(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】トークンを有効化するための通信サーバおよびユーザデバイス
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0235 20230101AFI20240524BHJP
【FI】
G06Q30/0235
(21)【出願番号】P 2021552821
(86)(22)【出願日】2020-03-05
(86)【国際出願番号】 EP2020055909
(87)【国際公開番号】W WO2020178398
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2023-01-13
(32)【優先日】2019-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504456798
【氏名又は名称】サノフイ
【氏名又は名称原語表記】SANOFI
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ミレーナ・レオーネ
(72)【発明者】
【氏名】ジャンルカ・マッシモ・フェッリ
(72)【発明者】
【氏名】ファビオ・カプッチョ
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-197371(JP,A)
【文献】特開2003-108897(JP,A)
【文献】特開2015-052964(JP,A)
【文献】特開2002-279274(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0313836(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザデバイス上のトークンを有効化するための通信サーバであって:
場所のリストと;
該場所のリスト中の各場所と関連付けられた第1の固有コードと;
場所のリスト中の各場所と関連付けられた第2の固有コードと;
ユーザデバイス製品閾値と;
ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数と
を記憶するメモリを含み、
ここで、該通信サーバは:
特定の場所と関連付けられた第1の固有コードを指定する第1の通信情報をユーザデバイスから受け;
ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数とユーザデバイス製品閾値とを比較し;
ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数がユーザデバイス製品閾値を超えない場合に、ユーザデバイス上のトークンが特定の場所で使用するために予約されるようにする予約メッセージをユーザデバイスに送信し;
特定の場所と関連付けられた第2の固有コードを指定する第2の通信情報をユーザデバイスから受け;
特定の場所と関連付けられた第2の固有コードを受けたことに応答して、ユーザデバイス上のトークンが有効化されるようにする有効化メッセージをユーザデバイスへ送信するように構成さ
れ、
メモリはさらに、場所製品閾値と、場所のリスト中の各場所について以前に有効化されたトークンの数とを記憶し、通信サーバは:
特定の場所について以前に有効化されたトークンの数と場所製品閾値とを比較し;
特定の場所について以前に有効化されたトークンの数が場所製品閾値を超えていない場合だけ、予約メッセージをユーザデバイスへ送信するように構成される、
前記通信サーバ。
【請求項2】
ユーザデバイス上のトークンを有効化するための通信サーバであって:
場所のリストと;
該場所のリスト中の各場所と関連付けられた第1の固有コードと;
場所のリスト中の各場所と関連付けられた第2の固有コードと;
ユーザデバイス製品閾値と;
ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数と
を記憶するメモリを含み、
ここで、該通信サーバは:
特定の場所と関連付けられた第1の固有コードを指定する第1の通信情報をユーザデバイスから受け;
ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数とユーザデバイス製品閾値とを比較し;
ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数がユーザデバイス製品閾値を超えない場合に、ユーザデバイス上のトークンが特定の場所で使用するために予約されるようにする予約メッセージをユーザデバイスに送信し;
特定の場所と関連付けられた第2の固有コードを指定する第2の通信情報をユーザデバイスから受け;
特定の場所と関連付けられた第2の固有コードを受けたことに応答して、ユーザデバイス上のトークンが有効化されるようにする有効化メッセージをユーザデバイスへ送信するように構成され、
メモリはさらに、場所ごとのユーザデバイス製品閾値と、場所ごとのユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数とを記憶し、通信サーバは:
場所ごとのユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数と、場所ごとのユーザデバイス製品閾値とを比較し;
場所ごとのユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数が、場所ごとのユーザデバイス製品閾値を超えていない場合だけ、予約メッセージをユーザデバイスへ送信するように構成される、
前記通信サーバ。
【請求項3】
メモリはさらに、有効期限日を記憶し、通信サーバは:
現在の日付と有効期限日とを比較し;
現在の日付が有効期限日よりも後ではない場合だけ、予約メッセージをユーザデバイスへ送信するように構成される、請求項1
または請求項2に記載の通信サーバ。
【請求項4】
通信サーバはさらに、特定の場所について以前に有効化されたトークンの数が場所製品閾値を超えた場合に、
拒否メッセージをユーザデバイスへ送信するように構成され、拒否メッセージにより、特定の場所について最大数のトークンが有効化済みであることをユーザデバイスが示すようになる、請求項
1~3のいずれか1項に記載の通信サーバ。
【請求項5】
通信サーバはさらに、ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数がユーザデバイス製品閾値を超えた場合に、拒否メッセージをユーザデバイスへ送信するように構成され、該拒否メッセージにより、ユーザデバイスについて最大数のトークンが有効化済みであることをユーザデバイスが示すようになる、請求項1~4のいずれか1項に記載の通信サーバ。
【請求項6】
