(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】急速熱アニールランプ用円錐コイル
(51)【国際特許分類】
H01K 1/14 20060101AFI20240603BHJP
H01K 1/18 20060101ALI20240603BHJP
H05B 3/10 20060101ALI20240603BHJP
H05B 3/44 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
H01K1/14
H01K1/18 D
H05B3/10 A
H05B3/44
(21)【出願番号】P 2022552542
(86)(22)【出願日】2020-11-23
(86)【国際出願番号】 US2020061821
(87)【国際公開番号】W WO2021178013
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-11-02
(32)【優先日】2020-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ネストロフ, ヴィレン ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ラオ, カウシク
(72)【発明者】
【氏名】ラージ, ゴーヴィンダ
【審査官】中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-134707(JP,A)
【文献】特開2000-340183(JP,A)
【文献】特開2006-059813(JP,A)
【文献】特開2009-117237(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0110336(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104332382(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01K 1/14
H01K 1/18
H05B 3/10
H05B 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱を供給するように構成されたランプであって、
ガスで充填されたハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、上部直径、下部直径、及び長さを有するフィラメントと、
前記フィラメントに電気的に結合された一対の電極と、
前記一対の電極に電気的に結合された一対のピンであって、前記フィラメントにエネルギーを伝達するように構成された一対のピンと
を備え、
前記下部直径は、前記上部直径より前記一対のピンに近く、
前記下部直径の前記長さに対する比は約0.3であり、前記上部直径は前記下部直径
より小さい、ランプ。
【請求項2】
前記フィラメントは、約0.07mm以下の直径を有するコイル線を含む、請求項1に記載のランプ。
【請求項3】
前記ランプは、約125mmから約135mmの長さを有する、請求項1に記載のランプ。
【請求項4】
前記フィラメントは、約3mmから約7mmの外径を有する、請求項1に記載のランプ。
【請求項5】
前記ハウジングは、約11mmから約17mmの外径を有する、請求項1に記載のランプ。
【請求項6】
前記長さは15mm未満であり且つ10mmを上回り、前記上部直径及び前記下部直径のいずれか一方は約7mm未満であり且つ約3mmを上回る、請求項1に記載のランプ。
【請求項7】
熱を供給するように構成されたランプであって、
ガスで充填されたハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、下部ベース及び上部ベースを有するフィラメントと、
前記フィラメントに電気的に結合された一対の電極と、
前記一対の電極に電気的に結合された一対のピンと
を備え、
前記一対のピンは、前記フィラメントにエネルギーを伝達するように構成され、
前記下部ベースは、前記上部ベースより前記一対のピンに近く、
前記下部ベースの直径の前記上部ベースの直径に対する比は約3:1以上である、ランプ。
【請求項8】
前記フィラメントは、約0.05mm以下の直径を有するコイル線を含む、請求項7に記載のランプ。
【請求項9】
前記ランプは、約125mmから約135mmの長さを有する、請求項7に記載のランプ。
【請求項10】
前記フィラメントは、約3mmから約7mmの外径を有する、請求項7に記載のランプ。
【請求項11】
前記ハウジングは、約11mmから約17mmの外径を有する、請求項7に記載のランプ。
【請求項12】
前記フィラメントは、実質的に円錐台として配向される、請求項7に記載のランプ。
【請求項13】
前記フィラメントは、前記下部ベースに対して約10度から約20度の角度で傾斜している側面を有する、請求項12に記載のランプ。
