(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】プラズマ処理を統合したビームラインアーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/265 20060101AFI20240528BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20240528BHJP
H01J 37/317 20060101ALI20240528BHJP
H01J 37/20 20060101ALI20240528BHJP
H01J 37/18 20060101ALI20240528BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
H01L21/265 603Z
H01L21/02 Z
H01J37/317 Z
H01J37/20 Z
H01J37/18
H01L21/265 Z
H01L21/68 A
(21)【出願番号】P 2021576470
(86)(22)【出願日】2020-05-12
(86)【国際出願番号】 US2020032506
(87)【国際公開番号】W WO2020263443
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2022-02-18
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ハテム, クリストファー アール.
(72)【発明者】
【氏名】ローランド, クリストファー エー.
(72)【発明者】
【氏名】オルソン, ジョセフ シー.
【審査官】桑原 清
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0200493(US,A1)
【文献】特開2000-100922(JP,A)
【文献】特表2011-514652(JP,A)
【文献】特開2004-200323(JP,A)
【文献】特表2019-517736(JP,A)
【文献】特開2002-148011(JP,A)
【文献】特表2005-531148(JP,A)
【文献】特表2013-514673(JP,A)
【文献】特表2001-511608(JP,A)
【文献】特開2001-168046(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/265
H01L 21/02
H01J 37/317
H01J 37/20
H01J 37/18
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビームラインアーキテクチャであって、
ウエハハンドリングチャンバと、
前記ウエハハンドリングチャンバに結合され、イオン注入前プロセス及びイオン注入後プロセスのうちの少なくとも1つをワークピースに実行するためのプラズマ源を含むプラズマチャンバと、
前記ウエハハンドリングチャンバに結合され、イオン注入プロセスをワークピースに実行するように適合されたプロセスチャンバと、
前記ウエハハンドリングチャンバと前記プラズマチャンバとの間に配置された移送チャンバであって、前記ウエハハンドリングチャンバ及び前記プラズマチャンバに対して密閉可能である、移送チャンバと、
前記移送チャンバ内に配置された計測構成要素
であって、前記プラズマチャンバ内のワークピースにどのプロセスを実行するかを決定するために、前記ワークピースの表面の自然酸化物の検出及び測定、並びに前記ワークピースの表面に堆積された膜の厚さ及び組成の測定、のうちの1又は複数を容易にする、計測構成要素と
を備える、ビームラインアーキテクチャ。
【請求項2】
前記プラズマチャンバを前記ウエハハンドリングチャンバ及び前記プロセスチャンバから密閉するために、前記ウエハハンドリングチャンバと前記プラズマチャンバとの間に配置されたバルブを更に備える、請求項1に記載のビームラインアーキテクチャ。
【請求項3】
前記プラズマチャンバと前記プロセスチャンバとの間でワークピースを移動させるために、前記ウエハハンドリングチャンバ内に配置された真空ロボットを更に備える、請求項1に記載のビームラインアーキテクチャ。
【請求項4】
前記プラズマチャンバは、プラズマ前洗浄プロセス、プラズマ化学気相堆積プロセス、プラズマアニーリングプロセス、予熱プロセス、及びエッチングプロセスのうちの少なくとも1つを実行するように適合される、請求項1に記載のビームラインアーキテクチャ。
【請求項5】
前記プラズマチャンバ内の圧力と前記プロセスチャンバ内の圧力は互いに独立して変化させることができる、請求項1に記載のビームラインアーキテクチャ。
