(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】キャリア輸送システム、基板のためのキャリア、真空処理装置及び、真空チャンバ内のキャリア輸送方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240527BHJP
【FI】
H01L21/68 A
(21)【出願番号】P 2022544701
(86)(22)【出願日】2020-05-13
(86)【国際出願番号】 EP2020063379
(87)【国際公開番号】W WO2021228390
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】エーマン, クリスティアン ヴォルフガング
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-051608(JP,A)
【文献】国際公開第2020/001751(WO,A1)
【文献】特表2019-532486(JP,A)
【文献】特開2001-284438(JP,A)
【文献】特表2017-506703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空チャンバ内でキャリア(1200)を輸送するためのキャリア輸送システム(1000)であって、輸送方向に延在しているトラックアセンブリ(1100)を備え、当該トラックアセンブリは:
第1の垂直座標に設けられ、前記輸送方向に延在している第1の受動磁気ユニット(1110)と;
第2の垂直座標に設けられ、前記輸送方向に延在している第2の受動磁気ユニット(1120)であって、前記第1の受動磁気ユニット(1110)及び前記第2の受動磁気ユニット(1120)は、前記キャリア(1200)の重量を打ち消すように構成されており
、前記第2の受動磁気ユニット(1120)は、前記キャリア(1200)の側面にあるように構成されており、かつ、前記キャリア(1200)の第2の受動磁気ユニット(1220)と結合するように構成されており、受動磁気ユニットは永久磁石を含む、前記第2の受動磁気ユニット(1120)と;
第3の垂直座標に設けられ、前記キャリア(1200)の部分的な重量を支持するように構成されている複数のローラ(1131)を含むローラ輸送トラック(1130)と
を含み、
前記第1の垂直座標と前記第2の垂直座標との間の第1の垂直距離は、前記第2の垂直座標と前記第3の垂直座標との間の第2の距離よりも大きい
キャリア輸送システム(1000)。
【請求項2】
重力に平行な力を生成する、前記輸送方向に延在している一組の能動磁石を有する駆動アセンブリ(1140)をさらに含む、請求項1に記載のキャリア輸送システム(1000)。
【請求項3】
前記駆動アセンブリ(1140)が、前記輸送方向に力を提供するようにさらに構成されている、請求項2に記載のキャリア輸送システム(1000)。
【請求項4】
前記第2の受動磁気ユニット(1120)の前記第2の垂直座標が、前記第1の受動磁気ユニット(1110)の前記第1の垂直座標と、前記駆動アセンブリ(1140)の前記一組の
能動磁石(1141)との間に垂直に位置付けされている、請求項2又は3に記載のキャリア輸送システム(1000)。
【請求項5】
前記輸送方向が、
厳密な水平から最大15度の角度の逸脱を有する、実質的に水平である、請求項1から4のいずれか一項に記載のキャリア輸送システム(1000)。
【請求項6】
前記キャリア(1200)が、垂直又は垂直に近い配向、すなわち、厳密な垂直から最大15度までの角度で逸脱する配向で輸送されるように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のキャリア輸送システム(1000)。
【請求項7】
前記第1の受動磁気ユニット(1110)が、前記キャリア(1200)の重量の少なくとも20%を打ち消すように構成されており、前記第2の受動磁気ユニット(1120)が、前記キャリア(1200)の重量の少なくとも60%を打ち消すように構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のキャリア輸送システム(1000)。
【請求項8】
前記第1の受動磁気ユニット(1110)及び前記第2の受動磁気ユニット(1120)の磁極(1111、1112、1121、1122)が、前記キャリア(1200)の横方向の案内のために構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のキャリア輸送システム(1000)。
【請求項9】
前記複数のローラ(1131)が、それぞれのローラの回転軸に対して少なくとも部分的に平行に延在している、請求項1から8のいずれか一項に記載のキャリア輸送システム(1000)。
【請求項10】
前記複数のローラ(1131)の一部は円筒形状を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載のキャリア輸送システム(1000)。
【請求項11】
前記キャリア(1200)は、
前記第1の垂
直座標に設けられた第1の受動磁気ユニット(1210)
であって、前記トラックアセンブリ(1100)の前記第1の受動磁気ユニット(1110)と結合するように構成された第1の受動磁気ユニット(1210)と;
前記第2の垂
直座標に設けられた
前記第2の受動磁気ユニット(1220)と;
前記第3の垂
直座標に設けられ
、駆動アセンブリ(1140)と結合するように構成された第3の受動磁気ユニット(1230)と;
前記ローラ輸送トラック(1130)の
前記複数のローラ(1131)のうちの少なくとも1つのローラの頂面と接触するように構成されている第1のレール(1241)と;
前記複数のローラ(1131)のうちの
前記少なくとも1つのローラの底部と接触するように構成されている第2のレール(1242)とを含む、
