(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】空調設備および空調方法
(51)【国際特許分類】
F25D 13/00 20060101AFI20240509BHJP
F24F 3/147 20060101ALI20240509BHJP
F25B 17/08 20060101ALI20240509BHJP
F25D 23/00 20060101ALI20240509BHJP
F24F 9/00 20060101ALI20240509BHJP
F24F 5/00 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
F25D13/00 Z
F24F3/147
F25B17/08 Z
F25D23/00 306Z
F24F9/00 G
F24F5/00 101A
(21)【出願番号】P 2020119911
(22)【出願日】2020-07-13
【審査請求日】2023-05-30
(31)【優先権主張番号】P 2019141383
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000148357
【氏名又は名称】株式会社前川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】石塚 宗志
(72)【発明者】
【氏名】東海林 哲
(72)【発明者】
【氏名】伯水 航
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-115022(JP,A)
【文献】特開2013-238325(JP,A)
【文献】特開2012-026700(JP,A)
【文献】特開2011-117646(JP,A)
【文献】特開2008-224206(JP,A)
【文献】特開2007-315694(JP,A)
【文献】特開2011-149604(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00-49/04
F25D 1/00-31/00
F24F 1/00-13/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低温の冷凍冷蔵倉庫に使用される空調設備であって、
F級の冷却室の冷却に用いられる第1CO
2冷媒が循環する第1CO
2循環路と、
C級の冷却室の冷却に用いられる第2CO
2冷媒が循環する第2CO
2循環路と、
外気が処理された被処理空気に含まれる水蒸気を吸着するデシカントロータを備えるデシカント空調機と、
前記デシカント空調機に設けられ、前記第2CO
2循環路を循環する第2CO
2冷媒と熱交換する第2ブラインによって、前記被処理空気を冷却除湿する外気予冷用熱交換器と、
前記第1CO
2循環路を循環する前記第1CO
2冷媒と熱交換する第1ブラインにより、前記デシカントロータによって前記水蒸気が吸着された前記被処理空気を冷却する空気冷却コイルと、
前記空気冷却コイルによって冷却された前記被処理空気を前記F級の冷却室に対応するF級の荷捌き室内に給気する第1吹き出し部と、を有する空調設備。
【請求項2】
前記被処理空気の流通路のうち前記デシカント空調機および前記空気冷却コイルの間に設けられ、前記デシカントロータにより前記水蒸気が吸着された前記被処理空気を、前記第2CO
2冷媒によって冷却する耐圧型空気冷却コイルと、
前記耐圧型空気冷却コイルによって冷却された前記被処理空気を前記C級の冷却室に対応するC級の荷捌き室内に給気する第2吹き出し部と、をさらに有する、請求項1に記載の空調設備。
【請求項3】
前記第1吹き出し部から給気される前記被処理空気は、前記F級の荷捌き室に設けられる断熱扉の中心に向けて吹き下ろされ、
前記第2吹き出し部から給気される前記被処理空気は、前記C級の荷捌き室に設けられる断熱扉の中心に向けて吹き下ろされる、請求項2に記載の空調設備。
【請求項4】
前記被処理空気の流通路に設けられる第1ダンパーと、
前記
第1ダンパーの上流側の前記流通路に対して分岐して設けられ排気口に連通する分岐路に設けられる第2ダンパーと、を有
し、
前記第1ダンパーが閉鎖して、前記第2ダンパーが開放されることによって、前記被処理空気が前記排気口から排気される、請求項1~3のいずれか1項に記載の空調設備。
【請求項5】
低温の冷凍冷蔵倉庫に使用される空調方法であって、
外気をデシカント空調機に取り込む取り込み工程と、
前記取り込み工程において、前記デシカント空調機に取り込んだ前記外気を、第2CO
2循環路を循環する第2CO
2冷媒と熱交換する第2ブラインによって冷却除湿する冷却除湿工程と、
前記冷却除湿工程において前記外気が冷却除湿処理された被処理空気に含まれる水蒸気を、前記デシカント空調機に設けられるデシカントロータによって吸着する吸着工程と、
前記吸着工程において吸着除湿された前記被処理空気を、第1CO
2循環路を循環する第1CO
2冷媒と熱交換する第1ブラインによって冷却する冷却工程と、
前記冷却工程において冷却された前記被処理空気をF級の冷却室に対応するF級の荷捌き室に給気する給気工程と、を有する空調方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低温の冷凍冷蔵倉庫に使用される空調設備および空調方法に関する。
