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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】球体駆動式移動装置
(51)【国際特許分類】
   B60B 19/14 20060101AFI20240514BHJP
   B62D 15/00 20060101ALI20240514BHJP
   A61G 5/04 20130101ALN20240514BHJP
   B65G 1/00 20060101ALN20240514BHJP
   B65G 35/00 20060101ALN20240514BHJP
【FI】
B60B19/14
B62D15/00
A61G5/04 701
A61G5/04 710
B65G1/00 501C
B65G35/00 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022527512
(86)(22)【出願日】2021-02-17
(86)【国際出願番号】 JP2021005932
(87)【国際公開番号】W WO2021240912
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2023-10-16
(31)【優先権主張番号】P 2020091308
(32)【優先日】2020-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100185317
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 琢哉
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(72)【発明者】
【氏名】宮本 弘之
【審査官】田邉 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-117011(JP,A)
【文献】特開2010-030360(JP,A)
【文献】特開2001-354155(JP,A)
【文献】特開2010-173570(JP,A)
【文献】特開2001-354156(JP,A)
【文献】特開2000-126241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 19/14
B62D 15/00
A61G 5/04
B65G 1/00
B65G 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ走行面上を転動する4個の駆動球体と、前記各駆動球体に2つの異なる方向から接触した状態で駆動源により回転駆動されて該駆動球体を回転させる4個以上の回転体とを具備し、前記走行面上を移動する球体駆動式移動装置において、
前記走行面を水平面として、
前記各駆動球体の中心は、4つの側面及び該各駆動球体の中心より高い位置に配された底面を有し該底面から離れた頂辺が該各駆動球体の中心より低い位置に配された仮想逆寄棟屋根様5面体の各側辺上に位置し、
前記各回転体は、回転軸が一の前記側面に対し垂直であり、該一の側面を対応側面として、接している前記駆動球体の中心より高い位置、かつ、前記仮想逆寄棟屋根様5面体の内側又は前記対応側面上で該駆動球体に接触することを特徴とする球体駆動式移動装置。
【請求項2】
請求項1記載の球体駆動式移動装置において、前記駆動球体と前記回転体との接点及び該駆動球体の中心を通る各仮想直線Jは、該駆動球体の中心が位置する前記側辺に対し直交することを特徴とする球体駆動式移動装置。
【請求項3】
請求項1記載の球体駆動式移動装置において、前記各回転体は、円錐台状であって側面が前記駆動球体に接触し、該駆動球体と該回転体の側面との接点及び該駆動球体の中心を通る仮想直線Jは該回転体の側面に垂直に交わることを特徴とする球体駆動式移動装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の球体駆動式移動装置において、前記仮想逆寄棟屋根様5面体の各側面は、該側面の外縁の一部をなす2つの前記側辺にそれぞれ中心が配された2つの前記駆動球体間にある前記回転体と一方の該駆動球体との接点及び該回転体と他方の該駆動球体との接点を通る仮想直線Kに対し平行であることを特徴とする球体駆動式移動装置。
【請求項5】
請求項1又は2記載の球体駆動式移動装置において、前記各駆動球体は同じ大きさであり、前記各回転体は、同一の大きさの円錐台状であり、側面が同一高さで前記駆動球体に接していることを特徴とする球体駆動式移動装置。
【請求項6】