請求項2から10のいずれか一項に記載のキャリア輸送システム(1000)。
【請求項12】
前記キャリア(1200)の前記第2の受動磁気ユニット(1220)が、
前記キャリア(1200)の前記第1の受動磁気ユニット(1210)に対して横方向にオフセットされ、前記オフセットは、
前記輸送方向に対して直角(perpendicular)な方向にあり且つ垂直(vertical)な方向に対
して直角な方向にある、請求項11に記載のキャリア
輸送システム(1000)。
【請求項13】
真空チャンバ(2100)と;
請求項1から
12のいずれか一項に記載のキャリア輸送システム(1000)と
を含む、基板の真空処理装置(2000)。
【請求項14】
前記真空チャンバ(2100)内の堆積装置(2200)
をさらに含む、請求項13に記載の基板の真空処理装置(2000)。
【請求項15】
前記トラックアセンブリ(1100)の前記第1の受動磁気ユニット(1110)が、前記キャリア(1200)の前記第1の受動磁気ユニット(1210)と結合されている前記キャリア(1200)の頂部上にあるように構成されている、請求項
13または14に記載の基板の真空処理装置(2000)。
【請求項16】
真空チャンバ(2100)内でキャリア(3000)を輸送するための方法であって:
第1の受動磁気ユニット(1110)によるキャリア(1200)の重量の部分的な打ち消しにより、トラックアセンブリ(1100)上で前記キャリア(1200)を輸送することと;
第2の受動磁気ユニット(1120)による前記キャリア(1200)の重量の部分的な打ち消しにより、前記トラックアセンブリ(1100)上で前記キャリア(1200)を輸送することであって、前記第2の受動磁気ユニット(1120)は、前記キャリア(1200)の側面にあるように構成され、前記キャリア(1200)の第2の受動磁気ユニット(1220)と結合するように構成されており、前記受動磁気ユニットは永久磁石を含む、前記トラックアセンブリ(1100)上で前記キャリア(1200)を輸送することと;
前記キャリア(1200)の部分的な重量が複数のローラ(1131)のうちの少なくとも1つのローラに載った状態で、前記トラックアセンブリ(1100)上で前記キャリア(1200)を輸送することと
を含む、方法。
【請求項17】
駆動アセンブリ(1140)を用いて輸送方向に前記キャリアを輸送することをさらに含む、請求項
16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、キャリア、特に大面積基板を運搬するために使用されるキャリアの輸送のための装置及び方法に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、垂直基板処理のための処理装置で使用可能なキャリアの輸送のための装置及び方法、例えば、ディスプレイ製造用の大面積基板への材料の堆積に関する。特に、本開示の実施形態は、キャリア輸送システム、真空処理装置、及び真空チャンバ内でキャリアを輸送する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]基板を処理するために、処理モジュールのインライン配列を使用することができる。インライン処理システムは、堆積モジュールなどの複数の後続処理モジュールと、任意選択で、例えば洗浄モジュール及び/又はエッチングモジュールなどのさらなる処理モジュールを含み、複数の基板をインライン処理システムで連続的又は準連続的に処理できるように、処理モジュールで処理態様が続いて実行される。
【0003】
[0003]基板は通常、キャリア、すなわち基板を運ぶための運搬装置によって運搬される。キャリアは、典型的には、キャリア輸送システムを使用して真空システムを通して輸送される。キャリア輸送システムは、基板を運搬するキャリアを1つ又は複数の輸送経路に沿って輸送するように構成することができる。
【0004】
[0004]キャリアを輸送方向に案内して移動させる1つの方法は、キャリアの下のローラと、ローラと接触するロッドである。ローラはモータによって駆動され、ローラの典型的な形状によって、キャリアを横方向に案内する。駆動するローラとキャリアとの間の摩擦は粒子生成を招く原因となっている。さらに、横方向の案内力は、ローラの典型的な形状によって発生するため、ローラの配置がずれると、キャリアロッドは中心からわずかに上向きに移動し、これもまた粒子生成を招く。
【0005】
[0005]高品質のデバイスを取得するには、基板の処理に関する技術的な課題をマスターする必要がある。特に、真空システムを介したキャリアの正確かつスムーズな輸送は困難である。例えば、可動部品の摩耗による粒子の生成は、製造プロセスの劣化を引き起こす可能性がある。したがって、粒子の生成を低減又は最小化した真空堆積システムでのキャリアの輸送が求められている。さらなる課題は、例えば、低コストで高温真空環境向けの堅牢なキャリア輸送システムを提供することである。
【0006】
[0006]通常、キャリアはローラによって案内することができ、ローラへの負荷が強いほど、粒子が生成するリスクが大きくなり、ローラの寿命が短くなる。完全に非接触の浮上式キャリア輸送システムは、複雑で高価である。永久磁石を使用した磁気浮上式システムは実現が困難である。アーンショーの定理を克服するには、少なくとも1つの自由度を機械的に、又はガイド要素で安定させる必要がある。
【0007】
[0007]したがって、キャリア、特に垂直に配向されたキャリアを案内して重力を補償し、機械的要素にかかる力を可能な限り最小限に抑えるための単純でコンパクトな構成が有益である。機械要素上の力を最小限に抑えることで、キャリア輸送中の粒子の生成を低減することができ、機械要素の寿命を延ばすことができる。
【0008】
[0008]したがって、真空チャンバ内でキャリアを輸送するための改良された装置及び方法を提供することは有益であろう。
