(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】紫外線半導体基板処理のためのインシトゥ光検出方法および装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/26 20060101AFI20240530BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240530BHJP
H01L 21/316 20060101ALI20240530BHJP
C23C 16/56 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
H01L21/26 G
H01L21/31 B
H01L21/31 C
H01L21/316 X
C23C16/56
(21)【出願番号】P 2022538981
(86)(22)【出願日】2020-11-03
(86)【国際出願番号】 US2020058646
(87)【国際公開番号】W WO2021150289
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】アントニオ ラルフ ピーター
(72)【発明者】
【氏名】シェン シュラン
(72)【発明者】
【氏名】チャン リン
(72)【発明者】
【氏名】ワーナー ジョセフ シー
【審査官】桑原 清
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-247068(JP,A)
【文献】特表2014-505996(JP,A)
【文献】特表2011-515021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/26
H01L 21/31
H01L 21/316
C23C 16/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線(UV)プロセスチャンバであって、
真空窓または透明シャワーヘッドと、
前記真空窓または前記透明シャワーヘッドの一方の上方に配置され、UV光を生成して前記UVプロセスチャンバの処理容積内に透過させるように構成されたUV光源と、
動作中に移動可能な第1のUVセンサであって、前記UV光源からの放射率または前記処理容積内に透過された前記UV光の放射照度のうちの少なくとも1つを測定し、動作中に、測定された前記UV光源からの放射率または前記UV光の放射照度のうちの少なくとも1つに対応する信号を前記UVプロセスチャンバに結合されたコントローラに送信するように構成された第1のUVセンサと、
を備える、UVプロセスチャンバ。
【請求項2】
前記第1のUVセンサが前記UVプロセスチャンバのチャンバ壁に結合され、前記透明シャワーヘッドに向かう方向に配向されている、請求項1に記載のUVプロセスチャンバ。
【請求項3】
前記第1のUVセンサが前記チャンバ壁に結合されたスリーブ内に収納されている、請求項2に記載のUVプロセスチャンバ。
【請求項4】
前記スリーブがフッ化アルミニウム(AlF
3)、フッ化カルシウム(CaF
2)、三フッ化ランタン(LaF
3)、フッ化マグネシウム(MgF
2)、フッ化イットリウム(YF
3)のうちの少なくとも1つでコーティングされている、請求項
3に記載のUVプロセスチャンバ。
【請求項5】
前記第1のUVセンサが前記UVプロセスチャンバの二次リフレクタに結合され、前記透明シャワーヘッドに向かう方向に配向されている、請求項1に記載のUVプロセスチャンバ。
【請求項6】
前記UV光源からの放射率を測定するように構成された少なくとも1つの第2のUVセンサをさらに備える、請求項5に記載のUVプロセスチャンバ。
【請求項7】
前記二次リフレクタが前記第1のUVセンサおよび前記少なくとも1つの第2のUVセンサのうちの少なくとも1つを使用して前記UV光源からの放射率または前記UV光の放射照度のうちの前記少なくとも1つを検出するための第1の位置から、前記第1のUVセンサを使用して前記UV光の前記放射照度を検出するための第2の位置に移動可能である、請求項
6に記載のUVプロセスチャンバ。
【請求項8】
前記第1のUVセンサが、それぞれが前記UVプロセスチャンバの対応する二次リフレクタに結合され、前記透明シャワーヘッドに向かう方向に配向された2つの第1のUVセンサを備える、請求項1に記載のUVプロセスチャンバ。
【請求項9】
それぞれが前記対応する二次リフレクタおよび前記コントローラに結合され、前記UV光源からの放射率を検出するように構成された少なくとも2つの第2のUVセンサをさらに備える、請求項8に記載のUVプロセスチャンバ。
【請求項10】
前記対応する二次リフレクタのそれぞれが、前記少なくとも2つの第2のUVセンサおよび前記2つの第1のUVセンサを使用して前記UV光の放射率または放射照度のうちの前記少なくとも1つを検出するための第1の位置から、前記2つの第1のUVセンサを使用して前記UV光の前記放射照度を検出するための第2の位置に移動可能である、請求項1~3、5、6、8、または9のいずれか1項に記載のUVプロセスチャンバ。
【請求項11】
前記コントローラが前記測定された放射率または放射照度のうちの少なくとも1つをしきい値と比較するように構成され、前記測定された放射率または放射照度のうちの少なくとも1つが前記しきい値よりも小さい、大きい、または等しいのいずれかの場合、前記コントローラが基板の処理を停止すること、ユーザに警告すること、または前記透明シャワーヘッドの洗浄を開始することのうちの少なくとも1つを行うようにさらに構成されている、請求項1に記載のUVプロセスチャンバ。
【請求項12】
前記UV光源が水銀マイクロ波アークランプ、パルスキセノンフラッシュランプ、または高効率UV発光ダイオードアレイのうちの1つである、請求項1に記載のUVプロセスチャンバ。
【請求項13】
前記真空窓または透明シャワーヘッドがサファイアまたは石英のうちの少なくとも1つから作られている、請求項11または12に記載のUVプロセスチャンバ。
【請求項14】
紫外線(UV)プロセスチャンバ内で基板を処理する方法であって、
