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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】格子を形成する方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/18 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
G02B5/18
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021533795
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(86)【国際出願番号】 US2019066599
(87)【国際公開番号】W WO2020131733
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-11-16
(31)【優先権主張番号】62/780,792
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】オルソン, ジョセフ シー.
(72)【発明者】
【氏名】ゴデット, ルドヴィーク
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー ティマーマン タイセン, ラトガー
(72)【発明者】
【氏名】エヴァンズ, モーガン
(72)【発明者】
【氏名】フー, ジンシン
【審査官】中村 説志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0035539(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0296163(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0095201(US,A1)
【文献】特開2009-053271(JP,A)
【文献】特開平08-129982(JP,A)
【文献】特開2006-344527(JP,A)
【文献】特開2011-237374(JP,A)
【文献】特開2005-004068(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0048047(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/18
G02B27/01-27/02
G02B27/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子を形成する方法であって、
基板の上に配置された格子材料上にレジスト材料を堆積させることであって、当該レジスト材料が、第1のデバイス領域及び第2のデバイス領域を有する、レジスト材料を堆積させることと、
前記レジスト材料を、第1のパターン及び第2のパターンを有するレジスト層へとパターニングすることと、
第1の期間にわたって第1のイオンビームを前記第1のデバイス領域へと投射して、前記格子材料内に第1の複数の格子を形成することであって、前記第1のイオンビームが、前記基板の表面に対して第1のビーム角を有し、前記第1のイオンビームが、第1のイオンビームプロファイルを有する、第1の複数の格子を形成することと、
第2の期間にわたって第2のイオンビームを前記第2のデバイス領域へと投射して、前記格子材料内に第2の複数の格子を形成することであって、前記第2のイオンビームが、前記基板の前記表面に対して第2のビーム角を有し、前記第2のイオンビームが、第2のイオンビームプロファイルを有する、第2の複数の格子を形成することと、
を含み、
前記第1のパターンが、前記格子材料の表面に対して第1の傾斜角を有する第1の複数のパターン特徴部を含み、
前記第2のパターンが、前記格子材料の前記表面に対して、前記第1の傾斜角とは異なる第2の傾斜角を有する第2の複数のパターン特徴部を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の複数の格子が、第1のプロファイルを有し、
前記第2の複数の格子が、第2のプロファイルを有し、且つ
前記第1のプロファイルが、前記第2のプロファイルと異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のプロファイルが、段差プロファイルである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のプロファイルが、傾斜プロファイルである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の傾斜角が、5°から85°であり、
前記第2の傾斜角が、95°から175°である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
一組以上の複数の格子を形成する方法であって、
基板の上に配置された格子材料上にレジスト材料を堆積させることであって、当該レジスト材料が、第1のデバイス領域及び第2のデバイス領域を有する、レジスト材料を堆積させることと、
前記レジスト材料を、パターンを有するレジスト層へとパターニングすることであって、
前記第1のデバイス領域上に配置された複数の第1のパターン特徴部を形成することであって、前記複数の第1のパターン特徴部は、前記第1のデバイス領域の前記格子材料の第1の部分を露出させるものであり、前記第1のパターン特徴部は第1の傾斜角を有し、前記第1の傾斜角は、前記第1のパターン特徴部同士の間における第1のビーム角のビームが、前記第1のデバイス領域の前記格子材料に当たることを可能とするように構成されている、複数の第1のパターン特徴部を形成すること、および