それぞれ走行面上を転動するm(但し、m=2又は3)個の駆動球体及び4-m個の従動回転物と、前記各駆動球体に2つの異なる方向から接触した状態で駆動源により回転駆動されて前記駆動球体を回転させる3個以上の回転体とを具備し、前記走行面上を移動する球体駆動式移動装置において、
前記走行面を水平面として、
前記各駆動球体は、4つの側面及び該各駆動球体の中心より高い位置に配された底面を有し該底面から離れた頂辺が該各駆動球体の中心より低い位置に配された仮想逆寄棟屋根様5面体の異なる側辺上に位置し、
前記各回転体は、回転軸が一の前記側面に対し垂直であり、該一の側面を対応側面として、接している前記駆動球体の中心より高い位置、かつ、前記仮想逆寄棟屋根様5面体の内側又は前記対応側面上で該駆動球体に接触することを特徴とする球体駆動式移動装置。
【請求項7】
それぞれ走行面上を転動する2個以上の駆動球体と、前記各駆動球体に2つの異なる方向から接触した状態で駆動源により回転駆動されて前記駆動球体を回転させる3個以上の回転体とを具備し、前記走行面上を移動する球体駆動式移動装置において、
前記各回転体は、円錐台状であって、接している前記駆動球体の中心より高い位置で、側面が該駆動球体に接触することを特徴とする球体駆動式移動装置。
【請求項8】
請求項7記載の球体駆動式移動装置において、前記駆動球体及び前記回転体はそれぞれ、4個及び8個あって、該各駆動球体には2個の該回転体が接触することを特徴とする球体駆動式移動装置。
【請求項9】
請求項8記載の球体駆動式移動装置において、前記駆動源は8個あって、それぞれ異なる前記回転体を回転駆動することを特徴とする球体駆動式移動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球体を回転駆動させて全方向に移動可能な球体駆動式移動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3つ以上の球体及び球体に回転力を与える3つ以上の駆動手段(駆動用モータ)を有する移動装置(特許文献1参照)は、全方向に移動できることから、電動車いすや自走式台車等に使用するのが有効である。特許文献1の移動装置は、1つの球体に対し、それぞれ駆動手段の駆動により回転駆動される2つのロータが異なる方向から接している。当該移動装置では、ロータと球体が球体の中心と同じ高さ位置で接触しており、球体をロータに対して押し付けるアイドラ(車輪型キャスター)が設けられている。ロータが空回りすると、移動装置が所望の方向に進まなくなるため、移動装置の安定的な走行にはロータを球体に押し付けた状態を維持することが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-30360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の移動装置では、稀にロータが球体に非接触な状態になることがあった。移動装置を電動車いすに用いる等、使用者が移動装置を操縦する場合、使用者自身で移動方向の修正を行うことは容易であるが、移動装置を自走式台車に用いる場合等、移動装置の操縦者がいないシステムでは移動装置の移動方向を修正できず、移動装置が予定通りに走行できないという問題が生じる。
ロータの空回りを抑制する方法として、ロータを弾性力の異なる素材からなる多層構造にすることが考えられるが、その場合、ロータの耐久性が低下してロータの摩耗が顕著になるという別の問題が招来する。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、球体に接触した状態で駆動源により回転駆動される回転体が空回りするのを抑制可能な球体駆動式移動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的に沿う第1の発明に係る球体駆動式移動装置は、それぞれ走行面上を転動する4個の駆動球体と、前記各駆動球体に2つの異なる方向から接触した状態で駆動源により回転駆動されて該駆動球体を回転させる4個以上の回転体とを具備し、前記走行面上を移動する球体駆動式移動装置において、前記走行面を水平面として、前記各駆動球体の中心は、4つの側面及び該各駆動球体の中心より高い位置に配された底面を有し該底面から離れた頂辺が該各駆動球体の中心より低い位置に配された仮想逆寄棟屋根様5面体の各側辺上に位置し、前記各回転体は、回転軸が一の前記側面に対し垂直であり、該一の側面を対応側面として、接している前記駆動球体の中心より高い位置、かつ、前記仮想逆寄棟屋根様5面体の内側又は前記対応側面上で該駆動球体に接触する。
【0006】