【背景技術】
【0002】
低温のCO2冷媒液を循環させて、冷却室の空気冷却器に導き、空気冷却器の熱交換器ファンで冷却室を冷却する低温の冷凍冷蔵倉庫が知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
庫内温度を-25℃以下に維持して、保冷品を保管するF級の冷凍庫には、低温のCO2レシーバに貯留されたCO2冷媒液は、例えば-32℃で冷却室内の空気冷却器に送られて、熱交換器ファンによって冷却室内の空気と熱交換し、冷却室内の空気を冷却し、室内温度をF級レベルの-25℃以下に維持する。熱交換後のCO2冷媒液は、CO2レシーバに戻り、一次冷凍サイクルで冷却液化されてCO2レシーバに貯留する。
【0004】
一方、野菜、牛乳、ヨーグルト等のチルド品を保管するために、低温の冷凍冷蔵倉庫では冷却室内の温度がC級レベルの+10℃~-5℃の冷却室も設けられる。C級レベルの冷却室内の空気冷却器には、例えば-7℃のCO2冷媒液が送られる。
【0005】
F級レベルの冷却室およびC級レベルの冷却室を併用する低温の冷凍冷蔵倉庫では、F級の冷却室の冷却に用いられる-32℃の第1CO2冷媒液循環路と、C級の冷却室の冷却に用いられる-7℃の第2CO2冷媒液循環路が設けられる。
【0006】
一般の冷蔵庫には、保冷品を冷蔵庫に出し入れする際に作業を行う荷捌き室があり、冷蔵庫の冷熱を逃がさず、かつ作業に支障をきたさない0~10℃の温度に保温されている。(例えば特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2015-222145号公報
【文献】特開2014-115022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
低温物流チェーンにおいて、一時的な荷捌き室の作業中の保冷品に発生する結露等が低温管理の上で大きな問題となっていた。
【0009】
F級低温物流倉庫においては、上述の先行文献に記載されているように、荷捌き室の室温が、冷蔵庫の冷熱を逃がさず、かつ作業に支障をきたさない0~10℃の温度に保温されていた。このため、F級低温保管庫に保管されている品物は、荷捌き室で低温物流チェーンの温度が途切れてしまう状態にあり、品質維持の重要な問題となっていた。その解決のために、荷捌き室の室音をF級温度と同様な低温の低温荷捌き室にすることが求められている。しかしながら、荷捌き室をF級温度と同様な低温の低温荷捌き室にするためには、床面が-15℃~-25℃になっているので、入出庫に伴う外気からの高湿度暖気の侵入があるとすぐにアイスリンク状態になり、人の転倒やフォークリフトのスリップが発生する問題や低温荷捌き室を冷却する冷却器が外気の暖気などですぐに着霜してしまうなどの問題がある。また、保冷品の表面が結露するとか、氷結することにより商品価値が低下する虞がある。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために発明されたものであり、F級の荷捌き室において、温度環境を維持しつつ、入出庫に伴う外気からの高湿度暖気の侵入を防止するとともに、空気冷却器の着霜を防止することのできる空調設備および空調方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成する本発明に係る空調設備は、低温の冷凍冷蔵倉庫に使用される空調設備である。空調設備は、F級の冷却室の冷却に用いられる第1CO2冷媒が循環する第1CO2循環路と、C級の冷却室の冷却に用いられる第2CO2冷媒が循環する第2CO2循環路と、外気が処理された被処理空気に含まれる水蒸気を吸着するデシカントロータを備えるデシカント空調機と、前記デシカント空調機に設けられ、前記第2CO2循環路を循環する第2CO2冷媒と熱交換する第2ブラインによって、前記被処理空気を冷却除湿する外気予冷用熱交換器と、前記第1CO2循環路を循環する前記第1CO2冷媒と熱交換する第1ブラインにより、前記デシカントロータによって前記水蒸気が吸着された前記被処理空気を冷却する空気冷却コイルと、前記空気冷却コイルによって冷却された前記被処理空気を前記F級の冷却室に対応するF級の荷捌き室内に給気する第1吹き出し部と、を有する。
【0012】
また、上記目的を達成する本発明に係る空調方法は、低温の冷凍冷蔵倉庫に使用される空調方法である。空調方法は、外気をデシカント空調機に取り込む取り込み工程と、前記取り込み工程において、前記デシカント空調機に取り込んだ前記外気を、第2CO2循環路を循環する第2CO2冷媒と熱交換する第2ブラインによって冷却除湿する冷却除湿工程と、前記冷却除湿工程において前記外気が冷却除湿処理された被処理空気に含まれる水蒸気を、前記デシカント空調機に設けられるデシカントロータによって吸着する吸着工程と、前記吸着工程において吸着除湿された前記被処理空気を、第1CO2循環路を循環する第1CO2冷媒と熱交換する第1ブラインによって冷却する冷却工程と、前記冷却工程において冷却された前記被処理空気をF級の冷却室に対応するF級の荷捌き室に給気する吹き出し工程と、を有する。
【発明の効果】
【0013】
