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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】真空処理装置、真空処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20240514BHJP
   C23C 14/50 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
H01L21/68 R
C23C14/50 A
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020131960
(22)【出願日】2020-08-03
(65)【公開番号】P2022028508
(43)【公開日】2022-02-16
【審査請求日】2023-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000231464
【氏名又は名称】株式会社アルバック
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100144211
【弁理士】
【氏名又は名称】日比野 幸信
(72)【発明者】
【氏名】前平 謙
(72)【発明者】
【氏名】橘高 朋子
(72)【発明者】
【氏名】不破 耕
【審査官】渡井 高広
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-294257(JP,A)
【文献】特開平08-191099(JP,A)
【文献】特開平11-040661(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
C23C 14/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空槽と、
前記真空槽内に配置され、装置本体に互いに離間された第一種類の電極と第二種類の電極とが設けられた吸着装置と、
前記第一種類の電極と前記第二種類の電極との間に、前記吸着装置に配置された基板を吸着させる吸着電圧と、前記吸着電圧と逆極性であって残留電荷を減少させる第一の離間電圧とを印加する電源装置と、
を有し、
前記第一種類の電極と前記第二種類の電極との間に前記吸着電圧を印加し、前記吸着装置に吸着された製造基板を真空雰囲気中で処理し、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極との間に前記第一の離間電圧を印加して、前記吸着装置と前記製造基板との間に蓄積された電荷を減少させて前記吸着装置と前記製造基板とを分離させる真空処理装置であって、
前記装置本体には、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極とから離間され、前記吸着装置に吸着された前記製造基板の縁付近の部分と対面する場所に主測定電極が設けられ、
前記真空処理装置には、
前記吸着装置に吸着された前記製造基板のうち前記主測定電極と対面する部分である主対面部分を前記吸着装置から離間させる部分離間装置と、
前記主測定電極に流れる電流である主測定電流の大きさを測定する電流測定装置と、
が設けられ、
前記主測定電極の面積は、前記第一種類の電極の面積と前記第二種類の電極の面積とよりも小さくされ、
前記製造基板を吸着する際には、前記主測定電極には前記第一種類の電極に印加される電圧と同じ極性で同じ大きさの電圧が印加される真空処理装置。
【請求項2】
前記部分離間装置は、移動可能な測定ピンを有し、
前記吸着装置に吸着された前記製造基板のうち、前記測定ピンが接触する接触部分は前記製造基板の縁と前記主対面部分との間に配置された請求項1記載の真空処理装置。
【請求項3】
前記吸着装置に吸着され、前記第一の離間電圧が印加された前記製造基板の残留電荷を減少させる第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間とを、測定した前記主測定電流の向きと大きさとから求め、前記電源装置によって前記第二の離間電圧を前記第一、第二種類の電極間に印加させる制御装置を有する請求項1又は2のいずれか1項記載の真空処理装置。
【請求項4】
前記第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間に対して前記主測定電流の向きと大きさとが対応付けられた電流電圧関係が記憶された記憶装置を有し、
前記制御装置は、前記第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間とを、前記主測定電流の向きと大きさとを前記電流電圧関係に照合して求める請求項3記載の真空処理装置。
【請求項5】
前記装置本体には、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極と前記主測定電極とから離間され、前記主測定電極に隣接し、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極とよりも小さくされた副測定電極が設けられ、
前記副測定電極は、前記装置本体に配置された前記製造基板のうち前記副測定電極と対面する部分である副対面部分と前記主対面部分とが前記部分離間装置によって前記吸着装置から離間される場所に配置され、
前記副測定電極には前記製造基板を吸着する際には前記主測定電極と同じ極性で同じ大きさの電圧が印加され、
前記電流測定装置により前記副測定電極に流れる電流である副測定電流の向きと大きさとが測定される請求項1又は2のいずれか1項記載の真空処理装置。
【請求項6】
前記吸着装置に吸着され、前記第一の離間電圧が印加された前記製造基板の残留電荷を減少させる第二の離間電圧の大きさと印加時間とを、測定した前記主測定電流の大きさと、測定した前記副測定電流の大きさとから求めて前記第一種類の電極と前記第二種類の電極との間に印加する制御装置を有する請求項5記載の真空処理装置。
【請求項7】
前記第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間に対して前記主測定電流の向きと大きさとが対応付けられた電流電圧関係が記憶された記憶装置を有し、
前記制御装置は、前記第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間とを、前記主測定電流の向きと大きさと、前記副測定電流の向きと大きさとを前記電流電圧関係に照合して求める請求項6記載の真空処理装置。
【請求項8】
互いに離間された第一種類の電極と第二種類の電極とが装置本体に設けられた吸着装置の、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極との間に吸着電圧を印加して前記吸着装置に製造基板を吸着させる吸着工程と、
前記吸着装置に吸着された前記製造基板を真空雰囲気中で処理する処理工程と、
前記第一種類の電極と前記第二種類の電極との間に前記吸着電圧と逆極性の第一の離間電圧を印加して残留電荷を減少させる第一の残留電荷減少工程と、
前記製造基板を前記吸着装置から離間させる離間工程と、
を有する真空処理方法であって、
前記処理工程では、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極とよりも小さく、前記吸着装置に吸着された前記製造基板の縁付近の部分と対面する場所に配置された主測定電極に前記第一種類の電極に印加される電圧と同じ極性で同じ大きさの電圧を印加し、
