(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】水性分散体及びこれを含有する化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/894 20060101AFI20240509BHJP
A61K 8/04 20060101ALI20240509BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20240509BHJP
A61K 8/26 20060101ALI20240509BHJP
A61K 8/29 20060101ALI20240509BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20240509BHJP
A61Q 1/02 20060101ALI20240509BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20240509BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
A61K8/894
A61K8/04
A61K8/25
A61K8/26
A61K8/29
A61K8/34
A61Q1/02
A61Q17/04
A61Q19/00
(21)【出願番号】P 2023167672
(22)【出願日】2023-09-28
【審査請求日】2023-09-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002240
【氏名又は名称】弁理士法人英明国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 太郎
(72)【発明者】
【氏名】森谷 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】小西 将幸
(72)【発明者】
【氏名】宮内 大
【審査官】松元 麻紀子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2023/132256(WO,A1)
【文献】特開2009-084232(JP,A)
【文献】特開2006-213619(JP,A)
【文献】特開2010-159229(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/894
A61K 8/04
A61K 8/25
A61K 8/26
A61K 8/29
A61K 8/34
A61Q 1/02
A61Q 17/04
A61Q 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)
含水シリカ被覆酸化チタン粒子と、含水シリカ及び水酸化アルミニウム被覆酸化チタンとから選ばれる酸化チタン粒子が
、トリエトキシカプリリルシラン、ジメチルシリコーン、ハイドロゲンジメチコン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン、及びトリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコンから選ばれるシリコーンで疎水化処理さ
れ、透過型電子顕微鏡写真の画像解析法による個数平均一次粒子径が8~200nmである、疎水化酸化チタン微粒子:10~70質量%、
(b)
BG(表示名称)、DPG(表示名称)及びグリセリンから選ばれる1種以上:1.0~30質量%、
(c)
ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン:1.0~20質量%、及び
(d)水:8~82質量%
を含有する水性分散体。
【請求項2】
(a)成分が、含水シリカ被覆酸化チタン粒子を、疎水化処理した疎水化微粒子酸化チタンである、請求項1記載の水性分散体。
【請求項3】
(a)成分における前記シリコーンが、トリエトキシカプリリルシラン、ハイドロゲンジメチコン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン、及びトリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコンから選ばれるシリコーンである請求項1記載の水性分散体。
【請求項4】
(a)成分における前記シリコーンが、ハイドロゲンジメチコンである請求項1記載の水性分散体。
【請求項5】
(b)成分の含有量が、水性分散体中7~15質量%である請求項1記載の水性分散体。
【請求項6】
(c)成分が、(d)成分に溶解しない成分である請求項1記載の水性分散体。
【請求項7】
(d)成分の含有量が、水性分散体中28~82質量%である請求項1記載の水性分散体。
【請求項8】
(b)成分の含有量に対する(c)成分の含有量の質量比(c)/(b)が、0.2~0.9である請求項1記載の水性分散体。
【請求項9】
水性分散体全体に対し、(a)、(b)、(c)及び(d)成分の合計の含有量が90質量%以上である請求項1記載の水性分散体。
【請求項10】
請求項1~
9のいずれか1項記載の水性分散体を配合した化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疎水化微粒子酸化チタンを含有する水性分散体、及びこの水性分散体を配合した化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、日焼け止め化粧料において、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機粉体は、透明性を向上させ、かつ紫外線遮蔽効果を高めるために、微粒子無機粉体が汎用されている(特許文献1)。しかしながら、この無機粉体は表面積が大きくなることで粒子同士の相互作用が強くなり、その結果、凝集しやすいという性質を帯びてくる。
【0003】
これら微粒子無機粉体は、化粧料の油相への配合や耐水性の向上を目的として疎水化表面処理が行われる場合がある。このような疎水化表面処理を行った粉体を配合することで、水にぬれても紫外線遮蔽効果を保てることが期待できる(特許文献2,3)。一方、水相に微粒子無機粉体を配合する場合、シリカ等で親水化表面処理をした粉体が使用される場合がある。しかしながら、この親水化した粉体は、耐水性や使用感に課題があった。また、疎水化処理された粉体を水に分散する方法として、ポリエーテル変性シリコーンを使用した疎水化処理微粒子酸化チタンの水分散体が検討されている。しかしながら、この酸化チタンの水分散体は、耐水性や使用感に課題があった(特許文献4)。
【0004】
さらに、シリコーン系界面活性剤を使用して粉体を表面処理することで、分散性粉体を得る技術が知られている。しかしながら、疎水化処理をした無機粉体の分散や耐水性について検討が不十分であった(特許文献5)。
【0005】
他にも、非イオン性界面活性剤を含む分散体が検討されているが、十分な分散性は得られていない(特許文献6)。これらのことから、長期安定性が良好で、化粧料配合時に良好な使用感を与える分散体が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2006-1886号公報
【文献】特開2014-201569号公報
【文献】国際公開第2016/178380号
【文献】国際公開第2015/125622号
【文献】特開2020-002031号公報
【文献】特開平7-247119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、水系媒体への分散性に優れ、分散安定性が高い微粒子無機粉体の水性分散体を提供することを目的とする。また、この水性分散体を配合し、安定性が高く、透明性、使用感(べたつきのなさ)、及び耐水性に優れた化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、分散が困難な酸化チタン微粒子の分散体であっても、水系媒体への分散性に優れ、安定性(粘度安定性)が高く、長期の安定性を有し、使用感(べたつきのなさ)及び耐水性に優れた水性分散体が得られることを知見した。これを化粧料の分散体として用いた場合、投入が容易であり、透明性、使用感、耐水性に優れた化粧料となることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0009】
従って、本発明は下記水性分散体及び化粧料を提供する。
1.(a)透過型電子顕微鏡写真の画像解析法による個数平均一次粒子径が8~200nmであり、酸化チタン粒子がシリコーンで疎水化処理された、疎水化酸化チタン微粒子:10~70質量%、
(b)アルコール性水酸基を2個以上有する水性成分:1.0~30質量%、
(c)前記(b)成分に溶解するポリグリセリン変性シリコーン:1.0~20質量%、及び
(d)水:8~82質量%
を含有する水性分散体。
2.(a)成分が、含水シリカ被覆酸化チタン粒子を、疎水化処理した疎水化微粒子酸化チタンである、1記載の水性分散体。
3.(a)成分における前記シリコーンが、ハイドロゲンジメチコンである1又は2記載の水性分散体。
4.(b)成分が、アルコール性水酸基を2個有する水性成分である1~3のいずれかに記載の水性分散体。
5.(c)成分が、(d)成分に溶解しない成分である1~4のいずれかに記載の水性分散体。
6.(c)成分が、ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコンである1~5のいずれかに記載の水性分散体。
7.(b)成分の含有量に対する(c)成分の含有量の質量比(c)/(b)が、0.2~0.9である1~6のいずれかに記載の水性分散体。
8.水性分散体全体に対し、(a)、(b)、(c)及び(d)成分の合計の含有量が90質量%以上である1~7のいずれかに記載の水性分散体。
9.1~8のいずれかに記載の水性分散体を配合した化粧料。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、水系媒体への分散性に優れ、安定性(粘度安定性)が高く、長期の安定性を有し、使用感(べたつきのなさ)及び耐水性に優れた水性分散体が得られ、これを化粧料の分散体として用いた場合、投入が容易であり、透明性、使用感、耐水性に優れた化粧料を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明において、成分名を化粧品表示名称又はInternational Nomenclature of Cosmetic Ingredient(INCI)で記載する場合がある。化粧品表示名称とINCIが対応する場合は英語記載を省略する場合がある。
【0012】
[(a)成分]
本発明の(a)成分は、透過型電子顕微鏡写真の画像解析法による個数平均一次粒子径が8~200nmであり、酸化チタン粒子がシリコーンで疎水化処理された、疎水化酸化チタン微粒子であり、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。酸化チタン紫外線遮蔽効果を有する、紫外線散乱剤として用いられる酸化チタン微粒子のうち、通常、化粧料に配合できる原料であればよく、酸化亜鉛、酸化セリウムとの2種以上の複合粉体でもよく、他の粉体との複合粉体でもよい。
【0013】
酸化チタン微粒子は、凝集性を低減したり、粉体の活性を抑制したりするために、疎水化処理する前に、シリカ、含水シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム等で表面処理を施されていてもよい。なお、化粧料配合時、併用される水溶性高分子化合物の膨潤を阻害したり、耐水性の低下が懸念されたりする場合には、アルミナや水酸化アルミニウムは表面処理剤として好ましくない。粉体の活性を抑制し、かつ水溶性高分子の膨潤を阻害しにくい点から、含水シリカで表面処理された、含水シリカ被覆酸化チタン粒子が好ましい。なお、被覆とは、酸化チタン粒子の一部又は全部を覆うものとする。
【0014】
本発明においては、酸化チタン粒子がシリコーンで疎水化処理されており、疎水化処理に使用されるシリコーンとしては、例えば、トリエトキシカプリリルシラン(信越化学工業(株)製:AES-3083)等のシラン類又はシリル化剤、ジメチルシリコーン(信越化学工業(株)製:KF-96AKシリーズ)、ハイドロゲンジメチコン等のメチルハイドロジェン型ポリシロキサン(信越化学工業(株)製:KF-99P、KF-9901等)、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコンなどのシリコーン分岐型(信越化学工業(株)製:KF-9908、KF-9909等)等が挙げられる。特に、トリエトキシカプリリルシラン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、及びハイドロゲンジメチコンから選ばれる1種以上を含む成分であれば、疎水化処理が良好となり、(c)成分との分散性の点で好ましい。疎水化処理方法としては、特に限定されず、公知の方法で処理できる。例えば、湿式処理法、乾式処理法、気相法等が挙げられる。
【0015】
これらの表面処理をした微粒子酸化チタンは市販品も使用可能である。例えば、MT-01、02、050OTS、100Z、100TV、100SAS、150EX、200ST、500SAM、505SAS、700Z、700BS(テイカ製)、ST-455、455WS、457ECS、457SA、495M、455FA(チタン工業製)、STR-100A-LP、100C-LP、100W-LP、100C-LF、40-LP(堺化学工業製)等の商品名で市販されている。含水シリカ被覆酸化チタン粒子を、疎水化処理した疎水化微粒子酸化チタンとしては、STR-100W-LPが挙げられる。なお、粒子を予め油剤に分散させた分散物となっているものは、(a)成分として含まないことが好ましい。
【0016】
(a)成分の透過型電子顕微鏡写真の画像解析法による個数平均一次粒子径は、8~200nmであり、10~150nmが好ましい。200nmを超えると、紫外線防御機能が低下し、白残りしてしまう。粒子径が8nm未満では、乾燥感が強くなり使用感が悪くなってしまう場合がある。本発明の(a)成分の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡写真を基に画像解析法により測定した、200個の平均径である。粉体は球状でない場合、粒子の短径の平均値を以って平均一次粒子径とする。微粒子酸化チタンの形状としては、紡錘状、針状、藁束状、短冊状、略球状、棒状等が挙げられる。
【0017】