前記目的に沿う第2の発明に係る球体駆動式移動装置は、それぞれ走行面上を転動するm(但し、m=2又は3)個の駆動球体及び4-m個の従動回転物と、前記各駆動球体に2つの異なる方向から接触した状態で駆動源により回転駆動されて前記駆動球体を回転させる3個以上の回転体とを具備し、前記走行面上を移動する球体駆動式移動装置において、前記走行面を水平面として、前記各駆動球体は、4つの側面及び該各駆動球体の中心より高い位置に配された底面を有し該底面から離れた頂辺が該各駆動球体の中心より低い位置に配された仮想逆寄棟屋根様5面体の異なる側辺上に位置し、前記各回転体は、回転軸が一の前記側面に対し垂直であり、該一の側面を対応側面として、接している前記駆動球体の中心より高い位置、かつ、前記仮想逆寄棟屋根様5面体の内側又は前記対応側面上で該駆動球体に接触する。
【0007】
前記目的に沿う第3の発明に係る球体駆動式移動装置は、それぞれ走行面上を転動する2個以上の駆動球体と、前記各駆動球体に2つの異なる方向から接触した状態で駆動源により回転駆動されて前記駆動球体を回転させる3個以上の回転体とを具備し、前記走行面上を移動する球体駆動式移動装置において、前記各回転体は、円錐台状であって、接している前記駆動球体の中心より高い位置で、側面が該駆動球体に接触する。
【発明の効果】
【0008】
第1、第2、第3の発明に係る球体駆動式移動装置において、各回転体は駆動球体の中心より高い位置で駆動球体に接触することから、球体駆動式移動装置自体の荷重や球体駆動式移動装置に載せられた物体の荷重が回転体を介して駆動球体に与えられて、回転体を確実に駆動球体に押し付けることができ、駆動球体に接触した状態で駆動源により回転駆動される回転体が空回りするのを抑制可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施例に係る球体駆動式移動装置の一部省略正面図である。
図2】同球体駆動式移動装置の一部省略側面図である。
図3】同球体駆動式移動装置の駆動球体及び回転体の配置を示す平面図である。
図4】同球体駆動式移動装置の座標系を示す説明図である。
図5】同球体駆動式移動装置の駆動球体の角速度の導出を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施例につき説明し、本発明の理解に供する。
図1図2図3に示すように、本発明の一実施例に係る球体駆動式移動装置10は、それぞれ走行面G上を転動する4個の駆動球体11、12、13、14と、各駆動球体11、12、13、14に2つの異なる方向から接触した状態で駆動源の一例であるモータ20、22、24、26により回転駆動されて駆動球体11、12、13、14を回転させる4個以上(本実施例では8個)の回転体15、15’、16、16’、17、17’、18、18’とを具備して、走行面G上を移動する装置である。以下、詳細に説明する。
【0011】
本実施例において、駆動球体11、12、13、14は、図1図2図3に示すように、同じ大きさの(径が等しい)真球であり、平面視して、反時計周りに配されている。駆動球体11の中心P1、駆動球体12の中心P2、駆動球体13の中心P3、駆動球体14の中心P4は、走行面Gを水平面として、駆動球体11、12、13、14が走行面G上に置かれた状態で、同一の高さに位置する。以下、走行面Gが水平面であり、駆動球体11、12、13、14が走行面G上に置かれているものとする。なお、図3には、駆動球体11、12、13、14及び回転体15、15’、16、16’、17、17’、18、18’等を平面視した様子が描かれている。
【0012】
回転体15、15’、16、16’、17、17’、18、18’は同一の大きさで同一の形状の円錐台状の部材であり、同一の高さ位置に配されている。
回転体15は側面19が駆動球体11に接触し、回転体15’は側面19’が駆動球体12に接触している。回転体15、15’は、チェーンやプーリ等を有する動力伝達手段(図示せず、以下同じ)によって接続され、回転体15に取り付けられたモータ20によって回転駆動されて、同一方向に同一回転速度で回転する。
【0013】
回転体16は側面21が駆動球体12に接触し、回転体16’は側面21’が駆動球体13に接触している。回転体16、16’は、動力伝達手段によって接続され、回転体16に取り付けられたモータ22によって回転駆動されて、同一方向に同一回転速度で回転する。回転体17は側面23が駆動球体13に接触し、回転体17’は側面23’が駆動球体14に接触している。回転体17、17’は、動力伝達手段によって接続され、回転体17に取り付けられたモータ24によって回転駆動されて、同一方向に同一回転速度で回転する。回転体18は側面25が駆動球体14に接触し、回転体18’は側面25’が駆動球体11に接触している。回転体18、18’は、動力伝達手段によって接続され、回転体18に取り付けられたモータ26によって回転駆動されて、同一方向に同一回転速度で回転する。
