(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】半導体装置用の収着チャンバ壁
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240527BHJP
【FI】
H01L21/302 101H
H01L21/302 101B
(21)【出願番号】P 2022514648
(86)(22)【出願日】2020-08-06
(86)【国際出願番号】 US2020045282
(87)【国際公開番号】W WO2021045867
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-07-12
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サデギ・フセイン
(72)【発明者】
【氏名】ゴットショー・リチャード・エイ.
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-79806(JP,A)
【文献】特開2012-238644(JP,A)
【文献】特開2005-177598(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0158188(US,A1)
【文献】特開昭61-156725(JP,A)
【文献】特開2016-15504(JP,A)
【文献】特表2009-527128(JP,A)
【文献】特開2019-55385(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するために使用されるチャンバの一部分に組み込まれた収着構造であって、
1つ以上の加熱要素を有する内側セクションと、
冷却剤源から冷却剤を受け取り循環させるための冷却剤供給ネットワークと、真空ラインに接続するように構成された複数の真空導管とを有する中間セクションであって、前記内側セクションに隣接して配置されている、中間セクションと、
前記中間セクションに隣接して画定された内層と前記内層に隣接して画定された外層とを有する格子構造であって、前記格子構造はチャンバの内部領域に面するように構成され、前記内層及び前記外層は開口部のネットワークを含み、前記複数の真空導管は、前記内層を介して前記格子構造に接続するように構成されている、格子構造と、を備え、
前記真空ライン及び前記複数の真空導管は、処理中に使用されて、前記チャンバ内の圧力に対する低圧領域を前記格子構造内に形成して、前記基板の前記処理中に前記チャンバ内で放出された副生成物を吸着するように構成されている、収着構造。
【請求項2】
請求項1に記載の収着構造であって、
前記真空ラインはポンプに接続されている、収着構造。
【請求項3】
請求項1に記載の収着構造であって、
前記冷却剤供給ネットワークは、前記冷却剤源から前記冷却剤を受け取るための冷却剤入口と、冷却剤出口と、前記冷却剤入口と前記冷却剤出口との間に画定されて前記冷却剤の流れを可能にする1つ以上のチャネルと、を含む、収着構造。
【請求項4】
請求項1に記載の収着構造であって、
前記冷却剤供給ネットワークは、処理中に前記格子構造を第1の温度に維持するように構成されている、収着構造。
【請求項5】
請求項1に記載の収着構造であって、
前記チャンバ内に配置された上部電極と下部電極との間に画定されたギャップに整列する、前記チャンバの壁の一部分に、前記収着構造が組み込まれるように構成されている、収着構造。
【請求項6】
請求項1に記載の収着構造であって、
前記収着構造は、前記チャンバ内に画定されたプラズマ閉じ込め構造の一部分に組み込まれるように構成され、前記プラズマ閉じ込め構造の前記一部分は、前記チャンバ内に配置された上部電極と下部電極との間に画定されたギャップに整列している、収着構造。
【請求項7】
請求項1に記載の収着構造であって、
前記収着構造は、前記チャンバ内に画定された内側ライナーの一部分に組み込まれ、前記内側ライナーの前記一部分は、前記チャンバ内に配置された上部電極と下部電極との間に画定されたギャップに整列している、収着構造。
【請求項8】
請求項1に記載の収着構造であって、
前記内層における前記開口部のサイズが、前記外層における前記開口部のサイズとは異なる、収着構造。
【請求項9】
請求項8に記載の収着構造であって、
前記開口部のネットワークにおける前記開口部の前記サイズは、前記内層から前記外層に向かって漸進的に増加している、収着構造。
【請求項10】
請求項1に記載の収着構造であって、
前記開口部のサイズが、前記チャンバ内に配置された上部電極と下部電極との間に画定されたギャップのサイズに基づいている、収着構造。
【請求項11】
請求項1に記載の収着構造であって、
前記開口部のサイズが、前記チャンバ内で使用される反応性ガスのタイプ、及び前記チャンバ内に存在することが予想される副生成物のタイプ、のうちの少なくとも1つに基づく、収着構造。
【請求項12】
請求項1に記載の収着構造であって、
前記複数の真空導管は、ガス源に接続して、前記ガス源からの高圧ガスを前記格子構造の前記内層に供給して、前記副生成物の放出を支援するように構成され、前記高圧ガスは、前記チャンバから前記副生成物を除去するための脱着動作中に受け取られる、収着構造。
【請求項13】
請求項1に記載の収着構造であって、
前記真空ラインは、前記格子構造とポンプとの間に配置された圧力センサを更に含み、前記圧力センサを使用して、前記真空ラインを介して前記チャンバから流れ出る前記副生成物及び任意の反応性ガスの圧力が監視される、収着構造。
【請求項14】
請求項1に記載の収着構造であって、
前記収着構造は、前記チャンバの前記一部分に適合するように構成された単一の連続部品であり、前記チャンバの前記一部分は、前記収着構造の1つ以上の入力及び出力をルーティングする導管を含む、収着構造。
【請求項15】
請求項1に記載の収着構造であって、
前記収着構造は、前記チャンバの前記一部分の副部分を覆う分割部品であり、前記チャンバの前記一部分は、前記チャンバの前記一部分の円周に沿って分配された複数の前記分割部品を含み、前記チャンバの前記一部分は、前記収着構造の複数の前記分割部品の入力及び出力をルーティングする導管を含む、収着構造。
【請求項16】
請求項15に記載の収着構造であって、
複数の前記分割部品のうちの各分割部品は、隣接する分割部品から分離角度によって分離されている、収着構造。
【請求項17】
請求項16に記載の収着構造であって、
前記分離角度は約5°~約10°である、収着構造。
【請求項18】
請求項15に記載の収着構造であって、
複数の前記分割部品の前記入力及び前記出力は、前記チャンバの前記一部分の背面に画定された単一の導管を通るように、そして、前記チャンバの壁に画定されたチャネルを通るように、又は前記チャンバ内に画定された下部電極を通るように、ルーティングされている、収着構造。
【請求項19】
請求項1に記載の収着構造であって、
前記内側セクションにおける前記1つ以上の加熱要素は、脱着ステップ中に作動されて、前記収着構造を第2の温度に加熱して前記格子構造上に吸着された前記副生成物を放出させるように構成されている、収着構造。
【請求項20】
基板を処理するために使用されるチャンバの一部分に組み込まれた収着構造を使用して副生成物を除去する方法であって、
冷却剤源からの冷却剤を、前記収着構造の中間セクション内に画定された冷却剤供給ネットワークの1つ以上のチャネルを通して循環させることにより、前記収着構造を第1の温度に冷却することと、
前記中間セクションに画定された複数の真空導管を使用して、前記中間セクションに隣接して画定された格子構造に低圧領域を形成することであって、前記複数の真空導管は真空ラインに結合され、前記格子構造の外層が、前記チャンバの内部領域に露出されており、前記低圧領域は、前記チャンバ内に存在する前記副生成物を前記格子構造の複数の開口部内に吸着させる、ことと、
前記収着構造の内側セクションに画定された1つ以上の加熱要素を使用して、前記収着構造を第2の温度に加熱して、前記格子構造の前記複数の開口部内に吸着した前記副生成物を放出させることであって、前記中間セクションは、前記内側セクションと前記格子構造との間に配置されている、ことと、
前記格子構造から放出された前記副生成物を、前記真空ラインに結合された前記複数の真空導管を通して除去することと、を含む、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、
前記真空ラインはポンプに結合されている、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、
前記真空ラインを通って流れる前記副生成物の圧力を監視することを更に含み、
前記副生成物の前記圧力が予め定められた閾値を下回ったときに、前記収着構造の前記加熱を開始して、前記複数の開口部内に吸着された前記副生成物を除去する、方法。
【請求項23】
請求項20に記載の方法であって、
前記第1の温度は、前記チャンバ内に存在する前記副生成物を凝縮させるのに十分であるように定められている、方法。
【請求項24】
請求項20に記載の方法であって、
前記冷却すること、及び前記複数の真空導管を使用して前記低圧領域を形成することが、前記基板の処理中に実行され、前記加熱すること、及び前記副生成物の前記除去することが、前記チャンバ内に基板が存在しないときにウェハーレス自動クリーニング(WAC)により実行される、方法。
【請求項25】
請求項20に記載の方法であって、
前記真空ライン及び前記複数の真空導管を介して前記格子構造の内層にガスを供給することであって、前記ガスは、前記格子構造上に吸着された前記副生成物を放出させるのに十分な力を生成するように、所定の圧力にて前記真空ラインに結合されたガス源から供給される、ことと、
前記格子構造から放出された前記副生成物を、前記チャンバ内に画定された1次真空ラインを通して除去することと、を含む方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法であって、
前記1次真空ラインは、前記複数の真空導管に結合されている前記真空ラインとは異なる、方法。
【請求項27】
請求項25に記載の方法であって、
前記ガスは窒素である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体基板処理装置ツールに関し、より具体的には、基板の処理中に放出される粒子及び他の副生成物の吸着及び脱着を制御するための収着チャンバ壁を有する装置ツールに関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマチャンバなどの半導体処理システムでは、反応性ガスを使用してプラズマを生成し、基板表面上の様々な微細なフィーチャをエッチングする。これら反応性ガスは、ポリマーなどの副生成物粒子状物質を生成する。これらの副生成物は、チャンバ壁又はライナーの内壁などの露出面に付着する。これらの副生成物は、蓄積された副生成物が基板の表面を汚染してプロセス結果に悪影響を及ぼすことを防止するために、定期的に除去される必要がある。
【0003】
チャンバの壁をクリーニングする方法の1つは、チャンバを開けて壁を手動でクリーニングすることである。手動によるクリーニングはチャンバ(つまり、プロセスモジュール(PM))ごとに異なり、PM間の不整合につながる場合がある。更に、手動クリーニングが注意深く行われない場合、チャンバの1つ以上の構成要素を損傷する可能性がある。PM間の不整合に加えて、毎回のクリーニング後に、基板を処理するためにチャンバを元に戻すのに要する時間に起因して、スループットが影響を受ける場合がある。
【0004】
ウェハーレス自動クリーニング(WAC:Waferless AutoClean)又はカバーウェハーエリアクリーニング(CWAC:Cover Wafer Area Clean)などの他の自動化された手順では、様々なプロセスレシピ(ガスのタイプ、ガスの流れ、温度、圧力、持続時間など)を実行して、一貫性のある繰り返し可能なチャンバクリーニングを実現し、それにより、クリーニングを実施するためにチャンバを開ける必要性が排除される。ただし、一部の用途では、WAC/CWACプロセスが長く、頻繁に実施される必要がある場合があり(例えば、ウェハーが処理された後は毎回)、これにより、スループットの大幅な低下につながる可能性がある。加えて、WAC及びCWACプロセスは、チャンバ壁の残留物を除去するために過酷なプラズマ化学物質を使用し、これら過酷な環境はまた、チャンバ壁、電極、エッジリングなどのチャンバ構成要素を侵食する可能性がある。
