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特許7490094機械学習を用いた半導体オーバーレイ測定
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】機械学習を用いた半導体オーバーレイ測定
(51)【国際特許分類】
   G03F 9/00 20060101AFI20240517BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
G03F9/00 H
H01L21/66 J
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2022579815
(86)(22)【出願日】2021-06-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-24
(86)【国際出願番号】 US2021038563
(87)【国際公開番号】W WO2021262778
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2024-03-22
(31)【優先権主張番号】202041026631
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】63/063,973
(32)【優先日】2020-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/135,998
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤティ アルピット
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-522238(JP,A)
【文献】国際公開第2020/109074(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/038815(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/130304(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20
G03F 9/00
H01L 21/027
H01L 21/66
G01N 23/00
H01J 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
第1のプロセス層内の1つ以上の構造および第2のプロセス層内の1つ以上の構造を示す半導体ダイの一部分の画像を取得するステップと、
機械学習を使用して、前記第1のプロセス層内の1つ以上の構造を少なくとも部分的に含む画像上の第1の領域を定義するステップと、
機械学習を使用して、前記第2のプロセス層内の1つ以上の構造を少なくとも部分的に含む画像上の第2の領域を定義するステップと、
前記第1の領域および前記第2の領域を使用して、前記第1のプロセス層内の1つ以上の構造と前記第2のプロセス層内の1つ以上の構造との間のオーバーレイオフセットを計算するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
前記画像は走査型電子顕微鏡(SEM)画像である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の領域および前記第2の領域を使用して前記オーバーレイオフセットを計算することは、前記第1の領域と前記第2の領域との間の分離を計算することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の領域と前記第2の領域との間の分離を計算することは、前記第1の領域の中心と前記第2の領域の中心との間の距離を計算することを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の領域は、第1のボックスであり、
前記第2の領域は、第2のボックスである、
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のボックスは、前記第1のプロセス層内の1つ以上の構造を境界付け、
前記第2のボックスは、前記第2のプロセス層内の1つ以上の構造を境界付ける、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のプロセス層内の1つ以上の構造は、第1の構造を含み、
前記第2のプロセス層内の1つ以上の構造は、第2の構造を含み、
前記第1の領域は、前記第1の構造のエッジの部分を含み、
前記第2の領域は、前記第2の構造のエッジの部分を含み
前記第1の領域および前記第2の領域を使用して前記オーバーレイオフセットを計算するステップは、
前記第1の領域における前記第1の構造のエッジの部分を検出するステップと、
前記第2の領域における前記第2の構造のエッジの部分を検出するステップと、
前記第1の領域における前記第1の構造のエッジの部分と前記第2の領域における前記第2の構造のエッジの部分との間の距離を計算するステップと、
を備える請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の領域は、第1のボックスであり、
前記第2の領域は、第2のボックスである、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の領域および前記第2の領域を定義することは、機械学習分類器を使用して実行され、
前記方法は、それぞれの半導体ダイからの部分のそれぞれのインスタンスの画像を使用して前記機械学習分類器をトレーニングすることをさらに含み、
