(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】プラズマ処理チャンバのための電極
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240509BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240509BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
H01L21/302 101L
H01L21/31 C
H05H1/46 M
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023052499
(22)【出願日】2023-03-29
(62)【分割の表示】P 2018187042の分割
【原出願日】2018-10-02
【審査請求日】2023-04-28
(32)【優先日】2017-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エバン・エドワード・パットン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ダウガティ
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-68722(JP,A)
【文献】特開2007-194507(JP,A)
【文献】特開2003-303816(JP,A)
【文献】米国特許第5074456(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0015160(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/31
H05H 1/46
C23C 16/455
C23C 16/509
H01L 21/205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波電力をプラズマ処理領域に伝送するための電極であって、
電荷担体でドープされたシリコン材料で形成されたプレートと、
前記プレートの上面に
わたって形成されたシリサイド層と、
を備え、
前記電極は、貫通孔の分布を備え、各貫通孔は、
前記プレートおよび前記シリサイド層の合計厚さを貫通して延びる、電極。
【請求項2】
請求項1に記載の電極であって、前記プレートの前記シリコン材料は、単結晶シリコンである、電極。
【請求項3】
請求項1に記載の電極であって、前記プレートの前記シリコン材料は、多結晶シリコンである、電極。
【請求項4】
請求項1に記載の電極であって、前記プレートの前記シリコン材料は、多孔質である、電極。
【請求項5】
請求項1に記載の電極であって、前記シリサイド層は、フッ素含有処理ガスへの暴露時に揮発性エッチング副生成物を形成しないように構成される、電極。
【請求項6】
請求項1に記載の電極であって、前記シリサイド層は、チタンシリサイド、モリブデンシリサイド、タングステンシリサイド、および、ニッケルシリサイドの内の1または複数である、電極。
【請求項7】
請求項1に記載の電極であって、前記シリサイド層は、1000オングストローム~2000オングストロームの範囲内の厚さを有する、電極。
【請求項8】
請求項1に記載の電極であって、前記プレートおよび前記シリサイド層の前記合計厚さは、2.5mm~19.1mm(0.1インチ~0.75インチ)の範囲内である、電極。
【請求項9】
請求項1に記載の電極であって、各貫通孔は、0.13mm~0.51mm(0.005インチ~0.02インチ)の範囲内の直径を有する、電極。
【請求項10】
プラズマ処理システムであって、
基板支持構造と、
前記基板支持構造の上方の位置に配置された電極であって、前記電極の上面は、処理ガスプレナムに露出し、前記電極の下面は、前記基板支持構造と前記電極との間に存在するプラズマ処理領域に露出し、前記電極は、電荷担体でドープされたシリコン材料で形成されたプレートを備え、前記電極は、前記プレートの上面にわたって形成されたシリサイド層を備え、前記電極は、貫通孔の分布を備え、各貫通孔は、
前記プレートおよび前記シリサイド層の合計厚さを貫通して伸びる
、電極と、
を備える、プラズマ処理システム。
【請求項11】
請求項10に記載のプラズマ処理システムであって、前記基板支持構造と前記電極との間の前記プラズマ処理領域をわたる距離は、1センチメートル~10センチメートルの範囲内である、プラズマ処理システム。
【請求項12】
請求項10に記載のプラズマ処理システムであって、前記プレートの前記シリコン材料は、単結晶シリコンである、プラズマ処理システム。
【請求項13】
請求項10に記載のプラズマ処理システムであって、前記プレートの前記シリコン材料は、多結晶シリコンである、プラズマ処理システム。
【請求項14】
請求項10に記載のプラズマ処理システムであって、前記プレートの前記シリコン材料は、多孔質である、プラズマ処理システム。
【請求項15】
請求項10に記載のプラズマ処理システムであって、前記シリサイド層は、フッ素含有処理ガスへの暴露時に揮発性エッチング副生成物を形成しないように構成される、プラズマ処理システム。
【請求項16】
請求項10に記載のプラズマ処理システムであって、前記シリサイド層は、チタンシリサイド、モリブデンシリサイド、タングステンシリサイド、および、ニッケルシリサイドの内の1または複数である、プラズマ処理システム。
【請求項17】
請求項10に記載のプラズマ処理システムであって、前記シリサイド層は、1000オングストローム~2000オングストロームの範囲内の厚さを有する、プラズマ処理システム。
