(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】基板処理チャンバ用ペデスタル
(51)【国際特許分類】
H01L 21/205 20060101AFI20240524BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240524BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20240524BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240524BHJP
H05H 1/46 20060101ALN20240524BHJP
【FI】
H01L21/205
H01L21/302 101B
C23C16/458
H01L21/31 C
H05H1/46 M
(21)【出願番号】P 2021540499
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(86)【国際出願番号】 US2019066551
(87)【国際公開番号】W WO2020149972
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2022-12-13
(32)【優先日】2019-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パリミ, ベンカタ シャラット チャンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ボベック, サラ ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】クルシュレシャータ, パラシャント クマール
(72)【発明者】
【氏名】プラバカール, ビネイ ケー.
(72)【発明者】
【氏名】リー, クァンドゥック ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】ハー, スンウォン
(72)【発明者】
【氏名】リー, チエン
【審査官】長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-513255(JP,A)
【文献】特開2002-241946(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0171473(US,A1)
【文献】特開2008-198739(JP,A)
【文献】特開2005-064460(JP,A)
【文献】特表2016-503962(JP,A)
【文献】実開平02-035438(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0258075(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
H01L 21/3065
C23C 16/458
H01L 21/31
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理チャンバ内に配置するためのペデスタルであって、
支持面と該支持面から上向きに突出する段付き面とを備えた本体であって、段付き面が支持面の周りに配置されて支持面を取り囲み、かつ該段付き面が、エッジリングがペデスタルと一体化されてモノリシックな本体を形成するように、エッジリングを画成する、本体;
本体内に配置された電極;及び
本体内に配置された1つ以上のヒータ
を備え
、エッジリングが本体の第1の部分であり、ペデスタルが本体の第2の部分であり、エッジリングを有する第1の部分が、ペデスタルを有する第2の部分の体積電気抵抗率より小さい体積電気抵抗率を有する、ペデスタル。
【請求項2】
エッジリングを有する第1の部分が第1の材料を含み、ペデスタルを有する第2の部分が第1の材料とは異なる第2の材料を含む、請求項
1に記載のペデスタル。
【請求項3】
基板処理チャンバであって、
内部容積を備えたチャンバ本体;
内部容積内に配置されたペデスタルであって、支持面を備えたペデスタル;及び
エッジリングであって、内面、外面、上面、及び内面の上端の斜角を備えており、該斜角が内面と上面との間に延在している、エッジリング
を備え
、エッジリングの体積電気抵抗率が、ペデスタルの体積電気抵抗率より小さい、基板処理チャンバ。
【請求項4】
斜角が、エッジリングの内面と上面との間にある角度で延びる傾斜したプロファイルを含み、該角度が、支持面から上向きに直交して延びる第1の軸と斜角の傾斜したプロファイルに沿って延びる第2の軸との間で測定され、該角度が12度から18度の範囲内にある、請求項
3に記載の基板処理チャンバ。
【請求項5】
エッジリングがペデスタルと一体化されてモノリシックな本体を形成し、エッジリングの上面が支持面の周りに配置されて支持面を取り囲む、請求項
