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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】画像形成装置および画像形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/36 20060101AFI20240528BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20240528BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240528BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20240528BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240528BHJP
   H04N 1/32 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
G03G15/36
G03G21/14
G03G21/00 386
G03G15/01 J
B41J29/38 303
H04N1/32 144
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020109369
(22)【出願日】2020-06-25
(65)【公開番号】P2022006848
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】林 雄太
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-251378(JP,A)
【文献】特開2020-142436(JP,A)
【文献】特開2005-125552(JP,A)
【文献】特開2008-129086(JP,A)
【文献】特開2003-182272(JP,A)
【文献】特開2003-136828(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/36
G03G 21/14
G03G 21/00
G03G 15/01
B41J 29/38
H04N 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視色材と不可視色材との少なくとも何れか一方を用いて、画像データに基づく画像を媒体上に形成する画像形成部と、
前記不可視色材を用いた画像形成に際し、前記不可視色材と同じ波長を吸収する成分を含む前記可視色材を用いた画像形成との組み合わせによって前記不可視色材を用いた画像の正常な読取が不可能となることを回避する画像形成処理部と、
を備え
前記画像形成処理部は、
前記画像データに基づいて前記不可視色材の画像形成箇所が前記不可視色材と同じ波長を吸収する成分を含む前記可視色材の画像形成箇所と重なるかを判断し、
前記不可視色材の画像形成箇所が前記可視色材の画像形成箇所と重なる場合に、画像形成を停止して、前記不可視色材により形成された画像を読み取れない可能性があることを通知する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成処理部は、画像形成停止後に継続して画像形成する際に、前記不可視色材と同じ波長を吸収する成分を含む前記可視色材の使用の有無を切り替える、
ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項3】
可視色材と不可視色材との少なくとも何れか一方を用いて、画像データに基づく画像を媒体上に形成する画像形成装置における画像形成方法であって、
前記不可視色材を用いた画像形成に際し、前記不可視色材と同じ波長を吸収する成分を含む前記可視色材を用いた画像形成との組み合わせによって前記不可視色材を用いた画像の正常な読取が不可能となることを回避する画像形成処理工程を含み、
前記画像形成処理工程は、
前記画像データに基づいて前記不可視色材の画像形成箇所が前記不可視色材と同じ波長を吸収する成分を含む前記可視色材の画像形成箇所と重なるかを判断し、
前記不可視色材の画像形成箇所が前記可視色材の画像形成箇所と重なる場合に、画像形成を停止して、前記不可視色材により形成された画像を読み取れない可能性があることを通知する、
ことを特徴とする画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷物を同じ条件で再印刷する際に色味や画質を再現する目的で、画像出力データを不可視トナーで出力する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術によれば、不可視トナーと同じ波長を吸収する成分が可視トナーに含まれている場合、可視トナーに重なった部分に印字された不可視トナーを正しく読み取ることができない、という問題がある。