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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】折り装置、及び、画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 45/16 20060101AFI20240521BHJP
   B65H 45/20 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
B65H45/16
B65H45/20
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020070887
(22)【出願日】2020-04-10
(65)【公開番号】P2021167236
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2023-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】飛嶋 寿明
(72)【発明者】
【氏名】瀧澤 健太
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-290618(JP,A)
【文献】特開昭61-248861(JP,A)
【文献】特開平05-229726(JP,A)
【文献】特開2004-067266(JP,A)
【文献】特開2005-231861(JP,A)
【文献】特開2007-015785(JP,A)
【文献】特開2009-126685(JP,A)
【文献】特開2016-079016(JP,A)
【文献】米国特許第4484905(US,A)
【文献】米国特許第5989174(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0130262(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 45/12-45/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに折り目をそれぞれ形成する一対の折りローラ対と、
前記一対の折りローラ対の間で、前記折りローラ対による押圧によってシートに形成された折り目を再押圧する押圧手段と、
を備え、
前記押圧手段は、
所定方向に搬送されるシートを、前記一対の折りローラ対のうち一方の折りローラ対又は他方の折りローラ対に向けて案内する一対の可動ガイド部材と、
前記可動ガイド部材との間にシートの折り目を挟み込んで押圧する受け部材と、
を具備したことを特徴とする折り装置。
【請求項2】
前記可動ガイド部材は、シートの折り目に当接する押圧部と、前記押圧部を押圧方向に付勢する付勢部材と、を具備したことを特徴とする請求項1に記載の折り装置。
【請求項3】
前記押圧部は、前記押圧方向に突出する突出部を具備したことを特徴とする請求項2に記載の折り装置。
【請求項4】
前記押圧部は、コロであることを特徴とする請求項2に記載の折り装置。
【請求項5】
前記可動ガイド部材は、シートの折り目に当接する当接面が低摩擦材料で形成されたことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の折り装置。
【請求項6】
前記受け部材は、前記一対の折りローラ対の間で搬送されるシートの搬送方向に沿うように回転するローラ部材であることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれかに記載の折り装置。
【請求項7】
前記ローラ部材は、その外周面に、押圧方向に突起する突起部が軸方向に螺旋状に形成されたことを特徴とする請求項6に記載の折り装置。
【請求項8】
前記受け部材は、前記一対の折りローラ対の間で搬送されるシートの搬送方向に沿うように走行するベルト部材であることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれかに記載の折り装置。
【請求項9】
前記押圧手段は、前記受け部材の押圧方向の位置を調整可能な調整機構を具備したことを特徴とする請求項1~請求項8のいずれかに記載の折り装置。
【請求項10】
前記押圧手段は、シートの折り目を押圧する力を調整可能に構成されたことを特徴とする請求項1~請求項9のいずれかに記載の折り装置。
【請求項11】
シートに画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置によって画像が形成されたシートに対して折り目を形成する請求項1~請求項10のいずれかに記載の折り装置と、を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シートに対して折り処理をおこなう折り装置と、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置を備えた画像形成システムと、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機やプリンタ等の画像形成装置に接続される後処理装置であって、シートに対して複数の折り目を形成する折り装置が広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