【請求項18】
請求項10に記載のプラズマ処理システムであって、前記プレートおよび前記シリサイド層の前記合計厚さは、2.5mm~19.1mm(0.1インチ~0.75インチ)の範囲内である、プラズマ処理システム。
【請求項19】
請求項10に記載のプラズマ処理システムであって、各貫通孔は、0.13mm~0.51mm(0.005インチ~0.02インチ)の範囲内の直径を有する、プラズマ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイス製造に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な半導体製造処理において、プラズマを生成するために、高周波(RF)電力が処理チャンバ内の処理ガスに伝送される。基板上で所望の効果を生み出すために、基板はプラズマに暴露される。プラズマ処理領域内の処理ガスへのRF電力の伝送を提供するために、電極が処理チャンバ内に配置されて利用されうる。また、電極は、プラズマ処理領域に処理ガスを分配するように構成されうる。電極は、プラズマの生成が望ましくないかまたは損傷を与える領域にも露出されうる。本発明は、このような課題に対処するものである。
【発明の概要】
【0003】
実施形態の一例において、高周波電力をプラズマ処理領域に伝送するための電極が開示されている。電極は、半導体材料で形成されたプレートを備える。電極は、さらに、プレートの上面にプレートと一体的に形成された高導電層を備える。高導電層は、プレートの半導体材料よりも低い電気抵抗を有する。電極は、貫通孔の分布を備える。各貫通孔は、高導電層の上面からプレートの下面まで電極の全厚を通して延びる。
【0004】
実施形態の一例において、プラズマ処理システムが開示されている。システムは、プラズマ処理領域を備えたプラズマ生成チャンバを備える。システムは、さらに、プラズマ生成チャンバ内でプラズマ処理領域の下方の位置に配置された基板支持構造を備える。システムは、さらに、プラズマ生成チャンバ内でプラズマ処理領域の上方の位置に配置された電極を備える。システムは、さらに、電極の上方に形成された処理ガスプレナムを備える。電極は、半導体材料で形成されたプレートを備える。電極は、さらに、プレートの上面にプレートと一体的に形成された高導電層を備える。高導電層は、プレートの半導体材料よりも低い電気抵抗を有する。電極は、貫通孔の分布を備える。各貫通孔は、高導電層の上面からプレートの下面まで電極の全厚を通して延びる。電極は、処理ガスプレナムをプラズマ処理領域から物理的に分離すると共に、処理ガスプレナムからプラズマ処理領域へ貫通孔の分布を通して処理ガスの流れを提供するように構成される。
【0005】
実施形態の一例において、高周波電力をプラズマ処理領域に伝送するための電極を製造する方法が開示されている。方法は、半導体材料のプレートを形成する工程を備える。方法は、さらに、プレートの上面にプレートと一体化して高導電層を形成する工程を備える。高導電層は、プレートの半導体材料よりも低い電気抵抗を有する。方法は、さらに、プレート内に貫通孔の分布を形成する工程を備える。各貫通孔は、高導電層の上面からプレートの下面まで延びるように形成される。
【0006】
本発明のその他の態様および利点については、本発明を例示した添付図面を参照しつつ行う以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態に従って、基板プラズマ処理のためのプラズマ処理システムを示す図。
【0008】
【
図2A】本発明のいくつかの実施形態に従って、電極を示す垂直断面図。
【0009】
【
図2B】本発明のいくつかの実施形態に従って、電極を示す上面図。
【0010】
【
図3A】高導電層(
図2Aに示したような電極に備えられた高導電層など)を備えない電極の一例の一部を示す垂直断面図。
【0011】
【
図3B】貫通孔の位置で下面が丸くなった/面取りされた
図3Aの電極を示す図。
【0012】
【
図3C】RF表皮効果に対応する距離よりも小さい縮小された全厚を有する
図3Aの電極において、電極の下面上を伝わるRF信号が不利に処理ガスプレナム内に及ぶ様子を示す図。
【0013】
【
図4】本発明のいくつかの実施形態に従って、
図2Aの電極の一部を示す垂直断面図。
【0014】
【
図5】本発明のいくつかの実施形態に従って、プラズマ処理領域にRF電力を送るための
図2Aの電極を製造する方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の説明では、本発明の完全な理解を促すために、数多くの具体的な詳細事項が示されている。しかしながら、当業者には明らかなように、本発明は、これらの具体的な詳細事項の一部または全てがなくとも実施することが可能である。また、本発明が不必要に不明瞭となることを避けるため、周知の処理動作の詳細な説明は省略した。
【0016】
