(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】ゲームシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/44 20140101AFI20240528BHJP
A63F 13/28 20140101ALI20240528BHJP
A63F 13/814 20140101ALI20240528BHJP
A63F 13/54 20140101ALI20240528BHJP
G10H 1/00 20060101ALI20240528BHJP
G10G 1/00 20060101ALI20240528BHJP
A63F 13/358 20140101ALI20240528BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
A63F13/44
A63F13/28
A63F13/814
A63F13/54
G10H1/00 102Z
G10H1/00 Z
G10G1/00
A63F13/358
G06F3/01 560
(21)【出願番号】P 2019225749
(22)【出願日】2019-12-13
【審査請求日】2022-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】中西 哲一
【審査官】嶋田 行志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/158440(WO,A1)
【文献】特開2008-125721(JP,A)
【文献】特開2008-012103(JP,A)
【文献】国際公開第2016/138934(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-A63F 13/98
A63F 9/00-A63F 9/34
G10H 1/00-G10H 1/46
G10G 1/00-G10G 1/04
G06F 3/00-G06F 3/18
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤの入力操作の入力タイミングに基づく判定処理を行う判定部と、
前記入力操作に対するフィードバックとして、音又は振動による前記フィードバックを前記プレーヤに対して出力する処理を行うフィードバック処理部と、
前記入力操作に対応して前記プレーヤに出力される前記フィードバックの遅延時間を特定するための遅延時間情報を測定する測定部と、
を含み、
前記フィードバック処理部は、
前記遅延時間情報
により表される遅延時間(但し前記プレーヤの前記入力操作の入力タイミングの遅れによる遅延時間を除く)が大きいほど、前記フィードバックが前記プレーヤの聴覚又は触覚に与える程度が小さくなる加工処理を、前記フィードバックに対して行い、前記加工処理が行われた前記フィードバックを前記プレーヤに対して出力する処理を行
い、
前記フィードバック処理部は、
前記フィードバックの種別に応じて、前記加工処理の内容を異ならせることを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
プレーヤの入力操作の入力タイミングに基づく判定処理を行う判定部と、
前記入力操作に対するフィードバックとして、音又は振動による前記フィードバックを前記プレーヤに対して出力する処理を行うフィードバック処理部と、
前記入力操作に対応して前記プレーヤに出力される前記フィードバックの遅延時間を特定するための遅延時間情報を測定する測定部と、
を含み、
前記フィードバック処理部は、
前記遅延時間情報
により表される遅延時間(但し前記プレーヤの前記入力操作の入力タイミングの遅れによる遅延時間を除く)が大きいほど、前記フィードバックが前記プレーヤの聴覚又は触覚に与える程度が小さくなる加工処理を、前記フィードバックに対して行い、前記加工処理が行われた前記フィードバックを前記プレーヤに対して出力する処理を行
い、
前記フィードバック処理部は、
前記フィードバックであるフィードバック音として、音楽ゲームにおける前記プレーヤの演奏音を前記プレーヤに出力する処理を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項3】
プレーヤの入力操作の入力タイミングに基づく判定処理を行う判定部と、
前記入力操作に対するフィードバックとして、音又は振動による前記フィードバックを前記プレーヤに対して出力する処理を行うフィードバック処理部と、
前記入力操作に対応して前記プレーヤに出力される前記フィードバックの遅延時間を特定するための遅延時間情報を測定する測定部と、
を含み、
前記フィードバック処理部は、
前記遅延時間情報
により表される遅延時間(但し前記プレーヤの前記入力操作の入力タイミングの遅れによる遅延時間を除く)が大きいほど、前記フィードバックが前記プレーヤの聴覚又は触覚に与える程度が小さくなる加工処理を、前記フィードバックに対して行い、前記加工処理が行われた前記フィードバックを前記プレーヤに対して出力する処理を行
い、
前記判定部は、
基準タイミングと前記入力タイミングとの比較を行うことで前記入力操作の評価処理を行い、
前記フィードバック処理部は、
前記フィードバックと前記評価処理の結果を、前記プレーヤに出力する処理を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
請求項
3において、
前記フィードバック処理部は、
前記評価処理の結果に応じた前記加工処理を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
請求項
3又は4において、
前記フィードバック処理部は、
前記遅延時間情報により表される遅延時間が所与のしきい値を超えた場合には、前記フィードバックを前記プレーヤに出力せずに、前記評価処理の結果だけを前記プレーヤに出力する処理を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項6】
プレーヤの入力操作の入力タイミングに基づく判定処理を行う判定部と、
前記入力操作に対するフィードバックとして、音
(但し実物体の動きに応じた音声ARコンテンツの音を除く)又は振動による前記フィードバックを前記プレーヤに対して出力する処理を行うフィードバック処理部と、
前記入力操作に対応して前記プレーヤに出力される前記フィードバックの遅延時間を特定するための遅延時間情報を測定する測定部と、
を含み、
前記フィードバック処理部は、
前記遅延時間情報
により表される遅延時間(但し前記プレーヤの前記入力操作の入力タイミングの遅れによる遅延時間を除く)が大きいほど、前記音声ARコンテンツの音を除く前記フィードバックが前記プレーヤの聴覚又は触覚に与える程度が小さくなる加工処理を、前記フィードバックに対して行い、前記加工処理が行われた前記フィードバックを前記プレーヤに対して出力する処理を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記フィードバック処理部は、
前記遅延時間が大きいほど、前記フィードバックであるフィードバック音の音量エンベロープの立ち上がりの傾斜を緩やかにする加工処理、前記フィードバック音の高周波成分を低減する加工処理、前記プレーヤの聴覚に感じにくくなる音色、音程、周波数成分又はピークを有する音に前記フィードバック音を加工する処理、或いは、前記フィードバックであるフィードバック振動の振幅又は周波数を小さくする加工処理を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項8】
請求項
1乃至7のいずれかにおいて、
前記測定部は、
所与の測定タイミング毎に前記遅延時間情報を測定し、
前記フィードバック処理部は、
前記測定タイミングで測定された前記遅延時間情報に基づいて、前記フィードバックに対して動的に加工処理を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項9】
請求項
1乃至8のいずれかにおいて、
前記フィードバック処理部は、
端末装置において前記プレーヤが行った前記入力操作に対する前記フィードバックに対して前記加工処理を行い、前記加工処理が行われた前記フィードバックを前記端末装置に対して出力する処理を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項10】
請求項
9において、
前記測定部は、
前記端末装置とゲームシステムとを通信接続するネットワークの通信遅延時間を、前記遅延時間情報として測定することを特徴とするゲームシステム。
【請求項11】
請求項1乃至
10のいずれかにおいて、
前記フィードバック処理部は、
前記遅延時間情報に基づいて、前記フィードバックであるフィードバック音の音量を変更する処理を、前記加工処理として行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項12】
請求項
11において、
前記フィードバック処理部は、
前記遅延時間情報に基づいて、前記フィードバック音の音量エンベロープを変更する処理を、前記加工処理として行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項13】
請求項1乃至
12のいずれかにおいて、
前記フィードバック処理部は、
ゲーム状況が所与の状況の場合に、前記遅延時間情報に基づく前記加工処理が行われた前記フィードバックに代えて、前記所与の状況用のフィードバックを前記プレーヤに出力する処理を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項14】
請求項1乃至
13のいずれかにおいて、
前記フィードバック処理部は、
前記フィードバックであるフィードバック音と共に前記プレーヤに出力される音楽の音量を、前記遅延時間情報に基づいて制御することを特徴とするゲームシステム。
【請求項15】
請求項1乃至
14のいずれかにおいて、
前記フィードバック処理部は、
前記プレーヤ以外の他のプレーヤの情報に基づいて、前記フィードバックの前記加工処理を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項16】
プレーヤの入力操作の入力タイミングに基づく判定処理を行う判定部と、
前記入力操作に対するフィードバックとして、音又は振動による前記フィードバックを前記プレーヤに対して出力する処理を行うフィードバック処理部と、
前記入力操作に対応して前記プレーヤに出力される前記フィードバックの遅延時間を特定するための遅延時間情報を測定する測定部として、
コンピュータを機能させ、
前記フィードバック処理部は、
前記遅延時間情報
により表される遅延時間(但し前記プレーヤの前記入力操作の入力タイミングの遅れによる遅延時間を除く)が大きいほど、前記フィードバックが前記プレーヤの聴覚又は触覚に与える程度が小さくなる加工処理を、前記フィードバックに対して行い、前記加工処理が行われた前記フィードバックを前記プレーヤに対して出力する処理を行
い、
前記フィードバック処理部は、
前記フィードバックの種別に応じて、前記加工処理の内容を異ならせることを特徴とするプログラム。
【請求項17】
プレーヤの入力操作の入力タイミングに基づく判定処理を行う判定部と、
前記入力操作に対するフィードバックとして、音又は振動による前記フィードバックを前記プレーヤに対して出力する処理を行うフィードバック処理部と、
前記入力操作に対応して前記プレーヤに出力される前記フィードバックの遅延時間を特定するための遅延時間情報を測定する測定部として、
コンピュータを機能させ、
前記フィードバック処理部は、
前記遅延時間情報
により表される遅延時間(但し前記プレーヤの前記入力操作の入力タイミングの遅れによる遅延時間を除く)が大きいほど、前記フィードバックが前記プレーヤの聴覚又は触覚に与える程度が小さくなる加工処理を、前記フィードバックに対して行い、前記加工処理が行われた前記フィードバックを前記プレーヤに対して出力する処理を行
い、
前記フィードバック処理部は、
前記フィードバックであるフィードバック音として、音楽ゲームにおける前記プレーヤの演奏音を前記プレーヤに出力する処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項18】
プレーヤの入力操作の入力タイミングに基づく判定処理を行う判定部と、
前記入力操作に対するフィードバックとして、音又は振動による前記フィードバックを前記プレーヤに対して出力する処理を行うフィードバック処理部と、
前記入力操作に対応して前記プレーヤに出力される前記フィードバックの遅延時間を特定するための遅延時間情報を測定する測定部として、
コンピュータを機能させ、
前記フィードバック処理部は、
前記遅延時間情報
により表される遅延時間(但し前記プレーヤの前記入力操作の入力タイミングの遅れによる遅延時間を除く)が大きいほど、前記フィードバックが前記プレーヤの聴覚又は触覚に与える程度が小さくなる加工処理を、前記フィードバックに対して行い、前記加工処理が行われた前記フィードバックを前記プレーヤに対して出力する処理を行
