IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

特許7496063プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
<>
  • 特許-プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 図1
  • 特許-プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 図2
  • 特許-プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 図3
  • 特許-プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 図4
  • 特許-プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 図5
  • 特許-プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 図6
  • 特許-プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 図7
  • 特許-プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 図8
  • 特許-プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20240530BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
G03G21/18 121
G03G15/00 550
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020152322
(22)【出願日】2020-09-10
(65)【公開番号】P2022046333
(43)【公開日】2022-03-23
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】久保 達哉
(72)【発明者】
【氏名】唐澤 信哉
(72)【発明者】
【氏名】與五澤 一輝
(72)【発明者】
【氏名】土屋 右騎
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-185737(JP,A)
【文献】特開2014-170057(JP,A)
【文献】特開2022-046342(JP,A)
【文献】特開2010-128342(JP,A)
【文献】特開2010-091988(JP,A)
【文献】特開2020-140067(JP,A)
【文献】特開2009-180987(JP,A)
【文献】特開2006-098776(JP,A)
【文献】特開2017-138387(JP,A)
【文献】特開2017-156435(JP,A)
【文献】特開2000-132039(JP,A)
【文献】実開平04-093849(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/18
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジであって、
回転可能な像担持体と、
前記像担持体に対向する回転可能な現像剤担持体と、
前記像担持体と前記現像剤担持体との対向距離を定める位置決め部材と、
を備え、
前記位置決め部材は、
前記像担持体の被嵌合部が回転可能に嵌合する嵌合部と、
天井部から底部まで上下方向に延びるように形成されて、前記現像剤担持体の軸部がスライド移動可能な溝部と、
を具備し、
前記溝部は、
前記現像剤担持体の前記軸部が前記底部に突き当たり保持可能に形成されて、当該溝部への前記軸部の挿脱が可能となるように前記天井部が上方に開口して、
前記現像剤担持体の前記軸部を挟むように形成された2つの面部が、それぞれ、前記底部とその近傍とにおける前記像担持体の回転中心からの距離が一定になるように形成されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジであって、
回転可能な像担持体と、
前記像担持体に対向する回転可能な現像剤担持体と、
前記像担持体と前記現像剤担持体との対向距離を定める位置決め部材と、
を備え、
前記位置決め部材は、
前記像担持体の被嵌合部が回転可能に嵌合する嵌合部と、
天井部から底部まで上下方向に延びるように形成されて、前記現像剤担持体の軸部がスライド移動可能な溝部と、
を具備し、
前記溝部は、前記現像剤担持体の前記軸部が前記底部に突き当たり保持可能に形成されて、当該溝部への前記軸部の挿脱が可能となるように前記天井部が上方に開口し、
当該プロセスカートリッジは、内部に現像剤を収容可能な現像装置が着脱可能に設置され、
前記現像剤担持体は、前記現像装置に回転可能に保持され、
前記位置決め部材は、前記現像装置の現像ケースと、前記現像ケースとは異なる当該プロセスカートリッジのカートリッジケースと、にそれぞれ着脱可能に結合され、
前記現像装置は、前記現像ケースに対する前記位置決め部材の結合が解除された状態で、前記現像剤担持体の前記軸部を前記天井部と前記底部との間で移動させて、前記カートリッジケースに結合された状態の前記位置決め部材に対して前記現像剤担持体とともに着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項3】
