(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】レンズ鏡筒及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 7/04 20210101AFI20240528BHJP
G02B 7/08 20210101ALI20240528BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20240528BHJP
【FI】
G02B7/04 D
G02B7/04 E
G02B7/08 B
H04N23/50
(21)【出願番号】P 2020102217
(22)【出願日】2020-06-12
【審査請求日】2022-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【氏名又は名称】片山 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100136261
【氏名又は名称】大竹 俊成
(72)【発明者】
【氏名】中野 拓海
(72)【発明者】
【氏名】浜崎 拓司
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-241056(JP,A)
【文献】特開2012-075275(JP,A)
【文献】特開2019-184976(JP,A)
【文献】特開平08-110460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/04
G02B 7/08
H04N 23/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気によって駆動する第1駆動部と、
前記第1駆動部によって回転する第1回転軸と、
前記第1回転軸の回転駆動により移動する第1移動部と、
第1レンズを保持し、前記第1移動部と連結されて移動する第1レンズ保持枠と、
電気によって駆動する第2駆動部と、
前記第2駆動部によって回転する第2回転軸と、
前記第2回転軸の回転駆動により移動する第2移動部と、
前記第1レンズ保持枠よりも像面側に配置され、第2レンズを保持し、前記第2移動部と連結されて移動する第2レンズ保持枠と、
前記第1レンズ保持枠及び前記第2レンズ保持枠を光軸方向に案内する案内軸と、を備え、
光軸を中心とする周方向に沿って、前記第1回転軸、前記案内軸、および前記第2回転軸の順に配置され、
前記第1レンズ保持枠は、前記案内軸と係合する第1係合部を有し、
前記第2レンズ保持枠は、前記案内軸と係合する第2係合部を有し、
前記第1係合部は、前記案内軸の中心軸に略直交し、前記光軸方向において離間して配置された2つの第1板状部を備え、
前記第2係合部は、前記案内軸の中心軸に略直交し、前記光軸方向において離間して配置された2つの第2板状部を備え、
前記光軸方向において、前記2つの第1板状部の間に、前記2つの第2板状部の1つが配置され、
前記第1レンズ保持枠と前記第2レンズ保持枠とが最も近接しているときに、前記第2レンズ保持枠の像面側の端部は、前記2つの第1板状部のうちの像面側の第1板状部よりも像面側に配置され
、
前記第1移動部は、前記第1レンズ保持枠と連結される第1連結部を有し、
前記第1連結部は、前記2つの第1板状部のうち前記第1駆動部から遠い方の第1板状部の近傍で前記第1係合部に連結され、
前記第2移動部は、前記第2レンズ保持枠と連結される第2連結部を有し、
前記第2連結部は、前記2つの第2板状部のうち前記第2駆動部から遠い方の第2板状部の近傍で前記第2係合部に連結される、
レンズ鏡筒。
【請求項2】
前記光軸方向において、前記2つの第1板状部の一方から前記2つの第1板状部の他方までの距離は、前記第1レンズ保持枠の筒部の厚さよりも大きい、
請求項1に記載のレンズ鏡筒。
【請求項3】
前記光軸方向において、前記2つの第2板状部の間に、前記2つの第1板状部の1つが配置され、前記2つの第2板状部の一方から前記2つの第2板状部の他方までの距離は、前記第2レンズ保持枠の筒部の厚さよりも大きい、
請求項1または請求項2に記載のレンズ鏡筒。
【請求項4】
前記第1レンズ保持枠の被写体側の端部は、前記2つの第2板状部のうち被写体側の第2板状部よりも被写体側に配置される、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項5】
前記第1レンズ及び前記第2レンズの外周側に配置される外筒と、
前記第1駆動部を取り付けるための取付部材を前記外筒に固定する第1固定部材と、
前記第2駆動部を取り付けるための取付部材を前記外筒に固定する第2固定部材と、を備え、
前記光軸を中心とする周方向に沿って、前記第1固定部材、前記第1回転軸、前記案内軸、前記第2回転軸、前記第2固定部材の順に配置される
請求項1から請求項4の何れか1項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項6】
前記第1移動部は
、前記第1回転軸の外周面に形成されたねじ溝と噛み合う
第1噛合部
を有し、
前記第2移動部は
、前記第2回転軸の外周面に形成されたねじ溝と噛み合う
第2噛合部
を有し、
前記第1移動部の前記
第1連結部から前記
第1噛合部への方向と、前記第2移動部の前記
第2連結部から前記
第2噛合部への方向とは、周方向に沿って逆向きである
