IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

<>
  • 特許-シート搬送装置及び画像形成システム 図1
  • 特許-シート搬送装置及び画像形成システム 図2
  • 特許-シート搬送装置及び画像形成システム 図3
  • 特許-シート搬送装置及び画像形成システム 図4
  • 特許-シート搬送装置及び画像形成システム 図5
  • 特許-シート搬送装置及び画像形成システム 図6
  • 特許-シート搬送装置及び画像形成システム 図7
  • 特許-シート搬送装置及び画像形成システム 図8
  • 特許-シート搬送装置及び画像形成システム 図9
  • 特許-シート搬送装置及び画像形成システム 図10
  • 特許-シート搬送装置及び画像形成システム 図11
  • 特許-シート搬送装置及び画像形成システム 図12
  • 特許-シート搬送装置及び画像形成システム 図13
  • 特許-シート搬送装置及び画像形成システム 図14
  • 特許-シート搬送装置及び画像形成システム 図15
  • 特許-シート搬送装置及び画像形成システム 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】シート搬送装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 29/60 20060101AFI20240514BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
B65H29/60 C
B41J2/01 305
B41J2/01 401
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020065860
(22)【出願日】2020-04-01
(65)【公開番号】P2021160901
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100186853
【弁理士】
【氏名又は名称】宗像 孝志
(72)【発明者】
【氏名】水野 茂
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-214020(JP,A)
【文献】特開2009-196114(JP,A)
【文献】特開2005-112515(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 29/60
B41J 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列に配置された複数の搬送路を備え、搬送されてくるシートを搬送方向上流側から搬送方向下流側に搬送するシート搬送装置であって、
搬送されてくる前記シートに関連するシート関連情報に基づいて当該シートの乾燥時間を算出する乾燥時間算出手段と、
前記複数の搬送路に含まれる一の搬送路を、前記シートを搬送する搬送路として選択する搬送路選択手段と、
選択された前記搬送路に前記シートを案内するシート案内手段と、を備え、
前記搬送路選択手段は、前記シートの乾燥時間に基づいて、前記搬送路を選択する、ことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
少なくとも1つの搬送路において、前記シートが搬送方向の長さ寸法よりも幅寸法が短いとき、前記搬送路に対して回転させて搬送の向きを変える搬送方向変更手段を備える、請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記シート関連情報には、当該シートの大きさを示す情報、当該シートに係る印字率のうち少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記複数の搬送路には、それぞれ、前記シートの搬送又は搬送停止を行うことが可能な搬送手段と、
前記搬送路選択手段によって選択された搬送路の前記搬送手段を制御する制御手段と、を備える請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記搬送手段は、前記シートの搬送の長さ単位で当該シートを搬送可能である、請求項4に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
シートに画像を形成して搬出する画像形成装置と、
画像が形成されたシートに後処理を行う後処理装置と、
前記画像形成装置から搬送されてくるシートを前記後処理装置に搬送する請求項1乃至のいずれか一項に記載のシート搬送装置と、を備えることを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート搬送装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
シート状の媒体に液体を吐出して画像を形成する画像形成装置と、画像が形成された媒体を搬送するシート搬送装置と、搬送されてきた媒体に所定の後処理を行う後処理装置と、を含む画像形成システムが知られている。
【0003】
近年、特に商業分野で用いられる画像形成システムにおいて、高速で画像を形成できる画像形成装置を用いて、シートの後処理まで含めた生産性の向上に対する要求が高まっている。後処理装置でシートを受け入れる速度が画像形成速度よりも遅いとき、後処理速度に起因して画像形成処理の生産性が低下することもある。その場合、画像形成装置と後処理装置との間に、中継搬送装置としてシート搬送装置を配置する。
【0004】
画像形成の生産性を向上させるために、画像形成部と、画像形成後の媒体を排出する媒体排出部との間に、複数の搬送路を並列に配置し、画像形成後の媒体を複数の搬送路に分配し、搬送順に順次下流側に送り出す技術が知られている(特許文献1を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示の技術は、画像形成装置内で媒体を乾燥させるために搬送路を並列に配置したものである。この場合、乾燥に時間を要しない媒体であっても複数の搬送路に分配することになる。並列されている搬送路は、分配しない場合の搬送路よりも搬送路長が長くなるので、乾燥の必要度合いによっては搬送路長が短くてもよい媒体であっても、長い搬送路を利用して搬送することになり、画像形成の生産性が低下する、という課題があった。
【0006】
本発明は、画像形成後のシートの搬送における生産性を向上させるシート搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明はシート搬送装置に関し、並列に配置された複数の搬送路を備え、搬送されてくるシートを搬送方向上流側から搬送方向下流側に搬送するシート搬送装置であって、搬送されてくる前記シートに関連するシート関連情報に基づいて当該シートの乾燥時間を算出する乾燥時間算出手段と、前記複数の搬送路に含まれる一の搬送路を、前記シートを搬送する搬送路として選択する搬送路選択手段と、選択された前記搬送路に前記シートを案内するシート案内手段と、を備え、前記搬送路選択手段は、前記シートの乾燥時間に基づいて、前記搬送路を選択する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像形成後のシートの搬送における生産性を向上させることがきる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る画像形成システムの実施形態としてのプリントシステムの概略を示す模式図
図2】上記プリントシステムを構成するプリンタの概略側面図。
図3】本発明に係るシート搬送装置を構成する中継搬送装置の概略側面図。
図4】上記プリントシステムを構成する後処理装置の概略側面図。
図5】上記後処理装置の部分拡大図。
図6】上記中継搬送装置が備える搬送分岐部の拡大説明図。
図7】上記中継搬送装置が備える搬送分岐部の拡大説明図。
図8】上記中継搬送装置が備える搬送分岐部の拡大説明図。
図9】上記中継搬送装置が備える搬送分岐部の拡大説明図。
図10】上記中継搬送装置が備える搬送分岐部の拡大説明図。
図11】上記プリンタの制御部の構成図。