4に記載の基板処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、概して、ペデスタル、その構成要素、及びそれを基板処理チャンバに使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペデスタルは、半導体用途に用いられる基板を処理するための基板処理チャンバにおいて用いられる。プラズマ化学気相堆積(PECVD)などの処理方法を、このような基板処理チャンバにおいて使用することができる。しかしながら、多くのペデスタル設計は、基板処理中に、基板処理チャンバ内の基板と他の構成要素との間のアーク放電又は容量性放電に悩まされる。例えば、アーク放電は、基板と、該基板に隣接して配置されたエッジリングとの間で発生しうる。アーク放電は、基板への膜堆積の減少、基板のエッジ付近での膜堆積の喪失(膜堆積のプロファイルの不均一性をもたらす)、エッジリングの欠け、又は基板へのエッジリングの融合など、幾つかの動作上の問題を引き起こす可能性がある。これらの問題を解決するための試みがなされてきたが、スループットの低下、基板あたりのダイ効率の低下、不十分な膜堆積、又は高い運用コストなどの問題が発生している。
【0003】
したがって、基板処理チャンバ用の改善されたペデスタルが必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実装形態は、概して、基板処理チャンバ用のペデスタルに関する。
【0005】
一実装形態では、基板処理チャンバ内に配置するためのペデスタルは、本体を含む。本体は支持面を含む。本体はまた、支持面から上向きに突出する段付き面も含む。段付き面は、支持面の周りに配置されて支持面を取り囲む。段付き面は、エッジリングがペデスタルと一体化されてモノリシックな本体を形成するように、エッジリングを画成する。ペデスタルはまた、本体内に配置された電極及び本体内に配置された1つ以上のヒータも含む。
【0006】
一実装形態では、基板処理チャンバ内に配置するためのペデスタルは、支持面を有する本体を含む。ペデスタルは、支持面の下に第1の深さで本体内に配置された第1の電極を含む。ペデスタルは、第1の電極の少なくとも一部の上にコーティングされたコーティングを含む。コーティングは、第1の電極の体積電気抵抗率より大きい体積電気抵抗率を有する。
【0007】
一実装形態では、基板処理チャンバは、内部容積を有するチャンバ本体及び内部容積内に配置されたペデスタルを含む。ペデスタルは支持面を含む。基板処理チャンバはまた、エッジリングも含む。エッジリングは、内面、外面、上面、及び内面の上端の斜角を含む。斜角は内面と上面との間に延在する。
【0008】
本開示の上記の特徴を詳細に理解できるように、その一部が添付の図面に例示されている実装形態を参照することによって、上に簡単に要約されている本開示のより詳細な説明が得られる。しかしながら、本開示は他の等しく有効な実装形態も許容しうるため、添付の図面は、単に本開示の一般的な実装形態を示しているだけであり、したがって、本発明の範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実装形態による、本明細書に開示されるペデスタルを備えたチャンバの概略的な断面図
【
図2】一実装形態による、
図1のチャンバに使用することができるペデスタルの一部の概略的な部分断面図
【
図3】一実装形態による、
図1のチャンバに使用することができるペデスタルの一部の概略的な部分断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を容易にするため、可能な場合には、図面に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号が用いられる。一実装形態で開示されている要素は、具体的な記述がなくとも、他の実装形態で有益に利用することができることが想定されている。
【0011】
本開示の態様は、基板処理チャンバのためのペデスタルに関する。
図1は、一実装形態による、本明細書に開示されるペデスタル138を備えたチャンバ100の概略的な断面図である。チャンバ100は、例えば、半導体を製造するための基板処理チャンバである。チャンバ100は、気相堆積チャンバ、例えば、化学気相堆積(CVD)チャンバ又はプラズマCVD(PECVD)チャンバなどの堆積チャンバでありうる。チャンバ100は、チャンバ本体102及びチャンバリッド104を有する。チャンバ本体102は、その中の内部容積106及びポンピング経路108を含む。内部容積106は、チャンバ本体102とチャンバリッド104とによって少なくとも部分的に画成された空間である。ポンピング経路108は、ポンピングプレート114内に形成されたポンピング容積112に結合された、チャンバ本体102に形成された経路である。ポンピング経路108は、内部容積106からのガスの除去を容易にする。
【0012】
チャンバ100は、チャンバリッド104に結合されるか、それに配置されて1つ以上のガスの流れを処理領域110内に送給するガス分配アセンブリ116を含む。ガス分配アセンブリ116は、チャンバリッド104に形成されたガス入口通路120に結合されたガスマニホールド118を含む。ガスマニホールド118は、1つ以上のガス源122(2つ示されている)からガスの流れを受け取る。1つ以上のガス源122から受け取ったガスの流れは、ガスボックス124全体にわたって分配され、バッキング板126の複数の開口部を通って流れ、さらには、バッキング板126と面板130とによって画成されたプレナム128全体にわたって分配される。次に、ガスの流れは、面板130の複数の開口部132を通って内部容積106の処理領域110内に流れ込む。ポンプ133は、導管134によってポンピング経路108に接続されて、処理領域110内の圧力、並びに処理領域110からポンピング容積112及びポンピング経路108を通る排気ガス及び副生成物に対する圧力を制御する。
