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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20240527BHJP
   H01M 50/105 20210101ALI20240527BHJP
   H01M 4/66 20060101ALI20240527BHJP
   H01M 50/528 20210101ALI20240527BHJP
   H01M 50/586 20210101ALI20240527BHJP
   H01M 50/595 20210101ALN20240527BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M50/105
H01M4/66 A
H01M50/528
H01M50/586
H01M50/595
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022502981
(86)(22)【出願日】2020-05-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-21
(86)【国際出願番号】 KR2020006939
(87)【国際公開番号】W WO2021020708
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-01-17
(31)【優先権主張番号】10-2019-0091791
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】スン・ヒ・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジャ・ワン・イ
【審査官】小川 進
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0365544(US,A1)
【文献】国際公開第2015/140952(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0079031(KR,A)
【文献】韓国特許第10-1613499(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0036203(KR,A)
【文献】国際公開第2006/109610(WO,A1)
【文献】特開平11-067172(JP,A)
【文献】国際公開第2019/039409(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 50/105
H01M 4/66
H01M 50/528
H01M 50/586
H01M 50/595
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1タブ、第2タブ、および前記第1タブと前記第2タブとは反対方向に配置された複数の連結タブを備える第1電極組立体と、
前記第1電極組立体に向かって配置され、前記第1電極組立体の前記連結タブと電気的に連結される複数の連結タブを含む第2電極組立体と、
前記第1電極組立体および前記第2電極組立体と電解液を収容する収容空間が形成され、一側が開口した収容部、前記収容部の開口した一側に結合され、前記収容部の開口した一側をカバーするカバーを備えるケースと、を含み、
前記第1電極組立体および前記第2電極組立体は、第1電極板および第2電極板と、前記第1電極板と前記第2電極板との間に挿入されるセパレータと、をそれぞれ含み、
前記連結タブは、前記第1電極板および前記第2電極板にそれぞれ電気的に連結される陽極連結タブおよび陰極連結タブを含み、
前記第1電極組立体の前記陽極連結タブは、前記第1電極板に連結される基材接触部と、前記基材接触部と一体に形成され、前記第1電極組立体の一側に露出する連結部と、を含み、前記第1電極組立体の前記陰極連結タブは、前記第2電極板に連結される基材接触部と、前記基材接触部と一体に形成され、前記第1電極組立体の一側に露出する連結部と、を含み、
前記第2電極組立体の前記陽極連結タブは、前記第1電極板に連結される基材接触部と、前記基材接触部と一体に形成され、前記第1電極組立体に向かって露出する連結部と、を含み、前記第2電極組立体の前記陰極連結タブは、前記第2電極板に連結される基材接触部と、前記基材接触部と一体に形成され、前記第1電極組立体に向かって露出する連結部と、を含み、
前記ケースのフォールディング時に、前記カバーの外側面の一端および他端が密着するようにフォールディングされる二次電池。
【請求項2】
前記ケースのフォールディング時に、前記カバーのフォールディング部位が密着する請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記ケースは、前記収容部の開口した一側縁に沿って延長形成されるが、前記カバーと水平になるように延長されて前記カバーに結合される接合部をさらに含む請求項2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記接合部および前記カバーは、前記ケースのフォールディング時に前記フォールディング部位に対応する端部を切開して切開溝を形成する請求項3に記載の二次電池。
