(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】吸収性物品の個包装体及び吸収性物品の個包装体の製造方法
(51)【国際特許分類】
A61F 13/15 20060101AFI20240508BHJP
A61F 13/496 20060101ALI20240508BHJP
B65D 85/07 20170101ALI20240508BHJP
【FI】
A61F13/15 210
A61F13/15 220
A61F13/15 358
A61F13/496
B65D85/07
(21)【出願番号】P 2020217646
(22)【出願日】2020-12-25
【審査請求日】2022-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森澤 高至
(72)【発明者】
【氏名】植田 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】谷尾 俊幸
(72)【発明者】
【氏名】梅原 夏美
(72)【発明者】
【氏名】横市 綾
【審査官】冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-95481(JP,A)
【文献】特開平11-334783(JP,A)
【文献】国際公開第2020/255534(WO,A1)
【文献】特開2016-123603(JP,A)
【文献】実開平2-116432(JP,U)
【文献】特開2001-19070(JP,A)
【文献】特開平7-41067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
B65D85/00-85/28、85/575
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ型又はパンツ型の吸収性物品と、
折り畳まれた状態の1つの前記吸収性物品を内部に収容する収容材と、
を有する吸収性物品の個包装体であって、
前記吸収性物品と前記収容材とを互いに分離可能に仮固定する仮固定部を備える
ことを特徴とする吸収性物品の個包装体。
【請求項2】
請求項1に記載の吸収性物品の個包装体であって、
前記仮固定部が接着剤で接着された接着部であることを特徴とする吸収性物品の個包装体。
【請求項3】
請求項2に記載の吸収性物品の個包装体であって、
包装状態の前記個包装体の前記収容材から前記吸収性物品を取り出した状態において、
前記収容材が前記接着剤を備えていることを特徴とする吸収性物品の個包装体。
【請求項4】
請求項2に記載の吸収性物品の個包装体であって、
包装状態の前記個包装体の前記収容材から前記吸収性物品を取り出した状態において、
前記吸収性物品が前記接着剤を備えていることを特徴とする吸収性物品の個包装体。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の吸収性物品の個包装体であって、
所定方向における一方側の端部及び他方側の端部に、それぞれ前記収容材同士が接合された端部接合部と、
前記収容材に対する、前記吸収性物品の前記所定方向の移動を規制する、前記端部接合部とは異なる規制部と、を有し、
前記規制部は、前記収容材同士を接合していることを特徴とする吸収性物品の個包装体。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の吸収性物品の個包装体であって、
前記吸収性物品は、展開状態としたときに、互いに直交する上下方向、左右方向、及び前後方向を備え、
前記吸収性物品は、前記左右方向に沿った上下折り畳み部で折り畳まれており、
前記吸収性物品の前記上下方向において、前記上下折り畳み部から胴回り開口部までの長さが、前記上下折り畳み部から股下部の端までの長さ以上であることを特徴とする吸収性物品の個包装体。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載の吸収性物品の個包装体であって、
前記吸収性物品は、展開状態としたときに、互いに直交する上下方向、左右方向、及び前後方向を備え、
前記吸収性物品は、前記左右方向に沿った上下折り畳み部で折り畳まれており、
前記吸収性物品の前記上下方向において、前記上下折り畳み部から股下部の端までの長さが、前記上下折り畳み部から胴回り開口部までの長さより長いことを特徴とする吸収性物品の個包装体。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の吸収性物品の個包装体であって、
前記吸収性物品は、展開状態としたときに、互いに直交する上下方向、左右方向、及び前後方向を備え、
前記吸収性物品は、前記左右方向に沿った上下折り畳み部で折り畳まれており、
前記仮固定部は、前記吸収性物品の股下部と前記収容材とを仮固定していることを特徴とする吸収性物品の個包装体。
【請求項9】
請求項8に記載の吸収性物品の個包装体であって、
前記股下部は、接合された外装シートと吸収体を備え、
前記仮固定部における前記吸収性物品と前記収容材との固定強度が、前記外装シートと前記吸収体との接合強度より低いことを特徴とする吸収性物品の個包装体。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか1項に記載の吸収性物品の個包装体であって、
前記吸収性物品は、展開状態としたときに、互いに直交する上下方向、左右方向、及び前後方向を備え、
前記吸収性物品の胴回り部は、前記左右方向に伸縮可能な弾性部材を備え、
前記吸収性物品は、前記左右方向に沿った上下折り畳み部で折り畳まれており、
前記仮固定部は、前記胴回り部と前記収容材とを仮固定していることを特徴とする吸収性物品の個包装体。
【請求項11】
請求項10に記載の吸収性物品の個包装体であって、
前記胴回り部は、接合された肌側シートと非肌側シートを備え、
前記仮固定部における前記吸収性物品と前記収容材との固定強度が、前記肌側シートと前記非肌側シートとの接合強度より低いことを特徴とする吸収性物品の個包装体。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の吸収性物品の個包装体であって、
前記吸収性物品は、展開状態としたときに、互いに直交する上下方向、左右方向、及び前後方向を備え、
前記吸収性物品は、前記左右方向に沿った上下折り畳み部で折り畳まれており、
前記個包装体の厚さ方向において、前記収容材は、前記吸収性物品を間に挟んだ状態で対向し、
前記吸収性物品の前記厚さ方向の両外側に、それぞれ前記仮固定部が設けられていることを特徴とする吸収性物品の個包装体。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の吸収性物品の個包装体であって、
所定方向における一方側の端部及び他方側の端部は、それぞれ前記収容材同士が接合された端部接合部を備え、
前記一方側の前記端部接合部の接合強度が、前記他方側の前記端部接合部の接合強度より低く、
前記所定方向において、前記仮固定部が、前記個包装体の前記所定方向における中央より前記一方側に設けられていることを特徴とする吸収性物品の個包装体。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載の吸収性物品の個包装体であって、
所定方向における一方側の端部及び他方側の端部は、それぞれ前記収容材同士が接合された端部接合部を備え、
前記仮固定部の固定強度は、前記端部接合部の接合強度より低いことを特徴とする吸収性物品の個包装体。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載の吸収性物品の個包装体であって、
前記吸収性物品は、展開状態としたときに、互いに直交する上下方向、左右方向、及び前後方向を備え、
前記吸収性物品は、前記左右方向に沿った上下折り畳み部で折り畳まれており、
前記収容材同士が接合された一対の端部接合部と内側接合部を有し、
一対の前記端部接合部は、それぞれ所定方向における一方側の端部と他方側の端部に設けられ、且つ、前記吸収性物品の上下方向に沿い、
前記内側接合部は、前記所定方向に沿い、且つ、前記吸収性物品の左右方向に沿い、 前記内側接合部から前記収容材を展開する方向と、前記吸収性物品の前記上下折り畳み部を展開する方向が同じであることを特徴とする吸収性物品の個包装体。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか1項に記載の吸収性物品の個包装体であって、
所定方向における一方側の端部及び他方側の端部は、それぞれ前記収容材同士が接合された端部接合部を備え、
前記収容材は、少なくとも1つの折り部を有し、
前記仮固定部は、前記収容材のうち、前記所定方向に直交する方向における一端から他端まで連続した面と、前記吸収性物品とを仮固定していることを特徴とする吸収性物品の個包装体。
【請求項17】
テープ型又はパンツ型の吸収性物品を折り畳む折り畳み工程と、
収容材に、前記吸収性物品と前記収容材とを接着させるための接着剤を塗布する塗布工程と、
前記塗布工程の後に、前記折り畳み工程において折り畳まれた1つの前記吸収性物品を前記収容材に配置する配置工程と、
前記配置工程の後に、前記折り畳み工程において折り畳まれた1つの前記吸収性物品を内部に収容するために前記収容材を折る折り工程と
を有することを特徴とする吸収性物品の個包装体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品の個包装体及び吸収性物品の個包装体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
尿、便、月経血等の排泄物を吸収する吸収性物品として、パンツ型の使い捨ておむつやショーツ型の生理用ナプキン等が知られている。例えば、特許文献1には、コンパクトで持ち運びに便利な個装構造が記載されている。個装構造は、折り畳まれた使い捨ておむつを個装袋に封入した構造をいう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示すような個装構造は、個装袋に対して使い捨ておむつが移動可能であるため、持ち運ぶ際等に、封入された使い捨ておむつが破損したり、使い捨ておむつの折り畳み形状が変形したりする恐れがあった。
【0005】
本発明は、上記のような問題を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、収容材の内部における吸収性物品の移動を制限する吸収性物品の個包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、テープ型又はパンツ型の吸収性物品と、折り畳まれた状態の1つの前記吸収性物品を内部に収容する収容材と、を有する吸収性物品の個包装体であって、前記吸収性物品と前記収容材とを互いに分離可能に仮固定する仮固定部を備えることを特徴とする吸収性物品の個包装体である。
【0007】
また、テープ型又はパンツ型の吸収性物品と、折り畳まれた状態の1つの前記吸収性物品を内部に収容する収容材と、を有する吸収性物品の個包装体であって、所定方向における一方側の端部及び他方側の端部は、それぞれ前記収容材同士が接合された端部接合部を備え、前記収容材に対する、前記吸収性物品の前記所定方向の移動を、規制する規制部が設けられていることを特徴とする 吸収性物品の個包装体である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、吸収性物品が破損する恐れを軽減させたり、折り畳んだ吸収性物品の形状を維持しやすくなり、吸収性物品の個包装体をコンパクトに保持しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】展開状態且つ自然状態の吸収性物品1の概略斜視図である。
【
図2】分離平面状態且つ伸長状態の吸収性物品1を肌側から見た平面図である。
【
図6】個包装体100の製造方法の流れを示す図である。
【
図7】展開状態の吸収性物品1を背側から見た模式図である。
【
図8】
図8Aは、