前記画像は、前記第1の領域および前記第2の領域のそれぞれのインスタンスで注釈付けされる、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
1つ以上のプロセッサによって実行するための1つ以上のプログラムを記憶する、コンピュータ可読記憶媒体であって、1つ以上のプログラムは、
第1のプロセス層内の1つ以上の構造および第2のプロセス層内の1つ以上の構造を示す半導体ダイの一部分の画像を取得し、
機械学習を使用して、前記第1のプロセス層内の1つ以上の構造を少なくとも部分的に含む画像上の第1の領域を定義し、
機械学習を使用して、前記第2のプロセス層内の1つ以上の構造を少なくとも部分的に含む画像上の第2の領域を定義し、
前記第1の領域および前記第2の領域を使用して、前記第1のプロセス層内の1つ以上の構造と前記第2のプロセス層内の1つ以上の構造との間のオーバーレイオフセットを計算する
命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
前記画像は、走査型電子顕微鏡(SEM)画像である請求項10に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
前記第1の領域および前記第2の領域を使用して前記オーバーレイオフセットを計算する命令は、前記第1の領域と前記第2の領域との間の分離を計算するための命令を含む請求項10に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
前記第1の領域と前記第2の領域との間の分離を計算するための命令は、前記第1の領域の中心と前記第2の領域の中心との間の距離を計算するための命令を含む請求項12に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
前記第1の領域は、第1のボックスであり、
前記第2の領域は、第2のボックスである、
請求項12に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
前記第1のボックスは、前記第1のプロセス層内の1つ以上の構造を境界付け、
前記第2のボックスは、第2のプロセス層内の1つ以上の構造を境界付ける、
請求項14に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
前記第1のプロセス層内の1つ以上の構造は、第1の構造を含み、
前記第2のプロセス層内の1つ以上の構造は、第2の構造を含み、
前記第1の領域は、前記第1の構造のエッジの部分を含み、
前記第2の領域は、前記第2の構造のエッジの部分を含み、
前記第1の領域および前記第2の領域を使用して前記オーバーレイオフセットを計算する命令は、
前記第1の領域内の前記第1の構造のエッジの部分を検出し、
前記第2の領域内の前記第2の構造のエッジの部分を検出し、
前記第1の領域内の前記第1の構造のエッジの部分と前記第2の領域内の前記第2の構造のエッジの部分との間の距離を計算する
命令を含む、請求項10に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
前記第1の領域は、第1のボックスであり、
前記第2の領域は、第2のボックスである、
請求項16に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記第1の領域および前記第2の領域を定義する命令は、
機械学習分類器を使用して前記第1の領域および前記第2の領域を定義する命令を含み、
1つ以上のプログラムは、それぞれの半導体ダイからの部分のそれぞれのインスタンスの画像を使用して前記機械学習分類器をトレーニングする命令をさらに備え、
前記画像は、前記第1の領域および前記第2の領域のそれぞれのインスタンスで注釈付けされる、
請求項10に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
システムであって、
走査型電子顕微鏡(SEM)と、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを記憶するメモリと、
を備え、前記1つ以上のプログラムは、
前記SEMから、第1のプロセス層内の1つ以上の構造および第2のプロセス層内の1つ以上の構造を示す半導体ダイの一部分のSEM画像を取得し、
機械学習を使用して、前記第1のプロセス層内の1つ以上の構造を少なくとも部分的に含む第1の領域を前記SEM画像上に定義し、
機械学習を使用して、前記第2のプロセス層内の1つ以上の構造を少なくとも部分的に含む第2の領域を前記SEM画像上に定義し、
前記第1の領域および前記第2の領域を使用して、前記第1のプロセス層内の1つ以上の構造と前記第2のプロセス層内の1つ以上の構造との間のオーバーレイオフセットを計算する、
命令を含む、システム。
【請求項20】
前記第1の領域および前記第2の領域を使用して前記オーバーレイオフセットを計算する命令は、前記第1の領域と前記第2の領域との間の分離を計算する命令を含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1の領域と前記第2の領域との間の分離を計算する命令は、前記第1の領域の中心と前記第2の領域の中心との間の距離を計算する命令を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1の領域は、第1のボックスであり、
前記第2の領域は、第2のボックスである、
請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1のボックスは、前記第1のプロセス層内の1つ以上の構造を境界付け、
