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特許7497356ゼオライト材料およびジルコニウムキレート錯体を含む水性懸濁液
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】ゼオライト材料およびジルコニウムキレート錯体を含む水性懸濁液
(51)【国際特許分類】
   B01J 31/28 20060101AFI20240603BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20240603BHJP
   C01B 39/02 20060101ALI20240603BHJP
   F01N 3/20 20060101ALI20240603BHJP
   F01N 3/28 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
B01J31/28 A
B01D53/94 222
C01B39/02
F01N3/20
F01N3/28
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021532227
(86)(22)【出願日】2019-12-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(86)【国際出願番号】 EP2019084082
(87)【国際公開番号】W WO2020115318
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-12-02
(31)【優先権主張番号】18210724.3
(32)【優先日】2018-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(73)【特許権者】
【識別番号】505470786
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(72)【発明者】
【氏名】ヘムゲスベルク,マクシミリアン
(72)【発明者】
【氏名】ランフト,マイク
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,エディト
(72)【発明者】
【氏名】ブーフホルツ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】シュレジンガー,マイク
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァル,デニス
(72)【発明者】
【氏名】リウ,イー
【審査官】森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/216012(WO,A1)
【文献】特表2018-534126(JP,A)
【文献】特表2018-507777(JP,A)
【文献】特表2011-510808(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00 - 38/74
B01D 53/94
C01B 39/00 - 39/54
F01N 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SCR触媒調製用の水性懸濁液であって、
(i)水と、
(ii)ゼオライト材料ならびに銅および鉄のうちの1つ以上であって、前記銅および鉄のうちの1つ以上が、前記ゼオライト材料中、または銅および鉄のうちの1つ以上の供給源中、または前記ゼオライト材料中ならびに銅および鉄のうちの1つ以上の供給源中のいずれかに含まれる、ゼオライト材料ならびに銅および鉄のうちの1つ以上と、
(iii)ジルコニウムイオンおよび前記ジルコニウムイオンに結合した二座有機配位子を含むキレート錯体であって、前記二座有機配位子が、前記配位子中に含まれる2つの酸素原子からのジルコニウム酸素結合を介して前記ジルコニウムイオンに結合し、前記キレート錯体が、前記水中に溶解している、キレート錯体と、を含み、且つ
前記(iii)による二座有機配位子が、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、2,4-ジケトン、および1,3-ジカルボニル化合物のうちの1つ以上を含む、水性懸濁液。
【請求項2】
前記(ii)によるゼオライト材料が、骨格タイプABW、ACO、AEI、AEL、AEN、AET、AFG、AFI、AFN、AFO、AFR、AFS、AFT、AFV、AFX、AFY、AHT、ANA、APC、APD、AST、ASV、ATN、ATO、ATS、ATT、ATV、AVL、AWO、AWW、BCT、BEA、BEC、BIK、BOF、BOG、BOZ、BPH、BRE、BSV、CAN、CAS、CDO、CFI、CGF、CGS、CHA、-CHI、-CLO、CON、CSV、CZP、DAC、DDR、DFO、DFT、DOH、DON、EAB、EDI、EEI、EMT、EON、EPI、ERI、ESV、ETR、EUO、*-EWT、EZT、FAR、FAU、FER、FRA、GIS、GIU、GME、GON、GOO、HEU、IFO、IFR、-IFU、IFW、IFY、IHW、IMF、IRN、IRR、-IRY、ISV、ITE、ITG、ITH、*-ITN、ITR、ITT、-ITV、ITW、IWR、IWS、IWV、IWW、JBW、JNT、JOZ、JRY、JSN、JSR、JST、JSW、KFI、LAU、LEV、LIO、-LIT、LOS、LOV、LTA、LTF、LTJ、LTL、LTN、MAR、MAZ、MEI、MEL、MEP、MER、MFI、MFS、MON、MOR、MOZ、*MRE、MSE、MSO、MTF、MTN、MTT、MTW、MVY、MWF、MWW、NAB、NAT、NES、NON、NPO、NPT、NSI、OBW、OFF、OKO、OSI、OSO、OWE、-PAR、PAU、PCR、PHI、PON、POS、PSI、PUN、RHO、-RON、RRO、RSN、RTE、RTH、RUT、RWR、RWY、SAF、SAO、SAS、SAT、SAV、SBE、SBN、SBS、SBT、SEW、SFE、SFF、SFG、SFH、SFN、SFO、SFS、*SFV、SFW、SGT、SIV、SOD、SOF、SOS、SSF、*-SSO、SSY、STF、STI、*STO、STT、STW、-SVR、SVV、SZR、TER、THO、TOL、TON、TSC、TUN、UEI、UFI、UOS、UOV、UOZ、USI、UTL、UWY、VET、VFI、VNI、VSV、WEI、-WEN、YUG、ZON、それらの2つ以上の混合物、またはそれらの2つ以上の混合タイプ、好ましくはAEI、GME、CHA、MFI、BEA、FAU、MOR、それらの2つ以上の混合物、またはそれらの2つ以上の混合タイプ、より好ましくはAEI、GME、CHA、FAU、MOR、それらの2つ以上の混合物、またはそれらの2つ以上の混合タイプ、より好ましくはAEI、CHA、BEA、それらの2つ以上の混合物、またはそれらの2つ以上の混合タイプ、より好ましくはCHAまたはAEIを有し、より好ましくは、前記(ii)によるゼオライト材料が、骨格タイプCHAを有する、請求項1に記載の懸濁液。
【請求項3】
前記(ii)によるゼオライト材料の前記骨格構造の95~100重量%、好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%が、Si、Al、O、ならびに任意選択的にHおよびPのうちの1つ以上からなり、前記(ii)によるゼオライト材料の前記骨格構造において、SiO:Alとして算出された、SiのAlに対するモル比が、好ましくは2:1~50:1の範囲、より好ましくは5:1~48:1の範囲、より好ましくは10:1~45:1の範囲、より好ましくは11:1~40:1の範囲、より好ましくは12:1~38:1の範囲、より好ましくは13:1~35:1の範囲である、請求項1または2に記載の懸濁液。
【請求項4】
(ii)によって、前記懸濁液が、ゼオライト材料および銅を含み、前記銅が、前記ゼオライト材料中、銅の供給源中、または前記ゼオライト材料中および銅の供給源中のいずれかに含まれ、前記(ii)によるゼオライト材料が、好ましくは銅を含み、CuOとして算出された、前記(ii)によるゼオライト材料中に含まれる銅の量が、前記ゼオライト材料の前記骨格Si、Al、およびOの合計重量に基づいて、好ましくは1~10重量%の範囲、より好ましくは1.5~8重量%の範囲、好ましくは1.8~6重量%の範囲、より好ましくは1.9~5.5重量%の範囲、より好ましくは2~5重量%の範囲である、請求項1~3のいずれか一項に記載の懸濁液。
【請求項5】
銅を含む前記ゼオライト材料に加えて、銅の供給源を含まない、請求項4に記載の懸濁液。
【請求項6】
前記(iii)による二座有機配位子が、C2~C6のアルファヒドロキシ酸、C3~C6のベータヒドロキシ酸、C3~C6の1,3-ジカルボニル化合物、およびC5~C9の2,4-ジケトンのうちの1つ以上、好ましくはC2~C5のアルファヒドロキシ酸、C3~C5のベータヒドロキシ酸、C3~C5の1,3-ジカルボニル化合物、およびC5~C8の2,4-ジケトンのうちの1つ以上、より好ましくはC3~C4のアルファヒドロキシ酸、C3~C4のベータヒドロキシ酸、C3~C4の1,3-ジカルボニル化合物、およびC5~C6の2,4-ジケトンのうちの1つ以上を含み、好ましくは、それらである、請求項1~5のいずれか一項に記載の懸濁液。
【請求項7】
前記(iii)による二座有機配位子が、炭素、水素、および酸素の元素からなり、より好ましくは、前記(iii)による二座有機配位子が、アセチルアセトン、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、酒石酸、およびグルクロノラクトンのうちの1つ以上、好ましくはグリコール酸、乳酸、タルトロン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、およびグルクロノラクトンのうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、乳酸、アスコルビン酸、およびグルクロン酸のうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、および乳酸のうちの1つ以上を含み、好ましくは、それらであり、より好ましくは、前記(iii)による二座有機配位子が、乳酸を含み、好ましくは乳酸である、請求項1~6のいずれか一項に記載の懸濁液。
【請求項8】
前記(i)により用いられた水の、前記(ii)により用いられたゼオライト材料骨格構造のSi、Al、およびOの合計重量に対する重量比、重量(水):重量(前記ゼオライト材料のSi、AlおよびOの合計)が、80:20~40:60の範囲、好ましくは75:25~45:55の範囲、より好ましくは70:30~48:52の範囲、より好ましくは60:40~50:50の範囲である、請求項1~7のいずれか一項に記載の懸濁液。
【請求項9】
酸化ジルコニウム(IV)として算出された、前記(iii)による錯体中に含まれる前記ジルコニウムイオンの、前記(ii)によるゼオライト材料骨格構造のSi、Al、およびOの合計重量に対する重量比、重量(酸化ジルコニウム):重量(前記ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計)が、0.02:1~0.1:1の範囲、好ましくは、0.03:1~0.08:1の範囲、より好ましくは0.04:1~0.06:1の範囲である、請求項1~8のいずれか一項に記載の懸濁液。
【請求項10】
前記二座有機配位子の、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、前記ジルコニウムイオンに対する重量比が、0.01~2.0の範囲、より好ましくは、0.05~1.0の範囲、より好ましくは0.1~0.9の範囲、より好ましくは0.15~0.8の範囲、より好ましくは0.175~0.75の範囲、より好ましくは0.2~0.7の範囲である、請求項1~9のいずれか一項に記載の懸濁液。
【請求項11】
前記懸濁液の液相が、0~12の範囲、好ましくは0.5~11の範囲、より好ましくは1~10の範囲、より好ましくは1.5~9の範囲、より好ましくは2~8の範囲、より好ましくは2.5~7の範囲、より好ましくは3~6の範囲、より好ましくは3.5~5の範囲、より好ましくは3.7~5.5の範囲のpHを有し、100s-1で判定された、2mPas~1000mPasの範囲、好ましくは5mPas~800mPasの範囲の粘度を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の懸濁液。
【請求項12】
前記(i)、(ii)および(iii)による成分に加えて、
(iv)耐火性金属酸化物および耐火性金属酸化物の前駆体のうちの1つ以上をさらに含み、
前記耐火性金属酸化物および耐火性金属酸化物の前駆体のうちの1つ以上が、好ましくは、アルミナ、シリカ、チタニア、水酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、アルミニウム塩、コロイダルアルミナ、シリコンアルコラート、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、水ガラス、チタンアルコレート、およびコロイダルチタニアのうちの1つ以上、好ましくは、アルミナ、シリカ、水酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、アルミニウム塩、コロイダルアルミナ、シリコンアルコラート、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、および水ガラスのうちの1つ以上、より好ましくは、アルミナ、シリカ、水酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、アルミニウム塩、およびコロイダルアルミナのうちの1つ以上、より好ましくは、アルミナおよびシリカのうちの1つ以上、より好ましくはアルミナを含み、より好ましくは、それらであり、
前記耐火性金属酸化物および耐火性金属酸化物の前駆体のうちの1つ以上の、前記ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に対する重量比、重量(iv):重量(前記ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計)が、好ましくは0.01:1~0.13:1の範囲、より好ましくは0.03:1~0.11:1の範囲、より好ましくは0.05:1~0.09:1の範囲である、請求項1~11のいずれか一項に記載の懸濁液。
【請求項13】
前記(ii)によるゼオライト材料が、0.5~100マイクロメートルの範囲、好ましくは1~50マイクロメートルの範囲、より好ましくは1.5~25マイクロメートルの範囲、より好ましくは1.8~10マイクロメートルの範囲のDv90値を有する粒度分布を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の懸濁液。
【請求項14】
前記懸濁液の前記液相が、0~12の範囲、好ましくは0.5~11の範囲、より好ましくは1~10の範囲、より好ましくは1.5~9の範囲、より好ましくは2~8の範囲、より好ましくは2.5~7の範囲、より好ましくは3~6の範囲、より好ましくは3.5~5.5の範囲のpHを有し、100s-1で判定された、2mPas~1000mPasの範囲、好ましくは5mPas~800mPasの範囲の粘度を有する、請求項12または13に記載の懸濁液。
【請求項15】
SCR触媒調製用の水性懸濁液、好ましくは請求項1~14のいずれか一項に記載のSCR触媒調製用の水性懸濁液を調製するためのプロセスであって、
(a)水およびジルコニウム塩を混合することと、
(b)(a)から得られた前記混合物に二座有機配位子を添加し、ジルコニウムイオン、および前記配位子中に含まれる2つの酸素原子からのジルコニウム酸素結合を介して前記ジルコニウムイオンに結合した前記二座有機配位子を含む、キレート錯体を含む水溶液を得ることと、
(c)(b)から得られた前記水溶液にゼオライト材料ならびに銅および鉄のうちの1つ以上を添加し、水性懸濁液を得ることであって、前記銅および鉄のうちの1つ以上が、前記ゼオライト材料中、または銅および鉄のうちの1つ以上の供給源中、または前記ゼオライト材料中ならびに銅および鉄のうちの1つ以上の供給源中のいずれかに含まれる、得ることと、を含む、プロセス。
【請求項16】
選択的接触還元触媒を調製するための、好ましくはディーゼルエンジンの排気ガス流の処理に関する選択的接触還元触媒を調整するための、請求項1~14のいずれか一項に記載の水性懸濁液の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気系触媒の製造に使用するためのゼオライト材料およびジルコニウムキレート錯体を含む水性懸濁液に関する。より具体的には、本発明の懸濁液は、SCR触媒の製造に好適なシステムに関するレオロジー特性における改善を提供する。
【0002】
SCR触媒調製用の従来の懸濁液は、現行の懸濁液システムのレオロジー特性の問題に起因して、満足のいくコーティング性能を送達できない。より具体的には、従来の懸濁液製剤は、弱酸性から塩基性のpH範囲でゲルのような挙動をもたらし、排気ガス処理において一般的に使用されるモノリシック基板のコーティングを妨げる。それゆえ、固形分が40重量%を超える乾燥固形分負荷を有する従来のシステムで遭遇する粘度の増加は、コーティングの再現性を低下させ、品質制御基準を満たさない触媒のスクラップ率を増加させるだけでなく、製造コストの増加につながる。理論に拘束される意図はなく、SCR触媒材料を基板に固定するための接着促進剤として使用されるジルコニウム源は、弱酸性から塩基性のpH範囲でゲルを形成すると考えられ、懸濁液製剤のゲル様挙動に寄与すると考えられる。
【0003】
したがって、本発明の目的は、ジルコニウムの存在下で40重量%を超える固形分を含む固形分負荷での粘度プロファイルを改善する懸濁液を提供することである。本発明のさらなる目的は、ジルコニウムゾルゲル形成の回避を可能にする懸濁液製剤を提供することである。本発明のさらなる目的は、改善された安定性を示す懸濁液製剤を提供することである。本発明のさらなる目的は、より高い剪断速度を可能にする懸濁液を提供すること、具体的に、より高い剪断速度で粘度を低下させる懸濁液を提供することである。本発明のさらなる目的は、改善された粘度を示す懸濁液を生成するための方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、ジルコニウムゾルゲルを回避する懸濁液を生成するための方法を提供することである。
【0004】
驚くべきことに、ジルコニウム配位子として適切なアルファヒドロキシ酸を使用することにより、ジルコニウムを含むSCR触媒懸濁液は、アルファヒドロキシ酸のない懸濁液と比較して、改善された粘度および安定性を示すことが見出された。
【0005】
したがって、本発明は、
(i)水と、
(ii)ゼオライト材料ならびに銅および鉄のうちの1つ以上であって、銅および鉄のうちの1つ以上が、ゼオライト材料中、または銅および鉄のうちの1つ以上の供給源中、またはゼオライト材料中ならびに銅および鉄のうちの1つ以上の供給源中のいずれかに含まれる、ゼオライト材料ならびに銅および鉄のうちの1つ以上と、
(iii)ジルコニウムイオンおよびジルコニウムイオンに結合した二座有機配位子を含むキレート錯体であって、二座有機配位子が、配位子中に含まれる2つの酸素原子からのジルコニウム酸素結合を介してジルコニウムイオンに結合され、キレート錯体が、水中に好ましくは溶解している、キレート錯体と、を含む、水性懸濁液に関する。
【0006】
好ましくは、(i)で提供される水は、脱イオン化される。より好ましくは、(i)による水は、参照例6に記載されるように判定された、50~4000マイクロジーメンス/cmの範囲、より好ましくは100~3000マイクロジーメンス/cmの範囲、より好ましくは150~200マイクロジーメンス/cmの範囲の導電率を有する。
【0007】
好ましくは、(ii)によるゼオライト材料は、骨格タイプABW、ACO、AEI、AEL、AEN、AET、AFG、AFI、AFN、AFO、AFR、AFS、AFT、AFV、AFX、AFY、AHT、ANA、APC、APD、AST、ASV、ATN、ATO、ATS、ATT、ATV、AVL、AWO、AWW、BCT、BEA、BEC、BIK、BOF、BOG、BOZ、BPH、BRE、BSV、CAN、CAS、CDO、CFI、CGF、CGS、CHA、-CHI、-CLO、CON、CSV、CZP、DAC、DDR、DFO、DFT、DOH、DON、EAB、EDI、EEI、EMT、EON、EPI、ERI、ESV、ETR、EUO、*-EWT、EZT、FAR、FAU、FER、FRA、GIS、GIU、GME、GON、GOO、HEU、IFO、IFR、-IFU、IFW、IFY、IHW、IMF、IRN、IRR、-IRY、ISV、ITE、ITG、ITH、*-ITN、ITR、ITT、-ITV、ITW、IWR、IWS、IWV、IWW、JBW、JNT、JOZ、JRY、JSN、JSR、JST、JSW、KFI、LAU、LEV、LIO、-LIT、LOS、LOV、LTA、LTF、LTJ、LTL、LTN、MAR、MAZ、MEI、MEL、MEP、MER、MFI、MFS、MON、MOR、MOZ、*MRE、MSE、MSO、MTF、MTN、MTT、MTW、MVY、MWF、MWW、NAB、NAT、NES、NON、NPO、NPT、NSI、OBW、OFF、OKO、OSI、OSO、OWE、-PAR、PAU、PCR、PHI、PON、POS、PSI、PUN、RHO、-RON、RRO、RSN、RTE、RTH、RUT、RWR、RWY、SAF、SAO、SAS、SAT、SAV、SBE、SBN、SBS、SBT、SEW、SFE、SFF、SFG、SFH、SFN、SFO、SFS、*SFV、SFW、SGT、SIV、SOD、SOF、SOS、SSF、*-SSO、SSY、STF、STI、*STO、STT、STW、-SVR、SVV、SZR、TER、THO、TOL、TON、TSC、TUN、UEI、UFI、UOS、UOV、UOZ、USI、UTL、UWY、VET、VFI、VNI、VSV、WEI、-WEN、YUG、ZON、それらの2つ以上の混合物、またはそれらの2つ以上の混合タイプ、好ましくはAEI、GME、CHA、MFI、BEA、FAU、MOR、それらの2つ以上の混合物、またはそれらの2つ以上の混合タイプ、より好ましくはAEI、GME、CHA、FAU、MOR、それらの2つ以上の混合物、またはそれらの2つ以上の混合タイプ、より好ましくはAEI、CHA、BEA、それらの2つ以上の混合物、またはそれらの2つ以上の混合タイプ、より好ましくはCHAまたはAEIを有する。より好ましくは、(ii)によるゼオライト材料は、骨格タイプCHAを有する。
【0008】
(ii)によるゼオライト材料の骨格構造の好ましくは、95~100重量%、より好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%は、Si、Al、O、ならびに任意選択的にHおよびPのうちの1つ以上からなる。
【0009】
