(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】アライメントマークを感知するための装置
(51)【国際特許分類】
G03F 9/00 20060101AFI20240531BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
G03F9/00 H
G03F7/20 501
G03F7/20 521
(21)【出願番号】P 2022543086
(86)(22)【出願日】2021-01-21
(86)【国際出願番号】 EP2021051363
(87)【国際公開番号】W WO2021156069
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2022-09-08
(32)【優先日】2020-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503195263
【氏名又は名称】エーエスエムエル ホールディング エヌ.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ショーム,クリシャヌ
(72)【発明者】
【氏名】クロイツァー,ジャスティン,ロイド
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-532328(JP,A)
【文献】特表2015-528584(JP,A)
【文献】特表2020-502580(JP,A)
【文献】特開平10-022207(JP,A)
【文献】特開2012-060119(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0086824(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0329307(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 9/00-9/02
G03F 7/20-7/24
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアライメントマークを感知するための装置であって、
前記複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために、同一の波長を有する複数の光ビームを提供するように配置された照明システムと、
前記複数のアライメントマークのそれぞれ1つから回折された複数の回折光ビームから回折光を収集するように配置された、回折光収集光学システムと、
前記光収集システムによって収集された前記回折光を受け取るように配置され、前記回折光に基づいて光出力を発生させるように構成された、干渉計と、
その前記光出力を受け取るように配置され、前記光出力に基づいて電気信号を発生させるように構成された、検出システムと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記照明システムは、
ソース光ビームを発生させるための照明源と、
前記ソース光ビームを受け取り、前記ソース光ビームの伝送部分を伝送し、前記ソース光ビームの再誘導部分を前記複数のアライメントマークのそれぞれ1つに向かって再誘導するように配置された、複数のビームスプリッタと、
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記照明システムは、前記複数のアライメントマークのそれぞれ1つのオンアクシス照明を提供するために、前記複数の光ビームを提供するように配置された、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記照明システムは、前記複数のアライメントマークのそれぞれ1つのオフアクシス照明を提供するために、前記複数の光ビームを提供するように配置された、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記複数のアライメントマークは、各々が第1のピッチを有する第1の格子を備えるアライメントマークの第1のペアと、各々が前記第1のピッチとは異なる第2のピッチを有する第2の格子を備えるアライメントマークの第2のペアとを備え、前記装置は、前記第1の格子によって回折された光と、前記第1のピッチとは異なる前記第2のピッチに基づいて、前記第2の格子によって回折された光とを、逆多重化するように構成された、デマルチプレクサを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記デマルチプレクサは、前記第1の格子によって回折された前記光の瞳位置を前記第2の格子によって回折された前記光の瞳位置に関してシフトすることによって、前記第1の格子によって回折された光と前記第2の格子によって回折された光とを逆多重化するように構成される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のアライメントマーク及び前記回折光収集光学システムの相対的動きを生じさせるための配置と、
前記検出システムによる光信号の受信のタイミングに基づいて、前記複数のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するように構成されたデマルチプレクサと、を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記回折光収集光学システムは、前記それぞれの回折光ビーム間に伝搬方向に関して横方向の物理的分離を作り出すように配置された、光学コンポーネントを更に備え、
前記装置は、前記複数のアライメントマークによって回折された前記光の横方向位置に基づいて、前記複数のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するように構成されたデマルチプレクサを更に備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記照明システムは、前記複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために、前記複数の光ビームのそれぞれ1つを提供するように配置された、複数の照明源を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
複数のアライメントマークを感知するための装置であって、
前記複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために複数の光ビームを提供するように配置された照明システムであって、前記複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために、前記複数の光ビームのそれぞれ1つを提供するように配置された、複数の照明源を備える、照明システムと、
前記複数のアライメントマークのそれぞれ1つから回折された複数の回折光ビームから回折光を収集するように配置された、回折光収集光学システムと、
前記光収集システムによって収集された前記回折光を受け取るように配置され、前記回折光に基づいて光出力を発生させるように構成された、干渉計と、
その前記光出力を受け取るように配置され、前記光出力に基づいて電気信号を発生させるように構成された、検出システムと、
前記複数の照明源それぞれが前記複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明する時点間に、時間的変位を生じさせるように配置された、制御回路と、
前記検出システムによる光信号の受信のタイミングに基づいて、前記複数のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するように構成されたデマルチプレクサと、を備える、装置。
【請求項11】
前記複数の照明源の前記それぞれ1つは、互いに異なるそれぞれの波長を有する前記複数の光ビームのそれぞれ1つを用いて、前記複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために、複数の光ビームを提供するように適合され、
前記デマルチプレクサは、前記波長に基づいて前記複数のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するようにさらに構成されている、請求項
10に記載の装置。
【請求項12】
アライメントパターンにおけるアライメントマークを感知するための装置であって、
第1のアライメントマークを照明するための第1の光ビーム、第2のアライメントマークを照明するための第2の光ビーム、及び、第3のアライメントマークを照明するための第3の光ビームを提供するように配置された、照明システムと、
前記第1のアライメントマーク、前記第2のアライメントマーク、及び第3のアライメントマークから、回折された光を収集するように配置された、回折光収集光学システムと、
前記光収集システムによって収集された前記回折光を受け取るように配置され、前記回折光に基づいて光出力を発生させるように構成された、干渉計と、
前記干渉計の前記光出力を受け取るように配置され、前記光出力に基づいて電気信号を発生させるように構成された、検出システムと、
を備える、装置。
【請求項13】
前記照明システムは、
ソース光ビームを発生させるための照明源と、
前記ソース光ビームを受け取り、前記ソース光ビームの第1の伝送部分を伝送し、前記ソース光ビームの第1の再誘導部分を前記第1のアライメントマークに向けて再誘導するように配置された、第1のビームスプリッタと、
