられている。
【0043】
接点プレート押さえ234は、
図13に示すように、接点プレート233上でバスバー
260の突起部264に固定され、接点プレート233及び押さえ板232を押さえる部材である。接点プレート押さえ234は、接点プレート233とバスバー260の接触均一性を確保し、及び、接点プレート233の片持ち剛性を調整するために設けられる。また、押さえ板232がシール部材231(シール部235)を押さえる力も、接点プレート押さえ234により調整される。接点プレート押さえ234は、フロントプレート250との電気的な絶縁を図るために、例えば、塩化ビニル等の電気絶縁材料で形成される。但し、他の手段でフロントプレート250との電気的絶縁が確保される場合には、接点プレート押さえ234は、電気絶縁材料以外で形成されてもよい。接点プレート押さえ234は、
図7に示すように、ネジ248を通す貫通孔247を有する。接点プレート押さえ234は、
図13に示すように、押さえ板232、及びバスバー260の突起部264とともに接点プレート233を挟むように配置され、接点プレート233を押さえ板232及び突起部264に対して押し付けるように配置される。
図7及び
図13に示すように、押さえ板232及び突起部264上に、接点プレート233及び接点プレート押さえ234をこの順番で配置した状態で、ネジ248をバスバー260の突起部264の端面のネジ孔265にねじ止めすることにより、接点プレート233及び接点プレート押さえ234をバスバー260の突起部264の端面に固定する。これにより、接点プレート233とバスバー260とが、接触均一性が保たれた状態で電気的に接続される。また、接点プレート押さえ234による押圧力及び/又は押圧範囲を調整することにより、簡易な構成で、接点プレート233の片持ち剛性を調整することができる。また、接点プレート押さえ234による押圧力及び/又は押圧範囲を調整することにより、簡易な構成で、押さえ板232がシール部材231(シール部235)を押さえる力を調整することができる。
【0044】
バスバー260は、給電モジュール230を取り付けるための保持部261と、保持部261の外側に設けられた肉厚部262と、を備えている。保持部261には、シール部材231を通過させるための貫通孔263と、接点プレート233に接続される突起部264と、突起部264の端面に設けられたネジ孔265と、シール部材231の突起240を通過させるための貫通孔267と、ピン270を通すための貫通孔268と、が設けられている。尚、接点プレート233に接続される突起部264の端面以外のバスバー260の表面は、電気絶縁とめっき液に対する耐食性を確保するため、PFAコーティング等の電気絶縁/耐食の機能を有した表面コーティングが施される。この絶縁コーティングにより、バスバー260をめっき液から保護し、めっき液からバスバー260に直接電流が流れることを防止する。貫通孔263の形状及び寸法は、シール部235の形状及び寸法に応じて任意の寸法及び形状とすることができる。貫通孔263は、例えば、
図7に示すように、縦部材211aに沿って略平行に延びるスリット状の長孔とすることができる。貫通孔263は、
図13に示すように、基板接点236の主要部の全周を覆うシール部235を受け入れ、基板接点236及びシール部235を位置決めする。突起部264は、貫通孔263より外側において貫通孔263と略平行に形成されている。突起部264の基端側の周囲には、シール部材231のシール部239を受け入れるシール溝266が設けられてもよい。貫通孔267は、
図13に示すように、シール部材231の突起240を通過させ、突起240を所定の長さでバスバー260の背面側に突出させる。貫通孔268は、
図6に示すように、ピン270を通すための貫通孔である。
図7では、1つの給電モジュール230に対応するバスバー260の部分のみが表示されているため、貫通孔268の一部が示される。
【0045】
フロントプレート250は、チタン等の金属で形成され、PFAコーティング等の電気絶縁/耐食の機能を有した表面コーティングが施される。シール部材231と同様の材料(ゴム等のエラストマー)で形成してもよい。フロントプレート250は、
図13に示すように、第1保持部材210の前面側に配置される。フロントプレート250の背面には、
図12及び
図13に示すように、接点プレート233を固定するネジ248の頭部を逃がすための1又は複数の凹部252、基板接点236並びに接点プレート233のフロン
トプレート250側への変形を許容する空間として機能する凹部253が設けられている。凹部253は、基板接点236に接点プレート233を取り付けるネジ246を逃がす機能も奏する。基板接点236並びに接点プレート233のフロントプレート250側への変形が許容されることに加えて、シール部235と基板接点236の先端側が接着されていることからモーメントの発生につながる。フロントプレート250は、
図6及び
図7に示すように、ピン270のおねじ部と組み合わされるめねじのネジ孔251を有しており、ピン270とのねじ嵌合によりバスバー260等を挟み込む様に固定される。
図7では、1つの給電モジュール230に対応するフロントプレート250の部分のみが表示されているため、ネジ孔251の一部が示される。ピン270は、中間部272(