【0005】
いったんチャンバ壁がクリーニングされると、基板の処理が再開される。基板の処理中にチャンバ表面上にプロセス副生成物が蓄積することにより、入ってくる粒子に対するこれら表面の反射率が変化し、それによりプラズマ場が時間の経過と共に変化し、プロセスのドリフトにつながる場合がある。これは、副生成物がチャンバ内の様々な表面(チャンバ壁、又は内側ライナー若しくは上部電極の表面、又はプラズマに曝される任意の他の表面上で)に徐々に蓄積すること、及びチャンバ内で処理される基板がチャンバ内の様々な程度の副生成物の蓄積に曝されること、に起因する可能性がある。例えば、チャンバクリーニングの直後に処理される最初の基板は、清浄なチャンバ壁に曝され、引き続きチャンバ内で処理される各基板は、チャンバ壁に蓄積される副生成物が時間の経過と共に増加するにつれて、チャンバ内で様々な程度の清浄度に曝される。これにより、基板ごと(又はウェハーごと)のプロセスドリフトにつながる可能性がある。時間の経過と共に基板が異なるエッチング速度に曝されると、追加の基板ごとのドリフトが生じる場合がある。基板が堆積などの他のプロセスに曝されると、同様の問題が生じる場合がある。
【0006】
プロセス時間が長い一部の用途では、チャンバ表面に堆積されたプロセス副生成物の蓄積により、チャンバ表面に堆積された膜の厚さが臨界値に至り、その時点で膜が割れて粒子をチャンバ内に放出し始めウェハー上に欠陥を生じさせるポイントに至る可能性がある。副生成物の膜のクラック発生を遅らせ、より均一な環境を基板ごとに構築することを手助けするために、プロセス開始前に、多くの場合、チャンバ壁にプレコーティング材料が堆積される。しかしながら、持続時間が非常に長いプロセスでは、プレコーティング技術は不十分な場合がある。
【0007】
本開示の実施形態が生じるのはこの状況においてである。
【発明の概要】
【0008】
本実施形態は、基板処理中にチャンバ内で放出される大量の副生成物を吸着できる大きな表面積を有する収着壁を提供することに関する。収着壁に吸着された副生成物の汚染物質は、チャンバを開ける必要なしにクリーニングされる。収着壁の表面積が大きいことに起因して、チャンバがクリーニングを必要とせずにウェハーを処理できる時間幅が長くなる。様々な実施形態で説明される収着壁は、吸着ステップと脱着ステップの両方を実施する方法を提供する。吸着ステップでは、収着壁の温度は、粒子、特に基板処理中に生成されるエッチング副生成物の粒子、を選択的に吸着させ、それらを凝縮させ、同時にチャンバ内で基板を処理するために使用される反応性ガスの凝縮を防止するのに、十分なレベルに維持される。脱着ステップでは、収着壁は、堆積されたエッチング副生成物を収着壁から放出させるのに十分な温度に加熱され、ウェハーレス自動クリーニング(WAC)及びカバーウェハーエリアクリーニング(CWAC)が、ガスパージオートクリーニング(GPAC:Gas Purge AutoClean)有り又は無しで実施される。収着壁が副生成物の吸着を支援し、入ってくる副生成物粒子がチャンバ表面から反射されて戻ってくることがないので、収着壁は、本明細書では「非反射」チャンバ壁とも呼ばれる。
【0009】
例えば金属発泡体の形態の格子構造は、収着構造内に画定されて、基板処理中に放出された副生成物を良好に吸着する。格子構造は、表面積の増加をもたらし、その結果、チャンバをクリーニングする必要が生じるまでに、より多くの副生成物を吸着させることができ、それによりWAC/CWACを実施する必要がある頻度が低減される。格子構造は、副生成物を良好に吸着することを支援するための様々なサイズの開口部の層を含む。収着構造の温度は、収着構造内で画定された内部チャネルに冷却剤を流すことにより、基板処理中に放出された副生成物を凝縮するのに十分な温度に維持される。いくつかの基板を処理した後、格子構造の表面温度は、内部チャネルを流れる熱により又は任意の他の手段により上昇され、その結果、WAC/CWAC中に副生成物が格子構造から脱着され、ポンプを使用するパージにより除去される。脱着ステップが開始される前に処理される基板の数は、プロセスに固有であり、欠陥及びばらつきを最小限に抑えながらスループットを最適化するように選択される。副生成物がプロセス中にチャンバの収着構造を介して除去されるので、時間変化するチャンバ壁の反射率により生じるプロセスドリフトが最小限に抑えられるため、チャンバ内で処理される基板の全体的な品質は大幅に改善する。加えて、チャンバを開ける必要なく、又は各基板の後にWAC/CWACを実施する必要なく、クリーニングが実施されるので、基板処理のためのチャンバをコンディショニングする際の遅延が最小になるので、チャンバ内で処理される基板の数量が大幅に改善される。加えて、プロセス副生成物が堆積する可能性のある有効壁表面積の増加に起因して、副生成物の膜厚が、膜のクラックが発生する臨界値に至るのが遅れ、それによりウェハー上の欠陥が低減される。更に、クリーニングは手動で実施されるのではなく、収着構造を使用して自動的に実施されるので、プロセスチャンバ間の不整合及び基板間のドリフトが最小限に抑えられる。また、収着壁へのプロセス副生成物の吸着速度を効果的に増加させることにより、チャンバ内での利用可能な副生成物が減少し、それにより、副生成物が他のチャンバ表面に堆積する速度が低減される。これはまた、他のチャンバ表面がクリーニングされる必要がある頻度を減らすことを支援することにより、間接的にプラスの副作用をもたらす。本開示の発明に関するいくつかの実施形態を以下に説明する。
【0010】
チャンバの一部分において画定される収着構造は、内側セクション、中間セクション、及び格子構造を含む。内側セクションは1つ以上の加熱要素を含む。加熱要素は、加熱ケーブルを介して熱源に接続されている。中間セクションは、冷却剤源からの冷却剤が、中間セクション内に画定された1つ以上のチャネルを通って流れることを可能にする、冷却剤供給ネットワークを含む。中間セクションはまた、真空ラインに接続された真空導管を含む。中間セクションは内側セクションに直接隣接して配置されている。格子構造は、格子構造の外層がチャンバの内部領域に面するように、中間セクションに隣接して画定されている。格子構造は、開口部のネットワークを有し、中間セクション内の真空導管に接続されている。真空ラインは、格子構造に吸着された副生成物を除去するために使用される。
【0011】
別の実施形態では、チャンバ内で生成された副生成物を吸着及び除去するための方法が記載されており、チャンバは、チャンバの一部分に画定された収着構造を含む。この方法は、収着構造の中間セクション内に画定された1つ以上のチャネルに冷却剤を流すことにより、収着構造を第1の温度に冷却することを含む。冷却剤は、冷却剤源から冷却剤入口を通り、1つ以上のチャネルを通り、冷却剤出口を通り循環される。冷却剤の流れを使用して収着構造を冷却することは一例であり、熱電冷却を含む、収着構造を冷却する他の方法も、その方法が、凝縮して所望のレベルに温度を維持するのに十分な能力を有する限り、使用できる。第1の温度は、チャンバ内で放出された副生成物の吸着を増加させるには十分であるが、チャンバ内で使用される反応性ガスは凝縮しないように、定めることができる。この方法は更に、収着構造内に画定された格子構造、又はより一般的にはアーキテクテッド構造を使用して、基板の処理中にチャンバ内で放出された副生成物を捕捉することを含む。格子構造は開口部のネットワークを含み、副生成物は、チャンバの内部領域に面する、格子構造の外層で捕捉され、中間セクションに隣接する内層に向かって押し出される。収着構造は、脱着チャンバのクリーニング中に格子構造の開口部のネットワークから副生成物を放出させるように、第2の温度に加熱される。格子構造は、内側セクションにおいて画定された1つ以上の加熱要素を使用して加熱され、内側セクションは、格子構造に隣接する中間セクションに隣接して配置されている。格子構造から放出され捕捉された副生成物は、GPACと併用して又はGPACなしで、WAC/CWAC手順により、格子に結合された真空ラインを介して除去され、真空ラインはポンプを使用して操作される。
【0012】
本発明の他の態様が、本発明の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0013】
実施形態は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することにより、最もよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本開示の一実現形態による、例示的なエッチングチャンバであって、エッチングチャンバの壁の一部分に画定された収着構造を有する、エッチングチャンバの簡略図を示す。
【
図1A】
図1Aは、本開示の一実現形態による、収着構造の拡大図を示す。
【0015】
【
図2】
図2は、本開示の一実現形態による、異なる構成要素が識別されている収着構造の拡大図を示す。
【
図2A】
図2Aは、本開示の一実現形態による、収着構造内に画定された真空ラインネットワークの拡大図を示す。
【
図2B】
図2Bは、本開示の一実現形態による、収着構造内に画定された冷却剤フロー供給ネットワークの拡大図を示す。
【0016】
【
図3】
図3は、本開示の一実現形態による、代替的なエッチングチャンバの簡略図を示し、エッチングチャンバ上に収着構造が画定されている。
【0017】
【
図4A】
図4Aは、本開示の一実現形態による、いくつかのチャンバ部品と、収着構造の1つの例示的構成とが識別されている、エッチングチャンバの簡略化された俯瞰図を示す。
【0018】
【
図4B】
図4Bは、代替的実現形態による、いくつかのチャンバ部品と、分割された収着構造の第2の例示的構成とが識別されている、エッチングチャンバの簡略化された俯瞰図を示す。
【0019】
【
図5】
図5は、本開示の一実現形態による、収着構造の代替的な例示的構成を有するエッチングチャンバの簡略化された俯瞰図を示す。
【0020】
【
図6A】
図6Aは、本開示の一実現形態による、収着構造がチャンバの壁の一部分を覆うように配置されている、エッチングチャンバの第1の代替的実施例の簡略図を示す。
【0021】
【
図6B】
図6Bは、本開示の一実現形態による、収着構造が、チャンバ内に画定されているCシュラウドの一部分に配置されている、エッチングチャンバの第2の代替的実施例の簡略図を示す。
【0022】
【
図7A】
図7Aは、本開示の一実現形態による、副生成物を吸着するために収着壁に使用される例示的なアーキテクテッドマテリアルの簡略化されたブロック図を示す。
【0023】
【
図7B】
図7Bは、一実現形態による、
図7Aで識別されている様々な構成要素を示すアーキテクテッドマテリアルの一例を示す。
【0024】
【
図8】
図8は、本開示の一実現形態による、チャンバ内で放出された副生成物を吸着及び除去するために収着構造を使用する例示的な方法を示す。
【0025】
【
図9】
図9は、一実現形態による、温度及び収着構造の動作を制御するための他のパラメータを含む、クラスタツールの様々なプロセスパラメータを制御するための制御モジュール(すなわち、コントローラ)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の詳細な説明は、説明の目的で多くの具体例な詳細を含むが、当該技術分野における当業者であれば、以下の詳細に対する多くの変形及び変更が、本開示の範囲に含まれることを理解するであろう。したがって、以下に記載される本開示の態様は、本明細書の後に続く請求項に対する一般性を全く失うことなく、かつ制限を課すことなく、述べられている。
【0027】