図7の吸収性物品1を折り基準位置B1で折り畳んだ状態を示す図である。
図8Bは、
図8Aの吸収性物品1を折り基準位置B2で折り畳んだ状態を示す図である。
【
図9】折り畳み状態の吸収性物品1を示す図である。
【
図10】吸収性物品載置工程後の状態を説明する図である。
【
図11】吸収性物品1と包装材101の左右方向における一方側を折り返した状態を示す図である。
【
図12】吸収性物品1と包装材101の左右方向における他方側を折り返した状態を示す図である。
【
図14】
図14Aは、他の実施形態の個包装体110の平面図である。
図14Bは、他の実施形態の個包装体120の平面図である。
【
図15】
図15Aは、他の実施形態の個包装体130の平面図である。
図15Bは、個包装体130の内側接合部102から包装材101を展開した状態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
テープ型又はパンツ型の吸収性物品と、折り畳まれた状態の1つの前記吸収性物品を内部に収容する収容材と、を有する吸収性物品の個包装体であって、前記吸収性物品と前記収容材とを互いに分離可能に仮固定する仮固定部を備えることを特徴とする吸収性物品の個包装体である。
【0011】
このような吸収性物品の個包装体によれば、仮固定部によって収容材の内部における吸収性物品の動きを制限することができるため、吸収性物品が破損する恐れを軽減したり、折り畳んだ吸収性物品の形状を維持しやすくなり、吸収性物品の個包装体をコンパクトに保持しやすくなる。
【0012】
かかる吸収性物品の個包装体であって、前記仮固定部が接着剤で接着された接着部であることが望ましい。
【0013】
このような吸収性物品の個包装体によれば、接着剤による仮固定部によって収容材の内部における所定方向への吸収性物品の移動をより制限することができる。
【0014】
かかる吸収性物品の個包装体であって、包装状態の前記個包装体の前記収容材から前記吸収性物品を取り出した状態において、前記収容材が前記接着剤を備えていることが望ましい。
【0015】
このようなパンツ型吸収性物品の個包装体によれば、収容材から吸収性物品を取り出した状態において、収容材が仮固定部の接着剤を備えることで、吸収性物品に仮固定部の接着剤が付着している恐れを軽減させて、接着剤によって、着用時に吸収性物品と当接する衣服や下着を損傷させる恐れを軽減させることができる。
【0016】
かかる吸収性物品の個包装体であって、包装状態の前記個包装体の前記収容材から前記吸収性物品を取り出した状態において、前記吸収性物品が前記接着剤を備えていることが望ましい。
【0017】
このようなパンツ型吸収性物品の個包装体によれば、収容材から吸収性物品を取り出した状態において、吸収性物品が仮固定部の接着剤を備えることで、着用時に吸収性物品を衣服や下着に仮固定させやすくなるため、吸収性物品の着用ズレを軽減させることができる。
【0018】
かかる吸収性物品の個包装体であって、所定方向における一方側の端部及び他方側の端部に、それぞれ前記収容材同士が接合された端部接合部と、前記収容材に対する、前記吸収性物品の前記所定方向の移動を規制する、前記端部接合部とは異なる規制部と、を有し、前記規制部は、前記収容材同士を接合していることが望ましい。
【0019】
このような吸収性物品の個包装体によれば、接着剤による仮固定部によって収容材の内部における所定方向への吸収性物品の移動をより制限することができる。
【0020】
かかる吸収性物品の個包装体であって、前記吸収性物品は、展開状態としたときに、互いに直交する上下方向、左右方向、及び前後方向を備え、前記吸収性物品は、前記左右方向に沿った上下折り畳み部で折り畳まれており、前記吸収性物品の前記上下方向において、前記上下折り畳み部から前記胴回り開口部までの長さが、前記上下折り畳み部から股下部の端までの長さ以上であることが望ましい。
【0021】
このような吸収性物品の個包装体によれば、厚さ方向において、上下折り畳み部で折り畳まれた吸収性物品を、収容材、股下部、胴回り部の順に重ねて、収容材と股下部とを仮固定した場合には、股下部より上下方向の長さが長い胴回り部の少なくとも一部を収容材と仮接合させることが可能となり、上下折り畳み部で折り畳まれた吸収性物品の股下部と胴回り部の両方を収容材に仮固定することができるため、収容材に対する吸収性物品の移動をより制限することができ、吸収性物品の折り畳まれた状態を維持しやすくなる。また、厚さ方向において、上下折り畳み部で折り畳まれた吸収性物品を、収容材、胴回り部、股下部の順に重ねて、収容材と胴回り部とを仮固定した場合には、胴回り部材が備える弾性部材の収縮による襞を有する面を収容材と仮接合させることができるため、胴回り部材が収容材と仮接合する接地面積を減少させることができ、着用者等は、収容材から吸収性物品を小さい力で分離させることができる。
【0022】
かかる吸収性物品の個包装体であって、前記吸収性物品は、展開状態としたときに、互いに直交する上下方向、左右方向、及び前後方向を備え、前記吸収性物品は、前記左右方向に沿った上下折り畳み部で折り畳まれており、前記吸収性物品の前記上下方向において、前記上下折り畳み部から股下部の端までの長さが、前記上下折り畳み部から前記胴回り開口部までの長さより長いことが望ましい。
【0023】
このような吸収性物品の個包装体によれば、厚さ方向において、上下折り畳み部で折り畳まれた吸収性物品を、収容材、股下部、胴回り部の順に重ねて、収容材と股下部とを仮固定した場合には、上下方向の長さが胴回り部より長い股下部を収容材と仮接合させることができるため、剛性が高く平面状態を維持しやすい股下部と収容材との仮接合をより強固にさせることができる。また、厚さ方向において、上下折り畳み部で折り畳まれた吸収性物品を、収容材、胴回り部、股下部の順に重ねて、収容材と胴回り部とを仮固定した場合には、胴回り部材が備える弾性部材の収縮による襞を有する面を収容材とを仮接合させつつ、胴回り部より上下方向の長さが長い股下部の少なくとも一部を収容材と仮接合させることが可能となり、上下折り畳み部で折り畳まれた吸収性物品の胴回り部と股下部の両方を収容材に固定することができるため、収容材に対する吸収性物品の移動をより制限することができ、吸収性物品の折り畳まれた状態を維持しやすくなる。
【0024】
かかる吸収性物品の個包装体であって、前記吸収性物品は、展開状態としたときに、互いに直交する上下方向、左右方向、及び前後方向を備え、前記吸収性物品は、前記左右方向に沿った上下折り畳み部で折り畳まれており、前記仮固定部は、前記吸収性物品の股下部と前記収容材とを仮固定していることが望ましい。
【0025】
このような吸収性物品の個包装体によれば、通常、股下部には、吸収体が設けられていることで、より剛性が高く平らな形状を有しているため、股下部と収容材とをより強固に固定することができる。
【0026】
かかる吸収性物品の個包装体であって、前記股下部は、接合された外装シートと吸収体を備え、前記仮固定部における前記吸収性物品と前記収容材との固定強度が、前記外装シートと前記吸収体との接合強度より低いことが望ましい。
【0027】
このようなパンツ型吸収性物品の個包装体によれば、収容材から吸収性物品を取り出す際に、吸収性物品が破損してしまう恐れを軽減させることができる。
【0028】
かかる吸収性物品の個包装体であって、前記吸収性物品は、展開状態としたときに、互いに直交する上下方向、左右方向、及び前後方向を備え、前記吸収性物品の胴回り部は、前記左右方向に伸縮可能な弾性部材を備え、前記吸収性物品は、前記左右方向に沿った上下折り畳み部で折り畳まれており、前記仮固定部は、前記胴回り部と前記収容材とを仮固定していることが望ましい。
【0029】
このような吸収性物品の個包装体によれば、弾性部材の収縮によって、胴回り部の表面は凹凸を有するため、仮固定部における接地面積が狭くなり、収容材から吸収性物品を取り出しやすくすることができる。
【0030】
かかる吸収性物品の個包装体であって、前記胴回り部は、接合された肌側シートと非肌側シートを備え、前記仮固定部における前記吸収性物品と前記収容材との固定強度が、前記肌側シートと前記非肌側シートとの接合強度より低いことが望ましい。
【0031】
このような吸収性物品の個包装体によれば、収容材から吸収性物品を取り出す際に、吸収性物品が破損してしまう恐れを軽減させることができる。
【0032】
かかる吸収性物品の個包装体であって、前記吸収性物品は、展開状態としたときに、互いに直交する上下方向、左右方向、及び前後方向を備え、前記吸収性物品は、前記左右方向に沿った上下折り畳み部で折り畳まれており、厚さ方向において、前記収容材は、前記吸収性物品を間に挟んだ状態で対向し、前記吸収性物品より両外側に、それぞれ前記仮固定部が設けられていることが望ましい。
【0033】
このような吸収性物品の個包装体によれば、厚さ方向における両側において、収容材に対する吸収性物品の移動をより制限することができるため、吸収性物品が破損する恐れを軽減したり、折り畳んだ吸収性物品の形状を維持しやすくなり、吸収性物品の個包装体をコンパクトに保持しやすくなる。
【0034】
かかる吸収性物品の個包装体であって、所定方向における一方側の端部及び他方側の端部は、それぞれ前記収容材同士が接合された端部接合部を備え、前記一方側の前記端部接合部の接合強度が、前記他方側の前記端部接合部の接合強度より低く、前記所定方向において、前記仮固定部が、前記個包装体の前記所定方向における中央より前記一方側に設けられていることが望ましい。
【0035】
このようなパンツ型吸収性物品の個包装体によれば、端部接合部の接合強度がより低い側に仮固定部を設けることで、使用者は、より弱い力で個包装体を開封し、開封した部分に近い位置で仮固定部の固定を分離することができるため、収容材から吸収性物品を容易に取り出すことができる。
【0036】
かかる吸収性物品の個包装体であって、所定方向における一方側の端部及び他方側の端部は、それぞれ前記収容材同士が接合された端部接合部を備え、前記仮固定部の固定強度は、前記端部接合部の接合強度より低いことが望ましい。
【0037】
このような吸収性物品の個包装体によれば、仮固定部を分離させて収容材から吸収性物品を弱い力で取り出すことができつつ、端部接合部を維持することで、収容材の袋状態を維持しやすくなり、使用後の吸収性物品を収容材に収容させやすくなる。
【0038】
かかる吸収性物品の個包装体であって、前記吸収性物品は、展開状態としたときに、互いに直交する上下方向、左右方向、及び前後方向を備え、前記吸収性物品は、前記左右方向に沿った上下折り畳み部で折り畳まれており、前記収容材同士が接合された一対の端部接合部と内側接合部を有し、一対の前記端部接合部は、それぞれ所定方向における一方側の端部と他方側の端部に設けられ、且つ、前記吸収性物品の上下方向に沿い、前記内側接合部は、前記所定方向に沿い、且つ、前記吸収性物品の左右方向に沿い、前記内側接合部から前記収容材を展開する方向と、前記吸収性物品の前記上下折り畳み部を展開する方向が同じであることが望ましい。
【0039】
このような吸収性物品の個包装体によれば、内側接合部から開封し、収容材を展開する際に、吸収性物品の上下折り畳み部で折り畳まれた状態から展開することができるため、吸収性物品の展開の手間を削減することができる。
【0040】
かかる吸収性物品の個包装体であって、所定方向における一方側の端部及び他方側の端部は、それぞれ前記収容材同士が接合された端部接合部を備え、前記収容材は、少なくとも1つの折り部を有し、前記仮固定部は、前記収容材のうち、前記所定方向に直交する方向における一端から他端まで連続した面と、前記吸収性物品とを仮固定していることが望ましい。
【0041】
このような吸収性物品の個包装体によれば、折り部を備える収容材であっても、所定方向における一方側の端から他方側の端まで連続した面は、折り返されにくい面であるため、このような面に仮固定部を設けることで、収容材に対する吸収性物品の位置がずれる恐れを軽減させることができる。
【0042】
