(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】断裁装置および断裁片回収選別方法
(51)【国際特許分類】
B26D 7/18 20060101AFI20240517BHJP
B26D 1/06 20060101ALI20240517BHJP
B26D 5/34 20060101ALI20240517BHJP
B26D 5/00 20060101ALI20240517BHJP
B26D 7/22 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
B26D7/18 E
B26D1/06 Z
B26D5/34 A
B26D5/00 Z
B26D7/22 A
(21)【出願番号】P 2020170841
(22)【出願日】2020-10-09
【審査請求日】2023-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】303017679
【氏名又は名称】独立行政法人 国立印刷局
(72)【発明者】
【氏名】石倉 正也
(72)【発明者】
【氏名】大野 賢二
(72)【発明者】
【氏名】岡田 光洋
【審査官】後藤 泰輔
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-80795(JP,A)
【文献】特開2012-11565(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0049781(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 1/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
余白部分に予めマークが印刷されたシートを複数回に分けて断裁する断裁刃と、
前記シートの断裁箇所を撮像するカメラと、
前記カメラの撮像データから前記マークを検出する画像処理部と、
前記画像処理部の検出結果に基づいて、前記シートのn回目(nは自然数)の断裁で発生した第1断裁片を回収するための第1容器の蓋、および前記シートのm回目(mはnとは異なる自然数)の断裁で発生した第2断裁片を回収するための第2容器の蓋の開閉動作を制御する制御部と、
を備える断裁装置。
【請求項2】
前記画像処理部が前記n回目の断裁時に前記マークを検出すると、前記制御部は前記第1容器の蓋を開くとともに前記第2容器の蓋を閉め、
前記画像処理部が前記m回目の断裁時に前記マークを未検出であると、前記制御部は前記第1容器の蓋を閉めるとともに前記第2容器の蓋を開く、請求項1に記載の断裁装置。
【請求項3】
余白部分に予めマークが印刷されたシートを複数回に分けて断裁し、
前記シートの断裁箇所を撮像し、
前記断裁箇所の撮像データから前記マークを検出し、
前記マークの検出結果に基づいて、前記シートのn回目(nは自然数)の断裁で発生した第1断裁片を回収するための第1容器の蓋、および前記シートのm回目(mはnとは異なる自然数)の断裁で発生した第2断裁片を回収するための第2容器の蓋の開閉動作を制御する、
断裁片回収選別方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多面印刷物のシートから、銀行券、有価証券、商品券(以下、「諸証券等」という。)等、高度な偽造防止が要求される小切シートを作製する際の断裁時に発生する断裁片の回収の誤選別を防止する、断裁装置および断裁片回収選別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
諸証券等の製造工程の一つにシートを断裁する工程がある。この断裁工程では、断裁装置の断裁刃が、シートを複数回に分けて断裁する。シートの断裁で発生した断裁片は、作業者の手作業によって、容器に回収される。
【0003】
従来、各回の断裁で発生した断裁片は、再利用するために1つの容器にまとめて回収されていた。しかし、近年、高度な偽造防止対策が施されたシートを断裁すると、再利用できる故紙還元用の断裁片と、再利用できない材料を含んだ焼却用の断裁片とが、発生する場合がある。この場合、2種類の断裁片をそれぞれ別の容器に回収する作業が必要になる。
【0004】
特許文献1には、品質が異なる故紙を自動で選別する装置が開示されている。また、特許文献2には、多面印刷物に印刷された検査用マークに基づいて所定の位置で断裁されているか否かを検査する装置が開示されている。さらに、特許文献3には、断裁片を自動的に回収する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000-338036号公報
【文献】特開平10-21399号公報
【文献】国際公開第2015/193993号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