【請求項5】
記第1電極組立体は、前記第1電極板および前記第2電極板にそれぞれ電気的に連結された第1タブおよび第2タブをさらに含む請求項1に記載の二次電池。
【請求項6】
前記第1電極板は、アルミニウム基材を備えた陽極板であり、前記第2電極板は、銅基材を備えた陰極板であ、請求項に記載の二次電池。
【請求項7】
前記陽極連結タブおよび陰極連結タブは、1つまたは2つで備えられる請求項に記載の二次電池。
【請求項8】
前記第1電極組立体に連結された前記連結タブと前記第2電極組立体に連結された前記連結タブは、相互重畳して結合される請求項に記載の二次電池。
【請求項9】
前記第1電極組立体に連結された前記連結タブと前記第2電極組立体に連結された前記連結タブは、互いに段差のあるように配置される請求項に記載の二次電池。
【請求項10】
前記第1電極組立体に連結された前記連結タブと前記第2電極組立体に連結された前記連結タブの結合部位には、絶縁テープが接着される請求項に記載の二次電池。
【請求項11】
前記第1電極組立体と前記第2電極組立体は、並列に連結される請求項1に記載の二次電池。
【請求項12】
前記第1電極組立体と前記第2電極組立体は、直列に連結され、前記収容空間は、2つに分割されて前記電解液が互いに連通しないように、前記第1電極組立体と前記第2電極組立体をそれぞれ収容する請求項1に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の様々な実施形態は、二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ノートパソコン、ミニノートパソコン、ネットブック、モバイルコンピュータ、UMPC(Ultra Mobile Personal Computer)およびPMP(Portable Multimedia Player)のような電子装置は、移動型電源として多数の二次電池またはバッテリーセルが直列および/または並列に連結されているバッテリーパックを用いる。このようなバッテリーパックは、過充電、過放電および/または過電流から二次電池を保護するための保護回路モジュール(PCM:Protective Circuit Module)を含み、前記二次電池および保護回路モジュールは、ケースに一緒に内蔵され得る。
【0003】
このような発明の背景となる技術に開示された前述の情報は、本発明の背景についての理解度を向上させるためのものであり、したがって、従来技術を構成しない情報を含み得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、1つのケース内に2つの電極組立体を並列または直列に連結する連結構造を備えることによって、電極組立体をフォールディング可能に形成した二次電池を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態による二次電池は、第1タブおよび第2タブを備える第1電極組立体と、前記第1電極組立体と電気的に連結される第2電極組立体と、前記第1電極組立体と前記第2電極組立体との間に配置されるが、前記第1電極組立体および前記第2電極組立体にそれぞれ連結され、前記第1電極組立体と前記第2電極組立体を電気的に連結する複数の連結タブと、前記第1電極組立体および前記第2電極組立体と電解液を収容する収容空間が形成され、一側が開口した収容部、前記収容部の開口した一側に結合されて前記収容部の開口した一側をカバーするカバーを備えるケースと、を含み、前記ケースのフォールディング時にカバーの外側面の一端および他端が密着するようにフォールディングできる。
【0006】
前記ケースのフォールディング時に前記カバーのフォールディング部位を密着できる。
【0007】
前記ケースは、前記収容部の開口した一側縁に沿って延長形成されるが、前記カバーと水平になるように延長されて前記カバーに結合される接合部をさらに含み得る。
【0008】
前記接合部および前記カバーは、前記ケースのフォールディング時に前記フォールディング部位に対応する端部を切開して切開溝を形成し得る。
【0009】
前記第1電極組立体および前記第2電極組立体は、第1電極板および第2電極板と、前記第1電極板および前記第2電極板の間に挿入されるセパレータをそれぞれ含み、前記第1電極組立体は、前記第1電極板および前記第2電極板にそれぞれ電気的に連結された第1タブおよび第2タブをさらに含み得る。
【0010】
前記第1電極板は、アルミニウム基材を備えた陽極板であり、前記第2電極板は、銅基材を備えた陰極板であり、前記連結タブは、前記第1電極板および前記第2電極板にそれぞれ電気的に連結される陽極連結タブおよび陰極連結タブを含む。
【0011】