【発明の概要】
【0009】
[0009]上記に鑑み、独立請求項に記載の、真空チャンバ内でキャリアを輸送するキャリア輸送システム、真空処理装置、並びに真空チャンバ内でキャリアを輸送する方法が提供される。さらなる態様、利点、及び特徴は、従属請求項、説明、及びび添付図面から明らかである。
【0010】
[0010]一実施形態によれば、真空チャンバ内でキャリアを輸送するためのキャリア輸送システムが提供される。キャリア輸送システムは、輸送方向に延在しているトラックアセンブリを含み、トラックアセンブリは:第1の垂直座標に設けられ、輸送方向に延在している第1の受動磁気ユニットと、第2の垂直座標に設けられ、輸送方向に延在している第2の受動磁気ユニットと、第3の垂直座標に設けられ、キャリアの部分的な重量を支持するように構成された複数のローラを備えるローラ輸送トラックと、を含み、第1の受動磁気ユニット及び第2の受動磁気ユニットは、キャリアの重量を打ち消すように構成されており、第1の垂直座標と第2の垂直座標との間の第1の垂直距離は、第2の垂直座標と第3の垂直座標との間の第2の距離よりも大きい。
【0011】
[0011]一実施形態によれば、基板の真空処理装置内で処理される基板のためのキャリアが提供される。キャリアは、第1の垂直キャリア座標に設けられた第1の受動磁気ユニットと;第2の垂直キャリア座標に設けられた第2の受動磁気ユニットと;第3の垂直キャリア座標に設けられた第3の受動磁気ユニットとを含み、第1の垂直キャリア座標と第2の垂直キャリア座標との間の第1の垂直キャリア距離は、第2の垂直キャリア座標と第3の垂直キャリア座標との間の第2のキャリア距離より大きい。
【0012】
[0012]一実施形態によれば、基板の真空処理装置が提供される。本装置は、ここに記載の実施形態のいずれかによる真空チャンバと;キャリア輸送システムとを含む。さらなる任意選択の変更として、本開示の実施形態のいずれかによるキャリアも、真空処理のための装置に含めることができる。
【0013】
[0013]一実施形態によれば、真空チャンバ内でキャリアを輸送する方法が提供される。本方法は、第1の受動磁気ユニットによるキャリアの重量の部分的な反作用により、トラックアセンブリ上でキャリアを輸送することと;第2の受動磁気ユニットによるキャリアの重量の部分的な反作用により、トラックアセンブリ上でキャリアを輸送することと;複数のローラのうちの少なくとも1つの上のキャリアの部分的な重量と共にトラックアセンブリ上でキャリアを輸送することとを含む。
【0014】
[0014]本開示の上記の特徴を詳細に理解できるように、実施形態を参照することにより、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明を行うことができる。添付の図面は、本開示の実施形態に関連し、以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】[0015]ここに記載の実施形態によるキャリア輸送システム及びキャリアの概略断面図を示す。
【
図2】[0016]ここに記載の実施形態によるキャリアの概略側面図を示す。
【
図3】[0017]ここに記載の実施形態による基板の真空処理装置の概略図を示す。
【
図4】[0018]ここに記載の実施形態による、真空チャンバ内でのキャリアの輸送方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0019]ここで、本開示の様々な実施形態を詳細に参照し、それらの1つ又は複数の例を図に示す。以下の図面の説明において、同じ参照番号は同じ構成要素を指す。個々の実施形態に関する差異のみが説明される。各例は、本開示の説明として提供され、本開示の限定を意味するものではない。さらに、一実施形態の一部として図示又は説明された特徴は、他の実施形態で、又は他の実施形態と併せて使用して、さらに別の実施形態を生み出すことができる。この説明は、そのような修正及び変更を含むことを意図している。
【0017】
[0020]キャリア輸送システムは、真空環境、特に真空チャンバ、又は、例えば、線形アレイで互いに隣り合って配置された複数の真空チャンバを含む真空システムにおいてキャリアを輸送するように構成される。キャリア輸送システムは、1つ、2つ、又はそれ以上の輸送経路を提供することができ、キャリアは、1つ又は複数の輸送経路に沿って輸送方向に移動又は運搬することができる。
【0018】
[0021]ここに記載のキャリア輸送システムは、真空処理システム、特に、キャリアによって運ばれる基板上に材料を堆積するように構成された真空堆積システムの一部とすることができる。キャリア輸送システムは、キャリアを移す又は移送するように構成することができる。
【0019】
[0022]キャリア輸送システムは、キャリアの重量、特に、キャリアの重量の100%以上を磁気浮上で打ち消すようにキャリアを移送するように構成することができる。磁気浮上は、輸送方向に2つの細長い列に配置された受動磁極のアレイを含むことができる。
【0020】
[0023]磁気浮上は、輸送方向に2つの細長い列に配置された受動磁極のアレイを含むことができる。横方向は、垂直方向に直角で、輸送方向に直角な方向として理解することができる。
【0021】
[0024]
図1は、ここでの実施形態によるトラックアセンブリ1100を含むキャリア輸送システム1000の概略断面図である。
図2は、ここに記載の実施形態によるキャリア輸送システム及びキャリアの概略正面図を示す。
図1及び
図2の両方を参照できる。キャリア輸送システム1000は、キャリア1200の輸送のために構成される。キャリアは、真空チャンバ内で輸送方向Tに基板又はマスクを運ぶことができる。しかし、本開示はこれらに限定されることはなく、キャリア1200は、真空処理システムで通常使用される他の製品又はツールを輸送するように構成することができる。輸送方向Tは、
