(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】アニーリングの小環境を有する処理チャンバ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/324 20060101AFI20240520BHJP
【FI】
H01L21/324 G
H01L21/324 R
H01L21/324 Q
H01L21/324 K
H01L21/324 S
(21)【出願番号】P 2021522520
(86)(22)【出願日】2019-10-28
(86)【国際出願番号】 US2019058275
(87)【国際公開番号】W WO2020092198
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-10-13
(32)【優先日】2018-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ホナン, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ブラニク, デーヴィット
(72)【発明者】
【氏名】ヴォパト, ロバート ブレント
(72)【発明者】
【氏名】ブラニク, ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】カールソン, チャールズ
【審査官】桑原 清
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0348240(US,A1)
【文献】特表2015-530477(JP,A)
【文献】特開2013-038128(JP,A)
【文献】特開2001-007038(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/324
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側内部領域と下側内部領域とを画定する上部、側壁、及び底部を有する、チャンバ本体と、
前記下側内部領域内の、前記チャンバ本体の前記底部にあるヒータアセンブリであって、プロセス領域を画定する底部、側壁、及び上部を備え
、前記ヒータアセンブリの前記側壁が、前記プロセス領域と前記チャンバ本体の前記上側内部領域との間の流体連通を提供するための二重壁の迷路性出口流路を有する、ヒータアセンブリと、
前記ヒータアセンブリの内部のウエハカセットアセンブリと、
前記ヒータアセンブリの内部の前記下側内部領域から前記上側内部領域へと前記ウエハカセットアセンブリを動かすよう構成された、モータと、
前記チャンバ本体の前記底部及び前記ヒータアセンブリの前記底部に蒸気注入ポートであって、前記蒸気注入ポートが、前記ヒータアセンブリの前記プロセス領域内への流体経路を提供する、蒸気注入ポートと、
を備える、処理チャンバ。
【請求項2】
前記ヒータアセンブリが、前記ヒータアセンブリの前記底部に隣接した加熱素子を更に備える、請求項1に記載の処理チャンバ。
【請求項3】
前記ヒータアセンブリの前記底部に隣接した1を上回る数の加熱素子がある、請求項
2に記載の処理チャンバ。
【請求項4】
前記
ヒータアセンブリが、前記側壁に沿った加熱素子を更に備える、請求項1に記載の処理チャンバ。
【請求項5】
前記加熱素子が、前記
ヒータアセンブリの内部空間の中に配置される、請求項
4に記載の処理チャンバ。
【請求項6】
前記プロセス領域の中に、前記ヒータアセンブリの前記側壁に隣接した少なくとも2つの加熱素子がある、請求項
5に記載の処理チャンバ。
【請求項7】
前記加熱素子が、前記
ヒータアセンブリの前記内部空間内の、前記側壁に隣接したセラミックのワイヤガイド上に位置付けられる、請求項
5に記載の処理チャンバ。
【請求項8】
前記
ヒータアセンブリの前記上部が石英ディスクを含む、請求項1に記載の処理チャンバ。
【請求項9】
前記ウエハカセット
アセンブリが、処理中にウエハを支持するよう位置付けられた複数のウエハ支持体を備え、前記ウエハ支持体の各々は、前記ウエハ支持体の高さに沿って離間した複数のウエハ支持要素を備える、請求項1に記載の処理チャンバ。
【請求項10】
前記ウエハカセット
アセンブリにウエハをローディングし、前記ウエハカセット
アセンブリからウエハをアンローディングするために、前記チャンバ本体の前記側壁が、前記上側内部領域内にスリットバルブを備える、請求項1に記載の処理チャンバ。
【請求項11】
温度と圧力のうちの一又は複数を測定するために、前記上側内部領域内に少なくとも1つのセンサを更に備える、請求項1に記載の処理チャンバ。
【請求項12】
前記ヒータアセンブリ、前記ウエハカセット
アセンブリ、前記モータ、前記上側内部領域内の前記チャンバ
本体の前記側壁の開口、又は温度と圧力のうちの一又は複数を測定するための前記上側内部領域内の一又は複数のセンサ、のうちの一又は複数に接続されたコントローラを更に備える、請求項1に記載の処理チャンバ。
【請求項13】
複数のウエハをアニーリングする方法であって、
チャンバ本体の下側内部部分の中のヒータアセンブリ内に、複数のウエハを位置付けることであって、前記ヒータアセンブリが、前記ヒータアセンブリの内部空間と前記チャンバ本体の上側内部部分との間の流体連通を提供するための二重壁の迷路性出口流路を有する側壁を備える、複数のウエハを位置付けることと、
前記複数のウエハを加熱することと、