(a)成分の含有量は、水性分散体中10~70質量%であり、使用性の点から10~65質量%が好ましく、15~60質量%がより好ましく、20~55質量%がさらに好ましい。10質量%未満では十分な紫外線遮蔽効果が得られず、70質量%を超えて配合すると、使用時の展延性が悪化する場合や、分散体の経時安定性が低下し、粘度が上昇する場合がある。
【0018】
[(b)成分]
本発明の(b)成分は、アルコール性水酸基を2個以上有する水性成分、すなわち25℃で水に溶解する成分であり、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。具体的には、ソルビトール(INCI)、マルトース(INCI)、キシリトール(INCI)、グルコース(INCI)、グリセリルグルコシド(INCI)、コンドロイチン硫酸Na(表示名称(INCI:Sodium Chondroitin Sulfate))、メチルグルセス-10(INCI)、メチルグルセス-20(INCI)、ヒアルロン酸、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール等の糖アルコール、BG(表示名称(INCI:Butylene Glycol))、PG(表示名称(INCI:Propylene Glycol))、DPG(表示名称(INCI:Dipropylene Glycol))、ペンチレングリコール(INCI)、1,10-デカンジオール(INCI)、オクタンジオール(INCI)、1,2-ヘキサンジオール(INCI)等のグリコール類、エリスリトール(INCI)、グリセリン(INCI)、ジグリセリン(INCI)、ポリエチレングリコール等の多価アルコール等が挙げられる。これらのうち、任意の割合で水に溶解し、さらに使用感や化粧品原料としての汎用性から、BG(ブチレングリコール)、DPG(ジプロピレングリコール)等のグリコール類、グリセリン等の多価アルコールが好ましい。特に、分子中に2個のアルコール性水酸基を有するグリコール類がより好ましい。
【0019】
(b)成分の含有量は、水性分散体中1.0~30質量%であり、5~25質量%が好ましく、耐水性の点から、7~15質量%がより好ましい。経時安定性の点では、15~25質量%がさらに好ましく、15~20質量%が特に好ましい。1.0質量%未満では分散体の安定性が悪くなり、30質量%を超えると化粧料の使用感がべたついたものになる上、後述する(c)成分が(a)成分に配向することを(b)成分が阻害するようになり、粘度が高くなってしまう場合や、水系媒体への分散性を損なう場合がある。(b)成分を配合することで、(c)成分が(a)成分の表面に均一に配向できる。
【0020】
[(c)成分]
本発明の(c)成分は、前記(b)成分に溶解するポリグリセリン変性シリコーンであり、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。(b)成分に溶解するポリグリセリン変性シリコーンを用いることで、ポリグリセリン変性シリコーンを水中に配合でき、水中で疎水化酸化チタン微粒子の分散剤として機能できる。なお、「(b)成分に溶解する」とは、(c)成分を(b)成分に20質量%濃度で混合し、その後25℃にて1時間静置した場合、境界がなく透明~半透明な状態を「溶解する」とし、白濁や2層に分離するものを「溶解しない」とする。また、「透明~半透明な状態」とは、前記混合液を厚さ1cmのセルに充填し、JIS K7361-1:1997記載の方法に準拠して測定した全光線透過率が50%以上であることをいう。なお、ポリグリセリン変性シリコーンであっても、(b)成分に溶解しないものは、本発明の(c)成分に該当しない。
【0021】
ポリグリセリン変性シリコーンは、化学構造的に、ポリグリセリンを用い、主鎖であるシリコーン鎖にブロック型で変性されていても、グラフト型で変性されていてもよい。(a)成分の化粧料中での均一分散性を維持させる点からは、分岐鎖型を用いるのが好ましい。シリコーン主鎖にシリコーン鎖等の分岐鎖があってもよい。具体的には、ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン(INCI)等が挙げられる。(c)成分は、BGに20質量%濃度で混合した時に25℃において溶解し、かつ水に20質量%濃度で混合した時に25℃において溶解しないものが、耐水性の点で好ましい。
【0022】
また、本発明に用いられるポリグリセリン変性シリコーンは、HLB(Hydrophile-Lipophile Balance)値が、3以上17未満が好ましく、5以上15未満がより好ましく、8以上12未満がさらに好ましい。3以上とすることで、分散性がより向上し、17未満とすることで、耐水性がより向上する。なお、HLBは「(親水基部分の式量の総和/総分子量)×20」によって算出される。
【0023】
(c)成分の含有量は、水性分散体の1.0~20質量%であり、3~15質量%が好ましく、4~10質量%がより好ましく、5~8質量%がさらに好ましい。1.0質量%未満では、分散体の安定性が悪くなるおそれがある、また、20質量%を超えると、(c)成分が(a)成分に配向したものにさらに(c)成分が配向したり、(a)成分に配向していない(c)成分によって、(a)成分に配向した(c)成分がはがれやすくなったりする。その結果、分散体の粘度が高くなってしまう場合や、水系媒体への分散性に影響を与えるおそれがある。
【0024】
さらに、(b)成分の含有量に対する(c)成分の含有量の質量比(c)/(b)は、0.2~0.9が好ましい。特に、分散性や耐水性の点では、0.3~0.8がより好ましく、0.4~0.5がさらに好ましい。この比を0.2以上とすることで、(c)成分が(a)成分に配向しやすくなり、粘度が高くなることを抑制し、安定性がより向上する。一方、0.9以下とすることで、(c)成分が分散媒により分散し、(a)成分に配向しやすくなり、粘度が高くなることを抑制し、安定性がより向上する。
【0025】
[(d)成分]
本発明の(d)成分は水である。水としては、イオン交換水、蒸留水、脱イオン水、日本薬局方で定義されるところの精製水、温泉水、海洋深層水等を使用できる。
【0026】
(d)成分の含有量は、水性分散体の8~82質量%であり、18~72質量%が好ましく、28~40質量%がより好ましい。8質量%未満でも安定な分散体は得られるが、(d)成分を配合することによって低粘度化するという目的を達することが困難である。一方、82質量%を超えると経時安定性に問題が生じる可能性がある。
【0027】
本発明の水性分散体全体に対し、(a)、(b)、(c)及び(d)成分の合計の含有量は90~100質量%が好ましく、95~100質量%がより好ましく、99~100質量%がさらに好ましい。(a)、(b)、(c)及び(d)成分の合計の含有量を90質量%以上にすることで、(a)、(b)、(c)及び(d)成分以外の成分の影響が少なく、安定性、使用感がより良好な分散体を作製できる。
【0028】
また、調製時や充填時等の取り扱い性向上を目的として、水性分散体に消泡剤を添加してもよい。消泡剤の例としては、シメチコン(INCI)、ジメチコン(INCI)、塩化Na(表示名称(INCI:Sodium Chloride))等の塩類、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。また、ジメチコン等のオイル系はあらかじめ乳化したエマルジョンタイプを用いてもよく、シメチコン等のコンパウンド系はシリコーン活性剤等と、予め混合した自己乳化型を用いてもよい。これらの中でも特に、シメチコンや塩化Naが破泡性や抑泡性の点で好ましく、化粧品料成分との親和性の点でシメチコンが最も好ましい。消泡剤を配合する場合、その量は水性分散体全体の0.0001~1質量%が好ましく、0.0025~0.6質量%がより好ましく、0.005~0.01質量%がさらに好ましい。
【0029】
[水性分散体]
本発明の水性分散体によれば、水系媒体への配合が容易である。なお、「水性分散体」の「分散体」とは、水を8~82質量%含有する組成において、後述する実施例の分散性試験の記載方法で、一時的に沈降が見られるが、撹拌を続けると均一に分散することをいう。
【0030】
[水性分散体の形態]
本発明の分散体は、粘度が10mPa・s以上200,000mPa・s未満で、液状であることが好ましく、10mPa・s以上10,000mPa・s未満がより好ましく、10mPa・s以上5,000mPa・s未満がさらに好ましい。10mPa・s以上とすることで、分散体の安定性がより向上する。一方、取り扱い性の点から、200,000mPa・s以下が好ましい。なお、粘度の測定方法は、JIS K 7117-1:1999記載の方法により、B型粘度計(TVB-10型、東機産業製)を用いて測定した25℃の値である。
【0031】
[水性分散体の製造方法]
本発明の水性分散体を調製する際、その方法や装置として、特に制限はなく、公知の方法で実施できる。例えば、ヘンシェルミキサー、ボールミル、ニーダー、プラネタリーミキサー、リボンブレンダー、ディスパーミキサー、ホモミキサー、ジェットミル、ロールミル、ビーズミル、高圧分散機等、任意の撹拌機、粉砕機、混合機、媒体攪拌機、自転公転撹拌機、分散機等を用いることができる。特に、混合効率の観点から、ビーズミル、高圧分散機を用いて分散することが好ましい。
【0032】
[化粧料]
本発明の水性分散体は、各種用途に使用することができるが、特に皮膚や毛髪に外用されるすべての化粧料の原料として適用可能である。
【0033】
本発明の水性分散体を化粧料に配合する場合の量は、化粧料全体に対して0.5~60質量%が好ましく、1.0~50質量%がより好ましく、5.0~40質量%がさらに好ましい。0.5質量%以上とすることで、十分な紫外線防御効果が期待でき、60質量%以下とすることで、使用感もより向上する。
【0034】
本発明の水性分散体を含有する化粧料の形態は、例えば、油中水型乳化化粧料、水中油型乳化化粧料、水性化粧料、W/O/W型、O/W/O型等のマルチエマルション等のいずれであってもよい。特に、水中油型乳化化粧料の分散体として用いた場合、投入が容易であり、透明性、使用感、耐水性に優れた安定な化粧料を得ることができる。
【0035】
本発明の化粧料の性状としては、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、プレス状、多層状、ムース状、スプレー状、スティック状、ペンシル状等の種々の性状を選択することができる。多層状とは、静置すると2層以上に分離する化粧料であり、ステンレスボール等を入れた容器に充填され、振盪後に使用する。本発明の分散体は分散性が良好である為、この様な剤型でも再分散がしやすい。シェイキングタイプ等と呼称され、安定化が容易なため、使用感に優れた化粧料となるが振盪の手間がある。本発明の化粧料は安定性が好ましいため、多層に分離せずにも用い得る。スプレー状とは、ディスペンサー容器、エアゾール容器等に充填して、ノズルから噴霧して使用する噴霧型化粧料である。ディスペンサー容器に充填された化粧料は、ディスペンサーのノズルから霧状に噴射される。エアゾール容器には、化粧料と噴射剤とともに充填する。噴射剤としては特に限定されず、例えば、各種の液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル、窒素ガス、炭酸ガス等が用いられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用い得る。本発明の水性分散体は高い分散性を有するため、この様な剤型でも用い得る。
【0036】
本発明の水性分散体は各種化粧料に適用されるが、特に好ましくはスキンケア化粧料、メイクアップ化粧料、制汗化粧料、紫外線防御化粧料等の皮膚に外用される化粧料及び毛髪化粧料等の毛髪に外用される化粧料である。スキンケア化粧料としては、例えば、化粧水、乳液、クリーム、クレンジング、パック、オイルリキッド、マッサージ料、美容液、美容オイル、洗浄剤、脱臭剤、ハンドクリーム、リップクリーム、しわ隠し等が挙げられる。メイクアップ化粧料としては、例えば、メイクアップ下地、コンシーラー、白粉、パウダーファンデーション、アイカラー、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、口紅等が挙げられる。制汗化粧料としては、例えば、ロールオンタイプ、クリームタイプ、溶液タイプ、スティックタイプ等の制汗化粧料が挙げられる。紫外線防御化粧料としては、例えば、日焼け止めオイル、日焼け止め乳液、日焼け止めクリーム等が挙げられる。毛髪化粧料としては、例えば、シャンプー、リンス、トリートメント、セット剤等が挙げられる。これらの中でも、紫外線防御化粧料が好ましい。
【0037】
本発明の化粧料は、通常の化粧料に使用される種々の成分を本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。例えば、(1)油剤、(2)(b)及び(d)成分以外の水性成分、(3)(c)成分以外の界面活性剤、(4)(a)成分以外の粉体、(5)架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物、(6)皮膜形成剤、(7)その他の添加剤を含んでよい。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用い得る。なお、上記分散体に含まれる成分を配合してもよい。ただし、本発明の分散体を配合することなく、本発明の(a)~(d)成分を配合しても、本発明の目的とする顕著な効果を得ることはできない。分散体以外の(a)~(d)成分の量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定はなく、分散体と別に化粧料へ配合する場合、分散体中の量を除く量としては、例えば、(a)成分の量は、化粧料中0.0~20質量%が好ましく、0.0~10質量%がより好ましい。(b)成分の量は、化粧料中0.0~70質量%が好ましく、0.0~50質量%がより好ましく、0.0~25質量%がさらに好ましい。(c)成分の量は、化粧料中0.0~3.0質量%が好ましく、0.0~1.0質量%がより好ましい。本発明の分散体は安定性が高く、化粧料に配合した場合、化粧料中の乳化剤や分散剤の性能を阻害しないため、分散体以外の(c)成分を少なくすることができる。
【0038】
(1)油剤
油剤は、揮発性でも不揮発性でもよく、室温(25℃)で固体、半固体、液状、いずれであってもよく、例えば、シリコーンオイル、シリコーンワックス、天然動植物油脂類及び半合成油脂、炭化水素油、高級アルコール、脂肪酸、エステル油、フッ素系油剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0039】
・シリコーンオイル
