(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-28
(45)【発行日】2024-06-05
(54)【発明の名称】光学部材、又は、発光装置
(51)【国際特許分類】
G02B 5/20 20060101AFI20240529BHJP
H01S 5/022 20210101ALI20240529BHJP
H01S 5/042 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
G02B5/20
H01S5/022
H01S5/042 612
(21)【出願番号】P 2020031619
(22)【出願日】2020-02-27
【審査請求日】2023-01-27
(31)【優先権主張番号】P 2019037035
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】湯藤 祐且
【審査官】小西 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-028265(JP,A)
【文献】特開2018-078327(JP,A)
【文献】特開2015-068886(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/20 - 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と下面を有する光学部材であって、
波長変換部と、前記波長変換部の側面を囲う包囲部と、を有する波長変換部材と、
前記包囲部の下面と接合し、下面視で前記波長変換部を覆う、透光性部材と、
を備え、
前記透光性部材は、前記包囲部と接合する上面において、
前記波長変換部の周りを囲み、かつ、一部に開口を設けた第1接合部と、
前記第1接合部の周りを囲み、かつ、前記第1接合部の内側の領域から開口を通り外側の領域へと進む直線を含まない領域で、一部に開口を設けた第2接合部と、
を有する光学部材。
【請求項2】
前記包囲部は、少なくとも前記波長変換部の側面を囲う領域において光を反射する請求項1に記載の光学部材。
【請求項3】
前記波長変換部材と接合された前記透光性部材の上面に設けられる遮光部材をさらに有する請求項1または2に記載の光学部材。
【請求項4】
前記遮光部材は、前記第2接合部の開口、及び、前記第1接合部と前記第2接合部の間の領域に設けられる請求項3に記載の光学部材。
【請求項5】
前記透光性部材は、上面において、
前記第2接合部の外側から前記第2接合部の開口を通り前記第1接合部へと繋がる第1配線パターンと、
前記第2接合部の外側から前記第2接合部へと繋がる第2配線パターンと、
を有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学部材。
【請求項6】
前記第2配線パターンは、前記第2接合部の開口を除き、前記第2接合部の周りを囲う請求項5に記載の光学部材。
【請求項7】
前記波長変換部材は、前記包囲部の下面において、
前記第1接合部が接合される領域に設けられる第1金属膜と、
前記第2接合部が接合される領域に設けられる第2金属膜と、
一端が前記第1金属膜に配され、当該一端から前記第1金属膜の内側を通り、さらに前記第1接合部の開口に対応する領域を通って他端が前記第2金属膜に配された導電膜を有する請求項5または6に記載の光学部材。
【請求項8】
前記導電膜は、前記波長変換部の下を通らない請求項7に記載の光学部材。
【請求項9】
上面と下面を有する光学部材であって、
下面において、保護領域と、前記保護領域の外周領域と、を有する保護対象部材と、
前記外周領域の下面と接合し、下面視で前記保護領域を覆う、透光性部材と、
を備え、
前記透光性部材は、前記外周領域と接合する上面において、
前記保護領域の周りを囲み、かつ、一部に開口を設けた第1侵入保護部と、
前記第1侵入保護部の周りを囲み、かつ、前記第1侵入保護部の内側の領域から開口を通り外側の領域へと進む直線を含まない領域で、一部に開口を設けた第2侵入保護部と、
を有する光学部材。
【請求項10】
底面と、前記底面を囲う枠と、を有する基部と、
前記底面に配される半導体レーザ素子と、
前記枠の内側で、前記基部の上面と前記底面との間にある第1上面と接合して前記半導体レーザ素子が配される空間を封止する、透光性部材と、
前記半導体レーザ素子から放射された光を異なる波長の光に変換可能な波長変換部と、前記波長変換部の側面を囲う包囲部とを有し、前記包囲部において前記透光性部材と接合する波長変換部材と、
前記波長変換部材が接合された前記透光性部材の上に設けられる樹脂部材と、
を有し、
前記波長変換部の周りを囲み、かつ、一部に開口を設けた第1接合部と、前記第1接合部の周りを囲み、かつ、前記第1接合部の内側の領域から開口を通り外側の領域へと進む直線を含まない領域で一部に開口を設けた第2接合部と、を介して、前記透光性部材と前記波長変換部材とが接合する発光装置。
【請求項11】
前記樹脂部材は、遮光性の樹脂部材である請求項10に記載の発光装置。
【請求項12】
前記透光性部材は、上面において、
前記第2接合部の外側から前記第2接合部の開口を通り前記第1接合部へと繋がる第1配線パターンと、
前記第2接合部の外側から前記第2接合部へと繋がる第2配線パターンと、
を有する請求項10または11に記載の発光装置。
【請求項13】
前記第2配線パターンは、前記第2接合部の開口を除き、前記第2接合部の周りを囲う請求項12に記載の発光装置。
【請求項14】
前記第1配線パターン及び第2配線パターンはそれぞれ、前記枠の内側で前記基部の上面と前記第1上面との間に設けられる第2上面に、ワイヤを介して接続される請求項12または13のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項15】
前記波長変換部材は、前記包囲部の下面において、
前記第1接合部が接合される領域に設けられる第1金属膜と、
前記第2接合部が接合される領域に設けられる第2金属膜と、
一端が前記第1金属膜に配され、当該一端から前記第1金属膜の内側を通り、さらに前記第1接合部の開口に対応する領域を通って他端が前記第2金属膜に配された導電膜を有する請求項10乃至14のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項16】
底面と、前記底面を囲う枠と、を有する基部と、
前記底面に配される半導体レーザ素子と、
前記枠の内側で、前記基部の上面と前記底面との間にある第1上面と接合して前記半導体レーザ素子が配される空間を封止する、透光性部材と、
下面において、光入射領域と、前記光入射領域の外周領域と、を有し、前記外周領域において前記透光性部材と接合する波長変換部材と、
前記波長変換部材が接合された前記透光性部材の上に設けられる樹脂部材と、
を有し、
前記光入射領域の周りを囲み、かつ、一部に開口を設けた第1接合部と、前記第1接合部の周りを囲み、かつ、前記第1接合部の内側の領域から開口を通り外側の領域へと進む直線を含まない領域で一部に開口を設けた第2接合部と、を介して、前記透光性部材と前記波長変換部材とが接合する発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部材、又は、光学部材を有する発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体レーザ素子によって、出力の高いレーザ光を出射することができる。レーザ光は種々の用途に利用されるが、例えば、レーザ光を利用するときには、安全性への配慮が要求されることがある。