前記第1電極組立体の前記陽極連結タブは、前記アルミニウム基材に連結される基材接触部と、前記基材接触部と一体に形成され、前記第1電極組立体の一側に露出する連結部と、を含み、前記第1電極組立体の前記陰極連結タブは、前記銅基材に連結される基材接触部と、前記基材接触部と一体に形成され、前記第1電極組立体の一側に露出する連結部と、を含み、前記第2電極組立体の前記陽極連結タブは、前記アルミニウム基材に連結される基材接触部と、前記基材接触部と一体に形成され、前記第1電極組立体に向かって露出する連結部と、を含み、前記第2電極組立体の前記陰極連結タブは、前記銅基材に連結される基材接触部と、前記基材接触部と一体に形成され、前記第1電極組立体に向かって露出する連結部と、を含む。
【0012】
前記陽極連結タブおよび陰極連結タブは、1つまたは2つで備えられ得る。
【0013】
前記第1電極組立体に連結された前記連結タブと前記第2電極組立体に連結された連結タブは、相互重畳し得る。
【0014】
前記第1電極組立体に連結された前記連結タブと前記第2電極組立体に連結された前記連結タブは、互いに段差のあるように配置され得る。
【0015】
前記第1電極組立体に連結された前記連結タブと前記第2電極組立体に連結された前記連結タブの結合部位には、絶縁テープを接着し得る。
【0016】
前記第1電極組立体と前記第2電極組立体は、並列に連結され得る。
【0017】
前記第1電極組立体と前記第2電極組立体は、直列に連結され、前記収容空間は、2つに分割されて前記電解液が互いに連通しないように、前記第1電極組立体と前記第2電極組立体をそれぞれ収容できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一実施形態による二次電池は、1つのケース内に2つの電極組立体を並列または直列に連結し、各電極組立体を一般タブまたは基材タブを用いてフォールディング可能に連結する。したがって、二次電池のフォールディングが可能であり、フォールディング部位の耐久性を確保し得る。
【0019】
すなわち、本発明の一実施形態は、1つのケース内に2つの電極組立体を並列または直列に連結する連結構造を備えることによって、二次電池をフォールディング可能に形成した二次電池を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態による二次電池のフォールディング状態を示す結合斜視図である。
図2図1による二次電池の展開状態を示す結合斜視図である。
図3図2による二次電池の分解斜視図である。
図4図3による二次電池の電極組立体を示す平面図である。
図5図4による電極組立体の連結状態を示す平面図である。
図6】本発明による電極組立体の様々な形を示す平面図である。
図7】本発明による電極組立体の様々な形を示す平面図である。
図8A】本発明の一実施形態による電極組立体の連結形態およびフォールディング過程を示す断面図である。
図8B】本発明の一実施形態による電極組立体の連結形態およびフォールディング過程を示す断面図である。
図8C】本発明の一実施形態による電極組立体の連結形態およびフォールディング過程を示す断面図である。
図8D】本発明の一実施形態による電極組立体の連結形態およびフォールディング過程を示す断面図である。
図9A】本発明の一実施形態による電極組立体の連結形態およびフォールディング過程を示す断面図である。
図9B】本発明の一実施形態による電極組立体の連結形態およびフォールディング過程を示す断面図である。
図9C】本発明の一実施形態による電極組立体の連結形態およびフォールディング過程を示す断面図である。
図9D】本発明の一実施形態による電極組立体の連結形態およびフォールディング過程を示す断面図である。
図10A】本発明の一実施形態による電極組立体の連結形態およびフォールディング過程を示す断面図である。
図10B】本発明の一実施形態による電極組立体の連結形態およびフォールディング過程を示す断面図である。
図10C】本発明の一実施形態による電極組立体の連結形態およびフォールディング過程を示す断面図である。
図11】本発明の他の実施形態による二次電池の電極組立体を示す平面図である。
図12A】本発明の他の実施形態による電極組立体の連結形態およびフォールディング過程を示す断面図である。
図12B】本発明の他の実施形態による電極組立体の連結形態およびフォールディング過程を示す断面図である。
図12C】本発明の他の実施形態による電極組立体の連結形態およびフォールディング過程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0022】
本発明の実施形態は、当該技術分野における通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものであり、下記の実施形態は、様々な異なる形態に変形でき、本発明の範囲が下記の実施形態に限定されるものではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示をより充実かつ完全にし、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。
【0023】