【0014】
回転体15、18’は駆動球体11に異なる方向から接触し、回転体16、15’は駆動球体12に異なる方向から接触し、回転体17、16’は駆動球体13に異なる方向から接触し、回転体18、17’は駆動球体14に異なる方向から接触している。
なお、駆動球体11、12、13、14にはそれぞれ、駆動球体11、12、13、14を位置決めする図示しないボールキャスタ(アイドラでもよい)が接触している。モータ20、22、24、26は、ボールキャスタを支持するベース部材27(図1図2参照)に取り付けられている。
【0015】
駆動球体11と回転体15の側面19及び回転体18’の側面25’が接触する接点をそれぞれ接点T15、T18’とし、駆動球体12と回転体16の側面21及び回転体15’の側面19’が接触する接点をそれぞれ接点T26、T25’とし、駆動球体13と回転体17の側面23及び回転体16’の側面21’が接触する接点をそれぞれ接点T37、T36’とし、駆動球体14と回転体18の側面25及び回転体17’の側面23’が接触する接点をそれぞれ接点T48、T47’として、接点T15、T18’、T26、T25’、T37、T36’、T48、T47’は、駆動球体11の中心P1、駆動球体12の中心P2、駆動球体13の中心P3及び駆動球体14の中心P4より高い位置で同じ高さに配されている。
【0016】
よって、回転体15、18’は、駆動球体11の中心P1より高い位置で駆動球体11に接触し、回転体16、15’は、駆動球体12の中心P2より高い位置で駆動球体12に接触し、回転体17、16’は、駆動球体13の中心P3より高い位置で駆動球体13に接触し、回転体18、17’は、駆動球体14の中心P4より高い位置で駆動球体14に接触している。また、回転体15の側面19、回転体15’の側面19’、回転体16の側面21、回転体16’の側面21’、回転体17の側面23、回転体17’の側面23’、回転体18の側面25及び回転体18’の側面25’は、同一高さで駆動球体11、12、13、14に接触している。
【0017】
本実施の形態のように、回転体15を円柱状ではなく、円錐台状にすることによって、駆動球体11に対する回転体15の配置の自由度を高めることができる。仮に回転体15を円柱状とした場合、回転体15の側面19を駆動球体11に接触させるには、回転体15の回転軸を、駆動球体11の中心P1と接点T15を通る仮想直線J1(仮想直線Jの一例)に直交するように配置する必要がある。
【0018】
これに対し、円錐台状の回転体15は、回転軸が駆動球体11の中心P1と接点T15を通る仮想直線J1に直交する必要はなく、仮想直線J1に対する回転体15の回転軸の向きは、回転体15の上面及び底面に対する側面19の角度調整によって調節可能である。そのため、回転体15の回転軸を所望の向きに配することができる。
この点、回転体15’、16、16’、17、17’、18、18’についても同様である。
【0019】
ここで、図1図2図3に示すように、4つの側面a、b、c、dと、駆動球体11の中心P1、駆動球体12の中心P2、駆動球体13の中心P3及び駆動球体14の中心P4より高い位置に配された矩形(長方形又は正方形)の底面eとを有し、底面eから離れた頂辺Oが駆動球体11の中心P1、駆動球体12の中心P2、駆動球体13の中心P3及び駆動球体14の中心P4より低い位置に配された寄棟屋根形状の5面体を仮想逆寄棟屋根様5面体Hとすると、本実施例では、球体駆動式移動装置10が、後述する条件1~6を全て満たすように設計されている。
【0020】
仮想逆寄棟屋根様5面体Hにおいて、底面eの4つの頂点をそれぞれ頂点A、B、C、Dとして、側面aは頂点A、B及び頂辺Oの両端を4つの頂点とする四角形(本実施例では台形)であり、側面bは頂点B、C及び頂辺Oの一端を3つの頂点とする三角形(本実施例では2等辺三角形)であり、側面cは頂点C、D及び頂辺Oの両端を4つの頂点とする四角形(本実施例では台形)であり、側面dは頂点A、D及び頂辺Oの他端を3つの頂点とする三角形(本実施例では2等辺三角形)である。また、頂辺Oの他端及び頂点Aを結ぶ直線状の辺を側辺S1とし、頂辺Oの一端及び頂点Bを結ぶ直線状の辺を側辺S2とし、頂点Oの一端及び頂点Cを結ぶ直線状の辺を側辺S3とし、頂辺Oの他端及び頂点Dを結ぶ直線状の辺を側辺S4とする。本実施例では、底面eが長方形であり、側辺S1、S2、S3、S4が同じ長さである。
【0021】
条件1:駆動球体11の中心P1、駆動球体12の中心P2、駆動球体13の中心P3及び駆動球体14の中心P4はそれぞれ、側辺S1、S2、S3、S4上に位置している。