上記の空調設備および空調方法によれば、第1ブラインによって冷却された被処理空気をF級の荷捌き室内に給気する。このため、F級の荷捌き室の低温状態を維持しつつ、F級の荷捌き室内を陽圧にすることができる。また、外気予冷用熱交換器およびデシカント空調機によって、被処理空気の露点温度を下げることができる。したがって、F級の荷捌き室において、温度環境を維持しつつ、入出庫に伴う外気からの高湿度暖気の侵入を防止するとともに、空気冷却器の着霜を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る空調設備を示す概略図である。
【
図2】本発明の第2実施形態に係る空調設備を示す概略図である。
【
図3】第1吹き出し部から給気される被処理空気が、断熱扉に向けて吹き下ろされる様子を示す概略図である。
【
図4】断熱扉の変形例を示す
図3に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態を、
図1を参照しつつ説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0016】
図1は、本発明の第1実施形態に係る空調設備1を示す概略図である。
【0017】
第1実施形態に係る空調設備1は、低温の冷凍冷蔵倉庫に使用される。具体的には、空調設備1は、1階の外気に面する荷捌き室R1、R2に好適に用いることができる。ここで、荷捌き室R1は、F級の冷却室に隣接する荷捌き室であって、F級の荷捌き室に相当する。また、荷捌き室R2は、C級の冷却室に隣接する荷捌き室であって、C級の荷捌き室に相当する。以下の説明において、デシカント空調機30に取り込む前の空気を外気と称し、外気予冷用熱交換器31Bによって冷却除湿された以降の空気を被処理空気と称する。
【0018】
空調設備1は、
図1に示すように、F級の冷却室用の第1冷凍システム10と、C級の冷却室用の第2冷凍システム20と、デシカントロータ34を備えるデシカント空調機30と、第1冷凍システム10を循環する第1CO
2冷媒と熱交換する第1ブラインが循環する第1ブライン回路40と、第1冷凍システム10を循環する第1CO
2冷媒および第1ブライン回路40を循環する第1ブライン間で熱交換する第1プレート熱交換器50と、第2冷凍システム20を循環する第2CO
2冷媒と熱交換する第2ブラインが循環する第2ブライン回路60と、第2冷凍システム20を循環する第2CO
2冷媒および第2ブライン回路60を循環する第2ブライン間で熱交換する第2プレート熱交換器70と、デシカント空調機30の下流に設けられ第2冷凍システム20を循環する第2CO
2冷媒によって被処理空気を冷却する耐圧型空気冷却コイル80と、第1ブライン回路40を循環する第1ブラインによって被処理空気を冷却する空気冷却コイル90と、F級の冷却室に対応するF級の荷捌き室R1に被処理空気を給気する第1吹き出し部100と、C級の冷却室に対応するC級の荷捌き室R2内に被処理空気を給気する第2吹き出し部110と、第1冷凍システム10を循環する第1CO
2冷媒によって、F級の荷捌き室R1の空気を冷却する第1空気冷却器120と、第2冷凍システム20を循環する第2CO
2冷媒によって、C級の荷捌き室R2の空気を冷却する第2空気冷却器130と、を有する。
【0019】
第1冷凍システム10は、
図1に示すように、F級の冷却室の冷却に用いられる第1CO
2冷媒が循環する第1CO
2循環路11と、第1CO
2冷媒を貯留するための第1CO
2受液器12と、アンモニア冷媒が循環する第1アンモニア冷凍サイクル13と、を有する。
【0020】
第1CO
2循環路11は、
図1に示すように、第1CO
2冷媒が循環するように構成されている。第1CO
2循環路11は、第1CO
2受液器12から第1プレート熱交換器50に第1CO
2冷媒を送る第1CO
2送りライン11Aと、第1プレート熱交換器50から出てくる第1CO
2冷媒を第1CO
2受液器12に戻す第1CO
2戻りライン11Bと、ガス化した第1CO
2冷媒を再液化する第1再液化ライン11Cと、を有する。
【0021】
第1CO2送りライン11Aは、第1CO2受液器12の下方に接続されている。また、第1CO2戻りライン11Bは、第1CO2受液器12の上方に接続されている。
【0022】
第1CO2送りライン11Aには、第1ポンプP1が設けられ、第1ポンプP1によって、第1CO2受液器12内の液状の第1CO2冷媒は、第1プレート熱交換器50に流れる。
【0023】
また、第1CO2循環路11には、第1CO2送りライン11Aから分岐して、第1空気冷却器120を通過して、第1CO2戻りライン11Bに戻る第3CO2循環路15が接続されている。
【0024】
第1CO2循環路11および第3CO2循環路15を循環する第1CO2冷媒の温度は、例えば-32℃である。
【0025】
第1再液化ライン11Cは、第1CO2受液器12の上方に接続されている。第1CO2受液器12内のガス状の第1CO2冷媒は、第1再液化ライン11Cを通る際に、第1アンモニア冷凍サイクル13によって再液化される。そして、再液化された液状の第1CO2冷媒は、第1CO2受液器12に戻る。
【0026】
