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特許7488421半導体プロセスチャンバ構成要素のための改善されたネジ山の形状
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】半導体プロセスチャンバ構成要素のための改善されたネジ山の形状
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240514BHJP
   F16B 33/02 20060101ALI20240514BHJP
   F16B 5/02 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
F16B33/02 Z
F16B5/02 F
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023519122
(86)(22)【出願日】2021-09-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 US2021051802
(87)【国際公開番号】W WO2022066942
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-05-08
(31)【優先権主張番号】17/032,220
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ワカバヤシ, レイン テツロウ
(72)【発明者】
【氏名】ウォン, カーラトン
(72)【発明者】
【氏名】フランクリン, ティモシー ジョセフ
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-302270(JP,A)
【文献】特表2011-501412(JP,A)
【文献】特開2015-025312(JP,A)
【文献】登録実用新案第3025044(JP,U)
【文献】特開2008-275062(JP,A)
【文献】特開2001-099119(JP,A)
【文献】特表2011-503488(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0025810(US,A1)
【文献】特開平8-120469(JP,A)
【文献】特開平1-180982(JP,A)
【文献】特開2001-135499(JP,A)
【文献】特開2008-202101(JP,A)
【文献】中国実用新案第212230390(CN,U)
【文献】特表2020-533806(JP,A)
【文献】特表2011-521472(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
F16B 33/02
F16B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板プロセスチャンバ内で使用される構成要素であって、
本体の上面から前記本体を部分的に通って延在する開口部を有する本体を含み、前記開口部は、前記本体を第2のプロセスチャンバ構成要素に締結するためのネジ部を含み、前記ネジ部は、複数の丸められた頂上及び複数の丸められた根本を画定する複数のネジ山を含み、前記ネジ部の深さは、前記複数の丸められた頂上のうちの丸められた頂上と前記複数の丸められた根本のうちの隣接する根本との間の半径方向距離であり、前記複数のネジ山のうちの最後のネジ山において第1の深さから第2の深さに減少する、構成要素。
【請求項2】
前記本体は、シリコンベースの材料で作製されている、請求項1に記載の構成要素。
【請求項3】
前記第2の深さは、前記複数のネジ山のうちの前記最後のネジ山に沿って、前記第1の深さから実質的にゼロ深さまで減少する、請求項1に記載の構成要素。
【請求項4】
前記ネジ部の深さは、前記複数のネジ山のうちの最初のネジ山の経路に沿って、実質的にゼロ深さから前記第1の深さまで増加する、請求項1に記載の構成要素。
【請求項5】
前記開口部は、前記ネジ部の前記最後のネジ山と前記開口部の下側面との間に配置されたネジ山の逃げを含み、前記ネジ山の逃げは、実質的に一定の直径を有する、請求項1に記載の構成要素。
【請求項6】
前記ネジ山の逃げは、前記開口部の長さの約5パーセントから約25パーセントの長さを有する、請求項5に記載の構成要素。
【請求項7】
前記複数のネジ山は、約45度から約75度のピッチ角を有する、請求項1に記載の構成要素。
【請求項8】
前記第1の深さは、約0.01インチから約0.04インチである、請求項1に記載の構成要素。
【請求項9】
前記開口部内に配置されるネジ込みインサートであって、前記本体の前記ネジ部に対応する、前記ネジ込みインサートの外面上に形成された丸められたネジ部を有するネジ込みインサートを更に含み、前記丸められたネジ部は、前記本体の前記ネジ部と係合する、請求項1から8のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項10】
前記ネジ込みインサートは、プラスチックで作製されている、請求項9に記載の構成要素。
