(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】エピタキシャル成長のための統合湿式洗浄
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240509BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240509BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/31 B
H01L21/304 651K
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022107577
(22)【出願日】2022-07-04
【審査請求日】2022-07-04
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カークパトリック, ブライアン ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ミトラ, ウダイ
【審査官】境 周一
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-525611(JP,A)
【文献】特開平10-261687(JP,A)
【文献】特表2009-543355(JP,A)
【文献】特開2019-061996(JP,A)
【文献】米国特許第06035871(US,A)
【文献】特開2004-119628(JP,A)
【文献】特開2019-080026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/31
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の移送ロボットを含むファクトリインターフェース、
湿式洗浄システムの第1の側で前記ファクトリインターフェースに結合された前記湿式洗浄システム、
前記湿式洗浄システムの前記第1の側とは反対の前記湿式洗浄システムの第2の側で前記湿式洗浄システムに結合されたロードロックチャンバ
であって、減圧状態を実現するように構成されたロードロックチャンバ、
前記ロードロックチャンバに結合され、第2の移送ロボットを含む、第1の移送チャンバ、
前記第1の移送チャンバに結合されたドライエッチングチャンバ、
前記第1の移送チャンバに結合され、第3の移送ロボットを含む、第2の移送チャンバ、及び
前記第2の移送チャンバに結合された
エピタキシャル成長チャンバ
を備える、統合クラスタツール。
【請求項2】
前記湿式洗浄システムは、
動作可能に気圧に維持される単一ウエハ湿式洗浄チャンバを備え、前記第1の移送チャンバは、減圧状態に維持される、請求項1に記載の統合クラスタツール。
【請求項3】
前記単一ウエハ湿式洗浄チャンバは、複数の化学物質供給システムと流体結合される、請求項2に記載の統合クラスタツール。
【請求項4】
前記単一ウエハ湿式洗浄チャンバは、前記ファクトリインターフェースの前記第1の移送ロボットにとってアクセス可能である、請求項2に記載の統合クラスタツール。
【請求項5】
前記湿式洗浄システムは、更に、
前記湿式洗浄システム内に配置された第4の移送ロボットを備え、前記第4の移送ロボットは、前記単一ウエハ湿式洗浄チャンバと前記ロードロックチャンバとの間で基板を移送するように動作可能である、請求項2に記載の統合クラスタツール。
【請求項6】
前記湿式洗浄システムは、更に、
互いに積み重ねられた複数の単一ウエハ湿式洗浄チャンバを備える、請求項2に記載の統合クラスタツール。
【請求項7】
各単一ウエハ湿式洗浄チャンバは、複数の化学物質供給システムと流体結合される、請求項6に記載の統合クラスタツール。
【請求項8】
前記第1の移送ロボットがその上で動作する軌道が、前記湿式洗浄システムの中に延在する、請求項1に記載の統合クラスタツール。
【請求項9】
第1の移送ロボットを含むファクトリインターフェースであって、前記ファクトリインターフェースの第1の表面上に前面開口型統一ポッド用の1以上のアクセス箇所を備えるファクトリインターフェース、
湿式洗浄システムの第1の側で、前記ファクトリインターフェースの前記第1の表面とは反対側の前記ファクトリインターフェースの第2の表面に結合された前記湿式洗浄システム、
前記湿式洗浄システムの前記第1の側とは反対の前記湿式洗浄システムの第2の側で、前記湿式洗浄システムに結合されたロードロックチャンバ
であって、減圧状態を実現するように構成されたロードロックチャンバ、
前記ロードロックチャンバに結合され、第2の移送ロボットを含む、移送チャンバ、及び
前記移送チャンバに結合されたエピタキシャル成長チャンバ
を備える、統合クラスタツール。
【請求項10】
前記移送チャンバは、第2の移送チャンバであり、前記統合クラスタツールは、更に、
前記ロードロックチャンバと前記第2の移送チャンバとの間に結合された第1の移送チャンバを備える、請求項9に記載の統合クラスタツール。
【請求項11】
前記第1の移送チャンバに結合されたドライエッチングチャンバを更に備える、請求項10に記載の統合クラスタツール。
【請求項12】
前記湿式洗浄システムは、
動作可能に気圧に維持される単一ウエハ湿式洗浄チャンバを備え、前記移送チャンバは、減圧状態に維持される、請求項9に記載の統合クラスタツール。
【請求項13】
前記単一ウエハ湿式洗浄チャンバは、前記ファクトリインターフェースの前記第1の移送ロボットにとってアクセス可能である、請求項12に記載の統合クラスタツール。
【請求項14】
