(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/01 20060101AFI20240510BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240510BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
G03G15/01 Y
G03G15/00 303
G03G21/00 384
G03G21/00 318
G03G21/00 510
(21)【出願番号】P 2020084610
(22)【出願日】2020-05-13
【審査請求日】2023-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】松浦 大樹
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-022001(JP,A)
【文献】特開2011-197272(JP,A)
【文献】特開2012-128412(JP,A)
【文献】特開2019-113701(JP,A)
【文献】特開2000-284651(JP,A)
【文献】特開2005-084376(JP,A)
【文献】特開2013-235062(JP,A)
【文献】特開2004-029104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/01
G03G 15/00
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像担持体上にトナー像を形成する複数の画像形成部と、
前記潜像担持体上に形成されたトナー像を担持する中間転写体と、
前記中間転写体上の転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードと、
所定の選択条件に従って、前記複数の画像形成部のうちの2以上の画像形成部を用いて画像を形成する複数トナーモード、又は、前記複数の画像形成部のうちの1つの画像形成部を用いて画像を形成する単一トナーモードを選択し、選択したモードに従って画像形成動作を制御する制御手段とを有する画像形成装置であって、
温度検知手段を有し、
前記制御手段は、前記所定の選択条件に従って前記単一トナーモードを選択する場合であっても、前記温度検知手段が検知した温度が規定温度よりも高いという温度条件を満たすときには、前記複数トナーモードを選択
し、かつ、前記温度条件を満たして前記複数トナーモードを選択するときには、前記温度条件を満たさないで前記複数トナーモードを選択するときよりも前記中間転写体上の転写残トナーが増えるように、画像形成動作を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記複数の画像形成部は、黒用潜像担持体上に黒色のトナー像を形成する黒用画像形成部と、カラー用潜像担持体上にカラーのトナー像を形成する複数のカラー用画像形成部とを含み、
前記単一トナーモードは、前記複数のカラー用画像形成部を用いずに前記黒用画像形成部を用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードであり、
前記複数トナーモードは、前記複数のカラー用画像形成部を用いてカラー画像を形成するカラーモードであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記複数の画像形成部のうち前記単一トナーモードでは用いられない画像形成部の前記潜像担持体を前記中間転写体に対して接離させる接離手段を有し、
前記単一トナーモードでは、前記単一トナーモードでは用いられない画像形成部の前記潜像担持体を前記接離手段により中間転写体から離間させた状態で画像を形成し、
前記複数トナーモードでは、前記単一トナーモードでは用いられない画像形成部の前記潜像担持体を前記接離手段により中間転写体に接触させた状態で画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記制御手段は、前記温度条件を満たすだけでなく、前記単一トナーモードで連続画像形成する画像形成数が規定数よりも多いという画像形成数条件も満たすときに、前記複数トナーモードを選択することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記制御手段は、前記温度条件を満たすだけでなく、前記単一トナーモードで画像形成する画像の画像面積率が規定閾値以下であるという画像面積率条件も満たすときに、前記複数トナーモードを選択することを特徴とする画像形成装置
。
【請求項6】
請求項1乃