半導体産業では、半導体基板が、様々なタイプのプラズマ処理チャンバ内で製造動作を受けうる。一部のプラズマ処理チャンバでは、処理ガスを励起することで処理ガスを基板に暴露するプラズマに変換するために、高周波(RF)信号が利用される。プラズマ内の反応種および/または荷電種が、例として、基板上に存在する材料を改質する、基板上に材料を蒸着させる、または、基板から材料を除去/エッチングすることによって、基板と相互作用して基板の条件を変えるように方向付けられる。プラズマ処理チャンバは、処理ガスにRF電力を伝送することで基板に暴露するプラズマを生成するための1または複数の電極を備えうる。いくつかの実施形態において、処理ガスにRF電力を伝送するための電極は、プラズマ処理チャンバ内の互いに異なる空間を隔て、プラズマ処理チャンバ内の異なる空間の間に制御された処理ガスの流れを提供するように構成されてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態において、本明細書で言及される基板は、製造手順を施されている半導体ウエハである。ただし、様々な実施形態において、基板は、基本的に、プラズマベースの製造処理を受ける任意のタイプの基板であってよいことを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書で言及される基板は、サファイア、GaN、GaAs、または、SiC、もしくは、その他の基板材料で形成された基板であってよく、ガラスパネル/基板、金属ホイル、金属シート、ポリマ材料などを含んでよい。また、様々な実施形態において、本明細書で言及される基板は、形態、形状、および/または、サイズが様々であってよい。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書で言及される基板は、200mm(ミリメートル)半導体ウエハ、300mm半導体ウエハ、または、450mm半導体ウエハに対応しうる。また、いくつかの実施形態において、本明細書で言及される基板は、形状の中でも特に、平面パネルディスプレイ用の長方形基板など、非円形の基板に対応してもよい。
【0018】
図1は、本発明のいくつかの実施形態に従って、基板プラズマ処理のためのプラズマ処理システム100を示す。プラズマ処理システム100は、周囲構造101A、上部構造101B、および、底部構造101Cによって形成されたプラズマ生成チャンバ101を備える。様々な実施形態において、チャンバ101の材料が、プラズマ処理中に曝される圧力差および温度に構造的に耐えることができ、プラズマ処理環境と化学的に適合する限りは、周囲構造101A、上部構造101B、および、底部構造101Cは、様々な材料(例として、ステンレス鋼またはアルミニウムなど)から形成されてよい。
【0019】
プラズマ処理システム100は、さらに、プラズマ生成チャンバ101内に配置された基板支持構造103を備える。基板支持構造103は、基板102へのプラズマ処理動作の実行中に基板102をその上に保持するように規定されている。
図1の実施形態の例において、基板支持構造103は、プラズマ生成チャンバ101の周囲構造101Aに固定された片持ち構造105によって保持されている。ただし、別の実施形態において、基板支持構造103は、プラズマ生成チャンバ101の底部構造101Cに固定されてもよいし、プラズマ生成チャンバ101内に配置された別の構造に固定されてもよい。様々な実施形態において、基板支持構造103の材料がプラズマ処理中に曝される圧力差および温度に構造的に耐えることができ、プラズマ処理環境と化学的に適合する限りは、基板支持構造103は、様々な材料(例として、ステンレス鋼、アルミニウム、または、セラミックなど)から形成されてよい。
【0020】
いくつかの実施形態において、基板支持構造103は、基板支持構造103に向かって、ひいては、基板支持構造103に保持された基板102に向かって、プラズマ125の荷電成分を引き寄せるような電場を生成するためのバイアス電極107を備えてもよい。また、いくつかの実施形態において、基板支持構造103は、基板102の温度制御を維持するためにプラズマ処理動作中に冷却流体を流すことができる複数の冷却流路109を備えてもよい。また、いくつかの実施形態において、基板支持構造103は、基板支持構造103に対して基板102を上げ下げするように規定された複数のリフトピン111を備えてもよい。いくつかの実施形態において、ドアアセンブリ113が、プラズマ生成チャンバ101内へ/からの基板102の挿入および取り出しを可能にするために、プラズマ生成チャンバ101の周囲構造101A内に配置される。さらに、いくつかの実施形態において、基板支持構造103は、プラズマ処理動作中に基板支持構造103上にしっかりと基板102を保持するための電磁場を生成するために備えられた静電チャックとして規定される。
【0021】
プラズマ処理システム100は、さらに、基板102が基板支持構造103上に配置された時に基板102の上方に離間して配置されるように、基板支持構造103の上方に離間してプラズマ生成チャンバ101内に配置された電極115を備える。プラズマ処理領域117が、電極115と基板支持構造103との間で、基板支持構造103の水平範囲にわたって形成される。いくつかの実施形態において、電極115と基板支持構造103との間で測定される垂直距離118(すなわち、処理ギャップ)は、約1センチメートル(cm)~約10cmの範囲内にある。いくつかの実施形態において、垂直距離118は、約5cmである。いくつかの実施形態において、垂直距離118は、1cmより小さい。いくつかの実施形態において、垂直距離118は、10cmより大きい。また、いくつかの実施形態において、電極115に対する基板支持構造103の垂直位置が、プラズマ処理動作の実行中またはプラズマ処理動作の合間のいずれかに調節可能である。そして、いくつかの実施形態において、基板支持構造103に対する電極115の垂直位置が、プラズマ処理動作の実行中またはプラズマ処理動作の合間のいずれかに調節可能である。
【0022】
プラズマ処理システム100は、さらに、電極115の上方に形成された処理ガスプレナム120と流体連通するように接続されて処理ガスプレナム120に処理ガスを供給する処理ガス源119を備える。電極115は、貫通孔121の分布を備える。