前記第2のデバイス領域上に配置された複数の第2のパターン特徴部を形成することであって、前記複数の第2のパターン特徴部は、前記第2のデバイス領域の前記格子材料の第2の部分を露出させるものであり、前記第2のパターン特徴部は第2の傾斜角を有し、前記第2の傾斜角は、前記第2のパターン特徴部同士の間における第2のビーム角のビームが、前記第2のデバイス領域の前記格子材料に当たることを可能とするように構成されており、前記第2のパターン特徴部の各々の前記第2の傾斜角は、前記第1のパターン特徴部の各々の前記第1の傾斜角とは異なる、複数の第2のパターン特徴部を形成すること
を含む、パターニングすることと、
第1の期間にわたって第1のイオンビームを前記第1のデバイス領域へと投射して、前記格子材料内に第1の複数の格子を形成することであって、前記第1のイオンビームが、前記基板の表面に対して前記第1のビーム角を有し、前記第1のイオンビームが、第1のイオンビームプロファイルを有する、第1の複数の格子を形成することと、
第2の期間にわたって第2のイオンビームを前記第2のデバイス領域へと投射して、前記格子材料内に第2の複数の格子を形成することであって、前記第2のイオンビームが、前記基板の前記表面に対して前記第2のビーム角を有し、前記第2のイオンビームが、第2のイオンビームプロファイルを有する、第2の複数の格子を形成することと、
を含み、
前記第1のイオンビームプロファイル及び前記第2のイオンビームプロファイルのうちの少なくとも1つが均一ではない、方法。
【請求項7】
前記第1の複数の格子が、第1のプロファイルを有し、
前記第2の複数の格子が、第2のプロファイルを有し、且つ
前記第1のプロファイルが、前記第2のプロファイルと異なる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記レジスト材料をパターニングすることが、前記レジスト材料を紫外(UV)光に曝露することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記レジスト材料をパターニングすることが、前記レジスト材料を加熱することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
一組以上の複数の格子を形成する方法であって、
基板の上に配置された格子材料上にレジスト材料を堆積させることであって、当該レジスト材料が、第1のデバイス領域及び第2のデバイス領域を有する、レジスト材料を堆積させることと、
前記レジスト材料を、パターンを有するレジスト層へとパターニングすることであって、前記パターンを有するレジスト層は、
前記第1のデバイス領域上に配置された複数のパターン特徴部の第1の部分であって、第1の傾斜角を有する第1の部分、および
前記第2のデバイス領域上に配置された複数のパターン特徴部の第2の部分であって、前記第1の傾斜角とは異なる第2の傾斜角を有する第2の部分
を有する、パターニングすることと、
第1の期間にわたって第1のイオンビームを前記第1のデバイス領域へと投射して、前記格子材料内に第1の複数の格子を形成することであって、前記第1のイオンビームが、前記基板の表面に対して第1のビーム角を有し、前記第1のイオンビームが、第1のイオンビームプロファイルを有し、前記第1のビーム角を有する前記第1のイオンビームが前記基板の前記第1のデバイス領域上のみに格子を形成するように、前記第1の傾斜角が前記第1のビーム角に等しい一方、前記複数のパターン特徴部の前記第2の部分は前記第2の傾斜角を有する、第1の複数の格子を形成することと、
第2の期間にわたって第2のイオンビームを前記第2のデバイス領域へと投射して、前記格子材料内に第2の複数の格子を形成することであって、前記第2のイオンビームが、前記基板の前記表面に対して第2のビーム角を有し、前記第2のイオンビームが、第2のイオンビームプロファイルを有し、前記第2のビーム角を有する前記第2のイオンビームが前記基板の前記第2のデバイス領域上のみに格子を形成するように、前記第2の傾斜角が前記第2のビーム角に等しい一方、前記複数のパターン特徴部の前記第1の部分前記第1の傾斜角を有する、第2の複数の格子を形成することと、
を含み、
前記第1のイオンビームプロファイル及び前記第2のイオンビームプロファイルのうちの少なくとも1つが均一ではない、方法。
【請求項11】
前記第1の複数の格子が、第1のプロファイルを有し、
前記第2の複数の格子が、第2のプロファイルを有し、且つ
前記第1のプロファイルが、前記第2のプロファイルと異なる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のプロファイルが、段差プロファイルである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のプロファイルが、傾斜プロファイルである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の傾斜角が、5°から85°であり、
前記第2の傾斜角が、95°から175°である、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のイオンビームを投射することが、複数のフィルタを有するプレートを用いて前記第1のイオンビームのイオンをフィルタリングすることを含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、方法に関し、より具体的には、格子を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]仮想現実は、概して、ユーザが見かけ上の物理的存在を有する、コンピュータが生成した模擬環境であると考えられている。仮想現実体験は、3Dで生成され、ヘッドマウントディスプレイ(head-mounted display:HMD)(例えば、実際の環境に取って代わる仮想現実環境を表示するためのレンズとしてのニアアイディスプレイパネルを有する眼鏡又は他のウェアラブルディスプレイデバイス)で見ることができる。