至5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記制御手段は、前記単一トナーモードによる連続画像形成期間の途中に前記複数トナーモードを選択する条件が満たされたとき、当該連続画像形成期間の途中に、選択するモードを該単一トナーモードから前記複数トナーモードへ切り替えて画像形成動作を制御することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、潜像担持体上にトナー像を形成する複数の画像形成部と、前記潜像担持体上に形成されたトナー像を担持する中間転写体と、前記中間転写体上の転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードと、所定の選択条件に従って、前記複数の画像形成部のうちの2以上の画像形成部を用いて画像を形成する複数トナーモード、又は、前記複数の画像形成部のうちの1つの画像形成部を用いて画像を形成する単一トナーモードを選択し、選択したモードに従って画像形成動作を制御する制御手段とを有する画像形成装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、画像形成スピードを上げるために、モノクロ画像とカラー画像とが混在したものを連続して画像形成する場合には、通常は単一トナーモードで画像形成される単色画像でも、複数トナーモードで画像形成する画像形成装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の画像形成装置では、単色トナーモードの実行時に、中間転写体上の転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードが捲れてしまうという不具合が生じる場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明は、潜像担持体上にトナー像を形成する複数の画像形成部と、前記潜像担持体上に形成されたトナー像を担持する中間転写体と、前記中間転写体上の転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードと、所定の選択条件に従って、前記複数の画像形成部のうちの2以上の画像形成部を用いて画像を形成する複数トナーモード、又は、前記複数の画像形成部のうちの1つの画像形成部を用いて画像を形成する単一トナーモードを選択し、選択したモードに従って画像形成動作を制御する制御手段とを有する画像形成装置であって、温度検知手段を有し、前記制御手段は、前記所定の選択条件に従って前記単一トナーモードを選択する場合であっても、前記温度検知手段が検知した温度が規定温度よりも高いという温度条件を満たすときには、前記複数トナーモードを選択し、かつ、前記温度条件を満たして前記複数トナーモードを選択するときには、前記温度条件を満たさないで前記複数トナーモードを選択するときよりも前記中間転写体上の転写残トナーが増えるように、画像形成動作を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、単色トナーモードの実行時に、中間転写体上の転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードが捲れてしまうという不具合の発生を適切に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態の画像形成装置の構成を示す説明図。
【
図2】同画像形成装置の接離機構により中間転写ベルトの表面を全ての感光体に接触させた状態を示す説明図。
【
図3】同画像形成装置の接離機構により中間転写ベルトの表面からカラー用の感光体を離間させた状態を示す説明図。
【
図4】(a)は、カラーモードで画像形成動作を行ったときに中間転写ベルトのクリーニングブレードへ入力される転写残トナーを模式的に示す説明図。(b)は、モノクロモードで画像形成動作を行ったときに中間転写ベルトのクリーニングブレードへ入力される転写残トナーを模式的に示す説明図。
【
図5】実施形態における画像形成動作を制御する制御部の要部を示すブロック図。
【
図6】実施形態における画像形成動作の制御モードを選択する処理の流れを示すフローチャート。
【
図7】変形例1における画像形成動作の制御モードを選択する処理の流れを示すフローチャート。
【
図8】変形例2における画像形成動作の制御モードを選択する処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る画像形成装置の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の画像形成装置の構成を示す説明図である。
図1に示されるように、画像形成装置10の本体ケース20内部の略中央部には、プリンタエンジン74、光ビームを出射して光ビームによる走査線を後述する感光体に照射させる光書込装置40、中間転写体である中間転写ベルト50等が配置されている。
【0009】
プリンタエンジン74は、互いに異なる色のトナー像を形成する画像形成部としての4つのプロセスユニット30Y,30C,30M,30Kからなる。各プロセスユニット30Y,30C,30M,30Kは、同じ構造をもつ。また、各プロセスユニット30Y,30C,30M,30Kでは、上方に配されたトナーボトル32Y,32C,32M,32Kから供給される異なる色のトナーが使用されることにより、それぞれ異なる色のトナー像が形成される。トナーボトル32Y,32C,32M,32Kは、それぞれトナーがなくなると、新しいものと交換できるように着脱可能に取り付けられている。
【0010】
以下では、これらのプロセスユニット30Y,30C,30M,30K及びそのプロセスユニット30Y,30C,30M,30Kの構成部品等に関する本明細書及び図面の記載において、Y、C、M、Kの添え字は、各々、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの色を示している。また、これらの添え字は必要に応じて割愛する。
