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特許7493038フィールドポリマー保護物を用いた方向性選択的接合部洗浄
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】フィールドポリマー保護物を用いた方向性選択的接合部洗浄
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240523BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H01L21/302 101C
H01L21/302 101B
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022541996
(86)(22)【出願日】2021-05-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 US2021032706
(87)【国際公開番号】W WO2021236493
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-08-17
(31)【優先権主張番号】16/881,145
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】レイ ユ
(72)【発明者】
【氏名】ル シュエソン
(72)【発明者】
【氏名】ハ テ ホン
(72)【発明者】
【氏名】タン シャンミン
(72)【発明者】
【氏名】グエン アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】グン ツァ-ジン
(72)【発明者】
【氏名】クラウス フィリップ エイ
(72)【発明者】
【氏名】リウ チュン ナン
(72)【発明者】
【氏名】スン フイ
(72)【発明者】
【氏名】フ ユフェイ
【審査官】原島 啓一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-208469(JP,A)
【文献】特開2019-119918(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0240655(US,A1)
【文献】特開2004-119644(JP,A)
【文献】特表2014-511577(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0079060(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/28-21/288
H01L 21/302
H01L 21/3205-21/3213
H01L 21/329
H01L 21/44-21/445
H01L 21/461
H01L 21/768
H01L 23/522
H01L 23/532
H01L 29/40-29/49
H01L 29/872
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバの処理容積に誘導結合プラズマ(ICP)のガスを流入させ、基板上の特徴の側壁および底面にポリマー層を形成することであり、前記ガスがCH x y を含み、前記特徴が、第1の金属ゲート構造体と第2の金属ゲート構造体の間に位置し、前記特徴の前記底面が、エピタキシャル層の頂面上の誘電体層を含み、前記エピタキシャル層が厚さを有する、前記形成すること、ならびに
前記処理チャンバの処理容積に容量結合プラズマ(CCP)のガスを流入させることによって、前記誘電体層を選択的に除去することであり、前記エピタキシャル層の前記厚さが約10nm未満だけ低減する、前記除去すること
を含むエッチング方法。
【請求項2】
前記ガスがさらに、1つまたは複数のアルゴン(Ar)、水素(H2)、アンモニア(NH3)、三フッ化窒素(NF3)、ヘリウム(He)、窒素(N2)、酸素(O2)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、六フッ化硫黄(SF6)およびフッ化水素(HF)を含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記誘電体層を選択的に除去するために流入させる前記ガスが、アンモニア(NH 3 )/三フッ化窒素(NF 3 )の混合物を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記特徴が、少なくとも5:1の高さと幅のアスペクト比を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の金属ゲート構造体および前記第2の金属ゲート構造体が、金属ゲート、キャップ層およびスペーサのうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記誘電体層が二酸化ケイ素(SiO2)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリマー層が、約5nm~約25nmの範囲の厚さを有する。請求項1に記載の方法。
【請求項8】
アンモニア(NH3)または窒素(N2)/水素(H2)混合物を含むプラズマを用いて前記ポリマー層を剥離することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
処理容積を画定するリッド、底壁および少なくとも1つの側壁を有するチャンバ本体と、
ガス管路に接続され、前記処理容積と流体連結したノズルと、
前記チャンバ本体の外側に位置し、前記ガス管路と流体連結したガス源と、
静電チャックを含む基板支持体と
前記静電チャックの頂面上の少なくとも1つのエッジリングと、
前記静電チャックの頂面上の基板と
を備え、