【0003】
[0003]しかしながら、拡張現実は、ユーザが眼鏡又は他のHMD装置のディスプレイレンズを通して周囲環境を見ることができるが、表示のために生成され、環境の一部として現れる仮想物体の画像も見ることができる体験を可能にする。拡張現実には、任意の種類の入力(例えば、音声入力及びハプティック入力)や、ユーザが体験する環境を強化又は拡張する仮想画像、グラフィックス、及びビデオが含まれる場合がある。
【0004】
[0004]仮想画像は、周囲環境に重ね合わされ、ユーザに拡張現実体験を提供する。導波路は、画像の重ね合わせを補助するために使用される。生成された光は、その光が導波路から出て周囲環境に重ね合わされるまで、導波路を通して伝搬される。光学デバイスは、概して、種々の波長の光を導くために、同一の基板上に物理的性質の異なる複数の導波路を必要とする。
【0005】
[0005]当該技術分野における1つの欠点は、同一の基板上に導波路を製造することが、時間のかかるプロセスであることである。種々の材料特性を有する導波路を製造するためには、フォトリソグラフィにおいて種々のマスキング工程及び方法が必要とされる。さらに、一部のフォトリソグラフィ方法は、種々の導波路において格子の様々な間隔及びプロファイルを形成する能力を有していない。
【0006】
[0006]したがって、種々の格子プロファイルを有する格子領域の形成を可能にする製造プロセスが必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本開示の実施形態は、概して、格子を形成する方法に関する。レジスト層が格子材料の上に配置されてパターニングされ、所望の格子プロファイルを有する格子をより精密に形成することが可能になる。
【0008】
[0007]一実施形態では、格子を形成する方法が提供される。この方法は、基板の上に配置された格子材料上にレジスト材料を堆積させることと、レジスト材料をレジスト層へとパターニングすることと、第1の期間にわたって第1のイオンビームを第1のデバイス領域へと投射して、格子材料内に第1の複数の格子を形成することと、第2の期間にわたって第2のイオンビームを第2のデバイス領域へと投射して、格子材料内に第2の複数の格子を形成することを含む。レジスト材料は、第1のデバイス領域及び第2のデバイス領域を有する。第1のイオンビームは、基板の表面に対する第1の角度、及び第1のイオンビームプロファイルを有する。第2のイオンビームは、基板の表面に対する第2の角度、及び第2のイオンビームプロファイルを有する。第1のイオンビームプロファイル及び第2のイオンビームプロファイルの少なくとも1つが、均一ではない。
【0009】
[0008]別の実施形態では、格子を形成する方法が提供される。この方法は、基板の上に配置された格子材料上にレジスト材料を堆積させることと、レジスト材料をレジスト層へとパターニングすることと、第1の期間にわたって第1のイオンビームを第1のデバイス領域へと投射して、格子材料内に第1の複数の格子を形成することと、第2の期間にわたって第2のイオンビームを第2のデバイス領域へと投射して、格子材料内に第2の複数の格子を形成することを含む。レジスト材料は、第1のデバイス領域及び第2のデバイス領域を有する。第1のイオンビームは、基板の表面に対する第1の角度、及び第1のイオンビームプロファイルを有する。第2のイオンビームは、基板の表面に対する第2の角度、及び第2のイオンビームプロファイルを有する。パターニングは、レジスト材料に対してマスクを押圧することを含む。第1のイオンビームプロファイル及び第2のイオンビームプロファイルの少なくとも1つが、均一ではない。
【0010】
[0009]さらに別の実施形態では、格子を形成する方法が提供される。この方法は、基板の上に配置された格子材料上にレジスト材料を堆積させることと、レジスト材料をレジスト層へとパターニングすることと、第1の期間にわたって第1のイオンビームを第1のデバイス領域へと投射して、格子材料内に第1の複数の格子を形成することと、第2の期間にわたって第2のイオンビームを第2のデバイス領域へと投射して、格子材料内に第2の複数の格子を形成することを含む。レジスト材料は、第1のデバイス領域及び第2のデバイス領域を有する。第1のイオンビームは、基板の表面に対する第1の角度、及び第1のイオンビームプロファイルを有する。第2のイオンビームは、基板の表面に対する第2の角度、及び第2のイオンビームプロファイルを有する。レジスト層は、第1のパターン及び第2のパターンを有する。第1のパターンは、第1のパターンの表面に対して第1の角度を有する第1の複数のパターン特徴を含む。第2のパターンは、第1のパターンの表面に対して第2の角度を有する第2の複数のパターン特徴を含む。第1のイオンビームプロファイル及び第2のイオンビームプロファイルの少なくとも1つが、均一ではない。
【0011】
[0010]本開示の上述の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによって得ることができる。そのうちの幾つかの実施形態は添付の図面で例示されている。しかし、添付図面は例示的な実施形態のみを示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではなく、その他の等しく有効な実施形態も許容され得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】一実施形態に係る、格子を形成するための方法工程のフロー図である。
図1B】一実施形態に係る、基板に入射するイオンビームを示す。
図1C】一実施形態に係る、イオンビームのイオンビームプロファイルを示す。
図1D】一実施形態に係る、複数のフィルタを有するプレートを示す。
図2A】一実施形態に係る、格子を形成するための方法工程のフロー図である。