好ましくは、SiO:Alとして算出された、(ii)によるゼオライト材料の骨格構造におけるSiのAlに対するモル比は、2:1~50:1の範囲、より好ましくは5:1~50:1の範囲、より好ましくは10:1~45:1の範囲、より好ましくは11:1~40:1の範囲、より好ましくは12:1~38:1、より好ましくは13:1~35:1の範囲である。
【0010】
好ましくは、(ii)によって、懸濁液は、ゼオライト材料および銅を含み、銅は、ゼオライト材料中、銅の供給源中、またはゼオライト材料中および銅の供給源中のいずれかに含まれる。
【0011】
(ii)によって、懸濁液がゼオライト材料および銅を含む、本発明の第1の実施形態によれば、(ii)によるゼオライト材料が銅を含むことが好ましい。より好ましくは、(ii)によるゼオライト材料は、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、1~10重量%の範囲、好ましくは1.5~8重量%の範囲、より好ましくは、1.8~6重量%の範囲、より好ましくは2~5.5重量%の範囲、より好ましくは2~5重量%の範囲、より好ましくは2超~5重量%未満の範囲、より好ましくは2.1~4.9重量%の範囲、より好ましくは2.2~4.8重量%の範囲で、CuOとして算出された量の銅を含む。
【0012】
本発明のこの第1の実施形態によれば、(ii)による懸濁液は、銅を含むゼオライト材料に加えて、銅の供給源を含まないことが好ましい。好ましくは、CuOとして算出された、(ii)によるゼオライト材料中に含まれる銅の量は、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、0.1~3重量%の範囲、好ましくは0.2~2重量%の範囲、より好ましくは、0.5~1.75重量%の範囲である。
【0013】
さらに、この第1の実施形態によれば、ゼオライト材料に加えて、(ii)による懸濁液が銅の供給源を含むこともまた好ましい。銅の供給源は、好ましくは、酢酸銅、硝酸銅、硫酸銅、ギ酸銅、酸化銅、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくは、酢酸銅、酸化銅、およびそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは酸化銅、より好ましくはCuOである。好ましくは、(ii)による懸濁液は、水性懸濁液中に含まれるゼオライト材料の骨格Si、Al、およびOの合計重量に基づいて、1~10重量%の範囲、好ましくは1.5~5重量%の範囲、より好ましくは、1.5~4重量%の範囲の量で、CuOとして算出された、銅源を含む。
【0014】
(ii)によって、懸濁液が、ゼオライト材料および銅を含む本発明の第2の実施形態によれば、CuOとして算出された、(ii)によるゼオライト材料中に含まれる銅の量は、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、0~0.1重量%未満の範囲、好ましくは0~0.01重量%の範囲、より好ましくは0~0.001重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、(ii)によるゼオライト材料は銅を含まず、ゼオライト材料に加えて、水性懸濁液は、好ましくは、酢酸銅、硝酸銅、硫酸銅、ギ酸銅、酸化銅、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくは、酢酸銅、酸化銅、およびそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは酸化銅、より好ましくはCuOである、銅の供給源を含む。好ましくは、(ii)による懸濁液は、水性懸濁液中に含まれるゼオライト材料の骨格Si、Al、およびOの合計重量に基づいて、1~13重量%の範囲、好ましくは1.5~8重量%の範囲、より好ましくは、2~6重量%の範囲の量で、CuOとして算出された、銅の供給源を含む。
【0015】
本発明によれば、(ii)によるゼオライト材料は、実質的に白金族金属および貴金属を含まないことがさらに好ましい。貴金属は、Ru、Re、Rh、Pd、Ag、Os、Ir、PtおよびAuのうちの1つ以上として定義される。白金族金属は、Ru、Rh、Pd、Ir、およびPtのうちの1つ以上として、定義される。より具体的には、(ii)によるゼオライト材料は、実質的にPd、PtおよびRhを含まないことがさらに好ましい。微量の白金基および貴基金属ならびに他の遷移金属が存在する可能性があるが、触媒作用に影響を及ぼさない量であり、その結果、実質的に遊離であることが、(ii)によりゼオライト材料中に存在する遷移金属重量の合計量に基づいて算出され、または懸濁液中に存在するゼオライト材料の質量に基づいて、水性懸濁液中に存在するすべての成分に対して、好ましくは2重量%未満、より好ましくは1重量%未満、より好ましくは500重量ppm未満、より好ましくは100重量ppm未満として定義されることが当業者には明らかであろう。
【0016】
好ましくは、(ii)による懸濁液がゼオライト材料および銅を含む場合、Feとして算出された、(ii)による懸濁液中に含まれる鉄の量は、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、0~0.01重量%の範囲、好ましくは0~0.001重量%の範囲、より好ましくは、0~0.0001重量%の範囲である。好ましくは、95~100重量%、より好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%、より好ましくは99.5~100重量%、より好ましくは99.9~100重量%の(ii)によるゼオライト材料は、Si、Al、O、任意選択的にCu、ならびに任意選択的にHおよびPのうちの1つ以上からなる。
【0017】
本発明のさらなる態様によれば、(ii)による懸濁液は、ゼオライト材料および鉄を含むことが好ましい場合がある。この場合、(ii)によるゼオライト材料は、鉄を含むことが好ましい場合があり、Feとして算出された、ゼオライト材料中に含まれる鉄の量は、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、好ましくは0.1~10.0重量%の範囲、より好ましくは1.0~7.0重量%の範囲、より好ましくは2.5~5.5重量%の範囲であり、ゼオライト材料の骨格構造の好ましくは95~100重量%、より好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%は、Si、Al、O、ならびに任意選択的にHおよびPのうちの1つ以上からなり、骨格構造において、SiO:Alとして算出された、SiのAlに対するモル比は、好ましくは2:1~50:1の範囲、より好ましくは5:1~48:1の範囲、より好ましくは10:1~45:1の範囲、より好ましくは11:1~40:1の範囲、より好ましくは12:1~38:1の範囲、より好ましくは13:1~35:1の範囲である。(ii)による懸濁液がゼオライト材料および鉄を含むこの場合の第1の代替によれば、CuOとして算出された、(ii)による懸濁液中に含まれる銅の量は、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、0~0.01重量%の範囲、より好ましくは0~0.001重量%の範囲、より好ましくは0~0.0001重量%の範囲である。(ii)による懸濁液がゼオライト材料および鉄を含むこの場合の第2の代替によれば、CuOとして算出された、(ii)による懸濁液中に含まれる銅の量は、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、1~10重量%の範囲、好ましくは1.5~8重量%の範囲、より好ましくは、1.8~6重量%の範囲、より好ましくは2~5.5重量%の範囲、より好ましくは2~5重量%の範囲、より好ましくは2超~5重量%未満の範囲、より好ましくは2.1~4.9重量%の範囲、より好ましくは2.2~4.8重量%の範囲である。
【0018】
好ましくは、(ii)によるゼオライト材料の平均結晶子サイズは、参照例1に記載されているX線回折によって判定されるように、少なくとも50ナノメートル、より好ましくは50~250ナノメートルの範囲、より好ましくは70~200ナノメートルの範囲である。
【0019】
好ましくは、(ii)によるゼオライト材料は、参照例2に記載されているような、粒度分布測定を介して判定された、0.5~100マイクロメートルの範囲、より好ましくは1~50マイクロメートルの範囲、より好ましくは1.5~25マイクロメートルの範囲、より好ましくは1.8~10マイクロメートルの範囲のDv90値を有する粒度分布を有する。
【0020】
好ましくは、(ii)によるゼオライト材料は、参照例2に記載されているような、粒度分布測定を介して判定された、0.3~50マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.4~15マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.5~5マイクロメートルの範囲のDv50値を有する粒度分布を有する。
【0021】
好ましくは、(ii)によるゼオライト材料は、参考例2に記載されているような、粒度分布測定を介して判定された、0.1~10マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.2~5マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.3~2マイクロメートルの範囲のDv10値を有する粒度分布を有する。
【0022】
(ii)によるゼオライト材料は、水にさらした後、酸性を有するゼオライト材料であることが好ましい。本発明の文脈において、酸性を有するゼオライト材料は、好ましくは参照例9によって調製された、ゼオライト材料および脱イオン水からなる水性懸濁液中に存在するとき、懸濁液のpHを、6.4を下回る値、好ましくは2~6.3の範囲、より好ましくは3~6.2の範囲、より好ましくは3.5~6.1の範囲、より好ましくは3.8~6の範囲に低下させる、ゼオライト材料として理解されるべきであり、pHは、参照例3で定義されているように判定される。
【0023】
代替的に、(ii)によるゼオライト材料は、水にさらされた後、酸緩衝、中性、またはアルカリ性を有するゼオライト材料であることが好ましい。本発明の文脈において、酸緩衝、中性、またはアルカリ性を有するゼオライト材料は、好ましくは参照例9によって調製された、ゼオライト材料および脱イオン水からなる水性懸濁液中に存在するとき、懸濁液のpHを、6.4を上回る値、好ましくは6.5~10の範囲、より好ましくは6.6~9の範囲、より好ましくは6.7~7.5の範囲にわずかに低下させるか、または増加させるゼオライト材料が理解されるべきであり、pHは、参照例3で定義されているように判定される。例えば、本発明の文脈において、酸緩衝特性を有するゼオライト材料は、好ましくは参照例9によって調製された、ゼオライト材料および脱イオン水からなる水性懸濁液中に存在するとき、懸濁液のpHを6.5の値までわずかに低下させることができるゼオライト材料が理解されるべきである。さらなる例として、本発明の文脈において、中性を有するゼオライト材料は、好ましくは参照例9によって調製された、ゼオライト材料および脱イオン水からなる水性懸濁液中に存在するとき、懸濁液のpHを7.2の値までわずかに増加させることができるゼオライト材料が理解されるべきである。さらなる例として、本発明の文脈において、アルカリ性を有するゼオライト材料は、好ましくは参照例9によって調製された、ゼオライト材料および脱イオン水からなる水性懸濁液中に存在するとき、懸濁液のpHを7.5の値まで増加させることができるゼオライト材料が理解されるべきである。
【0024】
ゼオライト材料は、ルイス酸部位、強いブレンステッド酸部位、および弱いブレンステッド酸部位を有することが当業者に周知である。したがって、当業者はまた、十分に脱プロトン化されたときのゼオライトのヒドロキシル基が、酸に遭遇したときの脱プロトン化された弱酸部位と同様に塩基として作用し得ることを理解している。それゆえ、本発明の文脈において、酸性を有するゼオライト材料は、水性懸濁液にプロトンを放出するブレンステッド酸として作用することを理解されるべきであり、その結果、好ましくは参照例9によって調製された、(ii)による脱イオン水およびゼオライト材料からなる懸濁液は、6.4未満、好ましくは2~6.3の範囲、より好ましくは3~6.2の範囲、より好ましくは3.5~6.1の範囲、より好ましくは3.8~6の範囲のpH値を有するはずであり、pHは、参照例3で定義されるように判定される。さらに、本発明の文脈において、酸緩衝特性または中性を有するゼオライトは、水性懸濁液にプロトンを放出、または水性懸濁液からプロトンを受容するブレンステッド酸または酸の共役塩基として作用することが理解されるべきであり、その結果、好ましくは参照例9によって調製され、(ii)による脱イオン水およびゼオライト材料からなる懸濁液は、参照例3によって測定したとき、6.4を上回り、7.3を下回るpH値を有するはずである。同様に、本発明の文脈において、アルカリ性を有するゼオライトは、水性懸濁液からプロトンを受容する塩基として作用することが理解されるべきであり、その結果、好ましくは参照例9によって調製され、(ii)による脱イオン水およびゼオライト材料からなる懸濁液は7.3を上回るpH値を有するはずであり、pHは、参照例3で定義されるように判定される。
【0025】
さらに、ゼオライト材料では、概して酸性またはアルカリ性の挙動を示す利用可能な部位は、水性環境に分散した後、平衡状態に達する傾向がある。したがって、アルカリ含有量、またはより一般的にはゼオライトのタイプに応じて、多かれ少なかれ酸性の挙動またはわずかなアルカリ性の挙動さえも観察することができる。
【0026】
(iii)によるジルコニウム錯体
本発明の懸濁液の(iii)による二座有機配位子が、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、2,4-ジケトン、および1,3-ジカルボニル化合物のうちの1つ以上、より好ましくはC2~C6のアルファヒドロキシ酸、C3~C6のベータヒドロキシ酸、C3~C6の1,3-ジカルボニル化合物、およびC5~C9の2,4-ジケトンのうちの1つ以上、より好ましくはC2~C5のアルファヒドロキシ酸、C3~C5のベータヒドロキシ酸、C3~C5の1,3-ジカルボニル化合物、およびC5~C8の2,4-ジケトンのうちの1つ以上、より好ましくはC3~C4のアルファヒドロキシ酸、C3~C4のベータヒドロキシ酸、C3~C4の1,3-ジカルボニル化合物、およびC5~C6の2,4-ジケトンのうちの1つ以上を含み、より好ましくは、それらである。(iii)による二座有機配位子は、炭素、水素および酸素の元素からなることがさらに好ましい。好ましくは、(iii)による二座有機配位子は、アセチルアセトン、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、酒石酸、およびグルクロノラクトンのうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、乳酸、タルトロン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、およびグルクロノラクトンのうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、乳酸、アスコルビン酸、およびグルクロン酸のうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、および乳酸のうちの1つ以上を含み、より好ましくは、それらである。より好ましくは、(iii)による二座有機配位子は、乳酸を含み、より好ましくは乳酸である。
【0027】
(ii)によるゼオライト材料が、酸性を有するゼオライト材料であるとき、(iii)による二座有機配位子は、アセチルアセトン、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、酒石酸、およびグルクロノラクトンのうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、乳酸、タルトロン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、およびグルクロノラクトンのうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、乳酸、アスコルビン酸、およびグルクロン酸のうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、および乳酸のうちの1つ以上、より好ましくは乳酸を含み、より好ましくは、それらである。
【0028】
(ii)によるゼオライト材料が、酸緩衝特性、中性、またはアルカリ性を有するゼオライト材料であるとき、(iii)による二座有機配位子は、アセチルアセトン、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、酒石酸、およびグルクロノラクトンのうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、乳酸、タルトロン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、およびグルクロノラクトンのうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、乳酸、アスコルビン酸、およびグルクロン酸のうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、および乳酸のうちの1つ以上、より好ましくは乳酸を含み、より好ましくは、それらである。
【0029】
好ましくは、(iii)による二座有機配位子は、20℃の水温で測定され、100mLの水に対して少なくとも20gの配位子、より好ましくは100mLの水に対して少なくとも25gの配位子、より好ましくは100mLの水に対して少なくとも30gの配位子の水中の溶解度を有する。
【0030】
懸濁液のさらなる特徴
好ましくは、(i)により用いられた水の、(ii)により用いられたゼオライト材料の骨格Si、Al、およびOの合計重量に対する重量比、重量(水):重量(前記ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計)は、80:20~40:60の範囲、好ましくは75:25~45:55の範囲、より好ましくは70:30~48:52の範囲、より好ましくは60:40~50:50の範囲である。
【0031】
好ましくは、酸化ジルコニウムとして算出された、(iii)による錯体中に含まれるジルコニウムイオンの、(ii)によるゼオライト材料の骨格Si、Al、およびOの合計重量に対する重量比、重量(酸化ジルコニウム):重量(ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計)は、0.02:1~0.1:1の範囲、好ましくは、0.03:1~0.08:1の範囲、より好ましくは0.04:1~0.06:1の範囲である。
【0032】
好ましくは、(iii)によって、二座有機配位子の酸化ジルコニウム(IV)として算出された、ジルコニウムイオンに対する重量比が、0.01~2.0の範囲、より好ましくは、0.05~1.0の範囲、より好ましくは0.1~0.9の範囲、より好ましくは0.15~0.8の範囲、より好ましくは0.175~0.75の範囲、より好ましくは0.2~0.7の範囲である。
【0033】
好ましくは、懸濁液中に含まれるオキシ塩化ジルコニウムの量は、懸濁液の合計重量に基づいて、0~3重量%の範囲、より好ましくは0~1重量%の範囲、より好ましくは0~0.5重量%の範囲、より好ましくは0~0.1重量%の範囲、より好ましくは0~500重量ppmの範囲、より好ましくは0~100重量ppmの範囲、より好ましくは0~50重量ppmの範囲、より好ましくは0~10重量ppmの範囲、より好ましくは0~5重量ppmの範囲、より好ましくは0~1重量ppmの範囲である。
【0034】
好ましくは、懸濁液中に含まれる、フッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物のうちの1つ以上、より好ましくはフッ化物、塩化物および臭化物のうちの1つ以上、より好ましくは塩化物および臭化物のうちの1つ以上、より好ましくは塩化物の量は、懸濁液の合計重量に基づいて、0~3重量%の範囲、より好ましくは0~1重量%の範囲、より好ましくは0~0.5重量%の範囲、より好ましくは0~0.1重量%の範囲、より好ましくは0~500重量ppmの範囲、より好ましくは0~100重量ppmの範囲、より好ましくは0~50重量ppmの範囲、より好ましくは0~10重量ppmの範囲、より好ましくは0~5重量ppmの範囲、より好ましくは0~1重量ppmの範囲である。
【0035】
好ましくは、懸濁液中に含まれる硫酸ジルコニウムまたは硫酸アニオンの量は、懸濁液の合計重量に基づいて、0~3重量%の範囲、より好ましくは0~1重量%の範囲、より好ましくは0~0.5重量%の範囲、より好ましくは0~0.1重量%の範囲、より好ましくは0~500重量ppmの範囲、より好ましくは0~100重量ppmの範囲、より好ましくは0~50重量ppmの範囲、より好ましくは0~10重量ppmの範囲、より好ましくは0~5重量ppmの範囲、より好ましくは0~1重量ppmの範囲である。
【0036】
好ましくは、懸濁液中に含まれるアルカリ金属Li、Na、KおよびCsのうちの1つ以上、より好ましくはアルカリ金属Li、NaおよびKのうちの1つ以上、より好ましくはアルカリ金属NaおよびKのうちの1つ以上、より好ましくはアルカリ金属Naの量は、存在するアルカリ金属の合計重量および懸濁液の合計重量に基づいて、0~10重量%の範囲、より好ましくは0~5重量%の範囲、より好ましくは0~3重量%の範囲、より好ましくは0~2重量%の範囲、より好ましくは0~1重量%の範囲、より好ましくは0~0.5重量%の範囲、より好ましくは0~0.1重量%の範囲、より好ましくは0~500重量ppmの範囲、より好ましくは0~100重量ppmの範囲、より好ましくは0~50重量ppmの範囲である。
【0037】
懸濁液のpHおよび粘度
好ましくは、懸濁液の液相は、0~12の範囲、好ましくは0.5~11の範囲、より好ましくは1~10の範囲、より好ましくは1.5~9の範囲、より好ましくは2~8の範囲、より好ましくは2.5~7の範囲、より好ましくは3~6の範囲、より好ましくは3.5~5の範囲、より好ましくは3.7~5.5の範囲のpHを有し、pHは、参照例3に記載されるように判定される。
【0038】
好ましくは、100s-1で測定されたときの水性懸濁液は、参照例4に記載されるように判定された2mPas~1000mPasの範囲、より好ましくは、5mPas~800mPasの範囲の粘度を有する。
【0039】
任意選択的な耐火性金属酸化物
(i)、(ii)および(iii)による成分に加えて、水性懸濁液は、
(iv)耐火性金属酸化物および耐火性金属酸化物の前駆体のうちの1つ以上を含むことが好ましい。
【0040】
