(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】複合ケーブル、ワイヤハーネスの配索構造、及び複合ケーブルの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01B 7/24 20060101AFI20240514BHJP
H01B 7/00 20060101ALI20240514BHJP
H01B 11/22 20060101ALI20240514BHJP
H01B 13/00 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
H01B7/24
H01B7/00 310
H01B11/22
H01B13/00 555
H01B7/00 301
(21)【出願番号】P 2020568146
(86)(22)【出願日】2020-01-21
(86)【国際出願番号】 JP2020001836
(87)【国際公開番号】W WO2020153323
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2022-10-24
(31)【優先権主張番号】P 2019008009
(32)【優先日】2019-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019145585
(32)【優先日】2019-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143959
【氏名又は名称】住吉 秀一
(72)【発明者】
【氏名】島貫 斉史
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 正幸
(72)【発明者】
【氏名】椎野 雅人
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 清
(72)【発明者】
【氏名】森本 政仁
(72)【発明者】
【氏名】川原 啓輔
【審査官】井上 弘亘
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-283648(JP,A)
【文献】特表2014-520364(JP,A)
【文献】特開2003-86028(JP,A)
【文献】特許第5920283(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/24
H01B 7/00
H01B 11/22
H01B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電材料により形成されている導体を含む少なくとも1本の第1線状体と、
前記第1線状体の延在方向に延びる筒状体と、
前記筒状体の内部に非拘束状態で収容された少なくとも1本の第2線状体と、
前記第1線状体及び前記筒状体の外周面を被覆する絶縁材料から構成された外被と、を有し、
前記第1線状体と前記筒状体は、前記第1線状体の延在方向に垂直な断面の一方向である配列方向に並んで配置されており、
前記第1線状体および前記外被は、外力の影響による前記筒状体の局所的な変形を抑制可能に構成されてい
て、
前記外被は、外周面から前記筒状体に向かって延びるスリット部を有し、
前記スリット部は、前記外被の外周面に設けられていて、前記スリット部を閉鎖する閉鎖部材を備える、
ことを特徴とする複合ケーブル。
【請求項2】
請求項1に記載の複合ケーブルにおいて、前記筒状体の剛性が、前記第1線状体の剛性および前記外被の剛性の両方より低いことを特徴とする複合ケーブル。
【請求項3】
請求項2に記載の複合ケーブルにおいて、
前記筒状体の外面と前記外被の内面が密着している部分を有する
ことを特徴とする複合ケーブル。
【請求項4】
請求項1に記載の複合ケーブルにおいて、
前記筒状体が前記外被と相対的に移動可能である
ことを特徴とする複合ケーブル。
【請求項5】
請求項1に記載の複合ケーブルにおいて、
前記配列方向の並びの両端に前記第1線状体が配置されている
ことを特徴とする複合ケーブル。
【請求項6】
請求項1に記載の複合ケーブルにおいて、
前記筒状体の配列方向の両側に前記第1線状体が配置されている
ことを特徴とする複合ケーブル。
【請求項7】
請求項1に記載の複合ケーブルにおいて、
前記筒状体のケーブル厚さ方向の寸法が、前記第1線状体のケーブル厚さ方向の寸法より小さい
ことを特徴とする複合ケーブル。
【請求項8】
請求項1に記載の複合ケーブルにおいて、
前記筒状体のケーブル厚さ方向の寸法が、前記第1線状体の導体部分のケーブル厚さ方向の寸法より小さい
ことを特徴とする複合ケーブル。
【請求項9】
請求項1に記載の複合ケーブルにおいて、
前記第2線状体は、電気信号の伝送線路である金属線、光信号の伝送線路である光ファイバ、伝送線路として機能しない糸部材のうち、少なくとも1つを含む
ことを特徴とする複合ケーブル。
【請求項10】
請求項1に記載の複合ケーブルにおいて、
前記第1線状体の延在方向の端部に接続された第1外部端子および前記第2線状体の延在方向の端部に接続された第2外部端子のうち少なくとも一方を更に有する
ことを特徴とする複合ケーブル。
【請求項11】
請求項
1に記載の複合ケーブルにおいて、
前記スリット部は、前記筒状体まで達している
ことを特徴とする複合ケーブル。
【請求項12】
電源線及び通信線を含む幹線と、前記幹線から分岐した枝線とを有し、
前記幹線または前記枝線の少なくとも一部が請求項1に記載の複合ケーブルである
ことを特徴とするワイヤハーネスの配索構造。
【請求項13】
請求項1
2に記載のワイヤハーネスの配索構造であって、
前記幹線または前記枝線の少なくとも一部が、配索対象に沿う曲げ部を有する
ことを特徴とするワイヤハーネスの配索構造。
【請求項14】
請求項1
2に記載のワイヤハーネスの配索構造において、
アース線を更に有する
ことを特徴とするワイヤハーネスの配索構造。
【請求項15】
導電材料により形成されている少なくとも1本の第1線状体を形成する第1ステップと、
筒状体を形成する第2ステップと、
前記第1ステップで形成された前記第1線状体及び前記第2ステップで形成された前記筒状体の外周面を被覆する絶縁材料から構成された外被を、押出成形により形成
した後に、スリット部を形成する加工処理を行う第3ステップと、
前記第3ステップにおいて前記外被が形成された前記筒状体の内部に、前記スリット部を開いて第2線状体を挿入後、前記外被の外側に閉鎖部材を設ける第4ステップと、を含む
複合ケーブルの製造方法。
【請求項16】
請求項1
5に記載の複合ケーブルの製造方法において、
前記第4ステップにおいて前記外被が形成された前記第1線状体の延在方向の端部に、
第1外部端子を接続する第5ステップを含む
ことを特徴とする複合ケーブルの製造方法。
【請求項17】
請求項1
6に記載の複合ケーブルの製造方法において、
前記第2線状体の延在方向の端部に第2外部端子を接続する第6ステップを含む
ことを特徴とする複合ケーブルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合ケーブル、ワイヤハーネスの配索構造、及び複合ケーブルの製造方法に関し、例えば、車載用の複合ケーブル、ワイヤハーネスの配索構造、及び複合ケーブルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の配線システムには、互いに独立して製造された通信ケーブルと電源ケーブルを必要に応じてテープなどで集束した構造のワイヤハーネスが使用されている。
近年、電気信号の伝送と光信号の伝送とが可能な複合ケーブルを採用した車載用のワイヤハーネスが増えつつある。例えば、特許文献1には、光ファイバとその被覆の間に、めっきなどで導電性材料の層を表面に形成した抗張力繊維群が充填された、車載用の複合ケーブルが開示されている。また、特許文献2には、電源線と通信線とが複合された屋内用の複合ケーブルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5920283号公報
【文献】特開2003-86028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の複合ケーブルは、車載用のワイヤハーネスとして十分な性能を有しているとは言い難かった。
【0005】
例えば、特許文献1に開示された複合ケーブルを構成する導電性抗張力繊維は、アラミド等の抗張力繊維表面に銅等導電性金属をめっき等で形成されている。そのため、車載用ワイヤハーネスとして要求される十分な導電性能(電気抵抗)を確保するには、従来の絶縁電線と同等の導電体断面積が必要となり、その屈曲性能も従来の絶縁電線と同等となると考えられる。すなわち、特許文献1に記載の技術では、車載用ワイヤハーネスとして要求される導電性能を満足するために、複合ケーブルの径が従来の絶縁電線を用いる場合よりも大きくなる。その結果、複合ケーブルの屈曲性能が低下するとともに、複合ケーブルの重量が増すおそれがある。
【0006】
また、特許文献2に開示された複合ケーブルは、中空チューブが複合ケーブルの断面の端にあり、中空チューブのみが外力の影響を受けることがある。また、中空チューブが外力の影響によって局所的に変形して光コードを圧迫し、光コードの伝送損失の増大、または光コードの破断などが発生するおそれがある。特に、複合ケーブルをワイヤハーネスとして用いる場合、車体に沿って配線しようとすると、曲げ半径の小さい曲げ箇所が増えて、上述の中空チューブの局所的な変形(座屈等)が起こりやすくなる。このため、屈曲性能が高いとは言い難い。
このように、従来の複合ケーブルは、ワイヤハーネスとして十分な性能を有しているとは言い難かった。