詳しくは、特許文献1における折り装置は、下方に向けてシートを搬送する搬送ローラ対や、搬送ローラ対の下方においてシートを水平方向の正逆方向に搬送可能に構成された一対の折りローラ対や、搬送ローラ対によって搬送されるシートを一対の折りローラ対のいずれかのニップに向けて案内する一対の可動ガイド部材(偏向手段)、などで構成されている。そして、搬送ローラ対によって搬送されるシートが、一対の可動ガイド部材によって、一方の折りローラ対に向けて案内されながら搬送されたり、他方の折りローラ対に向けて案内されながら搬送されたりしながら、一対の折りローラ対によって複数の折り目が形成されて蛇腹折りされることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の折り装置は、シートに、分厚くなくて良好な折り目を形成することができない可能性があった。また、折り装置が大型化してしまっていた。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、装置が大型化することなく、分厚くない良好な折り目を形成することができる、折り装置、及び、画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明における折り装置は、シートに折り目をそれぞれ形成する一対の折りローラ対と、前記一対の折りローラ対の間で、前記折りローラ対による押圧によってシートに形成された折り目を再押圧する押圧手段と、を備え、前記押圧手段は、所定方向に搬送されるシートを、前記一対の折りローラ対のうち一方の折りローラ対又は他方の折りローラ対に向けて案内する一対の可動ガイド部材と、前記可動ガイド部材との間にシートの折り目を挟み込んで押圧する受け部材と、を具備したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装置が大型化することなく、分厚くない良好な折り目を形成することができる、折り装置、及び、画像形成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態における画像形成システムを示す全体構成図である。
図2】折り装置の要部を示す構成図である。
図3】折り処理時の折り装置の動作の一例を示す図である。
図4図3に続く動作を示す図である。
図5】折り処理後のシートの一例を示す図である。
図6】押圧手段を示す拡大図である。
図7】折り装置における制御を示すフローチャートである。
図8図7に続くフローチャートである。
図9図8に続くフローチャートである。
図10】変形例1としての、可動ガイド部材の押圧部を示す図である。
図11】変形例2としての、押圧手段を示す拡大図である。
図12】変形例3としての、受け部材を示す図である。
図13】変形例4としての、押圧手段を示す拡大図である。
図14】変形例5としての、折り装置の要部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
まず、図1にて、画像形成システム100における全体の構成・動作について説明する。
本実施の形態において、折り装置50は、画像形成装置1に対して着脱可能に設置されていて、画像形成装置1とともに1つの画像形成システム100を構成している。
【0011】
図1において、1は複写機能とプリンタ機能とを有する画像形成装置としてのデジタル複合機、2は原稿が搬送される原稿搬送台、3は原稿の画像情報を光学的に読み取る原稿読取部、4は原稿読取部3で読み取った画像情報に基づいた露光光を感光体ドラム5上に照射する露光部、を示す。
また、5はトナー像(画像)が形成される感光体ドラム5(作像部)、10は用紙等のシートPがロール状に収納された給送部、20はシートP上の未定着画像を定着する定着装置、30は画像形成システム100における種々の情報が表示されたり操作条件を入力するための操作パネル、を示す。
本実施の形態において、画像形成装置1は、ロール状のシートP(ロール紙)が給送部10で所望の長さでカットされるように構成されていて、A0、A1サイズなど複数の大サイズのシートPへの画像形成が可能になっている。
【0012】
また、図1において、50は画像形成装置1から排出されて搬入されたシートPに対して後処理として折り処理を施す折り装置(後処理装置)を示す。
また、51はシートPを搬送する搬送ローラ対、53、54は搬送ローラ対51によって搬送されるシートPを折りローラ対55、56に向けて案内する一対の可動ガイド部材、55、56はシートPに折り目を形成する一対の折りローラ対、を示す。
また、67はシートPを装置外に排出する排出ローラ対、68はシートPが排出されて積載される排出トレイ、90は手差し用のシート給送部、を示す。
【0013】
図1を参照して、画像形成システム100における、通常の画像形成時の動作について説明する。
画像形成装置1を複写機として使用する場合、まず、原稿が原稿搬送台2に載置されると、原稿が、搬送ローラによって搬送されて、原稿読取部3上を通過する。このとき、原稿読取部3では、上方を通過する原稿の画像情報が光学的に読み取られる。このとき、原稿のサイズも検知される。
そして、原稿読取部3で読み取られた光学的な画像情報は、電気信号に変換された後に、露光部4(書込部)に送信される。そして、露光部4からは、その電気信号の画像情報に基づいた露光光(レーザ光)が、作像部の感光体ドラム5の表面に向けて発せられる。
なお、画像形成装置1をプリンタとして使用する場合には、パソコンなどの外部端末から露光部4に画像情報が入力されて、その画像情報に基づいて露光部4から感光体ドラム5の表面に向けて露光光が発せられる。
【0014】