第1アンモニア冷凍サイクル13は、アンモニア冷媒が循環する。第1アンモニア冷凍サイクル13は、ガス状の第1CO2冷媒を冷却して液化する。第1アンモニア冷凍サイクル13は、第1CO2液化器14と、冷凍機と、凝縮器と、アンモニア受液器と、膨張弁と、を有する。第1アンモニア冷凍サイクル13としては、公知のアンモニア二段圧縮冷凍サイクルを用いることができるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0027】
第2冷凍システム20は、
図1に示すように、C級の冷却室の冷却に用いられる第2CO
2冷媒が循環する第2CO
2循環路21と、第2CO
2冷媒を貯留するための第2CO
2受液器22と、アンモニア冷媒が循環する第2アンモニア冷凍サイクル23と、を有する。
【0028】
第2CO
2循環路21は、
図1に示すように、第2CO
2冷媒が循環するように構成されている。第2CO
2循環路21は、第2CO
2受液器22から第2プレート熱交換器70に第2CO
2冷媒を送る第2CO
2送りライン21Aと、第2プレート熱交換器70から出てくる第2CO
2冷媒を第2CO
2受液器22に戻す第2CO
2戻りライン21Bと、ガス化した第2CO
2冷媒を再液化する第2再液化ライン21Cと、を有する。
【0029】
第2CO2送りライン21Aは、第2CO2受液器22の下方に接続されている。また、第2CO2戻りライン21Bは、第2CO2受液器22の上方に接続されている。
【0030】
第2CO2送りライン21Aには、第2ポンプP2が設けられ、第2ポンプP2によって、第2CO2受液器22内の液状の第2CO2冷媒は、第2プレート熱交換器70に流れる。
【0031】
また、第2CO2循環路21には、第2CO2送りライン21Aから分岐して、耐圧型空気冷却コイル80を通過して、第2CO2戻りライン21Bに戻る第4CO2循環路25が接続されている。
【0032】
また、第4CO2循環路25には、第4CO2循環路25から分岐して、第2空気冷却器130を通過して、第4CO2循環路25に戻る第5CO2循環路26が接続されている。
【0033】
第2再液化ライン21Cは、第2CO2受液器22の上方に接続されている。第2CO2受液器22内のガス状の第2CO2冷媒は、第2再液化ライン21Cを通る際に、第2アンモニア冷凍サイクル23によって再液化される。そして、再液化された液状の第2CO2冷媒は、第2CO2受液器22に戻る。
【0034】
第2アンモニア冷凍サイクル23は、アンモニア冷媒が循環する。第2アンモニア冷凍サイクル23は、ガス状の第2CO2冷媒を冷却して液化する。第2アンモニア冷凍サイクル23は、第2CO2液化器24と、冷凍機と、凝縮器と、アンモニア受液器と、膨張弁と、を有する。第2アンモニア冷凍サイクル23としては、公知のアンモニア単段圧縮冷凍サイクルを用いることができるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0035】
デシカント空調機30は、
図1に示すように、調整室31と再生室32とが、隔壁33を介して並設されている。調整室31には、第1吸引ファン31A、外気予冷用熱交換器31B、および露点温度センサ31Cが設けられる。再生室32には、第2吸引ファン32Aおよび再生ヒータ32Bが設けられている。また、デシカント空調機30には、調整室31および再生室32にまたがってデシカントロータ34が配置されている。
【0036】
第1吸引ファン31Aおよび第2吸引ファン32Aによって、調整室31および再生室32には、互いに逆向きの空気流が形成される。
【0037】
調整室31には、第1吸引ファン31Aにより、外気予冷用熱交換器31Bによって冷却除湿された外気が取り込まれる。
【0038】
外気予冷用熱交換器31Bは、第2CO2循環路21を循環する第2CO2冷媒と熱交換するとともに第2ブライン回路60を循環する第2ブラインによって、外気を冷却除湿する。露点温度センサ31Cは、冷却除湿された被処理空気の露点温度を測定する。
【0039】
外気予冷用熱交換器31Bは、第2ブライン回路60を循環する第2ブラインおよび外気を熱交換するため、一般的に大型になる。しかしながら、第2ブライン回路60を循環する第2ブラインは高圧ではないため、安価な一般的なデシカント空調機30の予冷コイル(プレートフィンチューブ熱交換器)を用いることができる。
【0040】
デシカントロータ34は、不図示の回転軸を中心に回転可能に配置されている。デシカントロータ34は、吸着剤を担持しており、調整室31では、デシカントロータ34で被処理空気に含まれる水蒸気を吸着して除去する。デシカントロータ34の水蒸気を吸着した領域は、再生室32に移動し、再生室32では、吸着した水蒸気を再生用空気の保有熱により、再生用空気に放出する。デシカントロータ34は、吸着剤を含侵した特殊シートでハニカム上に構成されている。吸着剤は、例えば、シリカゲルやゼオライト等の無機系吸着剤、または高分子吸着剤が用いられる。
【0041】
吸着材は、水蒸気を吸着するとき、吸着熱を放出するため、デシカントロータ34を通過した後の被処理空気は通過前より昇温する。
【0042】
再生室32には、第2吸引ファン32Aによって外気が取り込まれる。再生室32に取り込まれた外気は、再生ヒータ32Bで加熱される。再生ヒータ32Bで加熱された空気は、再生用空気としてデシカントロータ34に送られ、再生ヒータ32Bで加熱された保有熱によってデシカントロータ34に吸着されている水蒸気を放出させる。
