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特許7497420カメラウエハを使用した台座セットアップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】カメラウエハを使用した台座セットアップ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20240603BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20240603BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240603BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
H01L21/205
H01L21/68 R
H01L21/302 101B
H01L21/31 C
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022506064
(86)(22)【出願日】2020-07-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-07
(86)【国際出願番号】 US2020043414
(87)【国際公開番号】W WO2021021604
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2023-07-12
(31)【優先権主張番号】62/879,654
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クルカルニ・プラサナ
(72)【発明者】
【氏名】バツァー・レイチェル・イー.
(72)【発明者】
【氏名】タン・テッド
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナスワミ・ヴィヴェーカーナンダン
(72)【発明者】
【氏名】ウーンプラサート・ブーンヤリト
(72)【発明者】
【氏名】フィールダー・ショーン
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-124081(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
H01L 21/683
H01L 21/3065
H01L 21/31
C23C 16/50
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の平面に沿って配置されている環状部材と、
前記環状部材の外径から前記第1の平面に対して垂直に延伸するN個の第1の部材と、Nは、2よりも大きい整数であり、前記N個の第1の部材の各々の第1の部分は、前記第1の平面の上方に延伸し、前記N個の第1の部材の各々の第2の部分は、前記第1の平面の下方に延伸し、
前記第1の平面に平行な第2の平面に沿って、前記N個の第1の部材の前記第2の部分から半径方向外向きに延伸するN個の第2の部材と、前記N個の第2の部材の各々は、前記N個の第1の部材の異なる対の間にある、
ことを備える、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記環状部材、前記N個の第1の部材、および前記N個の第2の部材は、単一の構造を構成する、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、
前記環状部材、前記N個の第1の部材、および前記N個の第2の部材は、金属で作製されている、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置はさらに、
長さが等しく、前記第2の平面に対して垂直に前記N個の第2の部材からそれぞれ下向きに延伸する非研磨性材料で作製されているN個の第3の部材を備える、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置はさらに、
等しい長さおよび円錐端を有し、前記第2の平面に対して垂直に前記N個の第2の部材からそれぞれ下向きに延伸する非研磨性材料で作製されているN個のピンを備え、
前記N個のピンは、前記環状部材の中心から等距離にあり、前記N個の第2の部材におけるねじ付きスロットと係合可能なねじ山を含む、
装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置はさらに、
長さが等しく、前記N個の第2の部材におけるそれぞれのスロットに配置されている非研磨性材料で作製されているN個の第3の部材を備え、
前記N個の第3の部材の各々は、弧状であり、
前記第2の平面に平行な前記N個の第2の部材のそれぞれに締結されている第1の要素と、
前記第1の要素から前記第2の平面の下方に、かつ前記N個の第2の部材の前記それぞれの下方に垂直に延伸する第2の要素と、
前記第1の要素から前記第2の平面の下方に、かつ前記N個の第2の部材の前記それぞれの下方に垂直に延び、前記第2の要素よりも小さく延伸する第3の要素と
を含む、
装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、
前記第1、第2、および第3の要素は、単一の構造を構成する、装置。
【請求項8】
請求項6に記載の装置であって、
前記第1の要素は、前記第2および第3の要素よりも長い弧長を有する、装置。
【請求項9】
請求項6に記載の装置であって、
前記N個の第3の部材の前記第3の要素の遠位端は、前記第2の平面に平行な平面にある、装置。
【請求項10】
請求項6に記載の装置はさらに、
長さが等しく、前記環状部材の中心から同じ半径方向距離にある前記N個の第2の部材におけるそれぞれのねじ付きスロットを通って前記第2の平面に対して垂直下向きに延伸する非研磨性材料で作製されているN個のピンを備え、
前記N個のピンの各々は、
上部と、
円錐底部と、
前記ねじ付きスロットのそれぞれと係合可能な前記上部と前記底部との間のねじ付き部分とを含む、
装置。
【請求項11】
処理チャンバ内の台座の上面に装置を配置し、前記装置は、
環状部材、
前記台座の前記上面に平行かつ上方の平面内で前記環状部材を支持するN個の支持部材と、Nは、2よりも大きい整数であり、
前記環状部材の円周に沿って前記平面に垂直に配置されているN個のピンと、前記N個のピンの各々は、前記装置内のそれぞれのねじ付きスロットと係合可能なねじ山を含み、前記台座の前記上面を向いており、前記台座の前記上面の周囲と係合可能な円錐端を含むことを備え、
前記N個のピンの1つまたは複数を調整することによって、前記環状部材の中心を前記台座の中心に位置合わせすること
を備える、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法はさらに、
前記N個のピンのそれぞれと接触する前記装置内のそれぞれのスロットにN個のレベル表示デバイスを配置し、
前記N個のレベル表示デバイスが同じレベルを示すまで前記N個のピンの1つまたは複数を調整することによって、前記環状部材の前記中心を前記台座の前記中心に位置合わせすることを備える、方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法はさらに、
前記環状部材上に同心円状にウエハを配置し、前記ウエハは、前記ウエハの中心にあり、前記処理チャンバ内の前記台座の上に配置されているシャワーヘッドに配向されているカメラを含み、
前記カメラを使用して前記シャワーヘッドの1つまたは複数の画像をキャプチャし、
前記1つまたは複数の画像に基づいて、前記台座の前記中心を前記シャワーヘッドの中心に位置合わせすることを備える、方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法はさらに、