図22)を有しており、先端部271との段差がバスバー260に当接する。これにより、ピン270をネジ孔251にねじ込むことで、フロントプレート250からバスバー260までが一体となり、フロントプレート250とバスバー260との間で、給電モジュール230の各部材が所定の位置関係で配置/固定(一体化)される。
【0046】
(基板ホルダ係止機構)
図19は、第2保持部材の係止機構付近を拡大した斜視図である。
図20は、第1及び第2保持部材の係合状態で係止機構を示す斜視図である。
図21は、第2保持部材の係止機構付近を拡大した背面図である。
図22は、ロック状態における
図21のXX-XX線に沿う断面図である。
図23は、ロック状態における
図21のXXII-XXIIに沿う断面図である。
【0047】
(バックプレート、フロートプレート)
図19に示すように、第2保持部材220は、バックプレート280と、バックプレート280に対して接近離間可能に設けられたフロートプレート290と、フロートプレート290に対して面内方向に摺動可能に設けられたロックプレート300と、を備えている。バックプレート280は、
図2から
図4に示すように、基板W及び基板Wに対応する縦部材211a、211bの部分を覆うことが可能な寸法及び形状に形成されている。フロートプレート290は、
図4に示すように、バックプレート280の背面の両側において、基板Wの左辺及び右辺に沿って、第1保持部材210の縦部材211a、211bに対応して設けられている。フロートプレート290は、複数のガイドピン297(
図19)により、バックプレート280に対して面内方向の位置が固定されるとともに、ガイドピン297に案内されて、バックプレート280に対して接近離間するように移動するように構成されている。
【0048】
バックプレート280とフロートプレート290との間には、
図22に示すように、バネ295が設けられており、バネ295により両者が互いに離れる方向に付勢されるように構成されている。より詳細には、ロックプレート300が、フロートプレート290を介してバネ295の一端側に配置され、バックプレート280がバネ295の他端側に配置されている。言い換えれば、ロックプレート300とバックプレート280との間には、バネ295が設けられており、バネ295により両者が互いに離れる方向に付勢されるように構成されている。複数のピン270は、ロックプレート300を係止することにより、第2保持部材220を第1保持部材210に係止するための係止ピンである。第2保持部材220が第1保持部材210に取り付けられたとき、第1保持部材210のピン270が第2保持部材220のバネ295の内部を通過してバックプレート280及びフロートプレート290を貫通し、ピン270がロックプレート300の係止部304に係止される。この状態では、バネ295は、圧縮され、フロートプレート290(ロックプレート300)及びバックプレート280を互いに離間させるように付勢する。これにより、バックプレート280が第1保持部材210に対して押し付けられ、基板Wを保持している場合には、基板Wがバックプレート280で押圧され、シール部235に押し付けられる。
【0049】
図22に示すように、バックプレート280は、ピン270を通すための貫通孔283を有し、フロートプレート290は、ピン270を通す貫通孔294を有し、貫通孔283と貫通孔294とは互いに対応する位置に設けられている。貫通孔283及び貫通孔294の互いに面する側には、バネ295を配置するための大径部が設けられており、これらの大径部がバネ295を収容する空間を構成する。貫通孔283の大径部と小径部の境界の段差部にバネ295の一端が当接され、貫通孔294の大径部と小径部の境界の段差部にバネ295の他端が当接される。この構成により、バネ295は、バックプレート280及びフロートプレート290(ロックプレート300)を互いに離間する方向に付勢する。ピン270は、
図22に示すように、第1保持部材210に固定される(本実施形態では、ねじ止めされる)先端部271と、先端部271より大径であり、バックプレート280及びフロートプレート290を通過する中間部272と、中間部272より小径の基端部273と、基端部273の途中に設けられたフランジ274と、基端部273の端に設けられたフランジ275とを有する。フランジ274が、基板を保持する状態で基板ホルダ200をロックするための第1被係止部を構成し、フランジ275が基板を保持しない状態で基板ホルダ200をセミロックするための第2係止部を構成する。セミロック状態は、基板ホルダ200の保管時などにシール部に負荷をかけないようにするものである。
図22では、ロックプレート300がピン270のフランジ274に係止しており、第1保持部材210と第2保持部材220との間に基板を保持するロック状態を示している。
【0050】
(ロックプレート)
ロックプレート300は、
図4及び
図18に示すように、フロートプレート290の背面において、基板Wの左辺及び右辺に沿って、第1保持部材210の縦部材211a、211bに対応して設けられている。ロックプレート300は、基端部301と、ガイド部302と、ガイド部302に設けられたガイド溝303と、基端部301に設けられた係止部304と、付勢機構305と、を備えている。基端部301は、第1保持部材210の縦部材211aに対応して細長い形状であり、長手方向に沿って、第1保持部材210の複数のピン270に係合する複数の係止部304が設けられている。係止部304は、