【0007】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、ワイヤハーネスとして十分な性能を有する複合ケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の代表的な実施の形態に係る複合ケーブルは、導電材料により形成されている導体を含む少なくとも1本の第1線状体と、前記第1線状体の延在方向に延びる筒状体と、前記筒状体の内部に非拘束状態で収容された少なくとも1本の第2線状体と、前記第1線状体及び前記筒状体の外周面を被覆する絶縁材料から構成された外被と、を有し、前記第1線状体と前記筒状体は、前記第1線状体の延在方向に垂直な断面の一方向である配列方向に並んで配置されており、前記第1線状体および前記外被は、外力の影響による前記筒状体の局所的な変形を抑制可能に構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る複合ケーブルによれば、ワイヤハーネスとして十分な性能を有する複合ケーブルを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る複合ケーブルの断面図である。
【
図2】信号線としての光ファイバ心線の断面図である。
【
図3】実施の形態2に係る複合ケーブルの断面図である。
【
図4】実施の形態3に係る複合ケーブルの断面図である。
【
図5】実施の形態4に係る複合ケーブルの断面図である。
【
図6】実施の形態5に係る複合ケーブルの断面図である。
【
図7】実施の形態6に係る複合ケーブルの断面図である。
【
図8】実施の形態7に係る複合ケーブルの断面図である。
【
図9】実施の形態8に係る複合ケーブルの断面図である。
【
図10】実施の形態9に係る複合ケーブルの断面図である。
【
図11】実施の形態10に係る複合ケーブルの断面図である。
【
図12】実施の形態11に係る複合ケーブルの断面図である。
【
図13】実施の形態12に係る複合ケーブルの断面図である。
【
図14】実施の形態13に係る複合ケーブルの断面図である。
【
図15】実施の形態14に係る複合ケーブルの断面図である。
【
図16】実施の形態15に係る複合ケーブルの断面図である。
【
図17】実施の形態16に係る複合ケーブルの断面図である。
【
図18】実施の形態17に係る複合ケーブルの断面図である。
【
図19】実施の形態18に係る複合ケーブルの断面図である。
【
図20】実施の形態19に係る複合ケーブルの断面図である。
【
図21】実施の形態20に係る複合ケーブルの断面図である。
【
図22】本発明の一実施の形態に係る複合ケーブルの端部に外部端子を接続した構成を示す図である。
【
図23】本発明の一実施の形態に係る複合ケーブルの製造方法の流れを示すフロー図である。
【
図24】実施の形態に係る複合ケーブルを用いたワイヤハーネスの配索構造の平面図である。
【
図25】
図24に示すワイヤハーネスの配索構造を表す要部斜視図である。
【
図26】実施の形態1に係る複合ケーブルの別の態様を示す断面図である。
【
図27】実施の形態1に係る複合ケーブルのさらに別の態様を示す断面図である。
【
図28】実施の形態2に係る複合ケーブルの別の態様を示す断面図である。
【
図29】実施の形態5に係る複合ケーブルの別の態様を示す断面図である。
【
図30】実施の形態1に係る複合ケーブルのさらに別の態様を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
【0012】
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係る複合ケーブル(1A~1T)は、導電材料により形成されている導体を含む少なくとも1本の第1線状体(2A~2T)と、前記第1線状体の延在方向に延びる筒状体(31A~31T)と、前記筒状体の内部に非拘束状態で収容された少なくとも1本の第2線状体(3A~3T)と、前記第1線状体及び前記筒状体の外周面を被覆する絶縁材料から構成された外被(4A~4T)と、を有し、前記第1線状体と前記筒状体は、前記第1線状体の延在方向に垂直な断面の一方向である配列方向に並んで配置されており、前記第1線状体および前記外被は、外力の影響による前記筒状体の局所的な変形を抑制可能に構成されていることを特徴とする。
【0013】
また、上記〔1〕に記載の複合ケーブルにおいて、前記第1線状体は、複数が備えられ、前記筒状体は、前記配列方向に沿って複数の前記第1線状体と隣接して配置されていてもよい。
【0014】
また、上記〔1〕に記載の複合ケーブルにおいて、前記筒状体の内周面と前記線状体との間には空間(30)が形成されていてもよい。
【0015】
また、上記〔1〕に記載の複合ケーブル(1C)において、前記筒状体は、導電体(31C)であってもよい。
【0016】
また、上記〔1〕に記載の複合ケーブル(1A,1B,1D~1T)において、前記筒状体は、絶縁体(31A,31B,31D~31T)であってもよい。
【0017】
また、上記〔1〕に記載の複合ケーブル(1A,1D~1G,1I~1R)において、前記第1線状体は、1本の金属線により構成されている単線(2A,2D~2G,2I~2R)であってもよい。
【0018】
また、上記〔1〕に記載の複合ケーブル(1B,1C,1H,1T)において、前記第1線状体は、複数の金属線を撚り合わせた撚線(2B,2C,2H,2T)であってもよい。
【0019】
また、上記〔1〕に記載の複合ケーブル(1C)において、前記外被の内周面に接し前記第1線状体の外周面を被覆する絶縁材料から構成された絶縁被覆(25C)を有していてもよい。
【0020】
また、上記〔1〕に記載の複合ケーブル(1A~1C,1E,1G,1I~1K,1M,1O~1T)において、前記筒状体は、断面視円形状であってもよい。
【0021】
また、上記〔1〕に記載の複合ケーブル(1D,1F、1H,1L~1N)において、前記筒状体は、断面視矩形状であってもよい。
【0022】
また、上記〔1〕に記載の複合ケーブル(1A,1F,1I、1J,1L,1O~1T)において、前記第1線状体は、断面視円形状であってもよい。
【0023】
また、上記〔1〕に記載の複合ケーブル(1D,1E,1G,1H,1K,1M,1N)において、前記第1線状体は、断面視角形状であってもよい。
【0024】
また、上記〔1〕に記載の複合ケーブル(1D,1E,1H,1M,1N)において、前記第1線状体は、断面視矩形状であってもよい。
【0025】
また、上記〔1〕に記載の複合ケーブル(1A~1T)において、前記第1線状体の延在方向の端部に接続された第1外部端子(8)を更に有してもよい。
【0026】
また、上記〔1〕に記載の複合ケーブル(1C)において、前記第2線状体は、電気信号を伝送する金属線(3C)を含んでもよい。
【0027】
〔2〕上記〔1〕に記載の複合ケーブル(1A~1T)において、前記筒状体の剛性が、前記第1線状体の剛性および前記外被の剛性の両方より低いことを特徴とする。
【0028】
〔3〕上記〔2〕に記載の複合ケーブル(1A~1T)において、前記筒状体の外面と前記外被の内面が密着している部分を有することを特徴とする。
【0029】
〔4〕上記〔1〕に記載の複合ケーブル(1A~1T)において、前記筒状体が前記外被と相対的に移動可能であることを特徴とする。
【0030】
〔5〕上記〔1〕に記載の複合ケーブル(1B~1T)において、前記配列方向の並びの両端に前記第1線状体が配置されていることを特徴とする。
【0031】
〔6〕上記〔1〕に記載の複合ケーブル(1A~1T)において、前記筒状体の配列方向の両側に前記第1線状体が配置されていることを特徴とする。
【0032】
〔7〕上記〔1〕に記載の複合ケーブル(1A~1T)において、前記筒状体のケーブル厚さ方向の寸法が、前記第1線状体のケーブル厚さ方向の寸法より小さいことを特徴とする。
【0033】
〔8〕上記〔1〕に記載の複合ケーブル(1A~1T)において、前記筒状体のケーブル厚さ方向の寸法が、前記第1線状体の導体部分のケーブル厚さ方向の寸法より小さいことを特徴とする。
【0034】
〔9〕上記〔1〕に記載の複合ケーブル(1A~1T)において、前記第2線状体は、電気信号の伝送線路である金属線(3C)、光信号の伝送線路である光ファイバ(3A,3B,3D~3T)、伝送線路として機能しない糸部材のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0035】
〔10〕上記〔1〕に記載の複合ケーブル(1A~1T)において、前記第1線状体の延在方向の端部に接続された第1外部端子(8)および前記第2線状体の延在方向の端部に接続された第2外部端子(9)のうち少なくとも一方を更に有することを特徴とする。
【0036】
〔11〕上記〔1〕に記載の複合ケーブル(1A,1I~1T)において、外被(4A,4I~4T)は、外周面から筒状体(31A,31I~31T)に向かって延びるスリット部(41A,41I~41T)を有することを特徴とする。
【0037】
〔12〕上記〔11〕に記載の複合ケーブル(1A,1I~1T)において、スリット部(41A,41I~41T)は、筒状体(31A,31I~31T)まで達していることを特徴とする。
【0038】
〔13〕上記〔11〕に記載の複合ケーブル(1A,1I~1T)において、スリット部(41A,41I~41T)は、外被(4A,4I~4T)の外周面に設けられていて、スリット部(41A,41I~41T)を閉鎖する閉鎖部材(6A,6I~6T)を備える。
【0039】
〔14〕本発明の代表的な実施の形態に係るワイヤハーネスの配索構造(500)は、電源線及び通信線を含む幹線(12a~12d,22a~22c)と、前記幹線から分岐した枝線(13,15)とを有し、前記幹線または前記枝線の少なくとも一部が上記〔1〕乃至〔13〕の何れか一項に記載の複合ケーブル(1A~1T)であることを特徴とする。
【0040】
