IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立化成株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-積層体 図1
  • 特許-積層体 図2
  • 特許-積層体 図3
  • 特許-積層体 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】積層体
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/30 20060101AFI20240509BHJP
   B32B 7/027 20190101ALI20240509BHJP
   C09K 5/06 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
B32B27/30 A
B32B7/027
C09K5/06 J
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019183586
(22)【出願日】2019-10-04
(65)【公開番号】P2021059035
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100169454
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 裕之
(74)【代理人】
【識別番号】100185591
【弁理士】
【氏名又は名称】中塚 岳
(72)【発明者】
【氏名】古川 直樹
(72)【発明者】
【氏名】森本 剛
(72)【発明者】
【氏名】佐野 温子
(72)【発明者】
【氏名】横田 弘
(72)【発明者】
【氏名】西川 敦基
【審査官】石塚 寛和
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-094375(JP,A)
【文献】特開2018-114728(JP,A)
【文献】特表2019-522542(JP,A)
【文献】特開2013-226278(JP,A)
【文献】特開2008-063547(JP,A)
【文献】特開2010-215739(JP,A)
【文献】特開2004-002829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
C09K 5/00-5/20
C08L 1/00-101/14
C08C 19/00-19/44、
C08F 6/00-246/00、301/00
F25D 1/00-9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフィルムと、
第2のフィルムと、
前記第1のフィルム及び前記第2のフィルムの間に配置された相変化材料を含有する層と、を備え、
前記相変化材料が、ポリアルキレングリコールと、ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレートを含む重合性成分の重合物と、を含み、
前記ポリアルキレングリコールの重量平均分子量が800以上であり、
前記(メタ)アクリレートの重量平均分子量が1000以上である、積層体(ただし、前記積層体が袋状である場合を除く)。
【請求項2】
前記第1のフィルムがポリマーで形成されている、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記第2のフィルムがポリマーで形成されている、請求項1又は2に記載の積層体。
【請求項4】
前記第1のフィルム及び前記第2のフィルムが互いに異なるポリマーで形成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項5】
前記第1のフィルム及び前記第2のフィルムの少なくとも一方が200g/m・day以下の水蒸気透過度を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
相変化材料は、その相変化を利用した潜熱蓄熱が可能であり、蓄熱できる熱量の大きさの点から、蓄熱材料として広く利用されている。このような相変化材料の一例として、パラフィンが知られている。例えば、特許文献1には、パラフィン等の蓄熱物質と、水添共役ジエン共重合体とを含有する蓄熱材用組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-95023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているような相変化材料を含有する組成物は、フィルム状に成形されて用いられる場合がある。しかし、相変化材料を含有する組成物で形成されるフィルムそれだけでは、例えば、相変化材料を含有するフィルムの柔らかさに起因して取扱い性に劣る、フィルムが露出しているために相変化材料又はフィルムが環境による悪影響を受けやすい、フィルムに粘着性がないために適用対象に設置しづらい、といった問題が生じ得る。