蒸気を前記ヒータアセンブリに流入させることによって、所定の圧力まで前記チャンバ本体を加圧することであって、前記蒸気は、前記ヒータアセンブリを出て、前記ヒータアセンブリの前記二重壁の迷路性出口流路を通り、前記チャンバ本体の前記上側内部部分に入る、前記チャンバ本体を加圧することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は概して、ウエハを処理するための装置及び方法に関する。詳細には、本開示は、高温かつ高圧で複数のウエハをアニーリングするための小環境(mini-environment)を有する処理チャンバに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]アニーリングチャンバは、典型的には、チャンバの内部空間を、周囲環境から、又は(例えばクラスタツール内で使用される場合には)他の処理温度から分離するために、密封を使用する。従来型のアニーリングチャンバは、500℃を上回る温度では、密封の不具合のために動作不能となる。加えて、高圧アニーリング(例えば~70バール)は高温処理と両立しない。圧力と温度とのこの組み合わせにより、密封構成要素の不具合が引き起こされるからである。例えば、蒸気アニーリングに有用な極端な温度及び圧力に適した温度ゲージ、圧力ゲージ、バーストディスク、及び動的密封のための構成要素は、入手可能ではない。
【0003】
[0003]したがって、高温かつ高圧で基板をアニーリングする装置及び方法が、当該技術分野において必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本開示の一又は複数の実施形態は、上側内部領域と下側内部領域とを画定する上部、側壁、及び底部を有するチャンバ本体を備える、処理チャンバを対象としている。下側内部領域内のチャンバ本体の底部には、ヒータアセンブリがある。このヒータアセンブリは、プロセス領域を画定する底部、側壁、及び上部を備える。ヒータアセンブリの内部には、ウエハカセットアセンブリがある。モータは、ヒータアセンブリの内部の下側内部領域から上側内部領域へと、ウエハカセットアセンブリを動かすよう構成される。
【0005】
[0005]本開示の追加的な実施形態は、上側内部領域と下側内部領域とを画定する上部、側壁、及び底部を有するチャンバ本体を備える、処理チャンバを対象としている。側壁は、チャンバ本体の上側内部領域を分離するか、又は側壁を通って上側内部領域へのアクセスを可能にするよう動作可能な、スリットバルブを有する。下側内部領域内のチャンバ本体の底部には、ヒータアセンブリがある。このヒータアセンブリは、ヒータアセンブリの中にプロセス領域を画定する底部、側壁、及び上部を備える。ヒータアセンブリの側壁は、ヒータアセンブリの内部空間の中のプロセス領域とチャンバ本体の上側内部領域との間の流体連通を提供するための、二重壁の迷路性出口流路を備える。少なくとも1つのフロア加熱素子が、ヒータアセンブリの底部に隣接して配置される。ヒータアセンブリの側壁に隣接して、少なくとも1つの側壁加熱素子がある。側壁加熱素子は側壁の周縁に沿って延在する。ヒータアセンブリの内部にはウエハカセットアセンブリがある。このウエハカセットアセンブリは、処理中にウエハを支持するよう位置付けられた複数のウエハ支持体を備える。ウエハ支持体の各々は、ウエハ支持体の高さに沿って離間した複数のウエハ支持要素を備える。モータは、ヒータアセンブリの内部空間から上側内部領域へと、ウエハカセットアセンブリを動かすよう構成される。チャンバ本体の底部及びヒータアセンブリの底部には、蒸気注入ポートがある。この蒸気注入ポートは、ヒータアセンブリのプロセス領域内への流体経路を提供する。コントローラが、ヒータアセンブリ、ウエハカセット、モータ、上側内部領域内のチャンバ側壁のスリットバルブ、又は上側内部領域内の一又は複数のセンサ、のうちの一又は複数に接続され、一又は複数のセンサは、温度と圧力のうちの一又は複数を測定するよう構成されている。
【0006】
[0006]本開示の更なる実施形態は、複数のウエハをアニーリングする方法を対象としている。複数のウエハが、チャンバ本体の下側内部部分の中のヒータアセンブリ内に位置付けられる。ヒータアセンブリは、ヒータアセンブリの内部空間とチャンバ本体の上側内部部分との間の流体連通を提供するための二重壁の迷路性出口流路を有する、側壁を備える。複数のウエハは加熱される。ヒータアセンブリに蒸気を流入させることによって、チャンバ本体は所定の圧力まで加圧され、蒸気は、ヒータアセンブリを出て、ヒータアセンブリの二重壁の迷路性出口流路を通り、チャンバ本体の上側内部部分に入る。
【0007】
[0007]上述した本開示の特徴を詳細に理解しうるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照することによって得られ、一部の実施形態は付随する図面に示されている。しかし、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうるので、付随する図面はこの開示の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なすべきではないことに、留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】[0008]本書に記載の実施形態による、小環境を有する処理チャンバの概略図を示す。
【
図2】[0009]一又は複数の実施形態による、処理チャンバの小環境と共に使用されるヒータアセンブリの概略断面図を示す。
【