前記溝部は、前記像担持体の回転中心と前記現像剤担持体の回転中心とを結ぶ仮想線に対して直交する方向に延びるように形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
前記溝部は、前記像担持体の回転中心と前記現像剤担持体の回転中心とを結ぶ仮想線に直交する方向に対して、前記像担持体の側に傾斜する方向に延びるように形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
前記溝部は、前記現像剤担持体の前記軸部を挟むように形成された2つの面部のうち、少なくとも前記像担持体に近い側の面部が、前記天井部の側に比べて前記底部の側が前記像担持体の回転中心に近くなるように形成されたことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
前記溝部の前記底部に保持された前記軸部の上方への移動を制限する制限部材を、前記位置決め部材に対して着脱可能に設置したことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項7】
前記像担持体の回転中心が前記現像剤担持体の回転中心よりも下方に位置することを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれかに記載のプロセスカートリッジが前記画像形成装置本体に着脱可能に設置されたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジと、それを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置に設置されるプロセスカートリッジにおいて、現像ローラ(現像剤担持体)と感光体ドラム(像担持体)とのギャップ(対向距離)を高精度に設定することを目的として、現像ローラの軸部と感光体ドラムの軸部とをそれぞれ嵌合させる面板(位置決め部材)を設ける技術が知られている(例えば、特許文献1等参照。)。
【0003】
詳しくは、特許文献1等における面板(位置決め部材)は、現像装置の現像ローラの軸部に嵌合する穴部と、感光体ドラムの軸部に嵌合する穴部と、が形成されている。そして、面板の2つの穴部に現像ローラの軸部と感光体ドラムの軸部とがそれぞれ嵌合されることで、現像ローラと感光体ドラムとの軸間距離が定まり、現像ローラと感光体ドラムとのギャップが高精度に設定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のプロセスカートリッジは、現像剤担持体(現像ローラ)のメンテナンスや交換をおこなうときに、プロセスカートリッジに位置決め部材(面板)を固定するための複数のネジを取り外した後に、プロセスカートリッジから位置決め部材を取り外して、位置決め部材に対して像担持体(感光体ドラム)と現像装置とを分離しなければならなかった。そのため、現像剤担持体のメンテナンスや交換に関わる時間や手間が掛かってしまっていた。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、現像剤担持体のメンテナンスや交換に関わる時間や手間が低減される、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明におけるプロセスカートリッジは、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジであって、回転可能な像担持体と、前記像担持体に対向する回転可能な現像剤担持体と、前記像担持体と前記現像剤担持体との対向距離を定める位置決め部材と、を備え、前記位置決め部材は、前記像担持体の被嵌合部が回転可能に嵌合する嵌合部と、天井部から底部まで上下方向に延びるように形成されて、前記現像剤担持体の軸部がスライド移動可能な溝部と、を具備し、前記溝部は、前記現像剤担持体の前記軸部が前記底部に突き当たり保持可能に形成されて、当該溝部への前記軸部の挿脱が可能となるように前記天井部が上方に開口して、前記現像剤担持体の前記軸部を挟むように形成された2つの面部が、それぞれ、前記底部とその近傍とにおける前記像担持体の回転中心からの距離が一定になるように形成されたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、現像剤担持体のメンテナンスや交換に関わる時間や手間が低減される、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
図2】作像部を示す構成図である。
図3】プロセスカートリッジの要部を長手方向に示す断面図である。
図4】プロセスカートリッジに現像装置が装着された状態を示す図である。
図5】プロセスカートリッジから現像装置が取り外された状態を示す図である。
図6】変形例1としての、プロセスカートリッジにおける位置決め部材の近傍を示す拡大図である。
図7】変形例2としての、プロセスカートリッジにおける位置決め部材を示す拡大図である。
図8】変形例3としての、位置決め部材の要部を示す拡大図である。
図9】変形例4としての、プロセスカートリッジにおける位置決め部材の近傍を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