前記第2のボックスは、前記第2のプロセス層内の1つ以上の構造を境界付ける、
請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記第1のプロセス層内の1つ以上の構造は、第1の構造を含み、
前記第2のプロセス層内の1つ以上の構造は、第2の構造を含み、
前記第1の領域は、前記第1の構造のエッジの部分を含み、
前記第2の領域は、前記第2の構造のエッジの部分を含み、
前記第1の領域および前記第2の領域を使用して前記オーバーレイオフセットを計算する命令は、
前記第1の領域内の前記第1の構造のエッジの部分を検出し、
前記第2の領域内の前記第2の構造のエッジの部分を検出し、
前記第1の領域内の前記第1の構造のエッジの部分と前記第2の領域内の前記第2の構造のエッジの部分との間の距離を計算する
命令を含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項25】
前記第1の領域は、第1のボックスであり、
前記第2の領域は、第2のボックスである、
請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記第1の領域および前記第2の領域を定義する命令は、機械学習分類器を使用して前記第1の領域および前記第2の領域を定義する命令を含み、
前記1つ以上のプログラムは、それぞれの半導体ダイからの部分のそれぞれのインスタンスのSEM画像を使用して前記機械学習分類器をトレーニングする命令をさらに備え、前記SEM画像は、前記第1の領域および前記第2の領域のそれぞれのインスタンスで注釈付けされる、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体デバイスのためのオーバーレイ(すなわちオーバーレイオフセット)を測定することに関し、より詳細には、機械学習を用いてオーバーレイオフセットを測定することに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2020年6月24日および米国特許仮出願63/063,973号(2020年8月11日)に出願されたインド仮特許出願第202041026631号の優先権を主張し、その両方は、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれる。
【0003】
半導体製造において、プロセス層間のミスアライメントは、別のプロセス層における構造の位置と比較して、あるプロセス層における構造の位置に望ましくないシフティングを引き起こす。そのようなシフト(すなわち、変位)は、オーバーレイ、または同等に、オーバーレイオフセットと称される。これらのシフトを測定することは、オーバーレイ計測と呼ばれる。正確なオーバーレイ計測は、プロセスドリフトを測定するために、したがって特に新しい半導体プロセスおよび/またはデバイスのランプアップ期間中にプロセス制御を確立および維持するために重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2019/0026885号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
走査電子顕微鏡(SEM)は、高解像度を有し、その形状またはサイズにかかわらず構造を撮像することができるため、オーバーレイ計測のための有用なツールである。しかしながら、オーバーレイ測定のためのSEM画像において構造(例えば、関心のあるパターン)を識別することは、重大な課題を提示する。プロセス変動は、特にランプアップ期間中に、構造の形状、サイズ、および配向をかなり変動させ得る。結果として、従来のオブジェクト認識アルゴリズムは、オーバーレイが測定されるべき2つの構造上で整合することができない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
オーバーレイ計測は、機械学習を使用して半導体ダイのそれぞれのプロセス層内のそれぞれの構造(または構造のグループ)に対応する領域を定義し、その領域を使用して構造間のオーバーレイオフセットを計算することによって実行され得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、方法は、第1のプロセス層内の1つ以上の構造および第2のプロセス層内の1つ以上の構造を示す半導体ダイの一部分の画像を取得するステップを含む。本方法はまた、機械学習を使用して、第1のプロセス層内の1つ以上の構造を少なくとも部分的に含む第1の領域を画像上に定義し、第2のプロセス層内の1つ以上の構造を少なくとも部分的に含む第2の領域を画像上に定義するステップを含む。本方法はさらに、第1の領域および第2の領域を使用して、第1のプロセス層内の1つ以上の構造と第2のプロセス層内の1つ以上の構造との間のオーバーレイオフセットを計算するステップを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行するための1つ以上のプログラムを記憶する。1つ以上のプログラムは、上記の方法を実行するための命令を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、システムは、走査電子顕微鏡(SEM)と、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを記憶するメモリとを含む。1つ以上のプログラムは、上記の方法を実行するための命令を含む。
【0010】
様々な説明される実装形態をより良く理解するために、以下の図面と併せて、以下の詳細な説明を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】第1のプロセス層における第1の構造および第2のプロセス層における複数の第2の構造を示す半導体ダイの一部分のSEM画像の図である。