図3】[0010]一又は複数の実施形態による、ウエハカセットの一部分を示す。
【
図4】[0011]
図2のヒータアセンブリの「IV」部分を示す。
【
図5A】[0012]一又は複数の実施形態による、小環境を有する使用中の処理チャンバの概略断面図を示す。
【
図5B】一又は複数の実施形態による、小環境を有する使用中の処理チャンバの概略断面図を示す。
【
図5C】一又は複数の実施形態による、小環境を有する使用中の処理チャンバの概略断面図を示す。
【
図5D】一又は複数の実施形態による、小環境を有する使用中の処理チャンバの概略断面図を示す。
【
図5E】一又は複数の実施形態による、小環境を有する使用中の処理チャンバの概略断面図を示す。
【
図5F】又は複数の実施形態による、小環境を有する使用中の処理チャンバの概略断面図を示す。
【
図5G】一又は複数の実施形態による、小環境を有する使用中の処理チャンバの概略断面図を示す。
【
図5H】一又は複数の実施形態による、小環境を有する使用中の処理チャンバの概略断面図を示す。
【
図6】[0013]本開示の一又は複数の実施形態による、小環境を有する使用中の処理チャンバの概略断面図を示しており、ガスの流路を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0014]本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示が以下の説明で明示される構造又は処理ステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態も可能なものであり、様々なやり方で実践又は実行されることが可能である。
【0010】
[0015]本書で使用される場合、「基板(substrate)」とは、製造プロセス中に膜処理が実施される任意の基板又は基板上に形成された材料面のことを指す。例えば、処理が実施されうる基板表面は、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、歪みシリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイアといった材料、並びに、金属、金属窒化物、金属合金、及びその他の導電性材料といった、他の任意の材料を含む。基板は半導体ウエハを含むが、それに限定されるわけではない。基板表面を研磨し、エッチングし、還元し、酸化させ、ヒドロキシル化し、アニーリングし、かつ/又はベイクするために、基板は前処理プロセスに曝露されることがある。本開示では、基板自体の表面に直接的に膜処理を行うことに加えて、開示されている膜処理ステップのうちの任意のものが、より詳細に後述するように、基板上に形成された下部層に実施されることもある。「基板表面(substrate surface)」という語は、文脈から分かるように、かかる下部層を含むことを意図している。ゆえに、例えば、膜/層又は部分的な膜/層が基板表面上に堆積されている場合、新たに堆積された膜/層の露出面が基板表面となる。
【0011】
[0016]「前駆体(precursor)」、「反応体(reactant)」、「反応性ガス(reactive gas)」などの語は、この明細書及び付随する特許請求の範囲で使用される場合、基板表面と、又は基板表面上に形成された膜と反応しうる任意のガス種を指すために、交換可能に使用される。
【0012】
[0017]本開示の実施形態は、例えば蒸気アニーリングといったプロセスのための、小環境を有する処理チャンバを提供する。この小環境は、ウエハを処理するために使用される高温ゾーンを、より低い温度から分離する。小環境は、熱を内部に集中させて、熱漏洩を最小化すると共に、高温におけるウエハ間均一性及びウエハ内均一性を提供するよう設計される。
【0013】
[0018]一部の実施形態によると、高温で高圧の動作環境により、ウエハ環境は、チャンバのそれ以外の部分から分離されうる。この分離が、バルク環境における動作温度を低下させることを可能にすることで、チャンバ構成要素のより広範な選択が可能になる。温度/圧力を測定するための構成要素、及びシステムを密封するための構成要素は、500℃を上回る温度では動作不能となる。本開示の実施形態の一部は、動作環境がウエハ環境から分離されている分離システムを、有利に提供する。
【0014】
[0019]従来型のシステムは、かかる高温(550℃を上回る温度)及び高圧(50バールを上回る圧力)では動作不能となる。本開示の一又は複数の実施形態は、チャンバ及び方法であって、圧力ゲージ、温度ゲージ、バーストディスク、及び動的密封などための構成要素が高温高圧のもとで動作する、チャンバ及び方法を提供する。開示しているシステム及び方法により、既存の構成要素を、小チャンバ環境の外部のより妥当な動作環境において使用することが可能になる。
【0015】
[0020]一部の実施形態の蒸気の小チャンバ環境は、蒸気の自然な分離特性を活用する分離システムである。一部の実施形態では、蒸気の小チャンバ環境により対流が減少する。一部の実施形態では、蒸気の小チャンバ環境により、エネルギーがウエハ環境内に集中する。一部の実施形態では、熱ゾーンの熱分離によって、高温ゾーンの外部ではより低い温度が維持されることにより、構成要素及び材料のより広範な選択が可能になる。一部の実施形態の小環境により、従来型のチャンバの基本構造の一部を維持しつつ、代替的な材料を使用することが可能になる。
【0016】