ユーザデバイスからの第1の通信情報、またはユーザデバイスからの第2の通信情報はまた、製品に適用可能な割引を指定する、請求項1~
5のいずれか1項に記載の通信サーバ。
【請求項7】
メモリはさらに、予約されているがまだ有効化されていないユーザデバイスのトークンの数を記憶する、請求項1~
6のいずれか1項に記載の通信サーバ。
【請求項8】
通信サーバは、ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数と、予約されているがまだ有効化されていないユーザデバイスについてのトークンの数とを加えたものがユーザデバイス製品閾値を超えない場合だけ、予約メッセージをユーザデバイスへ送信するように構成される、請求項
7に記載の通信サーバ。
【請求項9】
通信サーバはさらに、有効化メッセージをユーザデバイスへ送信することに応答して、特定の場所と関連付けられたアドレスへ、トークンが有効化されたことを確認する電子メールを送信するように構成される、請求項1~
8のいずれか1項に記載の通信サーバ。
【請求項10】
ユーザデバイスからの第1の通信情報はまた、製品コードを指定する、請求項1~
9のいずれか1項に記載の通信サーバ。
【請求項11】
通信サーバは、データベースにアクセスするように、かつ、データベースの情報を用いて第1の固有コードを特定の製品にマッピングするように構成される、請求項1~
9のいずれか1項に記載の通信サーバ。
【請求項12】
ユーザデバイス上のトークンを有効化するための方法であって:
場所のリストと;
該場所のリスト中の各場所と関連付けられた第1の固有コードと;
場所のリスト中の各場所と関連付けられた第2の固有コードと;
ユーザデバイス製品閾値と;
ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数と
を記憶するメモリを含む、通信サーバによって実行され、
該方法は:
特定の場所および製品コードと関連付けられた第1の固有コードを指定する第1の通信情報をユーザデバイスから受けること;
ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数とユーザデバイス製品閾値とを比較すること;
ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数がユーザデバイス製品閾値を超えない場合に、ユーザデバイス上のトークンが特定の場所で使用するために予約されるようにする予約メッセージをユーザデバイスに送信すること、
特定の場所と関連付けられた第2の固有コードを指定する第2の通信情報をユーザデバイスから受けること;および、
特定の場所と関連付けられた第2の固有コードを受けたことに応答して、ユーザデバイス上のトークンが有効化されるようにする有効化メッセージをユーザデバイスへ送信することを含
み、
メモリはさらに、場所製品閾値と、場所のリスト中の各場所について以前に有効化されたトークンの数とを記憶し、通信サーバは:
特定の場所について以前に有効化されたトークンの数と場所製品閾値とを比較し;
特定の場所について以前に有効化されたトークンの数が場所製品閾値を超えていない場合だけ、予約メッセージをユーザデバイスへ送信する、
前記方法。
【請求項13】
ユーザデバイス上のトークンを有効化するための方法であって:
場所のリストと;
該場所のリスト中の各場所と関連付けられた第1の固有コードと;
場所のリスト中の各場所と関連付けられた第2の固有コードと;
ユーザデバイス製品閾値と;
ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数と
を記憶するメモリを含む、通信サーバによって実行され、
該方法は:
特定の場所および製品コードと関連付けられた第1の固有コードを指定する第1の通信情報をユーザデバイスから受けること;
ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数とユーザデバイス製品閾値とを比較すること;
ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数がユーザデバイス製品閾値を超えない場合に、ユーザデバイス上のトークンが特定の場所で使用するために予約されるようにする予約メッセージをユーザデバイスに送信すること、
特定の場所と関連付けられた第2の固有コードを指定する第2の通信情報をユーザデバイスから受けること;および、
特定の場所と関連付けられた第2の固有コードを受けたことに応答して、ユーザデバイス上のトークンが有効化されるようにする有効化メッセージをユーザデバイスへ送信することを含み、
メモリはさらに、場所ごとのユーザデバイス製品閾値と、場所ごとのユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数とを記憶し、通信サーバは:
場所ごとのユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数と、場所ごとのユーザデバイス製品閾値とを比較し;
場所ごとのユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数が、場所ごとのユーザデバイス製品閾値を超えていない場合だけ、予約メッセージをユーザデバイスへ送信する、
前記方法。
【請求項14】
システムであって、
請求項1または2記載の通信サーバと、トークンを作成し有効化するためのユーザデバイスを含み、
該ユーザデバイスが:
プロセッサ;
メモリ;および
無線トランシーバを含み、
ここで、該ユーザデバイスは:
特定の場所と関連付けられた第1の固有コードを受け;
第1の固有コードを受けたことに応答してトークンを生成し、第1の固有コードを含む第1の通信情報を通信サーバへ送信し;
予約メッセージを通信サーバから受け;
予約メッセージを受けたことに応答して、特定の場所で使用するためのトークンを予約し;
特定の場所と関連付けられた第2の固有コードを受け;
第2の固有コードを受けたことに応答して、第2の固有コードを含む第2の通信情報を通信サーバへ送信し;
有効化メッセージを通信サーバから受け;
有効化メッセージを受けたことに応答してトークンを有効化するように構成される、
前記
システム。
【請求項15】
請求項12または請求項13に記載の方法であって:
当該方法は、さらに、
プロセッサ;
メモリ;および
無線トランシーバ
を含むユーザデバイスによって実行され、
ここで、該方法は、該ユーザデバイスが:
特定の場所と関連付けられた第1の固有コードを受けること;
第1の固有コードを受けたことに応答してトークンを生成し、第1の固有コードを含む第1の通信情報を通信サーバへ送信すること;
予約メッセージを通信サーバから受けること;
予約メッセージを受けたことに応答して、特定の場所で使用するためのトークンを予約すること;
