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特許7497973アンカー(anchor)構造物を含む半導体パッケージ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】アンカー(anchor)構造物を含む半導体パッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20240604BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
H01L21/60 311Q
H01L23/12 F
H01L23/12 501B
H01L21/92 602G
H01L21/92 602R
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2019217901
(22)【出願日】2019-12-02
(65)【公開番号】P2020126996
(43)【公開日】2020-08-20
【審査請求日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】10-2019-0013107
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク ミンス
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0032321(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0358892(US,A1)
【文献】特開2015-038927(JP,A)
【文献】特開平08-031835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号バンプランドおよびアンカリングバンプランドを備えるパッケージ基板と、
前記パッケージ基板上に実装され、信号バンプおよびアンカリングバンプを備える半導体チップとを含むが、
前記信号バンプは、前記信号バンプランドに接合され、
前記アンカリングバンプは、前記アンカリングバンプランドと互いに隣接して配置され、
前記パッケージ基板の表面を基準として、前記アンカリングバンプの下面が、前記アンカリングバンプランドの上面より低い位置に配置され、
前記アンカリングバンプの前記下面は直径を有する円形形態を有し、前記アンカリングバンプランドの前記上面は幅及び長さを有する長方形形態を有し、
前記アンカリングバンプランドの前記幅は前記アンカリングバンプの前記直径より大きい、
導体パッケージ。
【請求項2】
前記アンカリングバンプは、前記アンカリングバンプランドと側面方向にずれるように配置される、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項3】
前記アンカリングバンプの側壁部は、前記アンカリングバンプランドの側壁部と接触状態を有する、請求項2に記載の半導体パッケージ。
【請求項4】
前記アンカリングバンプの側壁部は、前記アンカリングバンプランドの側壁部と非接触状態を有する、請求項2に記載の半導体パッケージ。
【請求項5】
前記アンカリングバンプの側壁部は、前記アンカリングバンプランドの高さの40%~70%に対応する前記アンカリングバンプランドの側壁部をカバーする、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項6】
前記アンカリングバンプの高さは、前記信号バンプの高さより大きい、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項7】
前記信号バンプは、前記信号バンプランドと接合状態を維持し、
前記アンカリングバンプは、前記アンカリングバンプランドと非接合状態を維持する、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項8】
前記信号バンプは、前記信号バンプランドと接合するソルダ層を含み、
前記アンカリングバンプは、前記アンカリングバンプランドと接合するソルダ層を具備しない、請求項7に記載の半導体パッケージ。
【請求項9】
前記パッケージ基板は、長軸方向および短軸方向にそれぞれ延びる一面を有する基板ボディ部を備え、