第一の残留電荷減少工程後、前記離間工程を行う前に、前記吸着装置に吸着された前記製造基板のうちの前記主測定電極と対面する部分である主対面部分を前記吸着装置から離間させることで前記主測定電極に電流を流し、前記主測定電極に流れた電流である主測定電流の大きさを測定する電流測定工程が設けられた真空処理方法。
【請求項9】
前記電流測定工程では、前記吸着装置に吸着された前記製造基板のうち、前記主対面部分と前記製造基板の縁との間の部分に前記主対面部分を前記吸着装置から離間させる力を印加する請求項8 記載の真空処理方法。
【請求項10】
前記電流測定工程後、前記離間工程の前に、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極との間に第二の離間電圧を印加する第二の残留電荷減少工程が設けられた請求項8又は9のいずれか1項記載の真空処理方法であって、
前記電流測定工程では、前記吸着装置に吸着され、前記第一の離間電圧が印加された前記製造基板の残留電荷を減少させる前記第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間とを、測定した前記主測定電流の向きと大きさとから求める真空処理方法。
【請求項11】
前記電流測定工程では、前記第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間に対して前記主測定電流の向きと大きさとが対応付けられた電流電圧関係に、測定された前記主測定電流の向きと大きさとを照合して前記第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間とを求める請求項10記載の真空処理方法。
【請求項12】
前記処理工程では、前記装置本体の前記主測定電極に隣接し、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極と前記主測定電極とから絶縁された場所に設けられ、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極とよりも小さくされた副測定電極に前記主測定電極と同じ極性で同じ大きさの電圧を印加し、
前記電流測定工程では、前記吸着装置に吸着された前記製造基板のうち前記副測定電極と対面する部分である副対面部分を、前記主対面部分を離間させた後に前記吸着装置から離間させることで前記副測定電極に電流を流し、前記副測定電極に流れた電流である副測定電流の大きさを測定する請求項9又は10のいずれか1項記載の真空処理方法。
【請求項13】
前記電流測定工程後、前記離間工程の前に、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極との間に第二の離間電圧を印加する第二の残留電荷減少工程が設けられた請求項12に記載の真空処理方法であって、
前記電流測定工程後、前記第二の残留電荷減少工程の前に、前記吸着装置に吸着され、前記第一の離間電圧が印加された前記製造基板の残留電荷を減少させる前記第二の離間電圧の大きさと印加時間とを、測定した前記主測定電流の大きさと、測定された前記副測定電流の大きさとから求める求条件工程が設けられた真空処理方法。
【請求項14】
前記第二の離間電圧の大きさと印加時間に対して前記主測定電流の大きさと前記副測定電流の大きさとが対応付けられた電流電圧関係に、測定された前記主測定電流の大きさと測定された前記副測定電流の大きさとを照合して前記第二の離間電圧の大きさと印加時間とを求める請求項13記載の真空処理方法。
【請求項15】
前記第二の離間電圧を印加する際には、前記主測定電極を前記第一種類の電極と前記第二種類の電極とから絶縁させる請求項10記載の真空処理方法。
【請求項16】
前記第二の離間電圧を印加する際には、前記主測定電極と前記副測定電極とを前記第一種類の電極と前記第二種類の電極とから絶縁させる請求項13又は14のいずれか1項記載の真空処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は真空処理装置と真空処理方法の技術分野に係り、特に、残留電荷を減少させる真空処理装置と真空処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、下記特許文献1に示されたように、基板を離脱させた時に生じる誘導電流を測定し、その値から残留電荷を消去するための逆バイアスの電圧値と印加時間を算出して予め記憶しておき、真空雰囲気中で電極に電圧を印加して基板を吸着して真空処理を行った後、基板を離脱させる際に、算出した電圧値の逆バイアス電圧を、算出した印加時間印加して、基板に発生した残留吸着力を低滅する方法がある。
【0003】
しかしながら近年ではデバイスの種類が多様化し、連続して真空処理を行う基板が同一種類でなく複数種類が混在する場合や、基板の薄膜化により、基板の反り量が異なる場合など、基板に生じた残留電荷を消去するために、一定値の逆バイアス電圧を一定の印加時間印加するだけでは、残留吸着力を除去することができず、その結果、離脱の際に基板が破損したり、又は、離脱の際の跳ね上がりによって、基板の搬送ズレが生じる等の問題が発生した。この問題は、FPDや実装基板に代表されるような、基板と昇降ピンとの関係に於いて基板の剛性が低い(断面二次モーメントが小さくなる)運用が行われる(または、基板のたわみが許容される運用が行われる)、大型の基板において著しい。これは基板の大型化と薄膜化によって、従来は問題とされなかった同一の微小な厚さ変動であっても、誘電率としては大きく変動するために、結果として残留電荷を低減しきれない事も原因の一つであると考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3913355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、残留電荷を確実に消滅させる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、真空槽と、前記真空槽内に配置され、装置本体に互いに離間された第一種類の電極と第二種類の電極とが設けられた吸着装置と、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極との間に、前記吸着装置に配置された基板を吸着させる吸着電圧と、前記吸着電圧と逆極性であって残留電荷を減少させる第一の離間電圧とを印加する電源装置と、を有し、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極との間に前記吸着電圧を印加し、前記吸着装置に吸着された製造基板を真空雰囲気中で処理し、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極との間に前記第一の離間電圧を印加して、前記吸着装置と前記製造基板との間に蓄積された電荷を減少させて前記吸着装置と前記製造基板とを分離させる真空処理装置であって、前記装置本体には、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極とから離間され、前記吸着装置に吸着された前記製造基板の縁付近の部分と対面する場所に主測定電極が設けられ、前記真空処理装置には、前記吸着装置に吸着された前記製造基板のうち前記主測定電極と対面する部分である主対面部分を前記吸着装置から離間させる部分離間装置と、前記主測定電極に流れる電流である主測定電流の大きさを測定する電流測定装置と、が設けられ、前記主測定電極の面積は、前記第一種類の電極の面積と前記第二種類の電極の面積とよりも小さくされ、前記製造基板を吸着する際には、前記主測定電極には前記第一種類の電極に印加される電圧と同じ極性で同じ大きさの電圧が印加される真空処理装置である。