図22に示すように、ピン270のフランジ274又はフランジ275に係合可能に設けられている。係止部304は、
図19に示すように、ピン270のフランジ274、275の周囲の一部(例えば半周分)に概ね対応する形状を有し、フランジ274、275の底面に当接する段差部304aを有する。
【0051】
ガイド部302は、
図19に示すように、基端部301から長手方向を横切る方向(横方向)に延び、横方向に延びる長孔の形状のガイド溝303が形成されている。本実施形態では、ガイド溝303は、長手方向に直交する方向に延び、ガイド部302の厚みを貫通する。ガイド溝303には、2本のガイドピン291が係合しており、これらのガイドピン291に案内されて、ロックプレート300がフロートプレート290上をフロートプレート290に対して横方向に移動するように構成されている。ガイドピン291は、
図22に示すように、フロートプレート290に固定されたピン292と、ピン292の基端側の外周に取り付けられた両側にフランジを有するスリーブ293とを有する。スリーブ293の両側のフランジの間にロックプレート300が係合し、両側のフランジにより、フロートプレート290とロックプレート300との間の距離が規定又は固定されるようになっている。この構成では、ロックプレート300がフロートプレート290と共にバックプレート28に対して接近離間する。
【0052】
付勢機構305は、
図23に示すように、ロックプレート300に固定されたバネ受306とフロートプレート290に固定されたバネ受307との間に配置されたバネ309を備えている。
図20に示すように、バネ309は、係止部304がピン270に係合す
る方向(外側)に、ロックプレート300をフロートプレート290に対して付勢する。
図20の状態で、バネ309の付勢力に抗して、ロックプレート300をフロートプレート290に対して内側に移動させると、ロックプレート300の係止部304がピン270から離れ、ロックプレート300がピン270への係止から解除される。
【0053】
(局所シール構造)
図23に示すように、ピン270及びバネ295は、基板Wの外周に沿って(この例では、基板Wの左辺及び右辺の各辺に沿って)シール部235の近傍に設けられる。そのため、ピン270及びバネ295によりバックプレート280を介して基板Wを押圧する力を直接的にかつ短い伝達経路でシール部235に伝達することができる。これにより、ピン270及びバネ295による押圧力により基板Wに与える負荷を抑制することができる。この結果、基板Wへの負荷を抑制しつつ、シール部235に適切な押圧力を加えて基板接点236をシールすることができる。この構成は、特に、大型基板において有効である。大型基板の長い長さにわたってシール部235に均一な力を加えることは困難な場合があるが、本実施形態によれば、ピン270及びバネ295によりバックプレート280を介して基板Wを押圧する力を直接的にかつ短い伝達経路でシール部235に伝達することができ、基板Wに与える負荷を抑制しつつ、長い距離にわたってシール部235の適切なシールを行う局所シール構造を実現することができる。
【0054】
また、シール部材231の突起240が、基板Wの外側方向において、シール部235とともにピン270及びバネ295を挟みこむように構成されている。なお、基板の外側方向とは、基板の辺又は外縁の接線に直交して外側に向かう方向を意味する。基板が円形の場合は、外側方向は径方向外方である。基板が多角形である場合は、辺に直交して外側に向かう方向である。この構成によれば、シール部235及び突起240がピン270及びバネ295による押圧力を受け止める受圧部として機能し、給電/シールすべき箇所であるシール部235に対して適切な付勢力を効果的に作用させ、基板全体に付勢力による負荷が及ぶのを更に抑制する局所シール構成あるいは構造を成立させることができる。ピン270及びバネ295による押圧力は、ピン270及びバネ295の内側にてシール部235により受け止められ、ピン270及びバネ295の外側にて突起240によって受け止められるため、第1保持部材210(縦部材211a、211b)の変形が生じにくい。さらに、シール部材231が複数のモジュールで配置され、シール部235及び突起240は、基板の辺に沿って複数分割して配置されている。よって、この構成では、基板接点236をめっき液から保護するために必要なシール圧力を適切に確保することが可能になる。従来の基板ホルダでは、基板ホルダの辺に沿って一体のシール部材を接触させるものが知られているが、一体のシール部材では基板の辺に沿って均一なシール圧力を発生することが困難な場合があり、場合により過度なシール圧力が発生して基板を損傷する可能性がある。
【0055】
また、基板Wの外周部に沿って局所的に設けられた複数のピン270及びバネ295による局所的な付勢力による局所シール構造と、給電モジュール230ごと又は基板接点236ごとにシール部235でシールする局所シール構造とを合わせて、より局所的なシールを実現することができる。これにより、大型基板に対する適応性が更に向上される。なお、バネ295に代えて他の弾性要素を用いてもよい。