【請求項14】
ランプであって、
ガスで充填されたハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、下部ベース及び上部ベースを有するフィラメント
であって、約0.03mmから約0.07mmの直径を有するコイルワイヤを備える、フィラメントと、
前記フィラメントに電気的に結合された一対の電極と、
前記一対の電極に電気的に結合された一対のピンと
を備え、
前記一対のピンは、前記フィラメントにエネルギーを伝達するように構成され、
前記下部ベースは、前記上部ベースより前記一対のピンに近く、
前記下部ベースの直径の前記上部ベースの直径に対する比は約1:3以下である、ランプ。
【請求項15】
前記フィラメントは、約0.07mm以下の直径を有するコイル線を含む、請求項14に記載のランプ。
【請求項16】
前記ランプは、約125mmから約135mmの長さを有する、請求項14に記載のランプ。
【請求項17】
前記フィラメントは、約3mmから約7mmの外径を有する、請求項14に記載のランプ。
【請求項18】
前記ハウジングは、約11mmから約17mmの外径を有する、請求項14に記載のランプ。
【請求項19】
前記フィラメントは、実質的に円錐台として配向される、請求項14に記載のランプ。
【請求項20】
前記フィラメントは、前記下部ベースに対して約80度未満であり且つ約60度を上回る角度で傾斜している側面を有する、請求項19に記載のランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
努力傾注分野
[0001]本明細書に開示される実施例は、処理チャンバに熱を供給するように構成されたランプのフィラメントに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]急速熱処理チャンバ等の基板処理チャンバにおいて、基板に堆積させた材料の品質は、特に、基板の温度の均一性に依存し得る。熱源の制御は、基板全体の温度の熱プロファイルに影響を与える1つの方法である。従来の急速熱処理用熱源は、ランプ及びリフレクタを含む。熱源の大きさ,形状,角度等の寸法は,基板全体の熱プロファイルに影響を与えるパラメータである。処理チャンバで複数の熱源を使用する場合、このようなパラメータを制御することで、熱プロファイルの全体的な品質、ひいては基板に堆積させた材料の品質に対応することができる。
【0003】
[0003]これまでに行われてきた、熱プロファイルを制御するために熱源のパラメータを調整する試みは、熱源の形状、長さ、及び材料に限定されている。従来の熱源は、基板全体に熱プロファイルを生じさせるが、これによっては堆積材料の均一な堆積は促進されない。そのため、基板上の堆積材料の中心からエッジまでの均一性を制御するために、作業者は処理チャンバでの他のパラメータの制御に注目してきた。しかし、これらの他のパラメータの制御を行うと、定期的保守に要する時間が長引く結果となった。そのため、定期的な予防保守間の平均時間が長くなることによるチャンバのダウンタイムが原因で、プロセスの歩留まりが逆に低下してしまっていた。
【0004】
[0004]したがって、予防保守のためのチャンバのダウンタイムを短縮しながら、基板上の中心からエッジまでの堆積均一性を向上させる改良された熱源が必要である。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本明細書で開示される実施例は、処理チャンバに配置された基板を加熱するように構成されたランプに関する。ランプは、熱を供給するように構成される。ランプは、ガスで充填されたハウジングを含む。フィラメントは、ハウジング内に配置される。フィラメントは、上部直径、下部直径、及び長さを有する。一対の電極が、フィラメントに電気的に結合される。一対のピンが、一対の電極に電気的に結合される。一対のピンは、フィラメントにエネルギーを伝達するように構成される。上部直径及び下部直径のいずれか一方の長さに対する比は、約0.3である。上部直径は、下部直径と等しくない。
【0006】
[0006]別の実施例では、ランプは、熱を供給するように構成される。ランプは、ガスで充填されたハウジングを含む。フィラメントは、ハウジング内に配置される。フィラメントは、下部ベース及び上部ベースを有する。一対の電極が、フィラメントに電気的に結合される。一対のピンが、一対の電極に電気的に結合される。一対のピンは、フィラメントにエネルギーを伝達するように構成される。下部ベースの直径の上部ベースの直径に対する比は、約3:1以上である。
【0007】
[0007]更に別の実施例では、ランプは、ガスで充填されたハウジングを含む。フィラメントは、ハウジング内に配置される。フィラメントは、下部ベース及び上部ベースを有する。一対の電極が、フィラメントに電気的に結合される。一対のピンが、一対の電極に電気的に結合される。一対のピンは、フィラメントにエネルギーを伝達するように構成される。下部ベースの直径の上部ベースの直径に対する比は、約1:3以下である。