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチコン(INCI)、トリシロキサン(INCI)、メチルトリメチコン(INCI)、エチルトリシロキサン(INCI)、エチルメチコン(INCI)、へキシルジメチコン(INCI)等のアルキル変性シリコーン、カプリリルメチコン(INCI)等の長鎖アルキル変性シリコーン、フェニルトリメチコン(INCI)、ジフェニルジメチコン(INCI)、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(INCI)、テトラフェニルジメチルジシロキサン(INCI)、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の低粘度から高粘度の直鎖或いは分岐状のオルガノポリシロキサン、シクロテトラシロキサン(INCI),シクロペンタシロキサン(INCI)、シクロヘキサシロキサン(INCI)等の環状オルガノポリシロキサン、アモジメチコン(INCI)、アミノプロピルジメチコン(INCI)等のアミノ変性オルガノポリシロキサン、PCAジメチコン(INCI)等のピロリドン変性オルガノポリシロキサン、シメチコン(INCI)等の消泡剤、ピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ガム状アミノ変性オルガノポリシロキサン、ガム状のジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等のシリコーンゴム、及びシリコーンガムやゴムの低粘度オルガノポリシロキサン溶液、アミノ酸変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、シリコーン樹脂及びシリコーンレジンの溶解物等が挙げられる。
【0040】
市販されているシリコーンオイルの例としては、信越化学工業(株)製:KF-96L-1cs、KF-96L-1.5cs、KF-96L-2cs、KF-96A-6cs、KF-4422、KF-4418、KF-54、KF-54HV、KF-56A、KF-995等が挙げられる。
【0041】
・固体状の油性成分
本発明において、化粧料を固化させたい場合には、25℃で固体状の油性成分を配合することが好ましい。25℃で固体状の油性成分としては、好ましくは40℃以上、より好ましくは60~110℃の融点を有するもので、ワックス、炭化水素、エステル、高級アルコール、高級脂肪酸を挙げることができ、通常化粧料に配合できる原料であれば、特に限定されない。具体的には、カルナウバロウ(INCI:Copernicia Cerifera (Carnauba) Wax)、サトウキビロウ、キャンデリラロウ(INCI:Euphorbia Cerifera (Candelilla) Wax)、精製キャンデリラロウ、ライスワックス、木ロウ、ホホバワックス、カポックロウ、コメヌカロウ、シロヤマモモ果実ロウ、シアバター、カカオ脂、モクロウ(INCI:Rhus Succedanea Fruit Wax)、モンタンロウ(INCI:Montan Wax)、イソステアリン酸水添ヒマシ油等の植物性ワックス、ミツロウ、牛脂、牛骨脂、豚脂(INCI:Lard)、馬脂(INCI:Horse Fat)、羊脂、ラノリン(INCI:Lanolin)、チュウハクロウ、セラックロウ、鯨ロウ等の動物性ワックス、ラノリンエステル、ラノリン脂肪酸エステル、ミツロウ酸エステル等の半合成ワックス、硬化ヒマシ油、硬化ヤシ油等の硬化油、固体パラフィン、ポリエチレン、セレシン、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素系ワックス、合成ミツロウ等のワックスエステル、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル等のアミノ酸ステアリルアルコール、ステアリン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸、及び、アクリル-シリコーングラフト又はブロック共重合体のアクリルシリコーン樹脂等のシリコーンワックス(信越化学工業(株)製:アクリル-シリコーングラフト共重合体:KP-561P等)、あるいは、これらの誘導体が挙げられ、これらから選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
【0042】
・天然動植物油剤及び半合成油剤
天然動植物油剤及び半合成油剤としては、アボガド油(表示名称(INCI:Persea Gratissima (Avocado) Oil))、アマニ油(表示名称(INCI:Linum Usitatissimum (Linseed) Seed Oil))、アーモンド油(表示名称(INCI:Prunus Amygdalus Dulcis (Sweet Almond) Oil))、エゴマ油(表示名称)、オリーブ油(表示名称(INCI:Olea Europaea (Olive) Fruit Oil))、アメリカガヤ油(表示名称(INCI:Torreya Californica (California Nutmeg) Oil))、コウスイガヤ油(表示名称(INCI:Cymbopogon Nardus (Citronella) Oil))、カヤ種子油(表示名称(INCI:Torreya Nucifera Seed Oil))、キョウニン油(表示名称(INCI:Kyounin Yu))、コムギ胚芽油(表示名称(INCI:Triticum Vulgare (Wheat) Germ Oil))、ゴマ油(表示名称(INCI:Sesamum Indicum (Sesame) Seed Oil))、コムギ胚芽油(表示名称(INCI:Triticum Vulgare (Wheat) Germ Oil))、コメ胚芽油(表示名称(INCI:Oryza Sativa (Rice) Germ Oil))、コメヌカ油(表示名称(INCI:Oryza Sativa (Rice) Bran Oil))、サザンカ油(表示名称(INCI:Camellia Kissi Seed Oil))、サフラワー油(表示名称(INCI:Carthamus Tinctorius (Safflower) Seed Oil))、ダイズ油(表示名称(INCI:Glycine Soja(Soybean)Oil))、チャ実油(表示名称(INCI:Camellia Sinensis Seed Oil))、ツバキ油(表示名称(INCI:Camellia Japonica Seed Oil))、月見草油(表示名称(INCI:Oenothera Biennis (Evening Primrose) Oil))、ナタネ油(表示名称)、トウモロコシ胚芽油(表示名称(INCI:Zea Mays (Corn) Germ Oil))、コムギ胚芽油(表示名称(INCI:Triticum Vulgare (Wheat) Germ Oil))等の胚芽油、パーシック油(表示名称)、パーム油(表示名称(INCI:Elaeis Guineensis (Palm) Oil))、パーム核油(表示名称(INCI:Elaeis Guineensis (Palm) Kernel Oil))、ヒマシ油(表示名称(INCI:Ricinus Communis (Castor) Seed Oil))、ヒマワリ種子油(表示名称(INCI:Helianthus Annuus (Sunflower) Seed Oil))、ブドウ種子油(表示名称(INCI:Vitis Vinifera (Grape) Seed Oil))、ホホバ種子油(表示名称(INCI:Simmondsia Chinensis (Jojoba) Seed Oil))、マカデミア種子油(表示名称(INCI:Macadamia Ternifolia Seed Oil))、メドウフォーム油(表示名称(INCI:Limnanthes Alba (Meadowfoam) Seed Oil))、綿実油(表示名称(INCI:Gossypium Herbaceum (Cotton) Seed Oil))、ヤシ油(表示名称(INCI:Cocos Nucifera (Coconut) Oil))、ピーナッツ油(表示名称(INCI:Arachis Hypogaea (Peanut) Oil))等の天然植物油、サメ肝油(表示名称(INCI:Shark Liver Oil))、タラ肝油(表示名称(INCI:Cod Liver Oil))、魚肝油(表示名称(INCI:Fish Liver Oil))、タートル油(表示名称(INCI:Turtle Oil))、ミンク油(表示名称(INCI:Mink Oil))、卵黄油(表示名称(INCI:Egg Oil))等の天然動物油、水添ヤシ油(表示名称(INCI:Hydrogenated Coconut Oil))、液状ラノリン(表示名称(INCI:Lanolin Oil))等の半合成油脂等が挙げられる。
【0043】
・炭化水素油
炭化水素油としては、例えば、直鎖状又は分岐状の炭化水素油が挙げられ、揮発性の炭化水素油であっても不揮発性の炭化水素油であってもよい。具体的には、オレフィンオリゴマー(INCI)、(C13,14)イソパラフィン(INCI)等のイソパラフィン、イソドデカン(INCI)、ウンデカン(INCI)、トリデカン(INCI)、ドデカン(INCI)、イソヘキサデカン(INCI)、水添ポリイソブテン(表示名称(INCI:Hydrogenated Polyisobutene))、スクワラン(INCI)、ミネラルオイル(INCI)、ヤシアルカン(INCI)、(C13-15)アルカン(INCI)等のアルカン等が挙げられる。
【0044】
・高級アルコール類
高級アルコール類としては、例えば、炭素原子数が好ましくは6以上、より好ましくは10~30のアルコール類が挙げられる。高級アルコール類の具体例としては、ラウリルアルコール(INCI)、ミリスチルアルコール(INCI)、パルミチルアルコール(INCI)、ステアリルアルコール(INCI)、ベヘニルアルコール(INCI)、オレイルアルコール(INCI)、イソステアリルアルコール(INCI)、オクチルドデカノール(INCI)、コレステロール(INCI)、フィトステロールズ(INCI)、バチルアルコール(INCI)等が挙げられる。
【0045】
・エステル油
エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル(表示名称(INCI:Diisobutyl Adipate))、アジピン酸ジヘキシルデシル(表示名称)、アジピン酸ジヘプチルウンデシル(表示名称(INCI:Diheptylundecyl Adipate))、イソステアリン酸イソステアリル(表示名称(INCI:Isostearyl Isostearate))等のモノイソステアリン酸n-アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル(表示名称(INCI:Isocetyl Isostearate))、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン(表示名称(INCI:Trimethylolpropane Triisostearate))、ジエチルヘキサン酸グリコール(表示名称(INCI:Glycol Diethylhexanoate))、エチルヘキサン酸セチル(表示名称(INCI:Cetyl Ethylhexanoate))、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン(表示名称(INCI:Trimethylolpropane Triethylhexanoate))、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル(表示名称(INCI:Pentaerythrityl Tetraethylhexanoate))、オクタン酸セチル(表示名称(INCI:Cetyl Ethylhexanoate))、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル(表示名称(INCI:Octyldodecyl Stearoyl Stearate))等のオクチルドデシルエステル、オレイン酸オレイル(表示名称(INCI:Oleyl Oleate))、オレイン酸オクチルドデシル(表示名称(INCI:Octyldodecyl Oleate))、オレイン酸デシル(表示名称(INCI:Decyl Oleate))、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール(表示名称(INCI:Neopentyl Glycol Diethylhexanoate))、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(表示名称(INCI:Neopentyl Glycol Dicaprate))、リンゴ酸ジイソステアリル(表示名称(INCI:Diisostearyl Malate))、クエン酸トリエチル(表示名称(INCI:Triethyl Citrate))、コハク酸ジエチルヘキシル(表示名称(INCI:Diethylhexyl Succinate))、酢酸アミル(表示名称(INCI:Amyl Acetate))、酢酸エチル(表示名称(INCI:Etyl Acetate))、酢酸ブチル(表示名称(INCI:Butyl Acetate))、ステアリン酸イソセチル(表示名称(INCI:Isocetyl Stearate))、ステアリン酸ブチル(表示名称(INCI:Butyl Stearate))、セバシン酸ジイソプロピル(表示名称(INCI:Diisopropyl Sebacate))、セバシン酸ジエチルヘキシル(表示名称(INCI:Diethylhexyl Sebacate))、乳酸セチル(表示名称(INCI:Cetyl Lactate))、乳酸ミリスチル(表示名称(INCI:Myristyl Lactate))、イソノナン酸イソノニル(表示名称(INCI:Isononyl Isononanoate))、イソノナン酸イソトリデシル(表示名称(INCI:Isotridecyl Isononanoate))、パルミチン酸イソプロピル(表示名称(INCI:Isopropyl Palmitate))、パルミチン酸エチルヘキシル(表示名称(INCI:Ethylhexyl Isopalmitate))、パルミチン酸ヘキシルデシル(表示名称(INCI:Isocetyl Palmitate、Hexyldecyl Palmitate))等のパルミチン酸エステル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル(表示名称(INCI:Cholesteryl Hydroxystearate))、ミリスチン酸イソプロピル(表示名称(INCI:Isopropyl Myristate))、ミリスチン酸オクチルドデシル(表示名称(INCI:Octyldodecyl Myristate))、ミリスチン酸ミリスチル(表示名称(INCI:Myristyl Myristate))等のミリスチン酸エステル、ラウリン酸エチルへキシル(表示名称(INCI:Ethylhexyl Laurate))、ラウリン酸ヘキシル(表示名称(INCI:Hexyl Laurate))、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル(表示名称(INCI:Dioctyldodecyl Lauroyl Glutamate))、ラウロイルサルコシンイソプロピルエステル(表示名称(INCI:Isopropyl Lauroyl Sarcosinate))、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル(表示名称(INCI:Coco-Caprylate・Caprate))等が挙げられる。
