(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】舗装用コンクリートブロックの製造方法
(51)【国際特許分類】
E01C 5/06 20060101AFI20240520BHJP
C04B 18/04 20060101ALI20240520BHJP
C04B 28/02 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
E01C5/06
C04B18/04
C04B28/02
(21)【出願番号】P 2020179121
(22)【出願日】2020-10-26
【審査請求日】2023-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003182
【氏名又は名称】株式会社トクヤマ
(74)【代理人】
【識別番号】110003524
【氏名又は名称】弁理士法人愛宕綜合特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(72)【発明者】
【氏名】新見 龍男
(72)【発明者】
【氏名】加藤 弘義
(72)【発明者】
【氏名】佃 美伸
(72)【発明者】
【氏名】黒田 高章
(72)【発明者】
【氏名】岩本 正人
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-080792(JP,A)
【文献】特開平09-165252(JP,A)
【文献】特開2002-241165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 5/06
C04B 18/04
C04B 28/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント系結合材、細骨材および水を主成分として混錬してセメントモルタルを調製した後、当該セメントモルタルを、表層部となるように型枠に充填して硬化させる工程を含む舗装用
二層構造コンクリートブロックの製造方法において、
牡蠣殻を含む全細骨材100質量部当たり10~40質量部の牡蠣殻を使用し、且つ、全細骨材を、全細骨材とセメント系結合材との合計100質量部当たり70~85質量部使用すること、
牡蠣殻が、牡蠣殻の吸水量より少ない水分量となっている乾燥牡蠣殻であること、
表層部の厚みが、5mm以上であってブロックの全厚み(表層部と基層部との合計厚み)の12%以下であること
を特徴とする前記舗装用
二層構造コンクリートブロックの製造方法。
【請求項2】
牡蠣殻が、目開き5mmのふるいを質量で95%以上通過する粒度の牡蠣殻であることを特徴とする請求項1に記載の舗装用
二層構造コンクリートブロックの製造方法。
【請求項3】
水結合材比が、26%以上40%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の舗装用
二層構造コンクリートブロックの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い摩耗抵抗性および温度抑制性能を示す舗装用コンクリートブロックの製造方法に関する。詳しくは、細骨材の一部に牡蠣殻を使用した舗装用コンクリートブロックの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
舗装用コンクリートブロックは、セメント系結合材、骨材、必要に応じて添加するその他材料から成るコンクリートブロックであり、一般にモルタルから成る表層部とコンクリートから成る基層部の2層で構成されており、各層に、保水性や透水性などの必要な舗装性能に応じた機能を付与することが可能である。
舗装用コンクリートブロックは主にコンクリート二次製品工場で、代表的には次の方法で製造される。所定の材料を混練して調製した基層部コンクリートを型枠に充填して加圧振動して締め固めた後、別途調製した表層部セメントモルタルを基層部コンクリート上に充填し加圧振動して締め固め、次いで即時脱型した後養生して製造される。