【0008】
[0008]上述した本開示の特徴を詳細に理解できるように、一部が添付の図面に例示されている本明細書の実施例を参照しながら、上記に要約した本開示をより具体的に説明する。しかしながら、添付の図面は実施例を単に示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なすべきではないことに留意されたい。したがって、添付の図面は他の等しく有効な実施例も許容するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】基板に材料を堆積させるように構成された例示的な処理チャンバの概略断面図である。
【
図2】
図1の処理チャンバで使用することができる例示的なランプの正面平面図である。
【
図3】一実施例に係る
図2のランプで使用することができるフィラメントの拡大断面図である。
【
図4】別の実施例に係る
図2のランプで使用することができる別のフィラメントの拡大断面図である。
【
図5】
図2~
図4の例示的なランプで用いられるフィラメントの一部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0014]理解を容易にするために、可能な限り、共通の特徴である同一要素を示すのに同一の参照番号を使用している。一実施例の要素及び特徴は、更に詳述することなく、他の実施例に有益に組み込まれ得ると考えられる。
【0011】
[0015]本明細書に開示される実施例は、処理チャンバに配置された基板に熱を供給するように構成された熱源、例えば1又は複数のランプに関する。処理中、材料は、様々な技法を用いて、処理チャンバに配置された基板に堆積され得る。処理チャンバの内部領域に隣接して位置決めされたランプは、堆積材料が基板に堆積されている間、基板を加熱する放射エネルギーを放出するように構成される。
【0012】
[0016]急速熱処理は、処理チャンバで材料を堆積させる1つの技法である。処理チャンバは、可変電力によって制御されるランプを使用して、基板を加熱する。ランプは、可視領域から近赤外領域までの放射線を提供することができる。基板がランプからの放射線を吸収することで、基板の温度が上昇し、堆積プロセスへの適合性が高まる。各ランプは、電流がそこを通って流れると光と熱を放射する材料でできたフィラメントを含む。ランプのフィラメントは、フィラメントの寿命が延びるように選択されたガス環境下に配置される。
【0013】
[0017]基板上の堆積材料の厚さの均一性は、処理中の基板表面全体の基板温度プロファイルの均一性に相関する。ランプは熱を放射するため、各ランプのランプフィラメントの形状寸法は、ランプ全体の放射プロファイルに相関し、その結果、基板温度プロファイルに影響を及ぼし得る。フィラメントの傾斜とフィラメントの断面を含む各ランプのランプフィラメントの形状寸法は、基板全体の単位平方メートル当たりの局所放射線照射(W/m2)に影響を与える。したがって、各ランプフィラメントの形状寸法を使用して、ランプによって提供される放射プロファイルの均一性を制御することができ、したがって、これを使用して基板の温度プロファイルを制御することもできる。処理中の基板の温度プロファイルを制御することで、基板への材料の均一な堆積が可能になる。更に、各ランプフィラメントの形状寸法を制御することで、堆積材料の中心からエッジまでの厚さを精密に制御することができる。
【0014】
[0018]有利には、フィラメントの形状寸法等の制御パラメータを用いることによって、処理チャンバを所望の堆積結果を達成するように微調整することが可能になる。更に、作業者は、定期的保守手順中に、又は特定のプロセス実行のためにランプを交換することによって、放射プロファイルを容易に変更することができる。更に、異なるランプ、すなわち異なるフィラメントを有するランプを用いて、膜堆積の均一性に悪影響を及ぼす可能性のある他のチャンバでの処理のばらつきを補正することができる。
【0015】
[0019]
図1は、基板130に材料を堆積させるように構成された例示的な処理チャンバ100の概略断面図である。
図1は、処理チャンバ100で基板130を加熱するためのランプヘッドアセンブリ116における光源(例えば、ランプ136)の使用に関する背景を提供するものである。一実施例では、処理チャンバ100は、急速熱処理(RTP)チャンバとして構成される。本明細書に示す処理チャンバ100は例示のためのものであり、本開示の概念は、処理のために基板130を加熱するために放射エネルギーを放出するためのランプ136等の光源を使用するいかなる熱処理チャンバにも利益をもたらし得ることを理解されたい。基板130の上方の処理チャンバ100の内部領域112に隣接して位置決めされたランプ管137に配置されたランプ136を図示したが、ランプ136は、代替的に、基板130の下方、又は上方及び下方の処理チャンバ100に位置決めされ得る。