【0046】
また、エステル油の中で、グリセライド油としては、トリエチルヘキサノイン(表示名称(INCI:))、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル(表示名称(INCI:Caprylic/Capric Triglyceride))、ココグリセリル(INCI)、(カプリル酸/カプリン酸/コハク酸)トリグリセリル(表示名称(INCI:Caprylic/Capric/Succinic Triglyceride))、(カプリル酸/カプリン酸)グリセリズ(表示名称(INCI:Caprylic/Capric Glycerides))等が挙げられる。
【0047】
・フッ素系油剤
フッ素系油剤としては、パーフルオロデカリン(INCI)、パーフルオロノニルジメチコン(INCI)、パーフルオロメチルシクロペンタン(INCI)等が挙げられる。
【0048】
・紫外線吸収剤
紫外線吸収剤としては、オキシベンゾン-1(表示名称(INCI:Benzophenone-1))、オキシベンゾン-2(表示名称(INCI:Benzophenone-2)))、オキシベンゾン-3(表示名称(INCI:Benzophenone-3))、オキシベンゾン-4(表示名称(INCI:Benzophenone-4))、オキシベンゾン-5(表示名称(INCI:Benzophenone-5))、オキシベンゾン-6(表示名称(INCI:Benzophenone-6))、オキシベンゾン-9(表示名称(INCI:Benzophenone-9))、ホモサレート(INCI)、オクトクリレン(INCI)、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン(表示名称(INCI:Butyl Methoxydibenzoylmethane))、サリチル酸エチルヘキシル(表示名称(INCI:Ethylhexyl Salicylate))、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(表示名称(INCI:Diethylamino Hydroxybenzoyl Hexyl Benzoate))、ポリシリコーン-15(INCI)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル(表示名称(INCI:Ethylhexyl Dimethoxybenzylidene Dioxoimidazolidine Propionate))、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸(表示名称(INCI:Terephthalylidene Dicamphor Sulfonic Acid))、エチルヘキシルトリアゾン(INCI)、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル(表示名称(INCI:Isopentyl Trimethoxycinnamate Trisiloxane))、ドロメトリゾールトリシロキサン(INCI)、ジメチルPABAエチルヘキシル(表示名称(INCI:Ethylhexyl Dimethyl PABA))、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル(表示名称(INCI:Isopropyl Methoxycinnamate))、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(表示名称(INCI:Ethylhexyl Methoxycinnamate))、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(INCI)、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(表示名称(INCI:Phenylbenzimidazole Sulfonic Acid))、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(INCI)、ジメトキシケイ皮酸エチルヘキサン酸グリセリル(表示名称(INCI:Glyceryl Ethylhexanoate Dimethoxycinnamate))、グリセリルPABA(INCI)、ジイソプロピルケイ皮酸メチル(表示名称(INCI:Diisopropyl Methyl Cinnamate))、シノキサート(INCI)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸エチルヘキシル(表示名称(INCI:Ethylhexyl Dimethoxybenzylidene Dioxoimidazolidine Propionate))等が挙げられる。
【0049】
(2)(b)(d)成分以外の水性成分
水性成分は、上記(b)(d)成分以外であり、通常化粧料に配合できる水性成分であれば、特に限定されない。具体的には、ベタイン(INCI)、PCA-Na(表示名称(INCI:Sodium PCA))、卵黄レシチン、大豆レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、スフィンゴリン脂質等の保湿剤が挙げられる。また、アラビアゴム、グアーガム、カラギーナン、寒天、クインスシード、ローカストビーンガム、キサンタンガム、プルラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子等の水溶性高分子が挙げられる。中でも、アクリル系高分子を用いることにより比較的容易に水中油型化粧料の安定化を図ることが可能である。
【0050】
(3)(c)成分以外の界面活性剤
界面活性剤としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性及び両性の活性剤があるが、特に制限されるものではなく、上記(c)成分以外であり、通常の化粧料に使用されるものであれば、いずれのものも使用することができる。これらの界面活性剤の中でも、非架橋型シリコーン界面活性剤、あるいは架橋型シリコーン界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上が、安定性な化粧料を得ることができるため、好ましい。いずれの場合においても界面活性剤を配合する場合、その量としては、化粧料全体の0.1~20質量%が好ましい。0.1%以上であれば、分散や乳化の機能を十分に果たすことができ、20質量%以下であれば化粧料がべたついた使用感になるおそれがないために好ましい。界面活性剤のHLBは、限定されないが化粧料の耐水性を維持するという目的から2~14.5が好ましい。
【0051】
非架橋型シリコーン界面活性剤としては、直鎖又は分岐状のシリコーン主鎖のメチル基の一部をポリエチレングリコールやポリグリセリン等の親水基で置換したものであり、具体的には直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ピロリドン変性オルガノポリシロキサンであることが好ましい。PEG-11メチルエーテルジメチコン(INCI)、PEG/PPG-20/22ブチルエーテルジメチコン(INCI)、PEG-3ジメチコン(INCI)、PEG-10ジメチコン(INCI)、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(INCI)、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(INCI)、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン(INCI)、ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(INCI)、ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(INCI)、イソステアリルポリグリセリル-3ジメチコン(INCI)等が挙げられる。
【0052】
市販されているものの例としては、信越化学工業(株)製:KF-6011、KF-6011P、KF-6012、KF-6015、KF-6017、KF-6043、KF-6028、KF-6038、KF-6048、KF-6104、KF-6106、KF-6105、KF-6180、KF-6115等が挙げられる。
【0053】
架橋型シリコーン界面活性剤としては、例えば、(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー(INCI)、(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー(INCI)、(PEG-10/ラウリルジメチコン)クロスポリマー(INCI)、(PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー(INCI)、(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー(INCI)、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー(INCI)、(ポリグリセリン-3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー(INCI)等が挙げられる。また、架橋型シリコーン界面活性剤を用いる場合には、当該架橋型シリコーン界面活性剤と室温で液状の油剤からなる組成物において、架橋型シリコーン界面活性剤は、液状油に対し、自重以上の該液状油剤を含んで膨潤することが好ましい。
【0054】
当該液状油剤としては、任意成分の(1)油剤中の液状のシリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができ、例えば、シクロペンタシロキサン(INCI)、ジメチコン(INCI)、カプリリルメチコン(INCI)、ミネラルオイル(INCI)、イソドデカン(INCI)、イソヘキサデカン(INCI)、トリエチルヘキサノイン(INCI)、イソノナン酸イソトリデシル(表示名称(INCI:Isotridecyl Isononanoate))、スクワラン(INCI)等が挙げられる。
【0055】
市販されている架橋型シリコーン界面活性剤が液状油剤を含んで膨潤するものの例としては、信越化学工業(株)製:KSG-210、KSG-240、KSG-270、KSG-310、KSG-320、KSG-330、KSG-340、KSG-320Z、KSG-350Z、KSG-710、KSG-790、KSG-810、KSG-820、KSG-830、KSG-840、KSG-820Z、KSG-850Z等が挙げられる。
【0056】
(4)(a)成分以外の粉体
(a)成分以外の粉体としては、着色顔料、無機粉体、金属粉体、有機粉体、無機・有機複合粉体等が挙げられる。具体的には次の通りである。
【0057】
・着色顔料
着色顔料としては、通常、化粧料の着色を目的に使用される顔料であれば、特に限定はなく、赤色の酸化鉄(表示名称(INCI:Iron Oxides))、黄色の酸化鉄(表示名称(INCI:Iron Oxides))、白色の酸化チタン(表示名称(INCI:Titanium Dioxide))、黒色の酸化鉄(表示名称(INCI:Iron Oxides))、グンジョウ(表示名称(INCI:Ultramarines))、コンジョウ(表示名称(INCI:Ferric Ferrocyanide, Ferric Ammonium Ferrocyanide))、マンガンバイオレット(表示名称(INCI:Manganese Violet))、チタン酸コバルト(表示名称(INCI:Cobalt Titanium Oxide))、水酸化クロム(表示名称(INCI:Chromium Hydroxide Green))、酸化クロム(表示名称(INCI:Chromium Oxide Greens))、酸化(Al/コバルト)(表示名称(INCI:Cobalt Aluminum Oxide))、チタン酸コバルト(表示名称(INCI:Cobalt Titanium Oxide))、(チタン/酸化チタン)焼成物(表示名称(INCI:Titanium/Titanium Dioxide))、チタン酸(Li/コバルト)(表示名称(INCI:Lithium Cobalt Titanate))、チタン酸コバルト(表示名称(INCI:Cobalt Titanium Oxide))、(酸化鉄/酸化チタン)焼結物(表示名称)、酸化鉄ドープ酸化チタン(表示名称(INCI:Iron Oxides,Titanium Dioxide))等の異種金属がドーピングされた複合物、窒化チタン(表示名称(INCI:Titanium Nitride))、水酸化第一鉄(表示名称(INCI:Iron Hydroxide))、γ-酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄土等の無機黄色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの等の有色顔料等、いずれのものも使用することができる。
また、顔料の形状としては、球状、略球状、棒状、紡錘状、花弁状、短冊状、不定形状等、何れの形状であってもよく、化粧料に色を付与することが可能であれば、その幾何学的態様には特に限定はない。
【0058】
・無機粉体