【請求項11】
前記ネジ込みインサートの下側部分は、ネジ山の逃げを含む、請求項9に記載の構成要素。
【請求項12】
前記構成要素は、基板プロセスチャンバ用の電極であり、前記複数のネジ山は螺旋状である、請求項1から8のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項13】
前記ネジ部は、約0.25インチから約0.50インチの外径を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項14】
前記ネジ部の深さは、前記複数のネジ山のうちの最初のネジ山の経路に沿って、実質的にゼロ深さから前記第1の深さまで増加する、請求項1から8のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項15】
前記構成要素は、ファスナを介して第2の構成要素に結合される、請求項1から8のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項16】
プロセスチャンバ内で使用されるシャワーヘッドアセンブリであって、
ガス分配プレート、
請求項1から8のいずれか一項に記載の構成要素であって、基板プロセスチャンバ用の電極である構成要素、及び
前記ガス分配プレートを貫通して且つ前記開口部内に配置される、前記電極を前記ガス分配プレートに締結するためのファスナを含む、シャワーヘッドアセンブリ。
【請求項17】
ネジ込みインサートの外面上に形成された丸められたネジ部であって、前記複数のネジ山と係合する丸められたネジ部を有する、前記開口部内に配置されるネジ込みインサートを更に含み、前記ネジ込みインサートは、前記ファスナと係合する中央開口部を有する、請求項16に記載のシャワーヘッドアセンブリ。
【請求項18】
前記ネジ込みインサートの前記中央開口部内に保持される螺旋状金属インサートであって、前記ファスナの雄ネジと係合する雌ネジを含む螺旋状金属インサートを更に含む、請求項17に記載のシャワーヘッドアセンブリ。
【請求項19】
前記ネジ込みインサートは、プラスチックで作製されている、請求項17に記載のシャワーヘッドアセンブリ。
【請求項20】
前記電極は、シリコンベースの材料で作製されている、請求項19に記載のシャワーヘッドアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は、広くは、基板処理設備に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] ファスナは、基板処理設備において2つの構成要素を共に結合するために広く使用されている。ファスナは、典型的には、その外面上に雄ネジを有する。雄ネジは、結合される任意の構成要素の雌ネジと嵌合する。しかし、従来の雌ネジの形状を有する特定の構成要素は、従来のファスナがその雌ネジと係合するときに亀裂を生じることがある。
【0003】
[0003] したがって、発明者らは、他の構成要素との締結を容易にするために、改善されたネジ山の形状を有する構成要素の実施形態を提供している。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 基板プロセスチャンバ内で使用される構成要素の実施形態が、本明細書で提供される。幾つかの実施形態では、基板プロセスチャンバ内で使用される構成要素が、本体の上面から本体を部分的に通って延在する開口部を有する本体を含む。その場合、開口部は、本体を第2のプロセスチャンバ構成要素に締結するためのネジ部を含む。ネジ部は、複数の丸められた頂上及び複数の丸められた根本を画定する複数のネジ山を含む。ネジ部の深さは、複数の丸められた頂上のうちの丸められた頂上と複数の丸められた根本のうちの隣接する根本との間の半径方向距離であり、複数のネジ山のうちの最後のネジ山において第1の深さから第2の深さに減少する。
【0005】
[0005] 基板プロセスチャンバ用の電極が、本体の上面から本体を部分的に通って延在する開口部を有するシリコンベースの材料で作製された本体を含む。その場合、開口部は、複数の丸められた頂上及び複数の丸められた根本を画定する螺旋状の複数のネジ山を有するネジ部、及びネジ部と開口部の下側面との間に配置されたネジ山の逃げを含む。ネジ部の深さは、複数の丸められた頂上のうちの丸められた頂上と複数の丸められた根本のうちの隣接する根本との間の半径方向距離であり、複数のネジ山のうちの最後のネジ山に沿って第1の深さから実質的にゼロ深さまで減少する。
【0006】
[0006] 幾つかの実施形態では、プロセスチャンバ内で使用されるシャワーヘッドアセンブリが、ガス分配プレート、電極を部分的に通って延在する開口部を有する電極、及び、ガス分配プレートを貫通して且つ開口部内に配置される、電極をガス分配プレートに締結するためのファスナを含む。その場合、開口部は、複数の丸められた頂上及び複数の丸められた根本を画定する螺旋状の複数のネジ山を有するネジ部を含む。ネジ部の深さは、複数の丸められた頂上のうちの丸められた頂上と複数の丸められた根本のうちの隣接する根本との間の半径方向距離であり、複数のネジ山のうちの最後のネジ山に沿って第1の深さから第2の深さに減少する。