前記ソース光ビームを受け取り、前記ソース光ビームの第2の伝送部分を伝送し、前記ソース光ビームの第2の再誘導部分を前記第2のアライメントマークに向けて再誘導するように配置された、第2のビームスプリッタと、
前記ソース光ビームを受け取り、前記ソース光ビームの第3の再誘導部分を前記第3のアライメントマークに向けて再誘導するように配置された、第3のビームスプリッタと、を備える、請求項
12に記載の装置。
【請求項14】
前記照明システムは、前記第1、第2、及び第3のアライメントマークのうちのそれぞれ1つのオンアクシス照明を提供するために、前記第1、第2、及び第3の光ビームを提供するように配置される、請求項
12に記載の装置。
【請求項15】
前記照明システムは、前記第1、第2、及び第3のアライメントマークのうちのそれぞれ1つのオフアクシス照明を提供するために、前記第1、第2、及び第3の光ビームを提供するように配置される、請求項
12に記載の装置。
【請求項16】
前記第1のアライメントマークは、第1のピッチを有する第1の格子を備え、前記第2のアライメントマークは、前記第1のピッチからの第2のピッチを有する第2の格子を備え、前記第3のアライメントマークは、前記第1のピッチからの前記第2のピッチとは異なる第3のピッチを有する第3の格子を備え、
前記装置は、前記第1の格子によって回折された光、前記第2の格子によって回折された光、及び、前記第3の格子によって回折された光を、互いに異なる前記第1のピッチ、前記第2のピッチ、及び前記第3のピッチに基づいて、逆多重化するように構成された、デマルチプレクサを更に備える、
請求項
12に記載の装置。
【請求項17】
前
記第1、第2、及び第3のアライメントマーク
と前記回折光収集光学システム
との相対的動きを生じさせるための配置と、
前記検出システムによる光信号の受信のタイミングに基づいて、前記第1、第2、及び第3のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するように構成された、デマルチプレクサと、
を更に備える、請求項
12に記載の装置。
【請求項18】
前記回折光収集光学システムは、前記それぞれの回折光ビーム間に伝搬方向に関して横方向の物理的分離を作り出すように配置された、光学コンポーネントを更に備え、
前記装置は、前記複数のアライメントマークによって回折された前記光の横方向位置に基づいて、前記複数のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するように構成された、デマルチプレクサを更に備える、
請求項
12に記載の装置。
【請求項19】
前記照明システムは、前記第1、第2、及び第3のアライメントマークのうちのそれぞれ1つを照明するために、前記第1、第2、及び第3の光ビームのうちのそれぞれ1つを提供するように配置された、第1、第2、及び第3の照明源を備える、請求項
12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2020年2月5日出願の米国仮特許出願第62/970,481号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、リソグラフィ技法を使用したデバイスの製造に関する。具体的に言えば、本開示は、半導体フォトリソグラフィプロセスを特徴付け及び制御するための、基板上のアライメントマークの感知及び分析に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。その用途では、マスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又はいくつかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。
【0004】
[0004] 従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
【0005】
[0005] ICは層ごとに構築され、現在のICは30又はそれ以上の層を有することができる。オンプロダクトオーバーレイ(OPO)は、これらの層を互いの頂部上に正確にプリントするためのシステムの能力の測度である。同じ層上の連続層又は複数プロセスは、前の層と正確に位置合わせされなければならない。そうでなければ、構造間の電気的接触は乏しく、結果として生じるデバイスは仕様どおりに機能しなくなる。良好なオーバーレイはデバイス歩留まりを向上させ、より小さなプロダクトパターンのプリントを可能にする。パターン付与された基板内又は基板上に形成された連続層の間のオーバーレイエラーは、リソグラフィ装置の露光装置の様々な部分によって制御される。
【0006】
[0006] プロセス誘起ウェーハエラーは、OPO性能に対する重大な障害である。プロセス誘起ウェーハエラーは、プリントパターンの複雑さ並びにプリント層の数の増加に起因する。このエラーは、ウェーハごとに異なり、所与のウェーハ内にある、相対的に高い空間変動のものである。
【0007】
[0007] デバイスのフィーチャを基板上に正確に置くようにリソグラフィプロセスを制御するために、一般に1つ以上のアライメントマークが例えば基板上に提供され、リソグラフィ装置は、マークの位置を正確に測定する際に使用し得る1つ以上のアライメントセンサを含む。アライメントセンサは、事実上、位置測定装置であり得る。異なる時期及び異なる製造業者からの、異なるタイプのマーク及び異なるタイプのアライメントセンサが知られている。フィールド内のいくつかのアライメントマークの相対的な位置の測定は、プロセス誘起ウェーハエラーを補正することができる。フィールド内のアライメントエラー変動を使用して、フィールド内のOPOを補正するためのモデルをフィットすることができる。
【0008】
[0008] リソグラフィ装置は、リソグラフィ装置に対して基板を位置合わせするために複数のアライメントシステムを使用することが知られている。データは、例えば任意のタイプのアライメントセンサ、例えば、2005年11月1日発行の「Lithographic Apparatus, Device Manufacturing Method, and Device Manufactured Thereby」という名称の、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,961,116号に記載されるような、単一ディテクタ及び4つの異なる波長を備える自己参照干渉計を採用し、ソフトウェア内のアライメント信号を抽出する、SMASH(SMart Alignment Sensor Hybrid)センサ、又は、2001年10月2日発行の「Lithographic Projection Apparatus with an Alignment System for Aligning Substrate on Mask」という名称の、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,297,876号に記載されるような、7つの回折次数の各々を専用ディテクタに誘導する、ATHENA(Advanced Technology using High order ENhancement of Alignment)、又は、使用可能信号当たり複数の偏光(色)を使用するORIONセンサ、を用いて、取得され得る。
【0009】
[0009] 特に、2008年3月5日に許可された「Lithographic Apparatus and Device Manufacturing Method」という名称の欧州特許出願公開第1372040A1号に言及され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。欧州特許出願公開第1372040A1号は、アライメントマーカの2つのオーバーラップする像を生成する、自己参照干渉計を使用するアライメントシステムを記載する。これらの2つの像は、互いに関して180°以上回転される。欧州特許出願公開第1372040A1号は更に、瞳面内のこれら2つの像の干渉フーリエ変換の強度変動の検出を記載する。これらの強度変動は、2つの像の異なる回折次数間の位相差に対応し、この位相差から、位置合わせプロセスに必要な位置情報が導出される。2013年12月17日発行の「Self-Referencing Interferometer, Alignment System, and Lithographic Apparatus」という名称の米国特許第8,610,898号にも言及され、その内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0010】
[0010] SMASH、Athena、及びORIONなどのアライメントセンサは、現在、アライメント位置を見つけるためにスクライブラインマークの形のアライメントマークを測定する。ウェーハグリッドはこのアライメント位置から決定される。正確なウェーハグリッドは、オーバーレイエラーの可能性を減少させる。アライメントマークの密度サンプルが、フィールド内エラーを減少させることを助け得る。
【0011】
[0011] したがって、より多数のマークを測定できること、例えば、フィールド内問題を位置合わせする機能からの、潜在的利益が存在する。しかしながら典型的には、従来のセンサは、次々と順番にマークを測定するため、約40のマークペアの測定に限定され、また、より多数のペアを測定することは容認できない時間的不利益を招く。スキャン速度を上げることによってこの時間的不利益を緩和する機能は、スキャン速度を上げることによってダイナミクス問題が生じるため、限定される。
【0012】
[0012] したがって、スキャン速度を上げる必要なしに、より多くのアライメントマークを測定できることが望ましい。