請求項1から請求項5の何れか1項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項7】
前記第1駆動部と前記第2駆動部とは、前記案内軸に対して対称に配置されている、
請求項1から請求項6の何れか1項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項8】
前記第1固定部材と前記第2固定部材とは、前記案内軸に対して対称に配置されている、
請求項5に記載のレンズ鏡筒。
【請求項9】
前記第1係合部と前記第2係合部とは、周方向に少なくとも一部が重なる、
請求項1から請求項8の何れか1項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項10】
前記2つの第1板状部は、前記中心軸に直交する断面L字状の第1接続部によって接続され、
前記2つの第2板状部は、前記中心軸に直交する断面L字状の第2接続部によって接続されている、
請求項1から請求項9の何れか1項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項11】
前記第1接続部と前記第2接続部とは、前記中心軸に直交する方向において前記案内軸を囲むように配置される、
請求項10に記載のレンズ鏡筒。
【請求項12】
前記第1接続部と前記第2接続部との間に、前記第1係合部と前記第2係合部とを離間する方向に付勢する付勢部材を有する、
請求項10または請求項11に記載のレンズ鏡筒。
【請求項13】
前記付勢部材は板バネである、
請求項12に記載のレンズ鏡筒。
【請求項14】
前記第1係合部は、周方向に突出する第1突部を備え、
前記第2係合部は、周方向に突出する第2突部を備え、
前記第1突部と前記第2突部とを、前記第1突部と前記第2突部とを近づける方向に付勢する弾性部材が配置される、
請求項1から請求項13の何れか1項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項15】
前記弾性部材は引張ばねである、
請求項14に記載のレンズ鏡筒。
【請求項16】
前記第1駆動部と前記第2駆動部とは、前記光軸に対して傾いた状態で配置される、
請求項1から請求項15の何れか1項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項17】
前記第1回転軸と前記第2回転軸とは、前記光軸に対して傾いた状態で配置される、
請求項16に記載のレンズ鏡筒。
【請求項18】
前記第1レンズ保持枠及び前記第2レンズ保持枠の回転を規制する規制軸を備える、
請求項1から請求項17の何れか1項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項19】
前記第1レンズ保持枠よりも被写体側に配置された操作環を備える、
請求項1から請求項18の何れか1項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項20】
請求項1から請求項19の何れか1項に記載のレンズ鏡筒を備える撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
レンズ鏡筒及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のレンズ群を、独立したアクチュエータで別々に駆動するレンズ鏡筒において、良好な光学性能が求められている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
第1の態様によれば、レンズ鏡筒は、電気によって駆動する第1駆動部と、前記第1駆動部によって回転する第1回転軸と、前記第1回転軸の回転駆動により移動する第1移動部と、第1レンズを保持し、前記第1移動部と連結されて移動する第1レンズ保持枠と、電気によって駆動する第2駆動部と、前記第2駆動部によって回転する第2回転軸と、前記第2回転軸の回転駆動により移動する第2移動部と、第2レンズを保持し、前記第2移動部と連結されて移動する第2レンズ保持枠と、前記第1レンズ保持枠及び前記第2レンズ保持枠を光軸方向に案内する案内軸と、を備え、光軸を中心とする周方向に沿って、前記第1回転軸、前記案内軸、および前記第2回転軸の順に配置される。
【0005】
第2の態様によれば、撮像装置は、上記レンズ鏡筒を備える。
【0006】
なお、後述の実施形態の構成を適宜改良しても良く、また、少なくとも一部を他の構成物に代替させても良い。更に、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るレンズ鏡筒と、カメラボディと、を備えるカメラを示す図である。
【
図2】
図2(A)は、第1レンズ保持枠及び第2レンズ保持枠の斜視図であり、
図2(B)は、第1レンズ保持枠の第1係合部の拡大斜視図であり、
図2(C)は、第2レンズ保持枠の第2係合部の拡大斜視図である。
【
図3】
図3は、第1レンズ保持枠及び第2レンズ保持枠を
図1において矢印A1で示す方向から見た図である。
【
図4】
図4(A)は、
図3のA-A線断面図であり、
図4(B)は、
図4(A)のB-B線断面図であり、
図4(C)は、
図4(A)のC-C線断面図である。
【
図5】
図5(A)は、第2固定筒と、第1係合部及び第2係合部と、第1駆動源ユニットおよび第2駆動源ユニットとの関係を説明するための図であり、
図5(B)は、