図1B】いくつかの実施形態による、機械学習を使用して定義され、第1のプロセス層内の第1の構造を境界付ける第1の領域と、機械学習を使用して定義され、第2のプロセス層内の複数の第2の構造を境界付ける第2の領域とを有する、図1AのSEM画像の図である。
図2A】第1のプロセス層内の構造および第2のプロセス層内の構造を示す、半導体ダイの一部分の別のSEM画像の図である。
図2B】いくつかの実施形態による、機械学習を使用して定義された、第1のプロセス層内の構造のうちの1つを境界付ける第1の領域と、機械学習を使用して定義された、第2のプロセス層内の構造を部分的に含む第2の領域とを有する、図2AのSEM画像の図である。
図3A】第1のプロセス層内の構造および第2のプロセス層内の一対の構造を示す、半導体ダイの一部分のさらに別のSEM画像の図である。
図3B】いくつかの実施形態による、機械学習を使用して定義され、第1のプロセス層内の構造を部分的に含む第1の領域と、機械学習を使用して定義され、第2のプロセス層内の構造の対のそれぞれの構造を部分的に含む第2の領域とを有する、図3のSEM画像の図である。
図4A】第1のプロセス層内の複数の構造および第2のプロセス層内の構造を示す、半導体ダイの一部分のさらに別のSEM画像の図である。
図4B】機械学習を用いて定義され、第1のプロセス層内の複数の構造を境界付ける第1の領域と、機械学習を用いて定義され、第2のプロセス層内の構造を境界付ける第2の領域とを有する図4AのSEM画像の図である。
図4C】機械学習を用いて定義され、第1のプロセス層における複数の構造のそれぞれの構造を部分的に含む複数の第1の領域と、機械学習を用いて定義され、第2のプロセス層における構造を部分的に含む複数の第2の領域とを有する図4AのSEM画像の図である。
図5】いくつかの実施形態によるオーバーレイ計測方法を示すフローチャートである。
図6】いくつかの実施形態による半導体検査システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、様々な実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。以下の詳細な説明では、説明される様々な実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が述べられる。しかしながら、当業者には、説明される様々な実施形態がこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが明らかであろう。他の例では、周知の方法、手順、構成要素、回路、およびネットワークは、実施形態の態様を不必要に不明瞭にしないように、詳細には説明されていない。
【0013】
機械学習分類器は、半導体ダイの画像内のそれぞれの構造または構造のグループに対応する領域を定義(画定)するように訓練されてもよい。例えば、画像は、走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。構造および/または構造のグループは、ダイ上の異なるプロセス層で製作される。領域は、構造間のオーバーレイオフセットを計算するために使用される。
【0014】
図1Aは、半導体ダイの一部分の走査電子顕微鏡(SEM)画像100の図である。SEM画像100は、構造102および複数の構造104を含む。構造102および/または複数の構造104は、導電性(例えば、金属)であってもよい。例えば、構造体102及び/又は複数の構造体104は、導電性(例えば、金属)プラグであってもよい。いくつかの実施形態では、構造102は、第1の対の金属層を導電接続するビアであり、構造104は、第2の対の金属層を導電接続するビアであるか、または導電層(例えば、金属層)をシリコンに偶発的に接続するコンタクトである。構造102は、複数の構造104とは異なる半導体ダイのプロセス層内にあり、いくつかの実施形態では、構造102は、第1のビア層内にあり、複数の構造104は、第2のビア層(例えば、第1のビア層の下方)またはコンタクト層内にある。他の例も可能である。
【0015】
図1Bでは、機械学習(例えば、以下の方法500のステップ502に従って訓練され得る機械学習分類器)を使用して、構造102に対応する第1の領域106と、複数の構造104に対応する第2の領域108とを定義している。いくつかの実施形態では、第1の領域106は構造102を囲み、かつ/または第2の領域108は複数の構造104を囲む。したがって、第1の領域106は、全体が構造102を含むように、構造102を取り囲んでもよく、第2の領域108は、全体が複数の構造104を含むように、複数の構造104を取り囲んでもよい。例えば、第1の領域106は、構造102を境界付けるボックス(例えば、矩形ボックス)であってもよく、第2の領域108は、複数の構造104を境界付けるボックス(例えば、矩形ボックス)であってもよい。構造または複数の構造を境界付けるために機械学習を使用して定義されるボックスは、境界ボックスと呼ばれる。第1の領域106および/または第2の領域108は、代替として、ボックス以外の他の形状を有するように定義(画定)されてもよい。
【0016】
第1の領域106および第2の領域108は、構造102と複数の構造104との間のオーバーレイオフセットを計算するために使用され得る。いくつかの実施形態では、第1の領域106と第2の領域108との間の分離(例えば、SEM画像100の平面における2次元で、またはSEM画像100の平面の水平もしくは垂直のいずれかの次元で)は、オーバーレイオフセットを決定するために計算される。例えば、オーバーレイオフセットは、第1の領域106の中心と第2の領域108の中心との間の距離として計算され得る。