インターロッキングブロック舗装とは、舗装用コンクリートブロックを敷き詰めて形成される舗装である。舗装面に荷重が掛かった際は、ブロック間の目地に充填した砂によるブロック相互のかみ合わせ効果により、荷重が分散される構造となっている。このインターロッキングブロック舗装は、従来、歩道や公園内広場で施用されていたが、最近、破損したブロックを短時間で取り換えることが可能なため、補修がし易いということで車道にも施用されるようになってきた。
【0003】
近年、舗装に対する美観や意匠性への関心が高まっている。インターロッキングブロック舗装では、舗装用コンクリートブロックの表層の色調や敷設した際のデザイン性や幾何パターンが重要とされており、機能だけでなく美観との調和が図られている。
一方、近年都市部においてヒートアイランド現象が問題となっており、この現象には、コンクリート建造物に加えて道路や歩道の舗装材料が大きく影響するとされている。舗装材料にアスファルトを使用した場合、その色調に起因して太陽光の日射エネルギーを吸収しやすいため路面の温度が著しく上昇し、ヒートアイランド現象の一因となる。舗装材料にセメント系材料を使用した場合は、色調の影響によりアスファルトよりも温度上昇が抑制されるが、その効果は十分とはいえない。
【0004】
ところで、国内において、牡蠣殻やホタテ貝殻等の貝殻が大量に産業廃棄物として副生しその処分が問題となっている。一部は、飼料や肥料に利用されており、地盤改良材用の建設資材としての有効利用も検討されている。また、路面舗装用材料としても利用されているが、舗装路面の摩耗抵抗性や日射による温度上昇については関心が払われていない(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
舗装用コンクリートブロックを車道に使用した場合、車両が通行する際にタイヤとの接触によって舗装用コンクリートブロックの表層が摩耗して劣化してしまい、美観上および車両の走行安全上問題となっていた。
また、従来の舗装用コンクリートブロックでは、日射による温度上昇は、アスファルト舗装に比べて抑制されるもののその効果は限定的であり、ヒートアイランド現象の対策のためには更なる温度抑制が求められていた。
本発明は、摩耗減量が低減され、しかも日射による表面温度の上昇が抑制可能な舗装用コンクリートブロックの製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行なったところ、舗装用コンクリートブロックの製造において、使用される細骨材の一部に牡蠣殻を特定の範囲量で用いて表層部を形成することにより、摩耗減量および日射による温度上昇を低減できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0008】
即ち本発明によって、セメント系結合材、細骨材および水を主成分として混錬してセメントモルタルを調製した後、当該セメントモルタルを、表層部となるように型枠に充填して硬化させる工程を含む舗装用二層構造コンクリートブロックの製造方法において、
牡蠣殻を含む全細骨材100質量部当たり10~40質量部の牡蠣殻を使用し、且つ、全細骨材を、全細骨材とセメント系結合材との合計100質量部当たり70~85質量部使用すること、牡蠣殻が、牡蠣殻の吸水量より少ない水分量となっている乾燥牡蠣殻であること、表層部の厚みが、5mm以上であってブロックの全厚み(表層部と基層部との合計厚み)の12%以下であることを特徴とする前記舗装用二層構造コンクリートブロックの製造方法が提供される。
【0009】
上記舗装用二層構造コンクリートブロックの製造方法において、
1)牡蠣殻が、目開き5mmのふるいを質量で95%以上通過する粒度の牡蠣殻であること
2)水結合材比が、26%以上40%以下であること
が好適である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の製造方法によって得られる舗装用コンクリートブロックは、摩耗による減量の低減性、即ち摩擦抵抗性に優れ、しかも日射による温度の上昇を抑制する効果に優れるブロックである。
従って、歩道、公園内広場、駐車場、ポーチ等のインターロッキングブロック舗装に広く使用することができる。特に、摩擦抵抗性を生かして、車道のインターロッキングブロック舗装に好適に使用できる。