無機粉体としては、酸化ジルコニウム(表示名称(INCI:Zirconium Dioxide))、酸化亜鉛(表示名称(INCI:Zinc Oxide))、酸化セリウム(表示名称(INCI:Cerium Oxide))、酸化Mg(表示名称(INCI:Magnesium Oxide))、硫酸Ba(表示名称(INCI:Barium Sulfate))、硫酸カルシウム(表示名称(INCI:Calcium Sulfate))、硫酸Mg(表示名称(INCI:Magnesium Sulfate))、炭酸Ca(表示名称(INCI:Calcium Carbonate))、炭酸Mg(表示名称(INCI:Magnesium Carbonate))、タルク(INCI)、マイカ(INCI)、カオリン(INCI)、合成フルオロフロゴパイト(表示名称(INCI:Synthetic Fluorphlogopite))、合成金雲母鉄(表示名称)、黒雲母(表示名称(INCI:Biotite))、ケイ酸K(表示名称(INCI:Potassium Silicate))、シリカ(INCI)、ケイ酸Al(表示名称(INCI:Aluminum Silicate))、ケイ酸Mg(表示名称(INCI:Magnesium Silicate))、ケイ酸(Al/Mg)(表示名称(INCI:Magnesium Aluminum Silicate))、ケイ酸Ca(表示名称(INCI:Calcium Silicate))、ケイ酸(Al/Ca/Na)(表示名称(INCI:Aluminum Calcium Sodium Silicate))、ケイ酸(Li/Mg/Na)(表示名称(INCI:Lithium Magnesium Sodium Silicate))、ケイ酸(Na/Mg)(表示名称(INCI:Sodium Magnesium Silicate))、ホウケイ酸(Ca/Al)(表示名称(INCI:Calcium Aluminum Borosilicate))、ホウケイ酸(Ca/Na)(表示名称(INCI:Calcium Sodium Borosilicate))、ヒドロキシアパタイト(INCI)、ベントナイト(INCI)、モンモリロナイト(INCI)、ヘクトライト(INCI)、ゼオライト(INCI)、アルミナ(INCI)、水酸化Al(表示名称(INCI:Aluminum Hydroxide))、窒化ホウ素(表示名称(INCI:Boron Nitride))、ガラス(表示名称(INCI:Glass))等からなる微粒子が挙げられる。
【0059】
また、無機着色パール顔料としては、酸化チタン(表示名称(INCI:Titanium Dioxide))で被覆したマイカ(INCI)、酸化チタン(表示名称(INCI:Titanium Dioxide))で被覆した合成フルオロフロゴパイト(表示名称(INCI:Synthetic Fluorphlogopite))等のパール剤や、オキシ塩化ビスマス(表示名称(INCI:Bismuth Oxychloride))、酸化チタン(表示名称(INCI:Titanium Dioxide))で被覆したオキシ塩化ビスマス(表示名称(INCI:Bismuth Oxychloride))、酸化チタン(表示名称(INCI:Titanium Dioxide))で被覆したタルク(INCI)、魚鱗箔(表示名称)、酸化チタン(表示名称(INCI:Titanium Dioxide))被覆した着色雲母等のパール顔料が挙げられ、未処理でも一般的に化粧品に使用される公知の表面処理でも特に限定はされない。
【0060】
・金属粉体
金属粉体としては、Al(表示名称(INCI:Aluminum、Aluminum Powder))、銅(表示名称(INCI:Copper Powder))、銀(表示名称(INCI:Silver Powder))、金(表示名称(INCI:Gold))等からなる金属微粒子が挙げられる。
【0061】
・有機粉体
有機粉体としては、シリコーン、ポリアミド、ポリアクリル酸・アクリル酸エステル、ポリエステル、ポリエチレン(INCI)、ポリプロピレン(INCI)、ポリスチレン(INCI)、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン、ポリメチルベンゾグアナミン、テトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、セルロース(INCI)、シルク(INCI)、ナイロン(表示名称)、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート等からなる粉体が挙げられる。
特に、シリコーンとしては、シリコーン樹脂粒子;ポリメチルシルセスキオキサン(:INCI)、シリコーンゴム粉末、シリコーン樹脂被覆シリコーンゴム粉末;(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー(表示名称(INCI:vinyl dimethicone/methicone silsesquioxane crosspolymer))、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー(表示名称(INCI:diphenyl dimethicone/vinyl diphenyl dimethicone/silsesquioxane crosspolymer))、ポリシリコーン-1クロスポリマー(INCI)、ポリシリコーン-22(INCI)等が挙げられる。
【0062】
市販されているシリコーンからなる粉体の例としては、信越化学工業(株)製:KMP-590、KMP-591、KMP-592、KMP-597、KMP-598、KSP-100、KSP-101、KSP-102、KSP-105、KSP-100W、KSP-300、KSP-411、KSP-441、KM-9729、KM-440等が挙げられる。
【0063】
また、金属石鹸等も挙げられ、具体例としては、ステアリン酸亜鉛(表示名称(INCI:Zinc Stearate))、ステアリン酸Al(表示名称(INCI:Aluminum Stearate))、ステアリン酸Ca(表示名称(INCI:Calcium Stearate))、ステアリン酸Mg(表示名称(INCI:Magnesium Stearate))、ミリスチン酸亜鉛(表示名称(INCI:Zinc Myristate))、ミリスチン酸Mg(表示名称(INCI:Magnesium Myristate))、セチルリン酸(亜鉛/Na)(表示名称(INCI:Sodium Zinc Cetyl Phosphate))、セチルリン酸K(表示名称(INCI:Potassium Cetyl Phosphate))等からなる粉体も挙げられる。
【0064】
さらに、有機系色素等も挙げられ、具体例としては、赤3、赤104(1)(表示名称(INCI:Red 28、Red 28 Lake))、赤106、赤201(表示名称(INCI:Red 6))、赤202(表示名称(INCI:Red 7))、赤204、赤205、赤220(表示名称(INCI:Red 34))、赤226(表示名称(INCI:Red 30))、赤227(表示名称(INCI:Red 33、RED 33 Lake ))、赤228(表示名称(INCI:Red 36))、赤230(1)(表示名称(INCI:Red 22、Red 22 Lake))、赤230(2)(表示名称)、赤401(表示名称)、赤505(表示名称)、黄4(表示名称(INCI:Yellow 5))、黄5(表示名称(INCI:Yellow 6、Yellow 6 Lake))、黄202(1)(表示名称(INCI:Yellow 8))、黄203(表示名称(INCI:Yellow 10、Yellow 10 Lake))、黄204(表示名称(INCI:Yellow 11))、黄401、青1(表示名称(INCI:Blue 1、Blue 1 Lake))、青2、青201、青205(表示名称(INCI:Blue 4))、青404(表示名称)、緑3(表示名称(INCI:Green 3、Green 3 Lake))、緑201(表示名称(INCI:Green 5))、緑202(表示名称(INCI:Green 6))、緑204(表示名称(INCI:Green 8))、緑205(表示名称)、橙201(表示名称(INCI:Orange 5))、橙203(表示名称(INCI:Pigment Orange 5))、橙204(表示名称)、橙205(表示名称(INCI:Orange 4 、Orange 4 Lake))、橙206(表示名称(INCI:Orange 10))、橙207(表示名称(INCI:Orange 11))等のタール色素、コチニール(INCI)、ラッカイン酸(表示名称(INCI:Laccaic Acid))、ベニバナ赤(表示名称(INCI:Carthamus Tinctorius (Safflower) Flower Extract))、ムラサキ根エキス(表示名称(INCI:Lithospermum Officinale Root Extract))、クチナシ黄(表示名称)、クチナシ青(表示名称(INCI:Hydrolyzed Gardenia Florida Extract))等の天然色素が挙げられる。
【0065】
・無機・有機複合粉体
無機・有機複合粉体としては、例えば、無機粉体表面が、公知公用の方法により有機粉体で被覆された複合粉体が挙げられる。
【0066】
なお、上述の粉体は、粒子表面を処理したものも使用できる。また、その表面処理剤は、化粧料の耐水性の観点から疎水性を付与できるものが好ましく、この疎水性を付与する処理剤としては特に限定されず、シリコーン処理剤、ワックス類、パラフィン類、ペルフルオロアルキルとリン酸塩等の有機フッ素化合物、界面活性剤、N-アシルグルタミン酸等のアミノ酸、ステアリン酸アルミニウム、ミリスチン酸マグネシウム等の金属石鹸等の処理剤が挙げられる。
【0067】
好ましくはシリコーン処理剤で、トリエトキシカプリリルシラン(INCI)等のシラン類又はシリル化剤、ジメチコン(INCI)、メチコン(INCI)、ハイドロゲンジメチコン(INCI)、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン(INCI)、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン(INCI)、(アクリレーツ/アクリル酸トリデシル/メタクリル酸トリエトキシシリルプロピル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー(表示名称(INCI:Acrylates/Tridecyl Acrylate/Triethoxysilylpropyl Methacrylate/Dimethicone Methacrylate Copolymer))等が挙げられる。これらシリコーン処理剤の具体例としては、信越化学工業(株)製:AES-3083、KF-99P、KF-9901、KF-9908、KF-9909、KP-574、KP-541等が挙げられる。
【0068】
さらに、上記の表面疎水化処理剤は、単独又は2種以上を組合せ使用してもよい。表面処理を施した着色顔料の具体例としては、信越化学工業(株)製:KTP-09シリーズ、特に、KTP-09W、KTP-09R、KTP-09Y、KTP-09B等が挙げられる。
【0069】
・紫外線吸収散乱剤
本発明の分散体に加え、(a)成分である紫外線を吸収散乱する粒子をあらかじめ油剤に分散させた分散物を用いることもできる。
当該油剤としては、任意成分の(1)油剤中の液状のシリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができる。
紫外線を吸収散乱する粒子をあらかじめ油剤に分散させた分散物の具体例としては、信越化学工業(株)製:SPDシリーズ(商品名)、特に、SPD-T5、SPD-T5L、SPD-Z5、SPD-T6、SPD-Z6、SPD-T7、SPD-Z7L等が挙げられる。
【0070】
(5)架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物
架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物において、架橋型オルガノポリシロキサンは、液状油に対し、自重以上の該液状油剤を含んで膨潤することが好ましい。当該液状油剤としては、任意成分の(1)油剤中の液状のシリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができ、例えば、シクロペンタシロキサン(INCI)、ジメチコン(INCI)、ミネラルオイル(INCI)、イソドデカン(INCI)、イソヘキサデカン(INCI)、トリエチルヘキサノイン(INCI)、イソノナン酸イソトリデシル(表示名称(INCI:Isotridecyl Isononanoate))、スクワラン(INCI)、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル(表示名称(INCI:Coco-Caprylate・Caprate))等が挙げられる。
【0071】
(5)成分は、前述の(3)成分の架橋型シリコーン界面活性剤とは異なり、分子構造中、ポリエーテル又はポリグリセリン構造を有しない化合物であり、具体例としては、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー(INCI)、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー(表示名称(INCI:Dimethicone/Phenyl Vinyl dimethicone crosspolymer))、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー(INCI)、(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビスビニルジメチコン)クロスポリマー(INCI)等が挙げられる。
【0072】
市販されている架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物の例としては、信越化学工業(株)製:KSG-15、KSG-1510、KSG-16、KSG-1610、KSG-19、KSG-016F、KSG-18A、KSG-41A、KSG-42A、KSG-43、KSG-44、KSG-45、KSG-042Z、KSG-045Z、KSG-048Z、KM-116等が挙げられる。
【0073】
(6)皮膜形成剤
皮膜形成剤は、主に化粧料の効果持続性を更に維持させる目的で配合される。特に限定はないが、撥水性付与の観点からシリコーン系組成物であることが好ましい。具体的には、トリメチルシロキシケイ酸、アクリル-シリコーン皮膜剤、シリコーン変性ノルボルネン、シリコーン変性プルラン、シリコーン変性ポリビニルアルコール等を使用することができる。