【0056】
(基板の着脱方法)
基板を保持しない状態(例えばセミロック状態)の基板ホルダ200において、付勢機構305のバネ309を圧縮するようにロックプレート300をフロートプレート290に対して内側方向にスライドさせ、ロックプレート300の係止部304をピン270から解除する。次に、第2保持部材220を第1保持部材210から取り外し、第1保持部材210上に基板Wを載置する。その後、基板Wが載置された第1保持部材210の縦部
材211a、211b上に、付勢機構305のバネを圧縮した状態の第2保持部材220を載せる。そして、フロートプレート290(及び/又はロックプレート300)をバックプレート280に向かって押し下げ、ロックプレート300の係止部304がピン270のフランジ274(
図23参照)に係合可能な高さに調整する。次に、付勢機構305のバネ309の圧縮を解除することにより、ロックプレート300の係止部304がピン270のフランジ274に係合する。これにより、基板ホルダ200で基板Wをロック状態で保持する。
【0057】
基板を取り外す場合には、基板を保持した基板ホルダ200の付勢機構305のバネ309を圧縮するようにロックプレート300をフロートプレート290に対して内側方向にスライドさせ、ロックプレート300の係止部304をピン270から解除する。次に、第2保持部材220を第1保持部材210から取り外し、第1保持部材210から基板Wを取り外す。その後、基板のない第1保持部材210の縦部材211a、211b上に、付勢機構305のバネ309を圧縮した状態の第2保持部材220を載せフロートプレート290(及び/又はロックプレート300)をバックプレート280に向かって押し下げ、ロックプレート300の係止部304がピン270のフランジ275に係合可能な高さに調整する。次に、付勢機構305のバネ309の圧縮を解除することにより、ロックプレート300の係止部304がピン270のフランジ275に係合する。これにより、基板ホルダ200をセミロック状態とする。
【0058】
上記構成では、基板を基板ホルダ200で挟んで保持した際、基板接点236は板バネである接点プレート233に片持ち支持されているため、基板接点236は基板側からの作用力(
図13の矢印A)により接触圧力(基板側への圧力)とは反対方向に変位する。一方、シール部235は押さえ板232に押さえられた状態で、押さえ板232やフロントプレート250から作用力(
図13の矢印B)を受けて、接触圧力の方向に残留する傾向になる。すなわち、基板接点236に接触圧力を与える部位と、シール部235に接触圧力を与える部位が独立しているため、基板接点236が基板側から受ける作用力により接触圧力とは反対方向に変位し、シール部235のシール面が残留する作用を発揮し、この作用でシール部235のシール圧力を発生させることができる。シール部235の基板に対するシール圧力を十分に発生させて基板接点236をめっき液から遮蔽することができるので、基板接点236回りをドライに保つことができ、基板シード層の溶解を効果的に抑制ないし防止することができる。この構成によれば、基板接点の先端がシール部先端とフラットな構成において、基板接点の先端をシール部先端から凹ませる構成と類似の作用効果を奏すると共に、基板接点の先端に液体が残留することを回避することができる。なお、押さえ板232と、フロントプレート250のシール部235に接触する部位は、総称して「押さえ部材」と称することができる。
【0059】
また、基板接点236が先端側のみでシール部235に接着され、シール部材235がバスバー260に対して相対変位可能であるため、シール部235が全体として接触圧力の方向に円滑に圧縮されると共に、シール部235の基端側が、基板接点236と独立に変位及び/変形して、シール面を強く基板に押し付けることができる。この構成により、シール圧力を増大させる作用が更に向上する。
【0060】
また、仮に基板接点236にめっき液が接触した場合でも、基板接点236の先端側がシール部235に接着されているので、基板接点236とシール部235との間にめっき液が侵入することを抑制ないし防止して基板接点236とめっき液の接触を最小限に抑制でき、基板シード層の溶解を更に抑制ないし防止することができる。また、シール部235の先端側が基板接点236に接着されているので、シール部235の先端側が過剰に変形すること、及び/又は傾くことが抑制され、シール面において十分なシール圧力を発生させることができる。
【0061】
また、シール部材231は、基板接点236と共に加硫成型により一体成型され基板接点236に架橋接着されるので、基板接点236の先端側とシール部材231との接着強度を向上させ、基板接点236の先端側とシール部材231の間にめっき液が侵入することを、より確実に抑制ないし防止することができる。
【0062】