前記基板が、第1の金属ゲート構造体と第2の金属ゲート構造体の間に位置する特徴を含み、前記第1の金属ゲート構造体および前記第2の金属ゲート構造体が、金属ゲート、キャップ層およびスペーサのうちの1つまたは複数を含む、処理チャンバ。
【請求項10】
ス容積内でプラズマを発生させるために、前記リッドと前記静電チャックのうちの一方がRF電源に接続されており、前記リッドと前記静電チャックのうちの他方が電気的アースに接続されている、請求項に記載の処理チャンバ。
【請求項11】
前記静電チャックがヒータを含む、請求項に記載の処理チャンバ。
【請求項12】
前記ガス源が、フッ化メチル(CH3F)、フルオロホルム(CHF3)、ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン(C46)、オクタフルオロシクロブタン(C48)、メタン(CH4)、四フッ化炭素(CF4)、ヘキサフルオロエタン(C26)、エチレン(C24)、エタン(C26)、アルゴン(Ar)、水素(H2)、アンモニア(NH3)、三フッ化窒素(NF3)、ヘリウム(He)、窒素(N2)、酸素(O2)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、六フッ化硫黄(SF6)およびフッ化水素(HF)のうちの1つまたは複数のうちの1つまたは複数の中から選択されたガスを含む、請求項に記載の処理チャンバ。
【請求項13】
前記特徴の底面が、エピタキシャル層の頂面上の誘電体層を含む、請求項に記載の処理チャンバ。
【請求項14】
命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令が、処理チャンバのコントローラによって実行されたときに、
処理チャンバの処理容積に誘導結合プラズマ(ICP)のガスを流入させる操作であり、板上の特徴の側壁および底面にポリマー層を形成する操作であり、前記ガスがCH x y を含み、前記特徴が、第1の金属ゲート構造体と第2の金属ゲート構造体の間に位置し、前記特徴の前記底面が、エピタキシャル層の頂面上の誘電体層を含み、前記エピタキシャル層が厚さを有する、前記形成する操作、ならびに
前記処理チャンバの処理容積に容量結合プラズマ(CCP)のガスを流入させることによって、前記誘電体層を選択的に除去する操作であり、前記エピタキシャル層の前記厚さが約10nm未満だけ低減する、前記除去する操作
を前記処理チャンバに実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記処理チャンバの前記コントローラによって実行されたときに、
アンモニア(NH3)または窒素(N2)/水素(H2)プラズマを用いて前記ポリマー層を剥離する操作
を前記処理チャンバに実行させる命令を含む、請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は半導体処理の分野に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、層をエッチングする方法を対象としている。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、複雑にパターニングされた材料層を基板表面に形成するプロセスによって可能になる。パターニングされた材料を基板上に形成するには、露出した材料を除去する制御された方法が必要である。化学エッチングは、フォトレジストに形成されたパターンをその下の層に転写する目的、層を薄くする目的、または表面にすでに存在している特徴の横方向寸法を小さくする目的を含む、さまざまな目的に使用されている。1つの材料を別の材料よりも速くエッチングするエッチングプロセスは例えばパターン転写プロセスを容易にし、このようなエッチングプロセスを有することはしばしば望ましい。このようなエッチングプロセスを、最初の材料に対して選択的であると言う。材料、回路およびプロセスの多様性の結果として、さまざまな材料に対して選択性を有するエッチングプロセスが開発された。
【0003】
基板処理領域内に形成された局所プラズマ中で生じるドライエッチングは、より窮屈なトレンチに入り込むことができ、ウェットエッチングに比べて残りの繊細な構造体を変形させない。しかしながら、たとえエッチングプロセスが第2の材料よりも第1の材料に対して選択的ではあっても、第2の材料の望ましくないエッチングはある程度、起こりうる。
【0004】
5nm未満のノードに達するためには、低い接合部接触抵抗を達成するために、接合部洗浄が、低いエピ損失、最小のクリティカルディメンション(critical dimension)(CD)ブローアウト(blowout)、ならびに自己整合コンタクト(self-alignment contact)(SAC)に必要なフィールド(field)およびトレンチショルダの最小の誘電体エッチングで、エピタキシャル表面の酸化ケイ素を完全に除去する必要があり、これは、コンタクト位置合せ不良、性能低下および望ましくない歩留り損を回避するために実施される。
【0005】
従来利用されている3つの洗浄/エッチング方法があり、それらはすなわち、フッ化アンモニウム(NH4F)を用いた、またはNH3-HFガス混合物もしくは遠隔NH3-NF3プラズマによって形成されたフッ化アンモニウム-フッ化水素(NH4F-HF)を用いた等方性洗浄、CHxyケミストリおよびポリマー保護物に基づく方向性ドライエッチング、ならびにNH4Fを含むプラズマに基づく方向性選択的エッチングである。それぞれの方法に問題があり、CDブローアウト、またはフィールド損失、またはエピ損失、または高いフィールド損失に帰着する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、高品質のデバイスおよび構造体を製造する目的に使用することができる改良されたシステムおよび方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の1つまたは複数の実施形態は、エッチング方法を対象としている。1つまたは複数の実施形態では、この方法が、処理チャンバの処理容積にガス混合物を流入させることであり、この処理ガスがCHxyを含む、流入させること、処理容積内でプラズマを発生させること、基板上の特徴の側壁および底面にポリマー層を形成することであり、特徴の頂面が金属ゲート構造体上に位置し、特徴の底面が、エピタキシャル層の頂面上の誘電体層を含み、エピタキシャル層が厚さを有する、形成すること、ならびに誘電体層を除去することであり、エピタキシャル層の厚さが約10nm未満だけ低減する、除去することを含む。