【0003】
特許文献1には、半導体レーザ素子と波長変換部材とを有する半導体発光装置において、波長変換部材のレーザ光の入射領域以外に導電膜を形成し、導電膜の断裂を検出することで、波長変換部材の外れなどの異常を検知する技術が開示されている。このように、発光素子からの光を光学系によって制御して外部に出射する発光装置において、光学系が適切に作用するための措置が講じられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、光学系を制御する光学部材の形態は、特許文献1のものに限られず、光学部材を適切に作用させるための構成または構造には改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書において開示される光学部材は、上面と下面を有する光学部材であって、波長変換部と、前記波長変換部の側面を囲う包囲部 と、を有する波長変換部材と、前記包囲部の下面と接合し、下面視で前記波長変換部を覆う、透光性部材 と、を備え、前記透光性部材は、前記包囲部と接合する上面において、前記波長変換部の周りを囲み 、かつ、一部に開口を設けた第1接合部と、前記第1接合部の周りを囲み、かつ、前記第1接合部の内側の領域から開口を通り外側の領域へと進む直線を含まない領域で、一部に開口を設けた第2接合部と、を含む。
【0007】
本明細書において開示される光学部材は、上面と下面を有する光学部材であって、下面において、保護領域と、前記保護領域の外周領域と、を有する保護対象部材と、前記外周領域の下面と接合し、下面視で前記保護領域を覆う、透光性部材と、を備え、前記透光性部材は、前記外周領域と接合する上面において、前記光入射領域の周りを囲み、かつ、一部に開口を設けた第1侵入保護部と、前記第1侵入保護部の周りを囲み、かつ、前記第1侵入保護部の内側の領域から開口を通り外側の領域へと進む直線を含まない領域で、一部に開口を設けた第2侵入保護部と、を含む。
【0008】
また、本明細書において開示される発光装置は、底面と、前記底面を囲う枠と、を有する基部と、前記底面に配される半導体レーザ素子と、前記枠の内側で、前記基部の上面と前記底面との間にある第1上面と接合して前記半導体レーザ素子が配される空間を封止する、透光性部材と、前記半導体レーザ素子から放射された光を異なる波長の光に変換可能な波長変換部と、前記波長変換部の側面を囲う包囲部とを有し、前記包囲部において前記透光性部材と接合する波長変換部材と、前記波長変換部材が接合された前記透光性部材の上に設けられる樹脂部材と、を有し、前記波長変換部の周りを囲み、かつ、一部に開口を設けた第1接合部と、前記第1接合部の周りを囲み、かつ、前記第1接合部の内側の領域から開口を通り外側の領域へと進む直線を含まない領域で一部に開口を設けた第2接合部と、を介して、前記透光性部材と前記波長変換部材とが接合する。
【0009】
また、本明細書において開示される発光装置は、底面と、前記底面を囲う枠と、を有する基部と、前記底面に配される半導体レーザ素子と、前記枠の内側で、前記基部の上面と前記底面との間にある第1上面と接合して前記半導体レーザ素子が配される空間を封止する、透光性部材と、下面において、光入射領域と、前記光入射領域の外周領域と、を有し、前記外周領域において前記透光性部材と接合する波長変換部材と、前記波長変換部材が接合された前記透光性部材の上に設けられる樹脂部材と、を有し、前記光入射領域の周りを囲み、かつ、一部に開口を設けた第1接合部と、前記第1接合部の周りを囲み、かつ、前記第1接合部の内側の領域から開口を通り外側の領域へと進む直線を含まない領域で一部に開口を設けた第2接合部と、を介して、前記透光性部材と前記波長変換部材とが接合する。
【発明の効果】
【0010】
本明細書に基づき開示される発明によれば、適切に作用する光学部材を提供できる。また、このような光学部材を実装する発光装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態に係る発光装置の斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2のIII-III線における発光装置の断面図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る発光装置の内部構造を説明するための斜視図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る発光装置の内部構造を説明するための斜視図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る透光性部材と波長変換部材が接合された状態の斜視図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る透光性部材と波長変換部材との接合面を説明するために波長変換部材を透過した上面図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る透光性部材の上面図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る波長変換部材の下面図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る透光性部材の他の例を説明する上面図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る透光性部材の他の例を説明する上面図である。
【
図15】
図15は、実施形態に係る透光性部材の他の例を説明する上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書または特許請求の範囲において、三角形や四角形などの多角形に関しては、多角形の隅に角丸め、面取り、角取り、丸取り等の加工が施された形状も含めて、多角形と呼ぶものとする。また、隅(辺の端)に限らず、辺の中間部分に加工が施された形状も同様に、多角形と呼ぶものとする。つまり、多角形をベースにして加工が施された形状は、本明細書及び特許請求の範囲で記載される“多角形”の解釈に含まれるものとする。
【0013】
また、多角形に限らず、台形や円形や凹凸など、特定の形状を表す言葉についても同様である。また、その形状を形成する各辺を扱う場合も同様である。つまり、ある辺において、隅や中間部分に加工が施されていたとしても、“辺”の解釈は加工された部分も含む。なお、このように意図的に追加された加工がない“多角形”や“辺”を示す場合は、“厳密な”を付して、例えば、“厳密な四角形”などと記載するものとする。
【0014】
また、本明細書または特許請求の範囲において、ある構成要素に関し、これに該当するものが複数あり、それぞれを区別して表現する場合に、その構成要素の頭に“第1”、“第2”と付記して区別することがある。このとき、本明細書と特許請求の範囲とで区別する対象や観点が異なっていれば、本明細書における付記の態様と、特許請求の範囲における付記の態様と、が一致しないことがある。
【0015】
以下に、図面を参照しながら、本明を実施するための形態を説明する。ただし、示される形態は、本発明の技術思想が具体化されたものではあるが、本発明を限定するものではない。また、以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、重複した説明は適宜省略することがある。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするために誇張していることがある。