UV光源からのUV光を前記UVプロセスチャンバの処理容積内に透過させるステップと、
動作中に移動可能である第1のUVセンサを使用して、前記UV光源からの放射率または前記UV光の放射照度のうちの少なくとも1つを測定するステップと、
動作中に、測定された前記UV光源からの放射率または前記UV光の放射照度のうちの少なくとも1つに対応する信号を前記UVプロセスチャンバに結合されたコントローラに送信するステップと、
を含む、方法。
【請求項15】
二次リフレクタおよび前記コントローラに結合された少なくとも1つの第2のUVセンサを用いて、前記UV光源からの前記放射率を測定するステップと、前記UV光源からの測定された放射率に対応する信号を送信するステップと、をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記二次リフレクタを、前記第1のUVセンサおよび前記少なくとも1つの第2のUVセンサのうちの少なくとも1つを使用して前記UV光源からの放射率または前記UV光の放射照度のうちの前記少なくとも1つを検出するための第1の位置から、前記第1のUVセンサを使用して前記UV光の前記放射照度を検出するための第2の位置に移動させるステップをさらに含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記測定された放射率または放射照度のうちの少なくとも1つをしきい値と比較するステップ、および前記測定された放射率または放射照度のうちの少なくとも1つが前記しきい値よりも小さい、大きい、または等しい場合、前記基板の処理を停止するステップ、ユーザに警告するステップ、または透明シャワーヘッドの洗浄を開始するステップのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項14または15に記載の方法。
【請求項18】
プロセッサによって実行されると、紫外線(UV)プロセスチャンバ内で基板を処理する方法を実行する命令が記憶された非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体であって、
UV光源からのUV光を前記UVプロセスチャンバの処理容積内に透過させるステップと、
動作中に移動可能である第1のUVセンサを使用して、前記UV光源からの放射率または前記UV光の放射照度のうちの少なくとも1つを測定するステップと、
動作中に、測定された前記UV光の放射率または放射照度のうちの少なくとも1つに対応する信号を前記UVプロセスチャンバに結合されたコントローラに送信するステップと、
を含む、
非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項19】
前記方法が、二次リフレクタおよび前記コントローラに結合された少なくとも1つの第2のUVセンサを用いて、前記UV光源からの前記放射率を測定するステップと、前記UV光源からの測定された放射率に対応する信号を送信するステップと、をさらに含む、請求項18に記載の非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項20】
前記方法が、前記二次リフレクタを、前記第1のUVセンサおよび前記少なくとも1つの第2のUVセンサのうちの少なくとも1つを使用して前記UV光源からの放射率または前記UV光の放射照度のうちの前記少なくとも1つを検出するための第1の位置から、前記第1のUVセンサを使用して前記UV光の前記放射照度を検出するための第2の位置に移動させるステップをさらに含む、請求項
19に記載の非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、基板を処理するための方法および装置に関し、より詳細には、半導体基板を処理するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板上の1つまたは複数の膜を硬化させるように構成された紫外線(UV)プロセスチャンバが知られている。このようなプロセスチャンバは、硬化プロセス中に、1つまたは複数の電球を含む1つまたは複数のUVランプからのパルスUV光を使用する。様々なランプアレイを使用して、入射光の波長分布、基板および/またはランプの相対運動、ならびにランプリフレクタの形状および/または位置のリアルタイム修正を変化させることができる。UVランプは、1つまたは複数の透明シャワーヘッドを通して、広いスペクトル範囲の波長のUV放射(例えば、可視光を含む100nm~約600nm)を透過させることができる。
【0003】
UVプロセスチャンバを長期間使用すると、透明シャワーヘッド上に残留物が蓄積する(例えば、曇る)ことがある。透明シャワーヘッド上の残留物は、基板へのUV透過に影響を与える可能性があり、ひいては、基板上の膜の硬化を経時的に劣化させる可能性がある。
【0004】
したがって、本発明者らは、紫外線半導体基板処理のためのインシトゥ光検出方法および装置を提供した。
【発明の概要】
【0005】
本明細書では、紫外線半導体基板処理のためのインシトゥ光検出方法および装置が提供される。一部の実施形態では、装置は、真空窓または透明シャワーヘッドと、真空窓または透明シャワーヘッドのうちの一方の上方に配置された、UV光を生成してUVプロセスチャンバの処理容積内に透過させるように構成されたUV光源と、UV光源からの放射率または処理容積内に透過されたUV光の放射照度のうちの少なくとも1つを測定し、動作中に、測定されたUV光源からの放射率またはUV光の放射照度のうちの少なくとも1つに対応する信号をUVプロセスチャンバに結合されたコントローラに送信するように構成された第1のUVセンサと、を備える紫外線(UV)プロセスチャンバを含む。
【0006】
本開示の少なくとも一部の実施形態によると、紫外線(UV)プロセスチャンバ内で基板を処理する方法は、UV光源からUVプロセスチャンバの処理容積内にUV光を透過させるステップと、第1のUVセンサを使用してUV光源からの放射率またはUV光の放射照度のうちの少なくとも1つを測定するステップと、動作中に、測定されたUV光源からの放射率またはUV光の放射照度のうちの少なくとも1つに対応する信号をUVプロセスチャンバに結合されたコントローラに送信するステップ、とを含む。