テープ型又はパンツ型の吸収性物品と、折り畳まれた状態の1つの前記吸収性物品を内部に収容する収容材と、を有する吸収性物品の個包装体であって、所定方向における一方側の端部及び他方側の端部は、それぞれ前記収容材同士が接合された端部接合部を備え、前記収容材に対する、前記吸収性物品の前記所定方向の移動を、規制する規制部が設けられていることを特徴とする吸収性物品の個包装体である。
【0043】
このような吸収性物品の個包装体によれば、規制部によって収容材の内部における吸収性物品の所定方向への移動を規制することができるため、吸収性物品が破損する恐れを軽減したり、折り畳んだ吸収性物品の形状を維持しやすくなり、吸収性物品の個包装体をコンパクトに保持しやすくなる。
【0044】
かかる吸収性物品の個包装体であって、前記規制部は、前記収容材同士を接合していることが望ましい。
【0045】
このような吸収性物品の個包装体によれば、接着剤による規制部によって収容材の内部における所定方向への吸収性物品の移動をより規制することができる。
【0046】
かかる吸収性物品の個包装体であって、接着剤で前記収容材同士を接合していることが望ましい。
【0047】
このような吸収性物品の個包装体によれば、接着剤による規制部によって収容材の内部における所定方向への吸収性物品の移動をより規制することができる。
【0048】
かかる吸収性物品の個包装体であって、前記吸収性物品は、揮発性物質を備えることが望ましい。
【0049】
このような吸収性物品の個包装体によれば、収容材の内部における吸収性物品の移動に応じて、揮発性物質が流出したり、揮発してしまったりする恐れを軽減させることができる。
【0050】
テープ型又はパンツ型の吸収性物品を折り畳む折り畳み工程と、収容材に、前記吸収性物品と前記収容材とを接着させるための接着剤又は前記収容材同士を接着させるための接着剤を塗布する塗布工程と、前記塗布工程の後に、前記折り畳み工程において折り畳まれた1つの前記吸収性物品を前記収容材に配置する配置工程と、前記配置工程の後に、前記折り畳み工程において折り畳まれた1つの前記吸収性物品を内部に収容するために前記収容材を折る折り工程とを有することを特徴とする吸収性物品の個包装体の製造方法である。
【0051】
このような吸収性物品の個包装体の製造方法によれば、塗布工程における接着剤によって、吸収性物品を仮固定した状態で折り工程を行うため、折り工程において、収容材に対する吸収性物品の位置をより正確に定めることができるため、収容材をより正確に折ることができ、個包装体をよりコンパクトな形状にすることができる。
【0052】
===本実施形態===
以下、本実施形態に係る吸収性物品の一例として、生理用の所謂ショーツ型ナプキンとしての吸収性物品を例に挙げて説明する。ただし、吸収性物品は、生理用のショーツ型ナプキンに限定されず、例えば、大人用のパンツ型又はテープ型の使い捨ておむつや乳幼児用のパンツ型又はテープ型の使い捨ておむつ等であってもよい。なお、吸収性物品について、「パンツ型の吸収性物品」とは、少なくとも包装材(後述)に収容された状態で、腹側胴回り部と背側胴回り部の左右方向の端部が、分離可能に接合又は分離不能に接合されている吸収性物品をいい、「テープ型の吸収性物品」とは、少なくとも包装材(後述)に収容された状態で、腹側胴回り部と背側胴回り部の左右方向の端部が接合されていない吸収性物品をいう。
【0053】
<<<吸収性物品1>>>
図1は、展開状態且つ自然状態の吸収性物品1の概略斜視図である。
図1に示すように、吸収性物品1は、展開状態において、互いに直交する「上下方向」、「左右方向」、「前後方向」とを有している。「展開状態」とは、吸収性物品1の折り畳みを全て展開した自然状態の吸収性物品1をいう。「自然状態」とは、おむつ1を所定時間放置したときの状態である。パンツ状の吸収性物品1(
図1参照)の上下方向について、吸収性物品1のうち、胴回り開口部1a側を「上側」とし、股下側(股下部10m側)を「下側」とする。また、前後方向について、前側は「腹側」でもあり、後側は「背側」でもある。
【0054】
図2は、分離平面状態且つ伸長状態の吸収性物品1を肌側から見た平面図である。「分離平面状態」とは、パンツ型の吸収性物品1の左右方向の両側端部の側端部接合(「胴回り接合部」ともいう。)10e、10eをそれぞれ解き、腹側胴回り部10fと背側胴回り部10bとを分離させて、上下方向に開き、平面状に広げた状態である。「伸長状態」とは、吸収性物品1を皺無く伸長させた状態、具体的には、おむつ1を構成する各部材(例えば、後述する外装体10や吸収性本体20等)の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い長さになるまで伸長した状態のことを言う。分離平面状態且つ伸長状態の吸収性物品1は、互いに直交する「長手方向」、「左右方向」、「厚さ方向」を有し、吸収性物品1の「長手方向」は、
図1の展開状態且つ自然状態の吸収性物品1の「上下方向」に沿い、
図2に示す吸収性物品1の「厚さ方向」は、着用者の肌に接触する側を「肌側」といい、肌側の反対を「非肌側」といい、
図1の展開状態且つ自然状態の吸収性物品1の「前後方向」に沿う。また、左右方向における一方側を着用中の着用者にとっての「左側」とし、左右方向における他方側を着用中の着用者にとっての「右側」とする。
図2等のC-C線は左右方向における中心線ある。
【0055】
吸収性物品1は、所謂2ピースタイプのショーツ型ナプキンであり、外装体10と、尿等の排泄物を吸収する吸収性本体20とを有する。なお、以下の説明では、2ピースタイプのショーツ型ナプキン(パンツ型吸収性物品)について説明するが、腹側胴回り部と背側胴回り部とを別体として配置した所謂3ピースタイプのショーツ型ナプキン(パンツ型吸収性物品)や、テープ型の吸収性物品等であってもよい。
【0056】
吸収性物品1は、着用者の腹側を覆う腹側胴回り部10fと、着用者の股下に位置する股下部10mと、着用者の背側を覆う背側胴回り部10bを有する。股下部10mは、長手方向において、腹側胴回り部10fと背側胴回り部10bとの間に介在する領域である。
【0057】
分離平面状態且つ伸長状態の吸収性物品1の外装体10は、吸収性物品1の外形を成す部材であり、平面視で略砂時計形状をしている。つまり、長手方向の中央部が左右方向の内側へ窪んでいる。この窪んだ部分は、パンツ型に成形すると、一対の脚回り開口部1bとなる。また、外装体10は、吸収性本体20よりも左右方向における一方側の外側に位置する一方側延出部10Lと、他方側の外側に位置する他方側延出部10Rを有している。
【0058】
図2に示すように、分離平面状態且つ伸長状態の吸収性物品1は、腹側胴回り部10fが、吸収性本体20の長手方向の一端側に位置し、背側胴回り部10bが、吸収性本体20の長手方向の他端側に位置する。腹側胴回り部10fと背側胴回り部10bは、それぞれ両側端部に、腹側胴回り部10fと背側胴回り部10bとを接合する側端部接合部10eを有している。
図2に示す分離平面状態且つ伸長状態の吸収性物品1の長手方向の略中央部、つまり股下部10mに設けられた、左右方向に沿った折り線CLで二つ折りされ、側端部接合部10eで、腹側胴回り部10fの側端部と背側胴回り部10bの側端部とが接合されることでパンツ型となる。側端部接合部10eは、超音波接合、接着剤、溶着接合等の周知の接合手段を用いることができる。パンツ型に成型されると、胴回り開口部1a及び一対の脚回り開口部1bを備えるパンツ型吸収性物品となる。なお、折り線CLは、長手方向における吸収性物品1の略中心であり、左右方向に沿った直線である。
図1に示すパンツ型の吸収性物品1では、折り返された部分を有するおむつ1の最下端(股下)であり、股下部10mの端である。
【0059】
<外装体10>
外装体10は、外装トップシート11、外装バックシート12、腹側胴回り弾性部材13、背側胴回り弾性部材14を備え、互いにホットメルト接着剤等によって、接合固定されている。
【0060】
外装トップシート(胴回り部10f、10bの肌側シート)11と外装バックシート(胴回り部10f、10bの非肌側シート)12は、略同じ形状であり、吸収性物品1の外形を成している。外装トップシート11は、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、SMS不織布(スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド不織布)、防水フィルムなどによって形成できる。外装バックシート12は、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、SMS不織布(スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド不織布)などによって形成できる。外装バックシート12の長手方向における腹側及び背側の外側端(上端)は、それぞれ肌側に折り返して、外装トップシート11の外側端(上端)を包み込んだ腹側折り返し部10ffと背側折り返し部10bfを有している。なお、腹側折り返し部10ffと背側折り返し部10bfを有さない構成であってもよい。
【0061】
腹側胴回り弾性部材13及び背側胴回り弾性部材14は、それぞれ腹側胴回り部10fと背側胴回り部10bにおいて、厚さ方向における外装トップシート11と外装バックシート12との間に設けられる。腹側胴回り弾性部材13及び背側胴回り弾性部材14は、例えば、複数本の糸ゴムなどである。腹側胴回り弾性部材13及び背側胴回り弾性部材14は、ホットメルト接着剤等の接着剤によって接合固定されている。腹側胴回り弾性部材13及び背側胴回り弾性部材14によって、腹側胴回り部10f及び背側胴回り部10bに、左右方向への伸縮性が付与される。なお、腹側胴回り部10f及び背側胴回り部10bが、左右方向に伸縮する伸縮性シートを備えていてもよい。
【0062】
<吸収性本体20>
吸収性本体20は、外装体10の肌側面に接合される。外装体10に吸収性本体20を接合する方法としては、例えば、接着剤、ヒートシール、超音波シール、これらの組み合わせ等、公知の接続方法を例示できる。
【0063】
図3は、
図2中の吸収性本体20の平面図であり、
図4は、
図3中のA-A断面図である。
図3は、吸収性本体20を肌側から見た平面図である。吸収性本体20は、液吸収性の吸収体(吸収性コア)22、吸収体22の外周面を被覆するコアラップシート22a、第1肌側シート24a、第2肌側シート24b、非肌側シート24c、サイドシート24d、股下弾性部材30、及び温感剤26を備える。各部材は、ホットメルト接着剤等の接着剤や、溶着、圧着等の周知の手段で接合されている。また、吸収性本体20のうち、吸収体22が設けられた領域には、肌側から厚さ方向に圧搾をした略長手方向に沿った形状の圧搾部40が設けられている。
【0064】
吸収体22は、液体吸収性素材を略矩形形状に成型した部材であり、尿等の排泄物を吸収することができる。液体吸収性素材としては、例えば、パルプ繊維等の液体吸収性繊維や、高吸収性ポリマー(所謂SAP)等を使用することができる。また、高分子吸収性ポリマーを2枚の不織布に挟み込んだSAPシートを用いてもよい。なお、吸収体22の形状は、必ずしも
図2に示されるような形状に限られない。コアラップシート22aとしては、ティッシュペーパーや不織布等の液透過性シートを例示できる。但し、これらのコアラップシート22aを用いない構成でもよい。
【0065】
第1肌側シート24aは、着用時において着用者の肌に接触し得る液透過性のシート部材であり、略矩形状で、吸収体22よりも大きい平面サイズを有する。第2肌側シート24bは、第1肌側シート24aの非肌側面に積層されている。第1肌側シート24a及び第2肌側シート24bは、それぞれ吸収体22よりも肌側に設けられている。第1肌側シート24a及び第2肌側シート24bは、例えば親水性のエアスルー不織布やスパンボンド不織布等により形成される。なお、第1肌側シート24aと第2肌側シート24bのいずれか一方のみを備える構成であってもよい。例えば、吸収体22より肌側に位置する第1肌側シート24aを備え、第1肌側シート24aと吸収体22との間にシート部材(第2肌側シート24b)を備えない構成であってもよく、第1肌側シート24aと吸収体22との間に、コアラップシートのみを備える構成であってもよい。