【0013】
内部容積106は、チャンバ100内で基板136を支持するペデスタル138を含む。ペデスタル138は、該ペデスタル138内に配置されたヒータ198及び電極140を含む。電極140は、導電性メッシュ、例えば、タングステン含有、銅含有、又はモリブデン含有の導電性高周波(RF)メッシュを含みうる。ヒータ198は、交流(AC)コイルを含めた、加熱するために用いられる任意の材料を含みうる。
図1は、電極140の下に配置されたヒータ198を示している。しかしながら、ヒータ198は、代替的に、電極140の上に配置されてもよいことが想定されている。
【0014】
ペデスタル138は、リフトシステムに結合されたステム142によって内部容積106内に移動可能に配置される。ペデスタル138の動きは、チャンバ本体102を通して形成されたスリットバルブを介した処理容積106の内外への基板136の移送を容易にする。ペデスタル138はまた、基板136の処理、挿入、及び/又は取り出しのために異なる位置に動かすことができる。ペデスタル138はまた、それを通じて配置された開口部も有しており、それを通じて、複数のリフトピン150を移動可能に配置することができる。下降位置では、複数のリフトピン150は、チャンバ本体の底部154に結合されたリフトプレート152に接触することによって、ペデスタル138から突出する。リフトピン150の突出は、基板136の移送を容易にするために、基板136をペデスタル138から離間した関係に配置する。
【0015】
図1に示される実装形態におけるペデスタル138は、その上に基板136を支持するように構成された支持面138aを含む。支持面138a及び/又はペデスタル138は加熱されうる。処理中、基板136は支持面138a上に配置される。ペデスタル138はまた、基板136の周りの支持面138a上に配置されたエッジリング139も含む。基板処理中、ガスが処理領域110に流入すると、ヒータ198はペデスタル138及び支持面138aを加熱する。また、基板処理中、電極140は、高周波(RF)エネルギー、交流(AC)、又は直流(DC)を伝播して、処理領域110におけるプラズマの生成を促進するか、及び/又はペデスタル138への基板136のチャッキングを促進する。熱、ガス、及び電極140からのエネルギーは、基板処理中に基板136上への膜の堆積を促進する。
【0016】
示される実装形態では、高周波(RF)源156は、整合回路158を介して、ペデスタル138内に配置された電極140に結合される。RF源156が示されているが、本開示は、交流(AC)電源又は直流(DC)電源などの他の電源を使用することができることが想定されている。整合回路158は、導電性ロッド160によって電極140に電気的に結合される。整合回路158は、ヒータ198にも電気的に結合される。電源159は、ヒータ198に電力を供給するように構成される。電源159は、ヒータ198にAC電力又はDC電力を供給して、熱を生成することができる。チャンバ本体102及び電極140への結合を介して接地される面板130は、容量性プラズマ結合の形成を促進する。例えば、RF源156は、ペデスタル138内の電極140にRFエネルギーを供給して、ペデスタル138とガス分配アセンブリ116の面板130との間での容量結合プラズマの生成を促進する。RF源156は接地171に接続する。第2のRF源166もまた、チャンバ100にRFエネルギーを供給するように構成される。第2のRF源166は接地173に接続される。第2のRF源166が示されているが、本開示は、交流(AC)電源又は直流(DC)電源などの他の電源を使用することができることが想定されている。
【0017】
RF電力が電極140に供給されると、面板130とペデスタル138との間に電界が生成し、それによって、ペデスタル138と面板130との間の処理領域110内に存在するガスの原子がイオン化され、電子を放出する。イオン化された原子はペデスタル138へと加速され、基板136上での膜形成を促進する。一例では、処理領域110は、該処理領域110の第1の側の面板130と、処理領域110の第2の側の支持面138a及びエッジリング139との間にある。
【0018】
図2は、一実装形態による、
図1のチャンバ100に使用することができるペデスタル238の一部の概略的な部分断面図である。ペデスタル238は、支持面238aを有する本体270を含む。ペデスタル238は、該ペデスタル238の本体270内に配置された電極240を含む。支持面238a及び/又はペデスタル238は加熱されうる。ペデスタル238はまた、本明細書に開示されるヒータ298も含む。ヒータ298は、ペデスタル238及び/又は支持面238aを加熱する。支持面238aは、例えば基板136の処理中に、その上に基板136を支持するように構成される。上で論じたように、電極240は、RFエネルギーを伝播するための導電性メッシュを含みうる。ヒータ298は、交流(AC)コイルを含めた、加熱するために用いられる任意の材料を含みうる。ヒータ298は、電極240の下に配置される。処理中、基板136は、ペデスタル238の支持面238a上に配置される。基板136の外側エッジ246は、基板の中心136から測定して、基板136の半径R