図2B】一実施形態に係る、基板の第1の領域に入射するイオンビームを示す。
図2C】一実施形態に係る、基板の第2の領域に入射するイオンビームを示す。
図2D】一実施形態に係る、傾斜プロファイルを有する複数の格子を示す。
図2E】一実施形態に係る、段差プロファイルを有する複数の格子を示す。
図3A】一実施形態に係る、格子を形成するための方法工程のフロー図である。
図3B】一実施形態に係る、角度付けられたエッチングシステムを示す。
図3C】一実施形態に係る、角度付けられたエッチングシステムを示す。
図4A】一実施形態に係る、格子を形成するための方法工程のフロー図である。
図4B】一実施形態に係る、格子材料上に配置されたレジスト材料を有する基板を示す。
図4C】一実施形態に係る、格子材料の上に配置されたレジスト層を有する基板を示す。
図4C】一実施形態に係る、イオンビームに曝露された基板を示す。
図4D】一実施形態に係る、イオンビームに曝露された基板を示す。
図4E】一実施形態に係る、イオンビームに曝露された基板を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0026]理解を容易にするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。さらなる記載がなくても、ある実施形態の要素及び特徴を他の実施形態に有益に組み込むことができることが想定されている。
【0014】
[0027]本開示の実施形態は、概して、格子を形成する方法に関する。この方法は、基板の上に配置された格子材料上にレジスト材料を堆積させることと、レジスト材料をレジスト層へとパターニングすることと、第1のイオンビームを第1のデバイス領域へと投射して、第1の複数の格子を形成することと、第2のイオンビームを第2のデバイス領域へと投射して、第2の複数の格子を形成することを含む。パターニングされたレジスト層を使用することにより、イオンビームを大きな領域にわたって投射することが可能になり、これは、特定の領域内にイオンビームを集光させることよりも容易であることが多い。パターニングされたレジストの素子の角度が、パターニングされたレジスト層の素子の角度に類似したイオンビームの角度に対するイオンエッチングを容易にする。イオンビームの角度とパターニングされたレジスト層の素子の角度とが一致しないため、他の領域のパターニングが少なくなる。本開示の素子は、基板の特定の部分において所望のプロファイルを有する格子を形成するのに有用であり得るが、これに限定されない。
【0015】
[0028]本明細書で使用される「約(about)」という用語は、公称値から+/-10%の変動のことを指す。本明細書で提供される任意の値にこのような変動が含まれ得ることを理解されたい。
【0016】
[0029]図1Aは、一実施形態に係る、格子(すなわち、フィン)を形成するための方法100工程のフロー図である。方法100工程は、図1Aから1Dに関連して説明されているが、当業者は、任意の順序で方法工程を実行するように構成された任意のシステムが、本明細書に記載された実施形態の範囲内に入ることを理解するであろう。
【0017】
[0030]方法100は、工程190で開始する。工程190では、第1のイオンビームが基板の第1の部分に投射される。第1のイオンビームは、イオン源によって生成される。基板は、光学デバイスにおいて使用されるように構成されている。基板は、ガラス、プラスチック、ポリカーボネート材料、又は当技術分野で使用される任意の基板であり得る。例えば、基板は、半導体材料(例えば、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、及び/又はヒ化ガリウム(GaAs)のようなIII-V族半導体)を含む。別の実施例では、基板101は、透明材料(例えば、ガラス、プラスチック、及び/又はポリカーボネート)を含む。基板は、その上に任意の数の絶縁層、半導体層、又は金属層を有してもよい。
【0018】
[0031]図1Bは、一実施形態に係る、基板101に入射するイオンビーム116を示す。イオンビームは、基板101の上に配置された第1のデバイス領域102に対応する第1のビーム領域を有する。第1のデバイス領域102は、基板101上に配置された格子材料103内に形成される複数の第1のデバイス104のそれぞれの第1のデバイスに対応する。第1のイオンビームは、イオンビームプロファイルを有する第1のデバイス領域102に投射される。
【0019】
[0032]イオンビームプロファイルは、パターンの異なる部分において異なるイオンビーム強度及び/又はイオンビーム濃度を有する断面パターンを有し得る。特定のパターンを有するイオンビームが材料(例えば、格子材料103)に投射された場合、材料の部分に投射されるイオンビーム断面パターンの強度に応じて、材料の様々な部分が様々な深さでエッチングされる。例えば、材料の第1の部分に投射される、イオンビーム強度が高いパターンの第1の部分により、第1の部分のエッチングが深くなる。材料の第2の部分に投射される、イオンビーム強度がより低いパターンの第2の部分により、第2の部分のエッチングがより浅くなる。したがって、対応するイオンビームプロファイルによって、材料に所望のエッチングプロファイルを形成することができる。
【0020】
[0033]格子材料103は、オキシ炭化ケイ素(SiOC)、酸化チタン(TiO)、TiOナノ物質、酸化ニオブ(NbO)、ニオブ-ゲルマニウム(NbGe)、二酸化ケイ素(SiO)、酸炭窒化ケイ素(SiOCN)、バナジウム(IV)酸化物(VO)、酸化アルミニウム(Al)、インジウムスズ酸化物[InTiO](ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、五酸化タンタル(Ta)、窒化ケイ素(Si)、シリコンリッチSi、水素ドープSi、ボロンドープSi、シリコンカーボンナイトレート(silicon carbon nitrate)(SiCN)、窒化チタン(TiN)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、ゲルマニウム(Ge)、リン化ガリウム(GaP)、多結晶(PCD)、ナノ結晶ダイヤモンド(NCD)、ドープダイヤモンド含有物質、又は上記の任意の組合せを含み得る。