更に、大量に副生する牡蠣殻の有効利用の一助となり、産業廃棄物処理の観点から社会的に有意義である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明において、舗装用コンクリートブロックの表層部形成に用いられるセメントモルタル(以下、表層部セメントモルタルともいう)は、結合主成分としてセメント結合材を使用する。セメント系結合材とは、一般にセメントと称される結合材料である。
当該セメントは単独で使用してもよいが、強度や耐久性など所定の性能を得る目的で無機粉体系混合材を適宜併用してもよい。
【0012】
セメントとしては、JIS規格で規定されている公知のセメントおよびその他の特殊なセメントが挙げられる。
具体的には、JIS R 5210「ポルトランドセメント」、JIS R 5211「高炉セメント」、JIS R 5212「シリカセメント」、JIS R 5213「フライアッシュセメント」或いはJIS R 5214「エコセメント」等のJIS規格で規定されているセメント、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント或いは低発熱セメント等の特殊セメントが該当する。
【0013】
無機粉体系混合材としては、舗装用コンクリートブロックのフレッシュ性状、凝結時間、強度発現性、耐久性等の物性向上に寄与する目的で使用される公知の無機粉体系混合材が挙げられる。
具体的にはJIS R 5210「ポルトランドセメント」の少量混合成分に規定される無機粉末、JIS A 6201「コンクリート用フライアッシュ」、JIS A 6207「コンクリート用シリカフューム」、または石灰石微粉末等である。
当該無機粉体系混和材は、通常、目開き150μmのふるいを質量で95%以上通過する粒度の粉体が使用される。
【0014】
本発明において、舗装用コンクリートブロックの製造に使用する表層部セメントモルタルには細骨材が使用される。本発明の最大の特徴は、当該細骨材の一部として牡蠣殻を用いることにある。牡蠣殻を特定の範囲量で使用することにより、製造された舗装用コンクリートブロックの摩耗減量および日射による温度上昇を抑制することができる。
従って、本発明において、牡蠣殻は細骨材の一部をなす成分であり、牡蠣殻と他の細骨材とを合わせて全細骨材という。
【0015】
本発明において、牡蠣殻を利用する牡蠣の種類は特に限定されず、食用としての利用の有無に係わらず公知の牡蠣、具体的には、ベッコウガキ科、イタボガキ科に属する牡蠣等が挙げられる。
【0016】
本発明で使用される牡蠣殻は、身の部分が取り除かれた後に乾燥・洗浄・粉砕され、異物を取り除いたものである。
当該牡蠣殻は、セメント系結合材や他の細骨材と混練して表層部セメントモルタルとした際の分散性や型枠に充填する際の充填性を向上させて、最終製品の舗装用コンクリートブロックが均質性に優れたものとするため、目開き5mmのふるいを質量で95%以上通過する粒度の牡蠣殻であることが好適である。
当該牡蠣殻は、大気中で十分に乾燥されて表乾状態よりも少ない水分量、すなわち牡蠣殻の吸水量より少ない水分量となっていることが望ましい。牡蠣殻内部の空隙に水が全て充填され、余分な水分が表面に残存している場合、調製された表層部セメントモルタル中の水分量が計画使用量より増加して水結合材比が増大する。この結果、強度が低下し摩耗減量が増加する恐れがある。
【0017】
本発明において使用される牡蠣殻の量は、牡蠣殻を含む全細骨材の合計100質量部当たり10~40質量部であることが必須である。更に、牡蠣殻を含む全細骨材は、全細骨材とセメント系結合材との合計100質量部当たり70~85質量部で使用されることが必要である。
牡蠣殻の使用量が全細骨材中100質量部当たり10質量部に満たないと、摩耗減量および日射による温度上昇抑制の効果が十分に得られない。40質量部を超えて多い場合は、日射による温度上昇抑制性能は得られるものの摩耗減量の抑制効果が生じない。これらの効果を考慮すると、牡蠣殻の使用量は、全細骨材100質量部当たり15~35質量部であることが好ましい。
牡蠣殻を含む全細骨材とセメント系結合材との合計100質量部当たりの全細骨材の使用量が70質量部に満たないと、舗装用コンクリートブロックの表層部中におけるセメント系結合材分が多くなり摩耗減量が大きくなる。85質量部を超えると、セメント系結合材分が少なくなり細骨材同士の結合力が低下するため、細骨材の剥落が多くなり舗装用コンクリートブロックの美観が低下する。
【0018】