また、本発明は、前記部分離間装置は、移動可能な測定ピンを有し、前記吸着装置に吸着された前記製造基板のうち、前記測定ピンが接触する接触部分は前記製造基板の縁と前記主対面部分との間に配置された真空処理装置である。
また、本発明は、前記吸着装置に吸着され、前記第一の離間電圧が印加された前記製造基板の残留電荷を減少させる第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間とを、測定した前記主測定電流の向きと大きさとから求め、前記電源装置によって前記第二の離間電圧を前記第一、第二種類の電極間に印加させる制御装置を有する真空処理装置である。
また、本発明は、前記第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間に対して前記主測定電流の向きと大きさとが対応付けられた電流電圧関係が記憶された記憶装置を有し、前記制御装置は、前記第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間とを、前記主測定電流の向きと大きさとを前記電流電圧関係に照合して求める真空処理装置である。
また、本発明は、前記装置本体には、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極と前記主測定電極とから離間され、前記主測定電極に隣接し、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極とよりも小さくされた副測定電極が設けられ、前記副測定電極は、前記装置本体に配置された前記製造基板のうち前記副測定電極と対面する部分である副対面部分と前記主対面部分とが前記部分離間装置によって前記吸着装置から離間された後、前記吸着装置から離間される場所に配置され、前記副測定電極には前記製造基板を吸着する際には前記主測定電極と同じ極性で同じ大きさの電圧が印加され、前記電流測定装置により前記副測定電極に流れる電流である副測定電流の向きと大きさとが測定される真空処理装置である。
また、本発明は、前記吸着装置に吸着され、前記第一の離間電圧が印加された前記製造基板の残留電荷を減少させる第二の離間電圧の大きさと印加時間とを、測定した前記主測定電流の大きさと、測定した前記副測定電流の大きさとから求めて前記第一種類の電極と前記第二種類の電極との間に印加する制御装置を有する真空処理装置である。
また、本発明は、前記第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間に対して前記主測定電流の向きと大きさとが対応付けられた電流電圧関係が記憶された記憶装置を有し、前記制御装置は、前記第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間とを、前記主測定電流の向きと大きさと、前記副測定電流の向きと大きさとを前記電流電圧関係に照合して求める真空処理装置である。
また、本発明は、互いに離間された第一種類の電極と第二種類の電極とが装置本体に設けられた吸着装置の、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極との間に吸着電圧を印加して前記吸着装置に製造基板を吸着させる吸着工程と、前記吸着装置に吸着された前記製造基板を真空雰囲気中で処理する処理工程と、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極との間に前記吸着電圧と逆極性の第一の離間電圧を印加して残留電荷を減少させる第一の残留電荷減少工程と、前記製造基板を前記吸着装置から離間させる離間工程と、を有する真空処理方法であって、前記処理工程では、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極とよりも小さく、前記吸着装置に吸着された前記製造基板の縁付近の部分と対面する場所に配置された主測定電極に前記第一種類の電極に印加される電圧と同じ極性で同じ大きさの電圧を印加し、第一の残留電荷減少工程後、前記離間工程を行う前に、前記吸着装置に吸着された前記製造基板のうちの前記主測定電極と対面する部分である主対面部分を前記吸着装置から離間させることで前記主測定電極に電流を流し、前記主測定電極に流れた電流である主測定電流の大きさを測定する電流測定工程が設けられた真空処理方法である。
また、本発明は、前記電流測定工程では、前記吸着装置に吸着された前記製造基板のうち、前記主対面部分と前記製造基板の縁との間の部分に前記主対面部分を前記吸着装置から離間させる力を印加する真空処理方法である。
また、本発明は、前記電流測定工程後、前記離間工程の前に、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極との間に第二の離間電圧を印加する第二の残留電荷減少工程が設けられた真空処理方法であって、前記電流測定工程では、前記吸着装置に吸着され、前記第一の離間電圧が印加された前記製造基板の残留電荷を減少させる前記第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間とを、測定した前記主測定電流の向きと大きさとから求める真空処理方法である。
また、本発明は、前記電流測定工程では、前記第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間に対して前記主測定電流の向きと大きさとが対応付けられた電流電圧関係に、測定された前記主測定電流の向きと大きさとを照合して前記第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間とを求める真空処理方法である。
また、本発明は、前記処理工程では、前記装置本体の前記主測定電極に隣接し、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極と前記主測定電極とから絶縁された場所に設けられ、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極とよりも小さくされた副測定電極に前記主測定電極と同じ極性で同じ大きさの電圧を印加し、前記電流測定工程では、前記吸着装置に吸着された前記製造基板のうち前記副測定電極と対面する部分である副対面部分を、前記主対面部分を離間させた後に前記吸着装置から離間させることで前記副測定電極に電流を流し、前記副測定電極に流れた電流である副測定電流の大きさを測定する真空処理方法である。
また、本発明は、前記電流測定工程後、前記離間工程の前に、前記第一種類の電極と前記第二種類の電極との間に第二の離間電圧を印加する第二の残留電荷減少工程が設けられた真空処理方法であって、前記電流測定工程後、前記第二の残留電荷減少工程の前に、前記吸着装置に吸着され、前記第一の離間電圧が印加された前記製造基板の残留電荷を減少させる前記第二の離間電圧の大きさと印加時間とを、測定した前記主測定電流の大きさと、測定された前記副測定電流の大きさとから求める求条件工程が設けられた真空処理方法である。
また、本発明は、前記第二の離間電圧の大きさと印加時間に対して前記主測定電流の大きさと前記副測定電流の大きさとが対応付けられた電流電圧関係に、測定された前記主測定電流の大きさと測定された前記副測定電流の大きさとを照合して前記第二の離間電圧の大きさと印加時間とを求める真空処理方法である。
また、本発明は、前記第二の離間電圧を印加する際には、前記主測定電極を前記第一種類の電極と前記第二種類の電極とから絶縁させる真空処理方法である。
また、本発明は、前記第二の離間電圧を印加する際には、前記主測定電極と前記副測定電極とを前記第一種類の電極と前記第二種類の電極とから絶縁させる真空処理方法である。