【0005】
そこで、本発明は、相変化材料を含有するフィルムを目的に応じて好適に使用できる構成を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面は、第1のフィルムと、第2のフィルムと、第1のフィルム及び第2のフィルムの間に配置された相変化材料を含有する層と、を備える積層体である。この積層体は、相変化材料を含有する層の両面に第1のフィルム及び第2のフィルムのそれぞれを備えているため、第1のフィルム及び第2のフィルムのそれぞれに目的に応じた機能を付与することができ、その結果、上述したような問題が生じることを抑制できる。
【0007】
第1のフィルムは、ポリマーで形成されていてよい。第2のフィルムは、ポリマーで形成されていてよい。
【0008】
第1のフィルム及び第2のフィルムは、互いに異なるポリマーで形成されていてよい。この場合、第1のフィルム及び第2のフィルムに互いに異なる機能を好適に付与できる。
【0009】
第1のフィルム及び第2のフィルムの少なくとも一方は、防湿性を有していてよい。この場合、相変化材料を含む層の一方側の面(防湿性を有するフィルムが積層されている面)が例えば大気中の湿気(水)と接触することを抑制できるため、相変化材料を含む層が環境(特に湿度)による悪影響を受けにくくなる。
【0010】
相変化材料は、親水性の官能基を有する化合物を含んでよい。当該化合物は、ポリアルキレングリコールであってよい。これらの場合、相変化材料は、(メタ)アクリレートを含む重合性成分の重合物を更に含んでよい。当該(メタ)アクリレートは、ポリオキシアルキレン鎖を有してよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、相変化材料を含有するフィルムを目的に応じて好適に使用できる構成が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】積層体の一実施形態を示す模式断面図である。
図2】積層体の他の一実施形態を示す模式断面図である。
図3】積層体の他の一実施形態を示す模式断面図である。
図4】積層体の他の一実施形態を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0014】
本明細書における「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル」及びそれに対応する「メタクリロイル」を意味する。
【0015】
本明細書における重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定され、ポリスチレンを標準物質として決定される値を意味する。
・測定機器:HLC-8320GPC(製品名、東ソー(株)製)
・分析カラム:TSKgel SuperMultipore HZ-H(3本連結)(製品名、東ソー(株)製)
・ガードカラム:TSKguardcolumn SuperMP(HZ)-H(製品名、東ソー(株)製)
・溶離液:THF
・測定温度:25℃
【0016】
図1は、積層体の一実施形態を示す模式断面図である。図1に示すように、一実施形態に係る積層体1Aは、第1のフィルム2と、第2のフィルム3と、第1のフィルム2及び第2のフィルム3の間に配置された、相変化材料を含む層(以下「相変化層」ともいう)4と、を備えている。すなわち、この積層体1Aは、第1のフィルム2と、相変化層4と、第2のフィルム3とが、この順に積層されてなる積層体である。
【0017】
第1のフィルム2及び第2のフィルム3は、それぞれ、ポリマーで形成されていてよい。第1のフィルム2及び第2のフィルム3は、互いに同じポリマーで形成されていてよく、互いに異なるポリマーで形成されていてもよく、第1のフィルム2及び第2のフィルム3に互いに異なる機能を好適に付与できる観点から、好ましくは互いに異なるポリマーで形成されている。
【0018】
図1に示す積層体1Aの一実施形態において、第1のフィルム2及び第2のフィルム3は、いずれも、相変化層4を支持するフィルム(支持フィルム(支持層))であってよい。この場合、相変化層4が第1のフィルム2及び第2のフィルム3によって好適に支持され、積層体1Aの取扱い性が向上する。
【0019】
支持フィルムを形成するポリマーとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリイミド、及びポリアミドイミドが挙げられる。
【0020】
支持フィルムの厚さは、例えば、1μm以上、2μm以上、又は3μm以上であってよく、15μm以下、10μm以下、又は7μm以下であってよい。
【0021】