【請求項6】
前記ウエハハンドリングチャンバ内に配置された計測構成要素を更に備える、請求項1に記載のビームラインアーキテクチャ。
【請求項7】
前記ウエハハンドリングチャンバと前記プラズマチャンバとの間でワークピースを移動させるために、前記移送チャンバ内に配置された移送ロボットを更に備える、請求項1に記載のビームラインアーキテクチャ。
【請求項8】
大気環境と前記ウエハハンドリングチャンバとの間のワークピースの移送を容易にするために、前記ウエハハンドリングチャンバに結合されたロードロックを更に備える、請求項1に記載のビームラインアーキテクチャ。
【請求項9】
前記ウエハハンドリングチャンバ内に配置されたアライメントステーションを更に備える、請求項1に記載のビームラインアーキテクチャ。
【請求項10】
ビームラインアーキテクチャであって、
ウエハハンドリングチャンバと、
大気環境と前記ウエハハンドリングチャンバとの間のワークピースの移送を容易にするために、前記ウエハハンドリングチャンバに結合されたロードロックと、
前記ウエハハンドリングチャンバに結合され、プラズマ前洗浄プロセス、プラズマ化学気相堆積プロセス、プラズマアニーリングプロセス、予熱プロセス、及びエッチングプロセスのうちの少なくとも1つをワークピースに実行するためのプラズマ源を含むプラズマチャンバと、
前記ウエハハンドリングチャンバに結合され、イオン注入プロセスをワークピースに実行するように適合されたプロセスチャンバと、
前記ウエハハンドリングチャンバと前記プラズマチャンバとの間に配置された移送チャンバであって、前記ウエハハンドリングチャンバ及び前記プラズマチャンバに対して密閉可能である、移送チャンバと、
前記移送チャンバ内に配置された計測構成要素
であって、前記プラズマチャンバ内のワークピースにどのプロセスを実行するかを決定するために、前記ワークピースの表面の自然酸化物の検出及び測定、並びに前記ワークピースの表面に堆積された膜の厚さ及び組成の測定、のうちの1又は複数を容易にする、計測構成要素と、
前記プラズマチャンバを前記ウエハハンドリングチャンバ及び前記プロセスチャンバから密閉するために、前記ウエハハンドリングチャンバと前記移送チャンバとの間に配置されたバルブ、及び前記移送チャンバと前記プラズマチャンバとの間に配置されたバルブと
を備え、前記プラズマチャンバ内の圧力及び前記プロセスチャンバ内の圧力は互いに独立して変化させることができる、ビームラインアーキテクチャ。
【請求項11】
ウエハハンドリングチャンバと、前記ウエハハンドリングチャンバに結合されたプラズマチャンバと、前記ウエハハンドリングチャンバに結合されたプロセスチャンバとを含むビームラインアーキテクチャを操作する方法であって、
前記ウエハハンドリングチャンバから前記プラズマチャンバにワークピースを移動させることであって、前記ウエハハンドリングチャンバと前記プラズマチャンバとの間に配置された移送チャンバに前記ワークピースを移動させることを含み、前記移送チャンバは前記ウエハハンドリングチャンバ及び前記プラズマチャンバに対して密閉可能である、前記ウエハハンドリングチャンバから前記プラズマチャンバにワークピースを移動させることと、
前記プラズマチャンバ内の前記ワークピースにどのプロセスを実行するかを決定するために、前記移送チャンバ内に配置された計測構成要素へと前記ワークピースを移動させて、前記ワークピースの表面の汚染物質と表面の特徴のうちの少なくとも1つを測定することと、
イオン注入前プロセス及びイオン注入後プロセスのうちの少なくとも1つを前記ワークピースに実行することと、
前記ウエハハンドリングチャンバから前記プロセスチャンバに前記ワークピースを移動させて、イオン注入プロセスを前記ワークピースに実行することと
を含む、方法。
【請求項12】
イオン注入前プロセス及びイオン注入後プロセスのうちの少なくとも1つを前記ワークピースに実行することは、イオン注入プロセスを前記ワークピースに実行する前に、プラズマ前洗浄プロセス、プラズマ化学気相堆積プロセス、及び予熱プロセスのうちの少なくとも1つを前記ワークピースに実行することを含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
イオン注入前プロセス及びイオン注入後プロセスのうちの少なくとも1つを前記ワークピースに実行することは、イオン注入プロセスを前記ワークピースに実行した後に、プラズマ化学気相堆積プロセス、プラズマアニーリングプロセス、及びエッチングプロセスのうちの少なくとも1つを前記ワークピースに実行することを含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項14】