2種類の断裁片を手作業で別々の容器に回収する場合、作業者が断裁片の選別を誤るヒューマンエラーが起こり得る。このヒューマンエラーが起こると、2種類の断裁片が各容器内に混在してしまい、回収作業が滞ることが懸念される。上述した各引用文献に記載の装置を用いても、上記ヒューマンエラーを回避することは困難である。
【0007】
そこで、本発明は、断裁片を手作業で回収するときに誤選別を防止することが可能な断裁装置および断裁片回収選別方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る断裁装置は、余白部分に予めマークが印刷されたシートを複数回に分けて断裁する断裁刃と、シートの断裁箇所を撮像するカメラと、カメラの撮像データからマークを検出する画像処理部と、画像処理部の検出結果に基づいて、シートのn回目(nは自然数)の断裁で発生した第1断裁片を回収するための第1容器の蓋、およびシートのm回目(mはnとは異なる自然数)の断裁で発生した第2断裁片を回収するための第2容器の蓋の開閉動作を制御する制御部とを備える。
【0009】
また、前記画像処理部が前記n回目の断裁時に前記マークを検出すると、前記制御部は前記第1容器の蓋を開くとともに前記第2容器の蓋を閉め、前記画像処理部が前記m回目の断裁時に前記マークを未検出であると、前記制御部は前記第1容器の蓋を閉めるとともに前記第2容器の蓋を開いてもよい。
【0010】
本発明に係る断裁片回収選別方法は、余白部分に予めマークが印刷されたシートを複数回に分けて断裁し、シートの断裁箇所を撮像し、断裁箇所の撮像データからマークを検出し、マークの検出結果に基づいて、シートのn回目(nは自然数)の断裁で発生した第1断裁片を回収するための第1容器の蓋、およびシートのm回目(mはnとは異なる自然数)の断裁で発生した第2断裁片を回収するための第2容器の蓋の開閉動作を制御する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、断裁片を手作業で回収するときに誤選別を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る断裁装置の概略的な構成を示す正面図である。
【
図4】本実施形態に係る断裁ラインのレイアウト図である。
【
図5】断裁装置の小切シートの断裁手順を示すフローチャートである。
【
図7】(a)は位置Aに配置されたカメラでサイズが異なるシートを撮像する状態を示す模式図であり、(b)は位置Cに配置されたカメラでサイズが異なるシートを撮像する状態を示す模式図である。
【
図12】第6変形例に係る断裁装置の正面図および拡大図である。
【
図13】(a)は第7変形例に係る故紙還元用の断裁片の平面図であり、(b)は第7変形例に係る焼却用の断裁片の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が含まれる。
【0014】
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る断裁装置の概略的な構成を示す正面図である。また、
図2は、
図1に示す断裁装置の側面図である。
図1および
図2に示す断裁装置1は、定盤11と、フレーム12と、断裁刃13と、クランプ14と、バックフェンス15と、クランプペダル16と、カメラ20と、端末30と、を備える。
【0015】
定盤11は、積層された複数枚のシート100を載置するためのテーブルである。シート100を断裁した小切シートは、諸証券等として用いられる。そのため、シート100には高度な偽造防止策が施されている。
【0016】
図3は、シート100の一例を示す平面図である。
図3に示すように、各シート100の短手方向(Y方向)の端部にはストライプ状のホログラム110が付与されている。ホログラム110は、偽造防止を強化する手段の一つであり、例えばPET(ポリエチレンテレフタラート)フィルム上に形成される。
【0017】
また、シート100の長手方向(X方向)手前側の端部に設けられた余白部分には、ストライプ状の色見出し201、202と、ストライプ状のマーク301とが印刷されている。さらに、シート100の長手方向奥側の端部に設けられた余白部分には、マーク302が点在している。色見出し201、202は、印刷色の出来栄えを確認するための色サンプルである。一方、マーク301、302は、シート100の断裁で発生する断裁片を選別するために用いられる。シート100は、断裁刃13によって、長手方向に延びる複数の断裁線L1~L9毎に複数回に分けて断裁される。なお、マーク301、302は、後述するカメラ20で撮像可能であれば、形状、大きさ及び色に制限はない。
【0018】