図1の実施例では、複数のランプ管137が、処理チャンバ100の内部領域112内に配置されている。内部領域112は、概して、処理チャンバ100の側壁及び本体(図示したが番号はふっていない)によって囲まれた空間であり、窓120によってランプ管137及びランプ136から分離されている。内部領域112は、大気圧未満の圧力に保持されていてよい。
【0016】
[0020]ランプヘッドアセンブリ116に、複数のランプ管137が配置される。ランプヘッドアセンブリ116は、窓120に重なっている。窓120は、ランプヘッドアセンブリ116を処理チャンバ100の内部領域112から分離させる。基板ハンドリング装置114は、ロータチャンネル122内に配置されたロータ124と、ロータ124上に載置されている又は他の方法でロータ124に結合されている支持シリンダ126とを含む。支持シリンダ126は、シリコン石英でコーティングされていてよい。ロータ124は、磁気浮上していてよい。支持シリンダ126に、エッジリング128が載置されている。エッジリング128は、シリコンでコーティングされた炭化ケイ素でできていてよい。エッジリング128は、処理中に基板130を支持するように構成される。
【0017】
[0021]ランプヘッドアセンブリ116は、ランプ管137と、ランプ136とを含む。ランプ136は、ランプ管137の一端に配置される。ランプ管137は、ランプ収容管140内に挿入されるように構成される。あるいは、複数のランプ136が、ランプ収容管140のそれぞれの内部に収容され得る。各ランプ収容管140は、銀又は金のコーティングであってよい反射内面を含み得る。ランプ収容管140は、鏡面リフレクタ188で裏打ちされていてよい。一実装態様では、ランプ136は、タングステンハロゲンランプ等の放射線発光電球である。
【0018】
[0022]処理チャンバ100の雰囲気及びランプヘッドアセンブリ116の雰囲気は、制御され得る。例えば、
図1に示すように、ランプヘッドアセンブリ116と流体連結している第1のチャネル169を通して、ランプヘッドアセンブリ116の圧力を制御する、例えば、低下させるために、第1の真空ポンプ168が設けられる。第2のチャネル171を通して、ランプヘッドアセンブリ116の圧力を制御する、例えば、低下させるために、第2の真空ポンプ170が設けられる。一実装態様では、鏡面リフレクタ188の変色を防止するために、ランプ136周囲の雰囲気を制御して、鏡面リフレクタ188に使用される銀上の硫化物形成物質又は硫化触媒物質の量を実質的に最小限に抑える。鏡面リフレクタ188の変色を防止する1つの方法は、雰囲気にH
2S及び水分(H
2O)が実質的に含まれないようにすることである。例えば、第1のチャネル169を通してヘリウムを流すことにより、大気がランプ136周囲のエリアに入ることを実質的に防止することができる。別の実施例では、ランプ136周囲の大気からH
2S及び水分を除去するために、第1のチャネル169にフィルタ及び/又はゲッタが配置され得る。例えば、酸化鉄等の金属酸化物を含む硫化物ゲッタは、ランプ136周囲のエリアに大気が入ることを実質的に防止する。
【0019】
[0023]
図2は、
図1の処理チャンバ100で使用することができる例示的なランプ136の正面平面図である。ランプ136は、ベース204と、ハウジング208と、ピン部212とを有する。一実施例では、ハウジング208は、概ね円筒形状のドームであってよく、円筒の一端が半球状の端部を有していてよい。また、ランプ136は、ハウジング208の一端に先端部216を有していてよい。幾つかの実施例では、ハウジング208は、石英、又は他の適切な材料でできている。
【0020】
[0024]ランプ136は、ハウジング208内に配置されたフィラメント224を含む。フィラメント224は、外径220を有する。フィラメント224は、ワイヤ508(
図5に示す)から形成される。フィラメント224は、ハウジング208の内部でY方向270に延在するコイル状部228を含む。異なる言い方をすれば、フィラメント224のコイル状部228は、ランプ136の長軸にアライメントされたY方向270に延在する。コイル状部228は、実質的に螺旋状であるが、他の形状も有し得る。フィラメント224は、アース線230に取り付けられる。
【0021】
[0025]ピン部212は、第1のピン234及び第2のピン238を含む。第1のピン234及び第2のピン238は、ランプ収容管140内に配置された電極240に結合されるように構成される。ベース204は、フィラメント224及び/又はアース線230を第1のピン234及び第2のピン238に結合するために必要な電極、回路、及び他の構成要素を含み得る。
【0022】