【発明の効果】
【0007】
残留電荷を消滅させた後、製造基板を吸着装置から分離することができるので、基板の破損や搬送ズレが生じない。
【0008】
実際に吸着装置から離間させようとする製造基板の主対面部分を吸着装置から離間させ、そのときに主測定電極に流れる主測定電流の極性と大きさを測定するので、実際に吸着装置から離間させようとする製造基板と吸着装置の残留電荷を測定することができる。
【0009】
異なる大きさの主測定電流が測定された複数の製造基板について、残留電荷を減少させる第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間とを求め、求めた第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間に対して、主測定電流の極性と大きさとを関係づけた電流電圧関係を記憶装置に記憶しておくと、異なる種類や厚みが相違する製造基板であっても、測定した主測定電流の極性と大きさとを電流電圧関係に照合することで、残留電荷を減少させる第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間とを求めることができる。
【0010】
主測定電極に流れる主測定電流の極性と大きさとに対して、残留電荷を減少させる第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間の関係を電流電圧関係に加入させておくと、主測定電流と副測定電流とから第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間とを求めることができるので、正確な第二の離間電圧が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の真空処理装置の一例
図2】本発明に用いる吸着装置の平面図
図3】製造基板のうち主測定電極と対面する主対面部分が吸着装置から離間したときの状態を示す図
図4】製造基板のうち副測定電極と対面する副対面部分が吸着装置から離間したときの状態を示す図
図5】吸着装置の他の例
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1の符号105は、本発明の真空処理装置を示している。
この真空処理装置105はスパッタリング装置であり、真空槽111と、真空槽111の内部に配置された吸着装置112と、吸着装置112上に配置されたスパッタリングターゲット141とを有している。
【0013】
吸着装置112は絶縁性材料から成る板状の装置本体129を有しており、装置本体129の内部には、それぞれ薄膜状又は薄板状の第一~第四の吸着電極121~124と主測定電極125と、主測定電極125とは離間された副測定電極126とが設けられている。
【0014】
第一~第四の吸着電極121~124と主測定電極125と副測定電極126との表面は、装置本体129の内部で同一平面に位置するように配置されている。
【0015】
吸着装置112の表面は電極平面と平行にされており、従って、吸着装置112の表面と、第一~第四の吸着電極121~124と主測定電極125と副測定電極126との表面との間には装置本体129を構成する絶縁性材料が一定厚みで配置されている。絶縁性材料が一定厚みでない場合であっても、厚みに従った補正計算を施すことで対処することができる。
【0016】
第一~第四の吸着電極121~124と主測定電極125と副測定電極126との表面が位置する平面を電極平面とすると、図2は、電極平面上の部分の装置本体129を除去した状態の吸着装置112の平面図である。図1中の吸着装置112は、吸着装置112を、図2のA-A線に相当する截断線で截断したときの断面図である。
【0017】
第一~第三の吸着電極121~123は円形のリング形形状であり、第四の吸着電極124は円形形状である。装置本体129は円形形状であり、第一~第三の吸着電極121~123は、異なる直径で形成されており、第一~第四の吸着電極121~124は、吸着装置112の縁から内側に向けて、この順序で一定間隔を空けて配置されている。
【0018】
主測定電極125と副測定電極126とは、第一~第四の吸着電極121~124のうち、いずれの吸着電極よりも小面積にされており、ここでは最外周に位置する第一の吸着電極121は、一部が除去されて、除去された部分に主測定電極125と副測定電極126とが配置されている。
【0019】
真空槽111の外部には、主昇降装置137と測定用昇降装置138とが配置されている。
【0020】
真空槽111の底面には貫通孔が形成されており、真空槽111の外部には、縁が底面の貫通孔を取り囲むように、複数個の昇降用ベローズ146と少なくとも1個の測定用ベローズ131とが底面に設けられている。
【0021】
図2に示すように、吸着装置112には複数個の昇降孔145と、一個の測定孔135が形成され、測定孔135は真空槽111の底面の貫通孔と同一直線上に位置しており、各昇降孔145と貫通孔と昇降用ベローズ146との内部には、一端が主昇降装置137に接続された棒状の昇降ピン148が配置され、測定孔135と貫通孔と測定用ベローズ131とには、一端が測定用昇降装置138に接続された棒状の測定ピン132が配置されている。
【0022】
なお図2に於いては測定孔135を形成した例を用いたが、以降一連の測定孔135に関わる機能について、昇降孔145の少なくとも一個について兼用出来る構成としても良い。兼用構成とした場合は昇降ピン148と測定ピン132について同一の昇降機構とする事が出来、またピンの総本数を削減出来た簡素化した構成とすることも可能であり、かつ最大で昇降孔145と同数の測定孔135を設ける事が出来る事から、測定点数の平均や分布状況の把握が可能となり、より高精度な測定が可能な構成とも出来る。
【0023】
主昇降装置137の動作と測定用昇降装置138の動作により、昇降ピン148と測定ピン132とは、昇降用ベローズ146と測定用ベローズ131との伸縮を伴って移動する。ここでは電極平面と吸着装置112の表面とは水平であり、昇降ピン148と測定ピン132とは立設されている。
【0024】
主昇降装置137と測定用昇降装置138とにより、昇降ピン148の上方の先端と測定ピン132の上方の先端とは、吸着装置112の表面上から突き出された位置と、吸着装置112の内部に収容される位置との間で移動する。
【0025】
主昇降装置137と測定用昇降装置138とは、2点間(突出位置、収容位置)の移動に於いて同一の動特性を示す様に構成される。例としては、フィードバックを伴う位置制御、ソレノイドコイルや気体圧力およびシリンダを利用する力制御、電動機を利用した速度制御、によって2点間の移動が同一の動特性が担保される。典型的な同一の動特性の例としては、主昇降装置137と測定用昇降装置138が機械的に連結された構成と同様な動作を示す事を指す。
【0026】
真空槽111の外部には、真空排気装置143とスパッタリングガス源144とスパッタ電源142とが配置されている。
【0027】
この真空処理装置105によって製造基板の真空処理を行う際には真空排気装置143を動作させると、真空排気装置143は真空槽111の内部を真空排気して真空雰囲気を形成する。
【0028】
昇降ピン148の先端と測定ピン132の先端とは、吸着装置112の内部に位置させた状態(収容位置)で、真空排気装置143によって真空槽111の内部を真空排気しながら真空槽111の内部に製造基板を搬入する。
【0029】