図12】上記中継搬送装置の制御部の構成図。
図13】上記後処理装置の制御部の構成図。
図14】上記中継搬送装置のおける制御搬送処理の流れを示すフローチャート。
図15】上記中継搬送装置のおける制御搬送処理の流れを示すフローチャート。
図16】上記中継搬送装置のおける制御搬送処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ実施形態に係るシート搬送装置及び画像形成システムについて説明する。また以下の説明では、同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0011】
<全体構成>
本発明に係るシート搬送装置及び、同装置を備える画像形成システムの実施形態としてのプリントシステム1000の概要を説明する。図1に示すように、プリントシステム1000は、画像形成装置の実施形態としてのプリンタ100と、シート搬送装置の実施形態としての中継搬送装置200と、後処理装置300と、を連結してその順に用紙(シート)Pを搬送可能に構成される。
【0012】
プリントシステム1000において、プリンタ100における画像形成処理によって画像が形成された用紙Pが、シート搬送装置としての中継搬送装置200が備える複数の搬送路のうち適宜選択された搬送路を介して、後処理装置300に搬出される。後処理装置300は、中継搬送装置200から搬出された用紙Pに対して所定の後処理を行い、後処理後の用紙Pを排出する。中継搬送装置200に対して、搬送方向上流側の装置としてプリンタ100が連結され、搬送方向下流側の装置として後処理装置300が連結されて、画像形成システムとしてのプリントシステム1000が構成される。以下、プリンタ100、中継搬送装置200、後処理装置300の概要について、図を用いて個別に説明する。
【0013】
<プリンタ100の概要>
次に、図2を参照しながら、プリンタ100の概要について説明する。図2に示すように、プリンタ100は、画像形成部101と、給紙トレイとしてのシート収容部102と、給紙手段としてのシート供給部103と、シート搬送手段としてのシート搬送部104と、搬送路切替手段としての反転搬送路切替部106と、原稿読取手段としての原稿読取部108と、用紙Pの両面に画像を形成させるための反転搬送路109と、制御手段としての制御部500と、を有している。制御部500の詳細は、後述する。
【0014】
画像形成手段としての画像形成部101は、例えばY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、B(ブラック)の四色の液体インクを吐出する吐出口(ノズル)を備える液体吐出ヘッドにより構成されている。液体吐出ヘッドは、各色の液体インクを吐出するものとして個別に設けられている。画像形成部101を構成する各液体吐出ヘッドへの液体インクの供給は、インクカートリッジに接続されている供給ポンプの駆動による。したがって、各液体吐出ヘッドには、各色の液体インクを収容しているインクカートリッジから供給ポンプによって液体インクが供給される。なお、各色のインクカートリッジは、画像形成ユニット20が備えるカートリッジ装填部に対し着脱可能に取り付けられている。
シート収容部102は、シート状の媒体である用紙Pを積載して収納する複数のシートカセットを備えている。用紙Pは、例えば、紙(用紙)、OHPシート、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチックなど、インクを付着させて画像を形成し、湾曲させて搬送させることが可能なあらゆる媒体を指す。
【0015】
シート供給部103は、シート収容部102に収容されている用紙Pを取り出すピックアップローラと、取り出した用紙Pを1枚ずつ分離して搬送する分離ローラ及びリバースローラによって構成される。
【0016】
シート搬送部104は、複数の搬送ローラと拍車とからなる搬送ローラ対によって用紙Pの搬送路に沿って複数配置されている。各搬送ローラ対は、それぞれ搬送駆動部によって回転され、所定の搬送速度で用紙Pを所定の方向に搬送する。なお、搬送ローラ対の一方は、拍車に限定されるものではなく、用紙Pとの接触面積が拍車と同程度に小さく、用紙Pと部分的に接触する回転体であればよく、例えば、表面が砥粒状のローラでもよい。
【0017】
反転搬送路切替部106は、用紙Pの画像形成面を反転させて画像形成部101に搬送するための反転搬送路109に用紙Pを導くための切換爪によって構成される。用紙Pの両面に画像を形成するときには、画像形成部101において第一面に画像が形成された用紙Pを一旦、用紙Pの後端が反転搬送路切替部106を過ぎるまで搬送方向下流側に搬送する。その後、反転搬送路切替部106によって搬送路を切り換えてから、用紙Pを搬送方向上流側に逆搬送させて反転搬送路109から画像形成部101へ導く搬送路に合流させる。その後、反転された用紙Pの画像形成部101に対向する第二面(第一面の反対側の面)に対して、画像形成部101は画像形成を行う。
【0018】
<中継搬送装置200の概要>
次に、シート搬送装置としての中継搬送装置200の概要について、図3を用いて説明する。プリンタ100から排出された用紙Pは、シート搬送装置としての中継搬送装置200の入り口ガイド板201に搬送され、搬送手段としての入口搬送ローラ211によって中継搬送装置200の内部に搬送される。入口搬送ローラ211は駆動ローラ対211aと従動側の拍車ローラ211bとの構成となっている。拍車ローラ211bは搬送面の下側に配置されており、各搬送路についても同様な構成となっている。さらに駆動ローラ側、拍車ローラ側の案内板については、用紙Pと接触面積が少なくなるように、案内板に図示せず絞り等の構成とすることで印刷面の画像の「カスレ」や「削れ」を防止する構成となっている。
【0019】
中継搬送装置200に搬送された用紙Pは、複数の搬送路のうち、搬送分岐部210aによって一の搬送路としての上搬送路(搬送路の搬送方向の長さが中程度)、また他の一の搬送路としてのストレート搬送路(搬送路の搬送方向の長さが最小)、そして他の一の搬送路としての下搬送路(搬送路の搬送方向の長さが最大)に分岐される。分岐部の構成については後述する。
【0020】
上搬送路に搬送される用紙Pは、搬送手段としての駆動ローラと拍車ローラのセットである上搬送ローラ対219によって上搬送路に案内される。上搬送ローラ対219は上搬送モータ620(図15参照)の駆動によって搬送を行う。上搬送ローラ対219は、用紙Pの搬送方向における長さ寸法に合わせ、1枚の用紙Pの長さ(長さ単位)で、用紙Pの搬送をするように動作する。
【0021】
ストレート搬送路に搬送される用紙Pは、搬送手段としての駆動ローラと拍車ローラのセットであるストレート搬送ローラ対217によってストレート搬送路に案内される。ストレート搬送ローラ対217はストレート搬送モータ621(図12参照)の駆動によって搬送を行う。ストレート搬送ローラ対217は、用紙Pの搬送方向における長さ寸法に合わせ、1枚の用紙Pの長さ(長さ単位)で、用紙Pの搬送をするように動作する。
【0022】
下搬送路に搬送される用紙Pは、搬送手段としての駆動ローラと拍車ローラのセットである下搬送ローラ対222によって下搬送路に案内される。下搬送ローラ対222は下搬送モータ622(図12参照)の駆動によって搬送を行う。下搬送ローラ対222は、用紙Pの搬送方向における長さ寸法に合わせ、1枚の用紙Pの長さ(長さ単位)で、用紙Pの搬送をするように動作する。
【0023】
下搬送路に、用紙Pの搬送方向を90度回転させて縦向き搬送から横向き搬送にして格納し、最後に逆方向に90度回転させて元の方向に戻すことができる入口ローテート機構206、出口ローテート機構207を設けることにより、下搬送路に格納できる用紙Pの枚数を増加させることができる。
【0024】
<後処理装置300の概要>
次に、後処理装置300の概要について、図4及び図5を用いて説明する。中継搬送装置200より排出された用紙Pは後処理装置300の入り口ガイド板301に搬送され、搬送手段としての搬送ローラ対302、303によって後処理装置300の内部に搬送される。後処理装置300に搬送された用紙Pは分岐爪304によってソート搬送路、及びステイプル搬送路に分岐される。