[0021]図を参照するに、一部の実施形態の小環境は、高圧チャンバ内の熱的に分離された空間である。この小環境は、ウエハ交換機構を最低位置まで下降させることによって作り出される。リフトアセンブリは、いくつかの機能及び構成要素を有する。このアセンブリの上部には、トップハットカバーを有するウエハカセットが接続される。ロボットブレードと連動したリフトアセンブリの垂直運動により、大気中でウエハを交換する手段がもたらされる。リフトアセンブリの底部には、密封パックが配置される。リフトは、チャンバを密封するために、最低位置まで下降することになる。一部の実施形態では、下側チャンバは、正圧に加圧された密封パックで密封される。一部の実施形態では、リフトが最低位置にある時に、トップハットが小環境を密封する。この位置では、ウエハは小環境の中にあり、トップハットが環境の上部を密封し、パックは下方の棚状部(ledge)に置かれてチャンバを密封する。これにより、主要チャンバがパック密封で密封されると共に、密封された内部小環境が作り出される。
【0017】
[0022]一部の実施形態では、小環境の構造により、バルクチャンバからのウエハ環境の熱分離が最適化される。一又は複数の実施形態では、蒸気の断熱特性が、対流を制限し、かつ環境を分離し、段階分けする(stage)ための二重壁を作り出すために使用される。一部の実施形態では、2つの熱環境間に蒸気の流れと損失とを制限する曲がりくねった経路を作り出すことによって漏洩を最小化するために、迷路性流路が作り出される。
【0018】
[0023]一又は複数の実施形態では、環境の下側区域は、バルクチャンバのフロアから上昇し、断熱のための多段階の石英バリアで分離される。一部の実施形態では、石英のフロアが、ヒータ電力、熱電対、及び蒸気注入のための主要フィードスルーとなる。一又は複数の実施形態では、自然に電気絶縁する石英が、チャンバの内部環境に至るヒータ送電線の経路を提供する。これらの電線は、石英ハンガから懸架された内部ヒータであって、積み重なったウエハの周囲に巻かれたコイル状の内部ヒータに、電力供給する。一部の実施形態の電線は、代替的な材料及びゲージを使用して、特定の熱要件を満たすよう構成される。フロアを通過する損失を制限し、追加的な熱入力を提供するために、追加的なコイルがチャンバの底部に位置付けられる。蒸気注入部は、石英のフロアを通って直接小環境の内部に至るように設孔される(ported)。プレナム(第2の石英フロア)の下で終端するポートが、材料の貫通孔を通って小環境内に至る蒸気の拡散流を提供する。この蒸気注入ポートはトリプルボイラーの第3段階に直接接続され、これにより、乾式蒸気注入が確実になる。ウエハ環境を探測し、ウエハ環境についての能動的熱フィードバックを提供するために、熱的結合は、送電線のフィードスルーと同様に、下側の石英区域から小環境内へとルーティングされうる。
【0019】
[0024]一部の実施形態の小環境は、可変要件に基づいて未来の構成に合わせて最適化される。一部の実施形態では、バルクチャンバの空間は、ヒータを環境の外部に置き換え、壁材料をIR透過材料に置換することを可能にするよう、サイズ設定される。小環境内への直接的な蒸気注入は、連続的に供給されて、小環境の両壁間に若干の圧力差を維持しうる。この構成は、内部圧力の管理及び制御の複雑性が増大しているコンタミネーションパフォーマンス(contamination performance)を最適化するために活用されうる。設計は、プロセスの必要性に基づいて、いずれかの構成をサポートすることに特化される。
【0020】
[0025]
図1から
図3を参照するに、本開示の一又は複数の実施形態は、処理チャンバ100を対象としている。チャンバ100は、上部104、側壁106、及び底部108を有するチャンバ本体102を含む。チャンバ本体102は、上側内部領域110及び下側内部領域120を画定する。
【0021】
[0026]チャンバ本体102の側壁106は、基板がチャンバ100にローディング(搬入)されること、又はチャンバ100からアンローディング(搬出)されることを可能にするための、スリットバルブ107を備える。一部の実施形態では、スリットバルブ107は、ウエハをウエハカセットにローディングし、ウエハカセットからアンローディングするために、チャンバ本体102の上側内部領域110内に配置される。
図1は、開いているスリットバルブ107に隣接して位置付けられたロボット133上のウエハ131を示している。この図はドアのないスリットバルブ107を示しているが、一部の実施形態のスリットバルブ107は、上側内部領域110を処理チャンバ本体102の外部の条件から分離させるために、開閉可能なドアを有することが、当業者には認識されよう(スリットバルブ107を閉ざしているドア109を
図5Hに示している)。
【0022】
[0027]一部の実施形態では、処理チャンバ100は、少なくとも1つのセンサ130を含む。一部の実施形態の少なくとも1つのセンサ130は、上側内部領域110の中に配置される。一部の実施形態では、少なくとも1つのセンサ130は、下側内部領域120の中に配置される。一部の実施形態では、少なくとも1つのセンサ130は、上側内部領域110内の温度と圧力のうちの一又は複数を測定するために、上側内部領域110の中にある。一部の実施形態では、少なくとも1つのセンサは、下側内部領域120内の温度と圧力のうちの一又は複数を測定するために、下側内部領域120の中にある。
【0023】
[0028]ヒータアセンブリ200は、処理チャンバ100の下側内部領域110内の、チャンバ本体102の底部108にある。ヒータアセンブリ200は、プロセス領域205を画定する、底部202、側壁204、及び上部206を備える。一部の実施形態では、ウエハカセット300が、ヒータアセンブリ200の内部に位置付けられる。