前記アンカリングバンプランドは、前記一面上の角領域に配置される、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項10】
前記アンカリングバンプは、前記長軸方向に沿って、前記アンカリングバンプランドよりも、外郭方向に配置される、請求項9に記載の半導体パッケージ。
【請求項11】
前記アンカリングバンプは、前記短軸方向に沿った幅と前記長軸方向に沿った長さを具備し、
前記幅は、前記長さより大きい、請求項9に記載の半導体パッケージ。
【請求項12】
前記パッケージ基板は、前記基板ボディ部上で配置され、前記信号バンプランドと前記アンカリングバンプランドを選択的に露出させるソルダレジスト層を含み、
前記アンカリングバンプは、前記アンカリングバンプランドと前記ソルダレジスト層との間の空間に挿入されるように配置される、請求項9に記載の半導体パッケージ。
【請求項13】
前記アンカリングバンプが配置される空間は、前記基板ボディ部の前記一面中、前記ソルダレジスト層が形成されず外部に露出する領域の上部である、請求項12に記載の半導体パッケージ。
【請求項14】
前記パッケージ基板の熱膨張率は、前記半導体チップの熱膨張率より大きい、請求項9に記載の半導体パッケージ。
【請求項15】
前記パッケージ基板上に前記半導体チップが積層された状態で、前記パッケージ基板および前記半導体チップが熱膨張される時、前記アンカリングバンプランドは、前記アンカリングバンプに対して前記長軸方向に沿って押す力を作用する、請求項14に記載の半導体パッケージ。
【請求項16】
長軸方向および短軸方向に沿って延びる一面と、前記一面上に配置される信号バンプランドおよびアンカリングバンプランドとを備えるパッケージ基板と、
前記パッケージ基板上に実装され、前記信号バンプランドおよび前記アンカリングバンプランドにそれぞれ対応する信号バンプおよびアンカリングバンプを備える半導体チップとを含むが、
前記アンカリングバンプランドは、前記一面上の角領域に配置され、前記アンカリングバンプは、前記アンカリングバンプランドと比較して、前記長軸方向により外郭領域に配置され、
前記アンカリングバンプの下面は直径を有する円形形態を有し、前記アンカリングバンプランドの上面は幅及び長さを有する長方形形態を有し、
前記アンカリングバンプランドの前記幅は前記アンカリングバンプの前記直径より大きい、
導体パッケージ。
【請求項17】
前記信号バンプは、前記信号バンプランドと接合するように配置され、
前記アンカリングバンプの側壁部は、前記アンカリングバンプランドの側壁部と少なくとも一部分が互いに重なるように配置される、請求項16に記載の半導体パッケージ。
【請求項18】
前記アンカリングバンプは、前記アンカリングバンプランドと非接合状態を維持する、請求項17に記載の半導体パッケージ。
【請求項19】
前記アンカリングバンプの側壁部は、前記アンカリングバンプランドの高さの40%~70%に対応する前記アンカリングバンプランドの側壁部をカバーするように配置される、請求項17に記載の半導体パッケージ。
【請求項20】
前記パッケージ基板の熱膨張率は、前記半導体チップの熱膨張率より大きく、
前記パッケージ基板および前記半導体チップが積層された状態で熱膨張される時、前記アンカリングバンプランドは、前記アンカリングバンプを前記長軸方向に押す力を作用する、請求項17に記載の半導体パッケージ。
【請求項21】
前記アンカリングバンプの前記下面は、前記一面の上部に位置する、請求項16に記載の半導体パッケージ。
【請求項22】
前記アンカリングバンプの前記下面は、前記一面と接触する、請求項16に記載の半導体パッケージ。
【請求項23】
前記アンカリングバンプの高さは、前記信号バンプの高さより大きい、請求項16に記載の半導体パッケージ。
【請求項24】
前記信号バンプは、前記信号バンプランドと接合するソルダ層を含み、
前記アンカリングバンプは、前記アンカリングバンプランドと接合するソルダ層を具備しない、請求項16に記載の半導体パッケージ。
【請求項25】
前記アンカリングバンプは、前記短軸方向に沿った幅と前記長軸方向に沿った長さを具備し、
前記幅は、前記長さより大きい、請求項16に記載の半導体パッケージ。
【請求項26】
前記パッケージ基板は、前記一面上に配置され、前記信号バンプランドと前記アンカリングバンプランドを選択的に露出させるソルダレジスト層を含み、
前記アンカリングバンプは、前記アンカリングバンプランドと前記ソルダレジスト層との間の空間に挿入されるように配置される、請求項16に記載の半導体パッケージ。