【0043】
第1ブライン回路40は、
図1に示すように、第1プレート熱交換器50および空気冷却コイル90を連結するように配置されている。第1ブライン回路40には、第1ブラインが循環する。第1ブライン回路40内の第1ブラインは、第3ポンプP3によって、循環される。第1ブライン回路40を循環する第1ブラインは、第1プレート熱交換器50において、例えば-20℃から-25℃に冷却され、空気冷却コイル90において、例えば-25℃から-20℃に加熱される。
【0044】
第1プレート熱交換器50は、
図1に示すように、第1冷凍システム10の第1CO
2循環路11を循環する第1CO
2冷媒および第1ブライン回路40を循環する第1ブライン間で熱交換する。第1プレート熱交換器50としては公知のプレート熱交換器を用いることができるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0045】
第2ブライン回路60は、
図1に示すように、第2プレート熱交換器70および外気予冷用熱交換器31Bを連結するように配置されている。第2ブライン回路60には、第2ブラインが循環する。第2ブライン回路60内の第2ブラインは、第4ポンプP4によって、循環される。第2ブライン回路60を循環する第2ブラインは、第2プレート熱交換器70において、例えば5℃から0℃に冷却され、外気予冷用熱交換器31Bにおいて、例えば0℃から5℃に加熱される。
【0046】
第2プレート熱交換器70は、
図1に示すように、第2冷凍システム20の第2CO
2循環路21を循環する第2CO
2冷媒および第2ブライン回路60を循環する第2ブライン間で熱交換する。第2プレート熱交換器70としては公知のプレート熱交換器を用いることができるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0047】
耐圧型空気冷却コイル80は、デシカント空調機30の下流に設けられる。デシカント空調機30および耐圧型空気冷却コイル80の間には、デシカント空調機30によって処理された被処理空気が流通する第1流通路81が設けられる。第1流通路81には第1ダンパーD1が設けられる。第1ダンパーD1の開閉は、不図示の制御部によって行われる。
【0048】
また、デシカント空調機30の下流には、第1流通路81から分岐してデシカント空調機30によって処理された被処理空気を外部に排気することのできる分岐路84が設けられる。分岐路84には、第2ダンパーD2が設けられる。第2ダンパーD2の開閉は、不図示の制御部によって行われる。
【0049】
耐圧型空気冷却コイル80において、第1流通路81を流れてきた被処理空気は、第4CO2循環路25を循環する第2CO2冷媒によって、例えば、28℃から3℃に冷却される。
【0050】
耐圧型空気冷却コイル80および第2吹き出し部110の間には、耐圧型空気冷却コイル80によって冷却された被処理空気が流通する第2流通路82が設けられる。
【0051】
耐圧型空気冷却コイル80および空気冷却コイル90の間には、耐圧型空気冷却コイル80によって冷却された被処理空気が流通する第3流通路83が設けられる。第3流通路83は、第2流通路82から分岐するように構成されている。
【0052】
空気冷却コイル90において、第3流通路83を流れてきた被処理空気は、第1ブライン回路40を循環する第1ブラインによって、例えば、3℃から-13℃に冷却される。
【0053】
空気冷却コイル90および第1吹き出し部100の間には、空気冷却コイル90によって冷却された被処理空気が流通する第4流通路91が設けられる。
【0054】
空気冷却コイル90は、第1ブライン回路40を循環する第1ブラインが高圧ではないため、安価な一般的なエアコイル(プレートフィンチューブ熱交換器)を用いることができる。
【0055】
第1吹き出し部100は、
図1に示すように、F級の荷捌き室R1に、空気冷却コイル90によって冷却された被処理空気を給気する。具体的には、
図3に示すように、第1吹き出し部100から給気される被処理空気は、F級の荷捌き室R1に設けられる断熱扉G1の中心に向けて吹き下ろされる。第1吹き出し部100は、F級の荷捌き室R1内に設けられる。第1吹き出し部100が設けられる個数は特に限定されないが、例えば5つである。このように第1吹き出し部100は、F級の荷捌き室R1に、空気冷却コイル90によって冷却された被処理空気を給気するため、F級の荷捌き室R1の内部を陽圧にすることができ、外から高湿度暖気が侵入することを好適に防止することができる。また、F級の荷捌き室R1の温度環境を維持することができる。このときのF級の荷捌き室R1の圧力は、例えば大気圧+32Paである。また、第1吹き出し部100から給気される被処理空気は、F級の荷捌き室R1の断熱扉G1の中心に向けて吹き下ろされるため、断熱扉G1を開いた際、外部からの湿気を帯びた暖気(鉛直方向の上方に移動する)に照射される。したがって、吹き下ろされた乾燥した被処理空気に対して暖気の水分が溶け込むため、結露および着霜の発生を好適に防止することができる。なお、断熱扉G1の構成は、