【0024】
[0029]一部の実施形態では、モータ140は、より詳細に後述するように、ウエハカセット300を、ヒータアセンブリ200の内部の下側内部領域120から上側内部領域110へと動かすよう構成される。一部の実施形態のモータ140は、リフトコネクタ142を通じて、ウエハカセット300又はヒータアセンブリ200に連結される。一部の実施形態では、モータ140は、処理チャンバ本体102の底部108に対して垂直な軸に沿って動く141よう構成される。
【0025】
[0030]一部の実施形態では、ヒータアセンブリ200は、ヒータアセンブリ200の底部202に隣接した加熱素子210を更に備える。ヒータアセンブリ200は、ウエハカセット300とプロセス領域205を、かつ、ウエハカセット300内にローディングされたウエハ131があればそれを、加熱するよう位置付けられる。
【0026】
[0031]一部の実施形態では、ヒータアセンブリ200の底部202に隣接した、1つの加熱素子210がある。一部の実施形態では、ヒータアセンブリ200の底部202に隣接した、1を上回る数の加熱素子210がある。
図2に示しているように、2つの径方向ゾーン加熱素子210a、210bがある。ヒータアセンブリ200の底部202に隣接した加熱素子210a、210bは、ヒータアセンブリ200の中心軸201から異なる距離だけ離間した、複数の径方向ゾーンに分けられている。
【0027】
[0032]一部の実施形態では、ヒータアセンブリ200は、側壁204に沿った加熱素子220を更に備える。
図2に示しているように、加熱素子220は、ヒータアセンブリ200の内部プロセス領域205の中に位置付けられる。一部の実施形態では、ヒータアセンブリ200の内部空間の中には1つの加熱素子220がある。一部の実施形態では、ヒータアセンブリ200の内部プロセス領域205の中には、側壁204に隣接した複数の加熱素子220がある。一部の実施形態では、側壁に隣接した2つの加熱素子220がある。一部の実施形態では、加熱素子220は、軸方向に離間した複数のゾーン220a、220bなどに分けられる。軸方向ゾーンは、中心軸201の長さに沿って離間している。一部の実施形態では、加熱素子220又は複数の加熱素子220は、ヒータアセンブリ200の内部空間内のプロセス領域205の中の、側壁204に隣接したセラミックのワイヤガイド225上に位置付けられる。一部の実施形態では、ヒータアセンブリ200は、側壁204の内周に隣接し、側壁204の内周に沿って延在する、少なくとも1つの側壁加熱素子220を有する。
【0028】
[0033]一部の実施形態では、ヒータアセンブリ200の上部206は側壁204に固定される。一部の実施形態では、ヒータアセンブリ200の上部206は、側壁204から取り外し可能である。
図5Aから
図5Hを参照して更に後述するように、下側内部領域120から上側内部領域110へのウエハカセット300の移動によって、ヒータアセンブリ200の上部206、又は上部206及び側壁204が動かされる。
【0029】
[0034]
図2を再度参照するに、一部の実施形態では、ヒータアセンブリ200の上部206は石英ディスク240を備える。一部の実施形態では、石英ディスク240は、上部206の表面上の凹部230内に位置付けられた、別個の構成要素である。一部の実施形態では、ヒータアセンブリ200の上部206が石英を含む。
【0030】
[0035]
図3は、本開示の一又は複数の実施形態による、ウエハカセット300の等角断面図を示している。一部の実施形態のウエハカセット300は底部302を含み、底部302からは、複数のウエハ支持体305が延在している。ウエハ支持体305は、ウエハカセット300の周縁に沿って任意の好適な距離のところに離間している。一部の実施形態では、ウエハがウエハカセット300にローディングされるか、又はウエハカセット300からアンローディングされるのに十分な空間を提供するために、ウエハ支持体305は半円に沿って離間している。
【0031】
[0036]ウエハ支持体305は、ウエハ支持体305の高さに沿って離間した、複数のウエハ支持要素310を備える。ウエハ支持要素310はウエハ支持面315を有し、ウエハ支持面315は、処理中にウエハに接触するのに適するようにサイズ設定される。一部の実施形態のウエハ支持要素310は、ウエハ支持要素310のウエハ支持面315同士が約1mmから約25mmの範囲内、又は約2mmから約20mmの範囲内、又は約3mmから約18mmの範囲内、又は約4mmから約16mmの範囲内、又は約5mmから約15mmの範囲内にあるように、離間している。
【0032】
[0037]ウエハ支持体305及びウエハ支持要素310は、ウエハと安全に接触しうる、任意の好適な材料で作製される。一部の実施形態では、ウエハ支持体305は抗酸化性で耐腐食性の材料を含む。一部の実施形態では、ウエハ支持要素310は抗酸化性で耐腐食性の材料を含む。一部の実施形態では、ウエハ支持体305及びウエハ支持要素310は、抗酸化性で耐腐食性の材料から一体的に形成される。
【0033】
[0038]
図2及び
図4を参照するに、ヒータアセンブリ200の実施形態の一部は、二重壁204a、204bを有する。
図4は、
図2の領域IVの拡大図を示している。外壁204aと内壁204bとの間のスペースは、一部の実施形態では、約0.5mmから約50mmの範囲内、又は約0.75mmから約25mmの範囲内、又は約1mmから約20mmの範囲内、又は約2mmから約10mmの範囲内である。