【0025】
ソート搬送路に搬送された用紙Pは搬送手段としての搬送ローラ対305、排紙ローラ対311によって積載トレイ351に排出される。排出時には戻し駆動ローラ361によって積載トレイのエンドフェンス側に戻す動作を行い、用紙揃え機構362によって搬送方向の垂直方向の揃えを行う。
【0026】
ステイプル搬送路に搬送された用紙Pは、ステイプルセンサ367を通過し、搬送手段としての搬送ローラ対309によってステイプルトレイ365に排出されて、その後端がタタキコロ310、先端ストッパ363によって基準フェンス369,370に突き当てられ整合される。その後、用紙Pは、ジョガーフェンス372によって幅方向が整合され、用紙後端揃え装置371によって後端部が押圧されて整合され、ステイプラ368によって所望の位置に綴じ処理され、綴じ処理後放出爪366、及び排紙ローラ対311によって積載トレイ351に放出される。
【0027】
次に図5を用いてプレスタック部3aのプレスタック搬送制御について説明する。複数枚の用紙Pを一部として、用紙束Ptを構成するとき、その「用紙束Pt」の先頭の1枚目が入口センサ341を通過して、所定の距離を移動した後、分岐爪304がステイプル側に搬送する為に切替えモータによって切り替えられる。そして、先頭の1枚目が、さらに所定の距離を移動した後、プレスタック分岐爪350が分岐爪切替モータによって切り替えられて、第1搬送路(駆動ローラ357と従動ローラ356の搬送ローラ対)へ導かれる状態になる。さらに所定の距離を移動した後に用紙束Ptの先頭の1枚目が停止位置に到達する。停止位置に到達したとき、駆動ローラ357を停止させて、用紙P(1枚目)の搬送を停止する。
【0028】
「用紙束Pt」の2枚目が入口センサ341を通過して、所定の距離を移動した後、プレスタック分岐爪350が分岐爪切替モータによって切り替えられて、第2搬送路(駆動ローラ358と従動ローラ359の搬送ローラ対)へ導かれる状態になる。第2搬送路でそのまま搬送された用紙P(2枚目)は、停止位置を検知する検知部381まで搬送される。その後、用紙Pが停止位置に至ったときに、それが検知されて駆動ローラ358と従動ローラ359の搬送圧力が解除される。搬送圧力は、駆動ローラ358を直接解除してもよく、また、駆動ローラ358と従動ローラ359そのものの搬送圧力を解除するようにしてもよい。
【0029】
「用紙束Pt」の3枚目が入口センサ341を通過して、所定の距離を移動した後、プレスタック分岐爪350が分岐爪切替モータによって切り替えられて、第3搬送路(駆動ローラ352と従動ローラ353の搬送ローラ対)へと導かれる。用紙P(3枚め)がそのまま搬送されて、駆動ローラ352によって用紙位置を検知する検知部380まで搬送される。用紙位置において用紙Pが検知されたとき、駆動モータによって第1搬送路の駆動ローラを動作させて、第1搬送路上の用紙Pの移動を開始させる。同時に、第2搬送路の搬送圧力をONさせ、第2搬送路上の用紙Pの移動を開始させる。全ての用紙Pが重なった状態で、搬送手段としての駆動と従動ローラ355の搬送ローラ対345、搬送ローラ対309によるステイプルトレイへの搬送が行われる。
【0030】
「用紙束Pt」の途中の用紙Pである偶数枚目については、入口センサ341を通過して、所定の距離を移動した後、プレスタック分岐爪350が分岐爪切替モータによって切り替えられて、第2搬送路に導かれる。当該用紙Pがそのまま搬送されて、停止位置にて検知部381で検知されるまで搬送される。停止位置において用紙Pが検知されたとき、駆動ローラ358と従動ローラ359の搬送圧力を解除する。搬送圧力は、駆動ローラ358を直接解除してもよく、また、ガイド板383そのものの搬送圧力を解除するようにしてもよい。
【0031】
「用紙束Pt」の途中の用紙Pである奇数枚目については、入口センサ341を通過し、所定の距離を移動した後、プレスタック分岐爪350が分岐爪切替モータによって切り替えられて、第3搬送路に導かれる。当該用紙Pがそのまま搬送されて、駆動ローラ352と従動ローラ353によって、用紙位置を検知する検知部380まで搬送される。用紙位置において検知されて第2搬送路の搬送圧力をONさせ、第2搬送路上の用紙Pの移動を開始する。全ての用紙Pが同期するようにしてステイプルトレイへの駆動である、搬送ローラ対354、309によってステイプルトレイに搬送を行うものである。
【0032】
<搬送分岐部の構成>
次に、本実施形態に係る中継搬送装置200が備える搬送部210(シート案内手段としての搬送分岐部210a、搬送合流部210b、搬送屈曲部210c、210d、210e、210f)の構成について説明する。図6図7図8に例示する搬送分岐部210aは、中継搬送装置200が備える複数の搬送路に対して、プリンタ100から搬出された用紙Pを案内するための案内する構成の一例である。
【0033】
搬送分岐部210aには、複数の駆動ローラ231、232、233、234が配置されていて、これら駆動ローラ231、232、233、234に対向する複数の拍車ローラ230と、対向せずにフリーで回転可能な複数の拍車ローラ230が配置されている。
【0034】
プリンタ100から搬送された用紙Pの搬送路を切り替える位置に配置される搬送分岐部210aは、下搬送切り替え爪235と、上搬送切り替え爪236と、用紙Pの異常を検知して搬送を止めた場合に用紙Pを除去しやすいように搬送路を開放するガイド板237と、を備えている。下搬送切り替え爪235と上搬送切り替え爪236は、第一入口分岐モータ627、第二入口分岐モータ628によって図示しない回転軸を中心として回動することにより、所定の搬送路に用紙Pを案内する位置に移動される。
【0035】
図6は、第1搬送分岐路としてのストレート搬送路に用紙Pを案内する場合を例示している。なお図6(a)は、各構成を示すために符号を付しているが、図6(b)は用紙Pが案内される様子を例示するために符号を省略している。以下、図7図8においても同様である。図6(a)に示すように、下搬送切り替え爪235と上搬送切り替え爪236は、第一入口分岐モータ627、第二入口分岐モータ628によって用紙Pをストレート搬送路に案内する方向に位置するように動作される。図6(b)に示すように用紙Pが案内される状態になっていれば、下搬送切り替え爪235と上搬送切り替え爪236を動作させる必要はない。
【0036】
図7は、第2搬送分岐路としての上搬送路に用紙Pを案内する場合を例示している。
図7(a)に示すように、上搬送路に用紙Pを案内するときには、下搬送切り替え爪235と上搬送切り替え爪236は第一入口分岐モータ627、第二入口分岐モータ628によって用紙Pを上搬送路に案内する方向に位置するように動作される。
【0037】
図7(b)に示すように、上搬送路に用紙Pを案内するときには、下搬送切り替え爪235はストレート搬送と同じ位置になる。また、上搬送切り替え爪236は、用紙Pを上搬送路に案内するように、上搬送切り替え爪236の上流側を下方向に位置するように回動される。用紙Pは、上搬送切り替え爪236の上面に沿って搬送された場合に、印刷面(画像形成面)との接触が増える可能性があるので、これを避けるために、フリーに回転可能な拍車ローラ230が上搬送切り替え爪236にも配置されている。拍車ローラ230の配置は、用紙Pの先端が上搬送切り替え爪236に接触しないような間隔とする。
【0038】
図8は、第3搬送分岐路としての下搬送路に用紙Pを案内する場合を例示している。図8(a)に示すように、下搬送路に用紙Pを案内するときには、下搬送切り替え爪235が第一入口分岐モータ627によって用紙Pを下搬送路に案内する方向に動作する。
【0039】
図8(b)に示すように、下搬送切り替え爪235は用紙Pを下搬送路に案内するように下搬送切り替え爪235の上流側を上方向に位置するように回動される。用紙Pが下搬送切り替え爪235の下面に沿って搬送された場合に下搬送切り替え爪235と対向する屈曲した搬送ガイド面に印刷面との接触が増える可能性があるので、これを避けるために、フリーに回転可能な拍車ローラ230が下搬送切り替え爪235と対向する屈曲した搬送ガイド面にも配置されている。拍車ローラ230の配置は、用紙Pの先端が下搬送切り替え爪235と対向する屈曲した搬送ガイド面に接触しないような間隔とする。