【0008】
他の実施形態は、処理チャンバを対象としている。1つまたは複数の実施形態では、処理チャンバが、処理容積を画定するリッド、底壁および少なくとも1つの側壁を有するチャンバ本体と、ガス管路に接続され、処理容積と流体連結したノズルと、チャンバ本体の外側に位置し、ガス管路と流体連結したガス源と、静電チャックを含む基板支持体とを備える。1つまたは複数の実施形態では、ガス容積内でプラズマを発生させるために、リッドと静電チャックのうちの一方がRF電源に接続されており、リッドと静電チャックのうちの他方が電気的アース(electrical ground)に接続されている。
【0009】
さらなる実施形態は、命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、それらの命令が、処理チャンバのコントローラによって実行されたときに、処理チャンバの処理容積にガスを流入させる操作であり、この処理ガスがCHxyを含む、流入させる操作、処理容積内でプラズマを発生させる操作、基板上の特徴の側壁および底面にポリマー層を形成する操作であり、特徴の頂面が金属ゲート構造体上に位置し、特徴の底面が、エピタキシャル層の頂面上の誘電体層を含み、エピタキシャル層が厚さを有する、形成する操作、ならびに誘電体層を除去する操作であり、エピタキシャル層の厚さが約10nm未満だけ低減する、除去する操作を処理チャンバに実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体を対象としている。
【0010】
上に挙げた本開示の特徴を詳細に理解することができるように、上に概要を簡単に示した開示が、そのうちのいくつかが添付図面に示されている実施形態を参照することにより、より具体的に説明されていることがある。しかしながら、添付図面は、本開示の典型的な実施形態だけを示しており、したがって、添付図面を、本開示の範囲を限定するものとみなすべきではないことに留意すべきである。これは、本開示が、等しく有効な他の実施形態を受け入れる可能性があるためである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の1つまたは複数の実施形態による処理チャンバの断面図である。
図2】1つまたは複数の実施形態による方法中の部分的に製造された半導体デバイスの断面図である。
図3】1つまたは複数の実施形態による方法のプロセスフロー図である。
図4A】1つまたは複数の実施形態による方法中の部分的に製造された半導体デバイスの断面図である。
図4B】1つまたは複数の実施形態による方法中の部分的に製造された半導体デバイスの断面図である。
図5】1つまたは複数の実施形態による方法のプロセスフロー図である。
図6A】1つまたは複数の実施形態による方法中の部分的に製造された半導体デバイスの断面図である。
図6B】1つまたは複数の実施形態による方法中の部分的に製造された半導体デバイスの断面図である。
図6C】1つまたは複数の実施形態による方法中の部分的に製造された半導体デバイスの断面図である。
図6D】1つまたは複数の実施形態による方法中の部分的に製造された半導体デバイスの断面図である。
図6E】1つまたは複数の実施形態による方法中の部分的に製造された半導体デバイスの断面図である。
図7】1つまたは複数の実施形態による方法のプロセスフロー図である。
図8A】1つまたは複数の実施形態による方法中の部分的に製造された半導体デバイスの断面図である。
図8B】1つまたは複数の実施形態による方法中の部分的に製造された半導体デバイスの断面図である。
図8C】1つまたは複数の実施形態による方法中の部分的に製造された半導体デバイスの断面図である。
図9】1つまたは複数の実施形態による方法中の部分的に製造された半導体デバイスの断面図である。
図10】本開示の1つまたは複数の実施形態によるクラスタツールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の例示的ないくつかの実施形態の説明に進む前に、本開示は、以下の説明に記載された構造またはプロセスステップの詳細だけに限定されないことを理解すべきである。本開示は、他の実施形態を含むことができ、さまざまなやり方で実施または実行することができる。
【0013】
本明細書で使用されるとき、用語「約」は、およそまたはほぼを意味し、記載された数値または範囲の文脈では、その数値の±15%以下の変動を意味する。例えば、±14%、±10%、±5%、±2%または±1%だけ異なる値は、約の定義を満たすであろう。
【0014】
本明細書および添付の特許請求項で使用されているとき、用語「基板」または「ウエハ」は、その上でプロセスが実行される表面または表面の部分を指す。さらに、文脈からそうでないことが明らかである場合を除き、基板への論及が基板の一部分だけへの論及でもありうることを当業者は理解するであろう。さらに、基板上への堆積への論及は、裸の基板と、1つまたは複数の膜または特徴がその上に堆積したまたは形成された基板の両方を意味しうる。
【0015】