図2に示すように、シート100の長手方向の端部は、作業者P1によって、定盤11上に設けられたバックフェンス15に突き当てられる。バックフェンス15は、断裁位置が断裁線L1~L9に順次に切り替わるようにシート100を作業者P1側(手前側)に段階的に押し出す。
【0019】
断裁刃13は、
図2に示すように、定盤11上に設けられたフレーム12に昇降可能に保持される。フレーム12には、クランプ14も昇降可能に保持される。クランプ14は、断裁装置1の正面から見て断裁刃13の奥側に配置されている。
【0020】
作業者P1がクランプペダル16を足で踏み込むと、クランプ14は下降してシート100を押さえつける。クランプ14がシート100を押さえつけた状態で、作業者が断裁スイッチ(不図示)を操作すると、断裁刃13も、下降してシート100を断裁する。断裁後、断裁刃13は上昇して元の位置へ戻る。また、作業者P1がクランプペダル16から足を離すと、クランプ14も上昇して元の位置に戻る。
【0021】
カメラ20は、シート100を抑えつけた時点から断裁箇所を撮像する。カメラ20は、エリアカメラであることが好ましい。本実施形態では、カメラ20は、クランプペダル16に連動して撮像動作を行う。具体的には、カメラ20は、クランプペダル16が踏み込まれると撮像を開始し、踏み込みが解除されると撮像を終了する。カメラ20の撮像データは、
図1に示す端末30に取得される。
【0022】
端末30は、例えばPC(Personal Computer)であり、画像処理部31および制御部32を有する。画像処理部31は、カメラ20の撮像データからマーク301またはマーク302を検出する。換言すると、画像処理部31は、マーク301またはマーク302の有無に基づいてシート100の断裁片を選別する。マーク301またはマーク302が印刷された断裁片は、故紙還元(リサイクル)できる。その一方で、これらのマークが印刷されていない断裁片にはホログラム110の一部が残っているため、この断裁片は焼却処理される。
【0023】
制御部32は、画像処理部31の検出結果に基づいて、第1容器40の蓋41および第2容器50の蓋51の開閉動作を制御する。第1容器40は、上述した故紙還元用の断裁片を回収する。一方、第2容器50は、上述した焼却用の断裁片を回収する。
【0024】
以下、本実施形態に係る断裁工程について説明する。
【0025】
図4は、本実施形態に係る断裁ラインのレイアウト図である。
図4に示すように、上述した断裁装置1の前段には、別の断裁装置2が設置されている。断裁装置2、カメラ20および端末30を備えていない点を除いて断裁装置1と同様の構成を有する。
【0026】
断裁装置2は、積層された複数枚のシートを複数回に分けて短冊状に断裁する。断裁時に発生した断裁片101は、全て還元(リサイクル)できる。全ての断裁片101は、作業者P2の手作業によって容器60に回収される。断裁装置2で短冊断裁されたシート100は、
図3に示すように断裁装置1の定盤11上に並べられる。続いて、断裁装置1でシート100を断裁して小切シートを作製する。
【0027】
図5は、断裁装置1の小切シートの断裁手順を示すフローチャートである。
【0028】
作業者P1が、シート100の端部をバックフェンス15に押し付けると、まず、バックフェンス15がシート100を1回目の断裁位置に設定する(ステップS11)。1回目の断裁位置は、
図3に示す断裁線L1である。
【0029】
次に、作業者P1が自身の足でクランプペダル16を踏み込むと、クランプ14が作動してシート100を押さえつける(ステップS12)。これにより、シート100が固定される。
【0030】
クランプ14が、シート100を固定しているとき、カメラ20は、断裁箇所を撮影した撮像データを作成する(ステップS13)。作成された撮像データは、端末30に取得される。端末30では、画像処理部31が、取得した撮像データからマーク301またはマーク302を検出する(ステップS14)。次に、作業者P1が断裁スイッチ(不図示)を操作すると、断裁刃13が、断裁線L1に沿ってシート100を断裁する(ステップS15)。シート100の積層枚数が多い場合、断裁後のシート100の積層状態の崩れに影響を受けることなくマークを撮像することできるため、断裁前に撮影することが好ましいが、シート100の積層枚数が少ない場合、断裁後のシート100の崩れが少ないことから、断裁工程(ステップS15)の後に撮像データ作成工程(ステップS13)を行っても良い。
【0031】
断裁刃13が断裁線L1に沿ってシート100を断裁するとき、
図3に示すように、断裁線L1の手前側にマーク301が印刷されている。そのため、マーク301が、カメラ20に撮像され、画像処理部31に検出される。この場合、制御部32は、第1容器40の蓋41を開くとともに第2容器50の蓋51を閉じるように制御する(ステップS16)。これにより、マーク301が印刷された故紙還元用の第1断裁片102(