前記湿式洗浄システムは、更に、
前記湿式洗浄システム内に配置された第4の移送ロボットを備え、前記第4の移送ロボットは、前記単一ウエハ湿式洗浄チャンバと前記ロードロックチャンバとの間で基板を移送するように動作可能である、請求項12に記載の統合クラスタツール。
【請求項15】
前記湿式洗浄システムは、更に、
垂直に積み重ねられた2つ以上の単一ウエハ湿式洗浄チャンバを備える、請求項12に記載の統合クラスタツール。
【請求項16】
各単一ウエハ湿式洗浄チャンバは、異なる化学物質供給システムと流体結合される、請求項15に記載の統合クラスタツール。
【請求項17】
基板を処理する方法であって、
前記基板を統合クラスタツールのファクトリインターフェース内に受け取ること、
前記基板を、前記ファクトリインターフェースから、湿式洗浄システムの第1の表面で前記ファクトリインターフェースに結合された前記湿式洗浄システムに送達すること、
前記湿式洗浄システムの湿式洗浄チャンバ内で、前記基板を処理すること、
前記基板を、前記湿式洗浄システムから、前記湿式洗浄システムの前記第1の表面の反対側の前記湿式洗浄システムの第2の表面で、前記湿式洗浄システムに結合されたロードロックチャンバに送達すること、
前記ロードロックチャンバを用いて減圧状態を実現すること、
前記基板を前記ロードロックチャンバからエピタキシャル成長チャンバに送達すること、及び
前記基板上で材料をエピタキシャル成長させることを含む、基板を処理する方法。
【請求項18】
前記基板が、10分未満で、前記湿式洗浄システムから前記エピタキシャル成長チャンバに送達される、請求項17に記載の基板を処理する方法。
【請求項19】
前記湿式洗浄チャンバ内で前記基板を処理することは、
フッ化水素酸を含む第1の化学物質を用いて、前記基板を洗浄すること、
水酸化アンモニウムを含む第2の化学物質を用いて、前記基板を洗浄すること、及び
塩酸を含む第3の化学物質を用いて、前記基板を洗浄することを含む、請求項17に記載の基板を処理する方法。
【請求項20】
前記基板を前記エピタキシャル成長チャンバに送達する前に、前記基板にドライエッチングプロセスを実行することを更に含む、請求項17に記載の基板を処理する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年7月7日に出願された「エピタキシャル成長のための統合湿式洗浄」という題目の米国仮出願第63/218,994号の利益及び優先権を主張し、その内容は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本技術は、半導体処理及び材料に関する。特に、本技術は、クラスタツール構成、及びクラスタツール上で実行される方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] エピタキシャル膜成長は、一般的に、その上で成長が生じる汚れていない界面を求める。洗浄プロセスは、十分に清浄な表面を提供するために、湿式洗浄、乾式洗浄、及び熱ベーキング動作を含んでよい。しかし、増加した処理は、熱収支を減らして実行されるため、熱ベーキングは実行不可能なことがある。
【0004】
[0004] したがって、高品質デバイス及び構造物の製造に使用することができる、改善されたシステム及び方法が必要とされている。これらの必要性及びその他の必要性は、本技術によって対処される。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 例示的な統合クラスタツールは、第1の移送ロボットを含むファクトリインターフェースを含んでよい。該ツールは、湿式洗浄システムの第1の側でファクトリインターフェースと結合された湿式洗浄システムを含んでよい。該ツールは、湿式洗浄システムの第1の側の反対の湿式洗浄システムの第2の側で、湿式洗浄システムに結合されたロードロックチャンバを含んでよい。該ツールは、ロードロックチャンバに結合された第1の移送チャンバを含んでよい。第1の移送チャンバは、第2の移送ロボットを含んでよい。該ツールは、第1の移送チャンバに結合されたドライエッチングチャンバを含んでよい。該ツールは、第1の移送チャンバに結合された第2の移送チャンバを含んでよい。第2の移送チャンバは、第3の移送ロボットを含んでよい。該ツールは、第2の移送チャンバに結合されたプロセスチャンバを含んでよい。
【0006】
[0006] 幾つかの実施形態では、湿式洗浄システムが、動作可能に気圧(atmospheric pressure)に維持される単一ウエハ湿式洗浄チャンバを含んでよい。第1の移送チャンバは、減圧状態に維持されてよい。単一ウエハ湿式洗浄チャンバは、複数の化学物質供給システムと流体結合されてよい。単一ウエハ湿式洗浄チャンバは、ファクトリインターフェースの第1の移送ロボットにとってアクセス可能であってよい。湿式洗浄システムは、湿式洗浄システム内に配置された第4の移送ロボットを含んでよい。第4の移送ロボットは、単一ウエハ湿式洗浄チャンバとロードロックチャンバとの間で基板を移送するように動作可能であってよい。湿式洗浄システムは、互いに積み重ねられた複数の単一ウエハ湿式洗浄チャンバを含んでよい。各単一ウエハ湿式洗浄チャンバは、複数の化学物質供給システムと流体結合されてよい。第1の移送ロボットがその上で動作する軌道が、湿式洗浄システム内に延在してよい。
【0007】