【請求項27】
前記アンカリングバンプが配置される空間は、前記一面中、前記ソルダレジスト層が形成されず外部に露出する領域の上部である、請求項26に記載の半導体パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、半導体パッケージに関し、より詳細には、アンカー構造物を含む半導体パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、半導体パッケージは、印刷回路基板と、前記印刷回路基板上に実装されたチップとを含んで構成される。前記チップは、前記印刷回路基板とバンプまたはワイヤのような接続手段を介して電気的に連結可能である。
【0003】
前記接続手段のうち、バンプを用いる方法は、前記チップにバンプを形成し、印刷回路基板にバンプランドを形成した後、ソルダを用いてバンプとバンプランドとを融着させて接合する方法を使用する。最近は、半導体パッケージの高性能化に伴い、前記チップと前記印刷回路基板とで信号を交換するための前記接続手段の数が増加しており、これによって、前記バンプとバンプランドとの間の接合信頼性を保証するための技術研究が活発に進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願の一実施形態は、半導体チップとパッケージ基板との間の接合信頼性を担保できる半導体パッケージの構造を提供する。
【0005】
本出願の一実施形態は、半導体パッケージにおいて、半導体チップとパッケージ基板との間の接合信頼性を担保できる接合方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願の一態様に係る半導体パッケージは、信号バンプランドおよびアンカリングバンプランドを備えるパッケージ基板と、前記パッケージ基板上に実装され、信号バンプおよびアンカリングバンプを備える半導体チップとを含む。前記信号バンプは、前記信号バンプランドに接合され、前記アンカリングバンプは、前記アンカリングバンプランドと互いに隣接して配置される。前記パッケージ基板の表面を基準として、前記アンカリングバンプの下面は、前記アンカリングバンプランドの上面より低い位置に配置される。
【0007】
本出願の他の態様に係る半導体パッケージは、パッケージ基板と、半導体チップとを含む。前記パッケージ基板は、長軸方向および短軸方向に沿って延びる一面と、前記一面上に配置される信号バンプランドおよびアンカリングバンプランドとを備える。前記半導体チップは、前記パッケージ基板上に実装され、前記信号バンプランドおよび前記アンカリングバンプランドにそれぞれ対応する信号バンプおよびアンカリングバンプを備える。前記アンカリングバンプランドは、前記一面上の角領域に配置され、前記アンカリングバンプは、前記アンカリングバンプランドと比較して、前記長軸方向により外郭領域に配置される。
【発明の効果】
【0008】
上述した本出願の実施形態によれば、互いに隣接して配置されるアンカリングバンプとアンカリングバンプランドとを備える半導体パッケージを提供することができる。半導体チップおよびパッケージ基板を接合して前記半導体パッケージを製造する時、前記アンカリングバンプランドが前記アンカリングバンプに対して押す力を印加し、前記押す力は、前記半導体チップおよび前記パッケージ基板の間の接合力を向上させる圧縮力を発生させることができる。また、前記半導体チップおよびパッケージ基板を接合する時、前記アンカリングバンプランドと前記アンカリングバンプは、前記半導体チップおよび前記パッケージ基板が外力によって位置変更されることを抑制する役割を果たすことができる。これによって、半導体チップおよびパッケージ基板の間の接合信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本出願の一実施形態に係る半導体パッケージのパッケージ基板を概略的に示す平面図である。
図2図1のパッケージ基板をI-I’ライン、II-II’ライン、およびIII-III’ラインに沿ったそれぞれの断面を概略的に示す図である。
図3】本出願の一実施形態に係る半導体パッケージの半導体チップを概略的に示す平面図である。
図4図3の半導体チップをIV-IV’ライン、V-V’ライン、およびVI-VI’ラインに沿ったそれぞれの断面を概略的に示す図である。