また、以下の図面において各層の厚さや大きさは、説明の便宜および明確性のために誇張されたものであり、図面上における同じ符号は、同じ要素を指す。本明細書で使用されたように、「および/または」という用語は、当該列挙された項目のうち、いずれか1つおよび1つ以上のすべての組み合せを含む。また、本明細書において、「連結される」という意味は、A部材とB部材が直接連結される場合だけでなく、A部材とB部材との間にC部材が介在してA部材とB部材が間接連結される場合も意味する。
【0024】
本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を説明するために使用され、本発明を限定するためのものではない。本明細書で使用されたように、単数形は、文脈上他の場合を明確に指摘するものでなければ、複数の形を含み得る。また、本明細書で使用される場合、「備える」および/または「含む」は、言及した形状、数字、ステップ、動作、部材、要素および/またはこれらのグループの存在を特定するものであり、1つ以上の他の形状、数字、動作、部材、要素および/またはグループの存在または付加を排除するものではない。
【0025】
本明細書において、第1、第2などの用語が様々な部材、部品、領域、層および/または部分を説明するために使用されるが、これらの部材、部品、領域、層および/または部分は、これらの用語によって限定されてはならないことは自明である。これらの用語は、1つの部材、部品、領域、層または部分を他の領域、層または部分と区別するためにのみ使用される。したがって、以下で説明する第1部材、部品、領域、層または部分は、本発明の教えから逸脱することなく、第2部材、部品、領域、層または部分を指し得る。
【0026】
「下部」、「した」、「低い」、「上部」、「うえ」のような空間に関連する用語が図面に示されたある要素または特徴と他の要素または特徴を容易に理解するために用いられる。このような空間に関する用語は、本発明の様々な工程状態または使用状態に応じて本発明を容易に理解するためのものであり、本発明を限定するためのものではない。例えば、図面の要素または特徴が裏返されると、「下部」または「した」と説明された要素は、「上部」または「うえ」となる。したがって、「した」は、「上部」または「下部」を包含する概念である。
【0027】
本発明の主要構成を説明するにおいて、便宜上、図1を基準として上側を上側方向、下側を下側方向と定義する。また、図1を基準として、ケースの長辺方向を長さ方向、ケースの短辺方向を幅方向、ケースの外側へ向かう方向を外側方向、ケースの収容空間に向かう方向を内側方向と定義する。したがって、各構成要素の結合関係は、このような配置方向が変更される場合に、それに対応して変わる概念をすべて含む。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態による二次電池のフォールディング状態を示す結合斜視図である。図2は、図1による二次電池の展開状態を示す結合斜視図である。図3は、図2による二次電池の分解斜視図である。図4は、図3による二次電池の電極組立体を示す平面図である。図5は、図4による電極組立体の連結状態を示す平面図である。図6および図7は、本発明による電極組立体の様々な形を示す平面図である。
【0029】
図1図3に示されたように、本発明の一実施形態による二次電池10は、2つの電極組立体100、200と、電極組立体100、200および電解液を収容するケース300と、2つの電極組立体100、200の間を連結する連結タブ400と、を含む。2つの電極組立体100、200のうち、いずれか1つは電極組立体100、200から外部にそれぞれ引き出された第1タブ140および第2タブ150を含む。第1タブ140および第2タブ150、連結タブ400には、絶縁テープ500を付着し得る。
【0030】
便宜上、第1タブ140および第2タブ150が備えられた電極組立体100、200を第1電極組立体100と定義し、他の1つを第2電極組立体200と定義する。
【0031】
図1図3図5に示されたように、第1電極組立体100は、第1電極板110および第2電極板120、これらを物理的に分離するセパレータ130が積層された単位積層体を巻き取るか、または複数の層に積層して形成される。第1電極板110および第2電極板120のうち、いずれか1つには第1タブ140および第2タブ150がそれぞれ電気的に連結され得る。
【0032】
第1電極板110は、アルミニウム基材と、活物質を含む合剤で構成された陽極板であり得る。第2電極板120は、銅基材と、活物質を含む合剤で構成された陰極板であり得る。しかし、第1電極板110が陰極板で構成され、第2電極板120が陽極板で構成されることもある。セパレータ130は、複数で備えられ、複数の第1電極板110と第2電極板120との間にそれぞれ挿入される。セパレータ130は、第1電極板110および第2電極板120間の短絡を防止する絶縁体である。
【0033】
第1タブ140は、第1電極板110と電気的に連結され、第2タブ150は、第2電極板120と電気的に連結される。第1タブ140および第2タブ150は、第1電極板110および第2電極板120の外側に一端が一部突出し、電極組立体100、200を外部と電気的に連結する。第1電極板110が陽極板のときの第1タブ140は、陽極タブとなり、第2電極板120が陰極板のときの第2タブ150は、陰極タブとなる。第1タブ140および第2タブ150は、互いに所定の間隔で離隔し、同じ方向に引き出される。