い、
前記判定部は、
基準タイミングと前記入力タイミングとの比較を行うことで前記入力操作の評価処理を行い、
前記フィードバック処理部は、
前記フィードバックと前記評価処理の結果を、前記プレーヤに出力する処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項19】
プレーヤの入力操作の入力タイミングに基づく判定処理を行う判定部と、
前記入力操作に対するフィードバックとして、音
(但し実物体の動きに応じた音声ARコンテンツの音を除く)又は振動による前記フィードバックを前記プレーヤに対して出力する処理を行うフィードバック処理部と、
前記入力操作に対応して前記プレーヤに出力される前記フィードバックの遅延時間を特定するための遅延時間情報を測定する測定部として、
コンピュータを機能させ、
前記フィードバック処理部は、
前記遅延時間情報
により表される遅延時間(但し前記プレーヤの前記入力操作の入力タイミングの遅れによる遅延時間を除く)が大きいほど、前記音声ARコンテンツの音を除く前記フィードバックが前記プレーヤの聴覚又は触覚に与える程度が小さくなる加工処理を、前記フィードバックに対して行い、前記加工処理が行われた前記フィードバックを前記プレーヤに対して出力する処理を行うことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム及びプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば音楽ゲームなどにおいては、プレーヤが入力操作を行うと、その入力操作に対応するフィードバック音がプレーヤに対して出力される。入力操作が楽器演奏の操作である場合には、フィードバック音である演奏音がプレーヤに出力される。このような音楽ゲームのゲーム装置の従来技術としては例えば特許文献1、2に開示される技術がある。特許文献1のゲーム装置では、プレーヤの操作を評価し、評価結果に基づいて音量を制御する。例えば、入力指示の種別に適合した種別のボタンが適切なタイミングで操作された場合には、適切でない場合に比べて音量を相対的に大きくする。特許文献2のゲーム装置では、映像信号が供給されてからディスプレイに映像が表示されるまでの表示遅れ時間を算出する。そして、プレーヤに課される操作内容を規定する規定操作情報のタイミングを、算出された表示遅れ時間の分だけ遅延させて、遅延させた規定操作情報のタイミングと、プレーヤの操作情報のタイミングとを比較して、プレーヤの操作を評価する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-232057号公報
【文献】特開2008-125721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プレーヤの入力操作に対応するフィードバック音等のフィードバックをプレーヤに出力するゲームシステムでは、何らかの要因でこのフィードバックの出力に遅延が発生する場合がある。例えばネットワークでの通信遅延などの環境要因や、基準タイミングに対するプレーヤの入力操作の入力タイミングの遅延などが原因で、フィードバックの出力に遅延が発生する。そして、このようにフィードバックの出力に遅延が発生すると、キータイミングである基準タイミングと、フィードバックの出力タイミングとの間に大きなズレが発生して、プレーヤが違和感を感じてしまうという問題が発生する。
【0005】
本開示によれば、フィードバックの出力タイミングの遅延により発生する違和感を軽減できるゲームシステム及びプログラム等を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、プレーヤの入力操作の入力タイミングに基づく判定処理を行う判定部と、前記入力操作に対するフィードバックとして、音又は振動による前記フィードバックを前記プレーヤに対して出力する処理を行うフィードバック処理部と、前記入力操作に対応して前記プレーヤに出力される前記フィードバックの遅延時間を特定するための遅延時間情報を測定する測定部と、を含み、前記フィードバック処理部は、前記遅延時間情報に基づいて、前記フィードバックの加工処理を行い、前記加工処理が行われた前記フィードバックを前記プレーヤに対して出力する処理を行うゲームシステムに関係する。また本開示の一態様は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラム、又は該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に関係する。
【0007】
本開示の一態様によれば、入力操作に対応してプレーヤに出力される音又は振動によるフィードバックの遅延時間情報が測定され、測定された遅延時間情報に基づいて、フィードバックの加工処理が行われ、加工処理後のフィードバックがプレーヤに出力される。このようにすれば、フィードバックの遅延時間情報に応じた加工処理が、音又は振動によるフィードバックに対して行われて、プレーヤに出力されるようになる。このように遅延時間情報に応じて変化する加工処理をフィードバックに対して行って、プレーヤに出力することで、フィードバックの出力タイミングの遅延により発生する違和感を軽減できるゲームシステム等の提供が可能になる。
【0008】
また本開示の一態様では、前記測定部は、所与の測定タイミング毎に前記遅延時間情報を測定し、前記フィードバック処理部は、前記測定タイミングで測定された前記遅延時間情報に基づいて、前記フィードバックに対して動的に加工処理を行ってもよい。
【0009】
このようにすれば、環境要因によりフィードバックの遅延時間情報が変動した場合にも、この変動する遅延時間情報を測定して、フィードバックに対して行われる加工処理の内容を動的に変化させることが可能になる。
【0010】
また本開示の一態様では、前記フィードバック処理部は、端末装置において前記プレーヤが行った前記入力操作に対する前記フィードバックに対して前記加工処理を行い、前記加工処理が行われた前記フィードバックを前記端末装置に対して出力する処理を行ってもよい。
【0011】
このようにすれば、ネットワークを介してゲームシステムと端末装置が通信接続されるシステムにおいて、ゲームシステムが、端末装置での入力操作に対応するフィードバックの加工処理を行い、加工処理後のフィードバックを端末装置から出力できるようになる。
【0012】
また本開示の一態様では、前記測定部は、前記端末装置とゲームシステムとを通信接続するネットワークの通信遅延時間を、前記遅延時間情報として測定してもよい。
【0013】
このようにすれば、ネットワークの通信遅延時間を測定することで、フィードバックの遅延時間情報を特定できるようになり、遅延時間情報に応じた加工処理が行われたフィードバックを端末装置から出力することが可能になる。
【0014】
また本開示の一態様では、前記フィードバック処理部は、前記遅延時間情報に基づいて、前記フィードバックであるフィードバック音の音量を変更する処理を、前記加工処理として行ってもよい。
【0015】
このようにすれば、フィードバック音の遅延時間情報に応じて、フィードバック音の音量が変化するようになり、フィードバック音の出力タイミングの遅延により発生する違和感を軽減する音量制御が可能になる。
【0016】
また本開示の一態様では、前記フィードバック処理部は、前記遅延時間情報に基づいて、前記フィードバック音の音量エンベロープを変更する処理を、前記加工処理として行ってもよい。
【0017】
このようにすれば、フィードバック音の遅延時間情報に応じてフィードバック音の音量エンベロープが変化するようになり、フィードバック音の出力のズレによる違和感を、プレーヤが感じにくくなるようなフィードバック音の音量制御が可能になる。
【0018】
また本開示の一態様では、前記フィードバック処理部は、前記フィードバックの種別に応じて、前記加工処理の内容を異ならせてもよい。
【0019】
このようにすれば、フィードバックの種別に応じた適切な加工内容で、フィードバックの加工処理を実行できるようになる。
【0020】
また本開示の一態様では、前記判定部は、基準タイミングと前記入力タイミングとの比較を行うことで前記入力操作の評価処理を行い、前記フィードバック処理部は、前記フィードバックと前記評価処理の結果を、前記プレーヤに出力する処理を行い、前記遅延時間情報は、前記基準タイミングに対する前記入力タイミングの遅延時間の情報を含んでもよい。
【0021】
このようにすれば、基準タイミングと入力タイミングを比較してプレーヤの入力操作を評価するシステムにおいて、基準タイミングに対する入力タイミングの遅延に応じた加工処理をフィードバックに対して行うことが可能になる。
【0022】
また本開示の一態様では、前記フィードバック処理部は、前記評価処理の結果に応じた前記加工処理を行ってもよい。
【0023】
このようにすれば、プレーヤの入力操作の評価結果を有効利用して、加工処理の加工内容を決定して、決定された加工内容の加工処理をフィードバックに対して行うことが可能になる。
【0024】
また本開示の一態様では、前記フィードバック処理部は、前記遅延時間情報により表される遅延時間が所与のしきい値を超えた場合には、前記フィードバックを前記プレーヤに出力せずに、前記評価処理の結果だけを前記プレーヤに出力する処理を行ってもよい。
【0025】
このように遅延時間がしきい値を超えた場合にフィードバックを出力しないことで、プレーヤが違和感を感じないようにすることができる。そして、プレーヤの入力操作の評価結果については出力することで、プレーヤは、例えば自身の入力操作の遅れが原因で、入力操作に対応するフィードバックが出力されないことを認識できるようになる。
【0026】
また本開示の一態様では、前記フィードバック処理部は、前記遅延時間情報により表される遅延時間が所与の時間を越えた場合には、その後に前記遅延時間が前記所与の時間を下回った場合にも、前記遅延時間が前記所与の時間を超えたときの前記加工処理を継続して行ってもよい。
【0027】
このようにすれば、フィードバックに対する加工処理の加工度合いが、頻繁に変化したり、大幅に変動するなどの事態が抑制され、プレーヤが感じる違和感を低減できるようになる。
【0028】
また本開示の一態様では、前記フィードバック処理部は、ゲーム状況が所与の状況の場合に、前記遅延時間情報に基づく前記加工処理が行われた前記フィードバックに代えて、前記所与の状況用のフィードバックを前記プレーヤに出力する処理を行ってもよい。
【0029】
このようにすれば、ゲーム状況が所与の状況の場合に、その所与の状況に適合したフィードバックを出力できるようになり、プレーヤが感じる違和感の低減を図れるようになる。
【0030】
また本開示の一態様では、前記フィードバック処理部は、前記フィードバックであるフィードバック音と共に前記プレーヤに出力される音楽の音量を、前記遅延時間情報に基づいて制御してもよい。
【0031】
このようにすれば、フィードバック音と共に出力される音楽の音量を制御することで、フィードバック音が遅延することによりプレーヤが感じる違和感を軽減することが可能になる。
【0032】
また本開示の一態様では、前記フィードバック処理部は、前記プレーヤ以外の他のプレーヤの情報に基づいて、前記フィードバックの前記加工処理を行ってもよい。
【0033】
このようにすれば、プレーヤ以外の他のプレーヤの情報も加味して、遅延時間情報に基づく加工処理を実行できるようになる。
【0034】
また本開示の一態様では、前記フィードバック処理部は、前記プレーヤによるオプション選択により、前記フィードバックの前記加工処理のオン又はオフを行ってもよい。
【0035】
このようにすれば、遅延時間情報に基づく加工処理をフィードバックに対して行うか否かを、プレーヤの意思により任意に選択できるようになる。
【0036】
また本開示の一態様では、前記フィードバック処理部は、前記フィードバックであるフィードバック音として、音楽ゲームにおける前記プレーヤの演奏音を前記プレーヤに出力する処理を行ってもよい。
【0037】
このようにすれば、入力操作に対応するフィードバック音として、音楽ゲームにおけるプレーヤの演奏音を出力できるようになると共に、演奏音の遅延時間情報に応じた加工処理を演奏音に対して行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】
図1(A)~
図1(F)は本実施形態のゲームシステムを実現するハードウェア装置の説明図。
【
図4】
図4(A)、
図4(B)は入力操作に対応して出力されるフィードバックについての説明図。
【
図5】本実施形態の手法を説明するフローチャート。
【
図6】遅延時間情報を測定して加工処理を行う手法を説明するフローチャート。
【
図8】フィードバックの種別を判断して加工処理を行う手法を説明するフローチャート。
【
図9】
図9(A)、
図9(B)はプレーヤの入力操作の評価処理の説明図。
【