[0007] 本技術の幾つかの実施形態は、統合クラスタツールを含んでよい。該ツールは、第1の移送ロボットを含むファクトリインターフェースを含んでよい。ファクトリインターフェースは、ファクトリインターフェースの第1の表面上に、前面開口型統一ポッド用の1以上のアクセス箇所を含んでよい。該ツールは、湿式洗浄システムの第1の側で、ファクトリインターフェースの第1の表面の反対側のファクトリインターフェースの第2の表面に結合された湿式洗浄システムを含んでよい。該ツールは、湿式洗浄システムの第1の側の反対の湿式洗浄システムの第2の側で、湿式洗浄システムに結合されたロードロックチャンバを含んでよい。該ツールは、ロードロックチャンバに結合された移送チャンバを含んでよい。移送チャンバは、第2の移送ロボットを含んでよい。該ツールは、移送チャンバに連結されたエピタキシャル成長チャンバを含んでよい。
【0008】
[0008] 幾つかの実施形態では、移送チャンバが、第2の移送チャンバであってよい。統合クラスタツールは、ロードロックチャンバと第2の移送チャンバとの間に結合された第1の移送チャンバを含んでよい。該ツールは、第1の移送チャンバに結合されたドライエッチングチャンバを含んでよい。湿式洗浄システムは、動作可能に気圧(atmospheric pressure)に維持される単一ウエハ湿式洗浄チャンバを含んでよい。移送チャンバは、減圧状態に維持されてよい。単一ウエハ湿式洗浄チャンバは、ファクトリインターフェースの第1の移送ロボットにとってアクセス可能であってよい。湿式洗浄システムは、湿式洗浄システム内に配置された第4の移送ロボットを含んでよい。第4の移送ロボットは、単一ウエハ湿式洗浄チャンバとロードロックチャンバとの間で基板を移送するように動作可能であってよい。湿式洗浄システムは、垂直に積み重ねられた2つ以上の単一ウエハ湿式洗浄チャンバを含んでよい。各単一ウエハ湿式洗浄チャンバは、異なる化学物質供給システムと流体結合されてよい。
【0009】
[0009] 本技術の幾つかの実施形態は、基板を処理する方法を含んでよい。該方法は、基板を統合クラスタツールのファクトリインターフェース内に受け取ることを含んでよい。該方法は、基板を、ファクトリインターフェースから、湿式洗浄システムの第1の表面上でファクトリインターフェースに結合された湿式洗浄システムに送達することを含んでよい。該方法は、湿式洗浄システムの湿式洗浄チャンバ内で基板を処理することを含んでよい。該方法は、湿式洗浄システムから、湿式洗浄システムの第1の表面の反対側の湿式洗浄システムの第2の表面上で、湿式洗浄システムに結合されたロードロックチャンバに、基板を送達することを含んでよい。該方法は、基板を、ロードロックチャンバからエピタキシャル成長チャンバに送達することを含んでよい。該方法は、基板上で材料をエピタキシャル成長させることを含んでよい。
【0010】
[0010] 幾つかの実施形態では、基板が、10分未満で、湿式洗浄システムからエピタキシャル成長チャンバに送達されてよい。湿式洗浄チャンバ内で基板を処理することは、フッ化水素酸を含む第1の化学物質を用いて、基板を洗浄することを含んでよい。湿式洗浄チャンバ内で基板を処理することは、水酸化アンモニウムを含む第2の化学物質を用いて、基板を洗浄することを含んでよい。湿式洗浄チャンバ内で基板を処理することは、塩酸を含む第3の化学物質を用いて、基板を洗浄することを含んでよい。該方法は、基板をエピタキシャル成長チャンバに送達する前に、基板にドライエッチングプロセスを実行することを含んでよい。
【0011】
[0011] このような技術は、従来のシステム及び技法を超えた多数の利点を提供してよい。例えば、本技術は、エピタキシャル成長を支持するための改良された表面状態を提供してよい。加えて、本技術は、洗浄とエピタキシャル成長動作との間の総時間、ならびに処理間の時間のばらつきを低減させることにより、ウエハ間の均一性を向上させてよい。これらの実施形態及びその他の実施形態は、その多くの利点や特徴と共に、後述の記載及び添付の図面により詳細に説明されている。
【0012】
[0012] 開示された技術の性質及び利点は、本明細書の残りの部分と図面を参照することによってさらに理解を深めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】[0013] 本技術の幾つかの実施形態による例示的な処理システムの一実施形態の概略上面図を示す。
【
図2】[0014] 本技術の幾つかの実施形態による積み重ねられた湿式洗浄チャンバの概略断面図を示す。
【
図3】[0015] 本技術の幾つかの実施形態による基板を処理する方法における選択された動作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0016] 幾つかの図面は、概略図として含まれている。図面は例示を目的としており、縮尺通りであると明記されていない限り、縮尺通りであるとみなしてはならないと理解するべきである。更に、概略図として、図面は、理解を助けるために提供されており、現実的な描写に比べて全ての態様又は情報を含まない場合があり、例示を目的として強調された素材を含むことがある。
【0015】
[0017] 添付図面では、類似の構成要素及び/又は特徴は、同一の参照符号を有し得る。更に、同じ種類の様々な構成要素は、類似の構成要素間を区別する文字により、参照符号に従って区別することができる。本明細書において第1の参照符号のみが使用される場合、その記載は、文字に関わりなく、同じ第1の参照符号を有する類似の構成要素のうちの何れにも適用可能である。
【0016】