好ましくは、耐火性金属酸化物および耐火性金属酸化物の前駆体のうちの1つ以上は、アルミナ、シリカ、チタニア、水酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、アルミニウム塩、コロイダルアルミナ、シリコンアルコラート、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、水ガラス、チタンアルコレート、およびコロイダルチタニアのうちの1つ以上、好ましくは、アルミナ、シリカ、水酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、アルミニウム塩、コロイダルアルミナ、シリコンアルコラート、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、および水ガラスのうちの1つ以上、より好ましくは、アルミナ、シリカ、水酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、アルミニウム塩、およびコロイダルアルミナのうちの1つ以上、より好ましくは、アルミナおよびシリカのうちの1つ以上、より好ましくはアルミナを含み、より好ましくは、それらである。
【0041】
好ましくは、(iv)による耐火性金属酸化物および耐火性金属酸化物の前駆体のうちの1つ以上の、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に対する重量比、重量(iv):重量(ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計)が、0.01:1~0.13:1の範囲、より好ましくは0.03:1~0.11:1の範囲、より好ましくは0.05:1~0.09:1の範囲である。
【0042】
任意選択的な塩基、添加剤、および対応する物理的特性
任意選択的に、水性懸濁液は、(i)、(ii)、(iii)および任意選択的に(iv)による成分に加えて、(v)有機塩基をさらに含む。
【0043】
有機塩基が存在する場合、(v)による有機塩基は、好ましくはアンモニアおよびC1~C6のアミンのうちの1つ以上、より好ましくはアンモニアおよびC1~C5のアミンのうちの1つ以上、より好ましくはアンモニアおよびC1~C4のアミンのうちの1つ以上、より好ましくはアンモニアおよびC1~C3のアミンのうちの1つ以上、より好ましくはアンモニアおよびC1~C2のアミンのうちの1つ以上、より好ましくはトリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミンおよびアンモニアのうちの1つ以上であり、有機塩基は、より好ましくはエタノールアミンを含み、より好ましくはエタノールアミンである。
【0044】
有機塩基が存在する場合、(v)による有機塩基の、(ii)によるゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に対する重量比、重量(有機塩基):重量(ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計)は、好ましくは0.01:1~0.5:1の範囲であり、より好ましくは0.01:1~0.1:1の範囲であり、より好ましくは0.02:1~0.05:1の範囲である。
【0045】
有機塩基が存在する場合、水性懸濁液は、好ましくは0~12の範囲、より好ましくは0.5~11の範囲、より好ましくは1~10の範囲、より好ましくは1.5~9の範囲、より好ましくは2~8の範囲、より好ましくは2.5~7の範囲、より好ましくは3~6の範囲、より好ましくは3.5~5.5の範囲のpHを有し、pHは、参照例3に記載されるように判定される。
【0046】
有機塩基が存在する場合、水性懸濁液は、好ましくは、参照例4に記載されるように判定された、2mPas~1000mPasの範囲、より好ましくは5mPas~800mPasの範囲で、100s-1で測定された粘度を有する。
【0047】
好ましくは、懸濁液は、参照例5に記載されるように判定された、1d(日)~120dの範囲、好ましくは1d~60dの範囲、より好ましくは1d~30dの範囲における保存安定性を有する。
【0048】
本発明の懸濁液は、1つ以上の接着促進剤、より好ましくはポリアセチレン、ポリカルボン酸およびポリエチレングリコールのうちの1つ以上をさらに含むことが好ましい場合がある。
【0049】
本発明の懸濁液は、1つ以上の分散剤、より好ましくはポリ(カルボン酸エーテル)、ポリ(アリールエーテル)、ポリ(アクリル酸)およびポリエチレングリコールのうちの1つ以上をさらに含むことが好ましい場合がある。
【0050】
本発明の懸濁液は、1つ以上のレオロジー調整剤、より好ましくはセルロースエーテル、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、および任意選択的に疎水的に修飾されたポリウレタン増粘剤のうちの1つ以上をさらに含むことが好ましい場合がある。
【0051】
水性懸濁液の調製のためのプロセス
本発明は、水性懸濁液、好ましくは上記の水性懸濁液を調製するためのプロセスに関し、プロセスは、
(a)水およびジルコニウム塩を混合することと、
(b)(a)から得られた混合物に二座有機配位子を添加し、ジルコニウムイオン、および配位子中に含まれる2つの酸素原子からのジルコニウム酸素結合を介してジルコニウムイオンに結合した二座有機配位子を含む、キレート錯体を含む水溶液を得ることと、
(c)(b)から得られた水溶液にゼオライト材料ならびに銅および鉄のうちの1つ以上を添加し、水性懸濁液を得ることであって、銅および鉄のうちの1つ以上が、ゼオライト材料中、または銅および鉄のうちの1つ以上の供給源中、またはゼオライト材料中ならびに銅および鉄のうちの1つ以上の供給源中のいずれかに含まれる、得ることと、を含む。
【0052】
工程(a)
(a)による水は脱イオン水であることが好ましい。好ましくは、水は、参照例6に記載されるように判定された、50~4000マイクロジーメンス/cmの範囲、より好ましくは100~3000マイクロジーメンス/cmの範囲、より好ましくは150~200マイクロジーメンス/cmの範囲の導電率を有する。
【0053】
好ましくは、(a)による混合は、4~40℃の範囲、より好ましくは10~30℃の範囲、より好ましくは12~25℃の範囲の水温で実行される。
【0054】
好ましくは(a)によって、ジルコニウム塩は、カルボン酸ジルコニウム、アルコール化ジルコニウム、および硝酸ジルコニウムのうちの1つ以上であり、より好ましくは、カルボン酸ジルコニウムおよび硝酸ジルコニウムのうちの1つ以上である。(a)によるプロセスにおいて、ジルコニウム塩は、C1~C7のカルボン酸塩のうちの1つ以上、より好ましくは、C1~C6のカルボン酸ジルコニウムのうちの1つ以上、より好ましくはC1~C5のカルボン酸ジルコニウムのうちの1つ以上、より好ましくはC1~C4カルボン酸ジルコニウムのうちの1つ以上、より好ましくはC1~C3カルボン酸ジルコニウムのうちの1つ以上、より好ましくはC1~C2カルボン酸ジルコニウムのうちの1つ以上を含み、より好ましくはそれらである。より好ましくは、ジルコニウム塩は、酢酸ジルコニウムを含み、より好ましくは酢酸ジルコニウムである。
【0055】
好ましくは(a)によって、混合は、1~30分の範囲、より好ましくは2~25分の範囲、より好ましくは5~20分の範囲、より好ましくは8~15分の範囲、より好ましくは9~14分の範囲、より好ましくは10~12分の範囲の持続時間で行われる。
【0056】
工程(b)
好ましくは、本発明のプロセスの(b)による二座有機配位子は、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、2,4-ジケトン、および1,3-ジカルボニル化合物のうちの1つ以上、より好ましくはC2~C6のアルファヒドロキシ酸、C3~C6のベータヒドロキシ酸、C3~C6の1,3-ジカルボニル化合物、およびC5~C9の2,4-ジケトンのうちの1つ以上、より好ましくはC2~C5のアルファヒドロキシ酸、C3~C5のベータヒドロキシ酸、C3~C5の1,3-ジカルボニル化合物、およびC5~C8の2,4-ジケトンのうちの1つ以上、より好ましくはC3~C4のアルファヒドロキシ酸、C3~C4のベータヒドロキシ酸、C3~C4の1,3-ジカルボニル化合物、およびC5~C6の2,4-ジケトンのうちの1つ以上を含み、好ましくは、それらである。好ましくは、(b)による二座有機配位子は、炭素、水素および酸素の元素からなる。より好ましくは、(b)による二座有機配位子は、アセチルアセトン、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、およびグルクロノラクトンのうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、乳酸、タルトロン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、およびグルクロノラクトンのうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、乳酸、アスコルビン酸、およびグルクロン酸のうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、および乳酸のうちの1つ以上を含み、好ましくはそれらであり、より好ましくは、(b)による二座有機配位子は、乳酸を含み、より好ましくは乳酸である。
【0057】
好ましくは(b)によって、二座有機配位子の添加は、(a)で得られた混合物の温度で、4~40℃の範囲、好ましくは10~30℃の範囲、より好ましくは12~25℃の範囲の水温で実行される。
【0058】
好ましくは(b)によって、二座有機配位子は、1~30分の範囲、より好ましくは2~25分の範囲、より好ましくは5~20分の範囲、より好ましくは8~15分の範囲、より好ましくは9~14分の範囲、より好ましくは10~12分の範囲の持続時間で行われる混合で添加される。
【0059】
工程(c)
好ましくは、(c)により添加されるゼオライト材料は、骨格タイプABW、ACO、AEI、AEL、AEN、AET、AFG、AFI、AFN、AFO、AFR、AFS、AFT、AFV、AFX、AFY、AHT、ANA、APC、APD、AST、ASV、ATN、ATO、ATS、ATT、ATV、AVL、AWO、AWW、BCT、BEA、BEC、BIK、BOF、BOG、BOZ、BPH、BRE、BSV、CAN、CAS、CDO、CFI、CGF、CGS、CHA、-CHI、-CLO、CON、CSV、CZP、DAC、DDR、DFO、DFT、DOH、DON、EAB、EDI、EEI、EMT、EON、EPI、ERI、ESV、ETR、EUO、*-EWT、EZT、FAR、FAU、FER、FRA、GIS、GIU、GME、GON、GOO、HEU、IFO、IFR、-IFU、IFW、IFY、IHW、IMF、IRN、IRR、-IRY、ISV、ITE、ITG、ITH、*-ITN、ITR、ITT、-ITV、ITW、IWR、IWS、IWV、IWW、JBW、JNT、JOZ、JRY、JSN、JSR、JST、JSW、KFI、LAU、LEV、LIO、-LIT、LOS、LOV、LTA、LTF、LTJ、LTL、LTN、MAR、MAZ、MEI、MEL、MEP、MER、MFI、MFS、MON、MOR、MOZ、*MRE、MSE、MSO、MTF、MTN、MTT、MTW、MVY、MWF、MWW、NAB、NAT、NES、NON、NPO、NPT、NSI、OBW、OFF、OKO、OSI、OSO、OWE、-PAR、PAU、PCR、PHI、PON、POS、PSI、PUN、RHO、-RON、RRO、RSN、RTE、RTH、RUT、RWR、RWY、SAF、SAO、SAS、SAT、SAV、SBE、SBN、SBS、SBT、SEW、SFE、SFF、SFG、SFH、SFN、SFO、SFS、*SFV、SFW、SGT、SIV、SOD、SOF、SOS、SSF、*-SSO、SSY、STF、STI、*STO、STT、STW、-SVR、SVV、SZR、TER、THO、TOL、TON、TSC、TUN、UEI、UFI、UOS、UOV、UOZ、USI、UTL、UWY、VET、VFI、VNI、VSV、WEI、-WEN、YUG、ZON、それらの2つ以上の混合物、またはそれらの2つ以上の混合タイプ、好ましくはAEI、GME、CHA、MFI、BEA、FAU、MOR、それらの2つ以上の混合物、またはそれらの2つ以上の混合タイプ、より好ましくはAEI、GME、CHA、FAU、MOR、それらの2つ以上の混合物、またはそれらの2つ以上の混合タイプ、より好ましくはAEI、CHA、BEA、それらの2つ以上の混合物、またはそれらの2つ以上の混合タイプ、より好ましくはCHAまたはAEIを有する。さらにより好ましくは、本発明のプロセスの(c)によって、ゼオライト材料は、骨格タイプCHAを有する。
【0060】
好ましくは、SiO:Alとして算出された、(c)によるゼオライト材料の骨格構造のSiのAlに対するモル比は、2:1~50:1の範囲、より好ましくは5:1~50:1の範囲、より好ましくは10:1~45:1の範囲、より好ましくは11:1~40:1の範囲、より好ましくは12:1~38:1、より好ましくは13:1~35:1の範囲である。
【0061】
好ましくは、(c)によるゼオライト材料の骨格構造の95~100重量%、好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%は、Si、Al、O、任意選択的にCuおよびFeのうちの1つ以上、ならびに任意選択的にHおよびPのうちの1つ以上からなる。
【0062】
好ましくは、(c)によって、銅を含むゼオライト材料が添加されるか、銅を含むゼオライト材料および銅の供給源が添加されるか、または銅および銅の供給源を含むゼオライト材料が添加される。
【0063】
本発明の第1の実施形態によれば、(c)により添加されるゼオライト材料は銅を含むことが好ましい。より好ましくは、(c)により添加されるゼオライト材料は、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、1~10重量%の範囲、好ましくは1.5~8重量%の範囲、好ましくは1.8~6重量%の範囲、好ましくは2~5.5重量%の範囲、好ましくは2~5重量%の範囲、より好ましくは2超~5重量%未満の範囲、好ましくは2.1~4.9重量%の範囲、好ましくは2.2~4.8重量%の範囲で、CuOとして算出された量の銅を含む。
【0064】
本発明のこの第1の実施形態によれば、(c)により、銅を含むゼオライト材料に加えて、銅の供給源が添加されないことが好ましい。好ましくは、CuOとして算出された、(c)によるゼオライト材料中に含まれる銅の量は、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、0.1~3重量%の範囲、好ましくは0.2~2重量%の範囲、より好ましくは、0.5~1.75重量%の範囲である。
【0065】
さらに、この第1の実施形態によれば、ゼオライト材料に加えて、銅の供給源が(c)により添加されることも好ましい。銅の供給源は、好ましくは、酢酸銅、硝酸銅、硫酸銅、ギ酸銅、酸化銅、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくは、酢酸銅、酸化銅、およびそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは酸化銅、より好ましくはCuOである。好ましくは、CuOとして算出された銅源は、(c)により添加されたゼオライト材料の骨格Si、Al、およびOの合計重量に基づいて、1~10重量%の範囲、好ましくは1.5~5重量%の範囲、より好ましくは、1.5~4重量%の範囲の量で(c)により添加される。
【0066】
本発明の第2の実施形態によれば、CuOとして算出された、(c)により添加されたゼオライト材料中に含まれる銅の量は、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、0~0.1重量%未満の範囲、好ましくは0~0.01重量%の範囲、より好ましくは0~0.001重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、(c)により添加されたゼオライト材料は銅を含まず、ゼオライト材料に加えて、銅の供給源は(c)により追加され、銅の供給源は、好ましくは、酢酸銅、硝酸銅、硫酸銅、ギ酸銅、酸化銅、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくは、酢酸銅、酸化銅、およびそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは酸化銅、より好ましくはCuOである。この場合、CuOとして算出された銅の供給源は、好ましくは、(c)により添加されたゼオライト材料の骨格Si、Al、およびOの合計重量に基づいて、1~13重量%の範囲、より好ましくは1.5~8重量%の範囲、より好ましくは、2~6重量%の範囲の量で(c)により添加される。
【0067】
(c)により添加されるゼオライト材料は、白金族金属および貴金属を実質的に含まないことがさらに好ましい。貴金属は、Ru、Re、Rh、Pd、Ag、Os、Ir、PtおよびAuのうちの1つ以上として定義される。白金族金属は、Ru、Rh、Pd、Ir、およびPtのうちの1つ以上として、定義される。より具体的には、(c)によるゼオライト材料は、実質的にPd、PtおよびRhを含まないことがさらに好ましい。微量の白金基および貴基金属ならびに他の遷移金属が存在する可能性があるが、触媒作用に影響を及ぼさない量であり、その結果、実質的に遊離であることが、(c)によりゼオライト材料中に存在する遷移金属重量の合計量に基づいて算出され、または(c)または(d)により懸濁液中に存在するゼオライト材料の質量に基づいて、水性懸濁液中に存在するすべての成分に対して、2重量%未満、より好ましくは1重量%未満、より好ましくは500重量ppm未満、より好ましくは100重量ppm未満として定義されることが当業者には明らかであろう。
【0068】
好ましくは、Feとして算出された、(c)によるゼオライト材料に含まれる鉄の量は、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、0~0.01重量%の範囲、好ましくは0~0.001重量%の範囲、より好ましくは、0~0.0001重量%の範囲である。
【0069】
好ましくは、95~100重量%、好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%、より好ましくは99.5~100重量%、より好ましくは99.9~100重量%の(c)によるゼオライト材料は、Si、Al、O、Cu、ならびに任意選択的にHおよびPのうちの1つ以上からなる。
【0070】
本発明のさらなる態様によれば、(c)により添加されたゼオライト材料は、鉄を含むことが好ましい場合があり、Feとして算出された、ゼオライト材料中に含まれる鉄の量は、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、好ましくは0.1~10.0重量%の範囲、より好ましくは1.0~7.0重量%の範囲、より好ましくは2.5~5.5重量%の範囲であり、ゼオライト材料の骨格構造の好ましくは95~100重量%、より好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%は、Si、Al、O、ならびに任意選択的にHおよびPのうちの1つ以上からなり、骨格構造において、SiO:Alとして算出された、SiのAlに対するモル比は、好ましくは2:1~50:1の範囲、より好ましくは5:1~48:1の範囲、より好ましくは10:1~45:1の範囲、より好ましくは11:1~40:1の範囲、より好ましくは12:1~38:1の範囲、より好ましくは13:1~35:1の範囲である。
【0071】
好ましくは、(c)によるゼオライト材料の平均結晶子サイズは、参照例1に記載されているX線回折によって判定されるように、少なくとも50ナノメートル、好ましくは50~250ナノメートルの範囲、より好ましくは70~200ナノメートルの範囲である。
【0072】
好ましくは、(c)によるゼオライト材料は、参照例2に記載されているような、粒度分布測定を介して判定された、1~100マイクロメートルの範囲、より好ましくは1.5~50マイクロメートルの範囲、より好ましくは2~25マイクロメートルの範囲のDv90値を有する粒度分布を有する。
【0073】
好ましくは、(c)によるゼオライト材料は、参照例2に記載されているような、粒度分布測定を介して判定された、0.3~50マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.4~15.0マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.5~10マイクロメートルの範囲のDv50値を有する粒度分布を有する。
【0074】
好ましくは、(c)によるゼオライト材料は、参考例2に記載されているような、粒度分布測定を介して判定された、0.1~10マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.4~5.0マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.5~3マイクロメートルの範囲のDv10値を有する粒度分布を有する。
【0075】
(c)によるゼオライト材料は、水にさらした後、酸性を有するゼオライト材料であることが好ましい。本発明の文脈において、酸性を有するゼオライト材料は、好ましくは参照例9によって調製された、ゼオライト材料および脱イオン水からなる水性懸濁液中に存在するとき、懸濁液のpHを、6.4を下回る値、好ましくは2~6.3の範囲、より好ましくは3~6.2の範囲、より好ましくは3.5~6.1の範囲、より好ましくは3.8~6の範囲に低下させる、ゼオライト材料として理解されるべきであり、pHは、参照例3で定義されているように判定される。
【0076】
代替的に、(c)によるゼオライト材料は、水にさらした後、酸緩衝、中性、またはアルカリ性を有するゼオライト材料であることが好ましい。本発明の文脈において、酸緩衝、中性、またはアルカリ性を有するゼオライト材料は、好ましくは参照例9によって調製された、ゼオライト材料および脱イオン水からなる水性懸濁液中に存在するとき、懸濁液のpHを、6.4を上回る値、好ましくは6.5~10の範囲、より好ましくは6.6~9の範囲、より好ましくは6.7~7.5の範囲にわずかに低下させるか、または増加させるゼオライト材料として理解されるべきであり、pHは、参照例3で定義されているように判定される。例えば、本発明の文脈において、酸緩衝特性を有するゼオライト材料は、好ましくは参照例9によって調製された、ゼオライト材料および脱イオン水からなる水性懸濁液中に存在するとき、懸濁液のpHを6.5の値までわずかに低下させることができるゼオライト材料が理解されるべきである。さらなる例として、本発明の文脈において、中性を有するゼオライト材料は、好ましくは参照例9によって調製された、ゼオライト材料および脱イオン水からなる水性懸濁液中に存在するとき、懸濁液のpHを7.2の値までわずかに増加させることができるゼオライト材料を理解する。さらなる例として、本発明の文脈において、アルカリ性を有するゼオライト材料は、好ましくは参照例9によって調製された、ゼオライト材料および脱イオン水からなる水性懸濁液中に存在するとき、懸濁液のpHを7.5の値まで増加させることができるゼオライト材料が理解されるべきである。