【0011】
各プロセスユニット30Y,30C,30M,30Kは、矢印方向へ回転駆動される感光体60Y,60C,60M,60Kを有する感光体ユニット70Y,70C,70M,70Kと、現像装置80Y,80C,80M,80Kとから構成されている。感光体ユニット70Y,70C,70M,70Kは、後述するように、感光体60Y,60C,60M,60Kの周囲にクリーニング装置90Y,90C,90M,90Kと、帯電装置92Y,92C,92M,92Kとを有する。
【0012】
潜像担持体としての感光体60Y,60C,60M,60Kは、印刷時に駆動モータにより回転駆動され、円筒状の外周面には感光層が設けられている。潜像形成手段としての光書込装置40から出射された光ビームが感光体60の外周面に照射されることにより、感光体60Y,60C,60M,60Kの外周面には画像データに応じた静電潜像が書き込まれる。
【0013】
現像装置80Y,80C,80M,80Kは、感光体60Y,60C,60M,60Kへのトナー供給を行う。供給されたトナーが感光体60の外周面に書き込まれた静電潜像に付着することにより、感光体60上の静電潜像がトナー像として顕像化される。
【0014】
光書込装置40は、画像データに基づいてレーザ光Lをポリゴンミラー41で偏光させながら複数のレンズミラーを介して各感光体60Y,60C,60M,60Kに照射する。尚、光書込装置40としては、上記のようなポリゴンミラー41を駆動するポリゴン走査方式以外にもLEDアレイ(light emitting diode array)方式を用いることも可能である。
【0015】
中間転写体である中間転写ベルト50は、樹脂フィルム又はゴムを基体として形成されたループ状のベルトであり、感光体60上に形成されたトナー像が転写される。この中間転写ベルト50は、ローラ100,110,120により支持されて矢印方向へ回転駆動される。中間転写ベルト50の内周面側(ループの内側)には、各感光体60上のトナー像を中間転写ベルト50上に転写させる4個の一次転写ローラ130Y,130C,130M,130Kが配置されている。
【0016】
一次転写ローラ130Y,130C,130M,130Kと感光体60Y,60C,60M,60Kとの間に中間転写ベルト50が挟み込まれることにより一次転写ニップが形成されている。一次転写ローラ130Y,130C,130M,130Kは、中間転写ベルト50の内側に当接している。また、一次転写ローラ130Y,130C,130M,130Kには、一次転写バイアスを印加しており、感光体60Y,60C,60M,60Kとの電位差により、感光体60Y,60C,60M,60Kのトナー像が中間転写ベルト50の表面に転写される。このように、各感光体60Y,60C,60M,60K上に形成されたトナー像が中間転写ベルト50上に順次転写されることにより、中間転写ベルト50上にはカラーのトナー像が担持される。
【0017】
また、中間転写ベルト50の外周面側(ループの外側)には、中間転写ベルト50の外周面に付着した転写残トナーや紙粉等をクリーニングするクリーニング部140が配置されている。このクリーニング部140は、クリーニング対向ローラ115にバックアップされた中間転写ベルト50の外周面にクリーニングブレード141の先端を当接させ、中間転写ベルト50の外周面に付着した転写残トナーや紙粉等をせき止めてクリーニングするブレードクリーニング方式を採用する。
【0018】
本体ケース20内における4個のプロセスユニット30Y,30C,30M,30K及び光書込装置40の下方には、記録材としての用紙Pが積層保持される第1の給紙トレイ151、第2の給紙トレイ152が配置されている。第1の給紙トレイ151、第2の給紙トレイ152内に積層保持されている用紙Pは、給紙ローラ161,162により最上位のものから順に給紙される。また、本体ケース20の右側面の給紙トレイ222には、例えば第1の給紙トレイ151、第2の給紙トレイ152と異なるサイズの用紙Pが収納されている。
【0019】
本体ケース20内には、第1の給紙トレイ151、第2の給紙トレイ152内から分離給紙された用紙Pが搬送される搬送経路170が形成されている。従って、各給紙トレイ151,152、給紙トレイ222に収納された用紙Pは、給紙ローラ160,224が回転駆動されることにより、1枚ずつ最上位の用紙から取り出されて搬送経路170に搬送される。この搬送経路170上には、レジストローラ180、二次転写ローラ190、定着装置200、排紙ローラ210等が配置されている。中間転写ベルト50が通過するローラ120と二次転写ローラ190との間は、二次転写ニップを形成している。中間転写ベルト50上に転写された各カラーのトナー像は、第1の給紙トレイ151または第2の給紙トレイ152から搬送された用紙Pが二次転写ニップを通過する過程で用紙Pに転写される。
【0020】
レジストローラ180は、所定のタイミングで間欠的に回転駆動されるローラである。レジストローラ180が間欠的に回転駆動されることにより、レジストローラ180の位置まで搬送されて停止していた用紙Pが、中間転写ベルト50と二次転写ローラ190とにより挟まれる転写位置(二次転写ニップ)へ送り込まれる。そして、用紙Pがこの転写位置を通過する過程において、中間転写ベルト50上のトナー像が用紙Pに転写される。