一般的に言えば、本開示の様々な実現形態は、収着構造を提供するためのシステム及び方法を説明する。収着構造は、基板を処理する際に使用されるチャンバの内部領域に組み込むことができて、基板の処理中にチャンバ内で生成される粒子状物質及び他の副生成物を除去する。収着構造が組み込まれている壁の一部分は、チャンバ壁の一部分、又はチャンバ内に画定されたライナーの一部分、又はチャンバ内に画定されたプラズマ閉じ込め構造の一部分であってよく、その一部分は、上部電極(例えば、シャワーヘッドなど)と下部電極(例えば、静電チャック(ESC)、ペデスタルなど)との間に画定されたギャップに整列している。収着構造は、金属発泡体又はハニカムなどのアーキテクテッドマテリアルで作製されてよい格子構造、冷却剤フローネットワーク、1つ以上の加熱要素、真空ラインに結合された1つ以上の真空導管を含んで、チャンバ内で生成された副生成物を効率的に引き付けて除去する。格子構造は、副生成物を効率的に吸着するための大きな表面積を提供する。冷却剤源は、プロセス中の副生成物の一貫した吸着に適切な温度で収着構造を維持するために、チャネルを通って循環することができる冷却剤を提供する。格子構造への安定した吸着率を維持するために、格子表面に以前に堆積された膜の追加の熱抵抗を考慮するために、プロセス中の壁温度は時間に依存してよい。熱源が使用されて格子構造に熱が供給され、それにより、格子構造上に吸着された副生成物が、WAC/CWAC中に迅速に放出される。真空ラインは、収着構造とポンプ(例えば、真空ターボポンプ)との間に接続されて、放出された副生成物を除去するための真空を収着壁に局所的に提供する。収着構造を用いた副生成物の効率的な吸着及び除去(脱着)により、チャンバ内に放出された副生成物が、付着した表面から反射して基板表面を汚染することがなくなり、基板の品質が維持されることが保証される。
【0028】
収着構造のない従来のチャンバ設計では、副生成物は拡散しチャンバの壁に蓄積する。基板の処理中に、ポリマーなどの副生成物の一部がチャンバ壁に蓄積する。副生成物の蓄積が臨界膜厚に達すると、膜にクラックが生じ、様々なサイズの粒子がチャンバ内に放出される可能性があり、それが基板の表面に付着し、それにより基板(すなわち、ウェハー)上に欠陥が形成される可能性がある。壁への副生成物の拡散及び蓄積は遅く、プロセスのドリフトにつながる。プロセスドリフトを防止し、チャンバ内の基板の処理品質を改善し、ウェハー上の欠陥を減らすために、従来方法では、チャンバの電源を切り、開け、壁を手でこすり洗いし、閉じ、コンディショニングし、そして再び電源を入れる必要があった。チャンバをクリーニングするこのプロセスは時間を要し、各チャンバで達成されたクリーニングのレベルに基づいてチャンバ間のドリフトにつながる。形成されているフィーチャのタイプに依存する可能性があるエッチング速度が基板ごとに異なる場合、追加のプロセスドリフトが発生する可能性がある。
【0029】
ダウンタイム、及びプロセスチャンバ間の不整合を低減させ、チャンバにおける基板プロセスのスループットを増加させるために、ウェハーレス自動クリーニング(WAC)及びカバーウェハーエリアクリーニング(CWAC)などの他の自動化手法が利用されてきた。WAC/CWACは、様々なプロセスレシピ(ガスタイプ、ガスフロー、温度、圧力、持続時間など)を実行して、一貫性のある繰り返し可能なチャンバクリーニングを実現する。このようなクリーニングは、チャンバを開ける必要なしに行われる。WACは、いかなるウェハー(すなわち基板)もなしで実行される一方で、CWACは、ESC上に置かれたダミーウェハーを使用して、CWAC中にプラズマにより生じる腐食からESCを保護する。通常、WAC中、ESCが下部電極として使用されている場合、ESCへの損傷を防止するようにESCへの電源は遮断され、クリーニング用のプロセスレシピが実行される。WACにおいて使用されるプロセスレシピは、完全なクリーニングのためにチャンバを開けることを遅らせるために、効果的でなければならない。チャンバ壁上の残留物を除去するために使用されるプラズマ化学物質も、チャンバ壁、電極、エッジリング、TCPウィンドウ表面などのチャンバ構成要素を侵食する可能性がある。
【0030】
本明細書の様々な実現形態で説明されている収着構造は、ウェハー上の欠陥を低減させること、WAC/CWACを実行する必要がある頻度を減少させること、基板間のプロセスドリフトを最小限に抑えること、チャンバ壁の状態を一定に保つこと、及び副生成物の除去を最大化すること、を支援する。チャンバを大気条件に開放する必要なくクリーニングプロセスが実施されるので、スループットが増加し、チャンバ間の不整合が低減される。
【0031】
様々な実現形態において説明されている収着構造は、ポンプを作動させて収着構造において局所的な低圧領域を画定させることにより、粒子(すなわち、副生成物)の「ブラックホール」として機能する。基板の処理中に、吸着ステップを実施するために収着構造が使用され、収着構造は、チャンバ内でガスを確実に安定して選択的に吸着するように、例えば、プロセス副生成物膜は吸着するが、チャンバで使用される反応性ガスは凝縮しないように、十分な低温に維持される。いくつかの実現形態では、収着壁の温度は時間に依存する可能性があり、最適なプロセス結果を実現するために、様々なガスを収着壁上に選択的に凝縮させるように設定できる。
【0032】
一実現形態では、チャンバ内の下部電極は、処理のために受け取られた基板のための支持面を提供する静電チャック(ESC)であり得る。ESCは、ESCに含まれるクランプ電極に静電クランプ電圧が印加されたときに、基板に静電クランプ力を与えることにより動作する。クランプ力、したがってクランプ電圧は、プロセスに依存するパラメータであり、プロセスレシピのセットアップ中に定められる。基板を処理するために使用されるプラズマのチャンバ圧力も、プロセスに依存するパラメータであり、プロセスレシピのセットアップ中に定められる。プロセスに依存するパラメータでありレシピのセットアップ中に定義されるESC温度及びチャンバ圧力と同様に、収着壁の温度はプロセスに依存し、レシピのセットアップ中にレシピパラメータとして定められる。レシピのセットアップ中に収着壁の温度を制御することにより、最適なプロセス結果を得るためのチャンバ条件をより良好に制御できる。収着構造の真空ラインネットワークは、収着構造内の低温と共に、局所的な低圧領域を提供し、これは、収着壁への副生成物粒子の選択的吸着を支援する。収着構造の格子構造上への化学コーティングは、ガス及び副生成物種の選択的吸着を手助けする。
【0033】
基板処理後、収着構造から副生成物の蓄積物をクリーニングする必要がある場合、脱着ステップが実行される。脱着ステップでは、収着構造は、格子構造からの副生成物のより効果的な放出を可能にする所望の温度に加熱されてよい。収着構造内に埋め込まれた加熱要素は、収着構造を加熱する際に使用される。加えて、チャンバに印加された局所的な低圧はオフにされ、WAC/CWAC(すなわち、自動クリーニング)が実行される。脱着ステップでは、格子構造から放出された副生成物は、ターボポンプを使用して真空ラインを介して除去される。一実現形態では、格子構造から放出された副生成物は、チャンバ内に画定された通常のポンプフォアラインを使用して除去されてよい。脱着ステップは、収着構造を十分にクリーニングするので、クリーニングされた収着構造を有するチャンバは、追加の基板処理に対して準備ができている。
【0034】
チャンバから副生成物を効率的に除去するために、収着壁は、大きな表面積と、副生成物を効果的に吸着するための、吸着ステップ中の低い表面温度と、収着構造に吸着された副生成物を放出させるための、脱着ステップ中の高い表面温度と、を使用する。収着構造設計に含まれる格子構造は、単一の場所での副生成物の蓄積を最小限に抑えながら、副生成物を効率的に吸着するための、大きな表面積を提供する。格子構造は、最適化されたトポロジーを有する開口部のネットワークを含み、これにより、内部冷却/加熱システムを介して格子構造を効率的に冷却/加熱するための、格子構造の有効熱伝導率を増加させることが可能になる。収着構造内に画定されたチャネルにより、収着構造を低温に維持すべき場合の吸着ステップ中の冷却剤の流れと、収着構造を加熱して格子構造から副生成物を放出させる必要がある場合の脱着ステップ中の熱の流れと、が可能になる。
【0035】
本開示の実施形態は、基板の処理中に処理ツールにおいて放出された副生成物を除去するために、半導体処理ツール(例えば、プラズマプロセスチャンバ)の一部分において画定された収着構造を提供する。場合によっては、収着構造は、プラズマプロセスチャンバのチャンバ壁の一部分、又はプロセスチャンバのチャンバ壁に沿って並ぶ内側ライナーの一部分、又はプロセスチャンバ内に画定されたプラズマ閉じ込め構造の一部分、に画定されてよい。収着構造がチャンバのどの表面上に画定されているかに関係なく、収着構造は、チャンバ内に配置された上部電極(例えば、シャワーヘッド)と下部電極(例えば、静電チャック、ペデスタルなど)との間に画定されたギャップに整列するように画定される。同様の収着技術が、プロセス副生成物の蓄積の可能性が高い任意の他のチャンバ表面(例えば、チャンバ内に配置されたTCPウィンドウ、上部電極など)に適用され得ることが理解できる。
【0036】
トランス結合プラズマ(TCP)ウィンドウは通常、真空シールを提供するためにチャンバ内に設けられる。TCPウィンドウの表面に導電性の副生成物膜が存在すると、チャンバ内の電磁電流の効率が低下し、それがエッチングプロセスを損なう又は悪影響を及ぼす場合がある。エッチングプロセスに悪影響を及ぼさないようにするために、チャンバの表面(TCPウィンドウの表面を含む)を頻繁にクリーニングして、副生成物の堆積膜を除去する必要があり得る。クリーニングの頻度は、チャンバのダウンタイムを相当に増加させる可能性がある。相当なチャンバのダウンタイムに加えて、頻繁なクリーニングはTCPウィンドウを侵食し、TCPウィンドウの寿命を短縮させる場合がある。したがって、収着壁を使用することにより、TCPウィンドウ表面を含むチャンバ内の様々な表面に堆積することが可能な副生成物の量が低減される。これはまた、チャンバ表面がクリーニングされる必要がある頻度を減らすことを支援することにより、間接的にプラスの副作用をもたらす。
【0037】
本開示の実施形態は、エッチング、堆積、めっき、研磨、クリーニング、スピニングなどの作業であって、除去される必要のある副生成物を生成する作業、を使用して基板を処理する際に使用される処理ツールに関する。収着構造を実装できるいくつかの例示的な処理ツールは、プラズマエッチングチャンバ、スピンリンスチャンバ、金属めっきチャンバ、クリーニングチャンバ、ベベルエッジエッチングチャンバ、堆積チャンバ(例えば、物理蒸着(PVD)チャンバ、化学蒸着(CVD)チャンバ、原子層堆積(ALD)チャンバ、プラズマ化学気相成長(PECVD)チャンバなど)、原子層エッチング(ALE)チャンバ、イオン注入チャンバ、又は副生成物の放出をもたらす半導体基板の作製及び/又は製造に関連し得る又は使用され得る任意の他の半導体処理ツール、を含む。更に、本開示の実施形態は、本明細書で提供される実施例に限定されず、異なる構成、形状、及びプラズマ生成技術(例えば、誘導結合システム、容量結合システム、電子サイクロトロン共鳴システム、マイクロ波システムなど)を使用する異なるプラズマ処理システムにおいて実施されてよい。
【0038】
本開示の上述した概略的理解に次いで、様々な実現形態の詳細が、様々な図面を参照して説明される。1つ以上の図面において同様の番号が付けられた要素及び/又は構成要素は、一般に同じ構成及び/又は機能を有することが意図されていることに留意すべきである。また、図面は一定の縮尺で描かれていない場合があり、場合によっては、新しい概念を説明及び/又は強調するために特定の機能又は構成要素が誇張されている場合があることにも留意すべきである。本実施形態は、これらの具体的な詳細の一部又は全てを伴うことなく実施されてよいことが明らかであろう。その他の場合、本実施形態を不必要に不明瞭にしないように、よく知られたプロセス作業は詳細には説明していない。
【0039】