一方、作像部において、感光体ドラム5は図1中の反時計方向に回転しており、所定の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム5の表面に画像情報に対応した画像(トナー像)が形成される。
その後、感光体ドラム5上に形成された画像は、転写部で、レジストローラにより搬送されたシートP上に転写される。
【0015】
一方、感光体ドラム5の位置に搬送されるシートPは、次のように動作する。
まず、画像形成装置1の複数の給送部10のうち、1つの給送部10が自動又は手動で選択される。
そして、給送部10にロール状に巻き付けられたシートPが、原稿のサイズ(又は、外部端末から入力された画像情報)に合わせてカットされて、そのシートPが搬送経路K0に搬送される。
そして、シートPは、搬送経路K0を通過して、レジストローラの位置に達する。そして、レジストローラの位置に達したシートPは、感光体ドラム5上に形成された画像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて搬送される。
そして、転写工程後のシートPは、感光体ドラム5(転写部)の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。そして、定着装置20によって、シートP上の画像が熱定着される。そして、画像が定着されたシートPは、画像形成装置1から排出される。
【0016】
ここで、本実施の形態では、画像形成装置1に折り装置50が設置されている。そして、画像形成装置1から排出されたシートPが折り装置50に搬送されて、搬送されたシートPに対して折り処理が施されることになる。
詳しくは、図1を参照して、まず、画像形成装置1から折り装置50に搬送されたシートPは、第1、第2搬送経路K1、K2を経由して、搬送ローラ対51の位置に達する。そして、シートPは、搬送ローラ対51によって搬送されて、一対の可動ガイド部材53、54によって、一方の折りローラ対55に向けて案内されたり、他方の折りローラ対56に向けて案内されたりする。そして、一対の折りローラ対55、56によって蛇腹折りなどの折り処理がシートPに施される。そして、折り処理が施されたシートPは、排出ローラ対67によって装置外に排出されて、排出トレイ68上に積載される。
なお、折り装置50については、後で、図2図9等を用いて、さらに詳しく説明する。
【0017】
ここで、本実施の形態における折り装置50には、手差し用のシート給送部90が設置されている。そして、画像形成装置1を介さずに、シートPに直接的に折り処理を施したい場合には、シートPが手差し用のシート給送部90にセットされる。手差し用のシート給送部90にセットされたシートPは、第3搬送経路K7を介して折り装置50内に搬送される。そして、折り装置50において、上述したものと同様に、シートPに対する折り処理がおこなわれることになる。
【0018】
以下、本実施の形態における折り装置50において、特徴的な構成・動作について詳述する。
図2を参照して、折り装置50には、搬送ローラ対51や、一対の折りローラ対55、56や、一対の可動ガイド部材53、54や、押圧手段の一部として機能する受け部材としての受けローラ57や、シート検知センサ61~63、などが設置されている。
【0019】
搬送ローラ対51は、折りローラ対55、56に向けてシートPを搬送するものである。
詳しくは、搬送ローラ対51は、駆動ローラと従動ローラとが圧接してニップを形成したものであって、第1駆動手段としての搬送モータ91によって図2の矢印方向に回転駆動される。これにより、搬送ローラ対51のニップに挟持されたシートPが、図2の略垂直方向下方に向けて搬送されることになる。
【0020】
一対の折りローラ対55、56は、それぞれ、シートPに折り目を形成する折り処理部として機能するものである。
詳しくは、一対の折りローラ対55、56は、その上流側に配置された搬送ローラ対51のニップを通る仮想接線(図2にて破線矢印で示す搬送方向に沿った略垂直方向に延びる仮想線である。)を跨ぐようにそれぞれ配置されている。具体的に、第1折りローラ対55は、上述した仮想接線に対して図2の左方に配置され、第2折りローラ対56は、上述した仮想接線に対して図2の右方に配置されている。
また、一対の折りローラ対55、56は、双方の間でシートPを正逆方向に搬送可能に形成されている。具体的に、第1折りローラ対55のニップを通る仮想接線と、第2折りローラ対56のニップを通る仮想接線と、はいずれも略水平方向に延びる仮想線であって、一致するように構成されている。そして、図3(B)、(D)等に示すように一対の折りローラ対55、56が互いに同じ方向に回転することで、2つの折りローラ対55、56の間でシートPが、正方向(図2の左方である。)に搬送されたり、逆方向(図2の右方である。)に搬送されたりすることになる。
【0021】
また、一対の折りローラ対55、56は、それぞれ、搬送ローラ対51に近い側に配置された上ローラ(従動ローラ)と、搬送ローラ対51から遠い側に配置された下ローラ(駆動ローラ)と、が圧接してニップを形成したものである。
そして、シートPが折り返された状態で、折りローラ対55、56のニップに搬送されて、そのニップにおける圧力によってシートPの折り返した部分に折り目Aが形成されることになる。
【0022】
なお、図5は、一例として、折り装置50によって4つの折り目A1~A4が形成されたシートPを示すものである。