図5】本出願の一実施形態に係る半導体パッケージを概略的に示す平面図である。
図6図5の半導体パッケージをVII-VII’ライン、VIII-VIII’ライン、およびIX-IX’ラインに沿ったそれぞれの断面を概略的に示す図である。
図7】本出願の一実施形態に係るパッケージ基板および半導体チップの接合工程のステップを概略的に示す模式図である。
図8】本出願の一実施形態に係るパッケージ基板および半導体チップの接合工程を概略的に示す断面図である。
図9】本出願の一実施形態に係るパッケージ基板および半導体チップの接合工程を概略的に示す断面図である。
図10】本出願の一実施形態に係るパッケージ基板および半導体チップの接合工程を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本出願の例の記載において使う用語は、提示された実施例における機能を考慮して選択された用語であって、その用語の意味は、技術分野における使用者、運用者の意図または慣例などによって異なる。使われた用語の意味は、本明細書に具体的に定義された場合、定義された定義に従い、具体的な定義がない場合、当業者が一般的に認識する意味で解釈される。本出願の例の記載において、「第1」および「第2」、「側面(side)」、「上部(top)」および「下部(bottom or lower)」のような記載は、部材を区分するためのものであり、部材自体を限定したり、特定の順序を意味するもので使われたわけではない。
【0011】
半導体パッケージは、半導体チップのような電子素子を含むことができ、半導体チップは、電子回路が集積された半導体基板がチップ状に切断加工された形態を含むことができる。半導体チップは、DRAMやSRAM、NAND FLASH、NOR FLASH、MRAM、ReRAM、FeRAMまたはPcRAMのようなメモリ(memory)集積回路が集積されたメモリチップや、または半導体基板に論理回路が集積されたロジッグ(logic)チップやエーシック(ASIC)チップを意味することができる。前記半導体チップは、前記切断加工された形態によって半導体ダイと名付けられる。
【0012】
半導体パッケージは、前記半導体チップが実装される印刷回路基板を含むことができる。前記印刷回路基板は、少なくとも1層以上の集積回路パターンを含むことができ、本明細書においてパッケージ基板と名付けられる。前記パッケージ基板は、前記半導体チップと通信のための接続手段を備えることができる。前記接続手段は、一例として、ワイヤボンディングまたはフリップチップボンディングのような方式で、前記パッケージ基板と前記半導体チップにそれぞれ接合される。
【0013】
半導体パッケージは、各種電子情報処理装置、一例として、携帯端末のような情報通信機器や、バイオ(bio)やヘルスケア(health care)関連の電子機器、人間に着用可能な(wearable)電子機器などに適用可能である。
【0014】
明細書全文にわたる同一の参照符号は、同一の構成要素を指し示すことができる。同一の参照符号または類似の参照符号は、該当する図面で言及または説明されていなくても、他の図面を参照して説明される。また、参照符号が表示されていなくても、他の図面を参照して説明される。
【0015】
本明細書において、接合(bond)という意味は、1つの構成要素と他の構成要素とが所定の接着力を有する物質を介在して、物理的または化学的に互いに結合されて固定されたことを意味することができる。一例として、信号バンプが信号バンプランドと接合するというのは、信号バンプと信号バンプランドとがソルダ層によって接着されることにより、信号バンプおよび信号バンプランドが所定の結合力で固定されたことを意味することができる。
【0016】
本明細書において、接触(contact)または接するという意味は、1つの構成要素と他の構成要素とが単純に接触状態を維持していることを意味することができる。一例として、アンカリングバンプがアンカリングバンプランドと接するというのは、アンカリングバンプとアンカリングバンプランドとがソルダ層のような接着物質によって接合されることなく単純に接触状態を維持することを意味することができる。これによって、接触状態を維持する1つの構成要素と他の構成要素は、接合状態を維持する1つの構成要素と他の構成要素と対比して、非接触状態または分離状態に切り替えられることが相対的に容易である。ここで、容易であるという意味は、前記状態の切り替えに費やされるエネルギーが小さいとの意味であり得る。