1を画成する。ペデスタル238はまた、ペデスタル238の支持面238a上かつ基板136の周りに配置されたエッジリング239も含む。エッジリング239の内面247は、エッジリング239の内半径IR
1を画成する。一例では、エッジリング239の内半径IR
1は、エッジリング239の中心から測定される。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、支持面238aの中心は、基板136の処理中、基板136の中心と位置合わせされる。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、支持面238aの中心は、エッジリング239の中心と位置合わせされる。エッジリング239は、支持面238aと同心にある。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、内半径IR
1は、5.9インチから6.5インチの範囲内にある。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、半径R
1は、5.9インチから6.0インチの範囲内にある。
【0019】
エッジリング239の内半径IR1及び基板136の半径R1は、エッジリング239の内面247と基板136の外側エッジ246との間の距離D1を画成する。エッジリング239は、間隙によって基板136から離間される。エッジリング239と基板136との間のある特定の距離D1を使用することにより、基板136とエッジリング239との間の支持面238aの処理ガスに曝露される量を制御することができる。曝露される支持面238aの量を制御することにより、基板処理中に基板136とエッジリング239との間で発生する可能性のある、容量性放電又はアーク放電を制限することができる。曝露される支持面238aの量を制御することはまた、基板136上へのより厚く、より均一な膜堆積を促進する。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、距離D1は少なくとも約0.01インチである。一例では、距離D1は、約0.02インチから約1.5インチの範囲内にある。一例では、距離D1は、0.1インチから0.7インチの範囲内にある。一例では、距離D1は約0.3インチである。
【0020】
距離D1と基板136の半径R1とが、距離D1の基板136の半径R1に対する比RAを規定する。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、比RAは、約0.00167から約0.210の範囲内にある。一例では、比RAは約0.003から約0.2の範囲内にある。一例では、比RAは約0.02である。
【0021】
図2に示されるエッジリング239は、該エッジリング239の内面247の上端に斜角241を含む。内面247は、支持面238aの中心に対して、エッジリング239の外面250の半径方向内側に配置される。斜角241は、エッジリング239の内面247と上面255との間に延在する。エッジリング239の上面255は、支持面238aの一部の上に配置される。斜角241は、角度Aで延びる傾斜したプロファイル241cによって少なくとも部分的に画成される。角度Aは、支持面238aから上向きに直交して(例えば、エッジリング239の中心軸に平行に)延びる第1の軸241aと、斜角241の傾斜したプロファイル241cに沿って延びる第2の軸241bとの間で測定される。斜角を含めることにより、基板処理中のアーク放電を低減することができ、基板136の外側エッジ246の近くの膜堆積の損失を低減することができ、それによって、基板136上への膜のより厚く、より均一な堆積を促進する。加えて、ある特定の角度Aの斜角241を使用することにより、アーク放電及び膜厚の損失を低減することができる。エッジリング239の斜角241を利用することにより、処理される所与の基板136から得ることができる基板あたりのダイも増加させることができる。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、斜角241の角度Aは、約0度から約90度の範囲内にある。一例では、斜角241の角度Aは、約3度から約65度の範囲内にある。一例では、斜角241の角度Aは、約10度から約60度、例えば、約10度から約30度、約30度から約60度、約20度から約50度、又は約30度から約40度の範囲内にある。一例では、斜角241の角度Aは、約15度、例えば、12度から18度の範囲内にある。
【0022】
図2に示される実装形態に示される電極240は、支持面238aの下に深さMD
1で、ペデスタル238内に配置される。深さMD
1は、ペデスタル238の支持面238aと電極240の上端240aとの間で測定される。一例では、電極240がRFメッシュを含む場合、上端240aはRFメッシュの上端である。深さMD