本明細書で使用されているとき、「基板」は、製造プロセス中にその上で膜処理が実行される任意の基板または基板上に形成された任意の材料表面を指す。例えば、その上で処理を実行することができる基板表面は、用途に応じて、ケイ素、酸化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイヤなどの材料、ならびに金属、金属窒化物、金属合金および他の導電性材料などの他の任意の材料を含む。限定はされないが基板は半導体ウエハを含む。基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、UV硬化、eビーム硬化および/またはベークするために、基板を前処理プロセスにかけることができる。基板自体の表面でじかに膜処理を実行することに加えて、本開示では、後により詳細に開示するように、基板上に形成された下層上で、開示されたいずれかの膜処理ステップを実行することもでき、用語「基板表面」は、文脈が指示するそのような下層を含むことが意図されている。したがって、例えば、基板表面に膜/層または部分膜/層を堆積させた場合には、新たに堆積させたその膜/層の露出した表面が基板表面となる。
【0016】
1つまたは複数の実施形態では、半導体デバイスを製造するプロセスが、垂直に分離された領域間に電気接続を形成することを含む。1つまたは複数の実施形態では、エッチングを実行して、しばしば二酸化ケイ素(SiO2)である誘電体材料に凹んだ特徴(トレンチまたはコンタクトホールとも呼ばれる)をエッチングすることができる。次いで、このホールに導電性材料を充填して、垂直に分離された領域を電気的に接続することができる。本明細書のある種の実施形態は、コンタクトホールをエッチングする方法および装置に関する。いくつかの他の実施形態では、本明細書に記載された方法および装置を使用して、バイア、トレンチまたは他の凹んだ特徴をエッチングすることができる。
【0017】
本発明の実施形態を実施することができる処理チャンバを、米カリフォルニア州Santa ClaraのApplied Materials,Inc.から販売されているProducer(登録商標) system、Centris(登録商標)、Centura(登録商標)、Endura(登録商標)などの処理プラットホームに含めることができる。図1は、処理チャンバの一実施形態の断面図を示している。
【0018】
1つまたは複数の実施形態では、特徴をエッチングする方法が、高周波発生器を備える反応チャンバを含む。このエッチング中に、CHxyガスおよびプラズマを使用して二酸化ケイ素を選択的にエッチングする。理想的には、酸化ケイ素は除去されるが、エピタキシャル層は最小限にしかエッチングされないかまたは全くエッチングされない。1つまたは複数の実施形態では、エピタキシャル層が最大10nm除去される。他の実施形態では、9nm未満、または8nm未満、または7nm未満、または6nm未満、または5nm未満、または4nm未満、または3nm未満、または2nm未満、または1nm未満のエピタキシャル層が除去される。
【0019】
図1を参照すると、1つまたは複数の実施形態では、先進のプラズマエッチングチャンバ100が、限定はされないが、フッ化メチル(CH3F)、フルオロホルム(CHF3)、ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン(C46)、オクタフルオロシクロブタン(C48)、メタン(CH4)、四フッ化炭素(CF4)、ヘキサフルオロエタン(C26)、エチレン(C24)、エタン(C26)など、ならびにアルゴン(Ar)、水素(H2)、アンモニア(NH3)、三フッ化窒素(NF3)、ヘリウム(He)、窒素(N2)、酸素(O2)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、六フッ化硫黄(SF6)およびフッ化水素(HF)を含む、CHxyガスを備え、誘導結合プラズマ(ICP)が、チャンバ頂部(リッド)126上の垂直または平面コイル122を通して使用される。ガスは、ガス管路124、ハブ128およびノズル132を通ってチャンバ100に入ることができる。1つまたは複数の実施形態では、静電的にチャック(eチャック)114し、ウエハ(または基板)134を保持するために、高圧DC電源130が使用される。1つまたは複数の実施形態では、ウエハを保持するために急速加熱および冷却とともにeチャックすることで、上ライナ120、下ライナ106、カソードライナ102、チャンバリッド126、チャンバスクリーンドア116、エッジリング118、カソード108、RFプレート112、RFマッチ(RF match)110、プラズマスクリーン104、ポンピング、および静電チャック114からなる、高い熱均一性を有する真空チャンバが有利に提供される。1つまたは複数の実施形態では静電チャック114が必須である。
【0020】
1つまたは複数の実施形態では、静電チャック(「ESC」)114がペデスタルの部分である。ペデスタルは、ESCに埋め込まれたDC電極と冷却/加熱ベースとのうちの1つまたは複数を含むことができる。一実施形態では、処理チャンバがカソード108を備える。一実施形態では、ESCが、酸化アルミニウム(Al23)材料、窒化アルミニウム(AlN)または他のセラミック材料を含み、この他のセラミック材料には、電子デバイス製造の技術者に知られている、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素などの)多数のタイプのセラミックの混合物が含まれる。静電チャック114に電源(例えば高圧DC電源)を接続することができる。いくつかの実施形態では、静電チャック114が、ウエハ/基板の温度を第1の温度まで上昇させることができるヒータ(図示せず)を含む。
【0021】