図3に示す引き出し式の構成に限定されず、公知の断熱扉(例えば
図4に示すスライド式の断熱扉G3)、または公知の断熱扉(例えば
図5に示すオーバースライド式の断熱扉G4)であってもよい。
【0056】
第2吹き出し部110は、
図1に示すように、C級の荷捌き室R2に、耐圧型空気冷却コイル80によって冷却された被処理空気を給気する。具体的には、
図3に示す第1吹き出し部100と同様に、第2吹き出し部110から給気される被処理空気は、C級の荷捌き室R2に設けられる断熱扉G2の中心に向けて吹き下ろされる(
図1参照)。第2吹き出し部110は、C級の荷捌き室R2内に設けられる。第2吹き出し部110が設けられる個数は特に限定されないが、例えば5つである。このように第2吹き出し部110は、C級の荷捌き室R2に、耐圧型空気冷却コイル80によって冷却された被処理空気を給気するため、C級の荷捌き室R2の内部を陽圧にすることができ、外から高湿度暖気が侵入することを好適に防止することができる。また、C級の荷捌き室R2の温度環境を維持することができる。このときのC級の荷捌き室R2の圧力は、例えば大気圧+32Paである。また、第2吹き出し部110から給気される被処理空気は、C級の荷捌き室R2の断熱扉G2の中心に向けて吹き下ろされるため、断熱扉G2を開いた際、外部からの湿気を帯びた暖気(鉛直方向の上方に移動する)に照射される。したがって、吹き下ろされた乾燥した被処理空気に対して暖気の水分が溶け込むため、結露および着霜の発生を好適に防止することができる。
【0057】
第1空気冷却器120は、
図1に示すように、F級の荷捌き室R1内に設けられる。第1空気冷却器120において第1ファンF1が回転することによって、第3CO
2循環路15を循環する第1CO
2冷媒により、F級の荷捌き室R1が冷却される。ここで被処理空気は露点温度が-30℃であるため、第1空気冷却器120において霜の発生を防止できる。
【0058】
第2空気冷却器130は、
図1に示すように、C級の荷捌き室R2内に設けられる。第2空気冷却器130において第2ファンF2が回転することによって、第5CO
2循環路26を循環する第2CO
2冷媒により、C級の荷捌き室R2が冷却される。
【0059】
次に、
図1を参照して、第1実施形態に係る空調設備1を用いた空調方法について説明する。
【0060】
まず、外気を、デシカント空調機30に取り込む(取り込み工程)。このとき、外気は、調整室31内の第1吸引ファン31Aによって、デシカント空調機30内に吸引される。デシカント空調機30に取り入れる前の外気は、例えば、温度35℃、湿度60%、露点温度26℃である。
【0061】
そして、デシカント空調機30に取り込まれた外気を、外気予冷用熱交換器31Bによって冷却除湿する(冷却除湿工程)。外気予冷用熱交換器31Bによって冷却除湿された被処理空気は、例えば温度が5℃である。具体的には、デシカント空調機30に取り込まれた空気は、第2CO2循環路21を循環する第2CO2冷媒と熱交換する第2ブラインによって冷却除湿される。第2ブライン回路60を循環する第2ブラインは、デシカント空調機30に取り込まれた外気を冷却除湿することによって、0℃から5℃に昇温する。
【0062】
そして、被処理空気をデシカントロータ34によって吸着除湿して、被処理空気に含まれる水蒸気を吸着する(吸着工程)。吸着工程において、水蒸気が吸着された被処理空気は、露点が安定するまでは、第1ダンパーD1が閉鎖されて第2ダンパーD2が開放されることによって、排気される。そして、水蒸気が吸着された被処理空気は、露点が安定すると、第1ダンパーD1が開放されて第2ダンパーD2が閉鎖されることによって、第1流通路81を介して、耐圧型空気冷却コイル80に向けて流通する。このときの被処理空気は、例えば温度28℃、湿度1%、露点温度-30℃である。
【0063】
上記のように、第1吸引ファン31Aによって吸引された外気は、外気予冷用熱交換器31Bによって冷却除湿した後に、デシカントロータ34で吸着除湿される。このため、外気予冷用熱交換器31Bによって冷却除湿することなくデシカントロータ34で吸着除湿する場合と比較して、デシカントロータ34の除湿負荷は軽減され、長寿命化が図れる。
【0064】
そして、第1流通路81を流れてきた被処理空気は、耐圧型空気冷却コイル80において、第4CO2循環路25を循環する第2CO2冷媒によって、例えば28℃から3℃に冷却される。
【0065】
そして、耐圧型空気冷却コイル80において、28℃から3℃に冷却された被処理空気は、第2流通路82を介して、第2吹き出し部110に流れて、第2吹き出し部110によってC級の荷捌き室R2の内部に給気される。このとき、C級の荷捌き室R2内の温度は、例えば0℃~+5℃である。
【0066】
一方、耐圧型空気冷却コイル80において、28℃から3℃に冷却された被処理空気は、第3流通路83を介して、空気冷却コイル90に流れる。
【0067】
そして、第3流通路83を流れてきた被処理空気は、空気冷却コイル90において、第1ブライン回路40を循環する第1ブラインによって、例えば3℃から-13℃に冷却される(冷却工程)。
【0068】