【0066】
非肌側シート24cは、吸収体22よりも大きい平面サイズの略矩形状のシートであり、吸収体22を非肌側から覆う液体不透過性のシートである。非肌側シート24cとしては、例えば、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等を例示できる。
【0067】
サイドシート24dは、吸収体22よりも大きい平面サイズの略矩形状のシート部材であり、サイドシート24dとしては、例えば、エアスルー不織布やスパンボンド不織布等により形成される。サイドシート24dは、肌側から見て、吸収体22の左右方向における両端部を覆うところ、具体的な構成は、吸収体22の左右方向における一方側の端部から、吸収体22の左右方向における一方側の端より外側で厚さ方向の非肌側に向かって折り返され、吸収体22の非肌側面の全域を覆い、吸収体22の左右方向における他方側の端より外側で厚さ方向の肌側に向かって折り返され、吸収体の左右方向における他方側の端部を覆ったものである。サイドシート24dには、吸収体22より肌側に弾性部材50Sが固定されている。この弾性部材50Sの収縮によって、一対の立体ギャザー50が形成され、立体ギャザー50が防漏壁となり、吸収性本体20の左右方向の外側に排泄物が漏れる恐れを軽減させている。
【0068】
股下弾性部材30は、厚さ方向において、吸収体22及び非肌側シート24cより非肌側で、且つサイドシート24dより肌側、つまり、非肌側シート24cとサイドシート24dとの間に設けられている。本実施形態では、長手方向に沿った複数本(4本)の糸ゴムであるが、本数はこれに限らず、単数でも4本以上の複数でもよく、糸ゴム等に限らず、例えば、伸縮性を有する帯状の弾性シートなどであってもよい。
【0069】
温感剤26は、吸収性物品1の内側に設けられており、温感剤26が設けられた(塗布された)領域を塗布領域26Pといい、
図3等において、便宜上、塗布領域26Pを砂地のハッチングで示している。「吸収性物品1の内側」とは、吸収性物品1の最も外側のシートである外装バックシート12より肌側をいう。本実施形態では、第1肌側シート24aの非肌側面に塗布され、
図3に示すように、吸収体22の左右方向における中央部で、両側端部を除く領域で、且つ吸収体22の長手方向の全域に亘って塗布領域26Pが設けられている。特に、着用時に着用者の排泄口(膣口)に当接させるために、温感剤26を吸収体22の左右方向の中央部に設けることが好ましい。本実施形態では、第1肌側シート24aに塗布領域26Pを設けたが、これに限らず、吸収性物品1の内側であれば、任意に配置可能である。ただし、着用者の肌に温感剤26の効果を感じさせるために、塗布領域26Pを吸収性本体20に設けることが好ましい。また、温感剤26は、第1肌側シート24aの非肌側面に設けることがより好ましい。このとき、吸収性物品1において、第1肌側シート24aが保持する温感剤26の量が、サイドシート24dが保持する温感剤26の量より多いことが好ましい。第1肌側シート24aは、吸収性本体20のうち、着用時の着用者の肌に近い位置の部材であるため、第1肌側シート24aに設けられた温感剤26の効能を着用者に感じさせやすくなる。一方、サイドシート24dが保持する温感剤26の量を少なくすることで、弾性部材50Sをサイドシート24dに固定するホットメルト接着剤等の接着剤の接着性が低下してしまう恐れを軽減させることができる。
【0070】
温感剤26は、着用者の生理痛や冷え症状を緩和するための物質であり、着用者の温度感覚に刺激を与える温感刺激剤を備えた物質である。吸収性物品1に設けられた温感剤26は、揮発性の溶媒と混合された状態で塗布されているため、揮発性が高い。
【0071】
温感刺激剤は、着用者の安心感の観点から、植物由来の化合物であることが好ましい。温感刺激剤としては、例えば、カプシコシド、カプサイシン(LD50:47mg/kg,分子量:305)、カプサイシノイド類(ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ノニバミド等)、カプサンチン、ニコチン酸ベンジル(LD50:2,188mg/kg,分子量:213)、ニコチン酸β-ブトキシエチル、N-アシルワニルアミド、ノナン酸バニリルアミド、多価アルコール、唐辛子末、唐辛子チンキ、唐辛子エキス、ノナン酸バニリルエーテル、バニリルアルコールアルキルエーテル誘導体(例えば、バニリルエチルエーテル、バニリルブチルエーテル(LD50:4,900mg/kg,分子量:210)、バニリルペンチルエーテル、バニリルヘキシルエーテル)、イソバニリルアルコールアルキルエーテル、エチルバニリルアルコールアルキルエーテル、ベラトリアルアルコール誘導体、置換ベンジルアルコール誘導体、置換ベンジルアルコールアルキルエーテル、バニリンプロピレングリコールアセタール、エチルバニリンプロピレングリコールアセタール、ショウガエキス、ジンジャーオイル、ジンゲロール(LD50:250mg/kg,分子量:294)、ジンゲロン、ヘスペリジン、及びピロリドンカルボン酸、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0072】
溶媒は、温感刺激剤を含むことができるものであれば、特に限定されず、例えば、親油性溶媒及び親水性溶媒が挙げられる。溶媒は、温感刺激剤を、例えば、溶解、分散等することができる。
【0073】
親油性溶媒としては、油脂、例えば、天然油(例えば、トリグリセリド等の脂肪酸エステル、ヤシ油、アマニ油、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル等)、炭化水素(例えば、パラフィン、例えば、流動パラフィン)等が挙げられる。
【0074】
親水性溶媒は、水及びアルコールが挙げられる。上記アルコールとしては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等の低級アルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール等の高級アルコール等が挙げられる。
【0075】
なお、温感剤26の温感刺激剤は、温度感受性TRPチャネルを刺激するものが好ましい。例えば、温度感受性TRPチャネルの1つであるTRPV1は、カプサイシン、酸等の刺激により活性化される。そして、着用者のTRPV1が活性化されると、交換神経系を介して産熱が引き起こされる(着用者が体内で熱を作り出す)つまり、携帯用使い捨てカイロのようにそれ自身が高温になって着用者を温めるのではなく、カプサイシン等のようにそれ自身が高温になることなく着用者を温めることが好ましい。着用者は、低温火傷や火傷することなく、冷たさや温かさを感じることができる。
【0076】
また、温感剤26は、着用者の肌と直接触れることでその効果を発揮しやすい。例えば、香料のような揮発性物質は、気体になれば周辺の臭気を抑制する効果を発揮することができるが、温感剤26は気化した後に着用者の肌と直接触れて、その主たる効果を発揮する。つまり、温感剤26が不織布(第1肌側シート24a)等を介して着用者の皮膚と接触することにより、着用者は、徐々に温感剤26の効果を肌で感じることができる。
【0077】
<<<個包装体100>>>
吸収性物品1は、包装材(「収容材」ともいう。)101で包装されて、個包装体100となる。
図5は、個包装体100の平面図である。個包装体100中の吸収性物品1は、上下方向及び左右方向に沿った折り畳み部LB、RB、BLで折り畳まれた状態で、包装材101の内側に収められている。以下、包装材101で包装された状態の個包装体100及び吸収性物品1を「包装状態の個包装体100」や「包装状態の吸収性物品1」といい、包装材101で包装され得る状態の吸収性物品1を「折り畳み状態」ともいう。
【0078】
また、
図5等では、吸収性物品1の左右方向及び上下方向が、個包装体100の左右方向及び上下方向に沿い、吸収性物品1の前後方向が、個包装体100の厚さ方向に沿うものとする。また、包装状態において、包装材101は、折り部LC1、LC2(後述)に沿った折り方向と、折り方向に直交する直交方向と、折り方向及び直交方向と直交する厚さ方向を有している。包装状態の個包装体100において、包装材101の折り方向は、個包装体100及び吸収性物品1の上下方向に沿い、包装材101の直交方向は、個包装体100及び吸収性物品1の左右方向に沿い、包装材101の厚さ方向は、個包装体100の厚さ方向及び吸収性物品1の前後方向に沿う。
【0079】
個包装体100は、吸収性物品1と包装材101とを互いに分離可能に仮固定する仮固定部Tと、包装材101に対する吸収性物品1の所定方向への移動を規制する規制部Sとを有している。
【0080】
以下、個包装体100の製造方法を説明する。
図6は、個包装体100の製造方法の流れを示す図である。個包装体100は、吸収性物品1と
図6に示す吸収性物品製造工程(S1)~端部接合部形成工程(S6)を経ることで、製造される。
【0081】
<吸収性物品製造工程(S1)>
まず、吸収性物品1を製造する吸収性物品製造工程(S1)を行う。上述の吸収性物品1は、周知の方法で
図1~
図4に示す吸収性物品1が製造される。
【0082】
<吸収性物品折り畳み工程S2>
次に、吸収性物品製造工程(S1)で製造された吸収性物品1を折り畳み状態とするための吸収性物品折り畳み工程(S2)を行う。具体的には、
図7に示す展開状態の吸収性物品1を、
図9に示す折り畳み状態の吸収性物品1の状態にする。
図7は、展開状態の吸収性物品1を背側から見た模式図である。
図9は、折り畳み状態の吸収性物品1を示す図である。
【0083】
折り畳み状態の吸収性物品1は、
図7に示す展開状態から、折り畳み基準位置B1、B2、B3でそれぞれ折り畳むことで形成される。折り畳み基準位置B1、B2、B3は、それぞれ吸収性物品1を折り畳む際の基準(支点)となる位置である。吸収性物品1(個包装体100)では、まず、
図7に示す展開状態から、折り畳み基準位置B1、B2でそれぞれ左右方向の内側に向かって折り畳む。折り畳み基準位置B1は、上下方向に沿った折り畳むための基準位置であり、一方側延出部10Lの任意の場所に設けられる。折り畳み基準位置B2は、上下方向に沿った折り畳むための基準位置であり、他方側延出部10Rの任意の場所に設けられる。折り畳み基準位置B3は、左右方向に沿った折り畳むための基準位置であり、吸収性物品1の上下方向における中央より下側(股下側)に設けられる。
【0084】
図7に示す展開状態から、まず、折り畳み装置(不図示)を用いて、一方側延出部10Lのうち、左右方向における折り畳み基準位置B1より外側の部分を背側に向かって折り畳むことで、
図8Aに示す状態となり、次に、他方側延出部10Rのうち、左右方向における折り畳み基準位置B2より外側の部分を背側に向かって折り畳むことで、
図8Bに示す状態となる。
図8Aは、
図7の吸収性物品1を折り基準位置B1で折り畳んだ状態を示す図である。
図8Bは、
図8Aの吸収性物品1を折り基準位置B2で折り畳んだ状態を示す図である。
図8Bに示すように、折り畳み基準位置B1、B2で折り畳むことで、一方側延出部10Lうちの折り畳まれた部分の一部と、他方側延出部10Rのうち折り畳まれた部分の一部が厚さ方向(前後方向)に重ねられている。これによって、折り畳み状態の吸収性物品1の左右方向の長さをより短くすることができる。
【0085】
折り畳み基準位置B1及び折り畳み基準位置B2でそれぞれ一方側延出部10Lの部分及び他方側延出部10Rの部分を折り畳んだ状態(
図8B)において、吸収性物品1を厚さ方向(前後方向)における上側(例えば、背側)から見た場合の、左右方向における最も一方側の端を「一方側折り畳み部LB」といい、左右方向における最も他方側の端を「他方側折り畳み部RB」といい、一方側折り畳み部LB及び他方側折り畳み部RBを「左右折り畳み部」ともいう。一方側折り畳み部LBと他方側折り畳み部RBは、それぞれ上下方向に沿っている。吸収性物品1は、所定の厚みを有しているため、折り畳み状態の一方側折り畳み部LB及び他方側折り畳み部RBは、それぞれ折り畳み基準位置B1及び折り畳み基準位置B2より左右方向において外側に位置する。なお、展開状態において、一方側折り畳み部LBは、折り畳み基準位置B1と前後方向において重なっており、他方側折り畳み部RBは、折り畳み基準位置B2と前後方向において重なっている。また、本実施形態では、「上下方向に沿った左右折り畳み部LB、RB」が、吸収性物品1の上下方向に平行であるとして説明したが、これに限られない。上下方向に沿った左右折り畳み部LB、RBが、上下方向に対してそれぞれ45度の範囲内で傾いていてもよい。