前記環状部材上に同心円状にウエハを配置し、前記ウエハは、前記ウエハの中心にあり、前記処理チャンバ内の前記台座の上に配置されているシャワーヘッドに配向されているカメラを含み、前記カメラとおよび前記処理チャンバの外部のコンピューティングデバイスと通信する無線送信機を含み、
前記無線送信機を使用して前記1つまたは複数の画像を前記コンピューティングデバイスに送信し、
前記コンピューティングデバイスにおいて前記1つまたは複数の画像を処理し、
前記処理に基づいて、前記台座の前記中心を前記シャワーヘッドの中心に位置合わせすることを備える、方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、
前記環状部材上に同心円状にウエハを配置し、前記ウエハは、前記ウエハの中心にあり、前記処理チャンバ内の前記台座の上に配置されているシャワーヘッドに配向されているカメラを含み、前記カメラとおよび前記処理チャンバの外部のコンピューティングデバイスと通信する無線送信機を含み、
前記処理チャンバを閉じ、
前記処理チャンバ内に真空を生成し、
前記カメラを使用して前記シャワーヘッドの1つまたは複数の画像をキャプチャし、
前記無線送信機を使用して前記1つまたは複数の画像を前記コンピューティングデバイスに送信し、
前記コンピューティングデバイスにおいて前記1つまたは複数の画像を処理し、
前記台座の前記中心が前記シャワーヘッドの中心に位置合わせされるまで、前記処理に基づいて、前記台座を移動させることを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、2019年7月29日に出願された米国仮特許出願第62/879,654号のPCT国際出願である。上記で参照された出願の全体の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、基板処理システムに関し、より詳細には、カメラウエハを使用して台座をセットアップするための固定具に関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供される背景の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明されている範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0004】
基板処理システムは、典型的には、半導体ウエハなどの基板の堆積、エッチング、および他の処理を実施する複数の処理チャンバ(プロセスモジュールとも呼ばれる)を含む。基板上で実施することができるプロセスの例には、限定はしないが、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)プロセス、化学強化プラズマ気相堆積(CEPVD)プロセス、およびスパッタリング物理気相堆積(PVD)プロセスが挙げられる。基板上で実施することができるプロセスの追加の例には、限定はしないが、エッチング(例えば、化学エッチング、プラズマエッチング、反応性イオンエッチングなど)および洗浄プロセスが挙げられる。
【0005】
処理中、基板は、基板処理システムの処理チャンバ内の台座、静電チャック(ESC)などの基板支持体上に配置される。堆積中、1つまたは複数の前駆体を含むガス混合物が処理チャンバに導入され、プラズマが打たれて化学反応を活性化する。エッチング中、エッチングガスを含むガス混合物が処理チャンバに導入され、プラズマが打たれて化学反応を活性化する。コンピュータ制御式ロボットが、典型的には、基板が処理される順序で、ある処理チャンバから別の処理チャンバに基板を移送する。
【発明の概要】
【0006】
装置は、第1の平面に沿って配置されている環状部材と、環状部材の外径から第1の平面に垂直に延伸するN個の第1の部材であって、Nは、2よりも大きい整数であるN個の第1の部材とを備える。N個の第1の部材の各々の第1の部分は、第1の平面の上方に延び、N個の第1の部材の各々の第2の部分は、第1の平面の下方に延伸する。装置は、第1の平面に平行な第2の平面に沿って、N個の第1の部材の第2の部分から半径方向外向きに延伸するN個の第2の部材をさらに備える。N個の第2の部材の各々は、N個の第1の部材の異なる対の間にある。
【0007】
別の特徴において、環状部材、N個の第1の部材、およびN個の第2の部材は、単一の構造を構成する。
【0008】
別の特徴において、環状部材、N個の第1の部材、およびN個の第2の部材は、金属で作製される。
【0009】
別の特徴において、装置は、長さが等しく、第2の平面に対して垂直にN個の第2の部材からそれぞれ下向きに延伸する非研磨性材料で作製されているN個の第3の部材をさらに備える。
【0010】
別の特徴において、装置は、等しい長さおよび円錐端を有し、第2の平面に垂直にN個の第2の部材からそれぞれ下向きに延伸する非研磨性材料で作製されているN個のピンをさらに備える。N個のピンは、環状部材の中心から等距離にあり、N個の第2の部材におけるねじ付きスロットと係合可能なねじ山を含む。
【0011】
他の特徴において、装置は、長さが等しく、N個の第2の部材におけるそれぞれのスロットに配置されている非研磨性材料で作製されているN個の第3の部材をさらに備える。N個の第3の部材の各々は、弧状であり、第1の要素と、第2の要素と、第3の要素とを含む。第1の要素は、第2の平面に平行なN個の第2の部材のそれぞれに締結される。第2の要素は、第1の要素から第2の平面の下方に、かつN個の第2の部材のそれぞれの下方に垂直に延伸する。第3の要素は、第1の要素から第2の平面の下方に、かつN個の第2の部材のそれぞれの下方に垂直に延び、第2の要素よりも小さく延伸する。
【0012】
別の特徴において、第1、第2、および第3の要素は、単一の構造を構成する。
【0013】
別の特徴において、第1の要素は、第2および第3の要素よりも長い弧長を有する。
【0014】
別の特徴において、N個の第3の部材の第3の要素の遠位端は、第2の平面に平行な平面にある。
【0015】
別の特徴において、装置は、長さが等しく、環状部材の中心から同じ半径方向距離にあるN個の第2の部材におけるそれぞれのねじ付きスロットを通って第2の平面に対して垂直下向きに延伸する非研磨性材料で作製されているN個のピンをさらに備える。N個のピンの各々は、上部と、円錐底部と、ねじ付きスロットのそれぞれと係合可能な上部と底部との間のねじ付き部分とを含む。
【0016】
さらに他の特徴において、方法は、処理チャンバ内の台座の上面に装置を配置することを備える。装置は、環状部材、N個の支持部材、およびN個のピンを備え、Nは、2よりも大きい整数である。N個の支持部材は、台座の上面に平行かつ上方の平面内で環状部材を支持する。N個のピンは、環状部材の円周に沿って平面に対して垂直に配置される。N個のピンの各々は、装置内のそれぞれのねじ付きスロットと係合可能なねじ山を含む。N個のピンの各々は、台座の上面方向を向いており、台座の上面の周囲と係合可能な円錐端を含む。方法は、N個のピンの1つまたは複数を調整することによって、環状部材の中心を台座の中心に位置合わせすることをさらに含む。
【0017】
他の特徴において、方法は、N個のピンのそれぞれと接触する装置内のそれぞれのスロットにN個のレベル表示デバイスを配置することをさらに含む。方法は、N個のレベル表示デバイスが同じレベルを示すまでN個のピンの1つまたは複数を調整することによって、環状部材の中心を台座の中心に位置合わせすることをさらに含む。
【0018】
他の特徴において、方法は、環状部材上に同心円状にウエハを配置することをさらに含む。ウエハは、ウエハの中心にカメラを含む。カメラは、処理チャンバ内の台座の上に配置されているシャワーヘッドに配向されている。方法は、カメラを使用してシャワーヘッドの1つまたは複数の画像をキャプチャすることをさらに含む。方法は、1つまたは複数の画像に基づいて、台座の中心をシャワーヘッドの中心に位置合わせすることをさらに含む。
【0019】