図1に示す積層体1Aの他の一実施形態において、第1のフィルム2が上述した支持フィルムであり、第2のフィルム3が、防湿性を有するフィルム(防湿フィルム(防湿層))であってもよい。この場合、相変化層4が第1のフィルム2によって好適に支持され、積層体1Aの取扱い性が向上する。加えて、相変化層4の一方側の面(第2のフィルム3が積層されている面)が例えば大気中の湿気(水)と接触することを抑制できるため、相変化層4が環境(特に湿度)による悪影響を受けにくくなる。
【0022】
防湿フィルムは、例えば、200g/m・day以下の水蒸気透過度を有しており、好ましくは150g/m・day以下、より好ましくは120g/m・day以下、更に好ましくは100g/m・day以下の水蒸気透過度を有している。本明細書における水蒸気透過度は、JIS K7129に従って測定される。
【0023】
防湿フィルムを形成するポリマーとしては、例えば、シリコンゴム、天然ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体、及びポリエーテルエーテルケトンが挙げられる。
【0024】
防湿フィルムの厚さは、例えば、0.5μm以上、1μm以上、又は2μm以上であってよく、10μm以下、7μm以下、又は5μm以下であってよい。
【0025】
図1に示す積層体1Aの他の一実施形態において、第1のフィルム2が上述した支持フィルムであり、第2のフィルム3が、粘着性を有するフィルム(粘着フィルム(粘着層))であってもよい。この場合、積層体1Aの第2のフィルム3側を適用対象にそのまま貼り付けることができるため、積層体1Aの適用対象への設置が容易となる。
【0026】
粘着フィルムは、例えば、20℃~22℃の温度で10ラジアン/秒で測定した貯蔵弾性率(G’)が3×10パスカル未満(ダールキスト基準)となるような粘着性を有している。
【0027】
粘着フィルムは、公知の粘着剤で形成されていてよい。粘着剤としては、例えば、ウレタン系粘着剤及びアクリル系粘着剤が挙げられる。
【0028】
粘着フィルムの厚さは、例えば、例えば、0.5μm以上、1μm以上、又は2μm以上であってよく、10μm以下、7μm以下、又は5μm以下であってよい。
【0029】
図1に示す積層体1Aの他の一実施形態において、第1のフィルム2が上述した粘着フィルムであり、第2のフィルム3が上述した防湿フィルムであってもよい。この場合、相変化層4の一方側の面(第2のフィルム3が積層されている面)が例えば大気中の湿気(水)と接触することを抑制できるため、相変化層4が環境(特に湿度)による悪影響を受けにくくなる。加えて、積層体1Aの第1のフィルム2側を適用対象にそのまま貼り付けることができるため、積層体1Aが適用対象に好適に設置される。
【0030】
図1に示す積層体1Aは3層で構成されているが、他の一実施形態において、積層体は4層以上で構成されていてもよい。
【0031】
図2は、積層体の他の一実施形態を示す模式断面図である。図2に示すように、他の一実施形態に係る積層体1Bは、図1に示す積層体1Aにおいて、第1のフィルム2と相変化層4との間に配置された第3のフィルム5を更に備える積層体である。すなわち、この積層体1Bは、第1のフィルム2と、第3のフィルム5と、相変化層4と、第2のフィルム3とが、この順に積層されてなる積層体(4層で構成された積層体)である。
【0032】
図2に示す積層体1Bの一実施形態において、第1のフィルム2及び第2のフィルム3はいずれも上述した支持フィルムであり、第3のフィルム5は上述した粘着フィルムであってよい。この場合、相変化層4が第1のフィルム2及び第2のフィルム3によって好適に支持され、積層体1Bの取扱い性が向上する。加えて、積層体1Bを適用対象に設置する際には、第1のフィルム2を剥離した上で、第3のフィルム5を適用対象に貼り付けることができるため、相変化層4が適用対象に好適に設置される。
【0033】
図2に示す積層体1Bの他の一実施形態において、第1のフィルム2が上述した支持フィルムであり、第2のフィルム3が上述した防湿フィルムであり、第3のフィルム5が上述した粘着フィルムであってよい。この場合、相変化層4が第1のフィルム2によって好適に支持され、積層体1Bの取扱い性が向上する。加えて、相変化層4の一方側の面(第2のフィルム3が積層されている面)が例えば大気中の湿気(水)と接触することを抑制できるため、相変化層4が環境(特に湿度)による悪影響を受けにくくなる。さらに、相変化層4を適用対象に設置する際には、第1のフィルム2を剥離した上で、第3のフィルム5を適用対象に貼り付けることができるため、相変化層4が適用対象に好適に設置される。
【0034】
図3は、積層体の他の一実施形態を示す模式断面図である。図3に示すように、他の一実施形態に係る積層体1Cは、図2に示した積層体1Bにおいて、第2のフィルム3と相変化層4との間に配置された第4のフィルム6を更に備える積層体である。すなわち、この積層体1Bは、第1のフィルム2と、第3のフィルム5と、相変化層4と、第4のフィルム6と、第2のフィルム3とが、この順に積層されてなる積層体(5層で構成された積層体)である。