【0021】
定着装置200は、トナー像が転写された用紙Pに対して熱と圧力とを加えてトナーを溶融し、トナー像を用紙Pに定着させるユニットである。定着装置200の具体的構成は、ハロゲンランプなどの定着ヒータ201a(発熱源)を内包する加圧ローラ201と、定着ベルトユニット202とから構成されている。さらに、定着ベルトユニット202は、定着ベルト204、ハロゲンランプなどの定着ヒータ203a(発熱源)を内包する加熱ローラ203、駆動ローラ206等で構成されている。定着ベルト204は、駆動ローラ206により反時計方向に回転し、加熱ローラ203により加熱されて一定温度に維持される。加圧ローラ201も時計回りに回転し、内部に発熱源により加熱され一定温度に維持される。定着ベルト204と加圧ローラ201は当接しており、定着ニップを形成している。
【0022】
用紙Pは、中間転写ベルト50を通過する過程で中間転写ベルト50上に担持されたトナー像を転写され、その後、定着装置200内の定着ニップに搬送される。定着装置200を通過することによりトナー像を定着処理された用紙Pは、排紙ローラ210により本体ケース20の上面部に形成されている排紙トレイ220上に排紙される。
【0023】
また、本実施形態の画像形成装置10には、カラー用感光体60Y,60M,60Cを中間転写ベルト50の表面に対して接離させるための接離手段としての接離機構135が設けられている。本実施形態の接離機構135は、所定の駆動装置によって、カラー用の一次転写ローラ130Y,130C,130Mを上下方向に移動させる構成である。なお、黒用の一次転写ローラ130Kは、常時、中間転写ベルト50の表面に当接した状態となっている。
【0024】
また、本実施形態においては、画像形成動作の制御モードとして、複数トナーモードとしての「カラーモード」と、単一トナーモードとしての「モノクロモード」とを備えている。
「カラーモード」は、画像形成対象がカラー画像であるという所定の選択条件を満たすときに選択されるモードであり、
図2に示すように、接離機構135により中間転写ベルト50の表面を全ての感光体60Y,60C,60M,60Kに接触させて画像形成を行うモードである。一方、「モノクロモード」は、画像形成対象がモノクロ画像であるという所定の選択条件を満たすときに選択されるモードであり、
図3に示すように、接離機構135により中間転写ベルト50の表面からカラー用の感光体60Y,60C,60Mを離間させて画像形成を行うモードである。
【0025】
次に、中間転写ベルト50をクリーニングするクリーニングブレード141が捲れる不具合について説明する。
図4(a)は、カラーモードで画像形成動作を行ったときに、中間転写ベルト50のクリーニングブレード141へ入力される転写残トナーを模式的に示す説明図であり、
図4(b)は、モノクロモードで画像形成動作を行ったときに、中間転写ベルト50のクリーニングブレード141へ入力される転写残トナーを模式的に示す説明図である。
【0026】
本実施形態において、カラーモードで画像形成動作を行う場合、中間転写ベルト50上には、
図4(a)に示すように、カラーモードで形成される4色のトナー像についての転写残トナーTY,TC,TM,TB(主に、感光体60Y,60C,60M,60K上の非静電潜像部分(地肌部)に付着した地汚れトナー)が発生する。この場合、中間転写ベルト50をクリーニングするクリーニングブレード141には、所定量以上の転写残トナーが安定して入力されるので、転写残トナーによる潤滑機能が十分に発揮される。そのため、クリーニングブレード141が中間転写ベルト50の表面移動に伴って捲れてしまうブレード捲れは発生しない。
【0027】
一方、モノクロモードでの画像形成動作の場合、中間転写ベルト50上には、
図4(b)に示すように、モノクロモードで形成される黒用トナー像についての転写残トナーTBのみが発生するため、中間転写ベルト50のクリーニングブレード141に入力される転写残トナーが少ない。この場合、潤滑機能を発揮する転写残トナーが少ないので、クリーニングブレード141のブレード捲れが発生しやすい。
【0028】
特に、本実施形態においては、中間転写ベルト50の外周面に潤滑剤を付与する構成を備えていないので、クリーニングブレード141の捲れが発生しやすい構成となっている。
【0029】
加えて、本実施形態のように、モノクロモード時に、接離機構135によって中間転写ベルト50からカラー用の感光体60Y,60M,60Cを離間させる構成では、カラー用の感光体60Y,60M,60C上に僅かながら付着する地汚れトナーさえも中間転写ベルト50上に付着することがない。したがって、このような構成の場合は特に、中間転写ベルト50のクリーニングブレード141に入力される転写残トナーが少なく、クリーニングブレード141のブレード捲れが発生しやすい。
【0030】
モノクロモードで画像形成されるモノクロ画像についても、カラーモードで画像形成することが可能なので、モノクロ画像についてもカラーモードで画像形成することは、ブレード捲れの発生を抑制するうえで有効である。しかしながら、カラーモードでの画像形成ではモノクロモード時よりもトナー消費量が多くなるという不具合がある。したがって、モノクロ画像のようにモノクロモードで画像形成可能な画像については、できるだけモノクロモードで画像形成を行うことが望ましい。