【0017】
図2Aは、半導体ダイの一部分の別のSEM画像200の図である。SEM画像200は、第1のプロセス層内の第1の構造201および第2の構造202と、第1のプロセス層の下方にある第2のプロセス層内の第3の構造204とを含む。第1の構造体201は、水平アーム及び垂直アームを有するL字形を有し、第2の構造体202は矩形であり、第3の構造体204は、第1の構造体201の水平アームの下を第1の構造体201の垂直アームと平行に走る線である。第3の構造204は、第2の構造202と第1の構造201の垂直アームとの間で垂直に走るが、第1の構造201及び第2の構造202のプロセス層よりも低いプロセス層にある。いくつかの実施形態では、第1および第2のプロセス層は金属層である。第1の構造201および第2の構造202は、第1の金属層内の金属構造であり、第3の構造204は、第1の金属層の下の第2の金属層内の金属線である。他の例も可能である。
【0018】
図2Bでは、機械学習(例えば、以下の方法500のステップ502に従ってトレーニングすることができる機械学習分類器)が、第2の構造202に対応する第1の領域206と、第3の構造204に対応する第2の領域208とを定義するために使用されている。いくつかの実施形態では、第1の領域206は第2の構造202を囲み、かつ/または第2の領域208は第3の構造204の一部分(すなわち、第3の構造204を部分的に含む)を含む。たとえば、第1の領域206は、第2の構造202を境界付ける境界ボックス(たとえば、長方形の境界ボックス)であり、および/または第2の領域208は、第3の構造204の一部を取り囲むボックス(たとえば、長方形のボックス)である。第1の領域206および/または第2の領域208は、代替として、ボックス以外の他の形状を有するように定義(画定)されてもよい。
【0019】
第1の領域206および第2の領域208は、第2の構造202と第3の構造204との間のオーバーレイオフセットを計算するために使用されてもよく、いくつかの実施形態では、第1の領域206と第2の領域208との間の分離(例えば、SEM画像200の水平方向の寸法である)が、オーバーレイオフセットを決定するために計算される。たとえば、オーバーレイオフセットは、第1の領域206の中心と第2の領域208の中心との間の距離(たとえば、水平距離)として計算され得る。
【0020】
図1Bおよび図2Bは、オーバーレイオフセットが、機械学習を使用して定義される領域間の分離を使用して計算される実施例を示す。代替として、機械学習を使用して定義される領域は、構造のエッジを検出するための開始領域として使用されてもよく、オーバーレイオフセットは、検出されたエッジ間の測定された距離を使用して計算される。
【0021】
図3Aは、半導体ダイの一部分のさらに別のSEM画像300の図である。SEM画像300は、第1のプロセス層内の構造302と、第2のプロセス層内の一対の構造304-1および304-2とを含む。構造302は、丸みを帯びた角を有する線(例えば、金属線)である。構造304-1および304-2は、構造302に接触する導電性プラグ(例えば、金属であってもよい導電性ビアまたはコンタクト)であってもよく、いくつかの実施形態では、構造304-1および304-2は、金属層である第1のプロセス層のすぐ上(またはすぐ下)のビア層内の金属ビアであってもよい。他の例も可能である。構造304-1および304-2は、実質的に円形の形状であるが、(例えば、プロセス変動により)ある程度楕円形であってもよい。
【0022】
図3Bでは、機械学習(例えば、以下の方法500のステップ502に従ってトレーニングすることができる機械学習分類器)を使用して、構造302の一部分に対応しこれを含む(すなわち、構造302を部分的に含む)第1の領域306と、構造304-1の一部分に対応しこれを含む第2の領域308とを定義している(すなわち、構造304-1を部分的に含む)。第1の領域306は、構造302のエッジ307の一部を含む。図3Bの例では、第1の領域306は、エッジ307の一部が構造302のエッジにあるように、構造302のエッジを含む。第2の領域308は、構造304-1のエッジ309の一部を含む。図3Bの例では、第2の領域308は、構造304-1の円周の一部分(すなわち、エッジ309の部分は、構造304-1の円周の部分である)を含む。いくつかの実施形態では、第1の領域306および第2の領域308は、ボックス(例えば、長方形ボックス)である。第1の領域306および/または第2の領域308は、代替として、ボックス以外の他の形状を有するように定義されてもよい。
【0023】
第1の領域306および第2の領域308は、部分307および309を検出するためにエッジ検出を実行するための開始領域として機能することによって、構造302と構造304-1との間のオーバーレイオフセットを計算するために使用され得る。部分307および309が、第1の領域306および第2の領域308内でそれぞれ検出されると、それらの間の距離310が計算される。距離310は、構造302と構造304-1との間のオーバーレイオフセット(例えば、オーバーレイオフセットは、距離310に等しいか、又は距離310に定数を加えたものに等しい)を与える。
【0024】
図4Aは、半導体ダイの一部分の別のSEM画像400の図である。SEM画像400は、第1のプロセス層内の複数の構造402と、第2のプロセス層内の構造404とを含む。構造404は、水平線(例えば、金属線)である。アレイ状に配置された構造体402は、導電性プラグ(例えば、金属であってもよい導電性ビアまたはコンタクトである)であってもよい。いくつかの実施形態では、構造402は、ビア層内のビアまたはコンタクト層内のコンタクトであり得る。他の例も可能である。構造402は、実質的に円形の形状であるが、(例えば、プロセス変動により)ある程度楕円形であってもよい。構造402は、実質的に等間隔であるが、それらの位置は、理想的な等間隔位置からある程度変動し得る(例えば、プロセス変動により)。