前記プラズマチャンバを前記ウエハハンドリングチャンバ及び前記プロセスチャンバに対して密閉することを更に含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項15】
前記プラズマチャンバ内の圧力を前記ウエハハンドリングチャンバ及び前記プロセスチャンバ内の圧力に対して変化させることを更に含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記ウエハハンドリングチャンバに結合されたロードロックに前記ワークピースを移動させて、大気環境と前記ウエハハンドリングチャンバとの間で前記ワークピースを移送することを更に含む、請求項
11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は概して、半導体デバイス製造の分野に関し、より具体的には、プラズマ処理を統合したビームラインイオン注入アーキテクチャに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]電子部品の小型化、複雑化、高性能化に伴い、上記部品に用いられる半導体デバイスは、欠陥、不純物、及び均一性に関する公差が益々限定される。イオン注入が半導体ウエハに実行される場合、イオン注入前のウエハ表面に存在する自然酸化物、有機汚染物質によってだけでなく、イオン注入後に残留する残留堆積物、エッチング/スパッタリング残渣、及びポリマー化学物質等の残留物質の存在によって、ウエハの構造、純度、及び均一性がいずれも悪影響を受ける可能性がある。したがって、イオン注入の前後に半導体ウエハから表面汚染物質を除去することは、最新の用途における性能を最適化するために有益又は必要となり得る。ウエハのスループットに悪影響を与えず、かつウエハを(ウエハに表面汚染物質をもたらす)大気に暴露しない効率的でコスト効率の良い方法でこのような除去を実行するのに、従来は大きな課題に直面してきた。
【0003】
[0003]これら及び他の考慮事項に関して、本改良は有用であり得る。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本概要は、概念の一部を簡略化して紹介するために提供されるものである。本概要は、請求項に係る主題の主要な特徴又は必須の特徴を特定することを意図したものではなく、また請求項に係る主題の範囲を決定する際の補助として意図されるものでもない。
【0005】
[0005]本開示の実施形態に係るビームラインアーキテクチャの例示的な実施形態は、ウエハハンドリングチャンバと、ウエハハンドリングチャンバに結合され、イオン注入前プロセス及びイオン注入後プロセスのうちの少なくとも1つをワークピースに実行するためのプラズマ源を含むプラズマチャンバと、ウエハハンドリングチャンバに結合され、イオン注入プロセスをワークピースに実行するように適合されたプロセスチャンバとを含み得る。
【0006】
[0006]本開示の実施形態に係るビームラインアーキテクチャの別の例示的な実施形態は、ウエハハンドリングチャンバと、大気環境とウエハハンドリングチャンバとの間のワークピースの移送を容易にするために、ウエハハンドリングチャンバに結合されたロードロックと、ウエハハンドリングチャンバに結合され、プラズマ前洗浄プロセス、プラズマ化学気相堆積プロセス、プラズマアニーリングプロセス、予熱プロセス、及びエッチングプロセスのうちの少なくとも1つをワークピースに実行するためのプラズマ源を含むプラズマチャンバと、ウエハハンドリングチャンバに結合され、イオン注入プロセスをワークピースに実行するように適合されたプロセスチャンバと、プラズマチャンバをウエハハンドリングチャンバ及びプロセスチャンバから密閉するために、ウエハハンドリングチャンバとプラズマチャンバとの間に配置されたバルブであって、プラズマチャンバ内の圧力及びプロセスチャンバ内の圧力は互いに独立して変化させることができるバルブとを含み得る。
【0007】
[0007]本開示の実施形態に係るビームラインアーキテクチャを操作する方法の例示的な実施形態は、ウエハハンドリングチャンバからプラズマチャンバにワークピースを移動させることと、イオン注入前プロセス及びイオン注入後プロセスのうちの少なくとも1つをワークピースに実行することと、ウエハハンドリングチャンバからプロセスチャンバにワークピースを移動させて、イオン注入プロセスをワークピースに実行することとを含み得る。
【0008】
[0008]例として、開示の装置の様々な実施形態を、添付の図面を参照しながら、これから説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示に係るビームラインアーキテクチャの例示的な実施形態を示す平面図である。