【0034】
第1タブ140および第2タブ150は、ケース300の外部に引き出される境界となる部分や、境界となる部分を含む内側一面(第1電極板および第2電極板と接触しない面)に絶縁テープ500を付着し得る。絶縁テープ500は、第1タブ140および第2タブ150の短絡を防止する。
【0035】
図1図3図5に示されたように、第2電極組立体200は、後述する連結タブ400によって第1電極組立体100と並列に連結される。第2電極組立体200は、第1タブ140と第2タブ150を除いて第1電極組立体100と同様に、第1電極板210および第2電極板220、セパレータ230を備える。第2電極組立体200は、第1電極組立体100と大きさと容量が同一に形成されることもあり、大きさと容量が異なるように形成されることもある(図6および図7参照)。
【0036】
図5のように、第1電極組立体100と第2電極組立体200の大きさと容量が同じである場合、連結タブ400は、第1電極組立体100と第2電極組立体200の中央に配置され得る。図6のように、第1電極組立体100の大きさと容量が第2電極組立体200よりも大きく形成される場合、連結タブ400は、第1電極組立体100の一側に配置されるが、第2電極組立体200の中央に配置され得る。逆に、図7のように、第2電極組立体200の大きさおよび容量が第1電極組立体100よりも大きく形成される場合、連結タブ400は、第2電極組立体200の一側に配置されるが、第1電極組立体100の中央に配置され得る。
【0037】
第1電極組立体100および第2電極組立体200は、連結タブ400に連結された状態でケース300の内部に収容される。
【0038】
図1図3に示されたように、ケース300は、収容空間310aを形成する収容部310と、収容部310の一面をカバーするカバー320と、を含み得る。ケース300は、電解液とともに第1電極組立体100および第2電極組立体200を収容する。ケース300は、第1電極組立体100および第2電極組立体200が収容された状態でカバー320と接合して密封される。ケース300は、カバー320の一側が他側と面接触するようにフォールディング(Folding、折り畳み)される。
【0039】
収容部310は、収容空間310aを形成するために一側が開口したボックス形状を有し得る。収容空間310aは、第1電極組立体100および第2電極組立体200の大きさと形状に対応する大きさと形状を有する。収容部310の開口した一側縁に沿って収容部310の端部から垂直に外側に延長された接合部312が形成される。
【0040】
接合部312は、融着または接着などの様々な方法でカバー320と接合される部分である。接合部312には、収容部310がフォールディングされるときに折れる部分の位置に対応して切開溝330が形成される。
【0041】
切開溝330は、半円状または「V」字状の形状を有する溝であって、接合部312の端部の一部を切開して形成される。ケース300が半分に折れると、接合部312とカバー320が折れる部分の厚さが厚くなるため、しわになったり、浮き上がりの現状が発生し得る。フォールディング部位が浮き上がったり、しわが生じたりすると、ケース300が完全に折れず、フォールディング状態が解除されることがある。したがって、このような問題を防止するためにケース300が折れる部分に対応する接合部312上に切開溝330を形成する。
【0042】
切開溝330は、ケース300のフォールディング部位がスムーズに折れることができれば、前述の半円状や「V」字状の形状に限定されない。
【0043】
カバー320は、収容部310の開口した一側をカバーするため、収容部310および接合部312の大きさおよび形状に対応して長方形の板(Plate)形を有する。カバー320の縁が接合部312と接合されて収容部310とカバー320が固定される。
【0044】
カバー320は、ケース300が半分に折れるときに収容部310とともにフォールディングされる。したがって、カバー320上にも切開溝330が形成される端部の位置に切開溝330と同じ形状の切開溝330が形成される。
【0045】
カバー320は、ケース300が半分に折れるときに外側面の一端および他端が互いに密着し、フォールディング部位も密着できる。
【0046】
前述のように、ケース300が半分に完全にフォールディングされるときに第1電極組立体100と第2電極組立体200間の電気的連結状態を安定的に維持するために柔軟に曲げられる連結タブ400が必須である。
【0047】
図1図4および図5に示されたように、連結タブ400は、第1電極組立体100と第2電極組立体200との間に配置される。連結タブ400は、第1電極組立体100および第2電極組立体200にそれぞれ備えられ、陽極連結タブ400および陰極連結タブ400の2つのタブで構成される。すなわち、第1電極組立体100および第2電極組立体200は、それぞれ一対の連結タブ400を備えることになる。
【0048】