他の特徴において、方法は、環状部材上に同心円状にウエハを配置することをさらに含む。ウエハは、ウエハの中心にカメラを含む。カメラは、処理チャンバ内の台座の上に配置されているシャワーヘッドに配向されている。ウエハは、カメラとおよび処理チャンバの外部のコンピューティングデバイスと通信する無線送信機をさらに含む。方法は、無線送信機を使用して1つまたは複数の画像をコンピューティングデバイスに送信することと、コンピューティングデバイスにおいて1つまたは複数の画像を処理することと、処理に基づいて、台座の中心をシャワーヘッドの中心に位置合わせすることとをさらに含む。
【0020】
他の特徴において、方法は、環状部材上に同心円状にウエハを配置することをさらに含む。ウエハは、ウエハの中心にカメラを含む。カメラは、処理チャンバ内の台座の上に配置されているシャワーヘッドに配向されている。ウエハは、カメラとおよび処理チャンバの外部のコンピューティングデバイスと通信する無線送信機をさらに含む。方法は、処理チャンバを閉じることと、処理チャンバ内に真空を生成することをさらに含む。方法は、カメラを使用してシャワーヘッドの1つまたは複数の画像をキャプチャすることと、無線送信機を使用して1つまたは複数の画像をコンピューティングデバイスに送信することとをさらに含む。方法は、コンピューティングデバイスにおいて1つまたは複数の画像を処理することと、台座の中心がシャワーヘッドの中心に位置合わせされるまで、処理に基づいて、台座を移動させることとをさらに含む。
【0021】
本開示を適用可能な他の分野は、詳細な説明、特許請求の範囲および図面から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本開示は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【0023】
図1図1は、処理チャンバを備える基板処理システムの一例を示す図である。
【0024】
図2図2は、処理チャンバ内で台座をシャワーヘッドに位置合わせするための固定具を示す図である。
【0025】
図3図3は、処理チャンバ内で台座をシャワーヘッドに位置合わせする固定具と共に使用されるカメラを備えるウエハを示す図である。
【0026】
図4図4は、カメラを含むウエハと共に固定具を示す図である。
【0027】
図5図5は、固定具の下側からの固定具の図である。
【0028】
図6図6は、厳しい公差で製造されている固定具の要素を示す図である。
【0029】
図7図7は、固定具の追加の図である。
【0030】
図8図8は、固定具の追加の構造の詳細を示す図である。
図9図9は、固定具の追加の構造の詳細を示す図である。
【0031】
図10図10は、台座に置かれた固定具の接触パッドの構造の詳細を示す図である。
【0032】
図11図11は、固定具を台座に位置合わせするために使用される固定具上のピンの構造の詳細を示す図である。
【0033】
図12図12は、台座をシャワーヘッドに位置合わせするために使用される固定具およびコンピューティングデバイスを備えるシステムの概略図である
【0034】
図13図13は、固定具を使用して台座をシャワーヘッドに位置合わせするための方法のフローチャートである。
【0035】
これらの図面において、参照番号は、類似の要素および/または同一の要素を指すために再度利用されることがある。
【発明を実施するための形態】
【0036】
ウエハ上の均一性(例えば、堆積プロセスにおける)は、台座とシャワーヘッドの位置合わせに依存する。台座とシャワーヘッドボアとの間のギャップは、プロセスガスの流れに影響を与える。不均一なギャップは不均一な流れを引き起こし、これは次に不均一性を増加させる。台座は、典型的には、処理チャンバの中心を基準にしてセットアップされ、これにより不均一なギャップがもたらされる。
【0037】
台座とシャワーヘッドの位置合わせには、ウエハの中心にカメラが統合されているウエハ(以下、カメラウエハ)が使用される。しかし、カメラウエハをカメラウエハと台座との間の位置合わせに使用する際、再現性のある結果を達成することは困難である。カメラウエハと共に使用される現在の固定具は、台座に緩くフィットしてセットアップの再現性に悪影響を及ぼすか、またはきつすぎることで台座に擦れ傷をもたらす。密接な台座とシャワーヘッドの位置合わせを達成するためには、カメラウエハをしっかりと台座の中心に配置する必要がある。カメラウエハと共に使用される固定具は、再現性を位置合わせプロセスに提供する必要がある。固定具はまた、様々な台座のサイズおよび変動(公差)にも対応する必要がある。
【0038】
本開示に従って設計された固定具は、台座に擦れ傷をもたらすことなく台座にカメラウエハを載置し、最大0.005インチ(0.127ミリメートル)の再現性を提供する。固定具は、台座とシャワーヘッドの位置合わせプロセスの再現性を向上させる。固定具は、台座がむき出しであるか、コーティングされているか、またはコンディショニングされているかどうかに関係なく、および台座の構成に使用される材料(例えば、金属、セラミックなど)に関係なく、様々なサイズの台座に対応する。
【0039】
台座をセットアップする現在の方法では、台座をスピンドルに位置合わせする。この目的で使用される固定具は公差が大きく、必ずしも台座をシャワーヘッドに位置合わせする必要はない。位置合わせのずれは、方位角の不均一性につながる。ウエハ上の均一性に対する需要の高まりにより、信頼性の低い台座位置合わせプロセスは、台座の設置または交換後に処理チャンバを回収するために処理チャンバに複数の開口部を生じさせる場合がある。
【0040】
本開示のシステムおよび方法を使用することで、カメラウエハは、大きなシステムレベルの公差を正確に補償しながら、そのシャワーヘッドと位置合わせして各台座をセットアップするために使用される。本開示に従って設計された固定具は、カメラウエハの外径(OD)に密接した寸法になっている。すなわち、固定具は、厳しい公差で製造されたカメラウエハのODを使用して、カメラウエハを固定具の中心に配置する。
【0041】
カメラウエハを備えた固定具は、台座の上面に置かれる。カメラウエハは、台座の上面に平行な固定具の隆起した環状プラットフォームに置かれる。以下で詳細に説明する固定具の設計上の特徴により、固定具の隆起した環状プラットフォームは、閉じ込められた空気に対する通気経路、位置合わせに使用されるカメラウエハとデータ取得デバイスとの間の良好な接続性、ならびにカメラウエハの載置および取り外しのためのカメラウエハに対する容易なアクセスを提供する。固定具は、台座表面への損傷を防止するために非研磨性の表面で作製されている3つの脚部(以下の説明では接触パッドと呼ばれる)を有する。脚部の高さおよび平行度の公差は、厳密に制御されている。
【0042】
固定具は、台座のODを基準に3つの円錐ピンを使用して台座の中心に配置される。円錐ピンは、台座表面を保護するために非研磨性材料で作製される。円錐ピンは固定具にねじ込まれ、様々なODの台座に対応するように調整することができる。円錐ピンの長さは、厳密に制御されている。円錐ピンが固定具と台座の中心を位置合わせするように調整されると、円錐ピンの円錐形端部が台座のODに沿って垂直(上下)にスライドする。これにより、固定具が台座の上面に平行に水平に移動し、固定具と台座の中心の位置合わせが容易になる。
【0043】
固定具と台座の中心を位置合わせするために、固定具の基準面に対する円錐ピンの上面の高さがダイヤルゲージ(レベルインジケータ)を使用して測定される。3つの円錐ピンすべてが同じ高さに設定されている場合、円錐ピンの端点は、固定具およびカメラウエハと同心の円を画定する。この時点で、固定具とカメラウエハの中心は、台座の中心に位置合わせされる。次に、以下で詳細に説明するように台座を移動させることによって、台座の中心がシャワーヘッドの中心に位置合わせされる(すなわち、カメラウエハの中心および固定具の中心がシャワーヘッドの中心の穴に位置合わせされる)。
【0044】