図1に示されているように、開口136を通して基板をロードし、静電チャック114上に置くことができる。チャンバ100は、ガス管路124を通り抜けた1種または数種のプロセスガスを投入するためのノズル132を備える。いくつかの実施形態では、静電チャック114が約30℃の温度に維持され、圧力が約10ミリトルに維持されたチャンバ100内において、リッドの上のコイルに約600ワットを適用することによってウエハ面の上方に発生させたプラズマを用いて、ウエハ/基板上にポリマー膜を堆積させる。いくつかの実施形態では、13.56MHzおよび2MHzの約100~約1000ワットの2つのRF電力を静電チャックに送達し、ウエハ面のところに2重バイアスプラズマを発生させる。
【0022】
一実施形態では、処理チャンバ100が誘導結合プラズマ(ICP)システムである。一実施形態では、処理チャンバが、誘導結合プラズマ(ICP)と容量結合プラズマ(CCP)の組合せを用いるシステムである。
【0023】
1つまたは複数の実施形態では、多数のプラズマケミストリに適合させるため、上ライナ120、下ライナ106、カソードライナ102、チャンバリッド126、ノズル132、エッジリング118および他のプロセスキットに特別なコーティングまたはバルク材料が実施される。1つまたは複数の実施形態では、この特別なコーティングまたはバルク材料が、限定はされないが、アルミナ、イットリウム、酸化ジルコニウム(ZrO2)、HPM(登録商標)、PAC3(登録商標)などを含むセラミックのうちの1つまたは複数を含む。
【0024】
図2は、1つまたは複数の実施形態によるエッチングプロセス中の部分的に製造された半導体デバイス200の断面図を示している。図3は、さまざまな実施形態によるエッチングプロセスを実行するためのプロセスフロー図を示している。図3の方法は、図2に示した部分的に製造されたデバイスに関して説明される。方法300は操作302から始まり、操作302で、容量結合プラズマもしくは誘導結合プラズマまたはその組合せを発生させるプラズマジェネレータを備える反応チャンバに基板を入れる。1つまたは複数の実施形態では、部分的に製造された半導体デバイス200が、金属ゲート構造体202を含み、金属ゲート構造体202は、ゲート誘電体(例えば酸化ハフニウム(HfO2または他の高k誘電体材料)、金属ゲート204、キャップ層206ならびにスペーサ212および214のうちの1つまたは複数を含むことができる。金属ゲート構造体202間には特徴201がある。1つまたは複数の実施形態では、特徴201の底部に誘電体層208がある。この点に関して使用されるとき、用語「特徴」は意図的な表面凹凸(intentional surface irregularity)を意味する。特徴の適当な例には、限定はされないが、頂部、2つの側壁および底部を有するトレンチ、頂部および2つの側壁を有するピークが含まれる。特徴は、適当な任意のアスペクト比(特徴の深さと特徴の幅の比)を有することができる。いくつかの実施形態では、このアスペクト比が、約2:1以上、3:1以上、4:1以上、5:1以上、10:1以上または15:1以上である。1つまたは複数の実施形態では、特徴が、少なくとも5:1の高さと幅のアスペクト比を有する。
【0025】
1つまたは複数の実施形態では、特徴201が、少なくとも1つの側壁および底面を含む。誘電体層208は、当業者に知られている適当な任意の誘電体材料を含むものとすることができる。1つまたは複数の実施形態では、誘電体層208が二酸化ケイ素(SiO2)を含む。1つまたは複数の実施形態では、誘電体層が、エピタキシャル層210の頂面上にある。
【0026】
操作304で、反応チャンバ内において第1のエッチング操作を実行する。第1のエッチング操作は誘導結合プラズマ(ICP)エッチング操作である。1つまたは複数の実施形態では、フィールド誘電体の損失が問題とならない場合、接合部洗浄を以下のように単純化することができる。すなわち、ICPプラズマを含む静電チャック上にウエハをチャックし、アンモニア(NH3)および三フッ化窒素(NF3)ならびに希釈ガス(例えばHeまたはAr)をチャンバに流入させ、ICPを用いてプラズマを数秒間だけ当てて、ウエハ/基板上にフッ化アンモニウム(NH4F)を形成し、薄いフルオロケイ酸アンモニウム((NH42SiF6)をエピタキシャル層の保護物として生成し、バイアスをある時間の間オンにして、目的である二酸化ケイ素(SiO2)の除去を達成し、次いでポンピングおよびパージを実行し、内側または外側の反応副生物(ケイ酸塩)を昇華させ、その後、接合部金属ケイ化モジュール(junction metal silicidation module)に進む。
【0027】
図4は、1つまたは複数の実施形態によるエッチングプロセス中の部分的に製造された半導体デバイス400の断面図を示している。図5は、さまざまな実施形態によるエッチングプロセスを実行するためのプロセスフロー図を示している。図5の方法は、図4に示した部分的に製造されたデバイスに関して説明される。1つまたは複数の実施形態では、部分的に製造された半導体デバイス400が、金属ゲート構造体402を含み、金属ゲート構造体402は、ゲート誘電体(例えば酸化ハフニウム(HfO2または他の高k誘電体材料)、金属ゲート404、キャップ層406ならびにスペーサ412および414のうちの1つまたは複数を含むことができる。金属ゲート構造体402間には特徴401がある。1つまたは複数の実施形態では、特徴401の底部に誘電体層408がある。誘電体層408は、当業者に知られている適当な任意の誘電体材料を含むものとすることができる。1つまたは複数の実施形態では、誘電体層408が二酸化ケイ素(SiO2)を含む。1つまたは複数の実施形態では、誘電体層が、エピタキシャル層410の頂面上にある。
【0028】