【0035】
図3に示す積層体1Cの一実施形態において、第1のフィルム2及び第2のフィルム3はいずれも上述した支持フィルムであり、第3のフィルム5及び第4のフィルム6はいずれも上述した粘着フィルムであってよい。この場合、相変化層4が第1のフィルム2及び第2のフィルム3によって好適に支持され、積層体1Cの取扱い性が向上する。加えて、相変化層4を適用対象に設置する際には、第1のフィルム2及び第2のフィルム3を剥離した上で、第3のフィルム5及び第4のフィルム6をそれぞれ適用対象に貼り付けることができるため、相変化層4が適用対象に好適に設置される。
【0036】
図3に示す積層体1Cの他の一実施形態において、第1のフィルム2が上述した支持フィルムであり、第2のフィルム3が上述した防湿フィルムであり、第3のフィルム5及び第4のフィルム6がいずれも上述した粘着フィルムであってよい。この場合、相変化層4が第1のフィルム2によって好適に支持され、積層体1Cの取扱い性が向上する。加えて、相変化層4の一方側の面(第2のフィルム3が積層されている面)が例えば大気中の湿気(水)と接触することを抑制できるため、相変化層4が環境(特に湿度)による悪影響を受けにくくなる。さらに、相変化層4を適用対象に設置する際には、第1のフィルム2及び第2のフィルム3を剥離した上で、第3のフィルム5及び第4のフィルム6をそれぞれ適用対象に貼り付けることができるため、相変化層4が適用対象に好適に設置される。
【0037】
図4は、積層体の他の一実施形態を示す模式断面図である。図4に示すように、他の一実施形態に係る積層体1Dは、図2に示した積層体1Bにおいて、第3のフィルム5と相変化層4との間に配置された第5のフィルム7及び第6のフィルム8を更に備える積層体である。すなわち、この積層体1Dは、第1のフィルム2と、第3のフィルム5と、第5のフィルム7と、第6のフィルム8と、相変化層4と、第2のフィルム3とが、この順に積層されてなる積層体(6層で構成された積層体)である。
【0038】
図4に示す積層体1Dの一実施形態において、第1のフィルム2、第5のフィルム7及び第2のフィルム3はいずれも上述した支持フィルムであり、第3のフィルム5及び第6のフィルム8はいずれも上述した粘着フィルムであってよい。この場合、相変化層4が第1のフィルム2及び第2のフィルム3によって好適に支持され、積層体1Dの取扱い性が向上する。加えて、相変化層4を適用対象に設置する際には、第1のフィルム2及び第2のフィルム3を剥離した上で、第3のフィルム5を適用対象に貼り付けることができるため、相変化層4が適用対象に好適に設置される。また、この積層体1Dを製造する場合、第3のフィルム(粘着フィルム)5、第5のフィルム(支持フィルム)7及び第6のフィルム(粘着フィルム)8から一体に形成された粘着シートを用いることができるため、第3のフィルム(粘着フィルム)5及び第6のフィルム(粘着フィルム)8が第5のフィルム(支持フィルム)7で予め支持された状態で積層すればよいので、積層時の取扱いが更に容易となる。
【0039】
図4に示す積層体1Dの他の一実施形態において、第1のフィルム2及び第5のフィルム7がいずれも上述した支持フィルムであり、第2のフィルム3が上述した防湿フィルムであり、第3のフィルム5及び第6のフィルム8がいずれも上述した粘着フィルムであってよい。この場合、相変化層4が第1のフィルム2によって好適に支持され、積層体1Dの取扱い性が向上する。加えて、相変化層4の一方側の面(第2のフィルム3が積層されている面)が例えば大気中の湿気(水)と接触することを抑制できるため、相変化層4が環境(特に湿度)による悪影響を受けにくくなる。また、相変化層4を適用対象に設置する際には、第1のフィルム2を剥離した上で、第3のフィルム5を適用対象に貼り付けることができるため、相変化層4が適用対象に好適に設置される。さらに、この積層体1Dを製造する場合、第3のフィルム(粘着フィルム)5、第5のフィルム(支持フィルム)7及び第6のフィルム(粘着フィルム)8から一体に形成された粘着シートを用いることができるため、第3のフィルム(粘着フィルム)5及び第6のフィルム(粘着フィルム)8が第5のフィルム(支持フィルム)7で予め支持された状態で積層すればよいので、積層時の取扱いが更に容易となる。
【0040】
以上説明した各実施形態に係る積層体1A,1B,1C,1Dにおいて、相変化層4は、相変化材料を含有している。相変化材料は、例えば、所定の温度において、固相/液相の相変化(相転移)を示す材料である。相変化材料の相変化に伴って、相変化層4に蓄熱することが可能となる。したがって、相変化層4は、蓄熱性を有する蓄熱層であるということもできる。
【0041】
相変化層4の厚さは、例えば、10μm以上、50μm以上、又は100μm以上であってよく、5mm以下、1mm以下、又は500μm以下であってよい。
【0042】