【0022】
条件2:回転体15、18’は仮想逆寄棟屋根様5面体Hの内側で駆動球体11に接触(接点T15、T18’は仮想逆寄棟屋根様5面体H内に位置)し、回転体16、15’は仮想逆寄棟屋根様5面体Hの内側で駆動球体12に接触(接点T26、T25’は仮想逆寄棟屋根様5面体H内に位置)し、回転体17、16’は仮想逆寄棟屋根様5面体Hの内側で駆動球体13に接触(接点T37、T36’は仮想逆寄棟屋根様5面体H内に位置)し、回転体18、17’は仮想逆寄棟屋根様5面体Hの内側で駆動球体14に接触(接点T48、T47’は仮想逆寄棟屋根様5面体H内に位置)している。
【0023】
条件3:回転体15、15’は各回転軸が側面a(仮想逆寄棟屋根様5面体Hの一の側面)に対し垂直であり、回転体16、16’は各回転軸が側面b(仮想逆寄棟屋根様5面体Hの一の側面)に対し垂直であり、回転体17、17’は各回転軸が側面c(仮想逆寄棟屋根様5面体Hの一の側面)に対し垂直であり、回転体18、18’は各回転軸が側面d(仮想逆寄棟屋根様5面体Hの一の側面)に対し垂直である。なお、本実施例では、回転体15、15’の各回転軸が垂直となっている側面aが回転体15、15’の対応側面であり、回転体16、16’の各回転軸が垂直となっている側面bが回転体16、16’の対応側面であり、回転体17、17’の各回転軸が垂直となっている側面cが回転体17、17’の対応側面であり、回転体18、18’の各回転軸が垂直となっている側面dが回転体18、18’の対応側面である。
【0024】
条件3から、本実施例では、駆動球体11に接する回転体15、18’の各回転軸が非平行であり、駆動球体12に接する回転体16、15’の各回転軸が非平行であり、駆動球体13に接する回転体17、16’の各回転軸が非平行であり、駆動球体14に接する回転体18、17’の各回転軸が非平行であると言える。
【0025】
本実施例では、駆動球体11、12、13、14及び回転体15、15’、16、16’、17、17’、18、18’が、条件1、2、3を満たすように配置し、モータ20、22、24、26の回転数を調整することによって、回転体15、18’に対する駆動球体11の横滑り、回転体16、15’に対する駆動球体12の横滑り、回転体17、16’に対する駆動球体13の横滑り及び回転体18、17’に対する駆動球体14の横滑りを抑制した状態で、球体駆動式移動装置10を走行面G上で如何なる方向にも移動可能にしている。なお、例えば、回転体18’が回転して駆動球体11に回転力を与えている状態での、回転体15に対する駆動球体11の横滑りとは、接点T15における駆動球体11の回転体15に対する相対的な運動が、接点T15を中心とした旋回運動以外の運動となっていることを意味し、回転体15に対する駆動球体11の横滑りが生じると、回転体15及び駆動球体11の摩耗が助長される。
【0026】
しかも、回転体15、18’は駆動球体11の中心P1より高い位置で駆動球体11に接触しているため、駆動球体11には回転体15、18’を通じて鉛直成分の力が作用し、この点、駆動球体12に対する回転体16、15’、駆動球体13に対する回転体17、16’及び駆動球体14に対する回転体18、17’もそれぞれ同様である。従って、ベース部材27やベース部材27に載せられた重量物等の自重を利用して、回転体15、18’を駆動球体11に、回転体16、15’を駆動球体12に、回転体17、16’を駆動球体13に、回転体18、17’を駆動球体14にそれぞれ押し付けることができ、回転体15、15’、16、16’、17、17’、18、18’の空回りを抑制可能である。
【0027】
接点T15、T25’が駆動球体11の中心P1及び駆動球体12の中心P2に比べ僅かでも高い位置に存在すれば、回転体15、15’は、仮想逆寄棟屋根様5面体Hの側面a(対応側面)上でそれぞれ駆動球体11、12に接触していても、実質的に回転体15に対して駆動球体11及び回転体15’に対して駆動球体12がそれぞれ横滑りせず、これは、回転体16、16’と駆動球体12、13、回転体17、17’と駆動球体13、14、及び、回転体18、18’と駆動球体14、11との関係でもそれぞれ同様である。
【0028】
従って、条件2の代わりに以下の条件2’を満たすように設計することもできる。
条件2’:回転体15、15’は仮想逆寄棟屋根様5面体Hの側面a(回転体15、15’の対応側面)上で駆動球体11、12にそれぞれ接触し、回転体16、16’は仮想逆寄棟屋根様5面体Hの側面b(回転体16、16’の対応側面)上で駆動球体12、13にそれぞれ接触し、回転体17、17’は仮想逆寄棟屋根様5面体Hの側面c(回転体17、17’の対応側面)上で駆動球体13、14にそれぞれ接触し、回転体18、18’は仮想逆寄棟屋根様5面体Hの側面d(回転体18、18’の対応側面)上で駆動球体14、11にそれぞれ接触している。