【0007】
[0007] 本開示の他の及び更なる実施形態が、以下で説明される。
【0008】
[0008] 上記で簡潔に要約され、以下でより詳細に説明される本開示の実施形態は、添付の図面に示す本開示の例示的な実施形態を参照することにより、理解することができる。しかし、本開示は他の等しく有効な実施形態を許容し得ることから、付随する図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、範囲を限定するものと見なすべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[0009] 本開示の幾つかの実施形態によるプロセスチャンバを描く。
図2】[0010] 本開示の幾つかの実施形態による構成要素の断面側面図を描く。
図3】[0011] 本開示の幾つかの実施形態によるネジ込みインサートの側面図を描く。
図4】[0012] 本開示の幾つかの実施形態による共に締結された複数の構成要素の等角断面図を描く。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0013] 理解を容易にするために、可能な場合には、図面に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号が使用された。図は縮尺どおりではなく、分かりやすくするために簡略化されていることがある。一実施形態の要素及び特徴は、更なる記述がなくとも、その他の実施形態に有益に組み込まれてよい。
【0011】
[0014] 基板プロセスチャンバ内で使用される構成要素の実施形態が、本明細書で提供される。構成要素は、別の構成要素に結合される基板プロセスチャンバの任意の適切な部分であってよい。幾つかの実施形態では、構成要素が、シャワーヘッドアセンブリやチャンバライナなどの一部である。構成要素は、概して、1以上のファスナを介して別の構成要素に結合するための雌ネジを有する1以上の開口部を含む。本発明者らは、鋭利なフィーチャを有する雌ネジが、構成要素の亀裂をもたらす可能性があることを確認した。本明細書で開示される構成要素の雌ネジは、1以上のファスナがそこを通ってトルクをかけられたときに、構成要素の亀裂を有利に低減させ又は防止するための丸められたフィーチャを含む。
【0012】
[0015] 図1は、本開示の幾つかの実施形態によるプロセスチャンバ100を描いている。幾つかの実施形態では、プロセスチャンバ100が、エッチング処理チャンバである。しかし、異なるプロセス用に構成された他の種類の処理チャンバも、本明細書で説明される構成要素の複数の実施形態で使用され又は使用されるように改修され得る。
【0013】
[0016] プロセスチャンバ100は、基板処理中に内部空間120内の大気圧以下の圧力を維持するように適切に適合された減圧チャンバである。プロセスチャンバ100は、側壁及び下壁を有するチャンバ本体106を含む。チャンバ本体106は、リッド104によってカバーされ、チャンバ本体106とリッド104が共に、内部空間120を画定する。チャンバ本体106及びリッド104は、アルミニウムなどの金属で作製されてよい。チャンバ本体106は、アース端子115との結合を介して接地されてよい。
【0014】
[0017] 基板支持体124が、例えば、半導体ウエハなどの基板122(又は静電的に保持されてよいような他のそのような基板)を支持及び保持するために、内部空間120内に配置される。基板支持体124は、概して、ペデスタル128及びペデスタル128を支持するための中空の支持シャフト112を備えてよい。ペデスタル128は、静電チャック(図示せず)を含んでよい。中空の支持シャフト112は、例えば、裏側ガス、プロセスガス、流体、冷却剤、電力などを、ペデスタル128に提供するための導管を提供する。
【0015】
[0018] 基板支持体124は、RF源(例えば、RFバイアス電源117又はRFプラズマ電源170)に結合される。幾つかの実施形態では、RFバイアス電源117が、1以上のRFマッチネットワーク(図示せず)を介してペデスタル128に結合される。幾つかの実施形態では、基板支持体124が、ACバイアス電力又はDCバイアス電力を代替的に含んでよい。
【0016】
[0019] プロセスチャンバ100はまた、ガス供給118にも結合され、ガス供給118と流体連通する。ガス供給118は、内部に配置された基板122を処理するためにプロセスチャンバ100に1種類以上のプロセスガスを供給してよい。シャワーヘッドアセンブリ132が、内部空間120内で基板支持体124に対向して配置される。幾つかの実施形態では、シャワーヘッドアセンブリ132が、リッド104に結合される。シャワーヘッドアセンブリ132及び基板支持体124は、それらの間の処理空間144を部分的に画定する。シャワーヘッドアセンブリ132は、1種類以上のプロセスガスをガス供給118から処理空間144の中に分配するための複数の開口部110を含む。
【0017】