相変化材料が固相/液相の相変化を示す温度(相転移温度又は融点ともいえる)は、積層体の用途(蓄熱効果を発現させたい温度)に応じて適宜選択される。当該温度は、実用性の観点から、例えば、-30℃以上、0℃以上、又は30℃以上であってよく、120℃以下、90℃以下、又は60℃以下であってよい。
【0043】
相変化材料としては、例えば、鎖状(直鎖状又は分岐状)の飽和炭化水素(パラフィン系炭化水素)、脂肪酸エステル、糖アルコール、及びポリアルキレングリコールが挙げられる。相変化材料は、これらの1種又は2種以上を含んでいる。
【0044】
鎖状の飽和炭化水素(パラフィン系炭化水素)としては、例えば、n-デカン(C10(炭素数、以下同様)、-29℃(相転移温度(融点)、以下同様))、n-ウンデカン(C11、-25℃)、n-ドデカン(C12、-9℃)、n-トリデカン(C13、-5℃)、n-テトラデカン(C14、6℃)、n-ペンタデカン(C15、9℃)、n-ヘキサデカン(C16、18℃)、n-ヘプタデカン(C17、21℃)、n-オクタデカン(C18、28℃)、n-ナノデカン(C19、32℃)、n-エイコサン(C20、37℃)、n-ヘンイコサン(C21、41℃)、n-ドコサン(C22、46℃)、n-トリコサン(C23、47℃)、n-テトラコサン(C24、50℃)、n-ペンタコサン(C25、54℃)、n-ヘキサコサン(C26、56℃)、n-ヘプタコサン(C27、60℃)、n-オクタコサン(C28、65℃)、n-ノナコサン(C29、66℃)、n-トリアコンタン(C30、67℃)、n-テトラコンタン(C40、81℃)、n-ペンタコンタン(C50、91℃)、n-ヘキサコンタン(C60、98℃)、及びn-ヘクタン(C100、115℃)が挙げられる。鎖状の飽和炭化水素は、これらの直鎖状の飽和炭化水素と同様の炭素数を有する分岐状の飽和炭化水素であってもよい。鎖状の飽和炭化水素化合物は、これらの化合物の2種以上の混合物であってもよい。
【0045】
脂肪酸エステルは、例えば、炭素数9以上のアルキル基を有する脂肪酸エステルであってよい。当該脂肪酸エステルは、例えば、炭素数9以上のアルキル基を有する脂肪酸(すなわち炭素数10以上の脂肪酸)と、脂肪族アルコールとのエステルである。脂肪酸の炭素数は、例えば、10~40、10~30、又は10~25である。脂肪族アルコールの炭素数は、例えば1~20、1~10、又は1~8である。脂肪族アルコールは、例えば1~3価のアルコールであってよく、好ましくは1価のアルコールである。脂肪族アルコールが2価以上の多価アルコールである場合、脂肪酸エステルは、多価アルコールの水酸基の一部がエステル化された部分エステルであってよく、多価アルコールの水酸基の全部がエステル化された完全エステルであってもよい。
【0046】
脂肪酸エステルとしては、例えば、モノミリスチン酸グリセロール(44~48℃(相転移温度(融点)、以下同様))、ステアリン酸メチル(37~41℃)、ステアリン酸エチル(33~35℃)、パルミチン酸ブチル(32~35℃)、パルミチン酸エチル(18~21℃)、ステアリン酸ブチル(22~24℃)、ミリスチン酸エチル(10~13℃)、ステアリン酸2-エチルヘキシル(10℃)、ラウリン酸メチル(5℃)、牛脂脂肪酸2-エチルヘキシルエステル(1℃)、パルミチン酸2-エチルヘキシル(0℃)、ミリスチン酸イソプロピル(-5℃)、ラウリン酸エチル(-10℃)、オレイン酸メチル(-20℃)、及びオレイン酸エチル(-32℃)が挙げられる。
【0047】
糖アルコールとしては、例えば、メソ-エリスリトール、L-エリスリトール、D-エリスリトール、及びDL-エリスリトールを含むエリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、キシリトール、D-アラビトール、L-アラビトール、及びDL-アラビトールを含むアラビトール、D-ソルビトール、L-ソルビトール、及びDL-ソルビトールを含むソルビトール、D-マンニトール、L-マンニトール、及びDL-マンニトールを含むマンニトール、並びに、D-スレイトール、L-スレイトール、及びDL-スレイトールを含むスレイトールが挙げられる。
【0048】
ポリアルキレングリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリブチレングリコールが挙げられる。ポリアルキレングリコールは、蓄熱効果が好適に得られる観点から、好ましくはポリエチレングリコールである。
【0049】
ポリアルキレングリコールの重量平均分子量(Mw)は、800以上、900以上、又は1000以上であってよく、2000以下、1900以下、又は1800以下であってよい。
【0050】