【
図2】
図1に示すビームラインアーキテクチャを操作する例示的な方法を示すフロー図である。
【
図3】本開示に係るビームラインアーキテクチャの別の例示的な実施形態を示す平面図である。
【
図4】本開示に係るビームラインアーキテクチャの別の例示的な実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0013]以下に、幾つかの実施形態を示す添付図面を参照しながら、本実施形態についてより詳細に説明する。本開示の主題は、多くの異なる形態で具体化され得るものであり、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈すべきではない。これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなり、当業者に主題の範囲を完全に伝えるように提供される。図面において、同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0011】
[0014]
図1は、本開示の例示的な実施形態に係るビームラインアーキテクチャ10(以下、「アーキテクチャ10」)を示す図である。アーキテクチャ10は、1又は複数のキャリア12、バッファ14、入口ロードロック16、出口ロードロック18、ウエハハンドリングチャンバ20、プラズマチャンバ22、及びプロセスチャンバ24を含み得る。入口ロードロック16及び出口ロードロック18は、キャリア12及びバッファ14の大気環境と、ウエハハンドリングチャンバ20、プラズマチャンバ22、及びプロセスチャンバ24の真空環境との間の気密分離を維持しながら、以下で更に説明するようにそれらの間のワークピース(例えば、シリコンウエハ)の移送を容易にするためのそれぞれのバルブ16a、16b及び18a、18bを含み得る。
【0012】
[0015]バッファ14は、キャリア12から入口ロードロック16へ、及び出口ロードロック18からキャリア12へワークピースを移送するように構成された1又は複数の大気ロボット25を含み得る。ウエハハンドリングチャンバ20は、以下で更に説明するように、入口ロードロック16、プラズマチャンバ22、プロセスチャンバ24、及び出口ロードロック18の間でワークピースを移送するように構成された1又は複数の真空ロボット26を含み得る。ウエハハンドリングチャンバ20は、プロセスチャンバ24における処理の前に所望の方法でワークピースの向きを合わせるように構成されたアライメントステーション27を更に含み得る。例えば、アライメントステーション27は、ワークピースの向きを決定及び/又は調整するために、ワークピース上のノッチ又は他のしるしを検出するように構成され得る。ワークピースのアライメントが必要でない場合、アライメントステーション27は、単純なペデスタル又はスタンドを含み得る。また、アライメントステーション27は、基板識別等の追加機能を実行するようにも構成され得る。
【0013】
[0016]ウエハハンドリングチャンバ20は、様々な計測構成要素28を更に含み得る。計測構成要素28は、楕円偏光計、反射計、高温計等を含み得るが、これらに限定されない。計測構成要素28により、プラズマチャンバ22における処理の前後及び/又はプロセスチャンバ24における処理の前後のワークピースの様々な側面及び特徴の測定が容易になり得る。例えば、計測構成要素28により、ワークピースの表面の自然酸化物及び他の汚染物質の検出及び測定が容易になり得る。計測構成要素28により、ワークピースの表面に堆積された膜の厚さ及び組成の測定も容易になり得る。
【0014】
[0017]プロセスチャンバ24は、ウエハハンドリングチャンバ20に接続されていてよく、処理されるべきワークピースを受け入れ、処理中に上記ワークピースを所望の位置及び向きに保持するための整合、クランプ、及び/又は冷却機構を有するプラテン又はステージ30を含み得る。様々な実施形態では、プロセスチャンバ24は、そのイオン注入のためにワークピース上にイオンビームを投射するように構成された従来のビームラインイオン注入装置(以下、「イオン注入装置」)のプロセスチャンバであり得る。イオン注入装置(プロセスチャンバ24以外は図示せず)は、イオン源、分析電磁石、修正用磁石等を含むが、これらに限定されない様々な従来のビームライン構成要素を含み得る。様々な実施形態では、イオン注入装置は、所望の種を有する1又は複数の供給ガスのイオン源への導入に応答して、イオンビームをスポット型イオンビームとして生成し得る。本開示は、この点に関して限定されない。当業者に理解されるように、イオン注入装置は、イオンビームがイオン源からプラテン30に配置されたワークピースに伝播する際に、イオンビームを成形する、集束させる、加速する、減速する、及び/又は曲げるように適合された様々な追加のビーム処理構成要素を含み得る。例えば、イオン注入装置は、ワークピースに対して1又は複数の方向にイオンビームを走査するための静電スキャナを含み得る。