図5(A)において矢印A2で示す方向から第2固定筒と、第1係合部及び第2係合部と、第1駆動源ユニットおよび第2駆動源ユニットとを見た図である。
【
図6】
図6は、第1係合部及び第2係合部の拡大斜視図である。
【
図7】
図7(A)は変形例に係る第1レンズ保持枠、第2レンズ保持枠、第1駆動源ユニット、および第2駆動源ユニットを示す斜視図であり、
図7(B)は、
図7(A)において矢印A3の方向から変形例に係る第1レンズ保持枠、第2レンズ保持枠、第1駆動源ユニット、および第2駆動源ユニットを見た図である。
【
図8】
図8(A)は変形例に係る第1係合部の拡大斜視図であり、
図8(B)は、変形例に係る第2係合部の拡大斜視図である。
【
図9】
図9(A)は、ラックの斜視図であり、
図9(B)は、変形例に係る第1係合部及び第2係合部とラックとの関係について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態に係るレンズ鏡筒100について、図面を参照し、詳細に説明する。なお、各図において、理解を容易にするため、一部の要素の図示を省略している場合がある。
【0009】
図1は、本実施形態に係るレンズ鏡筒100と、カメラボディ101と、を備えるカメラ1を示す図である。なお、本実施形態において、レンズ鏡筒100は、カメラボディ101に対して着脱可能であるが、これに限定されず、レンズ鏡筒100とカメラボディ101とは一体であってもよい。
【0010】
図1に示すように、本実施形態に係るレンズ鏡筒100は、第1固定筒10と、第1固定筒10よりも内周側に配置された第2固定筒20と、第1固定筒10の外周側に配置されたフォーカス操作環15と、を備える。本実施形態において、第1固定筒10は複数の部品から構成されているが、1つの部品により構成されてもよい。
図1に示すように、第1固定筒10には、レンズ鏡筒100をカメラボディ101に着脱可能とするレンズマウント13が固定されている。
【0011】
また、レンズ鏡筒100は、共通の光軸OAに沿って順次配列され、第1レンズ群L1及び第2レンズ群L2を含む複数のレンズ群を備える。第1レンズ群L1及び第2レンズ群L2はそれぞれ、第1レンズ保持枠F1及び第2レンズ保持枠F2に保持され、他のレンズ群は、第1固定筒10に保持されている。本実施形態において、第1レンズ群L1及び第2レンズ群L2は、それぞれフォーカスレンズ群である。
【0012】
また、レンズ鏡筒100は、第1レンズ保持枠F1及び第2レンズ保持枠F2を光軸OA方向に案内するガイドバー22と、第1レンズ保持枠F1及び第2レンズ保持枠F2のガイドバー22を軸とする回転を規制する回転規制バー24と、を有する。ガイドバー22及び回転規制バー24は、第2固定筒20に固定されている。
【0013】
次に、第1レンズ保持枠F1及び第2レンズ保持枠F2の構成について説明する。
図2(A)は、第1レンズ保持枠F1及び第2レンズ保持枠F2の概略斜視図である。
【0014】
図2(A)に示すように、第1レンズ保持枠F1は第1レンズ群L1を保持する筒部30を有し、筒部30の外周部には、ガイドバー22と係合する第1係合部31と、回転規制バー24と係合する第1突部32と、が設けられている。
【0015】
また、第2レンズ保持枠F2は第2レンズ群L2を保持する筒部40を有し、筒部40の外周部には、ガイドバー22と係合する第2係合部41と、回転規制バー24と係合する第2突部42と、が設けられている。
【0016】
第1係合部31と第2係合部41とは、第2固定筒20に形成され光軸OA方向に延びる穴21を貫通し、穴21よりも外周側に位置するガイドバー22に係合する(
図1参照)。すなわち、第1係合部31と第2係合部41とは、ガイドバー22を共用している。
【0017】
第1突部32と第2突部42とは、第2固定筒20に形成され光軸OA方向に延びる穴23を貫通し、穴23よりも外周側に位置する回転規制バー24に係合する(
図1参照)。すなわち、第1突部32と第2突部42とは、回転規制バー24を共用している。
【0018】
次に、第1係合部31及び第2係合部41の構成について説明する。
図2(B)は、第1係合部31の拡大斜視図であり、
図2(C)は、第2係合部41の拡大斜視図である。また、
図3は、
図1において矢印A1で示す方向から第1係合部31及び第2係合部41を見た図である。また、
図4(A)は、
図3のA-A線断面図であり、
図4(B)は、
図4(A)のB-B線断面図であり、
図4(C)は、
図4(A)のC-C線断面図である。
【0019】
図2(B)及び
図4(A)に示すように、第1係合部31は、ガイドバー22の中心軸AX1と略直交し、光軸OA方向において離間して配置された2枚の第1板状部311a,311bを有する。第1板状部311a,311bには、それぞれ、ガイドバー22が挿通される穴315a及び穴315bが形成されている。また、第1板状部311a,311bは、第1接続部311cによって接続されている。第1接続部311cは、
図4(B)に示すように、中心軸AX1に直交する断面の形状がL字状となっている。これにより、第1板状部311a,311bが2面で接続されるため、第1係合部31の強度を確保することができる。なお、第1接続部311cは、一部において、中心軸AX1に直交する断面の形状がコの字状であってもよい。
【0020】
図2(C)及び