図1は、本開示の一実現形態による、基板を受け取り、基板の表面上のフィーチャをエッチングするために使用される処理ツール100(例えば、プラズマエッチングチャンバ又はモジュール)の簡略化されたブロック図を示す。(本明細書では「チャンバ」とも呼ばれる)プラズマエッチングチャンバ100は、上部電極102及び底部電極104を含む。上部電極102は、反応性ガスをチャンバ100に提供するための1つ以上の反応性ガス源(図示せず)と、電源(例えば、マッチングネットワーク(図示せず)を通して無線周波数(RF)電源(図示せず))とに接続されて、電力を供給して、チャンバ100内でプラズマを生成させるように構成されている。上部電極102は、下部電極104の上面に面する底面上に画定された複数の出口を有するシャワーヘッドであってよく、チャンバ100内に画定されたプラズマ処理領域106に反応性ガスを供給する。下部電極104は、処理中に半導体基板(又は、本明細書では単に基板、若しくは代わりにウェハーと呼ばれる)を受け入れて支持するための支持面を提供する静電チャック又はペデスタルであってよい。下部電極は接地されていてよい。代替的な実現形態では、上部電極102は接地されてよく、下部電極104は、RF電源又は任意の他の電源を介して給電されてよい。プラズマエッチングチャンバ100は、チャンバ100から反応性ガスを除去するために使用されるポンプ107に接続されている。
【0040】
上部電極102と下部電極104との間にギャップが形成されて、チャンバ100に供給された反応性ガスからプラズマが形成されることが可能である。ギャップは、プラズマ処理領域106を画定する。プラズマ処理領域は、上部電極102及び下部電極104により画定される上部境界及び下部境界と、上部電極102及び下部電極104の外側エッジの間に画定される側部に画定される側部境界と、を有する領域をカバーしている。反応性ガスから形成されたプラズマが使用されて、下部電極104上に受け取られた基板の上面にあるフィーチャがエッチングされる。エッチング作業中に放出される、ポリマー及び他の粒子状物質などの副生成物が、ギャップ106に整列するチャンバ壁105の一部分又は他の表面に付着する場合がある。
【0041】
基板の処理中に放出される粒子及び他の副生成物の吸着及び脱着をより良好に制御するために、プラズマ処理領域(すなわち、ギャップ)106に整列する、チャンバ100の壁105の一部分に、収着構造110が画定される。収着構造110は収着壁として設計される。収着壁は、チャンバ内のガスを、選択的に(プロセス中に)吸着及び(クリーニング中に)脱着させるために、例えば、反応性ガスが収着構造110の表面上で凝縮しないことを確実にしながら、副生成物を吸着させるために使用される。収着構造110は、複数の構成要素を含み、真空ライン108を介してポンプ107に接続されている。
【0042】
図1Aは、一実現形態による、
図1に示されるチャンバ100の壁105の一部分に画定される例示的な収着構造110の一部を示す。収着構造110は、吸着ステップ及び脱着ステップを実施するために使用される。吸着ステップは、基板の処理中に実施され、脱着ステップは、基板が処理された後に、及び収着構造110がクリーニングされなければならないときに実施される。収着構造110は、吸着ステップ及び脱着ステップを実施するために選択的に作動される異なるフィーチャを有する複数の層を含む。収着構造110は、例えば、1つ以上の加熱要素115が内部に埋め込まれた内側セクション111を含む。一実施形態では、加熱要素115は、抵抗性ヒーターであってよい。1つ以上の加熱要素115は、加熱ケーブルを介して熱源に接続されてよく、脱着ステップ中に収着構造110を所望の温度に加熱するために使用される。
【0043】
収着構造110はまた、内側セクション111に隣接して配置された中間セクション112を含む。吸着ステップ中に収着構造110を低温に維持するように、中間セクション112にチャネル122が画定されて冷却剤が流れることを可能にしている。チャネル122のサイズは、使用される冷却剤のタイプと、収着構造110を冷却するために必要とされる冷却剤の流量とに依存し得る。高流量の場合、チャネルサイズはより大きく設計されてよく、低流量の場合、チャネル122のサイズは、直径がより小さく設計されてよい。吸着ステップ中に収着構造110が冷却される温度は、チャンバ内で実施されるプロセスのタイプ、反応性ガスの凝縮温度、放出されている副生成物のタイプなどに依存する。チャネル122は、中間セクション112において画定された冷却剤フロー供給ネットワーク110aの一部であってよい。冷却剤フロー供給ネットワーク110aは、冷却剤源からの冷却剤が循環する際に通る1つ以上のチャネルを含む。冷却剤フロー供給ネットワーク110aの詳細は、
図2A及び
図2Bを参照して詳細に説明される。
【0044】
収着構造110は、中間セクション112に隣接して画定された格子構造を更に含む。例示的な格子構造114が
図1Aに示されている。いくつかの実現形態では、格子構造114及び内側及び中間セクションは、単一のタイプの材料で作製されている。代替的な実現形態では、格子構造114は、1つのタイプの材料で作製されてよい一方で、内側及び中間セクションは、別のタイプの材料で作製されてよい。格子構造114は、相互接続されたビームのネットワークを含み、複数の層内に開口部が画定され、格子構造114の各層が複数の開口部を含む。格子構造114は、格子構造114の開口部の内層が中間セクション112に直接隣接して配置され、格子構造114の開口部の外層がチャンバ100の内部領域に面するように画定されている。格子構造114は、各層の開口部が、最小サイズの開口部を有する内層から最大サイズの開口部を有する外層に向かって、漸進的にサイズが大きくなるように設計されている。各層における開口部のサイズは、吸着される副生成物のタイプに基づいて画定されてよい。代わりに又は加えて、各層の開口部のサイズは、チャンバ100内のプラズマ処理領域106を画定するギャップのサイズに依存してよい。チャンバ100が異なると、ギャップのサイズが異なるので、格子構造114の各層の開口部のサイズは、上部電極102と下部電極104との間に画定されるギャップ(すなわち、プラズマ処理領域)106のサイズに基づいて変化してよい。
【0045】
図1に示される例示的なチャンバ100では、収着構造110は、上部電極102と下部電極104との間のギャップ106に整列する部分において、チャンバ壁105上に直接配置されるように示されている。
図1は、チャンバ壁105の両側に配置された収着構造110を示す、チャンバ100の垂直断面図を示す。収着構造110は、チャンバ壁105の一部分に適合する単一部品として画定されてよい。この例示的なチャンバでは、上部電極102及び下部電極104の外側エッジとチャンバ壁105との間の領域が空いていることが示されている。別の実現形態では、収着構造110は、チャンバ100内に画定された内側ライナーの一部分において画定されてよい。内側ライナーは、チャンバ壁105の内側に画定され、チャンバ壁105と平行に並んでよい。内側ライナーの一部分に画定された収着構造110のこの実現形態の詳細が、
図4及び
図5を参照して詳細に説明される。
【0046】
代替的な実現形態では、一組の閉じ込めリングなどのプラズマ閉じ込め構造が、チャンバ100内で上部電極の外側エッジと下部電極の外側エッジとの間に延びるように画定される。閉じ込めリングは、ギャップ106を囲い込むように延びる一組の平行なリングである。閉じ込めリングは、水平方向に配置されてよく、上部電極と下部電極との間で垂直に延びてよい。閉じ込めリングを伴う、チャンバ内での収着構造110の実現形態の詳細が、
図6Aを参照してより詳細に論じられるであろう。別の実現形態では、プラズマ閉じ込め構造はCシュラウドであってよく、Cシュラウドは、Cシュラウドがギャップ106を囲い込むように上部電極の外側エッジと下部電極の外側エッジとの間に延びるように画定されている。この実現形態では、収着構造110は、Cシュラウドの一部分に画定されている。収着構造110がCシュラウド上に画定されたこの実現形態の詳細が、
図6Bでより詳細に論じられるであろう。
【0047】
格子構造は、ポンプ107に結合された真空ライン108に接続されている。ポンプ107により印加される真空は、格子構造114と共に、収着構造110内に低圧領域を作り出す。この低圧領域により、副生成物は、格子構造114に向かって流れ、チャンバ100からの反応性ガスの損失を最小限に抑えながら真空ライン108を通して除去される。増加された表面積を有する格子構造114により、最大量の副生成物が格子構造114に吸着されることが確実になる一方で、クリーニングを実施する必要がある頻度が低減されて、スループットの増加につながる。例えば、
図1及び
図1Aに示される実現形態では、チャンバ100内で生成されるプラズマは、約40mTorrの圧力を有する一方で、ポンプ107によってもたらされる真空により、格子構造における局所的な圧力勾配が、プラズマ処理領域106に露出した外層における約40mTorrから、真空導管及び真空ライン108に接続された内層における約20mTorrまでに画定することが可能になる。この圧力勾配は、ポンプ107に向かう副生成物の流れを支援する。前述したプラズマ圧力及び圧力勾配は単なる例として提供されており、制限的であると見なすべきではない。様々なサイズの開口部をガスが通過するにつれて、基板の処理中にチャンバ内で放出された粒子状物質及び他の副生成物が格子構造により吸着される。格子構造のアーキテクチャは、その有効熱伝導率が十分に高く、格子ビームの急速な冷却と加熱を可能にするように設計されている。
図7A及び
図7Bを参照して、格子ビームを有する格子構造の一例を詳細に説明する。
【0048】
例えば、チャンバの内側に面する外層のより大きな開口部は、より多くの副生成物が格子構造の内層に向かって入ることを支援することができ、副生成物が一点に集まらないことを確実にすることができる。いくつかの実現形態では、格子構造は、格子構造114への副生成物の付着性を改善するために粗い表面仕上げを有してよく、これはまた、格子構造上の堆積膜におけるマイクロクラックの発生を遅らせることに役立つ。代替的な実現形態では、格子構造は陽極酸化(すなわち、コーティング)されて、副生成物の付着、及び過酷なプラズマ環境における格子構造の耐性を改善してよい。いくつかの実現形態では、格子構造はアルミニウムで作製されている。本実現形態は、格子構造を構築するのにアルミニウムに限定されず、本明細書で規定される格子構造の機能を提供できる任意の他の材料を含んでよい。いくつかの実現形態では、内側セクション及び中間セクションもまた、アルミニウムを使用して構築されてよい。いくつかの実現形態では、格子構造において画定された低圧領域により、吸着された副生成物が格子構造114の外層から内層へと拡散することが可能になり、追加の副生成物が外層に吸着されることが可能になる。収着構造110及び真空流の冷却は、チャンバ100内での基板の処理中に実施される。
【0049】
チャンバ100とポンプ107との間に1次真空ライン113が画定されて、チャンバ100から反応性ガス及び他の化学物質を排出する。1次真空ライン113の第1の端部がターボポンプ107に結合され、1次真空ライン113の第2の端部がチャンバ100の底部に接続されている。
【0050】
いくつかの実現形態では、圧力センサ131が、真空ライン108に沿って収着構造110とポンプ107との間に配置される。圧力センサ131は、真空ライン108を介して収着壁を出る化学種の圧力を監視するために使用され、一実現形態では、圧力が予め定められた閾値レベルを下回ったときに、チャンバ100の圧力センサ131に通信可能に接続されたコントローラへの信号を生成するように構成されてよい。圧力の低下は、格子構造上に堆積して真空ライン108へのガスの流れを妨げる副生成物の量を示し得る。真空ライン108を流れるガスの圧力のそのような低下が検出された場合、クリーニング作業を実施することが望ましく、圧力センサ131からの信号がコントローラ(図示せず)により使用されて、クリーニング作業がスケジューリングされてよい。別の実現形態では、圧力センサは、測定されたガスの圧力を定期的にコントローラに提供してよく、次いでコントローラは、圧力センサの読み取り値を使用して、いつクリーニングが必要かを決定することができる。
【0051】
予め定められた閾値レベルは、平方インチあたりの圧力(psi)として、又は真空ライン108における初期圧力値のパーセント(例えば、40%未満)として、表現される特定の圧力値を下回るものとして表現されてよい。予め定められた閾値レベルは、チャンバパラメータのうちの1つとして提供されてよい。コントローラは、コンピューティングデバイスに通信可能に接続されているデバイスであり得る、又はコンピューティングデバイスの不可欠な部分であり得る。複数のチャンバパラメータを使用してチャンバの作業を管理するために使用されるコントローラは、圧力センサ131からの信号に基づいてクリーニング作業を開始してよい。コントローラの様々な構成要素及びその機能の詳細が、