1つまたは複数の実施形態では、ポリマー保護物を提供するために、希釈ガス(例えばHeまたはAr)と混合されたCHxyのICPプラズマをバイアスとともにまたはバイアスなしで使用して、炭素ベースのポリマー層414を堆積させ、続いてNH3/NF3方向性選択的プラズマ洗浄を実行する。1つまたは複数の実施形態では、CHxyガスが、フッ化メチル(CH3F)、フルオロホルム(CHF3)、ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン(C46)、オクタフルオロシクロブタン(C48)、メタン(CH4)、四フッ化炭素(CF4)、ヘキサフルオロエタン(C26)、エチレン(C24)、エタン(C26)など、ならびにアルゴン(Ar)、水素(H2)、アンモニア(NH3)、三フッ化窒素(NF3)、ヘリウム(He)、窒素(N2)、酸素(O2)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、六フッ化硫黄(SF6)およびフッ化水素(HF)のうちの1つまたは複数を含む。1つまたは複数の実施形態では、このポリマーを、特徴401の少なくとも1つの側壁および底面に堆積させる。いくつかの実施形態では、特徴401のアスペクト比が、約2:1以上、3:1以上、4:1以上、5:1以上、10:1以上または15:1以上である。1つまたは複数の実施形態では、このポリマーを、約5nm~約30nmの範囲、または約8nm~約25nmの範囲、または約10nm~約18nmの範囲の厚さに堆積させる。
【0029】
1つまたは複数の実施形態では、NH3/NF3プラズマが炭素ベースのポリマー層414もエッチングするため、目的である誘電体層408(例えば二酸化ケイ素(SiO2))の全体の除去(>4nmなど)が達成される前に、炭素ベースのポリマー層414が消費されることがある。1つまたは複数の実施形態では、フィールド保護物が常にあるようにするため、ポリマー堆積とNH3/NF3プラズマ洗浄の周期的プロセスを実施することができる。1つまたは複数の実施形態では、フィールド誘電体がNH3/NF3プラズマに触れることがないように、プラズマ洗浄ステップの時間が制御される。
【0030】
他の実施形態は、エピタキシャル層410の上に約1nmの二酸化ケイ素(SiO2)が残るまで二酸化ケイ素(SiO2)をエッチングするための、始まりにおけるCHxyケミストリのパッシベーションとエッチングの均衡を対象としている。1つまたは複数の実施形態では、誘電体層408(例えば二酸化ケイ素(SiO2))を除去するために、アンモニア/三フッ化窒素(NH3/NF3)方向性選択的プラズマ洗浄にシフトする。この洗浄は、CHxyケミストリよりもはるかに良好な選択性でエピタキシャル層410の表面でちょうど止まる。
【0031】
ケイ化モジュール。
【0032】
図6A~6Eは、1つまたは複数の実施形態によるエッチングプロセス中の部分的に製造された半導体デバイス600の断面図を示している。図7は、さまざまな実施形態によるエッチングプロセスを実行するためのプロセスフロー図を示している。図7の方法は、図6A~6Eに示した部分的に製造されたデバイスに関して説明される。1つまたは複数の実施形態では、部分的に製造された半導体デバイス600が、金属ゲート構造体602を含み、金属ゲート構造体602は、ゲート誘電体(例えば酸化ハフニウム(HfO2または他の高k誘電体材料)、金属ゲート604およびキャップ層606のうちの1つまたは複数を含むことができる。金属ゲート構造体602間には特徴601がある。1つまたは複数の実施形態では、特徴601の底部に誘電体層608がある。誘電体層608は、当業者に知られている適当な任意の誘電体材料を含むものとすることができる。1つまたは複数の実施形態では、誘電体層608が二酸化ケイ素(SiO2)を含む。いくつかの実施形態では、特徴601のアスペクト比が、約2:1以上、3:1以上、4:1以上、5:1以上、10:1以上または15:1以上である。1つまたは複数の実施形態では、誘電体層が、エピタキシャル層610の頂面上にある。1つまたは複数の実施形態では、ポリマー614の堆積とNH3/NF3プラズマ洗浄が周期的に実行される。1周期当たりのプラズマ洗浄時間は、ポリマーの厚さ616を数ナノメートルに保つように調整される。
【0033】
1つまたは複数の実施形態では、CHxyガスが、フッ化メチル(CH3F)、フルオロホルム(CHF3)、ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン(C46)、オクタフルオロシクロブタン(C48)、メタン(CH4)、四フッ化炭素(CF4)、ヘキサフルオロエタン(C26)、エチレン(C24)、エタン(C26)など、ならびにアルゴン(Ar)、水素(H2)、アンモニア(NH3)、三フッ化窒素(NF3)、ヘリウム(He)、窒素(N2)、酸素(O2)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、六フッ化硫黄(SF6)およびフッ化水素(HF)のうちの1つまたは複数を含む。1つまたは複数の実施形態では、このポリマーを、特徴601の少なくとも1つの側壁および底面に堆積させる。
【0034】
1つまたは複数の実施形態では、フィールド上にポリマー614を堆積させる必要があるが、トレンチ底部にポリマーが堆積することは望ましくない。1つまたは複数の実施形態では、源とバイアスの両方のプラズマ電力、ガス流量、圧力、酸素(O2)または二酸化炭素(CO2)もしくは一酸化炭素(CO)および希釈ガスの追加、ならびに先進のレベルツーレベルパルシング(level-to-level pulsing)を含むRF電力パルシングを使用して、トレンチ底部の被覆が最小になるように、ポリマー堆積プロセスを最適化することができる。1つまたは複数の実施形態において、レベルツーレベルパルシングは、フィールド上には厚いポリマーを堆積させるが、トレンチの内側にはポリマーを堆積させないか、または最小限にしか堆積させないことが示されている。
【0035】