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、不可視色材を用いた画像形成に際し、不可視色材と同じ波長を吸収する成分を含む可視色材を用いた画像形成との組み合わせによって不可視色材を用いた画像の正常な読取が不可能となることを回避することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、可視色材と不可視色材との少なくとも何れか一方を用いて、画像データに基づく画像を媒体上に形成する画像形成部と、前記不可視色材を用いた画像形成に際し、前記不可視色材と同じ波長を吸収する成分を含む前記可視色材を用いた画像形成との組み合わせによって前記不可視色材を用いた画像の正常な読取が不可能となることを回避する画像形成処理部と、を備え、前記画像形成処理部は、前記画像データに基づいて前記不可視色材の画像形成箇所が前記不可視色材と同じ波長を吸収する成分を含む前記可視色材の画像形成箇所と重なるかを判断し、前記不可視色材の画像形成箇所が前記可視色材の画像形成箇所と重なる場合に、画像形成を停止して、前記不可視色材により形成された画像を読み取れない可能性があることを通知する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、不可視色材を用いた画像形成に際し、不可視色材と同じ波長を吸収する成分を含む可視色材を用いた画像形成との組み合わせによって不可視色材を用いた画像の正常な読取が不可能となることを回避することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施の形態にかかるプリンタの構成を概略的に示す図である。
図2図2は、プリンタのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、プリンタの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4図4は、従来のIRトナーを用いた画像形成に際する課題を示す図である。
図5図5は、本実施形態にかかるIRトナーを用いた画像形成例を示す図である。
図6図6は、画像形成処理部における画像形成処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
図7図7は、第2の実施の形態にかかる画像形成処理部における画像形成処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
図8図8は、第3の実施の形態にかかる画像形成処理部における画像形成処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
図9図9は、第4の実施の形態にかかる画像形成処理部における画像形成処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
図10図10は、第5の実施の形態にかかる画像形成処理部における画像形成処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、画像形成装置および画像形成方法の実施の形態を詳細に説明する。本実施形態においては、不可視色材(不可視トナー)として赤外線を吸収する特性を有するトナー(以下、IR(Infra-Red)トナーという)を使用することを例として説明する。
【0009】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかるプリンタPの構成を概略的に示す図である。本実施形態は、画像形成装置として電子写真方式のプリンタPへの適用例を示すものである。
【0010】
まず、実施形態に係るプリンタPの基本的な構成について説明する。図1に示すように、プリンタPは、可視トナーであるY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)のトナー像、および不可視トナーであるIRのトナー像を作像するための感光現像ユニット100Y,100M,100C,100K,100IRが並列に配置されたタンデム部1を有している。感光現像ユニット100Y,100M,100C,100K,100IRは、次の四つのモジュールを共通のユニット枠体で支持したものであり、四つのモジュールを一体的にプリンタ本体に対して脱着することを可能にしている。
【0011】
一つ目のモジュールは、潜像担持体たるドラム状の感光体21Y,21M,21C,21K,21IRを具備する感光体モジュール20Y,20M,20C,20K,20IRである。また、二つ目のモジュールは、帯電装置を具備する帯電モジュール30Y,30M,30C,30K,30IRである。また、三つ目のモジュールは、トナーと磁性キャリアとを含有する現像剤を用いて現像を行う二成分現像方式の現像装置40Y,40M,40C,40K,40IRである。また、四つ目のモジュールは、ドラムクリーニング装置を具備するクリーニングモジュール50Y,50M,50C,50K,50IRである。
【0012】
感光体モジュール20Y,20M,20C,20K,20IR、帯電モジュール30Y,30M,30C,30K,30IR、クリーニングモジュール50Y,50M,50C,50K,50IRはそれぞれ、交換可能な交換モジュールである。これに対し、現像装置40Y,40M,40C,40K,40IRは交換モジュールではないが、交換モジュールとして構成してもよい。
【0013】
タンデム部1の上方には、潜像形成手段としての露光ユニット9が設けられている。この露光ユニット9の上方には、現像装置40Y,40M,40C,40K,40IRに補給するためのY,M,C,K,IRトナーを収容するトナーボトル150Y,150M,150C,150K,150IRを保持するボトル装着部10が設けられている。
【0014】
トナーボトル150Y,150M,150C,150K,150IRは、ボトル装着部10に対して着脱可能になっている。トナーボトル150Y,150M,150C,150K,150IRは、内部のトナーを消費し尽くすと、ボトル装着部10から取り外されて新たなものと交換される。
【0015】
タンデム部1の下方には、像担持体としての中間転写ベルト15を具備する中間転写機構である転写ユニット2が設けられている。中間転写ベルト15は、複数の支持ローラに掛け渡された状態で図中時計回り方向に無端移動する。