固定具を使用して、ピンの高さを変えることによって固定具の中心と台座の中心との間に計算されたオフセットを故意に作り出すことも可能である。この特徴を使用して、台座とシャワーヘッドとの間に意図的なオフセットを作り出し、他の方位角の不均一性を補償することができる。固定具は、位置合わせ手順の再現性のために、カメラウエハ上のノッチを位置合わせするためのマーキングを有する。
【0045】
したがって、本開示による固定具は、正確かつ再現性があり、台座固有である位置合わせを提供する。固定具は、様々な台座サイズに対応する。固定具は、非研磨性の接点を有する。固定具は、固定具の隆起した環状プラットフォームが位置合わせプロセスに使用されるため、プロセスにおける高さで台座位置合わせを実施する。
【0046】
本開示は、以下のように構成されている。最初に、処理チャンバの一例が、図1を参照して示され説明される。続いて、本開示による固定具の構造が、図2図11を参照して説明される。その後、台座をシャワーヘッドに位置合わせするための固定具の使用が、図12および図13を参照して説明される。具体的には、固定具の構造の詳細が、図2図7を参照して示され説明される。固定具の技術図面が、図8図11に示される。次に、固定具を使用する位置合わせプロセスが、図12および図13を参照して説明される。具体的には、台座をシャワーヘッドに位置合わせするために使用される固定具およびコンピューティングデバイスを備えるシステムが、図12を参照して示され説明される。固定具を使用して台座をシャワーヘッドに位置合わせする方法が、図13を参照して示され説明される。
【0047】
図1は、処理チャンバ102を備える基板処理システム100の一例を示す。この例はプラズマ強化化学気相堆積(PECVD)の場面で説明されているが、本開示の教示は、原子層堆積(ALD)、プラズマ強化ALD(PEALD)、CVD、またはエッチングプロセスを含む他の処理などの他のタイプの基板処理に適用することができる。システム100は、システム100の他の構成要素を取り囲み、RFプラズマ(使用される場合)を含む処理チャンバ102を備える。処理チャンバ102は、上部電極104と、静電チャック(ESC)106または他の基板支持体とを備える。動作中、基板108が、ESC106上に配置される。
【0048】
例えば、上部電極104は、プロセスガスを導入および分配するシャワーヘッドなどのガス分配デバイス110を含み得る。ガス分配デバイス110は、処理チャンバ102の上面に接続されている一端を含むステム部分を含むことができる。シャワーヘッドのベース部分は、概して円筒形であり、処理チャンバ102の上面から離間された場所で、ステム部分の反対側の端部から半径方向外向きに延伸する。シャワーヘッドのベース部分の基板に面する表面またはフェースプレートは、気化した前駆体、プロセスガス、またはパージガスが流れる複数の穴を含む。あるいは、上部電極104は、導電性プレートを含むことができ、プロセスガスは、別の方式で導入することができる。
【0049】
ESC106は、下部電極として作用するベースプレート112を備える。ベースプレート112は、セラミックマルチゾーン加熱プレートに対応し得る加熱プレート114を支持する。熱抵抗層116が、加熱プレート114とベースプレート112との間に配置され得る。ベースプレート112は、ベースプレート112を通して冷却剤を流すための1つまたは複数のチャネル118を含み得る。
【0050】
プラズマが使用される場合、RF生成システム120がRF電圧を生成し、上部電極104および下部電極(例えば、ESC106のベースプレート112)の1つに出力する。上部電極104およびベースプレート112のもう一方は、DC接地されるか、AC接地されるか、または浮動とすることができる。ほんの一例として、RF生成システム120は、整合および分配ネットワーク124によって上部電極104またはベースプレート112に供給されるRF電力を生成するRF発生器122を含み得る。他の例では、プラズマは、誘導的または遠隔的に生成されてもよい。
【0051】
ガス送給システム130が、1つまたは複数のガス源132-1、132-2、…、および132-N(総称してガス源132)を含み、Nは、ゼロよりも大きい整数である。ガス源132は、弁134-1、134-2、…、および134-N(総称して弁134)およびマスフローコントローラ136-1、136-2、…、および136-N(総称してマスフローコントローラ136)によってマニホールド140に接続される。蒸気送給システム142が、気化した前駆体を処理チャンバ102に接続されているマニホールド140または別のマニホールド(図示せず)に供給する。マニホールド140の出力は、処理チャンバ102に供給される。
【0052】
温度コントローラ150が、加熱プレート114に配置されている複数の熱制御要素(TCE)152に接続され得る。温度コントローラ150を使用して複数のTCE152を制御し、ESC106および基板108の温度を制御することができる。温度コントローラ150は、冷却剤アセンブリ154と通信し、チャネル118を通る冷却剤の流れを制御することができる。例えば、冷却剤アセンブリ154は、冷却剤ポンプと、リザーバと、1つまたは複数の温度センサ(図示せず)とを含み得る。温度コントローラ150は、冷却剤アセンブリ154を動作させ、チャネル118を通して冷却剤を選択的に流してESC106を冷却する。弁156およびポンプ158を使用して、処理チャンバ102から反応物を排出することができる。システムコントローラ160が、システム100の構成要素を制御する。
【0053】
図2は、本開示による台座をシャワーヘッドに位置合わせするための固定具200を示す。固定具200は、カメラウエハ(図3に示す)が置かれる環状プラットフォーム202を備える。環状プラットフォーム202はまた、固定具200の環状要素、部分、または部材と呼ばれ得る。環状プラットフォーム202は、カメラウエハの平面に平行である。環状プラットフォーム202の外径(OD)は、カメラウエハのODと密接に一致する。固定具200は、環状プラットフォーム202のODがカメラウエハのODに適合するように製造されている。したがって、カメラウエハが環状プラットフォーム202に載置されると、カメラウエハと環状プラットフォーム202の中心が自動的に位置合わせされる。
【0054】
環状プラットフォーム202のOD(したがってカメラウエハのOD)は、固定具200の複数の弧状の垂直要素によって拘束される。例えば、3つの垂直要素が、204-1、204-2、および204-3(総称して垂直要素204)で示されている。垂直要素204はまた、固定具200の垂直部分または部材と呼ばれ得る。各垂直要素204は、環状プラットフォーム202のODの周りに円周方向に延伸する。垂直要素204は、環状プラットフォーム202の平面に(したがってカメラウエハの平面に)垂直である。垂直要素204は、環状プラットフォーム202と統合され、環状プラットフォーム202から延伸する。すなわち、垂直要素204および環状プラットフォーム202は、単一の部品として製造され、互いに分離することができない。
【0055】
各垂直要素204の第1の(上部)部分は、環状プラットフォーム202の上方に垂直に延び、カメラウエハを拘束する。各垂直要素204の第2の(底部)部分は、環状プラットフォーム202の下方に垂直に延び、台座の上面に接触しない。むしろ、固定具200が台座の上面に載置されたとき、垂直要素204の底部および環状プラットフォーム202は、一組の接触パッド(以下方に説明される)によって台座の上面よりも上に持ち上げられる。
【0056】