【0034】
[0039]一部の実施形態では、ヒータアセンブリ200の側壁204は二重壁の迷路性出口流路250を有する。二重壁の迷路性流路250は、プロセス領域205とチャンバ本体102の上側内部領域110との間の流体連通を提供する。
図4は、プロセス領域205及びヒータアセンブリ200を出る、例示的なガス流251を示している。「迷路性流路(labyrinthine flow path)」という語は、このように使用される場合、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの、45°を上回る曲がり角がある流路のことを指す。
図4に示している実施形態では、迷路性流路250は、プロセス領域205からヒータアセンブリ200の外部への最短流路として、45°を上回る4つの曲がり角を有している。上述した図では、迷路性流路250を有するヒータアセンブリ200の概略図を示しているが、ヒータアセンブリ200の上部206と側壁204とは接触していない。しかし、示されている図はヒータアセンブリ200の一断面であること、及び、ヒータアセンブリ200のその他の部分は、上部206が側壁204上に載るように、下に向かって側壁204まで延在している上部206(又は、上に向かって上部206まで延在している側壁204)を有することが、当業者には認識されよう。一部の実施形態の迷路性流路250は、側壁204の周縁に沿って離間した、複数の開口209を有する。
【0035】
[0040]
図1及び
図2を再度参照するに、プロセスチャンバ100の実施形態の一部は、蒸気注入ポート180を含む。蒸気注入ポート180は、ヒータアセンブリ200のプロセス領域205内への流体経路181を提供する。一部の実施形態では、蒸気注入ポート180はチャンバ本体102の底部108にある。一部の実施形態では、蒸気注入ポート180はチャンバ本体102の側壁106にある。プロセスチャンバ100の実施形態の一部は、流体経路181及び蒸気注入ポート180を通じてヒータアセンブリ200の内部空間(プロセス領域205)と流体連通している、蒸気源185を含む。一部の実施形態では、蒸気源185は、蒸気注入ポート180と流体連通しているボイラ186を備える。一部の実施形態では、蒸気源185は、蒸気注入ポート180と流体連通しているボイラ186に接続された凝縮装置(condenser)187を含む。
【0036】
[0041]本開示の追加的な実施形態は、複数のウエハをアニーリングするための方法を対象としている。複数のウエハ131は、チャンバ本体102の下側内部領域120の中の、ヒータアセンブリ200内に位置付けられる。ヒータアセンブリ200内にウエハ131を位置付けるために、ウエハカセット300は、プロセス位置(
図1参照)から複数のローディング位置(
図5Aから
図5H参照)へと動かされる。
図5Aでは、ウエハカセット300は、載置位置又はプロセス位置から、第1ウエハ131をローディングするための位置まで上昇している。図示している実施形態では、ヒータアセンブリ200の上部206は、ウエハカセット300によって持ち上げられる。
【0037】
[0042]
図5Bに示しているように、ロボット133は、スリットバルブ107を通過して、ウエハカセット300のウエハ支持体305の近くを通り過ぎるようにウエハ131を動かす。ロボット133がウエハ支持要素310の上方にウエハ131を位置付けてから、ロボット133が下降してウエハ131をウエハ支持要素310上に位置付けるか、ウエハカセット300が上昇してウエハ131をロボット133から持ち上げるかの、いずれかが行われる。
【0038】
[0043]
図5Cは、ロボット133がスリットバルブ107を通って後退して別のウエハ131を取り上げ、ウエハカセットが更に上昇して、ウエハ支持要素310の別のセットをローディングのために位置合わせした後の、ローディングプロセスを示している。
図5Dは、ウエハ支持要素310の次のセット上への第2ウエハ131のローディングを示している。
【0039】
[0044]
図5Eは、第2ウエハ131がローディングされ、ロボット133によって新たなウエハが取り上げられた後の、
図5Cと同様のローディングプロセスを示している。ウエハをローディングし、ウエハカセット300を上昇させ、ロボット133を後退させるサイクルは、所定の数のウエハがウエハカセット300のウエハ支持要素310上に載るまで反復される。
図5Fは、ウエハ支持要素310の底部のセット上への最後のウエハのローディングを示している。
図5Gは、プロセスチャンバ100の上側内部領域110内の上昇位置にある、完全にローディングされたウエハカセット300を示しており、ロボット133はスリットバルブ107を通って後退しつつある。
図5Hは、少環境を形成するプロセスチャンバ100の下側内部領域120内の、完全にローディングされたウエハカセット300を示している。上側内部領域110を(下側内部領域120と共に)分離するよう、スリットバルブ107はスリットバルブドア109で閉ざされている。
【0040】
[0045]
図5Aから