図4参照)が、作業者P1の手作業によって第1容器40に回収されて、1回目の断裁が終了する。
【0032】
1回目の断裁が終了すると、制御部32は、断裁回数をカウントして最終回であるか否かを判定する(ステップS18)。断裁回数が最終回でない場合、制御部32は、バックフェンス15を制御して、シート100を2回目の断裁位置に設定させる。
【0033】
2回目の断裁では、断裁刃13は断裁線L2に沿ってシート100を断裁するため、マーク301およびマーク302は、カメラ20に撮像されない。そのため、ステップS14において、画像処理部31は、マーク301もマーク302も検出できない。この場合、制御部32は、第1容器40の蓋41を閉じるとともに第2容器50の蓋51を開くように制御する(ステップS17)。これにより、ホログラム110の一部が残った焼却用の第2断裁片103(
図4参照)が、作業者P1の手作業によって第2容器50に回収される。
【0034】
3回目~9回目の断裁も同様のステップで繰り返される。本実施形態では、1回目(断裁線L1)と8回目(断裁線L8)の断裁時に、故紙還元用の第1断裁片102が発生する。また、2回目(断裁線L2)、3回目(断裁線L3)、および9回目(断裁線L9)の断裁時に焼却用の第2断裁片103が発生する。
【0035】
以上説明した本実施形態では、シート100を複数回に分けて断裁するときに、回収方法が異なる2種類の断裁片が異なるタイミングで発生する。これらの断裁片は、作業者P1の手作業によって、別々の容器に回収される。そのため、作業者が断裁片の選別を誤るヒューマンエラーが起こり得る。このヒューマンエラーが発生すると、焼却用の第2断裁片103が第1容器40に回収されてしまうため、ホログラム110の材料が第1容器40内に異物として混入されてしまう。
【0036】
そこで、本実施形態では、還元用の第1断裁片102となるシート100の余白部分に予めマーク301、302を印刷し、画像処理部31が、カメラ20の撮像データに基づいて故紙還元用の第1断裁片102と焼却用の第2断裁片103とを選別している。さらに、制御部32が、選別結果に応じて、第1容器40と第2容器50の一方が開いて他方が閉じた状態に制御する。これにより、作業者P1に対して回収先の容器が導かれるので、断裁片の回収の誤選別を防止することができる。
【0037】
(第1変形例)
図6は、第1変形例に係る断裁装置の正面図である。上述した実施形態では、カメラ20は、装置正面から見てシート100に対して鉛直方向(Z方向)の真上の位置Bに配置されているが、カメラの位置は、位置Bに限定されない。
【0038】
本変形例では、
図6に示すように、装置正面から見てシート100に対して左向きに傾斜した位置A、または右向きに傾斜した位置Cにカメラ20を配置してもよいが、位置Cに配置することが好ましい。以下、その理由について説明する。
【0039】
図7(a)は、位置Aに配置されたカメラ20でサイズが異なるシートを撮像する状態を示す模式図である。
図7(b)は、位置Cに配置されたカメラ20でサイズが異なるシートを撮像する状態を示す模式図である。
【0040】
図7(a)に示すように、位置Aは、シート100の断裁時の基準位置から離れている。そのため、サイズ(幅)がシート100よりも小さなシート100aを断裁するときに、マーク302が、カメラ20の視野角α内に入らない。そのため、カメラ20の位置調整が必要になり、作業効率が悪化する。一方、
図7(b)に示すように、位置Cは、上記基準位置の上方になるため、シート100aを断裁するときにも、マーク302はカメラ20の視野角α内に入る。そのため、シートのサイズに関わらず、カメラ20の位置調整が不要になる。
【0041】
(第2変形例)
図8は、第2変形例に係る断裁装置の側面図である。本変形例では、カメラ20がアーム17を用いてフレーム12に取り付けられている。アーム17は、可動式であるため、カメラ20の微調整することができる。
【0042】
また、本変形例では、フィルタ21が、カメラ20のレンズ前に設置されている。カメラ20の撮像データにマーク301、302が明瞭に出現するために、フィルタ21の色は、マーク301、302の色と補色関係にあることが好ましい。例えば、マーク301、302の色が黄色である場合、フィルタ21の色は、青色であることが好ましい。さらに、フレーム12にモニタ及び操作盤を取り付けてもよい。具体的には、モニタは、カメラ20の撮像箇所を表示する画面である。これにより、カメラ20の撮像箇所を目視で確認するとともに、カメラ20の故障や位置ずれにより撮像されていない不具合を早期に発見することが可能となる。また、操作盤は、断裁装置の各部位の動作を手動又は自動に切り変え可能なスイッチ、キーボード等の入力手段である。これにより、断裁装置の清掃時等に適宜手動に切り替えることで、断裁刃13の誤作動により、作業員P1が負傷することを防ぐことが可能となる。