【0077】
ゼオライト材料は、ルイス酸部位、強いブレンステッド酸部位、および弱いブレンステッド酸部位を有することが当業者に周知である。したがって、当業者はまた、十分に脱プロトン化されたときのゼオライトのヒドロキシル基が、酸に遭遇したときの脱プロトン化された弱酸部位と同様に塩基として作用し得ることを理解している。それゆえ、本発明の文脈において、酸性を有するゼオライト材料は、水性懸濁液にプロトンを放出するブレンステッド酸として作用することを理解されるべきであり、その結果、好ましくは参照例9によって調製された、(c)による脱イオン水およびゼオライト材料からなる懸濁液は、6.4未満、好ましくは2~6.3の範囲、より好ましくは3~6.2の範囲、より好ましくは3.5~6.1の範囲、より好ましくは3.8~6の範囲のpH値を有するはずであり、pHは、参照例3で定義されるように判定される。さらに、本発明の文脈において、酸緩衝特性または中性pH特性を有するゼオライトは、水性懸濁液に、または水性懸濁液からプロトンを放出または受容する、ブレンステッド酸または酸のコンジュゲート塩基として作用することが理解されるべきであり、その結果(c)による脱イオン水およびゼオライト材料からなる懸濁液、好ましくは参照例9によって調製された懸濁液が、参照例3により測定されるとき、6.4を上回り7.3を下回るpH値を有する。同様に、本発明の文脈において、アルカリ性を有するゼオライトは、水性懸濁液からプロトンを受容する塩基として作用することが理解されるべきであり、その結果、脱イオン水および(c)によるゼオライト材料からなり、好ましくは参照例9によって調製される懸濁液は、7.3を上回るpH値を有し、pHは、参照例3で定義されるように判定される。
【0078】
さらに、ゼオライト材料では、概して酸性またはアルカリ性の挙動を示す利用可能な部位は、水性環境に分散した後、平衡状態に達する傾向がある。したがって、アルカリ含有量、またはより一般的にはゼオライトのタイプに応じて、多かれ少なかれ酸性の挙動またはわずかなアルカリ性の挙動さえも観察することができる。
【0079】
(c)によるゼオライト材料が、酸性を有するゼオライト材料であるとき、(b)による二座有機配位子は、アセチルアセトン、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、酒石酸、およびグルクロノラクトンのうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、乳酸、タルトロン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、およびグルクロノラクトンのうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、乳酸、アスコルビン酸、およびグルクロン酸のうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、および乳酸のうちの1つ以上、より好ましくは乳酸を含み、より好ましくは、それら乳酸である。
【0080】
(c)によるゼオライト材料が、酸緩衝特性、中性、またはアルカリ性を有するゼオライト材料であるとき、(b)による二座有機配位子は、アセチルアセトン、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、酒石酸、およびグルクロノラクトンのうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、乳酸、タルトロン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、およびグルクロノラクトンのうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、乳酸、アスコルビン酸、およびグルクロン酸のうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、および乳酸のうちの1つ以上、より好ましくは乳酸を含み、より好ましくは、それらである。
【0081】
好ましくは、(c)によりゼオライト材料を添加することは、(b)から得られた水溶液中にゼオライト材料を分散させることを含む。好ましくは(c)によって、ゼオライト材料は、1~1200g/秒の範囲、より好ましくは10~1000g/秒の範囲、より好ましくは100~900g/秒、より好ましくは200~800g/秒の範囲で、水溶液中に分散される。好ましくは、(c)によって、ゼオライト材料は、4~40℃の範囲、より好ましくは10~30℃の範囲、より好ましくは、12~25℃の範囲の水温で水溶液中に分散される。好ましくは、(c)によって、ゼオライト材料は、1~30分の範囲、好ましくは2~25分の範囲、より好ましくは5~20分の範囲、より好ましくは8~15分の範囲、より好ましくは9~14分の範囲、より好ましくは10~12分の範囲の持続時間で水溶液中に分散される。
【0082】
さらなるプロセスの特徴
好ましくは、(c)から得られた液相は、0~12の範囲、より好ましくは0.5~11の範囲、より好ましくは1~10の範囲、より好ましくは1.5~9の範囲、より好ましくは2~8の範囲、より好ましくは2.5~7の範囲、より好ましくは3~6の範囲、より好ましくは3.5~5の範囲、より好ましくは3.7~5.5の範囲のpHを有し、pHは、参照例3に記載されるように判定される。
【0083】
好ましくは、(a)により用いられた水の、(c)により用いられたゼオライト材料の骨格Si、Al、およびOの合計重量に対する重量比、重量(水):重量(ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計)は、80:20~40:60の範囲、より好ましくは75:25~45:55の範囲、好ましくは70:30~48:52の範囲、より好ましくは60:40~50:50の範囲である。
【0084】
好ましくは、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、(a)により用いられたジルコニウム塩の、(c)により用いられたゼオライト材料の骨格Si、Al、およびOの合計重量に対する重量比、重量(ジルコニウム):重量(ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計)は、0.02:1~0.1:1の範囲、より好ましくは、0.03:1~0.08:1の範囲、より好ましくは0.04:1~0.06:1の範囲である。
【0085】
好ましくは、(b)よって用いられた二座有機配位子の酸化ジルコニウム(IV)として算出された、(a)によって用いられたジルコニウム塩に対する重量比は、0.01~2.0の範囲、より好ましくは、0.05~1.0の範囲、より好ましくは0.1~0.9の範囲、より好ましくは0.15~0.8の範囲、より好ましくは0.175~0.75の範囲、より好ましくは0.2~0.7の範囲である。
【0086】
好ましくは、100s-1で測定された、(c)から得られた懸濁液の粘度は、参照例4に記載されるように判定された、2mPas~1000mPasの範囲、より好ましくは、5mPas~800mPasの範囲である。
【0087】
耐火性金属酸化物プロセス工程の任意選択的な添加
本発明のプロセスは、
(d)(b)から得られた水溶液または(c)から得られた懸濁液に、耐火性金属酸化物および耐火性金属酸化物の前駆体のうちの1つ以上を添加することをさらに含むことが好ましい。
【0088】
好ましくは、耐火性金属酸化物および耐火性金属酸化物の前駆体のうちの1つ以上は、アルミナ、シリカ、チタニア、水酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、アルミニウム塩、コロイダルアルミナ、シリコンアルコラート、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、水ガラス、チタンアルコレート、およびコロイダルチタニアのうちの1つ以上、好ましくは、アルミナ、シリカ、水酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、アルミニウム塩、コロイダルアルミナ、シリコンアルコラート、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、および水ガラスのうちの1つ以上、より好ましくは、アルミナ、シリカ、水酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、アルミニウム塩、およびコロイダルアルミナのうちの1つ以上、より好ましくは、アルミナおよびシリカのうちの1つ以上、より好ましくはアルミナを含み、より好ましくは、それらである。
【0089】
好ましくは、(d)によって用いられた耐火性金属酸化物および耐火性金属酸化物の前駆体のうちの1つ以上の、(c)によって用いられたゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に対する重量比、重量(d):重量(ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計)が、0.01:1~0.13:1の範囲、より好ましくは0.03:1~0.11:1の範囲、より好ましくは0.05:1~0.09:1の範囲である。
【0090】
塩基の任意選択的な添加
本発明のプロセスは、(c)の前に得られた水溶液および/または(c)の後に得られた懸濁液に有機塩基を添加することをさらに含むことが好ましい場合がある。好ましくは、有機塩基は、アンモニアおよびC1~C6のアミンのうちの1つ以上、より好ましくはアンモニアおよびC1~C5のアミンのうちの1つ以上、より好ましくはアンモニアおよびC1~C4のアミンのうちの1つ以上、より好ましくはアンモニアおよびC1~C3のアミンのうちの1つ以上、より好ましくはアンモニアおよびC1~C2のアミンのうちの1つ以上、より好ましくはエタノールアミン、エタノールアミン、エタノールアミンおよびアンモニアのうちの1つ以上であり、有機塩基は、より好ましくはエタノールアミンを含み、より好ましくはエタノールアミンである。
【0091】
塩基が添加される場合、(c)の前に得られた水溶液または(c)から得られた懸濁液の液相のpHは、好ましくは0~12の範囲、より好ましくは0.5~11の範囲、より好ましくは1~10の範囲、より好ましくは1.5~9の範囲、より好ましくは2~8の範囲、より好ましくは2.5~7の範囲、より好ましくは3~6の範囲、より好ましくは3.5~5.5の範囲であり、pHは、参照例3に記載されるように判定される。
【0092】
塩基が添加される場合、(c)または(d)から得られた懸濁液は、参照例4に記載されるように判定された、好ましくは2mPas~1000mPasの範囲、より好ましくは5mPas~800mPasの範囲で、100s-1で測定された粘度を有する。
【0093】
本発明のプロセスは、(b)から得られた溶液または(c)から得られた懸濁液に1つ以上の接着促進剤を加えることをさらに含み、1つ以上の接着促進剤は、好ましくはポリアセチレン、ポリカルボン酸およびポリエチレングリコールのうちの1つ以上を含み、より好ましくは、それらである。
【0094】
本発明のプロセスは、(b)から得られた溶液または(c)から得られた懸濁液に1つ以上の接着促進剤を添加することをさらに含み、1つ以上の接着促進剤は、好ましくはポリ(カルボン酸エーテル)、ポリ(アリールエーテル)、ポリ(アクリル酸)およびポリエチレングリコールのうちの1つ以上を含み、より好ましくは、それらである。
【0095】
本発明のプロセスは、(b)から得られた溶液または(c)から得られた懸濁液に1つ以上のレオロジー調整剤を添加することをさらに含み、1つ以上のレオロジー調整剤は、好ましくは、セルロースエーテル、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、および任意選択的に疎水的に修飾されたポリウレタン増粘剤のうちの1つ以上を好ましくは含み、より好ましくは、それらである。
【0096】
さらなるプロセスの特徴
好ましくは、本発明のプロセス全体を通して、オキシ塩化ジルコニウムの量、より好ましくは、添加されたハロゲン化ジルコニウムの量は、(c)または(d)から得られた懸濁液の合計重量に基づいて、0~3重量%の範囲、より好ましくは0~1重量%の範囲、より好ましくは0~0.5重量%の範囲、より好ましくは0~0.1重量%の範囲、より好ましくは0~500重量ppmの範囲、より好ましくは0~100重量ppmの範囲、より好ましくは0~50重量ppmの範囲、より好ましくは0~10重量ppmの範囲、より好ましくは0~5重量ppmの範囲、より好ましくは0~1重量ppmの範囲である。
【0097】
本発明のプロセスの(c)の前の溶液または(c)から得られた懸濁液は、(c)または(d)から得られた懸濁液のアニオンの重量および合計重量に基づいて、0~3重量%の範囲、より好ましくは0~1重量%の範囲、より好ましくは0~0.5重量%の範囲、より好ましくは0~0.1重量%の範囲、より好ましくは0~500重量ppmの範囲、より好ましくは0~100重量ppmの範囲、より好ましくは0~50重量ppmの範囲、より好ましくは0~10重量ppmの範囲、より好ましくは0~5重量ppmの範囲、より好ましくは0~1重量ppmの範囲で、ある量のフッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物のうちの1つ以上、より好ましくはフッ化物、塩化物および臭化物のうちの1つ以上、より好ましくは塩化物および臭化物のうちの1つ以上、より好ましくは塩化物を含むことがさらに好ましい。
【0098】
好ましくは、本発明のプロセスの(c)前の溶液または(c)からの懸濁液は、(c)または(d)から得られた硫酸ジルコニウムまたは硫酸アニオンの重量および懸濁液の合計重量に基づいて、0~3重量%の範囲、より好ましくは0~1重量%の範囲、より好ましくは0~0.5重量%の範囲、より好ましくは0~0.1重量%の範囲、より好ましくは0~500重量ppmの範囲、より好ましくは0~100重量ppmの範囲、より好ましくは0~50重量ppmの範囲、より好ましくは0~10重量ppmの範囲、より好ましくは0~5重量ppmの範囲、より好ましくは0~1重量ppmの範囲で、ある量の硫酸ジルコニウムまたは硫酸アニオンを含む。
【0099】
好ましくは、(c)の前の溶液は、溶液の合計重量に基づいて、0~10重量%の範囲、好ましくは0~5重量%の範囲、より好ましくは0~3重量%の範囲、より好ましくは0~2重量%の範囲、より好ましくは0~1重量%の範囲、より好ましくは0~0.5重量%の範囲、より好ましくは0~0.1重量%の範囲、より好ましくは0~500重量ppmの範囲、より好ましくは0~100重量ppmの範囲、より好ましくは0~50重量ppmの範囲、より好ましくは0~10重量ppmの範囲、より好ましくは0~5重量ppmの範囲、より好ましくは0~1重量ppmの範囲の量で、アルカリ金属Li、Na、KおよびCsのうちの1つ以上、より好ましくはアルカリ金属Li、NaおよびKのうちの1つ以上、より好ましくはアルカリ金属NaおよびKのうちの1つ以上、より好ましくはアルカリ金属Naを含む。
【0100】
好ましくは、(c)から得られた水性懸濁液は、懸濁液の合計重量中に存在するアルカリ金属からの質量の合計に基づいて、0~10重量%の範囲、より好ましくは0~5重量%の範囲、より好ましくは0~3重量%の範囲、より好ましくは0~2重量%の範囲、より好ましくは0~1重量%の範囲、より好ましくは0~0.5重量%の範囲、より好ましくは0~0.1重量%の範囲、より好ましくは0~500重量ppmの範囲、より好ましくは0~100重量ppmの範囲、より好ましくは0~50重量ppmの範囲、より好ましくは0~10重量ppmの範囲、より好ましくは0~5重量ppmの範囲、より好ましくは0~1重量ppmの範囲の量で、アルカリ金属Li、Na、KおよびCsのうちの1つ以上、より好ましくはアルカリ金属Li、NaおよびKのうちの1つ以上、より好ましくはアルカリ金属Naを含む。
【0101】
本発明のさらなる態様
本発明は、上記の本発明のプロセスによって得られる、または得ることが可能な水性懸濁液にさらに関する。
【0102】
本発明はまた、選択的接触還元触媒を調製するための、好ましくはディーゼルエンジンの排気ガス流の処理のための本発明の懸濁液の使用に関する。
【0103】
本発明の水性懸濁液は、ウォッシュコートとして、またはウォッシュコートを生成するための中間体として使用されることが好ましく、ウォッシュコートは、好ましくは、基材、好ましくはフロースルー基材またはウォールフロー基材上にコーティングされる。本発明の水性懸濁液が、ウォッシュコートまたはセラミックまたは金属物質を含む基材上にウォッシュコートを生成するための中間体として使用されることも好ましい。本発明の水性懸濁液が、ウォッシュコートとして、またはセラミック物質を含む、より好ましくはセラミック物質からなる基材上にウォッシュコートを生成するための中間体として使用されることがさらに好ましく、セラミック物質は、好ましくはアルミナ、シリカ、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、好ましくはコーディエライトまたはムライト、アルミノチタン酸塩、炭化ケイ素、ジルコニア、マグネシア、好ましくはスピネル、およびチタニアのうちの1つ以上、より好ましくは炭化ケイ素およびコーディエライトのうちの1つ以上、より好ましくはコーディエライトを含み、より好ましくは、それらからなる。本発明の水性懸濁液は、ウォッシュコートとして、または金属物質を含む、より好ましくは金属物質からなる基材上にウォッシュコートを生成するための中間体として使用されることがまた好ましく、金属物質は、好ましくは、酸素および鉄、クロム、アルミニウムのうちの1つ以上を含み、より好ましくは、それらからなる。
【0104】
本発明はまた、選択的接触還元触媒を調製するための、好ましくはディーゼルエンジンの排気ガス流の処理のためのプロセスに関し、プロセスは、任意選択的に前処理された基材、好ましくはフロースルー基材またはフィルター基材上にウォッシュコートを適用することを含み、ウォッシュコートは、本発明の懸濁液による、本発明のプロセスによって得られる、または発明のプロセスによって得ることが可能な水性懸濁液を含むか、または水性懸濁液からなる。好ましくは、選択的接触還元触媒を調製するためのプロセスは、セラミックまたは金属物質を含む、好ましくはセラミックまたは金属物質である基材を含む。選択的接触還元触媒を調製するためのプロセスは、セラミック物質を含む、より好ましくはセラミック物質からなる基材を備えることがさらに好ましく、セラミック物質は、好ましくはアルミナ、シリカ、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、好ましくはコーディエライトまたはムライト、アルミノチタン酸塩、炭化ケイ素、ジルコニア、マグネシア、好ましくはスピネル、およびチタニアのうちの1つ以上、より好ましくは炭化ケイ素およびコーディエライトのうちの1つ以上、より好ましくはコーディエライトを含み、より好ましくは、それらからなる。選択的接触還元触媒を調製するためのプロセスは、金属物質を含む、好ましくは金属物質からなる基材を備えることが好ましく、金属物質は、好ましくは、酸素および鉄、クロム、アルミニウムのうちの1つ以上を含み、より好ましくは、それらからなる。
【0105】
本発明は、それぞれの依存関係および後方参照によって示されるように、以下の実施形態および実施形態の組み合わせによってさらに例解される。特に、実施形態の範囲が述べられている各場合において、例えば、「実施形態1~4のいずれか1つに記載の懸濁液」などの用語の文脈において、この範囲における全ての実施形態は、当業者にとって明示的に開示されることを意味し、すなわち、この用語の表現は、「実施形態1、2、3、および4のうちのいずれか1つに記載の懸濁液」と同義であると当業者によって理解されるべきである。
【0106】
1.水性懸濁液であって、
(i)水と、
(ii)ゼオライト材料ならびに銅および鉄のうちの1つ以上であって、銅および鉄のうちの1つ以上が、ゼオライト材料中、または銅および鉄のうちの1つ以上の供給源中、またはゼオライト材料中ならびに銅および鉄のうちの1つ以上の供給源中のいずれかに含まれる、ゼオライト材料ならびに銅および鉄のうちの1つ以上と、
(iii)ジルコニウムイオンおよびジルコニウムイオンに結合した二座有機配位子を含むキレート錯体であって、二座有機配位子が、配位子中に含まれる2つの酸素原子からのジルコニウム酸素結合を介してジルコニウムイオンに結合し、キレート錯体が、水中に溶解している、キレート錯体と、を含む、水性懸濁液。
【0107】
2.(i)による水が脱イオン水である、実施形態1に記載の懸濁液。
【0108】
3.(i)による水が、参照例6に記載されるように判定された、50~4000マイクロジーメンス/cmの範囲、好ましくは100~3000マイクロジーメンス/cmの範囲、より好ましくは150~200マイクロジーメンス/cmの範囲の導電率を有する、実施形態1または2に記載の懸濁液。
【0109】
4.(ii)によるゼオライト材料が、骨格タイプABW、ACO、AEI、AEL、AEN、AET、AFG、AFI、AFN、AFO、AFR、AFS、AFT、AFV、AFX、AFY、AHT、ANA、APC、APD、AST、ASV、ATN、ATO、ATS、ATT、ATV、AVL、AWO、AWW、BCT、BEA、BEC、BIK、BOF、BOG、BOZ、BPH、BRE、BSV、CAN、CAS、CDO、CFI、CGF、CGS、CHA、-CHI、-CLO、CON、CSV、CZP、DAC、DDR、DFO、DFT、DOH、DON、EAB、EDI、EEI、EMT、EON、EPI、ERI、ESV、ETR、EUO、*-EWT、EZT、FAR、FAU、FER、FRA、GIS、GIU、GME、GON、GOO、HEU、IFO、IFR、-IFU、IFW、IFY、IHW、IMF、IRN、IRR、-IRY、ISV、ITE、ITG、ITH、*-ITN、ITR、ITT、-ITV、ITW、IWR、IWS、IWV、IWW、JBW、JNT、JOZ、JRY、JSN、JSR、JST、JSW、KFI、LAU、LEV、LIO、-LIT、LOS、LOV、LTA、LTF、LTJ、LTL、LTN、MAR、MAZ、MEI、MEL、MEP、MER、MFI、MFS、MON、MOR、MOZ、*MRE、MSE、MSO、MTF、MTN、MTT、MTW、MVY、MWF、MWW、NAB、NAT、NES、NON、NPO、NPT、NSI、OBW、OFF、OKO、OSI、OSO、OWE、-PAR、PAU、PCR、PHI、PON、POS、PSI、PUN、RHO、-RON、RRO、RSN、RTE、RTH、RUT、RWR、RWY、SAF、SAO、SAS、SAT、SAV、SBE、SBN、SBS、SBT、SEW、SFE、SFF、SFG、SFH、SFN、SFO、SFS、*SFV、SFW、SGT、SIV、SOD、SOF、SOS、SSF、*-SSO、SSY、STF、STI、*STO、STT、STW、-SVR、SVV、SZR、TER、THO、TOL、TON、TSC、TUN、UEI、UFI、UOS、UOV、UOZ、USI、UTL、UWY、VET、VFI、VNI、VSV、WEI、-WEN、YUG、ZON、それらの2つ以上の混合物、またはそれらの2つ以上の混合タイプ、好ましくはAEI、GME、CHA、MFI、BEA、FAU、MOR、それらの2つ以上の混合物、またはそれらの2つ以上の混合タイプ、より好ましくはAEI、GME、CHA、FAU、MOR、それらの2つ以上の混合物、またはそれらの2つ以上の混合タイプ、より好ましくはAEI、CHA、BEA、それらの2つ以上の混合物、またはそれらの2つ以上の混合タイプ、より好ましくはCHAまたはAEIを有する、実施形態1~3のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0110】