図5Gに記載のウエハローディングプロセスは、最上部のウエハが最初にローディングされることで始まり、ウエハカセット300は各ウエハごとに上昇していくものであった。一部の実施形態では、ウエハローディングプロセスは、最底部のウエハが最初にローディングされることで始まる。この実施形態では、ウエハカセット300は、最初に下側内部領域120から完全に出るように上昇してから、各ウエハ131が連続してローディングされると共に、下側内部領域120内へと下降していく。アンローディングプロセスはローディングプロセスの逆である。一部の実施形態では、ローディングプロセスとアンローディングプロセスとが混合されることにより、ウエハは、ウエハカセットから取り除かれ、ウエハカセットが次のローディング/アンローディング位置へと動く前に、新たなウエハと置き換えられる。一部の実施形態では、デュアルブレードロボットが使用される。これにより、第1ブレードがウエハカセットから処理済みのウエハを取り上げ、第2ブレードが、これと同じウエハ支持要素のセット上に新たなウエハをローディングする。
【0041】
[0046]
図6を参照するに、アニーリングプロセスが記載されている。プロセスチャンバ100の下側内部領域120内のウエハカセット300上の複数のウエハ131が、上述した底部ヒータ(複数可)と側壁ヒータ(複数可)のうちの一又は複数を使用して加熱される。一部の実施形態では、プロセスチャンバ100の下側内部領域120は、約500oC、550oC、600oC、650oC、700oC、750oC、800oC、850oC、又は900oC以上の温度まで加熱される。
【0042】
[0047]一部の実施形態では、プロセスチャンバの下側内部領域120が処理温度まで加熱された場合、プロセスチャンバ100の上側内部領域110は、下側内部領域120よりも低い温度に維持される。一部の実施形態では、下側内部領域120内の温度は、上側内部領域110よりも、約25oC、50oC、75oC、100oC、125oC、150oC、175oC、200oC、225oC、250oC、275oC、300oC、325oC、350oC、375oC、400oC、450oC、若しくは500oC以上高くなる。
【0043】
[0048]チャンバ本体102は、蒸気注入ポート180を通じて蒸気188をヒータアセンブリ200に流入させることによって、所定の圧力まで加圧される。一部の実施形態では、蒸気188は、約50バール、60バール、70バール、80バール、90バール、又は100バール以上の圧力まで、ヒータアセンブリ200を加圧する。
【0044】
[0049]一部の実施形態では、下側内部領域120中のヒータアセンブリ200内の圧力と、上側内部領域110内の圧力とは、おおよそ同じである。「おおよそ同じ(approximately the same)」という語は、このように使用される場合、上側内部領域110に対する下側内部領域120の圧力の絶対値差分が、約5%、2%、又は1%以下であることを意味する。一部の実施形態では、プロセスチャンバの下側内部領域120が加圧された場合、プロセスチャンバ100の上側内部領域110は、下側内部領域120よりも低い圧力に維持される。一部の実施形態では、上側内部領域110内の圧力は、下上側内部領域120内の圧力よりも、約10バール、20バール、30バール、40バール、50バール、若しくは60バールだけ、又はそれを上回って低くなる。
【0045】
[0050]加圧中、蒸気流251は、ヒータアセンブリ200を出て、ヒータアセンブリ200の二重壁の迷路性出口流路250を通り、チャンバ本体102の上側内部領域110に入る。迷路性出口流路250を通って下側内部領域120を出るガスの流量は、下側内部領域120に入る蒸気の流量を下回る。上側内部領域110を排気して上側内部領域110内を好適な圧力に維持するために、プロセスチャンバ100の上側内部領域110は、真空ポート111を通じて真空源に接続されている。
【0046】
[0051]下側内部領域120内の高温及び高圧は、所定の期間にわたって維持される。この所定の期間が経過すると、下側内部領域120に蒸気が追加されなくなり、下側内部領域120内の圧力の散逸が許容される。一部の実施形態では、下側内部領域120内の圧力は、迷路性出口流路250だけを通って散逸する。一部の実施形態では、下側内部領域120内の圧力は、真空ポート115を通じて下側内部領域120に接続された真空源を使用することによって、低減される。一部の実施形態では、下側内部領域120を真空源から分離させるために、真空バルブ116が開閉される。一部の実施形態では、真空ポートは蒸気注入ポート180と同一であり、これにより、真空源は、蒸気源と真空源とを切り替えるのに適したバルブを用いて、蒸気源と同じポートに接続される。
【0047】
[0052]
図1を再度参照するに、本開示の追加的な実施形態は、本書に記載の方法を実行するための処理チャンバ100を対象としている。処理チャンバ100の実施形態の一部は、モニタ140、加熱素子210、加熱素子220、蒸気源185、スリットバルブドア109、ロボット133、センサ130、又は(
図6に記載の)真空バルブ116、のうちの一又は複数に連結された、少なくとも1つのコントローラ190を含む。一部の実施形態では、処理チャンバ100を制御するために、かかる構成要素に個々に接続された1を上回る数のコントローラ190が存在し、主要制御プロセッサが、複数の別個のプロセッサの各々に連結される。コントローラ190は、様々なチャンバ及びサブプロセッサを制御するために工業設定で使用されうる、任意の形態の汎用コンピュータプロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどのうちの1つでありうる。一部の実施形態では、コントローラ190は、ヒータアセンブリ、ウエハカセット、モータ、上側内部領域内のチャンバ側壁の開口、又は温度と圧力のうちの一又は複数を測定するための上側内部領域内の一又は複数のセンサ、のうちの一又は複数に接続される。