図1の紙面に対して直角である。キャリア1200は、輸送中、本質的に垂直方向V(例えば、垂直方向±10°)を有する。
【0022】
[0025]ここで説明するいくつかの実施形態は、キャリア1200がT垂直又はほぼ垂直の配向又は本質的に垂直の配向で輸送されるという概念を含む。本開示の文脈におけるキャリア1200の垂直の配向は、重力が沿う方向に実質的に平行な方向、すなわち垂直方向Yに実質的に平行な方向に延在するように整列されているキャリア1200を指す。ほぼ垂直の配向は、正確な垂直性(後者は重力によって定義される)から最大15度の角度だけ逸脱する方向として定義することができる。垂直又はほぼ垂直の配向では、キャリア1200は、垂直に立つか又はほぼ垂直に立つ配向で基板を支持することができる。同様に、基本的に水平な配向は、水平から最大15度の逸脱を有してもよい。
【0023】
[0026]ここに記載の実施形態によれば、トラックアセンブリ1100は、輸送方向Tに延在している第1の受動磁気ユニット1110を含む。
図1に示されるように、第1の受動磁気ユニットはキャリアの頂部上にあるように構成される。第1の受動磁気ユニット1110は、第1の磁極1111及び第2の磁極1112を有する。第1の磁極1111は、第2の磁極1112と共に横方向にずれている。例えば、第1の磁極1111は、第2の磁極1112に水平に隣にあることができる。あるいは、第1の磁極は、第2の磁極の垂直方向に隣にあることができる。第1の磁極及び第2の磁極は、受動磁石の反対の極であってよい。
【0024】
[0027]ここに記載の実施形態によれば、基板2000の真空処理装置は、少なくとも真空チャンバ2100(
図3に示す)と、基板を真空処理するための成膜装置2200と、真空チャンバ2100内のキャリア輸送システム1000とを含むことができる。
【0025】
[0028]ここに記載の実施形態によれば、基板2000の真空処理装置(
図3参照)は、基板又は基板マスクを支持するように構成されたキャリア1200を含むことができる。キャリア1200は、
図1に示されるように、キャリアの頂部上に第1の受動磁気ユニット1210を含むことができる。第1の受動磁気ユニット1210は、第1の磁極1211と、第1の磁極1211から横方向にオフセットされた第2の磁極1212とを有することができる。例えば、第1の磁極1211は、第2の磁極1212に水平に隣にあることができる。あるいは、第1の磁極は、第2の磁極の垂直方向に隣にあることができる。第1の磁極及び第2の磁極は、受動磁石の反対の極であってよい。キャリアとトラックアセンブリの磁極は、両方とも垂直に配置することも、両方を水平に配置することもできる。したがって、横方向の安定化を提供することができる。
【0026】
[0029]キャリアの第1の受動磁気ユニット1210は、トラックアセンブリの第1の受動磁気ユニット1110と磁気的に結合するように構成される。キャリアの第1の磁極及び第2の磁極は、トラックアセンブリの第1の磁極及び第2の磁極の反対の極である。したがって、キャリアの第1の受動磁気ユニット1210と、トラックアセンブリの第1の受動磁気ユニット1110との間の磁力は、重力とは逆方向の引力である。例えば、トラックアセンブリの第1の受動磁気ユニットのN極は、キャリアの第1の受動磁気ユニットのS極に面することができ、逆も又同様である。
【0027】
[0030]ここに記載の実施形態によれば、トラックアセンブリ1100は、輸送方向Tに延在している第2の受動磁気ユニット1120を含む。第2の受動磁気ユニット1120は、第3の磁極1121及び第4の磁極1122を有する。第3の磁極1121は、第4の磁極1122から横方向にオフセットしている。例えば、第3の磁極1121は、第4の磁極1122に水平に隣にあることができる。第3の磁極及び第4の磁極は、受動磁石の反対の極であることができる。
【0028】
[0031]キャリア1200は、第3の磁極1221と、第1の磁極1221から横方向にオフセットされた第4の磁極1222とを有する第2の受動磁気ユニット1220をさらに含む。例えば、第3の磁極1221は、第4の磁極1222に水平に隣にあることができる。第3の磁極及び第4の磁極は、受動磁石の反対の極であることができる。
【0029】
[0032]キャリアの第2の受動磁気ユニット1220は、トラックアセンブリの第2の受動磁気ユニット1120と磁気的に結合するように構成される。キャリアの第3の磁極及び第4の磁極は、トラックアセンブリの第3の磁極及び第4の磁極の反対の極である。したがって、キャリアの第2の受動磁気ユニット1220と、トラックアセンブリの第2の受動磁気ユニット1120との間の磁力は、重力とは逆方向の引力である。例えば、トラックアセンブリの第2の受動磁気ユニットのN極は、キャリアの第2の受動磁気ユニットのS極に面することができ、逆も又同様である。同様に、磁極を垂直に配置する場合、トラックアセンブリの第1及び/又は第2の受動磁気ユニットのN極は、キャリアの対応する第1及び/又は第2の受動磁気ユニットのS極に面してもよい。あるいはまた、トラックアセンブリの第1及び/又は第2の受動磁気ユニットのS極は、キャリアの対応する第1及び/又は第2の受動磁気ユニットのN極に面してもよい。
【0030】
[0033]トラックアセンブリの第1の受動磁気ユニット1110は、キャリア1200の第1の受動磁気ユニット1210と磁気的に結合されているキャリア1200の頂上上にあるように構成され得る。トラックアセンブリの第1の受動磁気ユニット1110は、キャリア1200の重量の少なくとも20%に反作用し、基板のキャリアを部分的に浮上させるように構成される。トラックアセンブリの第1の受動磁気ユニット1110は、横方向の配方のずれを補償し、横方向の振動を打ち消すことによって、キャリア1200を横方向に安定させるために、キャリアの第1の受動磁気ユニット1210と結合させるようにさらに構成される。横方向のガイド磁石は、機械的なばねのように動作するが、機械的な接触がないため、粒子を生成しない。