図10】プレーヤの入力操作の評価処理に応じた加工処理を行う手法を説明するフローチャート。
【
図11】遅延時間がしきい値を越えた場合にフィードバックの出力をオフにして入力操作の評価結果だけを出力する手法の説明図。
【
図12】遅延時間がしきい値を越えた場合にフィードバックの出力をオフにして入力操作の評価結果だけを出力する手法を説明するフローチャート。
【
図13】遅延時間が所与の時間を越えた場合にそのときの加工処理を継続して行う手法を説明するフローチャート。
【
図14】音楽ゲームにおける連打のゲーム状況についての説明図。
【
図15】ゲーム状況が所与の状況の場合に所与の状況用のフィードバックを出力する手法を説明するフローチャート。
【
図16】遅延時間情報に基づいて加工処理を行うと共に音楽の音量を制御する手法を説明するフローチャート。
【
図17】プレーヤ以外の他のプレーヤの情報に基づいてフィードバックの加工処理を行う手法を説明するフローチャート。
【
図18】プレーヤのオプション選択により加工処理のオン又はオフを行う手法の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲の記載内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、必須構成要件であるとは限らない。
【0040】
1.ゲームシステム
まず、
図1(A)~
図1(E)を用いて、本実施形態のゲームシステムを実現するハードウェア装置について説明する。
【0041】
図1(A)では、サーバシステム500(情報処理システム)が、ネットワーク510を介して端末装置TM1~TMnと通信接続されている。例えばサーバシステム500はホストであり、端末装置TM1~TMnはクライアントである。なお、本実施形態のゲームシステム及びその処理は、サーバシステム500により実現してもよいし、端末装置TM1~TMnにより実現してもよい。或いはサーバシステム500と端末装置TM1~TMnの分散処理により実現してもよい。
【0042】
また本実施形態のゲームシステム及び処理は、ブロックチェーンの手法により実現することも可能である。例えばイーサリウム(Ethereum)で実行可能なスマートコントラクトと呼ばれるプログラムを用いて、本実施形態のゲームシステムの各処理を実行してもよい。この場合には端末装置TM1~TMnはピア・ツー・ピアで接続されることになる。また端末装置TM1~TMnの間で通信されるゲーム情報等の各種の情報は、ブロックチェーンを用いて転送されることになる。なお、以下では、TM1~TMnの各端末装置を、適宜、端末装置TMと記載する。
【0043】
サーバシステム500は例えば1又は複数のサーバ(管理サーバ、ゲームサーバ、課金サーバ、サービス提供サーバ、コンテンツ配信サーバ、認証サーバ、データベースサーバ、又は通信サーバ等)により実現できる。このサーバシステム500は、コミュニティ型ウェブサイトやオンラインゲームを運営するための各種サービスを提供し、ゲーム実行に必要なデータの管理や、クライアントプログラム及び各種データ等の配信を行うことができる。これにより、例えば、ユーザ端末である端末装置TMによりSNS(Social Networking Service)などを利用するためにサーバシステム500にアクセスし、当該サーバシステム500から提供されるオンラインゲームやソーシャルゲームや家庭用ゲームなどのネットワークゲームのプレイが可能になる。
【0044】
ネットワーク510(配信網、通信回線)は、例えばインターネットや無線LAN等を利用した通信路であり、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網や無線LAN等の通信網を含むことができる。また通信方法については有線/無線を問わない。
【0045】
端末装置TM(プレーヤ端末)は、例えばネット接続機能(インターネット接続機能)を有する端末である。これらの端末装置TMとしては、例えば
図1(B)に示すパーソナルコンピュータやタブレット型コンピュータなどの情報処理装置、
図1(C)に示すスマートフォンや携帯電話機などの携帯型通信端末、
図1(D)に示す携帯型ゲーム装置、
図1(E)に示す家庭用ゲーム装置(据え置き型)、或いは
図1(F)に示す業務用ゲーム装置などの種々の装置を用いることができる。或いは、端末装置TMとして、プレーヤの頭部や腕などの部位に装着されるウェアラブル機器(HMD、ウォッチ型機器等)を用いてもよい。
【0046】
図2に本実施形態のゲームシステム(キャラクタメイクシステム)の構成例を示す。なお、ゲームシステムの構成は
図2に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。また本実施形態のゲームシステムにより実現されるゲームは、マルチプレイのゲームであってもよいし、シングルプレイのゲームであってもよい。またゲームのジャンルについても特に限定はなく、音楽ゲーム(リズムゲーム)、RPG(ロールプレイングゲーム)、アクションゲーム、格闘ゲーム、シューティングゲーム、競争ゲーム又はパズルゲームなどの種々のゲームに適用できる。
【0047】
ゲームシステムは、処理部100、操作部160、記憶部170、表示部190、音出力部192、I/F部194、通信部196を含む。
【0048】
処理部100(プロセッサ)は、記憶部170(データベース)に記憶される各種の情報、プログラム、又は操作情報等に基づいて、判定処理、フィードバック処理、測定処理、ゲーム処理、管理処理、表示処理、或いは音処理などを行う。
【0049】
処理部100の各部が行う本実施形態の各処理(各機能)はプロセッサ(ハードウェアを含むプロセッサ)により実現できる。例えば本実施形態の各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサと、プログラム等の情報を記憶するメモリーにより実現できる。プロセッサは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、或いは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサはハードウェアを含み、そのハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。例えば、プロセッサは、回路基板に実装された1又は複数の回路装置(例えばIC等)や、1又は複数の回路素子(例えば抵抗、キャパシタ等)で構成することもできる。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であってもよい。但し、プロセッサはCPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサを用いることが可能である。またプロセッサはASICによるハードウェア回路であってもよい。またプロセッサは、アナログ信号を処理するアンプ回路やフィルタ回路等を含んでもよい。メモリー(記憶部170)は、SRAM、DRAM等の半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよい。或いはハードディスク装置(HDD)等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、メモリーはコンピュータにより読み取り可能な命令を格納しており、当該命令がプロセッサにより実行されることで、処理部100の各部の処理(機能)が実現されることになる。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットでもよいし、プロセッサのハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
【0050】
処理部100は、判定部102、フィードバック処理部104、測定部106、ゲーム処理部108、管理部112、表示処理部120、音処理部130を含む。
【0051】
判定部102は種々の判定処理を行う。フィードバック処理部104はフィードバックについての種々の処理を行う。測定部106は種々の測定処理を行う。これらの判定部102、フィードバック処理部104、測定部106の詳細については後述する。
【0052】
ゲーム処理部108はプレーヤがゲームをプレイするための種々のゲーム処理を行う。ゲーム処理は、例えば、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、開始したゲームを進行させる処理、ゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理、或いはゲーム成績を演算する処理などである。ネットワークゲームを例にとれば、ゲーム処理部108は、ユーザ情報をプレーヤごとに管理することで、プレーヤごとにゲームの進行を制御する。プレーヤのユーザ情報はユーザ情報記憶部178に記憶される。
【0053】
ゲーム処理部108は、プレーヤの入力操作に基づいてゲーム処理を行う。例えばプレーヤの入力操作についての判定処理を行う判定部102での判定結果に基づいて、ゲームを進行させたり、ゲーム成績を演算するなどのゲーム処理を実行する。ゲーム処理に用いられるゲーム情報は記憶部170に記憶される。ゲーム情報は、ゲームパラメータの情報、ゲームの画像情報、ゲームの音情報(音楽情報、演奏音情報等)などである。
【0054】
管理部112は、例えばプレーヤの認証処理を行う。例えば端末装置を用いてログインしたプレーヤの認証処理を行う。この認証処理は、例えばプレーヤが入力するパスワードやアカウント情報などに基づいて行う。また管理部112は、種々の課金処理を行う。例えば課金の決定処理、課金データの作成処理、保存処理等を行う。また管理部112は、各種の管理処理を行う。例えば各種サービスの管理処理や、各種情報の管理処理を行う。
【0055】
例えばプレーヤは、
図1(A)のサーバシステム500等が提供するサービスを利用するために、所定の手続きを行ってアカウントを取得する。取得したアカウントと対応づけられるパスワードを入力してログインすることで、プレーヤは、ネットワークゲームのプレイや、ゲーム用サイトでのサービスや、アイテム等のオンライショッピングや、プレーヤ間でのメッセージ交換や、フレンドプレーヤの登録などの各種サービスを利用できるようになる。管理部112は、このようなプレーヤのアカウント情報の管理処理等も行う。
【0056】
表示処理部120は、表示部190に画像を表示するための処理を行う。例えば処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に表示する。2次元画像のゲームにおいては、2次元オブジェクトの描画処理が行われて、ゲーム画像が生成される。3次元画像のゲームにおいては、座標変換(ワールド座標変換、カメラ座標変換)、クリッピング処理、透視変換、或いは光源処理等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、描画データ(プリミティブ面の頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)が作成される。そして、この描画データ(プリミティブ面データ)に基づいて、透視変換後(ジオメトリ処理後)のオブジェクト(1又は複数プリミティブ面)を、描画バッファ(フレームバッファ、ワークバッファ等のピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ)に描画する。これにより、仮想空間において仮想カメラから見える画像が生成される。
【0057】
音処理部130は、音出力部192から音を出力するための処理を行う。例えば、当該音(音楽、演奏音、音声、ゲーム音、効果音)を生成するための音生成用データを生成する。
【0058】
操作部160は、プレーヤ(ユーザ)が、操作情報等の種々の情報を入力するためのものであり、その機能は、操作ボタン、方向指示キー、アナログスティック、レバー、各種センサ(角速度センサ、加速度センサ等)、マイク、或いはタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。タッチパネル型ディスプレイを用いる場合には、操作部160となるタッチパネルと、ディスプレイとなる表示部190とが一体に設けられることになる。
【0059】
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能は、半導体メモリー、HDD、SSD、光ディスク装置などにより実現できる。記憶部170は、遅延時間情報記憶部172、基準タイミング情報記憶部174、フィードバック情報記憶部176、ユーザ情報記憶部178を含む。遅延時間情報記憶部172は、フィードバックの出力の遅延時間を表す遅延時間情報を記憶する。例えば測定部106の測定結果に基づく遅延時間情報を記憶する。基準タイミング情報記憶部174は、音楽ゲームにおけるキータイミングなどである基準タイミングの情報を記憶する。即ち一連の複数の基準タイミングの各タイミングを特定するための情報を記憶する。フィードバック情報記憶部176は、プレーヤに対して出力するフィードバックについての情報を記憶する。例えば出力されるフィードバックの内容を特定するための情報がフィードバック情報として記憶される。ユーザ情報記憶部178は、ユーザであるプレーヤの個人情報(名前、性別、生年月日、メールアドレス等)をユーザ情報として記憶する。例えば、プレーヤのアカウント情報(ユーザID)もユーザ情報として記憶される。例えば課金処理の対象となる課金情報は、各プレーヤの各アカウント情報(ユーザID)に対応づけられる。