1は、容量性電荷(例えば、アーク放電)を低減させつつ、基板処理中の膜堆積の厚さを増加させるように選択することができる。電極240のある特定の深さMD
1を使用することにより、基板136に結合するプラズマを制限することで、基板処理チャンバのスループットも増加させることができる。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、電極240の深さMD
1は、約0.5mmから約4mmの範囲内にある。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、電極240の深さMD
1は少なくとも約1.2mmである。
【0023】
図2に示される実装形態では、電極240の少なくとも一部は、コーティング249でコーティングされる。このようなコーティング249は、基板136とエッジリング239との間の容量性放電を低減することができ、基板136に結合するプラズマを低減することができる。上で論じたように、電極240はRFメッシュを含みうる。コーティング249は、内半径249a及び外半径249bを含む。一例では、電極240は、該電極240の全体的な体積電気抵抗率を増加させるように、コーティング249でコーティングされる。電極240は、内半径249aと外半径249bとの間でコーティングされる。一例では、コーティング249の内半径249aは、基板136の半径R
1にほぼ等しい。一例では、コーティング249は、電極240の半径方向外側部分に配置され、一方、電極240の半径方向内側部分はコーティングされない。コーティング249の内半径249aはまた、基板136の半径R
1より大きくなりうる。一例では、コーティング249は、基板136の半径R
1より小さい内半径249aを有する。
【0024】
一例では、コーティング249の外半径249bは、エッジリング239の内半径IR
1にほぼ等しい。一例では、コーティング249の外半径249bは、エッジリング239の内半径IR
1より大きい。コーティング249の外半径249bはまた、エッジリング239の内半径IR
1より小さくてもよい。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、コーティング249の外半径249bとコーティング249の内半径249aとの差D
2は、エッジリング239の内面247と基板136の外側エッジ246との間の距離D
1にほぼ等しくてもよい。一例では、差D
2は、約40mmから約80mmの範囲内にある。
図2に示される実装形態では、電極240は、基板136の外側エッジ246とエッジリング239の内面247との間に位置合わせされた電極240の部分248に、コーティング249でコーティングされている。部分248は、エッジリング239の内面247の半径方向内側に位置合わせされている。
【0025】
電極240は、エッジリング239の下に位置合わせされた電極240の部分251に、コーティング249でコーティングされている。部分251は、エッジリング239の内面247の半径方向外側に位置合わせされている。電極240はまた、基板136の半径R
1の外側に位置合わせされた電極240の部分261に、コーティング249でコーティングされている。コーティング249は、(
図2の実装形態に示されるように)電極240の上部及び底部に配置されているが、しかしながら、コーティング249は代替的に、電極240の上部又は底部の一方に配置されていてもよい。コーティング249は、電極240の全体に配置されていてもよく、又は電極240のある特定の部分に配置されていてもよい。
【0026】
他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、コーティング249の内半径249aは、約100mmから約140mmの範囲内にある。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、コーティング249の外半径249bは、約140mmから約180mmの範囲内にある。
【0027】
上記例で論じたように、電極240のコーティングは、スキンコーティング、表面化学修飾、電気メッキ、エッチング、酸化、真空ベースの金属蒸着、プラスチックコーティング、酸浸漬、及び/又は材料の体積電気抵抗率を増加させる他の方法などの方法によって実施することができる。コーティング249は、耐火性酸化物及び高温ポリマーなどの材料を含むがこれらに限定されない組成物から作ることができる。一例では、コーティング249は、電極240の体積電気抵抗率より大きい体積電気抵抗率を有する。一例では、コーティング249の体積電気抵抗率は、電極240の体積電気抵抗率より約1.005倍から約4.65倍大きい範囲内にある。本開示は、電極240の全体的な体積電気抵抗率をそれぞれ増加又は低下させるように、コーティング249の厚さを増加又は低下させることができることが想定されている。
【0028】
他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、ペデスタル238は、該ペデスタル238の体積電気抵抗率を高める1つ以上の材料から作られる。ペデスタル238の体積電気抵抗率を増加させることにより支持面238aから接地171(