図1を不必要に不明瞭にすることを避けるために、複数の貫通孔121の内の1つが、符号121typ.(代表)で特定されている。貫通孔121の分布は、所望のパターンで処理ガスプレナム120からプラズマ処理領域117に処理ガスを分配するように構成される。貫通孔121の分布は、貫通孔121の数および電極115における貫通孔121の空間配置に関する実施形態の間で様々であってよいことを理解されたい。各貫通孔121は、電極115の厚さ全体を通して延びる。このように、電極115は、処理ガスプレナム120をプラズマ処理領域117から物理的に分離すると共に、矢印122で示すように、処理ガスプレナム120からプラズマ処理領域117へ貫通孔121の分布を通して処理ガスの流れを提供するように構成される。
図1を不必要に不明瞭にすることを避けるために、複数の矢印122の内の1つが、符号122typ.(代表)で特定されている。
【0023】
図1の例において、処理ガスプレナム120は、プラズマ生成チャンバ内で電極115の上方に形成されている。処理ガスプレナム120は、処理ガス源119および電極115内に形成された貫通孔121の両方と流体連通する。いくつかの実施形態において、処理ガスプレナム120は、電極115内の貫通孔121の各々へ実質的に一様に処理ガスを分配するように形成されてよい。別の実施形態において、処理ガスプレナム120は、空間的に様々な方法で(すなわち、空間的に区分けして)、電極115内の貫通孔121に処理ガスを分配するように形成されてもよい。
【0024】
プラズマ処理システム100は、さらに、電極115と電気通信する1または複数のRF電源123-1~123-Nを備える。複数のRF電源123-1~123-Nの各々は、RF電力の周波数および振幅に関して独立制御可能である。また、RF電力は、電極115を通したプラズマ125負荷への効率的なRF電力伝送を確保するために、RF電源123-1~123-Nの各々から整合回路124を通して伝送される。RF電源123-1~123-Nによって生成および伝送されるRF信号が効率的に(例えば、許容不能な反射なしに)処理領域117へ伝送されるように、整合回路124は、RF電源123-1~123-Nから見たインピーダンスが、RF電源123-1~123-Nの動作するよう設計された負荷インピーダンスに十分近いことを保証するように構成されたキャパシタおよびインダクタの配列を備える。
【0025】
プラズマ処理システム100の動作中、処理ガス源119によって供給された処理ガスは、処理ガスプレナム120に入り、電極115内の貫通孔121を通って、電極115から放出されたRF電力によって処理ガスがプラズマ125に変換されるプラズマ処理領域117へ流れる。次いで、利用済みの処理ガスは、プラズマ処理領域117から周囲ベント127に流れ、排気ポンプ131によって排気ポート129を通して排出される。いくつかの実施形態において、流れ絞り装置133が、基板処理領域117からの利用済み処理ガスの流量を制御するために提供される。いくつかの実施形態において、流れ絞り装置133は、矢印135で示すように、周囲ベント127へ向かうおよび離れるように移動可能なリング構造として規定される。
【0026】
図2Aは、本発明のいくつかの実施形態に従って、電極115を示す垂直断面図である。電極115は、半導体材料で形成されたプレート201と、プレート201の上面にプレート201と一体的に形成された高導電層203と、を備える。高導電層203は、プレート201の半導体材料よりも低い電気抵抗を有する。各貫通孔121は、高導電層203の上面205からプレート201の下面207まで電極115の全厚を通して延びる。上述のように、電極115は、処理ガスプレナム120をプラズマ処理領域117から物理的に分離すると共に、処理ガスプレナム120からプラズマ処理領域117へ貫通孔121の分布を通して処理ガスの流れを提供するように構成される。
【0027】
図2Bは、本発明のいくつかの実施形態に従って、電極115を示す上面図である。
図2Bは、貫通孔121の分布の一例を示す。電極115にわたる貫通孔121の分布は、異なる実施形態に対しては異なる方法で構成されてよいことを理解されたい。例えば、電極115内の貫通孔121の総数および/または電極115内の貫通孔121の空間分布が、異なる実施形態の間で異なってよい。また、貫通孔121の直径が、異なる実施形態の間で異なってもよい。一般に、プラズマ125がプラズマ処理領域117から貫通孔121へ侵入するのを防ぐのに十分小さいサイズまで貫通孔121の直径を小さくすることが重要である。いくつかの実施形態において、貫通孔121の直径が小さくされると、電極115内の貫通孔121の総数は、処理ガスプレナム120から電極115を通してプラズマ処理領域117へ至る所定の総流量を維持するために増やされる。
【0028】
いくつかの実施形態において、半導体材料のプレート201は、電極115の半径の範囲にわたって実質的に一様な厚さを有する。しかしながら、別の実施形態において、半導体材料のプレート201は、電極115の半径の範囲において1または複数の厚さの変動を有する。これらの実施形態において、高導電層203は、電極115の半径の範囲における1または複数の厚さの変動に対して共形に形成されうる。また、いくつかの実施形態において、高導電層203は、半導体材料のプレート201の上面全体を覆って形成される。しかしながら、いくつかの実施形態において、高導電層203は、半導体材料のプレート201の上面全体よりも狭い範囲を覆うように形成される。例えば、いくつかの実施形態において、高導電層203は、少なくとも、半導体材料のプレート201の上面の中で処理ガスプレナム120に露出した部分を覆うように形成される。また、いくつかの実施形態において、電極115は、複数の構成要素を有する電極アセンブリ内の一構成要素であってもよい。例えば、いくつかの実施形態において、電極115は、2電極アセンブリ内の別個の外側電極によって囲まれた内部側電極であってよい。