【0007】
本開示の少なくとも一部の実施形態によると、プロセッサによって実行されると、紫外線(UV)プロセスチャンバ内で基板を処理する方法を実行する命令が記憶された非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体は、UV光源からUVプロセスチャンバの処理容積内にUV光を透過させるステップと、第1のUVセンサを使用してUV光源からの放射率またはUV光の放射照度のうちの少なくとも1つを測定するステップと、動作中に、測定されたUV光源からの放射率またはUV光の放射照度のうちの少なくとも1つに対応する信号をUVプロセスチャンバに結合されたコントローラに送信するステップと、を含む。
【0008】
本開示の他のおよびさらなる実施形態を以下に説明する。
【0009】
上で簡単に要約され、以下でより詳細に論じる本開示の実施形態は、添付の図面に表される本開示の例示的な実施形態を参照することによって理解することができる。しかしながら、添付図面は、本開示の典型的な実施形態のみ例示しており、したがって、本開示が他の等しく効果的な実施形態を受け入れることができるため、範囲を限定していると考えられるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の少なくとも一部の実施形態による、基板を処理するように構成された装置の平面図である。
【
図2】本開示の少なくとも一部の実施形態による、
図1の装置のタンデムプロセスチャンバの斜視図である。
【
図3】本開示の少なくとも一部の実施形態による、
図2のタンデムプロセスチャンバの部分断面図である。
【
図4】本開示の少なくとも一部の実施形態による、
図2のタンデムプロセスチャンバのプロセスチャンバの部分切欠図である。
【
図5】本開示の少なくとも一部の実施形態による、透明真空窓および透明シャワーヘッドの分解図である。
【
図6】本開示の少なくとも一部の実施形態による、内側一次リフレクタ、外側一次リフレクタ、および二次リフレクタの図である。
【
図7】本開示の少なくとも一部の実施形態による、結合された1つまたは複数のマニホールドを含む二次リフレクタの斜視図である。
【
図8】本開示の少なくとも一部の実施形態による、UVセンサ構成の図である。
【
図9】本開示の少なくとも一部の実施形態による、
図1の装置を使用して基板を処理するための方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
理解を容易にするために、各図に共通の同一の要素を指定するために、可能な場合は、同一の参照数字が使用された。図は、縮尺通りには描かれておらず、明瞭にするために簡略化されることがある。一実施形態の要素および特徴は、さらに詳説することなく他の実施形態に有益に組み込まれることがある。
【0012】
本明細書では、紫外線半導体基板処理のためのインシトゥ光検出方法および装置の実施形態が提供される。より詳細には、本開示の用途の一例では、本明細書に記載されるインシトゥUV劣化システムは、低密度二酸化ケイ素(例えば、浅いトレンチ隔離(STI)、プリメタル誘電体(PMD)、ブラックダイアモンド(BD))または窒化ケイ素)を形成するために、誘電体膜における屈折率(RI)および/または収縮損失の発生を(例えば、流動性化学気相堆積(FCVD)またはプラズマCVD(PECVD)を用いて)監視および予測するように構成される。UV劣化システムは、インシトゥ監視を可能にすることができ、基板(ウエハ)上へのUV光の透過率不足に起因して、いつ透明シャワーヘッドが劣化するかを予測することができる低コストで高価値のソリューションである。UV劣化システムは、予防保守(PM)および是正保守(CM)のダウンタイムを改善し(例えば、低減し)、トラブルシューティングを容易にし、RIおよび膜収縮ドリフトに起因する基板スクラップを低減または排除する。UV劣化システムは、基板の処理(例えば、基板上の膜の硬化)中に透明シャワーヘッド(例えば、石英、サファイアなどから作られた24×7インライン透明シャワーヘッド)に向けられたUV光の透過率、反射率、および/または吸収を含む放射照度を測定するように構成された、例えば分光放射計センサなどの1つまたは複数の適切なUVセンサを含む。
【0013】
図1は、本開示の少なくとも一部の実施形態による、基板を処理するように構成されたUV劣化システムを含む装置の平面図である。装置100は、例えば、全てカリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアル社から市販されているPRODUCER(登録商標)NANOCURE(登録商標)3 UV CURE、DSS(登録商標)、APOLLO(登録商標)、CORONA(登録商標)またはPRODUCER(登録商標) ETERNA(登録商標) FCVD(登録商標)とすることができる。他の処理システムも、本明細書で提供される教示に従って変更することができる。
【0014】
装置100は、必要な処理ユーティリティがメインフレーム構造101上に支持された自己完結型システムである。装置100は、概して、基板カセット109が支持され、基板がロードロックチャンバ112にロードおよびアンロードされる前端ステージング領域102と、基板ハンドラ113(例えば、ロボットまたは基板をハンドリングするための他の適切な装置)を収納する移送チャンバ111と、移送チャンバ111上に取り付けられた一連のタンデム処理チャンバ106と、ガスパネル103および配電パネル105などの装置100の動作に必要な支持ユーティリティを収納するバックエンド138と、を含む。
【0015】
タンデム処理チャンバ106のそれぞれは、基板を処理するための2つの処理領域300を含む(
図3)。2つの処理領域は、共通のガス供給源、共通の圧力制御装置、および共通のプロセスガス排気/ポンピングシステムを共有することができる。チャンバの配置および組合せは、特定のプロセスステップを実行する目的で変更することができる。タンデム処理チャンバ106のいずれも、基板上の1つまたは複数の材料、例えば低誘電率材料の硬化プロセスおよび/またはチャンバ洗浄プロセスで使用するための1つまたは複数のUVランプを含む、以下で説明する実施形態の態様によるリッドを含むことができる。少なくとも一部の実施形態では、タンデム処理チャンバ106の3つ全てがUVランプを有し、最大スループットのために並行して動作するUV硬化チャンバとして構成されている。