【発明の概要】
【0013】
[0013] 実施形態を基本的に理解するために、1つ以上の実施形態の簡略化された概要を以下に提示する。本概要は全ての企図される実施形態の広範な要約ではなく、全ての実施形態の主な又は重要な要素を識別すること、あるいは任意又は全ての実施形態の範囲を線引きすることも、意図されていない。その唯一の目的は、後に示されるより詳細な説明の前置きとして、1つ以上の実施形態のいくつかの概念を簡略化された形で示すことである。
【0014】
[0014] 一実施形態の態様によれば、センサの光軸は、センサがウェーハ上の複数の位置から情報を同時に収集することができるように分割される。アライメントセンサの軸は仮想的な線として概念化され得、その周りに像の回転が生じる。アライメントセンサは、この軸に関して測定を行う。自己参照干渉計の形の干渉計を含むSMASH及びORIONセンサなどのシステムの場合、この軸は、アライメントマークによって回折された光を収集するために使用される光学システムの対物レンズを介して、自己参照干渉計からウェーハへと後方投影され得る。
【0015】
[0015] 一実施形態の態様によれば、干渉計の軸は、例えば、ビームスプリッタによって複数の異なる軸に分割される。軸は、例えば3つの軸に分割され得るが、これは単なる例であり、軸はより多くの軸に分割可能である。複数の軸の各々は、それら自体の対物レンズを有し、それら自体の照明を有し得る。それぞれのアライメントマークからの信号は、共通のディテクタに到達する。信号は、ウェーハ上の3つのアライメントマークからのアライメント情報を分離するために逆多重化される。
【0016】
[0016] 一実施形態の一態様によれば、複数のアライメントマークを感知するための装置が開示され、装置は、複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために複数の光ビームを提供するように配置された照明システムと、複数のアライメントマークのそれぞれ1つから回折された複数の回折光ビームから回折光を収集するように配置された回折光収集光学システムと、光収集システムによって収集された回折光を受け取るように配置され、回折光に基づいて光出力を発生させるように構成された、干渉計と、その光出力を受け取るように配置され、光出力に基づいて電気信号を発生させるように構成された、検出システムとを、備える。照明システムは、ソース光ビームを発生させるための照明源と、ソース光ビームを受け取り、ソース光ビームの伝送部分を伝送し、ソース光ビームの再誘導部分を複数のアライメントマークのそれぞれ1つに向かって再誘導するように配置された、複数のビームスプリッタとを、備え得る。照明システムは、複数のアライメントマークのそれぞれ1つのオンアクシス照明を提供するために、複数の光ビームを提供するように配置され得る。照明システムは、複数のアライメントマークのそれぞれ1つのオフアクシス照明を提供するために、複数の光ビームを提供するように配置され得る。複数のアライメントマークは、各々が第1のピッチを有する第1の格子を備えるアライメントマークの第1のペアと、各々が第1のピッチとは異なる第2のピッチを有する第2の格子を備えるアライメントマークの第2のペアとを備え得、この場合、装置は、第1の格子によって回折された光と、第1のピッチとは異なる第2のピッチに基づいて、第2の格子によって回折された光とを、逆多重化するように構成された、デマルチプレクサを更に備え得る。デマルチプレクサは、第1の格子によって回折された光の瞳位置を第2の格子によって回折された光の瞳位置に関してシフトすることによって、第1の格子によって回折された光と第2の格子によって回折された光とを逆多重化するように構成され得る。第1の格子デマルチプレクサによって回折された光の第1の光出力は第1の周波数を有し得、第2の格子デマルチプレクサによって回折された光の第2の光出力は第1の周波数とは異なる第2の周波数を有し得、この場合、デマルチプレクサは、第1及び第2の周波数に基づいて、第1の格子によって回折された光と第2の格子によって回折された光とを逆多重化するように構成され得る。装置は、複数のアライメントマーク及び回折光収集光学システムの相対的動きを生じさせるための配置と、検出システムによる光信号の受信のタイミングに基づいて、複数のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するように構成されたデマルチプレクサとを、更に備え得る。回折光収集光学システムは、それぞれの回折光ビーム間に伝搬方向に関して横方向の物理的分離を作り出すように配置された、光学コンポーネントを更に備え得、この場合、装置は、複数のアライメントマークによって回折された光の横方向位置に基づいて、複数のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するように構成されたデマルチプレクサを更に備え得る。照明システムは、複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために、複数の光ビームのそれぞれ1つを提供するように配置された、複数の照明源を備え得る。装置は、複数の照明源それぞれが複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明する時点間に、時間的変位を生じさせるように配置された、制御回路と、検出システムによる光信号の受信のタイミングに基づいて、複数のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するように構成されたデマルチプレクサとを、備え得る。複数の照明源のそれぞれ1つは、互いに異なるそれぞれの波長を有する複数の光ビームのそれぞれ1つを用いて、複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために、複数の光ビームを提供するように適合され得、装置は、波長に基づいて複数のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するように構成されたデマルチプレクサを更に備える。
【0017】
[0017] 一実施形態の別の態様によれば、アライメントパターンにおけるアライメントマークを感知するための装置が開示され、装置は、第1のアライメントマークを照明するための第1の光ビーム、第2のアライメントマークを照明するための第2の光ビーム、及び、第3のアライメントマークを照明するための第3の光ビームを提供するように配置された、照明システムと、第1のアライメントマーク、第2のアライメントマーク、及び第3のアライメントマークから、回折された光を収集するように配置された、回折光収集光学システムと、光収集システムによって収集された回折光を受け取るように配置され、回折光に基づいて光出力を発生させるように構成された、干渉計と、自己参照干渉計の光出力を受け取るように配置され、光出力に基づいて電気信号を発生させるように構成された、検出システムとを、備える。照明システムは、ソース光ビームを発生させるための照明源と、ソース光ビームを受け取り、ソース光ビームの第1の伝送部分を伝送し、ソース光ビームの第1の再誘導部分を第1のアライメントマークに向けて再誘導するように配置された、第1のビームスプリッタと、ソース光ビームを受け取り、ソース光ビームの第2の伝送部分を伝送し、ソース光ビームの第2の再誘導部分を第2のアライメントマークに向けて再誘導するように配置された、第2のビームスプリッタと、ソース光ビームを受け取り、ソース光ビームの第3の再誘導部分を第3のアライメントマークに向けて再誘導するように配置された、第3のビームスプリッタとを、備え得る。照明システムは、第1、第2、及び第3のアライメントマークのうちのそれぞれ1つのオンアクシス照明を提供するために、第1、第2、及び第3複数の光ビームを提供するように配置され得る。照明システムは、第1、第2、及び第3のアライメントマークのうちのそれぞれ1つのオフアクシス照明を提供するために、第1、第2、及び第3の光ビームを提供するように配置され得る。第1のアライメントマークは、第1のピッチを有する第1の格子を備え得、第2のアライメントマークは、第1のピッチからの第2のピッチを有する第2の格子を備え得、第3のアライメントマークは、第1のピッチからの第2のピッチとは異なる第3のピッチを有する第3の格子を備え得、装置は、第1の格子によって回折された光、第2の格子によって回折された光、及び、第3の格子によって回折された光を、互いに異なる第1のピッチ、第2のピッチ、及び第3のピッチに基づいて、逆多重化するように構成された、デマルチプレクサを更に備え得る。装置は、複数の第1、第2、及び第3のアライメントマーク及び回折光収集光学システムの相対的動きを生じさせるための配置と、検出システムによる光信号の受信のタイミングに基づいて、第1、第2、及び第3のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するように構成されたデマルチプレクサとを、更に備え得る。回折光収集光学システムは、それぞれの回折光ビーム間に伝搬方向に関して横方向の物理的分離を作り出すように配置された、光学コンポーネントを更に備え得、装置は、複数のアライメントマークによって回折された光の横方向位置に基づいて、複数のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するように構成されたデマルチプレクサを更に備え得る。照明システムは、第1、第2、及び第3のアライメントマークのうちのそれぞれ1つを照明するために、第1、第2、及び第3の光ビームのうちのそれぞれ1つを提供するように配置された、第1、第2、及び第3の照明源を備え得る。装置は、第1、第2、及び第3の照明源のうちのそれぞれ1つが第1、第2、及び第3のアライメントマークのうちのそれぞれ1つを照明する時点間に、時間的変位を生じさせるように配置された、制御回路と、検出システムによる光信号の受信のタイミングに基づいて、第1、第2、及び第3のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するように構成されたデマルチプレクサとを、備え得る。第1、第2、及び第3の照明源のうちのそれぞれ1つは、互いに異なるそれぞれの波長を有する第1、第2、及び第3の光ビームのうちのそれぞれ1つを用いて、第1、第2、及び第3のアライメントマークのうちのそれぞれ1つを照明するために、第1、第2、及び第3の光ビームそれぞれを提供するように適合され得、装置は更に、波長に基づいて第1、第2、及び第3のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するように構成されたデマルチプレクサを備え得る。