上記構成では、基板接点236の基端側をシール部235から突出させ、給電用の接点プレート233で基板接点236を弾性的に押圧すると共に、シール部235と接点プレート233の間の押さえ板232により基板接点236近傍のシール部235を押圧するため、部品の追加を抑制し、簡易な構成で、基板接点236及びシール部235を弾性的に基板に接触させる構成を実現することができる。また、給電用の接点プレート233が片持ち支持される板ばねとして機能するので、部品の追加を抑制し、簡易な構成で基板接点236の弾性接触を実現することができる。
【0063】
上記構成では、基板接点236がシール部235に覆われた状態でバスバー260の貫通孔263を通過して位置決めされるため、バスバー260により基板接点236及びシール部235を基板に対して正確に位置決めし、保持する構成をコンパクトに構成することができる。また、貫通孔263により、基板接点236およびシール部235が基板に押し付けられたときのシール部235の基端側の基板表面に平行な方向への変形を抑制することができ、十分なシール圧力を確保することが可能になる。
【0064】
上記構成では、複数のモジュール(給電モジュール230)の形態でシール部材231及び基板接点236が設けられるため、基板が大型化した場合にも、基板の辺の長さに沿って設けられた1又は複数の基板接点236を良好にシールするシール部材231の製作をより容易にすることができる。また、基板接点236毎にシール部235でシールする構成であるため、基板が大型化した場合にも、局所シール構造により基板接点236を良好にシールすることができる。上記構成では、給電モジュール230ごとに基板接点236を含むシール部材231を個別に交換することが可能となり、メンテナンスが容易になり、メンテナンスのコストを低減することができる。また、給電モジュール230ごとに接点プレート233も個別に交換することが可能であり、メンテナンスが容易である。
【0065】
上記構成では、使用する基板の大きさに応じて、給電モジュール230を設置することが可能であり、基板ホルダの汎用性を向上させることができる。使用しない領域(基板が接触しない部分)の給電モジュール230を省略することにより、基板ホルダのコストを低減することが可能である。なお、給電モジュール230を省略した部分にはダミー部材を配置して、バスバー260をめっき液から遮蔽し、めっき液にからバスバー260直接電流が流れないようにしてもよい。
【0066】
(他の実施形態)
図18は、他の実施形態に係る給電モジュールの断面図である。上記実施形態と異なる点を主に説明し、同様の構成については説明を省略する。本実施形態では、シール部235の基端端面に接触するように設けられた接点ブロック402が、シール部235に接触圧力を与えると共に、接点ブロック402と基板接点236の間に配置された弾性部材401が、基板接点236に接触圧力を弾性的に与えるように構成される。接点ブロック402は、一例では、シール部235のシール面に略平行な面(基板に略平行な面)を介してシール部235に接触して、シール部235に接触圧力を与える。接点ブロック402は、基板接点236ごとに設けられても(例えば、シャフトの形態)、複数の基板接点236に対して共通に設けられてもよい(例えば、バーの形態)。シール部235は、上述したシール部材231の一部とすることができる。
【0067】
基板接点236の先端側は、シール部235に接着されている。符号400は、接着範囲を示す。基板接点236は、上記実施形態と同様に、大径部、小径部、及び必要に応じてテーパ部を含むように構成してもよく、上記実施形態と同様に接着してもよい。上記実施形態と同様に、各基板接点236が、シール部材231(シール部235)に囲まれる構成とすることができる。また、上記実施形態と同様に、基板接点236が、シール部材231(シール部235)と加硫成型により一体成型され、架橋接着されてもよい。但し、シール部材231の基端側には、弾性部材401を配置するスペースを確保する。シール部235は、上記実施形態と同様に、バスバー260と相対移動可能に貫通孔263に相対移動可能に篏合されてよい。シール部235は、上記実施形態と同様に、シール面側が細くなるテーパ部を有してもよい。弾性部材401は、接点ブロック402から基板接点236に給電可能な導電性を有する弾性部材(例えば、導電性のバネ、ゴム、樹脂等)とすることができる。一例では、弾性部材401は、金属製のバネとすることができる。弾性部材401は、接点ブロック402から弾性部材401を介して基板接点236に接触力を伝達できるように配置されていればよく、接点ブロック402及び/又は基板接点236に固定しても固定しなくてもよい。接点ブロック402は、基板接点236ごとに設けられ、導電性を有する材料(例えば、金属)で形成されている。接点ブロック402は、上述した接点プレート233に接触又は取り付けられ、接点プレート233により押さえられる。但し、この構成では、接点プレート233がシール部235を適切に圧縮できるように、接点プレート233に上記押さえ板232と同様の剛性を持たせることが好ましい。接点プレート233の剛性は、例えば、接点プレート押さえ234の範囲を拡張することにより増大するように調整できる。なお、接点プレート233に限らず、任意の押し付け機構/手段により、接点ブロック402が押さえられるようにしてもよい。
【0068】