図9を参照して詳細に説明されることになる。
【0052】
一実現形態では、圧力センサ131に加えて、バルブ132が、真空ライン108に沿って圧力センサ131とポンプ107との間に提供されて、収着構造110に加えられる真空ライン108の圧力を制御してよい。バルブ132は、真空ライン108の動作を制御するように構成されている。バルブ132は、空気圧又は任意の他の形態のアクチュエータを使用して動作する、ゲート弁、グローブ弁、逆止弁、プラグ弁、ボール弁、バタフライ弁などの任意のタイプのものであってよい。前述したバルブの例はサンプルとして提供されており、網羅的又は限定的なものと考えるべきではない。
【0053】
格子構造114上への蓄積物をクリーニングするために脱着ステップを実行する時期が来た場合、収着構造110の選択された構成要素が使用される。例えば、脱着ステップは、内側セクション111からの加熱要素と、格子構造114からの真空ライン108とを使用して実行される。脱着ステップは、チャンバ100内に基板が存在しない(すなわち、WAC/CWACプロセスが作動している)場合に実行される。脱着ステップでは、真空ライン108のバルブ132が調整されて、局所的圧力がオフになる。内側セクション111に含まれる加熱要素115は、作動されて収着構造110に熱を供給し、それにより、WAC/CWACが実施されている間に、収着構造110は、格子構造114に付着した副生成物を放出するのに十分な温度に加熱される。加熱要素115は、収着構造110を加熱する1つの方法であること、及び抵抗性ヒーター、適切なチャネルを通る温かい流体の流れなどの、収着構造110を加熱する他の方法も使用できること、に留意すべきである。格子構造114を加熱しなければならない温度は、チャンバ100内で実施されているプロセスのタイプ、放出される副生成物のタイプ、格子構造114にて使用される材料のタイプなどに依存する。次いで、放出された副生成物は、パージされてチャンバ100から出る。いくつかの実現形態では、チャンバ100は、基板処理において残った何らかの反応性ガスを有する場合があり、格子構造114の表面から放出された副生成物は、残った反応性ガスと混合し、パージされてチャンバ100から出てもよい。いくつかの実現形態では、副生成物は、1次真空ライン113を通してパージされてよい。脱着ステップの後、チャンバ100は、処理のために基板を受け入れる準備ができている。
【0054】
収着構造110の様々な構成要素への入力及び出力は、いくつかの実現形態では、チャンバ壁105の裏側(すなわち、外側)を通るようにルーティングされていてよい。代替的な実現形態では、入力及び出力は、下部電極104を通るように又は上部電極102を通るように、又は、収着構造110が内側ライナーの一部分に画定されている場合は内側ライナーの外側を通るようにルーティングされていてよい。いくつかの実現形態では、収着構造110の入力及び出力は全て、チャンバ100に対して画定された設備ラインを通るようにルーティングされてよく、チャンバ100への他の入力及び出力が、設備ラインを通るようにルーティングされている。
【0055】
図2は、一実現形態実施における、チャンバ100のチャンバ壁105の一部分に組み込まれた例示的な収着構造の様々な構成要素を示す。収着構造110の構成要素は、内側セクション111、中間セクション112、及び格子構造セクション114を含む。収着構造110は、2つのステップ、すなわち吸着ステップ及び脱着ステップを実行するために使用され、これら2つのステップを実行するために、収着構造110の異なる構成要素が使用される。吸着ステップは、チャンバ100内で生成された副生成物を吸着するために使用され、基板の処理中に実行される。収着構造110の中間セクション112及び格子構造114は、副生成物を格子構造114内に吸着させる際に使用される。脱着ステップは、吸着された副生成物を格子構造114から放出させて、チャンバ100から除去できるようにするために使用され、プロセスウェハーがチャンバ100に存在しないときに、WAC/CWACプロセスの一部として実行される。しかしながら、プラズマにより引き起こされる損傷からESCを保護するために、CWAC中にダミーウェハーがESC上に置かれてよい。内側セクション111は、脱着ステップ中に格子構造114に熱を供給するために使用される。
【0056】
図2Aは、中間セクション112において画定された冷却剤フロー供給ネットワーク110a(
図2の断面「A-A」により表される)の詳細を示す。冷却剤フロー供給ネットワーク110aは、副生成物(例えば、エッチング作業によるエッチング副生成物)を吸着させるには十分に冷たいが、それでもプラズマを生成するためにチャンバ100内で使用される1つ以上の反応性ガスを凝縮させるには十分に冷たくない温度に、収着構造110を冷却するために使用される。したがって、冷却剤フロー供給ネットワーク110aは、冷却剤源(図示せず)から冷却剤を受け取るための冷却剤入口118と、冷却剤を循環させるための1つ以上のチャネル122と、冷却剤が流れ出て冷却剤入口118を通して再導入される際に通る冷却剤出口119と、を含む。収着構造110を冷却するための温度は、収着構造110を構築する際に使用される材料のタイプ、チャンバ100内で使用される反応性ガスのタイプ、生成される副生成物のタイプ、などに基づいて画定されてよい。冷却剤フロー供給ネットワーク110aは、工作機械(例えば、3Dプリンタ)を使用して単一ユニットとして製造されてよく、収着構造110の他の構成要素に組み込まれてよい。複数のOリング120が設けられて、冷却剤フロー供給ネットワーク構成要素110aが、収着構造110の残りの構成要素と結合することが可能である。
【0057】
格子構造114は、複数の層にわたって分散された開口部のネットワークを含み、中間セクション112に隣接して配置された、格子構造114の内層114aと、チャンバ100の内部領域に面する、格子構造114の外層114bとを有する。各層の開口部は、内層(すなわち、内層にある開口部)114aから外層114b(すなわち、外層にある開口部)に向かって漸進的にサイズが大きくなっている。格子構造114の開口部のサイズは、いくつか例を挙げると、放出される副生成物のタイプ、チャンバ100で実施されるプロセスのタイプ、チャンバ100内で使用される反応性ガスのタイプ、上部電極102と下部電極104との間に画定されるギャップの量、などのいくつかの可変要因に基づいて画定される。もちろん、前述した可変要因のリストは例として提供されており、格子構造のトポロジーを決定する場合、より少ない又はより多くの可変要因が考慮されてよい。
【0058】
図2Bは、
図2に示される真空ラインネットワーク110bの断面「B-B」の拡大図を示す。真空ラインネットワーク110bは、格子構造114の内層114aに結合されている。真空ラインネットワーク110bは、真空ライン108を通してポンプ107に結合された真空入口108aを含む。真空ライン108は、ポンプ107と格子構造114の内層114aとの間に延び、その結果、真空ライン108の第1の部分が収着構造の外側に画定され、真空ライン108の第2の部分が、中間セクション内に画定され、そこで、収着構造110内に画定された真空導管108bのネットワークに接続する。真空ライン108の第1の部分に結合されたポンプ107もまた、収着構造110の外側に配置されている。ポンプ107は、真空を提供して、格子構造114によって覆われた領域に低圧領域を形成して、チャンバ100内で放出された凝縮性がより低い副生成物の除去を支援する。真空ライン108に沿って画定され、格子構造114とポンプ107との間に配置された圧力センサ131を使用して、真空ライン108を介してチャンバ100を出るガスの圧力を監視し、真空ライン108により提供される吸引のレベルが悪影響を受けた場合(すなわち、真空ライン108を通って流れるガスの圧力が予め定められた閾値を下回った場合)、信号を生成し、その結果、脱着ステップを開始することができる。真空ライン108を流れるガスの圧力の低下は、格子構造114上への副生成物の膜の蓄積量を示し得る。冷却剤フローネットワーク110a及び真空ラインネットワーク110bは、別個のユニットとして構築されてよく、一組のOリング120を使用して、収着構造110の他の構成要素と結合されてよい。冷却剤フロー供給ネットワーク110a及び真空ラインネットワーク110bを有する中間セクションを格子構造114と共に吸着ステップ中に使用して、副生成物を格子構造114内に吸着させる。
【0059】
一実現形態では、脱着ステップ中に格子構造114に付着した副生成物を放出させるために、内側セクション111に含まれる構成要素が使用される。内側セクション111は、1つ以上の加熱要素115を含み、これは、加熱ケーブル117を介して互いに接続されてよく、電源に接続されてよい。加熱要素115は、抵抗性ヒーター又は任意の他のタイプのヒーターであってよく、副生成物を放出させるのに十分な温度に収着構造110を加熱するために使用される。脱着ステップの間、ポンプ107からの真空により局所的に形成された低圧はオフにされ、加熱要素115がオンにされている間にWAC/CWACが実施される。放出された副生成物は、チャンバ100の底部とポンプ107との間に画定された1次真空ライン113から除去される。放出された副生成物は、残留した何らかの反応性ガスと共に除去されてよい。代わりに、第2のガスが、対応するガス供給(図示せず)を介して第2のガス源からチャンバ100に導入されて、WAC/CWAC中に、加熱された格子構造114により放出された副生成物の除去をより良好に支援してよい。
【0060】
各構成要素、内側セクション111、中間セクション112、及び格子構造114が、内部構成要素からの入力及び出力をルーティングするための必要なチャネルと共に、工作機械を使用して別個に構築されてよく、Oリングを使用して一緒に結合させて単一の収着構造ユニットが形成されてよい。更に、前述したように、冷却剤フロー供給ネットワーク110a及び真空ラインネットワーク110bは、別個のユニットとして構築され、中間セクション112に結合されてよく、中間セクション112は、一方の側で、格子構造114に結合され、反対側で、対応するOリング120を使用して内側セクションに結合される。
【0061】
上部電極と下部電極(102、104)との間に画定されるギャップ106に整列する、チャンバ100のチャンバ壁105の部分が識別され、収着構造110はチャンバ壁105のこの部分に組み込まれる。チャンバ壁105のこの部分の内側は、複数のOリング120を含んで、収着構造110がチャンバ壁105の内側と緊密に結合することを可能にしている。チャンバ壁105はまた、収着構造110の入力及び出力をルーティングするための複数のチャネルを含み、これらのチャネルは、収着構造110内に画定された対応する入力/出力チャネルに整列する。例えば、第1のチャネル(冷却剤入口チャネル118a)がチャンバ壁105内に画定されて、冷却剤入口118をルーティングしてよく、第2のチャネル117aが画定されて、加熱ケーブル117をルーティングしてよく、第3のチャネル108cが画定されて、真空ライン108をルーティングしてよく、第4のチャネル119aが画定されて、冷却剤出口119をルーティングしてよい。代替的な実現形態では、収着構造110の様々な入力及び出力は、チャンバ壁105を介してルーティングされる代わりに、下部電極104を通して下方にルーティングされてよい。他の実現形態では、収着構造110の様々な入力及び出力は、上部電極102を通してルーティングされてよい。
【0062】
いくつかの実現形態では、収着構造110の様々な構成要素は、コンピュータ数値制御(CNC)機械などの工作機械、又は3次元(3D)プリンタツールを使用して製造されてよい。他の実現形態では、収着構造110の構成要素は、6軸3Dプリンタを使用して製造されてよい。いくつかの実現形態では、収着構造の異なる構成要素は、アルミニウムなどの単一の材料で作製されている。代替的な実現形態では、異なる構成要素のそれぞれは、異なる材料(例えば、金属又はセラミック)で作製されてよい。この実現形態では、格子構造114はアルミニウムで作製されてよく、内側セクション111及び中間セクション112は、アルミニウムとは異なる材料で作製されてよい。内側セクション111及び中間セクション112は、アルミニウムとは異なる導電性材料(すなわち、金属)で作製されてよい。格子構造はまた、2次材料でコーティングされてよい。