【0086】
続いて、
図8Bに示す状態の吸収性物品1について、上下方向において折り畳み基準位置B3より下側(股下側)の部分を上側(胴回り開口部1a側)に向かって折り畳むことで、
図9に示す折り畳み状態の吸収性物品1となる。左右方向に沿った折り畳み基準位置B3で吸収性物品1を上下方向に折り畳んだ折り畳み状態の吸収性物品1を、厚さ方向における上側から見た場合の、上下方向における最も下側の端を「上下折り畳み部BL」という。上下折り畳み部BLは、左右方向に沿っている。吸収性物品1は、所定の厚みを有しているため、折り畳み状態の上下折り畳み部BLは、折り畳み基準位置B3より上下方向において上側(胴回り開口部1a側)に位置する。なお、展開状態において、上下折り畳み部BLは、折り畳み基準位置B3と前後方向において重なっている。また、本実施形態では、「左右方向に沿った上下折り畳み部BL」が、吸収性物品1の左右方向に平行であるとして説明したが、これに限られない。左右方向に沿った上下折り畳み部BLが、左右方向に対してそれぞれ45度の範囲内で傾いていてもよい。
【0087】
本実施形態では、折り畳み状態において、胴回り開口部1a(自然状態の吸収性物品1の上端)から股下部10mの端までの長さをできるだけ短くする(胴回り開口部1aから股下部10mの端までの長さを0にする、又は0に近づける)ことで、折り畳み状態の吸収性物品1の上下方向の長さを短くしている。また、
図3に示すように、展開状態において、吸収体22の上下方向に直交するように折り畳み基準位置B3が設けられることが好ましい。また、折り畳み基準位置B3を、吸収性本体20に設けられた圧搾部40と交差するように設けてもよい。吸収体22は、吸収性物品1において剛性が高い部材である。同様に、圧搾部40は、吸収性物品1において、更に剛性が高い部分である。剛性が高い圧搾部40と交差する部分で吸収性物品1を折り畳むことで、吸収体22に所謂折り癖をつけやすくなり、吸収性物品1の折り畳み状態を維持しやすくなるため、個包装体100をコンパクトな形状で維持しやすくなる。なお、折り畳み状態の吸収性物品1は、厚さ方向における一方側の面が、胴回り開口部1aを有する胴回り開口側領域1asであり、他方側の面が、股下部10mを有する股下側領域1msである(
図13A参照)。
【0088】
<接着剤塗布工程(S3)>
吸収性物品折り畳み工程(S2)の後、折り畳み状態の吸収性物品1を包装材101で包装する。折り畳み状態の吸収性物品1より大きいサイズで矩形形状の包装材101を水平に広げ、任意の位置に接着剤Gを塗布する接着剤塗布工程(S3)を行う。本実施形態の接着剤Gは、包装体101の後の工程で形成される折り部LC1、LC2に沿った折り方向に沿っており、折り方向における一端から他端まで連続している(
図10)。接着剤Gは、吸収性物品1と包装材101とを互いに分離可能に仮固定する仮固定部Tを形成するための接着剤である。
【0089】
接着剤Gについて、包装材101のうち、左右方向における折り基準位置L1と折り基準位置L2との間に設けることが好ましい。これによって、後述の工程を経て形成された包装状態の包装材101が、一方側折り部LC1と他方側折り部LC2を備え、上下方向における各端部に端部接合部103(一方側端部接合部103a、他方側端部接合部103b)を備えたときに(
図5)、個包装体100の仮固定部Tが、包装材101のうち、左右方向における一端(一方側折り部LC1)から他端(他方側折り部LC2)まで連続した面と、吸収性物品1とを仮固定することになる。つまり、
図5に示す個包装体100が有する各面のうち、厚さ方向における一方側の面は、第1折り返し部101Lと第2折り返し部101Rとが重ねられた面であり、他方側の面は、折り返し部101L、101Rを有さない面であるところ、仮固定部Tを、折り返し部101L、101Rを有さない他方側の面に設けることが好ましい。これによって、後述の折り工程(S5)を経ても、接着剤G(仮固定部T)を設けた面は、折り返しの対象となる部分とはなりにくいため、折り工程によって、接着剤G(仮固定部T)で仮固定した包装材101に対する吸収性物品1の位置がずれてしまう恐れを軽減させることができる。
【0090】
<吸収性物品載置工程(S4)>
接着剤塗布工程(S3)の後、包装材101に塗布された接着剤Gの上に、折り畳み状態の吸収性物品1を載置する吸収性物品載置工程(S4)を行う。
図10は、吸収性物品載置工程後の状態を説明する図である。吸収性物品1と包装材101との間に位置する接着剤Gによって、吸収性物品1を包装材101に仮固定した仮固定部Tが形成される。
【0091】
吸収性物品載置工程において、接着剤Gが塗布された包装材101上に吸収性物品1を載置した際に、吸収性物品1と包装材101に対して厚み方向に、吸収性物品1から所定の圧力を加えることが好ましい。これによって、吸収性物品1と包装材101との間に設けられた接着剤Gによる吸収性物品1と包装材101の仮固定部Tがより強固になる。なお、吸収性物品1と包装材101に対する圧力は、特段の手段を挙げないが、吸収性物品1と包装材101とを接着すれば十分であり、吸収性物品1の自重による圧力であってもよい。
【0092】
吸収性物品載置工程後の折り畳み状態の吸収性物品1は、股下側領域1msが接着剤Gと接触する側(下側)であり、胴回り開口側領域1asが接着剤Gと接触しない側(上側)である(
図13A参照)。なお、
図10に示す第1折り基準位置L1、第2折り基準L2は、折り工程で包装材101を折るための基準位置である。このとき、第1折り基準位置L1と第2折り基準位置L2が、吸収性物品1の上下方向に沿うように設定する。
【0093】
包装材101は、温感剤26等の揮発性物質を透過させにくい(所謂、ガスバリア性が高い)素材を用いることで、吸収性物品1が備える温感剤26が個包装体100の外部に流出してしまう恐れを軽減させることができる。揮発性物質を透過させにくい包装材101としては、23℃において、厚さ方向の酸素透過度を200cc/m2/day/atm以下のシート部材を用いることが好ましい。
【0094】
包装材101としては、例えば、EVOH樹脂(エチレン‐ビニルアルコール共重合樹脂)、PET(ポリエステル)、アルミニウム、ポリビニルアルコール、ナイロン、等で形成されたシート部材を用いることができる。本実施形態の包装材101は、EVOH樹脂(エチレン‐ビニルアルコール共重合樹脂)を含有するPE/admer/EVOH/admer/PEの複層のフィルム素材のシートである。包装材101の酸素透過度は、例えば、23℃、0%RH条件下のクーロメトリック法(MOCON法)等の周知の方法で測定することができる。
【0095】
<折り工程(S5)>
吸収性物品載置工程(S4)の後、包装材101を折る折り工程(S5)を行う。包装材101を折り基準位置L1で、包装材101の左右方向における一方側の第1折り返し部101Lを左右方向の他方側に向かって、且つ、第1折り返し部101Lを折り畳み状態の吸収性物品1の胴回り開口側領域1asを覆うように折ることで、
図11に示す状態となる。
図11は、吸収性物品1と包装材101の左右方向における一方側を折り返した状態を示す図であり、折り返した第1折り返し部101Lを左斜め下がりの斜線部で示す。
図11に示すように、折り基準位置L1を吸収性物品1の左右方向における一方側の端とすることで、左右方向の一方側を、吸収性物品1と包装材101との間に隙間がほとんどない(小さな隙間)状態とすることができる。また、折り基準位置L1で第1折り返し部101Lを折り返した状態において、個包装体100(包装途中の個包装体100)を厚さ方向(吸収性物品1の前後方向)における上側(例えば、背側)から見た場合の、左右方向における最も一方側の端を「一方側折り部LC1」という。
【0096】
吸収性物品1と包装材101の左右方向における一方側を折り返した状態で、第1折り返し部101Lの外側面の左右方向における他方側の端部に、ホットメルト接着剤等の接着剤101hを塗布する。接着剤101hは、第1折り返し部101Lと第2折り返し部101Rとを接合し、内側接合部102を形成するための接着部である。この接着剤101hは、個包装体100の内側に異物が混入するのを防いだり、個包装体100から吸収性物品1に設けられた温感剤(揮発性物質)26が流出する恐れを軽減させるために、吸収性物品1の上下方向において、包装材101の上端から下端まで、連続して塗布されていることが好ましい。なお、接着剤101hは、第1折り返し部101Lの外側面と、第2折り返し部101Rの内側面とを接着できればよいため、第1折り返し部101Lの外側面に接着剤101hを設けずに、第2折り返し部101Rの内側面に接着剤101hを設けてもよい。
【0097】
続いて、包装材101を折り基準位置L2で、包装材101の左右方向における他方側の第2折り返し部101Rを左右方向の一方側に向かって、第1折り返し部101L及び第2折り返し部101Rを折り畳み状態の吸収性物品1の胴回り開口側領域1asを覆うように折ることで、
図12に示す状態となる。
図12は、吸収性物品1と包装材101の左右方向における他方側を折り返した状態を示す図である。
図12において、折り返した第2折り返し部101Rを右斜め下がりの斜線部で示す。折り基準位置L2を吸収性物品1の左右方向における他方側の端とすることで、左右方向の他方側を、吸収性物品1と包装材101との間に隙間がほとんどない(小さな隙間)状態とすることができる。また、折り基準位置L2で第2折り返し部101Rを折り返した状態において、個包装体100(包装途中の個包装体100)を厚さ方向(吸収性物品1の前後方向)における上側(例えば、背側)から見た場合の、左右方向における最も他方側の端を「他方側折り部LC2」という。
【0098】
吸収性物品1と包装材101の左右方向における他方側を折り返した状態で、左右方向の略中央部において、第1折り返し部101Lの左右方向における他方側の端部と第2折り返し部101Rの左右方向における一方側の端部とが重ね合されて、第1折り返し部101Lの外側面に設けられた接着剤101hで接合されることで、内側接合部102となる。つまり、内側接合部102は、接着剤101hによる接合部である。内側接合部102は、一方側折り部LC1及び他方側折り部LC2に沿い、上下方向に沿っており、上下方向における一方側の端から他方側の端まで連続していることが好ましい。また、内側接合部102は、左右方向(直交方向)において、一方側折り部LC1より内側で、他方側折り部LC2より内側に設けられている。本実施形態の内側接合部102は、左右方向において、一方側折り部LC1と他方側折り部LC2の間に設けられ、個包装体100では、直交方向における略中央部に設けられている。折り工程(S5)によって、包装材101は、厚さ方向において、内側接合部102が設けられていない面と、内側接合部102が設けられた面とが形成される。
【0099】
図12に示す他方側折り返し部101Rを折った状態において、個包装体100を厚さ方向に見て、第1折り返し部101Lと第2折り返し部101Rとが重ねられ、且つ接着剤101hが設けられた領域について、厚さ方向に圧力を加えることが好ましい。厚さ方向に圧力を加えることで、接着剤101hによる包装材101同士の接合(内側接合部102)をより確実に固定させることができる。同様に、厚さ方向に見て、包装途中の個包装体100のうち、接着剤Gの塗布領域と重なる部分に、厚さ方向に圧力を加えることが好ましい。これによって、個包装体100の上下方向における両端部の包装材101同士を接着剤Gで固定することで、包装材101に対して吸収性物品1の上下方向の移動を規制する規制部Sを形成することができる。この規制部Sは、端部接合部103a、103bと同様に包装材101同士を接合しているが、端部接合部103a、103bとは異なる部分である。なお、包装材101同士の接合に対する圧力は、特段の手段を挙げないが、包装材101同士を接着すれば十分であり、資材(包装材101)の自重による圧力であってもよい。