【0060】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク、HDD、半導体メモリーなどにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。この情報記憶媒体180に、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶できる。
【0061】
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、LCD、有機ELディスプレイ、CRT、或いはHMDなどにより実現できる。音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカー、或いはヘッドホンなどにより実現できる。
【0062】
I/F(インターフェース)部194は、携帯型情報記憶媒体195とのインターフェース処理を行うものであり、その機能はI/F処理用のASICなどにより実現できる。携帯型情報記憶媒体195は、プレーヤが各種の情報を保存するためのものであり、電源が非供給になった場合にもこれらの情報の記憶を保持する記憶装置である。携帯型情報記憶媒体195は、ICカード(メモリーカード)、USBメモリー、或いは磁気カードなどにより実現できる。
【0063】
通信部196(通信インターフェース)は、外部装置との間で通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
【0064】
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、サーバシステム(ホスト装置)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(あるいは記憶部170)に配信してもよい。このようなサーバシステムによる情報記憶媒体の使用も本実施形態の範囲内に含めることができる。
【0065】
そして
図2に示すように本実施形態のゲームシステムは、判定部102とフィードバック処理部104と測定部106を含む。
【0066】
判定部102は、プレーヤの入力操作について判定処理を行う。例えばプレーヤが操作部160を用いて入力操作を行うと、判定部102は、プレーヤの入力操作の入力タイミングに基づく判定処理を行う。即ち操作部160を用いた入力操作の入力タイミングがどのようなタイミングで行われたかについての判定処理を行う。例えば判定部102は、基準タイミングとプレーヤの入力操作の入力タイミングとを比較する判定処理を行う。例えば操作部160を用いたプレーヤの入力操作は、所与のサンプリングタイミング毎にモニターされており、判定部102は、これらのサンプリングタイミングでモニターされた入力操作に基づいて判定処理を行う。このサンプリングタイミングは、画像更新を行うフレームのタイミングよりも時間間隔が短いタイミングになる。
【0067】
フィードバック処理部104は、入力操作に対して行われるフィードバックについての処理を行う。具体的にはフィードバック処理部104は、入力操作に対するフィードバックをプレーヤに対して出力する処理を行う。即ち入力操作に対するフィードバックとして、音又は振動によるフィードバックをプレーヤに対して出力する処理を行う。フィードバックは、プレーヤが入力操作を行った場合に、その入力操作が行われたことをプレーヤに感じさせるための出力であり、例えば入力操作に対して音を出力するフィードバック音である。或いはフィードバックは、音によるフィードバックに限らず、振動によるフィードバックであってもよい。即ち本実施形態におけるフィードバックは、音又は振動によるフィードバックであり、プレーヤが入力操作を行った場合に、その入力操作が行われたことを聴覚又は触覚によりプレーヤに感じさせるための出力である。またゲームシステムがサーバシステムにより実現される場合には、フィードバックを出力する処理は、フィードバックをプレーヤに出力することを端末装置に対して指示する処理により実現される。一方、ゲームシステムが端末装置により実現される場合には、フィードバックを出力する処理は、フィードバック音又はフィードバック振動を端末装置がプレーヤに出力することで実現される。
【0068】
測定部106は、フィードバックについての遅延時間情報の測定処理を行う。具体的には測定部106は、入力操作に対応してプレーヤに出力されるフィードバックの遅延時間(遅延量)を特定するための遅延時間情報(遅延量情報)を測定する処理を行う。例えばプレーヤに対するフィードバックは、入力操作のタイミングから遅れたタイミングで出力されるが、遅延時間情報は、このフィードバックの出力タイミングの遅れ度合いを表す情報である。遅延時間情報は、入力操作の入力タイミングからのフィードバックが出力されるまでの遅延時間そのものである必要はなく、この遅延時間を特定するものであればよい。例えば端末装置とサーバシステムがネットワークにより通信接続される構成の場合には、ネットワークの通信遅延時間が存在し、入力操作に対して、フィードバックは、このネットワークの通信遅延時間の分だけ遅延する。この場合には、フィードバックの遅延時間情報は、このネットワークの通信遅延時間を表す情報であってもよい。またキータイミングである基準タイミングに対して、プレーヤの技量に応じて、プレーヤの入力操作の入力タイミングは遅れてしまう。フィードバックの遅延時間情報は、このような入力タイミングの遅れについての情報も含む。この場合にはフィードバックの遅延時間情報は、プレーヤの入力タイミングの受け付けタイミングの遅延時間を表す情報であってもよい。測定部106は、このような遅延時間情報についての測定処理を行う。
【0069】
そしてフィードバック処理部104は、遅延時間情報に基づいて、フィードバックの加工処理を行う。そして加工処理が行われたフィードバックをプレーヤに対して出力する処理を行う。例えばフィードバック処理部104は、遅延時間情報により表される遅延時間に応じて、フィードバック音又はフィードバック振動などが変化する加工処理を行う。例えばフィードバック処理部104は、フィードバック音又はフィードバック振動の信号であるフィードバック信号に対する加工処理を行う。例えばフィードバック処理部104は、遅延時間情報により表される遅延時間に応じて、フィードバック信号の信号波形を変化させる加工処理を行う。例えば遅延時間が大きいほど、フィードバックがプレーヤの聴覚又は触覚に与える程度が小さくなるような加工処理を行う。即ち、遅延時間が大きいほど、フィードバックをプレーヤが感じにくくなるようにフィードバックの加工処理を行う。なおフィードバックの加工処理は、サーバシステムであるゲームシステムが、フィードバックを加工することを端末装置に指示する処理であってもよい。この場合には端末装置は、ゲームシステムの指示に従ってフィードバックを加工する。同様に、フィードバックの出力処理は、ゲームシステムが、フィードバックを出力することを端末装置に指示する処理であってもよい。この場合には端末装置は、ゲームシステムの指示に従ってフィードバックをプレーヤに出力する。
【0070】
また測定部106は、所与の測定タイミング毎に遅延時間情報を測定する。例えば測定部106は、現在のタイミングが測定タイミングか否かを判断し、測定タイミングであると判断された場合に遅延時間情報を測定する。別の言い方をすれば測定部106は、所与の単位時間毎に遅延時間情報を測定する。例えば端末装置とサーバシステムがネットワークにより通信接続される構成の場合には、ネットワークの通信遅延時間を遅延時間情報として、所与の測定タイミング毎に測定する。そしてフィードバック処理部104は、測定タイミングで測定された遅延時間情報に基づいて、フィードバックに対して加工処理を行う。例えば測定された遅延時間情報に基づいてフィードバックに対して動的に加工処理を行う。遅延時間情報に基づいて動的に加工処理を行うとは、遅延時間情報により表される遅延時間に応じて、その加工内容が変化するように加工処理を行うことである。例えばフィードバック処理部104は、測定タイミング毎に変化する遅延時間情報に応じて、加工処理の内容を変化させる。
【0071】
またフィードバック処理部104は、端末装置においてプレーヤが行った入力操作に対するフィードバックに対して加工処理を行う。そして加工処理が行われたフィードバックを端末装置に対して出力する処理を行う。即ちこの場合には、サーバシステムであるゲームシステムは、ネットワークを介して端末装置に通信接続される。そして端末装置においてプレーヤが入力操作を行うと、その入力操作が、ネットワークを介してゲームシステムにより受け付けられる。ゲームシステムのフィードバック処理部104は、受け付けた入力操作に対するフィードバックに対して加工処理を行い、加工処理が行われたフィードバックを行うことをネットワークを介して端末装置に指示する。そして端末装置が、指示された加工処理後のフィードバックをプレーヤに対して出力する。
【0072】
また測定部106は、端末装置とゲームシステムとを通信接続するネットワークの通信遅延時間を、遅延時間情報として測定する。例えば測定部106は、所与の測定タイミング毎にネットワークの通信遅延時間を測定する。この場合に、ネットワークの通信遅延時間は、測定タイミング毎に測定される通信遅延時間であってもよいし、複数の測定タイミングで測定された通信遅延時間の平均値などの統計値であってもよい。また例えばpingなどにより端末装置が通信遅延時間を求め、求められた通信遅延時間を、サーバシステムであるゲームシステムが端末装置から取得することで、ネットワークの通信遅延時間を測定してもよい。
【0073】
またフィードバック処理部104は、遅延時間情報に基づいて、フィードバックであるフィードバック音の音量を変更する処理を、加工処理として行う。例えばフィードバック処理部104は、遅延時間情報により表される遅延時間が大きいほど、フィードバック音をプレーヤが聴覚により感じにくくなるように、フィードバック音の音量を変更する処理を行う。例えばフィードバック音の音量を表す信号を遅延時間情報に基づいて変更する加工処理を行う。
【0074】
例えばフィードバック処理部104は、遅延時間情報に基づいて、フィードバック音の音量エンベロープを変更する処理を、加工処理として行う。例えばフィードバック音の音量を表す信号の波形のエンベロープを変更する加工処理を行う。例えばフィードバック処理部104は、遅延時間情報により表される遅延時間が大きいほど、音量エンベロープの立ち上がりの傾斜を緩やかにする加工処理を行う。音量エンベロープは、フィードバック音の音量を表す信号の波形のエンベロープである。
【0075】
なお遅延時間情報に基づくフィードバック音の加工処理は、このような処理には限定されず、例えばフィードバック音の周波数成分の加工処理により実現してもよい。例えば遅延時間情報により表される遅延時間が大きいほど、フィードバック音の高周波成分を低減するような加工処理を行ってもよい。
【0076】
またフィードバック処理部104は、フィードバックの種別に応じて、加工処理の内容を異ならせる。例えばフィードバックが、フィードバック音なのか、フィードバック振動なのかに応じて、加工処理の内容を異ならせる。例えば入力操作に対するフィードバックが、フィードバック音である場合と、フィードバック振動である場合とで、加工処理の内容を異ならせる。例えばフィードバック振動も、振動を発生させる音信号を用いて実現できるが、例えばフィードバック音における音信号の加工処理の内容と、フィードバック振動における音信号の加工処理の内容を異ならせる。例えば遅延時間に応じて音信号を変更する際の音信号の変更内容を異ならせる。
【0077】
また判定部102は、基準タイミングと入力タイミングとの比較を行うことで入力操作の評価処理を行う。例えば基準タイミングと入力タイミングの時間差が少ないほど、高い評価となる入力操作の評価処理を行う。例えば基準タイミングを含む第1の範囲内に入力タイミングがある場合には、入力操作の評価結果は第1の評価であると判断する。そして基準タイミングを含む第1の範囲よりも狭い第2の範囲内に入力タイミングがある場合には、入力操作の評価結果は、第1の評価結果よりも良い第2の評価であると判断する。そしてフィードバック処理部104は、フィードバックと評価処理の結果を、プレーヤに出力する処理を行う。例えばフィードバック音等のフィードバックをプレーヤに出力すると共に、評価処理の結果を画像や音によりプレーヤに出力する。この場合に遅延時間情報は、基準タイミングに対する入力タイミングの遅延時間の情報を含むことになる。即ち基準タイミングに対してプレーヤの入力タイミングが遅れると、フィードバックの遅延時間情報で表される遅延時間も大きくなる。そしてフィードバック処理部104は、このように基準タイミングに対する入力タイミングの遅れにより発生するフィードバックの遅延時間に応じて、フィードバックの加工処理を行う。