本実施形態でも、基板接点236に接触圧力を与える部位(弾性部材401が基板接点236に接触する部分)と、シール部235に接触圧力を与える部位(接点ブロック402がシール部235に接触する部分)が独立しており、シール部235と基板接点236の先端側とが接着されると共に、シール部235と基板接点236の基端側とが相対移動可能であるので、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。また、本実施形態では、基板接点236が弾性部材401を介して接触圧力を与えられるため、基板接点236と基板との接触により、基板に過度な力がかかることを抑制することが容易である。
【0069】
(変形例)
(1)上記実施形態では、基板Wの2辺に沿って基板ホルダに給電部を設けたが、基板Wの全周にわたって基板ホルダ200に給電部を設けてもよい。
【0070】
(2)上記複数の給電モジュール230の構成を、両面めっき用の基板ホルダに適用してもよい。例えば、基板ホルダの第1保持部材及び第2保持部材の両方に、上記複数の給電モジュール230を配置してもよい。
【0071】
(3)上記実施形態では、フロントプレートはバスバーに沿って連続一体のものとしているが、フロントプレートは個々の給電モジュールに対応させて個別に設けても良い。この場合、個々の給電モジュールにおいて、個々のフロントプレートがシール部材231と共に基板接点236を保護する。そのため、個々の給電モジュールの一部に個々のフロントプレートを含むと考えてもよい。個々のフロントプレートは、シール部材231と同様の材料で形成されてもよい。
【0072】
上述した実施形態から少なくとも以下の形態が把握される。
第1形態によれば、 基板に接触する先端側の第1接点部分と、前記第1接点部分よりも基端側の第2接点部分とを有する基板接点と、 前記基板接点の周囲を覆い、前記基板に接触して前記基板接点をシールするシール面を有するシール部材と、 前記基板接点に
前記基板への接触圧力を弾性的に与える第1押圧部分と、 前記シール部材に接触し、前記第1押圧部分と独立して前記シール部材に前記基板への接触圧力を与える第2押圧部分と、を備え、 前記第1接点部分は、前記シール部材に接着されており、 前記第2接点部分は、前記シール部材に対して相対変位可能に篏合されている、接点構造が提供される。なお、第1接点部分は、その周囲のうち先端を含む範囲がシール部材に接着されていればよく、必ずしも第1接点部分の周囲の全てがシール部材に接着される必要はない。
【0073】
この形態によれば、基板接点に接触圧力を弾性的に与える部位と、シール部材(シール部)に接触圧力を与える部位が独立しているため、基板ホルダで基板を保持した際に、基板側から受ける作用力により基板接点を接触圧力とは反対方向(基板とは反対方向)に変位させ、シール部材のシール面を残留させることで、シール部材のシール圧力を発生させることができる。また、基板接点が先端側のみで接着されているので、シール部材の基端側が、基板接点と独立に変位及び/変形して、シール面を強く基板に押し付けることができる。この構成により、シール圧力を増大させる作用が更に向上する。シール部材の基板に対するシール圧力を十分に発生させて基板接点をめっき液から遮蔽することができるので、基板接点回りをドライに保つことができ、基板シード層の溶解を効果的に抑制/防止することができる。
【0074】
また、仮に基板接点にめっき液が接触した場合でも、基板接点の先端側がシール部材に接着されているので、基板接点とシール部材との間にめっき液が侵入することを抑制ないし防止して基板接点とめっき液の接触を最小限に抑制でき、基板シード層の溶解を更に抑制ないし防止することができる。また、シール部材の先端側が基板接点に接着されているので、シール部材の先端側が過剰に変形すること、及び/又は傾くことが抑制され、シール面において十分なシール圧力を発生させることができる。
【0075】
第2形態によれば、 第1形態の接点構造において、 前記第2押圧部分は、前記シール部材の前記シール面と略平行な面を介して前記シール部材に接触する。
【0076】
この形態によれば、シール面と略平行な面を介してシール部材に押圧力を加えるため、シール部材に十分な押圧力を与えることができる。
【0077】
第3形態によれば、 第1又は2形態の接点構造において、 前記第2押圧部分は、前記基板接点を基準として前記シール部材の前記シール面よりも外側にある。
【0078】
この形態によれば、第2押圧部分がシール部材に与える荷重が、シール面の外側にかかるので、シール面の外側(端部)が基板接点方向へのモーメントを受け、シール圧力が維持されやすく、シールエッジでのシール効果が高められる。
【0079】
第4形態によれば、第1から3形態の何れかの接点構造において、 前記第2接点部分の基端側の一部は、前記シール部材から突出しており、 前記シール部材上に配置され、前記シール部材に接触して押圧する第1押圧板と、 前記基板接点に給電するための接点プレートであり、前記第1押圧板上に配置され、前記第2接点部分に接触して弾性的に押圧する接点プレートとを備え、 前記接点プレートの前記第2接点部分との接触部分が前記第1押圧部分として機能し、 前記基板接点の周囲の一部又は全周において前記シール部材を押圧する前記第1押圧板の部分が、前記第2押圧部分として機能する。第1押圧板は、基板接点の周囲の一部又は全部に配置されてよい。