【0016】
<実施形態>
図1は、実施形態に係る発光装置1の斜視図である。
図2は、発光装置1の上面図である。
図3は、
図2のIII-III線における発光装置1の断面図である。
図4は、内部構造を説明するために発光装置1から樹脂部材100を除いた状態の斜視図である。
図5は、
図4と同様の状態における上面図である。
図6は、内部構造を説明するために発光装置1からさらに透光性部材80と波長変換部材90を除いた状態の斜視図である。
図7は、
図6と同様の状態における上面図である。
図8は、透光性部材80と波長変換部材90が接合された状態の斜視図である。
図9は、
図8と同様の状態における上面図である。
図10は、透光性部材80と波長変換部材90との接合面を説明するために波長変換部材90を透過した上面図である。なお、
図10では、透光性部材80の第1接合部83及び第2接合部84と、波長変換部材90の導電膜921をハッチングで記している。目の細かいハッチングが導電膜921である。
図11は、実施形態に係る透光性部材80の上面図である。
図12は、実施形態に係る波長変換部材90の下面図である。
【0017】
発光装置1は、構成要素として、基部10、2つの半導体レーザ素子20、2つのサブマウント30、2つの光反射部材40、保護素子50、温度測定素子60、配線70、透光性部材80、波長変換部材90、及び、樹脂部材100を有する。
【0018】
(基部10)
基部10は、上面から下面の方向に窪んだ凹形状を有する。また、上面視で外形が矩形であり、窪みはこの外形の内側に形成される。基部10は、上面11、底面12、下面13、内側面14、及び、外側面15を有しており、内側面14と底面12とが窪んだ空間を作り上げる。また、上面視で、上面11によって枠が形成され、窪んだ空間がこの枠に囲まれる。
【0019】
また、基部10は、枠の内側において2つの段差部16を形成する。ここで、段差部16は、上面と、この上面と交わり下方に進む側面と、で構成される部分を指すものとする。そのため、基部10の内側面14は、基部10の上面11と交わる側面と、段差部の側面と、を含んで構成される。
【0020】
ここでは、2つの段差部16を、底面12に近い方から第1段差部161、第2段差部162、と呼ぶものとする。なお、基部10において、2つの段差部16を有していなくてもよい。例えば、段差部16は1つであってもよい。
【0021】
面と面との交差については、図面から特定することができる。例えば、外側面15は、上面11及び下面13と交わる、といえる。また例えば、第1段差部161の上面は、この上面から上方に進む側面として、一部において第2段差部162の側面と交わり、他の一部において上面11に交わる側面と交わる、といえる。なお、辺と辺との交差についても同様である。
【0022】
基部10は、セラミックを主材料として形成することができる。例えば、セラミックとして、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、炭化ケイ素を用いることができる。なお、セラミックに限らず、絶縁性を有する他の材料を主材料に用いて形成してもよい。
【0023】
また、基部10の底面12には5つの、第2段差部162の上面には2つの、そして、上面11には6つの金属膜が設けられる。また、底面12における4つの金属膜、及び、第2段差部162の上面における2つの金属膜、のそれぞれが、基部10の内部を通る金属を介して、上面11に設けられた6つの金属膜のいずれかと繋がる。また、第1段差部161の上面にも金属膜が設けられる。
【0024】
なお、金属膜が設けられる領域(場所)や数はこれに限らない。上面11や底面12に設ける金属膜の数を変えるなどしてもよい。例えば、上面11の代わりに下面13に設けてもよい。発光装置1では、基部10の底面12、第2段差部162の上面、及び、基部10の上面11に、複数の金属膜が設けられているといえる。
【0025】
(半導体レーザ素子20)
半導体レーザ素子20は、上面視で長方形の外形を有する。また、長方形の2つの短辺のうちの一辺と交わる側面が、半導体レーザ素子20から放射される光の出射端面となる。また、半導体レーザ素子20の上面及び下面は、出射端面よりも面積が大きい。
【0026】
なお、半導体レーザ素子から放射される光(レーザ光)は拡がりを有し、光の出射端面と平行な面において楕円形状のファーフィールドパターン(以下「FFP」という。)を形成する。ここで、FFPとは、出射端面から離れた位置における出射光の形状や光強度分布を示す。
【0027】
半導体レーザ素子20から出射される光のFFPの形状は、活性層を含む複数の半導体層の層方向よりも、それに垂直な積層方向の方が長い楕円形状である。この層方向をFFPの水平方向、積層方向をFFPの垂直方向というものとする。
【0028】
また、半導体レーザ素子20のFFPの光強度分布に基づいて、ピーク強度値に対する1/e2以上の強度を有する光を、主要部分の光と呼ぶものとする。また、この光強度分布の半値全幅に相当する角度を拡がり角と呼ぶものとする。FFPの垂直方向における拡がり角は垂直方向の拡がり角と呼び、FFPの水平方向における拡がり角は水平方向の拡がり角と呼ぶものとする。
【0029】
半導体レーザ素子20には、発光ピーク波長が、320nm~530nmの範囲、典型的には、430nm~480nmの範囲にあるものを用いることができる。このような半導体レーザ素子として、窒化物半導体を含む半導体レーザ素子が挙げられる。窒化物半導体としては、例えば、GaN、InGaN、及びAlGaNを用いることができる。
【0030】
(サブマウント30)
サブマウント30は、直方体の形状で構成され、下面、上面、及び、側面を有する。また、サブマウント30は上下方向の幅が最も小さい。なお、形状は直方体に限らなくてよい。サブマウント30は、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、又は炭化ケイ素を用いて形成される。なお、他の材料を用いてもよい。また、サブマウント30の上面には金属膜が設けられている。
【0031】
(光反射部材40)
光反射部材40は、光を反射する2つの光反射面41を有する。光反射面には、例えば、照射された光のピーク波長に対する光反射率が99%以上となる面が設けられる。ここでの光反射率は100%以下あるいは100%未満とすることができる。
【0032】
2つの光反射面41は平面形状で、下面に対して傾斜しており、互いに下面に対する傾斜角が異なる。つまり、2つの光反射面41はいずれも、下面に対する配置関係が垂直でも平行でもない。また、2つの光反射面41は連続して繋がっており、一体的な1つの反射領域を形成する。
【0033】
ここでは、下面に近い方の光反射面を第1反射面411、遠い方の光反射面を第2反射面412と呼ぶものとする。光反射部材40では、第2反射面412の傾斜角の方が、第1反射面411の傾斜角よりも大きい。例えば、第1反射面411と第2反射面412との傾斜角の差は、10度以上から60度以下の範囲にある。
【0034】
なお、一体的な1つの反射領域を形成する3つ以上の光反射面41を有していてもよい。また、1つの光反射面41で1つの反射領域を形成してもよい。また、他の光反射面と連続して繋がっていない光反射面をさらに有していてもよい。また、光反射面41の形状は、平面形状でなく曲面形状であってもよい。