第1折り面C1と第2折り面C2との第1折り目A1が第2折りローラ対56によって形成されて、その後に第2折り面C2と第3折り面C3との第2折り目A2が第1折りローラ対55によって形成されて、その後に第3折り面C3と第4折り面C4との第3折り目A3が第2折りローラ対56によって形成されて、最後に第4折り面C4と第5折り面C5(最終折り面であって、シートPの後端Bを含む折り面である。)との第4折り目A4が第1折りローラ対55によって形成されることになる。
【0023】
ここで、図2を参照して、一対の折りローラ対55、56は、第3駆動手段としての駆動モータ94、95による駆動によって、それぞれ別々に回転駆動するように構成されている。具体的に、第1駆動モータ94によって第1折りローラ対55が回転駆動されたり、第2駆動モータ95によって第2折りローラ対56が回転駆動されたりすることになる。2つの駆動モータ94、95は、いずれも、正逆双方向回転型のモータであって、制御部80の制御により正方向に回転することで折りローラ対55、56を正方向に回転させて、制御部80の制御により逆方向に回転することで一対の折りローラ対55、56を逆方向に回転させることになる。
なお、本実施の形態では、2つの駆動モータ94、95によって2つの折りローラ対55、56をそれぞれ別々に回転駆動するように構成したが、1つの駆動モータ(駆動機構)によって2つの折りローラ対55、56を一体的に回転駆動するように構成することもできる。
また、本実施の形態では、第4駆動手段としての第3駆動モータ96による駆動によって正逆方向に回転駆動可能な受けローラ57(受け部材)が、2つの折りローラ対55、56の間に設置されているが、これについては後で詳しく説明する。
【0024】
ここで、本実施の形態では、搬送ローラ対51によって所定方向(図2の下方である。)に搬送されるシートPを、一対の折りローラ対のうち、一方の折りローラ対55に向けて案内したり、他方の折りローラ対56に向けて案内したりする一対の可動ガイド部材53、54が設けられている。
この一対の可動ガイド部材(第1可動ガイド部材53と第2可動ガイド部材54とである。)は、搬送ローラ対51から折りローラ対55、56に至る搬送経路において搬送ローラ対51のニップを通る仮想接線(先に説明した略垂直方向に延びる仮想線である。)を跨ぐようにそれぞれ配置されていて、それぞれ別々に上下方向に移動可能に構成されている。具体的に、第1可動ガイド部材53は、上述した仮想接線に対して図2の右方に配置され、第2可動ガイド部材54は、上述した仮想接線に対して図2の左方に配置されている。第1可動ガイド部材53と第2可動ガイド部材54とは、いずれも略三角状と断面となるように形成されていて、上述した仮想接線に対して互いに線対象(左右対称)となっている。
【0025】
また、図2を参照して、第1、第2可動ガイド部材53、54は、第2駆動手段としての第1、第2移動機構92、93によってそれぞれ別々に回動されるように構成されている。
具体的に、第1移動機構92は、第1可動ガイド部材53の回転軸を時計方向や反時計方向に回動させて、第1可動ガイド部材53のガイド軸53aをガイドレールに沿って移動させることで、第1可動ガイド部材53を上下動させるものである。そして、制御部80の制御により第1移動機構92が正逆方向に駆動されることで、第1可動ガイド部材53が、図2図3(B)等に示す基準位置に移動したり、図3(A)等に示すガイド位置に移動したりすることになる。
同様に、第2移動機構93は、第2可動ガイド部材54の回転軸を時計方向や反時計方向に回動させて、第2可動ガイド部材54のガイド軸54aをガイドレールに沿って移動させることで、第2可動ガイド部材54を上下動させるものである。そして、制御部80の制御により第2移動機構93が正逆方向に駆動されることで、第2可動ガイド部材54が、図2図3(A)等に示す基準位置に移動したり、図3(B)等に示すガイド位置に移動したりすることになる。
そして、第1可動ガイド部材53が図3(A)等に示すガイド位置に移動して停止することで、シートPを第1折りローラ対55のニップに向けて案内するガイド部材として機能することになる。また、第2可動ガイド部材54が図3(B)等に示すガイド位置に移動して停止することで、シートPを第2折りローラ対56のニップに向けて案内するガイド部材として機能することになる。
なお、一対の可動ガイド部材53、54を上下動させる移動機構92、93は、上述したものに限定されず、種々の形態のものを用いることができる。
【0026】
ここで、図2に示すように、本実施の形態における折り装置50には、3つのシート検知センサ61~63が設置されている。これらのシート検知センサ61~63は、いずれも発光素子と受光素子とからなる反射型フォトセンサであって、その位置にシートPがあるか否かを光学的に検知するものである。
詳しくは、第1シート検知センサ61は、搬送ローラ対51のニップに対して搬送方向上流側に配置されている。第2シート検知センサ62は、第1折りローラ対55のニップに対して第2折りローラ対56から離れる側(図2の左方である。)に配置されている。第3シート検知センサ63は、第2折りローラ対56のニップに対して第1折りローラ対55から離れる側(図2の右方である。)に配置されている。
【0027】
そして、第1シート検知センサ61と第2シート検知センサ62と第3シート検知センサ63とによって、それぞれシートPの先端や後端や折り目を検知して、それらを検知してからタイマー81で時間を計測しながら狙いの動作タイミングで、搬送モータ91、第1、第2移動機構92、93、第1~第3駆動モータ94~96をそれぞれ別々に制御して、シートPに所望の折り処理を施している。