【0040】
図9は、ストレート搬送路、上搬送路、下搬送路の合流箇所に配置される搬送合流部210b(分岐合流部)の構成図である。搬送合流部210bは、用紙Pの異常を検知して搬送を止めた場合に用紙Pを除去しやすいように搬送路を開放するガイド板242、243、244、用紙Pを搬送させる駆動ローラ232、233、234、240、241によって用紙Pを搬送させるように構成されている。なお、各駆動ローラに対向する複数の拍車ローラ230と、対向しない複数の拍車ローラ230も配置されている。
【0041】
ガイド板244に用紙Pが接触しないような間隔で拍車ローラ230が配置される。また下搬送路からストレート搬送路に合流する箇所では、用紙Pの先端が駆動ローラ234と駆動ローラ241との受け渡しがうまくいくように他の拍車ローラ230よりも大きな拍車ローラである駆動ローラ241を配置するものとする。
【0042】
図10は、上搬送路又は下搬送路のターン部に配置される搬送屈曲部210c、210d、210e、210fの構成図である。駆動ローラ233、234によって用紙Pを搬送させるように構成されている。なお、各駆動ローラに対向する複数の拍車ローラ230と、対向しない複数の拍車ローラ230も配置されている。
【0043】
なお、図3においてに例示した、中継搬送装置200が備える駆動ローラ対211aと図6から図10において示した、駆動ローラ231は同様のものである。同様に、符号219aと233、217aと232、222aと234、219b・217b・222bと230、215aと240を付したそれぞれのローラは、相互に同じ機能を備えるものに相当する。
【0044】
<プリントシステム1000の制御構成>
次に、本実施形態に係るプリントシステム1000における制御構成について、図11から図13を用いて説明する。図11は、プリンタ100の制御構成である制御部500の機能構成を例示する図である。
【0045】
制御部500は、このプリンタ100の全体の制御を司るCPU(Central Processing Unit)501と、CPU501が実行するプログラム、その他の固定データを格納する記憶手段としてのROM(Read Only Memory)502と、画像データ(印刷データ)等を一時格納する記憶手段としてのRAM(Random Access Memory)503と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための記憶手段である不揮発性メモリとしてのNVRAM(Non-Volatie Random Access Memory)504と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC(Application Specific Intergrated Circuit)505と、原稿読取部108による画像読取及び読取画像のデータ処理などを行うスキャナ制御部506を備えている。
【0046】
また、この制御部500は、外部装置(中継搬送装置200)からデータを受信する場合に使用するデータ及び信号の送受を行うためのインターフェースとしてのI/F(Interface)507と、画像形成部101が備える記録ヘッドを駆動制御するためのヘッド駆動制御部508及びヘッドドライバ509と、記録ヘッドを搭載しているキャリッジを主走査する主走査モータ121、搬送ベルトを回動させる副走査モータ131、シート搬送部104を構成するローラ類を回転駆動する搬送モータ526、シート供給部103を構成する給紙ローラ類を回転駆動する給紙モータ45、反転搬送路切替部106を回転駆動する両面搬送モータ524などの各種モータ(駆動源)をそれぞれ独立して駆動するためのモータドライバを含むモータ駆動部511~515、531を備えている。
【0047】
また、シート供給部103を構成するローラをそれぞれ独立に回転駆動するための給紙電磁クラッチ、搬送路401をそれぞれ独立駆動するための電磁クラッチ、反転搬送路切替部106を排紙位置と両面位置及びストレート排紙位置とに揺動変位させる分岐板ソレノイドなどのクラッチ類525を駆動するためのクラッチ類駆動部516などを備えている。
【0048】
さらに、制御部500は、環境条件としての温度及び湿度を検出する温湿度センサ534からの検知信号、図示しない画像開始センサや画像終了センサなどの各種センサの検知信号を取り込むためのI/O521を備え、また、この装置に必要な情報の入力及び表示をおこなうための操作パネル522が接続されている。
【0049】
ここで、温度及び湿度を検出する温湿度センサ534は、プリンタ100の任意の箇所に設けられる。温湿度センサ534を被記録媒体(被搬送物)である用紙Pを積載するシート供給部103の近傍に設けることによって、給紙される用紙Pが置かれている周囲の温湿度を検出することができ、給紙される用紙Pに含まれる水分量を得ることができ、より、精度の高いカール防止制御を行うことができる。
【0050】
また、温湿度センサ534を画像形成が終了した被記録媒体である用紙Pの近傍に設けることによって、画像形成終了後の用紙Pが置かれる周囲の温湿度を検出することができ、画像形成終了後の用紙Pの乾燥状態を得ることができ、より、精度の高いカール防止制御を行うことができる。
【0051】
なお、温湿度センサ534は、シート収容部102などから給紙された用紙Pの周囲の温湿度を検出できる箇所、両面印刷の場合に再給紙される用紙Pの温湿度を検出できる箇所などに設けることもできる。
【0052】
制御部500は、画像読取部111によって原稿画像を読み取った場合には、読取画像を処理してスキャナ制御部506内のバッファに格納する。また、外部とのI/F507を介してパーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などの外部ホスト側から印刷データ等を受信した場合にはI/F507に含まれる受信バッファ内に格納する。
【0053】
そして、CPU501は、スキャナ制御部506やI/F507から画像データを読み出して解析し、ASIC505にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行ってヘッド駆動制御部508に印刷画像データを転送する。なお、外部からのデータに基づいて画像出力するためのドットパターンデータの生成は、例えばROM502にフォントデータを格納して行っても良いし、外部ホスト側のプリンタドライバで画像データをビットマップデータに展開してこの画像形成装置に転送するようにしても良い。
【0054】
ヘッド駆動制御部508は、画像形成部101が備える各記録ヘッドの1動作周期に画像データを受け取ると、その分の画像データをヘッドドライバ509に転送し、ヘッドドライバ509は画像データに基づいて記録ヘッドのアクチュエータ手段に対して選択的に所要の駆動波形を印加させて駆動して、各記録ヘッドの所要のノズルから液滴が吐出させる。画像形成終了後に、搬送先である中継搬送装置200に用紙Pを送り出す。
【0055】
<中継搬送装置200の制御構成>
次に、本実施形態に係るプリントシステム1000における制御構成の一部である中継搬送装置200が備える制御部600について、図12を用いて説明する。
【0056】
制御部600は、中継搬送装置200全体の制御を司るCPU601と、CPU601が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM602と、用紙Pに形成するための画像データ等を一時格納するRAM603を備えている。
【0057】
また、この制御部600は、外部装置(プリンタ100、後処理装置300)からデータを受信する場合に使用するデータ及び信号の送受を行うためのインターフェースとしての上流機I/F604と、周辺機I/F605を備えている。
【0058】
中継搬送装置200内に搬送された用紙Pを搬送又は搬送停止させるためのローラ類を回転駆動する各種モータ(駆動源)620~628をそれぞれ独立して駆動するためのモータドライバを含むモータ駆動部610~618を備えている。また、中継搬送装置200内に搬送された用紙Pを搬送又は搬送停止させるためのローラ類を分割回転駆動するためのクラッチ類駆動部619とクラッチ類629を備えている。