〔15〕上記〔14〕に記載のワイヤハーネスの配索構造(500)において、前記幹線(12a~12d,22a~22c)または前記枝線(13,15)の少なくとも一部が、配索対象に沿う曲げ部(BP)を有することを特徴とする。
【0041】
〔16〕上記〔14〕または〔15〕に記載のワイヤハーネスの配索構造において、アース線を更に有することを特徴とする。
【0042】
〔17〕本発明の代表的な実施の形態に係る複合ケーブルの製造方法は、導電材料により形成されている少なくとも1本の第1線状体を形成する第1ステップ(S101)と、筒状体(31A)を形成する第2ステップ(S102)と、前記第1ステップで形成された前記第1線状体及び前記第2ステップで形成された前記筒状体の外周面を被覆する絶縁材料から構成された外被(4A)を押出成形により形成する第3ステップ(S103)と、を含むことを特徴とする。
【0043】
〔18〕上記〔17〕に記載の複合ケーブルの製造方法において、前記第3ステップにおいて前記外被が形成された前記筒状体の内部に、第2線状体(3A)を挿入する第4ステップ(S104)を含むことを特徴とする。
【0044】
〔19〕上記〔17〕または〔18〕に記載の複合ケーブルの製造方法において、前記第3ステップにおいて前記外被が形成された前記第1線状体の延在方向の端部に、第1外部端子(8)を接続する第5ステップ(S105)を含むことを特徴とする。
【0045】
〔20〕上記〔18〕に記載の複合ケーブルの製造方法において、前記第2線状体の延在方向の端部に第2外部端子(9)を接続する第6ステップ(S106)を含むことを特徴とする。
【0046】
2.実施の形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0047】
≪実施の形態1≫
図1は、実施の形態1に係る複合ケーブルの断面図である。
図1に示される複合ケーブル1Aは、例えば、電力の伝送と光信号の伝送が可能なケーブルである。
【0048】
図1に示すように、複合ケーブル1Aは、第1線状体2A、筒状体31A、信号線3A、及び外被4Aを有する。
【0049】
第1線状体2Aは、導電性を有する材料から構成されている。複合ケーブル1Aをワイヤハーネスの幹線または枝線に採用した場合、第1線状体2Aは、例えば、電力伝送のための電源線として機能させることが可能となっている。
【0050】
具体的に、第1線状体2Aは、金属材料から構成された中実の単線(金属線)である。第1線状体2Aは、例えば、断面視円形状である。第1線状体2Aは、導体性を有する金属材料であればよく、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、錫めっき線、鉄、及びニッケル等の金属材料を例示することができる。
【0051】
筒状体31Aは、第1線状体2Aの延在方向に垂直な方向(以下「断面方向」という)に隣接して配置されている。筒状体31Aは、絶縁性を有する材料から構成されている。筒状体31Aは、絶縁性を有する材料から構成されて空間30を有する中空の管である。筒状体31Aは、例えば、断面視円形状である。筒状体31Aは、絶縁性を有する材料であればよく、例えばポリエチレン、PVC(polyvinyl chloride)、ナイロン、シリコン樹脂などを例示することができる。このうち、電源線に用いられる金属材料に関しては、導電性の高い材料、例えば不純物または添加物の量が少ない銅系(純銅系)またはアルミニウム系(純アルミニウム系:いわゆる1000系)の材料が好ましい。特に大電流が流れる電源線に関しては、例えば断面積が5~200mm
2程度になることが想定される。そこで、複合ケーブルの曲げ性を担保する観点でも、比較的柔軟な材料である、前述の不純物または添加物の量が少ない銅系またはアルミニウム系の材料が好ましい。この観点は、以下の各実施の形態について同様である。
筒状体31Aは、例えば、例えば押出成形によって形成される。筒状体31Aの断面方向における外側の寸法(外径D2)は、第1線状体2Aの断面方向における外側の寸法(外径D1)と同一の外寸または小さい外寸である。
図1において、筒状体31Aの外径D2は、第1線状体2Aの外径D1と同一である。なお、本明細書において、第1線状体および筒状体の外側の寸法の大小に関しては、特に言及がない限り、複合ケーブルの厚さ方向の寸法に関して述べることとする。
【0052】
信号線3Aは、第2線状体である。信号線3Aは、例えば光ファイバ心線である。複合ケーブル1Aをワイヤハーネスの幹線または枝線に採用した場合、信号線3Aは、例えば、信号伝送のための線状体(信号線)として機能させることが可能となっている。
【0053】
なお、
図1には、筒状体31Aの内部に、2本の信号線3Aとしての光ファイバ心線が収容された場合が例示されているが、筒状体31Aの内部に収容される信号線3Aの本数は、特に制限されない。すなわち、筒状体31Aの内部に収容される信号線3Aは1本であってもよいし、3本以上であってもよい。
【0054】
図2は、信号線3Aとしての光ファイバ心線の断面図である。
図2に示すように、信号線3Aとしての光ファイバ心線は、コア101、クラッド102、ファイバ素線被覆103、緩衝材104、及びアウタージャケット105を有する。コア101とクラッド102は、例えば、石英ガラスや樹脂等から構成されている。クラッド102の外径は、通信用途で通常用いられる125マイクロメートルと同等または小さくすることができ、例えば80マイクロメートル(±5%の誤差を含む)とすることができる。クラッド102の外径を小さくすることにより、光ファイバの曲げひずみが小さくなり、破断確率を下げることができる。しかし、クラッド102の外径を小さくしすぎると、コアサイズを小さくする必要性が生じ、接続損失が増大する傾向がある。
【0055】
ファイバ素線被覆103は、例えば、シリコンアクリレートから構成されている。なお、目的に応じて、他の樹脂材料(ポリイミド、アクリレート、シリコン樹脂、フッ素樹脂等)で構成されていてもよい。
【0056】
緩衝材104は、光ファイバの長手方向にかかる引張力に対する強度を高めるためにファイバ素線被覆103の周囲に配置される部材である。緩衝材104は、例えば、複数の繊維からなり、ファイバ素線被覆103の全周に配置される。上記繊維としては、アラミド繊維等を例示することができる。アウタージャケット105は、例えばナイロンやフッ素樹脂(例えばETFE)から構成されていることが好ましい。アウタージャケット105の外径は、1ミリメートル以下であることが好ましく、例えば800~900マイクロメートルで、適宜所望の値で構成する。アウタージャケット105の外径を小さくする(すなわちアウタージャケット105を薄くする)ことにより、光ファイバ心線が曲がりやすくなり、配索性の向上につながる。しかし、アウタージャケット105の外径を小さくしすぎる(すなわちアウタージャケット105を薄くしすぎる)と、外力からの保護が不十分になり、伝送損失が増大する傾向がある。
【0057】
信号線3Aは、筒状体31Aの内部に、非拘束状態で収容されている。具体的に、筒状体31Aの内周面33Aと信号線3Aとの間には空間30が形成されている。例えば、空間30は空気で満たされており、各信号線3Aは、筒状体31Aの空間30において移動可能な状態で配置されている。
【0058】
外被4Aは、第1線状体2Aの外周面29A及び筒状体31Aの外周面32Aを被覆する絶縁材料から構成されている。絶縁材料としては、例えばポリエチレン、PVC、ナイロン、シリコン樹脂等を例示することができる。例えば、外被4Aは、押出成形によって形成される。外被4Aは、例えば複合ケーブル1Aの断面方向において隣接して配置されている第1線状体2Aの外周面29A及び筒状体31Aの外周面32Aを一体で覆うことができるような形状、例えば断面視楕円形状または長円形状である。
【0059】
上述した構成を有する複合ケーブル1Aによれば、導電性を有する第1線状体2Aと、第1線状体2Aに隣接して配置されている筒状体31Aの内部に収容された少なくとも1本の信号線3Aとを有しているので、第1線状体2Aによる電力の伝送と、信号線3Aとしての光ファイバによる光信号の伝送とを1つのケーブルによって必要最低限の構成で実現することができる。
【0060】
また、信号線3Aが筒状体31Aの内部に収容されているので、複合ケーブル1Aの外被4Aに対して外力が加わった場合であっても、信号線3Aに直接外力が作用し難い。特に、筒状体31Aの外寸が第1線状体2Aの外寸と同一または小さくされていることにより、複合ケーブル1Aの外被4Aに対して外力が加わった場合であっても、先に第1線状体2Aに外力が加わりその後筒状体31Aに加わることになるため、信号線3Aに直接外力が作用し難い。これにより、信号線3Aに外力が加わることによる、信号線3Aによる信号伝送への悪影響を抑えることが可能となる。この観点では、筒状体31Aの外寸が第1線状体2Aの外寸より小さくされていることが好ましい。
また、複合ケーブル1Aの外被4Aに対して外力が加わった場合に、筒状体31Aの座屈等の局所的な変形を抑制可能とする観点からは、以下の(1)~(5)の構成をとることも好ましい。ここで、以下の(1)~(5)は適宜組み合わせてもよいが、(2)と(3)はいずれかの構成をとる。この点は他の実施の形態に関しても同様である。
(1)筒状体31の剛性(曲げにくさ:荷重/変形量)が、第1線状体2の剛性および外被4の剛性の両方より低いこと。
(2)筒状体31の外面と外被4の内面が密着している部分を有すること。
(3)筒状体31が外被4と相対的に移動可能であること。
(4)複合ケーブル1の構成要素の配列方向の並びの両端に第1線状体2が配置されていること(複合ケーブル1の構成要素の配列方向から筒状体31に外力の影響が及ぶことを抑制する)。