そして、空気冷却コイル90において、3℃から-13℃に冷却された被処理空気は、第4流通路91を介して、第1吹き出し部100に流れて、第1吹き出し部100によってF級の荷捌き室R1の内部に給気される(給気工程)。このとき、F級の荷捌き室R1内の温度は、-15℃であった。
【0069】
以上説明したように、本実施形態に係る空調設備1は、低温の冷凍冷蔵倉庫に使用される空調設備1である。空調設備1は、F級の冷却室の冷却に用いられる第1CO2冷媒が循環する第1CO2循環路11と、C級の冷却室の冷却に用いられる第2CO2冷媒が循環する第2CO2循環路21と、外気が処理された被処理空気に含まれる水蒸気を吸着するデシカントロータ34を備えるデシカント空調機30と、デシカント空調機30に設けられ、第2CO2循環路21を循環する第2CO2冷媒と熱交換する第2ブラインによって、被処理空気を冷却除湿する外気予冷用熱交換器31Bと、第1CO2循環路11を循環する第1CO2冷媒と熱交換する第1ブラインにより、デシカントロータ34によって前記水蒸気が吸着された前記被処理空気を冷却する空気冷却コイル90と、空気冷却コイル90によって冷却された被処理空気をF級の冷却室に対応するF級の荷捌き室R1内に給気する第1吹き出し部100と、を有する。このように構成された空調設備1によれば、第1ブラインによって冷却された被処理空気をF級の荷捌き室R1内に給気する。このため、F級の荷捌き室R1の低温状態を維持しつつ、F級の荷捌き室R1内を陽圧にすることができる。また、外気予冷用熱交換器31Bおよびデシカント空調機30によって、被処理空気の露点温度を-30℃まで下げることができる。したがって、F級の荷捌き室R1において、温度環境を維持しつつ、入出庫に伴う外気からの高湿度暖気の侵入を防止するとともに、第1空気冷却器120の着霜を防止することができる。
【0070】
また、空調設備1は、被処理空気の流通路のうちデシカント空調機30および空気冷却コイル90の間に設けられ、デシカントロータ34により水蒸気が吸着された被処理空気を、第2CO2冷媒によって冷却する耐圧型空気冷却コイル80と、耐圧型空気冷却コイル80によって冷却された被処理空気をC級の冷却室に対応するC級の荷捌き室R2内に給気する第2吹き出し部110と、をさらに有する。このように構成された空調設備1によれば、C級の荷捌き室R2の低温状態を維持しつつ、C級の荷捌き室R2内を陽圧にすることができる。
【0071】
また、空調設備1は、被処理空気の第1流通路81に設けられる第1ダンパーD1と、被処理空気の第1流通路81に対して分岐して設けられ排気口に連通する分岐路84に設けられる第2ダンパーD2と、を有する。このように構成された空調設備1によれば、露点が安定するまでは第1ダンパーD1を閉鎖して第2ダンパーD2を開放することによって、被処理空気を排気するができる。
【0072】
また、以上説明したように、本実施形態に係る空調方法は、低温の冷凍冷蔵倉庫に使用される空調方法である。空調方法は、外気をデシカント空調機30に取り込む取り込み工程と、取り込み工程において、デシカント空調機30に取り込んだ外気を、第2CO2循環路21を循環する第2CO2冷媒と熱交換する第2ブラインによって冷却除湿する冷却除湿工程と、冷却除湿工程において外気が冷却除湿処理された被処理空気に含まれる水蒸気を、デシカント空調機30に設けられるデシカントロータ34によって吸着する吸着工程と、吸着工程において吸着除湿された被処理空気を、第1CO2循環路11を循環する第1CO2冷媒と熱交換する第1ブラインによって冷却する冷却工程と、冷却工程において冷却された被処理空気をF級の冷却室に対応するF級の荷捌き室R1に給気する給気工程と、を有する。この空調方法によれば、第1ブラインによって冷却された被処理空気をF級の荷捌き室R1内に給気する。このため、F級の荷捌き室R1の低温状態を維持しつつ、F級の荷捌き室R1内を陽圧にすることができる。また、外気予冷用熱交換器31Bおよびデシカント空調機30によって、被処理空気の露点温度を-30℃まで下げることができる。したがって、F級の荷捌き室R1において、温度環境を維持しつつ、入出庫に伴う外気からの高湿度暖気の侵入を防止するとともに、第1空気冷却器120の着霜を防止することができる。
【0073】
<第2実施形態>
次に、
図2を参照して、本発明の第2実施形態に係る空調設備2の構成について説明する。
図2は、本発明の第2実施形態に係る空調設備2を示す概略図である。
【0074】
第1実施形態と共通する部分は説明を省略し、第2実施形態のみに特徴のある箇所について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付して説明し、重複した説明は省略する。第2実施形態は、第1実施形態と比較して、C級の荷捌き室R2が設けられない点などが異なる。
【0075】
空調設備2は、
図2に示すように、F級の冷却室用の第1冷凍システム10と、C級の冷却室用の第2冷凍システム20と、デシカントロータ34を備えるデシカント空調機30と、第1冷凍システム10を循環する第1CO
2冷媒と熱交換する第1ブラインが循環する第1ブライン回路40と、第1冷凍システム10を循環する第1CO
2冷媒および第1ブライン回路40を循環する第1ブライン間で熱交換する第1プレート熱交換器50と、第2冷凍システム20を循環する第2CO