【0025】
図4Bでは、機械学習(例えば、以下の方法500のステップ502に従ってトレーニングすることができる機械学習分類器)が、複数の構造402に対応する第1の領域406と、構造404に対応する第2の領域408とを定義するために使用されている。いくつかの実施形態では、第1の領域406は、構造402の全てが第1の領域406(すなわち、第1の領域406は、構造402のすべてを含む)内にあるように、複数の構造402を境界付ける。いくつかの実施形態では、第2の領域408は、構造404の全体が第2の領域408(すなわち、第2の領域408は、構造404を含む)内にあるように、構造404を境界付ける。たとえば、第1の領域406は、複数の構造402を境界付ける境界ボックス(たとえば、長方形の境界ボックス)であり、および/または第2の領域408は、構造404を境界付ける境界ボックス(たとえば、長方形の境界ボックス)である。第1の領域406および/または第2の領域408は、代替として、ボックス以外の他の形状を有するように定義されてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1の領域406と第2の領域408との間の分離(例えば、SEM画像400の平面における2次元で、またはSEM画像400の平面における垂直もしくは水平次元のいずれかで)が、オーバーレイオフセットを決定するために計算される。たとえば、オーバーレイオフセットは、第1の領域406の中心と第2の領域408の中心との間の距離(または距離に定数を加えたもの)として計算され得る。
【0027】
図4Cでは、機械学習(例えば、以下の方法500のステップ502に従ってトレーニングすることができる機械学習分類器)が、複数の構造402(例えば、複数の構造402の下の行におけるそれぞれの構造402)のそれぞれの構造402のそれぞれの部分に対応し、それを含む第1の領域410-1~410-4を定義するために使用されている。機械学習(例えば、機械学習分類器)はまた、構造404のそれぞれの部分に対応し、それを含む第2の領域412-1から412-4を定義するために使用されている。第1の領域410-1から410-4の各々は、それぞれの構造402のエッジの一部分(例えば、構造404に面するエッジ)を含む。第2の領域412-1から412-4のそれぞれは、構造404のエッジ(例えば、構造404の上エッジの一部は、それぞれの構造402を横切る)のそれぞれの部分を含む。いくつかの実施形態では、第1の領域410-1~410-4および第2の領域412-1~412-4は、ボックス(例えば、矩形ボックス)である。第1の領域410-1~410-4及び/又は第2の領域412-1~412-4は、ボックス以外の形状を有するように定義されてもよい。
【0028】
第1の領域410-1~410-4および第2の領域412-1~412-4は、エッジ検出を実行するための開始領域として機能することによって、それぞれの構造402と構造404との間のそれぞれのオーバーレイオフセットを計算するために使用され得る。エッジ検出は、第1の領域410-1~410-4及び第2の領域412-1~412-4におけるエッジ部分を検出するために行われる。これらのエッジ部分が検出されると、それらの間の距離が計算される。第1の領域410-1における構造体402のエッジと第2の領域412-1における構造体404のエッジとの間の第1の距離が計算され、第1の領域410-2における構造体402のエッジと第2の領域412-2における構造体404のエッジとの間の第2の距離が計算される。第1の領域410-3内の構造402のエッジと第2の領域412-3内の構造404のエッジとの間の第3の距離が計算され、第1の領域410-4内の構造402のエッジと第2の領域412-4内の構造404のエッジとの間の第4の距離が計算される(図4Cの例では、4つの第1の領域410および4つの第2の領域412が形成されているが、他の数の領域も可能である)。これらの距離は、距離310(図3B)に類推して計算することができ、それぞれの構造402と構造404との間のそれぞれのオーバーレイオフセット(例えば、オーバーレイオフセットは、それぞれの距離に等しいか、またはそれぞれの距離に定数を加えたものに等しい)を与える。複数の構造402と構造404との間の平均オーバーレイオフセットは、これらの距離の実測値を使用して決定され得る。
【0029】
図5は、いくつかの実施形態によるオーバーレイ計測方法500を示すフローチャートである。方法500は、コンピュータシステム(例えば、図6の半導体検査システム600のコンピュータシステムである)によって実行することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、機械学習分類器は、それぞれの半導体ダイからのダイ部分のそれぞれのインスタンスの画像を使用して訓練される(502)。画像は、第1の領域および第2の領域のインスタンスに関して注釈が付けられる。例えば、画像は、第1の領域および第2の領域のそれぞれのインスタンスを示すために、グラフィカル描画プログラムを使用してユーザによって注釈付けされている。いくつかの実施形態では、機械学習分類器はニューラルネットワークである。例えば、機械学習分類器は、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)(例えば、Mask-R-CNN)である。あるいは、機械学習分類器は、ニューラルネットワーク以外の異なるタイプのニューラルネットワークまたは異なるタイプの機械学習分類器であってもよい。