まず、図1にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのカラー複写機、3は原稿を原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿の画像情報を読み込む原稿読込部、6は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部(露光部)、を示す。
また、7は用紙等のシートPが収納される給紙装置、10Y、10M、10C、10BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部としてのプロセスカートリッジ、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上に形成されたトナー像をシートPに転写する2次転写ローラ、を示す。
また、20はシートP上の未定着画像を定着する定着装置、28は各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKの現像装置に各色のトナーを補給するためのトナー容器、30は廃トナーが回収される廃トナー回収容器、を示す。
【0011】
ここで、各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BK(作像部)は、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム11、帯電装置12、現像装置13、クリーニング装置15が一体化されたものである(図2参照)。そして、各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKは、寿命に達したときに、新品のものに交換される。
各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKにおける感光体ドラム11(像担持体)上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される。
【0012】
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿は、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部6に送信される。そして、書込み部6からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応するプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKの感光体ドラム11上に向けて照射される。
【0013】
一方、4つの感光体ドラム11は、それぞれ、図1図2の時計方向に回転している。そして、図2を参照して、まず、感光体ドラム11の表面は、帯電装置12(帯電ローラ)との対向位置で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム11上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11の表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。
書込み部6において、光源から画像信号に対応したレーザ光Lが各色に対応して射出される。レーザ光Lは、ポリゴンミラーに入射して反射した後に、複数のレンズを透過する。複数のレンズを透過した後のレーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
【0014】
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目のプロセスカートリッジ10Yの感光体ドラム11の表面に照射される。こうして、帯電ローラ12aにて帯電された後の感光体ドラム11上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、シアン成分のレーザ光は、紙面左から2番目のプロセスカートリッジ10Cの感光体ドラム11の表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から3番目のプロセスカートリッジ10Mの感光体ドラム11の表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目のプロセスカートリッジ10BKの感光体ドラム11の表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
【0015】
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11の表面は、それぞれ、現像装置13(図2参照)との対向位置に達する。そして、各現像装置13から感光体ドラム11上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11の表面は、それぞれ、像担持体としての中間転写ベルト17(中間転写体)との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように1次転写ローラ14が設置されている。そして、1次転写ローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
【0016】