(5)複合ケーブル1の構成要素の配列方向の並びで、筒状体31の両側に第1線状体2が配置されていること(複合ケーブル1の構成要素の配列方向に筒状体31が局所的に変形することを抑制する)。
【0061】
加えて、信号線3Aが筒状体31Aの内部において非拘束状態で収容されていること、すなわち、信号線3Aが、筒状体31Aの内周面33Aと信号線3Aとの間には空間30において、移動可能な状態で配置されていることにより、外力の影響により筒状体31Aが複合ケーブル1Aの曲げに応じて変形した場合であっても、信号線3Aが筒状体31A内を移動し、信号線3Aに外力が加わることを回避することが可能となる。なお、複合ケーブル1Aは、車両等に搭載されるため、必要最小限の大きさで構成されるのが前提である。この場合、筒状体31Aも空間30も、必要最小限のサイズとなる。そこで、本実施の形態では、筒状体31Aの局所的な変形を抑制可能とする観点から、筒状体31Aの外面と外被4Aの内面の密着性を考慮し、信号線3Aに外力が加わることを回避することができる。
【0062】
また、複合ケーブル1Aによれば、筒状体31Aが柔軟性を有する絶縁性の部材で形成されているので、筒状体31Aの剛性を、第1線状体2Aの剛性および外被4Aの剛性の両方より低くすることができるため、複合ケーブル1Aが湾曲した時に筒状体31Aが塑性変形することが可能となり、複合ケーブル1Aの屈曲性能を高めることが可能となる。また、複合ケーブル1Aは、断面の形状が楕円形や長円形などの扁平な形状であるために、同材料、同等断面積の円形ケーブルに比べ、短軸方向(ケーブルの厚さ方向)の可撓性や曲げ性が向上し、車両への配索性が向上する。
【0063】
更に、第1線状体2Aは塑性変形し得る金属の単線であることにより、複合ケーブル1Aを係止部品によって係止した場合に、複合ケーブル1Aにスプリングバックが生じず、係止部品に複合ケーブル1Aのばね性による力が加わり難くなる。これにより、係止部品による複合ケーブル1Aの保持性能を高めることが可能となる。
【0064】
また、信号線3Aとして光ファイバを用いることにより、信号線3Aにおける信号伝送は、電源線としての第1線状体2Aや外部において発生した電磁波による悪影響を受け難くなる。
【0065】
以上、実施の形態1に係る複合ケーブル1Aによれば、複合ケーブル1Aの外被4Aに対して外力が加わった場合に、筒状体31Aの局所的な変形が抑制され、ワイヤハーネスとして十分な性能を有するケーブルを提供することが可能となる。
【0066】
≪実施の形態2≫
図3は、実施の形態2に係る複合ケーブルの断面図である。
【0067】
実施の形態2に係る複合ケーブル1Bは、第1線状体2Bが複数備えられている点、及びこの第1線状体2Bが複数の金属線を撚り合わせた撚線である点において、実施の形態1に係る複合ケーブル1Aと相違し、その他の点においては、実施の形態1に係る複合ケーブル1Aと同様である。
【0068】
図3に示すように、複合ケーブル1Bにおいて、第1線状体2Bは、複数、例えば7本の金属線200Bを撚り合わせて1つの線状体として機能するように形成されている。第1線状体2Bは、外周面29Bに外被4Bのほかに被覆が設けられていない、いわゆる裸撚線である。第1線状体2Bは、複合ケーブル1Bにおいて複数、例えば2本が備えられていて、延在方向を示す軸AXに垂直な方向である断面方向に設けられる仮想軸Xの方向(配列方向を意味する。以下同じ。)に沿って配列されている。具体的には、第1線状体2Bは、複合ケーブル1Bの延在方向に垂直な方向である断面方向において筒状体31Bを挟むように配置されている。換言すれば、筒状体31Bは、2本の第1線状体2Bのいずれにも隣接して配置されている。また、複合ケーブル1Bの構成要素の配列方向の並びの両端に第1線状体2Bが配置されている。
【0069】
筒状体31Bは、実施の形態1に係る筒状体31Aと同様に、断面視円形状の絶縁性の材料により形成されている管である。筒状体31Bの断面方向における外径D2は、第1線状体2Bの断面方向における外径D1よりも小さい。筒状体31Bの外周面32Bは、外被4Bによって覆われている。外被4Bは、実施の形態1に係る外被4Aと同様の材料によって形成されている。外被4Bも、外被4Aと同様に、筒状体31Bに対応して断面視長円形状に形成されている。
【0070】
各通信線3Bは、筒状体31Bの内周面28Bによって画成される空間30において、移動可能に配置されていることが好ましい。
【0071】
実施の形態2に係る複合ケーブル1Bは、実施の形態1に係る複合ケーブル1Aの作用効果に加えて、筒状体31Bの外径が第1線状体2Bの外径よりも小さい。また、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bは、筒状体31Bが複数の第1線状体2Bに隣接して仮想軸Xに沿って1列に配列されている。このため、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bによれば、複合ケーブル1Bに側圧がかかっても先に第1線状体2Bに外力が作用し、筒状体31Bに外力が作用することを抑制することができる。このため、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bによれば、複合ケーブル1Aの外被4Bに対して外力が加わった場合に、筒状体31Bの局所的な変形が抑制され、信号障害の発生を抑制することができる。
【0072】
また、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bによれば、複数の第1線状体2Bを採用していることにより、その複数の第1線状体2Bの断面積の合計と等しい断面積を持つ1本の第1線状体2Aよりも表面積を大きくすることができるため、放熱性を向上させることができる。また、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bによれば、複数の第1線状体2Bの間に絶縁性を有する筒状体31Bを挟むように設けることで、二系統の電源系を配策することができる。さらに、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bによれば、第1線状体2Bは、例えば、第1線状体2Aと同様の材料により形成されている裸撚線であるため、外被4Bと第1線状体2Bとの密着性がよく、複合ケーブル1B内でのずれが生じない。
【0073】
≪実施の形態3≫
図4は、実施の形態3に係る複合ケーブル1Cの断面図である。
【0074】
実施の形態3に係る複合ケーブル1Cは、第1線状体2Cの構成、筒状体31Cの構成、及び信号線3Cの種類が異なる点において、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bと相違し、その他の点においては、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bと同様である。
【0075】
具体的に、
図4に示すように、複合ケーブル1Cにおける筒状体31Cは、例えば実施の形態1に係る複合ケーブル1Aの第1線状体2Aに用いられる金属線(銅電線)のような導電性を有する材料、つまり非絶縁性の材料を筒状に形成したものである。筒状体31Cは、例えば押出成形によって形成される。
【0076】
複合ケーブル1Cにおける第1線状体2Cは、実施の形態2に係る第1線状体2Bと同様に、複数、例えば7本の金属線200Cを撚り合わせて1つの線状体とし、その外周面29Cに絶縁材料から構成されている絶縁被覆5が被覆されている。このため、第1線状体2Cは、絶縁被覆5の外周面が外被4Cによって覆われている。
【0077】
絶縁被覆5は、例えば、外被4D(外被4A)と同様の絶縁材料から構成されている。絶縁被覆5は、例えば押出成形によって形成される。
【0078】
複合ケーブル1Cにおいて、信号線3Cは、例えば金属線(メタル線)である。信号線3Cは、例えば、ツイスト線301と、ツイスト線301の外周を被覆するジャケット302とを含む。ツイスト線301は、複数の被覆電線311を撚り合わせたものである。
図4には、一例として2本の被覆電線311を撚り合わせたものを例示しているが、被覆電線311の本数は特に制限されない。
【0079】
各被覆電線311は、例えば金属から成る導体3110と、導体3110の外周を被覆する絶縁材料から成る絶縁層3111とを含む。導体3110は、例えば、第1線状体2Aなどと同様の材料によって形成することができる。絶縁層3111は、例えば、外被4Aと同様の材料によって形成することができる。また、ジャケット302は、例えば、外被4Aと同様の材料によって形成することができる。なお、導体3110は、単線であっても、撚線であってもよい。
【0080】
実施の形態3に係る複合ケーブル1Cは、筒状体31Cが非絶縁性の材料により形成されている。このため、実施の形態3に係る複合ケーブル1Cによれば、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bの作用効果に加えて、第1線状体2Cあるいはその他の装置から発生する電磁波が、筒状体31Cの内部の金属線により形成されている信号線である第2線状体3Cに干渉することがなく、信号障害の発生を抑制することができる。なお、複合ケーブル1Cの外被4Cに対して外力が加わった場合に、筒状体31Cの局所的な変形を抑制する観点で、上述の各実施の形態と同様、筒状体31Cの剛性が、第1線状体2Cの剛性や外被4Cの剛性より低い等の構成をとりうる。また、筒状体31Cの外径が、第1線状体2Cの絶縁被覆5の内径より小さい構成、筒状体31Cの剛性が、第1線状体2Cの絶縁被覆5の剛性より低い構成等もとりうる。
【0081】
≪実施の形態4≫
図5は、実施の形態4に係る複合ケーブル1Dの斜視図である。