[0018] 従来のエピタキシャル膜堆積は、典型的には、水素ベーキング動作を含む。それは、約700℃以上、約800℃以上、約1000℃以上、又はそれより上で行われることがある。エピタキシャル成長は、異なるデバイス構造に拡張され、特定の表面上の選択的な堆積又は成長に使用されることがあるので、高温アニールは実現不可能であろう。同時に、より新しい構造では、エピタキシャル膜厚が減少しており、界面層品質の重要性が高まる可能性がある。残留酸素及び残留炭素の除去を容易にするために、高温が使用されることがあるが、プロセスはまた、構造内の他の露出された材料の熱収支を超えることもある。高温は、表面原子のリフローを引き起こすことがあり、結晶構造中の歪を緩和させ、ドーパントのより大きな移動性を可能にすることにより、ドーピングプロファイルに影響を与えることがある。それは、クラスタ化(clustering)を引き起こし、層全体の均一性を低下させ得る。
【0017】
[0019] エピタキシャル成長のための十分な表面条件を生成するために、炭素、酸素、塩素、及びフッ素などの不純物の除去が行われる。従来のプロセスは、基板をエピタキシャル処理ツールに送達する前に、湿式洗浄を実行することがある。このプロセスの遅延は、半導体処理設備においてさえ、一度に数時間、基板を環境条件に曝露したままにすることがある。ドライエッチングプロセスを、エピタキシャル成長の前に行うことができるが、湿式洗浄後の時間遅延は、酸化物形成の著しい増加を引き起こす可能性があり、成長量は、ウエハ間で大きく異なることがある加えて、炭素及び他の不純物が表面上に再吸着し始め、エピタキシャル成長における欠陥をもたらすことがある。乾式洗浄もまた、界面汚染物質レベルを除去することにおいて限られた効果を有するだろう。その結果、従来の技術は、これらの不純物を除去するために必要とされるベーク動作を除去することに腐心してきた。
【0018】
[0020] 本技術は、湿式洗浄済み基板の曝露を制限してよいツール及びプロセスシーケンスを利用することによって、これらの課題を克服してよい。湿式洗浄システムをエピタキシャルクラスタツール上に組み込むことによって、湿式洗浄と減圧処理との間の遅延は、数分又は数秒に制限されてよい。時間遅延を低減させようとする従来の技術にもかかわらず、後続のツールに移送される前に複数の基板が各ツールで処理されるバッチ処理に基づく従来の技術では、数時間の遅延が不可避である。結果として、現場外(ex situ)湿式洗浄は、本技術の処理実施形態による構造及び汚染物質レベルを生成することができない。残りの開示は、開示された技術を利用して、特定の材料及びプロセスを規定通りに特定するが、該システム及び方法は、堆積又は他の半導体処理中に行われてよいように、様々な材料及びプロセスに等しく適用可能であることが容易に理解されよう。したがって、本技術は、エピタキシャル成長のみに使用されるよう限定されるとみなされるべきではない。本技術の幾つかの実施形態に従って使用され得る例示的なチャンバシステムについて説明した後に、システム上で行われてよい半導体処理の方法が説明されることになる。
【0019】
[0021]
図1は、本技術の幾つかの実施形態による態様又は動作を実施するように具体的に構成されてよい、統合クラスタツール又はマルチチャンバ処理システム100の概略上面図を示している。マルチチャンバ処理システム100は、半導体デバイスを形成するために、任意の数の半導体基板などの個々の基板上で1以上の製造プロセスを実行するように構成されてよい。マルチチャンバ処理システム100は、気圧に維持されてよい構成要素を含んでよい。該気圧は、正圧又は負圧などの環境を含む、処理施設内の任意の圧力であってよい。該システムはまた、減圧状態に維持される構成要素も含んでよい。該構成要素は、例えば、ロードロックシステムによって気圧構成要素から分離されてよい。
【0020】
[0022] マルチチャンバ処理システム100は、ファクトリインターフェース101を含んでよい。ファクトリインターフェース101は、基板を処理のために該システムに提供するために、1以上の前面開口型統一ポッド(すなわちFOUP102)を受け入れるように、ユニットの第1の側に沿った受け口を含んでよい。4つのFOUPがシステムに結合されるように図示されているが、幾つかの実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれより多いFOUPが、いつでも連結されてよい。各FOUP102は、処理のための1以上の基板を含んでよい。FOUPは、典型的には、処理のために幾つかの基板を格納するので、従来の技術は、しばしば、ツール間の処理の間に大きな時間遅延を有する。各ツールは、全ての基板を次のツールに移送する前に、バッチとして数十個の基板を処理することがある。これは、時間遅延を増加させる可能性があり、上述の課題につながる。
【0021】
[0023] ファクトリインターフェース101は、1以上の移送ロボット103を含んでよい。1以上の移送ロボット103は、ファクトリインターフェース内で側方に移動し、FOUPのうちのいずれかにアクセスするように動作されてよい。FOUPが結合されてよいファクトリインターフェースの側面とは反対側に、湿式洗浄システム105があってよい。湿式洗浄システム105は、1以上の湿式洗浄チャンバ106を含んでよい。湿式洗浄システム105は、図示されているように、湿式洗浄システムの第1の端部又は表面に沿ってファクトリインターフェースと結合されてよく、1以上の移送ロボット103によってアクセス可能であってよい。例えば、幾つかの実施形態では、ファクトリインターフェースの移送ロボット103a又は103bが、ファクトリインターフェースに連結されたFOUPから基板を受け取るために使用されてよく、基板を湿式洗浄チャンバ106に送達するために使用されてもよい。ファクトリインターフェースの移送ロボットは、基板を1以上のロードロックチャンバ112に送達するために使用されてもよい。1以上のロードロックチャンバ112は、湿式洗浄システムがファクトリインターフェース101に結合されているのとは反対側などの、湿式洗浄システムの第2の側又は表面で湿式洗浄システム105に結合されてよい。