表層部セメントモルタルを調製するに際して使用される、牡蠣殻以外の細骨材としては、一般的なセメント系硬化体、即ちモルタルやコンクリートの製造に際して使用される公知の細骨材が制限なく使用される。
例えば、川砂、海砂、陸砂、砕砂、陶石、軽量骨材や保水材、高炉水砕スラグや高炉徐冷スラグなどのスラグ材、粒度調整砕石、舗装材料や建材等に使用される種石等が挙げられる。これらの細骨材は、単体で或いは二種以上の混合物で使用してもよい。
これらの細骨材は、目開き5mmのふるいを質量で85%以上通過する粒度のものが好適である。
【0019】
表層部セメントモルタルの調製に使用する水は、モルタルやコンクリートの調製用として一般に使用される水が特に制限なく使用できる。具体的には、工水、水道水等である。
水結合材比(水とセメント系結合材との質量比率)は、得られる舗装用コンクリートブロックの表層部が、舗装材料として必要な強度を発現するために、26%以上40%以下であることが好ましい。
【0020】
表層部セメントモルタルの調製においては、上記したセメント系結合材、牡蠣殻、細骨材、及び水のほかに、本発明の効果を阻害しない範囲で、モルタルやコンクリートの調製に際して使用される公知の混和剤や添加剤を使用してもよい。
具体的には、空気量調整剤や凝結促進剤等の混和剤、白華防止剤や防水剤等の添加剤が挙げられる。
【0021】
本発明において、セメント系結合材、牡蠣殻、細骨材、水、及び必要に応じて使用される材料を混錬して表層部セメントモルタルを調製し、次いで当該セメントモルタルを、表層部を形成するように型枠に充填した後硬化させて舗装用コンクリートブロックを製造する。その製造方法は、生コンクリート工場やコンクリート二次製品工場において使用されている従来の方法が特に制限なく採用できる。
【0022】
上記各材料の混錬方法は特に制限はなく、例えば、全材料を一括して混錬装置内に投入して混錬しても良く、或いは、セメント系結合材、牡蠣殻、細骨材及び任意の粉成分を先に混錬装置内に投入して空練りした後、水その他の液状成分を追加して混錬しても良い。
【0023】
上記各材料を混錬する際に使用する混錬装置としては、一般的にモルタルやコンクリートを混錬するミキサーが使用できる。具体的には、パン型ミキサー、強制二軸ミキサー、傾動ミキサー、モルタルミキサー、ハンドミキサー等が挙げられる。
【0024】
一般的に、舗装用コンクリートブロックは、表層部と、強度、保水性、透水性等を付与する基層部との二層構造となっている。ここで、本願発明は前記表層部セメントモルタルに関する。以下に、その製造方法を本発明に則って具体的に説明する。
別途、基層部コンクリートを調製しておく。所定形状の型枠に当該基層部コンクリートを充填し振動等の締め固めをした後、その上に前記表層部セメントモルタルを充填し、同様に振動等の締め固めをした後に即時脱型する。脱型後は、本発明の特性を十分に発現させるために養生する。また、一般的な生コンクリートと同様に締固めした後型枠内で静置し、硬化後に脱型して養生することも可能である。
なお、基層部コンクリートと表層部セメントモルタルの充填順序を逆にする以外は同様にして、下部に表層部を上部に基層部を形成して二重構造の舗装用コンクリートブロックとすることもできる。
【0025】
養生方法は、生コンクリート工場やコンクリート二次製品工場における従来の養生方法が特に制限なく採用できる。具体的には、湿潤養生、水中養生、蒸気養生、オートクレープ養生、気中養生等が挙げられる。
【0026】
本発明の舗装用コンクリートブロックは、摩耗抵抗性および温度上昇の抑制性能を十分に発現させるために、通常、硬化後の表層部の厚みが5mm以上なるように表層部セメントモルタルを調整して充填することが好ましい。上限は特に制限されないが、舗装用コンクリートブロックの厚みの12%以下となることが好ましい。その厚みにもよるが、例えば厚みが6cmの場合は通常7.2mm以下、好ましくは7mm以下に、厚みが8cmの場合は通常9.6mm以下、好ましくは9mm以下になるように表層部セメントモルタルを調整して充填する。
【0027】
基層部を形成する基層部コンクリートは、公知の一般的なコンクリートを使用することができ、例えば、前出のセメント系結合材および細骨材、平均粒子径が5mm以上の川砂利や岩石砕石などの粗骨材、その他保水剤や白華防止剤等を水と混錬して調製される。
【実施例】