搬入した製造基板を吸着装置112の表面上に位置させた後、主移動装置137によって各昇降ピン148を上昇させ、突出位置にある昇降ピン148上に製造基板113を乗せた後、各昇降ピン148を降下させ、製造基板の裏面を吸着装置112の表面に接触させると製造基板は吸着装置112上に配置される。図1の符号113は吸着装置112上に配置された製造基板を示している。
【0030】
真空装置111の外部には、制御装置118と電源装置116とが配置されている。
【0031】
電源装置116は、第一~第四の吸着電極121~124に電気的に接続されている。また、電源装置116は制御装置118に接続されている。電源装置116には制御装置118が出力する制御信号が入力され、電源装置116は制御装置118によって制御される。
【0032】
製造基板113が吸着装置112上に吸着装置112に接触して配置されると、電源装置116は、第一の吸着電極121と第三の吸着電極123とに同極性で同じ大きさの電圧を印加し、第二の吸着電極122と第四の吸着電極124とに同極性で同じ大きさの電圧を印加する。
【0033】
真空槽111は接地電位に接続されており、ここでは、第一、第三の吸着電極121、123と第二、第四の吸着電極122、124との間には互いに逆極性の電圧が印加される。
【0034】
例えば、第一、第三の吸着電極121、123に正電圧が印加されるときには第二、第四の吸着電極122、124には負電圧が印加され、第一、第三の吸着電極121、123に負電圧が印加されるときには第二、第四の吸着電極122、124には正電圧が印加される。
【0035】
第一、第三の吸着電極121、123の組を第一種類の電極とし、第二、第四の吸着電極122、124の組を第二種類の電極とすると、第一種類の電極と第二種類の電極とは、一定距離だけ離間して配置され、第一、第二種類の電極は、主測定電極125と副測定電極126とから離間されている。符号108は第一種類の電極を示し、符号109は第二種類の電極を示している。
【0036】
ここで、第一種類の電極108と第二種類の電極109とによって吸着すべき製造基板113には導電性薄膜が形成されているものとする。導電性薄膜は、吸着装置112上に配置された製造基板113に形成する場合も含まれる。
【0037】
第一種類の電極108と製造基板113の導電性薄膜との間と、第二種類の電極109と製造基板113の導電性薄膜との間と、主測定電極125と製造基板113の導電性薄膜との間と、副測定電極126と製造基板113の導電性薄膜との間とには、コンデンサが形成される。第一種類の電極108と導電性薄膜との間に形成されたコンデンサを第一コンデンサとし、第二種類の電極109と導電性薄膜との間に形成されたコンデンサを第二コンデンサとすると、第一種類の電極108と第二種類の電極109とは、第一コンデンサと第二コンデンサとの直列接続回路によって電気的に接続される。
【0038】
主測定電極125と製造基板113の導電性薄膜との間に形成されるコンデンサを主測定コンデンサとし、副測定電極126と製造基板113の導電性薄膜との間に形成されるコンデンサを副測定コンデンサとすると、主測定電極125と第二種類の電極109との間は、主測定コンデンサと第二コンデンサの直列接続回路によって接続され、副測定電極126と第二種類の電極109との間は、副測定コンデンサと第二コンデンサの直列接続回路によって接続される。
【0039】
電源装置116によって第一種類の電極108と第二種類の電極109とに電圧が印加される際には、主測定電極125と副測定電極126とには、第一種類の電極108と同極性で同じ大きさの電圧が印加される。
【0040】
第一種類の電極108と第二種類の電極109との間の電圧を吸着電圧とすると、主測定電極125と第二種類の電極109との間と、副測定電極126と第二種類の電極109との間の電圧の大きさも吸着電圧の大きさと等しくなる。
【0041】
その結果、第一種類の電極108と第二種類の電極109との間に吸着電圧が印加されると、第一コンデンサと第二コンデンサの直列接続回路と、主測定コンデンサと第二コンデンサの直列接続回路と、副測定コンデンサと第二コンデンサの直列接続回路とは、それぞれ吸着電圧によって充電される。
【0042】
制御装置118には記憶装置119が設けられており、記憶装置119には吸着電圧の極性と大きさとが記憶されており、第一種類の電極108と第二種類の電極109との間には、記憶装置119に記憶された極性と大きさの吸着電圧が印加され、第一、第二種類の電極108、109と製造基板113との間には静電気力又はグラディエント力が発生し、製造基板113は吸着装置112に吸着される。
【0043】
製造基板113が吸着装置112に吸着された状態では、製造基板113と吸着装置112との間の熱抵抗は吸着前の状態よりも小さくなっており、吸着装置112の内部に配置されたヒータや冷却装置によって製造基板113の温度が制御しやすい状態になる。
【0044】
スパッタリングターゲット141は、カソード電極140に取り付けられ、カソード電極140はスパッタ電源142に接続されており、スパッタリングガス源144によって真空雰囲気中にスパッタリングガスを導入し、制御装置118が製造基板113の温度を制御しながら、スパッタ電源142を動作させてカソード電極140にスパッタ電圧を印加すると、スパッタリングターゲット141がスパッタリングされ、製造基板113の表面への薄膜形成の開始によって製造基板113の真空処理が開始される。
【0045】
薄膜が所定膜厚に形成されるとスパッタ電圧の印加は終了され、真空処理が終了し、吸着電圧の印加は停止される。
【0046】
この状態では、各電極108、109、125、126と製造基板113との間には残留電荷が発生している。
【0047】
記憶装置119には、吸着電圧とは逆極性の第一の離間電圧の大きさと印加時間とが記憶されている。
【0048】
電源装置116は、主測定電極125と副測定電極126とを第一種類の電極108に短絡させた状態で、第一種類の電極108と第二種類の電極109との間に、記憶装置119に記憶された大きさの第一の離間電圧を、記憶装置119に記憶された印加時間の間印加すると、製造基板113と吸着装置112とに蓄積された残留電荷が減少する。
【0049】
測定用昇降装置138と測定用ベローズ131と測定ピン132とで、部分離間装置130が構成されているものとすると、部分離間装置130は制御装置118によって制御されている。
【0050】
制御装置118は、電源装置116によって、第一の離間電圧を印加した後第一種類の電極108と第二種類の電極109と主測定電極125と副測定電極126とを接地電位に接続し、次いで、部分離間装置130を動作させ、吸着装置112の内部(収容位置)に位置する測定ピン132を上昇させると、突出位置に到達する過程にて、測定ピン132の先端が製造基板113の裏面に接触する。
【0051】
吸着装置112に吸着された製造基板113のうち、主測定電極125と対面する部分を主対面部分とし、副測定電極126と対面する部分を副対面部分とすると、主測定電極125は、主対面部分が吸着装置112に吸着された製造基板113の縁付近に位置するように配置されている。
【0052】
また、吸着装置112に吸着された製造基板113のうち、測定ピン132の先端が接触する部分を接触部分とすると、測定ピン132は、接触部分が、主対面部分よりも製造基板113の縁に近い位置であって、製造基板113の縁と主対面部分との間に位置する場所に配置されている。
【0053】
また、副測定電極126は、副対面部分が、吸着装置112に吸着された製造基板113の縁から主対面部分よりも遠くなる場所に配置されており、従って、副測定電極126は、装置本体129の縁から主測定電極125よりも遠い場所に位置している。
【0054】