【0022】
[0024] 幾つかの実施形態では、更なる移送ロボット103cが、湿式洗浄システム内に含まれてよく、ファクトリインターフェースの移送ロボットと共に又はそれらの代わりに働いてよい。例えば、幾つかの実施形態では、ファクトリインターフェースの移送ロボットが、基板を湿式洗浄チャンバ106の中に送達してよく、湿式洗浄システムの移送ロボット103cは、基板を湿式洗浄チャンバ106からロードロックチャンバ112に送達してよい。加えて、湿式洗浄システムの移送ロボットは、基板をファクトリインターフェースから受け取ってよく、湿式洗浄チャンバ106の内外に送達してよい。幾つかの実施形態では、ロボットがその上で移動されてよい軌道109が、ファクトリインターフェース及び湿式洗浄システムの両方を通って延在してよく、1以上のロボットが、システム構成要素の間で基板を受け取り、送達するように動作可能であることを容易にしてよい。本技術の幾つかの実施形態では、上述の移送ロボットのいずれも、任意の態様の軌道に沿って移動してよい。
【0023】
[0025] 湿式洗浄システム105は、基板を処理するための幾つかの構成要素及びチャンバを含んでよい。例えば、湿式洗浄ハードウェア108が、以下で更に説明されるように動作することを容易にするために、システム内に含まれてよい。本技術の実施形態では、湿式洗浄チャンバ106が、1以上のチャンバであってよい。例えば、湿式洗浄チャンバ106は、バッチ洗浄バス(bath)又はシステムを含んでよく、幾つかの実施形態では、1以上の単一ウエハ湿式洗浄チャンバであってよく又はそれらを含んでよい。以下で説明されることとなるように、幾つかの実施形態では、単一ウエハ湿式洗浄チャンバが積み重ねられてよい。それは、例えば、個々のプロセスが各チャンバ内で実行されることを可能にしてよく、又は複数の基板が同時に処理されることを可能にしてよい。それらのチャンバは、1以上の化学物質供給システム110と流体結合されてよい。1以上の化学物質供給システム110は、1以上のプロセス化学物質を1以上の湿式洗浄チャンバ106に供給するためのポンプ、管類、及び他の材料を含んでよい。
【0024】
[0026] 任意の数の湿式洗浄プロセスが、本技術の態様に従って実行されてよく、幾つかの実施形態では、湿式洗浄が、複数の洗浄プロセス及び化学物質を含んでよい。例えば、幾つかの実施形態では、第1の化学物質供給システム110aが、フッ化水素酸を含む第1の化学物質を提供してよい。第2の化学物質供給システム110bは、水酸化アンモニウムを含む第2の化学物質を提供してよい。第3の化学物質供給システム110cは、塩酸を含む第3の化学物質を提供してよい。化学物質は、1以上の流体源から来てよく、1以上の湿式洗浄チャンバに供給されてよいことを理解されたい。加えて、説明を容易にするために湿式洗浄システム105とは別個に図示されているが、流体供給システムは、例えば、システムの洗浄ハードウェアセクションの部分であるなど、システムと共に含まれてよいことを理解されたい。洗浄動作が実行されてしまうと、基板は、ロードロックチャンバ112の中に送達されてよい。ロードロックチャンバ112は、基板を処理用の減圧環境に移送してよい。湿式洗浄と更なる処理との間の遅延を制限することによって、幾つかの実施形態では、ベーキング動作が制限又は回避されてよい。
【0025】
[0027] 上述されたように、湿式洗浄チャンバ106は、気圧に維持されてよく、又は設備環境と共通の圧力に維持されてよい。マルチチャンバ処理システム100はまた、減圧状態にある幾つかの構成要素も含んでよい。例えば、ロードロックチャンバ112は、ロードロックチャンバの湿式洗浄システムとは反対側に結合された減圧環境へ又は減圧環境から基板を移送するために使用されてよい。単一ウエハロードロックが図示されているが、本技術の実施形態によるシステムでは、デュアルウエハ又はマルチウエハロードロックを使用することもできることを理解されたい。基板がロードロックチャンバに送達されると、減圧状態、ならびに1以上の他のプロセス動作が実現されてよい。以下で更に説明されるように、湿式洗浄は、多数の汚染物質を除去してよいので、次いで、制御された環境が、更なる処理のために採用されてよい。減圧圧力を提供すると共に、ロードロックチャンバ112は、パージ及び加熱などの更なる動作を実行してよい。例えば、ロードロックチャンバ112は、窒素、アルゴン、又は何らかの他の不活性若しくは非反応性ガスでパージされてよい。これは、基板の表面上の汚染物質取り込み又は酸化物形成を制限してよい。加えて、基板の熱収支を維持しながら、水分が、除去されるか、又は基板との接触が防止されることを確実にしてよい加熱動作が実行されてよい。例えば、ロードロックチャンバは、基板を、約400℃以下、約300℃以下、約200℃以下、約100℃以下、又はそれ未満の温度まで加熱してよい。
【0026】