図8A~8Cは、1つまたは複数の実施形態によるエッチングプロセス中の部分的に製造された半導体デバイス800の断面図を示している。1つまたは複数の実施形態では、部分的に製造された半導体デバイス800が、金属ゲート構造体802を含み、金属ゲート構造体802は、ゲート誘電体(例えば酸化ハフニウム(HfO2または他の高k誘電体材料)、金属ゲート804およびキャップ層806のうちの1つまたは複数を含むことができる。金属ゲート構造体802間には特徴801がある。1つまたは複数の実施形態では、特徴801の底部に誘電体層808がある。誘電体層808は、当業者に知られている適当な任意の誘電体材料を含むものとすることができる。1つまたは複数の実施形態では、誘電体層808が二酸化ケイ素(SiO2)を含む。1つまたは複数の実施形態では、トレンチ底部のポリマーが最小になるように調整することに加えて、フィールドのみならずトレンチのショルダも保護するために、それに応じて、ショルダを覆うポリマーの被覆程度を調整する必要がある。1つまたは複数の実施形態では、これが、図8A~8Cに示されているようなツーステップポリマー堆積プロセスを含む。
【0036】
図9を参照すると、さらに、1つまたは複数の実施形態では、アンモニア(NH3)または窒素(N2)/水素(H2)混合物を含むICTPを使用したポリマー剥離プロセスを使用して、ウエハおよび接合コンタクトトレンチ852からポリマー残留物862を除去することができる。これによって、メタン(CH4)858および/またはフッ化水素(HF)860が放出される。ケイ化前の純粋なエピタキシャル層界面を保証するためにはこの除去が必須である。1つまたは複数の実施形態では、このプロセスを、本発明で提案されたチャンバと同じチャンバまたは別個のチャンバで実行することができる。
【0037】
本開示の追加の実施形態は、記載された方法を実行するために1つまたは複数の実施形態の処理チャンバとともに使用することができる、図10に示されているような処理ツール900を対象としている。
【0038】
クラスタツール900は、複数の側面を有する少なくとも1つの中央移送ステーション921、931を含む。中央移送ステーション921、931内にはロボット925、935が配置されており、ロボット925、935は、複数の側面の各々にロボットブレードおよびウエハを移動させるように構成されている。
【0039】
クラスタツール900は、中央移送ステーションに接続された、プロセスステーションとも呼ばれる複数の処理チャンバ902、904、906、908、910、912、914、916および918を含む。これらのさまざまな処理チャンバは、隣接したプロセスステーションから分離された別個の処理領域を提供する。処理チャンバは、限定はされないが、前洗浄チャンバ、緩衝チャンバ、移送スペース、ウエハ配向/ガス抜きチャンバ、冷却チャンバ、堆積チャンバ、アニールチャンバ、エッチングチャンバ、熱処理(RTP)チャンバ、プラズマ酸化チャンバ、プラズマ窒化チャンバおよび原子層堆積(ALD)チャンバを含む適当な任意のチャンバとすることができる。プロセスチャンバおよび構成要素の個別の配置はクラスタツールに応じてさまざまとすることができ、プロセスチャンバおよび構成要素の個別の配置を、本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【0040】
図10に示された実施形態では、クラスタツール900の前面にファクトリインターフェース950が接続されている。ファクトリインターフェース950は、ファクトリインターフェース950の前面951にローディングチャンバ954およびアンローディングチャンバ956を含む。ローディングチャンバ954は左側に示されており、アンローディングチャンバ956は右側に示されているが、これは単に可能な1つの構成を表しているだけであることを当業者は理解するであろう。
【0041】
ローディングチャンバ954およびアンローディングチャンバ956のサイズおよび形状は、例えばクラスタツール900内で処理される基板に応じてさまざまとすることができる。示された実施形態では、ローディングチャンバ954およびアンローディングチャンバ956のサイズが、ウェハカセットおよびカセット内に配置された複数のウエハを保持するように設定されている。
【0042】
ファクトリインターフェース950内にはロボット952があり、ロボット952は、ローディングチャンバ954とアンローディングチャンバ956の間を移動することができる。ロボット952は、ローディングチャンバ954内のカセットからロードロックチャンバ960までファクトリインターフェース950を通してウエハを移送することができる。ロボット952はさらに、ロードロックチャンバ962からアンローディングチャンバ956内のカセットまでファクトリインターフェース950を通してウエハを移送することができる。ファクトリインターフェース950は2つ以上のロボット952を有することができることを当業者は理解するであろう。例えば、ファクトリインターフェース950は、ローディングチャンバ954とロードロックチャンバ960の間でウエハを移送する第1のロボット、およびロードロック962とアンローディングチャンバ956の間でウエハを移送する第2のロボットを有することができる。
【0043】
示されたクラスタツール900は、第1のセクション920および第2のセクション930を有する。第1のセクション920は、ロードロックチャンバ960、962を介してファクトリインターフェース950に接続されている。第1のセクション920は、少なくとも1つのロボット925がその中に配置された第1の移送チャンバ921を含む。ロボット925はロボットウエハ移送機構とも呼ばれる。第1の移送チャンバ921は、ロードロックチャンバ960、962、プロセスチャンバ902、904、916、918および緩衝チャンバ922、924に関して中心に位置する。いくつかの実施形態のロボット925は、一度に2枚以上のウエハを独立して移動させることができる多腕ロボットである。1つまたは複数の実施形態では、第1の移送チャンバ921が2つ以上のロボットウエハ移送機構を備える。第1の移送チャンバ921内のロボット925は、第1の移送チャンバ921の周囲のチャンバ間でウエハを移動させるように構成されている。個々のウエハは、第1のロボット機構の遠位端に位置するウエハ輸送ブレードの上に載せて運ばれる。