図1に示される)への経路は、より高い体積電気抵抗率を含み、基板136とエッジリング239との間のより少ないアーク放電をもたらす。一例では、ペデスタル238は窒化アルミニウムを含み、ペデスタル238の不純物濃度は、ペデスタル238の体積電気抵抗率を4.0桁以上変化させるように変化する。ドーパントは、ペデスタル238の不純物濃度を変化させるための不純物として使用することができる。一例では、ドーパントは、マグネシウムを含む。ペデスタル238は、約1E6オーム-cmから約1E12オーム-cmの範囲内にある体積電気抵抗率を有する。一例では、ペデスタル238は、約1E7オーム-cmから約1E10オーム-cmの範囲内にある体積電気抵抗率を有する。ペデスタル238は、約8から約10の誘電率を有しうる。
【0029】
他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、エッジリング239は、ペデスタル238の体積電気抵抗率に対して、エッジリング239の体積電気抵抗率を変化させる1つ以上の材料から作られる。一例では、エッジリング239は、ペデスタル238の材料組成物とは異なる材料組成物を含む。エッジリング239とペデスタル238との間に不均一な体積電気抵抗率値を有することは、基板136の外側エッジ246に隣接するプラズマシースの不均一性を軽減することによって、膜のエッジの不均一性を低減する。基板136の外側エッジ246の近くのプラズマ濃度を低減させることにより、基板の外側エッジ246の近くの膜堆積の厚さの損失を低減することができる。基板136の外側エッジ246の近くの膜堆積の厚さの損失を低減させることにより、結果的に、基板136上により厚く、より均一な膜の堆積をもたらすことができる。
【0030】
他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、エッジリング239は、ペデスタル238の体積電気抵抗率とは異なる体積電気抵抗率を有する。一例では、エッジリング239は、ペデスタル238の体積電気抵抗率より小さい体積電気抵抗率を有する。一例では、エッジリング239は、ペデスタル238の体積電気抵抗率の約半分の体積電気抵抗率を有する。一例では、エッジリング239は、ペデスタル238の体積電気抵抗率の約1%(1パーセント)の体積電気抵抗率を有する。一例では、エッジリング239は、約9.9E7オーム-cmから約9.999E11オーム-cmの範囲内にある値だけペデスタル238の体積電気抵抗率とは異なる体積電気抵抗率を有する。
【0031】
一例では、エッジリング239は、約1E6オーム-cmから約1E12オーム-cmの範囲内にある体積電気抵抗率を有する。
【0032】
他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、エッジリング239は、ペデスタル238の体積電気抵抗率より大きい体積電気抵抗率を有する。一例では、エッジリング239は、ペデスタル238の体積電気抵抗率より約10,000倍大きい体積電気抵抗率を有する。
【0033】
一例では、エッジリング239は、ペデスタル238に結合されて、単一の本体を形成する(
図3を参照して論じたように)。一例では、エッジリング239は、セラミック間結合を使用してペデスタル238に結合される。
【0034】
図3は、一実装形態による、
図1の基板処理チャンバ100に使用することができるペデスタル338の一部の概略的な部分断面図である。ペデスタル338は、例えば基板136の処理中に、その上に基板136を支持するように構成された支持面338aを含む。ペデスタル338及び/又は支持面338aは加熱されうる。ペデスタル338はまた、支持面338aから上向きに突出する段付き面338bも含む。段付き面338bは、支持面338aの周りに、支持面338aの半径方向外側に配置されて、支持面338aを取り囲む。段付き面338bは、基板136の周りに配置されたエッジリング339を画成する。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、エッジリング339は、ペデスタル338の本体と一体化される(例えば、単一の材料片である)。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、エッジリング339はペデスタル338の一部であり、それによって、エッジリング339とペデスタル338とがモノリシックな本体370を形成する。一例では、エッジリング339及びペデスタル338は、エッジリング339が本体370の第1の部分になり、ペデスタル338が本体370の第2の部分になるように、本体370を形成する。一例では、エッジリング339は、ペデスタル338に結合されて本体370を形成する。エッジリング339は、セラミック同士の結合を使用してペデスタル338に結合されうる。一例では、セラミックブロックは、エッジリング339及びペデスタル338を有する本体370を形成するように、機械加工される。本体370は、エッジリング339が本体370の材料組成物とは異なる材料組成物を含むように、材料勾配又は不純物勾配を含みうる。ドーパントは、不純物勾配を確立するための不純物として使用することができる。一例では、ドーパントは、マグネシウムを含む。本体370は、エッジリング339が本体370の体積電気抵抗率とは異なる体積電気抵抗率を含むように、材料勾配又は不純物勾配を含みうる。