垂直要素204は、環状プラットフォーム202を囲む円筒形状を形成するために互いに接続されていない。むしろ、3つの垂直要素204で示される例では、各垂直要素204の弧長は、環状プラットフォーム202のODの3分の1未満である。すなわち、垂直要素204の弧長の合計は、環状プラットフォーム202のODよりも小さい。垂直要素204の弧長の中心は、正三角形の頂点にある。垂直要素204の弧長の中心、および正三角形の頂点は、環状プラットフォーム202の中心と(すなわち、固定具200の中心と)同心である円上にある。3つの垂直要素が示されているが、代わりにN個の垂直要素が使用されてもよく、Nは、2よりも大きい整数である。
【0057】
固定具200は、環状プラットフォーム202のODから半径方向外向きに延伸する複数の弧状の水平要素206-1、206-2、および206-3(総称して水平要素206、3つすべてが図5および図8に見られる)をさらに備える。水平要素206は、固定具200の水平部分または部材と呼ばれることもある。水平要素206は、垂直要素204に垂直である。水平要素206は、環状プラットフォーム202の平面に(したがってカメラウエハの平面に)平行な平面にある。
【0058】
水平要素206がある平面は、環状プラットフォーム202がある平面の下方にある(したがってカメラウエハの平面の下方にある)。水平要素206がある平面は、環状プラットフォーム202がある平面よりも台座の上面に近い。水平要素206がある平面は、以下の説明では基準平面とも呼ばれる。水平要素206の底部および垂直要素204の底部は、同じ平面上にある。
【0059】
垂直要素204と同様に、水平要素206は、環状プラットフォーム202を囲む環状形状を形成するために互いに接続されていない。むしろ、各水平要素206の端部は、2つの垂直要素204に接続される。具体的には、各水平要素206は、垂直要素204の異なる対に接続される。例えば、水平要素206-1の第1および第2の端部は、垂直要素204-1および204-2の第1の端部にそれぞれ接続され、水平要素206-2の第1および第2の端部は、垂直要素204-2の第2の端部および垂直要素204-3の第1の端部にそれぞれ接続され、水平要素206-3の第1および第2の端部は、垂直要素204-3および204-1の第2の端部にそれぞれ接続される。
【0060】
水平要素206の弧長の中心もまた、正三角形の頂点にある。水平要素206の弧長の中心および正三角形の頂点は、環状プラットフォーム202の中心(すなわち、固定具200の中心)と同心である円上にある。水平要素206の数は、垂直要素204の数と同じである。水平要素206はまた、垂直要素204と統合され、垂直要素204から延伸する。すなわち、水平要素206、垂直要素204、および環状プラットフォーム202は、固定具200である単一の部品として製造され、互いに分離することができない。
【0061】
水平要素206の各々は、台座に置かれた接触パッド(208-1、208-2、および208-3として示されており、総称して接触パッド208)を含む。接触パッド208もまた、水平要素206と同様に弧状であり、水平要素206内のスロットに挿入される。接触パッド208は、図10を参照してさらに詳細に示され説明される。接触パッド208はまた、固定具200の支持構造、部材、または要素と呼ばれ得る。ほんの一例として、接触パッド208は、水平要素206の第1の端部にまたはその近くに位置することができる。したがって、接触パッド208は、正三角形の頂点にあり、環状プラットフォーム202の中心(すなわち、固定具200の中心)と同心である円上にある。
【0062】
水平要素206の各々は、位置合わせのために使用されるピン210を含む。ピン210は、水平要素206内のねじ付きスロットに挿入される。各ピン210は、以下で詳細に説明するように、調整のための上部測定面(またはヘッド部分)212、ねじ山214、および円錐(または底部)部分216を含む。ピン210は、図11にさらに詳細に示されている。ねじ山214は、水平要素206内のねじ付きスロットと係合し、位置合わせ中の微調整用に十分に小さい(例えば、1インチあたり100個のねじ山)。
【0063】
円錐部分216は、ピン210が回転されるときに台座の上面のOD(すなわち、周囲、周長、または円周)と係合し、それに沿って垂直にスライドするように設計されている。すなわち、円錐部分216は、環状プラットフォーム202の平面およびカメラウエハの平面に垂直にスライドするように設計されている。円錐部分216は、図12を参照して以下で説明するように、様々なODを有する台座に対して対応および調整するように設計されている。
【0064】
例えば、ピン210は、水平要素206上の接触パッド208に隣接して位置し得る。ピン210は、正三角形の頂点にある。さらに、ピン210の場所は、固定具200が製造される際の厳しい公差のために、カメラウエハの中心でもある固定具200の中心に対して厳密に制御される。具体的には、ピン210の場所は、固定具200の中心(すなわち、環状プラットフォーム202の中心)と同心である円上にあり、これは、以下で詳細に説明するような位置合わせ手順を助ける。
【0065】
水平要素206の各々は、レベル測定デバイス(またはレベルインジケータ)220を装着するためのレセプタクルを含む。各レベルインジケータ220は、環状プラットフォーム202の平面に対して(したがってカメラウエハの平面に対して)、対応する水平要素206のレベルを測定または示す。ほんの一例として、レベルインジケータ220は、水平要素206の第2の端部にまたはその近くに位置することができる。レベルインジケータ220は、水平要素206がある平面である基準平面上のベースレベル(ゼロ)を表示する。レベルインジケータ220は、ピン210の高さを測定する。3つのピン210すべての高さが等しいとき、ピン210の円錐端点は、固定具200の中心を基準とする同心円を画定し(すなわち、上にある)、これはまた、カメラウエハの中心および環状プラットフォーム202の中心でもある。
【0066】
示されている接触パッド208、ピン210、およびレベルインジケータ220の場所は、ほんの一例である。これらの場所は、上述のように場所の対称性が維持されている限り、示されている以外の場所にすることができる。例えば、各水平要素206上の接触パッド208およびレベルインジケータ220の位置は、切り替える(すなわち、交換する)ことができる。あるいは、レベルインジケータ220は、それぞれの水平要素206上の接触パッド208とピン210との間に位置され得る。あるいは、接触パッド208は、それぞれの水平要素206上のレベルインジケータ220とピン210との間に位置され得る。
【0067】
接触パッド208、ピン210、およびレベルインジケータ220の数は、水平要素206の数と同じであることに留意されたい。本開示を通して、垂直および水平要素204および206、ならびに接触パッド208、ピン210、およびレベルインジケータ220に対する3つという量は、ほんの一例として使用されている。これらの各アイテムの数は、3以上の任意の数にすることができる。例えば、4つのこれらの各アイテムが使用される場合、これらのアイテムの対称的な配置は、正三角形ではなく正方形で表すことができ、正方形の頂点は、固定具200の中心と同心の円上にある。
【0068】
さらに、垂直要素204の弧長は、水平要素206の弧長よりも長く示されているが、垂直要素204の弧長は、水平要素206の弧長よりも短くすることができる。あるいは、垂直要素204の弧長は、水平要素206の弧長に等しくすることができる。
【0069】
環状プラットフォーム202が垂直要素204の第2の(底部)部分によって持ち上げられ、かつ水平要素206がある平面が環状プラットフォーム202の平面の下方にあるので、切り欠き(すなわち、ギャップ、開口部、通路、または窓)が、環状プラットフォーム202と水平要素206との間に存在する。切り欠きは、222-1、222-2、および222-3(総称して切り欠き222、3つの切り欠き222すべてが図5に見られる)で示されている。切り欠き222の数は、水平要素206および垂直要素204の数と同じである。切り欠き222は、閉じ込められた空気に対する通気経路、位置合わせに使用されるカメラウエハとデータ取得デバイスとの間の良好な接続性、ならびにカメラウエハの載置および取り外しのためのカメラウエハに対する容易なアクセスを提供する。