【0031】
第1のプロセス層における1つ以上の構造および第2のプロセス層における1つ以上の構造を示す半導体ダイの一部分の画像が得られる(504)。いくつかの実施形態では、画像はSEM画像である(506)。画像は、イメージングツール(例えば、図6のSEM632)から直接取得されてもよく、または画像が以前に記憶されたメモリから取得されてもよい。画像の例は、画像100(図1A)、画像200(図2A)、画像300(図3A)、又は画像400(図4A)を含むが、これらに限定されない。
【0032】
機械学習を使用して、第1のプロセス層内の1つ以上の構造を少なくとも部分的に含む第1の領域が画像上に定義される(508)。いくつかの実施形態では、第1の領域は、ステップ502で訓練された機械学習分類器を使用して定義される(510)。第1の領域は、第1のボックス(例えば、矩形ボックス)であってもよい(512)。例えば、第1のボックスは、第1のプロセス層内の1つ以上の構造を境界付ける境界ボックス(例えば、図1Bの領域106;図2Bの領域206;図4Bの領域406)である。あるいは、第1の領域は、第1のプロセス層内の1つ以上の構造のうちの1つである第1の構造のエッジ(すなわち、エッジの部分のみであり、エッジ全体ではない)の一部分を含むことができる。例えば、第1の領域は、第1の構造のエッジの部分を含む第1のボックス(例えば、矩形ボックス)(例えば、図3Bの領域306;図4Cの領域410-1~410-4の1つ)であってもよい。
【0033】
また、機械学習を使用して、第2のプロセス層内の1つ以上の構造を少なくとも部分的に含む第2の領域が画像上に定義される(514)。いくつかの実施形態では、第2の領域は、ステップ502で訓練された機械学習分類器を使用して定義される(516)。第2の領域は、第2のボックス(例えば、矩形ボックス)であってもよい(518)。例えば、第2のボックスは、第2のプロセス層内の1つ以上の構造を境界付ける境界ボックス(例えば、図1Bの領域108;図4Bの領域408)である。あるいは、第2の領域(例えば、図2Bの領域208;図3Bの領域308;図4Cの領域412-1乃至412-4のうちの1つ)は、第2のプロセス層内の1つまたは複数の構造のうちの1つである第2の構造のエッジ(すなわち、エッジの部分のみであり、エッジ全体ではない)の一部を含むことができる。例えば、第2の領域は、第2の構造のエッジの部分を含む第2のボックス(例えば、矩形ボックス)であってもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、ステップ508および514の機械学習は、ニューラルネットワークを使用して実装される。例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)(例えば、Mask-R-CNNである)が使用される。他の実施形態では、異なるタイプの機械学習分類器が、ステップ508および514の機械学習を実施するために使用される。
【0035】
第1の領域および第2の領域を使用して、第1のプロセス層内の1つ以上の構造と第2のプロセス層内の1つ以上の構造との間のオーバーレイオフセットが計算される(520)。
【0036】
いくつかの実施形態では、オーバーレイオフセットを計算するために、第1の領域と第2の領域との間の分離(例えば、図1B図2B、および図4Bについて説明したように)が計算される(522)。例えば、第1の領域の中心と第2の領域の中心との間の距離が計算される(524)。距離は、特定の方向であり得る(たとえば、ベクトル差であり得る)。距離は、画像の平面における2次元であってもよく、又は画像の平面における垂直又は水平の次元であってもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、オーバーレイオフセットを計算するために、第1の領域内の第1の構造のエッジの一部分および第2の領域内の第2の構造のエッジの一部分が検出される(526)。第1の構造は、第1のプロセス層における1つ以上の構造のうちの1つであり、第2の構造は、第2のプロセス層における1つ以上の構造のうちの1つである。これらのエッジ部分は、第1の領域および第2の領域に対してエッジ検出アルゴリズムを適用することによって検出される。したがって、第1の領域および第2の領域は、エッジ検出(すなわち、エッジを探索する範囲である)を実行するためのそれぞれの探索領域として機能し得る。第1の領域内の第1の構造のエッジの部分と第2の領域内の第2の構造のエッジの部分との間の距離(例えば、距離310、図3B)が計算される(528)(例えば、図3Bおよび図4Cについて説明した通りである)。
【0038】
領域を定義するための機械学習の使用を伴う方法500は、従来のオブジェクト認識アルゴリズムを使用する技法よりも、オーバーレイ計測に対するよりロバストなアプローチを提供する。したがって、方法500は、プロセス変動が従来のオブジェクト認識アルゴリズムを使用する技術を失敗させる状況において、オーバーレイ計測が成功裏かつ正確に実行されることを可能にする。
【0039】
オーバーレイオフセットは、プロセス制御を確立または改善するためのプロセス変更を識別するために使用され得る。オーバーレイオフセットはまた、または代替として、ウエハを配置するために使用されてもよく、例えば、ウエハを処理、再加工、またはスクラップし続けるかどうかの決定は、ウエハ上の半導体ダイのためのオーバーレイオフセットに全体的または部分的に基づき得る。
【0040】