5.(ii)によるゼオライト材料が、骨格タイプCHAを有する、実施形態1~4のいずれか1つに記載の懸濁液。
【0111】
6.(ii)によるゼオライト材料の骨格構造の95~100重量%、好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%が、Si、Al、O、任意選択的にCuおよびFeのうちの1つ以上、ならびに任意選択的にHおよびPのうちの1つ以上からなる、実施形態1~5のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0112】
7.(ii)によるゼオライト材料の骨格構造において、SiO:Alとして算出されたSiのAlに対するモル比が、2:1~50:1の範囲、より好ましくは5:1~48:1の範囲、より好ましくは10:1~45:1の範囲、より好ましくは11:1~40:1の範囲、より好ましくは12:1~38:1、より好ましくは13:1~35:1の範囲である、実施形態1~6のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0113】
8.(ii)によって、懸濁液が、ゼオライト材料および銅を含み、銅が、ゼオライト材料中、銅の供給源中、またはゼオライト材料中および銅の供給源中のいずれかに含まれる、実施形態1~7のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0114】
9.(ii)によるゼオライト材料が、銅を含む、実施形態1~8のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0115】
10.CuOとして算出された、(ii)によるゼオライト材料中に含まれる銅の量が、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、1~10重量%の範囲、好ましくは1.5~8重量%の範囲、好ましくは1.8~6重量%の範囲、より好ましくは1.9~5.5重量%の範囲、より好ましくは2~5重量%の範囲である、実施形態9に記載の懸濁液。
【0116】
11.銅を含むゼオライト材料に加えて、銅の供給源を含まない、実施形態9または10に記載の懸濁液。
【0117】
12.CuOとして算出された、(ii)によるゼオライト材料中に含まれる銅の量が、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、0.1~3重量%の範囲、好ましくは0.2~2重量%の範囲、より好ましくは、0.5~1.75重量%の範囲である、実施形態9に記載の懸濁液。
【0118】
13.ゼオライト材料に加えて、酢酸銅、硝酸銅、硫酸銅、ギ酸銅、酸化銅、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくは、酢酸銅、酸化銅、およびそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは酸化銅、より好ましくはCuOである、銅の供給源を含む、実施形態12に記載の懸濁液。
【0119】
14.水性懸濁液中に含まれるゼオライト材料の骨格Si、Al、およびOの合計重量に基づいて、1~10重量%の範囲、好ましくは1.5~5重量%の範囲、より好ましくは、1.5~4重量%の範囲の量で、CuOとして算出された、銅の供給源を含む、実施形態13に記載の懸濁液。
【0120】
15.CuOとして算出された、(ii)によるゼオライト材料中に含まれる銅の量が、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、0~0.1重量%未満の範囲、好ましくは0~0.01重量%の範囲、より好ましくは0~0.001重量%の範囲であり、より好ましくは、(ii)によるゼオライト材料は銅を含まず、ゼオライト材料に加えて、水性懸濁液は、好ましくは、酢酸銅、硝酸銅、硫酸銅、ギ酸銅、酸化銅、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくは、酢酸銅、酸化銅、およびそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは酸化銅、より好ましくはCuOである、銅の供給源を含む、実施形態8に記載の懸濁液。
【0121】
16.水性懸濁液中に含まれるゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、1~13重量%の範囲、好ましくは1.5~8重量%の範囲、より好ましくは、2~6重量%の範囲の量で、CuOとして算出された、銅の供給源を含む、実施形態15に記載の懸濁液。
【0122】
17.Feとして算出された、(ii)によるゼオライト材料中に含まれる鉄の量が、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、0~0.01重量%の範囲、好ましくは0~0.001重量%の範囲、より好ましくは、0~0.0001重量%の範囲である、実施形態8~16のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0123】
18.95~100重量%、好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%、より好ましくは99.5~100重量%、より好ましくは99.9~100重量%の(ii)によるゼオライト材料は、Si、Al、O、任意選択的にCu、ならびに任意選択的にHおよびPのうちの1つ以上からなる、実施形態1~17のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0124】
19.(ii)によるゼオライト材料が、鉄を含み、Feとして算出された、ゼオライト材料中に含まれる鉄の量は、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、好ましくは0.1~10.0重量%の範囲、より好ましくは1.0~7.0重量%の範囲、より好ましくは2.5~5.5重量%の範囲であり、ゼオライト材料の骨格構造の好ましくは95~100重量%、より好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%は、Si、Al、O、ならびに任意選択的にHおよびPのうちの1つ以上からなり、骨格構造において、SiO:Alとして算出された、SiのAlに対するモル比は、好ましくは2:1~50:1の範囲、より好ましくは5:1~48:1の範囲、より好ましくは10:1~45:1の範囲、より好ましくは11:1~40:1の範囲、より好ましくは12:1~38:1の範囲、より好ましくは13:1~35:1の範囲である、実施形態1~18のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0125】
20.(ii)によるゼオライト材料の平均結晶子サイズが、参照例1に記載されているX線回折によって判定された、少なくとも50ナノメートル、好ましくは50~250ナノメートルの範囲、より好ましくは70~200ナノメートルの範囲である、実施形態1~19のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0126】
21.(ii)によるゼオライト材料の粒子が、参照例2に記載されているような粒度分布測定を介して判定された、0.5~100マイクロメートルの範囲、好ましくは1~50マイクロメートルの範囲、より好ましくは1.5~25マイクロメートルの範囲、より好ましくは1.8~10マイクロメートルの範囲のDv90値を有する粒度分布を有する、実施形態1~20のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0127】
22.(ii)によるゼオライト材料の粒子が、参照例2に記載されているような粒度分布測定を介して判定された、0.3~50マイクロメートルの範囲、好ましくは0.4~15マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.5~5マイクロメートルの範囲のDv50値を有するサイズ分布を有する、実施形態1~21のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0128】
23.(ii)によるゼオライト材料の粒子が、参考例2に記載されているような粒度分布測定を介して判定された、0.1~10マイクロメートルの範囲、好ましくは0.2~5マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.3~2マイクロメートルの範囲のDv10値を有するサイズ分布を有する、実施形態1~22のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0129】
24.(iii)による二座有機配位子が、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、2,4-ジケトン、および1,3-ジカルボニル化合物のうちの1つ以上、好ましくはC2~C6のアルファヒドロキシ酸、C3~C6のベータヒドロキシ酸、C3~C6の1,3-ジカルボニル化合物、およびC5~C9の2,4-ジケトンのうちの1つ以上、より好ましくはC2~C5のアルファヒドロキシ酸、C3~C5のベータヒドロキシ酸、C3~C5の1,3-ジカルボニル化合物、およびC5~C8の2,4-ジケトンのうちの1つ以上、より好ましくはC3~C4のアルファヒドロキシ酸、C3~C4のベータヒドロキシ酸、C3~C4の1,3-ジカルボニル化合物、およびC5~C6の2,4-ジケトンのうちの1つ以上を含み、好ましくは、それらである、実施形態1~23のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0130】
25.(iii)による二座有機配位子が、炭素、水素および酸素の元素からなる、実施形態1~24のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0131】
26.(iii)による二座有機配位子が、アセチルアセトン、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、酒石酸、およびグルクロノラクトンのうちの1つ以上、好ましくはグリコール酸、乳酸、タルトロン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、およびグルクロノラクトンのうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、乳酸、アスコルビン酸、およびグルクロン酸のうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、および乳酸のうちの1つ以上を含み、好ましくは、それらである、実施形態1~25のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0132】
27.(iii)による二座有機配位子が、乳酸を含み、好ましくは乳酸である、実施形態1~26のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0133】
28.(iii)による二座有機配位子は、20℃の水温で測定された、100mLの水に対して少なくとも20gの配位子、より好ましくは100mLの水に対して少なくとも25gの配位子、より好ましくは100mLの水に対して少なくとも30gの配位子の水中の溶解度を有する、実施形態1~27のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0134】
29.(i)により用いられた水の、(ii)により用いられたゼオライト材料骨格構造のSi、Al、およびOの合計重量に対する重量比、重量(水):重量(ゼオライト材料のSi、AlおよびOの合計)が、80:20~40:60の範囲、好ましくは75:25~45:55の範囲、より好ましくは70:30~48:52の範囲、より好ましくは60:40~50:50の範囲である、実施形態1~28のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0135】
30.酸化ジルコニウム(IV)として算出された、(iii)による錯体中に含まれるジルコニウムイオンの、(ii)によるゼオライト材料骨格構造のSi、Al、およびOの合計重量に対する重量比、重量(酸化ジルコニウム):重量(ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計)が、0.02:1~0.1:1の範囲、好ましくは、0.03:1~0.08:1の範囲、より好ましくは0.04:1~0.06:1の範囲である、実施形態1~29のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0136】
31.二座有機配位子の、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、ジルコニウムイオンに対する重量比が、0.01~2.0の範囲、より好ましくは、0.05~1.0の範囲、より好ましくは0.1~0.9の範囲、より好ましくは0.15~0.8の範囲、より好ましくは0.175~0.75の範囲、より好ましくは0.2~0.7の範囲である、実施形態1~30のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0137】
32.懸濁液中に含まれるオキシ塩化ジルコニウムの量が、懸濁液の合計重量に基づいて、0~3重量%の範囲、好ましくは0~1重量%の範囲、より好ましくは0~0.5重量%の範囲、より好ましくは0~0.1重量%の範囲、より好ましくは0~500重量ppmの範囲、より好ましくは0~100重量ppmの範囲、より好ましくは0~50重量ppmの範囲、より好ましくは0~10重量ppmの範囲、より好ましくは0~5重量ppmの範囲、より好ましくは0~1重量ppmの範囲である、実施形態1~31のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0138】
33.懸濁液中に含まれる硫酸ジルコニウムの量が、懸濁液の合計重量に基づいて、0~3重量%の範囲、好ましくは0~1重量%の範囲、より好ましくは0~0.5重量%の範囲、より好ましくは0~0.1重量%の範囲、より好ましくは0~500重量ppmの範囲、より好ましくは0~100重量ppmの範囲、より好ましくは0~50重量ppmの範囲、より好ましくは0~10重量ppmの範囲、より好ましくは0~5重量ppmの範囲、より好ましくは0~1重量ppmの範囲である、実施形態1~32のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0139】
34.懸濁液中に含まれるアルカリ金属Li、Na、KおよびCsのうちの1つ以上、より好ましくはアルカリ金属Li、NaおよびKのうちの1つ以上、より好ましくはアルカリ金属NaおよびKのうちの1つ以上、より好ましくはアルカリ金属Naの量が、存在するアルカリ金属の合計重量および懸濁液の合計重量に基づいて、0~10重量%の範囲、より好ましくは0~5重量%の範囲、より好ましくは0~3重量%の範囲、より好ましくは0~2重量%の範囲、より好ましくは0~1重量%の範囲、より好ましくは0~0.5重量%の範囲、より好ましくは0~0.1重量%の範囲、より好ましくは0~500重量ppmの範囲、より好ましくは0~100重量ppmの範囲、より好ましくは0~50重量ppmの範囲である、実施形態1~33のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0140】
35.懸濁液の液相が、0~12の範囲、好ましくは0.5~11の範囲、より好ましくは1~10の範囲、より好ましくは1.5~9の範囲、より好ましくは2~8の範囲、より好ましくは2.5~7の範囲、より好ましくは3~6の範囲、より好ましくは3.5~5の範囲、より好ましくは3.7~5.5の範囲のpHを有し、pHは、参照例3に記載されるように判定される、実施形態1~34のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0141】
36.参照例4に記載されるように、100s-1で判定された2mPas~1000mPasの範囲、より好ましくは5mPas~800mPasの範囲の粘度を有する、実施形態1~35のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0142】
37.(i)、(ii)および(iii)による成分に加えて、
(iv)耐火性金属酸化物および耐火性金属酸化物の前駆体のうちの1つ以上をさらに含む、実施形態1~36のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0143】
38.耐火性金属酸化物および耐火性金属酸化物の前駆体のうちの1つ以上が、好ましくは、アルミナ、シリカ、チタニア、水酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、アルミニウム塩、コロイダルアルミナ、シリコンアルコラート、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、水ガラス、チタンアルコレート、およびコロイダルチタニアのうちの1つ以上、好ましくは、アルミナ、シリカ、水酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、アルミニウム塩、コロイダルアルミナ、シリコンアルコラート、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、および水ガラスのうちの1つ以上、より好ましくは、アルミナ、シリカ、水酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、アルミニウム塩、およびコロイダルアルミナのうちの1つ以上、より好ましくは、アルミナおよびシリカのうちの1つ以上、より好ましくはアルミナを含み、好ましくは、それらである、実施形態37に記載の懸濁液。
【0144】
39.耐火性金属酸化物および耐火性金属酸化物の前駆体のうちの1つ以上の、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に対する重量比、重量(iv):重量(ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計)が、0.01:1~0.13:1の範囲、好ましくは0.03:1~0.11:1の範囲、より好ましくは0.05:1~0.09:1の範囲である、実施形態37または38のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0145】
40.(i)、(ii)、(iii)および任意選択的に(iv)による成分に加えて、
(v)有機塩基をさらに含む、実施形態1~39のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0146】
41.(v)による有機塩基が、アンモニアおよびC1~C6のアミンのうちの1つ以上、好ましくはアンモニアおよびC1~C5のアミンのうちの1つ以上、より好ましくはアンモニアおよびC1~C4のアミンのうちの1つ以上、より好ましくはアンモニアおよびC1~C3のアミンのうちの1つ以上、より好ましくはアンモニアおよびC1~C2のアミンのうちの1つ以上、より好ましくはトリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミンおよびアンモニアのうちの1つ以上であり、有機塩基は、より好ましくはエタノールアミンを含み、より好ましくはエタノールアミンである、実施形態33に記載の懸濁液。
【0147】
42.有機塩基のゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に対する重量比、重量(有機塩基):重量(ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計)が、0.01:1~0.5:1の範囲、好ましくは0.015:1~0.1:1の範囲、より好ましくは0.02:1~0.05:1の範囲である、実施形態40または41に記載の懸濁液。
【0148】
43.懸濁液の液相が、0~12の範囲、好ましくは0.5~11の範囲、より好ましくは1~10の範囲、より好ましくは1.5~9の範囲、より好ましくは2~8の範囲、より好ましくは2.5~7の範囲、より好ましくは3~6の範囲、より好ましくは3.5~5.5の範囲のpHを有し、pHは、参照例3に記載されるように判定される、実施形態40~42のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0149】
44.参照例4に記載されるように、100s-1で判定された、2mPas~1000mPasの範囲、より好ましくは5mPas~800mPasの範囲の粘度を有する、実施形態40~43のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0150】
45.参照例5に記載されるように判定された、1d~120dの範囲、好ましくは1d~60dの範囲、より好ましくは1d~30dの範囲の保存安定性を有する、実施形態1~44のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0151】
46.1つ以上の接着促進剤、より好ましくはポリアセチレン、ポリカルボン酸塩およびポリエチレングリコールのうちの1つ以上をさらに含む、実施形態1~45のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0152】
47.1つ以上の分散剤、より好ましくはポリ(カルボン酸エーテル)、ポリ(アリールエーテル)、ポリ(アクリル酸)およびポリエチレングリコールのうちの1つ以上をさらに含む、実施形態1~46のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0153】