【0035】
エッジリング339とペデスタル338とを一体化させることにより、又はペデスタル338及びエッジリング339を備えたモノリシックな本体370を形成することにより、エッジリング339は、損傷及び設置誤差の影響を受けにくく、より低いコスト及び基板処理動作中のチャンバ100のより高いスループットをもたらす。このような構成はまた、エッジリング339の欠けの低減につながり、その結果、基板136とエッジリング339との間のアーク放電が少なくなる。段付き面338bの電位もまた、支持面338aの電位に近く、その結果、基板136とエッジリング339との間に少ないアーク放電をもたらす。
【0036】
図3は、支持面338aから上向きに延びる内面347を含むエッジリング339(段付き面338bによって画成される)を示している。斜角241は、内面347の上端に配置される。斜角241は、内面347と段付き面338bとの間に延在する。内面347は、エッジリング339の内半径IR
2を画成する。示される基板136は、基板136の中心から測定した半径R
1を画成する外側エッジ246を含む。ペデスタル338は、任意の加熱材料から作ることができ、例えばACコイルへと形成することができる、ヒータ398を含む。ヒータ398は、ペデスタル338及び/又は支持面338aを加熱することができる。第1の電極345及び第2の電極344は、ペデスタル338内に配置される。ヒータ398は、第1の電極345及び第2の電極344の下に配置される。
【0037】
第1の電極345及び第2の電極344は、RFエネルギーを伝播するための導電性メッシュを含みうる。
図3に示される実装形態では、第1の電極345は、第1の深さMD
3でペデスタル338内に配置される。第1の深さMD
3は、支持面338aと第1の電極345の上端345aとの間で測定される。第2の電極344は、第2の深さMD
2でペデスタル338内に配置される。第2の深さMD
2は、支持面338aと第2の電極344の上端344aとの間で測定される。
【0038】
他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、第1の電極345は、第2の電極344が配置される第2の深さMD2より大きい第1の深さMD3で配置される。一例では、第1の電極345は、第2の電極344の第2の深さMD2より少なくとも約1.5倍大きい第1の深さMD3で配置される。一例では、第1の電極345は、第2の電極344の第2の深さMD2より約1mm大きい第1の深さMD3で配置される。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、第1の深さMD3は、第2の深さMD2にほぼ等しい。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、第1の深さMD3は、約1.25mmから約7mmの範囲内にある。一例では、第1の深さMD3は、約1.4mmから約5mmの範囲内にある。一例では、第1の深さMD3は約3mmである。 第1の電極345は、第2の電極344の半径方向外側に配置される。
【0039】
第1の電極345は、内半径349a及び外半径349bを含む。第1の電極345は、コーティング349で少なくとも部分的にコーティングされる。このようなコーティング349は、基板136とエッジリング339との間の容量性放電を低減することができ、基板136に結合するプラズマを低減することができる。一例では、コーティング349は、第1の電極345の全体的な体積電気抵抗率を増加させる。第1の電極345は、該第1の電極345の内半径349aと外半径349bとの間を、コーティング349でコーティングされる。一例では、第1の電極345の内半径349aは、基板136の半径R1にほぼ等しい。一例では、第1の電極345の内半径349aは、基板136の半径R1より大きい。一例では、第1の電極345の内半径349aは、基板136の半径R1より小さい。
【0040】
一例では、第1の電極345の外半径349bは、エッジリング339の内半径IR2より大きい。一例では、第1の電極345の外半径349bは、エッジリング339の内半径IR2より小さい。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、第1の電極345の外半径349bは、エッジリング339の内半径IR2にほぼ等しい。
【0041】
コーティング349は、内半径349c及び外半径349dを含む。一例では、コーティング349の内半径349cは、約100mmから約140mmの範囲内にある。一例では、コーティング349の外半径349dは、約140mmから約180mmの範囲内にある。
【0042】
一例では、コーティング349の内半径349cは、基板136の半径R1にほぼ等しい。一例では、コーティング349の内半径349cは、基板136の半径R1より小さい。一例では、コーティング349の内半径349cは、基板136の半径R1より大きい。