【0021】
[0034]図1Cは、一実施形態に係る、イオンビーム116のイオンビームプロファイル106を示す。図示されるように、イオンビームプロファイル106の強度は、イオンビーム116の断面内の位置によって変動する。したがって、イオンビームによって生成される格子の深さは可変である。図1Cに示されるイオンビームプロファイルは線形であるが、イオンビームプロファイルの他の変形例も意図されている。幾つかの実施形態では、イオンビームプロファイル106は均一であり、すなわち、強度は、イオンビームプロファイル106全体にわたって均一である。幾つかの実施形態では、イオンビームプロファイル106は、均一ではなく、すなわち、強度は、イオンビームプロファイル106全体にわたって均一ではない。イオンビームプロファイルは、二次元(2D)パターンであってもよい。
【0022】
[0035]本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、第1のイオンビームのイオンビームプロファイル106は、複数のフィルタを有するプレートを用いて第1のイオンビームのイオンをフィルタリングすることによってもたらされる。図1Dは、一実施形態に係る、複数のフィルタ110を有するプレート108を示す。プレート108は、イオン源とインターフェース接続して連結し、プレート108を通過するイオンビームの強度又は分布を調節するように構成されている。複数のフィルタ110は、同じ又は異なる直径114を有する部分112を含む。複数のフィルタ110は、所望の強度及び/又は密度のイオンの通過を可能にする孔又は開口を含み得る。プレート108は、イオンビーム衝撃に対して耐性があるか又は不活性であり、イオンの通過を防止するのに十分な厚さの材料から作製される。複数のフィルタ110が、プレート108を通って延在し、イオンビームが通過する開口を形成する。複数のフィルタ110は、実質的に円形状であるように示されており、第1の複数のフィルタの互いに隣接するフィルタ間の分布がほぼ均等である。しかしながら、複数のフィルタ110の任意の数、形状、向き、間隔、又は配置を利用して、通過するイオンビームの強度又は分布を調節し、所望のイオンビームプロファイルを生成することができる。
【0023】
[0036]本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、イオンビームプロファイル106は、第1のイオンビームのプラズマプロファイルへと変更することによってもたらされる。第1のデバイス領域102は、第1の期間にわたって第1のイオンビームに曝露され、第1のデバイス104の第1の複数の格子が形成される。基板101は、繰り返し移動(すなわち、階段状に移動)し、第1のデバイス領域102が、それぞれ、イオンビームプロファイル106を有する第1のイオンビーム116に曝露される。
【0024】
[0037]工程192では、第2のイオンビームが基板の第2の部分に投射される。図1Bを参照すると、一実施形態によれば、第2の部分は、基板101の第2のデバイス領域120を含む。第2のイオンビームは、第2のデバイス領域120に対応する第2のビーム領域を有する。第2のデバイス領域120は、格子材料103内に形成される複数の第2のデバイス122のそれぞれの第2のデバイスに対応する。第2のイオンビームは、本明細書に記載されたイオンビームプロファイル106で第2のデバイス領域120に投射される。第2のイオンビームのイオンビームプロファイルは、第1のイオンビームのイオンビームプロファイルと異なっていてもよいし、又は同じであってもよい。第2のデバイス領域120は、第2の期間にわたって第2のイオンビームに曝露されて、第2のデバイス122の第2の複数の格子が形成される。一実施形態によれば、第1の期間は、第2の期間と部分的に重なり合うことがあり、したがって、工程190の一部は、工程192と重なり得る。基板101は、繰り返し移動(すなわち、階段状に移動)し、第2のデバイス領域120が、それぞれ、イオンビームプロファイルを有する第2のイオンビームに曝露される。
【0025】
[0038]工程194では、第3のイオンビームが、基板の第3の部分に投射される。第3の部分は、一実施形態によれば、基板101の第3のデバイス領域124を含む。第3のイオンビームは、第3のデバイス領域124に対応する第3のビーム領域を有する。第3のデバイス領域124は、格子材料103内に形成される複数の第3のデバイス126のそれぞれの第3のデバイスに対応する。第3のイオンビームは、本明細書に記載されるように、イオンビームプロファイル106で第3のデバイス領域124に投射される。第3のイオンビームのイオンビームプロファイルは、第1の及び/又は第2のイオンビームのイオンビームプロファイルと異なっていてもよいし、又は同じであってもよい。第3のデバイス領域124は、第3の期間にわたって第3のイオンビームに曝露されて、第2のデバイス122の第3の複数の格子が形成される。基板101は、繰り返し移動(すなわち、階段状に移動)し、第3のデバイス領域124が、それぞれ、イオンビームプロファイルを有する第3のイオンビームに曝露される。幾つかの実施形態では、第1のイオンビームプロファイル、第2のイオンビームプロファイル、及び第3のイオンビームプロファイルのうちの少なくとも1つが、均一ではない。
【0026】