【0018】
[0018] 一実施形態の別の態様によれば、複数のアライメントマークを感知する方法が開示され、方法は、複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために複数の光ビームを提供するステップと、複数のアライメントマークのそれぞれ1つから回折された複数の回折光ビームから回折光を収集するステップと、光収集システムによって収集された回折光を受け取るため、及び、回折光に基づいて光出力を発生させるために、干渉計を使用するステップと、光出力に基づいて電気信号を発生させるステップとを、含む。複数のアライメントマーク照明システムのそれぞれ1つを照明するために複数の光ビームを提供するステップは、ソース光ビームを発生させるステップと、ソース光ビームを受け取り、ソース光ビームの伝送部分を伝送し、ソース光ビームの再誘導部分を複数のアライメントマークのそれぞれ1つに向かって再誘導するように配置された、複数のビームスプリッタを提供するステップとを、含み得る。複数のアライメントマーク照明システムのそれぞれ1つを照明するために複数の光ビームを提供するステップは、複数のアライメントマークのそれぞれ1つのオンアクシス照明を提供するステップを含み得る。複数のアライメントマーク照明システムのそれぞれ1つを照明するために複数の光ビームを提供するステップは、複数のアライメントマークのそれぞれ1つのオフアクシス照明を提供するステップを含み得る。複数のアライメントマークは、各々が第1のピッチを有する第1の格子を備えるアライメントマークの第1のペアと、各々が第1のピッチとは異なる第2のピッチを有する第2の格子を備えるアライメントマークの第2のペアとを備え得、方法は、第1の格子によって回折された光と、第1のピッチとは異なる第2のピッチに基づいて、第2の格子によって回折された光とを、逆多重化するステップを更に含み得る。デマルチプレクサは、第1の格子によって回折された光の瞳位置を第2の格子によって回折された光の瞳位置に関してシフトすることによって、第1の格子によって回折された光と第2の格子によって回折された光とを逆多重化し得る。第1の格子デマルチプレクサによって回折された光の第1の光出力は第1の周波数を有し得、第2の格子デマルチプレクサによって回折された光の第2の光出力は第1の周波数とは異なる第2の周波数を有し得、デマルチプレクサは、第1及び第2の周波数に基づいて、第1の格子によって回折された光と第2の格子によって回折された光とを逆多重化し得る。複数のアライメントマークのそれぞれ1つから回折された複数の回折光ビームから回折光を収集するステップは、回折光収集光学システムを使用して実行され得、方法は、複数のアライメントマーク及び回折光収集光学システムの相対的動きを生じさせるステップと、光出力に基づいて電気信号を発生させるタイミングに基づいて複数のアライメントマークによって回折される光を逆多重化するステップとを、更に含み得る。複数のアライメントマークのそれぞれ1つから回折された複数の回折光ビームから回折された光を収集することは、それぞれの回折光ビーム間に伝搬方向に関して横方向の物理的分離を作り出すことを含み得、方法は、複数のアライメントマークによって回折された光の横方向位置に基づいて、複数のアライメントマークによって回折された光を逆多重化することを更に含み得る。複数のアライメントマーク;照明システムのそれぞれ1つを照明するために、複数の光ビームを提供することは、複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために複数の光ビームのそれぞれ1つを提供するように配置された複数の照明源を使用することを含み得る。複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために、複数の光ビームを提供するステップは、複数の照明源それぞれが複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明する時点間に、時間的変位を生じさせるステップを含み得、方法は、光出力のタイミングに基づいて、複数のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するステップを更に含み得る。複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために、複数の光ビームを提供するステップは、互いに異なるそれぞれの波長を有する複数の光ビームのそれぞれ1つを用いて、複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために、複数の光ビームを提供するステップを含み得、方法は、波長に基づいて複数のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するステップを更に含み得る。
【0019】
[0019] 一実施形態の別の態様によれば、複数のアライメントマークを感知するための装置が開示され、装置は、複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために複数の光ビームを提供するように配置された照明システムと、複数のアライメントマークのそれぞれ1つから回折された複数の回折光ビームから回折光を収集するように配置された回折光収集光学システムと、光収集システムによって収集された回折光を受け取るように配置され、回折光に基づいて光出力を発生させるように構成された、単一の干渉計と、その光出力を受け取るように配置され、光出力に基づいて電気信号を発生させるように構成された、検出システムとを、備える。
【0020】
[0020] 一実施形態の別の態様によれば、複数のアライメントマークを感知する方法が開示され、方法は、複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために複数の光ビームを提供するステップと、複数のアライメントマークのそれぞれ1つから回折された複数の回折光ビームから回折光を収集するステップと、光収集システムによって収集された回折光を受け取るため、及び、回折光に基づいて光出力を発生させるために、単一の干渉計を使用するステップと、光出力に基づいて電気信号を発生させるステップとを、含む。
【0021】
[0021] 本発明の更なる実施形態、特徴、及び利点、並びに様々な実施形態の構造及び動作を、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。
【0022】
[0022] 本明細書に組み込まれ本明細書の一部を形成する添付図面は、本発明の実施形態の方法及びシステムを、限定としてではなく例として説明する。図面は更に、詳細な説明と併せて、本明細書に提示されている方法及びシステムの原理を説明するように、また、当業者がこの方法及びシステムを作製し使用できるように機能する。図面中、同じ参照番号は同一の又は機能的に類似の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】[0023]本明細書に開示された一実施形態の態様に従った、使用できるようなフォトリソグラフィシステムの選択された部分を示す図である。
【
図2】[0024]その動作の原理を説明するための、既知のアライメントシステムの選択された部分を示す図である。
【
図3】[0025]一実施形態の態様に従ってアライメントマークを分析するためのシステムを示す図である。
【
図4A】[0026]一実施形態の態様に従って測定されるように適合されたアライメントマークを示す図である。
【
図4B】[0027]
図5に示される実施形態の態様に従って測定されるように適合されたアライメントマークを示す図である。
【
図5】[0028]一実施形態の態様に従ってアライメントマークを分析するためのシステムを示す図である。
【
図6】[0029]一実施形態の態様に従ってアライメントマークを分析するためのシステムを示す図である。
【
図7】[0030]一実施形態の態様に従ってアライメントマークを分析するためのシステムを示す図である。
【
図8】[0031]一実施形態の態様に従ってアライメントマークを分析するためのシステムを示す図である。
【0024】