【0070】
固定具200は、環状プラットフォーム202と、垂直および水平要素204および206とを備える単一の部品としての金属で作製される。固定具200はまた、非金属材料で作製することができる。固定具200の接触パッド208は、ポリオキシメチレンまたはポリエーテルケトン(PEEK)などの非金属材料および非研磨性材料で作製される。接触パッド208は、寸法のずれを回避するために、固定具200に締結され(例えば、ボルトで固定され)、密封される。ピン210は、ポリオキシメチレンまたはポリエーテルイミドなどの非金属材料および非研磨性材料で作製される。ピン210は、止めねじを使用してロックされる。これらの非金属材料および非研磨性材料は、接触パッド208および/またはピン210が台座の上面に接触する際の台座の擦れ傷を防止する。
【0071】
固定具200は、カメラウエハ上のノッチが位置合わせされるマーキング230を含む。しかし、カメラウエハは、固定具200上の任意の他の基準点と位置合わせすることができる。固定具200は、固定具200を台座穴と位置合わせするためのマーキング232を含む。固定具200は、固定具200をスピンドルの向きと位置合わせするためのマーキング234を含む。
【0072】
図3は、カメラウエハ300を示す。シャワーヘッドに面する第1の(上部)側では、カメラウエハ300は、カメラウエハ300の中心にカメラ302を含む。台座に面する第2の(底部)側では、カメラウエハ300は、図12に示すような無線送信機(例えば、Bluetoothデバイス)と、無線送信機およびカメラ302を充電するための電気接点304とを含む。固定具200は、固定具200の環状プラットフォーム202のODがカメラウエハ300のOD306と密接に一致するように製造されている。
【0073】
図4は、カメラウエハ300と共に固定具200を示す。見られるように、カメラウエハ300のOD306は、固定具200の環状プラットフォーム202のODと密接に一致する。
【0074】
図5は、固定具200の底部からの図を示す。この図は、3つすべての水平要素206および3つすべてのピン210を示す。簡潔にするために、1つのレベルインジケータ220のみが示されている。
【0075】
図6は、厳しい公差で製造された要素を例示する、固定具200の一部を示す。これらの要素は、ウエハ平面を画定し、完全に水平である環状プラットフォーム202を含む。環状プラットフォーム202のOD203は、カメラウエハ300のOD306と密接に一致する(カメラウエハ300を固定具200の中心に配置するために)。水平要素206の上面205は、基準平面を画定し、完全に水平であり、環状プラットフォーム202の平面(すなわち、ウエハ平面)に平行な平面にある。すべての水平要素206の上面205は、完全に水平であり、環状プラットフォーム202の平面(すなわち、ウエハ平面)に平行な同じ平面(すなわち、基準平面)にある。止めねじ250は、ほんの一例として示されているものであり、必須ではない。固定具200は、止めねじ250の有無にかかわらず、説明したように動作する。
【0076】
すべてのピン210の上面は完全に水平であり、環状プラットフォーム202の平面に平行な同じ平面にある。ピン210のねじ山214は、位置合わせ手順中の微調整用に十分に小さい。円錐部分216は、様々なODを有する台座に対して対応および調整するように設計されている。ピン210は、ほぼ同一である。具体的には、ピン210の長さ、ねじ山214のピッチ、および円錐部分216の寸法は、厳密に制御されている。
【0077】
固定具200のすべての要素の寸法は、固定具200とカメラウエハとの間、固定具200と台座との間、および固定具200と台座とシャワーヘッドとの間の正確な位置合わせを提供するように厳密に制御されている。厳密に制御された寸法により、同じチャンバ内ならびに異なるチャンバ間での位置合わせ手順の再現性も保証される。
【0078】
図7は、固定具200の追加の図を示す。図8図11は、さらに詳細に固定具200の特徴を示す固定具200の技術図面を示す。図8および図9は、固定具200の追加の図および詳細を示す。図10は、接触パッド208の追加の図および詳細を示す。図11は、ピン210の追加の図および詳細を示す。
【0079】
図10では、接触パッド208がさらに詳細に示されている。接触パッド208は、第1の部分1000と、第2の部分1002と、第3の部分1004とを含む。第1、第2、および第3の部分1000、1002、および1004はまた、接触パッド208の第1、第2、および第3の要素または部材と呼ばれ得る。第1、第2、および第3の部分1000、1002、および1004は、単一の部品として製造され、互いに分離することができない。
【0080】
接触パッド208は弧状であるが、接触パッド208は、文字「T」の一般的な形状を有する。第1の部分1000は、文字「T」の上部水平部分を形成する。第2および第3の部分1002および1004は、文字「T」の垂直部分を形成する。第1の部分1000の弧長または弧幅は、第2および第3の部分1002および1004の弧長または弧幅よりも大きく、これによりT字形状が接触パッド208に与えられる。第3の部分1004は、以下に説明するように、階段状構造を形成する第2の部分1002よりも短い。
【0081】
第1の部分1000は、環状プラットフォーム202および水平要素206がある平面(すなわち、ウエハ平面および基準平面)に平行である。第1の部分1000は、接触パッド208をそれぞれの水平要素206に締結する留め具を受け入れる1つまたは複数のレセプタクルを含む。第2および第3の部分1002および1004は、水平要素206から台座に向かって離れる方向に、第1の部分1000から垂直に下向きに延伸する。第2の部分1002は、第3の部分1004よりも長い。したがって、階段状構造が第2および第3の部分1002および1004の遠位端の間に形成される。具体的には、階段状構造は、第3の部分1004の遠位端を第2の部分1002のほぼ中心に向かって延長し、そこから第2の部分1002の残りの部分が第3の部分1004の遠位端(および階段部分)から台座に向かって下降することによって形成される。
【0082】
第2の部分1002の残りの部分(すなわち、階段部分から第2の部分1002の遠位端まで)は、台座のODを囲み、第3の部分1004の遠位端(すなわち、階段部分)は、台座に置かれる。第3の部分1004の長さ(または高さ)は、水平要素206の長さ(または高さ)よりもわずかに大きい。すなわち、第3の部分1004は、水平要素206の底部(また、水平および垂直要素206および204の底部が同じ平面にあるため、垂直要素204の底部)をわずかに超えて延伸する。言い換えれば、第3の部分1004の遠位端(すなわち、階段部分)は、水平要素206の底部をわずかに超えて延伸する。したがって、接触パッド208は、台座の上面よりも上に垂直および水平要素204および206を持ち上げる。
【0083】
したがって、接触パッド208は、台座の上面と水平および垂直要素206および204の底部との間の接触を防止し、台座の上面の擦れ傷を防止する。台座の上面に接触する固定具200の唯一の要素は、接触パッド208の第3の部分1004の遠位端(すなわち、階段部分)およびピン210の円錐部分216である。
【0084】
さらに、第2の部分1002の遠位端と、第3の部分1004の遠位端が第2の部分1002と合流する点(すなわち、階段が形成される場所)との間の距離は、水平要素206の下方に突出するピン210の部分(例えば、円錐部分216)よりも大きい。したがって、ピン210の円錐部分216の尖った端部は、固定具200が任意の表面上の接触パッド208に置かれるとき(すなわち、接触パッド208の第2の部分1002の遠位端が置かれるとき)、特に固定具200が使用されておらず保管されているときに保護される(損傷が防止される)。