特定の場所と関連付けられた第2の固有コードを受けること;
第2の固有コードを受けたことに応答して、第2の固有コードを含む第2の通信情報を通信サーバへ送信すること;
有効化メッセージを通信サーバから受けること;および
有効化メッセージを受けたことに応答してトークンを有効化することを含む、
前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、特定の場所に固有であるコードをユーザデバイスと通信サーバの間で交換することによって、ユーザデバイス上のトークンを有効化するための通信サーバと、そのトークンを作成および有効化するためのユーザデバイスとに関する。
【背景技術】
【0002】
製品供給管理の分野では、供給業者は、別々の小売業者との多数の異なる小売契約を動的に管理する必要があり得る。供給業者は、特定の製品の小売価格に関する融通性と、これらの製品に期間限定の割引を適用する能力とを各小売業者に提示することを望むことがあり得る。供給業者はまた、各小売業者が割引価格で販売できる製品の数と、個々の消費者が割引価格で購入できる製品の数とに制限を設定することを望むこともあり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
供給業者が何千もの個々の小売店とやり取りをしなければならない場合、たとえただ1つの製品に対してでも割引を導入し管理することは、非常に複雑なものになり得る。さらに、製品の割引を提供することが、小売店および/または消費者の一部での悪用/詐欺の可能性を生じさせる。したがって、割引が不正に/詐欺的に使われることの可能性を減らすために、供給業者のための高レベルのセキュリティおよび管理を維持しながら、個々の小売店および消費者のレベルにおいて割引製品の効率的な監視を可能にするシステムを提供することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の第1の態様は、ユーザデバイス上のトークンを有効化するための通信サーバを提供し、この通信サーバは:
場所のリストと;
場所のリスト中の各場所と関連付けられた第1の固有コードと;
場所のリスト中の各場所と関連付けられた第2の固有コードと;
ユーザデバイス製品閾値と;
ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数と
を記憶するメモリを含み、
通信サーバは:
特定の場所と関連付けられた第1の固有コードを指定する第1の通信情報をユーザデバイスから受け;
ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数とユーザデバイス製品閾値とを比較し;
ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数がユーザデバイス製品閾値を超えない場合に、ユーザデバイス上のトークンが特定の場所で使用するために予約されるようにする予約メッセージをユーザデバイスに送信し;
特定の場所と関連付けられた第2の固有コードを指定する第2の通信情報をユーザデバイスから受け;
特定の場所と関連付けられた第2の固有コードを受けたことに応答して、ユーザデバイス上のトークンが有効化されるようにする有効化メッセージをユーザデバイスへ送信するように構成される。
【0005】
2つの別々の固有コードが受けられること、および対応する記憶コードと照合されることを要求することで、システムのセキュリティが改善し、ユーザデバイスと小売業者の両方によってトークンが不正または詐欺的に使われる可能性が低減する。通信サーバは、ユーザデバイス製品閾値との照合が、予約メッセージを送ることによってユーザデバイスが第2の固有コードにアクセスすることを許可される前に行われる、2段階の検証プロセスを実行する。ユーザデバイス製品閾値を通信サーバに記憶することにより、通信サーバのオペレータは、各ユーザが有効化できるトークンの数を管理および動的に変更することが可能になる。
【0006】
有効化メッセージを送信後、通信サーバは、ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの、記憶されている数を1つだけ増やす。
【0007】
メモリはさらに、有効期限日を記憶することができ、通信サーバは、現在の日付と有効期限日とを比較し、現在の日付が有効期限日よりも後ではない場合だけ、予約メッセージをユーザデバイスへ送信するように構成される。これにより、通信サーバのオペレータは、どの個別の小売店とも通信する必要なしに、任意の製品割引の継続期間を管理し、有効期限日を動的に変更することが可能になる。
【0008】
メモリはさらに、場所製品閾値と、場所のリスト中の各場所について以前に有効化されたトークンの数とを記憶することができ、通信サーバは、特定の場所について以前に有効化されたトークンの数と場所製品閾値とを比較するように、かつ、特定の場所について以前に有効化されたトークンの数が場所製品閾値を超えていない場合だけ、予約メッセージをユーザデバイスへ送信するように構成される。
【0009】
各場所で使用できるトークンの数に制限を設定することにより、小売業者によってトークンシステムが不正または詐欺的に使われる機会がさらに低減する。
【0010】
通信サーバはさらに、特定の場所について以前に有効化されたトークンの数が場所製品閾値を超えた場合に、拒否メッセージをユーザデバイスへ送信するように構成され、この拒否メッセージにより、特定の場所について最大数のトークンが有効化済みであることをユーザデバイスが示すようになる。これにより、ユーザが拒否の理由を知らされ、場合によって、別の小売場所へ移動して製品を割引で入手することが可能になる。有効化メッセージを送信後、通信サーバは、特定の場所について以前に有効化されたトークンの、記憶されている数を1つだけ増やす。
【0011】
通信サーバはさらに、ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数がユーザデバイス製品閾値を超えた場合に、拒否メッセージをユーザデバイスへ送信するように構成され、この拒否メッセージにより、ユーザデバイスについて最大数のトークンが有効化済みであることをユーザデバイスが示すようになる。
【0012】
メモリはさらに、場所ごとのユーザデバイス製品閾値と、場所ごとのユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数とを記憶し、通信サーバは、場所ごとのユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数と、場所ごとのユーザデバイス製品閾値とを比較するように、かつ、場所ごとのユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数が、場所ごとのユーザデバイス製品閾値を超えていない場合だけ、予約メッセージをユーザデバイスへ送信するように構成される。