[0032] 本発明の別の特徴及び利点並びに本発明の様々な実施形態の構造及び作用を、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。本発明は、本明細書に記載する特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。このような実施形態は、例示のみを目的として本明細書に記載されている。本明細書に含まれる教示に基づいて当業者はさらなる実施形態を容易に思いつくであろう。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[0033] 次に、図面を参照して様々な実施形態を記述する。全文を通じて、同じ参照番号は同じ要素を参照して用いられる。以下の記載においては、説明の目的で、1つ以上の実施形態の完全な理解を促進するために、多くの具体的詳細が述べられる。もっとも、いくつかの又は全ての場合において、後述するいずれの実施形態も、後述する具体的な設計詳細を採用することなく実行可能であることは明らかであろう。他の場合においては、1つ以上の実施形態の記載を容易にするために、周知の構造及びデバイスがブロック図の形で示される。以下は、1つ以上の実施形態の基本的な理解を得るため、それらの実施形態の簡略化された概要を示す。この概要は、想定される全ての実施形態を広く概観するものではなく、全ての実施形態の重要な要素又は不可欠な要素を識別することは意図しておらず、また、いずれかの又は全ての実施形態の範囲を画定することも意図していない。
【0026】
[0034] 本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらのいずれかの組み合わせにおいて実施可能である。また、本発明の実施形態は、1つ以上のプロセッサによって読み取り及び実行され得る機械読み取り可能媒体上に記憶された命令としても実施することができる。機械読み取り可能媒体は、機械(例えばコンピューティングデバイス)によって読み取り可能な形態の情報を記憶又は送信するためのいずれかの機構を含み得る。例えば、機械読み取り可能媒体は、ソリッドステートメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音響、又は他の形態の伝搬信号(例えば搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)、及び他のものを含むことができる。更に、一定の動作を実行するものとして本明細書ではファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令を記載することができる。しかしながらそのような記載は単に便宜上のものであり、そういった動作は実際には、コンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又はファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令等を実行する他のデバイスから得られることは認められよう。
【0027】
[0035]
図1は、リソグラフィ装置を概略的に示す。この装置は、放射ビームB(例えばUV放射又はその他の好適な放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PLとを備える。
【0028】
[0036] 照明システムは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0029】
[0037] 支持構造は、パターニングデバイスを支持、すなわち、その重量を支えている。支持構造は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた手法で、パターニングデバイスを保持する。支持構造は、パターニングデバイスを保持するために、機械式、真空式、静電式等のクランプ技術を使用することができる。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置に来るようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
【0030】
[0038] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
【0031】
[0039] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、更には様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小型ミラーのマトリクス配列を使用し、ミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するように個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを付与する。
【0032】
[0040] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電光学システム、又はその任意の組み合わせを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これは更に一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
【0033】
[0041] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過型マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えばプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射型マスクを使用する)。
【0034】
[0042] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ以上の他のテーブルを露光に使用している間に1つ以上のテーブルで予備工程を実行することができる。
【0035】
[0043] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増やすために当技術分野では周知である。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板との間に液体が存在するというほどの意味である。
【0036】
[0044]
図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源及びリソグラフィ装置は、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
【0037】
[0045] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタADを備えていてもよい。一般に、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
【0038】
[0046] 放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブルMT)上に保持されるパターニングデバイス(例えばマスクMA)上に入射し、パターニングデバイスによってパターン付与される。マスクMAを横断した放射ビームBは、投影システムPLを通過し、投影システムPLは基板Wのターゲット部分C上にビームを合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、2Dエンコーダ、又は静電容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTは、例えば、放射ビームBの経路内に異なるターゲット部分Cを位置決めするように、正確に移動することができる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサ(
図1には明示的に示されていない)を使用して、例えば、マスクライブラリからの機械的取り出し後、又はスキャン中に、放射ビームBの経路に関してマスクMAを正確に位置決めすることが可能である。一般に、マスクテーブルMTの動きは、第1のポジショナPMの一部を形成する、ロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けを借りて実現可能である。同様に、基板テーブルWTの動きは、第2のポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを使用して実現され得る。(スキャナとは対照的に)ステッパの場合、マスクテーブルMTはショートストロークアクチュエータのみに接続され得るか、又は固定され得る。マスクMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせされ得る。基板アライメントマークは図に示されるように、専用ターゲット部分を占有するが、ターゲット部分間の空間に位置し得る(スクライブラインアライメントマークとして知られる)。同様に、複数のダイがマスクMA上に提供される状況では、マスクアライメントマークはダイ間に位置し得る。ウェーハは、例えば、ウェーハ製作におけるステップとして使用される化学機械平坦化(CMP)プロセスにおける変動に敏感なマークなどの、追加のマークも含み得る。
【0039】
[0047] 基板W上のターゲットP1及び/又はP2は、例えば、(a)現像後、バーは固体レジスト線で形成されるようにプリントされる、レジスト層格子、又は(b)プロダクトレイヤ格子、又は(c)プロダクトレイヤ格子上にオーバーレイ又はインターリーブされたレジスト格子を備える、オーバーレイターゲット構造内の複合格子スタックであり得る。バーは代替として、基板内にエッチングされ得る。
【0040】
[0048]