【0029】
電極115をより良く理解するために、一部の電極は、本明細書に開示したような高導電層203を備えないことを理解されたい。
図3Aは、高導電層203(
図2Aに示したような電極115に備えられたものなど)を備えない電極の一例301の一部を示す垂直断面図である。電極115のように、電極301は、プラズマ処理領域117と処理ガスプレナム120との間に配置されうる。電極301は、その垂直厚さ全体を通して一様な材料組成を有する。例えば、電極301は、ドープされたシリコンで形成され、その垂直厚さ全体を通して実質的に一様な材料組成を有してよい。電極301は、0.005Ωcm~0.020Ωcmの範囲の抵抗率になるようにドープされたシリコン電極であってよい。これらの抵抗値では、より低いRF周波数のRF表皮効果が、電極301の厚さをほぼ完全に浸透する。RF表皮効果は、RF信号が通る電極301の厚さの一部(電極301の外面から測定する)に関係する。より具体的には、RF信号は、全体的には導電材料の表面に沿って伝わるが、或る程度の量のRF信号がその表面から導電材料内へ浸透する。電極301において、RF電力信号は、電極301より低い基準接地電位に向かって伝わる。したがって、RF信号は、プラズマ処理領域117の方を向く電極301の下面303に沿って伝わる。この構成において、RF表皮効果は、電極301の下面303から電極301の中に向かって測定された距離305に対応する。
図3Aの例に示すように、電極301の全厚307は、RF表皮効果が電極301の全厚を貫通して処理ガスプレナム120内に及ばないように十分に厚い。
【0030】
しかしながら、全厚307の大きい電極を有することには欠点がある。1つの欠点は、高価なことである。電極301は、高価な材料(一部の例では、ドープされたシリコン材料など)で形成されるので、電極301の全厚307を厚くすることは、費用の上昇に直接対応する。また、シリコン材料で形成された電極301の主な故障モードは、プラズマ処理領域117内でプラズマ125への電極301の下面303の暴露が増えるほど、電極301の下面303が貫通孔121の位置で丸くなる/面取りされることである。
図3Bは、貫通孔121の位置で下面303が丸くなった/面取りされた電極301を示す。貫通孔121の位置での下面303のこの丸み付け/面取りは、貫通孔121の寸法が規定の寸法範囲から外れる原因となり、ひいては、基板のプラズマ処理のばらつき/変動を引き起こしうる。これが起こると、電極301を交換する必要がある。
【0031】
全厚307が大きい電極を有することの別の欠点は、直径の小さい貫通孔121を製造することがより困難になることである。プラズマ125が、プラズマ処理領域117と向かい合った電極301の下面303を越えて貫通孔121内へ上昇するのを防ぐことが必要である。また、直径の小さい貫通孔121は、より高いバイアス電圧を利用するプラズマ処理(最先端の3Dメモリ製造に用いられるプラズマ処理など)中に貫通孔121内で中空陰極放電を防ぐために必要とされる。デバイスノードが小さくなるにつれ、エッチングされる領域のアスペクト比(すなわち、エッチング領域の深さ対エッチング領域の幅の比)は大きくなりうるので、より深いエッチング領域にエッチフロントを引き下げるために、より高いバイアス電圧の利用が必要になることを理解されたい。しかしながら、高バイアス電圧の利用は、プラズマ125が電極301の貫通孔121内へ上昇する可能性を高め、粒子およびその他の処理上の問題を引き起こしうる。したがって、プラズマ125が貫通孔へ侵入するのを防ぐために、電極301内の貫通孔121の数を増やして直径を小さくすることが望ましい。
【0032】
さらに、貫通孔121の直径を小さくすることは、電極301の全厚307によって制限される。例えば、貫通孔121が、電極301をドリル穿孔することによって形成される場合、貫通孔121の直径が電極301の全厚307に対して小さすぎると、ドリルビットを破損せずに電極301を完全に貫通して貫通孔121を開けることは、不可能ではないにしても困難になる。また、ドリルビッドが破損すると、電極301に損傷が起きる可能性が高くなる。したがって、電極301の全厚307が厚いほど、電極301内に直径の小さい貫通孔121を形成することが困難になることを理解されたい。逆に、電極301の全厚307が薄いほど、電極301内に直径の小さい貫通孔121を形成することが容易になる。
【0033】
上記を前提として、コストを削減することと直径の小さい貫通孔121の形成を可能にすることの両方のために、電極301を薄くすることが望ましい。しかしながら、電極301の全厚307を薄くしすぎると、RF表皮効果が、電極301の全厚307を越えることになる。より具体的には、60メガヘルツまでのRF信号周波数で、RF表皮効果が、電極301の全厚307よりも大きくなる場合があり、その結果、電極301の下面303上を伝わるRFが、電極301の上にある処理ガスプレナム120内に及ぶ。
図3Cは、RF表皮効果に対応する距離305よりも小さい縮小された全厚307Aを有する電極301において、電極301の下面303上を伝わるRF信号が不利に処理ガスプレナム120内に及ぶ様子を示す。電極301の上にある処理ガスプレナム120内で処理ガスが励起されることは許容できないので、RFは電極301の本体内に閉じ込められる必要がある。したがって、均一な材料組成の電極301では、処理ガスプレナム120内の処理ガスがRF表皮効果によって電極301の下面303上を伝わるRFに暴露される可能性を許容不能なまでに高めることなしに、直径の小さい貫通孔121を形成するため、および/または、電極301のコストを削減するために、電極301の全厚307を単純に小さくすることはできない。