[0028] 基板が更なる処理のために準備されると、又は基板が待ち行列内に受け取られると、システム内で更なる処理が行われてよい。マルチチャンバ処理システム100は、基板をシステムの任意の数の箇所に提供するための移送チャンバを含んでよい。例えば、第1の移送チャンバ114が、図示されているようにロードロックチャンバ112と結合されてよく、更なる処理のために基板を受け取ってよい。第1の移送チャンバの周りは、任意の数の処理チャンバであってよく、これらは、基板上で任意の数の処理を実行するために使用されてよい。残りの説明は、エピタキシャル成長用の前処理又は実行に関与するチャンバを含むことになるが、任意の数の他の処理チャンバがシステム上に含まれてよいことを理解されたい。例えば、チャンバ123及び125は、予熱、計測、配向、又は半導体処理において実行されてよい任意の数の他の動作に使用されてよい。次いで、基板は、エッチングプロセスを実行するように構成されてよい処理チャンバ122、124の中に送達されてよい。自然酸化物を除去するためのプロセス、シリコン若しくはシリコン含有材料をエッチングするためのプロセス、又は半導体処理用の基板を前処理するために実行されてよい任意の他の数のエッチングプロセスなどのような、任意の数のエッチングプロセスが実行されてよい。エッチングプロセスは、プラズマプロセス又は非プラズマプロセスを含んでよく、本技術の実施形態による任意の数のドライエッチングプロセスであってよい。
【0027】
[0029] ドライエッチング処理の後で、基板は、更なる処理チャンバ120に移送されてよく、これは、以下で更に説明されるように、1以上のエピタキシャル堆積動作を実行するために使用されてよい。第2の移送チャンバ117は、第1の移送チャンバ114と結合されてよく、幾つかの実施形態では、エピタキシャル成長チャンバとの間で基板を送達するために使用されてよい。以下で更に詳細に説明されることとなるように、処理チャンバ120a、120b、120c、及び120dは、実行されるべき処理に応じて、同様に又は異なるように構成されてよい。例えば、複数のチャンバが、別個のドーパントを供給するように、又は異なる成長動作を実行するように構成されてよく、これが、幾つかの実施形態では、幾つかのエピタキシャル動作を促進してよい。第1の移送チャンバ114と第2の移送チャンバ117との間の送達は、チャンバ内の移送ロボットを用いて容易にされてよい。2つの基板移送プラットフォーム115は、移送チャンバ114と移送チャンバ117との間に配置されてよく、ロボット126と128との間の移送を容易にしてよい。移送プラットフォーム115a及び115bは、移送チャンバに対して開かれていてよい。例えば、それらはまた、緩衝チャンバであってもよく、又は、プラットフォームは、2つの移送チャンバの間で異なる動作圧力が維持されることを可能にするために、チャンバから選択的に分離若しくは密封されてよい。本技術の幾つかの実施形態では、移送プラットフォーム115が、各々、配向又は測定動作などのための1以上のツール116を含んでよい。
【0028】
[0030] マルチチャンバ処理システム100の動作は、コンピュータシステム130によって制御されてよい。コンピュータシステム130は、以下で説明される動作を実施するように構成された任意のデバイス又はデバイスの組み合わせを含んでよい。したがって、コンピュータシステム130は、非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェアで構成されたコントローラ若しくはコントローラのアレイ及び/又は汎用コンピュータであってよい。該ソフトウェアは、実行されたときに、本技術の実施形態による方法に関して説明される動作を実行してよい。処理チャンバ及び湿式洗浄システムの各々は、半導体構造の製造において1以上のプロセス動作を実行するように構成されてよい。より具体的には、処理チャンバが、任意の数の他の基板プロセスの中で、ドライエッチングプロセス、サイクリック層堆積、原子層堆積、化学気相堆積、物理的気相堆積、エッチング、予洗浄、ガス抜き、配向を含んでよい、幾つかの更なる基板処理動作を実行するように装着されてよい。
【0029】
[0031] 前述されたように、本技術の幾つかの実施形態では、湿式洗浄チャンバ106が、複数の単一ウエハ湿式洗浄チャンバを含んでよい。
図2は、本技術の幾つかの実施形態による積み重ねられた湿式洗浄チャンバの概略断面図を示している。図示されているように、2つ以上の湿式洗浄チャンバ106が、垂直に積み重ねられてよく、これは、本技術の幾つかの実施形態では、統合クラスタツールの長さを制限してよい。チャンバは、互いに積み重ねられてよく、移送ロボットのいずれにとってもアクセス可能であってよい。加えて、湿式洗浄チャンバは、一直線上にのみ送達されるのではなく、ある角度においてアクセスされてよいので、チャンバは、移送ロボットの更なる修正を必要とすることなく、前述されたような種々の移送ロボットによって容易にアクセスされてよい。
【0030】
[0032] 前述されたように、本技術の幾つかの実施形態による処理は、複数の湿式洗浄動作を実行することを含んでよい。それらは、エピタキシャル成長が実行されてよい基板の表面上の幾つかの不純物の除去を促進してよい。幾つかの実施形態では、異なる洗浄動作を実行するために、異なる湿式洗浄チャンバが利用されてよい。例えば、湿式洗浄チャンバ106aは、化学物質供給システム110aと結合されてよい。それは、第1の湿式洗浄を実行するための化学物質を含んでよい。洗浄チャンバ106bは、化学物質供給システム110bと結合されてよい。それは、第2の湿式洗浄を実行するための化学物質を含んでよい。湿式洗浄チャンバ106cは、化学物質供給システム110cと結合されてよい。それは、第3の湿式洗浄を実行するための化学物資を含んでよい。加えて、図示されているように、各湿式洗浄チャンバ106は、化学物質供給システム110の各々と流体結合されてよい。それは、以下で説明されることとなるように、各湿式洗浄チャンバが、幾つかの洗浄動作を実行することを可能にしてよい。3つの積み重ねられた湿式洗浄チャンバ106が図示されているが、本技術の実施形態では、湿式洗浄システムが、単一の湿式洗浄チャンバを含んでよく、又は、本技術の実施形態による、2つ以上、例えば3つ、4つ、5つ、若しくはそれより多い湿式洗浄チャンバを含む、積み重ねられた若しくは他の方法で配向された洗浄チャンバを含んでよいことを理解されたい。