【0074】
シリコーン系組成物の皮膜形成剤の例としては、トリメチルシロキシケイ酸(表示名称(INCI:Trimethylsiloxysilicate))、(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー(INCI)、(ノルボルネン/トリス(トリメチルシロキシ)シリルノルボルネン)コポリマー(INCI)、トリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルラン(表示名称(INCI:Trimethylsiloxysilylcarbamoyl Pullulan))等が挙げられる。
【0075】
当該皮膜形成剤は、事前に室温で液状の油剤で溶解させてから化粧料に配合されてもよい。当該液状油剤としては、任意成分の(1)油剤中の液状のシリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができる。市販されているシリコーン皮膜形成剤の具体例としては、信越化学工業(株)製:KF-7312J、KP-545、KP-549、KP-543、NBN-30-ID、TSPL-30-ID,TSPL-30-D5等が挙げられる。
【0076】
(7)その他の添加剤
その他の添加剤としては、油溶性ゲル化剤、防腐剤・殺菌剤、制汗剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物等が挙げられる。
【0077】
・油溶性ゲル化剤
油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン;ラウロイルグルタミン酸(表示名称(INCI:Lauroyl Glutamic Acid))、α,γ-ジ-n-ブチルアミン等のアミノ酸誘導体;パルミチン酸デキストリン(表示名称(INCI:Dextrin Palmitate))、イソステアリン酸デキストリン(表示名称(INCI:Dextrin Isostearate))、ミリスチン酸デキストリン(表示名称(INCI:Dextrin Myristate))、ステアリン酸イヌリン(表示名称(INCI:Stearoyl Inulin))、(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン(表示名称(INCI:Dextrin Palmitate/Ethylhexanoate))等のデキストリン脂肪酸エステル;ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、フラクトオリゴ糖2-エチルヘキサン酸エステル等のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル;モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体;ジステアルジモニウムヘクトライト(INCI)、ステアラルコニウムヘクトライト(INCI)、ヘクトライトの有機変性粘土鉱物;ステアラルコニウムベントナイト(INCI)等が挙げられる。
【0078】
・防腐剤・殺菌剤
防腐剤・殺菌剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、イミダゾリジニルウレア、サリチル酸、イソプロピルメチルフェノール、石炭酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、ポリリジン、ビサボロール、エチルヘキシルグリセリン、カプリル酸グリセリル、カプリルヒドロキサム酸、ジメチロールプロパン酸へキシル、ポリアミノプロピルビグアニド、感光素、銀、植物エキス等が挙げられる。防腐剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特に、化粧料への配合が容易で防腐効果が期待できる、ポリリジン、ビサボロール、エチルヘキシルグリセリン、カプリル酸グリセリル、カプリルヒドロキサム酸、ジメチロールプロパン酸へキシル、ポリアミノプロピルビグアニド、エチルヘキシルグリセリン、フェノキシエタノールが好ましく、本発明の分散体との相溶性の点でエチルヘキシルグリセリン、フェノキシエタノール、カプリル酸グリセリルが特に好ましい。防腐剤を配合することで菌汚染を抑制し、分散体の保存性を向上することが期待できる。
【0079】
・制汗剤
制汗剤として、クロルヒドロキシAl、等のヒドロキシハロゲン化アルミニウム、塩化AL等のハロゲン化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、タンニン酸、カキタンニン、硫酸(Al/K)、酸化亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛、焼きミョウバン、テトラクロロ(Al/ジルコニウム)水和物、トリクロロハイドレックスグリシン(Al/ジルコニウム)等が挙げられる。特に、高い効果を発現する成分として、ヒドロキシハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化アルミニウム、ならびにこれらのオキシハロゲン化ジルコニル及びヒドロキシハロゲン化ジルコニルとの錯体又は混合物(例えば、テトラクロロ(Al/ジルコニウム)水和物、トリクロロハイドレックスグリシン(Al/ジルコニウム))等が好ましい。
【0080】
・香料
香料としては、天然香料及び合成香料がある。天然香料としては花、葉、材、果皮、等から分離した植物性香料;ムスク、シベット等の動物性香料がある。合成香料としてはモノテルペン等の炭化水素類、脂肪族アルコール、芳香族アルコール等のアルコール類;テルペンアルデヒド、芳香族アルデヒド等のアルデヒド類;脂環式ケトン等のケトン類;テルペン系エステル等のエステル類;ラクトン類;フェノール類;オキサイド類;含チッソ化合物類;アセタール類等が挙げられる。
【0081】
・塩類
塩類としては無機塩、有機酸塩、アミン塩及びアミノ酸塩が挙げられる。無機塩としては、例えば、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩等;有機酸塩としては、例えば、酢酸、デヒドロ酢酸、クエン酸、りんご酸、コハク酸、アスコルビン酸、ステアリン酸等の有機酸類の塩;アミン塩及びアミノ酸塩としては、例えば、トリエタノールアミン等のアミン類の塩、グルタミン酸等のアミノ酸類の塩等が挙げられる。また、その他、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の塩、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等や、さらには、化粧料処方の中で使用される酸-アルカリの中和塩等も使用することができる。特に塩化Naが溶解性、使用感、泡立ちの抑制の点で好ましい。多量配合した場合には水溶性高分子の膨潤を阻害してしまう場合がある。
【0082】
・酸化防止剤
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、カロチノイド、アスコルビン酸及びその塩、ステアリン酸アスコルビル、トコフェノール、酢酸トコフェノール、トコフェロール、p-t-ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸、フェルラ酸、チオタウリン、ヒポタウリン、亜硫酸塩、エリソルビン酸及びその塩、クロロゲン酸、エピカテキン、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、アピゲニン、カンフェロール、ミリセチン、ケルセチン等が挙げられる。酸化防止剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0083】
・pH調整剤
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl-リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
【0084】
・キレート剤
キレート剤としては、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等が挙げられる。
【0085】
・清涼剤
清涼剤としては、L-メントール、カンフル、乳酸メンチル等が挙げられる。
【0086】
・抗炎症剤
抗炎症剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びグリチルレチン酸ステアリル、トラネキサム酸、アズレン等が挙げられる。
【0087】
・美肌用成分
美肌用成分としては、プラセンタエキス、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤;肌荒れ改善剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール等の血行促進剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤、イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
【0088】
・ビタミン類
ビタミン類としては、ビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB6類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸-2-硫酸ナトリウム、L-アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、ニコチン酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール等のビタミンE類;ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類、ビタミンH、ビタミンP、パントテン酸カルシウム、D-パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン等が挙げられる。
【0089】
・アミノ酸類
アミノ酸類としては、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等が挙げられる。
【0090】
・核酸
核酸としては、デオキシリボ核酸等が挙げられる。
【0091】
・ホルモン
ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。
【0092】
・包接化合物
包接化合物としては、シクロデキストリン等が挙げられる。
【実施例】
【0093】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%、比率は質量比を示し、なお、製品名で記載されている量は、配合した製品の量である。
【0094】
〔水性分散剤の溶解可否〕
下記成分について、水及びBG中に20%で混合し、その後25℃にて1時間静置した場合、境界がなく透明~半透明な状態を「溶解する」とし、白濁や2層に分離するものを「溶解しない」とした。「透明~半透明な状態」とは、前記混合液を厚さ1cmのセルに充填し、JIS K7361-1:1997記載の方法に準拠して測定した全光線透過率が50%以上である。
【0095】
【0096】
[実施例]
下記表2に示す組成に基づき、ビーズミルを用いてスラリーを調製し、水性分散体を得た。得られた水性分散体の分散性を下記の評価基準にて評価した。結果を表中に併記する。
【0097】
[水性分散体の作製可否]
A:分散体が作製できる(一時的に沈降が見られるが、撹拌を続けると均一に分散する。)
D:分散体が作製できない
「A」を合格とした。
【0098】
[長期安定性評価]
水性分散体75gを50mL容器に入れ25℃恒温槽で1ヶ月保管し、長期安定性を下記評価基準により評価した。結果を下記の基準に従って判定した。
[判断基準]
粘度変化率(%)=[{(初期粘度)-(1か月後の粘度)}/(初期粘度)]×100
から、下記判断基準で示す。
A:1ヶ月後の粘度変化率が20%未満
B:1ヶ月後の粘度変化率が20%以上30%未満
C:1ヶ月後の粘度変化率が30%以上
D:上層に浮遊物がある
「C」以上を合格とした。
【0099】
[耐水性評価]
水性分散体塗付時の耐水性を、下記評価基準により評価した。結果を下記の基準に従って判定した。
[判断基準]
A:流水を1分間以上当てても落ちない
B:流水を30秒以上1分間未満当てても落ちない
C:流水を当てると10秒以上30秒未満の時間で落ちる
D:流水を当てると10秒未満の時間で落ちる
「C」以上を合格とした。
【0100】
[使用感評価]
塗付時の使用感(べたつきのなさ)を、下記評価基準により10名の専門パネラーが評価した。結果を10名の平均値に基づき、下記判断基準に従って判定した。
[評価基準]
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良
[判断基準]
A:平均点が4.5点以上
B:平均点が3.5点以上4.5点未満
C:平均点が2.5点以上3.5点未満
D:平均点が2.5点未満
「C」以上を合格とした。
【0101】
【0102】
【0103】
(注1)含水シリカ(表示名称(INCI:Hydrated Silica))で被覆され、さらにハイドロゲンジメチコン(表示名称(INCI:Hydrogen Dimethicone))で処理された微粒子の酸化チタン(表示名称(INCI:Titanium Dioxide))
透過型電子顕微鏡写真の画像解析法による個数平均一次粒子径15nm(透過型電子顕微鏡写真を基に画像解析法により測定した、200個の平均径)
(注2)ステアリン酸(表示名称(INCI:Stearic Acid))で処理された微粒子の酸化チタン(表示名称(INCI:Titanium Dioxide))
(注3)含水シリカ(表示名称(INCI:Hydrated Silica))で被覆された微粒子の酸化チタン(:表示名称(INCI:Titanium Dioxide))
【0104】
表2から明らかなように、本発明の実施例は、いずれも水系媒体への分散が良好な水性分散体(スラリー)が得られた。一方、(a)成分を含有しない比較例1は、分散体を作製できず、比較例2の分散体は作製できるが、長期安定性、耐水性、使用感に劣っていた。(b)成分を含有しない比較例4、(a)成分を70%以上含有する比較例3、(c)成分を含有しない比較例5~7、9~11は分散体を作製できず、比較例8の分散体は作製できるが、耐水性、使用感に劣っていた。