このように、3つのシート検知センサ61~63による検知結果に基づいて制御部80によってモータ91~96を制御することにより、シートPに所望の折り目を高精度に形成することができる。
なお、具体的な折り処理動作については、後で、図3図4の動作図や、図7図9のフローチャートなどを用いて、さらに詳しく説明する。
【0028】
ここで、図2図3(D)、図4(A)、図6(A)等を参照して、本実施の形態における折り装置50には、一対の折りローラ対55、56の間で、折りローラ対55、56による押圧によってシートPに形成された折り目Aを再押圧する押圧手段としての受けローラ57及び可動ガイド部材53、54が設置されている。
すなわち、折りローラ対55、56によって一度形成された折り目Aが、押圧手段としての受けローラ57及び可動ガイド部材53、54によって強化されることになる。さらに換言すると、押圧手段としての受けローラ57及び可動ガイド部材53、54は、折り目Aに対して増し折りを施す手段として機能することになる。
【0029】
先に説明したように、一対の可動ガイド部材53、54は、所定方向に搬送されるシートPを、一対の折りローラ対55、56のうち一方の折りローラ対55又は他方の折りローラ対56に向けて案内するための部材である。具体的に、シートPは、ガイド位置に位置した可動ガイド部材53、54のガイド面53g(図6(A)参照)に沿うように、折りローラ対55、56のニップに向けて案内される。このとき、可動ガイド部材53、54は、図6(A)に示すように、受けローラ57に当接(又は近接)した状態になる。
受けローラ57は、図3(D)、図4(A)等に示すように、可動ガイド部材53、54の当接面53b(図6(A)参照)との間(ニップW)にシートPの折り目Aを挟み込んで押圧する受け部材として機能する部材である。受けローラ57は、第1折りローラ対55のニップと、第2折りローラ対56のニップと、を通る仮想接線に対して下方に接するように設置されている。
また、受けローラ57は、一対の折りローラ対55、56の間で搬送されるシートPの搬送方向に沿うように回転するローラ部材である。具体的に、受けローラ57は、第3駆動モータ96(図2参照)によって正方向にも逆方向にも回転可能に構成されていて、一対の折りローラ対55、56の間におけるシートPの搬送を促す搬送部材としても機能する。
【0030】
そして、可動ガイド部材53、54と受けローラ57とが、折り目Aを強化する押圧手段(増し折り手段)として機能することになる。
そして、このように押圧手段(増し折り手段)を設けることで、シートPに、分厚くなくて良好な折り目Aを形成することができる。すなわち、押圧手段を設けない場合に比べて、折り目Aの厚さを薄くすることができる。したがって、折り処理後のシートPの品質や見映えが向上することになる。
そして、このような押圧手段は、ガイド機能を有する可動ガイド部材53、54を用いたものであって、シートPを折りローラ対に案内する動作に連動して増し折りをおこなっている。そのため、増し折りをおこなうための部材をまったく別に設ける場合に比べて、装置が小型化、低コスト化するとともに、増し折りを短時間で効率的におこなうことができる。
【0031】
以下、図3(A)~(D)、図4(A)~(D)を用いて、長尺のシートPに4箇所の折り目A1~A4(図5参照)を形成する折り処理(蛇腹折り)を施すときの、折り装置50の動作について詳しく説明する。
なお、本実施の形態における折り装置50でおこなわれる折り処理は、図7図9に示す制御フローに基づいて実行されるため、図3(A)~(D)、図4(A)~(D)を用いた動作の説明に合わせて、適宜、図7図9の制御フローにおけるステップS1~S27との関係について示すことにする。
【0032】
まず、搬送ローラ対51のニップ入口近傍に設置された第1シート検知センサ61によってシートPの先端が検知されると(図7:ステップS1)、搬送モータ91がオンされて搬送ローラ対51が回転駆動される(図7:ステップS2)。そして、第1駆動モータ94がオンされて第1折りローラ対55が正方向に回転駆動される(図7:ステップS3)。さらに、第1シート検知センサ61がオンされてから時間T1が経過した後に第1移動機構92がオンされて第1可動ガイド部材53が基準位置からガイド位置に移動される(図7:ステップS4、S5)。このようにして、図3(A)に示すように、搬送ローラ対51によって搬送されたシートPが、第1可動ガイド部材53によって、第1折りローラ対55のニップに案内されることになる。
その後、第1可動ガイド部材53が基準位置に戻されて(図7:ステップS6)、第1シート検知センサ61がオンされてから時間T2(>T1)が経過した後に第1駆動モータ94がオフされて第1折りローラ対55が回転停止される(図7:ステップS7)。
その後、図3(B)に示すように、第1~第3駆動モータ94~96がオンされて、第1、第2折りローラ対55、56や受けローラ57が逆方向に回転駆動される(図7:ステップS8)。また、第1シート検知センサ61がオンされてから時間T3(>T2)が経過した後に、第2移動機構93がオンされて第2可動ガイド部材54が基準位置からガイド位置に移動される(図7:ステップS9、S10)。これにより、図3(B)に示すように、シートPは、軽く折り部が形成された状態で、搬送ローラ対51と第1折りローラ対55とに搬送されながら、第2可動ガイド部材54によって案内されて第2折りローラ対56のニップに向かうことになる。このとき、シートPの一部は、受けローラ57と第2可動ガイド部材54(当接面53b)との間を通過することになる。