【0035】
光反射部材40は、その外形を形成する主材料に、ガラスや金属などを用いることができる。主材料は熱に強い材料がよく、例えば、石英若しくはBK7(硼珪酸ガラス)等のガラス、アルミニウム等の金属、又はSiを用いることができる。また、光反射面は、例えば、Ag、Al等の金属やTa2O5/SiO2、TiO2/SiO2、Nb2O5/SiO2等の誘電体多層膜を用いて形成することができる。
【0036】
(保護素子50)
保護素子50は、特定の素子(例えば半導体レーザ素子)に過剰な電流が流れて破壊されてしまうことを防ぐためのものである。保護素子50としては、例えば、Siで形成されたツェナーダイオードを用いることができる。
【0037】
(温度測定素子60)
温度測定素子60は、周辺の温度を測定するための温度センサとして利用される素子である。温度測定素子60としては、例えば、サーミスタを用いることができる。
【0038】
(配線70)
配線70は、特定の素子(例えば半導体レーザ素子)の電気的な接続に用いられる。配線70としては、例えば、金属のワイヤを用いることができる。
【0039】
(透光性部材80)
透光性部材80は、直方体の平板形状で構成され、下面と、上面と、側面とを有する。透光性部材は、光を透過する透光性を有する。ここで、透光性とは、光に対する透過率が80%以上であることとする。なお、形状は直方体に限らない。
【0040】
透光性部材80は、サファイアを主材料に用いて形成することができる。サファイアは、比較的屈折率が高く、比較的強度も高い材料である。なお、主材料には、サファイアの他に、例えば、石英、炭化ケイ素、又は、ガラス等を用いることもできる。
【0041】
透光性部材80の上面には、配線のために外周領域に設けられた2つの金属膜が設けられる。以下では、この2つの金属膜をそれぞれ、第1配線パターン81、第2配線パターン82と呼ぶものとする。
【0042】
また、透光性部材80の下面にも、外周領域に金属膜が設けられるが、この金属膜は他の構成要素との接合に利用される。そのため、透光性部材80には、上面視または下面視で、透光性を有する領域と、透光性を有さない領域と、がある。また、中央部に透光性を有する領域が設けられる。
【0043】
中央部の上面にはさらに、接合のための2つの線状の金属膜が設けられる。以下では、この2つの金属膜をそれぞれ、第1接合部83、第2接合部84と呼ぶものとする。第1接合部83は中心を囲うようにしてC字型に金属膜が設けられる。第2接合部84は、第1接合部83を囲うようにしてC字型に金属膜が設けられる。つまり、第1接合部83及び第2接合部84は、一部に開口を設けている。
【0044】
第1接合部83により設けられる開口の方向と、第2接合部84により設けられる開口の方向は異なる。上面視で、第1接合部83による開口が、矩形の外形のうちの一辺の方向に向けて開口している場合に、第2接合部84による開口は、この辺とは異なる一辺の方向に向けて開口している。なお、発光装置1では、第1接合部83による開口が向く一辺と、第2接合部84による開口が向く一辺とは交わる。
【0045】
また、第2接合部84による開口は、上面視で、第1接合部83の周りを囲み、かつ、第1接合部83の内側の領域から開口を通り外側の領域へと進む直線が含まれない領域に設けられる。
図11において、第2接合部84の一部に示す目の細かなハッチング領域は、第1接合部83の内側の領域から開口を通り外側の領域へと進む直線が含まれる領域を示す。また、破線L1及びL2は、第1接合部83の内側の領域から開口を通り外側の領域へと進む直線の境界である。
図11の例では、第2接合部84による開口は、目の細かなハッチング領域には設けられない。
【0046】
第1接合部83が形成する接合領域は、中心を囲うC字型の包囲領域と、第1配線パターン81に繋がる連結領域と、を有する。第1接合部83の連結領域は、包囲領域のC字の途中から外側へと延びる領域を有する。また、この連結領域において、第1接合部83と第1配線パターン81と、は重なる。
【0047】
また、第1配線パターン81は、第2接合部84の外側から第2接合部84の開口を通り第1接合部83へと繋がる。従って、第1接合部83と第1配線パターン81とは、第2接合部84の開口を通って繋がる。
【0048】
第2接合部84が形成する接合領域は、第1接合部83を囲うC字型の包囲領域と、第2配線パターン82に繋がる連結領域と、を有する。第2接合部84の連結領域は、包囲領域のC字の一部分を含む。つまり、第2接合部84では、包囲領域が、連結領域の一部または全部を有している。なお、連結領域の一部または全部が包囲領域のC字に含まれないように、連結領域を設けてもよい。また、この連結領域において、第2接合部84と第2配線パターン82と、は重なる。
【0049】
また、第2接合部84は開口の一部または全部を除き、C字型の金属膜(包囲領域)の外側を第2配線パターン82に囲まれる。従って、第2配線パターン82は、第2接合部84(包囲領域)の外側から第2接合部84(連結領域)へと繋がる。
【0050】
第1配線パターン81及び第2配線パターンは、例えば、Ti/Pt/Au(サブマウント30の上面からTi、Pt、Auの順で積層したもの)を用いて形成することができる。また、第1接合部83及び第2接合部84は、例えば、AuSnを用いて形成することができる。
【0051】
(波長変換部材90)
波長変換部材90は、直方体の平板形状で構成され、下面と、上面と、側面とを有する。また、波長変換部材90は、透光性の波長変換部91と、包囲部92と、を有する。また、波長変換部91と包囲部92とが一体的に形成されている。包囲部92の内側面が波長変換部91の側面と接しており、包囲部92の外側面が波長変換部材90の側面に相当する。
【0052】
波長変換部91は直方体の形状である。また、波長変換部91は、波長変換部91に入射した光を波長の異なる光に変換可能な部材である。波長変換部材90は、光の照射により分解されにくい無機材料を主材料に用いて形成することができる。なお、無機材料でなくてもよい。
【0053】
また、波長変換部91は、セラミックスを主材料とし、蛍光体を含有させて形成することができる。これに限らず、ガラスを主材料とする、あるいは、蛍光体の単結晶で形成するなどしてもよい。なお、波長変換部91には、融点が1300℃~2500℃の材料を主材料に用いるのが好ましく、このようにすることで波長変換部91にかかる熱を考慮しても変形や変色などの変質が生じ難い。
【0054】
例えば、波長変換部91の主材料にセラミックスを用いる場合、蛍光体と酸化アルミニウム等の透光性材料とを焼結させて形成することができる。蛍光体の含有量は、セラミックスの総体積に対して0.05体積%~50体積%とすることができる。また例えば、蛍光体の紛体を焼結させた、実質的に蛍光体のみからなるセラミックスを用いてもよい。
【0055】
蛍光体としては、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LAG)、ユウロピウム及び/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CaO-Al2O3-SiO2)、ユウロピウムで賦活されたシリケート((Sr,Ba)2SiO4)、αサイアロン蛍光体、βサイアロン蛍光体等が挙げられる。なかでも、耐熱性が良好な蛍光体であるYAG蛍光体を用いることが好ましい。
【0056】