実施の形態4に係る複合ケーブル1Dは、第1線状体2Dの構成、及び筒状体31Dの形状が異なる点において、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bと相違し、その他の点においては、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bと同様である。
【0082】
図5に示すように、複合ケーブル1Dにおいて、第1線状体2Dは、実施の形態1に係る複合ケーブル1Aにおける第1線状体2Aのように、金属材料から構成された中実の単線(金属線)である。第1線状体2Dは、第1線状体2Aとは異なり、断面視矩形状である。第1線状体2Dは、導体性を有する金属材料であればよく、アルミニウム、銅、銅合金、錫めっき線、鉄、及びニッケル等の金属材料を例示することができる。
【0083】
筒状体31Dは、絶縁性を有する材料から構成され、筒状体31Aと同様に第1線状体2Dの断面方向に隣接して配置されている。筒状体31Dは、筒状体31Aとは異なり、断面視矩形状である。
【0084】
実施の形態4に係る複合ケーブル1Dによれば、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bの作用効果に加えて、第1線状体2D及び筒状体3Dがともに矩形であるため、製造時にこれらを一括して外被4Dにより被覆する際に、整列しやすい。つまり、実施の形態4に係る複合ケーブル1Dによれば、製造時の作業を容易化することができる。
【0085】
≪実施の形態5≫
図6は、実施の形態5に係る複合ケーブル1Eの断面図である。
実施の形態5に係る複合ケーブル1Eは、筒状体31Eの形状が異なる点において、実施の形態4に係る複合ケーブル1Dと相違し、その他の点においては、実施の形態4に係る複合ケーブル1Dと同様である。
【0086】
図6に示すように、複合ケーブル1Eにおいて、筒状体31Eは、実施の形態4に係る複合ケーブル1Dの筒状体31Dとは異なり、実施の形態1に係る複合ケーブル1Aの筒状体31Aのような、断面視円形状である。
【0087】
実施の形態5に係る複合ケーブル1Eによれば、上述の実施の形態4に係る複合ケーブル1Dと同様の作用効果を得ることができる。
【0088】
≪実施の形態6≫
図7は、実施の形態6に係る複合ケーブル1Fの構成を示す図である。
実施の形態6に係る複合ケーブル1Fは、筒状体31Fの形状が異なる点において、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bと相違し、その他の点においては、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bと同様である。
【0089】
図7に示すように、複合ケーブル1Fにおいて、筒状体31Fは、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bの筒状体31Bとは異なり、実施の形態4に係る複合ケーブル1Dの筒状体31Dのような、断面視矩形状である。
【0090】
実施の形態6に係る複合ケーブル1Fによれば、上述の実施の形態2に係る複合ケーブル1Bと同様の作用効果を得ることができる。
【0091】
≪実施の形態7≫
図8は、実施の形態7に係る複合ケーブル1Gの構成を示す図である。
実施の形態7に係る複合ケーブル1Gは、第1線状体2Gの形状が異なる点において、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bと相違し、その他の点においては、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bと同様である。
【0092】
図8に示すように、複合ケーブル1Gにおいて、第1線状体2Gは、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bの第1線状体2Bとは異なり、断面視三角形状である。なお、第1線状体2Gの断面形状は、
図8に示す例には限定されず、例えば六角形状など様々な角形状を採用することができる。
【0093】
実施の形態7に係る複合ケーブル1Gによれば、上述の実施の形態2に係る複合ケーブル1Bと同様の作用効果を得ることができる。
【0094】
≪実施の形態8≫
図9は、実施の形態8に係る複合ケーブルの断面図である。
図9に示すように、実施の形態8に係る複合ケーブル1Hは、第1線状体2Hの形状が断面視長方形状である点、第1線状体2Hの構造が扁平撚線である点、及び第1線状体2Hの本数が2本から6本に増加している点において、実施の形態4に係る複合ケーブル1Dと相違し、その他の点においては、実施の形態4に係る複合ケーブル1Dと同様である。
【0095】
図9に示すように、複合ケーブル1Hにおいて、第1線状体2Hは、本数を複合ケーブル1Dにおける第1線状体2Dの2本から6本に増加させつつ第1線状体2Dと同等の断面積の空間に配列するために、断面視矩形状(例えば長方形状)の扁平撚線とされている。第1線状体2Dにおける扁平撚線の構造は、例えば実施の形態2に係る複合ケーブル1Bにおける第1線状体2Bのように複数の金属線200Hを撚り合わせている。また、複合ケーブル1Hにおいて、第1線状体2Hは、短辺が断面視長手方向を向くように配列されていることで、筒状体31Hの両側にそれぞれ3本ずつ配置されている。
【0096】
実施の形態8に係る複合ケーブル1Hによれば、断面視矩形状の扁平撚線である第1線状体2Hを筒状体31Hの両側に複数本配列することにより、上述の実施の形態2に係る複合ケーブル1Bと同様の作用効果を得ることができる。なお、第1線状体2Hは、断面視矩形状の板状導体や、それに被覆された板状被覆導体、第1線状体2Hに被覆された扁平被覆撚線でもよく、さらに筒状体31Hの剛性が、第1線状体2Hの剛性および外被4Hの剛性の両方より低いことなどにより、複合ケーブル1Hの曲げによる筒状体31Hの局所的な変形を抑制することができる。
【0097】
≪実施の形態9≫
図10は、実施の形態10に係る複合ケーブル1Iの斜視図である。
実施の形態10に係る複合ケーブル1Iは、第1線状体2Iの構成、スリット部41I、及び閉鎖部材6Iを有する点において、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bと相違し、その他の点においては、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bと同様である。
【0098】
図10に示すように、複合ケーブル1Iにおいて、第1線状体2Iは、実施の形態1に係る複合ケーブル1Aにおける第1線状体2Aと同様に、金属材料から構成された中実の単線(金属線)である。なお、なお、
図10に示される第1線状体2Iは中実の単線(金属線)に限らず、撚線であってもよい。第1線状体2Iは、複合ケーブル1Iにおいて複数、例えば2本が備えられていて、延在方向を示す軸AXに垂直な方向である断面方向に設けられる仮想軸Xの方向に沿って配列されている。具体的には、第1線状体2Iは、複合ケーブル1Iの延在方向に垂直な方向である断面方向において筒状体31Iを挟むように配置されている。換言すれば、筒状体31Iは、2本の第1線状体2Iのいずれにも隣接して配置されている。
【0099】
スリット部41Iは、例えば、外被4Iの外側表面と筒状体31Iの内側面との間に設けられている。スリット部41Iは、外被4I及び筒状体31Iを複合ケーブル1Iの断面方向の1箇所でそれぞれ切り離して、複合ケーブル1Iの外側と筒状体31Iの内側面の空間とを連通させることができる。このため、複合ケーブル1Iにおいて、スリット部41Iを用いて筒状体31Iの内側の空間に第2線状体3Iを挿入することができる。なお、スリット部41Iは、後述する複合ケーブル1Iの製造時(すなわち第2線状体3Iの挿入前)においては、外被4I及び筒状体31Iを断面方向に分割して複合ケーブル1Iの外側と筒状体31Iの内側面の空間とを連通していない状態、つまり複合ケーブル1Iの外側と筒状体31Iとの間の一部分に設けられている切れ目、V字状の溝、あるいは薄肉部であってもよい。この場合は、第2線状体3Iの挿入までに、複合ケーブル1Iのスリット部41Iが開く側への外力を加える(スリット部41Iに工具等を通すことを含む)などにより、筒状体31Iを複合ケーブル1Iの断面方向のスリット部41Iの位置で事後的に切り離して、複合ケーブル1Iの外側と筒状体31Iの内側面の空間とを連通させるようにすることができる。
【0100】
閉鎖部材6Iは、外被4Iにおけるスリット部41Iが設けられている箇所の外側表面に設けられている。閉鎖部材6Iは、外部に対して開口したスリット部41I、及び、スリット部41Iの内側に設けられている筒状体31Iを外部に対して閉塞している。閉鎖部材6Iは、具体的には、例えば、外被4Iに貼り付けられる樹脂テープ、あるいは外被4Iの一部をレーザ加熱又はローラ加熱等に溶着することにより形成される。なお、閉鎖部材6Iは、スリット部41Iを閉鎖するために封止することができれば、具体的な態様は上述の例には限定されない。
【0101】
実施の形態9に係る複合ケーブル1Iによれば、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bの作用効果に加えて、スリット部41Iを備えるため、製造時にスリット部41Iの内側に設けられている筒状体31Iに対して信号線などの第2線状体3Iを容易に挿入することができる。また、複合ケーブル1Iによれば、スリット部41Iを閉鎖する閉鎖部材6Iを備えるため、第2線状体3Iを挿入後のスリット部41Iを確実に閉鎖し筒状体31Iの内部に第2線状体3Iを保持させることができる。つまり、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iによれば、製造時の作業を容易化することができる。なお、複合ケーブル1Iの外被4Iに対して外力が加わった場合に、筒状体31Iの局所的な変形を抑制する観点で、上述の各実施の形態と同様、筒状体31Iの剛性を、第1線状体2Iの剛性や外被4Iの剛性より低くする等の構成をとりうる。