図4(A)に示すように、第2係合部41は、ガイドバー22の中心軸AX1と略直交し、光軸OA方向において離間して配置された2枚の第2板状部411a,411bを有する。第2板状部411a,411bには、それぞれ、ガイドバー22が挿通される穴415a及び穴415bが形成されている。また、第2板状部411a,411bは、第2接続部411cによって接続されている。第2接続部411cは、
図4(B)に示すように、中心軸AXに直交する断面の形状がL字状となっている。これにより、第2板状部411a,411bが2面で接続されるため、第2係合部41の強度を確保することができる。なお、第2接続部411cは、一部において、中心軸AX1に直交する断面の形状がコの字状であってもよい。
【0021】
図3に示すように、第1係合部31と第2係合部41とは、光軸OAを中心とする周方向において少なくとも一部が重なっている。
図4(A)及び
図4(C)に示すように、第1係合部31の第1板状部311a,311bと第2係合部41の第2板状部411a,411bとは、光軸OA方向において交互に配置されている。これにより、第2係合部41の第2板状部411aは、第1係合部31の第1板状部311a,311bの間を移動することができ、第1レンズ保持枠F1と第2レンズ保持枠F2とは、互いに対して光軸OA方向に独立して移動することができる。また、このように構成することで、第1係合部31がガイドバー22と係合する光軸OA方向の長さと、第2係合部41がガイドバー22と係合する光軸OA方向の長さとを、当該構成をとらない場合と比較して長くすることができる。これにより、第1レンズ保持枠F1及び第2レンズ保持枠F2を安定して支持することができるので、レンズ鏡筒100の光学性能を向上できる。
【0022】
図4(A)に示すように、第1係合部31の第1接続部311cと第2係合部41の第2接続部411cとの間には、第1係合部31と第2係合部41とを径方向において離間する方向(
図4(A)の矢印参照)に付勢する付勢部材50が設けられている。付勢部材50は、例えば、板バネである。これにより、第1係合部31及び第2係合部41がガイドバー22に対して付勢され、ガタが低減される。
【0023】
また、
図3及び
図4(C)に示すように、第1係合部31及び第2係合部41はそれぞれ、周方向に突出する突部313及び突部413を有する。突部313と突部413とは、引張ばね80にて接続されている。これにより、後述するナット603及び703の光軸OA方向のガタが低減される。
【0024】
次に、第1レンズ保持枠F1及び第2レンズ保持枠F2の駆動について説明する。
図5(A)は、
図1の矢印A1方向から第2固定筒20を見た図であり、
図5(B)は、
図5(A)の矢印A2方向から第2固定筒20を見た斜視図である。また、
図6は、後述するナット603,703とリードスクリュー602,702の関係を示す図である。
【0025】
第1レンズ保持枠F1は、第1駆動源ユニット60によって駆動され、第2レンズ保持枠F2は、第2駆動源ユニット70によって駆動される。ユーザが、フォーカス操作環15を回転させると、不図示のエンコーダがフォーカス操作環15の回転を検出し、フォーカス操作環15の回転量に応じて不図示の制御部によって、後述する第1駆動源ユニット60が有するステッピングモータ601及び第2駆動源ユニット70のステッピングモータ701が駆動され、それぞれ第1レンズ保持枠F1及び第2レンズ保持枠F2を移動させる。
図5(A)及び
図5(B)に示すように、第1駆動源ユニット60と第2駆動源ユニット70とは、第2固定筒20よりも外周側に配置されている。
【0026】
第1駆動源ユニット60は、ステッピングモータ601、リードスクリュー602(
図6参照)、ナット603(
図6参照)、及び取付部材604を有する。第2駆動源ユニット70は、ステッピングモータ701、リードスクリュー702(
図5(B)参照)、ナット703(
図6参照)、及び取付部材704を有する。
【0027】
図5(A)に示すように、ステッピングモータ601とステッピングモータ701とは、ガイドバー22に対して対称に配置されている。また、
図5(B)に示すように、ステッピングモータ601,701は、光軸OAに対して傾いた状態で配置されている。すなわち、リードスクリュー602,702は光軸OAに対して傾いた状態で配置されている。これにより、リードスクリュー602,702が光軸OAと平行に配置される場合と比較して、第1駆動源ユニット60及び第2駆動源ユニット70の配置に必要な光軸OA方向の長さが短くなるため、狭いスペースにも第1駆動源ユニット60及び第2駆動源ユニット70を配置することができる。
【0028】
リードスクリュー602は、ステッピングモータ601の出力軸に直結され、ステッピングモータ601により回転駆動される。
【0029】
取付部材604には、ステッピングモータ601が固定される。また、取付部材604は、リードスクリュー602を回転可能に支持する。取付部材604には、複数の穴が形成されており、ビス605によって、取付部材604を第2固定筒20に固定することによって、第1駆動源ユニット60が第2固定筒20に固定される。なお、本実施形態では、第1駆動源ユニット60は、取付部材604が有する複数の穴のうち、リードスクリュー602よりもガイドバー22から遠い位置にある穴を使用して第2固定筒20に固定されている。
【0030】
リードスクリュー702は、ステッピングモータ701の出力軸に直結され、ステッピングモータ701により回転駆動される。