【0028】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。また、実施例の中で説明されている特徴の組み合わせすべてが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
以下の実施例及び比較例で用いた試験方法は、次の通りである。
【0029】
[摩耗試験]JIS K 7204プラスチック-摩耗輪による摩耗試験方法に準拠:
養生終了後の舗装用コンクリートブロックを用いて、テーバー摩耗試験機により摩耗試験を実施した。なお、本摩耗試験では、製造したブロックの表層部から100×100×5mmの大きさの試験サンプルを切り出して測定に供した。摩耗試験は、硬度H-22の摩耗輪を用い、500gの荷重を付加した。摩耗輪の回転速度は60rpmとし、500回転後の質量を測定した。摩耗試験前後の質量の減少量を摩耗減量とした。
【0030】
[日射表面温度測定]
2020年7月30日および8月19日の11時に舗装用コンクリートブロックを屋外に静置した。12時に散水し、13時に赤外線サーモカメラにより表面温度を測定した。なお、測定時の外気温は2020年7月30日において34.4℃、8月19日において33.2℃であった。
【0031】
実施例1、2
ホワイトセメント(太平洋セメント社製)、細骨材(3号珪砂)、牡蠣殻(粒径5mm以下)、白華防止剤(富士ファインケミカル社製、ケミボール)および水を表1に示す配合で、パン型コンクリートミキサーに一括投入した後、20℃環境において混練して表層部セメントモルタルを調製した。別途、普通ポルトランドセメント425質量部、細骨材(砕砂)1200質量部、粗骨材(砕石)765質量部、および水120質量部を、パン型コンクリートミキサーを用いて混錬して基層部コンクリートを調製した。
次いで、100×200×60mmの鋼製型枠に基層部コンクリートを充填し加圧振動した後、その上に前記表層部セメントモルタルを充填し、加圧振動直後に脱型した。脱型後は、温度20℃、湿度60%の環境において14日間養生した。養生終了後の舗装用コンクリートブロック(表層部厚み6mm)を用いて、上記試験方法に従って摩耗試験と日射による表面温度の測定を行った。結果を表2に示す。
なお、実施例1は牡蠣殻を含む全細骨材100質量部当たり牡蠣殻を20質量部使用した例、実施例2は牡蠣殻を含む全細骨材100質量部当たり牡蠣殻を30質量部使用した例である。
【0032】
比較例1,2
比較例1は、細骨材の一部として牡蠣殻を使用しなかった例、比較例2は全細骨材100質量部当たり牡蠣殻を50質量部使用した例であり、表1に示す配合で実施例と同様にして舗装用コンクリートブロックを製造し、上記試験方法に従って摩耗試験と日射による表面温度の測定を行った。結果を表2に示す。
【0033】
参考例
補修用アスファルト材(前田道路社製、製品名:マイルドパッチ)を100×200×50mmの型枠に充填・締固めてアスファルトブロックを製造した。このアスファルトブロックを用いて、日射による表面温度の測定を行った。結果を併せて表2に示す。
【0034】
【0035】
【0036】
牡蠣殻を使用しない比較例1では、摩耗減量は1.19gであった。また、表面温度は、7月30日において51.5℃、8月19日において53.4℃であり、参考例のアスファルトブロックと比較した場合、温度は4~10℃程度低かった。
実施例1では、摩耗減量が0.70gであり、牡蠣殻を使用しない場合より摩耗抵抗性が高いことがわかる。また、表面温度は、7月30日において43.2℃、8月19日において35.2℃であり、牡蠣殻を使用しない場合に比べて温度抑制性能が顕著に高いことがわかる。
実施例2では、摩耗減量が0.93gであり、牡蠣殻を使用しない場合より摩耗抵抗性が高いことがわかる。また、表面温度は、7月30日において47.2℃、8月19日において34.0℃であり、牡蠣殻を使用しない場合に比べて温度抑制性能が顕著に高いことがわかる。
牡蠣殻を過剰に使用した比較例2では、表面温度は、7月30日において42.2℃、8月19日において34.3℃であり、牡蠣殻を使用しない場合より温度上昇抑制性能は高い。しかしながら、摩耗減量が1.24gであり、摩耗抵抗性は牡蠣殻を使用しない場合に比べて若干劣るが、適量の牡蠣殻を使用した両実施例に比べて顕著に劣ることがわかる。