図2は、既知のアライメントシステム10の概略図を示す。光源11は空間的にコヒーレントな放射のビームを放出し、このビームは基板(例えばウェーハ)上のアライメントマーカWMを照明し、基板は正及び負の回折次数+n及び-nに放射を反射する。これらの回折次数は、対物レンズ12によってコリメートされ、自己参照干渉計(SRI)13に入る。自己参照干渉計は、180°の相対的回転と共に、オーバーラップし、したがって干渉される可能性のある、入力の2つの像を出力する。瞳面14において、異なる回折次数が分離された、これらの像のオーバーラップするフーリエ変換が見られ、干渉され得る。瞳面内のディテクタ15は、位置情報を提供するために、干渉された回折次数を検出する。この位置情報に基づいて、基板はリソグラフィ装置に関して正確に位置合わせ可能である。
図2の右側部分は、瞳面14内での2つのオーバーラップする像の形成を示し、一方の像については、+n’及び-n’は入力回折次数+n及び-nに対して+90°回転され、他方の像については、+n’’及び-n’’は入力回折次数+n及び-nに対して-90°回転される。瞳面内で、(+n’及び-n’’)並びに(+n’’及び-n’)それぞれの次数が干渉する。
【0041】
[0049] 説明したようなセンサの出力は、典型的には、センサ出力内の強度パターンを検出するディテクタにリレーされる。アライメントセンサにおいて、出力センサ(単一ピクセルディテクタ)は、+次数と-次数との間の干渉から生じる強度変動を検出する。この干渉は、電界が加えられるSUMチャネル、及び電界が減じられるDIFFチャネルの、2つのチャネルを作り出す。これら2つのチャネルは、互いに180度位相がずれている。マークのアライメント位置は、DIFF又はSUMあるいは2つのチャネルの組み合わせにおける信号の位相を測定することによって計算される。こうしたシステムにおいて、全ての光はディテクタに誘導される。
【0042】
[0050] 前述のように、一実施形態の態様によれば、複数のマークを実質的に同時に測定するために、センサの光軸は、センサがウェーハ上の複数の位置から情報を同時に収集できるように分割される。センサのアライメントの軸は仮想的な線として概念化され得、その周りに像の回転が生じる。アライメントセンサは、この軸に関して測定を行う。自己参照干渉計の形の干渉計を含むシステムの場合、この軸は、アライメントマークによって回折された光を収集するために使用される光学システムの対物レンズを介して、自己参照干渉計からウェーハへと後方投影され得る。
【0043】
[0051] 以下で説明するように、干渉計の軸は、例えば、ビームスプリッタによって複数の異なる軸に分割され得る。軸は、例えば3つの軸に分割され得る。以下に、特定の例について3つの軸を説明するが、軸がより多くの軸に分割できることは明らかであろう。複数の軸の各々は、それら自体の対物レンズを有し、それら自体の別々の照明を有し得る。それぞれのアライメントマークからの信号は、共通のディテクタ又は別々のディテクタに到達可能である。信号は、ウェーハ上の3つのアライメントマークからのアライメント情報を分離するために逆多重化される。
【0044】
[0052] 以下に十分に説明するように、信号の逆多重化は、いくつかの方法のいずれか1つを使用して実行可能である。例えば、ウェーハ上の3つの異なるマークの各々は、所与のピッチを伴う格子を有する異なるピッチを有することが可能である。この場合、信号は、例えばフーリエ分解を使用して、空間的に又は周波数によって分離可能である。信号の逆多重化は、各チャネルからの信号を誘導し、信号を空間的に分離することが可能な、ディテクタにおける瞳面内の光学ミラー及びプリズムなどの光学系を使用することによっても達成可能である。ここで信号は、横方向に、すなわち光の伝搬方向に対して横方向に分離される。この構成では、別々のディテクタが使用され得る。代替として、マークの照明は時間的に多重化可能であり、信号は、ディテクタの時間間隔をゲーティングすることによって分離可能である。代替として、アライメントマークは、異なる波長を有する光を用いて照明され得、アライメントマークからの信号は周波数によって分離可能である。
【0045】
[0053] これらの配置において、単一の自己参照干渉計を使用して複数のアライメントマークを測定することが可能である。
【0046】
[0054] 一実施形態の態様に従ったシステムの一例が、
図3に示される。
図3に示されるように、アライメントマーク302、304、及び306で構成されるアライメントパターン300が基板310上に提供される。光源320は、光ビーム330を発生させる。第1のビームスプリッタ340はビーム330を、アライメントパターン300内のアライメントマーク302に向けて誘導される第1の成分と、前方へ伝搬する第2の部分とに分割する。本明細書に記載されるこのビームスプリッタ及び他のビームスプリッタは、有利には対物レンズを含み得ることが理解されよう。第2の部分は第2のビームスプリッタ350に到達し、第2のビームスプリッタ350は、ビームの一方の部分をアライメントマーク304に向けて、及び他の部分を第3のビームスプリッタ360に向けて、誘導する。第3のビームスプリッタ360は、受け取ったビームの部分を第3のアライメントマーク306に誘導する。
【0047】
[0055] 各々の場合において、アライメントマークに到達するビームの部分は、アライメントマークによって回折される。回折された光は、ビームスプリッタを介して後方に伝搬する。アライメントマーク302によって回折された光370は、折り畳みミラー380に当たり、軸スプリッタ390に向けて誘導される。同様に、第2のアライメントマーク304によって回折された光400は軸スプリッタ390にリレーされ、光410は折り畳みミラー420によって軸スプリッタ390にリレーされる。軸スプリッタ390の出力は、自己参照干渉計430に到達する。自己参照干渉計430の光出力は、ディテクタ440に供給される。本実施形態における光370、400、及び410はビームのペアであり、すなわち、これらの数字は単一のビームを指定せず、回折次数のペアの経路を指定する。
【0048】
[0056] 様々なアライメントマークから信号を隔離するために、様々な方法が採用され得る。例えば、
図3のアライメントマーク302、304、及び306は、異なるピッチを有する格子であり得る。
図4Aは、
図3の390の後の、瞳面内の回折次数を示す。302、304、及び306のピッチは異なるため、異なる次数ペア、すなわちペア302a及び302b、ペア304a及び304b、並びにペア306a、306bを示すように回折する。このように、これらのアライメントマークのペアからの信号は区別することができる。信号は、例えばフーリエ分解によって、スペクトル的に分離することも可能である。
【0049】
[0057] 信号は、時間的にも隔離され得る。これを達成するための配置が、
図4B及び
図5に示される。
図4Bにおいて、アライメントマーク302a及び302bを担持する基板310と、回折光を収集し
図5に示されるようなビームスプリッタを含む光学システムとの間に、矢印Aによって示された方向に相対的な動作が存在する。
図5の配置は、追加として、アライメントマーク302a、302bが、ソース320からの光を回折する領域内にあることがわかっている時点にのみ、自己参照干渉計430の光出力のディテクタ440への通行を可能にする、光格子450を含む。このアクティビティを同期化することによって、ディテクタ440に到達する光信号を生じさせるアライメントマークを識別することができる。
【0050】
[0058] 代替として、
図6に示されるように、信号の逆多重化は、各チャネルからの信号を誘導し、信号を空間的に分離することが可能な、瞳面内の光学ミラー及びプリズムなどの光学系460を使用することによっても達成可能である。ここで信号は、横方向に、すなわち光の伝搬方向に対して横方向に分離される。この構成では、図に示されるように別々のディテクタ442、446、及び448が使用され得るか、又は複数のディテクタを備える単一のカメラが使用され得る。
【0051】
[0059] 個別アライメントマークの各々には、
図7に示されるような別々のイルミネータが提供され得る。
図7において、イルミネータ322はアライメントマーク302を照明する。同様に、イルミネータ324はアライメントマーク304を照明し、イルミネータ326はアライメントマーク306を照明する。これにより、ディテクタ440に到達する信号の時間的隔離を可能にする。言い換えれば、イルミネータの1つのみがアライメントマークを照明している場合、その時点でディテクタ440に到達する光信号は、アライメントマークの照明から生じる信号である。また、照明は、異なる波長を有する照明を提供するように構成可能である。この異なる波長の照明は、スペクトルフィルタを使用するディテクタにおいて区別可能である。代替として、複数のディテクタは、各波長について1つが採用可能である。
【0052】
[0060] 上記で説明した例において、アライメントマークを照明するためにオンアクシス照明が使用される。
図8は、オフアクシス照明が使用される配置を示す。言い換えれば、照明は、アライメントマーク及びディテクタの光軸への角度で進入する。進入光は、垂直以外の斜角でフォトマスクに当たり、すなわち、入射光は光学システムの軸に対して平行ではない。これにより、より小さなピッチを伴うマークの測定が可能になる。オフアクシス照明は、前述の配置のいずれかを用いて使用可能である。図に示されるように、イルミネータ322及び323がアライメントマーク302を照明するように、オフアクシス照明は左右対称である。同様に、イルミネータ324及び325はアライメントマーク304を照明し、イルミネータ326及び327はアライメントマーク306を照明する。
【0053】
[0061] 本発明の他の態様は、以下の番号付けされた条項に記載されている。
1.複数のアライメントマークを感知するための装置であって、