【0029】
ここで、回転体15、18’の駆動球体11に対する空回り等、各回転体の接している駆動球体に対する空回りの発生を安定して抑制する観点では、条件1、2、3に加えて、以下の条件4、5、6の1つを満たすのが好ましい(2つを満たすのがより好ましい、3つ全てを満たすのが更に好ましい)ことが検証によって確認されている。なお、回転体の駆動球体に対する空回りの抑制に対しては、条件1、2、3の条件を満たすことが、条件4、5、6の条件を満たすことに比べ重要である。
【0030】
条件4:駆動球体11と回転体15との接点T15及び駆動球体11の中心P1を通る仮想直線J15、並びに、駆動球体11と回転体18’との接点T18’及び駆動球体11の中心P1を通る仮想直線J18’(仮想直線Jの一例)は、図1図2に示すように、駆動球体11の中心P1が位置する側辺S1に対し直交する。駆動球体12と回転体16との接点T26及び駆動球体12の中心P2を通る仮想直線J26(仮想直線Jの一例)、並びに、駆動球体12と回転体15’との接点T25’及び駆動球体12の中心P2を通る仮想直線J25’(仮想直線Jの一例)は、駆動球体12の中心P2が位置する側辺S2に対し直交する。駆動球体13と回転体17との接点T37及び駆動球体13の中心P3を通る仮想直線J37(仮想直線Jの一例)、並びに、駆動球体13と回転体16’との接点T36’及び駆動球体13の中心P3を通る仮想直線J36’(仮想直線Jの一例)は、駆動球体13の中心P3が位置する側辺S3に対し直交する。駆動球体14と回転体18との接点T48及び駆動球体14の中心P4を通る仮想直線J48(仮想直線Jの一例)、並びに、駆動球体14と回転体17’との接点T47’及び駆動球体14の中心P4を通る仮想直線J47’(仮想直線Jの一例)は、駆動球体14の中心P4が位置する側辺S4に対し直交する。
【0031】
条件5:駆動球体11と回転体15との接点T15及び駆動球体11の中心P1を通る仮想直線J15は、回転体15の側面19に垂直に交わり、駆動球体11と回転体18’との接点T18’及び駆動球体11の中心P1を通る仮想直線J18’は回転体18’の側面25’に垂直に交わる。駆動球体12と回転体16との接点T26及び駆動球体12の中心P2を通る仮想直線J26は、回転体16の側面21に垂直に交わり、駆動球体12と回転体15’との接点T25’及び駆動球体12の中心P2を通る仮想直線J25’は回転体15’の側面19’に垂直に交わる。駆動球体13と回転体17との接点T37及び駆動球体13の中心P3を通る仮想直線J37は、回転体17の側面23に垂直に交わり、駆動球体13と回転体16’との接点T36’及び駆動球体13の中心P3を通る仮想直線J36’は回転体16’の側面21’に垂直に交わる。駆動球体14と回転体18との接点T48及び駆動球体14の中心P4を通る仮想直線J48は、回転体18の側面25に垂直に交わり、駆動球体14と回転体17’との接点T47’及び駆動球体14の中心P4を通る仮想直線J47’は回転体17’の側面23’に垂直に交わる。
【0032】
条件6:仮想逆寄棟屋根様5面体Hの側面aは、側面aの外縁の一部をなす2つの側辺S1、S2にそれぞれ中心P1、P2が配された2つの駆動球体11、12間にある回転体15、15’(ここでは回転体15)と一方の駆動球体11との接点T15及び回転体15、15’(ここでは回転体15’)と他方の駆動球体12との接点T25’を通る仮想直線K12(仮想直線Kの一例)に対し平行である。側面bは、側面bの外縁の一部をなす2つの側辺S2、S3にそれぞれ中心P2、P3が配された2つの駆動球体12、13間にある回転体16、16’(ここでは回転体16)と一方の駆動球体12との接点T26及び回転体16、16’(ここでは回転体16’)と他方の駆動球体13との接点T36’を通る仮想直線K23(仮想直線Kの一例)に対し平行である。側面cは、側面cの外縁の一部をなす2つの側辺S3、S4にそれぞれ中心P3、P4が配された2つの駆動球体13、14間にある回転体17、17’(ここでは回転体17)と一方の駆動球体13との接点T37及び回転体17、17’(ここでは回転体17’)と他方の駆動球体14との接点T47’を通る仮想直線K34(仮想直線Kの一例)に対し平行である。側面dは、側面dの外縁の一部をなす2つの側辺S4、S1にそれぞれ中心P4、P1が配された2つの駆動球体14、11間にある回転体18、18’(ここでは回転体18)と一方の駆動球体14との接点T48及び回転体18、18’(ここでは回転体18’)と他方の駆動球体11との接点T18’を通る仮想直線K41(仮想直線Kの一例)に対し平行である。