そして、1次転写工程後の感光体ドラム11の表面は、それぞれ、クリーニング装置15(図2参照)との対向位置に達する。そして、クリーニング装置15で、感光体ドラム11上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。なお、クリーニング装置15内に回収された未転写トナーは、搬送スクリュ15b(図2参照)によって搬送管16内を搬送されて、廃トナーとして廃トナー回収容器30内に回収される。
その後、感光体ドラム11の表面は、除電装置の位置を通過して、感光体ドラム11における一連の作像プロセスが終了する。
【0017】
他方、感光体ドラム11上の各色の画像が重ねて転写された中間転写ベルト17の表面は、図1中の矢印方向に走行して、2次転写ローラ18の位置に達する。そして、2次転写ローラ18の位置で、シートP上に中間転写ベルト17上のフルカラーの画像が2次転写される(2次転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト17の表面は、中間転写ベルトクリーニング装置9(クリーニング装置)の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング装置9に回収されて、中間転写ベルト17上の一連の転写プロセスが完了する。なお、中間転写ベルトクリーニング装置9内に回収された未転写トナーは、搬送スクリュ15b(図3参照)によって搬送管16内を搬送されて、廃トナーとして廃トナー回収容器30内に回収される。
【0018】
ここで、2次転写ローラ18の位置のシートPは、給紙装置7から搬送ガイド、レジストローラ19等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、シートPを収納する給紙装置7から、給紙ローラ8により給送されたシートPが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ19に導かれる。レジストローラ19に達したシートPは、中間転写ベルト17上のトナー像とタイミングを合わせて、2次転写ローラ18の位置に向けて搬送される。
【0019】
その後、フルカラー画像が転写されたシートPは、定着装置20に導かれる。定着装置20では、定着ローラと加圧ローラとのニップにて、カラー画像がシートP上に定着される。
そして、定着工程後のシートPは、排紙ローラ29によって装置本体1外に出力画像として排出された後に、排紙部5上にスタックされて、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0020】
次に、図2及び図3にて、画像形成装置の作像部について詳述する。
図2は、黒色用のプロセスカートリッジ10BKを示す構成図である。その他の3つのプロセスカートリッジ10Y、10M、10Cは、それぞれ、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる点を除き、黒色用のプロセスカートリッジ10BKとほぼ同じに構成されているため、その図示と説明とを省略する。
【0021】
図2に示すように、プロセスカートリッジ10BKには、主として、像担持体としての感光体ドラム11と、現像装置13と、帯電装置12と、クリーニング装置15と、がカートリッジケース50(筐体)に一体的に収納されている。
クリーニング装置15には、感光体ドラム11に当接するクリーニングブレード15a及び搬送スクリュ15bが設置されている。
【0022】
現像装置13は、主として、感光体ドラム11に対向して現像領域を形成する現像剤担持体としての現像ローラ13a、現像ローラ13aに対向する第1搬送スクリュ13b1(第1搬送部材)、仕切部材13eを介して第1搬送スクリュ13b1に対向する第2搬送スクリュ13b2(第2搬送部材)、現像ローラ13aに対向して現像ローラ13a上に担持された現像剤の量を規制するドクターブレード13c(現像剤規制部材)、等で構成される。
【0023】
現像装置13内には、トナーとキャリアとからなる現像剤(2成分現像剤)が収容されている。
現像ローラ13aは、感光体ドラム11に対して微小なギャップH(図3参照)をあけて対向して現像領域を形成するように構成されている。現像ローラ13aは、図3に示すように、内部に固設されてローラ外周面上に複数の極(磁極)を形成するマグネット13a1と、マグネット13a1の周囲を回転するスリーブ13a2と、で構成される。
【0024】
搬送部材としての搬送スクリュ13b1、13b2は、現像装置13の内部に収容された現像剤を長手方向に搬送して循環経路(図3にて破線矢印で示す循環経路である。)を形成する。すなわち、第1搬送スクリュ13b1による第1搬送経路B1と、第2搬送スクリュ13b2による第2搬送経路B2と、による現像剤の循環経路が形成されている。
第1搬送経路B1と第2搬送経路B2とは仕切部材13e(壁部)によって隔絶されていて、2つの搬送経路B1、B2の長手方向両端部は互いに連通口13f、13gを介して連通している。具体的に、図3を参照して、第1搬送経路B1の搬送方向上流側の端部と、第2搬送経路B2の搬送方向下流側の端部と、が第1連通口13fを介して連通している。また、第1搬送経路B1の搬送方向下流側の端部と、第2搬送経路B2の搬送方向上流側の端部と、が第2連通口13gを介して連通している。すなわち、仕切部材13eは、長手方向両端部を除く位置に配設されている。