【0016】
タンデム処理チャンバ106の全てがUV硬化チャンバとして構成されるわけではない代替の実施形態では、装置100は、化学気相堆積(CVD)、FCVD、PECVD、物理的気相堆積(PVD)、エッチングなどの様々な他の既知のプロセスに対応することが知られている支持チャンバハードウェアを有するタンデム処理チャンバのうちの1つまたは複数と適合させることができる。例えば、装置100は、基板上に低誘電率(low k)膜などの材料を堆積させるためのCVDチャンバとしてのタンデム処理チャンバ106のうちの1つと共に構成することができる。このような構成は、研究開発用の製造で最大限利用することができ、必要に応じて、堆積させたままの膜の大気への曝露をなくすことができる。
【0017】
中央処理装置(CPU)144、メモリ142、およびサポート回路146を含むコントローラ140は、装置100の様々な構成要素に結合されて、本明細書に記載されるプロセスの制御を容易にする。メモリ142は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、または装置100もしくはCPU144に対してローカルもしくはリモートの任意の他の形態のデジタルストレージなどの、非一過性コンピュータ可読媒体とすることができる。サポート回路146は、従来のやり方でCPUをサポートするためにCPU144に結合されている。これらの回路は、キャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路、およびサブシステムなどを含む。メモリ142に記憶されたソフトウェアルーチンまたは一連のプログラム命令は、CPU144によって実行されると、タンデム処理チャンバ106に本明細書に記載されるプロセスを実行させる。
【0018】
代替的または追加的に、別のコントローラ140a(またはフィールドサービスサーバなどのサーバ)を、コントローラ140と併せて、またはそれとは別に使用することができる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、コントローラ140および/またはコントローラ140aは、タンデム処理チャンバ106内に配置された1つまたは複数のUVセンサに結合され、以下でより詳細に説明するように、UV光源から伝達されたUV光の測定放射照度および/または放射率を示す1つまたは複数の信号を受信するように構成することができる。本明細書で使用されるように、光源からの放射率(または放射発散度)は、1つまたは複数の光源(または単位面積当たりの任意の物体)から放出される放射束またはパワーであり、相対放射率比(放射係数)と混同されるべきではない。同様に、放射照度は、単位面積当たりの表面が受け取る(または表面に入射する)放射束である。
【0019】
図2は、装置100のUV硬化用に構成されたタンデム処理チャンバ106のうちの1つを示す。タンデム処理チャンバ106は、本体200(例えば、チャンバ壁によって画定される)と、本体200にヒンジ取り付けすることができるリッド202とを含む。本体200は、アルミニウムから作られてもよい。リッド202には、ハウジング204の内部に冷却空気を通過させるために出口208と共に入口206にそれぞれが結合されている2つのハウジング204が結合されている。中央加圧空気源210は、タンデム処理チャンバ106に関連付けられた任意のUVランプおよび/または電球用の電源214の適切な動作を確実にするのに十分な流量の空気を入口206に提供する。出口208は、共通の排気システム212によって収集される、ハウジング204からの排気を受け取る。
【0020】
図3は、リッド202、ハウジング204、および電源214を有するタンデム処理チャンバ106の部分断面図を示す。ハウジング204のそれぞれは、本体200内に画定された2つの処理領域300の上方にそれぞれ配置された、UVランプ302などの2つのUV光源のそれぞれのUV光源を覆う。処理領域300のそれぞれは、処理領域300内で基板308を支持するための、基板支持体306などの加熱基板支持体を含む。基板支持体306は、セラミックまたはアルミニウムなどの金属から作ることができる。基板支持体306は、本体200の底部を貫いて延在するステム310に結合し、駆動システム312によって操作されて、処理領域300内の基板支持体306をUVランプ302に向かって、およびそれから離れるように移動させる。
【0021】
一般に、水銀マイクロ波アークランプ、パルスキセノンフラッシュランプ、または高効率UV発光ダイオードアレイのうちの1つなど、任意のUV光源を使用することができる。UVランプ302は、電源214による励起のために、キセノンまたは水銀などの1つもしくは複数のガスで充填された1つもしくは複数の密封プラズマ電球を含む。電源214は、1つまたは複数のマグネトロン(図示せず)と、マグネトロンのフィラメントに通電するための1つまたは複数の変圧器(図示せず)とを含むことができるマイクロ波発生器とすることができる。キロワットマイクロ波(MW)電源を有する一実施形態では、ハウジング204のそれぞれは、電源214から最大約6000Wのマイクロ波電力を受け取り、その後、UVランプ302の電球のそれぞれから最大約100WのUV光を生成するために、電源214に隣接する開孔215を含む。
【0022】
電源214は、UVランプ302の電球内のガスを励起することができる高周波(RF)エネルギー源を含むことができる。電球内のRF励起の構成は、容量性または誘導性にすることができる。例えば、誘導結合プラズマ(ICP)電球を用いて、容量結合放電よりも高密度のプラズマを発生させることによって、電球の輝きを効率的に増大させることができる。
【0023】