【0016】
転写ユニット2の下方には、二次転写機構である二次転写装置4が設けられている。二次転写装置4は、二次転写ローラ17を備えており、二次転写ローラ17は、中間転写ベルト15における二次転写対向ローラ16に対する掛け回し箇所にベルトおもて面から当接して二次転写ニップを形成している。二次転写ローラ17には二次転写電源から出力される二次転写バイアスが印加されている。これに対し、斥力ローラである二次転写対向ローラ16は電気的に接地されている。これにより、二次転写ニップ内に二次転写電界が形成される。
【0017】
実施形態に係るプリンタPにおいては、転写ユニット2及び二次転写装置4の組み合わせが、像担持体(中間転写ベルト15)の表面上のトナー像を転写ニップ(二次転写ニップ)内に挟み込まれた記録媒体である記録シートSに転写する転写手段として機能している。
【0018】
すなわち、タンデム部1、露光ユニット9、ボトル装着部10、転写ユニット2及び二次転写装置4によって、可視トナーと不可視トナーとの少なくとも何れか一方を用いて、画像データに基づく画像を記録シートS上に形成する画像形成部300が構成されている。
【0019】
二次転写装置4の図中左側方には、記録シートS上に転写されたトナー像を定着するために、内部に発熱体を備えた加熱ローラを有する定着ユニット7が設けられている。また、二次転写装置4と定着ユニット7との間には、トナー像転写後の記録シートSを定着ユニット7に向けて搬送する搬送ベルト6が設けられている。また、装置本体の下部には、給紙収容部5から1枚ずつ分離して給送された記録シートSを二次転写装置4へ給紙する給紙ユニット3が設けられている。また、定着ユニット7の図中左側方には、定着ユニット7を通過した記録シートSを機外に向けて搬送する排紙ユニット8が設けられている。
【0020】
中間転写ベルト15のループ内側には、Y,M,C,K,IR用の四つの一次転写ローラ(22Y,22M,22C,22K,22IR)が配設されている。それら一次転写ローラ(22Y,22M,22C,22K,22IR)は、自らと同じ色に対応する感光体(21Y,21M,21C,21K,21IR)との間に中間転写ベルト15を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト15のおもて面と、感光体21Y,21M,21C,21K,21IRとが当接するY,M,C,K,IR用の一次転写ニップが形成されている。それら一次転写ニップにおいては、一次転写バイアスが印加される一次転写ローラ(22Y,22M,22C,22K,22IR)と、感光体(21Y,21M,21C,21K,21IR)上の静電潜像との間に、トナーを感光体側からベルトおもて面側に静電移動させる一次転写電界が形成される。
【0021】
外部のパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像データがこのプリンタPに受信されると、プリントジョブが開始されて中間転写ベルト15などの駆動が開始される。そして、タンデム部1では、回転駆動する感光体21Y,21M,21C,21K,21IRの表面が帯電モジュール30Y,30M,30C,30K,30IRの帯電装置によって一様に所定の帯電電位に帯電せしめられる。一様帯電後の感光体21Y,21M,21C,21K,21IRの表面には、画像データに基づいて生成されて露光ユニット9から発射されるY,M,C,K,IR用のレーザー光を用いた光走査によってY,M,C,K,IR用の静電潜像が形成される。これらの静電潜像は、現像装置40Y,40M,40C,40K,40IRによって現像されてY,M,C,K,IRトナー像になった後、中間転写ベルト15上に互いに重なり合うように順に一次転写されて重ね合わせトナー像になる。
【0022】
トナー像転写後の感光体21Y,21M,21C,21K,21IRの表面に残留する転写残トナーは、クリーニングモジュール50Y,50M,50C,50K,50IRのドラムクリーニング装置によって感光体21Y,21M,21C,21K,21IRの表面から除去される。
【0023】
このようなトナー像の作像と並行して、装置本体の下方に設けられた給紙収容部5から記録シートSが繰り出され、一枚に分離された後に、給紙ユニット3に供給され、レジストローラ対14に突き当たって間もなく搬送停止される。そして、中間転写ベルト15上の多色トナー像が二次転写ニップに到達するタイミングに合わせてレジストローラ対14が回転開始する。この回転開始に伴って搬送が再開された記録シートSは、二次転写ニップ内で中間転写ベルト15上の多色トナー像と同期して、その表面に多色トナー像が二次転写される。これにより、記録シートSにはフルカラー画像が形成される。トナー像転写後の記録シートSは、搬送ベルト6によって定着ユニット7内に送り込まれた後、定着ユニット7によって熱と圧力とを加えられることでその表面にフルカラー画像が定着される。その後、記録シートSは、排紙ユニット8に送り込まれる。
【0024】
排紙ユニット8では、記録シートSが排紙トレイ上に排出される。なお、二次転写ニップを経由した後の中間転写ベルト15の表面は、中間転写ベルトクリーニングユニット90によってその表面上に残留している転写残トナーが除去される。
【0025】