この例では、副測定電極126は、副対面部分が接触部分と主対面部分とを結んだ直線上に位置するように配置されており、特に、副測定電極126を、副対面部分が接触部分の中心と主対面部分の中心とを結ぶ直線上に位置するように配置するとよい。
【0055】
第一、第二種類の電極108、109の間に第一の離間電圧を印加した後も残留電荷は残っており、測定ピン132が接触部分に接触した後、更に測定ピン132の先端を吸着装置112から突き出る方向に移動させると、残留電荷による抗力が突出移動力に対して動特性に影響を与えるが、突出移動力は抗力に対して大きく設定される事から、製造基板113のうち、先ず、接触部分の近傍の部分が吸着装置112から離間する。つまり当該近傍部分の残留電荷に起因する抗力が動特性に影響を与える。
【0056】
そして、測定ピン132の先端の吸着装置112から突き出される量が大きくなると、製造基板113の吸着装置112から離間した部分の面積が拡大する。
【0057】
つまり近傍部分から徐々に同心円状に離間した部分の残留電荷に起因する抗力(同心円状に離間した境界以降の接触領域にて生じる抗力)が製造基板113の曲げ剛性(断面二次モーメントおよび製造基盤のヤング率による)を介して測定ピン132の動特性(後述する基準となる動特性)に支配的な影響を与える。
【0058】
製造基板113のうち、吸着装置112から離間した部分と吸着装置112との間の接触が維持されている部分との間の境界は、当初は傘状に広がるが、測定ピン132の先端の吸着装置112から突き出される量を多くすると最終的には接触部分の近傍位置から製造基板113の中心方向に向けて移動する。
【0059】
そして境界が主測定電極125上を通過すると、製造基板113の導電性薄膜と主測定電極125との間の距離が増大し、図3に示すように主対面部分が吸着装置112から離間すると、主測定コンデンサの容量値がゼロに近い値に減少する。
【0060】
また、境界が主測定電極125上を通過した後、副測定電極126上も通過し、図4に示すように副対面部分が吸着装置112から離間すると、副測定コンデンサの容量値がゼロに近い値に減少する。
【0061】
他方、境界が主測定電極125上、及び副測定電極126上を通過する際には、製造基板113のうち、第二種類の電極109と対面する部分は吸着装置112との間の接触を維持しており、第二コンデンサの容量値に変化が無い。
【0062】
従って、境界が主測定電極125上を通過する間に、主測定コンデンサに蓄積された電荷による放電が発生し、放電によって主測定電極125を通る主測定電流が流れる。第二コンデンサにも、同じ大きさで同じ向きの電流が流れる。
【0063】
また、境界が副測定電極126上を通過する間に、副測定コンデンサに蓄積された電荷による放電が発生し、放電によって副測定電極126を通る副測定電流が流れる。第二コンデンサにも、同じ大きさで同じ向きの電流が流れる。
【0064】
主測定電極125と副測定電極126とは、電流測定装置115を介して、電源装置116に接続されており、主測定電流の向きと値と流れた時間と、副測定電極126を流れる電流である副測定電流の向きと値と流れた時間とをそれぞれ測定できるようにされている。
【0065】
つまり主測定電流と副測定電流の向きと値と流れた時間、各値の相関関係について、基準となる相関関係から測定した現在の各値を比較し、基準からの逸脱状況を確認する事で、動特性の変化、すなわち残留電荷の状況が測定できる。
【0066】
電流測定装置115によって測定された主測定電流の向きと大きさと、副測定電流の向きと大きさは、測定結果として電流測定装置115から制御装置118に出力され、測定結果や相関関係の比較等は、制御装置118に接続された表示装置147に表示される。
【0067】
第一コンデンサと第二コンデンサと主測定コンデンサと副測定コンデンサとの容量値は予め測定され、記憶装置119に記憶されており、制御装置118は、主測定コンデンサに蓄積された電荷の大きさを算出し、その電荷の極性と大きさとから、製造基板113と吸着装置112とに蓄積された残留電荷の極性と大きさを算出して表示装置147に表示することもできる。
【0068】
表示装置147に表示された測定結果に基づいて、残留電荷を減少させる電圧の極性と大きさと印加時間を決定し、測定ピン132を測定孔135の内部に収容すると共に、主測定電極125と副測定電極126とを第一種類の電極108と第二種類の電極109とから絶縁させた状態で、決定した極性と大きさの第二の離間電圧を決定した印加時間の間、第一、第二種類の電極108、109の間に印加し、残留電荷を減少させる。
【0069】
なお測定結果に基づいた第二の離間電圧は、仮に測定結果が基準となる相関関係と同一となった場合、当然、電圧の極性と大きさと印加時間はゼロとなる。これは生産効率の面から見て理想的な結果である。なぜならば、第一の離間電圧によって十分に残留電荷が減少されている為、制御装置118により部分離間装置130を利用する測定工程および第二の離間電圧の印加工程を省略出来、工程短縮となるからである。
【0070】
つまり制御装置118は、次の製造基板113に印加する第一の離間電圧を、第二の離間電圧を加減算した電圧、あるいは第二の離間電圧に一定の係数を乗じた値を加減算した電圧(別手法として、予備測定にて第1と第2の離間電圧との関係をプロットしたグラフを用い、この各点について補間できる関数を導出し、この関数を用いても良い)へと変更するのが好ましい。
【0071】
第二の離間電圧の印加により、製造基板113と吸着装置112とに蓄積された残留電荷は減少されており、昇降孔145の内部から昇降ピン148を上昇させ、昇降ピン148上に製造基板113を乗せて製造基板113を吸着装置112から離間させると、薄膜が形成された製造基板113を他の真空処理装置に移動させることができる。
【0072】
また別実施例として下記の手法を用い、工程短縮を行っても良い。
【0073】
工程1. 上述したように製造基板113を吸着しながら真空処理を行い、第一、第二種類の電極108、109の間に第一の離間電圧を印加した後、測定ピン132の先端を吸着装置112から突き出る方向に移動させ、接触部分の近傍の部分の吸着装置112からの離間を開始させる。
【0074】
工程2. 吸着装置112から離間した部分と吸着装置112との間の接触が維持されている部分との間の境界が主測定電極125に到達する。到達および次工程(工程3)との区別は、予め定めた主測定電極125に接続された電流測定装置115に流れる電流値(トリガー電流値)とする。この電流値は、電流測定装置115が動作を開始する電流計動作開始トリガーとして機能する。この電流値を下回る場合は残留電荷が第一の離間電圧によって十分に減少されている事に相当する事を意味する(つまり第二の離間電圧を印加する必要がない)ので、第二の離間電圧を印加する動作開始は成されず、以降の工程は実施されない。なお、トリガー電流値を超えたという事は、第一の離間電圧を印加しても残留電荷が予め定めた値以上であるので、例えば製造基板113の厚みが、第一の離間電圧を設定した時点での想定とは異なる事を意味する。
【0075】
工程3.主測定電極125上の境界の移動に応じた電流が、電流測定装置115にて検出される。(検出される電流は、電極の形状、境界の移動状況、製造基板113の断面二次モーメントを反映する。つまり信号/雑音の比の面から見た場合、接触面積の減少速度と同一とする電極形状、および製造基板113が測定ピン132により容易に変形する箇所に電極を設ける事が望ましい。この様にする事で、第二の離間電圧の必要性が、より正確に把握できる。後述する副測定電極126についても同様である。)