【0102】
≪実施の形態10≫
図11は、実施の形態10に係る複合ケーブル1Jの断面図である。
実施の形態10に係る複合ケーブル1Jは、スリット部41Jの形状が異なる点において、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと相違し、その他の点においては、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと同様である。
【0103】
図11に示すように、複合ケーブル1Jにおいて、スリット部41Jは、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iのスリット部41Iとは異なり、外被4J及び筒状体31Jを断面方向に角度を有して斜めに分割して複合ケーブル1Jの外側と筒状体31Jの内側面の空間とを連通させている。なお、複合ケーブル1Jにおいて、スリット部41Jを設ける位置はこれに限定されない。
【0104】
実施の形態10に係る複合ケーブル1Jによれば、上述の実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと同様の作用効果を得ることができる。
【0105】
≪実施の形態11≫
図12は、実施の形態11に係る複合ケーブル1Kの構成を示す図である。
実施の形態11に係る複合ケーブル1Kは、第1線状体2Kの形状が異なる点において、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと相違し、その他の点においては、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと同様である。
【0106】
図12に示すように、複合ケーブル1Kにおいて、第1線状体2Kは、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iの第1線状体2Iとは異なり、実施の形態7に係る複合ケーブル1Gの第1線状体2Gのような、断面視三角形状である。なお、第1線状体2Iの断面形状は、
図12に示す例には限定されず、例えば六角形状など様々な角形状を採用することができる。
【0107】
実施の形態11に係る複合ケーブル1Kによれば、上述の実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと同様の作用効果を得ることができる。
【0108】
≪実施の形態12≫
図13は、実施の形態12に係る複合ケーブル1Lの構成を示す図である。
実施の形態12に係る複合ケーブル1Lは、筒状体31Lの形状が異なる点において、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと相違し、その他の点においては、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと同様である。
【0109】
図13に示すように、複合ケーブル1Lにおいて、筒状体31Lは、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iの筒状体31Iとは異なり、実施の形態4に係る複合ケーブル1Dの筒状体31Dのような、断面視矩形状である。
【0110】
実施の形態12に係る複合ケーブル1Lによれば、上述の実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと同様の作用効果を得ることができる。
【0111】
≪実施の形態13≫
図14は、実施の形態13に係る複合ケーブル1Mの構成を示す図である。
実施の形態13に係る複合ケーブル1Mは、第1線状体2Mの形状が異なる点において、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと相違し、その他の点においては、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと同様である。
【0112】
図14に示すように、複合ケーブル1Mにおいて、第1線状体2Mは、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iの第1線状体2Iとは異なり、実施の形態4に係る複合ケーブル1Dの第1線状体2Dのような、断面視矩形状である。
【0113】
実施の形態13に係る複合ケーブル1Mによれば、上述の実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと同様の作用効果を得ることができる。
【0114】
≪実施の形態14≫
図15は、実施の形態14に係る複合ケーブル1Nの構成を示す図である。
実施の形態14に係る複合ケーブル1Nは、筒状体31Nの形状が異なる点において、実施の形態13に係る複合ケーブル1Mと相違し、その他の点においては、実施の形態14に係る複合ケーブル1Nと同様である。
【0115】
図15に示すように、複合ケーブル1Nにおいて、筒状体31Nは、実施の形態13に係る複合ケーブル1Mの筒状体31Mとは異なり、実施の形態4に係る複合ケーブル1Dの筒状体31Dのような、断面視矩形状である。
【0116】
実施の形態14に係る複合ケーブル1Nによれば、上述の実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと同様の作用効果を得ることができる。
【0117】
≪実施の形態15≫
図16は、実施の形態15に係る複合ケーブル1Oの断面図である。
実施の形態15に係る複合ケーブル1Oは、外被4Oの形状が異なる点において、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと相違し、その他の点においては、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと同様である。
【0118】
図16に示すように、複合ケーブル1Oにおいて、外被4Oは、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iの外被4Oとは異なり、2つの第1線状体2Oの外側を覆うように2つの楕円形状を断面方向に並べたような形状に形成されている。また、複合ケーブル1Oにおいて、スリット部41Oは、外被4Oの2つの楕円形状が断面方向に接合している位置に形成されている。このため、複合ケーブル1Oにおいて、スリット部41Oは、外被4Oの薄肉部分に設けることで、その形成作業を容易にすることができる。
【0119】
実施の形態15に係る複合ケーブル1Oによれば、上述の実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと同様の作用効果を得ることができる。
【0120】
≪実施の形態16≫
図17は、実施の形態16に係る複合ケーブル1Pの断面図である。
実施の形態16に係る複合ケーブル1Pは、閉鎖部材6Pの形状が異なる点において、実施の形態15に係る複合ケーブル1Oと相違し、その他の点においては、実施の形態15に係る複合ケーブル1Oと同様である。
【0121】
図17に示すように、複合ケーブル1Pにおいて、閉鎖部材6Pは、実施の形態15に係る複合ケーブル1Oの閉鎖部材6Oとは異なり、2つの楕円形状を断面方向に並べたような形状に形成されている外被4Pの頂点を直線的に繋ぐように2か所設けられている。また、複合ケーブル1Pにおいて、閉鎖部材6Pの内側と外被4Pとの間の領域は、第2線状体3Pを配置することができるような空間(線状体配置部7P)が2か所形成されている。
【0122】
実施の形態16に係る複合ケーブル1Pによれば、上述の実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと同様の作用効果を得ることができるのに加えて、外被4Pと閉鎖部材6Pとにより形成されている線状体配置部7Pを有することにより、さらに多くの第2線状体3Pを配置することができる。また、第2線状体3Pを筒状体31Pと線状体配置部7Pに分けて配置することもできるため、複合ケーブル1Pの配索形態に応じて、第2線状体3Pを適切に配置することができる。
【0123】
≪実施の形態17≫
図18は、実施の形態17に係る複合ケーブル1Qの断面図である。
実施の形態17に係る複合ケーブル1Qは、閉鎖部材6Oを有しない代わりに、外被4Oの外側を被覆する被覆部材10Qを有する点において、実施の形態16に係る複合ケーブル1Pと相違し、その他の点においては、実施の形態16に係る複合ケーブル1Pと同様である。
【0124】
図18に示すように、複合ケーブル1Qにおいて、被覆部材10Qは、実施の形態16に係る複合ケーブル1Pの閉鎖部材6Pとは異なり、2つの楕円形状を断面方向に並べたような形状に形成されている外被4Qの全体を外側から覆うように設けられている。被覆部材10Qは、
図18においては断面視楕円形状であるが、断面視長円形状などであってもよい。また、複合ケーブル1Qにおいて、被覆部材10Qの内側と外被4Qとの間の領域は、第2線状体3Qを配置することができるような空間(線状体配置部7Q)が形成されている。
【0125】
実施の形態17に係る複合ケーブル1Pによれば、上述の実施の形態16に係る複合ケーブル1Pと同様の作用効果を得ることができる。
【0126】
≪実施の形態18≫
図19は、実施の形態18に係る複合ケーブル1Rの断面図である。