[0039]一実施形態によれば、第1の期間は、第3の期間と部分的に重なり合うことがあり、したがって、工程190の少なくとも一部は、工程194と重なり得る。一実施形態によれば、第2の期間は、第3の期間と部分的に重なり合うことがあり、したがって、工程192の一部は、工程194と重なり得る。一実施形態によれば、第1の期間は、第2の期間及び第3の期間と部分的に重なり合うことがあり、したがって、工程190の一部は、工程192、194と重なり得る。
【0027】
[0040]図2Aは、一実施形態に係る、格子を形成するための方法200工程のフロー図である。方法200工程は、図2Aから2Fに関連して説明されているが、当業者は、任意の順序で方法工程を実行するように構成された任意のシステムが、本明細書に記載された実施形態の範囲内に入ることを理解するであろう。
【0028】
[0041]方法200は、工程290で開始する。工程290では、基板の第1の部分が、イオン源からのイオンビームに曝露される。図2Bは、一実施形態に係る、基板101の第1の領域aに入射するイオンビーム206を示す。イオン源202は、イオンビーム206を第1の領域aに投射する。イオン源202は、イオン源によって生成されたイオンビーム206を基板101へと投射するように構成された複数の角度付けられたセグメント204を有する。すなわち、イオン源202は、セグメント化されたイオン源である。基板101に投射されたイオンビーム206は、基板101の表面105に対して少なくとも1つのビーム角αを有する。角度付けられたセグメント204は、方法100によって作成された導波結合器の領域、例えば、第1のデバイス領域102、第2のデバイス領域120、及び第3のデバイス領域124に局在化され得る。基板101は、第1の位置G1に配置される。第1の複数の格子212は、格子材料103から形成され、又は格子材料103内に形成される。第1の複数の格子212は、表面105に対して平行な第1の方向と、表面に対して垂直な第2の方向との間に画定される傾斜角θを有する。傾斜角θは、ビーム角αにほぼ等しい。傾斜角θ及び/又はビーム角αは、約5°から約175°まで変動し得る。
【0029】
[0042]複数の格子を形成するために、パターニングされたハードマスク213が格子材料103の上に配置される。イオンビーム206は、格子材料の露出部分に接触し、格子材料103における格子をエッチングする。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、基板101に投射されるイオンビーム206は、ローリングkベクトル210に対応する複数の種々のビーム角αを有しており、これにより、複数の格子の部分が、面法線105に対して種々の傾斜角θを有する。
【0030】
[0043]工程292では、基板の第2の部分は、イオン源からのイオンビームに曝露される。図2Cは、一実施形態に係る、基板101の第2の部分aに入射するイオンビーム206を示す。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、セグメント化されたイオン源202から基板101への垂直距離208が変動する。例えば、基板101の下方に配置されたペデスタル(図示せず)によって基板101を移動させることができる。別の例では、イオン源202は、垂直方向(例えば、基板101の表面に対して垂直な方向)、及び/又は水平方向(例えば、基板101の表面に対して平行な方向)に移動する。イオン源202は、格子材料103の第1の部分a1が露出する第1の位置G1から、格子材料の第2の部分a2が露出する第2の位置まで移動させられる。
【0031】
[0044]第2の複数の格子218は、格子材料103から形成され、又は格子材料103内に形成される。第2の複数の格子218は、表面105に対して平行な第1の方向と、表面に対して垂直な第2の方向との間に画定される傾斜角θを有する。傾斜角θは、ビーム角αにほぼ等しい。傾斜角θ及び/又はビーム角αは、約5°から約175°まで変化することができる。一実施形態によれば、第1の傾斜角θ1は、約5°から約85°であり、第2の傾斜角θ2は、約95°から約175°である。
【0032】
[0045]複数の格子のプロファイルには、個々の格子要素間での深さの変動、個々の格子要素間での角度の変動、及び個々の格子要素間での角度及び/又は深さの変化率が含まれる。図2Dは、一実施形態に係る、傾斜したプロファイル216を有する複数の格子280を示す。基板101を第1の位置G1から第2の位置G2まで滑らかに走査することによって、傾斜したプロファイル216を有する複数の深さ214で複数の格子280を形成することができる。さらに、イオンビーム206のイオンビームプロファイル106が、複数の格子においてプロファイルを生成することができる。第1の複数の格子212又は第2の複数の格子218のいずれか又は両方が、傾斜したプロファイル216を有し得る。
【0033】
[0046]図2Eは、一実施形態に係る、段差プロファイル222を有する複数の格子280を示す。基板101を第1の位置G1から第2の位置G2へと段差状に進めることにより、段差プロファイル222を有する複数の深さ214で複数の格子280が形成を形成する。さらに、イオンビーム206のイオンビームプロファイル106が、複数の格子においてプロファイルを生成することができる。第1の複数の格子212又は第2の複数の格子218のいずれか又は両方が、段差プロファイル222を有し得る。
【0034】
[0047]一実施形態では、第1の複数の格子212が傾斜プロファイル216を有する。一実施形態では、第1の複数の格子212が段差プロファイル222を有する。一実施形態では、第1の複数の格子212が第1のプロファイルを有し、第2の複数の格子218が異なるプロファイルを有する。
【0035】
[0048]図2Bを参照すると、一実施形態では、パターニングされたハードマスク213は、複数の格子212、218がそれぞれ同じ傾斜角θ1、θ2を有するように、複数の異なるビーム角αを有するイオンビーム206をフィルタリングする厚さを有している。