図2は、プリンタPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、プリンタPは、コントローラ910とエンジン部(Engine)960とをPCIバスで接続した構成となる。コントローラ910は、プリンタPの全体の制御、描画、通信、及び操作表示部920からの入力を制御するコントローラである。エンジン部960は、PCIバスに接続可能なエンジンであり、例えば、プリンタPのタンデム部1、転写ユニット2、二次転写装置4、露光ユニット9などで構成される画像形成部300である。エンジン部960には、画像形成部300であるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分も含まれる。
【0026】
コントローラ910は、CPU(Central Processing Unit)911と、ノースブリッジ(NB)913と、システムメモリ(MEM-P)912と、サウスブリッジ(SB)914と、ローカルメモリ(MEM-C)917と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)916と、ハードディスクドライブ(HDD)918とを有し、ノースブリッジ(NB)913とASIC916との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス915で接続した構成となる。また、MEM-P912は、ROM912aと、RAM912bとをさらに有する。
【0027】
CPU911は、プリンタPの全体制御を行うものであり、NB913、MEM-P912およびSB914からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0028】
NB913は、CPU911とMEM-P912、SB914、AGPバス915とを接続するためのブリッジであり、MEM-P912に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0029】
MEM-P912は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM912aとRAM912bとからなる。ROM912aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM912bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0030】
SB914は、NB913とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB914は、PCIバスを介してNB913と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインタフェース(I/F)部なども接続される。
【0031】
ASIC916は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス915、PCIバス、HDD918およびMEM-C917をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC916は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC916の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM-C917を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部960との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC916には、PCIバスを介してUSB940、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インタフェース(I/F)950が接続される。操作表示部920はASIC916に直接接続されている。
【0032】
MEM-C917は、画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD918は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0033】
AGPバス915は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM-P912に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0034】
本実施形態のプリンタPで実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0035】
また、本実施形態のプリンタPで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のプリンタPで実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0036】
次に、コントローラ910においてプログラムが実行されることにより発揮されるプリンタPの機能について説明する。図3は、プリンタPの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0037】
図3に示すように、プリンタPは、CPU911がハードディスクドライブ(HDD)918に蓄積されたプログラムをRAM912bに読み出して実行することにより、画像形成処理部200などの機能を発揮する。
【0038】
ここで、本実施形態のプリンタPの画像形成処理部200が解決しようとする課題について説明する。
【0039】