実施の形態18に係る複合ケーブル1Rは、第1線状体2Rの数、第2線状体3Rの数、筒状体31Rの数、スリット部41Rの数、及び、閉鎖部材6Rの数が異なる点において、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと相違し、その他の点においては、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと同様である。
【0127】
図19に示すように、複合ケーブル1Rは、第1線状体2Rが3本、筒状体31Rが2本、第2線状体3Rが4本設けられている。複合ケーブル1Rの断面方向において、筒状体31Rは、第1線状体2Rと交互に並べられている。また、複合ケーブル1Rの構成要素の配列方向の並びの両端に第1線状体2Rが配置されている。複合ケーブル1Rの断面方向のスリット部41Rと閉鎖部材6Rは、2つの筒状体31Rのそれぞれに対応して設けられている。このように、複合ケーブル1Rにおいて、第1線状体2Rの数、第2線状体3Rの数、筒状体31Rの数、スリット部41Rの数、及び、閉鎖部材6Rの数は限定されない。
【0128】
実施の形態18に係る複合ケーブル1Rによれば、上述の実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと同様の作用効果を得ることができる。
【0129】
≪実施の形態19≫
図20は、実施の形態19に係る複合ケーブル1Sの構成を示す図である。
実施の形態19に係る複合ケーブル1Sは、第1線状体2Sの構成が異なる点において、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと相違し、その他の点においては、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと同様である。
【0130】
図20に示すように、複合ケーブル1Sにおいて、第1線状体2Sは、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iの第1線状体2Iとは異なり、金属の単線からなる金属線200Sの外周面に絶縁材料から構成されている絶縁被覆5が被覆されている。このため、第1線状体2Sは、絶縁被覆5の外周面が外被4Sによって覆われている。
【0131】
実施の形態19に係る複合ケーブル1Sによれば、上述の実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと同様の作用効果を得ることができる。
【0132】
≪実施の形態20≫
図21は、実施の形態20に係る複合ケーブル1Tの構成を示す図である。
実施の形態20に係る複合ケーブル1Tは、第1線状体2Tの構成が異なる点において、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと相違し、その他の点においては、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと同様である。
【0133】
図21に示すように、複合ケーブル1Tにおいて、第1線状体2Tは、実施の形態9に係る複合ケーブル1Iの第1線状体2Iとは異なり、実施の形態2に係る第1線状体2Bと同様に、複数、例えば7本の金属線200Tを撚り合わせて1つの線状体とし、その外周面に絶縁材料から構成されている絶縁被覆5が被覆されている。このため、第1線状体2Tは、絶縁被覆5の外周面が外被4Tによって覆われている。
【0134】
実施の形態20に係る複合ケーブル1Tによれば、上述の実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと同様の作用効果を得ることができる。
【0135】
≪実施の形態21≫
図22は、実施の形態21に係る複合ケーブル1Bの断面図である。
図22は、本発明の一実施の形態に係る複合ケーブル1Bの端部に外部端子を接続した構成を示す図である。同図には、一例として、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bに外部端子8,9を接続した場合が示されている。
【0136】
外部端子8(第1外部端子)は、複合ケーブル1Bにおける第1線状体2Bと外部機器や他の配線との接続を容易にするための簡易接続部材である。外部端子8としては、圧着端子等を例示することができる。外部端子8は、第1線状体2Bの延在方向の端部に接続されている。
【0137】
外部端子9(第2外部端子)は、複合ケーブル1Bにおける信号線3Bと外部機器や他の配線との接続を容易にするための簡易接続部材である。例えば、信号線3Bが光ファイバの場合、外部端子9としては、FC、SC、LC等の各種光コネクタを例示することができる。外部端子9は、各信号線3Bの延在方向の端部にそれぞれ接続されている。
【0138】
なお、本実施の形態では、複合ケーブル1Bの第1線状体2Bと信号線3Bとにそれぞれ別個の外部端子8,9が接続される場合を例示したが、これに限られない。例えば、複合ケーブル1Bの端部に外部端子8、9を一体に形成した1つのコネクタ状の簡易接続部材を接続してもよい。
【0139】
また、本実施の形態では、実施の形態2に係る複合ケーブル1Bに外部端子8,9を接続する場合を例示したが、実施の形態1、3乃至20に係る各複合ケーブル1A,1C~1Tにも同様に外部端子8,9を接続することができる。
【0140】
≪実施の形態22≫
次に、上述した複合ケーブル1A~1Tの製造方法について説明する。
図23は、本発明の一実施の形態に係る複合ケーブルの製造方法の流れを示すフロー図である。ここでは、代表的に、実施の形態1に係る複合ケーブル1Aの製造方法の流れについて説明するが、他の実施の形態に係る複合ケーブル1B~1Tについても略同様の流れによって製造することができる。
【0141】
まず、導電性を有する第1線状体2Aを形成する(ステップS101)。例えば、上述したように、例えば、アルミニウム、銅、銅合金、錫めっき線、鉄、及びニッケル等の金属材料を押出成形することによって、第1線状体2Aが形成される。ここで、第1線状体2Aは、大電流が流れる電源線の場合、断面積が大きくなるため、複合ケーブルの曲げ性を担保する観点で、比較的柔軟な材料である、不純物または添加物の量が少ない銅系またはアルミニウム系の材料が好ましい点は、前述の各実施の形態と同様である。
【0142】
次に、絶縁性を有する筒状体31Aを形成する(ステップS102)。例えば、上述したように、例えばポリエチレン、PVC、ナイロン、シリコン樹脂などの絶縁性を有する材料を押出成形することによって、筒状体31Aが形成される。
【0143】
次に、ステップS101及びS102で形成された第1線状体2Aの外周面29A及び筒状体31Aの外周面32Aを被覆する絶縁材料から構成された外被4Aを形成する(ステップS103)。例えば、上述したように、第1線状体2Aの外周面29A及び筒状体31Aの外周面29Aにおいて、ポリエチレン、PVC、ナイロン、シリコン樹脂等の材料を押出成形(例えば、一括押出成形)することによって、外被4Aが形成される。外被4I~4T及び筒状体31I~31Tにスリット部41I~41Tが設けられている複合ケーブル1I~1Tの場合には、押出成形により外被4I~4Tが形成された後、スリット部41I~41Tを形成するために外被4I~4Tを切り開く、または切れ目やV字状の溝を形成する加工処理を行う。
【0144】
次に、ステップS103において外被4Aが形成された筒状体31Aの内部に、第2線状体3Aを挿入する(ステップS104)。例えば、筒状体31Aに外被4Aが形成されたサブアセンブリが所定の長さとなるように当該サブアセンブリを切断し、その切断されたサブアセンブリの端部(筒状体31Aの端部)から信号線3Aとしての光ファイバを挿入する。外被4I~4T及び筒状体31I~31Tにスリット部41I~41Tが設けられている複合ケーブル1I~1Tの場合には、スリット部41I~41Tを開いて第2線状体3I~3Tを筒状体31I~31Tに挿入する。第2線状体3I~3Tを筒状体31I~31Tに挿入後、スリット部41I~41Tを閉鎖するために、外被4I~4Tの外側に、テープの貼付あるいは外被4I~4Tの溶着などの適宜な手法により閉鎖部材6I~6Tを設ける。
【0145】
次に、必要に応じて、ステップS103において外被4Aが形成された第1線状体2Aの延在方向の端部に、第1外部端子としての簡易接続部材8を接続する(ステップS105)。
【0146】
次に、必要に応じて、ステップS104において筒状体31Aの内部に挿通された第2線状体3Aの延在方向の端部に第2外部端子としての簡易接続部材9を接続する(ステップS106)。なお、ステップS105,S106における簡易接続部材8,9の接続は、従来の圧着端子の接続方法等の公知の手法を用いることにより、実現することができる。
【0147】
以上により、実施の形態1に係る複合ケーブル1Aを製造することが可能となる。
【0148】
なお、ステップS104において、ステップS103において外被4Aが形成された筒状体31Aの内部に第2線状体3Aとして信号線(光ファイバ)を挿入する場合を例示したが、信号線は光ファイバの代わりに、金属線であってもよく、信号線の代わりに、伝送線路として機能しない糸部材(例えば引き紐等)を挿入してもよい。
【0149】
具体的には、ステップS104において、線状体3Aとしての引き紐を、筒状体31Aの内部に移動可能な状態で挿通させる。そして、外被4Aが形成された筒状体31Aの内部に、引き紐が挿通されたものを複合ケーブルとして出荷してもよい。
【0150】
この場合、現場の複合ケーブルの設置現場において、その引き紐等にメタル線や光ファイバ等の信号線を結びつけた状態で、引き紐を引っ張ることにより、筒状体31Aの内部に信号線を導入する。これによれば、複合ケーブルを設置する現場において、メタル線や光ファイバ等の任意の信号線を複合ケーブル内に導入することができる。
【0151】