【0031】
取付部材704には、ステッピングモータ701が固定される。また、取付部材704は、リードスクリュー702を回転可能に支持する。取付部材704には、複数の穴が形成されており、ビス705によって、取付部材704を第2固定筒20に固定することによって、第2駆動源ユニット70が第2固定筒20に固定される。なお、本実施形態では、第2駆動源ユニット70は、取付部材704が有する複数の穴のうち、リードスクリュー702よりもガイドバー22から遠い位置にある穴を使用して第2固定筒20に固定されている。これにより、周方向において、ビス605、リードスクリュー602、ガイドバー22、リードスクリュー702、ビス705の順に配置される。
【0032】
ナット603は、
図6に示すように、第1係合部31と連結される連結部603aと、リードスクリュー602のねじ溝に噛み合うナット部603bと、を有する。具体的には、連結部603aは、第1係合部31の第1接続部311cから周方向に延びる一対の腕部312に挟持されることによって、第1係合部31と連結される。腕部312は、リードスクリュー602が光軸OAに対して傾いていても、ナット部603bがリードスクリュー602に係合できるように連結部603aを挟持する。ナット部603bがリードスクリュー602のねじ溝に噛み合うため、ステッピングモータ601によってリードスクリュー602が回転されるとナット603は移動する。ナット603が移動することによって、ナット603の連結部603aと連結された第1係合部31は、ガイドバー22に案内されて、光軸OA方向に直進移動する。これにより、第1レンズ保持枠F1は、リードスクリュー602が回転駆動すると、光軸OA方向に直進移動することができる。
【0033】
同様に、ナット703は、第2係合部41と連結される連結部703aと、リードスクリュー702のねじ溝に噛み合うナット部703bと、を有する。具体的には、連結部703aは、第2係合部41の第2接続部411cから周方向に延びる一対の腕部412に挟持されることによって、第2係合部41と連結される。腕部412は、リードスクリュー702が光軸OAに対して傾いていても、ナット部703bがリードスクリュー702に係合できるように連結部703aを挟持する。ナット部703bがリードスクリュー702のねじ溝に噛み合うため、ステッピングモータ701によってリードスクリュー702が回転されるとナット703は移動する。ナット703が移動することによって、ナット703の連結部703aと連結された第2係合部41は、ガイドバー22に案内されて、光軸OA方向に直進移動する。これにより、第2レンズ保持枠F2は、リードスクリュー702が回転駆動すると、光軸OA方向に直進移動することができる。
【0034】
図6に示すように、ナット603の連結部603aからナット部603bへの方向と、ナット703の連結部703aからナット部703bへの方向とは、周方向において逆方向となっている。さらに、ナット603の連結部603aからナット部603bへの方向は、ガイドバー22からリードスクリュー602への方向と一致し、ナット703の連結部703aからナット部703bへの方向は、ガイドバー22からリードスクリュー702への方向と一致する。これにより、リードスクリュー602、ガイドバー22、およびリードスクリュー702が周方向に沿ってこの順に配置されている構成において、第1係合部31と第2係合部41とを、それぞれナット603及び703によって、リードスクリュー602とリードスクリュー702とに連結することができる。また、例えば、第1係合部31及び第2係合部41とは別に第1レンズ保持枠F1の筒部30及び第2レンズ保持枠F2の筒部40の外周部に形成された支持部でそれぞれナット603及び703を支持する場合には、第2固定筒20に当該支持部の光軸OA方向への移動を可能にするための逃げ穴が必要となり、漏光やゴミの侵入の問題が生じるおそれがある。本実施形態では、第1係合部31及び第2係合部41にナット603及び703が支持されるため、第2固定筒20に形成する穴の数を低減することができ、ゴミの侵入や漏光を低減することができる。
【0035】
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係るレンズ鏡筒100は、電気によって駆動するステッピングモータ601と、ステッピングモータ601によって回転するリードスクリュー602と、リードスクリュー602の回転駆動により移動するナット603と、第1レンズ群L1を保持し、ナット603と連結されて移動する第1レンズ保持枠F1とを備える。また、レンズ鏡筒100は、電気によって駆動するステッピングモータ701と、ステッピングモータ701によって回転するリードスクリュー702と、リードスクリュー702の回転駆動により移動するナット703と、第2レンズ群L2を保持し、ナット603と連結されて移動する第2レンズ保持枠F2と、第1レンズ保持枠F1及び第2レンズ保持枠F2を光軸OA方向に案内するガイドバー22と、を備える。リードスクリュー602、ガイドバー22、およびリードスクリュー702は、光軸OAを中心とする周方向に沿って、リードスクリュー602、ガイドバー22、およびリードスクリュー702の順に配置される。
【0036】