【0034】
図4は、本発明のいくつかの実施形態に従って、電極115の一部を示す垂直断面図である。電極115の高導電層203は、RF表皮効果に対する障壁として機能することを理解されたい。このように、下面207から電極115の本体へのRFの拡大は、下面207から高導電層203までの測定された距離403に制限される。したがって、電極115の全厚401がRF表皮効果に対応する距離よりも小さい場合、高導電層203は、電極115の上にある処理ガスプレナム120にRF信号が及ぶことを防止する。高導電層203があれば、電極115の全厚401を小さくする程度は、電極115の機械的特性によって主に制限され、貫通孔121の製造可能性によっては制限されない。より具体的には、電極115が機械的に、自身を支持すると共に、処理ガスプレナム120とプラズマ処理領域117との間に発生しうる圧力差に耐えることができる限りは、電極115の全厚401を削減することができる。また、電極115の全厚401が削減されると、貫通孔121の製造可能性および/または電極115の完全性を脅かすことなく、貫通孔121の直径405を実質的に縮小できることを理解されたい。貫通孔121の直径405を縮小することにより、貫通孔121内へのプラズマ125の侵入防止が改善され、貫通孔121内での中空陰極発光の可能性が低くなる。また、貫通孔121の直径405が縮小されると、必要とされる累積流量の処理ガスを電極115を通して供給するために、貫通孔121の総数が増やされうる。
【0035】
いくつかの実施形態において、電極115のプレート201は、シリコン材料で形成される。シリコン材料は、その導電率を変えるために電荷担体でドープされうる。いくつかの実施形態において、電極115のプレート201は、プレート201を貫通して形成された貫通孔121を備えた単結晶シリコンで形成される。単結晶シリコンは、その導電率を変えるために電荷担体でドープされうる。いくつかの実施形態において、電極115のプレート201は、プレート201を貫通して形成された貫通孔121を備えた多結晶シリコンで形成される。多結晶シリコンは、その導電率を変えるために電荷担体でドープされうる。いくつかの実施形態において、電極115のプレート201は、プレート201を貫通して形成された貫通孔121を備えた多孔質シリコン材料で形成される。いくつかの実施形態において、電極115のプレート201は、多孔質シリコンで形成されており、プレート201を貫通して形成された貫通孔121を持たず、処理ガスプレナム120からプラズマ処理領域117への処理ガスの流れを提供する多孔質シリコン材料の多孔性を備える。多孔質シリコン材料は、その導電率を変えるために電荷担体でドープされうる。
【0036】
いくつかの実施形態において、電極115のプレート201がシリコン材料で形成された場合に、高導電層203は、プレート201のシリコン材料から形成されたシリサイド材料である。高導電層203のシリサイド材料は、プレート201の半導体材料よりも低い電気抵抗を有する。高導電層203をシリコン材料のプレート201上にシリサイドとして形成することにより、高導電層203の電気抵抗をプレート201の電気抵抗に比べて1~2桁低減でき、これは、電極115の全厚401の削減を可能にしつつ、RF表皮効果を電極115内に完全に閉じこめる。いくつかの実施形態において、高導電層203のシリサイド材料は、フッ素含有処理ガスへの暴露時に揮発性エッチング副生成物を形成しないように規定される。いくつかの実施形態において、高導電層203のシリサイド材料は、チタンシリサイド、モリブデンシリサイド、タングステンシリサイド、および、ニッケルシリサイドの内の1または複数である。ただし、別の実施形態において、プレート201がシリコン材料で形成された場合に、高導電層203は、基本的に、十分に高い導電率を提供すると共に、それが暴露される処理ガスおよびプラズマ処理環境と化学的に適合する任意のタイプのシリサイド材料であってよいことを理解されたい。
【0037】
シリサイド材料として形成された高導電層203は、RF信号の停止層として作用することにより、電極115内にRF表皮効果を閉じこめることを理解されたい。高導電層203がシリサイド材料として形成された場合に、シリコサイド材料の厚さは、シリコサイド材料がRF信号の停止層として作用することを保証するように規定される。いくつかの実施形態において、シリサイド材料として形成された高導電層203の厚さは、約1000オングストローム~約2000オングストロームの範囲内にある。しかしながら、いくつかの実施形態において、シリサイド材料として形成された高導電層203の厚さは、約1000オングストロームより小さいかまたは約2000オングストロームよりも大きいかのいずれかである。いくつかの実施形態において、高導電層203をシリサイド材料として形成するために、シリサイド材料は、貫通孔121が電極115を通して形成される前にプレート201上に形成される。あるいは、いくつかの実施形態において、高導電層203をシリサイド材料として形成するために、シリサイド材料は、貫通孔121がプレート201を通して形成された後にプレート201上に形成される。また、シリサイド材料としての高導電層203の形成は、基本的に任意の利用可能なシリサイド形成処理(例えば、特に、ボックスコータ、サリサイド、共蒸着、および、反応性スパッタなど)を用いて行われてよいことを理解されたい。シリサイド化は、シリコン電極115の製造と良好に統合される周知かつ比較的低コストの動作である。
【0038】