48.1つ以上のレオロジー調整剤、より好ましくはセルロースエーテル、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、および任意選択的に疎水的に修飾されたポリウレタン増粘剤のうちの1つ以上をさらに含む、実施形態1~47のいずれか一項に記載の懸濁液。
【0154】
49.水性懸濁液、好ましくは実施形態1~48のいずれか一項に記載の水性懸濁液を調製するためのプロセスであって、
(a)水およびジルコニウム塩を混合することと、
(b)(a)から得られた混合物に二座有機配位子を添加し、ジルコニウムイオン、および配位子中に含まれる2つの酸素原子からのジルコニウム酸素結合を介してジルコニウムイオンに結合した二座有機配位子を含む、キレート錯体を含む水溶液を得ることと、
(c)(b)から得られた水溶液にゼオライト材料ならびに銅および鉄のうちの1つ以上を添加し、水性懸濁液を得ることであって、銅および鉄のうちの1つ以上が、ゼオライト材料中、または銅および鉄のうちの1つ以上の供給源中、またはゼオライト材料中ならびに銅および鉄のうちの1つ以上の供給源中のいずれかに含まれる、得ることと、を含む、プロセス。
【0155】
50.(a)による水が、脱イオン水であり、水が、好ましくは、参照例6に記載されるように判定された、50~4000マイクロジーメンス/cmの範囲、より好ましくは100~3000マイクロジーメンス/cmの範囲、より好ましくは150~200マイクロジーメンス/cmの範囲の導電率を有する、実施形態49に記載のプロセス。
【0156】
51.(a)によって、混合が、4~40℃の範囲、好ましくは10~30℃の範囲、より好ましくは12~25℃の範囲の水温で実行される、実施形態49または50に記載のプロセス。
【0157】
52.(a)によるジルコニウム塩が、カルボン酸ジルコニウム、アルコール化ジルコニウム、および硝酸ジルコニウムのうちの1つ以上であり、より好ましくは、カルボン酸ジルコニウムおよび硝酸ジルコニウムのうちの1つ以上である、実施形態49~51のいずれか一項に記載のプロセス。
【0158】
53.カルボン酸ジルコニウムが、C1~C7のカルボン酸塩のうちの1つ以上、好ましくは、C1~C6のカルボン酸ジルコニウムのうちの1つ以上、より好ましくはC1~C5のカルボン酸ジルコニウムのうちの1つ以上、より好ましくはC1~C4カルボン酸ジルコニウムのうちの1つ以上、より好ましくはC1~C3カルボン酸ジルコニウムのうちの1つ以上、より好ましくはC1~C2カルボン酸ジルコニウムのうちの1つ以上を含み、好ましくは、それらである、実施形態52に記載のプロセス。
【0159】
54.ジルコニウム塩が、酢酸ジルコニウムを含み、好ましくは酢酸ジルコニウムである、実施形態53に記載のプロセス。
【0160】
55.(a)によって、混合は、1~30分の範囲、好ましくは2~25分の範囲、より好ましくは5~20分の範囲、より好ましくは8~15分の範囲、より好ましくは9~14分の範囲、より好ましくは10~12分の範囲の持続時間で実行される、実施形態49~54のいずれか一項に記載のプロセス。
【0161】
56.(b)による二座有機配位子が、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、2,4-ジケトン、および1,3-ジカルボニル化合物のうちの1つ以上、好ましくはC2~C6のアルファヒドロキシ酸、C3~C6のベータヒドロキシ酸、C3~C6の1,3-ジカルボニル化合物、およびC5~C9の2,4-ジケトンのうちの1つ以上、より好ましくはC2~C5のアルファヒドロキシ酸、C3~C5のベータヒドロキシ酸、C3~C5の1,3-ジカルボニル化合物、およびC5~C8の2,4-ジケトンのうちの1つ以上、より好ましくはC3~C4のアルファヒドロキシ酸、C3~C4のベータヒドロキシ酸、C3~C4の1,3-ジカルボニル化合物、およびC5~C6の2,4-ジケトンのうちの1つ以上を含み、好ましくはそれらである、実施形態49~55のいずれか一項に記載のプロセス。
【0162】
57.(b)による二座有機配位子が、炭素、水素および酸素の元素からなる、実施形態49~56のいずれか一項に記載のプロセス。
【0163】
58.(b)による二座有機配位子が、アセチルアセトン、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、およびグルクロノラクトンのうちの1つ以上、好ましくはグリコール酸、乳酸、タルトロン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、およびグルクロノラクトンのうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、乳酸、アスコルビン酸、およびグルクロン酸のうちの1つ以上、より好ましくはグリコール酸、および乳酸のうちの1つ以上を含み、好ましくは、それらである、実施形態49~57のいずれか一項に記載のプロセス。
【0164】
59.(b)による二座有機配位子が、乳酸を含み、好ましくは乳酸である、実施形態58に記載のプロセス。
【0165】
60.(b)によって、二座有機配位子の添加が、(a)で得られた混合物の温度で、4~40℃の範囲、好ましくは10~30℃の範囲、より好ましくは12~25℃の範囲の水温で実行される、実施形態49~59のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
【0166】
61.(b)によって、二座有機配位子が、混合で添加され、混合は、1~30分の範囲、好ましくは2~25分の範囲、より好ましくは5~20分の範囲、より好ましくは8~15分の範囲、より好ましくは9~14分の範囲、より好ましくは10~12分の範囲の持続時間で実行される、実施形態49~60のいずれか一項に記載のプロセス。
【0167】
62.(c)によるゼオライト材料が、骨格タイプABW、ACO、AEI、AEL、AEN、AET、AFG、AFI、AFN、AFO、AFR、AFS、AFT、AFV、AFX、AFY、AHT、ANA、APC、APD、AST、ASV、ATN、ATO、ATS、ATT、ATV、AVL、AWO、AWW、BCT、BEA、BEC、BIK、BOF、BOG、BOZ、BPH、BRE、BSV、CAN、CAS、CDO、CFI、CGF、CGS、CHA、-CHI、-CLO、CON、CSV、CZP、DAC、DDR、DFO、DFT、DOH、DON、EAB、EDI、EEI、EMT、EON、EPI、ERI、ESV、ETR、EUO、*-EWT、EZT、FAR、FAU、FER、FRA、GIS、GIU、GME、GON、GOO、HEU、IFO、IFR、-IFU、IFW、IFY、IHW、IMF、IRN、IRR、-IRY、ISV、ITE、ITG、ITH、*-ITN、ITR、ITT、-ITV、ITW、IWR、IWS、IWV、IWW、JBW、JNT、JOZ、JRY、JSN、JSR、JST、JSW、KFI、LAU、LEV、LIO、-LIT、LOS、LOV、LTA、LTF、LTJ、LTL、LTN、MAR、MAZ、MEI、MEL、MEP、MER、MFI、MFS、MON、MOR、MOZ、*MRE、MSE、MSO、MTF、MTN、MTT、MTW、MVY、MWF、MWW、NAB、NAT、NES、NON、NPO、NPT、NSI、OBW、OFF、OKO、OSI、OSO、OWE、-PAR、PAU、PCR、PHI、PON、POS、PSI、PUN、RHO、-RON、RRO、RSN、RTE、RTH、RUT、RWR、RWY、SAF、SAO、SAS、SAT、SAV、SBE、SBN、SBS、SBT、SEW、SFE、SFF、SFG、SFH、SFN、SFO、SFS、*SFV、SFW、SGT、SIV、SOD、SOF、SOS、SSF、*-SSO、SSY、STF、STI、*STO、STT、STW、-SVR、SVV、SZR、TER、THO、TOL、TON、TSC、TUN、UEI、UFI、UOS、UOV、UOZ、USI、UTL、UWY、VET、VFI、VNI、VSV、WEI、-WEN、YUG、ZON、それらの2つ以上の混合物、またはそれらの2つ以上の混合タイプ、好ましくはAEI、GME、CHA、MFI、BEA、FAU、MOR、それらの2つ以上の混合物、またはそれらの2つ以上の混合タイプ、より好ましくはAEI、GME、CHA、FAU、MOR、それらの2つ以上の混合物、またはそれらの2つ以上の混合タイプ、より好ましくはAEI、CHA、BEA、それらの2つ以上の混合物、またはそれらの2つ以上の混合タイプ、より好ましくはCHAまたはAEIを有する、実施形態49~61のいずれか一項に記載のプロセス。
【0168】
63.(c)によるゼオライト材料が、骨格タイプCHAを有する、実施形態49~62のいずれか一項に記載のプロセス。
【0169】
64.(c)によるゼオライト材料の骨格構造において、SiO:Alとして算出されたSiのAlに対するモル比が、2:1~50:1の範囲、より好ましくは5:1~48:1の範囲、より好ましくは10:1~45:1の範囲、より好ましくは11:1~40:1の範囲、より好ましくは12:1~38:1、より好ましくは13:1~35:1の範囲である、実施形態49~63のいずれか一項に記載のプロセス。
【0170】
65.(c)によるゼオライト材料の骨格構造の95~100重量%、好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%が、Si、Al、O、任意選択的にCuおよびFeのうちの1つ以上、ならびに任意選択的にHおよびPのうちの1つ以上からなる、実施形態49~64のいずれか一項に記載のプロセス。
【0171】
66.(c)によって、ゼオライト材料および銅が、(b)から得られた水溶液に添加され、銅が、ゼオライト材料中、銅の供給源中、またはゼオライト材料中および銅の供給源中のいずれかに含まれる、実施形態49~65のいずれか一項に記載のプロセス。
【0172】
67.(c)により添加されるゼオライト材料は、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、1~10重量%の範囲、好ましくは1.5~8重量%の範囲、好ましくは1.8~6重量%の範囲、好ましくは2~5.5重量%の範囲、好ましくは2~5重量%の範囲、より好ましくは2超~5重量%未満の範囲、好ましくは2.1~4.9重量%の範囲、好ましくは2.2~4.8重量%の範囲で、CuOとして算出された量の銅を含む、実施形態49~66のいずれか一項に記載のプロセス。
【0173】
68.(c)によって、銅を含むゼオライト材料に加えて、銅の供給源が添加されない、実施形態67に記載のプロセス。
【0174】
69.CuOとして算出された、(c)により添加されたゼオライト材料中に含まれる銅の量が、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、0.1~3重量%の範囲、好ましくは0.2~2重量%の範囲、より好ましくは、0.5~1.75重量%の範囲である、実施形態68に記載のプロセス。
【0175】
70.ゼオライト材料に加えて、銅の供給源が、(c)によって添加される、実施形態67に記載のプロセス。
【0176】
71.銅の供給源が、酢酸銅、硝酸銅、硫酸銅、ギ酸銅、酸化銅、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくは、酢酸銅、酸化銅、およびそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは銅の供給源が、酸化銅であり、より好ましくはCuOである、実施形態70に記載のプロセス。
【0177】
72.CuOとして算出された、銅の供給源が、(c)により添加されたゼオライト材料の骨格Si、Al、およびOの合計重量に基づいて、1~10重量%の範囲、好ましくは1.5~5重量%の範囲、より好ましくは、1.5~4重量%の範囲の量で(c)により添加される、実施形態70または71に記載のプロセス。
【0178】
73.CuOとして算出された、(c)により添加されたゼオライト材料中に含まれる銅の量が、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、0~0.1重量%未満の範囲、好ましくは0~0.01重量%の範囲、より好ましくは、0~0.001重量%の範囲であり、ゼオライト材料に加えて、銅の供給源が、(c)により添加される、実施形態66に記載のプロセス。
【0179】
74.銅の供給源が、酢酸銅、硝酸銅、硫酸銅、ギ酸銅、酸化銅、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくは、酢酸銅、酸化銅、およびそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは銅の供給源が、酸化銅であり、より好ましくはCuOである、実施形態73に記載のプロセス。
【0180】
75.CuOとして算出された、銅の供給源が、好ましくは、(c)により添加されたゼオライト材料の骨格Si、Al、およびOの合計重量に基づいて、1~13重量%の範囲、好ましくは1.5~8重量%の範囲、より好ましくは、2~6重量%の範囲の量で(c)により添加される、実施形態73または74に記載のプロセス。
【0181】
76.Feとして算出された、(c)によるゼオライト材料中に含まれる鉄の量が、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、0~0.01重量%の範囲、好ましくは0~0.001重量%の範囲、より好ましくは、0~0.0001重量%の範囲である、実施形態66~75のいずれか一項に記載のプロセス。
【0182】
77.95~100重量%、好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%、より好ましくは99.5~100重量%、より好ましくは99.9~100重量%の(c)によるゼオライト材料が、Si、Al、O、任意選択的にCu、ならびに任意選択的にHおよびPのうちの1つ以上からなる、実施形態49~76のいずれか一項に記載のプロセス。
【0183】
78.(c)によるゼオライト材料が、鉄を含み、Feとして算出された、ゼオライト材料中に含まれる鉄の量は、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に基づいて、好ましくは0.1~10.0重量%の範囲、より好ましくは1.0~7.0重量%の範囲、より好ましくは2.5~5.5重量%の範囲であり、ゼオライト材料の骨格構造の好ましくは95~100重量%、より好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%は、Si、Al、O、ならびに任意選択的にHおよびPのうちの1つ以上からなり、骨格構造において、SiO:Alとして算出された、SiのAlに対するモル比は、好ましくは2:1~50:1の範囲、より好ましくは5:1~48:1の範囲、より好ましくは10:1~45:1の範囲、より好ましくは11:1~40:1の範囲、より好ましくは12:1~38:1の範囲、より好ましくは13:1~35:1の範囲である、実施形態49~77のいずれか一項に記載のプロセス。
【0184】
79.(c)によるゼオライト材料の平均結晶子サイズが、参照例1に記載されているX線回折によって判定された、少なくとも50ナノメートル、好ましくは50~250ナノメートルの範囲、より好ましくは70~200ナノメートルの範囲である、実施形態49~78のいずれか一項に記載のプロセス。
【0185】
80.(c)によるゼオライト材料が、参照例2に記載されているような粒度分布測定を介して判定された、0.5~100マイクロメートルの範囲、好ましくは1~50マイクロメートルの範囲、より好ましくは1.5~25マイクロメートルの範囲、より好ましくは1.8~10マイクロメートルの範囲のDv90値を有する粒度分布を有する、実施形態49~79のいずれか一項に記載のプロセス。
【0186】
81.(c)によるゼオライト材料が、参照例2に記載されているような粒度分布測定を介して判定された、0.3~50マイクロメートルの範囲、好ましくは0.4~15マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.5~5マイクロメートルの範囲のDv50値を有する粒度分布を有する、実施形態49~80のいずれか一項に記載のプロセス。
【0187】
82.(c)によるゼオライト材料が、参照例2に記載されているような粒子サイズ分布測定を介して判定された、0.1~10マイクロメートルの範囲、好ましくは0.2~5マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.3~2マイクロメートルの範囲のDv10値を有する粒子サイズ分布を有する、実施形態49~81のいずれか一項に記載のプロセス。
【0188】
83.(c)によるゼオライト材料を添加することが、(b)から得られた水溶液中にゼオライト材料を分散させることを含む、実施形態49~82のいずれか一項に記載のプロセス。
【0189】
84.(c)によって、ゼオライト材料が、4~40℃の範囲、好ましくは10~30℃の範囲、より好ましくは、12~25℃の範囲の水温で水溶液中に分散される、実施形態83に記載のプロセス。
【0190】
85.(c)によって、ゼオライト材料が、1~30分の範囲、好ましくは2~25分の範囲、より好ましくは5~20分の範囲、より好ましくは8~15分の範囲、より好ましくは9~14分の範囲、より好ましくは10~12分の範囲の持続時間で水溶液中に分散される、実施形態83または84に記載のプロセス。
【0191】
86.(c)から得られる懸濁液の液相が、0~12の範囲、好ましくは0.5~11の範囲、より好ましくは1~10の範囲、より好ましくは1.5~9の範囲、より好ましくは2~8の範囲、より好ましくは2.5~7の範囲、より好ましくは3~6の範囲、より好ましくは3.5~5の範囲、より好ましくは3.7~5.5の範囲のpHを有し、pHは、参照例3に記載されるように判定される、実施形態49~85のいずれか一項に記載のプロセス。
【0192】
87.(a)により用いられた水の、(c)により用いられたゼオライト材料の骨格のSi、Al、およびOの合計重量に対する重量比、重量(水):重量(ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計)が、80:20~40:60の範囲、好ましくは75:25~45:55の範囲、より好ましくは70:30~48:52の範囲、より好ましくは60:40~50:50の範囲である、実施形態49~86のいずれか一項に記載のプロセス。
【0193】
88.酸化ジルコニウム(IV)として算出された、(a)により用いられたジルコニウム塩の、(c)により用いられたゼオライト材料の骨格Si、Al、およびOの合計重量に対する重量比、重量(ジルコニウム):重量(ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計)は、0.02:1~0.1:1の範囲、好ましくは、0.03:1~0.08:1の範囲、より好ましくは0.04:1~0.06:1の範囲である、実施形態49~87のいずれか一項に記載のプロセス。
【0194】
89.(b)により用いられた二座有機配位子の、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、(a)により用いられたジルコニウム塩に対する重量比が、0.01~2.0の範囲、より好ましくは、0.05~1.0の範囲、より好ましくは0.1~0.9の範囲、より好ましくは0.15~0.8の範囲、より好ましくは0.175~0.75の範囲、より好ましくは0.2~0.7の範囲である、実施形態49~88のいずれか一項に記載のプロセス。
【0195】
90.(C)から得られた懸濁液の粘度が、参照例4に記載されるように、100s-1で判定された、2mPas~1000mPasの範囲、好ましくは5mPas~800mPasの範囲である、実施形態49~89のいずれか一項に記載のプロセス。
【0196】
91.(d)(b)から得られた水溶液または(c)から得られた懸濁液に、耐火性金属酸化物および耐火性金属酸化物の前駆体のうちの1つ以上を添加することを、さらに含む、実施形態49~90のいずれか一項に記載のプロセス。
【0197】
92.耐火性金属酸化物および耐火性金属酸化物の前駆体のうちの1つ以上が、好ましくは、アルミナ、シリカ、チタニア、水酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、アルミニウム塩、コロイダルアルミナ、シリコンアルコラート、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、水ガラス、チタンアルコレート、およびコロイダルチタニアのうちの1つ以上、好ましくは、アルミナ、シリカ、水酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、アルミニウム塩、コロイダルアルミナ、シリコンアルコラート、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、および水ガラスのうちの1つ以上、より好ましくは、アルミナ、シリカ、水酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、アルミニウム塩、およびコロイダルアルミナのうちの1つ以上、より好ましくは、アルミナおよびシリカのうちの1つ以上を含み、好ましくは、それらである、実施形態91に記載のプロセス。
【0198】
93.耐火性金属酸化物および耐火性金属酸化物の前駆体のうちの1つ以上が、アルミナを含み、好ましくはアルミナである、実施形態92に記載のプロセス。
【0199】
94.(d)により用いられた耐火性金属酸化物および耐火性金属酸化物の前駆体のうちの1つ以上の、(c)により用いられたゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に対する重量比、重量(d):重量(ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計)が、0.01:1~0.13:1の範囲、好ましくは0.03:1~0.11:1の範囲、より好ましくは0.05:1~0.09:1の範囲である、実施形態91~93のいずれか一項に記載のプロセス。
【0200】
95.(c)の前に得られた水溶液および/または(c)の後に得られた懸濁液に有機塩基を添加することをさらに含む、実施形態49~94のいずれか一項に記載のプロセス。
【0201】
96.有機塩基が、アンモニアおよびC1~C6のアミンのうちの1つ以上、好ましくはアンモニアおよびC1~C5のアミンのうちの1つ以上、より好ましくはアンモニアおよびC1~C4のアミンのうちの1つ以上、より好ましくはアンモニアおよびC1~C3のアミンのうちの1つ以上、より好ましくはアンモニアおよびC1~C2のアミンのうちの1つ以上、より好ましくはエタノールアミン、エタノールアミン、エタノールアミンおよびアンモニアのうちの1つ以上であり、有機塩基は、より好ましくはエタノールアミンを含み、より好ましくはエタノールアミンである、実施形態95に記載のプロセス。
【0202】