【0031】
ここで、本発明者らは、ブレード捲れについて研究を行った結果、クリーニングブレード141の温度が上昇すると、ブレード捲れが発生しやすいという知見を得た。これは、クリーニングブレード141の温度上昇によってクリーニングブレード141の硬度が低くなり、中間転写ベルト50の表面移動に連れまわりやすくなってブレード捲れが発生しやすくなるものと考えられる。
【0032】
そこで、本実施形態においては、本体ケース20の内部(機内)の温度を検知するための温度検知手段としての温度センサ142を設け、クリーニングブレード141の温度を把握するようにしている。なお、本実施形態においては、二次転写部付近に設置されている温度センサ142の温度検知結果を用いてクリーニングブレード141の温度を把握しているが、クリーニングブレード141の温度と相関関係が認められる場所の温度を検知する温度センサであれば、他の場所の温度センサを用いても良い。
【0033】
そして、本実施形態においては、モノクロ画像を画像形成する場合であっても、温度センサ142の検知温度が規定温度よりも高い場合には、カラーモードを選択して、画像形成動作を実行する。これにより、クリーニングブレード141に入力される転写残トナーの量がモノクロモード時よりも増え、ブレード捲れの発生が抑制される。一方、温度センサ142が検知した温度が、ブレード捲れの発生しにくい規定温度以下の温度であれば、そのままモノクロモードを選択してモノクロ画像の画像形成動作を実行する。この場合、ブレード捲れの発生が抑制された状態で、カラーモードを選択する場合よりもトナー消費量を抑制しつつ、モノクロ画像を形成することができる。
【0034】
図5は、本実施形態における画像形成動作を制御する制御部500の要部を示すブロック図である。
図6は、本実施形態における画像形成動作の制御モードを選択する処理の流れを示すフローチャートである。
画像形成装置10の制御部500に印刷ジョブが入力されると(S1)、制御部500のモード選択部501は、入力された印刷ジョブに係る画像がモノクロ画像であるか否かを判断する(S2)。この判断において、モノクロ画像ではないと判断した場合(例えばカラー画像であると判断した場合)、モード選択部501は、カラーモードを選択する(S3)。これにより、画像形成制御部502は、必要に応じて、接離機構135を制御して
図2に示すように中間転写ベルト50の表面を全ての感光体60Y,60C,60M,60Kに接触させて、印刷ジョブに応じた画像(カラー画像)を形成する画像形成動作を実行する(S6)。
【0035】
一方、モノクロ画像であると判断した場合、モード選択部501は、次に、温度センサ142から検知温度を取得し、その検知温度が規定温度Tth以上であるか否かを判断する(S4)。この判断において、検知温度が規定温度Tth未満であると判断された場合(S4のNo)、モード選択部501はモノクロモードを選択し(S5)、画像形成制御部502は、必要に応じて、接離機構135を制御して
図3に示すように中間転写ベルト50の表面からカラー用の感光体60Y,60C,60Mを離間させて、印刷ジョブに応じたモノクロ画像を形成する画像形成動作を実行する(S6)。
【0036】
他方、モノクロ画像であると判断した場合でも、温度センサ142の検知温度が規定温度Tth以上であると判断された場合には(S4のYes)、モード選択部501はカラーモードを選択する(S3)。これにより、画像形成制御部502は、必要に応じて、接離機構135を制御して
図3に示すように中間転写ベルト50の表面からカラー用の感光体60Y,60C,60Mを離間させて、印刷ジョブに応じたモノクロ画像を形成する画像形成動作を実行する(S6)。
【0037】
以上のように、本実施形態によれば、モノクロ画像を画像形成する場合でも、温度センサ142の検知温度が規定温度よりも高いという温度条件を満たすときには、カラーモードを選択して、画像形成動作を実行する。すなわち、ブレード捲れの発生しやすい温度条件を満たすときには、モノクロモードに代えてカラーモードを選択して画像形成動作を実行する。これにより、クリーニングブレード141に入力される転写残トナーの量がモノクロモード時よりも増え、ブレード捲れの発生が抑制される。一方、温度センサ142が検知した温度が、ブレード捲れの発生しにくい規定温度以下の温度であれば、そのままモノクロモードを選択してモノクロ画像の画像形成動作を実行する。この場合、ブレード捲れの発生が抑制された状態で、カラーモードを選択する場合よりもトナー消費量を抑制しつつ、モノクロ画像を形成することができる。
【0038】
〔変形例1〕
次に、上述した実施形態における一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
一般に、連続した画像形成動作を実行する場合、クリーニングブレード141が中間転写ベルト50から連続的に負荷を受け続けることから、連続画像形成動作の画像形成枚数が増えるにつれてブレード捲れが発生しやすくなる。しかしながら、逆に言えば、連続した画像形成動作を実行する場合でも、その画像形成枚数が少ないときには、機内温度が規定温度Tth以上であっても、ブレード捲れが発生しにくい。そこで、本変形例1では、モノクロモードで連続画像形成する画像形成数が規定数よりも多いという画像形成数条件も満たすときにカラーモードを選択する。