【0033】
そして、図3(C)に示すように、シートPの先頭(軽く折り部が形成された部分)が第2折りローラ対56のニップに達すると、そのニップの圧力によって、折り目A1(第1折り目)が形成されることになる。その後、第2可動ガイド部材54がガイド位置から基準位置に戻されて(図7:ステップS11)、次の折り処理があるか(第2折り目を形成するか)が判別される(図7:ステップS12)。
図3の動作例では、第2折り目A2を形成するように設定されているため、図8のステップS13以降の制御がおこなわれることになるが、図7のステップS12で次の折り目を形成しないものと判断された場合には、シートPが排出トレイ68(図1参照)に向けて排出される(図7:ステップS27)。その後、駆動モータ94~96がオフされて本フローを終了する。
【0034】
その後、図3(C)を参照して、シートPの折り目A1が第3シート検知センサ63によって検知されてから時間T5が経過した後に、駆動モータ94~96による折りローラ対55、56や受けローラ57の回転駆動が停止される(図8:ステップS13、S14)。
その後、図3(D)に示すように、駆動モータ94~96がオンされて、折りローラ対55、56や受けローラ57が正方向に回転駆動される(図8:ステップS15)。また、第3シート検知センサ63がオンされてから時間T6(>T5)が経過した後に、第1可動ガイド部材53が基準位置からガイド位置に移動される(図8:ステップS16、S17)。これにより、シートPは、軽く折り部が形成された状態で、搬送ローラ対51と折りローラ対56とに搬送されながら、第1可動ガイド部材53によって案内されて第1折りローラ対55のニップに向かうことになる。このとき、シートPの折り目A1(第1折り目)は、受けローラ57と第1可動ガイド部材53との間を通過するときに増し折りされて、折りが強化されることになる。
【0035】
そして、図3(D)に示すように、シートPの先頭(軽く折り部が形成された部分)が第1折りローラ対55のニップに達すると、そのニップの圧力によって、折り目A2(第2折り目)が形成されることになる。その後、第1可動ガイド部材53がガイド位置から基準位置に戻されて(図8:ステップS18)、次の折り処理があるか(第3折り目を形成するか)が判別される(図8:ステップS19)。
図3の動作例では、第3折り目A3を形成するように設定されているため、図9のステップS20以降の制御がおこなわれることになるが、図8のステップS19で次の折り目を形成しないものと判断された場合には、シートPが排出トレイ68(図1参照)に向けて排出される(図8:ステップS27)。その後、駆動モータ94~96がオフされて本フローを終了する。
【0036】
その後、シートPの第2折り目A2が第2シート検知センサ62によって検知されてから時間T7が経過した後に、駆動モータ94~96による折りローラ対55、56や受けローラ57の回転駆動が停止される(図9:ステップS20、S21)。
その後、図4(A)に示すように、駆動モータ94~96がオンされて、折りローラ対55、56や受けローラ57が逆方向に回転駆動される(図9:ステップS22)。また、第2シート検知センサ62がオンされてから時間T8(>T7)が経過した後に、第2可動ガイド部材54が基準位置からガイド位置に移動される(図9:ステップS23、S24)。これにより、シートPは、軽く折り部が形成された状態で、搬送ローラ対51と折りローラ対55とに搬送されながら、第2可動ガイド部材54によって案内されて第2折りローラ対56のニップに向かうことになる。このとき、シートPの折り目A2(第2折り目)は、受けローラ57と第2可動ガイド部材54との間を通過するときに増し折りされて、折りが強化されることになる。
【0037】
そして、図4(A)に示すように、シートPの先頭(軽く折り部が形成された部分)が第2折りローラ対56のニップに達すると、折り目A3(第3折り目)が形成されることになる。その後、第2可動ガイド部材54がガイド位置から基準位置に戻されて(図9:ステップS25)、次の折り処理があるか(第4折り目を形成するか)が判別される(図9:ステップS26)。
図3の動作例では、第4折り目A4を形成するように設定されているため、再び図8のステップS13以降の制御がおこなわれることになるが、図9のステップS26で次の折り目を形成しないものと判断された場合には、シートPが排出トレイ68(図1参照)に向けて排出される(図9:ステップS27)。その後、駆動モータ94~96がオフされて本フローを終了する。
【0038】
その後、図4(B)に示すように、シートPに第4折り目A4が形成されることになる(図8:ステップS13~S18)。そして、次の折り処理があるか(第5折り目を形成するか)が判別される(図8:ステップS19)。
図3図4の動作例では、第5折り目を形成しないように設定されているため、図4(C)、(D)に示すように、シートPが排出トレイ68(図1参照)に向けて排出される(図8:ステップS27)。このとき、シートPの折り目A2、A4(第2、第4折り目)は、受けローラ57と第2可動ガイド部材54(ガイド位置に移動している。)との間を通過するときに増し折りされて、折りが強化されることになる。その後、駆動モータ94~96がオフされるとともに、第1、第2可動ガイド部材53、54が基準位置に戻されて、本フローを終了する。なお、第5折り目を形成しないように設定されている場合には、図9のステップS20以降の制御がおこなわれることになる。