複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために複数の光ビームを提供するように配置された照明システムと、
複数のアライメントマークのそれぞれ1つから回折された複数の回折光ビームから回折光を収集するように配置された、回折光収集光学システムと、
光収集システムによって収集された回折光を受け取るように配置され、回折光に基づいて光出力を発生させるように構成された、干渉計と、
その光出力を受け取るように配置され、光出力に基づいて電気信号を発生させるように構成された、検出システムと、
を備える、装置。
2.照明システムは、
ソース光ビームを発生させるための照明源と、
ソース光ビームを受け取り、ソース光ビームの伝送部分を伝送し、ソース光ビームの再誘導部分を複数のアライメントマークのそれぞれ1つに向かって再誘導するように配置された、複数のビームスプリッタと、
を備える、条項1に記載の装置。
3.照明システムは、複数のアライメントマークのそれぞれ1つのオンアクシス照明を提供するために、複数の光ビームを提供するように配置された、条項1に記載の装置。
4.照明システムは、複数のアライメントマークのそれぞれ1つのオフアクシス照明を提供するために、複数の光ビームを提供するように配置された、条項1に記載の装置。
5.複数のアライメントマークは、各々が第1のピッチを有する第1の格子を備えるアライメントマークの第1のペアと、各々が第1のピッチとは異なる第2のピッチを有する第2の格子を備えるアライメントマークの第2のペアとを備え、装置は、第1の格子によって回折された光と、第1のピッチとは異なる第2のピッチに基づいて、第2の格子によって回折された光とを、逆多重化するように構成された、デマルチプレクサを更に備える、条項1に記載の装置。
6.デマルチプレクサは、第1の格子によって回折された光の瞳位置を第2の格子によって回折された光の瞳位置に関してシフトすることによって、第1の格子によって回折された光と第2の格子によって回折された光とを逆多重化するように構成される、条項5に記載の装置。
7.第1の格子デマルチプレクサによって回折された光の第1の光出力は第1の周波数を有し、第2の格子デマルチプレクサによって回折された光の第2の光出力は第1の周波数とは異なる第2の周波数を有し、デマルチプレクサは、第1及び第2の周波数に基づいて、第1の格子によって回折された光と第2の格子によって回折された光とを逆多重化するように構成される、条項5に記載の装置。
8.複数のアライメントマーク及び回折光収集光学システムの相対的動きを生じさせるための配置と、
検出システムによる光信号の受信のタイミングに基づいて、複数のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するように構成されたデマルチプレクサと、を更に備える、条項1に記載の装置。
9.回折光収集光学システムは、それぞれの回折光ビーム間に伝搬方向に関して横方向の物理的分離を作り出すように配置された、光学コンポーネントを更に備え、
装置は、複数のアライメントマークによって回折された光の横方向位置に基づいて、複数のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するように構成されたデマルチプレクサを更に備える、
条項1に記載の装置。
10.照明システムは、複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために、複数の光ビームのそれぞれ1つを提供するように配置された、複数の照明源を備える、条項1に記載の装置。
11.複数の照明源それぞれが複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明する時点間に、時間的変位を生じさせるように配置された、制御回路と、
検出システムによる光信号の受信のタイミングに基づいて、複数のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するように構成されたデマルチプレクサと、を更に備える、条項10に記載の装置。
12.複数の照明源のそれぞれ1つは、互いに異なるそれぞれの波長を有する複数の光ビームのそれぞれ1つを用いて、複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために、複数の光ビームを提供するように適合され、装置は、波長に基づいて複数のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するように構成されたデマルチプレクサを更に備える、条項10に記載の装置。
13.アライメントパターンにおけるアライメントマークを感知するための装置であって、
第1のアライメントマークを照明するための第1の光ビーム、第2のアライメントマークを照明するための第2の光ビーム、及び、第3のアライメントマークを照明するための第3の光ビームを提供するように配置された、照明システムと、
第1のアライメントマーク、第2のアライメントマーク、及び第3のアライメントマークから、回折された光を収集するように配置された、回折光収集光学システムと、
光収集システムによって収集された回折光を受け取るように配置され、回折光に基づいて光出力を発生させるように構成された、干渉計と、
自己参照干渉計の光出力を受け取るように配置され、光出力に基づいて電気信号を発生させるように構成された、検出システムと、
を備える、装置。
14.照明システムは、
ソース光ビームを発生させるための照明源と、
ソース光ビームを受け取り、ソース光ビームの第1の伝送部分を伝送し、ソース光ビームの第1の再誘導部分を第1のアライメントマークに向けて再誘導するように配置された、第1のビームスプリッタと、
ソース光ビームを受け取り、ソース光ビームの第2の伝送部分を伝送し、ソース光ビームの第2の再誘導部分を第2のアライメントマークに向けて再誘導するように配置された、第2のビームスプリッタと、
ソース光ビームを受け取り、ソース光ビームの第3の再誘導部分を第3のアライメントマークに向けて再誘導するように配置された、第3のビームスプリッタと、を備える、条項13に記載の装置。
15.照明システムは、第1、第2、及び第3のアライメントマークのうちのそれぞれ1つのオンアクシス照明を提供するために、第1、第2、及び第3の光ビームを提供するように配置される、条項13に記載の装置。
16.照明システムは、第1、第2、及び第3のアライメントマークのうちのそれぞれ1つのオフアクシス照明を提供するために、第1、第2、及び第3の光ビームを提供するように配置される、条項13に記載の装置。
17.第1のアライメントマークは、第1のピッチを有する第1の格子を備え、第2のアライメントマークは、第1のピッチからの第2のピッチを有する第2の格子を備え、第3のアライメントマークは、第1のピッチからの第2のピッチとは異なる第3のピッチを有する第3の格子を備え、
装置は、第1の格子によって回折された光、第2の格子によって回折された光、及び、第3の格子によって回折された光を、互いに異なる第1のピッチ、第2のピッチ、及び第3のピッチに基づいて、逆多重化するように構成された、デマルチプレクサを更に備える、
条項13に記載の装置。
18.複数の第1、第2、及び第3のアライメントマーク及び回折光収集光学システムの相対的動きを生じさせるための配置と、
検出システムによる光信号の受信のタイミングに基づいて、第1、第2、及び第3のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するように構成された、デマルチプレクサと、
を更に備える、条項13に記載の装置。
19.回折光収集光学システムは、それぞれの回折光ビーム間に伝搬方向に関して横方向の物理的分離を作り出すように配置された、光学コンポーネントを更に備え、
装置は、複数のアライメントマークによって回折された光の横方向位置に基づいて、複数のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するように構成された、デマルチプレクサを更に備える、
条項13に記載の装置。
20.照明システムは、第1、第2、及び第3のアライメントマークのうちのそれぞれ1つを照明するために、第1、第2、及び第3の光ビームのうちのそれぞれ1つを提供するように配置された、第1、第2、及び第3の照明源を備える、条項13に記載の装置。
21.第1、第2、及び第3の照明源のうちのそれぞれ1つが第1、第2、及び第3のアライメントマークのうちのそれぞれ1つを照明する時点間に、時間的変位を生じさせるように配置された、制御回路と、
検出システムによる光信号の受信のタイミングに基づいて、第1、第2、及び第3のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するように構成されたデマルチプレクサと、
を、更に備える、条項20に記載の装置。
22.第1、第2、及び第3の照明源のうちのそれぞれ1つは、互いに異なるそれぞれの波長を有する第1、第2、及び第3の光ビームのうちのそれぞれ1つを用いて、第1、第2、及び第3のアライメントマークのうちのそれぞれ1つを照明するために、第1、第2、及び第3の光ビームそれぞれを提供するように適合され、装置は、波長に基づいて第1、第2、及び第3のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するように構成されたデマルチプレクサを更に備える、条項20に記載の装置。
23.複数のアライメントマークを感知する方法であって、
複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために複数の光ビームを提供するステップと、
複数のアライメントマークのそれぞれ1つから回折された複数の回折光ビームから回折光を収集するステップと、