[0026]ランプ136の長さ242は、先端部216の遠位端とピン部212の底部(ピン234、238を除く)との間に画定される。ランプ136の長さ242は、約120mmから135mmである。一実施例では、長さ242は、約125mmである。第1のピン234と第2のピン238との間の幅246は、約6mmから約8mmである。ハウジング208は、約11mmから約17mmの外径250を有する。フィラメント224のコイル状部228の外径220は、約3mmから約7mmである。特定の用途においては、他の形状寸法も用いられ得ると考えられる。
【0023】
[0027]工程では、電流をフィラメント224に印加して、フィラメント224に光と熱を放射させる。本開示の幾つかの実施例では、フィラメントは、タングステン又は他の適切な導体でできている。タングステンフィラメントは、最大約3422℃の温度の赤外線を放射する。本開示の範囲から逸脱することなく、他の金属が用いられ得ることを理解されたい。ハウジング208(例えば、石英電球)は、フィラメント224の寿命を延ばすように構成された少なくとも1つのガスで充填される。ガスは、1又は複数の希ガス等の低レベルの反応性を有していてよい。また、他のガスも電球に存在し得る。ガス(複数可)は、フィラメント224が崩壊する速度を低下させ、したがって、ランプ136の寿命を延ばす。
【0024】
[0028]
図3は、フィラメント303の別の実施例を有するランプ136を例示するランプヘッドアセンブリ116の拡大部分断面図である。
図1に示すように、ランプ収容管140に配置されたランプ136が図示されている。ランプ収容管140の開放端は、窓120に隣接して位置し、基板130の方に面している。一実装態様では、ランプ収容管140内の窓120に隣接する開放端に、鏡面リフレクタ300が配置される。
図1及び
図3を参照すると、鏡面リフレクタ300は、ランプ収容管140とは別個の部品であってよい。あるいは、鏡面リフレクタ300は、ランプ収容管140と一体の部品であってよい。鏡面リフレクタ300は、鏡面リフレクタ300がランプ136にアライメントされるようにランプ収容管140に固定される。前述したように、鏡面リフレクタ300は、金又は銀でコーティングされていてよい。
【0025】
[0029]フィラメント303の第1のコネクタ301は、ベース204(
図2に示す)を通して第1のピン234に電気的に結合される。第2のコネクタ302は、アース線230の一部から形成される。フィラメント303に電気的に結合されたアース線230は、フィラメント303から第2のコネクタ302までの垂直方向の長さ、すなわちY方向270に沿って延在する。
図3の実施例では、フィラメント303は、実質的に円錐台の形状である。円錐の先端を高さ(例えば、長さ309)に垂直な切り口で切り落とし、下部ベース304及び上部ベース305を形成することにより、直円錐から錐台を形成することができる。z方向350は、x方向260及びy方向270の両方と直交している。x方向260及びz方向350を含むx-z平面に沿ってとられた下部ベース304及び上部ベース305の断面は、実質的に円形で、互いに同一平面上にある。x方向260及びy方向270を含むx-y平面に沿ってとられたフィラメント303の断面は、実質的に二等辺四辺形の形状である。そのため、下部ベース304及び上部ベース305は、実質的に平行である。フィラメント303の側面310の長さは、その反対側の側面の長さと実質的に等しい。
図3に示すように、上部ベース305は、下部ベース304よりもハウジング208の先端部216により近い。フィラメント303は、フィラメント303の狭い方の直径が、フィラメント303の広い方の直径よりも基板130に近くなるように配向される。狭い方の直径は、上部ベース305によって表される。広い方の直径は、下部ベース304である。
【0026】
[0030]下部ベース304の直径は、約11mmから約16mmであってよい。上部ベース305の直径は、約1mmから約6mmであってよい。下部ベース304と上部ベース305の直径の比は約7対1であり得るが、直径比は約7対1に限定されず、約3対1から約7対1の比を含み得る。フィラメント303の長さ309は約18mmから約22mmであってよい。フィラメント303の側面310は、約19mmから約23mmの長さを有し得る。側面310が傾斜している角度307は、約10度から約20度である。従って、下部ベース304と側面310との間の相補的な角度は、約60度から約80度である。フィラメント303の側面310は、フィラメント303の中心線(図示せず)に向かってテーパ状になっている。この配向によれば、フィラメント303の側面310は、ハウジング208の先端部216に向かってテーパ状になっている。
【0027】
[0031]ランプの光学効率を高めるために、ランプ収容管140は、挿入管306を含み得る。挿入管306は、ランプ136からの放射エネルギーを基板130に向かって反射及びコリメートして、基板130のエリア(