陽極連結タブ400は、第1電極組立体100および第2電極組立体200のそれぞれの第1電極板110に備えられたアルミニウム基材に電気的に連結される。陰極連結タブ400は、第1電極組立体100および第2電極組立体200のそれぞれの第2電極板120に備えられた銅基材に電気的に連結される。
【0049】
また、図10A図10Dに示されたように、各陽極連結タブ400および陰極連結タブ400は、1つずつ備えられることもあり(以下、ワンタブ構造)、図8A図9Dに示されたように、一対ずつ備えられることもある(以下、ツータブ構造)。陽極連結タブ400および陰極連結タブ400が一対ずつ備えられる場合、2つの電極組立体の間に配置される連結タブ400は、合計8つとなる。
【0050】
それぞれの連結タブ400は、第1電極組立体100または第2電極組立体200の内部基材に電気的に連結される基材接触部410と、第1電極組立体100または第2電極組立体200の外部に露出する連結部420で構成される。しかし、基材接触部410と連結部420が別に形成されるものではなく、1つの連結タブ400を位置に応じて基材接触部410および連結部420に区分して定義したものである。
【0051】
図5に示されたように、基材接触部410は、第1電極板110または第2電極板120の内部に挿入され、アルミニウム基材または銅基材に面接触して電気的に連結される。すなわち、陽極連結タブ400の基材接触部410は、アルミニウム基材と電気的に連結され、陰極連結タブ400の基材接触部410は、銅基材と電気的に連結される。陽極連結タブ400は、陽極タブである第1タブ140と一列に配置され、陰極連結タブ400は、陰極タブである第2タブ150と一列に配置されて第1電極組立体100および第2電極組立体200が並列に連結される。基材接触部410と一体に形成された連結部420は、第1電極組立体100および第2電極組立体200の外部に露出する。
【0052】
連結部420は、第1電極組立体100と第2電極組立体200との間に配置されるように露出している。すなわち、第1電極組立体100と第2電極組立体200にそれぞれ連結される連結タブ400は、連結部420が互いに対向するように配置される。互いに対向する連結タブ400の連結部420は、所定の区間が重畳して相互結合される。
【0053】
連結部420は、溶接などの方法で電気的な連結ができるように結合される。連結部420と周辺部との短絡防止のために連結部420上に絶縁テープ500を付着し得る。絶縁テープ500は、溶接部位より広い面積をカバーするように付着し得る。または、連結部420に絶縁テープ500を付着せず、連結部420上に絶縁体を予め付着した状態で連結部420間の結合時に絶縁体を一緒に結合させ得る。
【0054】
二次電池10がフォールディングされるときに、絶縁テープ500を付着していない連結部420上の一箇所を中心に連結タブ400がフォールディングされる(図5のA-A線参照、以下、フォールディングラインと定義する)。絶縁テープ500の付着は、選択的に適用できる。
【0055】
連結部420を中心に二次電池10を容易にフォールディングできるように、連結タブ400は、前述の第1タブ140および第2タブ150よりも薄い厚さを有し得る。これにより、フォールディング部位の厚さが増加することなく、2つの電極組立体間の電気的連結を維持し、フォールディング部位が柔軟に曲げられる。
【0056】
以下では、第1電極組立体100および第2電極組立体200の連結タブ400間の結合状態について詳細に説明する(便宜上、第2電極組立体の連結タブは、第1電極組立体の連結タブと区別するために420aで説明する)。
【0057】
図8A図10Cは、本発明の一実施形態による電極組立体の様々な連結形態およびフォールディング過程を示す断面図である。
【0058】
図8A図8Dに示されたように、本発明の一実施形態による二次電池10は、絶縁テープ500または絶縁体が備えられていないツータブ構造の連結タブ400を備え得る(図面には、便宜上、陽極連結タブのみを示している)。
【0059】
連結タブ400の連結部420、420aは、二次電池10のフォールディング時に、第1電極組立体100と第2電極組立体200との間を、電気的連結を維持できるように十分な長さに形成される(図8D参照)。二次電池10のフォールディング時に、第1電極組立体100と第2電極組立体200との間にカバー320が位置するため、連結タブ400の長さは、これを考慮して形成されることが好ましい。
【0060】
また、第1電極組立体100に備えられた連結部420と第2電極組立体200に備えられた連結部420aを重ね合わせて溶接しなければならないので、図8Aを基準に上側の連結部420、420aが下側よりも長く形成される。
【0061】
長さがより長い連結部420、420aを折曲して下側の連結部420上に密着させ(図8B参照)、対向する連結部420、420aと互いに溶接して2つの連結部420、420aを互いに固定する(図8C参照)。このとき、連結部420、420aの高さが互いに同じであれば、溶接部位が曲がるようになるため、第2電極組立体200の陽極連結タブ400を第1電極組立体100の陽極連結タブ400と段差のある高さを有するように形成し得る。したがって、溶接後の2つの連結部420、420aが溶接された溶接部位の下面が曲がったり折曲したりすることなく、水平を維持できる。