【0031】
[0033]
図3を参照すると、本技術の幾つかの実施形態による基板を処理する方法300における選択された動作が示されている。方法300は、方法の開始前に、フロントエンド処理、堆積、エッチング、研磨、洗浄、又は説明された動作の前に実行されてよい任意の他の動作を含む、1以上の動作を含んでよい。例えば、幾つかの実施形態では、選択的エピタキシャル成長を含む、エピタキシャル成長が実行されてよい半導体構造が形成されてよい。1つの非限定的な実施例として、FinFETゲート構造は、ソース/ドレインエピタキシャル成長が実行されてよい地点まで形成されてよい。任意の数の他の構造が、シリコン又はシリコン含有材料上など、エピタキシー前の洗浄及び/又はエピタキシャル成長が所望されてよい地点まで、同様に生成されてよい。該方法は、本技術による方法の幾つかの実施形態に特に関連付けられてよい、又は関連付けられなくてもよい、幾つかの任意選択的な動作を含んでよい。例えば、動作の多くは、より広い範囲の構造形成を提供するために説明されるが、本技術にとって絶対的なものではなく、又は以下で更に説明されるように代替的な方法によって実行されてよい。
【0032】
[0034] 方法300は、動作305で、上述された統合マルチチャンバ処理システム100などの、統合クラスタツールのファクトリインターフェースで基板を受け取ることを含んでよい。基板は、移送ロボットによって、FOUPからツール環境内に移動されてよい。動作310では、基板が、ファクトリインターフェースから湿式洗浄システムへ送達されてよい。該システムは、最大で気圧までなどのより高い処理圧力に維持されてよい。以下で更に説明されることとなるように、動作315で、1以上の湿式洗浄チャンバを用いて、基板処理が実行されてよい。基板洗浄動作が完了すると、動作320で、基板は、減圧システムに送達されてよい。例えば、基板を湿式洗浄チャンバから移動してよい移送ロボットは、前述されたように、湿式洗浄システムに連結されたロードロックチャンバの中に基板を直接装填してよい。動作325で、基板は、ロードロックチャンバから更に処理されてよい。例えば、幾つかの実施形態では、例えば、プラズマエッチングプロセスを含んでよいドライエッチングプロセスが実行されてよい。加えて、処理は、基板を1以上のエピタキシャル成長チャンバに送達することを含んでよく、ここで、1以上のエピタキシャル成長動作が実行されてよい。
【0033】
[0035] エピタキシャル成長プロセスは、半導体基板上に構造を形成するための任意の数のプロセスを含んでよく、選択的エピタキシャル成長を含んでよい。本技術の実施形態に従って実行されてよい堆積の1つの非限定的な実施例として、第1のエピタキシャル堆積は、低圧エピタキシャル成長を使用して第1のドープシリコン材料を堆積させるなど、洗浄済み基板表面上で実行されてよい。基板は、第1のプロセスとは異なるドーパントを利用するなど、第2のドープシリコン材料が形成されてよい第2のエピタキシャル成長チャンバに移送されてよい。加えて、実行されてよいエピタキシャルプロセスは、以前に洗浄された基板の部分上に選択的に形成されるシリサイド層を生成することを含んでよい。本技術に包含される実施形態では、任意の数のエピタキシャル成長動作が実行されてよいことを理解されたい。
【0034】
[0036] 基板をロードロックチャンバに直接送達することによって、湿式洗浄プロセスの仕上げとエピタキシャル成長プロセスの開始との間の時間が、従来のシステムにおける数時間の遅延から、約30分以下に低減されてよい。実行される任意の介在する処理に応じて、その時間は、約20以下、約15分以下、約10分以下、約5分以下、又はそれ未満になってよい。加えて、従来技術で生じることがある数時間の大気曝露とは異なり、湿式洗浄動作の仕上げと基板をロードロックチャンバに送達することとの間の時間が、約5分以下、約3分以下、約1分以下、約50秒以下、約40秒以下、約30秒以下、約20秒以下、約10秒以下、約5秒以下、又はそれ未満になってよい。前述されたように、湿式処理及びエピタキシー用の別個の治具(tooling)を有する従来技術は、バッチ処理及びツール待ち行列時間のために、基板がシステム間で移送されるのに数時間待つので、ウエハ処理においてこのような均一性を生み出すことができない。その結果、従来の技術は、更なるベーキング動作又は更なる処理を必要とする。しかし、本技術は、湿式洗浄によって十分な界面を生成してよく、エピタキシャル形成の前及びその最中を含む全ての時間において、基板は、約700℃以下の温度に維持されてよく、約600℃以下の温度、約500℃以下の温度、約400℃以下の温度、約300℃以下の温度、約200℃以下の温度、約100℃以下の温度、又はそれ以下の温度に維持されてよい。
【0035】
[0037] 従来のプロセスによる湿式及び乾式洗浄は、十分なベーキング温度なしに汚染物質レベルを低減させることができない場合があり、又は表面汚染に基づく欠陥の増加を特徴とするデバイスを生成する場合がある。例えば、従来の技術では、酸素汚染を約3×1013at/cm2以下に抑えることができず、同様に、ベークが700℃を超えることなしに、他の汚染物質を5×1010at/cm2以下に抑えることができないだろう。本技術は、温度を約700℃以下、又は上述された範囲のいずれかに維持しながら、酸素、炭素、フッ素、及び塩素の汚染を、約5×1010at/cm2以下、又は約5×109at/cm2以下に低減させることができるだろう。マルチ洗浄プロセスを実行することによって、幾つかの汚染物質の低減がもたらされてよい。