図6は、いくつかの実施形態による半導体検査システム600のブロック図である。半導体検査システム600は、オーバーレイ計測(例えば、オーバーレイ計測方法500を実行するための図5)のために使用され得る。半導体検査システム600は、SEM632(または他の撮像ツール)と、1つ以上のプロセッサ602(例えば、CPUおよび/またはGPU)、ユーザインターフェース606、メモリ610、およびこれらの構成要素を相互接続する通信バス604を伴うコンピュータシステムとを含む。いくつかの実施形態では、SEM632は、1つ以上の有線および/または無線ネットワーク630を介してコンピュータシステムに通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、半導体検査システム600は、コンピュータシステム(例えば、1つ以上の有線および/または無線ネットワーク630を介する)と通信可能に結合された複数のSEM632(または他の撮像ツール)を含む。
【0041】
ユーザインターフェース606は、ディスプレイ607および1つ以上の入力デバイス608(例えば、キーボード、マウス、ディスプレイ607のタッチ感知面など。)を含み得る。ディスプレイ607は、機械学習(例えば、図5の方法500で定義される第1及び第2の領域)を使用して定義されたオーバーレイオフセットおよび/または領域を含む結果を表示することができる。
【0042】
メモリ610は、揮発性および/または不揮発性メモリを含む。メモリ610(例えば、メモリ610内の不揮発性メモリである)は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含む。メモリ610は、随意に、プロセッサ602から遠隔に位置する1つ以上の記憶デバイス、および/または半導体検査システム600のコンピュータシステムに取り外し可能に挿入される非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、メモリ610(例えば、メモリ610の持続性コンピュータ可読記憶媒体)は、以下のモジュールおよびデータ、またはそのサブセットもしくはスーパーセットを記憶する。オペレーティングシステム612は、様々な基本システムサービスを処理し、ハードウェア依存タスクを実行するための手順と、オーバーレイオフセットが計算されるべき画像614(例えば、SEM画像)と、機械学習分類器(例えば、図5の方法500のステップ502による)をトレーニングするためのトレーニングモジュール616と、画像614(例えば、図5の方法500のステップ508及び514による)(例えば、トレーニングモジュール616によってトレーニングされた機械学習分類器を使用する)上の領域を定義するための機械学習モジュール620を含む。オーバーレイオフセット(例えば、図5の方法500のステップ520による)を計算するためのオーバーレイ計算モジュール622、および結果を報告するための報告モジュール628(例えば、ディスプレイ607上に結果を表示する)を含む。いくつかの実施形態では、訓練モジュール616は、機械学習分類器を訓練するために使用される注釈付き画像618(例えば、注釈付きSEM画像)を含む。いくつかの実施形態では、トレーニングモジュール616は存在せず、機械学習モジュール620は、異なるコンピュータシステム上でトレーニングされた機械学習分類器を使用する。いくつかの実施形態では、オーバーレイ計算モジュール622は、定義された領域(例えば、図5の方法500のステップ526による)内のエッジを検出するためのエッジ検出モジュール624および/または定義された領域(例えば、図5の方法500のステップ522による)間の分離および/または検出されたエッジ(例えば、図5の方法500のステップ528による)間の距離を計算するための分離計算モジュール626を含み、メモリ610(例えば、メモリ610の非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体)は、方法500(図)の全部または一部を実行するための命令を含み得る。
【0044】
メモリ610に記憶されたモジュールの各々は、本明細書で説明する1つ以上の機能を実行するための命令のセットに対応する。別個のモジュールは、別個のソフトウェアプログラムとして実装される必要はない。モジュールおよびモジュールのさまざまなサブセットは、組み合わされるか、さもなければ再構成されてよく、いくつかの実施形態では、メモリ610は、上で識別されたモジュールおよび/またはデータ構造のサブセットまたはスーパーセットを記憶する。
【0045】
図6は、構造的概略図としてよりも、半導体検査システムに存在し得る様々な特徴の機能的説明として意図されている。例えば、半導体検査システム600におけるコンピュータシステムの機能は、複数のデバイス間で分割されてもよい。メモリ610に記憶されたモジュールの一部は、代替的に、1つ以上のネットワークを介して半導体検査システム600のコンピュータシステムと通信可能に結合された1つ以上の他のコンピュータシステムに記憶され得る。
【0046】
前述の説明は、説明の目的のために、特定の実施形態を参照して説明されている。しかしながら、上記の例示的な説明は、網羅的であること、または特許請求の範囲を開示された厳密な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示を考慮して、多くの修正及び変形が可能である。実施形態は、特許請求の範囲の基礎をなす原理およびそれらの実際の適用を最良に説明し、それによって、他の当業者が、企図される特定の使用に適した様々な修正とともに実施形態を最良に使用することを可能にすべく選択されたものである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
図6