相変化材料は、上述したように、水酸基等の親水性の官能基を有する化合物(上述した糖アルコール、ポリアルキレングリコール等)を含み得るものであり、蓄熱効果が好適に得られる観点から、好ましくはポリアルキレングリコールを含む。このような場合、相変化層4が例えば大気中の湿気(水)と接触すると、相変化層4中の親水性の官能基を有する化合物が相変化層4の表面に流出(ブリードアウト)する可能性も考えられるので、相変化層4の機能(例えば蓄熱機能)をより好適に発揮させるためには、相変化層4と大気中の湿気(水)との接触を抑制することが好ましい。したがって、相変化材料が親水性の官能基を有する化合物(特にポリアルキレングリコール)を含む場合、積層体における第1のフィルム2及び第2のフィルム3の少なくとも一方は防湿性を有する防湿フィルムであることが好ましい。
【0051】
すなわち、図1に示す積層体1Aの一実施形態は、例えば、支持フィルムである第1のフィルム2と、親水性の官能基を有する化合物(特にポリアルキレングリコール)を含む相変化層4と、防湿性フィルムである第2のフィルム3とが、この順に積層されてなる積層体である。図1に示す積層体1Aの他の一実施形態は、例えば、粘着フィルムである第1のフィルム2と、親水性の官能基を有する化合物(特にポリアルキレングリコール)を含む相変化層4と、防湿性フィルムである第2のフィルム3とが、この順に積層されてなる積層体である。
【0052】
図2に示す積層体1Bの一実施形態は、支持フィルムである第1のフィルム2と、粘着フィルムである第3のフィルム5と、親水性の官能基を有する化合物(特にポリアルキレングリコール)を含む相変化層4と、防湿フィルムである第2のフィルム3とが、この順に積層されてなる積層体である。
【0053】
図3に示す積層体1Cの一実施形態は、支持フィルムである第1のフィルム2と、粘着フィルムである第3のフィルム5と、親水性の官能基を有する化合物(特にポリアルキレングリコール)を含む相変化層4と、粘着フィルムである第4のフィルム6と、防湿フィルムである第2のフィルム3とが、この順に積層されてなる積層体である。
【0054】
図4に示す積層体1Dの一実施形態は、支持フィルムである第1のフィルム2と、粘着フィルムである第3のフィルム5と、支持フィルムである第5のフィルム7と、粘着フィルムである第6のフィルム8と、親水性の官能基を有する化合物(特にポリアルキレングリコール)を含む相変化層4と、防湿フィルムである第2のフィルム3とが、この順に積層されてなる積層体である。
【0055】
相変化材料がポリアルキレングリコールを含む場合、ポリアルキレングリコールを相変化層4内に更に好適に保持できる観点から、相変化材料は、好ましくは、(メタ)アクリレートを含む重合性成分の重合物を更に含む。
【0056】
重合性成分に含まれる(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイル基を有する化合物であり、更に優れた蓄熱効果が得られる観点から、好ましくは、ポリオキシアルキレン鎖を更に有する。重合性成分は、ポリアルキレングリコールを相変化層4内に特に好適に保持できる観点から、好ましくは、下記式(1)で表される(メタ)アクリレートを含む。
【化1】

式(1)中、R11及びR12はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R13はポリオキシアルキレン鎖を有する2価の基を表す。
【0057】
一実施形態において、R11及びR12の一方が水素原子であり、かつ他方がメチル基であってよく、他の一実施形態において、R11及びR12の両方が水素原子であってよく、他の一実施形態において、R11及びR12の両方がメチル基であってよい。
【0058】
ポリオキシアルキレン鎖は、例えば下記式(1-1)で表される。
【化2】

式(1-1)中、R14はアルキレン基を表し、mは2以上の整数を表し、*は結合手を表す。
【0059】
14で表されるアルキレン基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。R14は、例えば、炭素数2~4のアルキレン基であってよい。ポリオキシアルキレン鎖中に複数存在するR14は、互いに同一であってよく、互いに異なっていてもよい。ポリオキシアルキレン鎖中に複数存在するR14は、エチレン基、プロピレン基及びブチレン基からなる群より選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくは、エチレン基及びプロピレン基からなる群より選ばれる1種又は2種であり、更に好ましくはすべてエチレン基である。
【0060】
mは、例えば、10以上又は20以上の整数であってよく、300以下、250以下、又は200以下の整数であってよい。mは、更に優れる蓄熱効果が得られる観点から、好ましくは、式(1)で表される(メタ)アクリレートの重量平均分子量(Mw)が、1000以上、2000以上、3000以上、4000以上、5000以上、6000以上、又は7000以上となるような整数である。mは、式(1)で表される(メタ)アクリレートの重量平均分子量(Mw)が、12000以下、11000以下、又は10000以下となるような整数であってもよい。