【0063】
図3は、副生成物を捕捉及び除去するために使用される収着構造110の代替的な実現形態を示す。この代替的な実現形態では、格子構造114に付着した副生成物のクリーニング(すなわち、脱着ステップ)は、格子構造114の表面に付着した、ポリマーフィルムなどの副生成物を放出させるように、格子構造114の背面(すなわち、内層114a)から窒素などの高圧ガスを吹き付けることにより、ガスパージオートクリーニング(GPAC)を作動させることにより行われる。高圧ガスは、副生成物に十分な力を加えて、副生成物を格子構造114から放出させてよい。この実現形態では、脱着ステップは、格子構造114に付着した副生成物を放出させるために、加熱要素115の代わりに高圧ガスに依存してよい。設計変更を最小限に抑えるために、追加のチャネルを追加する代わりに、格子構造114の内層114aに既に接続されている既存の真空ライン108を使用して高圧ガスを供給してよい。この設計を
図3に示す。第3のライン109が、第3のライン109の第1の端部が真空ライン108に結合され、第2の端部が窒素ガス源121などのガス源に接続されるように画定されている。第3のライン109におけるバルブ及び真空ライン108におけるバルブ132は、一緒に作動して、(a)ポンプ107からの低圧を遮断し、(b)チャンバ100への窒素ガスの流速を制御してよい。ガス源121から供給される窒素ガスは、格子構造114の内層114aから外層114bに流れるように構成されている。いくつかの実現形態では、センサ(図示せず)を使用して、窒素ガスが特定の圧力又は流量で格子構造114に供給されていることを確実にしてよい。圧力センサからの信号は、第3のライン109上に画定されたGPACバルブを能動的に制御することにより、N2流量を調整するために使用されてよい。
【0064】
脱着ステップの間、窒素ガスの高圧流が、格子構造表面に付着した副生成物をチャンバ100内へと放出させる。放出された副生成物は、1次真空ライン113上の対応するバルブを操作することにより、1次真空ライン113を介して窒素ガスと共に除去される(すなわち、パージされる)。代替的な実現形態では、別個のガス入口ラインが画定されて、別個のガス入口ラインの第1の端部がガス源に接続され、第2の端部が格子構造114の背面(すなわち、内層114a)に接続されるようにしてよい。
図1におけるのと同様に、
図3における収着構造は、チャンバ壁105の一部分において画定されるように示されている。
【0065】
図3に示される実現形態では、吸着ステップの間、真空ライン108を引き続き使用して、格子構造114によって副生成物が吸着され得るように、格子構造114に低圧領域が提供される。真空ライン108は、副生成物が排出されるための第2の出口を形成する。格子構造114の膨張性表面と、真空ライン108を通して導入される真空とが、格子構造114において低い圧力勾配を生じさせる。したがって、吸着ステップの間、格子構造114における低圧領域により、捕捉される副生成物の量が最大化されること、及び失われる反応性ガスの量が最小化されることが保証される。
【0066】
いくつかの実現形態では、脱着ステップは、加熱要素115と高圧ガスの両方を使用して、格子構造114上に蓄積された副生成物をクリーニングしてよい。そのような実現形態では、GPACは、WAC/CWACと連動して作動されて、格子構造114上に堆積した副生成物を放出及び除去してよい。収着構造110の内層111内の加熱要素115を使用して収着構造110を加熱してよく、ガス源121からの高圧ガスは、真空ライン108と、格子構造114の内層114aに結合された真空導管とを通して導入されてよい。熱と高圧ガスの両方の効果は、格子構造114からの副生成物のより速い放出を支援し得る。放出された副生成物は、1次真空ライン113を介して除去されてよい。他の実現形態では、より効率的な脱着のために、WAC又はCWACとGPACとの組み合わせを代わりに実施する必要がある場合がある。
【0067】
図4Aは、収着構造110が配置されているチャンバ100の代替的な実現形態を示す。この実現形態では、チャンバ100は、チャンバ壁105の内側全体に沿って画定される内側ライナー125を含み、収着構造110は、内側ライナー125の一部分に画定されている。収着構造110は、画定された長さ及び幅を有する分割部品として構築され、
図4Aに示される実現形態は、内側ライナー125の異なる部分に沿って均一に分布し互いに直交して配置された、収着構造セクション110を含む。収着構造セクション110が画定される内側ライナー125の一部分は、上部電極と下部電極との間のギャップに整列することが確認される。内側ライナー125の部分は、副生成物が内側ライナー125に付着する可能性に基づいて識別される。いくつかの実現形態では、収着構造セクション110の入力及び出力は、内壁の背面にルーティングされている。ルーティングされた入力及び出力は、最終的には他の設備ラインと並んでコントローラ(図示せず)に接続される。コントローラに提供される作業パラメータは、収着構造110を動作させるためのパラメータを含む。収着構造を制御するための作業パラメータのいくつかは、ポンプにより真空ライン108に沿って供給される必要がある差圧、吸着ステップ中に冷却剤が収着構造を冷却する必要がある温度、脱着ステップ中に加熱要素が収着構造を加熱する必要がある温度、などを含んでよい。先に述べたように、これらの作業パラメータは、例えば、チャンバ100で実行されている作業のタイプ、チャンバで作業を実行するために使用される反応性ガスのタイプ、放出されている副生成物のタイプ、使用される基板のタイプ、上部電極と下部電極の間に画定されたギャップのサイズ、格子構造の様々な層の開口部のサイズ、などに依存する場合がある。
【0068】
図4Aに示される実現形態では、各収着構造セクション110からの入力及び出力(すなわち、真空ライン108、加熱ケーブル117、冷却剤入口118、冷却剤出口119)は、内側ライナー125とチャンバ壁105とに画定された対応するチャネルを通して、チャンバ壁105の背面に別々にルーティングされる。代わりに、収着構造セクション110のそれぞれからの同様のタイプの入力及び出力は、一緒に連結されて、内側ライナー125とチャンバ壁105とにあるチャネルを介して、内側ライナー125の背面又はチャンバ壁105の背面にルーティングされてよい。代替的な実現形態では、収着構造セクション110のそれぞれからの入力及び出力は、内側ライナー125の後ろに、次いで、下方の下部電極104にルーティングされて、下部電極104及び/又はチャンバ100の設備ラインを収容するチャネルを通って外に出てよい。したがって、チャンバ100及び収着構造セクション110の設計に基づいて、収着構造セクション110の入力及び出力は、コントローラが収着構造110の機能を管理することが可能なように、コントローラに適切にルーティングされる。
【0069】
図4Bは、
図4Aに示されている収着壁構造の代替的な実現形態を示す。この実現形態では、収着構造110は、チャンバ壁105の内側の全体に沿って画定される内側ライナー125の部分のセクション全体(360°)に沿って配置されている。収着構造は、画定された長さと幅を有する分割部品の形であり、
図4Bに示される実現形態は、4つの収着構造セクション110を示し、それぞれが90°をカバーし、互いに直交して分配されている。いくつかの実現形態では、収着構造は、セクション全体をカバーする単一部品で作製することができる。収着構造セクション110が配置されている部分は、上部電極と下部電極との間のギャップと整列するように、内側ライナー125上に配置されている。収着構造セクション110の入力及び出力(すなわち、真空ライン108、加熱ケーブル117、冷却剤入口118、及び冷却剤出口119)は、内壁125及びチャンバ壁105において画定された対応するチャネルを通って別々にルーティングされる。ルーティングされた入力及び出力は、最終的には他の設備ラインと並んでコントローラ(図示せず)に接続されて、コントローラが収着壁の機能を管理することを可能にしている。入力及び出力のルーティングは例として提供されており、
図4Aを参照して説明される入力及び出力をルーティングする他の方法も使用されてよい。
【0070】
図5は、収着構造110を含むチャンバ100の代替的な実現形態を示す。
図5に示される実現形態は、小さなセクションとして画定される収着構造110を含む。これらの収着構造セクション110は、内側ライナー125に沿って分配されている。しかしながら、互いに直交して分離されている
図4の収着構造セクションとは異なり、
図5の収着構造セクションは、約5°~約10°の特定の分離角度で互いに近接して配置されている。収着構造セクション110間の小さな分離角度は、副生成物が内側ライナー125の表面に付着することを防止するように、収着構造セクション110により覆われる内側ライナー125の表面積が十分となることを確実にするためである。更に、収着構造110のより小さなセクションは、3Dプリンタ又は他の工作機械を使用して製造することがより容易であり、より安価である。各セクションからの入口/出口は別々にルーティングされて外に出る、又は各タイプの入口/出口は組み合わされルーティングされて外に出てよい。小さなセクションは製造において費用効果が高い場合があるが、入口/出口のルーティングはコスト及び/又は複雑さを増加させる場合がある。個々のチャンバの設計に基づいて、適切な設計が選択されてよい。収着構造セクションが3Dプリンタを使用して製造される実現形態では、収着構造110の背面壁は真っ直ぐであって前面壁は弧状であってよい、又は内側ライナーの曲率に整合するように背面壁と前面壁の両方が弧状であってよい、又は背面壁と前面壁の両方が真っ直ぐであってよい。分割された収着構造110の背面と前面の両方が真っ直ぐである実現形態では、分割された収着構造の小さな寸法により、収着構造が内側ライナー125の曲率に追従することが可能になり得る。代わりに、収着構造セクションは、3Dプリンタを使用して、矩形のブロックに成形されてよい。収着構造セクション110が内側ライナー125の周囲に配置される
図5のこの実現形態を、上部電極と下部電極との間に画定されたギャップと整列する部分において、収着構造セクション110がチャンバ壁105に直接配置される実現形態に拡張することもできる。
【0071】
図6Aは別の実現形態を示し、収着構造がチャンバ100のチャンバ壁105に配置され、チャンバ内に画定されたプラズマ閉じ込め構造、例えばプラズマ閉じ込めリング126、の外側に配置されている。この実現形態では、一組のプラズマ閉じ込めリング126が、上部電極102の外周エッジと下部電極104の外周エッジとの間に延びるように画定され、その結果、反応性ガスのイオン化により形成されたプラズマが、閉じ込めリング126の間に、及び電極102、104の対応する表面の間に画定された、小さなプラズマ処理領域106内に閉じ込められる。閉じ込めリング126は、シリカ又は石英などの誘電体材料で構築されてよい。隣接するリング間にスペーサが画定されて、スペーサによって画定された経路が、プラズマが逃げる経路を提供する。スペーサは、シリカ又は石英などの誘電材料で構築されてよい。代わりに、スペーサは導電性材料で構築されてよい。収着構造110は、閉じ込めリング126が画定されている領域の外側に画定され、プラズマ及びプラズマプロセスチャンバから出る副生成物が、収着構造110の格子構造114に吸着され得るように、閉じ込めリング126に整列されている。
【0072】