【0036】
[0038] 例えば、本技術の幾つかの実施形態では、乾式洗浄及び/又はエピタキシャル成長プロセスの前に実行される湿式洗浄が、1以上の湿式洗浄チャンバ内で実行される幾つかの動作を含んでよい。例えば、第1の洗浄プロセスは、第1の期間、フッ化水素酸洗浄を実行することを含んでよい。希フッ化水素酸を用いて行われるフッ化水素酸エッチングは、エピタキシャル成長が行われてよい表面上に残存している可能性がある残留誘電体材料を除去してよい。次いで、脱イオン水を使用するなどして、第1のすすぎプロセスが実行されてよい。第2の洗浄プロセスは、第2の期間、水酸化アンモニウム及び過酸化水素の溶液を用いて、洗浄を実行することを含んでよい。この溶液は、基板の表面から軽い有機材料及び粒子を除去してよく、また、表面吸着ハロゲン材料を除去してもよい。次いで、脱イオン水を用いて、第2のすすぎが実行されてよい。第3の洗浄プロセスは、第3の期間、塩酸及び過酸化水素の溶液を用いて、洗浄を実行することを含んでよい。この溶液は、エピタキシャル成長が実行されてよい表面から残留金属材料を除去してよい。次いで、脱イオン水を用いて、第3のすすぎが実行されてよい。
【0037】
[0039] 洗浄及び/又はすすぎプロセスのいずれかのための期間は、約60秒以下であってよく、約50秒以下、約40秒以下、約30秒以下、約20秒以下、約10秒以下、又はそれ未満であってよい。洗浄動作が実行された後で、1以上の乾燥動作が実行されてよい。例えば、基板は、スピンドライプロセスで乾燥されてよい。更に、チャンバは、より複雑な乾燥動作を実行してよい。例えば、乾燥される洗浄済みウエハは、水平方向に回転されてよく、2つの流体供給ノズルを含む可動アームがウエハの中心に運ばれてよい。例えば、先頭ノズルは、ウエハを横切って供給される脱イオン水を含んでよく、後続ノズルは、アルコール、又はN2/張力活性蒸気ディスペンスを含んでよい。次いで、アームをウエハの中心から回転しているウエハの縁部に移動させてよく、ウエハを、ウォータマーク(water mark)の形成を制限又は防止するやり方で乾燥させる。加えて、幾つかの実施形態では、表面改質乾燥動作が実行されてよく、これは、成長が行われる表面を乾燥させるシリル化反応(silylation reaction)をもたらしてよい。上述されたように、任意の数の湿式洗浄チャンバ内で種々の動作が実行されてよい。幾つかの実施形態では、乾燥動作を含むプロセスの各々が、単一ウエハ湿式洗浄チャンバ内で実行されてよい。本技術に包含されるプロセスを実行することによって、エピタキシャル成長用の改善された表面が提供されてよい。加えて、湿式洗浄と減圧環境への導入との間の著しく低減された時間に基づいて、本技術は、ウエハとウエハとの処理の均一性を改善してよい。
【0038】
[0040] 上記の記載では、説明を目的として、本技術の様々な実施形態の理解を促すために、数々の詳細が提示されている。しかし、当業者には、これらの詳細のうちの一部がなくても、或いは、追加の詳細があれば、特定の実施形態を実施することができることは明らかであろう。
【0039】
[0041] 幾つかの実施形態を開示したが、当業者は、実施形態の精神から逸脱することなく、様々な修正例、代替構造物、及び均等物を使用できることを認識されよう。更に、幾つかの周知の処理及び要素は、本技術を不必要に不明瞭にすることを避けるために説明されていない。したがって、上記の説明は、本技術の範囲を限定するものと解釈すべきでない。
【0040】
[0042] 値の範囲が付与されているところでは、文脈上そうでないと明示されていない限り、その範囲の上限値と下限値との間の各介在値は、下限値の最も小さい単位まで具体的に開示されている。記載された範囲の任意の記載値又は記載されていない介在値の間の任意の小さい範囲、そしてその記載範囲のその他の任意の記載された値又は介在する値も含まれる。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、独立して、範囲内に含まれてもよいし、又は除外されてもよく、範囲のいずれかの限界、範囲の両方の限界、又は範囲のいずれかの限界がより小さい範囲内に含まれない各範囲も、記載された範囲内の任意の具体的に除外された限界に従って、本技術内に包含される。記載された範囲に一方又は両方の限界値が含まれる場合、これらの含有限界値のいずれか又は両方を除外する範囲もまた含まれる。
【0041】
[0043] 本明細書及び特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が他のことを明らかに示していない限り、複数の参照対象を含む。したがって、例えば、「1つの層(a layer)」への言及は、複数のそのような層を含み、「そのチャンバ(the chamber)」への言及は、1以上のチャンバ及び当業者に既知のその均等物への言及を含む、などである。
【0042】
[0044] また、「備える(comprise(s))」、「備えている(comprising)」、「含有する(contain(s))」、「含有している(containing)」、「含む(include(s))」、及び「含んでいる(including)」という用語は、本明細書及び特許請求の範囲で使用された場合、記載された特徴、整数、構成要素、又はステップの存在を特定することを意図しているが、1以上のその他の特徴、整数、構成要素、工程、動作、又は群の存在若しくは追加を除外するものではない。