【0013】
これにより、ユーザが拒否の理由を知らされ、場合によって、別の小売場所へ移動して製品を割引で入手することが可能になる。
【0014】
ユーザデバイスからの第1の通信情報、またはユーザデバイスからの第2の通信情報はまた、製品に適用可能な割引を指定することもできる。メモリはさらに、予約されているがまだ有効化されていないユーザデバイスのトークンの数を記憶する。通信サーバは、ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数と、予約されているがまだ有効化されていないユーザデバイスについてのトークンの数とを加えたものがユーザデバイス製品閾値を超えない場合だけ、予約メッセージをユーザデバイスへ送信するように構成される。トークンの有効化は2段階のプロセスであるので、ユーザデバイスは、トークンの有効化にすぐに進まなくても1つまたはそれ以上のトークンを予約することができる。予約も有効化もされたトークンの総数とユーザデバイス製品閾値とを比較することで、後で有効化できないトークンをユーザデバイスが予約しないことを保証する。
【0015】
通信サーバはさらに、有効化メッセージをユーザデバイスへ送信することに応答して、特定の場所と関連付けられたアドレスへ、トークンが有効化されたことを確認する電子メールを送信するように構成される。これにより、特定の場所についてのトークン有効化の記録が作成され、会計上の誤りや詐欺行為の機会がさらに低減する。
【0016】
ユーザデバイスからの第1の通信情報はまた、製品コードを指定することができる。通信サーバのオペレータは、いくつかの製品の割引を同時に提供することを望むことがあり得る。通信サーバは、製品と場所の組み合わせごとに2つの固有コードを記憶するのではなく、場所に固有の第1および第2のコードだけを記憶することができ、ユーザデバイスは、第1の通信情報を送信するときに製品を指定することができる。
【0017】
あるいは、通信サーバは、データベースにアクセスするように、かつ、データベースの情報を用いて第1の固有コードを特定の製品にマッピングするように構成される。この場合、各製品と場所の組み合わせは、第1の固有コードで表される。第1の固有コードを特定の製品にマッピングすることは、通信サーバからアクセス可能な外部データベースに記憶される。これにより、外部データベースが通信サーバとは別個に更新されることが可能になる。外部データベースは、例えば、製品の詳細を記憶するより広い会社データベースでもよい。
【0018】
本開示の第2の態様は、ユーザデバイス上のトークンを有効化するための方法を提供し、この方法は:
場所のリストと;
場所のリスト中の各場所と関連付けられた第1の固有コードと;
場所のリスト中の各場所と関連付けられた第2の固有コードと;
ユーザデバイス製品閾値と;
ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数と
を記憶するメモリを含む、通信サーバによって実行され、
この方法は:
特定の場所および製品コードと関連付けられた第1の固有コードを指定する第1の通信情報をユーザデバイスから受けること;
ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数とユーザデバイス製品閾値とを比較すること;
ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数がユーザデバイス製品閾値を超えない場合に、ユーザデバイス上のトークンが特定の場所で使用するために予約されるようにする予約メッセージをユーザデバイスに送信すること、
特定の場所と関連付けられた第2の固有コードを指定する第2の通信情報をユーザデバイスから受けること;および、
特定の場所と関連付けられた第2の固有コードを受けたことに応答して、ユーザデバイス上のトークンが有効化されるようにする有効化メッセージをユーザデバイスへ送信することを含む。
【0019】
本開示の第3の態様は、トークンを作成し有効化するためのユーザデバイスを提供し、このユーザデバイスは:
プロセッサ;
メモリ;および
無線トランシーバを含み、
ユーザデバイスは:
特定の場所と関連付けられた第1の固有コードを受け;
第1の固有コードを受けたことに応答してトークンを生成し、第1の固有コードを含む第1の通信情報を通信サーバへ送信し;
予約メッセージを通信サーバから受け;
予約メッセージを受けたことに応答して、特定の場所で使用するためのトークンを予約し;
特定の場所と関連付けられた第2の固有コードを受け;
第2の固有コードを受けたことに応答して、第2の固有コードを含む第2の通信情報を通信サーバへ送信し;
有効化メッセージを通信サーバから受け;
有効化メッセージを受けたことに応答してトークンを有効化するように構成される。
【0020】
ユーザデバイスを、2つの固有コードを使用してトークンを有効化するように構成することにより、システムのセキュリティが向上し、ユーザデバイスと小売店の両方によるトークンの不正または詐欺的に使われる機会が低減する。ユーザデバイスによって作成されたトークンは、有効化されるために2要素認証プロセスを必要とする。ユーザデバイスは、第2の固有コードが入力される前に、通信サーバから予約メッセージを受けなければならない。
【0021】
加えて、ユーザデバイスと小売店システムの間、または通信サーバと小売店システムの間で情報が交換される必要がない。これにより、トークン有効化プロセスは、通信サーバのオペレータが管理することになる。セキュリティの向上および詐欺的行為の機会の低減とともに、このことは、製品割引契約の柔軟性および動的応答性も改善する。通信サーバのオペレータは、各ユーザが獲得できる割引製品の数と、各小売場所で販売する割引製品の数と、各ユーザが各場所で獲得できる割引製品の数と、製品割引の継続期間とに制限を設定することができる。通信サーバのオペレータは、個々の小売場所それぞれと通信する必要なしに、これらの制限を動的に変更することができる。
【0022】
さらに、異なる小売場所に異なる割引レベルを適用したり、割引期間中のある時点で割引レベルを変更したりすることが望ましいこともある。これを、上述した通信サーバの機能により、効率的に、かつサーバと他のシステムの間の信号伝達が最小限で、実現できるようになる。
【0023】
本開示の第4の態様は、トークンを作成し有効化するための方法を提供し、この方法は:
プロセッサ;
メモリ;および
無線トランシーバ
を含むユーザデバイスによって実行され、
この方法は、ユーザデバイスが:
特定の場所と関連付けられた第1の固有コードを受けること;
第1の固有コードを受けたことに応答してトークンを生成し、第1の固有コードを含む第1の通信情報を通信サーバへ送信すること;