97.(c)の前に得られた水溶液または(c)の後に得られた懸濁液の液相のpHが、0~12の範囲、好ましくは0.5~11の範囲、より好ましくは1~10の範囲、より好ましくは1.5~9の範囲、より好ましくは2~8の範囲、より好ましくは2.5~7の範囲、より好ましくは3~6の範囲、より好ましくは3.5~5.5の範囲であり、pHは、参照例3に記載されるように判定される、実施形態95または96に記載のプロセス。
【0203】
98.(c)または(d)から得られた懸濁液が、参照例4に記載されるように、100s-1で判定された、2mPas~1000mPasの範囲、好ましくは5mPas~800mPasの範囲の粘度を有する、実施形態95~97のいずれか一項に記載のプロセス。
【0204】
99.(b)から得られた溶液および/または(c)から得られた懸濁液に1つ以上の接着促進剤を添加することをさらに含み、1つ以上の接着促進剤が、ポリアセチレン、ポリカルボン酸およびポリエチレングリコールのうちの1つ以上を含み、好ましくは、それらである、実施形態49~98のいずれか一項に記載のプロセス。
【0205】
100.(b)から得られた溶液および/または(c)から得られた懸濁液に1つ以上の分散剤を添加することをさらに含み、1つ以上の分散剤が、ポリ(カルボン酸エーテル)、ポリ(アリールエーテル)、ポリ(アクリル酸)およびポリエチレングリコールのうちの1つ以上を含み、好ましくは、それらである、実施形態49~99のいずれか一項に記載のプロセス。
【0206】
101.(b)から得られた溶液および/または(c)から得られた懸濁液に1つ以上のレオロジー調整剤を添加することをさらに含み、1つ以上のレオロジー調整剤が、セルロースエーテル、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、および任意選択的に疎水的に修飾されたポリウレタン増粘剤のうちの1つ以上を含み、好ましくは、それらである、実施形態49~100のいずれか一項に記載のプロセス。
【0207】
102.プロセス全体の間、オキシ塩化ジルコニウムの量、好ましくは、添加されたハロゲン化ジルコニウムの量が、(c)または(d)から得られた懸濁液の合計重量に基づいて、0~3重量%の範囲、好ましくは0~1重量%の範囲、より好ましくは0~0.5重量%の範囲、より好ましくは0~0.1重量%の範囲、より好ましくは0~500重量ppmの範囲、より好ましくは0~100重量ppmの範囲、より好ましくは0~50重量ppmの範囲、より好ましくは0~10重量ppmの範囲、より好ましくは0~5重量ppmの範囲、より好ましくは0~1重量ppmの範囲である、実施形態49~101のいずれか一項に記載のプロセス。
【0208】
103.プロセス全体の間、添加される硫酸ジルコニウムの量が、懸濁液の合計重量に基づいて、0~3重量%の範囲、好ましくは0~1重量%の範囲、より好ましくは0~0.5重量%の範囲、より好ましくは0~0.1重量%の範囲、より好ましくは0~500重量ppmの範囲、より好ましくは0~100重量ppmの範囲、より好ましくは0~50重量ppmの範囲、より好ましくは0~10重量ppmの範囲、より好ましくは0~5重量ppmの範囲、より好ましくは0~1重量ppmの範囲である、実施形態49~102のいずれか一項に記載のプロセス。
【0209】
104.(c)の前、溶液が、溶液の合計重量に基づいて、0~10重量%の範囲、好ましくは0~5重量%の範囲、より好ましくは0~3重量%の範囲、より好ましくは0~2重量%の範囲、より好ましくは0~1重量%の範囲、より好ましくは0~0.5重量%の範囲、より好ましくは0~0.1重量%の範囲、より好ましくは0~500重量ppmの範囲、より好ましくは0~100重量ppmの範囲、より好ましくは0~50重量ppmの範囲、より好ましくは0~10重量ppmの範囲、より好ましくは0~5重量ppmの範囲、より好ましくは0~1重量ppmの範囲の量で、アルカリ金属Li、Na、KおよびCsのうちの1つ以上、より好ましくはアルカリ金属Li、NaおよびKのうちの1つ以上、より好ましくはアルカリ金属NaおよびKのうちの1つ以上、より好ましくはアルカリ金属Naを含む、実施形態49~103のいずれか一項に記載のプロセス。
【0210】
105.(c)から得られる水性懸濁液が、溶液の合計重量に基づいて、0~10重量%の範囲、より好ましくは0~5重量%の範囲、より好ましくは0~3重量%の範囲、より好ましくは0~2重量%の範囲、より好ましくは0~1重量%の範囲、より好ましくは0~0.5重量%の範囲、より好ましくは0~0.1重量%の範囲、より好ましくは0~500重量ppmの範囲、より好ましくは0~100重量ppmの範囲、より好ましくは0~50重量ppmの範囲、より好ましくは0~10重量ppmの範囲、より好ましくは0~5重量ppmの範囲、より好ましくは0~1重量ppmの範囲の量で、アルカリ金属Li、Na、KおよびCsのうちの1つ以上、より好ましくはアルカリ金属Li、NaおよびKのうちの1つ以上、より好ましくはアルカリ金属NaおよびKのうちの1つ以上、より好ましくはアルカリ金属Naを含む、実施形態49~104のいずれか一項に記載のプロセス。
【0211】
106.水性懸濁液、好ましくは、実施形態49~105のいずれか一項に記載のプロセスによって得られ、または得ることが可能である、実施形態1~49のいずれか一項に記載の水性懸濁液。
【0212】
107.選択的接触還元触媒を調製するための、好ましくはディーゼルエンジンの排気ガス流の処理に関する選択的接触還元触媒を調整するための、実施形態1~48または106のいずれか一項に記載の水性懸濁液の使用。
【0213】
108.水性懸濁液が、ウォッシュコートとして、またはウォッシュコートを生成するための中間体として使用され、ウォッシュコートが、好ましくは、基材、好ましくはフロースルー基材またはウォールフロー基材上にコーティングされる、実施形態107の使用。
【0214】
109.基材が、セラミックまたは金属基材を含み、好ましくは、それらである、実施形態108の使用。
【0215】
110.基材が、セラミック物質を含み、好ましくはセラミック物質からなり、セラミック物質が、アルミナ、シリカ、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、好ましくはコーディエライトまたはムライト、アルミノチタン酸塩、炭化ケイ素、ジルコニア、マグネシア、好ましくはスピネル、およびチタニアのうちの1つ以上、より好ましくは炭化ケイ素およびコーディエライトのうちの1つ以上、より好ましくはコーディエライトを含み、より好ましくは、それらからなる、実施形態109に記載の使用。
【0216】
111.基材が、金属物質を含み、好ましくは金属物質からなり、金属物質が、好ましくは酸素ならびに鉄、クロム、およびアルミニウムのうちの1つ以上を含み、より好ましくはそれらからなる、実施形態109に記載の使用。
【0217】
112.選択的接触還元触媒を調製するための、好ましくはディーゼルエンジンの排気ガス流の処理のためのプロセスであって、プロセスが、任意選択的に前処理された基材、好ましくはフロースルー基材またはウォールフロー基材上にウォッシュコートを適用することを含み、ウォッシュコートが、実施形態1~48または106のいずれか一項に記載の水性懸濁液を含み、または水性懸濁液からなる、プロセス。
【0218】
113.基材が、セラミックまたは金属基材を含み、好ましくはそれらである、実施形態112に記載のプロセス。
【0219】
114.基材が、セラミック物質を含み、好ましくはセラミック物質からなり、セラミック物質が、アルミナ、シリカ、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、好ましくはコーディエライトまたはムライト、アルミノチタン酸塩、炭化ケイ素、ジルコニア、マグネシア、好ましくはスピネル、およびチタニアのうちの1つ以上、より好ましくは炭化ケイ素およびコーディエライトのうちの1つ以上、より好ましくはコーディエライトを含み、より好ましくは、それらからなる、実施形態113に記載のプロセス。
【0220】
115.基材が、金属物質を含み、好ましくは金属物質からなり、金属物質が、好ましくは酸素ならびに鉄、クロム、およびアルミニウムのうちの1つ以上を含み、より好ましくはそれらからなる、実施形態113に記載のプロセス。
【0221】
本発明は、以下の参照例、実施例、および比較例によりさらに特徴づけられる。
【0222】
参照例1:X線回折
ゼオライト材料の平均結晶子サイズを、D8 Advance Series 2(Bruker)およびDiffrac.Topas XRDソフトウェアを使用したX線回折を介して判定する。
【0223】
参照例2:粒度分布
ゼオライト材料の粒度分布およびDv10、Dv50、およびDv90値は、HydroMV分散ユニットを装備したMastersizer3000(Malvern)を使用して判定される。超音波処理持続時間:100%の電力で10分。サイズ測定中の温度:25℃。レーザオブスキュレーション:7~12%。攪拌速度要求1000rpm分析モデル:汎用。微粉末様式:オン。分析感度:正常。散乱モデル:粒子屈折率1.48粒子吸収指数0.10であるMie。サイズ:体積(v)で重み付け。
【0224】
参照例3:pHの判定
pHを、pH電極タイプBlueLine 18 pH(Co. SI Analytics)を使用して、Portamessタイプ911 pH(Knick)を介して判定する。試料を、測定前に完全に混合する。安定したpHを、記録する。
【0225】
参照例4:粘度の判定
全ての粘度測定を、プレート-プレート幾何学形状(直径50mm)、18℃、回転モード、0.1s-1~1000s-1(2秒の持続時間毎に41の測定点)を使用する、AntonPaar MCR 302 Rheometerで実行する。表3において示されるように、特定の値を、10s-1、50s-1、100s-1および316s-1の剪断速度で測定する。空気の巻き込みを回避するために、試料を、測定前に注意深く均質化する。
【0226】
参照例5:保存安定性の判定
以下の参照例8に記載された沈殿に関する定性的視覚試験の両方に合格したジルコニウムイオン源の存在下での二座配位子を、金属ゼオライトおよび任意選択的にアルミナを有する、本発明の懸濁液における保存安定性ついての粘度測定によって定量的に評価する。
【0227】
比較例1~6および実施例1~12によって調製された懸濁液のいくつかの複製を、密封可能な容器に移す。懸濁液を、連続移動下で23℃で一晩保存し、懸濁液の一部分を、参照例4によって分析し、結果は、10s-1、50s-1、100s-1および316s-1のせん断速度に関して初期保存粘度と表示されたせん断速度下で、表3に示される。一晩保存された懸濁液の一部分を、任意の移動なしで、それぞれ、従来型の乾燥オーブン内の密閉容器内で2時間、32℃までさらに加熱する。次いで、加熱された試料を、オーブンから取り出し、連続移動下で23℃まで冷却し、懸濁液を、参照例4によって分析し、結果は、10s-1、50s-1、100s-1および316s-1のせん断速度に関して加熱保存粘度と表示されたせん断速度下で、表3に示される。周囲温度および加熱された試料の両方を、分析し、その結果が、表3に示される。加熱粘度と初期粘度のパーセント差が、二座有機配位子を含まない対応する比較例で観察された同じ粘度のパーセント差と比較して、実質的な増加を示さない場合、試料を、安定していると見なす。
【0228】
参照例6:例えば、脱イオン水の導電率の判定
導電率を、電極タイプKnick、SE 204(Knick)を使用して、Portamessタイプ911 Cond(Knick)を介して判定する。安定した導電率を記録する。
【0229】
参照例7:骨格タイプCHAを有するゼオライト材料
参照例7.1:骨格タイプCHAを有し、モル比、シリカ:アルミナ(SiO:Al、SAR)20:1~30:1を特徴とする骨格構造を有し、CuOとして算出され、ゼオライト材料の骨格Si、Al、およびOの合計重量に基づく、最大5重量%の銅含有量を有し、参照例2に記載されるように判定された、1~10マイクロメートルのDv90を有し、参照例1に記載されるように判定された50~200nmの微結晶サイズを呈する、ゼオライト材料粉末を、提供する。具体的には、25:1のモル比、シリカ:アルミナ(SiO:Al、SAR)を特徴とし、CuOとして算出され、ゼオライト材料の骨格Si、Al、およびOの合計重量に基づく、3.5重量%の銅含有量を有し、参照例2に記載されるように判定された、3.7マイクロメートルのDv90、1.3マイクロメートルのDv50、0.7マイクロメートルのDv10を有し、参照例1に記載されるように判定された149nmの微結晶サイズを呈する、ゼオライト材料を、提供する。
【0230】
参照例7.2:骨格タイプCHAを有し、モル比、シリカ:アルミナ(SiO:Al、SAR)25:1~35:1を特徴とする骨格構造を有し、CuOとして算出され、ゼオライト材料の骨格Si、Al、およびOの合計重量に基づく、最大5重量%の銅含有量を有し、参照例2に記載されるように判定された、1~10マイクロメートルのDv90を有し、参照例1に記載されるように判定された50~200nmの微結晶サイズを呈する、ゼオライト材料粉末を、提供する。具体的には、28.5:1のモル比、シリカ:アルミナ(SiO:Al、SAR)を特徴とし、CuOとして算出され、ゼオライト材料の骨格Si、Al、およびOの合計重量に基づく、3.5重量%の銅含有量を有し、参照例2に記載されるように判定された、3.6マイクロメートルのDv90、1.3マイクロメートルのDv50、0.7マイクロメートルのDv10を有し、参照例1に記載されるように判定された139nmの微結晶サイズを呈する、ゼオライト材料を、提供する。
【0231】
参照例7.3:骨格タイプCHAを有し、モル比、シリカ:アルミナ(SiO:Al、SAR)10:1~25:1を特徴とする骨格構造を有し、CuOとして算出され、ゼオライト材料の骨格Si、Al、およびOの合計重量に基づく、最大5重量%の銅含有量を有し、参照例2に記載されるように判定された、1~10マイクロメートルのDv90を有し、参照例1に記載されるように判定された50~200nmの微結晶サイズを呈する、ゼオライト材料粉末を、提供する。具体的には、18.7:1のモル比、シリカ:アルミナ(SiO:Al、SAR)を特徴とし、CuOとして算出され、ゼオライト材料の骨格Si、Al、およびOの合計重量に基づく、4.8重量%の銅含有量を有し、参照例2に記載されるように判定された、6.9マイクロメートルのDv90、2.9マイクロメートルのDv50、0.7マイクロメートルのDv10を有し、参照例1に記載されるように判定された78nmの微結晶サイズを呈する、ゼオライト材料を、提供する。
【0232】
参照例7.4:骨格タイプCHAを有し、モル比、シリカ:アルミナ(SiO:Al、SAR)10:1~25:1を特徴とする骨格構造を有し、CuOとして算出され、ゼオライト材料の骨格Si、Al、およびOの合計重量に基づく、最大5重量%の銅含有量を有し、参照例2に記載されるように判定された、1~10マイクロメートルのDv90を有し、参照例1に記載されるように判定された50~200nmの微結晶サイズを呈する、ゼオライト材料粉末を、提供する。具体的には、18:4のモル比、シリカ:アルミナ(SiO:Al、SAR)を特徴とし、CuOとして算出され、ゼオライト材料の骨格Si、Al、およびOの合計重量に基づく、0重量%の銅含有量を有し、参照例2に記載されるように判定された、2.1マイクロメートルのDv90、0.6マイクロメートルのDv50、0.4マイクロメートルのDv10を有し、参照例1に記載されるように判定された102nmの微結晶サイズを呈する、ゼオライト材料を、提供する。
【0233】
参照例8:ジルコニウムゾルゲル/沈殿抑制試験
酸性および塩基性pH下でのジルコニウムゾルゲル形成に対するキレート化有機二座配位子の効果を評価するための安定性試験を実施する。目視検査によって、以下の試験中に観察されたいずれの沈殿も、不安定であると見なされ、定性分析の安定性試験に不合格となる。脱イオン水およびZrOとして算出された、30重量%のジルコニウム含有量を有する酢酸ジルコニウム(IV)Zr(OAc)溶液を、23℃で混合する。続いて、有機配位子を、攪拌しながら、添加する(下記の表1を参照)。結果は、配位子を含まない、脱イオン水およびZr(OAc)のみを有する対照実験を含み、以下の表1に記載される。次いで、安定した透明な溶液を示す試料に関して、pHを、モノエタノールアミン(MEA)を使用して8~9の値に調整する。最終製剤は、HO:酢酸ジルコニウム:有機配位子が90:5:5の組成を有する。結果は、配位子を含まない、脱イオン水、Zr(OAc)、およびMEAのみを有する対照実験を含み、以下の表2に記載される。
【表1】
【表2】
【0234】
参照例9:骨格タイプCHAを有する水およびゼオライト材料からなる懸濁液のpH
脱イオン水および懸濁液の合計重量に基づいて、算出された31~35重量%のゼオライト材料からなる懸濁液を、2つの成分を混合することにより形成する。懸濁液のpHを、参照例3により、20℃で測定する。参照例7.1~7.3によるゼオライト材料に関する結果を、以下に示す。
【0235】
参照例9.1:参照例7.1による29.95グラムのゼオライト材料を、60.10グラムの脱イオン水と完全に混合し、20℃で撹拌しながら、参照例3によりpHを測定する。懸濁液は、pH値4.0を有することが見出される。懸濁液を、同じ条件下で24時間撹拌し、測定したところ、4.1のpH値を有することを見出す。
【0236】
参照例9.2:参照例7.2による30.04グラムのゼオライト材料を、59.97グラムの脱イオン水と完全に混合し、20℃で撹拌しながら、参照例3によりpHを測定する。懸濁液は、pH値6.7を有することが見出される。懸濁液を、同じ条件下で24時間撹拌し、測定したところ、6.8のpH値を見出す。
【0237】
参照例9.3:参照例7.3による29.99グラムのゼオライト材料を、60.00グラムの脱イオン水と完全に混合し、20℃で撹拌しながら、参照例3によりpHを測定する。懸濁液は、pH値5.8を有することが見出される。懸濁液を、同じ条件下で24時間撹拌し、測定したところ、6.3のpH値を見出す。
【0238】
比較例1:二座有機配位子を含まない、実施例1による混合物
参照例6に記載されるように判定された、5~20マイクロジーメンスの導電率を有する68.15gの脱イオン水、ZrOとして算出された、30重量%のジルコニウム含有量を有する、11.26gの水性酢酸ジルコニウム(Zr(OAc)x)溶液、および参照例7.1による骨格構造CHAを有する、70.63gの銅含有ゼオライト材料を、この順序で混ぜ、12~25℃の懸濁液の温度で均質化された懸濁液に混合する。
【0239】
次いで、懸濁液を、20℃の懸濁液の温度で18時間および30℃で2時間保存し、続いて、参照例5に記載されるように室温に冷却する。参照例5に記載されるように懸濁液の一部分の保存および加熱後、加熱前および加熱後の粘度を、参照例4によって判定し、懸濁液のpHを参照例3に記載されるように判定する。pHおよび粘度の結果は、以下の表3に示される。
【0240】
比較例2:二座有機配位子を含まない、実施例2による混合物
参照例6に記載されるように判定された、5~20マイクロジーメンス/cmの導電率を有する67.44gの脱イオン水、ZrOとして算出された、30重量%のジルコニウム含有量を有する、11.27gの水性酢酸ジルコニウム(Zr(OAc)x)溶液(比較例1と同一)、および参照例7.2による骨格構造CHAを有する、71.35gの銅含有ゼオライト材料を、この順序で混ぜ、12~25℃の懸濁液の温度で均質化された懸濁液に混合する。
【0241】
次いで、懸濁液を、比較例1の懸濁液と同じ方法で保存する。参照例5に記載されるように懸濁液の一部分の保存および加熱後、加熱前および加熱後の粘度を、参照例4によって判定し、懸濁液のpHを参照例3に記載されるように判定する。pHおよび粘度の結果は、以下の表3に示される。
【0242】
比較例3:二座有機配位子を含まない、実施例3による混合物
参照例6に記載されるように測定された、5~20マイクロジーメンス/cmの導電率を有する69.30gの脱イオン水、ZrOとして算出された、30重量%のジルコニウム含有量を有する、11.27gの水性酢酸ジルコニウム(Zr(OAc)x)溶液(比較例1と同一)、および参照例7.3による骨格構造CHAを有する、69.49gの銅含有ゼオライト材料を、この順序で混ぜ、12~25℃の懸濁液の温度で均質化された懸濁液に混合する。
【0243】
次いで、懸濁液を、比較例1の懸濁液と同じ方法で保存する。参照例5に記載されるように懸濁液の一部分の保存および加熱後、加熱前および加熱後の粘度を、参照例4によって判定し、懸濁液のpHを参照例3に記載されるように判定する。pHおよび粘度の結果は、以下の表3に示される。
【0244】
実施例1:本発明による懸濁液
実施例1の懸濁液を、原則的に比較例1の懸濁液として調整するが、有機二座配位子が添加される。
【0245】
参照例6に記載されるように判定された、5~20マイクロジーメンス/cmの導電率を有する66.90gの脱イオン水、1.26gの乳酸(Sigma-Aldrichより取得、90重量%)、ZrOとして算出された、30重量%のジルコニウム含有量を有する、11.26gの水性酢酸ジルコニウム(Zr(OAc)x)溶液(比較例1と同一)、および参照例7.1による骨格構造CHAを有する、70.66gの銅含有ゼオライト材料を、この順序で混ぜ、12~25℃の懸濁液の温度で均質化された懸濁液に混合する。最終的に得られた懸濁液において、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、得られた錯体中に含まれるジルコニウムイオンの、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に対する重量比、Zr(IV):ゼオライト材料は、0.049である。さらに、最終的に得られた懸濁液において、二座有機配位子の、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、ジルコニウムイオンに対する重量比、配位子:Zr(IV)は、0.34である。
【0246】
次いで、懸濁液を、比較例1の懸濁液と同じ方法で保存する。参照例5に記載されるように懸濁液の一部分の保存および加熱後、加熱前および加熱後の粘度を、参照例4によって判定し、懸濁液のpHを参照例3に記載されるように判定する。pHおよび粘度の結果は、以下の表3に示される。
【0247】
実施例2:本発明による懸濁液
実施例2の懸濁液を、原則的に比較例2の懸濁液として調整するが、有機二座配位子が添加される。
【0248】
参照例6に記載されるように判定された、5~20マイクロジーメンス/cmの導電率を有する66.19gの脱イオン水、1.26gの乳酸(Sigma-Aldrichより取得、90重量%)、ZrOとして算出された、30重量%のジルコニウム含有量を有する、11.26gの水性酢酸ジルコニウム(Zr(OAc)x)溶液(比較例1と同一)、および参照例7.2による骨格構造CHAを有する、71.36gの銅含有ゼオライト材料を、この順序で混ぜ、12~25℃の懸濁液の温度で均質化された懸濁液に混合する。最終的に得られた懸濁液において、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、得られた錯体中に含まれるジルコニウムイオンの、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に対する重量比、Zr(IV):ゼオライト材料は、0.047である。さらに、最終的に得られた懸濁液において、二座有機配位子の、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、ジルコニウムイオンに対する重量比、配位子:Zr(IV)は、0.34である。