【0017】
図1は、本出願の一実施形態に係る半導体パッケージのパッケージ基板を概略的に示す平面図である。図2は、図1のパッケージ基板をI-I’ライン、II-II’ライン、およびIII-III’ラインに沿ったそれぞれの断面を概略的に示す図である。
【0018】
図1および図2を参照すれば、パッケージ基板10は、基板ボディ部110と、基板ボディ部110上に配置される信号バンプランド122およびアンカリングバンプランド124とを含む。また、パッケージ基板10は、基板ボディ部110上で信号バンプランド122およびアンカリングバンプランド124を選択的に露出させるソルダレジスト層130を含むことができる。パッケージ基板10は、一例として、印刷回路基板(PCB)、インターポーザ(interposer)、またはフレキシブル印刷回路基板(flexible PCB)であってもよい。
【0019】
一実施形態において、基板ボディ部110は、長軸方向(すなわち、y-方向)と短軸方向(すなわち、x-方向)に延びる一面110Sを備えることができる。基板ボディ部110は、前記長軸方向に沿って所定の第1長さL1を有し、前記短軸方向に沿って所定の第2長さL2を有することができる。また、基板ボディ部110は、長軸方向に沿って配置される中心軸C10-yを有することができ、基板ボディ部110は、中心軸C10-yに対して互いに対称である長方形の平面形状を有することができる。基板ボディ部110は、半導体チップを外部機器と電気的信号を交換するための連結配線構造体であってもよい。これによって、図1および図2に具体的に示されていないが、基板ボディ部110の内部には、複層の回路パターン層と、前記回路パターン層の間を電気的に絶縁する絶縁層とが配置される。前記複層の回路パターン層および絶縁層は、公知の技術思想により多様な形態で配置される。また、図1および図2に示されていないが、基板ボディ部110の下面には、外部機器と電気的に接続するための接続構造体が配置される。前記接続構造体は、公知のソルダボール、ソルダバンプなどを含むことができる。前記接続構造体は、互いに電気的に連結可能である。また、前記接続構造体は、前記複層の回路パターン層を用いて信号バンプランド122と電気的に連結可能である。
【0020】
基板ボディ部110の一面110S上には信号バンプランド122およびアンカリングバンプランド124が配置される。信号バンプランド122は、前記複層の回路パターン層の少なくとも1つとそれぞれ電気的に連結可能である。信号バンプランド122は、導電性材質からなってもよい。一例として、信号バンプランド122は、銅を含むことができる。これに対し、アンカリングバンプランド124は、信号情報を伝達する回路パターン層と電気的に絶縁されたダミーパターン層であってもよい。アンカリングバンプランド124は、後述のように、パッケージ基板10の熱膨張時、アンカリングバンプ224に押す力を作用できるように十分な剛性を有する材質からなってもよい。一例として、アンカリングバンプランド124は、銅などの金属を含むことができる。
【0021】
図1を参照すれば、信号バンプランド122は、一面110S上の一領域A1で前記長軸方向に沿って配列される。信号バンプランド122は、複数の列で配列される。信号バンプランド122は、中心軸C10-yに対して対称となるように配列される。信号バンプランド122は、前記短軸方向に沿って所定の幅a1を有することができ、前記長軸方向に沿って所定の長さb1を有することができる。一実施形態において、前記短軸方向に沿った幅a1が、前記長軸方向に沿った長さb1より大きくてよい。一例として、信号バンプランド122は、前記短軸方向に沿って延びる帯状またはバンド状に配置される。
【0022】
一方、図3に関して後述するように、信号バンプランド122の幅a1は、信号バンプ222の直径r1より大きくてよい。図2を参照すれば、信号バンプランド122は、一面110S上で高さ方向(すなわち、z-方向)に沿って所定の高さh1を有することができる。
【0023】