予約メッセージを通信サーバから受けること;
予約メッセージを受けたことに応答して、特定の場所で使用するためのトークンを予約すること;
特定の場所と関連付けられた第2の固有コードを受けること;
第2の固有コードを受けたことに応答して、第2の固有コードを含む第2の通信情報を通信サーバへ送信すること;
有効化メッセージを通信サーバから受けること;および
有効化メッセージを受けたことに応答してトークンを有効化することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】いくつかの実施形態による通信サーバの概略図である。
【
図2】
図1の通信サーバのメモリと、メモリに記憶されているデータ入力の例示的なリストとを示す図である。
【
図3】いくつかの実施形態によるユーザデバイスの概略図である。
【
図4】
図1の通信サーバ、
図3のユーザデバイス、および例示的な小売場所を示す簡略システム図である。
【
図5】
図1の通信サーバの例示的な作動方法を示すフローチャートである。
【
図6】
図3のユーザデバイスの例示的な作動方法を示すフローチャートである。
【
図7-1】a~eは、
図3のユーザデバイスのディスプレイからの例示的なスクリーンショットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、プロセッサ102、メモリ104、および通信インターフェース106を含む通信サーバ100の概略図である。プロセッサ102は、例えば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などでよい。
【0026】
メモリ104は、プログラムコード(例えば、ソフトウェアまたはファームウェア)を記憶するプログラムメモリと、データを記憶するメインメモリとの両方を含み得る。プロセッサ102は、プログラムメモリに記憶されたプログラムコードを実行するように、また、主メモリのデータを読み出し、書き込み、削除するように構成されている。プログラムメモリは、例えば読み出し専用メモリ(ROM)とすることができ、主メモリは、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)でもよい。
【0027】
通信インターフェース106は、有線または無線のインターフェースとすることができる。あるいは、通信サーバ100は、同一または異なるタイプの複数の通信インターフェースを含み得る。
【0028】
データベース108もまた提供される。データベース108は、場所と関連付けられた固有のコードを特定の製品およびその製品に適用可能な割引にマッピングする、テーブルを記憶することができる。いくつかの実施形態では、データベース108は、通信サーバ100から遠隔にあり、この通信サーバは、その通信インターフェース106を介してデータベースを参照するように構成されている。他のいくつかの実施形態では、データベース108は、通信サーバ100と一体化されており、例えば、別個のメモリユニットまたはメモリ104の一部として提供される。いくつかの実施形態では、通信サーバ100は、データベース108の情報を読み出すことができるが、それを修正することはできない。
【0029】
動作の際、通信サーバ100は、ユーザデバイスから通信情報を受ける。次に、プロセッサ102は、プログラムコードによる制御の下で、通信情報に含まれる情報をメモリ104に記憶されているものと照合し、以下でより詳細に説明されるように、ユーザデバイスへの返信メッセージを作成し送信する。その後、プロセッサ102は、メモリに記憶されている情報を更新することができる。
【0030】
図2は、メモリ104と、メモリに記憶されるデータ入力の例示的なリストとを示す。この実施形態では、メモリは場所リストを記憶する。場所リストは、単純な英数字コードとして具現化され、あるいは、小売店の名称、物理的な場所および/または住所を含み得る。リスト中の各場所は、関連付けられた第1の固有コード、および関連付けられた第2の固有コードを有する。メモリ104はまた、ユーザデバイス製品閾値を記憶している。この閾値は、ユーザデバイスごとの、割引で入手できる最大製品数を表す。
【0031】
メモリ104はまた、登録ユーザデバイスごとの有効化されたトークン数の集計と、ユーザデバイスごとの、予約されているがまだ有効化されていないトークン数の集計とを記憶する。メモリはまた、製品割引に適用可能な有効期限日を記憶する。
【0032】
メモリ104はさらに、場所製品閾値を記憶する。場所製品閾値は、場所リスト中の場所ごとの割引で販売できる最大製品数を表す。
【0033】
メモリ104に図示されているデータ入力は、特定の製品と割引の組み合わせと関連してもよく、メモリは、製品と割引の組み合わせごとにデータ入力の別々のリストを記憶することができる。
【0034】
通信サーバ100は、製品の供給業者の制御下にあり、これにより供給業者は、小売業者に照会する必要なしに製品割引の利用のすべての事例を監視できるようになる。通信サーバを制御するとまた、供給業者は、割引の有効期限日、ユーザおよび小売店の場所ごとの入手可能な割引製品の数、および1つの場所当たりに各ユーザが入手可能な割引製品の数を設定し、動的に更新することも可能になる。上述のように、通信サーバ100はまた、更新する必要がないかサーバ100によってすべて更新可能であるべきではない情報を記憶する、データベース108にアクセスすることもできる。例えば、データベース108は、供給業者の小売提携先または製品リストに関する情報を記憶する、より大きな供給業者データベースであってもよい。
【0035】
2つの別々の固有コードが受けられること、および対応する記憶コードと照合されることを要求することで、システムのセキュリティが改善し、ユーザデバイスと小売業者の両方によってトークンが不正または詐欺的に使われる可能性が低減する。通信サーバは、ユーザデバイス製品閾値との照合が、予約メッセージを送ることによってユーザデバイスが第2の固有コードにアクセスすることを許可される前に行われる、2段階の検証プロセスを実行する。ユーザデバイス製品閾値を通信サーバに記憶することにより、通信サーバのオペレータは、各ユーザが有効化できるトークンの数を管理および動的に変更することが可能になる。
【0036】
図3は、プロセッサ202、メモリ204、無線トランシーバ206、ユーザ入力208、ディスプレイ212、および場合によりカメラ210を含む、ユーザデバイス200の概略図である。いくつかの実施形態では、ユーザデバイス200は、スマートフォンまたはタブレットコンピュータである。プロセッサ202は、例えば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などとすることができる。
【0037】