別の実施形態では、複数の格子212、218のうちの一組以上における格子のうちの少なくとも1つが、同じ複数の格子における他の格子のうちの1つとは異なる傾斜角θ、θを有する。幾つかの実施形態では、第1のイオンビームプロファイル及び第2のイオンビームプロファイルのうちの少なくとも1つは均一ではない。
【0036】
[0049]図3Aは、一実施形態に係る、格子を形成するための方法300工程のフロー図である。方法300工程は、図3Aから3Cに関連して説明されるが、当業者は、任意の順序で方法工程を実行するように構成された任意のシステムが、本明細書に記載された実施形態の範囲内に入ることを理解するであろう。
【0037】
[0050]方法300は、工程390で開始する。工程390では、フレキシブル基板の第1の部分が、第1のイオンビームプロファイルを有するイオンビームに曝露される。図3Bは、一実施形態に係る、角度付けられたエッチングシステム302を示す。角度付けられたエッチングシステム302は、種々の角度でイオンビーム206を基板101に露光するように構成されている。図示のように、角度付けられたエッチングシステム302は、ペデスタル304、複数のイオンビームチャンバ306、スキャナ312、及びローリングシステム322を含む。
【0038】
[0051]基板101の第1の表面107に向けて配向された1つ又は複数のイオンビームチャンバ306によって生成されたイオンビーム206に第1の表面107が曝露されるように、ペデスタル304が基板101を保持する。ペデスタル304は、1つ以上の孔307を有しており、それにより、1つ以上のイオンビーム206が1つ以上の孔307を通過して、第1の表面107に1つ以上のデバイス310を形成することが可能になる。さらに、基板101の第2の表面109は、第2の表面109に向けられた1つ以上のイオンビームチャンバ306によって生成された1つ以上のイオンビーム206に曝露される。第1の表面107及び第2の表面109がイオンビーム206に曝露されて、第1の表面107及び第2の表面109にデバイス310が形成される。したがって、角度付けられたエッチングシステム302は、基板101の両表面107、109に1つ以上のデバイス310を生成するように構成されている。
【0039】
[0052]各々のデバイス310は、傾斜角を有する複数の格子(例えば、複数の格子212、218)を有する。角度付けられたエッチングシステム302は、y方向及びx方向の少なくとも1つに沿ってペデスタル304を移動させるように操作可能なスキャナ312を含み得る。
【0040】
[0053]基板101は、巻回可能な且つフレキシブルな特性を有しており、ローリングシステム322は、基板101の第1のセグメント316をイオンビーム206の経路内に位置付けして、デバイス310を形成するように構成されている。図示のように、ローリングシステム322は、複数のローラ314及び複数のローラアクチュエータ315を含む。ローラ314がフレキシブル基板101のロールされた部分318を回転させることにより、基板の追加部分332を複数イオンビームチャンバに露出させることができる。各々のローラアクチュエータ315は、複数のローラ314のうちの1つを回転させて、基板101の種々の部分をイオンビームチャンバ306に露出させるように構成されている。
【0041】
[0054]図3Cは、一実施形態に係る、角度付けられたエッチングシステム302’を示す。図示のように、角度付けられたエッチングシステム302’は、ローリングシステム322’、及び1つ以上のイオンビームチャンバ306を含む。この実施形態では、イオンビームチャンバ306は、基板101と同じ側107に配置される。図示のように、角度付けられたエッチングシステム322’は、安定化部材330、複数のローラ314、及び複数のローラアクチュエータ315を含む。ローラ314がフレキシブル基板101のロールされた部分318を回転させることにより、基板の追加部分332を複数イオンビームチャンバに露出させることができる。基板101は、支持部材330に沿ってローリングされる。各々のローラアクチュエータ315は、複数のローラ314のうちの1つを回転させて、基板101の種々の部分をイオンビームチャンバ306に露出させるように構成されている。
【0042】
[0055]工程392では、フレキシブル基板の第2の部分が、第2のイオンビームプロファイルを有するイオンビームに曝露される。第1のイオンビームプロファイル及び第2のイオンビームプロファイルは、同一であってもよく、又は異なっていてもよい。幾つかの実施形態では、第1のイオンビームプロファイル及び第2のイオンビームプロファイルのうちの少なくとも1つは均一ではない。デバイス310が第1のセグメント316上に形成された後、基板101の追加の部分332が、複数のイオンビームチャンバに露出される。例えば、ローリングシステム322、322’は、複数のイオンビームチャンバ306に露出される基板101の追加部分332を前進させる。
【0043】
[0056]さらに、角度付けられたエッチングシステム302、302’は、本明細書に開示される方法100、200、300、400のいずれにおいても使用可能である。
【0044】
[0057]図4Aは、一実施形態に係る、格子を形成するための方法400工程のフロー図である。方法400工程は、図4Aから4Cに関連して説明されるが、当業者は、任意の順序で方法工程を実行するように構成された任意のシステムが、本明細書に記載された実施形態の範囲内に入ることを理解するであろう。
【0045】
[0058]方法400は、工程490で開始する。工程490では、レジスト材料が格子材料上に堆積される。図4Bは、一実施形態に係る、格子材料103の上に配置されたレジスト材料404を有する基板101を示す。幾つかの実施形態では、図4Bから図4Eに示される材料の部分は、上述の第1のデバイス領域102、第2のデバイス領域120、又は第3のデバイス領域124である。レジスト材料404は、フォトレジストや液体レジストなどの、当技術分野で使用される任意のレジスト材料であってもよいが、これらに限定されない。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、パターニングされたハードマスク213が、格子材料103の上に、且つレジスト材料404の下方に配置される。