【0031】
[0034]
図1に示すように、トラックアセンブリの第2の受動磁気ユニット1120は、キャリア1200の第2の受動磁気ユニット1220と結合されているキャリア1200の側にあるように構成することができる。トラックアセンブリの第2の受動磁気ユニット1120は、キャリア1200の重量の少なくとも60%に反作用し、基板のキャリアを部分的に浮上させるように構成される。トラックアセンブリの第2の受動磁気ユニット1120は、横方向の配方のずれを補償し、横方向の振動を打ち消すことによって、キャリア1200を横方向に安定させるために、キャリアの第2の受動磁気ユニット1220と結合させるようにさらに構成される。横方向のガイド磁石は、機械的なばねのように動作するが、機械的な接触がないため、粒子を生成しない。
【0032】
[0035]ここに記載の実施形態によれば、トラックアセンブリの第1の受動磁気ユニット1110及びトラックアセンブリの第2の受動磁気ユニット1120は、少なくともキャリア1200以上の重量に対抗するように構成される。トラックアセンブリの第1の受動磁気ユニット1110とキャリアの第1の受動磁気ユニット1210とをカップリングすることによって提供される磁気浮上は、トラックアセンブリの第2の受動磁気ユニット1120とキャリアの第2の受動磁気ユニット1220とをカップリングすることによって提供される磁気浮上と一緒に、キャリアの重量の少なくとも70%、特に少なくとも90%、より具体的には100%以上に対抗する。
【0033】
[0036]本開示の実施形態によれば、キャリア、特に本質的に垂直に配向されたキャリアの重量は、キャリアの上部で第1の受動磁気ユニットによって支持され、第2の磁気ユニットは、キャリアの底部に向かって、すなわち、第1の受動磁気ユニット及びローラの垂直に下に配向される。駆動アセンブリの下向きの引っ張り力は、キャリアの上部にある第1の受動磁気ユニットによってさらに打ち消され、第2の磁気ユニットは、キャリアの底部に向かって、すなわち、第1の受動磁気ユニット及びローラの垂直に下に配向される。
【0034】
[0037]基板の処理中、キャリアは加熱することができる。したがって、熱膨張である。特に、垂直に配向された、又は本質的に垂直に配向された基板の場合、基板が1m以上、又は数メートルまでの垂直延長を有し得る場合、すなわち、大面積基板では、熱膨張が著しくなる可能性がある。したがって、第2の受動磁気ユニット、すなわちキャリアの頂部で第1の受動磁気ユニットの下にある受動磁気ユニットが、キャリアの重量の大部分を打ち消す場合に有益である。第2の受動磁気ユニットの位置における熱膨張量は、第1の受動磁気ユニットに隣接する熱膨張量と比較して小さい。したがって、受動磁気ユニットの支持力は、第2の受動磁気ユニットの位置での熱膨張によりあまり影響を受けない。
【0035】
[0038]
図1は、ローラと第1の受動磁気ユニットとの間の垂直位置にある第2の受動磁気ユニットを示す。ここに記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、第2の受動磁気ユニットもローラの垂直に下に設けることができる。熱膨張の影響を低減するために、第2の受動磁気ユニットとローラを互いに垂直方向に近づけることができる。例えば、第2の受動磁気ユニット及びローラは、垂直キャリア寸法の20%以下、特に、垂直キャリア寸法の10%以下、より具体的には垂直キャリア寸法の5%以下である垂直距離を有することができる。
【0036】
[0039]上述したように、本開示の実施形態によれば、第2の受動磁気ユニットは、キャリアの重量の少なくとも70%を打ち消すことができる、すなわち、第2の受動磁気ユニットは、キャリアの支持を支配している。ローラと第2の受動磁気ユニットは、ほぼ同等である。したがって、キャリアを支持する力に対する熱膨張の影響が減少する。
【0037】
[0040]
図2は、ここに記載の実施形態による基板の真空処理装置の概略図を示す。キャリアは、輸送方向、特に
図2に示す左方向又は右方向に輸送することができる。磁気浮上は、キャリアの少なくとも部分的な重量、特にキャリアの重量の100%以上を上方に打ち消すことができる。
【0038】
[0041]ここに記載の実施形態によれば、キャリア1200は、第3の受動磁気ユニット1230を含むことができる。ここに記載の実施形態によれば、キャリア1200は、第3の受動磁気ユニット1230を含むことができる。
【0039】
[0042]
図1に示すように、キャリアの第2の受動磁気ユニット1220は、キャリアの第1の受動磁気ユニット1210とキャリア1200の第3の受動磁気ユニット1230との間に垂直に位置付けされる。ここで説明する他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、第2の受動磁気ユニットは、キャリアの第1の受動磁気ユニット1210及びキャリア1200の第3の受動磁気ユニット1230から横方向にオフセットすることができる。横方向のオフセットは小さい、つまりキャリアの重心に近いという利点がある。
【0040】
[0043]ここに記載の実施形態によれば、トラックアセンブリは、駆動アセンブリ1140をさらに含む。駆動アセンブリ1140は、輸送方向Tに延在している一組のリニアモータ1141を有する。リニアモータ1141は、磁場を生成するように構成された複数のコイルユニットを含むことができる。駆動アセンブリ1140は、重力に平行な力を生成する。駆動アセンブリによって生成される重力に平行な力は、受動磁気ユニットとローラによってさらに補償される。駆動アセンブリ1140は、キャリア1200を輸送するために、輸送方向Tに引っ張り力及び押す力をさらに提供する。この力を生み出す他の解決策もある。
【0041】