2冷媒と熱交換する第2ブラインが循環する第2ブライン回路60と、第2冷凍システム20を循環する第2CO
2冷媒および第2ブライン回路60を循環する第2ブライン間で熱交換する第2プレート熱交換器70と、第1ブライン回路40を循環する第1ブラインによって被処理空気を冷却する空気冷却コイル190と、F級の冷却室に対応するF級の荷捌き室R1に被処理空気を給気する第1吹き出し部100と、第1冷凍システム10を循環する第1CO
2冷媒によって、F級の荷捌き室R1の空気を冷却する第1空気冷却器120と、を有する。
【0076】
第1冷凍システム10、第2冷凍システム20、デシカント空調機30、第1ブライン回路40、第1プレート熱交換器50、第2ブライン回路60、第2プレート熱交換器70、第1吹き出し部100、および第1空気冷却器120の構成は、上述した第1実施形態に係る空調設備1と同一の構成であるため、説明は省略する。
【0077】
空気冷却コイル190は、
図2に示すように、デシカント空調機30の下流に設けられる。デシカント空調機30および空気冷却コイル190の間には、デシカント空調機30によって処理された被処理空気が流通する第5流通路191が設けられる。第5流通路191には第1ダンパーD1が設けられる。第1ダンパーD1の開閉は、不図示の制御部によって行われる。
【0078】
また、デシカント空調機30の下流には、第5流通路191から分岐してデシカント空調機30によって処理された被処理空気を外部に排気することのできる分岐路192が設けられる。分岐路192には、第2ダンパーD2が設けられる。第2ダンパーD2の開閉は、不図示の制御部によって行われる。
【0079】
空気冷却コイル190において、第5流通路191を流れてきた被処理空気は、第1ブライン回路40を循環する第1ブラインによって、例えば、28℃から-13℃に冷却される。
【0080】
空気冷却コイル190および第1吹き出し部100の間には、空気冷却コイル190によって冷却された被処理空気が流通する第6流通路193が設けられる。
【0081】
次に、第2実施形態に係る空調設備2の使用方法について説明する。
【0082】
まず、外気を、デシカント空調機30に取り込む(取り込み工程)。このとき、外気は、調整室31内の第1吸引ファン31Aによって、デシカント空調機30内に吸引される。デシカント空調機30に取り入れる前の外気は、例えば、温度35℃、湿度60%、露点温度26℃である。
【0083】
そして、デシカント空調機30に取り込まれた外気を、外気予冷用熱交換器31Bによって冷却除湿する(冷却除湿工程)。外気予冷用熱交換器31Bによって冷却除湿された被処理空気は、温度が5℃である。
【0084】
そして、被処理空気をデシカントロータ34によって吸着除湿して、被処理空気に含まれる水蒸気を吸着する(吸着工程)。吸着工程において、水蒸気が吸着された被処理空気は、露点が安定するまでは、第1ダンパーD1が閉鎖されて第2ダンパーD2が開放されることによって、排気される。そして、水蒸気が吸着された被処理空気は、露点が安定すると、第1ダンパーD1が開放されて第2ダンパーD2が閉鎖されることによって、第5流通路191を介して、空気冷却コイル190に向けて流通する。このときの被処理空気は、例えば温度28℃、湿度1%、露点温度-30℃である。
【0085】
そして、第5流通路191を流れてきた被処理空気は、空気冷却コイル190において、第1ブライン回路40を循環する第1ブラインによって、例えば28℃から-13℃に冷却される。
【0086】
そして、空気冷却コイル190において、28℃から-13℃に冷却された被処理空気は、第6流通路193を介して、第1吹き出し部100に流れて、第1吹き出し部100によってF級の荷捌き室R1の内部に給気される。
【0087】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変することができる。
【0088】
例えば、上述した第1実施形態では、第1吹き出し部100から給気される被処理空気は、F級の荷捌き室R1に設けられる断熱扉G1の中心に向けて吹き下ろされ、第2吹き出し部110から給気される被処理空気は、C級の荷捌き室R2に設けられる断熱扉G2の中心に向けて吹き下ろされた。しかしながら、第1吹き出し部100から給気される被処理空気は、F級の荷捌き室R1に給気されればよく、第2吹き出し部から110から給気される被処理空気は、C級の荷捌き室R2に給気されればよい。
【符号の説明】
【0089】
1、2 空調設備、
10 第1冷凍システム、
11 第1CO2循環路、
20 第2冷凍システム、
21 第2CO2循環路、
30 デシカント空調機、
31B 外気予冷用熱交換器、
34 デシカントロータ、
40 第1ブライン回路、
50 第1プレート熱交換器、
60 第2ブライン回路、
70 第2プレート熱交換器、
80 耐圧型空気冷却コイル、
81 第1流通路、
84、192 分岐路、
90、190 空気冷却コイル、
100 第1吹き出し部、
110 第2吹き出し部、
120 第1空気冷却器、
130 第2空気冷却器、
D1 第1ダンパー、
D2 第2ダンパー、
G1 断熱扉、
G2 断熱扉、
G3 断熱扉、
G4 断熱扉、
R1 F級の荷捌き室、
R2 C級の荷捌き室。