メモリ204は、プログラムコード(例えば、ソフトウェアまたはファームウェア)を記憶するプログラムメモリと、データを記憶する主メモリとの両方を含み得る。プロセッサ202は、プログラムメモリに記憶されたプログラムコードを実行するように、また、主メモリのデータを読み出し、書き込み、削除するように構成されている。いくつかの実施形態では、プログラムコードは、ユーザデバイス200にダウンロードしインストールできるアプリケーションとすることができる。プログラムメモリは、例えば読み出し専用メモリ(ROM)とすることができ、主メモリは、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)でもよい。
【0038】
無線トランシーバ206は、セルラーネットワークインターフェースとすることができる。ユーザデバイス200はまた、WLANを介して、または他の適切な無線プロトコルを用いることによって、通信することもできる。ユーザデバイス200は、複数のネットワークインターフェースを含むことができ、これらのうちのいずれかを用いて通信サーバ100とデータを交換することができる。
【0039】
ユーザデバイス200は、1つまたはそれ以上のユーザ入力部208を含み、例えば、タッチスクリーン、キーパッドもしくはキーボード、加速度計もしくはジャイロスコープ、マウス、または音声コマンドを受けるためのマイクロフォンを含む。ユーザデバイス200はまた、場合により、符号化情報の画像を取り込むように構成されたカメラ210を含むこともできる。
【0040】
図4は、
図1の通信サーバ100、
図3のユーザデバイス200、および例示的な小売場所400を示す簡略システム図である。通信サーバとユーザデバイスが通信するためのネットワークの細部は省略されている。図示の実施形態では、小売店は、通信サーバ100またはユーザデバイス200のいずれかと電子的に通信する必要がない。
【0041】
例示的な小売場所400は、その場所に特有の第1の固有コード402を有する。いくつかの実施形態では、第1の固有コード402は、その場所で表示される。第1の固有コード402は、QRコード、英数字コード、URL、または他の適切な符号化情報の形をとることができる。第1の固有コード402がQRコードである場合、ユーザは、ユーザデバイス200のカメラ210をすべて起動してQRコードの画像を取り込み、したがって第1の固有コードを受けることができる。あるいは、ユーザデバイス200が第1の固有コードを受けることを可能にするために、英数字コードまたはURLを入力するようにユーザ入力部208が制御される。第1の固有コードはさらに、小売場所400から離れた場所にも表示され、ユーザは、第1の固有コードを既に取得していて小売場所400まで移動できることも理解されたい。ユーザデバイス200は、第1の固有コードを受けたときにトークンを生成するように構成される。
【0042】
例示的な小売場所400はまた、その場所に特有の第2の固有コード404を有する。第2の固有コード404は、小売場所400では一般に公開されていないが、いくつかの前提条件が満たされたときにユーザに示される。一般に、第2の固有コード404は、ユーザデバイス200がトークンを予約した後にようやく小売店から直接入手可能になる。第2の固有コード404はまた、QRコード、英数字コード、またはユーザデバイス200のカメラ210によって取り込み予定の、またはユーザ入力部208を介して入力予定の、他の任意の適切な符合化情報の形をとることもできる。
【0043】
次に、通信サーバ100の例示的な作動方法について、
図5のフローチャートを参照して説明する。方法はステップ500から開始し、通信サーバが第1の通信情報をユーザデバイスから受ける。第1の通信情報は、特定の場所と関連付けられた第1の固有コードを少なくとも指定する。通信サーバ100はまた、第1の通信情報からユーザデバイスの識別情報を決定することもできる。第1の通信情報はまた、場合により、製品または製品コードを指定することもできる。第1の通信情報はまた、場合により、製品割引を指定することもできる。通信サーバ100は、第1の固有コードが、メモリ104に記憶されたコードのリストに含まれることを検査し、第1の固有コードと関連付けられた場所を決定する。
【0044】
ステップ502で、通信サーバ100は、製品および製品割引を決定する。製品および製品割引に関する情報がユーザデバイスからの第1の通信情報に含まれていた場合、この情報は第1の通信情報から抽出される。他のいくつかの実施形態では、第1の固有コードはまた、さらなる検索が必要とされないように、特定の製品に対しても、また場合により、関連付けられた製品割引に対しても固有である。さらに別の実施形態では、通信サーバは、データベース108を参照して第1の固有コードを特定の製品および製品割引にマッピングする。
【0045】
ステップ504で、通信サーバ100は、ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数と、記憶されたユーザデバイス製品閾値とを比較する。ユーザデバイス製品閾値は、だれか1人のユーザが製品割引を利用して得ることが許可されている製品の最大数を表す。この時点で、通信サーバ100はまた、場所製品閾値が設定されているかどうかを検査することもできる。場所製品閾値が設定されている場合、通信サーバは、その場所について以前に有効化されたトークンの数と、場所製品閾値とを比較する。場所製品閾値は、どれか1つの小売場所が製品割引を利用して販売することが許可されている製品の最大数を表す。この時点で、通信サーバはまた、第1の固有コードで示された場所用に、場所ごとのユーザデバイス製品閾値が設定されているかどうかを検査することもできる。場所ごとのユーザデバイス製品閾値は、だれか1人のユーザが特定の場所を得ることが許可されている製品の最大数を表す。このような閾値が設定されている場合、通信サーバは、第1の固有コードで示された場所においてユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数と、この閾値とを比較する。この時点で、通信サーバ100はまた、製品割引の有効期限日が設定されているかどうかを検査することもできる。有効期限日が設定されている場合、通信サーバは、現在の日付と有効期限日とを比較する。
【0046】
ユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数がユーザデバイス製品閾値を超えていない場合、ステップ506で、通信サーバ100は予約メッセージをユーザデバイスへ送信する。予約メッセージは、特定の場所で使用するために予約予定のユーザデバイスに対してトークンが生成されるように構成される。通信サーバがまた、その場所について以前に有効化されたトークンの数と場所製品閾値とを比較した場合には、予約メッセージは、その特定の場所について以前に有効化されたトークンの数が場所製品閾値を超えていないときだけ送信される。通信サーバがまた、第1の固有コードで示された場所のユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの数と、対応する閾値とを比較した場合には、予約メッセージは、その閾値を超えていないときだけ送信される。通信サーバがまた、現在の日付と有効期限日とを比較した場合には、予約メッセージは、現在の日付が有効期限日よりも後ではない場合だけ送信される。
【0047】
上記のいずれかの比較の結果、閾値または有効期限日を越えている場合には、予約メッセージは送信されず、その代わりに通信サーバは拒否メッセージを送信し、この拒否メッセージは、場合により、拒否の理由に関する詳細、例えば、ユーザのトークン閾値に達したこと、場所のトークン閾値に達したこと、特定の場所のユーザのトークン閾値に達したこと、または製品割引期間が終了したことを含む。
【0048】
ステップ506で予約メッセージを送信したら、通信サーバは、ステップ508で、ユーザデバイスから第2の通信情報を受ける。第2の通信情報は、特定の場所と関連付けられた第2の固有コードを少なくとも指定する。第2の通信情報はまた、場合により、製品に適用可能な割引を特定することもできる。あるいは、第1の固有コードは、製品と製品割引の両方に、ならびに1つの小売場所に特有であってもよい。通信サーバ100は、第2の固有コードが、メモリ104に記憶されたコードのリストに含まれていることを検査し、さらに、第2の固有コードが第1の固有コードと対応していること、すなわち、第1および第2のコードが同じ場所および同じ製品と関連付けられていることも検査する。
【0049】
第1のコードおよび第2のコードが同じ場所および同じ製品と関連付けられていることを確認したら、ステップ510で通信サーバ100は、有効化メッセージをユーザデバイスへ送信する。有効化メッセージは、特定の場所で使用するために有効化予定のユーザデバイスに対してトークンが生成されるように構成される。
【0050】
次に、通信サーバ100は、ユーザデバイスと場所の両方について以前に有効化されたトークンの、記憶されている数を1つだけ増やすことができる。通信サーバはまた、第1の固有コードで表される特定の場所にあるユーザデバイスについて以前に有効化されたトークンの記憶されている数を1つだけ増やすこともできる。次に、通信サーバ100は、場合により、ユーザデバイスと特定の場所の両方について、以前に有効化されたトークンの記憶されている数と、対応する閾値とのさらなる比較を実行し、閾値が満たされた場合に関係当事者に通知することができる。通信サーバ100はまた、特定の場所と関連付けられたアドレスまたは番号に、その場所で製品割引トークンが使用されたことを示す電子メールまたは他の電子メッセージを送信することもできる。
【0051】
上述の様々な閾値は、製品の供給業者が適切と考える任意の限界値に設定される。1つの具体的な例としては、ユーザデバイス製品閾値が10に設定され、場所製品閾値が100に設定され、場所ごとのユーザデバイス製品閾値が2に設定される。これは、各ユーザが10個の製品を割引価格で得ることができるが、どこか1つの場所では、このような製品を2つしか得ることができないことを意味する。
【0052】
次に、ユーザデバイス200の例示的な作動方法について、
図6を参照して説明する。方法はステップ600から開始し、ユーザデバイス200が第1の固有コードを受ける。第1の固有コードを取得したら、ユーザデバイスは、ステップ602でトークンを生成する。ユーザデバイスは、いくつかの異なる方法で第1の固有コードを取得することができる。例えば、第1の固有コードは、特定の場所またはどこか他の場所に表示された英数字のコードでもよく、ユーザは、ユーザ入力部208を使用して英数字のコードを手作業でユーザデバイス200に入力することができる。ユーザデバイス200は、トークンと関連した専用アプリケーションを記憶することができ、ユーザは、英数字コードを入力するためのボックスとともに提示予定のこのアプリケーションを実行することができる。あるいは、または加えて、このアプリケーションは、ユーザがユーザデバイスのカメラ210を起動して、特定の場所またはどこか他の場所に表示された符合化情報の画像を取り込めるようにすることができる。例えば、この符号化情報はQRコードでもよい。
【0053】
他のいくつかの実施形態では、アプリケーションは、ユーザデバイスの場所を追跡して、ユーザデバイスが特定の場所の近傍に入ったときに、トークンが使用可能であるという通知をディスプレイ212に表示するように構成される。このシナリオでは、ディスプレイ通知はユーザに、第1の固有コードがユーザの場所で表示されていることを知らせることができる。あるいは、通信サーバは、ユーザデバイスが特定の場所の近傍に入ったことを通知されたときに、第1の固有コードをユーザデバイスへ直接送信するように構成される。
【0054】
他のいくつかの実施形態では、通信サーバ100は、特定の場所の第1の固有コードを含むメッセージをユーザデバイスへ送信することができる。特定の場所は、ユーザの登録事項に示されたユーザの自宅の場所に基づくことも、ユーザの追跡場所履歴に基づくこともある。このメッセージのタイミングは、通信サーバ100のオペレータによって制御され、ユーザの場所とは関連がない。次に、ユーザは、第1の固有コードをメッセージからアプリケーションに入力してトークンを生成することができる。
【0055】
第1の固有コードを取得するための方法が何であれ、ステップ602で、ユーザデバイスはトークンを生成する。最初にトークンは、予約されていない状態であってもよい。ステップ604で、ユーザデバイス200は、第1の通信情報を通信サーバ100へ送信する。このステップは、第1の固有コードを受けた結果として、何らのさらなるユーザ入力なしに行われ得る。第1の通信情報は、第1の固有コード自体を含む。ユーザデバイスの識別情報は、ヘッダまたはデータパケットの形で第1の通信情報に含まれる。第1の通信情報はまた、場合により、製品または製品コードを指定することもできる。第1の通信情報はまた、場合により、製品割引を指定することもできる。
【0056】
通信サーバ100が、
図5に関して上述した必要なチェックを実行すると、ユーザデバイス200は、ステップ606で、通信サーバから予約メッセージを受ける。予約メッセージを受けると、ステップ608でトークンが予約される。アプリケーションは、トークンが特定の場所で使用するために予約されたという通知をユーザに、ディスプレイ212で表示することができる。あるいは、または加えて、既に表示されているトークンの外観がトークン予約の結果として変化してもよい。
【0057】