【0043】
一例では、コーティング349の外半径349dは、エッジリング339の内半径IR2にほぼ等しい。一例では、コーティング349の外半径349dは、エッジリング339の内半径IR2より大きい。一例では、コーティング349の外半径349dは、エッジリング339の内半径IR2より小さい。
【0044】
他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、コーティング349の外半径349dとコーティング349の内半径349cとの差D3は、約40mmから約80mmの範囲内にある。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、コーティング349は、内半径349aと外半径349bとの間の第1の電極345上に配置される。
【0045】
一例では、第1の電極345は、エッジリング339の下に位置合わせされた第1の電極345の部分351に、コーティング349でコーティングされる。一例では、第1の電極345は、基板136の半径R
1の外側に位置合わせされた第1の電極345の部分361に、コーティング349でコーティングされる。コーティング349は、第1の電極345の上部及び底部に配置することができ(
図3の実装形態に示されるように)、あるいは、コーティング349は、第1の電極345の上部又は底部の一方に配置することができる。一例では、第1の電極345は、エッジリング339と基板136との間で位置合わせされた第1の電極345の部分348に、コーティング349でコーティングされる。
【0046】
第2の電極344はまた、該第2の電極344の全体的な体積電気抵抗率を増加させるように、コーティングでコーティングされてもよい。
【0047】
上記例で論じたように、第1の電極345及び/又は第2の電極344のコーティングは、スキンコーティング、表面化学修飾、電気メッキ、エッチング、酸化、真空ベースの金属蒸着、プラスチックコーティング、酸浸漬、及び/又は材料の体積電気抵抗率を増加させる他の方法などの方法によって実施することができる。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、コーティング349は、第1の電極345の体積電気抵抗率より大きい体積電気抵抗率を有する。一例では、コーティング349の体積電気抵抗率は、第1の電極345の体積電気抵抗率より約1.005倍から約4.65倍大きい範囲内にある。本開示は、第1の電極345の全体的な体積電気抵抗率をそれぞれ増加又は低下させるように、コーティング349の厚さを増加又は低下させることができることが想定されている。
【0048】
上記態様の1つ以上が、次の例に表されている。
【0049】
例1は、基板処理チャンバを動作させる方法を含む。該方法は、チャンバ本体の内部容積内に配置されたペデスタル上にエッジリングを配置することを含む。該方法はまた、ペデスタルの支持面上かつエッジリングの半径方向内側に基板を配置することも含む。基板は、エッジリングからある距離で配置される。
【0050】
例2は、例1の方法を含み、距離は、基板の外側エッジとエッジリングの内面との間で測定される。
【0051】
例3は、例2の方法を含み、距離は少なくとも0.01インチである。
【0052】
例4は、例2の方法を含み、基板は、該基板の外側エッジと中心との間で測定された半径を含む。該方法はまた、距離の半径に対する比も含み、この比は、0.00167から0.210の範囲内にある。
【0053】
本開示の利点には、アーク放電の低減、基板へのプラズマ結合の低減又は制限、均一な膜堆積、厚膜堆積、エッジの厚さの損失の低減、スループットの向上、及び運用コストの削減が含まれる。本開示の態様は、ペデスタルと一体化したエッジリング;基板からさまざまな距離で配置されたエッジリング;斜角を備えたエッジリング;ペデスタルの体積電気抵抗率とは異なる体積電気抵抗率を有するエッジリング;ペデスタルの材料とは異なる材料で作られたエッジリング;その上にコーティングが配置された電極を有するペデスタル;及び、その中にさまざまな深さで配置された電極を有するペデスタルを含む。本明細書に開示されたさまざまなエッジリングの例の1つ以上の態様及び/又はさまざまなペデスタルの例の1つ以上の態様を組み合わせることができることが想定されている。さらには、さまざまなエッジリングの例の1つ以上の態様及び/又はさまざまなペデスタルの例の1つ以上の態様は、前述の利点の幾つか又はすべてを含むことができることが想定されている。
【0054】
上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されうる。本開示はまた、本明細書に記載される実施形態の1つ以上の態様を、記載される他の態様の1つ以上に代えて使用することができることも想定されている。例えば、エッジリング339について記載される実施形態の1つ以上の態様は、エッジリング239について記載される実施形態の1つ以上の態様及び/又はエッジリング139について記載される実施形態の1つ以上の態様に代えることができ、又はそれらと組み合わせることができる。本開示の範囲は、次の特許請求の範囲によって決定される。