図6Bは、1つ以上の収着構造110が配置されているプラズマ閉じ込め構造を有するチャンバの代替的な実現形態を示す。この実現形態では、上部電極は、反応性ガスをプラズマ処理領域106に供給するためのガス源(図示せず)と、反応性ガスからプラズマを生成させるための、RF電源などの電源(図示せず)とに接続されている。下部電極は電気的に接地されている。Cシュラウド127の形態のプラズマ閉じ込め構造が、上部外側電極102の外側エッジから底部電極104の外部側面まで延びて、追加のプラズマ封じ込めを提供する。Cシュラウド114は、底面に沿って画定された複数のアパーチャを有して、ガス及びプラズマがCシュラウド127から流れ出ることを可能にしている。この実現形態では、Cシュラウド127は接地されている。上部電極と下部電極(102、104)との間のギャップと整列するCシュラウド127の部分が識別され、Cシュラウド127の識別された部分に収着構造110が画定されている。収着構造110からチャンバ100の外側に延びる真空ライン108は、収着構造110をポンプ107に接続している。いくつかの実現形態では、真空ライン108は、収着構造110とポンプ107との間に画定された圧力センサ131と、真空ライン108を介して印加される真空のレベルを制御するためのバルブ132とを含む。チャンバ100の底面とポンプ107との間に1次真空ライン113が提供され、これが、プラズマ処理領域106から出てくる反応性ガス、中性化学種、及び副生成物を排出するための主要経路を提供する。
【0073】
一実現形態では、格子構造は、3Dプリンタを使用して生成されてよい。3Dプリンタは、格子構造のトポロジーを製造して、格子構造の様々な層において格子ユニットセルのトポロジー(例えば、ビームの直径及び長さ、ビームの構成、ユニットセルの構成など)を注意深く画定して、収着構造の表面積を最大化し、格子構造へのプラズマの漏れを最小限に抑え、格子構造の厚さ全体にわたる温度分布を制御することができる。いくつかの実現形態では、3D印刷された格子構造の代わりに、連続気泡金属発泡体、ハニカム構造、又は有孔板などの他のアーキテクテッドマテリアルの組み合わせを使用できる。
【0074】
いくつかの実現形態では、格子構造は金属格子である。他のいくつかの実現形態では、金属格子の代わりに、最適化されたトポロジー(セルサイズ、貫通孔率、多孔性、表面粗さなど)を有する連続気泡金属発泡体を使用できる。金属発泡体の低コストに起因して、金属発泡体を消耗部品として使用できる。金属発泡体は、しばらく使用された後にチャンバから除去され、手動で又はウェハー処理ロボットを介して新しい金属発泡体に交換される。格子構造又は金属発泡体は、最適化された表面粗さを有して、堆積された副生成物膜におけるマイクロクラックの発生を遅らせることを更に支援することになる。金属発泡体の代わりに、有孔板を有するハニカム構造などの他のアーキテクテッドマテリアルを使用して、壁の表面積を増加させることもできる。いくつかの実現形態では、埋め込まれた加熱要素、側部の真空ネットワーク、及びGPACが必要とされない場合があることが理解できる。
【0075】
図7Aは、例示的な一実現形態における、チャンバ内で放出された副生成物を吸着するための大きな収着壁表面積を提供するために収着壁において使用される、ハニカム構造などの例示的なアーキテクテッドマテリアルの簡略化されたブロック図を示す。
図7Bは、チャンバ内で放出された副生成物を吸着するために、チャンバの収着壁において使用するように設計されたアーキテクテッドマテリアルの例を示す。この実現形態では、格子構造は、格子構造の外層又は最上層を形成する有孔トッププレート702を含む。ハニカムコア704が、有孔トッププレート702の下方に配置されている。ハニカムコア704は、より大きい表面積を実現するために金属ボール704aで満たされてよい。ハニカムコア704内の金属ボール704aは、有孔トッププレート702により事前に圧縮されている。例示的な一実現形態では、事前圧縮は、良好な熱伝導が実現できるように、良好な接触を確立するために金属ボルトを使用して行われる。金属ボルトは、ハニカムコア704を有孔トッププレート702に取り付けるために使用できる締結構造の一例であり、他のタイプの締結材料、又は構造、又はデバイスも使用できることに留意すべきである。
図7A及び
図7Bに示される実現形態では、有孔バックプレート706が、アーキテクテッドマテリアル格子構造の底面を形成する。代替的な実現形態では、有孔バックプレートの代わりに中実バックプレートが使用されてよい。有孔バックプレート706を使用して、収着壁の中間セクションに接続してよい。いくつかの実現形態では、有孔トッププレート702及びハニカムコア704は、WACによりクリーニングすることができる。金属ボール704aは消耗品とすることができ、定期的に交換されてよい。
図7A及び
図7Bに示される格子構造は、コスト削減のために、一般に考えられる市販の構成要素を使用して組み立てることができる。この実現形態における格子構造は、有孔トッププレート702と有孔バックプレート706との間に挟まれた、ボールを充填した六角形ハニカムコア704である。
【0076】
コントローラを使用して、吸着ステップ及び脱着ステップ中に主要な作業パラメータを管理する。これらの主要な作業パラメータは、副生成物の吸着及び除去を成功させるために選択された設計パラメータにより影響を受ける場合がある。例えば、吸着ステップ中に制御しなければならない可能性のある主要な作業パラメータのいくつかが、壁温度、及び真空ラインの真空圧を含んでよい。同様に、脱着ステップ中に制御されなければならない可能性のある主要な作業パラメータは、収着構造を加熱する必要がある温度、脱着ステップの持続時間、WAC/CWACレシピ、及び脱着ステップが実施されなければならない頻度を含んでよい。例えば、吸着ステップの場合、選択される冷却剤のタイプは、吸着ステップ中に収着構造を冷却しなければならない温度に基づいてよい。同様に、冷却剤の流量は、選択された冷却剤のタイプに依存してよい。冷却剤供給トポロジーは、冷却剤の流量に基づいてよい。同様に、格子トポロジーが、副生成物を捕捉するために提供される表面積を画定してよい。同様に、脱着ステップ中に収着構造を加熱するために使用される電力は、収着構造を上昇させなければならない温度と、上昇された温度を維持するための持続時間に基づいてよい。加熱要素の数、収着構造の内層における加熱要素の構成、及び加熱要素間の間隔は、加熱要素の電力に基づいてよい。
【0077】
コントローラは、いくつか例を挙げると、ガス源、バイアスRF源、上部電極、下部電極、排気ポンプ107を含む、プラズマプロセスチャンバの様々な構成要素と、圧力センサ、バルブ、ガス源、加熱要素、冷却剤源を含む、収着構造の様々な構成要素とに接続されている。コントローラは、プラズマプロセスチャンバ内へのエッチングガスの流れ、チャンバ圧力、並びに、RF源からのRF電力の生成、上部電極102と下部電極104、及び排気ポンプ120を制御する。コントローラはまた、真空ライン108を通して供給される真空のレベル、高圧ガスが使用される場合のガス源(例えば、N2ガス源121)から格子への高圧ガスの流れ、及び真空ラインに沿ったバルブ(132など)とセンサ(131など)の動作を制御する。真空ライン108は、副生成物を除去するための、チャンバからの追加の流路を提供する一方で、真空ライン113は、ガス及び副生成物がチャンバから除去される際に通る通常の経路を提供する。チャンバの外側に示されている真空ライン108は、中間セクションの内側に画定された真空導管のネットワークに接続され、格子構造114の内層114aに接続されて、チャンバから副生成物を除去する。真空ラインにより画定される低圧領域は、最小限の量の反応性ガスがチャンバから除去されることを確実にする。吸着ステップ中に収着構造が設定される温度は、チャンバ内における、使用されるガスのタイプ、実行されるプロセスのタイプ、及び使用されるプロセスレシピのタイプに基づく。例示的な一実現形態では、温度は、格子構造において使用される材料のタイプ、収着構造の寸法、格子部分の熱伝導率、真空ラインにおいて流量に影響を及ぼす温度勾配を形成する速度、使用されているプロセスレシピ、温度を維持する必要がある時間、などに基づいて決定されてよい。いくつかの実現形態では、プロセスレシピとプラズマプロセスチャンバ内で実施されているプロセスのタイプとに応じて、100枚の基板を処理した後に脱着ステップが実施されてよい。他の実現形態では、脱着ステップは、より少ない又はより多くの基板が処理された後に実施されてよい。
【0078】
いくつかの実現形態では、格子構造114のトポロジーは、上部電極と下部電極との間に画定されるギャップの量に基づいて画定される。プロセスチャンバ(すなわち、プロセスモジュール)が異なると、上部電極と下部電極との間のギャップのサイズが異なる場合があるので、格子構造のトポロジーは、異なるチャンバにおけるそのようなギャップに応じて決定される。例示的な一実現形態では、上部電極と下部電極との間のギャップが約10mmである場合、外層114bにある格子開口部(ユニットセル特性長)は、サイズが約1mmであってよく、内層114aにある開口部は、約0.1mmであってよい。別の例示的な実現形態では、電極間のギャップは、約2インチ~約3インチ(約5.08cm~約7.62cm)であってよい。この実現形態では、外層にある各開口部のサイズは、ギャップのサイズの約1/10であると定めてよく、内層にある各開口部のサイズは、ギャップのサイズの約1/100であると定めてよい。いくつかの実現形態では、収着構造は、収着構造110の底部が、下部電極の上面と一致する高さ、又はその真上(例えば、約1~3mm下)の高さにあり、収着構造110の上部が、上部電極の底面と一致する高さ、又はその真下(例えば、約1~3mm上)の高さに配置されるように、チャンバ壁又は内側ライナーの一部分に定められる。これは、上部電極と下部電極との間の領域は、プラズマが発生し、副生成物が放出されている場所だからである。大きな表面積及び低温、並びに低圧領域は、副生成物を除去するのに効果的な吸着性の収着構造の特徴を定める。格子構造において画定された圧力差は、「近距離場」粒子(すなわち、壁領域の近くの)を引き付けるための吸引場を形成するには十分に大きいが、「遠距離場」プラズマ粒子(すなわち、プラズマ処理領域に含まれる粒子)に影響を及ぼす程には大きすぎることがない。表面積と低温属性に加えて、開口部のネットワークは、副生成物を収着構造に引き付けることを支援する。
【0079】
図8は、一実現形態における、基板を処理するために使用されるプロセスチャンバから副生成物を吸着及び除去するために使用される方法のフロー図である。この方法は、作業810において開始し、プロセスチャンバのチャンバ壁の一部分に画定された収着構造が第1の温度に冷却される。プロセスチャンバは、基板の表面上のフィーチャをエッチングするために使用されるエッチングチャンバであってよい。収着構造の冷却は、冷却剤源からの冷却剤を、収着構造の中間セクション内に画定された冷却剤供給ネットワークの1つ以上のチャネルを通して循環させることにより行われる。第1の温度は、例えば、プロセスチャンバにおいて使用される1つ以上の反応性ガスの凝縮温度を超えているが、基板の処理中にチャンバ内で生成された副生成物を吸着するには十分に温度が低くなるように、対象のガス化学種を選択的に吸着するように定められている。
【0080】
作業820において、チャンバ内で放出された副生成物は格子構造を使用して捕捉される。格子構造は、中間セクションの第2の側面に隣接するように画定されている。格子構造は、複数の層内に画定された開口部のネットワークを含み、各層は複数の開口部を有する。格子構造114の内層114aは、中間セクションの第2の側面に隣接して画定され、格子構造114の外層114bは、プロセスチャンバの内部領域に面している。格子構造の各層の開口部は、内層114aから外層114bへとサイズが漸進的に大きくなり、その結果、外層は、副生成物を捕捉するためのより大きな表面積を提供する。格子構造とポンプとの間に結合された真空ラインネットワークが真空を供給して、格子構造内に低圧領域が形成されて副生成物が吸着される。副生成物と共に、反応性ガスの一部分も低圧領域に引き付けられ、真空ラインを通して除去される場合がある。しかしながら、システムのパラメータは、側壁からのプラズマ反応性ガスの漏れを最小限に抑えるように設計できる。プロセスチャンバで処理される基板の数が増えるにつれて、格子構造上への副生成物の蓄積が増加する。格子構造とポンプとの間で真空ライン上に配置された圧力センサが、真空ラインを介してポンプに向かって流れているガスの圧力を測定することにより、副生成物の蓄積を監視する。初期的には、格子構造に副生成物の蓄積が全くない場合、チャンバ内で使用される反応性ガスは、容易に、真空ラインを介してポンプへと流れる。しかしながら、格子構造における副生成物の蓄積が増加するにつれて、格子構造の様々な層における開口部が副生成物で詰まり、真空ライン内の反応性ガスの流れが遅くなる。したがって、圧力センサにより測定された、真空ラインにおける反応性ガスの圧力が、格子構造において十分な副生成物の蓄積が検出されたことを示す予め定められた閾値レベルを下回った場合、格子構造のクリーニング作業を実施する時期である。