【0039】
図7は、本変形例1における画像形成動作の制御モードを選択する処理の流れを示すフローチャートである。
本変形例1では、入力された印刷ジョブがモノクロ画像であると判断され(S1,S2のYes)、温度センサ142の検知温度が規定温度Tth以上であると判断された場合(S4のYes)、モード選択部501は、印刷ジョブの印刷数(連続画像形成枚数)が規定数以上であるか否かを判断する(S11)。
【0040】
この判断において、印刷数が規定数未満であると判断された場合(S11のNo)、機内温度が規定温度Tth以上であってもブレード捲れが発生しにくい状況であるとして、モード選択部501はモノクロモードを選択する(S5)。一方、印刷数が規定数以上であると判断された場合(S11のYes)、ブレード捲れが発生しやすい状況であるとして、モード選択部501はカラーモードを選択する(S3)。
【0041】
以上のように、本変形例1によれば、モノクロ画像を画像形成する場合、温度センサ142の検知温度が規定温度よりも高いという温度条件を満たすときでも、連続画像形成枚数がブレード捲れの発生しにくい少数(規定数未満)であるときには、モノクロモードを選択して、画像形成動作を実行する。これにより、ブレード捲れの発生が抑制された状態で、カラーモードを選択する場合よりもトナー消費量を抑制しつつ、モノクロ画像を形成することができるケースを増やすことができる。
【0042】
なお、本変形例1では、印刷数が規定数以上であると判断された場合には、印刷ジョブの実行前にカラーモードを選択し、当該印刷ジョブの全画像形成動作をカラーモードで実行する例であるが、印刷ジョブの途中(連続画像形成期間の途中)、すなわち、印刷数が規定数に達した時点で、モノクロモードからカラーモードに切り替えるようにしてもよい。この場合、印刷ジョブの印刷数が規定数以上であっても、連続画像形成枚数がブレード捲れが発生しにくい少数(規定数未満)に達するまではモノクロモードが選択されて、トナー消費量を抑制することができる。ただし、この場合、印刷ジョブの途中でモード切替のための動作(接離機構135の動作など)が入るため、印刷ジョブの画像の生産性が低下する。そのため、画像の生産性を優先させる場合、本変形例1のように、印刷数が規定数以上であると判断されたときには、印刷ジョブの実行前にカラーモードを選択するのがよい。
【0043】
〔変形例2〕
次に、上述した実施形態における他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
一般に、モノクロ画像であっても、画像面積率が高い画像ほど転写残トナーが多くなる傾向にある。そのため、画像面積率が高いモノクロ画像を形成する場合には、機内温度が規定温度Tth以上であっても、ブレード捲れが発生しにくい。そこで、本変形例2では、モノクロモードで画像形成する画像(モノクロ画像)の画像面積率が規定閾値以下であるという画像面積率条件も満たすときにカラーモードを選択する。
【0044】
図8は、本変形例2における画像形成動作の制御モードを選択する処理の流れを示すフローチャートである。
本変形例2では、入力された印刷ジョブがモノクロ画像であると判断され(S1,S2のYes)、温度センサ142の検知温度が規定温度Tth以上であると判断された場合(S4のYes)、モード選択部501は、当該モノクロ画像の画像面積率が規定閾値以下であるか否かを判断する(S12)。
【0045】
この判断において、画像面積率が規定閾値よりも大きいと判断された場合(S12のNo)、機内温度が規定温度Tth以上であってもブレード捲れが発生しにくい状況であるとして、モード選択部501はモノクロモードを選択する(S5)。一方、画像面積率が規定閾値以下であると判断された場合(S12のYes)、ブレード捲れが発生しやすい状況であるとして、モード選択部501はカラーモードを選択する(S3)。
【0046】
以上のように、本変形例2によれば、モノクロ画像を画像形成する場合、温度センサ142の検知温度が規定温度よりも高いという温度条件を満たすときでも、画像面積率がブレード捲れの発生しにくい規定閾値よりも大きいときには、モノクロモードを選択して、画像形成動作を実行する。これにより、ブレード捲れの発生が抑制された状態で、カラーモードを選択する場合よりもトナー消費量を抑制しつつ、モノクロ画像を形成することができるケースを増やすことができる。
【0047】
なお、本変形例2において、1枚ごとにモノクロ画像の画像面積率が規定閾値以下であるか否かを判断してもよいが、この場合、複数枚の画像形成動作を連続して行う印刷ジョブの途中でモード切替のための動作(接離機構135の動作など)が入り、印刷ジョブの画像の生産性が低下する場合があり得る。よって、画像の生産性を優先させる場合には、印刷ジョブの実行前に、画像面積率が規定閾値以下であるか否かを判断し、画像面積率に応じてモードを選択するようにしてもよい。このときの画像面積率は、例えば、当該印刷ジョブの全部または一部に係る複数枚の画像についての平均画像面積率を用いるのが好ましい。
【0048】