【0059】
制御部600が備える構成によって、ストレート搬送ローラ対217、上搬送ローラ対219、下搬送ローラ対222のそれぞれを構成するローラの回転駆動の開始及び停止が制御される。したがって、制御部600は、搬送制御手段に相当する。制御部600の搬送制御に基づいて、用紙Pの搬送泳及び搬送停止のタイミング、搬送量が制御される。
【0060】
また、制御部600は、用紙Pのシート関連情報としての用紙情報によって、上流側の装置としてのプリンタ100か各用紙Pに関する印字率の通知を得て、乾燥度(乾燥時間)を算出する。そして、乾燥度等に基づいて、用紙Pを案内する搬送路の選択をし、かつ、搬送順序の制御も行う。したがって、制御部600は、搬送路選択手段も構成する。
【0061】
<後処理装置300の制御構成>
次に、本実施形態に係るプリントシステム1000における制御構成の一部である後処理装置300が備える制御部700について、図13を用いて説明する。
【0062】
制御部700は、後処理装置300内の各センサ及び各スイッチからの信号がI/Oインターフェース701を介してCPU702へ入力される。CPU702は入力された信号に応じて戻し駆動ローラ361を回転させるための駆動モータ703、積載トレイ351を昇降させる上下モータ704、積載トレイ351のシフトを行うシフトモータ714、分岐爪304の切り替え動作を行うソレノイド705、タタキコロ310を駆動するタタキソレノイド706、搬送ローラ対303、305、309などを駆動する搬送モータ707、排紙ローラ対311を駆動する排紙モータ708、ステイプラ368を駆動するステイプラモータ709、ステイプルトレイ365上の用紙Pを送り出すための放出ベルトを駆動する放出モータ710、用紙Pの綴じ位置を調節するためステイプラ368を移動させるためのステイプラ移動モータ711、ジョガーフェンス372を駆動するジョガーモータ712を制御する。CPU702は、さらに、パンチ処理を行わせるパンチ駆動モータ713の駆動を制御する。
【0063】
<中継搬送装置200の動作フロー>
次に、本実施形態に係る中継搬送装置200における、用紙Pの搬送ルートの決定処理の一例を説明する。図14から図16は、中継搬送装置200が備える制御部600において実行される処理の流れを例示している。
【0064】
まず、プリンタ100において画像が形成された用紙Pが中継搬送装置200に対して搬送されたか否かを、入口センサ213の検知結果で判断する(S1701)。入口センサ213がON(用紙Pが検知された状態)になるまで、S1701の処理をループする(S1701:N)。入口センサ213がONになったとき(S1702:Y)、プリンタ100から通知される用紙P(以下、処理対象の用紙Pを他の用紙Pと区別するために「用紙Pn」と表記する。)に関する情報であってシート関連情報としての用紙情報から、用紙Pnを乾燥させるための乾燥度としての「乾燥時間」を算出する(S1702)。なお、用紙情報には、1つのジョブに含まれる複数の用紙Pのうち、当該処理を行っている用紙Pnの搬送順序を示す情報も含む。これによって、後段の処理において、用紙Pnの搬送順序が制御部600によって制御される。
【0065】
乾燥時間は、中継搬送装置200が備える制御部600において算出される。したがって、制御部600が乾燥時間算出手段に相当する。
【0066】
なお、設定乾燥時間は、用紙Pnに対する画像形成処理において付着された液体インクを乾燥させるために必要な時間に相当する。本実施形態に係る設定乾燥時間は、用紙Pnに対する画像形成処理における「印字率」に基づいて算出される。なお、設定乾燥時間は、後述する処理において、所定の閾値との比較によって「短い」「長い」「中間」に区別可能なパラメータであれば、印字率に限定されるものではない。例えば、用紙Pnに対する画像形成処理で使用された液体インクの量や、用紙Pnに仮想的に設定される「画像形成領域」に対して画像が形成された領域の大きさ(面積)の比率などに基づいて「設定乾燥時間」を算出してもよい。
【0067】
続いて、算出された「設定乾燥時間」について予め設定されている「閾値」に基づいて、「短い」又は「中間」又は「長い」のいずれに該当するかを判定する。そして、設定乾燥時間に対する判定結果に基づいて、用紙Pnの搬送路(搬送ルート)を決定する。
【0068】
まず、用紙Pnの設定乾燥時間が所定の閾値よりも「短い」と判定されるものであるか否かで処理が分岐する(S1703)。S1703において、用紙Pnの設定乾燥時間が「短い」と判定されるものであるとき(S1703:Y)、中継搬送装置200の内部において、すでに搬送中(乾燥中)の用紙P(1つ前のタイミングで搬送されている先行シートとしての用紙Pを意味する。以下、用紙Pnと区別するために用紙Poと表記する。)があるか否かをチェックする(S1704)。中継搬送装置200に用紙Poが無ければ(S1704:Y)、用紙Pnの搬送路を第1搬送手段としての「ストレート搬送路」に設定し、ストレート搬送路に用紙Pnを案内する(S1705)。
【0069】
S1704において、中継搬送装置200に用紙Poがあると判定されたときは(S1704:N)、用紙Poに対して判定された乾燥時間の種類と、用紙Poに選択された搬送路と、を判定する(S1706)。ここで、用紙Poの設定乾燥時間が「短い」と判定されたものであり、かつ、選択された搬送路が第2搬送手段としての上搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1706:Y)、用紙Pnの搬送路を第2搬送手段としての「上搬送路」に設定し、上搬送路に用紙Pnを案内する(S1707)。
【0070】
S1706において2つの条件が合致しなければ(S1706:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間の種類が「短い」である、かつ、用紙Poに選択された搬送路が第1搬送手段としてのストレート搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1708:Y)、用紙Pnの搬送路を第1搬送手段としての「ストレート搬送路」に設定し、ストレート搬送路に用紙Pnを案内する(S1709)。
【0071】
S1708において2つの条件が合致しなければ(S1708:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間の種類が「短い」である、かつ、用紙Poに選択された搬送路が第3搬送手段としての下搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1710:Y)、用紙Pnの搬送路を第3搬送手段としての「下搬送路」に設定し、下搬送路に用紙Pnを案内する(S1711)。
【0072】
S1710において2つの条件が合致しなければ(S1710:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間の種類が「中間」である、かつ、用紙Poに選択された搬送路が第2搬送手段としての上搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1712:Y)、用紙Pnの搬送路を「ストレート搬送路」に設定し、ストレート搬送路に用紙Pnを案内する(S1713)。
【0073】
S1712において2つの条件が合致しなければ(S1712:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間が「中間」である、かつ、用紙Poに選択された搬送路が第1搬送手段としてのストレート搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1714:Y)、用紙Pnの搬送路を「上搬送路」に設定し、上搬送路に用紙Pnを案内する(S1715)。
【0074】