[0044]ここで説明する実施形態によれば、駆動アセンブリ1140は、輸送方向Tにおいて、トラックアセンブリに沿ってキャリアを移動させるためにキャリアに磁力を加えるように構成されたリニアモータ1141を含むことができる。少なくとも1つの駆動アセンブリ1140は、例えば、輸送方向Tに沿って所定の間隔でトラックアセンブリに設けられた複数のリニアモータを含むことができる。
【0042】
[0045]駆動アセンブリのリニアモータ1141は、輸送方向Tに押す力を提供するために、キャリア1200の第3の受動磁気ユニット1230と結合するように構成され得る。キャリアの第3の受動磁気ユニット1230と結合する駆動アセンブリのリニアモータ1141は、キャリアを輸送方向Tに輸送するために力を提供する。輸送方向Tの駆動力を生成する磁気駆動は、非接触であるため、輸送過程で粒子を生成しない。
【0043】
[0046]駆動アセンブリ1140は、モータ駆動を介してコントローラによって制御することができる。いくつかの実装形態では、少なくとも1つの駆動アセンブリ1140は、同期リニアモータ1141を含み得る。他の実施形態では、少なくとも1つの駆動アセンブリ1140は、非同期リニアモータ1141を含み得る。
【0044】
[0047]トラックアセンブリの第2の受動磁気ユニット1120は、トラックアセンブリの第1の受動磁気ユニット1110と駆動アセンブリ1140のリニアモータ(磁石)1141のセットとの間に垂直にある。トラックアセンブリの第2の受動磁気ユニット1120は、トラックアセンブリの第1の受動磁気ユニット1110および駆動アセンブリ1140のリニアモータ(磁石)1141のセットから横方向にオフセットされ得る。
【0045】
[0048]いくつかの実施形態によれば、ここに記載の他の実施形態と組み合わせることができ、第1の受動磁気ユニット1110は第1の垂直座標に提供され、第2の受動磁気ユニット1120は第2の垂直座標に提供される。ローラ輸送トラック1130は、第3の垂直座標に設けられる。第1の垂直座標と第2の垂直座標との間の第1の垂直距離は、第2の垂直座標と第3垂直座標との間の第2距離よりも大きい。垂直座標と垂直距離は、
図1において点線で示されている。
【0046】
[0049]いくつかの例示的な実装によれば、トラックアセンブリ1100は、輸送方向に延在し、輸送方向に延在している第1の受動磁気ユニットを含み、第1の受動磁気ユニットは、第1の磁極と、例えば、第1の磁極から横に又は垂直にオフセットした第2の磁極とを有する。トラックアセンブリは、輸送方向に延在し、例えば、第3の磁極から横に又は垂直にオフセットした第3の磁極及び第4の磁極を有する第2の受動磁気ユニットを含む。第1の受動磁気ユニット及び第2の受動磁気ユニットは、少なくともキャリアの重量を打ち消すように構成される。さらに、キャリアの一部の重量を支持するように構成された複数のローラを有するローラ輸送トラックが提供される。駆動アセンブリ1140は、重力と平行な力を生成する輸送方向に延在している一組の能動磁石を含む。
【0047】
[0050]対応するキャリアは、第1の垂直キャリア座標に提供されるキャリアの第1の受動磁気ユニット1210と、第2の垂直キャリア座標に提供されるキャリアの第2の受動磁気ユニット1220とを含む。キャリアの第3の受動磁気ユニット1230は、第3の垂直キャリア座標に提供され、第1の垂直キャリア座標と第2の垂直キャリア座標との間の第1の垂直キャリア距離は、第2の垂直キャリア座標と第3の垂直キャリア座標との間の第2のキャリア距離より大きい。
【0048】
[0051]ここに記載の実施形態によれば、トラックアセンブリはローラ輸送トラック1130を有する。ローラ輸送トラック1130は、複数のローラ1131を有する。ローラ1131は、キャリア1200の少なくとも部分的な重量を支持し、横方向に平行な軸の周りを低摩擦で回転するように構成される。複数のローラ1131のうちの少なくとも1つは、キャリア1200と接触している。いくつかの実施形態によれば、ローラ1131の接触面は円筒形状を有する。ローラは、円筒部分を有することができ、さらに球形部分、すなわち円筒部分の片側又は両側にさらなる放射状の範囲を有することができる。ローラは、それぞれのローラの回転軸に少なくとも部分的に平行に延在する。
【0049】
[0052]本開示の実施形態によれば、ローラは、キャリアの一部の重量、例えば30%以下を支持する。磁気駆動アセンブリなどの非接触駆動アセンブリを使用すると、キャリアを輸送方向に駆動するためにローラでの摩擦が利用されないため、ローラにかかる力を軽減できる。
【0050】
[0053]ここに記載の実施形態によれば、キャリア1200は、複数のローラ1131のうちの少なくとも1つの頂面と接触するように構成された第1のレール1241を有する。キャリア1200は、第2のレール1242をさらに含む。第2のレール1242は、複数のローラ1131のうちの少なくとも1つの底部と接触するように構成され得る。説明した他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、ここでは、第2のレールとローラの底部との間に隙間を設けることができる。例えば、間隙は、0.5mm以下又は0.3mm未満など、1mm以下であってよい。第1のレールと第2のレールとの間の距離は、ローラの直径よりわずかに大きく、例えば、0.5mm以下又は0.3mm未満など、1mm以下である。
【0051】
[0054]ここに記載の実施形態によれば、磁気浮上力(1110~1210及び1120~1220)の合力、つまり、駆動アセンブリ1140及び第3の受動磁気ユニット1230によって生成される下向きの牽引力は、キャリア重量の30%以下、例えば20%以下、例えば10%以下であり得る。合力は、複数のローラ1131のうちの少なくとも1つによって支持される。複数のローラ1131のうちの少なくとも1つの上部は、
図1及び