図4は、従来のIRトナーを用いた画像形成に際する課題を示す図である。図4に示す例は、可視トナー(イエロートナー,マゼンタトナー,シアントナー,ブラックトナー)で形成された画像に対して、IRトナーで画像形成した例を示すものである。図4中、“Y”の文字はイエロートナー、“M”はマゼンタトナー、“C”はシアントナー、“K”はブラックトナーで画像形成されている。IRトナーでは、所定の画像Xが形成されている。なお、IRトナーで形成する所定の画像Xとしては、QRコード(登録商標)、バーコード、印刷日時、作像バイアス、定着温度等が挙げられる。
【0040】
IRトナーは、赤外線を吸収する特性がある。そこで、IRトナーを用いて形成された画像は、赤外線を吸収する特性を用い、赤外線スキャナによって読み取り可能となっている。しかしながら、例えばブラックの可視トナーに赤外線を吸収する成分(カーボン等)が含まれている場合、すなわちIRトナーと同じ波長を吸収する成分が可視トナーに含まれている場合には、図4に示すように、IRトナーで画像形成された所定の画像Xにおいてブラックトナーで画像形成された“K”に重なった箇所は、赤外線スキャナで正しく読み取られない、という問題がある。
【0041】
上述した課題を解決すべく、画像形成処理部200は、IRトナーを用いた画像形成に際し、IRトナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナー(例えば、ブラックトナー)を用いた画像形成との組み合わせによってIRトナーを用いた画像の正常な読取が不可能となることを回避する。
【0042】
より詳細には、画像形成処理部200は、IRトナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナー(例えば、ブラックトナー)の色を、IRトナーと同じ波長を吸収しない成分の可視トナー(イエロートナー,マゼンタトナー,シアントナー)のみで画像形成できるように画像データを加工する。
【0043】
図5は、本実施形態にかかるIRトナーを用いた画像形成例を示す図である。図5に示すように、本実施形態のプリンタPの画像形成処理部200によれば、IRトナーを用いた画像形成に際し、ブラックトナーに赤外線を吸収する成分(カーボン等)が含まれている場合に、イエロー、マゼンタ、シアンを混ぜてブラックを表現する。すなわち、図5に示す例によれば、“Y”はイエロートナー、“M”はマゼンタトナー、“C”はシアントナー、“K”はイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーで画像形成されている。IRトナーでは、所定の画像Xが形成されている。このようにすることで、モノクロやブラックを含むフルカラーで形成された画像に対してIRトナーによって画像形成したとしても、ブラックと重なっているIRトナーによって画像形成した部分でも赤外線を吸収しなくなる。これにより、例えばブラックトナーに赤外線を吸収する成分(カーボン等)が含まれている場合、すなわちIRトナーと同じ波長を吸収する成分が可視トナーに含まれている場合であっても、図5に示すように、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーで画像形成されたブラックの“K”に重なった箇所のIRトナーで画像形成された画像を、赤外線スキャナで正しく読み取ることができるようになる。
【0044】
以下において、本実施形態のプリンタPの画像形成処理部200における画像形成処理について詳述する。
【0045】
ここで、図6は画像形成処理部200における画像形成処理の流れを概略的に示すフローチャートである。図6に示すように、画像形成処理部200は、まず、画像形成の対象となる画像データを読み出す(ステップS1)。
【0046】
次いで、画像形成処理部200は、読み出した画像データがIRトナーを使用して画像形成を行うものかを判断する(ステップS2)。画像形成処理部200は、読み出した画像データがIRトナーを使用して画像形成を行うものでないと判断した場合(ステップS2のNo)、読み出した画像データに基づいて各トナーで画像形成を行う(ステップS3)。
【0047】
一方、画像形成処理部200は、読み出した画像データがIRトナーを使用して画像形成を行うものであると判断した場合(ステップS2のYes)、IRトナーと同じ波長を吸収しない成分の可視トナーのみで画像形成できるように、読み出した画像データを加工する(ステップS4)。その後、画像形成処理部200は、加工した画像データに基づいて各トナーで画像形成を行う(ステップS3)。
【0048】
すなわち、画像形成処理部200は、不可視トナーの例としてIRトナーを使用することを前提とすると、ブラックトナーに赤外線を吸収する成分(カーボン等)が含まれている場合に、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーを混ぜてブラックを表現する。これにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーで画像形成されたブラックに重なった箇所のIRトナーで画像形成された画像でも赤外線を吸収しなくなるので、赤外線スキャナで正しく読み取ることができるようになる。
【0049】
このように本実施形態によれば、画像形成処理部200は、不可視トナーを用いた画像形成に際し、不可視トナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーを用いた画像形成との組み合わせによって不可視トナーを用いた画像の正常な読取が不可能となることを回避することができる。
【0050】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0051】