なお、本実施形態(上述した各変形例を含む。)において、入力された印刷ジョブがモノクロ画像であると判断され(S1,S2のYes)、温度センサ142の検知温度が規定温度Tth以上であると判断された場合(S4のYes)、通常のカラーモード(カラー画像をカラーモードで画像形成する場合)よりも、中間転写ベルト50上の転写残トナーが増えるように画像形成動作を制御してもよい。具体例としては、例えば、帯電装置92Y,92C,92M,92Kによる感光体帯電電位(地肌部電位)を下げるなどして、地肌ポテンシャルを低下させることにより、地汚れトナーを増やすことが挙げられる。この場合、より多くのトナーをクリーニングブレード141へ入力させることができ、より安定してブレード捲れを抑制できる。
【0049】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[第1態様]
第1態様は、潜像担持体(例えば感光体60Y,60C,60M,60K)上にトナー像を形成する複数の画像形成部(例えばプロセスユニット30Y,30C,30M,30K)と、前記潜像担持体上に形成されたトナー像を担持する中間転写体(例えば中間転写ベルト50)と、前記中間転写体上の転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレード141と、所定の選択条件に従って、前記複数の画像形成部のうちの2以上の画像形成部(プロセスユニット30Y,30C,30M,30K)を用いて画像を形成する複数トナーモード(例えばカラーモード)、又は、前記複数の画像形成部のうちの1つの画像形成部(黒用のプロセスユニット30K)を用いて画像を形成する単一トナーモード(例えばモノクロモード)を選択し、選択したモードに従って画像形成動作を制御する制御手段(例えば制御部500)とを有する画像形成装置10であって、温度検知手段(例えば温度センサ142)を有し、前記制御手段は、前記所定の選択条件に従って前記単一トナーモードを選択する場合であっても、前記温度検知手段が検知した温度が規定温度Tthよりも高いという温度条件を満たすときには、前記複数トナーモードを選択することを特徴とするものである。
複数トナーモードでの画像形成動作の場合、中間転写体上には、当該複数トナーモードで形成される複数のトナー像についての転写残トナーが発生するため、中間転写体をクリーニングするクリーニングブレードには、所定量以上の転写残トナーが安定して入力される。この場合、転写残トナーによる潤滑機能が十分に発揮されるので、クリーニングブレードが中間転写体の表面移動に伴って捲れてしまうブレード捲れは発生しない。
一方、単一トナーモードでの画像形成動作の場合、中間転写体上には、当該単一トナーモードで形成される単一のトナー像についての転写残トナーのみが発生する。この場合、中間転写体のクリーニングブレードに入力される転写残トナーが少ないため、転写残トナーによる潤滑機能が不十分となり、クリーニングブレードのブレード捲れが発生しやすい。
ブレード捲れの発生を抑制するうえでは、単一トナーモードで画像形成可能な画像についても複数トナーモードで画像形成することが有効であるが、この場合、単一トナーモード時よりもトナー消費量が多くなるという不具合がある。したがって、単一トナーモードで画像形成可能な画像については、できるだけ単一トナーモードで画像形成を行うことが望ましい。
本発明者らは、研究の結果、上述したように、クリーニングブレードの温度が上昇するとブレード捲れが発生しやすいという知見を得た。これは、クリーニングブレードの温度上昇によってクリーニングブレードの硬度が低くなり、中間転写体の表面移動に連れまわりやすくなってブレード捲れが発生しやすくなるものと考えられる。
そこで、本態様においては、所定の選択条件に従って単一トナーモードを選択する場合であっても、温度検知手段が検知した温度が規定温度よりも高いという温度条件を満たすときには、複数トナーモードを選択して、画像形成動作を実行する。これにより、ブレード捲れの発生しやすい温度条件を満たすときには、単一トナーモードに代えて複数トナーモードを選択して画像形成動作を実行する。これにより、クリーニングブレードに入力される転写残トナーの量が単一トナーモード時よりも増え、ブレード捲れの発生が抑制される。一方、温度検知手段が検知した温度が、ブレード捲れの発生しにくい規定温度以下の温度であれば、そのまま単一トナーモードを選択して画像形成動作が実行される。この場合、複数トナーモードを選択する場合よりもトナー消費量を抑制できる。
よって、単色トナーモードの実行時に、中間転写体上の転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードが捲れてしまうという不具合の発生を適切に抑制することができる。
【0050】
[第2態様]
第2態様は、第1態様において、前記複数の画像形成部は、黒用潜像担持体(例えば黒用感光体60K)上に黒色のトナー像を形成する黒用画像形成部(例えば黒用プロセスユニット30K)と、カラー用潜像担持体(例えばカラー用感光体60Y,60C,60M)上にカラーのトナー像を形成する複数のカラー用画像形成部(例えばカラー用のプロセスユニット30Y,30C,30M)とを含み、前記単一トナーモードは、前記複数のカラー用画像形成部を用いずに前記黒用画像形成部を用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードであり、前記複数トナーモードは、前記複数のカラー用画像形成部を用いてカラー画像を形成するカラーモードであることを特徴とするものである。