UVランプ302は、170nm~600nmの広い波長帯域にわたって光を放出する。一実施形態では、UVランプ302は、185nm~300nmの波長の光を放出する。UVランプ302の電球内で使用するために選択されるガスは、放出される波長を決定することができる。UVランプ302から放出されたUV光は、リッド202の開孔に配置された窓314を通過することによって処理領域300に入る。窓314は、石英ガラスで作ることができ、ひび割れすることなく真空を維持するのに十分な厚さを有することができる。さらに、窓314は、約150nmまでのUV光を透過する溶融シリカ、石英、サファイア、または金属フッ化物、例えばフッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化カルシウム(CaF2)、三フッ化ランタン(LaF3)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化イットリウム(YF3)のうちの少なくとも1つとすることができる。リッド202は本体200を密封し、窓314はリッド202に対して密封されているため、処理領域300は、約1Torr~約650Torrの圧力を維持し、例えば、約10Torr~約100Torrの処理および約1Torr~約5Torrの洗浄を行うことができる容積を提供する。処理ガスまたは洗浄ガスは、2つの入口通路316のそれぞれの入口通路を介して処理領域300に入る。次いで、処理ガスまたは洗浄ガスは、共通の出口ポート318を介して処理領域300を出る。さらに、ハウジング204の内部に供給される冷却空気は、UVランプ302を通過して循環するが、窓314によって処理領域300から隔離される。
【0024】
ハウジング204は、ダイクロイック膜でコーティングされた鋳造石英ライニング304によって画定される内部放物面(内側一次リフレクタ)を含むことができる。鋳造石英ライニング304は、UVランプ302から放出されたUV光を反射し、鋳造石英ライニング304によって処理領域300に向けられるUV光のパターンに基づいて、硬化プロセスならびにチャンバ洗浄プロセスに適するように成形されている。鋳造石英ライニング304は、内部放物面の形状を移動および変化させることによって、各プロセスまたは作業によりよく適合するように調整することができる。さらに、鋳造石英ライニング304は、ダイクロイック膜のため、赤外光を透過し、UVランプ302の電球によって放出された紫外光を反射することができる。ダイクロイック膜は、通常、交互に高い屈折率と低い屈折率を有する様々な誘電体材料からなる周期的な多層膜を構成する。コーティングは非金属であるため、鋳造石英ライニング304の裏側に下向きに入射する電源214からのマイクロ波放射は、変調層と大きく相互作用せず、または変調層によって吸収されず、UVランプ302の電球内のガスをイオン化するために容易に透過される。
【0025】
基板を処理領域300に搬入して、基板308上に堆積させた誘電体膜の後処理硬化を実行する。膜は、例えば、膜内にシリコン骨格構造および炭素を含むポロゲンを有する低誘電率誘電体膜であってもよい。膜内のシリコン骨格構造および炭素は、ポロゲンと呼ばれることもある。UV曝露後、炭素結合が壊れ、炭素が膜からガス放出され、シリコン骨格が残され、多孔性が増加し、これにより誘電率の値が減少し、膜の電流搬送能力が低下する。
【0026】
図4は、本開示の少なくとも一部の実施形態による、タンデムプロセスチャンバのプロセスチャンバの部分切欠図である。UV真空窓412を保持するために窓アセンブリが処理チャンバ400内に位置付けられている。窓アセンブリは、本体200の一部に載置され、本体200の上方のリッドアセンブリの一部であるUVランプ302からのUV光が通過することができるUV真空窓412を支持する真空窓クランプ410を含む。UV真空窓412は、UVランプ302などのUV放射源と基板支持体306との間に位置付けられている。UVランプ302は、基板支持体306から離間され、紫外線放射を生成し、基板支持体306上に位置付けられた基板308に透過させるように構成されている。
【0027】
1つまたは複数の透明シャワーヘッド414は、処理領域300内で、UV真空窓412と基板支持体306などの基板支持体との間に位置付けることができる。例えば、
図4では、透明シャワーヘッド414、例えば単一の透明シャワーヘッドが、処理領域300内で、UV真空窓412と基板支持体306などの基板支持体との間に位置付けられて示されている。
【0028】
あるいは、少なくとも一部の実施形態では、透明シャワーヘッド414は、処理領域300内で、UV真空窓412と基板支持体306などの基板支持体との間に位置付けることができる一対の透明シャワーヘッド514a、514bと置き換えることができる(例えば、
図5および
図8参照)。このような実施形態では、一対の透明シャワーヘッド514a、514bは、上部シャワーヘッドクランプ510aおよび下部シャワーヘッドクランプ510bによってそれぞれ支持することができる。透明シャワーヘッド514a、514bは、約10ミル~約500ミルの距離だけ互いに離間することができる。さらに、透明シャワーヘッド514b(例えば、下部シャワーヘッド)と基板308および/または基板支持体306との間の距離または間隔は、約100ミル~約2000ミルとすることができる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、この距離は、約500ミル~約1000ミルとすることができる。さらに、UV真空窓412と同様とすることができる真空窓512は、真空窓クランプ510cによって支持することができる。上部シャワーヘッドクランプ510a、下部シャワーヘッドクランプ510b、および真空窓クランプ510cは、真空窓クランプ410に関して上述したように、本体200の一部に載置することができる。
【0029】
引き続き
図4を参照すると、透明シャワーヘッド414は、UV真空窓412と透明シャワーヘッド414との間に上部処理領域420を画定し、透明シャワーヘッド414と基板支持体306などの基板支持体との間に下部処理領域422をさらに画定する。透明シャワーヘッド414は、上部処理領域420と下部処理領域422との間に1つまたは複数の通路416も有する。通路416は、通路416が完全には透明とならないように、「つや消し」と呼ばれることもある粗面を有することができ、そうでない場合は、基板308上に影を生じ、フィルムの適切な硬化が損なわれる可能性がある。つや消しされていてもよい通路416は、UV光を拡散するため、処理中に基板308上には光パターンは存在しない。