なお、図3図4を用いた動作例ではシートPに4つの折り目A1~A4を形成する折り処理について説明したが、図7図9に示す制御フローにのっとって他の折り処理(例えば、1つ折り、3つ折り、Z折り、観音折りなどである。)をおこなうこともできる。
【0039】
ここで、図6(A)等を参照して、本実施の形態において、可動ガイド部材53、54は、シートPの折り目Aに当接する当接面53bが低摩擦材料で形成されている。
具体的に、可動ガイド部材53、54自体をPOM(ポリアセタール)やPBT(ポリブチレンテレフタレート)などの低摩擦材料で形成しても良いし、当接面53bにテフロンなどの低摩擦材料をコーティングしても良い。
そして、このように当接面53bを低摩擦材料で形成することで、可動ガイド部材53、54と受けローラ57との間でシートPを搬送するときの摩擦抵抗を減ずることができる。
【0040】
また、図6(B)に示すように、本実施の形態において、可動ガイド部材53、54を、シートPの折り目Aに当接する略板状の押圧部53cと、押圧部53cを押圧方向(図6(B)の下方である。)に付勢する付勢部材としての圧縮スプリング53d、などで構成することもできる。
詳しくは、図6(B)に示すように、可動ガイド部材53、54の内部には、軸部53eが設けられた穴部が形成されていて、その軸部53eに圧縮スプリング53dが巻装されている。圧縮スプリング53dは、一端側が押圧部53cに接続され、他端側が穴部の内壁面に接続されている。また、押圧部53cは、図6(B)の上下方向に移動可能に、可動ガイド部材53、54に保持されている。さらに、押圧部53cは、その当接面が低摩擦材料で形成されている。
これにより、シートP自体の厚さが厚かったり、折り目Aの数が多かったりして、可動ガイド部材53、54と受けローラ57との間(ニップW)で搬送されるシートPの厚さが厚くなってしまっても、増し折りに必要な押圧力を確保しつつ、その厚さに応じて押圧部53cが移動することになる。したがって、可動ガイド部材53、54と受けローラ57との間で搬送されるシートPの厚さに関わらず、搬送不良など生じることなく、折り目Aの強化をすることができる。
【0041】
<変形例1>
変形例1における可動ガイド部材53、54は、図6(B)を用いて説明したものと同様に、押圧部53c、圧縮スプリング53d(圧縮スプリング)などで構成されている。
そして、変形例1における押圧部53cは、図10に示すように、押圧方向(図6(B)の下方である。)に突出する突出部53c1が設けられている。
具体的に、図10(A)に示す突出部53c1は、シートPの搬送方向(図10の上下方向である。)に対して傾斜して、幅方向に延在するように形成されている。また、図10(A´)に示すように、突出部53c1は、シートPの表面を傷つけないように、その断面が略半円状に形成されている。
また、図10(B)に示す突出部53c1は、シートPの搬送方向(図10の上下方向である。)に対して略V字状に傾斜して、幅方向に延在するように形成されている。また、この突出部53c1も、シートPの表面を傷つけないように、その断面が略半円状に形成されている。
このように、突出部53c1を設けることで、可動ガイド部材53、54と受けローラ57との間で搬送されるシートP(折り目A)に対して、集中的に押圧力を付与して、折り目Aの強化をすることができる。
【0042】
<変形例2>
図11に示すように、可動ガイド部材53、54は、押圧部としてのコロ53f、コロ53fを押圧方向に付勢する圧縮スプリング53d(圧縮スプリング)などで構成されている。
詳しくは、図11に示すように、可動ガイド部材53、54の内部には、軸部53eが設けられた穴部が形成されていて、その軸部53eに圧縮スプリング53dが巻装されている。圧縮スプリング53dは、一端側がコロ53fの軸部に当接して、他端側が穴部の内壁面に接続されている。また、コロ53fは、図11の上下方向に移動可能に、かつ、回転可能に、可動ガイド部材53、54に保持されている。
これにより、図6(B)のものと同様に、可動ガイド部材53、54と受けローラ57との間で搬送されるシートPの厚さに関わらず、搬送不良など生じることなく、折り目Aの強化をすることができる。また、変形例2のものは、押圧部としてコロ53fを用いているため、受けローラ57との間に搬送されるシートPに沿うように回転して、シートPの表面を傷つけないことになる。
【0043】
<変形例3>
図12に示すように、変形例3における受け部材としての受けローラ57(ローラ部材)は、その外周面に、押圧方向に突起する突起部57aが軸方向(図12の左右方向であって、幅方向である。)に螺旋状に形成されている。
このように、受けローラ57に螺旋状の突起部57aを設けることで、可動ガイド部材53、54と受けローラ57との間で搬送されるシートPに対して、搬送性を低下させることなく、集中的に押圧力を付与して折り目Aの強化をすることができる。
【0044】
<変形例4>
変形例4における折り装置50に設置された押圧手段(増し折り手段)は、シートPの折り目を押圧する力を調整可能に構成されている。
詳しくは、図13に示すように、押圧手段は、受けローラ57(受け部材)の押圧方向の位置を調整可能な調整機構としてのカム59が設けられている。
カム59は、そのカム面によって、受けローラ57の軸部を支持している。また、カム59は、カム軸59aを中心に回転可能に装置筐体に保持されている。また、受けローラ57は、図13の上下方向(黒矢印方向)に移動可能に、装置筐体に保持されている。このような構成により、カム59がカム軸59aを中心に回転することで、可動ガイド部材53、54に対する受けローラ57の圧接力(押圧力)を調整することが可能になる。