【0100】
接着剤塗布工程(S3)後の吸収性物品載置工程(S4)を行った後に、折り工程(S5)を行うことで、包装材101に対する吸収性物品1の移動を制限した状態で包装材101の一方側折り部LC1で第1折り返し部101Lを折り、続いて他方側折り部LC2で第2折り返し部101Rを折ることになる。つまり、仮固定部Tで、包装材101に対して吸収性物品1を仮固定した状態で、折り工程(S5)を行うことができるため、一方側折り部LC1(折り基準位置L1)と他方側折り部LC2(折り基準位置L2)を、それぞれ正確な位置に設けることができ、包装材101を正確な位置で折ることができる。そのため、吸収性物品1と一方側折り部LC1及び他方側折り部LC2とのそれぞれの隙間を短くすることも可能となり、個包装体100をコンパクトな形状とすることができる。
【0101】
<端部接合部形成工程(S6)>
折り工程(S5)の後、端部接合部形成工程(S6)を行って、一対の端部接合部103を形成する。端部接合部形成工程(S6)は、包装材101の上下方向(直交方向)の一方側の端部及び他方側の端部に、それぞれ一方側端部接合部103aと他方側端部接合部103bを形成する。一方側端部接合部103aと他方側端部接合部103bは、熱と圧力を加えた溶着による接合部である。一方側端部接合部103a及び他方側端部接合部103bは、左右方向(直交方向)に沿い、左右方向における一方側の端から他方側の端まで連続していることが好ましい。一対の端部接合部103の形成によって、吸収性物品1は、包装材101に収容された状態となり、
図5に示すような、個包装体100となる。
【0102】
折り工程(S5)と同様に、接着剤塗布工程(S3)後の吸収性物品載置工程(S4)を行った後に、端部接合部形成工程(S6)を行うことで、吸収性物品1を包装材101の移動を制限した状態で、端部接合部103を形成することができる。そのため、端部接合部形成工程(S6)において、吸収性物品1が移動することによって生じる、接合不良や、正確な位置に端部接合部103を形成できない等の恐れを軽減させることができる。また、包装材101の端部接合部103を設ける位置を定めやすくなり、端部接合部103を正確な位置に設けやすくなる。
【0103】
<包装状態の個包装体100>
一般的に、包装材に収容された吸収性物品の個包装体は、包装材の内部の収容空間が大きいほど、包装材の内部で吸収性物品が動きやすい。特に、ショーツ型ナプキンのようなパンツ型の吸収性物品やテープ型の吸収性物品は、通常の生理用ナプキンや吸収パッドのように着衣に粘着固定させるための粘着部を外側の面に備えないため、個包装体の状態で携帯すると、その携帯時の振動等によって、吸収性物品が包装材の内側で動いてしまい、吸収性物品が包装材に衝突したりするなどして、吸収性物品が変形したり、破損してしまったりする恐れがある。
【0104】
これに対し、本実施形態の個包装体100は、吸収性物品1と包装材101とを互いに分離可能に仮固定する仮固定部Tを有している。
図5、
図13A、及び
図13Bに示すように、仮固定部Tは、吸収性物品1と包装材101とを仮固定させた部分である。
図13Aは、
図5中のD-D断面模式図である。
図13Bは、
図5中のE-E断面模式図である。具体的には、包装状態の吸収性物品1と包装材101とを仮固定した仮固定部Tは、吸収性物品1の非肌側面(外装体10の外装バックシート12又は吸収性本体20のサイドシート24d)と包装材101の内側の面とを接着剤Gで接着している。仮固定部Tで包装材101に仮固定された吸収性物品1は、吸収性物品1の使用時には、吸収性物品1に実質的な損傷を与えることなく、包装材101と分離することができ、分離後は、吸収性物品1の機能を損なうことなく使用可能である。仮固定部Tを設けることで、包装材101の内部において、吸収性物品1の動きを制限することができるため、個包装体100の振動や外部からの衝撃によって、内部に収容された吸収性物品1が変形したり、破損をしたりする恐れを軽減させることができる。また、吸収性物品1のように柔らかいものであっても、仮固定部Tによって包装材101対する吸収性物品1の動きを制限することで、吸収性物品1の折り畳み状態を維持しやすくなり、個包装体100をコンパクトに保持しやすくなる。
【0105】
また、上述のとおり、仮固定部Tが、接着剤Gで接着された接着部であることが好ましい。仮固定部Tの接着部に用いる接着剤Gは、仮固定をした状態の吸収性物品1と包装材101とを分離可能な強さで接着させることができるものが好ましい。仮固定部Tの接着剤Gとして、例えば、SBS共重合体のホットメルト接着剤を用いることができる。SBS共重合体のホットメルト接着剤は、1オンス(約28.35g)/25mm以下のタック力(固定強度)を有する。仮固定部Tの「固定強度(タック力)」は、JIS Z 0237に準拠したループタック法に基づいて測定される。具体的には、接着剤が塗布された接合部を25mmの幅にカットしサンプルを作成し、ループを作るようにして引っ張り試験機にセットする。サンプルの下方からT字型のステン板をあてがい、サンプルの接合部に接着させる。ステン板を300mm/分の速さで下方に移動させ、ステン板とサンプルとが剥がれたときの引張力を測定し、固定強度とする。
【0106】
図5に示す包装状態の個包装体100の包装材101から吸収性物品1を取り出した状態において、包装材101が仮固定部Tの接着剤Gを備えることが好ましい。つまり、個包装体100の包装材101と吸収性物品1との仮固定を分離させて、包装材101から吸収性物品1と取り出したときに、仮固定部Tの接着剤Gが包装材101に残ることが好ましい。このとき、取り出した吸収性物品1には、接着剤Gが付着していないことがより好ましい。包装材101から吸収性物品1を取り出した状態で、包装材101が仮固定部Tの接着剤Gを備えるようにすることで、取り出した吸収性物品1に接着剤Gが付着する恐れを軽減させて、接着剤Gによって、着用時に吸収性物品1と当接する衣服や下着を損傷させる恐れを軽減させることができる。
【0107】
個包装体100の包装材101から吸収性物品1を取り出した状態において、包装材101が仮固定部Tの接着剤Gを備える構成は、例えば、包装材101に溶融した状態のSBS共重合体のホットメルト接着剤(接着剤G)を塗布し、常温になるまでの間に、包装材101上の接着剤Gに吸収性物品1を接着させることで実現することができる。製造ラインにおいては、包装材101に塗布する際の接着剤Gは溶融した状態であるが、包装材101に塗布した後に、吸収性物品1を接着させるまでに接着剤Gの粘性が高くなるため、吸収性物品1の外装体10や吸収性本体20の内部に接着剤Gが浸透する恐れを低減させることができる。この接着剤Gによる仮固定部Tで仮固定された吸収性物品1と包装材101とを分離させたときに、接着剤Gが包装材101とともに吸収性物品1から分離して、吸収性物品1にほとんど残らないようにすることができる。
【0108】
なお、包装状態の個包装体100の包装材101から吸収性物品1を取り出した状態において、包装材101が仮固定部Tの接着剤Gを備える場合に、吸収性物品1が全く接着剤Gを備えなくてもよいし、吸収性物品1が多少の接着剤Gを備えていてもよい。ただし、吸収性物品1が備える接着剤Gの量が、包装材101が備える接着剤Gの量より少ないことがより好ましい。
【0109】
また、
図13Aに示すように、包装状態の個包装体100において、折り畳み状態の吸収性物品1のうち、股下側の股下側領域1msと包装材101とを仮固定することが好ましい。つまり、仮固定部Tは、吸収性物品1の股下部と包装材101とを接着剤Gで仮固定している。通常、吸収性物品1の股下部は、剛性が高い吸収体22が設けられ、平面状態で維持されやすい部分である。そのため、上下折り畳み部BLより股下側の股下側領域1msと包装材101とを仮固定することで、吸収性物品1と包装材101とを接地させやすくなり、より強固に仮固定させることができる。
【0110】
上述の通り、吸収性物品1は、互いに接合された外装体10と吸収性本体20を備えている。股下側領域1msと包装材101とを仮固定した状態において、外装体10と吸収性本体20との接合強度より、仮固定部Tにおける吸収性物品1と包装材101との固定強度の方が低いことが好ましい。個包装体100から吸収性物品1を取り出す際に、外装体10と吸収性本体20との接合を剥離させる恐れを軽減させつつ、包装材101と吸収性物品1とを分離させやすくなるため、吸収性物品1の破損の恐れを軽減させることができる。なお、本実施形態の吸収性物品1は、吸収体22を備える吸収性本体20と外装体10とを接合した構成としたが、これに限られない。例えば、吸収性本体20を備えず、外装体10に吸収体22を直接接合する構成の吸収性物品であってもよい。この場合には、仮固定部Tにおける吸収性物品1(股下側領域1ms)と包装材101との固定強度が、外装体10と吸収体22との接合強度より低いことが好ましい。
【0111】
なお、仮固定部Tにおける吸収性物品1と包装材101との「固定強度」、外装体10と吸収性本体20との「接合強度」とは、それぞれ吸収性物品1と包装材101の固定を分離させるための単位面積当たりの力の大きさ、外装体10と吸収性本体20との接合を分離(剥離)させるための単位面積当たりの力の大きさをいう。つまり、固定強度又は接合強度と、分離強度(剥離強度)は、同じ大きさである。
【0112】
固定強度及び接合強度の測定は、周知の方法で測定することができる。具体的には、上述の固定強度の測定方法を用いてもよく、下記の方法で測定してもよい。
まず、測定対象となる個包装体100、吸収性物品1からそれぞれ同じ面積のサンプル1、2を切り出す。サンプル1は、個包装体100のうち、吸収性物品1と包装材101とが仮固定された仮固定部Tが設けられた部分であり、サンプル2は、吸収性物品1のうち、外装体10と吸収性本体20とが接合された部分である。次に、引張試験機(例えばインストロン株式会社製 インストロンシリーズ5564)の上下チャックにサンプル1又はサンプル2をセットする。その後、所定の引張速度(例えば300mm/min)で上下チャックを離間させ、サンプル1,2を引っ張る。チャック間距離が離れるまでの最大荷重(N)を取得する。サンプル1、2それぞれについて、n個(例えば10個)の測定結果を取得し、n個の最大荷重(N)の平均値を算出する。そして、サンプル1の平均値(N)を仮固定部Tにおける吸収性物品1と包装材101との固定強度とし、サンプル2の平均値(N)を外装体10と吸収性本体20との接合強度とし、両値を比較することができる。なお、以下の説明における固定強度及び接合強度についても、同様の測定方法によって比較することができる。
【0113】
上述のとおり、包装状態の個包装体100は、封止状態とするために、包装材101同士を接合した左右方向(直交方向)に沿った端部接合部103a、103bを、上下方向(折り方向)の両端部にそれぞれ有している。この端部接合部103a、103bにおける包装材101同士の接合強度より、仮固定部Tにおける吸収性物品1と包装材101の固定強度の方が低いことが好ましい。端部接合部103a、103bの接合強度より仮固定部Tの固定強度が低いことで、個包装体100の包装材101から吸収性物品1を分離させる際に、小さい力で分離させることができる一方で、端部接合部103a、103bの接合強度が、仮固定部Tの固定強度より強いことから、包装材101から吸収性物品1を取り除いた後にも包装材101の袋状の形態を維持しやすくなるため、使用後の吸収性物品1を包装材101に収容することができる。
【0114】
また、同様に、仮固定部Tにおける吸収性物品1と包装材101との接着剤Gによる固定強度が、内側接合部102における包装材101同士の接着強度より弱いことがこのましい。内側接合部102の剥離を防いで包装材101を袋状に維持しやすくしつつ、吸収性物品1と包装材101との仮固定を容易に分離させることができるため、着用者等は、吸収性物品1が破損する恐れを軽減させつつ、袋状の包装材101に使用済みの吸収性物品1を収容させることができる。