S1714において2つの条件が合致しなければ(S1714:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間が「中間」である、かつ、用紙Poに選択された搬送路が第3搬送手段としての下搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1716:Y)、用紙Pnの搬送路を「下搬送路」に設定し、下搬送路に用紙Pnを案内する(S1717)。
【0075】
S1716において2つの条件が合致しなければ(S1716:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間が「長い」である、かつ、用紙Poに選択された搬送路が第2搬送手段としての上搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1718:Y)、用紙Pnの搬送路を「下搬送路」に設定し、下搬送路に用紙Pnを案内する(S1719)。
【0076】
S1718において2つの条件が合致しなければ(S1718:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間が「長い」である、かつ、用紙Poに選択された搬送路が第1搬送手段としてのストレート搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1720:Y)、用紙Pnの搬送路を「下搬送路」に設定し、下搬送路に用紙Pnを案内する(S1721)。
【0077】
S1720において2つの両条件が合致しなければ(S1720:N)、用紙Poの搬送路を「下搬送路」に設定し、下搬送路に用紙Pnを案内する(S1722)。
【0078】
上記のように、中継搬送装置200では、プリンタ100から搬送された用紙Pnに対して算出された乾燥時間に基づいて、かつ、1つ前に搬送されている用紙Poの設定乾燥時間及び用紙Poに設定された搬送路に基づいて、用紙Pnの搬送ルートを決定する。
【0079】
用紙Pnに対する搬送路が設定された後、用紙Pnに係る「設定乾燥時間」と「搬送路」とを記憶手段としてのRAM603に記憶する(S1723)。
【0080】
処理をS1703に戻す。S1703において、用紙Pnの設定乾燥時間が「短い」と判定されるものではないとき(S1703:N)、図15に示すように、用紙Pnの設定乾燥時間が所定の閾値よりも「中間」と判定されるものであるか否かで処理が分岐する(S1801)。S1801において、用紙Pnの設定乾燥時間が「中間」と判定されるものであるとき(1801:Y)、中継搬送装置200の内部において、すでに搬送中(乾燥中)の用紙Poがあるか否かをチェックする(S1802)。中継搬送装置200に用紙Poが無ければ(S1802:Y)、用紙Pnの搬送路を第2搬送手段としての「上搬送路」に設定し、上搬送路に用紙Pnを案内する(S1803)。
【0081】
S1802において、中継搬送装置200に用紙Poがあると判定されたときは(S1802:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間の種類と、用紙Poに選択された搬送路と、を判定する(S1704)。ここで、用紙Poの設定乾燥時間が「短い」と判定されたものであり、かつ、選択された搬送路が上搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1804:Y)、用紙Pnの搬送路を「上搬送路」に設定し、上搬送路に用紙Pnを案内する(S1805)。
【0082】
S1804において2つの条件が合致しなければ(S1804:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間の種類が「短い」である、かつ、用紙Poに選択された搬送路がストレート搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1806:Y)、用紙Pnの搬送路を「上搬送路」に設定し、上搬送路に用紙Pnを案内する(S1807)。
【0083】
S1806において2つの条件が合致しなければ(S1806:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間の種類が「短い」である、かつ、用紙Poに選択された搬送路が下搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1808:Y)、用紙Pnの搬送路を「下搬送路」に設定し、下搬送路に用紙Pnを案内する(S1809)。
【0084】
S1808において2つの条件が合致しなければ(S1808:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間の種類が「中間」である、かつ、用紙Poに選択された搬送路が上搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1810:Y)、用紙Pnの搬送路を「上搬送路」に設定し、上搬送路に用紙Pnを案内する(S1811)。
【0085】
S1810において2つの条件が合致しなければ(S1810:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間が「中間」である、かつ、用紙Poに選択された搬送路がストレート搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1812:Y)、用紙Pnの搬送路を「下搬送路」に設定し、下搬送路に用紙Pnを案内する(S1813)。
【0086】
S1812において2つの条件が合致しなければ(S1812:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間が「中間」である、かつ、用紙Poに選択された搬送路が下搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1814:Y)、用紙Pnの搬送路を「下搬送路」に設定し、下搬送路に用紙Pnを案内する(S1815)。
【0087】
S1814において2つの条件が合致しなければ(S1814:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間が「長い」である、かつ、用紙Poに選択された搬送路が上搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1816:Y)、用紙Pnの搬送路を「下搬送路」に設定し、下搬送路に用紙Pnを案内する(S1817)。
【0088】
S1816において2つの条件が合致しなければ(S1816:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間が「長い」である、かつ、用紙Poに選択された搬送路がストレート搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1818:Y)、用紙Pnの搬送路を「下搬送路」に設定し、下搬送路に用紙Pnを案内する(S1819)。
【0089】
S1818において2つの両条件が合致しなければ(S1818:N)、用紙Poの搬送路を「下搬送路」に設定し、下搬送路に用紙Pnを案内する(S1820)。
【0090】
用紙Pnに対する搬送路が設定された後、用紙Pnに係る「設定乾燥時間」と「搬送路」とを記憶手段としてのRAM603に記憶する(S1821)。
【0091】
処理をS1801に戻す。S1801において、用紙Pnの設定乾燥時間が「中間」と判定されるものではないとき(S1801:N)、図16に示すように、中継搬送装置200の内部において、すでに搬送中(乾燥中)の用紙Poがあるか否かをチェックする(S1901)。中継搬送装置200に用紙Poが無ければ(S1901:Y)、用紙Pnの搬送路を「下搬送路」に設定し、下搬送路に用紙Pnを案内する(S1902)。
【0092】