これにより、複数のレンズ群L1,L2を別々のステッピングモータで駆動するレンズ鏡筒100において、第1レンズ保持枠F1及び第2レンズ保持枠F2が1本のガイドバー22を共用する。このため、別々のガイドバーを用いて第1レンズ保持枠F1及び第2レンズ保持枠F2を光軸OA方向に直進案内する場合と比較して、チルト(角度)誤差を減少させ、芯出し精度を向上することができる。これにより、レンズ鏡筒100の光学性能が向上する。さらに、部品点数を削減することができる。
【0037】
また、本実施形態によれば、第1レンズ群L1及び第2レンズ群L2の外周側に配置される第2固定筒20と、ステッピングモータ601を取り付けるための取付部材604を第2固定筒20に固定するビス605と、ステッピングモータ701を取り付けるための取付部材704を第2固定筒20に固定するビス705と、を備え、光軸OAを中心とする周方向に沿って、ビス605、リードスクリュー602、ガイドバー22、リードスクリュー702、ビス705の順に配置される。例えば、ガイドバー22とリードスクリュー602との間にビス605が配置されると、ビス605とナット603とが衝突するおそれがある。また、ガイドバー22とリードスクリュー702との間にビス705が配置されると、ビス705とナット703とが衝突するおそれがある。一方、本実施形態に係るレンズ鏡筒100では、光軸OAを中心とする周方向に沿って、ビス605、リードスクリュー602、ガイドバー22、リードスクリュー702、ビス705の順に配置されるので、ナット603とビス605とが衝突することなくステッピングモータ601を第2固定筒20に取り付けることができる。また、ナット703とビス705とが衝突せずにステッピングモータ701を第2固定筒20に取り付けることができる。
【0038】
また、本実施形態によれば、ナット603は、第1レンズ保持枠F1と連結される連結部603aと、リードスクリュー602の外周面に形成されたねじ溝と噛み合うナット部603bと、を有する。また、ナット703は、第2レンズ保持枠F2と連結される連結部703aと、リードスクリュー702の外周面に形成されたねじ溝と噛み合うナット部703bと、を有する。さらに、ナット603の連結部603aからナット部603bへの方向と、ナット703の連結部703aからナット部703bへの方向とは、周方向に沿って逆向きである。これにより、リードスクリュー602、ガイドバー22、およびリードスクリュー702が周方向に沿ってこの順に配置されている構成において、第1係合部31と第2係合部41とを、それぞれナット603及び703によって、リードスクリュー602とリードスクリュー702とに連結することができる。
【0039】
また、本実施形態によれば、ステッピングモータ601とステッピングモータ701とは、ガイドバー22に対して対称に配置されている。これにより、ステッピングモータ601とステッピングモータ701とをガイドバー22に対して非対称に配置する場合と比較して、レンズ鏡筒100の重量バランスを向上させることができる。また、ガイドバー22からリードスクリュー602及びリードスクリュー702までの距離が等しくなるため、ナット603及びナット703に同一の部品を利用することができる。
【0040】
また、本実施形態によれば、ビス605とビス705とは、ガイドバー22に対して対称に配置されている。これにより、ステッピングモータ601とステッピングモータ701とを第2固定筒20にバランスよく固定することができる。
【0041】
また、本実施形態によれば、第1レンズ保持枠F1は、ガイドバー22と係合する第1係合部31を有し、第2レンズ保持枠F2は、ガイドバー22と係合する第2係合部41を有し、第1係合部31と第2係合部41とは、周方向に少なくとも一部が重なる。これにより、第1係合部31及び第2係合部41のガイドバー22との係合長が長くなるため、係合長が短い場合と比較して、芯出し精度を向上することができる。
【0042】
また、本実施形態によれば、第1係合部31は、ガイドバー22の中心軸AX1に略直交し、光軸OA方向において離間して配置された2枚の第1板状部311a,311bを備え、第2係合部41は、ガイドバー22の中心軸AX1に略直交し、光軸OA方向において離間して配置された2枚の第2板状部411a,411bを備え、2枚の第1板状部311a,311bと、2枚の第2板状部411a,411bとは、光軸OA方向において交互に配置される。これにより、第1係合部31と第2係合部41とを、周方向に少なくとも一部が重なるように構成することができる。
【0043】
また、本実施形態によれば、2枚の第1板状部311a,311bは、断面L字状の第1接続部311cによって接続され、2枚の第2板状部411a,411bは、断面L字状の第2接続部411cによって接続されている。これにより、第1板状部311a,311bが2面で接続されるため、第1係合部31の強度を確保することができる。また、第2板状部411a,411bが2面で接続されるため、第2係合部41の強度を確保することができる。
【0044】
また、本実施形態によれば、レンズ鏡筒100は、第1レンズ保持枠F1及び第2レンズ保持枠F2の回転を規制する回転規制バー24を備える。これにより、第1レンズ保持枠F1及び第2レンズ保持枠F2は回転規制バー24を共用するので、回転規制バーを第1レンズ保持枠F1及び第2レンズ保持枠F2にそれぞれ設ける場合と比較して、芯出し精度をさらに向上することができる。さらに、部品点数を削減することができる。
【0045】