【0046】
[0059]工程492では、レジスト材料がパターニングされて、レジスト層が形成される。図4Cは、一実施形態に係る、格子材料103の上に配置されたレジスト層402を有する基板101を示す。工程492は、レジスト材料404を、第1の傾斜角θを有するパターン特徴部の第1の部分406と、第2の傾斜角θを有するパターン特徴部の第2の部分408とを有するレジスト層402へと形成することを含む。幾つかの実施形態によれば、パターン特徴部の第1の部分406が第1の領域aの上に形成され、パターン特徴部の第2の部分408が第2の領域aの上に形成される。
【0047】
[0060]本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、レジスト層402は、レジスト材料404に対して型を押圧することによって、ナノインプリントリソグラフィプロセスで形成される。一実施形態によれば、工程492中、熱がレジスト材料404に加えられる。一実施形態によれば、工程492中、紫外線(UV)がレジスト材料404に照射される。幾つかの実施形態では、レジスト材料404はフォトレジストを含み、レジスト層402がフォトリソグラフィプロセスによって形成される。
【0048】
[0061]工程490では、基板の第1の領域が、第1のイオンビームプロファイルを有するイオンビームに曝露される。図4Dは、一実施形態に係る、イオンビーム206に曝露された基板101を示す。レジスト層402のパターン特徴部の第1の部分406は、基板101の表面405に対して平行な第1の方向と、表面405に対して垂直な第2の方向との間に画定される傾斜角θを有する。傾斜角θは、イオンビームが、基板101の第1の領域a上の格子材料103内に傾斜角θを有する第1の複数の格子212をエッチングするように、イオンビームの第1のビーム角αとほぼ等しい。しかしながら、第1のビーム角αを有するイオンビーム206が、基板101の第2の領域a上の格子材料103をエッチングしないように、レジスト層402のパターン特徴部の第2の部分408は第2の傾斜角θを有する。したがって、格子材料103の第1の領域aのみが除去され、第1の複数の格子212のみが形成される。傾斜角θは、約5°から約175°まで変動し得る。
【0049】
[0062]工程492では、基板の第2の領域が、第2のイオンビームプロファイルを有するイオンビームに曝露される。第1のイオンビームプロファイル及び第2のイオンビームプロファイルは、同一であってもよく、又は異なっていてもよい。幾つかの実施形態では、第1のイオンビームプロファイル及び第2のイオンビームプロファイルのうちの少なくとも1つは均一ではない。図4Eは、一実施形態に係る、イオンビーム206に曝露された基板101を示す。レジスト層402のパターン特徴部の第2の部分408は、基板101の表面405に対して平行な第1の方向と、表面405に対して垂直な第2の方向との間に画定される傾斜角θを有する。レジスト層402のパターン特徴部の第1の部分406は、第2のビーム角αを有するイオンビーム206が、基板101の第1の領域a上の格子材料103をエッチングしないように、第1の斜角θを有する。しかしながら、レジスト層402のパターン特徴部の第2の部分408は、第2のビーム角αを有するイオンビーム206が、基板101の第2の領域a上の格子材料103をエッチングするように、第2の斜角θを有する。したがって、格子材料103の第1の領域aのみが除去され、第2の複数の格子218のみが形成される。傾斜角θは、約5°から約175°まで変動し得る。一実施形態によれば、第1の傾斜角θは、約5°から約85°であり、第2の傾斜角θは、約95°から約175°である。
【0050】
[0063]1つ以上の導波結合器128(図1B)は、方法100、200、300、400から形成され得る。導波結合器128は、一実施形態によると、第1の複数の格子を有する第1のデバイス104、複数の格子を有する第2のデバイス122のうちの1つ、及び第3の複数の格子を有する第3のデバイス126のうちの1つを含む。
【0051】
[0064]上述のように、パターンを形成する方法が提供される。この方法は、基板の上に配置された格子材料上にレジスト材料を堆積させることと、レジスト材料をレジスト層へとパターニングすることと、第1のイオンビームを第1のデバイス領域へと投射して、第1の複数の格子を形成することと、第2のイオンビームを第2のデバイス領域へと投射して、第2の複数の格子を形成することを含む。
【0052】
[0065]パターニングされたレジスト層を使用することにより、イオンビームを大きな領域にわたって投射することが可能になり、これは、特定の領域内にイオンビームを集光させることよりも容易であることが多い。パターニングされたレジストの素子の角度が、パターニングされたレジスト層の素子の角度に類似したイオンビームの角度に対するイオンエッチングを容易にする。イオンビームの角度とパターニングされたレジスト層の素子の角度とが一致しないため、他の領域のパターニングが少なくなる。
【0053】
[0066]以上の記述は、本開示の実施例を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施例及びさらなる実施例を考案してもよい。本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲によって決定される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E