【0043】
(第3変形例)
図9は、第3変形例に係る断裁装置の側面図である。本変形例では、照明装置22がカメラ20の周囲に設置されている。照明装置22は、断裁刃13の断裁時にシート100の断裁箇所を照らす。これにより、カメラ20は、マーク301、302を明瞭に撮像することができる。
【0044】
なお、本変形例では、照明装置22は、クランプペダル16に連動して点灯および消灯してもよい。具体的には、照明装置22は、クランプペダル16が踏み込まれると点灯し、踏み込みが解除されると消灯する。これにより、照明装置22は、常時点灯するのではなく、照明が必要なときにのみ点灯するため、装置の消費電力を抑制することが可能となる。
【0045】
(第4変形例)
図10は、第4変形例に係る容器の図である。本変形例では、故紙還元用の第1断裁片102を回収する第1容器40の色が、焼却用の第2断裁片103を回収する第2容器50の色と異なる。これにより、断裁片回収の誤認防止効果を高めることができる。なお、誤認防止効果をより高めるために、第1容器40および第2容器50の色は、同系色でないことが好ましい。例えば、第1容器40の色が青色である場合、第2容器50の色を赤色とする。
【0046】
また、本変形例では、第1容器40と第2容器50との間で容器全体の色が異なっている必要はなく、第1容器40の蓋41の色が第2容器50の蓋51の色と異なっていてもよい。この場合も、各容器が同じ色である場合に比べて誤認防止効果を高めることができる。
【0047】
(第5変形例)
図11は、第5変形例に係る容器の図である。本変形例では、第1容器40にはランプ42が設置され、第2容器50にはランプ52が設置されている。ランプ42およびランプ52は、例えばLED(Light Emitting Diode)で構成される。ランプ42は、蓋41が開いたときに点灯し、閉じたときに消灯する。一方、ランプ52は、蓋51が開いたときに点灯し、閉じたときに消灯する。
【0048】
本変形例によれば、各ランプが各蓋の開閉に連動して点灯および消灯することによって、断裁片の回収時に容器の視認性が向上する。よって、断裁片回収の誤認防止効果を高めることができる。
【0049】
(第6変形例)
図12は、第6変形例に係る断裁装置の正面図および拡大図である。本変形例に係る断裁装置では、リミットスイッチ18が、クランプペダル16に隣接して設置されている。リミットスイッチ18は、クランプペダル16が踏み込まれている間に、制御部32によって開くように制御された蓋41または蓋51が開いた状態を保持する。リミットスイッチ18によって、作業者P1がクランプペダル16を踏み込んでる間は、蓋41または蓋51が閉じないように制御される。
【0050】
よって、本変形例によれば、回収の途中で容器の蓋が閉じるといった不具合の発生を回避することが可能となる。
【0051】
(第7変形例)
図13(a)は、第7変形例に係る故紙還元用の第1断裁片102の平面図である。
図13(b)は、第7変形例に係る焼却用の第2断裁片103の平面図である。上述した実施形態では、マーク301が第1断裁片102のみに印刷されていることに基づいて、画像処理部31が断裁片を選別している。
【0052】
一方、本変形例では、
図13(a)および
図13(b)に示すように、クランプ14からマーク301までの間隔Dに基づいて画像処理部31が断裁片を選別する。具体的には、第1断裁片102の場合には、断裁線がマーク301に近接するため、間隔Dは非常に狭い。反対に、第2断裁片103の場合には、断裁線がマーク301から離れているため、間隔Dが広くなる。
【0053】
そこで、本変形例では、画像処理部31は、クランプ14が撮像されたカメラ20の撮像データから間隔Dを算出する。間隔Dが予め設定されたしきい値を下回る場合、画像処理部31は、第1断裁片102と判定する。この場合、制御部32は、第1容器40の蓋41を開くとともに第2容器50の蓋51を閉じる。これにより、第1断裁片102は、第1容器40に回収される。
【0054】
間隔Dが上記しきい値を上回る場合、画像処理部31は、第2断裁片103と判定する。この場合、制御部32は、第1容器40の蓋41を閉じるとともに第2容器50の蓋51を開く。これにより第2断裁片103は、第2容器50に回収される。
【0055】
以上説明した本変形例によれば、2種類の断裁片の両方にマーク301が印刷されていても、両者を選別することができ、適切な容器に回収することができる。
【符号の説明】
【0056】
1:断裁装置
13:断裁刃
14:クランプ
16:クランプペダル
18:リミットスイッチ
20:カメラ
21:フィルタ
22:照明装置
31:画像処理部
32:制御部
40:第1容器
41:蓋
42:ランプ
50:第2容器
51:蓋
52:ランプ
100:シート
102:第1断裁片
103:第2断裁片
301、302:マーク