アンカリングバンプランド124は、基板ボディ部110の一面110S上の角領域A2、A3、A4、A5に配置される。これによって、アンカリングバンプランド124は、中心軸C10-yに対して、信号バンプランド122よりも、基板ボディ部110の一面100S上でより外郭領域に配置される。アンカリングバンプランド124は、中心軸C10-yに対して対称となるように配置される。アンカリングバンプランド124は、前記短軸方向に沿って所定の幅a2を有することができ、前記長軸方向に沿って所定の長さb2を有することができる。一実施形態において、前記短軸方向に沿った幅a2が、前記長軸方向に沿った長さb2より大きくてよい。一例として、アンカリングバンプランド124は、前記短軸方向に沿って延びる帯状またはバンド状に配置される。図2を参照すれば、アンカリングバンプランド124は、一面110S上で高さ方向(すなわち、z-方向)に沿って所定の高さh2を有することができる。
【0024】
一方、図3に関して後述するように、アンカリングバンプランド124の幅a2は、アンカリングバンプ224の直径r2より大きくてよい。これによって、アンカリングバンプランド124とアンカリングバンプ224との間の整列誤差が所定の範囲内に発生しても、図5および図6に関して後述するように、アンカリングバンプランド124がアンカリングバンプ224と側面で接するように配置される確率が増加できる。その結果、図7図10に関して後述する半導体パッケージ30の製造時に、アンカリングバンプランド124がアンカリングバンプに対して押す力を十分に伝達することができる。
【0025】
一実施形態において、アンカリングバンプランド124の幅a2、長さb2および高さh2は、信号バンプランド122の幅a1、長さb1および高さh1と実質的に同一であってもよい。図示しない他の実施形態において、アンカリングバンプランド124の幅a2、長さb2および高さh2の少なくとも1つは、信号バンプランド122の幅a1、長さb1および高さh1の対応する少なくとも1つと大きさが互いに異なっていてもよい。
【0026】
図1および図2をさらに参照すれば、基板ボディ部110の一面110S上で、信号バンプランド122およびアンカリングバンプランド124を選択的に露出させるソルダレジスト層130が配置される。ソルダレジスト層130は、基板ボディ部110を保護する役割を果たすことができる。図1に示されるように、ソルダレジスト層130は、一領域A1で前記長軸方向に沿って複数の信号バンプランド122を露出させるように配置される。また、ソルダレジスト層130は、一面110S上の角領域A2、A3、A4、A5でそれぞれアンカリングバンプランド124を露出させるように配置される。
【0027】
図3は、本出願の一実施形態に係る半導体パッケージの半導体チップを概略的に示す平面図である。図4は、図3の半導体チップをIV-IV’ライン、V-V’ライン、およびVI-VI’ラインに沿ったそれぞれの断面を概略的に示す図である。
【0028】
図3および図4を参照すれば、半導体チップ20は、チップボディ部210と、チップボディ部210上に配置される信号バンプ222およびアンカリングバンプ224とを含む。
【0029】
一実施形態において、チップボディ部210は、長軸方向(すなわち、y-方向)と短軸方向(すなわち、x-方向)に延びる一面210Sを備えることができる。チップボディ部210は、前記長軸方向に沿って所定の第1長さL3を有し、前記短軸方向に沿って所定の第2長さL4を有することができる。また、チップボディ部210は、長軸方向に沿って配置される中心軸C20-yを有することができ、チップボディ部210は、中心軸C20-yに対して互いに対称である長方形の平面形状を有することができる。
【0030】
図3および図4に示されていないが、チップボディ部210の内部には、複層の回路パターン層と、前記回路パターン層の間を電気的に絶縁する絶縁層とが配置される。前記複層の回路パターン層および絶縁層が公知の技術思想により多様な回路パターンを有する電子素子を構成することができる。
【0031】
チップボディ部210の一面210S上には信号バンプ222およびアンカリングバンプ224が配置される。信号バンプ222は、前記複層の回路パターン層の少なくとも1つとそれぞれ電気的に連結可能である。信号バンプ222は、導電性材質からなってもよい。信号バンプ222は、バンプボディ222aと、ソルダ層222bとを含むことができる。この時、バンプボディ222aは、銅を含むことができる。アンカリングバンプ224は、信号情報を伝達する回路パターン層と電気的に絶縁されたダミーバンプであってもよい。アンカリングバンプ224は、後述のように、パッケージ基板10の熱膨張時、アンカリングバンプランド124からの押す力を受け入れて半導体チップ20をパッケージ基板10方向に撓み可能とするために、十分な剛性を有する材質からなってもよい。一例として、アンカリングバンプ224は、銅などの金属を含むことができる。