第1搬送スクリュ13b1(第1搬送経路B1)は現像ローラ13aに対向するように配設され、第2搬送スクリュ13b2(第2搬送経路B2)は仕切部材13eを介して第1搬送スクリュ13b1(第1搬送経路B1)に対向するように配設されている。第1搬送スクリュ13b1は、現像剤を長手方向に搬送しながら、現像ローラ13aに向けて現像剤を供給するとともに、現像ローラ13aから離脱した現像工程後の現像剤を回収する。第2搬送スクリュ13b2は、第1搬送経路B1から搬送された現像工程後の現像剤と、トナー補給口13dから補給されたフレッシュな現像剤と、を長手方向に搬送しながら撹拌・混合する。
本実施の形態において、2つの搬送スクリュ13b1、13b2(搬送部材)は、水平方向に並設されている。2つの搬送スクリュ13b1、13b2は、いずれも、軸部にスクリュ部が巻装されたものである。
【0025】
先に述べた作像プロセスを、現像工程を中心にしてさらに詳しく説明する。
現像ローラ13aは、図2中の矢印方向に回転している。現像装置13内の現像剤は、図3に示すように、間に仕切部材13eを介在するように配設された第1搬送スクリュ13b1及び第2搬送スクリュ13b2の矢印方向の回転によって、トナー容器70からトナー補給経路27を経てトナー補給口13d(流入口)から補給されたトナーとともに撹拌混合されながら長手方向に循環する(図3中の破線矢印方向の循環である。)。
なお、現像装置13のトナー補給口13dは、画像形成装置本体1に対する現像装置13(プロセスカートリッジ10BK)の着脱動作に連動して、画像形成装置本体1のトナー補給経路27に連通・連通解除されることになる。
【0026】
そして、摩擦帯電してキャリアに吸着したトナーは、現像ローラ13a上に形成された剤汲上げ極によって、キャリアとともに現像ローラ13a上に汲み上げられる。現像ローラ13a上に担持された現像剤は、図2中の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード13cとの対向位置に達する。そして、現像ローラ13a上の現像剤は、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム11との対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム11上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ13a上に残った現像剤はスリーブの回転にともない第1搬送経路B1の上方に達して、この位置で現像ローラ13aから離脱される。ここで、現像領域における電界は、現像用の電源によって現像ローラ13aに印加される所定の電圧(現像バイアス)と、帯電工程と露光工程とによって感光体ドラム11の表面に形成される表面電位(潜像電位)と、によって形成されるものである。
【0027】
なお、トナー容器70内のトナーは、現像装置13内のトナーの消費にともない、トナー補給口13dから現像装置13内に適宜に補給されるものである。現像装置13内のトナーの消費は、現像装置13内の現像剤のトナー濃度(現像剤中のトナーの割合である。)を磁気的に検知するトナー濃度センサによって検知される。
また、トナー補給口13dは、第2搬送スクリュ13b2の長手方向(図3の左右方向である。)の一端側であって、第2搬送スクリュ13b2(第2搬送経路B2)の上方に設けられている。
【0028】
以下、図3図5等を用いて、本実施の形態において特徴的な、プロセスカートリッジ10BKの構成・動作について詳しく説明する。
先に図2図3等を用いて説明したように、プロセスカートリッジ10BKは、画像形成装置本体1に対して着脱可能に設置されるユニットである。そして、プロセスカートリッジ10BKには、回転可能な像担持体としての感光体ドラム11や、感光体ドラム11に対向する回転可能な現像剤担持体としての現像ローラ13aなどが設置されている。
現像ローラ13a(現像剤担持体)は、現像装置13に回転可能に保持されている。また、現像装置13は、内部に現像剤を収容可能に構成されていて、プロセスカートリッジ10BKに対して着脱可能に設置されている。
【0029】
ここで、図3図4を参照して、本実施の形態におけるプロセスカートリッジ10BKには、感光体ドラム11と現像ローラ13aとの対向距離H(現像ギャップ)を定める位置決め部材としての面板40が、長手方向(回転軸方向)の両端部にそれぞれ設置されている。
そして、面板40(位置決め部材)には、感光体ドラム11(像担持体)の被嵌合部としてのドラム軸11aが回転可能に嵌合する嵌合部としての穴部40aが形成されている。また、面板40には、現像ローラ13a(現像剤担持体)の軸部13a10(13a20)がスライド移動可能な溝部40b(切欠き部)が、天井部40b1(上端部)から底部40b2(下端部)まで上下方向に延びるように形成されている。
【0030】
そして、穴部40aによって感光体ドラム11(ドラム軸11a)の位置が定められ、溝部40bによって現像ローラ13a(軸部13a10、13a20)の位置が定められる。現像ローラ13aは、現像装置13の重力により、軸部13a10(13a20)が底部40b2に密着するように保持されることになる。これにより、感光体ドラム11と現像ローラ13aとの軸間距離が定まり、現像ギャップH(図3参照)が狙いの値に精度良く設定されることになる。
特に、現像ローラ13aに担持された現像剤が感光体ドラム11に接触するときに、現像ローラ13aが現像剤による圧力(反力)を受けても、現像ギャップHが変化することはなく、良好な現像工程がおこなわれることになる。