また、複合ケーブル1I~1Tの場合には、外被4I~4Tの押出成形後、外被4I~4T及び筒状体31I~31Tに設けられているスリット部41I~41Tを形成し、形成後のスリット部41I~41Tを開いて筒状体31I~31Tに第2線状体3I~3Tを挿入し、閉鎖部材6I~6Tを用いてスリット部41I~41Tを閉鎖するという一連の作業を、1つのラインで行うことができる。
【0152】
≪実施の形態23≫
図24、
図25は、本発明の一実施の形態に係る複合ケーブルを車載用のワイヤハーネスとして用いた場合の配索例を示す図である。
図24には、上記実施の形態に係る複合ケーブル1A~1Tの何れかを用いたワイヤハーネスの配索構造の平面図が示され、
図25には、当該ワイヤハーネスの配索構造を表す要部斜視図が示されている。
【0153】
図24,
図25に示されるワイヤハーネスの配索構造500は、車両600に搭載されるものである。車両600としては、例えば、ハイブリッド車や電気自動車、燃料電池車等を含む自動車を挙げることができる。
【0154】
図24,
図25に示すように、ワイヤハーネスの配索構造500は、電源の供給系統として、車両600に搭載された電源10に接続された第一の電源幹線12aと、第一の電源幹線12aに接続された第一の電源分配器11aと、第一の電源分配器11aに接続されると共に車両の前後方向に配索された第二の電源幹線12bと、第二の電源幹線12bに接続された第二の電源分配器11bと、第二の電源分配器11bに接続されると共に車幅方向に配索された第三の電源幹線12cと、第三の電源幹線12cに接続された第三の電源分配器11cと、第三の電源分配器11cに接続されると共に車両の前後方向に配索された第四の電源幹線12dと、第四の電源幹線12dに接続された第四の電源分配器11dと、を有する。また、ワイヤハーネスの配索構造500は、通信インフラとして、第一の通信制御部21aと、第一の通信制御部21aに接続されると共に車両の前後方向に配索された第一の通信幹線22aと、第一の通信幹線22aに接続された第二の通信制御部21bと、第二の通信制御部21bに接続されると共に車幅方向に配索された第二の通信幹線22bと、第二の通信幹線22bに接続された第三の通信制御部21cと、第三の通信制御部21cに接続されると共に車両の前後方向に配索された第三の通信幹線22cと、第三の通信幹線22cに接続された第四の通信制御部21dと、を有する。また、第一から第四の電源分配器11aから11dの各々の電源分配器に接続された枝線(通信枝線及び電源枝線)13と、各々の枝線13に接続された第一の補機14と、第一から第四の通信制御部21aから21dの各々の通信制御部に接続された枝線(通信枝線及び電源枝線)15と、各々の枝線15に接続された第二の補機16と、を有する。第一の電源分配器11aと第一の通信制御部21aは第一の筺体31に収容され、一体化されている。同様に、第二の電源分配器11bと第一の通信制御部21bは第二の筺体32に収容され、第三の電源分配器11cと第三の通信制御部21cは第三の筺体33に収容され、第四の電源分配器11dと第四の通信制御部21dは第四の筺体34に収容され、それぞれ一体化されている。
【0155】
ワイヤハーネスの配索構造500において、電源線及び通信線を含む幹線、すなわち電源幹線12a~12d及び通信幹線22a~22cの少なくとも一部に、上述した実施の形態1乃至8の何れかに係る複合ケーブル1A~1Tを採用することができる。同様に、ワイヤハーネスの配索構造500において、幹線から分岐した枝線(電源枝線及び通信枝線)13,15の少なくとも一部に、上述した実施の形態1乃至21の何れかに係る複合ケーブル1A~1Tを採用することができる。
【0156】
このように、車両用のワイヤハーネスの配索構造500において、上述した実施の形態1乃至20の何れかに係る複合ケーブル1A~1Tを採用することにより、1つのケーブルによって電源線と通信線を引き廻すことができるので、車両内のワイヤハーネスの配索性を更に向上させることが可能となる。また、
図25のワイヤハーネスの配索構造500において、複合ケーブル1A~1Tは、配索対象である車両600の形態に沿う曲げ部BPを有している。曲げ部BPは、小さな曲げ半径になることもある。従来の複合ケーブルでは、通信線に曲げの影響が懸念されるところ、本発明では実施の形態1乃至20の何れかに係る複合ケーブル1A~1Tを適用することで、複合ケーブルに外力が加わることによる筒状体31A~31Tの局所的な変形が抑制され、第2線状体3A~3Tに外力が加わることを回避することができる。
【0157】
なお、ワイヤハーネスの配索構造500において、電源幹線12a~12d及び枝線13,15(電源枝線)は、電源電圧が供給される信号線とグラウンド電圧が供給される信号線(アース線)を含んでいてもよいし、電源幹線12a~12d及び枝線13,15(電源枝線)を電源電圧が供給される信号線とし、これらの電源線とは別にグラウンド電圧が供給されるアース線を設けてもよい。
【0158】
≪実施の形態の拡張≫
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0159】
例えば、上記実施の形態では、第2線状体3A,3Cが光ファイバやメタル線等の通信線である場合を例示したが、上述したように、第2線状体3A,3Cは、伝送線路として機能しない糸部材(引き紐等)であってもよい。
【0160】
図26は、実施の形態1に係る複合ケーブル1A1の別の態様を示す断面図である。また、
図27は、実施の形態1に係る複合ケーブル1A2のさらに別の態様を示す断面図である。
【0161】
図26及び
図27に示すように、実施の形態1に係る複合ケーブル1A1,1A2は、スリット部41A、及び閉鎖部材6Aを有してもよい。スリット部41A、及び、閉鎖部材6Aは、
図26に示すように複合ケーブル1A1の外被4Aの断面において短手方向にあたる側面に設けるものであっても、あるいは、
図27に示すように複合ケーブル1A2の外被4Aの断面において長手方向にあたる上面に設けるものであってもよい。
【0162】
以上のように形成されている実施の形態1の別の態様に係る複合ケーブル1Aによれば、上述の実施の形態9に係る複合ケーブル1Iと同様の作用効果を得ることができる。
【0163】
また、上記実施の形態2では、複合ケーブル1Bの構成要素の配列方向の並びの両端に第1線状体2Bが筒状体31Bを挟むように1本ずつ配置されているが、これに限られることはなく、例えば
図28のように、第1線状体2B1が筒状体31B1を挟むように2本ずつ配置されていてもよく、3本以上配置されていてもよい。このようにして、複合ケーブル1B1の外被4B1に対して外力が加わった場合に、筒状体31B1の局所的な変形がさらに抑制される。
【0164】
また、上記実施の形態5では、複合ケーブル1Eの第1線状体2Eが断面視矩形状(正方形状)であるが、これに限られることはなく、例えば
図29のように、第1線状体2E1が断面視長方形状で、複合ケーブル1E1の構成要素の配列方向に扁平であるようにしてもよい。このようにして、複合ケーブル1E1は扁平方向に曲げやすくなり、放熱性も向上する。また、複合ケーブル1E1の厚さ方向における筒状体31E1の寸法が、複合ケーブル1E1の厚さ方向における第1線状体2E1の寸法より小さくすると、筒状体31E1の局所的な変形がさらに抑制される。なお、
図29において、第1線状体2E1と筒状体31E1は外被4E1を介して並んでいるが、第1線状体2E1と筒状体31E1は隣接していてもよい。
【0165】
また、上記実施の形態1では、複合ケーブル1Aの第1線状体2Aが断面視円形状であるが、これに限られることはなく、例えば
図30のように、第1線状体2A3が断面視長方形状で、複合ケーブル1A3の構成要素の配列方向に扁平であるようにしてもよい。このようにして、複合ケーブル1A3は扁平方向に曲げやすくなり、放熱性も向上する。また、複合ケーブル1A3の厚さ方向における筒状体31A3の寸法が、複合ケーブル1A3の厚さ方向における第1線状体2A3の寸法より小さくすると、筒状体31A3の局所的な変形がさらに抑制される。なお、
図30において、第1線状体2A3と筒状体31A3は外被4A3を介して並んでいるが、第1線状体2A3と筒状体31A3は隣接していてもよい。
【0166】
以上のように形成されている実施の形態1、2、5の別の態様に係る複合ケーブル1A3、1C1、1F1によれば、上述の実施の形態1、2、5に係る複合ケーブル1A、1C、1Fと同様の作用効果を得ることができる。また、他の実施の形態にも同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0167】
1A~1T,1A1~1A3,1B1,1E1…複合ケーブル、2A~2H,2A1~2A3,2B1,2E1…第1線状体、3A~3B,3D~3T,3A1~3A3,3B1,3E1…第2線状体,信号線(光ファイバ)、3C…線状体、信号線(金属線)、4A~4T,4A1~4A3,4B1,4E1…外被、5…絶縁被覆、6A,6I~6T…閉鎖部材、7…線状体配置部、8…第1外部端子(簡易接続部材)、9…第2外部端子(簡易接続部材)、12a~12d…電源幹線、13,15…枝線、22a~22c…通信幹線、28A,28B…内周面、29A,29B,29C…外周面、30…空間、31…第一の筺体、31A~31T,31A1~31A3,31B1,31E1…筒状体、32…第二の筺体、32A…外周面、32B…外周面、33…第三の筺体、33A…内周面、34…第四の筺体、41A,41I~41T…スリット部、101…コア、102…クラッド、103…ファイバ素線被覆、104…緩衝材、105…アウタージャケット、200B…金属線、200C…金属線、200H…金属線、301…ツイスト線、302…ジャケット、311…被覆電線、500…配索構造、600…車両、1015…アウタージャケット、3110…導体、3111…絶縁層、BP…曲げ部