【0032】
図3を参照すれば、信号バンプ222は、チップボディ部210の一面210S上の一領域B1で前記長軸方向に沿って配列される。図5および図6に関して後述するように、信号バンプ222は、信号バンプランド122に対応する位置に配置される。
【0033】
図4を参照すれば、信号バンプ222は、チップボディ部210の一面210S上から突出するように配置されるバンプボディ222aと、バンプボディ222a上に配置されるソルダ層222bとを含むことができる。一例として、バンプボディ222aは、ピラー(pillar)またはポスト(post)の形態を有することができる。一実施形態において、バンプボディ222aは、円柱、楕円柱または多角柱の形態を有することができる。ソルダ層222bは、一例として、スズ、銀、ニッケル、またはこれらの2以上の組み合わせを含むことができる。ソルダ層222bは、半球状を有する物質層であってもよい。一実施形態において、ソルダ層222bは、定形または非定形の形態を有するソルダをバンプボディ222a上にメッキした後に、前記ソルダを加熱して半球状に変形させることにより形成することができる。図3のように、信号バンプ222は、チップボディ部210の一面210S上で所定の第1直径r1の円形断面を有することができる。図4のように、信号バンプ222は、チップボディ部210の一面210Sから所定の第1高さh3を有することができる。
【0034】
アンカリングバンプ224は、チップボディ部210の一面210S上の角領域B2、B3、B4、B5に配置される。これによって、アンカリングバンプ224は、中心軸C20-yを基準として、信号バンプ222よりも、チップボディ部210の一面210S上の外郭領域に配置される。アンカリングバンプ224は、中心軸C20-yに対して対称となるように配置される。一実施形態において、アンカリングバンプ224は、チップボディ部210の一面210S上から突出するように配置される。アンカリングバンプ224は、一例として、ピラーまたはポストの形態を有することができる。アンカリングバンプ224は、円柱、楕円柱、または多角柱の形態を有することができる。アンカリングバンプ224は、ソルダ層を具備しなくてもよい。
【0035】
図3のように、アンカリングバンプ224は、チップボディ部210の一面210S上で所定の第2直径r2の円形断面を有することができる。図4のように、アンカリングバンプ224は、チップボディ部210の一面210Sから所定の第2高さh4を有することができる。一実施形態において、アンカリングバンプ224の断面直径r2は、信号バンプ222の断面直径r1より大きくてよい。チップボディ部210の一面210Sからのアンカリングバンプ224の高さh4は、信号バンプ222の高さh3より大きくてよい。図示しないいくつかの他の実施形態において、アンカリングバンプ224の断面直径r2は、信号バンプ222の断面直径r1と実質的に同一であるか、または小さくてよい。いくつかの他の実施形態において、アンカリングバンプ224は、多角柱または楕円柱の形態であってもよい。この時、アンカリングバンプ224の断面の長軸および短軸の長さは、信号バンプ222の対応する断面の長軸および断面の短軸の長さより大きくてよい。
【0036】
図5は、本出願の一実施形態に係る半導体パッケージを概略的に示す平面図である。図6は、一実施形態において、図5の半導体パッケージをVII-VII’ライン、VIII-VIII’ライン、およびIX-IX’ラインに沿ったそれぞれの断面を概略的に示す図である。図5の平面図および図6の断面図は、それぞれ図1および図2に関して上述したパッケージ基板10上に、図3および図4に関して上述した半導体チップ20が実装された状態の透視平面図および断面図であり得る。図5および図6に示されるように、半導体パッケージ30において、半導体チップ20は、フリップチップボンディング方式でパッケージ基板10と接合できる。図5および図6の半導体パッケージ30は、後述する図7図10によるパッケージ基板および半導体チップの接合工程によって製造された半導体パッケージであり得る。
【0037】