【0015】
[0018]プロセスチャンバ24と同様に、プラズマチャンバ22は、ウエハハンドリングチャンバ20に接続されていてよく、処理すべきワークピースを受け入れ、処理中に上記ワークピースを保持するためのプラテン又はステージ32を含み得る。プラズマチャンバ22とウエハハンドリングチャンバ20との接合部に、それらの間の気密分離を促進するために、バルブ31が実装され得る。したがって、プラズマチャンバ22内の圧力は、以下で更に説明するようにプラズマチャンバ22で実行される様々なプロセスに対応するために、ウエハハンドリングチャンバ20の真空環境とは独立して調節され得る。
【0016】
[0019]プラズマチャンバ22は、ガス源(図示せず)によってプラズマチャンバ22に供給されるガス種から高エネルギープラズマを生成するように構成されたプラズマ源34を含み得る。様々な実施形態では、プラズマ源34は、高周波(RF)プラズマ源(例えば、誘導結合プラズマ(ICP)源、容量結合プラズマ(CCP)源、ヘリコン源、電子サイクロトロン共鳴(ECR)源)、間接加熱カソード(IHC)源、又はグロー放電源であり得る。特定の実施形態では、プラズマ源34は、RFプラズマ源であってよく、RFジェネレータ及びRFマッチングネットワークを含み得る。本開示は、これに関して限定されない。
【0017】
[0020]当業者に理解されるように、プラズマチャンバ22は、プラテン32に配置されたワークピースに様々な従来のプロセスを実行するように構成され得る。例えば、プラズマチャンバ22は、プラズマ洗浄プロセスをワークピースに実行するために使用することができ、プラズマチャンバ22に供給されるガス種のプラズマ活性化原子及びイオンがワークピースの表面上の有機汚染物質を分解し、その後上記汚染物質はプラズマチャンバ22から排出され得る。プラズマ洗浄は、いわゆる「予洗浄」プロセスの一部として実行することができ、ワークピースがプロセスチャンバ24においてイオン注入処理される前に、自然酸化物及び他の表面汚染物質がワークピースの表面から除去され得る。予洗浄により、イオン注入中のワークピースへの望ましくない酸素原子の「取り込み(ノックイン)」が防止又は軽減され、予洗浄プロセスなしで注入されるワークピースと比較して、より高品質で性能の優れたワークピースが製造され得る。
【0018】
[0021]プラズマチャンバ22は、プラズマ化学気相堆積(PECVD)をワークピースに実行するために使用することもでき、ガス種をワークピースの表面に堆積させて、その上に所望の材料の薄膜が形成され得る。例えば、ワークピースをプロセスチャンバ24におけるイオン注入プロセスで処理する前に、所望の化学物質の薄膜をワークピースの表面に適用することができ、イオン注入プロセスにより、適用された化学物質が活性化又は相互作用して、ワークピースの表面に所望の組成又は条件が達成され得る。具体的な例では、所望の材料の薄いドーピング層をワークピースの表面に適用することができ、その後、適用された層はプロセスチャンバ24のイオンを用いてワークピースに取り込まれ得る。別の例では、自然酸化物を除去するために、PECVDを介して予洗浄化学物質が適用され得る。別の例では、所望の材料の膜を用いてワークピースのキャッピング(例えば、活性化アニール中に揮発するドーパント損失を防止するための窒化ケイ素キャッピング)を達成するために、ワークピースのイオン注入後にPECVDが実行され得る。
【0019】
[0022]また、プラズマチャンバ22は、イオン注入後のワークのプラズマアニールを実行するためにも使用され得る。例えば、プラズマ源34によって生成された高エネルギープラズマが、ワークピースから欠陥を除去するために、所定の速度で所定の温度までワークピースを加熱するために用いられ得る。例えば、アニールプロセスは、ワークピースを500から600℃の中間温度までランピングさせ、その後、150℃/秒の速度で850から1050℃の間のピーク温度までランピングさせることを含み得る。本開示は、これに関して限定されない。
【0020】
[0023]他の例では、プラズマチャンバ22は、イオン注入の前及び/又は後のワークピースに他の様々な処理を実行するために用いられ得る。これらには、加熱、冷却、及びエッチングが含まれるが、これらに限定されない。
【0021】
[0024]