S1901において、中継搬送装置200に用紙Poがあると判定されたときは(S1901:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間の種類と、用紙Poに選択された搬送路と、を判定する(S1903)。ここで、用紙Poの設定乾燥時間が「短い」と判定されたものであり、かつ、選択された搬送路が上搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1903:Y)、用紙Pnの搬送路を「ストレート搬送路」に設定し、ストレート搬送路に用紙Pnを案内する(S1904)。
【0093】
S1903において2つの条件が合致しなければ(S1903:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間の種類が「短い」である、かつ、用紙Poに選択された搬送路がストレート搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1905:Y)、用紙Pnの搬送路を「上搬送路」に設定し、上搬送路に用紙Pnを案内する(S1906)。
【0094】
S1905において2つの条件が合致しなければ(S1905:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間の種類が「短い」である、かつ、用紙Poに選択された搬送路が下搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1907:Y)、用紙Pnの搬送路を「上搬送路」に設定し、上搬送路に用紙Pnを案内する(S1908)。
【0095】
S1907において2つの条件が合致しなければ(S1907:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間の種類が「中間」である、かつ、用紙Poに選択された搬送路が上搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1909:Y)、用紙Pnの搬送路を「ストレート搬送路」に設定し、ストレート搬送路に用紙Pnを案内する(S1910)。
【0096】
S1909において2つの条件が合致しなければ(S1909:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間の種類が「中間」である、かつ、用紙Poに選択された搬送路がストレート搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1911:Y)、用紙Pnの搬送路を「下搬送路」又は「上搬送路」のいずれかに設定し、設定した搬送路に用紙Pnを案内する(S1912)。S1912において、上搬送路の方を優先して設定する。すなわち、S1912が実行されるときに、上搬送路に用紙Poが存在しなければ(上搬送路に用紙Pnを受け入れる空きがあれば)、上搬送路に用紙Pnを案内する。
【0097】
S1911において2つの条件が合致しなければ(S1911:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間が「中間」である、かつ、用紙Poに選択された搬送路が下搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1913:Y)、用紙Pnの搬送路を「下搬送路」又は「上搬送路」のいずれかに設定し、設定した搬送路に用紙Pnを案内する(S1914)
【0098】
S1914においては、下搬送路又は上搬送路に案内されている用紙Poの乾燥状態に応じて、用紙Pnの搬送路の設定が行われる。例えば、上搬送路に案内されている用紙Poが乾燥していて、後処理装置300に対して搬出可能であれば、用紙Pnの搬送路を「上搬送路」に設定し、上搬送路に用紙Pnを案内する。ここで「乾燥しているか否か」の判定は、用紙Poに対するS1702において算出された用紙Poの設定乾燥時間に対する滞留時間であって、用紙Poに対するS1702から用紙Pnに対するS1914が実行されるまでの滞留時間に基づいて行われる。滞留時間が設定乾燥時間を超過していれば、用紙Poは乾燥していると判定し、滞留時間が設定乾燥時間未満であれば、用紙Poは乾燥していないと判定する。
【0099】
S1913において2つの条件が合致しなければ(S1913:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間が「長い」である、かつ、用紙Poに選択された搬送路が上搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1915:Y)、用紙Pnの搬送路を「ストレート搬送路」に設定し、ストレート搬送路に用紙Pnを案内する(S1916)。
【0100】
S1915において2つの条件が合致しなければ(S1915:N)、用紙Poに対して判定された設定乾燥時間が「長い」である、かつ、用紙Poに選択された搬送路がストレート搬送路である、とする2つの条件が合致すれば(S1917:Y)、用紙Pnの搬送路を「下搬送路」又は「上搬送路」のいずれかに設定し、設定した搬送路に用紙Pnを案内する(S1918)。S1918において、上搬送路の方を優先して設定する。すなわち、S1918が実行されるときに、上搬送路に用紙Poが存在しなければ(上搬送路に用紙Pnを受け入れる空きがあれば)、上搬送路に用紙Pnを案内する。
【0101】
S1917において2つの条件が合致しなければ(S1917:N)、用紙Pnの搬送路を「下搬送路」又は「上搬送路」のいずれかに設定し、設定した搬送路に用紙Pnを案内する(S1919)。S1919において、上搬送路の方を優先して設定する。すなわち、S1919が実行されるときに、上搬送路に用紙Poが存在しなければ(上搬送路に用紙Pnを受け入れる空きがあれば)、上搬送路に用紙Pnを案内する。
【0102】
用紙Pnに対する搬送路が設定された後、用紙Pnに係る「設定乾燥時間」と「搬送路」とを記憶手段としてのRAM603に記憶する(S1920)。
【0103】
<中継搬送装置200の動作例>
上記のようにして、用紙Pnの搬送路を決定し、搬送させる中継搬送装置200における、より詳細な動作例について、以下、説明する。
【0104】
第1搬送手段としてのストレート搬送路は、用紙Pnの印字率が低く、用紙Pnを後処理装置300に向けて搬送する間に乾燥が終了する程度の画像形成処理が実行されていると判定されるときに設定される搬送路である。例えば、用紙Pnの搬送を一時的に提示(保留)すること、または、搬送速度を一時的に遅くすること、などにより、後処理装置300に搬出するまでの時間を相対的に長く設定する必要がない用紙Pn(対象物)の搬送に選択される搬送路である。
【0105】
上搬送路は、搬送方向における寸法(長さ)が長い用紙Pn(搬送長>搬送幅のもの)と、搬送方向における寸法(長さ)が短い用紙Pn(搬送幅>搬送長のもの)を、1つの印刷ジョブにおいて混在させた画像形成が行われるとき(混載時)に利用される。ここで、用紙Pnの搬送方向における寸法を含む情報は「用紙情報」に含まれる情報から取得可能とする。例えば、搬送方向における寸法が長い用紙Pnが搬送されたときに、それを一時的に退避させる搬送路としても利用される。また、上搬送路は、同一サイズの用紙Pnが連続的に高い印字率であるとき(すなわち、後処理装置300に搬出するまでに乾燥させる時間を相対的に長く刷る必要があるとき)に、一時的に退避させるために利用される搬送路である。
【0106】
下搬送路は、上搬送路を設定した搬送では、用紙Pnに印字率に基づいて算出される設定乾燥時間を鑑みると、用紙Pnを後処理装置300に搬出するまでに乾燥が終了しないと判定されるときに、利用される搬送路である。
【0107】
すでに説明したとおり、中継搬送装置200は、プリンタ100から搬送された用紙Pnの搬入口に搬送する入口搬送ローラ211が配置されていて、入口搬送ローラ211の搬送下流側の直下には、入口センサ213が配置されている。なお、後処理装置300への用紙Pの受け渡し部である出口搬送コロ215は排紙モータ626によって駆動される。出口搬送コロ215の搬送上流側に出口センサ216が配置されている。
【0108】
第1搬送手段としてのストレート搬送路を構成するストレート搬送ローラ対217は、ストレート搬送モータ621によって駆動される。ストレート搬送ローラ対217は、下流機としての後処理装置300への用紙Pの搬送速度を上げるための、ワンウェイクラッチを入れた構成としてもよい。なお、ストレート搬送ローラ対217は、用紙Pの最小搬送長をカバーすべく最適に配置されるものであり、個数を制限されるものではない。