[0020] シャワーヘッドアセンブリ132は、概して、電極136に結合されたガス分配プレート142を備えてよい。幾つかの実施形態では、複数の開口部110が、ガス分配プレート142及び電極136を貫通して延在する。幾つかの実施形態では、電極136が、内部空間120内に基板支持体124と対向して配置される。電極136は、1種類以上のプロセスガスを点火するために、1以上の電源(例えば、RFプラズマ電源170)に結合される。幾つかの実施形態では、電極136が、シリコンベースの材料、例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコン、炭化ケイ素など、又は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、炭化ケイ素などから本質的に構成される材料を含む。
【0018】
[0021] 幾つかの実施形態では、内部にプラズマを閉じ込めるために、ライナ146が、内部空間120内で基板支持体124とシャワーヘッドアセンブリ132とのうちの少なくとも一方の周りに配置される。ライナ146はまた、チャンバ本体106の側壁を望ましくない堆積から保護してもよい。ライナ146は、基板122を、第1の方向172においてプロセスチャンバ100の中に移動させ、第2の方向174においてプロセスチャンバ100から出すための、チャンバ本体106のスリットバルブ160に対応する開口部155を含む。幾つかの実施形態では、ライナ146が、下側部分に結合された上側部分を含む。プロセスチャンバ100は、減圧システム114に結合され、減圧システム114と流体連通する。減圧システム114は、プロセスチャンバ100を排気するために使用されるスロットルバルブ及び減圧ポンプを含む。プロセスチャンバ100の内側の圧力は、スロットルバルブ及び/又は減圧ポンプを調整することによって調節されてよい。
【0019】
[0022] 動作では、例えば、1以上のプロセスを実行するために、プラズマが処理空間144内に生成されてよい。プロセスガスを点火してプラズマを生成するために、プラズマは、内部空間120の近くの又は内部空間120内の1以上の電極(例えば、電極136)を介して、プラズマ電源(例えば、RFプラズマ電源170)からの電力をプロセスガスに結合することによって生成されてよい。プラズマからのイオンを基板122に向けて引き寄せるために、バイアス電力がまた、バイアス電源(例えば、RFバイアス電源117)から、静電チャック150内の1以上の電極154に提供されてもよい。
【0020】
[0023] 図2は、本開示の幾つかの実施形態による構成要素200の断面側面図を描いている。幾つかの実施形態では、構成要素200が、基板プロセスチャンバ(例えば、図1のプロセスチャンバ100)で使用される任意の適切な構成要素である。例えば、構成要素200は、電極136、ガス分配プレート142、ライナ146などであってよい。
【0021】
[0024] 構成要素200は、本体202の上面204から本体202を部分的に通って延在する開口部206を有する本体202を含む。開口部206は、本体202を第2のプロセスチャンバ構成要素(図4で示されている)に締結するためのネジ部212を含む。例えば、構成要素が電極136である場合、第2のプロセスチャンバ構成要素は、ガス分配プレート142であってよい。ネジ部212は、螺旋状の複数のネジ山214を含む。複数のネジ山214は、複数の丸められた頂上220及び複数の丸められた根本224を有する。幾つかの実施形態では、複数の丸められた頂上が、約0.01から約0.025インチの半径を有する。したがって、複数のネジ山214は、従来のネジ山と比較して、減じられた又は鋭利ではないエッジを有する。
【0022】
[0025] 複数のネジ山214は、最後のネジ山214A、最初のネジ山214B、及び中央のネジ山214Cを含んでよい。幾つかの実施形態では、最後のネジ山214Aが、開口部206の中心軸に対して約360度延在する複数のネジ山214の最終スパンを含む。幾つかの実施形態では、最初のネジ山214Bが、開口部206の中心軸に対して約360度延在する複数のネジ山214の最初のスパンを含む。中央のネジ山214Cは、最初のネジ山214Bから最後のネジ山214Aまで連続的に延在する。幾つかの実施形態では、中央のネジ山214Cの外径が、約0.25インチから約0.50インチである。幾つかの実施形態では、中央のネジ山214Cの内径が、約0.20インチから約0.40インチである。
【0023】
[0026] ネジ部の深さは、複数の丸められた頂上220のうちの丸められた頂上と複数の丸められた根本224のうちの隣接する根本との間の半径方向距離である。中央のネジ山214Cの深さは、第1の深さDである。幾つかの実施形態では、第1の深さDが、中央のネジ山214Cの経路に沿って実質的に一定である。幾つかの実施形態では、第1の深さが、約0.01インチから約0.04インチである。最後のネジ山214Aの深さは、第2の深さである。幾つかの実施形態では、第2の深さが、最後のネジ山214Aの経路に沿って減少し、複数のネジ山214と開口部206の側壁との間のより滑らかな移行を提供する。幾つかの実施形態では、第2の深さが、最後のネジ山214Aの経路に沿って、第1の深さDから実質的にゼロ深さD’まで減少する。最初のネジ山214Bの深さは、第3の深さである。幾つかの実施形態では、第3の深さが、最初のネジ山214Bの経路に沿ってから第1の深さまで増加する。幾つかの実施形態では、第3の深さが、実質的にゼロ深さD”から第1の深さDまで増加し、開口部206の側壁から複数のネジ山214への滑らかな移行を提供する。