いくつかの実施形態において、高導電層203が電極115の上部に形成された状態で、高導電層203の上面205からプレート201の下面207までの電極115の全厚401は、約0.1インチ~約0.75インチの範囲内、約0.1インチ~約0.5インチの範囲内、約0.25インチ~約0.75インチの範囲内、または、約0.5インチ~約0.75インチの範囲内にあるか、もしくは、約0.25インチ、約0.5インチ、または、約0.6インチである。別の実施形態において、高導電層203が電極115の上部に形成された状態で、高導電層203の上面205からプレート201の下面207までの電極115の全厚401は、約0.1インチより小さいか、または、約0.75インチより大きくてもよい。また、いくつかの実施形態において、高導電層203が電極115の上部に形成された状態で、貫通孔121の直径405は、約0.005インチ~約0.02インチの範囲内、約0.005インチ~約0.009インチの範囲内、または、約0.005インチから約0.007インチの範囲内にあるか、もしくは、約0.017インチまたは約0.007インチである。別の実施形態において、高導電層203が電極115の上部に形成された状態で、貫通孔121の直径405は、約0.005インチより小さいか、または、約0.02インチより大きくてもよい。
【0039】
図5は、本発明のいくつかの実施形態に従って、プラズマ処理領域117にRF電力を送るための電極115を製造する方法を示すフローチャートである。方法は、半導体材料のプレート201を形成するための工程501を備える。いくつかの実施形態において、プレート201は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、または、多孔質シリコンなどのシリコン材料で形成される。いくつかの実施形態において、半導体材料のプレート201は、プレート201内の所定の導電率を得るために、電荷担体でドープされてよい。方法は、さらに、プレート201の上面にプレート201と一体化して高導電層203を形成するための工程503を備える。高導電層203は、プレート201の半導体材料よりも低い電気抵抗を有する。いくつかの実施形態において、プレート201は、シリコン材料で形成され、高導電層203は、プレート201のシリコン材料から形成されたシリサイド材料である。方法は、さらに、プレート201を貫通して貫通孔121の分布を形成するための工程505を備える。各貫通孔121は、高導電層203の上面205からプレート201の下面207まで延びるように形成される。いくつかの実施形態において、動作505は、動作503の後に実行される。いくつかの実施形態において、動作505は、動作503の前に実行される。
【0040】
(シリコン材料で形成された)電極115の上部の高導電層203としてシリサイドを用いると、電極115の上部での導電率を高めるように作用することで、電極115の全厚401の削減が可能になることを理解されたい。電極115の全厚401のこの削減は、貫通孔121の「発光」(中空陰極放電)を低減/排除するために小さい直径405を有する貫通孔121の製造可能性を改善すると共に、電極115のコスト削減に対応する電極115の形成用のシリコン材料の量を削減する。さらに、最先端の誘電体エッチング処理にとって、シリコン電極115のコスト削減は、重要な検討事項である。また、高品質シリコン電極115の能力/利用可能性が、消費の増大と共に重要な検討事項になり、それにより、産業需要を満たすための電極115の生産の課題が提示される。高導電層203によって提供される電極115の全厚401の削減は、電極115の生産率を高めることで、予測される産業需要の増大を満たすのに役立つことを理解されたい。
【0041】
理解を深めるために、本発明について、ある程度詳しく説明したが、添付の特許請求の範囲内でいくらかの変更と変形を行ってもよいことは明らかである。したがって、これらの実施形態は、例示的なものであって、限定的なものではないとみなされ、本発明は、本明細書に示した詳細に限定されず、記載された実施形態の範囲および等価物の範囲内で変形されてよい。
本開示は、以下の適用例としても実現可能である。
<適用例1>
高周波電力をプラズマ処理領域に伝送するための電極であって、
半導体材料で形成されたプレートと、
前記プレートの上面に前記プレートと一体的に形成され、前記プレートの前記半導体材料よりも低い電気抵抗を有する高導電層と、
を備え、
前記電極は、貫通孔の分布を備え、各貫通孔は、前記高導電層の上面から前記プレートの下面まで前記電極の全厚を貫通して延びる、電極。
<適用例2>
適用例1に記載の電極であって、前記電極は、処理ガスプレナムを前記プラズマ処理領域から物理的に分離すると共に、前記処理ガスプレナムから前記プラズマ処理領域へ前記貫通孔の分布を通して処理ガスの流れを提供するように構成されている、電極。
<適用例3>
適用例1に記載の電極であって、前記プレートは、シリコン材料で形成される、電極。
<適用例4>
適用例3に記載の電極であって、前記シリコン材料は、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンのいずれかである、電極。
<適用例5>
適用例3に記載の電極であって、前記高導電層は、前記プレートの前記シリコン材料から形成されたシリサイド材料である、電極。
<適用例6>
適用例5に記載の電極であって、前記シリサイド材料は、フッ素含有処理ガスへの暴露時に揮発性エッチング副生成物を形成しない、電極。
<適用例7>
適用例5に記載の電極であって、前記シリサイド材料は、チタンシリサイド、モリブデンシリサイド、タングステンシリサイド、および、ニッケルシリサイドの内の1または複数である、電極。
<適用例8>