【0085】
図12は、処理チャンバ1208内で台座1204をシャワーヘッド1206に位置合わせする固定具200およびコンピューティングデバイス1202を備えるシステム1200を概略的に示す。固定具200は、カメラ302を含むカメラウエハ300を使用して、以下に説明するように台座1204をシャワーヘッド1206に位置合わせする。カメラウエハ300は、カメラ302およびコンピューティングデバイス1202と通信する無線送信機(例えば、Bluetoothデバイス)1210を含む。
【0086】
コンピューティングデバイス1202は、処理チャンバ1208の外部にあり、無線送信機(例えば、Bluetoothデバイス)を含む。例えば、コンピューティングデバイス1202は、ラップトップコンピュータ、タブレット、またはスマートフォンを含み得る。コンピューティングデバイス1202は、台座1204などの台座の中心からキャプチャされた、シャワーヘッド1206などの様々なシャワーヘッドの画像のデータベースを含む。これらの画像は、位置合わせプロセス中に基準画像としての役割を果たす。
【0087】
コンピューティングデバイス1202は、カメラ302によってキャプチャされたシャワーヘッド1206の画像を受信するアプリケーションを実行する。コンピューティングデバイス1202は、画像をデータベース内のシャワーヘッドの基準画像と比較し、以下に説明するように位置合わせプロセスをガイドする。システム1200は、以下に説明するように位置合わせプロセス中に台座1204を移動させるために使用することができる台座移動機構1212(例えば、1つまたは複数のアクチュエータ)を備える。
【0088】
使用中、カメラウエハ300は、固定具200の環状プラットフォーム202に載置される。固定具200の製造中に観察された厳しい公差のために、カメラウエハ300および環状プラットフォーム202のODは、ほぼ正確に一致する。したがって、カメラウエハ300の中心と、固定具200の中心でもある環状プラットフォーム202の中心は、自動的に位置合わせされる。
【0089】
次に、カメラウエハ300を備えた固定具200が台座1204に載置される。接触パッド208の底部(具体的には、要素1004の底部または階段部分)は、台座1204の上面に置かれる。固定具200が製造されるとき、接触パッド208は、それぞれの水平要素206に締結され、次に接触パッド208の底部(具体的には、要素1004の底部または階段部分)は、要素1004の底部または階段部分が同じ平面上にあるように機械加工される。機械加工により、水平要素206が接触パッド208の底部を通過する(具体的には、要素1004の底部を通過する、または階段部分を通過する)平面に平行な同じ水平平面(基準平面)にあることを確実にする。
【0090】
したがって、水平であると推定される(いくつかの他の機構を使用して達成される)台座1204の上面は、水平要素206がある平面(すなわち、基準平面)およびカメラウエハ300がある平面(すなわち、ウエハ平面)に平行である。言い換えれば、接触パッド208は、カメラウエハ300を含む固定具200が台座1204の上面に載置されたとき、固定具200、カメラウエハ300、および台座1204の上面が互いに平行であることを確実にする。
【0091】
次のタスクは、固定具200の中心(すなわち、カメラウエハ300の中心)を台座1204の中心に位置合わせすることである。固定具200の中心を台座1204の中心に位置合わせするために、ピン210は、以下のように調整される。ピン210は、固定具200、カメラウエハ300、および台座1204の上面が以下のように同心になるように調整される。図2を参照して上で説明したように、固定具200の水平要素206上のピン210の場所は、固定具200の中心(およびカメラウエハ300の中心)と同心である円上にある。ピン210の円錐部分216は、以下のように、固定具200を様々なODを有する台座に位置合わせするために使用される。ピン210が調整することができるODの変動量は、円錐部分216の寸法の関数である。
【0092】
第1に、レベルインジケータ220は、固定具200のそれぞれの水平要素206に設置され、ゼロに設定される。次に、レベルインジケータ220を移動させ、それぞれのピン210の上面212に接触させる。ピン210の高さは、すべてのレベルインジケータ220が同じ値を表示する(すなわち、同じ表示値を示す)まで、ピン210の上面212を時計回りまたは反時計回りに回すことによって調整される。この時点で、ピンの円錐部分216の先端は、固定具200の中心と同心である円を画定する。すなわち、固定具200の中心およびカメラウエハ300の中心は、台座1204の中心と位置合わせされる。オフセットがウエハの中心と台座の中心との間に望まれる場合、ピン210は、所望のオフセットが達成されるまで調整される。
【0093】
次に、台座1204の中心は、以下のようにシャワーヘッド1206の中心に位置合わせされる。処理チャンバ1208は、閉じられる。台座1204は、任意選択で台座移動機構1212を使用してプロセス位置に移動される。真空が、処理チャンバ1208内に作り出される。カメラウエハ300上のカメラ302は、シャワーヘッド1206の画像をキャプチャする。無線送信機1210は、シャワーヘッド1206のキャプチャされた画像をコンピューティングデバイス1202に送信する。
【0094】
コンピューティングデバイス1202は、キャプチャされた画像を、データベースに記憶されているシャワーヘッド1206の基準画像と比較する。比較に基づいて、コンピューティングデバイス1202は、キャプチャされた画像内のシャワーヘッド1206の中心がカメラ302と位置合わせされ、したがって台座1204の中心と位置合わせされているかどうかを決定する。そのように位置合わせされていない場合、台座移動機構1212を使用して台座1204を移動させ、シャワーヘッド1206の別の画像がキャプチャされ、コンピューティングデバイス1202に送信される。このプロセスは、位置合わせが達成されるまで(すなわち、キャプチャされた画像が基準画像と一致するまで)繰り返される。この時点で、台座1204の中心は、シャワーヘッド1206の中心と(例えば、シャワーヘッド1206の中心の穴と)位置合わせされる。したがって、台座1204の中心、カメラウエハ300の中心、およびシャワーヘッド1206の中心が位置合わせされる。
【0095】
したがって、固定具200およびカメラウエハ300は、最初に固定具/ウエハの中心を台座の中心に位置合わせし、続いて台座の中心をシャワーヘッドの中心に位置合わせするために使用される。固定具200は、0.005インチ以内の再現性を提供する。例えば、固定具200が同じ処理チャンバ内で台座をシャワーヘッドに位置合わせするために使用および再利用されるとき、および固定具200が前の使用インスタンスに対して後続の使用インスタンスで例えば180度回転されるとき、2つのインスタンスでの位置合わせの結果は、0.005インチ以下しか異ならない。同様の再現性は、処理チャンバ間でも達成される(すなわち、固定具200が異なる処理チャンバで使用されるとき)。
【0096】
図13は、固定具200を使用して処理チャンバ内で台座をシャワーヘッドに位置合わせするための方法1300を示す。1302において、カメラウエハが固定具内に載置される。1304において、カメラウエハを備えた固定具が台座に載置される。1306において、レベルインジケータが固定具に載置される。1308において、レベルインジケータがゼロにリセットされる。1310において、レベルインジケータが移動され、固定具上のピンの上部に接触する。
【0097】