【0081】
作業830において、クリーニング作業(すなわち、脱着ステップ)の一部として、収着構造の内層に配置された加熱要素を使用して収着構造が第2の温度に加熱され、WAC/CWACが実施される。WAC/CWACに共に、GPACも実施されてよい。第2の温度は、プロセスチャンバ内で放出される副生成物のタイプ、プロセスチャンバ内で使用される反応性ガスのタイプ、収着構造を加熱する必要がある時間、などに基づいて定められる。格子構造が第2の温度に加熱されるにつれて、格子構造の表面から副生成物が放出される。放出された副生成物は、プロセスチャンバ内の残留ガスと混合する。
【0082】
作業840において、何らかの残留ガスを伴う副生成物が、プロセスチャンバの底面とポンプとの間に画定された1次真空ライン113を介してプロセスチャンバから除去される。収着構造の冷却及び副生成物の捕捉は、プロセスチャンバ内での基板の処理中に実施される一方で、副生成物の加熱及び除去の作業は、チャンバ内で基板が処理されていないときに実施される。その結果、クリーニング作業中は、真空ラインを介して供給される真空を遮断することにより、局所的な低圧は停止される。格子構造から放出された副生成物は、1次真空ライン113を介して除去される。
【0083】
本明細書で論じられる様々な実現形態は、チャンバがクリーニングの必要なくウェハーを処理できる時間を延長させながら、プロセスチャンバを周囲環境に開放する必要なしに、制御可能で再現性があり一貫性のある形態で、プロセスチャンバから副生成物を効率的に除去するための、チャンバ壁の一部分に実装できる収着構造設計を提供する。収着構造の設計において画定された格子構造は、大きな表面積を提供する。いくつかの実現形態では、収着構造全体が導電性材料でできている。材料の導電性ゆえに、吸着作業中に、収着構造を通して冷却剤を流すことにより冷たい表面を提供すること、及びWAC又はGPAC中に、埋め込まれた加熱要素で加熱することにより脱着中に熱い表面を提供することを、収着構造が可能にする。いくつかの実現形態では、収着構造を冷却するために使用されてよい冷却剤は、液体窒素であってよい。代替的な実現形態では、冷却剤は任意の他のタイプの冷却剤であり得る。バルブ及び/又は他のフローの制御が、収着構造と収着ポンプとの間に配置された真空ライン上に提供されて、収着構造における低圧領域を制御する。格子構造は、副生成物が格子構造に良好に接着できるように、副生成物と格子構造との間に良好な接着品質を提供するために、特定の表面粗さを有するように設計され得る。格子構造の異なる層における格子ユニットセルのトポロジーにより、副生成物が格子構造の表面全体に分散され、単一のスポットに集中しないことが保証される。加えて、開口部のサイズは、格子構造の外層から内層への良好な圧力勾配を画定することにも役立つ。例えば、プロセスチャンバ内で画定されるプラズマの圧力が約40mTorrである場合、格子構造により画定される圧力勾配は、プロセスチャンバの内部領域に面する外層での40mTorrから内層での約20mTorrまでの範囲にあり得る。プロセスチャンバ内で異なる圧力のプラズマが使用される場合、同様の圧力勾配が想定され得る。当業者は、プロセスチャンバのチャンバ壁の一部分に画定された収着構造の他の長所と利点を特定することができるであろう。
【0084】
図9は、上述した基板処理システムを制御するための制御モジュール(「コントローラ」とも呼ばれる)900を示す。一実施形態では、コントローラ900は、プロセッサ、メモリ、及び1つ以上のインターフェースなどのいくつかの例示的な構成要素を含んでよい。コントローラ900は、部分的に感知された値に基づいて、基板プロセスチャンバ100内の様々な構成要素及び/又はデバイスを制御するために使用されてよい。例としてのみ、コントローラ900は、感知された値及び他の制御パラメータに基づいて、バルブ902(
図1、
図3、
図6A、
図6Bのバルブ132を含む)、フィルタヒーター904(加熱要素115を含む)、ポンプ906(ポンプ107を含む)、及び他のデバイス908、のうちの1つ以上を制御してよい。コントローラ900は、例えば、圧力マノメータ910、流量計912、温度センサ914、圧力センサ131(図示せず)、及び/又は他のセンサ916からのみ、感知された値を受信する。コントローラ900はまた、前駆体の送達、反応性ガスの送達、膜の堆積、及びフィーチャのエッチングの間のプロセス条件を制御するために使用されてよい。コントローラ900は、典型的には、1つ以上のメモリデバイス及び1つ以上のプロセッサを含むことになる。
【0085】
コントローラ900は、前駆体送達システム及び堆積装置の活動を制御してよい。コントローラ900は、プロセスタイミング、供給システム温度、フィルタ両端の圧力差、バルブ位置、ロボット及びエンドエフェクタ、ガスの混合、チャンバ圧力、チャンバ温度、ウェハー温度、RF電力レベル、ウェハーチャック又はペデスタルの位置、並びに特定のプロセスの他のパラメータ、を制御するための一連の命令を含むコンピュータプログラムを実行する。コントローラ900はまた、圧力差を監視し、蒸気前駆体の送達を1つ以上の経路から1つ以上の他の経路に自動的に切り替えてよい。加えて、コントローラ900は、圧力センサ131を使用して真空ライン108に沿った圧力を監視し、収着構造110の格子構造114に付着した副生成物をクリーニングするための脱着ステップを実施するための信号を生成してよい。いくつかの実施形態では、コントローラ900に関連付けられたメモリデバイスに格納された他のコンピュータプログラムを使用してよい。
【0086】
典型的には、コントローラ900に関連付けられたユーザインターフェースが存在することになる。ユーザインターフェースは、ディスプレイ918(例えば、装置及び/又はプロセス条件のディスプレイ画面及び/又はグラフィカルソフトウェアディスプレイ)と、ポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォンなどのユーザ入力デバイス920とを含んでよい。
【0087】
プロセスシーケンスにおける前駆体の送達、堆積、及び他のプロセスを制御するためのコンピュータプログラムは、任意の従来のコンピュータ読み取り可能プログラミング言語、例えば、アセンブリ言語、C、C++、Pascal、Fortranなどで記述できる。コンパイルされたオブジェクトコード又はスクリプトが、プロセッサにより実行されて、プログラムにおいて識別されたタスクを実施する。
【0088】
制御モジュール(すなわち、コントローラ)パラメータは、例えば、フィルタ圧力差、プロセスガス組成及び流量、温度、圧力、RF電力レベル及び低周波RF周波数などのプラズマ条件、冷却ガス圧力、並びにチャンバ壁温度、などのプロセス条件に関連する。制御モジュールのパラメータはまた、設計パラメータに影響を与える1次作業パラメータを含んでよい。
【0089】
システムソフトウェアは、多くの様々な方法で設計又は構成されてよい。例えば、本発明の堆積プロセスを実行するために必要なチャンバ又はプロセスモジュール構成要素の動作を制御するために、様々なチャンバ構成要素のサブルーチン又は制御オブジェクトが記述されてよい。この目的のためのプログラム又はプログラムのセクションの例には、基板位置決めコード、プロセスガス制御コード、圧力制御コード、加熱要素制御コード、プラズマ制御コード、リフト機構制御コード、ロボット位置コード、エンドエフェクタ位置コード、バルブ位置制御コードが含まれる。
【0090】
基板位置決めプログラムが、基板をペデスタル又はチャック上にロードし、基板と、ガス入口及び/又はターゲットなどのチャンバの他の部品との間の間隔を制御するために使用されるチャンバ構成要素、を制御するためのプログラムコードを含んでよい。プロセスガス制御プログラムは、ガスの組成及び流量を制御するためのコード、並びに任意選択で、チャンバ内の圧力を安定化させるために、堆積前にガスをチャンバ内へと流すためのコード、を含んでよい。フィルタ監視プログラムは、測定された差分を所定の値と比較するコード、及び/又はパスを切り替えるためのコードを含む。圧力制御プログラムは、チャンバ内の圧力を、例えば、チャンバの排気システムのスロットルバルブを調整することにより、制御するためのコードを含んでよい。圧力制御プログラムはまた、真空ライン内の圧力を、真空ラインに沿ったバルブ(例えば、スロットルバルブ)132を調整することにより制御するためのコードを含んでよい。加熱要素制御プログラムは、前駆体送達システムにおける構成要素、基板、収着構造、及び/又はシステムの他の部分を加熱するための加熱ユニットへの電流を制御するためのコードを含んでよい。代わりに、加熱要素制御プログラムは、ヘリウムなどの熱伝達ガスのウェハーチャックへの供給を制御してよい。バルブ位置制御コードは、例えば、プロセスモジュール又はクラスタツールへのアクセスを提供する遮断バルブを制御することにより、プロセスモジュール又は基板処理システムへのアクセスを制御するためのコードを含んでよい。リフト機構制御コードは、例えば、アクチュエータドライブを起動させアクチュエータにリフトピンを移動させるためのコードを含んでよい。ロボット位置コードは、ロボットを、例えば横軸、垂直軸、又は半径方向軸に沿って移動するロボットの操作を含む、ロボットの位置を操作するためのコードを含んでよい。エンドエフェクタ位置コードは、例えば、横軸、垂直軸、又は半径方向軸に沿って伸長、収縮、又は移動させるためのロボットの操作を含む、エンドエフェクタの位置を操作するためのコードを含んでよい。
【0091】
堆積中に監視されてよいセンサの例には、マスフロー制御モジュールと、圧力マノメータ910、圧力センサ131などの圧力センサと、供給システム、ペデスタル又はチャックに位置する熱電対(例えば、温度センサ914)とが含まれるが、これらに限定されない。適切にプログラムされたフィードバック及び制御アルゴリズムをこれらセンサからのデータと共に使用して、望ましいプロセス条件を維持してよい。前述した内容は、単一又はマルチチャンバ半導体処理ツールにおける本発明の実施形態の実装について説明している。
【0092】
本明細書に記載される様々な実施形態は、基板処理システムを大気条件に開放することなく、消耗部品を迅速かつ効率的な形で交換することを可能にする。その結果、消耗部品を交換する時間、並びに消耗部品の交換中にチャンバを汚染するいかなるリスクも大幅に低減され、それにより基板処理システムを、より速くオンラインにすることが可能になる。更に、プロセスモジュール、消耗部品、及びプロセスモジュール内の他のハードウェア構成要素への不測の損傷のリスクが大幅に低減される。
【0093】
実施形態の前述の説明は、例示及び説明を目的として提供されている。上記説明は、網羅的であること、又は開示を制限することを意図していない。特定の実施形態の個々の要素又は特徴は、一般に、その特定の実施形態に限定されないが、適用可能な場合は、交換可能であり、具体的に示されていない又は説明されていない場合であっても、選択された実施形態において使用することができる。同じことがまた、多くの形態で変更されてよい。そのような変形形態は、本開示からの逸脱と見なされるべきではなく、そのような全ての修正形態が、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【0094】
前述の実施形態は、理解を明確にするためにいくらか詳細に記載しているが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更及び修正を実施できることが明らかであろう。したがって、本実施形態は、制限的ではなく例示的と見なされるべきであり、本実施形態は、本明細書に記載される詳細に限定されないが、特許請求の範囲及びその等価物の範囲内で修正されてよい。