図1に示す)に放射する。挿入管306は、鏡面リフレクタ300とランプ136との間に設けられる。挿入管306は、付着層(図示せず)を介して鏡面リフレクタ300に取り付けられ得る。あるいは、挿入管306及び/又は鏡面リフレクタ300は、挿入管306を鏡面リフレクタ300と取り外し可能に係合又は係合解除するための適切な保持/係合特徴を含み得る。例えば、適切な保持/係合特徴は、バネ仕掛けのボール、バネ接点/ピン、スライダ、ノッチ、溝、又は同様のものを含み得る。
【0028】
[0032]挿入管306は、ランプ136を囲むように配置される。挿入管306は、挿入管306の全長にわたって一定の内径を有していてよい。挿入管306の外面は、鏡面リフレクタ300の形状に従うプロファイルを有し得る。一実装態様では、挿入管306は、上部312及び下部316を有する。上部312は円錐形であってよく、下部316は円筒形であってよい。挿入管306は、鏡面リフレクタ300の下部316に従うプロファイルを有する円筒形の下部320と、鏡面リフレクタの円錐形の上部312に従うプロファイルを有するテーパ状の上部324とを含み得る。テーパ状の上部324は、円筒形の下部320と一体に統合され得る。一実装態様では、テーパ状の上部324は、概して、円筒形の下部320の長手方向に沿って円筒形の下部320から上方又は外方に延在する。
【0029】
[0033]挿入管306のテーパ状の上部324は、約1度から45度であり得るテーパ角336によって画定される。例えば、テーパ角336は、約3度から約20度であり得る。別の実施例では、テーパ角336は、約6度から約10度であり得る。本明細書に記載のテーパ角336は、テーパ状の上部324の第2の外面332の長手方向と、円筒形の下部320の第3の外面334の長手方向との間の角度を指す。本明細書に記載のテーパ角336の説明は、本開示の他の実装態様にも等しく適用されるべきであることに留意されたい。
【0030】
[0034]テーパ角336が増加すると、ランプ収容管140から反射する又は漏れ出るエネルギーの量が増加し、それによってランプ136の光学効率が増加する。光学効率は、ターゲット上のエネルギーをソースエネルギーで割ったものによって表され得る。テーパ角336は、均一な照明、任意の所望の空間強度プロファイル、又は所望のランプ効率を得るために経験的に最適化され得る。
【0031】
[0035]挿入管306の内面308は、管状又は円筒形に形成され得る。一実装態様では、挿入管306は断面が円形である。挿入管306は、矩形、正方形、三角形、又は任意の適切な多角形等の異なる形状の断面を有し得る。内面308の直径は、内面308とランプのベース204の第1の外面328との間に間隙340を有するランプ136を収容するのに十分であるべきである。一実施例では、間隙340は約0.5mmから約3mmである。内面308及び間隙340の直径は、ランプ136の大きさに応じて変化し得る。鏡面リフレクタ300、挿入管306、及びランプ136は、一旦ランプ収容管140に組み立てられる又は位置決めされると、概して同心又は同軸である。
【0032】
[0036]フィラメントの形状寸法、配向、テーパ角336、及び他のランプパラメータは、鏡面リフレクタ300内の光及び熱の影効果及び内部反射を有利に低減させる。このように、下部ベース304の直径と上部ベース305の直径との間の比を調整することによって、基板130全体の熱プロファイルを微調整することができる。フィラメント303によって生じる光及び熱の放射を集中させることにより、基板130全体の中心からエッジまでの熱プロファイルの均一性が向上する。フィラメント303の放射プロファイルは、約0.75から約5のばらつきを有し得る。放射プロファイルは、ガウス分布によって表され得る。下部ベース304の上部ベース305に対する比が増加すると、放射プロファイルのばらつきが増加する。放射プロファイルのばらつきが増加すると、放射プロファイルは、従来のランプ(図示せず)によって生じる放射プロファイルに対して「平坦化」される。フィラメント303を用いると、放射プロファイルは実質的に凸状となる。放射の強度は、フィラメント303の外径220と比較して、フィラメント303の中心線に沿ってより大きくなっている。上部ベース305の直径は、約1mmから約6mmであってよい。下部ベース304の直径は、約11mmから約16mmであってよい。下部ベース304の直径の上部ベース305の直径に対する比は、約7対1であり得る。しかしながら、比は、記載された比率に限定されず、約3対1から約7対1の比を含み得る。フィラメント303の長さ309は、約22mm以下であってよい。フィラメント303の側面310は、約23mm以下の長さを有し得る。従来のランプは、従来のランプの中心線に沿って放射をコリメートする。放射プロファイルの強度は、中心線に沿って最も高く、放射強度は、フィラメントの半径が増加するにつれて減少する。従来のランプの放射プロファイルにより、堆積材料が従来のランプの中心線に沿って蓄積され、その結果、基板130に材料が不均一に堆積される。例えば、従来のランプにおいて、放射プロファイルのばらつきは0.5未満であり得る。