【0031】
なお、図3を参照して、2つの面板40のうち、一方の面板40(図3の左方の面板である。)は、現像ローラ13aにおける非回転の軸部13a10(マグネット13a1の回転方向の姿勢を定めるための軸部である。)を保持するためのものである。これに対して、他方の面板40(図3の右方の面板である。)は、現像ローラ13aにおける回転可能な軸部13a20(スリーブ13a2を回転させるための軸部である。)を保持するためのものである。2つの面板40は、互いに左右対称に形成されている点を除き、ほぼ同様に構成されている。
【0032】
そして、本実施の形態において、面板40の溝部40bは、現像ローラ13a(現像剤担持体)の軸部13a10(13a20)が底部40b2に突き当たり保持可能に形成されている。また、溝部40bは、溝部40bへの軸部13a10(13a20)の挿脱が可能となるように、天井部40b1が上方に開口している。
すなわち、溝部40bにおいて、底部40b2(下端部)には、軸部13a10(13a20)の下外周面が突き当たる曲面状の壁部(軸部13a10、13a20の外周面と略同径の内周面からなる。)が形成されている。これに対して、溝部40bにおいて、天井部40b1(上端部)には、軸部13a10(13a20)が突き当たるような壁部が形成されておらず、溝部40bの溝幅のまま上方に開口している。これにより、図5の両矢印方向に軸部13a10(13a20)を移動して、天井部40b1から軸部13a10(13a20)を溝部40bに挿入したり溝部40bから離脱したりすることができる。また、軸部13a10(13a20)を、溝部40bに沿って図5の両矢印方向に移動(スライド移動)することができる。
【0033】
このように面板40に溝部40bを形成することで、溝部40bの代わりに位置決め用の穴部を形成する場合に比べて、現像ローラ13aのメンテナンスや交換に関わる時間や手間が低減されることになる。
具体的に、現像ローラ13a(現像装置13)のメンテナンスや交換をおこなうときに、感光体ドラム11と面板40との嵌合を解除する手間や時間を掛けることなく、感光体ドラム11が嵌合した状態の面板40に対して、現像ローラ13a(現像装置13)を着脱することができる。
【0034】
ここで、図3図4を参照して、本実施の形態において、位置決め部材としての面板40は、現像装置13の現像ケース13rと、カートリッジケース50と、にそれぞれ着脱可能に結合(本実施の形態では、ネジ締結である。)されている。
カートリッジケース50は、現像ケース13rとは異なるプロセスカートリッジ10BKの筐体であって、感光体ドラム11の他、帯電装置12とクリーニング装置15とが保持されている。現像ケース13rは、現像ローラ13aの他、2つの搬送スクリュ13b1、13b2やドクターブレード13cが保持されている。
【0035】
詳しくは、面板40には、ネジ60を挿入可能なネジ用穴部が3つ形成されている。また、現像ケース13rの側面には1つの雌ネジ部が形成され、カートリッジケース50の側面には2つの雌ネジ部が形成されている。
そして、面板40のネジ用穴部を介して、現像ケース13rの1つの雌ネジ部にネジ60が螺合され、カートリッジケース50の2つの雌ネジ部にそれぞれネジ60が螺合される。これにより、図3図4等に示すように、プロセスカートリッジ10BKにおいて現像装置13が面板40を介して接合されて、1つのユニットとして一体化されることになる。さらに、面板40によって、感光体ドラム11と現像ローラ13aとの軸間距離が定まり、現像ギャップH(図3参照)が狙いの値に精度良く設定されることになる。
【0036】
ここで、現像装置13は、現像ケース13rに対する面板40の結合が解除された状態(1つネジ60が外された状態である。)で、現像ローラ13aの軸部13a10(13a20)を天井部40b1と底部40b2との間で移動させて、カートリッジケース50に結合された状態(2つのネジ60が螺合した状態である。)の面板40に対して現像ローラ13aとともに着脱可能に形成されている。
【0037】
具体的に、図4に示すように、現像装置13のメンテナンスや交換などをおこなうため、現像装置13が面板40を介してネジ60により結合されたプロセスカートリッジ10BKに対して、現像装置13を取り外す場合には、まず、画像形成装置本体1からプロセスカートリッジ10BKを取り出す。
そして、取り出したプロセスカートリッジ10BKにおいて、現像装置13を結合するネジ60(両端の2つの面板40にそれぞれ1つ設置されている。)を取り外す。このとき、感光体ドラム11は、2つの面板40によってカートリッジケース50にネジ60により結合されたままである。
そして、図5に示すように、面板40とのネジ締結が解除された状態の現像装置13を、面板40の溝部40bに沿って上方に移動して、プロセスカートリッジ10BKから現像装置13を取り外す。詳しくは、溝部40bに沿うように現像ローラ13aの軸部13a10、13a20を上方に移動して、プロセスカートリッジ10BKから現像装置13を取り外す。このとき、プロセスカートリッジ10BKにおいて、現像装置13以外の構成部材(感光体ドラム11、帯電装置12、クリーニング装置15)は、カートリッジケース50に保持されたままとなる。
なお、プロセスカートリッジ10BKに対して現像装置13を装着するときには、上述した離脱時とは逆の手順で操作がおこなわれることになる。
【0038】