【0033】
次に、モータ20、22、24、26の回転数の調整によって、球体駆動式移動装置10の並進移動時の移動速度や旋回運動時の回転角速度を自在に制御できることを説明する。
ここでは、球体駆動式移動装置10の各値を以下のように定義する。即ち、図4に示すように、駆動球体11、12、13、14の各中心P1、P2、P3、P4を4つの頂点とする長方形の中心(以下、「機構中心」と言う)から駆動球体11、12、13、14の各中心P1、P2、P3、P4までの距離はそれぞれlとし、機構中心と駆動球体11、12、13、14の各中心P1、P2、P3、P4をそれぞれ結ぶ線分とx軸とがなす角度はそれぞれψ ψ ψ ψ とする。
【0034】
回転体15、15’の角速度をλとし、回転体16、16’の角速度をλとし、回転体17、17’の角速度をλとし、回転体18、18’の角速度をλとし、機構中心の並進移動速度のx軸方向成分及びy軸方向成分をそれぞれv、vとする。平面視して、球体駆動式移動装置10の反時計周りの回転方向を正方向とし、機構中心の回転速度をωとする。なお、仮想逆寄棟屋根様5面体Hの側面a、b、c、dの走行面Gに対する傾斜角度をαとする。
【0035】
ここで、回転体17’が停止状態で回転体18が回転する場合の駆動球体14の角速度を求め、その結果を基に、回転体18が停止状態で回転体17’が回転する場合の駆動球体14の角速度や、他の駆動球体11、12、13の角速度を導出する。
駆動球体14の半径はRとし、図5に示すように、円錐台状の回転体18の駆動球体14と接する部分(接点T48に対応する部分)の半径はrとする。接点T48は、仮想逆寄棟屋根様5面体Hの側面dから内側にRcosαの位置、かつ、駆動球体14の中心P4から上方にRcosαの位置に配されているとする。
【0036】
回転体17’が停止状態で回転体18が回転することによって、駆動球体14は、駆動球体14及び回転体17’の接点T47’と駆動球体14の中心P4とを通る直線(即ち、仮想直線J47’)を回転軸にして回転する(なお、当該回転軸は回転体18の回転軸と平行である)。この際の駆動球体14の回転角速度をηとして、駆動球体14及び回転体18の接点T48における駆動球体14の周速度はrλであるので、rλ=ηR√(1-cosα)より、以下の式(1)が成立する。
【0037】
【数1】
【0038】
走行面Gと駆動球体14の接点における駆動球体14の回転半径は、図5に示すように、Rsinαであるから、走行面Gと駆動球体14の接点における駆動球体14の周速度、即ち、駆動球体14のx方向への移動速度vx4は以下の式(2)で表される。
【0039】
【数2】
【0040】
同様にして、駆動球体14のy方向への移動速度vy4は以下の式(3)で表される。
【0041】
【数3】
【0042】
従って、各駆動球体11、12、13、14のx方向及びy方向への移動速度は、k=r/√(1+cosα)として、以下の式(4)で表される。
【0043】
【数4】
【0044】
ところで、sinψ =sinψ =-sinψ =-sinψ であり、cosψ =cosψ =-cosψ =-cosψ であるので、ψψ とおくと、以下の式(5)となり、以下の式(6)が得られる。
【0045】
【数5】
【0046】
【数6】
【0047】
式(6)より、モータ20、22、24、26の回転数の調整によって、球体駆動式移動装置10の並進移動時の移動速度及び旋回運動時の回転角速度を自在に制御できることが分かる。
【0048】
また、本実施例のように、仮想逆寄棟屋根様5面体を基準にして、各駆動球体及び各回転体等の配置を決定することによって、仮想逆寄棟屋根様5面体の各側面の傾斜角度を固定すれば、各駆動球体の中心を4つの頂点とする長方形の短辺と長辺の長さの比を変えても、各回転体の大きさや形状を変える必要がないという利点がある。
この点、仮想逆寄棟屋根様5面体の代わりに四角錐を上下反対にした仮想逆四角錐を基準に各駆動球体及び各回転体等の配置を決定した場合は、各駆動球体の中心を4つの頂点とする長方形の短辺と長辺の長さの比に応じて、各回転体の形状を変える必要がある。
【0049】
ここまで説明した球体駆動式移動装置10は、隣り合う駆動球体間に2個の回転体(例えば、駆動球体11、12間には回転体15、15’)が設けられ、合計8個の回転体を有しているが、隣り合う駆動球体間に設ける回転体数を1個とし、当該回転体が隣り合う駆動球体の双方に接触するようにしてもよく、この場合、回転体は合計で4個となる。よって、4個の駆動球体それぞれに対し、2つの異なる方向から回転体を接触させる球体駆動式移動装置においては、回転体の最小合計数が4個となる。
【0050】