なお、上記実施形態において、第1係合部31は、2枚の第1板状部311a,311bを有し、第2係合部41は2枚の第2板状部411a,411bを有していたが、第1係合部31は、3枚以上の第1板状部を有し、第2係合部41は、3枚以上の第2板状部を有していてもよい。この場合、3枚以上の第1板状部と3枚以上の第2板状部を光軸OA方向において交互に配置する。例えば、第1板状部311a,311bとの間にもう1枚の第1板状部を配置し、第2板状部411a,411bとの間にもう1枚の第2板状部を配置する。この場合、第1板状部及び第2板状部がそれぞれ2枚の場合と比較して、第1係合部31と第2係合部41とが互いに対して光軸OA方向に移動できる距離は短くなるが、第1係合部31及び第2係合部41の強度が向上する。
【0046】
《変形例》
次に、変形例に係るレンズ鏡筒について説明する。変形例では、ナット603,703に代えて、ラック606,706を用いる。なお、変形例に係るレンズ鏡筒の構成は、実施形態に係るレンズ鏡筒100とほぼ同様であるため、異なる部分について説明し、その他の説明は省略する。
【0047】
図7(A)は変形例に係る第1レンズ保持枠F1A、第2レンズ保持枠F2A、第1駆動源ユニット60A、および第2駆動源ユニット70Aを示す斜視図である。
図7(B)は、
図7(A)において矢印A3の方向から変形例に係る第1レンズ保持枠F1A、第2レンズ保持枠F2A、第1駆動源ユニット60A、および第2駆動源ユニット70Aを見た図である。また、
図8(A)は変形例に係る第1係合部31Aの拡大斜視図であり、
図8(B)は、変形例に係る第2係合部41Aの拡大斜視図である。さらに、
図9(A)は、ラック606,706の斜視図であり、
図9(B)は、変形例に係る第1係合部31A及び第2係合部41Aとラック606,706との関係について説明する図である。なお、
図7(A)及び
図7(B)では、第2固定筒20の図示を省略している。
【0048】
図7(A)に示すように、第1レンズ保持枠F1Aは、筒部30Aと、ガイドバー22と係合する第1係合部31Aと、回転規制バー24と係合する第1突部32Aと、を備える。筒部30Aは、
図1の筒部30と同様、第1レンズ群L1を保持する。また、第2レンズ保持枠F2は、筒部40Aと、ガイドバー22と係合する第2係合部41Aと、回転規制バー24と係合する第2突部42Aと、を備える。筒部40Aは、
図1の筒部40と同様、第2レンズ群L2を保持する。
【0049】
第1係合部31Aと第2係合部41Aとは、第2固定筒20に形成され光軸OA方向に延びる穴21(
図1参照)を貫通し、穴21よりも外周側に位置するガイドバー22に係合する。すなわち、第1係合部31Aと第2係合部41Aとは、ガイドバー22を共用している。
【0050】
第1突部32Aと第2突部42Aとは、第2固定筒20に形成され光軸OA方向に延びる穴23(
図1参照)を貫通し、穴23よりも外周側に位置する回転規制バー24に係合する。すなわち、第1突部32Aと第2突部42Aとは、回転規制バー24を共用している。
【0051】
図8(A)に示すように、第1係合部31Aは、ガイドバー22の中心軸と略直交し、光軸OA方向において離間して配置された2枚の第1板状部311Aa,311Abを有する。第1板状部311Aa,311Abには、それぞれ、ガイドバー22が挿通される穴315Aa及び穴315Abが形成されている。また、第1板状部311Aa,311Abは、断面L字状の第1接続部311Acによって接続されている。第1接続部311Acが、第1板状部311Aa,311Abを2面で接続するため、第1係合部31Aの強度を確保することができる。
【0052】
図8(B)に示すように、第2係合部41Aは、ガイドバー22の中心軸と略直交し、光軸OA方向において離間して配置された2枚の第2板状部411Aa,411Abを有する。第2板状部411Aa,411Abには、それぞれ、ガイドバー22が挿通される穴415Aa及び穴415Abが形成されている。また、第2板状部411Aa,411Abは、断面L字状の第2接続部411Acによって接続されている。第2接続部411Acが、第2板状部411Aa,411Abを2面で接続するため、第2係合部41Aの強度を確保することができる。
【0053】
次に、第1レンズ保持枠F1A及び第2レンズ保持枠F2Aの駆動について説明する。
図7(A)に示すように、第1レンズ保持枠F1Aは、第1駆動源ユニット60Aによって駆動され、第2レンズ保持枠F2Aは、第2駆動源ユニット70Aによって駆動される。第1駆動源ユニット60Aと第2駆動源ユニット70Aとは、第2固定筒20よりも外周側に配置されている。
【0054】
図7(B)に示すように、第1駆動源ユニット60Aは、ステッピングモータ601A、光軸OAに平行に延伸するリードスクリュー602A、ラック606、及び取付部材604Aを有する。取付部材604Aは、ビス605Aによって第2固定筒20に固定されている。第2駆動源ユニット70Aは、ステッピングモータ701A、光軸OAに平行に延伸するリードスクリュー702A、ラック706、及び取付部材704Aを有する。取付部材704Aは、ビス705Aによって第2固定筒20に固定されている。変形例において、ステッピングモータ601Aとステッピングモータ701Aとは、出力トルクが異なり、サイズも異なる。また、リードスクリュー602Aの光軸OA方向の長さは、リードスクリュー702Aの光軸OA方向の長さと異なる。
【0055】