【0249】
次いで、懸濁液を、比較例1の懸濁液と同じ方法で保存する。参照例5に記載されるように懸濁液の一部分の保存および加熱後、加熱前および加熱後の粘度を、参照例4によって判定し、懸濁液のpHを参照例3に記載されるように判定する。pHおよび粘度の結果は、以下の表3に示される。
【0250】
実施例3:本発明による懸濁液
実施例3の懸濁液を、原則的に比較例3の懸濁液として調整するが、有機二座配位子が添加される。
【0251】
参照例6に記載されるように判定された、150~200マイクロジーメンス/cmの導電率を有する68.05gの脱イオン水、1.27gの乳酸(Sigma-Aldrichより取得、90重量%)、ZrOとして算出された、30重量%のジルコニウム含有量を有する、11.28gの水性酢酸ジルコニウム(Zr(OAc)x)溶液(比較例1と同一)、および参照例7.3による骨格構造CHAを有する、69.48gの銅含有ゼオライト材料を、この順序で混ぜ、12~25℃の懸濁液の温度で均質化された懸濁液に混合する。最終的に得られた懸濁液において、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、得られた錯体中に含まれるジルコニウムイオンの、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に対する重量比、Zr(IV):ゼオライト材料は、0.049である。さらに、最終的に得られた懸濁液において、二座有機配位子の、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、ジルコニウムイオンに対する重量比、配位子:Zr(IV)は、0.34である。
【0252】
次いで、懸濁液を、比較例1の懸濁液と同じ方法で保存する。参照例5に記載されるように懸濁液の一部分の保存および加熱後、加熱前および加熱後の粘度を、参照例4によって判定し、懸濁液のpHを参照例3に記載されるように判定する。pHおよび粘度の結果は、以下の表3に示される。
【0253】
実施例4:アルミナを添加した、実施例1のような、本発明による懸濁液
実施例4の懸濁液は、原則的に実施例1の懸濁液として調製されるが、懸濁液の合計重量に基づいて算出された、45重量%の一定の合計固体負荷を維持するためにアルミナが添加される。
【0254】
参照例6に記載されるように判定された、150~200マイクロジーメンス/cmの導電率を有する67.24gの脱イオン水、1.26gの乳酸(Sigma-Aldrichより取得、90重量%)、ZrOとして算出された、30重量%のジルコニウム含有量を有する、11.27gの水性酢酸ジルコニウム(Zr(OAc)x)溶液(比較例1と同一)、3.41gのアルミナ(ブレンステッド酸、1マイクロメートル<Dv90<10マイクロメートル)、および参照例7.1による骨格構造CHAを有する、66.95gの銅含有ゼオライト材料を、この順序で混ぜ、12~25℃の懸濁液の温度で均質化された懸濁液に混合する。最終的に得られた懸濁液において、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、得られた錯体中に含まれるジルコニウムイオンの、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に対する重量比、Zr(IV):ゼオライト材料は、0.051である。さらに、最終的に得られた懸濁液において、二座有機配位子の、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、ジルコニウムイオンに対する重量比、配位子:Zr(IV)は、0.34である。
【0255】
次いで、懸濁液を、比較例4の懸濁液と同じ方法で保存する。参照例5に記載されるように懸濁液の一部分の保存および加熱後、加熱前および加熱後の粘度を、参照例4によって判定し、懸濁液のpHを参照例3に記載されるように判定する。pHおよび粘度の結果は、以下の表3に示される。
【0256】
実施例5:アルミナを添加した、実施例2のような、本発明による懸濁液
実施例5の懸濁液は、原則的に実施例2の懸濁液として調製されるが、懸濁液の合計重量に基づいて算出された、45重量%の一定の合計固体負荷を維持するためにアルミナが添加される。
【0257】
参照例6に記載されるように判定された、150~200マイクロジーメンス/cmの導電率を有する66.57gの脱イオン水、1.26gの乳酸(Sigma-Aldrichより取得、90重量%)、ZrOとして算出された、30重量%のジルコニウム含有量を有する、11.26gの水性酢酸ジルコニウム(Zr(OAc)x)溶液(比較例1と同一)、3.39gのアルミナ(ブレンステッド酸、1マイクロメートル<Dv90<10マイクロメートル)、および参照例7.2による骨格構造CHAを有する、67.59gの銅含有ゼオライト材料を、この順序で混ぜ、12~25℃の懸濁液の温度で均質化された懸濁液に混合する。最終的に得られた懸濁液において、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、得られた錯体中に含まれるジルコニウムイオンの、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に対する重量比、Zr(IV):ゼオライト材料は、0.050である。さらに、最終的に得られた懸濁液において、二座有機配位子の、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、ジルコニウムイオンに対する重量比、配位子:Zr(IV)は、0.34である。
【0258】
次いで、懸濁液を、比較例5の懸濁液と同じ方法で保存する。参照例5に記載されるように懸濁液の一部分の保存および加熱後、加熱前および加熱後の粘度を、参照例4によって判定し、懸濁液のpHを参照例3に記載されるように判定する。pHおよび粘度の結果は、以下の表3に示される。
【0259】
実施例6:アルミナを添加した、実施例3のような、本発明による懸濁液
実施例6の懸濁液は、原則的に実施例3の懸濁液として調製されるが、懸濁液の合計重量に基づいて算出された、45重量%の一定の合計固体負荷を維持するためにアルミナが添加される。
【0260】
参照例6に記載されるように判定された、150~200マイクロジーメンス/cmの導電率を有する68.34gの脱イオン水、1.27gの乳酸(Sigma-Aldrichより取得、90重量%)、ZrOとして算出された、30重量%のジルコニウム含有量を有する、11.26gの水性酢酸ジルコニウム(Zr(OAc)x)溶液(比較例1と同一)、3.39gのアルミナ(ブレンステッド酸、1マイクロメートル<Dv90<10マイクロメートル)、および参照例7.3による骨格構造CHAを有する、65.86gの銅含有ゼオライト材料を、この順序で混ぜ、12~25℃の懸濁液の温度で均質化された懸濁液に混合する。最終的に得られた懸濁液において、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、得られた錯体中に含まれるジルコニウムイオンの、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に対する重量比、Zr(IV):ゼオライト材料は、0.051である。さらに、最終的に得られた懸濁液において、二座有機配位子の、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、ジルコニウムイオンに対する重量比、配位子:Zr(IV)は、0.34である。
【0261】
次いで、懸濁液を、比較例6の懸濁液と同じ方法で保存する。参照例5に記載されるように懸濁液の一部分の保存および加熱後、加熱前および加熱後の粘度を、参照例4によって判定し、懸濁液のpHを参照例3に記載されるように判定する。pHおよび粘度の結果は、以下の表3に示される。
【0262】
実施例7:より大きい量の有機二座配位子を添加した、実施例4のような、本発明による懸濁液
実施例7の懸濁液を、実質的に実施例4の懸濁液として調製するが、より大きい量の有機二座配位子が添加される。
【0263】
参照例6に記載されるように判定された、150~200マイクロジーメンス/cmの導電率を有する65.98gの脱イオン水、2.51gの乳酸(Sigma-Aldrichより取得、90重量%)、ZrOとして算出された、30重量%のジルコニウム含有量を有する、11.26gの水性酢酸ジルコニウム(Zr(OAc)x)溶液(比較例1と同一)、3.39gのアルミナ(ブレンステッド酸、1マイクロメートル<Dv90<10マイクロメートル)、および参照例7.1による骨格構造CHAを有する、66.92gの銅含有ゼオライト材料を、この順序で混ぜ、12~25℃の懸濁液の温度で均質化された懸濁液に混合する。最終的に得られた懸濁液において、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、得られた錯体中に含まれるジルコニウムイオンの、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に対する重量比、Zr(IV):ゼオライト材料は、0.050である。さらに、最終的に得られた懸濁液において、二座有機配位子の、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、ジルコニウムイオンに対する重量比、配位子:Zr(IV)は、0.67である。
【0264】
次いで、懸濁液を、実施例4の懸濁液と同じ方法で保存する。参照例5に記載されるように懸濁液の一部分の保存および加熱後、加熱前および加熱後の粘度を、参照例4によって判定し、懸濁液のpHを参照例3に記載されるように判定する。pHおよび粘度の結果は、以下の表3に示される。
【0265】
実施例8:より大きい量の有機二座配位子を添加した、実施例5のような、本発明による懸濁液
実施例8の懸濁液を、実質的に実施例5の懸濁液として調製するが、より大きい量の有機二座配位子が添加される。
【0266】
参照例6に記載されるように判定された、150~200マイクロジーメンス/cmの導電率を有する65.33gの脱イオン水、2.53gの乳酸(Sigma-Aldrichより取得、90重量%)、ZrOとして算出された、30重量%のジルコニウム含有量を有する、11.29gの水性酢酸ジルコニウム(Zr(OAc)x)溶液(比較例1と同一)、3.41gのアルミナ(ブレンステッド酸、1マイクロメートル<Dv90<10マイクロメートル、実施例と同一)、および参照例7.2による骨格構造CHAを有する、67.61gの銅含有ゼオライト材料を、この順序で混ぜ、12~25℃の懸濁液の温度で均質化された懸濁液に混合する。最終的に得られた懸濁液において、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、得られた錯体中に含まれるジルコニウムイオンの、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に対する重量比、Zr(IV):ゼオライト材料は、.050である。さらに、最終的に得られた懸濁液において、二座有機配位子の、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、ジルコニウムイオンに対する重量比、配位子:Zr(IV)は、0.67である。
【0267】
次いで、懸濁液を、実施例5の懸濁液と同じ方法で保存する。参照例5に記載されるように懸濁液の一部分の保存および加熱後、加熱前および加熱後の粘度を、参照例4によって判定し、懸濁液のpHを参照例3に記載されるように判定する。pHおよび粘度の結果は、以下の表3に示される。
【0268】
実施例9:より大きい量の有機二座配位子を添加した、実施例6のような、本発明による懸濁液
実施例9の懸濁液を、実質的に実施例6の懸濁液として調製するが、より大きい量の有機二座配位子が添加される。
【0269】
参照例6に記載されるように判定された、150~200マイクロジーメンス/cmの導電率を有する67.08gの脱イオン水、2.51gの乳酸(Sigma-Aldrichより取得、90重量%)、ZrOとして算出された、30重量%のジルコニウム含有量を有する、11.28gの水性酢酸ジルコニウム(Zr(OAc)x)溶液(比較例1と同一)、3.41gのアルミナ(ブレンステッド酸、1マイクロメートル<Dv90<10マイクロメートル、実施例と同一)、および参照例7.3による骨格構造CHAを有する、65.84gの銅含有ゼオライト材料を、この順序で混ぜ、12~25℃の懸濁液の温度で均質化された懸濁液に混合する。最終的に得られた懸濁液において、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、得られた錯体中に含まれるジルコニウムイオンの、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に対する重量比、Zr(IV):ゼオライト材料は、0.051である。さらに、最終的に得られた懸濁液において、二座有機配位子の、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、ジルコニウムイオンに対する重量比、配位子:Zr(IV)は、0.67である。
【0270】
次いで、懸濁液を、実施例6の懸濁液と同じ方法で保存する。参照例5に記載されるように懸濁液の一部分の保存および加熱後、加熱前および加熱後の粘度を、参照例4によって判定し、懸濁液のpHを参照例3に記載されるように判定する。pHおよび粘度の結果は、以下の表3に示される。
【0271】
比較例4:有機二座配位子を含まない、実施例4による懸濁液
比較例4の懸濁液を、本質的に実施例4の懸濁液として調製するが、有機二座配位子の添加はない。
【0272】
参照例6に記載されるように判定された、150~200マイクロジーメンス/cmの導電率を有する68.51gの脱イオン水、ZrOとして算出された、30重量%のジルコニウム含有量を有する、11.27gの水性酢酸ジルコニウム(Zr(OAc)x)溶液(比較例1と同一)、3.41gのアルミナ(ブレンステッド酸、1マイクロメートル<Dv90<10マイクロメートル)、および参照例7.1による骨格構造CHAを有する、66.97gの銅含有ゼオライト材料を、この順序で混ぜ、12~25℃の懸濁液の温度で均質化された懸濁液に混合する。最終的に得られた懸濁液において、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、得られた錯体中に含まれるジルコニウムイオンの、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に対する重量比、Zr(IV):ゼオライト材料は、0.050である。
【0273】
次いで、懸濁液を、実施例4の懸濁液と同じ方法で保存する。保存後、粘度を、参照例4に記載されるように判定し、懸濁液のpHを、参照例3に記載されるように判定する。pHおよび粘度の結果は、以下の表3に示される。
【0274】
比較例5:有機二座配位子を含まない、実施例5による懸濁液
比較例5の懸濁液を、本質的に実施例5の懸濁液として調製するが、有機二座配位子の添加はない。
【0275】
参照例6に記載されるように判定された、150~200マイクロジーメンス/cmの導電率を有する67.58gの脱イオン水、ZrOとして算出された、30重量%のジルコニウム含有量を有する、11.28gの水性酢酸ジルコニウム(Zr(OAc)x)溶液(比較例1と同一)、3.41gのアルミナ(ブレンステッド酸、1マイクロメートル<Dv90<10マイクロメートル)、および参照例7.2による骨格構造CHAを有する、67.61gの銅含有ゼオライト材料を、この順序で混ぜ、12~25℃の懸濁液の温度で均質化された懸濁液に混合する。最終的に得られた懸濁液において、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、得られた錯体中に含まれるジルコニウムイオンの、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に対する重量比、Zr(IV):ゼオライト材料は、0.050である。
【0276】
次いで、懸濁液を、実施例4の懸濁液と同じ方法で保存する。保存後、粘度を、参照例4に記載されるように判定し、懸濁液のpHを、参照例3に記載されるように判定する。pHおよび粘度の結果は、以下の表3に示される。
【0277】
比較例6:有機二座配位子を含まない、実施例6による懸濁液
比較例6の懸濁液を、本質的に実施例6の懸濁液として調製するが、有機二座配位子の添加はない。
【0278】
参照例6に記載されるように判定された、150~200マイクロジーメンス/cmの導電率を有する69.59gの脱イオン水、ZrOとして算出された、30重量%のジルコニウム含有量を有する、11.27gの水性酢酸ジルコニウム(Zr(OAc)x)溶液(比較例1と同一)、3.41gのアルミナ(ブレンステッド酸、1マイクロメートル<Dv90<10マイクロメートル)、および参照例7.3による骨格構造CHAを有する、65.87gの銅含有ゼオライト材料を、この順序で混ぜ、12~25℃の懸濁液の温度で均質化された懸濁液に混合する。最終的に得られた懸濁液において、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、得られた錯体中に含まれるジルコニウムイオンの、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に対する重量比、Zr(IV):ゼオライト材料は、0.051である。
【0279】
次いで、懸濁液を、実施例4の懸濁液と同じ方法で保存する。保存後、粘度を、参照例4に記載されるように判定し、懸濁液のpHを、参照例3に記載されるように判定する。pHおよび粘度の結果は、以下の表3に示される。
【0280】
実施例10:より大きい量の有機二座配位子を添加した、実施例1のような、本発明による懸濁液
実施例10の懸濁液を、実質的に実施例1の懸濁液として調製するが、より大きい量の有機二座配位子が添加される。
【0281】
参照例6に記載されるように判定された、150~200マイクロジーメンス/cmの導電率を有する65.66gの脱イオン水、2.51gの乳酸(Sigma-Aldrichより取得、90重量%)、ZrOとして算出された、30重量%のジルコニウム含有量を有する、11.27gの水性酢酸ジルコニウム(Zr(OAc)x)溶液(比較例1と同一)、および参照例7.1による骨格構造CHAを有する、70.64gの銅含有ゼオライト材料を、この順序で混ぜ、12~25℃の懸濁液の温度で均質化された懸濁液に混合する。最終的に得られた懸濁液において、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、得られた錯体中に含まれるジルコニウムイオンの、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に対する重量比、Zr(IV):ゼオライト材料は、0.048である。さらに、最終的に得られた懸濁液において、二座有機配位子の、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、ジルコニウムイオンに対する重量比、配位子:Zr(IV)は、0.67である。
【0282】
次いで、懸濁液を、実施例1の懸濁液と同じ方法で保存する。保存後、粘度を、参照例4に記載されるように判定し、懸濁液のpHを、参照例3に記載されるように判定する。pHおよび粘度の結果は、以下の表3に示される。
【0283】
実施例11:より大きい量の有機二座配位子を添加した、実施例2のような、本発明による懸濁液
実施例11の懸濁液を、実質的に実施例2の懸濁液として調製するが、より大きい量の有機二座配位子が添加される。
【0284】
参照例6に記載されるように判定された、150~200マイクロジーメンス/cmの導電率を有する64.94gの脱イオン水、2.52gの乳酸(Sigma-Aldrichより取得、90重量%)、ZrOとして算出された、30重量%のジルコニウム含有量を有する、11.26gの水性酢酸ジルコニウム(Zr(OAc)x)溶液(比較例1と同一)、および参照例7.2による骨格構造CHAを有する、71.35gの銅含有ゼオライト材料を、この順序で混ぜ、12~25℃の懸濁液の温度で均質化された懸濁液に混合する。最終的に得られた懸濁液において、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、得られた錯体中に含まれるジルコニウムイオンの、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に対する重量比、Zr(IV):ゼオライト材料は、0.047である。さらに、最終的に得られた懸濁液において、二座有機配位子の、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、ジルコニウムイオンに対する重量比、配位子:Zr(IV)は、0.67である。
【0285】
次いで、懸濁液を、実施例1の懸濁液と同じ方法で保存する。保存後、粘度を、参照例4に記載されるように判定し、懸濁液のpHを、参照例3に記載されるように判定する。pHおよび粘度の結果は、以下の表3に示される。
【0286】
実施例12:より大きい量の有機二座配位子を添加した、実施例3のような、本発明による懸濁液
実施例12の懸濁液を、本質的に実施例3の懸濁液として調製するが、より多くの有機二座配位子が添加される。
【0287】
参照例6に記載されるように判定された、150~200マイクロジーメンス/cmの導電率を有する66.80gの脱イオン水、2.52gの乳酸(Sigma-Aldrichより取得、90重量%)、ZrOとして算出された、30重量%のジルコニウム含有量を有する、11.26gの水性酢酸ジルコニウム(Zr(OAc)x)溶液(比較例1と同一)、および参照例7.3による骨格構造CHAを有する、69.49gの銅含有ゼオライト材料を、この順序で混ぜ、12~25℃の懸濁液の温度で均質化された懸濁液に混合する。最終的に得られた懸濁液において、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、得られた錯体中に含まれるジルコニウムイオンの、ゼオライト材料の骨格Si、AlおよびOの合計重量に対する重量比、Zr(IV):ゼオライト材料は、0.049である。さらに、最終的に得られた懸濁液において、二座有機配位子の、酸化ジルコニウム(IV)として算出された、ジルコニウムイオンに対する重量比、配位子:Zr(IV)は、0.67である。
【0288】
次いで、懸濁液を、実施例1の懸濁液と同じ方法で保存する。保存後、粘度を、参照例4に記載されるように判定し、懸濁液のpHを、参照例3に記載されるように判定する。pHおよび粘度の結果は、以下の表3に示される。
【表3】