【0115】
また、個包装体100は、包装材101に対する吸収性物品1の所定方向への移動を制限する規制部Sを有する。
図5等に示すように、本実施形態の個包装体100は、包装材101の折り方向(吸収性物品1の上下方向)における一方側の端部及び他方側の端部に、それぞれ包装材101同士が接合された端部接合部103a、103bを備え、折り方向における一方側において、一方側端部接合部103aと吸収性物品1との間に規制部Sを有し、折り方向における他方側において、他方側端部接合部103bと吸収性物品1との間に規制部Sを有する。
【0116】
規制部Sを設けることで、包装材101の内側における吸収性物品1の移動可能な領域を狭めることができる。そのため、包装材101の、所定方向において、吸収性物品1より外側に規制部Sを設けることで、所定方向(折り方向)への移動を規制することができ、包装状態の吸収性物品1が包装材101の内側で移動することによって生じる折れ曲がりや破損の恐れを軽減することができる。また、規制部Sによって包装材101の内側における吸収性物品1の可動領域を減少させるため、吸収性物品1の折り畳み状態1を維持しやすくなり、個包装体100をコンパクトな形状で維持しやすくなる。
【0117】
規制部Sは、包装材101同士が接合された部分であることが好ましく、ホットメルト接着剤等の接着剤で接合された規制部Sであることがより好ましい。また、規制部Sは、折り方向において、一方側端部接合部103aと吸収性物品1との間に設けることが好ましく、他方側端部接合部103bと吸収性物品1との間に設けることが好ましい。
図13Cは、
図5中のF-F断面模式図である。
【0118】
個包装体100では、上述の接着剤塗布工程S3において(
図10参照)、包装材101に塗布された接着剤Gによって包装材101同士を接合することで、規制部Sが形成している。包装材101同士が接合された規制部Sを、折り方向における一方側端部接合部103aと吸収性物品1との間、及び、他方側端部接合部103bと吸収性物品1との間に設けている。つまり、折り方向における、一方側の規制部Sと他方側の規制部Sとの間に吸収性物品1を配置している。また、折り方向における、一方側の規制部Sと他方側の規制部Sが、左右方向において重なる位置に設けられている。
【0119】
包装材101に収容された吸収性物品1は、包装材101の内側における所定方向への移動可能な領域を規制部Sによって規制されるため、包装材101に対する折り方向への移動を制限することができる。なお、個包装体100では、折り方向において、吸収性物品1より一方側及び他方側にそれぞれ規制部Sを設けたが、これに限られない。包装材101に対して吸収性物品1の移動を規制した方向の少なくとも一方に規制部Sを設けるものであってもよい。
【0120】
さらに、
図5等に示す個包装体100は、仮固定部Tと規制部Sとを有している。そのため、吸収性物品1を包装体101に仮固定した仮固定部Tで、包装材101に対する吸収性物品1の移動を制限しつつ、包装材101同士の接合による規制部Sとを備えて、包装材101に対する折り方向(所定方向)への移動を制限することができるため、包装状態における個包装体100に収容された吸収性物品1の移動をより制限することができ、吸収性物品1の破損や折れ曲がりをより軽減させ、個包装体100をコンパクトな形状に保持しやすくなる。
【0121】
図5等に示すように、個包装体100は、仮固定部Tと規制部Sが、連続した接着部(接着剤G)によって設けられている。そのため、折り方向に連続した接着剤Gによって、個包装体100の折り方向についての剛性が高くなるため、個包装体100の変形を軽減させやすくなる。
【0122】
また、個包装体100に収容された吸収性物品1が温感剤26のような揮発性物質を備える場合でも、個包装体100が仮固定部T又は規制部Sを備えることで、包装材101に対する吸収性物品1の移動を制限することができるため、吸収性物品1の包装材101の内側での移動によって、刺激や空気の循環によって温感剤26の揮発が促進したり、温感剤26が流出したりする恐れを軽減させることができる。
【0123】
===その他の実施形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
【0124】
上述の実施形態では、包装材101が一方側折り部LC1と他方側折り部LC2を備える個包装体100としたが、これに限られない。包装材101が折り部を1つだけ備える個包装体100や、包装材101が3つ以上の折り部を備える個包装体100や、包装材101が折り部を備えなくてもよい。また、個包装体100が内側接合部102を必ずしも有する構成でなくてもよい、また、内側接合部102は、必ずしも直交方向における中央部でなくてもよく、例えば、内側接合部102が、直交方向における他方側の端部に設けるものであってもよい。
【0125】
また、上述の実施形態では、折り畳み状態の吸収性物品1が、左右折り畳み部LB、RBと上下折り畳み部RBで折り畳まれた状態としたが、これに限られない。折り畳み状態の吸収性物品1が、例えば、左右折り畳み部LB、RBで折り畳まれ、上下折り畳み部RBで折り畳まれていない状態でもよく、上下折り畳み部RBで折り畳まれ、左右折り畳み部LB、RBで折り畳まれていない状態であってもよい。さらに、左右折り畳み部LBと左右折り畳み部RBのいずれか一方のみが折り畳まれている構成であってもよい。
【0126】
上述の実施形態では、包装状態の個包装体100の包装材101から吸収性物品1を取り出した状態において、包装材101が仮固定部Tの接着剤Gを備えるものとしたが、包装材101から吸収性物品1を取り出した状態において、吸収性物品1が仮固定部Tの接着剤Gを備えてもよい。つまり、個包装体100の包装材101と吸収性物品1との仮固定を分離させて、包装材101から吸収性物品1と取り出したときに、仮固定部Tの接着剤Gが吸収性物品1に設けられている(付着する)ものであってもよい。包装材101から吸収性物品1を取り出した状態で、吸収性物品1が接着剤Gを備えることで、接着剤Gの粘着力で、着用時に着用者の衣服や下着と吸収性物品1とを仮固定させやすくなり、着用中の吸収性物品1のズレを軽減させることができる。なお、包装状態の個包装体100の包装材101から吸収性物品1を取り出した状態において、吸収性物品1が仮固定部Tの接着剤Gを備える場合に、包装材101が全く接着剤Gを備えなくてもよいし、包装材101が多少の接着剤Gを備えていてもよい。ただし、包装材101が備える接着剤Gの量が、吸収性物品1が備える接着剤Gの量より少ないことがより好ましい。
【0127】
また、上述の実施形態では、包装状態の個包装体100において、折り畳み状態の吸収性物品1が、股下側領域1msと包装材101とが仮固定された状態で収容される構成(
図13A等)としたが、これに限られない。例えば、包装状態の個包装体100において、折り畳み状態の吸収性物品1が、上下折り畳み部BLより胴回り開口部1a側の胴回り開口側領域1asと包装材101とが仮固定されていてもよい。つまり、仮固定部Tは、仮固定部Tは、吸収性物品1の胴回り部10f、10bと包装材101とを接着剤Gで仮固定した部分であってもよい。胴回り部10f、10bは、左右方向に伸縮する胴回り弾性部材13、14を備えるため、胴回り弾性部材13、14の収縮によって、胴回り部10f、10bには皺が形成されて、その表面は凸凹形状となる。そのため、仮固定部Tにおける接着剤Gに設置する胴回り部10f、10bの接地面積をすることができるため、仮固定部Tで吸収性物品1と包装材101とが過度に固定される恐れを軽減して、包装材101から吸収性物品1分離させやすくすることができる。
【0128】
さらに、胴回り開口側領域1asと包装材101とを仮固定した状態で、接合された外装トップシート11と外装バックシート12とを備えた吸収性物品1の胴回り部10f、10bについて、外装トップシート11と外装バックシート12との接合強度より、仮固定部Tにおける吸収性物品1と包装材101との固定強度の方が低いことが好ましい。これによって、個包装体100から吸収性物品1を取り出す際に、外装トップシート11と外装バックシート12とを剥離させる恐れを軽減させつつ、包装材101と吸収性物品1とを分離させやすくなるため、吸収性物品1の破損の恐れを軽減させることができる。
【0129】
また、胴回り開口側領域1asと包装材101とを仮固定した状態において、仮固定部Tが、吸収性物品1のうち側端部接合10eと包装材101とを仮固定した部分であることが好ましい。側端部接合10eは、腹側胴回り部10fと背側胴回り部10bのそれぞれ側端部を接合した部分であるため、剛性が高い部分である。剛性が高い側端部接合10eと包装材101とを仮接合することで、固定強度をより強くすることができる。
【0130】
上述の実施形態では、個包装体100が仮固定部Tと規制部Sとを備えたが、これに限られない。他の実施形態として、
図14Aのような、仮固定部Tを備え、規制部Sを備えない個包装体110や、
図14Bのような、仮固定部Tを備えず、規制部Sを備える個包装体120であってもよい。
図14Aは、他の実施形態の個包装体110の平面図であり、
図14Bは、他の実施形態の個包装体120の平面図である。
【0131】
また、個包装体100では、吸収性物品1の上下方向(所定方向)の一端から下端まで仮固定部Tを設けたが、これに限られない。仮固定部Tは、吸収性物品1と包装材101とが接触する部分であれば、任意の位置、任意の大きさ、任意の形状で設けることができる。例えば、
図14Aに示すように、仮固定部Tを上下方向における一部に設けてもよい。
【0132】
図14Aに示すように、個包装体110は、包装状態において、吸収性物品1の上下方向における一方側の端部と他方側の端部にそれぞれ一方側端部接合部103aと他方側端部接合部103bを備え、一方側端部接合部103aの接合強度が、他方側端部接合部103bの接合強度より低い場合において、上下方向において、仮固定部Tを、個包装体100の上下方向における中央より一方側に設けてもよい。他方側端部接合部103bより接合強度が低い一方側端部接合部103aは、他方側端部接合部103bより小さい力で開封(剥離)することができるため、開封に適した部分となる。この場合に、一方側端部接合部103aの接合部を剥離して、個包装体110を開封し、吸収性物品1を取り出す際に、上下方向における一方側に仮固定部Tが設けられていることで、開封し、取り出し始める部分に近い位置で、仮固定部Tの仮固定を分離させることができるため、上下方向において、仮固定部Tを個包装体100の上下方向における中央より他方側に設ける場合よりも小さい力で吸収性物品1を包装材101から分離させることができ、吸収性物品1を取り出しやすくなる。
【0133】
図14Bに示すように、個包装体120が、直交方向に沿った、直交方向の一方側の端から他方側の端まで連続した規制部Sを有していてもよい。個包装体120は、吸収性物品1の折り方向より一方側と他方側にそれぞれ、直交方向に沿った、直交方向の一方側の端から他方側の端まで連続した規制部Sを有するため、包装材101に対する吸収性物品1の折り方向の移動を規制することができる。また、直交方向の一方側の端から他方側の端まで連続した規制部Sを包装材101同士を接合した接着剤で形成することで、個包装体100の直交方向の剛性が高くなり、個包装体100の変形を軽減させやすくなる。
【0134】
さらに、上述の個包装体110においては、折り畳み状態の吸収性物品1について、厚さ方向において、包装材101が吸収性物品1を間に挟んだ状態で対向し、吸収性物品1の片面側(片側)である股下側領域1msに仮固定部Tを設けたが、これに限られない。折り畳み状態の吸収性物品1について、厚さ方向において、包装材101が吸収性物品1を間に挟んだ状態で対向し、吸収性物品1の両面側(両外側)、つまり、股下側領域1msと胴回り開口側領域1asにそれぞれ仮固定部Tを有する構成であってもよい。これによって、個包装体100の厚さ方向における両面において包装材101に対する吸収性物品1の移動をより制限することができるため、包装材101の内側で、吸収性物品1が包装材101と当接して破損する恐れを軽減させることができ、また、折り畳み状態の吸収性物品1の形状を維持しやすくなるため、個包装体100をコンパクトな状態で保持しやすくなる。