【0033】
[0037]
図4は、
図1のランプ136において使用することができる別のフィラメント403の拡大断面図である。フィラメント403は、
図3に示すフィラメント303と同様のものであるが、フィラメント403の配向は、フィラメント303の配向に対して実質的に反転している。
【0034】
[0038]第1のコネクタ301は、フィラメント403のワイヤから形成される。第1のコネクタ301は、第1のピン234(
図2に示す)に電気的に結合される。第2のコネクタ302は、アース線230の一部から形成される。フィラメント224に電気的に結合されたアース線230は、垂直方向の長さ(すなわち、Y方向270)に沿って延在する。フィラメント403は、実質的に反転した円錐台の形状である。フィラメント403は、下部ベース404と上部ベース405とを有する。x方向260に沿ってとられた下部ベース404及び上部ベース405の断面は、実質的に円形であり、互いに同一平面上にある。z方向350に沿ってとられたフィラメント403の断面は、実質的に二等辺四辺形の形態である。このように、下部ベース404及び上部ベース405は、実質的に平行である。フィラメント403の側面409の長さは、その反対側の側面の長さと実質的に等しい。
図4に示すように、上部ベース405は、下部ベース404よりもハウジング208の先端部216により近い。フィラメント403は、フィラメント403の広い方の直径が、フィラメント403の狭い方の直径よりも基板130に近くなるように配向される。狭い方の直径は、下部ベース404で表される。広い方の直径は、上部ベース405である。
【0035】
[0039]フィラメント403は、基板130全体の中心からエッジまでの熱プロファイルの均一性を高める。フィラメント403の放射プロファイルは、約0.75から約5のばらつきを有し得る。しかし、フィラメント403の放射プロファイルは、実質的に凹状である。放射の強度は、フィラメント403の中心線よりも、フィラメント403の外径220に沿っての方が大きい。上記の実施例と同様に、下部ベース404の直径の上部ベース405の直径に対する比が増加すると、放射プロファイルのばらつきが増加する。放射プロファイルのばらつきが増加すると、放射プロファイルは、従来のランプによって生じる放射プロファイルに対して平坦化及び反転する。従って、フィラメント403によって生じる放射プロファイルは、フィラメント303によって生じる放射プロファイルに対して実質的に反転している。
【0036】
[0040]下部ベース404の直径は、約1mmから約6mmであってよい。上部ベース405の直径は、約11mmから約16mmであってよい。下部ベース404の直径の上部ベース405の直径に対する比は、約1から7であり得るが、比はこの比率に限定されず、約1から3~約1から7までの比を含み得る。上記のように、フィラメント403の長さ309は、約21.0mm以下であってよい。フィラメント403の側面409は、約22.5mm以下の長さを有し得る。側面409が傾斜している角度407は、約100から110度である。従って、下部ベース404と側面409との間の相補的な角度は、約70度から約80度である。フィラメント403の側面409は、フィラメント403の中心線(図示せず)から離れる方向にテーパ状となっている。このように、フィラメント403の側面409は、ハウジング208の先端部216から離れる方向にテーパ状となっている。
【0037】
[0041]
図5は、
図2から
図4の例示的なランプ136において用いられるフィラメント224のコイル状部248の一部の拡大図である。
図5では、フィラメント224のセグメント504が図示されている。セグメント504の説明は、必然的にフィラメント224、303、及び403を表し、フィラメント224、303、及び403の説明は、セグメント504にも帰属することを理解されたい。フィラメントのセグメント504は、ワイヤ508でできている。幾つかの実施例では、ワイヤ508は、中心軸501から実質的に一定の半径512で巻かれている。中心軸501は実質的に螺旋状であり、セグメント504がフィラメント224の長さに沿って延在する場合、y方向270(
図2に示す)に延在するランプ136の長軸の周りに巻き付けられたワイヤ508の中心軸501によって、フィラメント224のコイル状部228が形成される。ワイヤ508は、約0.03から約0.07mmの厚さ(すなわち、直径)を有し得る。
【0038】
[0042]本明細書に開示されるのは、処理チャンバで加熱された基板上に誘発される温度プロファイルを調整するように構成されたフィラメントを有するランプである。前述の内容は特定の実施例を対象としているが、以下の特許請求の範囲によって決定されるその基本的な範囲から逸脱することなく、他の実施例を考案することが可能である。