【0062】
または、図9A図9Dに示されたように、本発明の一実施形態による二次電池10は、絶縁テープ500または絶縁体を含むツータブ構造の連結タブ400を備え得る(図面には、便宜上、陽極連結タブのみを示している)。
【0063】
この場合、8a~8dの構造と同じ構造で連結タブ400が相互結合され、結合部位に絶縁テープ500を接着するか、または絶縁体を相互結合し得る。
【0064】
または、図10A図10Cに示されたように、本発明の一実施形態による二次電池10は、絶縁テープ500または絶縁体を含んでいないワンタブ構造の連結タブ400を備え得る(図面には、便宜上、陽極連結タブのみを示している)。
【0065】
この場合、8a~8dの構造と同様に互いに対向する連結タブ400が互いに段差のある高さを有するように配置され、相互重畳して溶接される。または、ワンタブ構造の結合部位に絶縁テープ500を接着したり、絶縁体を相互結合し得る(図示せず)。
【0066】
前述の実施形態においては、連結タブ400が第1タブ140および第2タブ150よりも薄い厚さを有する形について説明した。以下は、本発明の他の実施形態による二次電池10について説明する(前述の実施形態と同じ構成については、同じ参照番号を使用して説明するが、重複する特徴についての詳細な説明は省略する)。
【0067】
図11は、本発明の他の実施形態による二次電池の電極組立体を示す平面図である。図12A図12Cは、本発明の他の実施形態による電極組立体の連結形態およびフォールディング過程を示す断面図である。
【0068】
図11に示されたように、本発明の他の実施形態による二次電池10’は、前述の実施形態の二次電池10と同じ構造を有するが、厚みの薄い連結タブの代わりに一般的に使用される第1タブ140’および第2タブ150’を使用して第1電極組立体100’と第2電極組立体200’を電気的に連結し得る。
【0069】
このとき、第1電極組立体100’に備えられた第1タブ140’および第2タブ150’は、第1電極組立体100’の一端から他端まで延長され、第1電極組立体100’の他端に一部が露出される。第2電極組立体200’に連結タブ400’が形成されるが、連結タブ400’は、第1タブ140’および第2タブ150’と同じ一般的な電極タブであり、第1タブ140’および第2タブ150’と段差のある高さを有するように配置される。連結タブ400’は、溶接などの結合方法で第1タブ140’および第2タブ150’と電気的に連結され得る。
【0070】
図12A図12Cに示されたように、本発明の他の実施形態による二次電池10’における連結タブ400’は、第1タブ140’および第2タブ150’と同じ厚さを有するように形成される。図12A図12Cの連結タブ400’が図8A図10Cの実施形態に開示された連結タブ400よりも厚いが、連結タブ400’自体が、剛性が高く曲がらない材質ではない。したがって、連結タブ400’が十分な長さを有する場合、二次電池10’のフォールディングが可能である。
【0071】
前述の実施形態においては、第1電極組立体および第2電極組立体が並列に連結されたものを例として説明した。しかし、第1電極組立体および第2電極組立体は、直列に連結され得る(図示せず)。
【0072】
この場合、第1電極組立体および第2電極組立体が並列に連結されるときとすべての構造が同じであるが、連結タブの陽極連結タブと陰極連結タブの位置が互いに変わって配置される。
【0073】
また、第1電極組立体と第2電極組立体との間に分離壁が備えられて電解液が互いに連通しないように遮断することによって、第1電極組立体と第2電極組立体間の短絡を防止する。
【0074】
以上で説明したことは、本発明による電池パックを実施するための一実施形態に過ぎないものであって、本発明は、前述の実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲で請求するように、本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、誰でも様々な変更実施が可能な範囲まで本発明の技術的思想があるといえる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、電極組立体をフォールディング可能に形成した二次電池分野に用い得る。
【符号の説明】
【0076】
10、10’ 二次電池
100、100’ 第1電極組立体
200、200’ 第2電極組立体
110、210 第1電極板
120、220 第2電極板
130、230 セパレータ
140、140’ 第1タブ
150、150’ 第2タブ
300 ケース
310 収容部
310a 収容空間
312 接合部
320 カバー
330 切開溝
400、400’ 連結タブ
410 基材接触部
420 連結部
500 絶縁テープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図8c
図8d
図9a
図9b
図9c
図9d
図10a
図10b
図10c
図11
図12a
図12b
図12c