以下の実施例で使用されている微粒子酸化チタンの個数平均一次粒子径は、8~200nmの範囲であった。
【0105】
[実施例11、比較例12]
下記表4に示す処方でO/Wクリームを作製した。
[製造方法]
[実施例11]
A:成分5~12を混合した。
B:Aで得られた組成物に、成分4を加え乳化した。
C:Bで得られた乳化物に、成分1を加え混合し、O/Wクリームを得た。
[比較例12]
A:成分5~12を混合した。
B:成分2~4を三本ロールで混合した。
C:Aで得られた組成物に、Bで得られた組成物を加え乳化し、O/Wクリームを得た。
【0106】
[使用感評価、耐水性評価]
化粧料塗付時の化粧料の使用感(べたつきのなさ)、耐水性を前述水性分散体の評価と同様に行った。
【0107】
[透明性評価、使用感評価]
塗付時の透明性、使用感(べたつきのなさ)を、下記評価基準により10名の専門パネラーが評価した。結果を10名の平均値に基づき、下記判断基準に従って判定した。
[評価基準]
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良
[判断基準]
A:平均点が4.5点以上
B:平均点が3.5点以上4.5点未満
C:平均点が2.5点以上3.5点未満
D:平均点が2.5点未満
「C」以上を合格とした。
【0108】
【表4】
(注1)含水シリカ(表示名称(INCI:Hydrated Silica))で被覆され、さらにハイドロゲンジメチコン(表示名称(INCI:Hydrogen Dimethicone))で処理された微粒子の酸化チタン(表示名称(INCI:Titanium Dioxide))
透過型電子顕微鏡写真の画像解析法による個数平均一次粒子径15nm(透過型電子顕微鏡写真を基に画像解析法により測定した、200個の平均径)である。
【0109】
表4から明らかなように、本発明の分散体を用いた実施例11の化粧料は、塗付時の透明性が高く、べたつきがない良好な使用感であり、耐水性が確認された。一方、本発明の必須成分である(a)~(d)を含むが、本発明の水性分散体として配合されていない比較例12はいずれの評価も劣るものであった。
【0110】
[実施例12、比較例13]
下記表5に示す処方でW/Oクリームを作製した。
【0111】
[製造方法]
[実施例12]
A:成分4~8を混合した。
B:成分9~13を混合した。
C:Bで得られた組成物に、成分1を加え混合した。
D:Aで得られた組成物に、Cで得られた組成物を加え乳化し、W/Oクリームを得た。
[比較例13]
A:成分5~8を混合した。
B:成分9~13を混合した。
C:成分2~4を三本ロールで混合し、Aで得られた組成物と混合した。
D:Cで得られた組成物に、Bで得られた組成物を加え乳化し、W/Oクリームを得た。
【0112】
【表5】
(注1)含水シリカ(表示名称(INCI:Hydrated Silica))で被覆され、さらにハイドロゲンジメチコン(表示名称(INCI:Hydrogen Dimethicone))で処理された微粒子の酸化チタン(表示名称(INCI:Titanium Dioxide))
透過型電子顕微鏡写真の画像解析法による個数平均一次粒子径15nm(透過型電子顕微鏡写真を基に画像解析法により測定した、200個の平均径)
(注2)信越化学工業(株)製:ジメチコン(6cs)約70~80質量%+(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー約20~30質量%の混合物
(注3)信越化学工業(株)製:ジメチコン(6cs)約80~90質量%+(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー約10~20質量%の混合物
【0113】
本発明の分散体を用いた実施例12の化粧料は、塗付時の透明性が高く、べたつきがない良好な使用感であり、耐水性が確認された。一方、本発明の必須成分である(a)~(d)成分を含むが、本発明の水性分散体として配合されていない比較例13はいずれの評価も劣るものであった。
【0114】
[実施例13]水中油型サンスクリーン
組成 %
1.KSG-15(注1) 8.0
2.KSG-16(注2) 19.0
3.KSG-45(注3) 5.0
4.シクロペンタシロキサン 10.0
5.BG 3.0
6.KF-6100(注4) 0.6
7.KF-6104(注5) 0.3
8.(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー
水溶液(注6) 13.0
9.(アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー/
イソヘキサデカン/ポリソルベート80水溶液(注7) 0.6
10.塩化Na1%水溶液 8.0
11.水 12.5
12.シリコーン処理微粒子酸化チタン(注8)5%
・BG1%
・ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン(HLB10) 0.7%
・水3.3%
10.0
13.シリコーン処理微粒子酸化亜鉛(注9)5%
・BG1%
・ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン(HLB10) 0.7%
・水3.3%
10.0
合計 100.0
(注1)信越化学工業(株)製:シクロペンタシロキサン90~96質量%+(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー4~10質量%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:ジメチコン70~80質量%+(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー20~30質量%の混合物
(注3)信越化学工業(株)製:(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル60-70質量%+(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー30-40質量%の混合物
(注4)信越化学工業(株)製:ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン
(注5)信越化学工業(株)製:ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(注6)Clariant社製:AristoflexAVC
(注7)Seppic社製:Simulgel600
(注8)含水シリカ(:表示名称(INCI:Hydrated Silica))で被覆され、さらにトリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン(INCI)で処理された微粒子の酸化チタン(:表示名称(INCI:Titanium Dioxide))
(注9)信越化学工業(株)製:AES-3083(トリエトキシカプリリルシラン)処理
【0115】
(製造方法)
A:成分1~4を均一混合した。
B:成分5~11を均一混合した。
C:成分12、13をそれぞれビーズミルで均一分散した。
D:AをBに添加して乳化し、Cを添加し均一分散した。
以上のようにして得られた水中油型サンスクリーンは、安定性が高く、透明性が高く、べたつきがない良好な使用感で耐水性に優れていた。成分12、成分13は安定性に優れ、取り扱いや投入が容易であった。
【0116】
[実施例14]水中油型ベースクリーム
組成 %
1.水 残部
2.グリセリン 3.0
3.マイクロクリスタリンワックス 3.0
4.キサンタンガム 0.2
5.ペンチレングリコール 2.0
6.BG 5.0
7.含水シリカ・ハイドロゲンジメチコン処理微粒子酸化チタン 5.0
8.BG 1.0
9.ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(HLB12)(注1) 0.1
10.ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン (HLB10) 0.7
11.水 3.3
12.ヤシ脂肪酸スクロース 0.2
13.ステアリン酸ソルビタン 3.0
14.イソステアリン酸PEG-60グリセリル 0.5
15.ベヘニルアルコール 0.5
16.パルミチン酸エチルヘキシル 3.0
17.KSP-101 (注2) 3.0
18.トリエチルヘキサノイン 6.0
19.ポリヒドロキシステアリン酸 0.5
20.KTP-09W (注3) 適量
21.KTP-09R (注3) 適量
22.KTP-09Y (注3) 適量
23.KTP-09B (注3) 適量
24.ポリソルベート60 0.3
25.(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)
コポリマー(注4) 0.6
合計 100.0
(注1)水、BGに溶解
(注2)信越化学工業(株)製:(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー
(注3)信越化学工業(株)製:KF-9909処理着色無機顔料,W:白・R:赤・Y:黄・B:黒
(注4)SEPPIC社製:SIMULGEL EG
【0117】
(製造方法)
A:成分7~11をビーズミルで均一に分散した。
B:成分1~6を均一に混合し、Aを混合し均一にした。
C:成分12~16を加熱溶解し、成分17を混合し均一にした。
D:成分18~23を混合し、ロール処理した。
E:上記D工程で得られたものを上記C工程で得られたものに添加し均一に混合した。
F:加熱した上記E工程で得られたものを、加熱した上記B工程で得られたものに添加し、均一に乳化した。
G:上記F工程で得られたものを常温まで冷却後、成分24、25を添加し均一に混合した。
H:上記G工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し水中油型ベースクリームを得た。
以上のようにして得られた水中油型ベースクリームは、安定性が高く、透明性が高く、べたつきがない良好な使用感で耐水性に優れていた。Aで得られた分散体は安定性に優れ、取り扱いや投入が容易であった。
【0118】
[実施例15]水性ゲル
組成 %
1.実施例4の分散体 5.0
2.エタノール 3.5
3.BG 4.0
4.グリセリン 2.0
5.(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー
0.2
6.キサンタンガム 0.2
7.KSP-100W(注1) 1.0
8.フェノキシエタノール 0.3
9.水 残部
合計 100.0
(注1)信越化学工業(株)製:(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー
【0119】
(製造方法)
A:成分1,2を均一に混合した。
B:成分3~9を均一に混合した。
C:上記A工程で得られたものを上記B工程で得られたものに添加し均一に混合した。
D:上記C工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し水性ゲルを得た。
以上のようにして得られた水性ゲルは、塗布時のみずみずしさに優れ、安定性が高く、透明性が高く、べたつきがない良好な使用感で耐水性に優れていた。成分1は安定性に優れ、取り扱いや投入が容易であった。
【0120】
[実施例16]水中油型日焼け止め乳液
組成 %
1.含水シリカ・ハイドロゲンジメチコン処理微粒子酸化チタン 7.5
2.エタノール 0.5
3.BG 1.0
4.KS-66 (注1) 0.001
5.水 4.999
6.ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン(HLB10) 1.2
7.エチルヘキシルグリセリン 0.1
8.エタノール 9.5
9.BG 5.0
10.アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム
共重合体組成物(注2) 2.5
11.水 残部
12.KF-7312J(注3) 1.0
13.KF-56A(注4) 3.0
14.KSG-016F(注5) 1.0
15.セタノール 2.0
16.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5.0
17.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 1.0
18.ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 1.0
19.KF-6011(注6) 0.5
20.トコフェロール 0.05
合計 100.0
(注1)信越化学工業(株)製:シメチコン
(注2)SEPPIC社製:SIMULGEL EG
(注3)信越化学工業(株)製:トリメチルシロキシケイ酸50質量%のシクロペンタシロキサン溶解品
(注4)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン
(注5)信越化学工業(株)製:ジメチコン70~80質量%+(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー20~30質量%の混合物
(注6)信越化学工業(株)製:PEG-11メチルエーテルジメチコン
【0121】
(製造方法)
A:成分1~7をビーズミルで均一に分散した。
B:成分8~11を85℃まで加熱し、Aを添加し均一に混合した。
C:成分12~20を85℃まで加熱し、均一に混合した。
D:CをBに添加して85℃で乳化後、攪拌しながら徐冷し、水中油型日焼け止め乳液を得た。
以上のようにして得られた水中油型日焼け止め乳液は、安定性が高く、透明性が高く、べたつきがない良好な使用感で耐水性に優れていた。Aで得られた分散体は安定性に優れ、取り扱いや投入が容易であった。
【0122】
[実施例17]水中油型下地
組成 %
1.KP-545(注1) 3
2.KSG-19(注2) 5
3.KF-56A(注3) 5
4.シクロペンタシロキサン 10
5.含水シリカ・ハイドロゲンジメチコン処理微粒子酸化チタン 7.2
6.BG 1.8
7.ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン(HLB10) 1.6
8.水 20
9.BG 10
10.ベタイン 1
11.KF-6043(注4) 1.5
12.アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム
共重合体組成物(注5) 1