このように、面板40に溝部40bを形成することで、溝部40bの代わりに位置決め用の穴部を形成する場合に比べて、現像装置13のメンテナンスや交換に関わる時間や手間が低減されることになる。
具体的に、現像装置13のメンテナンスや交換をおこなうときに、感光体ドラム11が嵌合した状態の面板40に対して、感光体ドラム11と面板40との嵌合を解除する手間や時間を掛けることなく、面板40に対して現像装置13を着脱することができる。
【0039】
ここで、図4を参照して、本実施の形態において、面板40の溝部40bは、感光体ドラム11(像担持体)の回転中心と現像ローラ13a(現像剤担持体)の回転中心とを結ぶ仮想線S1に対して直交する方向(図4の破線S2の方向である。)に延びるように形成されている。
このように構成することで、現像ローラ13aが感光体ドラム11から離れる方向の力(仮想線S1に沿った力である。)を受けても、溝部40b(底部40b2)には、その力を受ける壁部が存在することになる。そのため、現像ローラ13aが感光体ドラム11から離れる方向の力を受けても、現像ギャップHが変化しにくくなる。
【0040】
特に、図4に示すように、本実施の形態では、感光体ドラム11の回転中心が、現像ローラ13aの回転中心よりも下方に配置されている。
これにより、上述した仮想線S1は図4の左側に向けて上方に傾斜することになり、仮想線S2は仮想線S1との交点を通る垂線に対して交点を中心に図4の時計方向に傾斜することになる。すなわち、溝部40は、感光体ドラム11に近づく方向に傾斜することになる。
そのため、現像ローラ13aが感光体ドラム11から離れる方向の力を受けても、軸部13a10(13a20)が底部40b2から上方に移動しにくくなり、現像ギャップHが変化しにくくなる。
【0041】
<変形例1>
図6に示すように、変形例1における面板40(位置決め部材)は、溝部40bが、感光体ドラム11の回転中心と現像ローラ13aの回転中心とを結ぶ仮想線S1に直交する方向(図6の仮想線S2の方向である。)に対して、感光体ドラム11の側に傾斜する方向(図6の仮想線S3の方向である。)に延びるように形成されている。
具体的に、仮想線S1は、図6の左側に向けて上方に傾斜して、仮想線S1に直交する仮想線S2は、仮想線S1との交点を通る垂線に対して交点を中心に図6の時計方向に傾斜している。そして溝部40は、仮想線S2よりも、上述した交点を中心に図6の時計方向にさらに傾斜する仮想線S3の方向に沿って延在している。
このように構成することで、現像ローラ13aが感光体ドラム11から離れる方向の力(仮想線S1に沿った力である。)を受けても、溝部40b(底部40b2)には、その力を受ける壁部がさらに広い範囲で存在することになる。そのため、現像ローラ13aが感光体ドラム11から離れる方向の力を受けても、現像ギャップHが変化しにくくなる。
【0042】
<変形例2>
図7に示すように、変形例2における面板40(位置決め部材)は、溝部40bが、現像ローラ13aの軸部13a10(13a20)を挟むように形成された2つの面部40b11、40b12のうち、少なくとも感光体ドラム11に近い側の面部40b11が、天井部40b1の側に比べて底部40b2の側が感光体ドラム11の回転中心に近くなるように形成されている。
詳しくは、感光体ドラム11に近い側の面部40b11は、天井部40b1における感光体ドラム11の回転中心からの距離M1に比べて、底部40b2における感光体ドラム11の回転中心からの距離M2が短くなるように形成されている(M1>M2)。なお、感光体ドラム11に遠い側の面部40b12は、感光体ドラム11に近い側の面部40b11に対して略平行になるように(溝幅が略一定になるように)形成されている。
このように構成することにより、プロセスカートリッジ10BKに対して現像ローラ13a(現像装置13)を着脱するときに、現像ローラ13a(現像装置13)が感光体ドラム11に干渉してしまう不具合が生じにくくなる。
【0043】
<変形例3>
図8に示すように、変形例3における面板40(位置決め部材)は、溝部40bにおいて、現像ローラ13aの軸部13a10(13a20)を挟むように形成された2つの面部40b11、40b12が、それぞれ、底部40b2とその近傍とにおける感光体ドラム11の回転中心からの距離M2、Nが一定になるように形成されている。
詳しくは、2つの面部40b11、40b12は、それぞれ、その下部(底部40b2とその近傍とである。)に、R状面部40b21、40b22が形成されている。R状面部40b21、40b22は、それぞれ、感光体ドラム11の回転中心(穴部40aの中心である。)からの距離M2、Nが一定になるように曲面状に形成されている。なお、感光体ドラム11から遠い側のR状面部40b22の感光体ドラム11の回転中心からの距離Nと、感光体ドラム11に近い側のR状面部40b21の感光体ドラム11の回転中心からの距離M2と、の差分は、概ね、軸部13a10(13a20)の外径に等しくなる。
このように構成することで、軸部13a10(13a20)の下面にトナーなどの付着物が付着するなどして、軸部13a10(13a20)が底部40b2から浮き上がるように保持されてしまっても、R状面部40b21、40b22で軸部13a10(13a20)が保持されることになる。そのため、現像ローラ13aと感光体ドラム11との現像ギャップHが変化しにくくなる。
【0044】
<変形例4>