したがって、ユーザーやサービスマンは、折り処理後のシートPの折り目Aの厚さを確認して、必要に応じて、シートPの折り目を押圧する力を調整することが可能になる。例えば、折り目Aの厚さをさらに薄くしたい場合などには、可動ガイド部材53、54に対する受けローラ57の圧接力が大きくなるようにカム59(調整機構)の回転位置を調整することになる。
なお、カム59の回転は、操作パネル30の操作に連動するモータを用いて自動でおこなうようにしても良いし、レバーなどの操作によって手動でおこなうようにしても良い。
【0045】
<変形例5>
図14に示すように、変形例5における折り装置50は、押圧手段(押し増し手段)の一部として機能する受け部材として、ローラ部材としての受けローラ57の替りに、ベルト部材としての受けベルト58を用いている。
受けベルト58は、一対の折りローラ対55、56の間で搬送されるシートPの搬送方向に沿うように走行するベルト部材であって、複数のローラ部材によって張架・支持されている。
そして、可動ガイド部材53、54と受けベルト58との間でシートPを良好に搬送しながら、折り目Aの強化をすることになる。
【0046】
以上説明したように、本実施の形態における折り装置50は、シートPに折り目Aをそれぞれ形成する一対の折りローラ対55、56が設置されている。また、一対の折りローラ対55、56の間で、折りローラ対55、56による押圧によってシートPに形成された折り目Aを再押圧する押圧手段(可動ガイド部材53、54、及び、受けローラ57)が設置されている。
これにより、装置が大型化することなく、シートPに分厚くない良好な折り目Aを形成することができる。
【0047】
なお、本実施の形態では、モノクロの画像形成装置1が設置された画像形成システム100に対して本発明を適用したが、カラーの画像形成装置が設置された画像形成システムに対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、電子写真方式の画像形成装置1が設置された画像形成システムに対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、その他の方式の画像形成装置(例えば、インクジェット方式の画像形成装置や、孔版印刷装置などである。)が設置された画像形成システムに対しても、当然に本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0048】
また、本実施の形態では、折り処理のみをおこなう折り装置50に対して本発明を適用したが、折り処理に加えて別の処理(例えば、パンチ処理、綴じ処理、スタンプ処理などである。)をおこなうことができる折り装置に対しても、本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、画像形成装置1に接続された折り装置50に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、画像形成装置1に接続されておらず折り装置50として独立した装置であっても、当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、画像形成装置1の給送部10にロール状のシートP(ロール紙)が収納されるように構成したが、給送部に所定サイズにカットされたシート(カット紙)が収納されるように構成することもできる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものとほぼ同様の効果を得ることができる。
【0049】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【0050】
なお、本願明細書等において「シート」とは、用紙はもちろんのこと、折り処理される対象となるすべてのシートを含むものと定義する。
【符号の説明】
【0051】
1 画像形成装置、
50 折り装置(後処理装置)、
51 搬送ローラ対、
53 第1可動ガイド部材(可動ガイド部材、押圧手段)、
53b 当接面、
53c 押圧部、 53c1 突出部、
53d 圧縮スプリング(付勢部材)、
53f コロ(回転体)、
54 第2可動ガイド部材(可動ガイド部材、押圧手段)、
55 第1折りローラ対(折り処理部)、
56 第2折りローラ対(折り処理部)、
57 受けローラ(受け部材、押圧手段、ローラ部材)、
57a 突起部、
57 受けベルト(受け部材、押圧手段、ベルト部材)、
59 カム(調整機構)、
91 搬送モータ(第1駆動手段)、
92 第1移動機構(第2駆動手段)、
93 第2移動機構(第2駆動手段)、
94 第1駆動モータ(第3駆動手段)、
95 第2駆動モータ(第3駆動手段)、
96 第3駆動モータ(第4駆動手段)、
100 画像形成システム、
P シート、
A1~A5 折り目、
C1~C6 折り面。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0052】
【文献】特開2006-290618号公報
図1
図2
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図7
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図10
図11
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図13
図14