【0044】
第1のセクション920でウエハを処理した後、そのウエハを、パススルーチャンバ(pass-through chamber)を通して第2のセクション930に渡すことができる。例えば、チャンバ922、924を、一方向または双方向パススルーチャンバとすることができる。パススルーチャンバ922、924を使用して、例えば、第2のセクション930で処理する前にウエハを冷却することができ、または第1のセクション920に戻す前のウエハ冷却もしくは後処理を可能にすることができる。
【0045】
システムコントローラ990は、第1のロボット925、第2のロボット935、第1の複数の処理チャンバ902、904、916、918および第2の複数の処理チャンバ906、908、910、912、914と通信する。システムコントローラ990は、処理チャンバおよびロボットを制御することができる適当な任意の構成要素とすることができる。例えば、システムコントローラ990を、中央処理ユニットと、メモリと、適当な回路と、ストレージとを含むコンピュータとすることができる。
【0046】
プロセスは一般に、プロセッサによって実行されたときに本開示のプロセスをプロセスチャンバに実行させるソフトウェアルーチンとして、システムコントローラ990のメモリに記憶することができる。このソフトウェアルーチンを、そのプロセッサが制御しているハードウェアから遠隔して置かれた第2のプロセッサ(図示せず)によって記憶および/または実行することもできる。本開示の方法の一部または全部をハードウェアで実行することもできる。そのため、プロセスをソフトウェアで実施し、コンピュータシステムを使用して実行すること、または例えば特定用途向け集積回路もしくは他のタイプのハードウェアインプリメンテーションとしてハードウェアで実施すること、またはソフトウェアとハードウェアの組合せとして実施することができる。プロセッサによって実行されたとき、ソフトウェアルーチンは、汎用コンピュータを、プロセスが実行されるようにチャンバの動作を制御する特定目的コンピュータ(コントローラ)に変える。
【0047】
説明を容易にするため、本明細書では、図に示された1つの要素または特徴と別の要素または特徴との関係を記述するために、空間的相対語、例えば「~の下」、「~の下方」、「下~」、「~の上方」、「上~」などが使用されていることがある。これらの空間的相対語は、図に示された向きだけでなく、使用時または動作時のデバイスのさまざまな向きを包含することが意図されていることが理解される。例えば、図中のデバイスを裏返した場合、別の要素または特徴の「下方」または「下」にあると記載された要素は、その別の要素または特徴の「上方」に位置することになる。したがって、例示的な用語「~の下方」は、上方と下方の両方の向きを包含することがある。デバイスがそれ以外の向き(90度回転させた向きまたは別の向き)に置かれることもあり、本明細書で使用される空間的相対記述語もそれに応じて解釈することができる。
【0048】
本明細書で論じられている材料および方法を記述する文脈(特に以下の特許請求項の文脈)における用語「a」および「an」および「the」ならびに同様の指示物の使用は、そうではないと本明細書に示されている場合または文脈からそうでないことが明らかである場合を除いて、単数と複数の両方をカバーすると解釈すべきである。本明細書における値の範囲の提示は、そうではないと本明細書に示されている場合を除いて、単に、その範囲に含まれるそれぞれの別個の値に個別に言及する方法の短縮法の役目を果たしているだけであることが意図されており、それぞれの別個の値は、その値があたかも本明細書に個別に記載されているかのように、本明細書に組み込まれている。本明細書に記載された全ての方法は、そうではないと本明細書に示されている場合または文脈からそうでないことが明らかである場合を除いて、適当な任意の順序で実行することができる。本明細書に提供されたあらゆる例または例示のための語句(例えば「など」)の使用は、単に、材料および方法をより適切に明らかにすることが意図されており、そうではないと言明されている場合を除き、範囲を限定するものではない。特許請求項に記載されていない要素が、開示された材料および方法の実施に不可欠であることを、本明細書の中の語句が示していると解釈すべきではない。
【0049】
本明細書の全体を通じて、「一実施形態」、「ある種の実施形態」、「1つまたは複数の実施形態」または「実施形態」への言及は、その実施形態に関して記載された特定の特徴、構造、材料または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体のさまざまな箇所における「1つまたは複数の実施形態では」、「ある種の実施形態では」、「一実施形態では」または「実施形態では」などの句の出現は、必ずしも本開示のその同じ実施形態に関するわけではない。1つまたは複数の実施形態では、それらの特定の特徴、構造、材料または特性を適当な任意のやり方で組み合わせることができる。
【0050】
本明細書では特定の実施形態を参照して本開示を説明したが、それらの実施形態は単に本開示の原理および用途の例に過ぎないことを理解すべきである。本開示の趣旨および範囲を逸脱することなく本開示の方法および装置にさまざまな変更および変形を加えることができることは当業者には明白であろう。したがって、本開示は、特許請求項およびそれらの等価物の範囲に含まれる変更および変形を含むことが意図されている。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10