第2の実施の形態は、不可視トナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーの使用不可とし、不可視トナーを読み取り可能とする点が第1の実施の形態と異なる。以下、第2の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0052】
第2の実施の形態にかかる画像形成処理部200は、不可視トナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーの使用を不可とする。
【0053】
図7は、第2の実施の形態にかかる画像形成処理部200における画像形成処理の流れを概略的に示すフローチャートである。図7に示すように、画像形成処理部200は、まず、画像形成の対象となる画像データを読み出す(ステップS11)。
【0054】
次いで、画像形成処理部200は、読み出した画像データがIRトナーを使用して画像形成を行うものかを判断する(ステップS12)。画像形成処理部200は、読み出した画像データがIRトナーを使用して画像形成を行うものでないと判断した場合(ステップS12のNo)、読み出した画像データに基づいて各トナーで画像形成を行う(ステップS13)。
【0055】
一方、画像形成処理部200は、読み出した画像データがIRトナーを使用して画像形成を行うものであると判断した場合(ステップS12のYes)、読み出した画像データに対して、IRトナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーを除いた各トナーで画像形成できるように、IRトナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーを不使用とする(ステップS14)。その後、画像形成処理部200は、画像データに基づいて、ステップS14で不使用としたトナーを除く他のトナーを用いて画像形成を行う(ステップS13)。
【0056】
すなわち、不可視トナーの例としてIRトナーを使用することを前提とすると、ブラックトナーに赤外線を吸収する成分(カーボン等)が含まれている場合に、ブラックトナーを未使用とし、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーを混ぜてブラックを表現することで、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーで画像形成されたブラックに重なった箇所のIRトナーで画像形成された画像でも赤外線を吸収しなくなるので、赤外線スキャナで正しく読み取ることができるようになる。
【0057】
このように本実施形態によれば、画像形成処理部200は、不可視トナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーの使用不可とし、不可視トナーを読み取り可能とする。これにより、画質を落としてでも他トナーの使用量を増やさずに印刷することができる。
【0058】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。
【0059】
第3の実施の形態は、画像データに基づいて不可視トナーの画像形成箇所が不可視トナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーと重なるかを判断し、重なる場合に画像形成を停止して不可視トナーの形成画像を正しく読み取れない可能性があることを通知する点が、第1の実施の形態と異なる。以下、第3の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0060】
第3の実施の形態にかかる画像形成処理部200は、画像データに基づいて不可視トナーの画像形成箇所が不可視トナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーの画像形成箇所と重なるかを判断する。そして、画像形成処理部200は、不可視トナーの画像形成箇所が可視トナーの画像形成箇所と重なる場合に、画像形成を停止して、不可視トナーにより形成された画像を正しく読み取れない可能性があることを通知する。
【0061】
図8は、第3の実施の形態にかかる画像形成処理部200における画像形成処理の流れを概略的に示すフローチャートである。図8に示すように、画像形成処理部200は、まず、画像形成の対象となる画像データを読み出す(ステップS21)。
【0062】
次いで、画像形成処理部200は、読み出した画像データがIRトナーを使用して画像形成を行うものかを判断する(ステップS22)。画像形成処理部200は、読み出した画像データがIRトナーを使用して画像形成を行うものでないと判断した場合(ステップS22のNo)、読み出した画像データに基づいて各トナーで画像形成を行う(ステップS23)。
【0063】
一方、画像形成処理部200は、読み出した画像データがIRトナーを使用して画像形成を行うものであると判断した場合(ステップS22のYes)、IRトナーの出力箇所がIRトナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーと重なるかを判断する(ステップS24)。
【0064】
画像形成処理部200は、IRトナーの出力箇所がIRトナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーと重ならないと判断した場合(ステップS24のNo)、読み出した画像データに基づいて各トナーで画像形成を行う(ステップS23)。
【0065】