図2を参照すると、本開示に係る上述したアーキテクチャ10を操作する例示的な方法を示すフロー図が示されている。ここで本方法を、
図1に示す本開示の実施形態を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
[0025]例示的な方法のブロック100において、大気ロボット25が、キャリア12のうちの1つから入口ロードロック16にワークピースを移動させ得る。その後、入口ロードロック16のバルブ16aが閉じられ得、入口ロードロック16は、真空圧又は真空圧付近(例えば、1x10-3Torr)までポンプダウンされ得る。その後、入口ロードロック16のバルブ16bが開かれ得る。
【0023】
[0026]例示的な方法のブロック110において、真空ロボット26が、入口ロードロック16から計測構成要素28にワークピースを移動させることができ、そこでワークピースの様々な側面及び特徴が測定又は検出され得る。例えば、計測構成要素28を使用して、ワークピースの表面上の自然酸化物及び他の汚染物質を検出又は測定し、(後述するように)プラズマチャンバ22のワークピースに実行される処理が決定され得る。
【0024】
[0027]例示的な方法のブロック120において、真空ロボット26が、計測構成要素28からプラズマチャンバ22のプラテン32にワークピースを移動させ得る。その後、プラズマチャンバ22のバルブ31が閉じられ得、1又は複数のイオン注入前プロセスをプラズマチャンバ22内のワークピースに実行するために、(例えば、ポンプアップ又はポンプダウンを介して)プラズマチャンバ22内に所望の圧力が確立され得る。様々な例では、上記のように、プラズマチャンバ22でプラズマ洗浄プロセス、PECVDプロセス、予熱プロセス等がワークピースに行われ得る。本開示は、これに関して限定されない。
【0025】
[0028]例示的な方法のブロック130において、プラズマチャンバ22のバルブ31が開かれ得、真空ロボット26が、プラズマチャンバ22のプラテン32から、ワークピースの様々な側面及び特徴を測定又は検出することができる計測構成要素28にワークピースを移動させ得る。例えば、計測構成要素28を使用して、プラズマチャンバ22で実行されたプラズマ洗浄プロセスが、ワークピース上の表面汚染物質を所定の汚染閾値を下回るレベルまで低減させるのに有効であったか否かを決定することができる。
【0026】
[0029]例示的な方法のブロック140において、真空ロボット26が、計測構成要素28からアライメントステーション27にワークピースを移動させ得る。アライメントステーション27を使用して、(後述するように)プロセスチャンバ24での処理の前に、所望の方法でワークピースの向きを合わせることができる。例えば、アライメントステーション27は、ワークピース上のノッチ又は他のしるしを検出することができ、ノッチを所定の位置に移動させるようにワークピースを回転させ得る又は他の方法で再度向きを合わせることができる。
【0027】
[0030]例示的な方法のブロック150において、真空ロボット26が、アライメントステーション27からプロセスチャンバ24のプラテン30にワークピースを移動させ得る。その後、上述したように、プロセスチャンバ24内で1又は複数のイオン注入プロセスがワークピースに行われ得る。
【0028】
[0031]例示的な方法のブロック160において、真空ロボット26が、プロセスチャンバ24のプラテン30からプラズマチャンバ22のプラテン32にワークピースを移動させ得る。その後、プラズマチャンバ22のバルブ31が閉じられ得、1又は複数のイオン注入後プロセスをプラズマチャンバ22内のワークピースに実行するために、(例えば、ポンプアップ又はポンプダウンを介して)所望の圧力がプラズマチャンバ22内に確立され得る。様々な例では、上記のように、プラズマチャンバ22でプラズマ洗浄プロセス、PECVDキャッピングプロセス、プラズマアニーリングプロセス、エッチングプロセス等がワークピースに行われ得る。本開示は、これに関して限定されない。
【0029】
[0032]例示的な方法のブロック170において、プラズマチャンバ22のバルブ31が開かれ得、真空ロボット26が、プラズマチャンバ22のプラテン32から、ワークピースの様々な側面及び特徴が測定又は検出され得る計測構成要素28にワークピースを移動させ得る。例えば、計測構成要素28を使用して、プラズマチャンバ22で実行されるイオン注入後プロセスの有効性が決定され得る。
【0030】