工程4. そして境界が主測定電極125上を通過して主測定電極125の外部に位置した事は、電流測定装置115に流れる電流の大きさがトリガー電流値以下である事で把握される。
【0076】
工程5. 境界が移動する事で、上記工程2~4について同様の測定が各副測定電極126に対して行われる。
【0077】
なお、境界は主測定電極125と副測定電極126上に同時に存在できない様に構成する事で、主測定電極125と副測定電極126それぞれから由来する信号の時間間隔を保つ事が出来、工程6における時間間隔を長く出来る事となるので、信号/雑音の比の面から見て好ましい。
【0078】
境界の移動は動特性が同一であれば残留電荷と曲げ剛性に支配されて進むので、円形基盤であれば円周側が先行して離脱し中心側は離脱が遅れる傾向となる、よって境界が副測定電極126上を移動するときの電流測定の感度を上昇させるためには副測定電極126は円周側面積が中心側面積より多くなる形状(例えば扇形や三角形、ドーナッツカット形状)が好ましいと言える。(ただし測定ピンを中心とした傘状に境界が広がる微小領域内に主測定電極および副測定電極を設ける構成の場合は、測定ピン側の面積が多くなる形状を採用するのが好ましい。)
その意味で、副測定電極126は、製造基板が四角形状の場合は測定ピン132より角に近い場所に位置することが望ましく、円形基板の場合は測定ピン132より円周に近い場所に位置することが望ましい。
【0079】
工程6. 後述する<予備測定>を行い、これを基準として、主測定電極125と副測定電極126について、
a)主測定電流の開始・終了時間間隔、副測定電流の開始・終了時間間隔
b)ピーク電流間隔(主測定電流と副測定電流のピークの時間間隔)
c)予め設定した電流値超過判定および判定時刻の間隔
等、単数あるいは複数について選択した測定値(以降、これらは評価値と呼ぶ)と比較する。
【0080】
工程7. 比較した結果として現在の残留電荷を得る。最も単純な比較は、後述する<予備測定>にて異なる2つの残留電荷に対しての基準を取得し、この2つの基準を用いて1次式による補間を行い、この関数を比較として用い、現在の残留電荷を算出する。当然、基準を複数取得し、多項式での補間を行った関数を用いて比較し、残留電荷を求めてもよく、当然複数の評価値を用いて多変数関数として求めても良い。
【0081】
工程8. 工程7の計算が、測定ピン132が突出位置に向けて動作を継続している条件下でかつ、工程5の副測定電極126上面から境界が離脱し、かつ第一、第二種類の電極108、109迄に境界が到達しない条件の時間内で計算が終了する、として構成されていたとすれば、境界が第一、第二種類の電極108、109に到達する前に第二の離間電圧の印加を行い、残留電荷を十分に減少させる事が可能となる。なお印加時間後に、境界が第一種類の電極108と第二種類の電極109とに到達する動特性とする。この様な動特性とすれば第一種類の電極108および第二種類の電極109に保持された残留電荷が減少した状態(ほぼ消滅した状態)で境界が通過するので、製造基板113を吸着装置112から分離する際に、基板の破損や搬送ズレが生じない。
【0082】
工程9. 工程8の終了段階で昇降ピン148が基板裏面に到達するように構成すれば、そのまま昇降ピン148を上昇させ、昇降ピン148上(および測定ピン132上)に製造基板113を乗せて製造基板113を吸着装置112から離間させると、薄膜が形成された製造基板113を他の真空処理装置に移動させることができ、測定工程および除電工程を、一連の基板移動工程に組み込む結果となり、工程増加による遅れ等も生じる事がない。
【0083】
<予備測定>
ここで、製造基板113の真空処理を開始する前に、種類や構造が異なる試験基板(あるいは製造基板113と同一または厚みが異なる試験基板)を吸着装置112に配置し、主測定電極125と副測定電極126とを第一種類の電極108に電気的に接続した状態で、第一種類の電極108と第二種類の電極109との間に吸着電圧を所定時間印加して試験基板を吸着し、次いで、主測定電極125と副測定電極126とを第一種類の電極108に電気的に接続した状態で、第一種類の電極108と第二種類の電極109との間に、吸着電圧とは逆極性であって記憶装置119に記憶された大きさの第一の離間電圧を、記憶装置119に記憶された印加時間印加し、残留電荷を予備測定における目標値まで減少させる。
【0084】
吸着装置112に配置された試験基板を、測定用昇降装置138にて測定ピン132の2点間(突出位置、収容位置)移動を行う事で、第一の離間電圧によって残留電荷が減少された試験基板の主測定電流と副測定電流との向きと大きさとを測定する(この測定の値は評価値に相当する)。この予備測定を行う事で、複数の試験基板に対し、各残留電荷と評価値との関数を導く事が出来る。当然、関数ではなく各値との対比をテーブルとし、これを関数に代えてテーブルに基づく数値処理としても良い。なお残留電荷は測定ピン132の上昇時に印加された力との比例関係があるとして、力(例えば単位をNとする値)を電荷にかえて評価値との対応を行っても良い。他の力の記録例としては空圧式制御であれば媒体の圧力、ソレノイドやモータを利用した制御であれば駆動電流、等を用いることも出来る。
【0085】
複数の試験基板に対してこのように残留電荷に応じた主測定電流と副測定電流との向きと大きさとを測定した後、再度試験基板を吸着し、前述した各残留電荷(予備測定での各目標値)が試験基板に存在する状態を作り出した上で、主測定電極125と副測定電極126とを第一種類の電極108と第二種類の電極109とから絶縁させた状態で、試験基板毎に異なる大きさ又は異なる印加時間の第二の離間電圧を、残留電荷を減少させる極性で、第一、第二種類の電極108、109の間に印加する。その後、昇降ピン148を上昇させ、昇降ピン148に印加された力を測定しながら、試験基板を吸着装置112から離間させる。当然ながら、第二の離間電圧は基板の破損や搬送ズレが生じない残留電荷量、すなわち主測定電極125に接続された電流測定装置115に流れる電流値が予め定めたトリガー電流値以下になる事が第二の離間電圧の目標となる。この昇降ピン148の上昇と同期して測定ピン132を上昇させても良い。前記した各残留電荷に対し、予め定めたトリガー電流値以下になる第二の離間電圧の相関について関数またはテーブルが確定できれば、測定ピン132の上昇にて残留電荷が特定出来、その後、第二の離間電圧を印加する事で、もしも第一の離間電圧によって十分に残留電荷を減少させる事が出来なかったとしても昇降ピン148の上昇前に第二の離間電圧が印加出来るので、基板の破損や搬送ズレが生じない。
【0086】
ところで種類や構造や厚みが異なる試験基板について、各試験基板に対応する主測定電流等の評価値を取得し、各残留電荷との対応関係を関数またはテーブルとして作製、これを記憶装置119に記憶させておけば、製造基板113が試験基板と同一の種類や構造や厚みではなくとも、測定によって得られた評価値と残留電荷との対応関係を補完する事で、離間させるときの力が小さくなる第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間とを求めることができる。
【0087】
従って、主測定電流の測定結果と電流電圧関係、又は、主測定電流と副測定電流の測定結果と電流電圧関係(つまり、評価値と各残留電荷の関係、および各残留電荷と第二の離間電圧の関係)とから第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間を求め、主測定電極125と副測定電極126とを第一種類の電極108と第二種類の電極109とから絶縁させた状態で、第二の離間電圧を電流電圧関係から求めた印加時間の間、製造基板113に印加することで、第二の離間電圧を印加する前よりも、残留電荷を一層小さくすることができる。つまり製造基板113の厚みが第一の離間電圧を設定した時点での想定と異なっていた等の想定外の事象にて不都合な残留電荷が存在していたとしても、測定ピン132の上昇に伴う測定にて第二の離間電圧を印加できる構成であるので、残留電荷を一層小さくすることができ、基板の破損や搬送ズレが生じない。