1312において、方法1300は、すべてのレベルインジケータが同じ表示値を示すかどうか(すなわち、ピンの上面が同じレベルにあるか、または同じ平面にあるかどうか)を決定する。1314において、1つまたは複数のピンが、すべてのレベルインジケータが同じ値を表示するまで、ヘッド部分を時計回りまたは反時計回りに回すことによって調整される。1316において、すべてのレベルインジケータが同じ値を表示した後(すなわち、すべてのピンが同じレベルになった後)、固定具の中心とカメラウエハの中心が台座の中心に位置合わせされ、処理チャンバが閉じられる。1318において、台座が任意選択でプロセス位置に移動される。1320において、真空が処理チャンバ内に作り出される。
【0098】
1322において、固定具内のカメラウエハの中央にあるカメラがシャワーヘッドの画像をキャプチャする。1324において、カメラウエハ内の無線送信機がキャプチャされた画像を処理チャンバの外部のコンピューティングデバイスに送信する。1326において、コンピューティングデバイスがキャプチャされた画像を基準画像と比較する。1328において、方法1300は、カメラ(すなわち、台座の中心)がシャワーヘッドの中心に位置合わせされているかどうかを決定する。方法1300は、カメラ(すなわち、台座の中心)がシャワーヘッドの中心に位置合わせされた場合に終了する。1330において、カメラ(すなわち、台座の中心)がシャワーヘッドの中心に位置合わせされていない場合、台座が移動され、方法1300は1322に戻る。
【0099】
前述の説明は、本質的に単に例示的であり、本開示、その適用、または使用を決して限定する意図はない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施することができる。したがって、本開示は具体的な例を含むが、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を検討すると他の変更態様が明白となるので、本開示の真の範囲はそのような例に限定されるべきでない。方法における1つまたは複数のステップは、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(または同時に)実行してもよいことを理解されたい。
【0100】
さらに、各実施形態は特定の特徴を有するものとして上に説明されているが、本開示のいずれかの実施形態に関して説明したこれらの特徴のいずれか1つまたは複数を、他の実施形態において実施すること、および/または、他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることが(たとえそのような組み合わせが明示的に説明されていないとしても)可能である。言い換えれば、説明された実施形態は相互に排他的ではなく、1つまたは複数の実施形態を互いに入れ替えることは本開示の範囲に含まれる。
【0101】
要素同士(例えば、モジュール同士、回路要素同士、半導体層同士など)の空間的および機能的関係は、「接続されている」、「係合されている」、「結合されている」、「隣接した」、「隣に」、「上に」、「上方に」、「下方に」、および「配置されている」などの様々な用語を使用して説明される。また、上記開示において第1の要素と第2の要素との間の関係が説明されるとき、「直接」であると明示的に説明されない限り、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係の可能性があるが、第1の要素と第2の要素との間に1つまたは複数の介在要素が(空間的または機能的に)存在する間接的な関係の可能性もある。
【0102】
本明細書で使用する場合、A、B、およびCの少なくとも1つという表現は、非排他的論理ORを使用した論理(AまたはBまたはC)の意味で解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」の意味で解釈されるべきではない。
【0103】
いくつかの実施態様では、コントローラはシステムの一部であり、そのようなシステムは上述した例の一部であってもよい。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を備えることができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステム動作を制御するための電子機器と一体化されてもよい。
【0104】
そのような電子機器は「コントローラ」と呼ばれることがあり、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素または副部品を制御してもよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスとしては、処理ガスの送給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置および動作設定、ツールに対するウエハの搬入と搬出、ならびに、特定のシステムに接続または連動する他の搬送ツールおよび/またはロードロックに対するウエハの搬入と搬出が含まれる。
【0105】
広義には、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、すなわちプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。
【0106】
プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに通信される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上で、または半導体ウエハ用に、またはシステムに対して実施するための動作パラメータを定義してもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作における1つまたは複数の処理ステップを実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0107】
コントローラは、いくつかの実施態様では、システムと統合または結合されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作動作の履歴を検討し、複数の製作動作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。
【0108】
いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供することができる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の動作中に実施される各処理ステップのためのパラメータを特定するものである。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびコントローラが連動または制御するように構成されるツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。
【0109】
したがって、上述したように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書で説明されるプロセスおよび制御など)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを備えることによって分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路であって、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されておりチャンバにおけるプロセスを制御するよう組み合わせられる1つまたは複数の集積回路と通信するものが挙げられるであろう。
【0110】
例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを含むことができるが、これらに限定されない。
【0111】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13