包囲部92は、直方体の平板の中央部分に貫通孔を有する形状である。貫通孔の領域に波長変換部91が設けられる。また、貫通孔の形状は、波長変換部91の形状に対応しており、包囲部92は波長変換部91の側面を囲う。
【0057】
包囲部92は、セラミックスを主材料に用いて形成することができる。また、これに限らず、金属や、セラミックスと金属の複合体などを用いてもよい。また、包囲部92には、波長変換部91による熱を排熱する高熱伝導率の材料を用いるのが好ましい。高熱伝導率の材料が主材料に用いられた包囲部92は、波長変換部91における熱を排熱する放熱機能を有し、この観点から包囲部92に代えて放熱部材と捉えることができる。
【0058】
また、包囲部92には、半導体レーザ素子20が出射した光及び蛍光体が発する蛍光を高反射率で反射する材料を用いるのが好ましい。また、少なくとも波長変換部91の側面を囲う領域において光を反射するのが好ましい。高反射率の材料が主材料に用いられた包囲部92は、照射された光を反射する高反射性を有し、この観点から包囲部92は光反射部材と捉えることができる。なお、高反射率及び高熱伝導率を有する材料としては、例えば、アルミナ(Al2O3)が挙げられる。
【0059】
包囲部92の下面には、導電膜921が設けられる。導電膜921は、波長変換部91に近い位置に設けられる。また、線状の導電膜921が下面視で波長変換部91を囲う(覆う)ように設けられる。
【0060】
なお、導電膜は細い線状で波長変換部91を囲うのが好ましい。細い線状とは、例えば、下面視で、線幅が、波長変換部91の幅よりも小さく、線の長さが、波長変換部91の外周よりも長い線状を示す。また例えば、さらに線幅が、波長変換部91の幅の1/2以下であることとしてもよい。ここでの波長変換部91の幅は、例えば外形が矩形の場合は短辺の幅であり、例えば外形が楕円形の場合は短径の幅である。また、これ以外の形状の場合は、これらの例示に基づき、実質的に幅が特定される。
【0061】
また、包囲部92の下面には、波長変換部91の外側に複数の金属膜が設けられる。これらの金属膜は波長変換部91を囲う第1金属膜922と、第1金属膜922を囲う第2金属膜924と、で区別することができる。
【0062】
またさらに、第1金属膜922は、対となる2つの金属膜により波長変換部91を囲う。第1金属膜922を構成する複数の金属膜のそれぞれを第1金属膜パーツ923と呼ぶものとする。第2金属膜924は、対となる2つの金属膜により第1金属膜922を囲う。第2金属膜924を構成する複数の金属膜のそれぞれを第2金属膜パーツ925と呼ぶものとする。なお、3つ以上の第1金属膜パーツ923あるいは第2金属膜パーツ925で、第1金属膜922あるいは第2金属膜924が構成されてもよい。
【0063】
2つの第1金属膜パーツ923は、波長変換部91を挟むようにして形成され、波長変換部91の外周に2箇所の開口を設ける。2箇所の開口は、波長変換部91を挟んで対向する位置に設けられている。また、2箇所の開口は一方が他方に比べて大きくなっている。
【0064】
2つの第2金属膜パーツ925は、第1金属膜922を挟むようにして形成され、第1金属膜922の外周に2箇所の開口を設ける。2箇所の開口は、第1金属膜922を挟んで対向する位置に設けられている。2箇所の開口は一方が他方に比べて大きくなっている。
【0065】
第1金属膜922により設けられる開口の方向と、第2金属膜924により設けられる開口の方向は異なっている。特に、2箇所の開口のうちの少なくとも1箇所において異なる。特に、第1金属膜922と第2金属膜924の大きい方の開口同士で、開口の方向は異なっている。
【0066】
線状の導電膜921の両端のうちの一端が第1金属膜922と繋がり、他端が第2金属膜924と繋がる。また、導電膜921は、第1金属膜922により設けられた2箇所の開口のうちの1箇所を通り第2金属膜924と繋がる。導電膜921は、2箇所の開口のうちの大きい方の開口を通り第2金属膜924と繋がる。開口を通って繋がることで、第1金属膜922を跨いで繋がるよりも、接続が安定する。
【0067】
また、導電膜921は、波長変換部91と第1金属膜922との間で、波長変換部91を囲う。従って、導電膜921は、波長変換部91を囲う部分と開口を通り第2金属膜924と繋がる部分とを有し、第1金属膜922は、開口を通り第2金属膜924と繋がる部分を除いて、波長変換部91を囲う部分の導電膜921を囲う。
【0068】
第1金属膜922は、第2金属膜924により設けられた2箇所うちの1箇所の開口を通る。また、第1金属膜922が通る開口は、2箇所の開口のうちの大きい方の開口である。第1金属膜922が通る第2金属膜924の開口は、第1金属膜922の周りを囲み、かつ、第1金属膜922の内側の領域から外側の領域へと導電膜921が通る開口を通って進む直線が含まれない領域に設けられる。
【0069】
導電膜921は、酸化インジウムスズ(ITO)を用いて形成することができる。ITOは可視光による透過率が高い。ITOで形成された導電膜921は透光性を有し、この観点から透光性導電膜と捉えることができる。第1金属膜922及び第2金属膜924は、例えば、Ti/Pt/Auを用いて形成することができる。
【0070】
波長変換部材90は、例えば、焼結体等の成形品からなる波長変換部91と、包囲部92を形成する粉粒の材料と、を一体的に成形して焼結し形成することができる。または、焼結体等の成形品からなる包囲部92と、波長変換部91を形成する粉粒の材料と、を一体的に成形して焼結し形成することができる。焼結には、例えば、放電プラズマ焼結法(SPS法)やホットプレス焼結法(HP法)等を用いることができる。
【0071】
(樹脂部材100)
樹脂部材100は、中央部に貫通孔が形成された形状を有する。また、下面側には、貫通孔を囲う凸形状が形成される。言い換えると、下面側において、中央部が窪んだ凹形状が形成される。
【0072】
樹脂部材100は、遮光性を有する樹脂によって形成される。ここで、遮光性とは光を透過しない性質を示し、光を遮る性質の他、吸収する性質や反射する性質などを利用して、遮光性を実現してもよい。例えば、樹脂に、光拡散材及び/又は光吸収材等のフィラーを含有させることで形成できる。
【0073】
樹脂部材100を形成する樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、BTレジン等が挙げられる。また、光吸収性のフィラーとしては、カーボンブラック等の暗色系の顔料等が挙げられる。
【0074】
(発光装置1)
次に、これらの構成要素を用いて製造される発光装置1について説明する。
まず、基部10の底面12に2つの光反射部材40が配置される。2つの光反射部材40は、それぞれ異なる金属膜の上に配置され、その下面が基部10の底面12に接合される。また、2つの光反射部材40は、点SPに対して点対称に配置される(
図7参照)。また、2つの光反射部材40は、上面視で、光反射面41の上端が、基部10の内側面14または外側面15と平行あるいは垂直である。
【0075】
次に、基部10の底面12に、保護素子50と温度測定素子60とが配置される。保護素子50は、2つの光反射部材40のうちの一方が配置されている金属膜に配置され、接合される。温度測定素子60は、2つの光反射部材40が配置された金属膜とは異なる金属膜の上に配置され、接合される。
【0076】