【0088】
例えば、主測定電流から求めた第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間を用いても良いし、主測定電流から求めた大きさと印加時間と、副測定電流から求めた大きさと印加時間とを平均した第二の離間電圧を用いても良い。極性は主測定電流から求めても良いし副測定電流から求めても良い。
【0089】
<他の吸着装置の例>
図5は、本発明に用いることができる他の吸着装置221の電極を説明するための図である。
【0090】
吸着装置221は、第一種類電極208と、第二種類電極209と、第三種類電極210とをそれぞれ複数個有している。
【0091】
この吸着装置221では、第三種類電極210はそれぞれ櫛歯形形状の正電極236と負電極237とが二個噛み合った一組の電極であり、第一、第二種類電極208、209は四角リング形形状であるが、第一、第二種類電極208、209の形状は四角リング形形状に限定されるものではなく、多角形形状にしてもよい。
【0092】
第一種類電極208と、第二種類電極209と、第三種類電極210とは、同一種類の電極が隣接しないように配置されている。
【0093】
この吸着装置221は、水平にされた状態で製造基板が吸着装置221上に配置され、正電極236と負電極237との間に高電圧が印加され、発生したグラディエント力によって絶縁性の製造基板が吸着された後、吸着装置221と、吸着装置221に吸着された製造基板とは、回転されて略鉛直な状態にされる。
【0094】
正電極236と負電極237とによって吸着装置221に吸着された状態で、製造基板の表面に導電性薄膜が形成されると、正負電極236、237の間に印加する高電圧を停止すると共に、第一、第二種類の電極208、209間に吸着電極の印加を開始し、製造基板を静電気力で吸着して真空処理を行う。
【0095】
真空処理後、吸着装置221と、吸着装置221に吸着された製造基板とを回転させて水平にする。
【0096】
ここで、吸着装置221は四角形形状であるが、四角形形状に限定されるものではなく、多角形形状や円形形状も含まれる。多角形形状の場合は、少なくとも一個の角には第一、第二種類電極208、209は形成されておらず、その角の部分には、主測定電極225と、第一の副測定電極226と、第二の副測定電極227とが配置されている。
【0097】
また、その角の部分には、測定孔235が設けられ、測定孔235の内部には測定ピン232が配置されている。
【0098】
吸着装置221に吸着された製造基板のうち、第一の副測定電極226と対面する部分を第一の副対面部分とし、第二の副測定電極227と対面する部分を第二の副対面部分とすると、主測定電極225が対面する主対面部分が、吸着装置221に吸着された製造基板の縁に近い場所に位置するように主測定電極225が配置され、主対面部分よりも縁から遠い場所に第一の副対面部分が配置され、第一の副対面部分よりも縁から遠い場所に第二の副対面部分が配置されるように、第一、第二の副測定電極226、227が配置されている。
【0099】
第一、第二種類の電極208、209間に第一の離間電圧を印加した後、部分分離装置によって測定ピン232を移動させ、主対面部分を吸着装置221から離間させて主測定電流の向きと大きさとを測定し、更に測定ピン232を移動させ、主対面部分を離間させた後、第一の副対面部分と吸着装置221との離間を開始させ、第一の副対面部分が吸着装置221と離間して第一の副測定電極226に流れる第一の副測定電流の向きと大きさとを測定し、第一の副対面部分を離間させた後、第二の副対面部分と吸着装置221との離間を開始させ、第二の副対面部分が吸着装置221と離間して第二の副測定電極227に流れる第二の副測定電流の向きと大きさとを測定する。
【0100】
記憶装置には、残留電荷を大きく減少させる第二の離間電圧の極性と大きさと印加時間が、主測定電流の向きと大きさと、第一の副測定電流の向きと大きさと、第二の副測定電流の向きと大きさとに対応付けられた電流電圧関係が記憶されており、例えば、測定した主測定電流の向きと大きさとを電流電圧関係に照合して対応付けから求められた大きさと印加時間と、測定した第一の副測定電流の向きと大きさとを電流電圧関係に照合して対応付けから求められた大きさと印加時間と、測定した第二の副測定電流の向きと大きさとを電流電圧関係に照合して求められた大きさと印加時間とを平均した第二の離間電圧を印加すると、一層正確に残留電荷を減少させることができる。第二の離間電圧の極性は、主測定電流の向きと第一の副測定電流の向きと、第二の副測定電流の向きのいずれの向きから求めてもよい。
【0101】
第二の離間電圧の印加後、昇降孔245の内部に配置された昇降ピン248を上昇させ、真空処理を行った製造基板を吸着装置221から離間させ、他の真空処理装置に移動させる。
【0102】
なお、この吸着装置221では、吸着装置221の四隅に主測定電極225と、第一の副測定電極226と、第二の副測定電極227とが設けられており、複数の角の場所で主測定電流と第一の副測定電流と第二の副測定電流とが測定できるようにされており、それらの電流値から求めた大きさと印加時間を平均した第二の離間電圧を求めて印加するようにしてもよい。
【0103】
なお、以上はスパッタリングターゲット141をスパッタリングして薄膜を形成する真空処理方法と真空処理装置105とについて説明したが、本発明の真空処理方法と真空処理装置105とには、スパッタリング方法とスパッタリング装置とに限定されるものではなく、エッチング方法とエッチング装置、CVD方法とCVD装置等、真空雰囲気中で基板を処理する方法と、その方法に用いる真空処理装置が広く含まれる。
【0104】
なお、上記工程1~工程9では、測定に用いたピンと昇降に用いたピンとは別々のピンであったが、境界の動作が同一となるような電極形状または昇降ピン形状とすれば、同一のピンを測定と昇降に用いられる兼用ピンにすることができる。
【0105】
その場合、兼用ピンは測定用ベローズの内部に配置され、測定の際と昇降の際には主昇降装置及び測定用昇降装置として動作する昇降装置によって昇降移動するようにしておけば、測定ピンと昇降ピンとに代わって兼用ピンによって上記工程1~工程9を行うことができる。
【0106】
さらに前記兼用ピン以外の昇降ピンを脱着可能としておけば、昇降装置は兼用ピンのみを持つ事となり、これはすなわち主昇降装置が測定ピンを昇降移動させる事と同一となるので測定用昇降装置と主昇降装置を合一させ、単一の昇降装置として簡略化した構成とする事も出来る。
【0107】
上記は合一とした簡略構成の例を示したが、この様な手法にとどまらず、測定ピンを昇降移動させる工程については別途の装置で行い、前述した<予備測定>での工程で得た測定値(評価値)を、本発明の装置へ適用する構成とする事でも、測定用昇降装置や測定ピンなどの構成を省略することが出来る。
【符号の説明】
【0108】
105……真空処理装置
108、208……第一種類の電極
109、209……第二種類の電極
111……真空槽
112……吸着装置
113……製造基板
115……電流測定装置
116……電源装置
125、225……主測定電極
126……副測定電極
130……部分離間装置
226……第一の副測定電極
227……第二の副測定電極
図1
図2
図3
図4
図5