【0078】
またフィードバック処理部104は、評価処理の結果に応じた加工処理を行う。例えばプレーヤの入力操作の評価結果が第1の評価である場合と第2の評価である場合とで、フィードバックの加工処理の内容を異ならせる。例えば第1の評価の方が第2の評価よりも悪い評価結果であるとすると、第1の評価の場合には、第2の評価の場合に比べて、基準タイミングに対する入力タイミングの遅延時間が大きくなり、フィードバックの遅延時間も大きくなる。従って、第1の評価の場合には、第2の評価の場合に比べて、加工処理の加工度合いを強くする。例えば第1の評価の場合には、第2の評価の場合に比べて、フィードバックがプレーヤの聴覚又は触覚に与える程度が小さくなるような加工処理を行う。
【0079】
またフィードバック処理部104は、遅延時間情報により表される遅延時間が所与のしきい値を超えた場合には、フィードバックをプレーヤに出力せずに、評価処理の結果だけをプレーヤに出力する処理を行う。例えばフィードバック処理部104は、フィードバックの遅延時間がしきい値以下の場合には、フィードバック及び評価処理の結果の両方をプレーヤに出力するが、遅延時間がしきい値を越えた場合には、フィードバックについては出力せずに、入力操作の評価結果をプレーヤに出力する。即ちフィードバックの遅延時間がしきい値を越えた場合には、フィードバックの出力をオフにする。
【0080】
またフィードバック処理部104は、遅延時間情報により表される遅延時間が所与の時間を越えた場合には、その後に遅延時間が所与の時間を下回った場合にも、遅延時間が所与の時間を超えたときの加工処理を継続して行う。即ち、フィードバックの遅延時間が、一旦、所与の時間を越えてフィードバックの加工処理を行った場合には、その後に遅延時間が所与の時間を下回った場合にも、そのときの当該加工処理を継続して行い、加工処理の内容が遅延時間に応じて変化しないようにする。例えば遅延時間が所与の時間を越えた後、所与の継続期間の間、遅延時間が所与の時間を越えたときの加工処理を継続してフィードバックに対して行うようにする。例えばフィードバックの加工処理に対して移動平均的な処理を行う。
【0081】
またフィードバック処理部104は、ゲーム状況が所与の状況の場合に、遅延時間情報に基づく加工処理が行われたフィードバックに代えて、所与の状況用のフィードバックをプレーヤに出力する処理を行う。例えばフィードバック処理部104は、ゲーム状況が所与の状況(特定状況)になったか否かを判断し、所与の状況になった場合には、その所与の状況用に自動補正されたフィードバックをプレーヤに出力するようにする。例えばゲーム状況が所与の状況以外の場合には、遅延時間情報に基づく加工処理が行われたフィードバックを出力するが、ゲーム状況が所与の状況の場合には、所与の状況用のフィードバックを出力する。所与の状況用のフィードバックは、ゲーム状況が所与の状況になったときにプレーヤに出力されるフィードバックとして、遅延時間情報に基づくフィードバックとは別個に用意されるものである。例えば所与の状況用のフィードバックは、遅延時間情報に基づく通常のフィードバックとは違って、所与の状況に対応して例えば自動補正や自動生成されたフィードバックとなる。
【0082】
またフィードバック処理部104は、フィードバックであるフィードバック音と共にプレーヤに出力される音楽の音量を、遅延時間情報に基づいて制御する。具体的には遅延時間情報に基づいて、音楽の音量の大小を制御する。例えば遅延時間情報により表される遅延時間が大きいほど、フィードバック音と共に出力される音楽の音量を大きくする。例えば遅延時間が大きい場合に、フィードバック音が目立たなくなるように、音楽の音量を制御する。音楽は、音楽ゲームにおいてプレーヤに出力されるものであり、楽曲とも呼ばれる。この場合のフィードバック音は、例えば音楽ゲームにおける演奏音などである。
【0083】
またフィードバック処理部104は、プレーヤ以外の他のプレーヤの情報に基づいて、フィードバックの加工処理を行う。例えばゲームに参加する複数のプレーヤについてのフィードバックの遅延時間情報や基準タイミングに対するズレの情報などを、データベースに蓄積する。そしてデータベースの蓄積情報をビッグデータとして、プレーヤに対して出力されるフィードバックの加工処理を行う。例えば遅延時間情報により表される各遅延時間に対してどのような加工処理を行うかを、データベースの蓄積情報に基づいて決定する。例えばプレーヤが初めてゲームを行う場合の加工処理の設定の初期値を、データベースの蓄積情報に基づいて決定する。或いは複数のプレーヤがゲームをプレイしているときに、プレーヤの加工処理の内容を、他のプレーヤの情報に基づいて変化させるようにしてもよい。
【0084】
またフィードバック処理部104は、プレーヤによるオプション選択により、フィードバックの加工処理のオン又はオフを行う。例えば表示処理部120が、プレーヤの端末装置の表示部190にオプション画面を表示する処理を行う。そして、このオプション画面において、プレーヤが加工処理をオンにすることを選択した場合には、フィードバック処理部104は、遅延時間情報に基づく加工処理を行って、加工処理が行われたフィードバックをプレーヤに出力する処理を行う。一方、オプション画面において、プレーヤが加工処理をオフにすることを選択した場合には、フィードバック処理部104は、遅延時間情報に基づく加工処理を行わないようにする。即ちプレーヤの入力操作に対して、遅延時間情報に基づく加工処理が行われていないフィードバックをプレーヤに出力する。
【0085】
またフィードバック処理部104は、フィードバックであるフィードバック音として、音楽ゲームにおけるプレーヤの演奏音をプレーヤに出力する処理を行う。例えばこの音楽ゲームでは、楽曲である音楽がプレーヤに出力されると共に、プレーヤは楽器等の演奏の入力操作を行う。すると、演奏の入力操作に対応するフィードバック音である演奏音が、プレーヤに出力される。この場合に例えば判定部102は、音楽における基準タイミングと、プレーヤの演奏の入力操作の入力タイミングとの比較を行って、プレーヤの演奏についての評価処理を行う。そして演奏の評価結果をプレーヤに対して出力するようにする。なお演奏音は、楽器の演奏音には限定されず、例えばプレーヤが歌を唄う演奏を行う場合には、演奏音は歌声であってもよい。或いは、演奏音はラップなどのコール&レスポンスにおける掛け声などであってもよい。また演奏音は、楽器以外の物体(例えば机、床、椅子又は鐘等)を叩いたり動かしたりすることで出力される演奏音であってもよい。
【0086】
なお、以上に説明した
図2の本実施形態のゲームシステムや処理は、
図1(A)のサーバシステム500により実現したり、端末装置TMにより実現したり、サーバシステム500と端末装置TMの分散処理により実現するなどの種々の変形実施が可能である。また本実施形態のプログラムとしては、パーソナルコンピュータ用のゲームプログラム、スマートフォンのアプリケーションプログラム、家庭用ゲーム装置のゲームプログラム、スマートフォンやパーソナルコンピュータ用のブラウザゲームプログラム、或いは業務用ゲーム装置のプログラムなどの種々のプログラムに適用できる。
【0087】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について詳細に説明する。なお以下では本実施形態の処理が、ゲームシステムであるサーバシステムで実現される場合を主に例にとり説明するが、本実施形態の処理は、スタンドアロンの端末装置により実現してもよい。また以下では、本実施形態が適用されるゲームが音楽ゲームである場合を主に例にとり説明するが、本実施形態は音楽ゲーム以外の種々のゲーム(RPG、アクションゲーム、格闘ゲーム、シューティングゲーム、競争ゲーム又はパズルゲーム等)に適用できる。
【0088】
2.1 遅延時間情報に基づくフィードバックの加工処理
図3は本実施形態の手法の説明図である。
図3ではプレーヤが端末装置10において入力操作を行う。すると、この入力操作の情報がネットワーク510を介して、サーバシステムであるゲームシステムに伝達され、ゲームシステムにより受け付けられる。そしてゲームシステムの判定部102は、プレーヤの入力操作の入力タイミングに基づく判定処理を行う。音楽ゲーム(リズムゲーム)を例にとれば、基準タイミングと入力タイミングを比較する判定処理を行う。また測定部106は、入力操作に対応してプレーヤに出力されるフィードバックの遅延時間を特定するための遅延時間情報を測定する。フィードバックの遅延時間は、端末装置10で入力操作が行われてから、この入力操作がゲームシステムに受け付けられるまでの遅延時間を含む。具体的にはフィードバックの遅延時間は、ネットワーク510の通信遅延時間を含む。またフィードバックの遅延時間は、例えば基準タイミングに対してプレーヤの入力操作の入力タイミングが遅れることによる遅延時間を含むことができる。またフィードバックの遅延時間は、入力操作に対応するフィードバックの内容を決定したり、フィードバックを生成する処理での遅延時間を含むことができる。そしてフィードバック処理部104は、入力操作に対するフィードバックをプレーヤに対して出力する処理を行う。即ち、入力操作に対するフィードバックとして、音又は振動によるフィードバックをプレーヤに対して出力する処理を行う。具体的にはフィードバック処理部104は、遅延時間情報に基づいて、フィードバックの加工処理を行い、加工処理が行われたフィードバックをプレーヤに対して出力する処理を行う。例えばフィードバックの遅延時間が長いほど、音又は振動によるフィードバックがプレーヤの聴覚又は触覚に与える程度が小さくなって、プレーヤが感じにくくなるような加工処理を行う。
図3ではフィードバック処理部104は、フィードバックの加工処理を行うことでフィードバックの内容を決定し、当該フィードバックをプレーヤに対して出力することをネットワーク510を介して端末装置10に指示する。これにより端末装置10は、例えばフィードバック音又はフィードバック振動などのフィードバックを、プレーヤに対して出力する。例えば端末装置10は、音出力部を用いてフィードバック音を出力する。或いはゲームコントローラなどの操作部に設けられる振動機構を用いてフィードバック振動を出力する。この場合に、音出力部は、スピーカーであってもよいし、プレーヤが頭に装着するヘッドホンであってもよい。スピーカーは、スマートフォンなどの携帯型情報端末や携帯型ゲーム装置やテレビに設けられるスピーカーであってもよいし、ゲームの筐体に配置されるスピーカーなどであってもよい。また振動機構が設けられるゲームコントローラは、家庭用ゲーム装置に用いられる汎用のゲームコントローラであってもよいし、例えば銃型や剣型などの特定の形状を模したゲームコントローラであってもよい。或いは、振動機構が設けられるゲームコントローラは、車ゲームにおけるステアリングなどであってもよい。或いは、フィードバック振動を出力する振動機構は、プレーヤが搭乗する筐体に設けられるものであってもよい。例えばプレーヤが椅子に座ってプレイする場合には、筐体の椅子に設けられる振動機構を用いてフィードバック振動を出力すればよい。またプレーヤが床に立ってプレイする場合には、筐体の床に設けられる振動機構を用いてフィードバック振動を出力すればよい。
【0089】
図4(A)、
図4(B)は入力操作に対応して出力されるフィードバックの一例についての説明図であり、太鼓の演奏を行う音楽ゲームの例である。
図4(A)は和太鼓を模した太鼓型ゲームコントローラ20の例であり、
図4(B)は端末装置10の表示部に表示されるゲーム画面の例である。プレーヤは、太鼓のバチを模した棒状部材30、32を用いて、太鼓型ゲームコントローラ20の太鼓本体22の打面であるパッド部24を叩く入力操作を行ったり、リング状のリム部26を叩く入力操作を行う。
図4(B)に示すゲーム画面では、譜面表示エリア40に判定ライン42が固定表示され、譜面表示エリア40の右端から発生した複数の音符マーク44、45、46、47が判定ライン42の方向に向かって所定速度で移動する。これらの音符マーク44、45、46、47が判定ライン42を通過するタイミングが基準タイミングであり、プレーヤは、音符マーク44、45、46、47が判定ライン42を通過するタイミングである基準タイミングにおいて、入力操作を行う。具体的には、「ドン」に対応する音符マーク44、45が判定ライン42を通過する基準タイミングで、棒状部材30、32により太鼓本体22のパッド部24を叩く入力操作を行う。また「カツ」に対応する音符マーク46、47が判定ライン42を通過する基準タイミングで、棒状部材30、32により太鼓本体22のリム部26を叩く入力操作を行う。基準タイミングと入力タイミングのズレが少ないほど、プレーヤの入力操作に対して高い評価が与えられ、プレーヤに対して高い得点が与えられる。