【0061】
すなわち、式(1)で表される(メタ)アクリレートの重量平均分子量(Mw)は、更に優れる蓄熱効果が得られる観点から、好ましくは、1000以上、2000以上、3000以上、4000以上、5000以上、6000以上、又は7000以上である。式(1)で表される(メタ)アクリレートの重量平均分子量(Mw)は、12000以下、11000以下、10000以下であってもよい。
【0062】
13は、ポリオキシアルキレン鎖に加えて、その他の有機基を更に有する2価の基であってもよい。その他の有機基は、ポリオキシアルキレン鎖以外の鎖状の基であってよく、例えば、メチレン鎖(-CH-を構造単位とする鎖)、ポリエステル鎖(-COO-を構造単位中に含む鎖)、ポリウレタン鎖(-OCON-を構造単位中に含む鎖)等であってよい。
【0063】
式(1)で表される(メタ)アクリレートは、好ましくは、下記式(1-2)で表される(メタ)アクリレートである。
【化3】

式(1-2)中、R11及びR12は式(1)におけるR11及びR12とそれぞれ同義であり、R14及びmは式(1-1)におけるR14及びmとそれぞれ同義である。
【0064】
式(1)で表される(メタ)アクリレートの含有量は、重合性成分の全量100質量部に対して、例えば、1質量部以上、2質量部以上、又は5質量部以上であってよく、相変化層4の柔軟性に優れる観点から、好ましくは、10質量部以上、15質量部以上、又は20質量部以上であり、より好ましくは、25質量部以上、30質量部以上、35質量部以上、又は40質量部以上である。なお、相変化層4が柔軟性に優れていると、例えば相変化層4を折り曲げて使用することもできるため、相変化層4は、より広い用途に適用可能となる。式(1)で表される(メタ)アクリレートの含有量は、重合性成分の全量100質量部に対して、例えば、99質量部以下であってよい。
【0065】
重合性成分は、更に優れる蓄熱効果が得られる観点から、好ましくは、下記式(2)で表される(メタ)アクリレートを更に含む。
【化4】

式(2)中、R21は水素原子又はメチル基を表し、R22はポリオキシアルキレン鎖を有する1価の基を表す。
【0066】
22は、例えば下記式(2-1)で表される基であってよい。
【化5】

式(2-1)中、R23はアルキレン基を表し、R24は水素原子又はアルキル基を表し、nは2以上の整数を表し、*は結合手を表す。
【0067】
23で表されるアルキル基は、直鎖状でも分岐状であってもよい。R23は、例えば、炭素数2~4のアルキレン基であってよい。ポリオキシアルキレン鎖中に複数存在するR23は、互いに同一であってよく、互いに異なっていてもよい。ポリオキシアルキレン鎖は、好ましくは、オキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基からなる群より選ばれる1種又は2種以上を有しており、より好ましくは、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基からなる群より選ばれる1種又は2種を有しており、更に好ましくはオキシエチレン基のみを有している。
【0068】
24で表されるアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。当該アルキル基の炭素数は、好ましくは1~15、より好ましくは1~10、更に好ましくは1~5である。R24は、特に好ましくは水素原子又はメチル基である。
【0069】
nは、例えば、10以上又は20以上の整数であってよく、80以下、70以下、又は60以下の整数であってよい。nは、更に優れる蓄熱効果が得られる観点から、式(2)で表される(メタ)アクリレートの重量平均分子量(Mw)が、好ましくは、800以上、900以上、又は1000以上となるような整数であり、より好ましくは、1200以上、1400以上、1600以上、1800以上、又は2000以上となるような整数である。nは、式(2)で表される(メタ)アクリレートの重量平均分子量(Mw)が、5000以下、4000以下、3000以下、又は2500以下となるような整数であってもよい。
【0070】
すなわち、式(2)で表される(メタ)アクリレートの重量平均分子量(Mw)は、更に優れる蓄熱効果が得られる観点から、好ましくは、800以上、900以上、又は1000以上であり、より好ましくは、1200以上、1400以上、1600以上、1800以上、又は2000以上である。式(2)で表される(メタ)アクリレートの重量平均分子量(Mw)は、5000以下、4000以下、3000以下、又は2500以下であってもよい。
【0071】
式(2)で表される(メタ)アクリレートの含有量は、重合性成分の全量100質量部に対して、例えば、10質量部以上、20質量部以上、又は30質量部以上であってよく、更に優れる蓄熱効果が得られる観点から、好ましくは40質量部以上、より好ましくは50質量部以上、更に好ましくは60質量部以上、特に好ましくは70質量部以上である。式(2)で表される(メタ)アクリレートの含有量は、重合性成分の全量100質量部に対して、例えば、98質量部以下、90質量部以下、又は80質量部以下であってよい。