図2に概略的に示されるように、合力を補償できるように第1のレール1241と接触するように構成される。複数のローラ1131のうちの少なくとも1つは、合成力を担持し、磁石対の垂直方向の不安定性を克服する。ローラ1131の重量を最小化するだけでなく、キャリアとトラックアセンブリとの間の接触面を最小化することにより、輸送による粒子の生成が大幅に減少する。
【0052】
[0055]ここで説明する他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、第1の受動磁気ユニットは、キャリアの重量の20%~60%、例えば約40%を担持することができる。追加的又は代替的に、第2の受動磁気ユニットは、キャリアの重量の70%~95%、例えば約90%を担持することができる。追加的に又は代替的に、駆動アセンブリによって生成される下向きの力は、キャリアの重量の20%~60%、例えば約40%であり得る。
【0053】
[0056]ここに記載の実施形態によれば、キャリアのトラックアセンブリ及び受動磁石の配置は、コンパクトかつ単純であることができる。ローラに残る合力を極力抑えることで、キャリア輸送時の粒子の生成が大幅に低減される。したがって、ローラの寿命を大幅に延ばすことができる。
【0054】
[0057]ここに記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、少なくとも1つのローラ1131の底部は、第2のレール1242と接触してキャリアの移動を垂直方向に安定させるように構成することができる。キャリアが輸送方向に輸送されるとき、キャリアの部分的な重量は、少なくとも1つのローラ1131によって輸送される。そのような状況では、第1のレール1241と少なくとも1つのローラ1131の上面との間に接触があり、第2のレール1242とローラ1131の底面との間には接触がない。このようにして、動作中、トラックアセンブリとキャリアの間の接触点が最小限に抑えられ、それ故、輸送中の粒子の生成を大幅に低減することができる。
【0055】
[0058]キャリア1200が輸送方向Tに沿って輸送されるとき、いくらかのミスアライメントが存在する可能性があり、キャリアと輸送アセンブリは完全に平行ではない。このような状況では、第2レールとローラの底面が互いに接触し、位置合わせに役立つ。キャリアの垂直移動の同様の状況において、ローラ1131と、第1のレール1241及び第2のレール1242は、垂直安定化を助けることができる。
【0056】
[0059]ここに記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、キャリアの第1のレール1241及び第2のレール1242を弾性材料で作ることができる。弾性レールは、キャリア1200の輸送に牽引効果を提供するという有利な効果を有する。弾性レールは、衝撃及び振動を吸収することによって、キャリア1200のより滑らかでより効率的な輸送を提供することができる。弾性レールは、衝撃と振動をより最適に制御するための減衰手段を追加することでさらに強化することができる。
【0057】
[0060]ここに記載の実施形態によれば、複数のローラ1131、第1のレール1241及び第2のレール1242は、複数の磁石の残りの不安定性を克服するための機械的ガイドとして理解することができる。アーンショウの定理により、永久磁石だけでは完全に非接触のガイドを作成することはできない。
【0058】
[0061
図4は、ここに記載の実施形態による、真空チャンバ2100内でキャリア1200を輸送する方法を示すフロー図である。
【0059】
[0062]ボックス310では、キャリア1200は、トラックアセンブリ1100に沿って輸送方向Tに輸送され、キャリア1200の重量は、トラックアセンブリの第1の受動磁気ユニット及びキャリアの第1の受動磁気ユニットによって少なくとも部分的に打ち消される。
【0060】
[0063]ボックス320では、キャリア1200はトラックアセンブリ1100に沿って輸送方向Tに輸送されるが、キャリア1200の重量は、トラックアセンブリの第2の受動磁気ユニット及びキャリアの第2の受動磁気ユニットによって少なくとも部分的に打ち消される。
【0061】
[0064]ボックス330では、キャリア1200は、複数のローラ1131のうちの少なくとも1つにキャリア1200の部分的な重量と共にトラックアセンブリ1100上を移動する。磁気浮上力(1110~1210及び1120~1220)の合力と、駆動アセンブリ1140及び第3の受動磁気ユニット1230によって生成される下向きの牽引力は、キャリア重量の10%以下であり得る。
【0062】
[0065]方法300は、キャリア1200を搬送するために、輸送方向Tに引っ張る/押す力を提供できるように構成された駆動アセンブリをさらに含む。
【0063】
[0066]ここに記載の実施形態は、大面積基板、ガラス基板、ウエハ、半導体基板、マスク、シールド、及び他の物体のうちの少なくとも1つを搬送するキャリアを輸送するために使用することができる。キャリアは、単一の物体、例えば、1m2以上、特に、5m2又は10m2以上のサイズを有する大面積基板、又より小さなサイズを有する複数の物体、例えば、複数の半導体ウエハを搬送することができる。キャリアは、物体をキャリアに保持するように構成された保持デバイス、例えば、磁気チャック、静電チャック、又は機械的チャッキングデバイスを含むことができる。
【0064】
[0067]キャリアは、輸送中に本質的に垂直方向(例えば、垂直±10°)を有することができる。詳細には、真空処理システムは、垂直基板処理用に構成することができる。
【0065】
[0068]上記は本開示の実施形態に関するものであるが、基本的範囲から逸脱することなく他の及びさらなる実施形態を考案することができ、範囲は特許請求の範囲によって決定される。
また、本願は以下に記載する態様を含む。
(態様1)
真空チャンバ内でキャリア(1200)を輸送するためのキャリア輸送システム(1000)であって:
第1の垂直座標に設けられ、輸送方向に延在している第1の受動磁気ユニット(1110)と;
第2の垂直座標に設けられ、前記輸送方向に延在している第2の受動磁気ユニット(1120)であって、前記第1の受動磁気ユニット(1110)及び前記第2の受動磁気ユニット(1120)は、前記キャリア(1200)の重量を打ち消すように構成されている、前記第2の受動磁気ユニット(1120)と;
第3の垂直座標に設けられ、前記キャリア(1200)の部分的な重量を支持するように構成されている複数のローラ(1131)を含むローラ輸送トラック(1130)と
を含み、
前記第1の垂直座標と前記第2の垂直座標との間の第1の垂直距離は、前記第2の垂直座標と前記第3の垂直座標との間の第2の距離よりも大きい
キャリア輸送システム(1000)。
(態様2)
重力に平行な力を生成する、前記輸送方向に延在している一組の能動磁石を有する駆動アセンブリ(1140)をさらに含む、態様1に記載のキャリア輸送システム(1000)。
(態様3)
前記駆動アセンブリ(1140)が、前記輸送方向に力を提供するようにさらに構成されている、態様2に記載のキャリア輸送システム(1000)。
(態様4)
前記第2受動磁気ユニット(1120)の前記第2の垂直座標が、前記第1の受動磁気ユニット(1110)の前記第1の垂直座標と、前記駆動アセンブリ(1140)の磁石セット(1141)との間に垂直に位置付けされている、態様2又は3に記載のキャリア輸送システム(1000)。
(態様5)
前記輸送方向が実質的に水平である、態様1から4のいずれか一項に記載のキャリア輸送システム(1000)。
(態様6)
前記キャリア(1200)が、垂直又は垂直に近い配向で輸送されるように構成されている、態様1から5のいずれか一項に記載のキャリア輸送システム(1000)。
(態様7)
前記第1の受動磁気ユニット(1110)が、前記キャリア(1200)の重量の少なくとも20%を打ち消すように構成されており、前記第2の受動磁気ユニット(1120)が、前記キャリア(1200)の重量の少なくとも60%を打ち消すように構成されている、態様1から6のいずれか一項に記載のキャリア輸送システム(1000)。
(態様8)
前記第1の受動磁気ユニット(1110)及び前記第2の受動磁気ユニット(1120)の磁極(1111、1112、1121、1122)が、前記キャリア(1200)の横方向の案内のために構成されている、態様1から7のいずれか一項に記載のキャリア輸送システム(1000)。
(態様9)
前記複数のローラ(1131)が、それぞれのローラの回転軸に対して少なくとも部分的に平行に延在しており、特に、前記複数のローラ(1131)の一部は円筒形状を有する、態様1から8のいずれか一項に記載のキャリア輸送システム(1000)。
(態様10)
基板の真空処理装置(2000)内で処理される前記基板のためのキャリアであって:
第1の垂直キャリア座標に設けられた第1の受動磁気ユニット(1210)と;
第2の垂直キャリア座標に設けられた第2の受動磁気ユニット(1220)と;
第3の垂直キャリア座標に設けられた第3の受動磁気ユニット(1230)と
を含み、前記第1の垂直キャリア座標と前記第2の垂直キャリア座標との間の第1の垂直キャリア距離は、前記第2の垂直キャリア座標と前記第3の垂直キャリア座標との間の第2のキャリア距離より大きい
キャリア。
(態様11)
前記第2の受動磁気ユニット(1220)が、前記第1の受動磁気ユニット(1210)に対して横方向にオフセットされ、前記オフセットは、輸送方向に対して直角(perpendicular)な方向及び垂直(vertical)な方向に対する方向にある、態様10に記載のキャリア。
(態様12)
複数のローラ(1131)のうちの少なくとも1つの頂面と接触するように構成されている第1のレール(1241);及び
前記複数のローラ(1131)のうちの少なくとも1つの底部と接触するように構成されている第2のレール(1242)
をさらに含む、態様10又は11に記載のキャリア。
(態様13)
真空チャンバ(2100)と;
態様1から9のいずれか一項に記載のキャリア輸送システム(1000)と
を含む、基板の真空処理装置(2000)。
(態様14)
前記真空チャンバ(2100)内の堆積装置(2200)
をさらに含む、態様13に記載の基板の真空処理装置(2000)。
(態様15)
態様10から12のいずれか一項に記載のキャリアをさらに含む、態様13又は14に記載の基板の真空処理装置(2000)。
(態様16)
前記トラックアセンブリ(1100)の前記第1の受動磁気ユニット(1110)が、前記キャリア(1200)の前記第1の受動磁気ユニット(1210)と結合されている前記キャリア(1200)の頂部上にあるように構成されている、態様15に記載の基板の真空処理装置(2000)。
(態様17)
前記トラックアセンブリ(1100)の前記第2の受動磁気ユニット(1120)が、前記キャリア(1200)の前記第2の受動磁気ユニット(1220)と結合されている前記キャリア(1200)の側の上にあるように構成されている、態様15又は16に記載の基板の真空処理装置(2000)。
(態様18)
真空チャンバ(2100)内でキャリア(3000)を輸送するための方法であって:
第1の受動磁気ユニットによるキャリア(1200)の重量の部分的な打ち消しにより、トラックアセンブリ(1100)上で前記キャリア(1200)を輸送することと;
第2の受動磁気ユニットによる前記キャリア(1200)の重量の部分的な打ち消しにより、前記トラックアセンブリ(1100)上で前記キャリア(1200)を輸送することと;
複数のローラ(1131)のうちの少なくとも1つ上の前記キャリア(1200)の部分的な重量と共に、前記トラックアセンブリ(1100)上で前記キャリア(1200)を輸送することと
を含む、方法。
(態様19)
駆動アセンブリ(1140)を用いて輸送方向に前記キャリアを輸送することをさらに含む、態様18に記載の方法。