また、球体駆動式移動装置10は4個の駆動球体を具備しているが、球体駆動式移動装置は、2個又は3個の駆動球体を有すれば、全方向の並進移動と時計回り及び反時計回りの旋回とが可能である。駆動球体が2個又は3個の球体駆動式移動装置で回転体の空回りを抑制できる装置は、次のようになる。即ち、それぞれ走行面上を転動するm(但し、m=2又は3)個の駆動球体及び4-m個の従動回転物と、各駆動球体に2つの異なる方向から接触した状態で駆動源により回転駆動されて駆動球体を回転させる3個以上の回転体とを具備し、走行面上を移動する球体駆動式移動装置において、走行面を水平面として、各駆動球体は、4つの側面及び各駆動球体の中心より高い位置に配された底面を有し底面から離れた頂辺が各駆動球体の中心より低い位置に配された仮想逆寄棟屋根様5面体の異なる側辺上に位置し、各回転体は、回転軸が一の側面に対し垂直であり、該一の側面を対応側面として、接している駆動球体の中心より高い位置、かつ、仮想逆寄棟屋根様5面体の内側又は対応側面上で駆動球体に接触する。
【0051】
また、ベース部材等の荷重により回転体を駆動球体に押し付けて、回転体の空回りを抑制するという観点では、回転体及びその回転軸が仮想逆寄棟様5面体に対し上述した配置になっている必要はなく、回転体が、接している駆動球体の中心より高い位置で、当該駆動球体に接触していればよい。この場合において、各回転体の配置の自由度を高めるには、側面が駆動球体に接触する回転体を円錐台状にするのが好適である。
【0052】
よって、回転体の空回りを抑制した上で、回転体の配置の自由度を高める球体駆動式移動装置は、2個以上の駆動球体と、各駆動球体に2つの異なる方向から接触した状態で駆動源により回転駆動されて駆動球体を回転させる3個以上の回転体とを具備し、走行面上を移動する装置であって、各回転体は、円錐台状であって、接している駆動球体の中心より高い位置で、側面が該駆動球体に接触する。
【0053】
また、球体駆動式移動装置に重量物を載せるためには、駆動球体を3個とするより、4個とするほうが好適である。
そして、球体駆動式移動装置において、装置全体のコンパクト化を図るためには、各回転体を1個の駆動球体にのみ接触させるのが好ましい。これは、1つの回転体を2個の駆動球体に接触させるには、径が大きな回転体を用いる必要があることによる。よって、4個の駆動球体を具備する場合、回転体は8個となる。
【0054】
各回転体を1個の駆動球体にのみ接触させる場合、装置全体のコンパクト化の観点では、1つのモータ(駆動源)が1つの回転体を回転駆動する(モータ及び回転体が同数となる)設計が好ましい。これは、1つのモータが2つの回転体を回転駆動する場合、体積が大きいモータの採用を要するためである。従って、8個の回転体を設ける場合、8個のモータそれぞれが異なる回転体を回転駆動するのが好適である。
【0055】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、回転体は円錐台状である必要はなく、例えば円柱状であってもよいし、球状であってもよい。
また、回転体の回転軸は軸材(即ち、実在する部材)であってもよいし、仮想軸であってもよい。
【0056】
そして、各駆動球体は大きさが異なっていてもよいし、各回転体は大きさや形状が異なっていてもよい。そして、各駆動球体を水平面に置いた状態で、各回転体が駆動球体に接する高さが異なるように各回転体を配置してもよい。
更に、本発明は走行面上の移動方向が特定されている球体駆動式移動装置(例えば、前進及び後退のみが可能な球体駆動式移動装置)にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明に係る球体駆動式移動装置は、球体に接触している回転体の空回りを抑制することによって、所定の移動を安定的に行えることから、物を運ぶ自走式の装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0058】
10:球体駆動式移動装置、11、12、13、14:駆動球体、15、15’、16、16’、17、17’、18、18’:回転体、19、19’:側面、20:モータ、21、21’:側面、22:モータ、23、23’:側面、24:モータ、25、25’:側面、26:モータ、27:ベース部材、A、B、C、D:頂点、a、b、c、d:側面、G:走行面、H:仮想逆寄棟屋根様5面体、J15、J18’、J25’、J26、J36’、J37、J47’、J48:仮想直線J、K12、K23、K34、K41:仮想直線K、O:頂辺、P1、P2、P3、P4:中心、S1、S2、S3、S4:側辺、T15、T18’、T25’、T26、T36’、T37、T47’、T48:接点、e:底面
図1
図2
図3
図4
図5