次に、基部10の底面12に2つのサブマウント30が配置される。2つのサブマウント30は、それぞれ異なる金属膜の上に配置され、その下面が基部10の底面12に接合される。また、2つのサブマウント30はそれぞれ、光反射部材40が配置されている金属膜に配置される。なお、サブマウント30と光反射部材40は、異なる金属膜に配置されていてもよい。
【0077】
次に、半導体レーザ素子20がサブマウント30に配置される。2つの半導体レーザ素子20は、それぞれ異なるサブマウント30の上面に配置され、その下面が接合される。また、2つの半導体レーザ素子20は、点SPに対して点対称に配置される。つまり、2つの半導体レーザ素子20が対称となる点と、2つの光反射部材40が対称となる点と、は同じ位置にある。以降の説明では、この点SPを、対称点と呼ぶものとする。
【0078】
2つの半導体レーザ素子20は、上面視で、出射端面が、基部10の内側面14または外側面15と平行及び垂直にならない。そのため、光反射面41の上端とも、平行及び垂直にならない。つまり、半導体レーザ素子20は、上面視で、基部10の内側面14及び外側面15、または、光反射面41の上端、に対して出射端面が斜めになるように配置される。
【0079】
なお、半導体レーザ素子20を斜めに配置する代わりに、光反射部材40を斜めに配置するようにしてもよい。つまり、半導体レーザ素子20を、基部10の内側面14または外側面15と平行あるいは垂直に配置し、光反射部材40を平行及び垂直にならないように配置してもよい。
【0080】
2つの半導体レーザ素子20のそれぞれで、出射端面から出射された光は、対応する光反射部材40に照射される。対応する光反射部材40とは、同じ金属膜に配置されている光反射部材40である。少なくとも主要部分の光が光反射面41に照射されるように、半導体レーザ素子20は配置される。
【0081】
また、対応する半導体レーザ素子20と光反射部材40との間で、光反射部材40よりも半導体レーザ素子20の方が対称点から遠い位置にある。従って、半導体レーザ素子20から出射された光は、対称点に近付く方向に進む。なお、2つの半導体レーザ素子20のうちの少なくとも一方は温度測定素子60に近い位置に配される。配置の対称性から、一方の半導体レーザ素子20の温度と他方の半導体レーザ素子20の温度に大きな差はないと考えられるためである。
【0082】
半導体レーザ素子20が配されたサブマウント30は、発光装置1において、半導体レーザ素子20から発生した熱を逃がす放熱部材としての役割を果たしている。サブマウント30を放熱部材として機能させるには、半導体レーザ素子20よりも熱伝導率の良い材料で形成すればよい。また、基部の底面よりも熱伝導率の良い材料で形成すると、より高い放熱効果を得ることができる。
【0083】
また、サブマウント30は、発光装置1において、半導体レーザ素子20の光の出射位置を調整する役割を果たすことができる。例えば、光軸を通る光が底面12と水平になるようにし、かつ、光反射面41の所定の位置に照射させたい場合に、サブマウントを調整部材として用いられる。
【0084】
次に、半導体レーザ素子20、保護素子50、及び、温度測定素子60を電気的に接続するための配線70が接合される。電気的な接続には、基部10の底面12に設けられた金属膜を利用する。配線70は、2つの半導体レーザ素子20と保護素子50とが直列に接続するように接合される。また、温度測定素子60が、2つの半導体レーザ素子20及び保護素子50とは別で、電気的に接続するように接合される。
【0085】
次に、透光性部材80が基部10の上面に配置される。透光性部材80は、その下面が基部10の段差部16の上面に配置され接合される。より詳細には、第1段差部161の上面に接合される。透光性部材80の下面の外周領域に設けられた金属膜と、第1段差部161の上面に設けられた金属膜と、がAu-Sn等を介して接合し固定される。
【0086】
透光性部材80が基部10に接合されることで、半導体レーザ素子20が配された閉空間が形成される。このように、発光装置1では、透光性部材80は蓋部材としての役割を果たすことができる。また、この閉空間は気密封止された状態で形成される。気密封止されることで、半導体レーザ素子20の光の出射端面に有機物等が集塵することを抑制できる。
【0087】
ここで、透光性部材80は、上面に波長変換部材90が接合された状態で、基部10に接合される。そのため、透光性部材80が基部10の上面に配され、波長変換部材90が透光性部材80の上面に配される。2つの半導体レーザ素子20より出射された光、特に主要部分の光は、それぞれに対応する光反射部材40の光反射面41によって反射され、透光性部材80を透過し、波長変換部91の下面に入射する。
【0088】
つまり、波長変換部材90は、その下面において、主要部分の光が入射する光入射領域と、その外周領域と、を有するといえる。また、波長変換部91が光入射領域を形成し、包囲部92が外周領域を形成する。なお、外周領域が包囲部92により形成される形態に限らなくてもよい。例えば、波長変換部91のサイズを大きくし、波長変換部91の下面に光入射領域と外周領域が含まれていてもよい。
【0089】
波長変換部91に入射した光の一部あるいは全部は、波長変換部91によって異なる波長の光に変換される。レーザ光または波長変換された光が、波長変換部91の上面から発光装置1の外部に出射される。つまり、波長変換部91の上面が、発光装置1の光取出面となる。
【0090】
なお、波長変換により生じる熱が特定の箇所に集中すると波長変換部91が劣化しやすいため、波長変換部91に入射する光の分布は拡散している方がよい。例えば、2つの半導体レーザ素子20のそれぞれから出射されたレーザ光の光強度の強い部分が重ならないようにするとよい。
【0091】
発光装置1では、光反射部材40の光反射面41を傾斜角の異なる複数の反射面で構成することで、FFPの光強度分布よりも均一化された光が波長変換部91に入射するように制御している。
【0092】
また、2つの光反射部材40の配置によって、それぞれの半導体レーザ素子から出射された光軸を通る光が、波長変換部91の中心を通らないようにしている。つまり、それぞれの半導体レーザ素子から出射された光軸を通る光は、波長変換部91の入射面(下面)において重ならない。
【0093】
波長変換部材90は、包囲部92と、透光性部材80とを接合させることにより、透光性部材80と接合する。包囲部92の第1金属膜922と透光性部材80の第1接合部83とを、また、包囲部92の第2金属膜924と透光性部材80の第2接合部84とを、それぞれ接合させる。
【0094】
第1接合部83における連結領域は、第1金属膜922の第2金属膜924による開口を通る領域と接合する。導電膜921は、上面視または下面視で、第1接合部83による開口を通るように配置される。従って、導電膜921は、第1接合部83の開口に対応する領域を通るように設けられている。
【0095】
また、第1接合部83は、2つの第1金属膜パーツ923を繋ぐようにして第1金属膜922と接合する。導電膜921が通らない開口を通って2つの第1金属膜パーツ923を繋ぐ。また、第2接合部84は、2つの第2金属膜パーツ925を繋ぐようにして第2金属膜924と接合する。第1金属膜922が通らない開口を通って2つの第2金属膜パーツ925を繋ぐ。
【0096】
第1接合部83が波長変換部91の周りを囲むようにして、透光性部材80と波長変換部材90は接合する。この接合により、第1配線パターン81から第1金属膜922へと電気的に接続し、第2金属膜924から第2配線パターン82へと電気的に接続する。従って、第1配線パターン81から導電膜921を取って第2配線パターン82へと電気的に接続することができる。