【0090】
そして
図4(A)、
図4(B)の音楽ゲームでは、プレーヤの入力操作に対してフィードバック音が出力される。例えばプレーヤが棒状部材30、32により太鼓本体22のパッド部24やリム部26を叩く入力操作を行うと、これらの入力操作に対応して例えば「ドン」、「カツ」などのフィードバック音が出力される。この場合に
図3のネットワーク510の通信遅延時間やプレーヤの入力操作の遅れなどが原因となって、フィードバック音の出力に遅延が発生する。そしてこのフィードバック音の出力の遅延時間が大きいと、プレーヤが違和感を感じてしまうという課題がある。
【0091】
即ち、ネットワーク、ハードウェア又はソフトウェアなどの様々な環境要因に起因する遅延が発生したり、プレーヤの操作スキルが低く、プレーヤの入力タイミングがズレているときに、基準タイミングであるキータイミングに対するフィードバックの出力タイミングに大きなズレが発生する。フィードバックの遅延時間が大きく、キータイミングとフィードバックの出力タイミングのズレが大きいと、プレーヤが違和感により不快に感じてしまうため、ズレが大きいときにもプレーヤがゲームを楽しめるようにすることが望ましい。一方、基準タイミングとフィードバックの出力タイミングのズレが少ないときのシンクロ感は、プレーヤにとって気持ち良いので、このような場合には、何もせずにそのままにしておくことが望ましい。
【0092】
そこで、例えば映像等による視覚によるズレの認知と、音のズレの認知を分けて考える。例えばキータイミングとフィードバックの出力タイミングのズレが大きいときには、フィードバックのアタック度合いを弱める加工処理を行うことで、非シンクロ感に起因するプレーヤの違和感を低減できる。具体的には、キータイミングとフィードバックの出力タイミングのズレの大きさによって、フィードバックのアタックの弱め度合いを変化させる加工処理を行うようにする。
【0093】
図5は本実施形態の手法を説明するフローチャートである。まずゲームシステムは、プレーヤの入力操作の入力タイミングを取得する(ステップS1)。例えば画像更新が行われる1フレームの時間間隔よりも短い時間間隔で入力タイミングが取得される。1フレームは例えば1/60秒等であり、この1フレームの期間内において複数回の入力タイミングが取得される。そして入力操作の入力タイミングに基づく判定処理を実行する(ステップS2)。一例としては
図4(B)においてキータイミングである基準タイミングと入力タイミングを比較する判定処理が行われる。
【0094】
次にゲームシステムは、入力操作に対応してプレーヤに出力されるフィードバックの遅延時間情報を取得する(ステップS3)。例えば測定部106により測定された遅延時間情報を取得する。そして遅延時間情報に基づいてフィードバック処理の加工処理を実行する(ステップS4)。具体的には後述の
図7で説明するような加工処理を実行する。そして加工処理が行われたフィードバックをプレーヤに対して出力する処理を実行する(ステップS5)。
図4(A)、
図4(B)を例にとれば、プレーヤが太鼓型ゲームコントローラを用いて行った入力操作に対応するフィードバックとして、遅延時間情報に基づく加工処理が行われたフィードバック音を出力する。
【0095】
図6は、遅延時間情報を測定して加工処理を行う手法を説明するフローチャートである。まずゲームシステムは、遅延情報の測定タイミングか否かを判断する(ステップS11)。例えば所与の時間単位毎に遅延量情報である遅延時間情報を測定する場合には、測定タイミングは時間単位毎のタイミングになる。そして現在のタイミングが測定タイミングである場合には、例えばネットワークの通信遅延時間等のフィードバックの遅延時間情報を測定する(ステップS12)。例えばネットワークの通信遅延時間は端末装置がpingを送信することで測定することができ、ゲームシステムは端末装置での測定結果を取得することでフィードバックの遅延時間情報を測定する。そして測定された遅延時間情報を記憶部に記憶する。例えば
図1の遅延時間情報記憶部172に記憶する(ステップS13)。
【0096】
次にゲームシステムはプレーヤの入力操作が行われたかを判断する(ステップS14)。そして入力操作が行われた場合には、測定された遅延時間情報に基づいて、入力操作に対応するフィードバックの加工処理を実行し、加工処理が行われたフィードバックをプレーヤに対して出力する処理を実行する(ステップS15)。例えばフィードバックを出力することを端末装置に対して指示する処理を行う。
【0097】
このように
図6では、所与の測定タイミング毎に遅延時間情報を測定し、測定タイミングで測定された遅延時間情報に基づいて、フィードバックに対して動的に加工処理を行っている。このようにすれば、ネットワーク、ハードウェア又はソフトウェアなどの環境による要因により遅延時間情報により表される遅延時間が変動した場合にも、この変動する遅延時間情報を測定して、フィードバックに対して行われる加工処理の内容を動的に変化させることが可能になる。従って、種々の環境に応じた適切な加工処理をフィードバックに対して行ってプレーヤに出力できるようになる。
【0098】
図7はフィードバックの加工処理の一例を示す図である。TR1~TR7はキータイミングである基準タイミングである。この基準タイミングTR1~TR7に入力タイミングが一致するようにプレーヤは入力操作を行い、この入力操作に対応するフィードバックがプレーヤに対して出力される。
【0099】
そして
図7のA2、A3では、A1に比べてフィードバックの出力が遅延しており、この遅延時間に応じた加工処理がフィードバックに対して行われている。例えばフィードバックがフィードバック音である場合には、
図7の縦軸方向が音量に対応し、横軸方向が時間に対応する。そして
図7では、遅延時間情報により表される遅延時間に応じて、フィードバック音の音量を変更する処理が、加工処理として行われている。例えば
図7のA2、A3では遅延時間の大きさが異なっており、フィードバック音の音量を変更する加工処理の内容が異なっている。このように遅延時間情報に基づいてフィードバック音の音量を制御することで、遅延時間情報により表される遅延時間に応じて、フィードバック音の音量が変化するようになる。従って、例えば遅延時間が大きい場合には、フィードバック音がプレーヤの聴覚に感じにくくなるような音量制御が可能になり、フィードバック音の出力タイミングの遅延により発生する違和感を軽減することが可能になる。
【0100】
具体的には
図7では、遅延時間情報に基づいて、フィードバック音の音量エンベロープを変更する処理を、加工処理として行っている。例えば
図7のA1では基準タイミングTR1に対するフィードバック音の遅延が殆ど無いため、立ち上がりタイミングにおいて直ぐに最大音量になるような音量エンベロープのフィードバック音になっている。
【0101】
一方、
図7のA2では、基準タイミングTR2に対してフィードバック音が所与の遅延時間だけ遅れている。このため、立ち上がりタイミングにおいて、A1に比べて緩やかな傾斜で立ち上がるような音量エンベロープのフィードバック音になっている。即ち立ち上がりタイミングにおいて音量が徐々に上昇する音量エンベロープのフィードバック音になっている。またA3では、フィードバック音の遅延時間がA2での遅延時間よりも大きい。このためA3では、立ち上がりタイミングにおいて、A2に比べて更に緩やかな傾斜で立ち上がるような音量エンベロープのフィードバック音になっている。なおA4に示すように例えばプレーヤが基準タイミングよりも早いタイミングで入力操作を行った場合にもフィードバックの加工処理を行うようにしてもよい。
【0102】
このように
図7では、フィードバック音の遅延時間に応じて、フィードバック音の音量エンベロープが変更される加工処理が行われている。具体的には遅延時間が大きいほど、音量エンベロープの立ち上がりの傾斜が緩やかになるような加工処理が行われている。このようにすれば、フィードバック音の出力の遅延時間が大きい場合には、フィードバック音のアタック度合いが弱まる加工処理が行われるため、フィードバック音の出力のズレによる違和感を、プレーヤが感じにくくなるようにすることができる。一方、フィードバック音の遅延時間が小さい場合には、入力操作に対して通常のアタック度合いのフィードバック音が出力されるようになる。従って、プレーヤが気持ち良いと感じるシンクロ感でフィードバック音を出力できるようになり、音楽ゲームのプレイの気持ち良さや爽快感を維持できるようになる。
【0103】
なおフィードバックの遅延時間情報に基づく加工処理は、
図7で説明したようなフィードバック音の音量を変更する加工処理には限定されない。例えば遅延時間情報に基づいて、フィードバック音の音色又は音程を変更したり、フィードバック音の所定の周波数成分(例えば高周波数成分)の変更処理を行ったり、フィードバック音の波形信号のピークを変更する加工処理を行ってもよい。例えば遅延時間が大きいほど、プレーヤの聴覚に感じにくくなるような音色、音程、周波数成分又はピークを有するフィードバック音に加工する処理を行う。またフィードバックがフィードバック振動である場合には、遅延時間が大きいほど、フィードバック振動の振幅や周波数が小さくなるような加工処理を行えばよい。
【0104】
以上のように本実施形態では、入力操作に対応してプレーヤに出力されるフィードバックの遅延時間情報が測定され、測定された遅延時間情報に基づいて、フィードバックの加工処理が行われ、加工処理後のフィードバックがプレーヤに出力される。このようにすれば、フィードバックの遅延時間情報により表される遅延時間に応じた加工処理がフィードバックに対して行われて、プレーヤに出力されるようになる。例えば遅延時間が小さい場合にはフィードバックに対して第1の加工処理が行われ、遅延時間が大きい場合にはフィードバックに対して、第1の加工処理とは異なる第2の加工処理が行われるというように、遅延時間に応じて動的に変化する加工処理が行われるようになる。このように遅延時間に応じて動的に変化する加工処理をフィードバックに対して行ってプレーヤに出力することで、フィードバックの出力タイミングの遅延により発生する違和感を軽減できるゲームシステム等の提供が可能になる。
【0105】
例えばフィードバックの遅延時間が、画像の更新フレームである1フレーム(1/60秒)よりも十分に小さければ、フィードバックに対して加工処理を行わなかったり、加工処理の加工度合いが弱くても、プレーヤは殆ど違和感を感じない。そこで本実施形態では、遅延時間が小さい場合には、加工処理を行わないようにしたり、加工度合いが弱い加工処理を行うようにする。このようにすることで、入力操作に対して通常のフィードバックが直ぐに出力されるようになるため、プレーヤが気持ち良いと感じるシンクロ感でフィードバックを出力することが可能になる。
【0106】
一方、フィードバックの遅延時間が、例えば1フレームよりも大きくなったり、或いは数フレーム以上の遅延時間になった場合には、基準タイミングや入力タイミングに対するフィードバックの出力のズレにプレーヤが違和感を感じてしまう。この場合に本実施形態では、遅延時間が大きい場合には、遅延時間が小さい場合に比べて加工度合いが強い加工処理をフィードバックに対して行う。例えばプレーヤが聴覚又は触覚により感じにくくなるように加工されたフィードバックを出力する。このようにすることで、フィードバックの出力のズレをプレーヤが感じにくくなり、フィードバックの出力のズレに起因する違和感を効果的に低減できるようになる。
【0107】
例えば本実施形態の比較例の手法として、遅延時間を考慮せずに、フィードバックに対して画一的なフェードイン処理を行う手法が考えられる。しかしながら、この比較例の手法では、遅延時間が小さい場合も、大きい場合も、画一的に同一のフェードイン処理が行われてしまう。従って、フィードバックの遅延時間が小さく、基準タイミングとフィードバックの出力タイミングがほぼ一致している場合にも、フィードバックに対して画一的なフェードイン処理が行われてしまうため、プレーヤが感じるシンクロ感を損ねてしまう問題が発生する。またフィードバックの遅延時間が大きく、フィードバックの出力のズレが大きい場合には、画一的なフェードイン処理では、プレーヤの違和感を十分に軽減できなくなる問題も生じる。
【0108】
この点、本実施形態によれば、遅延時間に応じて動的に変化する加工処理がフィードバックに対して行われる。従って、例えば遅延時間が小さい場合には加工度合いを弱くし、遅延時間が大きい場合には加工度合いを強くするというような加工処理が可能になり、上記の比較例の手法で発生した問題を解決することが可能になる。
【0109】
また