適用例1に記載の電極であって、前記高導電層の前記上面から前記プレートの前記下面までの前記電極の前記全厚は、約2.5mm~約19.1mm(約0.1インチ~約0.75インチ)の範囲内、約2.5mm~約12.7mm(約0.1インチ~約0.5インチ)の範囲内、約6.4mm~約19.1mm(約0.25インチ~約0.75)インチの範囲内、または、約12.7mm~約19,1mm(約0.5インチ~約0.75インチ)の範囲内にあるか、もしくは、約6.4mm(約0.25インチ)、または、約12.7mm(約0.5インチ)、または、約15.2mm(約0.6インチ)である、電極。
<適用例9>
適用例1に記載の電極であって、各貫通孔の直径は、約0.13mm~約0.51mm(約0.005インチ~約0.02インチ)の範囲内、約0.13mm~約0.23mm(約0.005インチ~約0.009インチ)の範囲内、または、約0.13mm~約0.18mm(約0.005インチ~約0.007インチ)の範囲内にあるか、もしくは、約0.43mm(約0.017インチ)または約0.18mm(約0.007インチ)である、電極。
<適用例10>
プラズマ処理システムであって、
プラズマ処理領域を備えたプラズマ生成チャンバと、
前記プラズマ生成チャンバ内で前記プラズマ処理領域の下方の位置に配置された基板支持構造と、
前記プラズマ生成チャンバ内で前記プラズマ処理領域の上方の位置に配置された電極と、
前記電極の上方に形成された処理ガスプレナムと、
を備え、
前記電極は、半導体材料で形成されたプレートと、前記プレートの上面に前記プレートと一体的に形成され、前記プレートの前記半導体材料よりも低い電気抵抗を有する高導電層と、を備え、前記電極は、貫通孔の分布を備え、各貫通孔は、前記高導電層の上面から前記プレートの下面まで前記電極の全厚を貫通して伸び、前記電極は、前記処理ガスプレナムを前記プラズマ処理領域から物理的に分離すると共に、前記処理ガスプレナムから前記プラズマ処理領域へ前記貫通孔の分布を通して処理ガスの流れを提供するように構成されている、プラズマ処理システム。
<適用例11>
適用例10に記載のプラズマ処理システムであって、さらに、
高周波電源と、
前記高周波電源の出力に接続されたインピーダンス整合回路網と、
前記インピーダンス整合回路網の出力から前記電極へ高周波信号を導くように構成された1または複数の導電部材と、
を備える、プラズマ処理システム。
<適用例12>
適用例10に記載のプラズマ処理システムであって、前記プレートは、シリコン材料で形成される、プラズマ処理システム。
<適用例13>
適用例12に記載のプラズマ処理システムであって、前記高導電層は、前記プレートの前記シリコン材料から形成されたシリサイド材料である、プラズマ処理システム。
<適用例14>
適用例10に記載のプラズマ処理システムであって、前記高導電層の前記上面から前記プレートの前記下面までの前記電極の前記全厚は、約2.5mm~約19.1mm(約0.1インチ~約0.75インチ)の範囲内、約2.5mm~約12.7mm(約0.1インチ~約0.5インチ)の範囲内、約6.4mm~約19.1mm(約0.25インチ~約0.75)インチの範囲内、または、約12.7mm~約19,1mm(約0.5インチ~約0.75インチ)の範囲内にあるか、もしくは、約6.4mm(約0.25インチ)、または、約12.7mm(約0.5インチ)、または、約15.2mm(約0.6インチ)である、プラズマ処理システム。
<適用例15>
適用例10に記載のプラズマ処理システムであって、各貫通孔の直径は、約0.13mm~約0.51mm(約0.005インチ~約0.02インチ)の範囲内、約0.13mm~約0.23mm(約0.005インチ~約0.009インチ)の範囲内、または、約0.13mm~約0.18mm(約0.005インチ~約0.007インチ)の範囲内にあるか、もしくは、約0.43mm(約0.017インチ)または約0.18mm(約0.007インチ)である、プラズマ処理システム。
<適用例16>
高周波電力をプラズマ処理領域に伝送するための電極を製造する方法であって、
半導体材料のプレートを形成する工程と、
前記プレートの上面に前記プレートと一体的に、前記プレートの前記半導体材料よりも低い電気抵抗を有する高導電層を形成する工程と、
前記プレートを貫通する貫通孔の分布を形成する工程であって、各貫通孔は、前記高導電層の上面から前記プレートの下面まで延びる、工程と、
を備える、方法。
<適用例17>
適用例16に記載の方法であって、前記プレートは、シリコン材料で形成される、方法。
<適用例18>
適用例17に記載の方法であって、前記高導電層は、前記プレートの前記シリコン材料から形成されたシリサイド材料である、方法。
<適用例19>
適用例16に記載の方法であって、前記高導電層の前記上面から前記プレートの前記下面までの前記電極の全厚は、約2.5mm~約19.1mm(約0.1インチ~約0.75インチ)の範囲内、約2.5mm~約12.7mm(約0.1インチ~約0.5インチ)の範囲内、約6.4mm~約19.1mm(約0.25インチ~約0.75)インチの範囲内、または、約12.7mm~約19,1mm(約0.5インチ~約0.75インチ)の範囲内にあるか、もしくは、約6.4mm(約0.25インチ)、または、約12.7mm(約0.5インチ)、または、約15.2mm(約0.6インチ)である、方法。
<適用例20>
適用例16に記載の方法であって、各貫通孔の直径は、約0.13mm~約0.51mm(約0.005インチ~約0.02インチ)の範囲内、約0.13mm~約0.23mm(約0.005インチ~約0.009インチ)の範囲内、または、約0.13mm~約0.18mm(約0.005インチ~約0.007インチ)の範囲内にあるか、もしくは、約0.43mm(約0.017インチ)または約0.18mm(約0.007インチ)である、方法。