光収集システムによって収集された回折光を受け取るため、及び、回折光に基づいて光出力を発生させるために、干渉計を使用するステップと、
光出力に基づいて電気信号を発生させるステップと、
を含む、方法。
24.複数のアライメントマーク照明システムのそれぞれ1つを照明するために複数の光ビームを提供するステップは、
ソース光ビームを発生させるステップと、
ソース光ビームを受け取り、ソース光ビームの伝送部分を伝送し、ソース光ビームの再誘導部分を複数のアライメントマークのそれぞれ1つに向かって再誘導するように配置された、複数のビームスプリッタを提供するステップと、
を含む、条項23に記載の複数のアライメントマークを感知する方法。
25.複数のアライメントマーク照明システムのそれぞれ1つを照明するために複数の光ビームを提供するステップは、複数のアライメントマークのそれぞれ1つのオンアクシス照明を提供するステップを含む、条項23に記載の複数のアライメントマークを感知する方法。
26.複数のアライメントマーク照明システムのそれぞれ1つを照明するために複数の光ビームを提供するステップは、複数のアライメントマークのそれぞれ1つのオフアクシス照明を提供するステップを含む、条項23に記載の複数のアライメントマークを感知する方法。
27.複数のアライメントマークは、各々が第1のピッチを有する第1の格子を備えるアライメントマークの第1のペアと、各々が第1のピッチとは異なる第2のピッチを有する第2の格子を備えるアライメントマークの第2のペアとを備え、方法は、第1の格子によって回折された光と、第1のピッチとは異なる第2のピッチに基づいて、第2の格子によって回折された光とを、逆多重化するステップを更に含む、条項23に記載の複数のアライメントマークを感知する方法。
28.デマルチプレクサは、第1の格子によって回折された光の瞳位置を第2の格子によって回折された光の瞳位置に関してシフトすることによって、第1の格子によって回折された光と第2の格子によって回折された光とを逆多重化する、条項27に記載の複数のアライメントマークを感知する方法。
29.第1の格子デマルチプレクサによって回折された光の第1の光出力は第1の周波数を有し、第2の格子デマルチプレクサによって回折された光の第2の光出力は第1の周波数とは異なる第2の周波数を有し、デマルチプレクサは、第1及び第2の周波数に基づいて、第1の格子によって回折された光と第2の格子によって回折された光とを逆多重化する、条項27に記載の複数のアライメントマークを感知する方法。
30.複数のアライメントマークのそれぞれ1つから回折された複数の回折光ビームから回折光を収集するステップは、回折光収集光学システムを使用して実行され、方法は、
複数のアライメントマーク及び回折光収集光学システムの相対的動きを生じさせるステップと、
光出力に基づいて電気信号を発生させるタイミングに基づいて、複数のアライメントマークによって回折される光を逆多重化するステップと、
を、更に含む、条項23に記載の複数のアライメントマークを感知する方法。
31.複数のアライメントマークのそれぞれ1つから回折された複数の回折光ビームから回折された光を収集するステップは、それぞれの回折光ビーム間に伝搬方向に関して横方向の物理的分離を作り出すステップを含み、
方法は、複数のアライメントマークによって回折された光の横方向位置に基づいて、複数のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するステップを更に含む、
条項23に記載の複数のアライメントマークを感知する方法。
32.複数のアライメントマーク;照明システムのそれぞれ1つを照明するために、複数の光ビームを提供するステップは、複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために複数の光ビームのそれぞれ1つを提供するように配置された複数の照明源を使用するステップを含む、条項23に記載の複数のアライメントマークを感知する方法。
33.複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために複数の光ビームを提供するステップは、複数の照明源それぞれが複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明する時点間に、時間的変位を生じさせるステップを含み、
方法は、光出力のタイミングに基づいて、複数のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するステップを更に含む、条項23に記載の複数のアライメントマークを感知する方法。
34.複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために複数の光ビームを提供するステップは、互いに異なるそれぞれの波長を有する複数の光ビームのそれぞれ1つを用いて、複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために、複数の光ビームを提供するステップを含み、方法は、波長に基づいて複数のアライメントマークによって回折された光を逆多重化するステップを更に含む、条項23に記載の複数のアライメントマークを感知する方法。
35.複数のアライメントマークを感知するための装置であって、
複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために複数の光ビームを提供するように配置された照明システムと、
複数のアライメントマークのそれぞれ1つから回折された複数の回折光ビームから回折光を収集するように配置された回折光収集光学システムと、
光収集システムによって収集された回折光を受け取るように配置され、回折光に基づいて光出力を発生させるように構成された、単一の干渉計と、
その光出力を受け取るように配置され、光出力に基づいて電気信号を発生させるように構成された、検出システムと、
を備える、装置。
36.複数のアライメントマークを感知する方法であって、
複数のアライメントマークのそれぞれ1つを照明するために複数の光ビームを提供するステップと、
複数のアライメントマークのそれぞれ1つから回折された複数の回折光ビームから回折光を収集するステップと、
光収集システムによって収集された回折光を受け取るため、及び、回折光に基づいて光出力を発生させるために、単一の干渉計を使用するステップと、
光出力に基づいて電気信号を発生させるステップと、
を含む、方法。
【0054】
[0062] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板プロセスツールに適用することができる。更に基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0055】
[0063] 光リソグラフィの分野での本発明の実施形態の使用に特に言及してきたが、本発明は文脈によってはその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組み合わせを適用することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
【0056】
[0064] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nmもしくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外線(EUV)放射(例えば、5nm~20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
【0057】
[0065] 本書では、ICの製造における本発明に従った装置の使用に特に言及しているが、こうした装置は多くの他の可能な適用例を有することを明示的に理解されたい。例えば、集積光学システム、磁気ドメインメモリのための案内及び検出パターン、液晶ディスプレイパネル、薄膜磁気ヘッドなどの製造において採用され得る。当業者であれば、こうした代替の適用例のコンテキストにおいて、本書における「レチクル」、「ウェーハ」、又は「ダイ」という用語のいずれの使用も、より一般的な「マスク」、「基板」、及び「ターゲット部分」というそれぞれの用語に置き換えられるものと見なされるべきであることを理解されよう。
【0058】
[0066] 本発明は、特定の機能及びそれらの関係の実施例を説明する機能的なビルディングブロックの助けによってなされる。これらの機能的なビルディングブロックの境界は、本明細書においては説明の便宜のために任意に定義されている。特定の機能及びそれらの関係が適切に実施される限りは、代替的な境界が定義されてもよい。
【0059】
[0067] 特定の実施形態の前述の説明は、本発明の全体的性質を十分に明らかにしているので、当技術分野の知識を適用することにより、過度の実験をせず、本発明の全体的な概念から逸脱することなく、このような特定の実施形態を容易に変更及び/又はこれを様々な用途に適応させることができる。したがって、このような適応及び変更は、本明細書に提示された教示及び案内に基づき、開示された実施形態の均等物の意味及び範囲に入るものとする。本明細書中の言い回し又は専門用語は説明を目的とするものであって限定を目的とするものではないことが理解されるべきであり、従って、本明細書の専門用語又は言い回しは、本明細書中の教示に照らして当業者によって解釈されるべきである。
【0060】
[0068] 本発明の幅及び範囲は、上述した例示的実施形態のいずれによっても限定されず、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ規定されるものである。