【0024】
[0027] ネジ部212のピッチは、複数のネジ山214の隣接するネジ山上の等価点の間の軸方向距離である。幾つかの実施形態では、中央のネジ山214Cの中央のピッチPが、約0.04インチから約0.070インチである。幾つかの実施形態では、複数のネジ山214が、約45度から約75度のピッチ角を有する。
【0025】
[0028] 幾つかの実施形態では、開口部206が、最後のネジ山214Aと開口部206の下側面210との間に配置されたネジ山の逃げ208を含む。幾つかの実施形態では、ネジ山の逃げ208が、実質的に一定の直径を有する。幾つかの実施形態では、ネジ山の逃げ208の直径が、中央のネジ山214Cの内径と同じである。幾つかの実施形態では、ネジ山の逃げ208が、開口部206の長さ230の約5パーセントから約25パーセントの長さ240を有する。幾つかの実施形態では、開口部206が、本体202の上面204に隣接するカウンタシンク218を含む。幾つかの実施形態では、本体202が、シリコンベースの材料、例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコン、炭化ケイ素など、又は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、炭化ケイ素などから本質的に構成される材料で作製される。
【0026】
[0029] 図3は、本開示の幾つかの実施形態によるネジ込みインサート300の側面図を描いている。幾つかの実施形態では、ファスナが内部でトルクをかけられたときに、構成要素200の本体202上への応力を低減させるために、ネジ込みインサート300が開口部206内に配置されてよい。ネジ込みインサート300は、本体202のネジ部212に対応する、その外面304上に形成された丸められたネジ部302を有する。丸められたネジ部302は、複数の丸められた頂上320及び複数の丸められた根本324を画定する。幾つかの実施形態では、複数の丸められた頂上が、約0.007から約0.02インチの半径を有する。幾つかの実施形態では、丸められたネジ部302が、構成要素200の中央のネジ山214Cと同じピッチ角を有する。
【0027】
[0030] ネジ込みインサート300は、任意の適切な材料で作製されてよい。例えば、ネジ込みインサート300は、プラスチックで作製される。幾つかの実施形態では、ネジ込みインサートの下側部分310が、ネジ山の逃げ314を有する。幾つかの実施形態では、ネジ山の逃げ314の長さが、開口部206のネジ山の逃げ208の長さ240と同様である。幾つかの実施形態では、ネジ込みインサート300が、面取りされた上側エッジ318を含む。
【0028】
[0031] 図4は、本開示の幾つかの実施形態による共に締結された複数の構成要素の等角断面図を描いている。幾つかの実施形態では、図4で描かれているように、構成要素200が、第2の構成要素402に結合される。ファスナ408は、第2の構成要素402を貫通して且つ開口部206の中に延在し、第2の構成要素402を構成要素200に結合してよい。
【0029】
[0032] 幾つかの実施形態では、ネジ込みインサート300の丸められたネジ部302が、本体202のネジ部212と係合する。幾つかの実施形態では、ネジ込みインサート300の上面が、工具がネジ込みインサート300を開口部206の中へトルクをかけることを容易にするための1以上の工具開口部404を含む。幾つかの実施形態では、1以上の工具開口部404が、正反対の(diametrically opposed)2つの開口部を含む。ネジ込みインサート300は、トルクがかけられたとき又は締められたときに、ファスナ408からの応力を吸収することによって、構成要素200を亀裂から有利に保護する。ファスナ408を締め過ぎると、ネジ込みインサート300は亀裂を生じるが、構成要素200を亀裂から保護してよい。
【0030】
[0033] 幾つかの実施形態では、ネジ込みインサート300が、雌ネジ412を有する中央開口部406を含む。幾つかの実施形態では、雌ネジ412が、ファスナ408の雄ネジ418と係合して、第2の構成要素402を構成要素200に結合する。幾つかの実施形態では、螺旋状金属インサート414が、ネジ込みインサート300の中央開口部406内に保持される。螺旋状金属インサート414は、ファスナ408の雄ネジ418と係合する雌ネジ416を含む。螺旋状金属インサート414は、ネジ込みインサート300の雌ネジ412よりも堅牢な係合接触面をファスナ408に有利に提供してよい。
【0031】
[0034] 上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態を考案してもよい。
図1
図2
図3
図4