【0097】
導電膜921は、波長変換部91の近傍においてその周りを細い線状の膜で囲っている。そのため、波長変換部91に割れなどの異常が発生すると、その衝撃に対応して導電膜921にも亀裂が入るなどして電気的な接続状態に変化を与える。従って、この変化(例えば、抵抗値の大幅な上昇)を検知することで波長変換部91の異常を検知することができる。
【0098】
このことから、導電膜921は、波長変換部91の異常を検知するセンサである異常検知素子といえる。また、波長変換部91は、異常検知素子によって異常が検知される対象である検知対象部材といえる。また、同様に、光入射領域は、検知対象領域といえる。
【0099】
また、導電膜921は、波長変換部91の下、つまり、波長変換部91の下面の直下を通らないようにして、その周りを囲う。このようにすることで、半導体レーザ素子20から出射された光が導電膜921を通らずに波長変換部91に入射するため、効率的に光を入射させることができる。
【0100】
なお、透光性部材80の上面の方が、波長変換部材90の下面よりも大きい。また、上面視で、透光性部材80の上面は、波長変換部材90の下面を囲う。あるいは、波長変換部材90を囲う。上面視で、透光性部材80の上面の2つの金属膜はそれぞれ、波長変換部材90の下面と重なる領域から重ならない領域に亘って設けられる。
【0101】
次に、異常検知素子を電気的に接続するための配線70が接合される。電気的な接続には、基部10の第2段差部162に設けられた金属膜と、透光性部材80の金属膜の波長変換部材90の下面と重ならない領域と、が利用される。配線70は、その一端が透光性部材80の上面の金属膜に、他端が第2段差部162の上面の金属膜に、接合される。
【0102】
ここでは、半導体レーザ素子20、保護素子50,及び、温度測定素子60を電気的に接続するための配線70を第1配線71、異常検知素子を電気的に接続するための配線70を第2配線72、と呼ぶものとする。
【0103】
基部10の上面11の6つの金属膜は、半導体レーザ素子20に電源を供給するための2つの金属膜と、温度測定素子60に電源を供給するための2つの金属膜と、異常検知素子に電源を供給するための2つの金属膜と、で構成される。なお、電源供給の態様はこれに限らなくてよい。例えば、温度測定素子60を有さない場合は、係る金属膜も有さなくてよい。また例えば、他の目的で金属膜が利用されてもよい。
【0104】
次に、樹脂部材100が、基部10の上面11による枠の内側に形成される。樹脂部材100は、基部10と波長変換部材90との隙間を埋めるようにして形成される。樹脂部材100は、例えば、熱硬化性の樹脂を流し込み、これを熱で硬化させることで形成できる。
【0105】
樹脂部材100は、基部10の上面11と交わる内側面14、基部10の段差部16の上面、透光性部材80の側面、透光性部材80の上面、及び、波長変換部材90の側面、に接する。また、波長変換部材90の上面には達さない。あるいは、包囲部92の上面に達したとしても、波長変換部91の上面には達さない。これにより、光取出面である波長変換部91を避けつつ、隙間を埋めるようにして樹脂部材100を設けることができる。
【0106】
樹脂部材100の形成において、樹脂は、透光性部材80と波長変換部材90との隙間にも入り込み得る。また、導電膜921が、開口を通って繋がることで、異常検知の仕組みのための接続は安定するが、そのための開口を有するため、樹脂が波長変換部91の下面にまで達することが懸念される。
【0107】
樹脂が波長変換部91の下面にまで達すれば、光の取り出しに支障をきたすことが考えられる。特に、遮光性の樹脂で樹脂部材100を形成すると、半導体レーザ素子20から波長変換部91へと進む光の少なくとも一部が遮られることが起こり得る。
【0108】
発光装置1では、第1接合部83と第2接合部84の開口を異なる方向に向けて設けることで、樹脂が波長変換部91へと入り込みにくい構造を実現している。これにより、隙間を埋めつつ、透光性部材80の透光性の領域と波長変換部材90の透光性の領域との間を邪魔しないように樹脂部材100を形成することができる。
【0109】
このように、波長変換部91への樹脂の侵入を防ぐための構造を有することで、発光装置1として有効に機能させつつ、異常検知の仕組みを適切に動作させることができる。この観点から、第1接合部83と第2接合部84は、その外周からの侵入を防ぐための侵入保護部といえる。
【0110】
また、波長変換部材90あるいは波長変換部91は、侵入保護の対象である保護対象部材といえる。同様に、光入射領域は、保護領域といえる。なお、侵入のおそれのある材料は樹脂に限らない。例えば、接着剤など、流動性のあるものが対象となりうる。
【0111】
また、樹脂部材100は、第2配線72を内包する。つまり、樹脂部材100が形成された時点で、発光装置1において第2配線72は露出しない。これにより、第2配線72を水滴等の付着から保護することができる。なお、必ずしも内包していなくてよい。
【0112】
樹脂部材100が形成する貫通孔には、波長変換部材90が貫通する。また、樹脂部材100の下面側に形成される凸形状の突出部分は、透光性部材80の側面と、基部10の内側面14と、の間の溝に嵌る。
【0113】
樹脂部材100は、上面視で、基部10の上面11による枠の内側に露出していた金属領域を隠す。発光装置1において、樹脂部材100は絶縁性の材料によって形成されており、絶縁部材としての役割を果たしている。これにより、異常検知の仕組みを適切に動作させることができる。また、外部電源による発光装置1への給電のための導通領域を、凹形状の窪んだ空間の外側に限定することができる。
【0114】
また、樹脂部材100は、遮光性を有することで、光取出面以外からの光の漏れを抑制する遮光部材としての役割を果たしている。遮光性を高める上では、樹脂部材100は、第2接合部84の開口、及び、第1接合部83と第2接合部84の間の領域にまで設けられ、かつ、第1接合部83の開口には達さないことが好ましい。
【0115】
このように遮光性を有する樹脂部材100によって有効に隙間を埋めることで、所望の光取出領域以外からの光の漏れを抑制した効果的な発光装置を実現することができる。
【0116】
ここで、実施形態の発光装置1に適用される透光性部材の他の例をいくつか挙げる。
<変形例1>
図13は、発光装置1に適用される透光性部材の他の例である、透光性部材280を示す上面図である。なお、
図13における破線の矢印は、第1配線パターン281及び第2配線パターン282における電流の流れを概略的に示している。なお、この電流の流れは、発光装置1を動作させたときの流れの一例である。また、
図13における幅Wは、電流が流れる方向との関係から合理的に導かれる配線パターンの幅を例示している。
【0117】
透光性部材280は、
図11で示した透光性部材80と比べて、配線幅調整部283を有している点が異なる。配線幅調整部283は、配線パターン(第1配線パターン281または第2配線パターン282)の一部分を構成する。また、配線幅調整部283は、配線パターンにおいて、接合部(第1接合部83または第2接合部84)の連結領域へと繋がる部分の近傍に設けられる。
【0118】
発光装置1に係る透光性部材において、配線パターンは、接合部に繋がる部分の幅の方が、外周領域に設けられる部分の幅よりも小さい。なお、ここでいう配線パターンの幅は、電流が流れる方向との関係から合理的に導かれる(
図13参考)。
【0119】