[0033]例示的な方法のブロック180において、真空ロボット26が、計測構成要素28から出口ロードロック18にワークピースを移動させ得る。その後、出口ロードロック18のバルブ18bが閉じられ得、出口ロードロック18は大気圧までポンプアップされ得る。その後、出口ロードロック18のバルブ18aが開かれ得、大気ロボット25が出口ロードロック18からキャリア12のうちの1つにワークピースを移動させ得る。
【0031】
[0034]
図3を参照すると、本開示の別の例示的な実施形態に係るビームラインアーキテクチャ200(以下「アーキテクチャ200」)が示されている。アーキテクチャ200は、上述したアーキテクチャ10と同様であってよく、上述したアーキテクチャ10の対応する構成要素と同様の1又は複数のキャリア212、バッファ214、入口ロードロック216、出口ロードロック218、ウエハハンドリングチャンバ220、プラズマチャンバ222、及びプロセスチャンバ224を含み得る。
【0032】
[0035]上述したアーキテクチャ10とは異なり、アーキテクチャ200は、ウエハハンドリングチャンバ220とプラズマチャンバ222との間に配置された移送チャンバ223を更に含み得る。ウエハハンドリングチャンバ220と移送チャンバ223の接合部、及び移送チャンバ223とプラズマチャンバ222の接合部に、それらの間の気密分離を促進するために、バルブ231、233がそれぞれ実装され得る。移送ロボット235を移送チャンバ223内に配置することができ、ウエハハンドリングチャンバ220とプラズマチャンバ222との間でワークピースを移送するために使用することができる。移送チャンバ223は、上述した計測構成要素28と同様の様々な計測構成要素228を追加的に収容し得る(例えば、計測構成要素228は、アーキテクチャ10の構成に対して移送チャンバ223に再配置され得る)。アーキテクチャ200は、上述し、
図2に示す方法と同様の方法で操作され得る。
【0033】
[0036]
図4を参照すると、本開示の別の例示的な実施形態に係るビームラインアーキテクチャ300(以下、「アーキテクチャ300」)が示されている。アーキテクチャ300は、上述したアーキテクチャ200と同様であってよく、アーキテクチャ200の対応する構成要素と同様の1又は複数のキャリア312、バッファ314、ウエハハンドリングチャンバ320、プラズマチャンバ322、プロセスチャンバ324、及び移送チャンバ323を含み得る。上述のアーキテクチャ200とは異なり、アーキテクチャ300は、別々の入口及び出口ロードロックを有する代わりに、キャリア312とウエハハンドリングチャンバ320との間でワークピースが移送され得る複合入口/出口ロードロック317を含み得る。更に、移送チャンバ323及びプラズマチャンバ322は、入口/出口ロードロック317、バッファ314、及びキャリア312と同様に、ウエハハンドリングチャンバ320の同じ側に位置し得る。アーキテクチャ300は、上述し、
図2に示す方法と同様の方法で操作され得る。
【0034】
[0037]当業者に理解されるように、上述のアーキテクチャ10、200、及び300、並びに上述の方法は、半導体ワークピースのビームライン処理に関して多数の利点を提供する。例えば、特にアーキテクチャ10に関しては(及びアーキテクチャ200及び300において同様に提供するように)、プラズマチャンバ22及びプロセスチャンバ24がウエハハンドリングチャンバ20に直接接続されているため、プラズマチャンバ22とプロセスチャンバ24との間でワークピースが移送されるときにワークピースが(汚染物質がワークピースに導入され得る)大気に暴露されるのを回避しつつ、イオン注入プロセスをワークピースに行う直前及び/又は直後に、プラズマ洗浄、PECVD、及びプラズマアニーリング等のプロセスがワークピースに実行され得る。更に、プラズマチャンバ22は、プロセスチャンバ24から分離し、離れているため、上記チャンバ内で所望のプロセスを実施するために、一方のチャンバに関連する多数の変数(例えば、圧力、材料、化学物質等)を変化させることができ、上記変数が他方のチャンバに及ぼす影響を考慮する必要はない。
【0035】
[0038]本開示は、本明細書に記載の特定の実施形態によって範囲が限定されるものではない。実際に、本明細書に記載されたものに加えて、本開示の他の様々な実施形態及び変更が、前述の説明及び添付の図面から当業者に明らかになるであろう。したがって、そのような他の実施形態及び変更は、本開示の範囲内に含まれるものとする。更に、本開示を、特定の目的のための特定の環境における特定の実装態様の文脈で本明細書で説明してきたが、当業者であれば、その有用性がそれらに限定されないことを認識するであろう。本開示の実施形態は、任意の数の目的のための任意の数の環境で有益に実装され得る。したがって、以下に示す特許請求の範囲は、本明細書に記載の本開示の全域と主旨を考慮して解釈されるべきである。