【0072】
重合性成分は、重合性成分の重合物(相変化層4)の硬さを調整する観点から、下記式(3)で表される(メタ)アクリレートを更に含んでもよい。
【化6】

式(3)中、R31は水素原子又はメチル基を表し、R32はアルキル基を表す。
【0073】
32で表されるアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。アルキル基の炭素数は、例えば、1~30であってよい。アルキル基の炭素数は、1~11、1~8、1~6、又は1~4であってよく、12~30、12~28、12~24、12~22、12~18、又は12~14であってもよい。
【0074】
式(3)で表される(メタ)アクリレートの含有量は、重合性成分の全量100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、1質量部以上、又は1.5質量部以上であってよく、10質量部以下、8質量部以下、又は6質量部以下であってよい。
【0075】
重合性成分は、下記式(4)で表される(メタ)アクリレートを更に含んでもよい。
【化7】

式(4)中、R41は水素原子又はメチル基を表し、R42は反応性基を有する1価の基を表す。
【0076】
重合性成分が式(4)で表される(メタ)アクリレートを更に含む場合、式(4)で表される(メタ)アクリレートを含む重合性成分を重合させた後で、式(4)で表される(メタ)アクリレートに含まれる反応性基と後述する硬化剤とを反応させて、重合性成分の重合物を更に硬化させることができる。
【0077】
42で表される反応性基は、後述する硬化剤と反応し得る基であり、例えば、カルボキシル基、ヒドロキシル基、イソシアネート基、アミノ基及びエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基である。
【0078】
式(4)で表される(メタ)アクリレートの含有量は、重合性成分の全量100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、1質量部以上、又は1.5質量部以上であってよく、10質量部以下、8質量部以下、又は5質量部以下であってよい。
【0079】
以上のような重合性成分は、重合開始剤と共に用いられて重合される。重合開始剤としては、(メタ)アクリレートを含む重合性成分の重合を開始し得る公知の化合物が用いられる。重合開始剤は、例えば、熱によりラジカルを発生させる熱重合開始剤であってよく、光によりラジカルを発生させる光重合開始剤であってもよい。
【0080】
重合開始剤の含有量は、重合を好適に進行させる観点から、重合性成分の全量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.02質量部以上、更に好ましくは0.05質量部以上である。重合開始剤の含有量は、重合性成分の重合物における重合体の分子量が好適な範囲になると共に、分解生成物を抑制し、必要に応じて相変化層4に好適な接着強度を付与できる観点から、重合性成分の全量100質量部に対して、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、特に好ましくは1質量部以下である。
【0081】
重合性成分が式(4)で表される(メタ)アクリレートを含有する場合、重合性成分は、好ましくは硬化剤と共に用いられる。硬化剤は、式(4)で表される(メタ)アクリレートに含まれる反応性基と反応し得る化合物である。
【0082】
硬化剤としては、例えば、イソシアネート系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、カルボン酸系硬化剤等が挙げられる。これらの硬化剤は、式(4)で表される(メタ)アクリレートに含まれる反応性基の種類に応じて、1種単独又は2種以上の組合せとして適宜選択される。例えば、反応性基がエポキシ基である場合、硬化剤は、好ましくはフェノール系硬化剤又はイミダゾール系硬化剤である。
【0083】
以上説明したとおり、相変化層4は蓄熱性を有することができるため、上述した積層体1A,1B,1C,1Dは、蓄熱材として好適に用いられる。具体的には、積層体1A,1B,1C,1Dは、例えば、自動車、建築物、公共施設、地下街等における空調設備(空調設備の効率向上)、工場等における配管(配管の蓄熱)、自動車のエンジン(当該エンジン周囲の保温)、電子部品(電子部品の昇温防止)などにおいて、蓄熱材として用いられる。
【符号の説明】
【0084】
1A,1B,1C,1D…積層体、2…第1のフィルム、3…第2のフィルム、4…相変化層、5…第3のフィルム、6…第4のフィルム。
図1
図2
図3
図4