従って、電流は、幅の広い部分から幅の狭い部分へと流れ、また、幅の狭い部分から幅の広い部分へと流れていくこととなる。配線幅調整部283は、電流が流れる配線パターンの幅が急激に変化することを抑制する部分である。大きな電流が流れることによって生じる急激な電流密度の変化から配線パターンが破損するといった事態の発生を、配線幅調整部283を設けることで抑制することができる。
【0120】
また、配線幅調整部283は、接合部の連結領域へと繋がる部分の直ぐ手前に設けられる。これにより、配線パターンにおいて電流密度が最も高くなる連結領域へと繋がる部分の手前で、電流密度の変化の度合いを緩和することができる。
【0121】
配線幅調整部283は、幅の広い部分と、幅の狭い部分との間を繋ぎ、かつ、配線幅調整部283は、広い方の幅よりも狭く、狭い方の幅よりも広い幅となる部分を有する。つまり、広い方の幅と狭い方の幅との中間の幅を有する。
【0122】
配線幅調整部283は、例えば、幅の広い部分と繋がる位置から、幅の狭い部分と繋がる位置まで、徐々に幅を縮めていく形状で形成される。また、徐々に幅を縮めていく形状には、例えば、連続的に幅を縮めていく形状があり、また例えば、段階的に幅を狭めていく形状がある。
【0123】
連続的に幅を狭めていく形状としては、
図13に例示されるように、配線幅調整部283の幅を規定する対向する二辺のうちの少なくとも一辺を曲線で形成する。
図13の例では、第1配線パターン281に係る配線幅調整部283は、幅を規定する対向する二辺のうちの一辺のみを曲線で形成している。
【0124】
また、曲線を形成する一辺は、二辺のうち、より電流経路に近い側である。言い換えれば、第1配線パターン281において第2配線72が接合される領域に近い側の辺である。なお、二辺を曲線で形成してもよい。第1配線パターン281は、第2配線72が接合される領域に遠い側の辺が、第2配線パターン282と近くで対向しているため、直線で形成されている。
【0125】
また、第2配線パターン282に係る配線幅調整部283は、幅を規定する対向する二辺を曲線で形成している。二辺ともに、第1配線パターン281から十分に離れた位置にあるため、どちらも曲線としている。なお、一辺のみを曲線で形成するようにしてもよい。
【0126】
また、連続的に幅を狭めていく形状としては、例えば、配線幅調整部283の幅を規定する対向する二辺を、幅の広い部分と繋がる位置と幅の狭い部分と繋がる位置とを結ぶ直線で形成する。つまり、二辺のうち一方の辺に対して、他方の辺は垂直でも平行でもなく、斜めの直線で形成される。
【0127】
また、段階的に幅を狭めていく形状としては、例えば、幅の広い部分と繋がる位置から幅の狭い部分と繋がる位置までを、階段状に形成する形状がある。なお、配線幅調整部283の形状は、ここで例示した形状に限られなくてもよい。
【0128】
配線幅調整部283は、第1配線パターン281に設けられる。また、配線幅調整部283は、第2配線パターン282に設けられる。第2配線パターン282に係る配線幅調整部283は、上面視で、波長変換部材90の導電膜921と重なる部分の直ぐ手前に設けられる(
図10の導電膜921の配置を参照)。
【0129】
<変形例2>
図14は、発光装置1に適用される透光性部材の他の例である、透光性部材380を示す上面図である。透光性部材380は、第2配線パターン382において、配線幅調整部283が設けられる位置が異なる点で、透光性部材280と異なる。
【0130】
透光性部材380では、第1配線パターン281に係る配線幅調整部283と、第2配線パターン382に係る配線幅調整部283とが、上面視で対向する位置に設けられる。このように配置することで、第2配線パターン382において、第2配線72と接合する位置から配線幅調整部283までの電流経路を長く確保し、緩やかに幅を狭めていくことができる。また、上面視で、波長変換部材90の導電膜921と重なる部分から離れた位置に配線幅調整部283を設けることができる。
【0131】
<変形例3>
図15は、発光装置1に適用される透光性部材の他の例である、透光性部材480を示す上面図である。透光性部材480は、第2配線パターン482において、配線幅調整部283が設けられる位置が異なる点で、透光性部材280及び透光性部材380と異なる。
【0132】
透光性部材480では、上面視で、第2配線パターン482と第2配線72が接合する位置(
図5参照)の反対側に、第2配線パターン482に係る配線幅調整部283が設けられる。また、透光性部材480の外周領域において、第2配線パターン482と第2配線72が接合する辺側の領域とは反対側の領域に、第2配線パターン482に係る配線幅調整部283が設けられる。このように配置することで、第2配線パターン482において、第2配線72と接合する位置から配線幅調整部283までの電流経路を長く確保することができる。
【0133】
以上、実施形態の発光装置1を説明すると共に、一実施形態として発光装置1に実装される光学部材を説明した。なお、発光装置1における光学部材は、透光性部材80と、波長変換部材90と、を有し、透光性部材80と、波長変換部材90とが接合した部材である。また、発光装置1における樹脂部材100として説明したが、光学部材は、異常検知素子を有していてもよい。また、透光性部材の一部に遮光のための遮光部材を設けてもよい。また、絶縁のための絶縁部材を有してもよい。光学部材は、半導体レーザ素子などの発光素子からの光を制御する光学系を実現する。
【0134】
以上、説明してきたが、明細書により開示された技術的特徴を有した本発明は、明細書の実施形態で説明した構造に限られるわけではない。例えば、実施形態に開示のない構成要素を有する発光装置においても本発明は適用され得るものであり、開示された構造と違いがあることは本発明を適用できないことの根拠とはならない。
【0135】
このことはつまり、実施形態により開示された発光装置の全ての構成要素を必要十分に備えることを必須としないものであっても、本発明が適用され得ることを示す。例えば、特許請求の範囲に、実施形態により開示された発光装置の一部の構成要素が記載されていなかった場合、その構成要素については、本実施形態に開示されたものに限らず、代替、省略、形状の変形、材料の変更などといった当業者による設計の自由度を認め、その上で特許請求の範囲に記載された発明が適用されることを請求するものである。
【産業上の利用可能性】
【0136】
実施形態に記載の光学部材は、車載ヘッドライト、照明、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイ、その他ディスプレイのバックライト等の光源に使用される光学系に利用することができる。
【符号の説明】
【0137】
1 発光装置
10 基部
11 上面
12 底面
13 下面
14 内側面
15 外側面
16 段差部
161 第1段差部
162 第2段差部
20 半導体レーザ素子
30 サブマウント
40 光反射部材
41 光反射面
411 第1反射面
412 第2反射面
50 保護素子
60 温度測定素子
70 配線
71 第1配線
72 第2配線
80、280、380、480 透光性部材
81、281 第1配線パターン
82、282、382、482 第2配線パターン
83 第1接合部
84 第2接合部
283 配線幅調整部
90 波長変換部材
91 波長変換部
92 包囲部
921 導電膜
922 第1金属膜
923 第1金属膜パーツ
924 第2金属膜
925 第2金属膜パーツ
100 樹脂部材