【0048】
[0053]一部の実施形態の少なくとも1つのコントローラ190は、プロセッサ192、プロセッサ192に連結されたメモリ194、プロセッサ192に連結された入出力デバイス196、及び種々の電子部品間の通信のためのサポート回路198、を有する。一部の実施形態のメモリ194は、一過性メモリ(例えばランダムアクセスメモリ)、又は非一過性メモリ(例えばストレージ)のうちの、一又は複数を含む。
【0049】
[0054]一部の実施形態のプロセッサのメモリ194又はコンピュータ可読媒体は、一又は複数の容易に入手可能なメモリ(例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、又は他の任意の形態のローカル若しくはリモートのデジタルストレージ)である。一部の実施形態のメモリ194は、処理チャンバ100のパラメータ及び構成要素を制御するようプロセッサ192によって稼働可能な、命令セットを保持する。サポート回路198は、従来的なやり方でプロセッサ192をサポートするよう、プロセッサ192に連結される。好適な回路は、キャッシュ、電力供給源、クロック回路、入出力回路網、サブシステムなど(ただしこれらに限定されるわけではない)を含む。
【0050】
[0055」プロセスは、一般に、ソフトウェアルーチンとしてメモリ内に記憶されてよく、このソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されると、処理チャンバに本開示のプロセスを実施させる。このソフトウェアルーチンは、プロセッサによって制御されているハードウェアから遠隔に配置されている第2プロセッサ(図示せず)によって、記憶されかつ/又は実行されてもよい。本開示の方法の一部又は全部は、ハードウェアで実施されることもある。そのため、プロセスは、ソフトウェアで実装されること、及び、コンピュータシステムを使用して、ハードウェアで、例えば特定用途向け集積回路、若しくはその他の種類のハードウェア実装として、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとして、実行されることが、可能である。ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されると、汎用コンピュータを、プロセスが実施されるようにチャンバの動作を制御する特定用途コンピュータ(コントローラ)に変化させる。
【0051】
[0056]一部の実施形態では、コントローラ190は、個々のプロセス又はサブプロセスを実行して方法を実施するための、一又は複数の構成を有する。一部の実施形態のコントローラ190は、中間構成要素に接続されており、これらの中間構成要素を動作させて方法の機能を実施するよう構成されている。例えば、一部の実施形態のコントローラ190は、ガスバルブ、アクチュエータ、モータ、スリットバルブ、真空制御装置などのうちの一又は複数に接続されており、これらを制御するよう構成されている。
【0052】
[0057]一部の実施形態のコントローラ190は、ウエハ131を動かすようロボット133を制御するための構成、ウエハカセット300を上昇及び/又は下降させるよう、モータ140を制御するための構成、処理チャンバに基板をローディングし、かつ/又は処理チャンバから基板をアンローディングするための構成、底部加熱素子210又は側壁加熱素子220のうちの一又は複数を動作させるための構成、蒸気による下側内部領域120の加圧を制御するための構成、蒸気源185を制御するための構成、少なくとも1つのセンサ130からのデータを読み込むための構成、少なくとも1つのセンサ130からのデータに応答して、蒸気源185及び/又は真空源116を制御するための構成、上側内部領域110内の圧力を制御するよう、真空バルブ114を制御するための構成、及び下側内部領域120内の圧力を制御するよう、真空バルブ116を制御するための構成、から選択された、一又は複数の構成を有する。
【0053】
[0058] この明細書全体を通じて、「一実施形態(one embodiment)」、「ある種の実施形態(certain embodiments)」、「一又は複数の実施形態(one or more embodiments)」、又は「実施形態(an embodiment)」に対する言及は、実施形態に関連して説明している特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味している。ゆえに、この明細書全体の様々な箇所における「一又は複数の実施形態で」、「ある種の実施形態で」、「一実施形態で」、又は「実施形態で」といった表現の出現は、必ずしも、本開示の同一の実施形態に言及するものではない。更に、かかる特定の特徴、構造、材料、又は特性は、一又は複数の実施形態において、任意の好適なやり方で組み合わされうる。
【0054】
[0059]特定の実施形態を参照して本書の開示について説明してきたが、これらの実施形態は、本開示の原理及び応用の例示にすぎないことを理解されたい。本開示の本質及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に対して様々な改変及び変形を行いうることが、当業者には自明となろう。ゆえに、本開示は、付随する特許請求の範囲及びその均等物の範囲に含まれる改変及び変形を含むことが意図されている。