一方、画像形成処理部200は、IRトナーの出力箇所がIRトナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーと重なると判断した場合(ステップS24のYes)、IRトナーが読み取れないため画像形成処理を中断する旨のメッセージを操作表示部920上に表示する(ステップS25)。
【0066】
その後、画像形成処理部200は、画像形成処理を停止する(ステップS26)。
【0067】
このように本実施形態によれば、画像形成処理部200は、画像データに基づいて不可視トナーの出力箇所がIRトナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーと重なるかを判断する。そして、画像形成処理部200は、重なる場合に画像形成処理を停止してIRトナーの印字を読み取れない可能性があることをユーザーに通知する。これにより、IRトナーを読み取れない印刷物を出力しないようにすることができる。
【0068】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態について説明する。
【0069】
第4の実施の形態は、画像形成の停止後に継続して画像形成する際に、不可視トナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーの使用有無を自動で切り替えた上で再度画像形成する点が第1の実施の形態と異なる。以下、第4の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0070】
第4の実施の形態にかかる画像形成処理部200は、画像形成停止後に継続して画像形成する際に、不可視トナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーの使用の有無を切り替える。
【0071】
図9は、第4の実施の形態にかかる画像形成処理部200における画像形成処理の流れを概略的に示すフローチャートである。なお、本実施形態は、事前にQRコード印字時には必ず不可視トナー(IRトナー)を読み取り可能とする状態にしてから印刷する設定をしている場合の制御を示すものである。図9に示すように、画像形成処理部200は、まず、画像形成の対象となる画像データを読み出す(ステップS31)。
【0072】
次いで、画像形成処理部200は、読み出した画像データがIRトナーを使用して画像形成を行うものかを判断する(ステップS32)。画像形成処理部200は、読み出した画像データがIRトナーを使用して画像形成を行うものでないと判断した場合(ステップS32のNo)、読み出した画像データに基づいて各トナーで画像形成を行う(ステップS33)。
【0073】
一方、画像形成処理部200は、読み出した画像データがIRトナーを使用して画像形成を行うものであると判断した場合(ステップS32のYes)、IRトナーの出力箇所がIRトナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーと重なるかを判断する(ステップS34)。
【0074】
画像形成処理部200は、IRトナーの出力箇所がIRトナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーと重ならないと判断した場合(ステップS34のNo)、読み出した画像データに基づいて各トナーで画像形成を行う(ステップS33)。
【0075】
一方、画像形成処理部200は、IRトナーの出力箇所がIRトナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーと重なると判断した場合(ステップS34のYes)、IRトナーが読み取れないため印刷を中断する旨のメッセージを操作表示部920上に表示する(ステップS35)。
【0076】
その後、画像形成処理部200は、印刷を中断し(ステップS36)、IRトナーで形成する画像がQRコードであるかをIRトナーの画像情報を参照して判断する(ステップS37)。画像形成処理部200は、IRトナーで形成する画像がQRコード以外であると判断した場合(ステップS37のNo)、読み出した画像データに基づいて各トナーで画像形成を行う(ステップS33)。
【0077】
一方、画像形成処理部200は、IRトナーで形成する画像がQRコードであると判断した場合(ステップS37のYes)、IRトナーと同じ波長を吸収しない成分の可視トナーのみで画像形成できるように、読み出した画像データを加工する(ステップS38)。その後、画像形成処理部200は、加工した画像データに基づいて各トナーで画像形成を行う(ステップS33)。
【0078】
すなわち、不可視トナーの例としてIRトナーを使用することを前提とすると、ブラックトナーに赤外線を吸収する成分(カーボン等)が含まれている場合に、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーを混ぜてブラックを表現することで、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーで画像形成されたブラックに重なった箇所のIRトナーで画像形成されたQRコードでも赤外線を吸収しなくなるので、QRコードを赤外線スキャナで正しく読み取ることができるようになる。
【0079】
このように本実施形態によれば、画像形成処理部200は、画像形成処理の中断後に同じ印刷物をそのまま継続して印刷する際に、不可視トナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーの使用有無を自動で切り替えた上で再印刷する。これにより、ユーザーの要求を反映した上で、PC等からのジョブ再投入無しで印刷を継続できる。
【0080】