ステッピングモータ601A,701A、リードスクリュー602A,702A、および取付部材604A,704Aの構成は、それぞれ、実施形態に係るステッピングモータ601,701、リードスクリュー602,702、および取付部材604,704と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0056】
図9(A)に示すように、ラック606は、第1係合部31Aと連結される連結部606aと、リードスクリュー602Aのねじ溝に噛み合うラック部606bと、を有する。連結部606aには穴606cが形成さている。また、ラック706は、ラック606と同様に、第2係合部41Aと連結される連結部706aと、リードスクリュー702Aのねじ溝に噛み合うラック部706bと、を有する。連結部706aには穴706cが形成されている。
【0057】
図9(B)に示すように、第1係合部31Aは、第1接続部311Acから周方向に延びる軸支持部312Aa,312Abを有し、軸支持部312Aa,312Abは支持軸607を支持する。軸支持部312Aa,312Abに支持された支持軸607がラック606の穴606c(
図9(A)参照)に挿通されることによって、ラック606は、第1係合部31Aに連結される。また、第2係合部41Aは、第2接続部411Acから周方向に延びる軸支持部412Aa,412Abを有し、軸支持部412Aa,412Abは支持軸707を支持する。軸支持部412Aa,412Abに支持された支持軸707がラック706の穴706c(
図9(A)参照)に挿通されることによって、ラック706は第2係合部41Aに連結される。
【0058】
軸支持部312Abとラック606との間には、ねじりバネ608が設けられている。ねじりバネ608は、軸支持部312Abとラック606とを互いに離間させる方向に、軸支持部312Abとラック606とを付勢する。これにより、軸支持部312Aaがラック606に押し付けられるため、ラック606が光軸OA方向に移動すると、第1レンズ保持枠F1Aがラック606と一体となって光軸OA方向に移動する。また、ねじりバネ608の一端は、ラック606の外面に係止され、他端は、例えば、軸支持部312Abに形成されたバネ受けに係止される。これにより、ラック606は、ねじりバネ608のねじり荷重によってリードスクリュー602Aに向かって押圧される。
【0059】
また、
図9(B)に示すように、軸支持部412Aaとラック706との間にはねじりバネ708が設けられている。ねじりバネ708は、軸支持部412Aaとラック706とを互いに離間させる方向に、軸支持部412Aaとラック706とを付勢する。これにより、軸支持部412Abがラック706に押し付けられるため、ラック706が光軸OA方向に移動すると、第2レンズ保持枠F2Aがラック706と一体となって光軸OA方向に移動する。また、ねじりバネ708の一端は、ラック706の外面に係止され、他端は、例えば、軸支持部412Aaに形成されたバネ受けに係止される。これにより、ラック706は、ねじりバネ708のねじり荷重によってリードスクリュー702Aに向かって押圧される。
【0060】
図9(B)に示すように、ラック606の連結部606aからラック部606bへ向かう方向と、ラック706の連結部706aからラック部706bへ向かう方向とは、周方向において反対方向となる。これにより、リードスクリュー602A、ガイドバー22、およびリードスクリュー702Aが周方向に沿ってこの順に配置されている構成において、第1係合部31Aと第2係合部41Aとを、それぞれラック606及び706によって、リードスクリュー602Aとリードスクリュー702Aとに連結することができる。
【0061】
このように、リードスクリュー602A及びリードスクリュー702Aと第1係合部31A及び第2係合部41Aをそれぞれ連結する部材として、ナット603及びナット703に代えて、ラック606及びラック706を用いてもよい。
【0062】
なお、上記実施形態及び変形例において、第2固定筒20は、光軸OA方向に直進移動が可能な移動筒であってもよい。また、レンズ鏡筒100は、単焦点レンズでもよいし、ズームレンズであってもよい。
【0063】
上述した実施形態は好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能であり、任意の構成要件を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 カメラ
20 第2固定筒
22 ガイドバー
24 回転規制バー
31,31A 第1係合部
41,41A 第2係合部
100 レンズ鏡筒
101 カメラボディ
311a,311Aa,311b,311Ab 第1板状部
311c,311Ac 第1接続部
411a,411Aa,411b,411Ab 第2板状部
411c,411Ac 第2接続部
601,601A,701,701A ステッピングモータ
602,602A,702,702A リードスクリュー
603,703 ナット
603a,703a 連結部
603b,703b ナット部
604,604A,704,704A 取付部材
605,705 ビス
606,706 ラック
606a,706a 連結部
606b,706b ラック部
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
F1 第1レンズ保持枠
F2 第2レンズ保持枠