【0030】
透明シャワーヘッド414は、UV光が基板308に到達するために通過することができる第2の窓を形成する。第2の窓として、透明シャワーヘッド414は、基板308上の膜を硬化させるために望まれる光の波長に対して透明である必要がある。したがって、透明シャワーヘッド414は、石英またはサファイアのうちの少なくとも1つなど、様々な透明材料で形成されることがある。例えば、少なくとも一部の実施形態では、透明シャワーヘッド414は、石英から形成することができる。通路416は、処理領域300内に適合するように透明シャワーヘッド414を形成および成形するために、石英片に孔を開けることによって形成することができる。石英片の表面は火炎研磨されてもよく、穿孔された孔はエッチングされて粗面418を形成することができる。通路416のサイズおよび密度は、基板表面にわたって所望の流れ特性を達成するために均一または不均一であってもよい。
【0031】
透明シャワーヘッド414およびUV真空窓412は、バンドパスフィルタを有し、所望の波長の透過を向上させるようにコーティングされてもよい。例えば、反射防止コーティング(ARC)を透明シャワーヘッド414およびUV真空窓412上に堆積させて、所望の波長の透過効率を向上させることができる。IRを反射してUVを通過させる反射コーティング、またはUVを反射してIRを通過させるダイクロイックコーティングも、透明シャワーヘッド414およびUV真空窓412の表面に施すことができる。コーティングは、PVD、CVD、または他の適切な堆積技術によって形成することができる。コーティングは、透明シャワーヘッド414およびUV真空窓412を通って基板308に光が透過するのを支援することができる、所望の膜透過率および屈折率、ならびに腐食環境(例えば、フッ素環境)に対する耐性を有する無機膜層を含むことができる。一実施形態では、コーティングは、UV真空窓412および透明シャワーヘッド414の表面に形成される、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化ハフニウム(HfO2)、酸化ケイ素(SiO2)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、AlF3、CaF2、LF3、MgF2、もしくはYF3などのフッ化物、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0032】
別の実施形態では、ARCコーティングは、UV真空窓412および透明シャワーヘッド414の表面に形成された1つまたは複数の層を有する複合層であってもよい。一実施形態では、ARCコーティングは、UV真空窓412および透明シャワーヘッド414の表面に形成された第2の層上に形成された第1の層を含む膜スタックであってもよい。一実施形態では、第1の層は、Al2O3、HfO2、SiO2、ZrO2、AlF3、CaF2、LaF3、MgF2、YF3などのフッ化物、または組合せのうちの1つであってよい。
【0033】
一対の透明シャワーヘッド514a、514bが使用される実施形態では、透明シャワーヘッド514a、514bは、透明シャワーヘッド414と同様に構成することができ、例えば、1つまたは複数の通路416を有し、粗面を有し、火炎研磨による石英またはサファイアで作られ、所望の波長の透過を向上させるためにバンドパスフィルタを有するようにコーティングされてもよい。
【0034】
図6は、本開示の少なくとも一部の実施形態による、内側一次リフレクタ、外側一次リフレクタ、および二次リフレクタの図である。
【0035】
例えば、UVランプ302は、UVランプ302内に画定された共振空洞602に配置された、1つまたは複数の電球600によって生成されたUV光を基板308に向かって反射するように構成された一対の内側一次リフレクタ606および一対の外側一次リフレクタ608を含む。少なくとも一部の実施形態では、UVランプ302は、共振空洞602に配置された、上述の電球などの2つの電球600を含む。二次リフレクタ610は、内側一次リフレクタ606および一対の外側一次リフレクタ608の下に配置され、電球600によって生成された(および/または内側一次リフレクタ606によって反射された)UV光を反射し、UV光をUV真空窓412および透明シャワーヘッド414(および/または一対の透明シャワーヘッド512a、512b)を通して、基板、例えば基板308が配置されている処理容積、例えば処理領域422に向けることを容易にするように構成されている。少なくとも一部の実施形態では、二次リフレクタ610は、UV光源、例えば、UVランプ302からの放射率を検出するための第1の位置から、UV光の透過率、反射、および/または吸収を含む放射照度を検出するための第2の位置に移動可能とすることができる。
【0036】
図7は、本開示の少なくとも一部の実施形態による、結合された1つまたは複数のマニホールドを含む二次リフレクタ610の斜視図である。例えば、少なくとも一部の実施形態では、二次リフレクタ610は、マニホールド700aおよびマニホールド700bが結合されている。あるいは、マニホールド700a、700bの一方を二次リフレクタ610に結合することができる。マニホールド700a、700bは、プラスチック、金属、セラミックなどを含む1つまたは複数の適切な材料から作ることができる。
【0037】
マニホールド700a、700bのそれぞれは、一次内側パイプ702a、702b(またはチューブ)および一次外側パイプ704a、704b(またはチューブ)をそれぞれ含む。一次内側パイプ702a、702bおよび一次外側パイプ704a、704bのそれぞれは、光収集のために、および/またはUVセンサ708a、708b(例えば、1つまたは複数の第2のUVセンサ)を支持もしくは収納するようにそれぞれ構成されている。一次内側パイプ702a、702bのそれぞれと一次外側パイプ704a、704bとの間には、中間パイプ706a、706bがそれぞれ配置されている。中間パイプ706a、706bは、光収集のために、および/または1つもしくは複数のUVセンサ710a、710b(例えば、第1のUVセンサ)を支持もしくは収納するように構成されている。以下、UVセンサ708a、708b、710a、710bを総称してUVセンサと呼ぶ。