図3に示すように本実施形態のゲームシステムは、端末装置10においてプレーヤが行った入力操作に対するフィードバックに対して加工処理を行い、加工処理が行われたフィードバックを端末装置10に対して出力する処理を行う。即ちサーバシステムであるゲームシステムはネットワーク510を介して端末装置10と通信接続されており、端末装置10でのプレーヤの入力操作の情報はネットワーク510を介して伝達されてゲームシステムが受け付ける。そしてゲームシステムは、受け付けた入力操作に対応するフィードバックを出力することを端末装置10に指示する。このようにすれば、ネットワーク510を介してゲームシステムと端末装置10が通信接続されるシステムにおいて、ゲームシステムが、端末装置10でのプレーヤの入力操作を受け付けて、入力操作に対応するフィードバックの加工処理を行い、加工処理後のフィードバックを端末装置10から出力できるようになる。
【0110】
また本実施形態では、端末装置10とゲームシステムとを通信接続するネットワーク510の通信遅延時間を、遅延時間情報として測定する。例えば端末装置10での入力操作の情報は、ネットワーク510を介してゲームシステムに伝達される。従って、端末装置10で入力操作が行われたタイミングから、ネットワーク510の通信遅延時間の分だけ遅れたタイミングで、ゲームシステムは当該入力操作を受け付けて、入力操作に対応するフィードバックの出力を端末装置10に指示することになる。従って、フィードバックの出力タイミングは、少なくともネットワーク510の通信遅延時間の分だけ遅れることになる。またゲームシステムによるフィードバックの出力指示のタイミングから、ネットワーク510の通信遅延時間の分だけ遅れたタイミングで、端末装置10はフィードバックを出力することになる。従って、ネットワーク510の通信遅延時間を測定することで、フィードバックの出力の遅延時間を特定できるようになる。これにより、遅延時間に応じた加工処理が行われたフィードバックを端末装置10から出力することが可能になる。
【0111】
なおネットワーク510の通信遅延時間としては、例えば所与の測定タイミング毎に測定された通信遅延時間の平均値等の統計値を用いることができる。そして端末装置10で入力操作が行われた場合には、その時点での通信遅延時間の統計値を遅延時間情報として、フィードバックの加工処理を行えばよい。またネットワーク510の通信遅延時間は例えば公知のpingを用いる手法などにより測定できる。またサーバシステムであるゲームシステムは、端末装置10に対してフィードバックの出力を指示するのみならず、出力されるフィードバックの内容を端末装置10に送信してもよい。例えばフィードバックに対してどのような加工処理を行うかをゲームシステムが端末装置10に指示し、端末装置10が指示された内容の加工処理を行う。
【0112】
また本実施形態では、フィードバックであるフィードバック音として、音楽ゲームにおけるプレーヤの演奏音をプレーヤに出力する処理を行っている。例えば
図4(A)、
図4(B)のようにプレーヤが太鼓型ゲームコントローラ20などの演奏用の操作部を操作すると、その入力操作に対応するフィードバック音として、演奏用の操作部による演奏音がプレーヤに出力される。
図4(A)、
図4(B)では、例えば「ドン」、「カツ」などの演奏音がフィードバック音として出力される。そして本実施形態では、この演奏音に対して、遅延時間情報に基づく加工処理が行われる。このようにすれば、基準タイミングと入力タイミングが一致している場合には、入力操作に対して殆ど同時に通常の演奏音が出力されるようになり、プレーヤが気持ち良いと感じるシンクロ感で演奏音を出力できるようなる。従って、音楽ゲームのプレイの気持ち良さや爽快感を維持できる。一方、プレーヤの演奏の入力操作が上手く行かず基準タイミングに対して入力タイミングがズレてしまった場合や、ネットワーク、ハードウェア又はソフトウェアの環境に起因する遅延が発生した場合には、演奏音に対して遅延時間に応じた加工処理が行われる。従って、基準タイミングに対する演奏音のズレをプレーヤが聴き取りにくくなり、演奏音がズレることによる違和感を低減することが可能になる。
【0113】
2.2 種々の処理例
次に本実施形態の種々の処理例について説明する。本実施形態では、フィードバックの種別に応じて、フィードバックに対して行われる加工処理の内容を異ならせる。例えばプレーヤに対するフィードバックが、フィードバック音であるか、或いはフィードバック振動であるかに応じて、加工処理の内容を異ならせる。例えばフィードバックの種別に応じて加工処理の強弱を異ならせたり、加工処理において行われる信号処理の内容を異ならせる。
【0114】
例えば
図7ではフィードバック音の音信号に対して音量を変更する加工処理を行っている。一方、フィードバック振動は、例えば低周波数帯域の音信号を振動発生デバイスに入力することで実現できる。例えば振動発生デバイスであるリニア振動モーターに対して、低周波数帯域の音信号を入力することで振動を発生させる。この場合に、フィードバック音を出力させる場合の音信号への加工処理と、フィードバック振動を出力させる場合の音信号への加工処理の内容を異ならせる。
図7ではフィードバック音の音信号の音量エンベロープを加工しているが、フィードバック音の場合とフィードバック振動の場合とで、音量エンベロープの加工処理の内容を異ならせる。即ちフィードバックの種別に応じて加工処理の内容を異ならせる。このようにすれば、フィードバックの種別に応じた適切な加工内容で、フィードバックの加工処理を実行できるようになる。
【0115】
図8は、フィードバックの種別を判断して加工処理を行う手法を説明するフローチャートである。まずゲームシステムは、プレーヤの入力操作が行われたかを判断し、入力操作が行われた場合には、入力操作に対応してプレーヤに出力されるフィードバックの種別を判断する(ステップS21、S22)。例えばフィードバックがフィードバック音なのか、フィードバック振動なのかなどを判断する。或いは、フィードバック音が複数種類のフィードバック音に分類されている場合には、どの種別の分類に属するフィードバック音なのかを判断する。そしてフィードバックの種別に応じたフィードバックの加工処理を行い、加工処理が行われたフィードバックをプレーヤに対して出力する処理を実行する(ステップS23、S24)。例えば
図2のフィードバック情報記憶部176には、フィードバックの種別ごとに分類されて、フィードバックの内容を特定するフィードバック情報が記憶されている。そしてフィードバックの種別が判別されると、対応する種別のフィードバック情報がフィードバック情報記憶部176から読み出されて、読み出されたフィードバック情報を用いて、加工処理が行われたフィードバックの出力処理が行われることになる。
【0116】
また本実施形態では、基準タイミングと入力タイミングとの比較を行うことで入力操作の評価処理を行い、フィードバックと評価処理の結果を、プレーヤに出力する処理を行う。この場合にフィードバックの遅延時間情報は、基準タイミングに対する入力タイミングの遅延時間の情報を含むことになる。
【0117】
例えば
図9(A)では基準タイミングTR1、TR2、TR3、TR4と入力タイミングTI1、TI2、TI3、TI4の比較が行われている。
図4(A)、
図4(B)を例にとれば、基準タイミングTR1、TR2、TR3、TR4は、音符マーク44、45、46、47が判定ライン42を通過するタイミングである。入力タイミングTI1、TI2、TI3、TI4は、太鼓型ゲームコントローラ20の太鼓本体22をプレーヤが叩く入力操作を行うタイミングである。そして
図9(B)に示すように、基準タイミングTRに対する入力タイミングのズレが少ないほど、プレーヤの入力操作に対して高い評価が与えられる。即ち、ズレが最小限である場合には、「エクセレント」の評価が与えられ、エクセレントの場合よりもズレが大きい場合には「グッド」の評価が与えられる。ズレが非常に大きく、入力操作が失敗であると判断される場合には「バッド」の評価が与えられる。このように本実施形態では、基準タイミングとの入力タイミングの比較を行うことで、プレーヤの入力操作が評価され、評価結果である「エクセレント」、「グッド」又は「バッド」がプレーヤに対して出力(表示)される。そして、このような評価処理が行われる場合に、フィードバックの遅延時間は、基準タイミングに対する入力タイミングの遅延時間の情報を含むことになる。このようにすれば、基準タイミングと入力タイミングを比較してプレーヤの入力操作を評価するシステムにおいて、基準タイミングに対する入力タイミングの遅延に応じた加工処理をフィードバックに対して行うことが可能になる。即ち、プレーヤのゲームプレイのスキルが低い場合には、基準タイミングに対する入力タイミングの遅延時間が大きくなり、この遅延時間が原因でフィードバックの遅延時間も大きくなる。これにより
図7のA2、A3に示すように、例えば音量エンベロープの立ち上がりを緩やかにするような加工処理が行われる。即ち、フィードバックの出力がプレーヤに感じにくくなるような加工処理が行われる。従って、例えばプレーヤの入力操作の遅れが原因でフィードバックの出力が遅延した場合にも、フィードバックの出力の遅延を原因としてプレーヤが感じる違和感を低減できるようになる。
【0118】
図10は、プレーヤの入力操作の評価処理に応じた加工処理を行う手法を説明するフローチャートである。まずゲームシステムは、プレーヤの入力操作が行われたかを判断し、入力操作が行われた場合には、基準タイミングと、プレーヤの入力操作の入力タイミングを比較する(ステップS31、S32)。即ち
図9(A)で説明したような基準タイミングと入力タイミングの比較処理を行う。そして比較結果に基づくプレーヤの入力操作の評価処理を実行する(ステップS33)。即ち
図9(B)で説明したようなプレーヤの入力操作の評価処理を行う。次に評価処理の結果に応じたフィードバックの加工処理を行って、加工処理が行われたフィードバックをプレーヤに対して出力する処理を実行する(ステップS34、S35)。
【0119】
このように
図10では、プレーヤの入力操作の評価処理の結果に応じたフィードバックの加工処理を行っている。例えば
図9(B)においてプレーヤの入力操作の評価結果が、「エクセレント」、「グッド」又は「バッド」かに応じて、フィードバックの加工処理の内容を異ならせる。例えば入力操作の評価結果が「エクセレント」である場合には、基準タイミングに対する入力タイミングのズレは最小限であり、このためフィードバックの遅延時間も小さいと考えられる。従って、例えば
図7のA1に示すように加工処理を行わないようにしたり、加工処理の加工度合いを最小限にする。また入力操作の評価結果が「グッド」である場合には、基準タイミングに対する入力タイミングのズレは少なく、このためフィードバックの遅延時間もあまり大きくないと考えられる。従って、加工度合いが最小限の加工処理を行ったり、例えば
図7のA2に示すように加工度合いが弱い加工処理を行うようにする。また入力操作の評価結果が「バッド」である場合には、基準タイミングに対する入力タイミングのズレが大きく、このためフィードバックの遅延時間も大きいと考えられる。従って、例えば
図7のA3に示すように、加工度合いが強い加工処理を行うようにする。このようにプレーヤの入力操作の評価処理の結果に応じたフィードバックの加工処理を行うようにすれば、プレーヤの入力操作の評価結果を有効利用して、加工処理の強弱等の加工内容を決定して、決定された加工内容の加工処理をフィードバックに対して行うことが可能になる。従って、プレーヤの入力操作のズレ等を反映させた効果的なフィードバックの加工処理を簡素に実現することが可能になる。
【0120】
また本実施形態では、遅延時間情報により表される遅延時間が所与のしきい値(しきい値時間)を超えた場合には、フィードバックをプレーヤに出力せずに、評価処理の結果をプレーヤに出力する処理を行う。即ちフィードバックと評価処理の結果のうち、評価処理の結果だけをプレーヤに出力する。
【0121】
例えば
図11では、基準タイミングTRiに対するフィードバックの出力タイミングTFiの遅延時間であるTFi-TRiが、しきい値TTHを越えている。例えば遅延時間TFi-TRiが非常に大きくなり、例えば複数フレーム以上(例えば2~4フレーム以上)の遅延時間になっている。この場合にはフィードバックの出力をオフにして、入力操作の評価結果のみを出力する。
図4(A)、
図4(B)や
図7を例にとれば、プレーヤの演奏の入力操作のフィードバックである演奏音の出力をオフにして、「バッド」などの評価結果のみをプレーヤに出力する。即ち、フィードバックの遅延時間がしきい値TTHを越えるぐらいに大きい場合には、加工度合いが強い加工処理を行ったとしても、フィードバックの出力が大きくズレていることをプレーヤは感じてしまい、プレーヤの違和感が非常に大きくなってしまう。そこで、このような場合には、フィードバックの出力をオフにして、フィードバックが遅れて出力されることによる違和感をプレーヤが感じないようにする。そして、プレーヤの入力操作の評価結果については出力することで、プレーヤは、例えば自身の入力操作の遅れが原因で、入力操作に対応するフィードバックが出力されないことを認識できるようになり、プレーヤが納得できる出力処理の実現が可能になる。また例えばネットワークの通信遅延時間が、加工処理を行ったとしてもごまかしきれないほどの遅延時間になってしまった場合には、潔くフィードバック音などのフィードバック出力をオフすることで、プレーヤが違和感を感じにくくなる。
【0122】