13.(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロス
ポリマー(2%水溶液) 20
14.アルギニン(10%水溶液) 適量
15.ビサボロール 0.1
16.エチルヘキシルグリセリン 0.1
17.EDTA-2Na(10%水溶液) 0.1
18.水 残部
合計 100.0
(注1)信越化学工業(株)製:(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー30質量%のシクロペンタシロキサン溶解品
(注2)信越化学工業(株)製:ジメチコン80~90質量%+(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー10~20質量%の混合物
(注3)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン
(注4)信越化学工業(株)製:PEG-10ジメチコン
(注5)SEPPIC社製:SIMULGEL EG
【0123】
(製造方法)
A:成分1~4を均一に混合した。
B:成分5~8をホモミキサーで均一に分散した。
C:成分9~18、Bを均一に混合した。
D:CにAを加え乳化し、O/W下地を得た。
以上のようにして得られた水中油型下地は、安定性が高く、透明性が高く、べたつきがない良好な使用感で耐水性に優れていた。Aで得られた分散体は安定性に優れ、取り扱いや投入が容易であった。
【0124】
[実施例18]水中油型リキッドファンデーション
組成 %
1.ステアリン酸 1.0
2.ベヘニルアルコール 0.4
3.ステアリン酸グリセリル 0.3
4.ミネラルオイル 10.0
5.トリオクタン酸グリセリル 5.0
6.KP-561P(注1) 3.0
7.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
8.モノオレイン酸ソルビタン 1.0
9.アクリレーツコポリマー 2.2
10.トリエタノールアミン 1.0
11.KF-6013(注2) 0.2
12.アルキル・POEパルミチルエーテルリン酸 0.1
13.POE硬化ヒマシ油 0.5
14.シリコーン処理酸化チタン(注3) 8.5
15.シリコーン処理ベンガラ(注3) 0.4
16.シリコーン処理黄酸化鉄(注3) 1.0
17.シリコーン処理黒酸化鉄(注3) 0.1
18.含水シリカ・ハイドロゲンジメチコン処理微粒子酸化チタン 5.0
19.DPG 3.0
20.ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン(HLB10) 0.7
21.水 3.3
22.BG 7.0
23.防腐剤 適量
24.香料 適量
25.水 残部
合計 100.0
(注1)信越化学工業(株)製:(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー
(注2)信越化学工業(株)製:PEG-9ジメチコン
(注3)信越化学工業(株)製:トリエトキシカプリリルシラン処理
【0125】
(製造方法)
A:成分11~13を22の一部と混合し、成分14~17を加えて均一分散し、加温した。
B:成分1~8を混合し、均一に加熱溶解した。
C:成分9~10及び22の残部、23、25を混合し、加温した。
D:成分18~21をディスパーで分散した。
E:攪拌下、CにBを添加して乳化し、Aを加え、さらにD及び成分24を添加し水中油型リキッドファンデーションを得た。
以上のようにして得られた水中油型リキッドファンデーションは、安定性が高く、透明性が高く、べたつきがない良好な使用感で耐水性に優れていた。Dで得られた分散体は、安定性に優れ、取り扱いや投入が容易であった。
【0126】
[実施例19]油中水型日焼け止め乳液
組成 %
1.KSG-210(注1) 2.0
2.KSG-790(注2) 1.0
3.KSG-15(注3) 2.0
4.KF-6028(注4) 1.0
5.ジメチコン6CS 3.0
6.KF-4418(注5) 2.0
7.シクロペンタシロキサン 5.0
8.イソノナン酸イソトリデシル 4.0
9.SPD-T5(注6) 5.0
10.SPD-Z5(注7) 15.0
11.SPD-Z7L(注8) 20.0
12.クエン酸Na 0.2
13.塩化Na 0.5
14.実施例5の分散体 20.0
15.防腐剤 適量
16.香料 適量
17.水 残部
合計 100.0
(注1)信越化学工業(株)製:ジメチコン70~80質量%+(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー20~30質量%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:カプリリルメチコン65~75質量%+(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー25~35質量%の混合物
(注3)信越化学工業(株)製:シクロペンタシロキサン90~96質量%+(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー4-10質量%の混合物
(注4)信越化学工業(株)製:PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(注5)信越化学工業(株)製:カプリリルメチコン
(注6)信越化学工業(株)製:微粒子酸化チタン40質量%のシクロペンタシロキサン分散物
(注7)信越化学工業(株)製:微粒子酸化亜鉛60質量%のシクロペンタシロキサン分散物
(注8)信越化学工業(株)製:微粒子酸化亜鉛60質量%のジメチコン分散物
【0127】
(製造方法)
A:成分1~8を均一に混合した。
B:成分12~17を均一に混合した。
C:攪拌下、BにAを添加して乳化し、成分9~11を添加し油中水型日焼け止め乳液を得た。
以上のようにして得られた油中水型日焼け止め乳液は、安定性が高く、透明性が高く、べたつきがない良好な使用感で耐水性に優れていた。成分14は安定性に優れ、取り扱いや投入が容易であった。
【0128】
[実施例20]水中油型日焼け止め乳液
組成 %
1.含水シリカ・ハイドロゲンジメチコン処理微粒子酸化チタン 10
2.BG 2
3.ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン(HLB10) 1.4
4.KM-72 (注1) 0.001
5.水 6.599
6.シクロペンタシロキサン 10
7.KF-56A (注2) 3
8.セタノール 0.5
9.モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 2.5
10.ステアリン酸グリセリル(SE) 0.5
11.KF-6011 (注3) 1
12.DPG 6
13.BG 6
14.カルボキシビニルポリマー 0.3
15.アクリル系高分子化合物 0.3
16.メチルパラベン 0.2
17.フェノキシエタノール 0.3
18.EDTA-2Na 適量
19.水 残部
20.水酸化ナトリウム10%水溶液 適量
21.KM-116 (注4) 2
合計 100.0
(注1)信越化学工業(株)製:シメチコンエマルション
(注2)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン
(注3)信越化学工業(株)製:PEG-11メチルエーテルジメチコン
(注4)信越化学工業(株)製:(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーエマルション
【0129】
(製造方法)
A:成分1~5を高圧分散機で均一に分散した。
B:成分6~8を均一に混合した。
C:成分9~19、Aを均一に混合した。
D:BをCに添加して乳化し、成分20を加えて均一に混合した。
E:成分21をDに添加し、均一に混合した。
以上のようにして得られた水中油型日焼け止め乳液は、安定性が高く、透明性が高く、べたつきがない良好な使用感で耐水性に優れていた。Aで得られた分散体は安定性に優れ、取り扱いや投入が容易であった。
【0130】
[実施例21]水中油型日焼け止め乳液
組成 %
1.TSPL-30-D5(注1) 3
2.KSG-18A(注2) 5
3.KF-56A(注3) 5
4.シクロペンタシロキサン 10
5.含水シリカ・ハイドロゲンジメチコン処理微粒子酸化チタン 10
6.BG 2
7.ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン(HLB10) 1.6
8.水 20
9.塩化Na 0.2
10.BG 10
11.KF-6043(注4) 1.5
12.アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム
共重合体組成物(注5) 1
13.(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー
(2%水溶液) 20
14.アルギニン(10%水溶液) 適量
15.EDTA-2Na(10%水溶液) 0.1
16.水 残部
合計 100.0
(注1)信越化学工業(株)製:トリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルラン30%のシクロペンタシロキサン溶解品
(注2)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン80~90質量%+(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー10~20質量%の混合物
(注3)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン
(注4)信越化学工業(株)製:PEG-10ジメチコン
(注5)SEPPIC社製:SEPILIFE NUDE
【0131】
(製造方法)
A:成分1~4を均一に混合した。
B:成分5~9をペイントシェイカーで均一に分散した。
C:成分10~16を均一に混合した。
D:CにAを加え乳化後、Bを混合して日焼け止め乳液を得た。
以上のようにして得られた日焼け止め乳液は、安定性が高く、透明性が高く、べたつきがない良好な使用感で耐水性に優れていた。Bで得られた分散体は安定性に優れ、取り扱いや投入が容易であった。
【0132】
[実施例22]水系日焼け止めミスト
組成 %
1.実施例4の分散体 15.0
2.エタノール 5.0
3.BG 4.0
4.グリセリン 2.0
5.クエン酸Na 0.1
6.クエン酸 0.02
7.香料 0.2
8.エチルヘキシルグリセリン 0.1
9.水 残部
合計 100.0
【0133】
(製造方法)
A:成分2,3、4、7、8を均一に混合する。
B:成分1、5、6,9を均一に混合する。
C:上記A工程で得られたものを上記B工程で得られたものに添加し均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを容器に充填し水系日焼け止めミストを得た。
以上のようにして得られた水系日焼け止めミストは、塗布時のみずみずしさに優れ、安定性が高く、透明性が高く、べたつきがない良好な使用感で耐水性に優れていた。成分1は安定性に優れ、取り扱いや投入が容易であった。
【0134】
[実施例23]W/Oリキッドファンデーション
組成 %
1.KSG-210(注1) 3.0
2.KSG-15(注2) 5.0
3.KF-6038(注3) 3.0
4.ジメチコン6CS 13.8
5.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5.0
6.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸 2.0
7.KF-6115(注4) 1.5
8.シリコーン処理酸化チタン(注5) 8.5
9.シリコーン処理ベンガラ(注5) 0.4
10.シリコーン処理黄酸化鉄(注5) 1.0
11.シリコーン処理黒酸化鉄(注5) 0.1
12.クエン酸Na 0.2
13.塩化Na 0.5
14.含水シリカ・水酸化Al・ハイドロゲンジメチコン処理
微粒子酸化チタン 10
15.BG 2
16.ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン(HLB10) 1.6
17.水 20
18.メチルパラベン 適量
19.香料 適量
20.BG 2
21.水 残部
合計 100.0
(注1)信越化学工業(株)製:ジメチコン70~80質量%+(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー20~30質量%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:シクロペンタシロキサン90~96質量%+(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー4~10質量%の混合物
(注3)信越化学工業(株)製:ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(注4)信越化学工業(株)製:ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(注5)信越化学工業(株)製:ハイドロゲンジメチコン処理
【0135】
(製造方法)
A:成分4の一部と7~11をロールミルで均一に混合した。
B:成分14~17をペイントシェイカーで均一に分散した。
C:成分1~6を均一に混合し、Aを加えて均一にした。
D:18~20を均一に混合し、21、12,13とBを加えて均一にした。
E:CにDを加え乳化してW/Oリキッドファンデーションを得た。
以上のようにして得られたW/Oリキッドファンデーションは、安定性が高く、透明性が高く、べたつきがない良好な使用感で耐水性に優れていた。Bで得られた分散体は安定性に優れ、取り扱いや投入が容易であった。
【要約】
【課題】水系媒体への分散性に優れ、分散安定性が高い微粒子無機粉体の水性分散体を提供することを目的とする。また、この水性分散体を配合し、安定性が高く、透明性、使用感(べたつきのなさ)、及び耐水性に優れた化粧料を提供する。
【解決手段】(a)透過型電子顕微鏡写真の画像解析法による個数平均一次粒子径が8~200nmであり、酸化チタン粒子がシリコーンで疎水化処理された、疎水化酸化チタン微粒子:10~70質量%、
(b)アルコール性水酸基を2個以上有する水性成分:1.0~30質量%、
(c)前記(b)成分に溶解するポリグリセリン変性シリコーン:1.0~20質量%、及び
(d)水:8~82質量%
を含有する水性分散体。
【選択図】なし