【0135】
上述の実施形態では、吸収性物品1の上下方向と、包装材101の折り方向とが沿う方向で吸収性物品1が収容された個包装体100としたが、これに限られない。
図15A及び
図15Bに示すように、吸収性物品1の左右方向と、包装材101の折り方向とが沿う状態で吸収性物品1が収容された個包装体130であってもよい。
図15Aは、他の実施形態の個包装体130の平面図である。
図15Bは、個包装体130の内側接合部102から包装材101を展開した状態の図である。
図15A及び
図15Bに示すように、包装材101に対する吸収性物品1を収容する方向に関わらず、包装材101と吸収性物品とを仮固定する仮固定部Tを設けることが可能であり、包装材101同士を接合することによって形成された、吸収性物品1の包装材101に対する折り方向への移動を規制する規制部Sを設けることが可能となる。個包装体130の仮固定部Tは、包装材101の内側における吸収性物品1の移動を規制することができる。また、個包装体130の規制部Sは、包装材101における吸収性物品1の折り方向への移動を規制することができる。
【0136】
また、
図15A及び
図15Bに示すように、包装状態の個包装体130は、包装材101同士が接合された端部接合部103a、103bと内側接合部102を有している。個包装体130において、端部接合部103a、103bは、包装材101の折り方向(吸収性物品1の左右方向)の両端部にそれぞれ設けられており、端部接合部103a、103bは、折り方向に直交する直交方向(吸収性物品1の上下方向)に沿っている。個包装体130において、内側接合部102は、包装材101の折り方向に沿っている。
【0137】
図15Bは、
図15Aに示す包装状態の個包装体130から、内側接合部102を剥離させ、他方側折り部LC2(折り基準位置L2)について展開させた状態を示している。
図15Bにおいて、折り返された状態の第1折り返し部101Lを左斜め下がりの斜線部で示す。
図15A及び
図15Bに示すように、個包装体130は、他方側折り部LCについて包装材101の折り返しを展開すると同時に、吸収性物品1の上下折り畳み部BLについて展開させることを可能としている。つまり、内側接合部102から包装材101を展開する方向と、吸収性物品1の上下折り畳み部BLを展開する方向が同じである。このように、第2折り返し部101R側の包装材101の展開方向と折り畳まれた吸収性物品1の展開方向とを同じとすることで、内側接合部102の接合を剥離させて、包装材101を展開すると同時に、吸収性物品1の上下折り畳み部BLについて展開させることが可能となり、着用者等の吸収性物品1を展開するための手間を削減させることができる。
【0138】
なお、個包装体130について、仮固定部T(接着剤G)を第2折り返し部101R側に設けることが好ましい。これによって、内側接合部102の接合を剥離させて、第2折り返し部101R側の包装材101を展開すると同時に、包装材101に仮固定された状態の吸収性物品1の部分(
図13Bにおいては、展開状態における上下折り畳み部BLより上下方向において胴回り開口部1a側)が展開されるため、より確実に着用者等の吸収性物品1を展開するための手間を削減させることができる。
【0139】
上述の実施形態では、折り畳み状態の吸収性物品1において、厚さ方向の一方側に位置する胴回り開口部1a側の胴回り開口側領域1asの上下方向の長さと、厚さ方向の他方側に位置する股下部1m側の股下側領域1msの上下方向の長さを略同じとしたが、これに限られない。折り畳み状態の吸収性物品1の胴回り開口側領域1asの長さNが股下側領域1msの上下方向の長さM以上であってもよく(N≧M)、折り畳み状態の吸収性物品1の股下側領域1msの長さMが胴回り開口側領域1ssの上下方向の長さNより長くてもよい(M>N)。
【0140】
図16Aは、他の実施形態の個包装体140の平面図である。
図16Bは、
図16A中のJ-J断面模式図である。
図16Aに示すように、他の実施形態の個包装体140は、左右折り畳み部LB、RB及び上下折り畳み部BLで折り畳まれた吸収性物品1が包装材101に収容されている。また、包装材101の厚み方向における一方側の面にのみに接着剤Gを設けている。この個包装体140の吸収性物品1は、上下折り畳み部BLで折り畳んだ状態で、胴回り開口側領域1asの上下方向の長さNが、股下側領域1msの上下方向の長さMより長い(N>M)。また、個包装体140は、厚さ方向において、仮固定部Tの接着剤G側に股下側領域1msを設けて股下側領域1msを包装材101と仮固定しており、包装材101、接着剤G、股下側領域1ms、胴回り開口側領域1asの順に配置されている。つまり、股下側領域1msの方が、胴回り開孔側領域1asより包装材101との仮固定面積が広い。股下側領域1msは、吸収体22を備える部分であるため、胴回り部10b、10fよりも剛性が高く、平面状態を維持しやすい部分である。そのため、厚さ方向において、股下側領域1msを接着剤Gの側に設けることで、股下側領域1msと包装材101との仮固定をより強固にすることができる。また、
図16Bに示すように、胴回り開口側領域1asの上下方向の長さNが股下側領域1msの上下方向の長さMより長いことから(N>M)、上下方向の一方側において、股下側領域1msより長い胴回り開口側領域1asの部分が、接着剤Gと当接して、包装材101と仮接合することができる。そのため、上下折り畳み部BLで折り畳まれた吸収性物品1の股下側領域1msだけでなく、胴回り開口側領域1asについても、包装材101と仮接合させることができるため、より包装材101と吸収性物品1とをより強固に仮固定することができる。また、吸収性物品1の折り畳み状態を維持しやすくなるため、個包装体140をコンパクトな形状で維持しやすくなる。
【0141】
個包装体140においては、厚さ方向において、包装材101、接着剤G、股下側領域1ms、胴回り開口側領域1asの順となるように配置したが、これに限られない。折り畳み状態の吸収性物品1の胴回り開口側領域1asの長さNが股下側領域1msの上下方向の長さMより長い場合において、厚さ方向において、包装材101、接着剤G、胴回り開口側領域1as、股下側領域1msの順となるように配置して、胴回り開口側領域1asを包装材101に仮固定する構成であってもよい。胴回り部10f、10bは、胴回り弾性部材13、14を有するため、表面に複数の襞(皺)を有する。そのため、胴回り部10f、10bの仮固定部Tにおける接着剤Gとの接地面積を減少させることができ、着用者等が包装材101から吸収性物品1を分離させる際の力を小さくさせることができる。
【0142】
個包装体140は、上下折り畳み部BLで折り畳んだ状態で、胴回り開口側領域1asの上下方向の長さNが、股下側領域1msの上下方向の長さMより長い(N>M)吸収性物品1を備えたが、股下側領域1msの上下方向の長さMを、胴回り開口側領域1asの上下方向の長さNより長くした折り畳み状態の吸収性物品1であってもよい(M>N)。
【0143】
股下側領域1msの上下方向の長さMを、胴回り開口側領域1asの上下方向の長さNより長い場合において(M>N)、厚さ方向において、包装材101、接着剤G、股下側領域1ms、胴回り開口側領域1asの順に配置し、股下側領域1msの方が胴回り開口側領域1asより包装材101との仮固定面積が広くなるように配置した場合には、剛性が高く平面状態を維持しやすい股下部1mと包装材101とをより広い範囲で仮固定させることができるため、仮固定部をより強固な固定とすることができる。
【0144】
股下側領域1msの上下方向の長さMを、胴回り開口側領域1asの上下方向の長さNより長い場合において(M>N)、厚さ方向において、包装材101、接着剤G、胴回り開口側領域1as、股下側領域1msの順に配置し、胴回り開口側領域1msの方が股下側領域1asより包装材101との仮固定面積が広くなるように配置した場合には、股下側領域1msと包装材101とを仮固定しつつ、上下方向の一方側において、胴回り開口側領域1asより長い股下側領域1msの部分が、接着剤Gと当接して、包装材101と仮接合することができる。これによって、吸収性物品1と包装材101とをより強固に固定することができ、吸収性物品1の折り畳み状態を維持しやすくなり、個包装体をよりコンパクトな形状とすることができる。
【0145】
上述の実施形態では、仮固定部T及び規制部Sについて、それぞれ接着剤Gで形成したが、これに限られない。仮固定部Tについて、面ファスナーと、面ファスナーと係合可能な係合部から成る分離可能な仮固定手段であってもよく、例えば、吸収性物品の外装バックシートの非肌側面に面ファスナーを備え、包装材が面ファスナーと係合可能な係合部を備える構成や、面ファスナーと係合可能な素材(スパンボンド不織布等)で形成された包装材で収容した個包装体であってもよい。また、規制部Sについて、包装状態の個包装体の包装材の外表面から、包装材同士を溶着接合する溶着部によって形成されていてもよい。
【0146】
また、上記実施の形態では、揮発性物質の一例として、温感剤26を用いたが、温感剤26に限らず、例えば、冷感剤や香料等の揮発性物質を用いてもよい。香料は、温感剤26の代わりに用いても良いし、温感剤26や冷感剤と一緒に用いても良い。
【0147】
なお、香料として、特にグリーンハーバル調の香料(グリーンハーバル様香気)を用いた場合には、特に精神的な不快症状を身体に物理的刺激を与えることなく、また、経口投与にもよらず、安全かつ簡便に緩和させることが可能になる。これに加え、快適感も得られる。
【0148】
冷感剤を用いた場合には、着用者の蒸れやべたつきによる不快感を低減することが可能となる。冷感剤の例としては、メントール(例えば、l-メントール)及びその誘導体(例えば、乳酸メンチル)、サリチル酸メチル、カンファー、植物(例えば、ミント、ユーカリ)由来の精油等が挙げられる。なお、冷感剤は、温感剤26と同様に、温度感受性TRPチャネルを刺激するものが好ましい。
【0149】
香料としては、当該技術分野において従来用いられてきたものと同様のものを用いることができる。香料として、グリーンハーバル調の香料(グリーンハーバル様香気)を用いた場合には、特に精神的な不快症状を身体に物理的刺激を与えることなく、また、経口投与にもよらず、安全かつ簡便に緩和させることが可能になる。これに加え、快適感も得られる。
【符号の説明】
【0150】
1 吸収性物品(ショーツ型ナプキン)、
1a 胴回り開口部、
1b 脚回り開口部、
10 外装体(外装シート)、
10f 腹側胴回り部、
10b 背側胴回り部、
10m 股下部、
10e 側端部接合(胴回り接合部)、
10ff 腹側折り返し部、
10bf 背側折り返し部、
10L 一方側延出部、
10R 他方側延出部、
11 外装トップシート、
12 外装バックシート、
13 腹側胴回り弾性部材、
14 背側胴回り弾性部材、
20 吸収性本体、
22 吸収体、
22a コアラップシート、
24a 第1肌側シート、
24b 第2肌側シート
24c 非肌側シート、
24d サイドシート、
26 温感剤(揮発性物質)、
26P 塗布領域、
30 股下弾性部材、
40 圧搾部、
50 立体ギャザー、
50S 弾性部材、
100 個包装体、
101 包装材(収容材)、
102 内側接合部、
103a 一方側端部接合部、
103b 他方側端部接合部、
B1 折り畳み基準位置、
B2 折り畳み基準位置、
B3 折り畳み基準位置、
BL 上下折り畳み部、
LB 一方側折り畳み部(左右折り畳み部)、
RB 他方側折り畳み部(左右折り畳み部)、
L1 第1折り基準位置、
L2 第2折り基準位置、
LC1 一方側折り部、
LC2 他方側折り部、
CL 折り線、
G 接着剤、
T 仮固定部、
S 規制部