ステップ610で、ユーザデバイス200は、第2の固有コードを受ける。第2の固有コードは、上述のように、第1の固有コードと同様に取得される。特定のユースケースシナリオでは、第2の固有コードは、特定の場所には表示されていないが、要求に応じて小売店から取得可能である。このシナリオでは、ユーザは、ユーザデバイス200に表示された予約トークンを小売店に示すことができ、その後小売店では、第2の固有コードを明らかにすることができる。次に、ユーザは、ユーザ入力部208またはカメラ210を介して、第2の固有コードをアプリケーションに入力する。
【0058】
第2の固有コードを取得したとき、ユーザデバイス200は、ステップ612で、第2の通信情報を通信サーバ100へ送信する。第2の通信情報は、少なくとも第2の固有コードを含むが、製品に適用可能な割引もまた、割引がまだ通信サーバ100に伝達されていないか、または割引を通信サーバ100が入手できない場合に、含み得る。
【0059】
ステップ614で、ユーザデバイス200は、通信サーバ100から有効化メッセージを受ける。ステップ614で有効化メッセージを受けると、トークンがステップ616で有効化される。ユーザは、ユーザデバイス200に表示された有効化済みトークンを小売店に示して、割引が適用される関連付けられた製品を得ることができる。
【0060】
トークンの有効化は2段階のプロセスであるので、ユーザデバイスは、トークンの有効化にすぐに進まなくても1つまたはそれ以上のトークンを予約することができる。例えば、ユーザは、特定の小売場所にいる間に、当の製品を購入せずにトークンを予約し、後日引き返してトークンを有効化し、製品を購入することを選択してもよい。上述の実施形態のいくつかでは、ユーザデバイス200はまた、通信サーバ100から直接、メッセージを介して第1の固有コードを受けることができ、この場合、ユーザは、トークンを有効化し使用するために、トークンが示す場所まで後で移動する必要がある。予約も有効化もされたトークンの総数とユーザデバイス製品閾値とを比較することで、後で有効化できないトークンをユーザデバイスが予約しないことを保証する。
【0061】
ある特定のユースケースシナリオでは、場所リスト中の場所は薬局である。製品は、薬局から市販されている医薬品および他のいくつかの消費者製品であり得る。イタリアなどのいくつかの地域では、薬局は一般に、(複数の支店を持つ会社またはフランチャイズではなく)個人事業者として事業を営む。供給業者が供給契約を締結しなければならないこのような個人事業者の数は、何千にもなり得る。このような状況では、特定の製品に対して短期の割引を適用すること、および割引したこれらの製品の販売を監視することは、供給業者にとってきわめて複雑なものになり得る。本明細書に記載の概念は、薬局の物理的な関与を必要とする以外は、供給業者が製品割引を直接消費者に提供できるようにすることによって、この問題に対する解決策をもたらす。特に、第2の固有コードが薬局の場所のみで利用可能になり、ユーザデバイス上のトークンが予約されているときだけ消費者に明らかになる2要素認証プロセスは、割引製品の販売を監視するための供給業者の能力を大幅に向上させる。この概念ではまた、薬局がそれ自体の在庫監視システムを変更したり、取引中に消費者または供給業者のいずれかと電子的に通信したりすることも必要としない。
【0062】
図7a~eは、薬局から医薬品を割引価格で得るためのアプリケーションを実行しているときの、ユーザデバイス200のディスプレイ212の例示的なスクリーンショットを示す。
【0063】
図7aは、アプリケーションが実行されたときに最初に表示される第1のスクリーンショット700を示す。第1のスクリーンショット700は、どうすれば割引コードを取得できるかをユーザに知らせるとともに、割引コードを入力するためのボックスを設けている。第1のスクリーンショット700は、割引コードが薬局に表示されており、設けられているボックスに入力されるべきことをユーザに知らせることができる。図示されていないが、第1のスクリーンショット700にはまた、割引コードの画像を取り込むためにユーザデバイスのカメラ210を起動するソフトボタンを表示することもできる。第1のスクリーンショット700の下部にあるのは、有効化プロセスを開始するために、コードを入力した後にユーザが押すことができるソフトボタンである。ユーザがこのソフトボタンを押すと、アプリケーションはトークン(本明細書ではクーポンとも呼ばれる)を生成する。
【0064】
図7bは、ユーザデバイス200が通信サーバ100から予約メッセージを受け、トークン/クーポンが予約された後に表示される、第2のスクリーンショット702を示す。第2のスクリーンショット702で、この例では「enterogermina gonfiore」が2.30ユーロの割引で予約されている、製品および割引を確認することができる。第2のスクリーンショットはまた、クーポンが、この例では「Farmacia Goldoni」である、特定の場所のみで使用できることをユーザに知らせることもできる。第2のスクリーンショット702にはまた、「移動」と印付けられたソフトボタンもあり、ユーザはこれを選択して、第3のスクリーンショット704を表示することができる。
【0065】
図7cは、予約されたトークン/クーポンを表示している第3のスクリーンショット704を示す。第3のスクリーンショット704では、クーポンが有効な薬局の場所、製品、製品割引、およびトークン/クーポンの有効期限日を確認する。第3のスクリーンショット704ではまた、第2の固有コード(本明細書では確認コードとも呼ぶ)を取得するために薬剤師に画面を見せるようにという指示を表示することもできる。
【0066】
図7dは、確認コードを入力するためのボックスを含む第4のスクリーンショット706を示す。図示していないが、第4のスクリーンショット706はまた、確認コードの画像を取り込むためにユーザデバイスのカメラ210を起動するソフトボタンを表示することもできる。第4のスクリーンショット706の下部にあるのは、有効化プロセスを終了するために、ユーザが確認コードの入力後に押すことができるソフトボタンである。第4のスクリーンショット706はまた、後続のページを薬剤師に見せることをユーザに思い出させることもできる。
【0067】
ユーザがスクリーンショット706の下部にあるソフトボタンを押すと、装置200は、
図7eに示されるように、第5のスクリーンショット708を表示する。第5のスクリーンショット708は、割引製品を得るにはユーザが画面を薬剤師に見せなければならないことをユーザに知らせる。ユーザデバイス200上で動作するアプリケーションはまた、有効化されたクーポンの使用期限を設定することもできる。この期限は、例えば、10分に設定される。第5のスクリーンショット708では、この期限をユーザに通知し、場合により、カウントダウンを設けることができる。