【0038】
UVセンサは、UVランプ302、内側一次リフレクタ606、外側一次リフレクタ608、および/または電球600によって生成される放射率および/または放射照度(透過率、反射、および/または吸収を含む)を測定および/または検出することができる任意の適切なセンサとすることができる。同様に、UVセンサは、処理容積、例えば処理領域422に透過したUV光の放射率および/または放射照度(透過率、反射率、または吸収を含む)を測定することができる任意の適切なセンサとすることができる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、UVセンサ708a、708bは、Sekidenko OR4000T UVセンサなどの、1つまたは複数の光源(例えば、UVランプ302)からの放射パワーを決定するための、放射率(または放射発散度)測定が可能な光ファイバUVセンサとすることができる。同様に、UVセンサ710a、710bは、分光放射計または放射照度センサなどの、放射率および/または放射照度測定が可能な光ファイバUVセンサとすることができる。このような実施形態では、UVセンサ710a、710bは、動作中に追加の発散度測定値を提供することができ、これにより、発散度測定値の全体的な精度を高めることができる。少なくとも一部の実施形態では、UVセンサ708a、708bは、放射率および/または放射照度測定用に構成された分光放射計または放射照度センサとすることができる。このような実施形態では、UVセンサ708a、708bは、動作中に追加の放射照度測定値を提供することができ、これにより、放射照度測定値の全体的な精度を高めることができる。少なくとも一部の実施形態では、動作中の放射率および/または放射照度の測定を容易にするために、1つまたは複数の追加の構成要素をUVセンサと併せて使用することができる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、コサイン補正ディフューザーおよび直角コサインアダプタなどの1つもしくは複数のディフューザーおよび/またはアダプタをUVセンサに結合し、動作中の放射率および/または放射照度の測定/検出を向上させるように構成することができる。UVセンサは、コントローラ140および/またはコントローラ140aと動作可能に通信している。
【0039】
少なくとも一部の実施形態では、マニホールド700a、700bのそれぞれは、以下でより詳細に説明するように、UV光源、例えば、UVランプ302の放射率を検出するための第1の位置から、UV光の放射照度(例えば、透過率、反射率、および/または吸収)を検出するための第2の位置に移動可能とすることができる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、マニホールド700a、700bが第1の位置にある状態で、UVセンサは、概して上向きの方向に(例えば、電球600に向かって)配向される。逆に、マニホールド700a、700bが第2の位置にある状態では、UVセンサは、概して下向きの方向に(例えば、UV真空窓412もしくは真空窓512および/または透明シャワーヘッド414もしくは一対の透明シャワーヘッド514a、514bに向かって)配向される。
【0040】
1つまたは複数のサーボ、モータなど(図示せず)を、コントローラ140またはコントローラ140aの制御下で、マニホールド700a、700bのそれぞれを移動させるように構成することができる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、動作中、マニホールド700a、700bは、マニホールド700aが第1の位置にあり、マニホールド700bが第2の位置にあるように、またはその逆になるように、互いに対して独立して制御することができる。あるいは、動作中、マニホールド700a、700bは、マニホールド700a、700bが互いに同時に第1の位置および/または第2の位置にあるように構成することができる。
【0041】
代替的にまたは追加的に、一次内側パイプ702a、702bおよび一次外側パイプ704a、704bが、UV光源、例えば、UVランプ302の放射率を検出するための第1の位置に固定され、中間パイプ706a、706bが、UV光の放射照度(例えば、透過率、反射率、および/または吸収)を検出するための第2の位置に固定されるように、一次内側パイプ702a、702b、一次外側パイプ704a、704b、中間パイプ706aおよび706bをマニホールド700a、700bにそれぞれ結合することができる。
【0042】
図8は、本開示の少なくとも一部の実施形態による、UVセンサ構成の図である。
図7に関して上述したように、二次リフレクタに結合された中間パイプ上にUVセンサ、例えばUVセンサ710a、710bを支持または収納するのとは異なり、UVセンサ810(例えば、第1のUVセンサ)は、装置100の1つまたは複数の他の領域内またはその上に設けることができる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、1つまたは複数のパイプ806(またはチューブ)を装置100の本体200に結合することができる。
図8に示す実施形態では、例えば、パイプ806(
図8に示す1つのパイプ806)は、UVセンサ810が透明シャワーヘッドを透過したUV光の透過率、反射率、および/または吸収を含む放射率または放射照度を測定/検出することができるように、本体200(例えば、チャンバ壁)に結合することができ、下部処理領域422(例えば、透明シャワーヘッドの下)に通じることができる。図示の目的のために、UVセンサ810は、透明シャワーヘッド414の下に配置されて示されているが、UVセンサ810は、