これによれば、広く利用されるモノクロモードの実行時に、中間転写体上の転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードが捲れてしまうという不具合の発生を適切に抑制することができる。
【0051】
[第3態様]
第3態様は、第1又は第2態様において、前記複数の画像形成部のうち前記単一トナーモードでは用いられない画像形成部(例えばカラー用のプロセスユニット30Y,30C,30M)の前記潜像担持体(例えばカラー用感光体60Y,60C,60M)を前記中間転写体に対して接離させる接離手段(例えば接離機構135)を有し、前記単一トナーモードでは、前記単一トナーモードでは用いられない画像形成部の前記潜像担持体を前記接離手段により中間転写体から離間させた状態で画像を形成し、前記複数トナーモードでは、前記単一トナーモードでは用いられない画像形成部の前記潜像担持体を前記接離手段により中間転写体に接触させた状態で画像を形成することを特徴とするものである。
このような接離手段を備える画像形成装置では、単一トナーモードでは用いられない画像形成部の潜像担持体上に僅かながら付着する地汚れトナーさえも中間転写体上に付着することがない。そのため、単一トナーモード時に中間転写体のクリーニングブレードに入力される転写残トナーが、このような接離手段を備えていない画像形成装置よりも更に少なく、クリーニングブレードのブレード捲れが発生しやすい。
本態様によれば、このようにブレード捲れが発生しやすい画像形成装置において、ブレード捲れを適切に抑制することができる。
【0052】
[第4態様]
第4態様は、第1乃至第3態様のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記温度条件を満たすだけでなく、前記単一トナーモードで連続画像形成する画像形成数(例えば印刷数)が規定数よりも多いという画像形成数条件も満たすときに、前記複数トナーモードを選択することを特徴とするものである。
本態様によれば、前記温度条件を満たすときでも、単一トナーモードでの連続画像形成枚数がブレード捲れの発生しにくい少数(規定数未満)であるときには、単一トナーモードを選択して画像形成動作が実行される。これにより、ブレード捲れの発生が抑制された状態で、複数トナーモードを選択する場合よりもトナー消費量を抑制しつつ、画像形成動作を実行するケースを増やすことができる。
【0053】
[第5態様]
第5態様は、第1乃至第4態様のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記温度条件を満たすだけでなく、前記単一トナーモードで画像形成する画像の画像面積率が規定閾値以下であるという画像面積率条件も満たすときに、前記複数トナーモードを選択することを特徴とするものである。
本態様によれば、前記温度条件を満たすときでも、画像面積率がブレード捲れの発生しにくい規定閾値よりも大きいときには、単一トナーモードを選択して、画像形成動作を実行する。これにより、ブレード捲れの発生が抑制された状態で、複数トナーモードを選択する場合よりもトナー消費量を抑制しつつ、画像形成動作を実行するケースを増やすことができる。
【0054】
[第6態様]
第6態様は、第1乃至第5態様のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記温度条件を満たして前記複数トナーモードを選択するとき、前記温度条件を満たさないで前記複数トナーモードを選択するときよりも、前記中間転写体上の転写残トナーが増えるように、画像形成動作を制御することを特徴とするものである。
これによれば、より多くの転写残トナーをクリーニングブレードへ入力させることができ、より安定してブレード捲れを抑制できる。
【0055】
[第7態様]
第7態様は、第1乃至第6態様のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記単一トナーモードによる連続画像形成期間の途中に前記複数トナーモードを選択する条件が満たされたとき、当該連続画像形成期間の途中に、選択するモードを該単一トナーモードから前記複数トナーモードへ切り替えて画像形成動作を制御することを特徴とする。
これによれば、連続画像形成期間の当初から複数トナーモードを選択して画像形成動作を行う場合よりお、トナー消費量を抑制することができる。
【符号の説明】
【0056】
10 :画像形成装置
20 :本体ケース
30 :プロセスユニット
40 :光書込装置
50 :中間転写ベルト
60 :感光体
70 :感光体ユニット
74 :プリンタエンジン
80 :現像装置
90 :クリーニング装置
92 :帯電装置
100,110,120:ローラ
130 :一次転写ローラ
135 :接離機構
140 :クリーニング部
141 :クリーニングブレード
142 :温度センサ
170 :搬送経路
180 :レジストローラ
190 :二次転写ローラ
200 :定着装置
210 :排紙ローラ
220 :排紙トレイ
500 :制御部
501 :モード選択部
502 :画像形成制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0057】