【0080】
この形態によれば、基板接点の基端側をシール部材から突出させ、給電用の接点プレートで基板接点を弾性的に押圧すると共に、シール部材と接点プレート間の第1押圧板により基板接点近傍のシール部材を押圧することができる。このため、部品の追加を抑制し、
簡易な構成で第1及び第2押圧部分を構成することができる。接点プレートは、例えば、板バネの形態で構成することができる。
【0081】
第5形態によれば、第4形態の接点構造において、 前記第1押圧板は貫通孔を有し、
前記第2接点部分は、前記第1押圧板の前記貫通孔を少なくとも部分的に通っている。
【0082】
この形態によれば、第2接点部分の全周に第1押圧板が存在するので、第2接点部分の周囲の全周でシール部材を全体的に、より均一に押圧することができる。
【0083】
第6形態によれば、 第4又は5形態の接点構造において、 前記接点プレートに給電するためのバスバーを備え、 前記シール部は、前記バスバーの貫通孔を通って前記バスバーに相対変位可能に配置されており、 前記接点プレートは、前記第2接点部分と接触する側と反対側でバスバーに固定され、前記バスバーにより片持ち支持されている。
【0084】
この形態によれば、シール部材がバスバーの貫通孔内に位置決めされるので、バスバーにより基板接点及びシール部材を基板に対して正確に位置決めし、保持する構成をコンパクトに構成することができる。また、基板に押し付けられたときのシール部材の基端側の基板表面に平行な方向への変形を抑制することができ、十分なシール圧力を確保することが可能になる。また、シール部材がバスバーに対して相対変位可能であるため、シール部材を全体として接触圧力の方向に円滑に圧縮することができる。給電用の接点プレートが片持ち支持される板ばねとして機能するので、部品の追加を抑制し、簡易な構成で基板接点の弾性接触を実現することができる。
【0085】
第7形態によれば、 第6形態の接点構造において、 前記接点プレート上に配置され、前記接点プレートと前記バスバーとの接触均一性及び前記接点プレートの片持ち剛性を調整するための第2押圧板を備える。
【0086】
この形態によれば、第2押圧板により接点プレートをバスバーに対して押さえ付けることにより、接点プレートとバスバーとの接触均一性を確保することができる。また、第2押圧板による押圧力及び/又は押圧範囲を調整することにより、簡易な構成で、接点プレートの片持ち剛性を調整することができる。また、第2押圧板による押圧力及び/又は押圧範囲を調整することにより、簡易な構成で、第1押圧板の押圧力を調整することができる。
【0087】
第8形態によれば、 第4から7形態の何れかの接点構造において、 複数の前記基板接点が設けられ、 前記接点プレートは、各接点に取り付けられる複数の先端部を有し、各先端部が独立に変位可能に互いに分離されている。
【0088】
この形態によれば、接点プレートの各先端部が独立に変位することで、各基板接点を独立に変位させることができ、基板の反りや撓みに応じて基板接点ごとに電気的接触を良好に保つことができる。
【0089】
第9形態によれば、第1から3形態の何れかの接点構造において、 前記シール部材上に配置され、前記シール部材に接触して押圧する接点ブロックと、 前記接点ブロックと前記基板接点の前記第2接点部分との間に配置された弾性部材と、を備え、 前記弾性部材の前記基板接点との接触部分が、前記第1押圧部分として機能し、 前記接点ブロックの前記シール部材との接触部分が、前記第2押圧部分として機能する。
【0090】
この形態によれば、基板接点が弾性部材を介して接触圧力を与えられるため、基板接点と基板との接触により基板に過度な力がかかることを抑制ないし防止することができる。
【0091】
第10形態によれば、第9形態の接点構造において、 前記接点ブロックは、前記基板接点ごとに設けられている。この形態によれば、各基板接点を独立して変位させることができ、基板の反りや撓みに追従させることができる。
【0092】
第11形態によれば、第9または10形態の接点構造において、 前記弾性部材は、導電性を有し、前記接点ブロックから前記弾性部材を介して前記基板接点に給電可能である。この形態によれば、給電経路の一部を弾性部材に置き換えることにより、簡易且つコンパクトな構成で、シール部材への接触圧力とは独立して基板接点に接触圧力を与えることが可能である。
【0093】
第12形態によれば、第9から11形態の何れかの接点構造において、 前記基板接点に給電するための接点プレートであり、前記接点ブロックに接触して押圧する接点プレートを備える。
【0094】
この形態によれば、部品の追加を抑制し、簡易な構成で第1及び第2押圧部分を構成することができる。
【0095】
第13形態によれば、 第1から12形態の何れかの接点構造において、 前記第2接点部分の径は、前記第1接点部分の径よりも大径である。
【0096】
この形態によれば、基板接点と接点プレートとの接触面積を確保しつつ、基板接点と基板との接触面積を所望の範囲に調整することができる。また、小径の第1接点部分の長さを適切に調整することにより、小径の第1接点部分及び大径の第2接点部分を含む基板接点全体の剛性を確保することができる。例えば、ゴムからなるシール部材と基板接点を一体成型する場合に、成型時の圧力に耐えうる基板接点の剛性を実現することができる。