なお、本実施形態においては、IRトナーで形成する画像の例としてQRコードを適用したが、これに限るものではなく、バーコード、印刷日時、作像バイアス、定着温度等にも適用可能である。
【0081】
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態について説明する。
【0082】
第5の実施の形態は、画像データに基づいて不可視トナーの画像形成箇所が不可視トナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーと重なるかを判断し、重ならない領域は不可視トナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーを使用し、重なる領域は不可視トナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーを不使用とするように、画像データを加工する点が、第1の実施の形態と異なる。以下、第5の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0083】
第5の実施の形態にかかる画像形成処理部200は、画像データに基づいて不可視トナーの画像形成箇所が不可視トナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーの画像形成箇所と重なるかを判断する。そして、画像形成処理部200は、不可視トナーの画像形成箇所が可視トナーの画像形成箇所と重ならない領域は不可視トナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーを使用し、不可視トナーの画像形成箇所が可視トナーの画像形成箇所と重なる領域は不可視トナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーを不使用とするように、画像データを加工する。
【0084】
図10は、第5の実施の形態にかかる画像形成処理部200における画像形成処理の流れを概略的に示すフローチャートである。図10に示すように、画像形成処理部200は、まず、画像形成の対象となる画像データを読み出す(ステップS41)。
【0085】
次いで、画像形成処理部200は、読み出した画像データがIRトナーを使用して画像形成を行うものかを判断する(ステップS42)。画像形成処理部200は、読み出した画像データがIRトナーを使用して画像形成を行うものでないと判断した場合(ステップS42のNo)、読み出した画像データに基づいて各トナーで画像形成を行う(ステップS43)。
【0086】
一方、画像形成処理部200は、読み出した画像データがIRトナーを使用して画像形成を行うものであると判断した場合(ステップS42のYes)、IRトナーの出力箇所がIRトナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーと重なるかを判断する(ステップS44)。
【0087】
画像形成処理部200は、IRトナーの出力箇所がIRトナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーと重ならないと判断した場合(ステップS44のNo)、読み出した画像データに基づいて各トナーで画像形成を行う(ステップS43)。
【0088】
一方、画像形成処理部200は、IRトナーの出力箇所がIRトナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーと重なると判断した場合(ステップS44のYes)、IRトナーが重なる画像領域に対してのみ、IRトナーと同じ波長を吸収しない成分の可視トナーのみで画像形成できるように、読み出した画像データを加工する(ステップS45)。
【0089】
その後、画像形成処理部200は、加工した画像データに基づいて各トナーで画像形成を行う(ステップS43)。
【0090】
このように本実施形態によれば、画像形成処理部200は、画像データによってIRトナーの出力箇所が不可視トナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーと重なるかを判断する。そして、画像形成処理部200は、重ならない領域はIRトナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーを使用し、重なる領域はIRトナーと同じ波長を吸収する成分を含む可視トナーを不使用とするように、画像データを加工する。これにより、IRトナーを読み取れない箇所に対して、部分的な画像加工を行うことで印刷を継続することができる。
【0091】
なお、上記各実施の形態では、本発明の画像形成装置を、電子写真方式のプリンタPに適用した例を挙げて説明したが、これに限るものではなく、不可視色材である不可視インクおよび可視色材である可視インクを用いるインクジェット方式のプリンタなどに適用してもよい。
【0092】
なお、上記各実施の形態では、本発明の画像形成装置を、プリンタPに適用した例を挙げて説明するが、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機、複写機、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【符号の説明】
【0093】
200 画像形成処理部
300 画像形成部
P 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0094】
【文献】特開2007-329568号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10