【0109】
第2搬送手段としての上搬送路を構成する上搬送ローラ対219は、上搬送モータ620によって駆動される。上搬送ローラ対219は、下流機としての後処理装置300への用紙Pの搬送速度を上げるための、ワンウェイクラッチを入れた構成としてもよい。なお、上搬送ローラ対219は、用紙Pの最小搬送長をカバーすべく最適に配置されるものであり、個数を制限されるものではない。
【0110】
第3搬送手段としての下搬送路を構成する下搬送ローラ対222は、下搬送モータ622によって駆動される。下搬送ローラ対222も下流機としての後処理装置300への搬送速度を上げるため、ワンウェイクラッチを入れた構成としてもよい。なお、下搬送ローラ対222は、用紙Pnの最小搬送長をカバーすべく最適に配置されるものであり、個数を制限されるものではない。また、下搬送ローラ対222は、複数配置されていて、下搬送ローラ対222の駆動を個別に行えるようにクラッチ類629が設けられている。クラッチ類629はクラッチ類駆動部619によってON/OFFの切り替えが行われるように構成されている。
【0111】
なお、中継搬送装置200は、各搬送路における用紙Pの有無、搬送状態を検知するセンサを複数備えている。各センサによる検知状態は、I/O606を介してCPU601に通知されて、所定の制御に利用される。
【0112】
また、下搬送路には、搬送分岐部210aの直下と、搬送合流部210bの直前に用紙の搬送方向に対する向きを回転させる搬送方向変更手段としての用紙ロータ装置250が配置されている。搬送分岐部210aの直下に配置される用紙ロータ装置250は、入口ローテートモータ623によって駆動される。また、搬送合流部210bの直線に配置される用紙ロータ装置250は、出口ローテートモータ624によって駆動される。
【0113】
用紙ロータ装置250を配置する効果について説明する。用紙Pの寸法を示すものであって、「用紙Pの搬送方向の長さ寸法に相当する用紙搬送長」と、「用紙Pの搬送方向に対して直交する方向の寸法であっていわゆる幅寸法」との関係が、「用紙搬送長>用紙幅」であるとき、下搬送路において同時期に保持可能な用紙Pnの数(枚数)が減ることになる。そこで、用紙ロータ装置250によって、用紙P(用紙Pn)を搬送方向に対して90度回転させる。すなわち、搬送時には幅方向の端部であった部分を先頭及び後尾の端部になるように回転させる。こうすることにより、下搬送路中に保持される用紙Pの各々の搬送方向の寸法(長さ)を短くでき、搬送路上に保持可能な用紙Pの数を増加させることができる。
【0114】
なお、搬入口側(搬送分岐部210a)において、回転した用紙Pは、搬送合流部210bに至る直前の用紙ロータ装置250によって、搬送時の搬送方向に沿うように戻し回転が行われ、その後、後処理装置300へ搬出される。
【0115】
以上の構成を備える中継搬送装置200は、プリンタ100から用紙Pを受け入れるときに、プリンタ100から用紙Pに関する「用紙情報」を受け取り、この用紙情報から「印字率」を取得して搬送路の判定及び設定を行う。すでに説明したとおり、印字率が低い(乾燥時間が閾値に対して相対的に「短い」)場合は、用紙Pはストレート搬送路を利用して搬送すればよい。
【0116】
次に、プリンタ100において画像形成処理を実行する処理単位である「ジョブ」において、画像形成処理が連続的に実行されて、中継搬送装置200に複数の用紙Pが搬送されるとき、各用紙Pに対する搬送路の設定について説明する。なお、用紙Pは、搬送路長の方が幅長よりも短い状態で搬送されるものとする。
【0117】
1つのジョブを実行しているときに、そのジョブ中に印字率が高い用紙Pが含まれているときを想定する。例えば、以下のように、各用紙Pの印字率が異なるとする。
【0118】
1枚目:印字率:低
2枚目:印字率:高
3枚目:印字率:低
4枚目:印字率:低
5枚目:印字率:低
6枚目:印字率:低
【0119】
ここで、1枚目の用紙Pがプリンタ100から搬送されたとき、この用紙Pの印字率は低いので、ストレート搬送路に案内される。その後、1枚目の用紙Pは、搬送を停止することなく後処理装置300に搬出される。
【0120】
続いて、2枚目の用紙Pがプリンタ100から搬送されたとき、この用紙Pの印字率は高いので、後続の複数の用紙Pの印字率との関係で、2枚目の用紙Pの搬送路を設定する。上記に例示したとおり、2枚目の印字率が3枚目の印字率よりも相対的に高いので、2枚目の用紙Pは上搬送路に案内される。
【0121】
この場合、2枚目の用紙Pの後端が上搬送切り替え爪236に掛からない位置まで搬送されたら、上搬送ローラ対219を停止する。この場合、入口搬送ローラ211も同時に停止してもよい。
【0122】
続いて、3枚目の用紙Pがプリンタ100から搬送されたとき、この用紙Pの印字率は相対的に低いので、下搬送路へ案内される。3枚目の用紙Pの後端が下搬送切り替え爪235に掛からない位置まで搬送されたら、下搬送ローラ対222を停止する。この場合、入口搬送ローラ211も同時に停止してもよい。
【0123】
続いて、4枚目、5枚目、6枚目の用紙Pはいずれも、印字率が相対的に低いので、いずれも、下搬送路に案内されて搬送される。そして、6枚目までの搬送案内が完了したとき、上搬送路に退避していた2枚目の用紙Pの搬送を開始させて、後処理装置300へ搬出する。
【0124】
下搬送路に搬送(案内)されている用紙Pは、搬送合流部210bの手前に配置されているセンサの位置で搬送を停止していて、2枚目の用紙Pの後端が出口センサ216を通過したタイミングで搬送を再開し、後処理装置300へ排出される。
【0125】
なお、搬送方向長が幅よりも短い「短手サイズ」の用紙Pに対する搬送制御が行われているときに、搬送方向長が幅よりも長い「長手サイズ」の用紙Pが混在しているとき、前述の2枚目の印字率が高い用紙Pと同様に、長手サイズの用紙Pを上搬送路に退避させる。そして、同じ印刷ジョブの実行により搬送される用紙Pは、画像形成の順序どおりに後処理装置300へ搬出されるように制御される。
【0126】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0127】
100 :プリンタ
200 :中継搬送装置
201 :入り口ガイド板
210 :搬送分岐部
210a :搬送分岐部
210b :搬送分岐部
210c :搬送部
210d :搬送部
210e :搬送部
210f :搬送部
211 :入口搬送ローラ
211a :駆動ローラ
213 :入口センサ
215 :出口搬送コロ
216 :出口センサ
217 :ストレート搬送ローラ対
219 :上搬送ローラ対
222 :下搬送ローラ対
230 :拍車ローラ
231 :駆動ローラ
232 :駆動ローラ
233 :駆動ローラ
234 :駆動ローラ
235 :下搬送切り替え爪
236 :上搬送切り替え爪
237 :ガイド板
240 :用紙ロータ装置
241 :駆動ローラ
242 :ガイド板
243 :ガイド板
244 :ガイド板
300 :後処理装置
600 :制御部
601 :CPU
602 :ROM
603 :RAM
604 :上流機I/F
605 :周辺機I/F
606 :I/O
610 :モータ駆動部
611 :モータ駆動部
612 :モータ駆動部
613 :モータ駆動部
614 :モータ駆動部
615 :モータ駆動部
616 :モータ駆動部
617 :モータ駆動部
618 :モータ駆動部
619 :クラッチ類駆動部
620 :上搬送モータ
621 :ストレート搬送モータ
622 :下搬送モータ
623 :入口ローテートモータ
624 :出口ローテートモータ
626 :排紙モータ
627 :第一入口分岐モータ
628 :第二入口分岐モータ
629 :クラッチ類
1000 :プリントシステム
P :用紙
Pn :用紙
Po :用紙
【先行技術文献】
【特許文献】
【0128】
【文献】特開2008-214020号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16