図8にファントムで示されている一対の透明シャワーヘッド514a、514bの下に配置することもできる。スリーブ812は、パイプ806の内側に設けられ、UVセンサ810を包み込むかまたは取り囲むように構成することができる。UVセンサ810をスリーブ812で包み込むかまたは取り囲むことで、UVセンサ810を下部処理領域422内に存在する腐食性環境から保護する。スリーブ812は、下部処理領域422内に存在する腐食性環境からUVセンサ810を保護するのに適切な1つまたは複数の材料から作ることができる。適切な材料は、石英、サファイア、セラミックなどとすることができる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、スリーブ812は、石英から作ることができる。加えて、スリーブ812は、タンデム処理チャンバ106内の腐食性環境からUVセンサ810を保護するために、1つまたは複数の材料でコーティングすることができる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、スリーブ812は、AlF
3、CaF
2、LF
3、MgF
2、もしくはYF
3、またはスリーブ812を保護することができる他の適切な材料でコーティングすることができる。
【0043】
図9は、本開示の少なくとも一部の実施形態による、
図1の装置100、例えば上述のUVプロセスチャンバを使用して基板を処理するための方法900の流れ図である。
【0044】
最初に、基板(例えば、基板308)を、上述したように、UV硬化プロセスを実行するための装置100の処理容積(例えば、下部処理領域422)内に配置された基板支持体306上に位置決めすることができる。次に、902において、UV光源、例えばUVランプ302からのUV光を処理容積内の基板に向かって透過させる。基板の硬化中、1つまたは複数のパラメータが測定/監視/検出されてもよい。より詳細には、904において、基板が硬化されている間、UVランプ302の放射率および/または放射照度は、例えば、1つまたは複数のUVセンサ、例えば、UVセンサ708a、708bおよび/またはUVセンサ710a、710b、および/または810を使用して測定することができる。
【0045】
例えば、UVランプ302の放射率および/または放射照度を測定するために(例えば、放射パワーを決定するために)、マニホールド700a、700b(および/または二次リフレクタ610)が第1の位置(例えば、概ね上向きの方向)にある状態で、UVセンサ708a、708bは、UVランプ302に向かう方向に配向され、UVランプ302の放射率を測定するように構成される。測定された放射率(または一部の実施形態では、測定された放射照度)は、コントローラ、例えばコントローラ140および/またはコントローラ140aに送信することができる。
【0046】
同様に、UVセンサ710a、710bが使用される実施形態において、放射率(および/または放射照度)が測定された後(またはその間)、マニホールド700a、700b(および/または二次リフレクタ610)を第1の位置から第2の位置に回転させることができる。第2の位置では、UVセンサ710a、710bは、真空窓(例えば、UV真空窓412または真空窓512)および/または透明シャワーヘッド(例えば、透明シャワーヘッド414または一対の透明シャワーヘッド514a、514b)に向かう(例えば、上方から)方向に配向させることができ、真空窓および/または透明シャワーヘッドから反射されたUV光の透過率、反射率、および/または吸収を含む放射照度を測定するように構成される。測定された放射照度は、UVセンサ710a、710bからコントローラ、例えばコントローラ140および/またはコントローラ140aに送信することができる。
【0047】
少なくとも一部の実施形態では、上述したように、マニホールド700a、700bは、コントローラ140および/またはコントローラ140aを使用して独立して制御することができる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、マニホールド700aを第1の位置に配向させることができ、マニホールド700bを第2の位置に配向させることができ、またはその逆も可能である。このような実施形態では、マニホールド700a上のUVセンサ708a、710aは、放射率を測定するように構成することができ(例えば、電球600の放射パワーを決定するために)、一方、UVセンサ708b、710bは、真空窓および/または透明シャワーヘッドから反射されたUV光の放射照度(例えば、透過率、反射率、および/または吸収)を測定するように構成することができる。
【0048】
代替的にまたは追加的に、UVセンサ810を使用して、(例えば、放射率が測定された後またはその間に)放射照度を測定することができる。例えば、UV真空窓412(または真空窓512)および/または透明シャワーヘッド414(または一対の透明シャワーヘッド514a、514b)に向かう(例えば、下方から)方向に配向されたUVセンサ810は、UV真空窓412および/または透明シャワーヘッド414を透過したUV光の透過率、反射率、および/または吸収を含む放射照度を測定することができる。測定された放射照度は、コントローラ、例えばコントローラ140および/またはコントローラ140aに送信することができる。
【0049】
次に、906において、測定されたUV光源からの放射率またはUV光の放射照度に対応する信号がコントローラに送信される。例えば、コントローラは、測定された放射率および/または放射照度を受信し、測定された放射照度をしきい値と比較する。測定された放射率および/または放射照度がしきい値よりも小さい、大きい、または等しいのいずれかの場合、コントローラは、基板の処理を停止し、ユーザに警告し、および/または透明シャワーヘッドの洗浄を開始するようにさらに構成される。例えば、少なくとも一部の実施形態では、測定された放射率および/または放射照度がしきい値よりも大きい場合、コントローラは、基板の処理を停止するように構成される。
【0050】
前述の事項は、本開示の実施形態を対象としているが、本開示の他のおよびさらなる実施形態が本開示の基本的な範囲から逸脱することなく考案することができる。