図12は、遅延時間がしきい値を越えた場合にフィードバックの出力をオフにして入力操作の評価結果だけを出力する手法を説明するフローチャートである。まずゲームシステムは、プレーヤの入力操作に対応して出力されるフィードバックの遅延時間がしきい値TTHを越えたか否かを判断する(ステップS41)。例えば
図11において、基準タイミングTRiに対するフィードバックの出力タイミングTFiの遅延時間であるTFi-TRiがしきい値TTHを越えたか否かを判断する。そしてフィードバックの遅延時間がしきい値TTHを越えていない場合には、フィードバックの加工処理を行い、加工処理が行われたフィードバック及び入力操作の評価結果をプレーヤに対して出力する処理を実行する(ステップS42、S43)。即ち、通常通りにフィードバック及び評価結果をプレーヤに対して出力する。一方、フィードバックの遅延時間がしきい値を越えた場合には、フィードバックの出力をオフにして、入力操作の評価結果のみを出力する処理を実行する(ステップS44)。即ち、音楽ゲームを例にとれば、プレーヤが演奏用の操作部を操作することによる演奏音については出力せずに、プレーヤの演奏の入力操作に対する評価結果だけを出力する。
【0123】
また本実施形態では、遅延時間情報により表される遅延時間(遅延量)が所与の時間(所与の値)を越えた場合には、その後に遅延時間が所与の時間を下回った場合にも、遅延時間が所与の時間を超えたときの加工処理を継続して行う。例えば、一旦、ある程度の遅延時間(遅延量)が測定された場合には、その後に遅延時間が小さくなったときにも、加工処理を維持して行うようにする。そして例えば評価結果が基準内である場合にのみ正常なフィードバックを出力するようにする。例えばプレーヤのプレイ期間内での遅延時間の大小によって、加工処理の加工度合いが頻繁に変わったり、大幅に変わると、プレーヤは違和感を感じてしまう。そこで、遅延時間が所与の時間を越えて、その遅延時間に対応するフィードバックの加工処理を行った場合には、その後の遅延時間の変動に依存せずに、所与の期間の間、フィードバックに対して当該加工処理を継続して行うようにする。このようにすれば、フィードバックに対する加工処理の加工度合いが、頻繁に変化したり、大幅に変動するなどの事態が抑制され、プレーヤが感じる違和感を低減できるようになる。
【0124】
図13は、遅延時間が所与の時間を越えた場合にそのときの加工処理を継続して行う手法を説明するフローチャートである。まずゲームシステムは、プレーヤの入力操作に対応して出力されるフィードバックの遅延時間が所与の時間を越えたか否かを判断する(ステップS51)。例えばフィードバックの遅延時間が、しきい値として設定された時間を越えたか否かを判断する。そして遅延時間が所与の時間を越えた場合には、所与の時間を越えたときの加工処理を継続する継続フラグをオンにする(ステップS52)。このように継続フラグがオンになると、その後にフィードバックの遅延時間が変動した場合にも、遅延時間が所与の時間を越えたときの加工処理が継続して行われるようになる。即ち、遅延時間が所与の時間を越えたときの加工度度合いの加工処理が継続して行われる。そして加工処理の継続期間が経過したか否かを判断し、継続期間が経過した場合には、継続フラグをオフにする(ステップS54)。例えば継続フラグがオンになって加工処理を継続する継続期間の長さが予め設定されており、この継続期間の間は、遅延時間が所与の時間を越えたときの加工処理が継続して行われる。そして継続期間が経過すると、継続フラグがオンからオフになり、加工処理の継続処理が終了する。そしてその後は、フィードバックの遅延時間に応じた加工処理が行われるようになる。
【0125】
また本実施形態では、ゲーム状況が所与の状況の場合に、遅延時間情報に基づく加工処理が行われたフィードバックに代えて、所与の状況用のフィードバックをプレーヤに出力する処理を行う。即ちゲーム状況が所与の状況になった場合には、遅延時間情報に基づく通常の加工処理は行わずに、所与の状況用に用意されたフィードバックをプレーヤに出力するようにする。
【0126】
例えば
図14は、所与の状況が、プレーヤが連打の入力操作を行うことを要求される状況である場合の例である。この場合には
図14に示すように、譜面表示エリア40には、連打の入力操作を行うことをプレーヤに指示する連打マーク48が表示される。このような連打マーク48が表示されると、プレーヤは、例えば連打マーク48の左端が判定ライン42に達してから、連打マーク48の右端が判定ライン42を通過するまでの期間において、
図4(A)の太鼓型ゲームコントローラ20の太鼓本体22を連打する入力操作を行う。そして連打に成功するとプレーヤに対して高い得点が付与される。
【0127】
図14のようにゲーム状況が連打の状況になったときに、
図7に示すように遅延時間に応じたフィードバックの加工処理を行ってしまうと、プレーヤが違和感を感じるようなフィードバックが出力されてしまうおそれがある。従って、この場合には、連打の状況用のフィードバックをプレーヤに出力するようにする。例えば連打用に自動補正されたり自動生成されたフィードバック音等のフィードバックを出力する。例えばプレーヤの連打の入力操作になるべく同期するように自動補正又は自動生成されたフィードバックを出力する。或いは連打の状況用に予め用意された固定パターンのフィードバックを出力する。例えば音楽である楽曲(BGM)に合わせた連打音となるフィードバックを出力する。即ち、このような連打の状況のときにも、遅延時間に応じたフィードバックの加工処理を行ってしまうと、ゲームプレイの気持ち良さが低減してしまう。そこで、入力操作と演奏音の整合性があまり必要とされない連打のときには、歯切れの良い連打音をプレーヤに聞かせてあげるようにする。このようにすれば、ゲーム状況が所与の状況の場合に、その所与の状況に適合したフィードバックを出力できるようになり、プレーヤが感じる違和感の低減等を図れるようになる。
【0128】
図15は、ゲーム状況が所与の状況の場合に所与の状況用のフィードバックを出力する手法を説明するフローチャートである。まずゲームシステムは、ゲーム状況が所与の状況か否かを判断する(ステップS61)。例えば
図14に示すような連打の状況か否かを判断する。そしてゲーム状況が所与の状況ではない場合には、フィードバックの加工処理を実行して、加工処理が行われたフィードバックをプレーヤに対して出力する処理を実行する(ステップS62、S63)。即ち、通常通りに、遅延時間に応じた加工処理が行われたフィードバックをプレーヤに出力する。一方、ゲーム状況が所与の状況の場合には、所与の状況用のフィードバックをプレーヤに対して出力する処理を実行する(ステップS64)。即ち、遅延時間に応じた加工処理が行われたフィードバックに代えて、所与の状況用に自動補正されたり自動生成されたフィードバックや固定パターンのフィードバックをプレーヤに出力する。
【0129】
また本実施形態では、フィードバックであるフィードバック音と共にプレーヤに出力される音楽の音量を、遅延時間情報に基づいて制御する。例えば音楽ゲームにおいて、BGMとして出力される音楽の再生の音量を、遅延時間情報に基づき制御する。例えば、プレーヤに出力される音楽における基準タイミングに合わせて、プレーヤが演奏の入力操作を行う音楽ゲームにおいて、出力される音楽である楽曲の音量を、フィードバックの遅延時間情報に基づいて制御する。具体的には、フィードバックの遅延時間情報により表される遅延時間が大きくなるほど、音楽の音量を大きくする。例えばフィードバック音の音量に対する相対的な音楽の音量を大きくする。このようにフィードバック音と共に出力される音楽の音量を大きくすることで、音楽における演奏音となるフィードバック音が相対的に目立たなくなる。従って、フィードバック音が遅延することによりプレーヤが感じる違和感を低減することが可能になる。
【0130】
図16は、遅延時間情報に基づいて加工処理を行うと共に音楽の音量を制御する手法を説明するフローチャートである。まずゲームシステムは、プレーヤの入力操作が行われたかを判断し、入力操作が行われた場合には、フィードバックの遅延時間情報に基づいて、フィードバック音の加工処理を実行する(ステップS71、S72)。また遅延時間情報に基づいて、フィードバック音と共に出力される音楽の音量を制御する(ステップS73)。例えばフィードバック音の遅延時間が大きいほど、音楽の音量を大きくする。そして加工処理が行われたフィードバック音と、遅延時間情報に基づき音量が制御される音楽をプレーヤに対して出力する処理を実行する(ステップS74)。
【0131】
また本実施形態では、プレーヤ以外の他のプレーヤの情報に基づいて、フィードバックの加工処理を行う。例えば他のプレーヤについての遅延時間情報も反映させたフィードバックの加工処理を行う。例えば
図17では、複数のプレーヤがゲームをプレイする複数の端末装置TM1~TMnが、ネットワーク510を介してプレーヤデータベース179に通信接続されている。そしてプレーヤデータベース179には、端末装置TM1~TMnでプレイするプレーヤについての遅延時間に関係する情報が蓄積されている。そしてプレーヤデータベース179に蓄積された情報に基づいて、各プレーヤについてのフィードバックの加工処理を行う。例えばプレーヤデータベース179に蓄積された情報に基づいて、遅延時間情報(フィードバックのズレ量)の設定処理を行い、設定された遅延時間情報に基づいてフィードバックの加工処理を実行する。例えばプレーヤが初めてゲームをプレイする際には、どのような基準で、遅延時間情報に基づく加工処理を行うかが定まっていない。そこでプレーヤデータベース179に記憶された他のプレーヤの情報に基づいて、フィードバックに対してどのような加工処理を行うかについての初期設定を行う。例えばフィードバックの遅延時間に応じて、どのような加工度合いの加工処理を行うのかを、プレーヤデータベース179に記憶された情報をビックデータとして用いて、決定する。例えば、ゲームに参加する各プレーヤの通信環境は様々である。そこで通信遅延時間を遅延時間情報として加工処理を行う場合に、通信遅延時間に基づいてどのような加工度合いの加工処理を行うのが適切なのかを、プレーヤデータベース179に記憶された情報に基づいて判断する。このようにすれば、プレーヤ以外の他のプレーヤの情報も加味して、遅延時間情報に基づく加工処理を実行できるようになる。
【0132】
また本実施形態では、プレーヤによるオプション選択により、フィードバックの加工処理のオン又はオフを行う。即ちプレーヤが、自身の選択により、フィードバックの加工処理をオンにして有効にしたり、フィードバックの加工処理をオフにして無効にできるようにする。
【0133】
例えば
図18にオプション設定の画面の例を示す。
図18のオプション設定の画面は、プレーヤがプレイする端末装置の表示部に表示される。プレーヤは、表示部に表示されるオプション設定の画面において、フィードバックの加工処理をオンにするか、オフにするかを選択する。プレーヤが、フィードバックの加工処理をオン(有効)にする設定を行うと、
図7で説明したような遅延時間情報に基づくフィードバックの加工処理が行われるようになる。即ち、プレーヤが入力操作を行うと、遅延時間情報に基づき加工処理が行われたフィードバックが出力されるようになる。一方、プレーヤが、フィードバックの加工処理をオフ(無効)にする設定を行うと、遅延時間情報に基づくフィードバックの加工処理は行われないようになる。例えばプレーヤが入力操作を行うと、加工処理が行われないフィードバックが出力されるようになる。このようにすれば、遅延時間情報に基づく加工処理をフィードバックに対して行うか否かを、プレーヤの意思により任意に選択できるようになり、プレーヤの利便性等を向上できる。
【0134】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また判定処理、フィードバック処理、測定処理、加工処理等も本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本開示の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0135】
TM1~TMn、TM 端末装置、TR、TR1~TR6…基準タイミング、
TI1~TI4…入力タイミング、TFi…出力タイミング、TTH…しきい値、
10…端末装置、20…太鼓型ゲームコントローラ、22…太鼓本体、
24…パッド部、26…リム部、30、32…棒状部材、
40…譜面表示エリア、42…判定ライン、
44、45、46、47…音符マーク、48…連打マーク、
100…処理部、102…判定部、104…フィードバック処理部、106…測定部、l
108…ゲーム処理部、112…管理部、120…表示処理部、130…音処理部、
160…操作部、170…記憶部、172…遅延情報記憶部、
174…基準タイミング情報記憶部、176…フィードバック情報記憶部、
178…ユーザ情報記憶部、180…情報記憶媒体、
190…表示部、192…音出力部、194…I/F部、
195…携帯型情報記憶媒体、196…通信部、
500…サーバシステム、510…ネットワーク