図9に示すように、変形例4におけるプロセスカートリッジ10BKは、面板40における溝部40bの底部40b2に保持された軸部13a10(13a20)の上方への移動を制限する制限部材としてのストッパ41を、面板40に対して着脱可能に設置している。
詳しくは、ストッパ41(制限部材)は、その下部(軸部13a10、13a20に接触する部分である。)が曲面凹状に形成された板状部材である。ストッパ41には、溝部40bが延びる方向と同方向を長手方向とする長穴41aが形成されている。また、面板40には、雌ネジ部が形成されている。そして、底部40bに保持された状態の軸部13a10(13a20)の上部を覆うようにストッパ41を位置調整してセットして、ネジ60を長穴41aを介して面板40の雌ネジ部に螺合することで、面板40にストッパ41を固定する。
このように構成することで、現像ローラ13a(現像装置13)を上方に持ち上げるような力が作用したとしても、溝部40bにおいて底部40b2に保持された状態の軸部13a10(13a20)が、ストッパ41に制限されて、底部40b2から浮き上がるように離れることはない。そのため、現像ローラ13aと感光体ドラム11との現像ギャップHが変化しにくくなる。
なお、変形例4において、ストッパ41を、軸部13a10(13a20)を上方から押圧するように形成することもできる。また、ストッパ41の形状や面板40への設置方法は、上述したものに限定されず、溝部40bの天井部40b1(開口)を塞ぐように蓋状に形成することもできる。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態におけるプロセスカートリッジ10BKは、画像形成装置本体1に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジ10BKであって、回転可能な感光体ドラム11(像担持体)と、感光体ドラム11に対向する回転可能な現像ローラ13a(現像剤担持体)と、感光体ドラム11と現像ローラ13aとの対向距離Hを定める面板40(位置決め部材)と、が設けられている。そして、面板40は、感光体ドラム11のドラム軸11a(被嵌合部)が回転可能に嵌合する穴部40a(嵌合部)と、天井部40b1から底部40b2まで上下方向に延びるように形成されて現像ローラ13aの軸部13a10(13a20)がスライド移動可能な溝部40bと、が設けられている。そして、溝部40bは、現像ローラ13aの軸部13a10(13a20)が底部40b2に突き当たり保持可能に形成されて、溝部40bへの軸部13a10(13a20)の挿脱が可能となるように天井部40b1が上方に開口している。
これにより、現像ローラ13a(現像装置13)のメンテナンスや交換に関わる時間や手間を低減することができる。
【0046】
なお、本実施の形態では、感光体ドラム11(像担持体)の被嵌合部としてのドラム軸11aに、面板40(位置決め部材)の嵌合部としての穴部40aが嵌合するように構成した。しかし、像担持体の被嵌合部と位置決め部材の嵌合部との組み合わせはこれに限定されず、例えば、感光体ドラム11(像担持体)の被嵌合部としての凹状のフランジに、面板40(位置決め部材)の嵌合部としての凸状部材が嵌合するように構成することもできる。
また、本実施の形態では、面板40における穴部40aや溝部40bを、それぞれ、ドラム軸11aや軸部13a10、13a20が貫通するように形成した。これに対して、面板40における穴部40aと溝部40bとのうち、少なくとも一方を、ドラム軸11aや軸部13a10、13a20が貫通せずに、回転軸方向の外側が塞がれるように形成することもできる。
そして、それらのような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0047】
また、本実施の形態では、感光体ドラム11(像担持体)と現像装置13と帯電装置12とクリーニング装置15とからなるプロセスカートリッジ10BKに対して本発明を適用したが、本発明が適用されるプロセスカートリッジはこれに限定されず、少なくとも感光体ドラム(像担持体)と現像装置(現像剤担持体)とが設置されたものであれば本発明を適用することができる。
そして、そのような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置と、像担持体上をクリーニングするクリーニング装置と、のうち少なくとも1つと、像担持体と、が一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたユニットと定義する。
【0048】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
10Y、10M、10C、10BK プロセスカートリッジ、
11 感光体ドラム(像担持体)、
11a ドラム軸(被嵌合部)、
13 現像装置、
13a 現像ローラ(現像剤担持体)、
13a10、13a20 軸部、
13r 現像ケース、
40 面板(位置決め部材)、
40a 穴部(嵌合部)、
40b 溝部、
40b1 天井部(開口部)、 40b2 底部(保持部)、
40b11、40b12 面部、
40b21、40b22 R状面部、
41 ストッパ(制限部材)、
50 カートリッジケース、
60 ネジ、
H 現像ギャップ(対向距離)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【文献】特許第6202387号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9