【0097】
第14形態によれば、 第13形態の接点構造において、 前記基板接点は、前記1接点部分と前記第2接点部分との間にテーパ部分を有する。
【0098】
この形態によれば、基板接点の急激な形状変化を避けることができ、基板接点とシール部材とを良好に組み合わせることができる。また、ゴムと一体成型する際に、ゴムの流動性を確保することができる。
【0099】
第15形態によれば、 第14形態の接点構造において、 前記テーパ部分と前記第1接点部分との接続部、及び/又は、前記テーパ部分と前記第2接点部分との接続部には、Rが設けられている。
【0100】
この形態によれば、基板接点の急激な形状変化を更に抑制できる。また、基板接点のテーパ部分及び隅R形状により、基板接点及びシール部材を一体成型する際のゴムの流動性を確保することが更に容易になる。
【0101】
第16形態によれば、 第14又は15形態の接点構造において、 前記テーパ部分は、前記シール部材に接着されている。
【0102】
この形態によれば、接触圧力から傾いた方向であるテーパ部分を接着することにより、基板接点とシール部との間の接着強度を向上することができる。
【0103】
第17形態によれば、 第1から16形態の何れかの接点構造において、 前記シール部材は、前記基板接点と共に加硫成型により一体成型され、前記基板接点と前記シール部
材とは架橋接着されている。
【0104】
この形態によれば、基板接点の接着箇所とシール部材との接着強度を向上させ、基板接点の先端側とシール部材の間にめっき液が侵入することを、より確実に抑制ないし防止することができる。
【0105】
第18形態によれば、第1から17形態の何れかの接点構造において、 前記第1接点部分の先端と前記シール部材の前記シール面とは略面一に構成されている。
【0106】
この形態によれば、基板接点の先端とシール部のシール面とは略面一に構成されるので、基板接点の先端に液体が残留することを抑制できる。
【0107】
第19形態によれば、 互いに係合して、基板を挟んで保持する第1保持部材及び第2保持部材を備え、 前記第1及び第2保持部材の少なくとも一方は、請求項1から18の何れかに記載の接点構造を有する少なくとも1つの給電モジュールを有する、基板ホルダが提供される。この形態によれば、上記形態で述べた作用効果を奏する。
【0108】
第20形態によれば、第19形態の基板ホルダと、 前記基板ホルダに保持された基板をめっきするめっき槽と、備えるめっき装置が提供される。この形態によれば、上記形態で述べた作用効果を奏する。
【0109】
第21形態によれば、基板に給電する方法であって、 基板に給電する方法であって、
周囲をシール部材により覆われた基板接点であり、前記シール部材に接着されている、前記基板に接触する側の第1接点部分と、前記第1接点部分より基端側で前記シール部材に相対変位可能に篏合されている第2接点部分とを有する前記基板接点を、前記基板に接触させ、 前記基板接点に前記基板への接触圧力を弾性的に与えると共に、前記基板接点への接触圧力の付与とは独立して、前記シール部材に前記基板への接触圧力を与え、前記基板接点が前記基板側から受ける作用力により基板とは反対方向(接触圧力とは反対方向)に変位し前記シール部材が前記基板上に残留する作用により、前記シール部材によるシール圧力を発生させる、方法が提供される。この形態によれば、上記形態で述べた作用効果を奏する。
【0110】
以上、いくつかの例に基づいて本発明の実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明には、その均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
【符号の説明】
【0111】
39 めっき槽
100 めっき装置
200 基板ホルダ
210 第1保持部材
211a、211b 縦部材
212、213 横部材
215 レール
216 アーム
217 外部接続部
218a、218b バスバー
220 第2保持部材
230 給電モジュール
231 シール部材
232 押さえ板
232a 延長部
232b 貫通孔
232c 押さえ板
233 接点プレート
234 接点プレート押さえ
235 シール部
236 基板接点
236a 大径部
236b テーパ部
236c 小径部
236d ネジ孔
237 シール部
238 貫通孔
239 シール部
240 突起
241 切欠
242 貫通孔
243 先端部
243a 貫通孔
244 スリット
245 貫通孔
246 ネジ
247 貫通孔
248 ネジ
250 フロントプレート
251 ネジ孔
252、253 凹部
260 バスバー
261 保持部
262 肉厚部
263 貫通孔
264 突起部
265 ネジ孔
266 シール溝
267 貫通孔
268 貫通孔
270 ピン
274、275 フランジ
280 バックプレート
290 フロートプレート
291 ガイドピン
295 バネ
297 ガイドピン
300 ロックプレート
301 基端部
302 ガイド部
303 ガイド溝
304 係止部
304a 段差部
305 付勢機構
309 バネ
400 接着領域
401 弾性部材
402 接点ブロック