図5および図6を参照すれば、信号バンプランド122および信号バンプ222は、ソルダ層222bによって互いに接合できる。具体的な実施形態において、信号バンプランド122と信号バンプ222は、ソルダ層222bによって接合容易となるように、高さ方向(すなわち、z-方向)に沿って少なくとも一部分の領域が互いに重なってもよい。
【0038】
一方、アンカリングバンプ224は、アンカリングバンプランド124と側面方向に隣接して配置される。図5のように、アンカリングバンプ224は、前記長軸方向に沿って、アンカリングバンプランド124よりも、チップボディ部210の一面210S上の外郭方向に配置される。ここで、前記外郭方向とは、前記長軸方向に沿って半導体パッケージの内部から前記半導体パッケージの外部境界線が位置する箇所を向く方向を意味することができる。アンカリングバンプ224は、ソルダ層を含まなくてもよい。これによって、アンカリングバンプ224とアンカリングバンプランド124は、互いに接合されなくてもよい。後述のように、アンカリングバンプ224およびアンカリングバンプランド124は、互いに接合されない状態で、接触状態(contact state)または非接触状態(non-contact state)を維持することができる。
【0039】
一実施形態において、図6に示されるように、アンカリングバンプランド124とアンカリングバンプ224は、前記高さ方向に沿って、それぞれの断面が互いに重ならなくてもよい。すなわち、アンカリングバンプ224は、アンカリングバンプランド124とソルダレジスト層130との間の空間に挿入されるように配置される。アンカリングバンプ224が配置される空間は、基板ボディ部110の一面S110中、ソルダレジストパターン層130が形成されず外部に露出する領域の上部であり得る。結果的に、アンカリングバンプ224とアンカリングバンプランド124は互いに隣接して配置されるが、パッケージ基板10の表面を基準として、すなわち、基板ボディ部110の一面S110を基準として、アンカリングバンプ224の下面S224が、アンカリングバンプランド124の上面S124より低い位置に配置される。アンカリングバンプ224とアンカリングバンプランド124は、側面方向にそれぞれの断面が互いにずれるように配置される。一実施形態において、アンカリングバンプ224の下面S224は、基板ボディ部110の一面S110と接触しない状態で、一面S110の上部に位置できる。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、図示と異なるいくつかの実施形態において、アンカリングバンプ224の下面S224は、基板ボディ部110の一面S110と接触できる。
【0040】
一実施形態において、アンカリングバンプ224の側壁部とアンカリングバンプランド124の側壁部は、側面方向(一例として、y-方向)に互いに重なる重畳部分Hcを有することができる。図6に示されるように、アンカリングバンプ224の側壁部は、アンカリングバンプランド124の側壁部と接触状態を有することができる。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、図示しない他のいくつかの実施形態において、アンカリングバンプ224の側壁部は、アンカリングバンプランド124の側壁部と非接触状態を有することができる。ただし、この場合でも、図7図10に関して後述する製造方法のように、パッケージ基板10の熱膨張時にアンカリングバンプランド124がアンカリングバンプ224に押す力を伝達するように機能するため、アンカリングバンプ224の側壁部とアンカリングバンプランド124の側壁部は、所定の距離以内に配置される。
【0041】
また、重畳部分Hcを介して前記押す力を十分に伝達および受け入れるために、アンカリングバンプ224の側壁部がアンカリングバンプランド124の高さh2の40%~70%に対応するアンカリングバンプランド124の側壁部をカバーするように、重畳部分Hcが構成される。一例として、アンカリングバンプランド124の高さh2が10μmの時、重畳部分Hcは4~7μmであれば良い。
【0042】
上述のように、本出願の実施形態によれば、パッケージ基板10の信号バンプランド122は、半導体チップ20の信号バンプ222と接合状態を維持することができる。これに対し、パッケージ基板10のアンカリングバンプランド124は、半導体チップ20のアンカリングバンプ224と非接合状態を維持することができる。このために、信号バンプ222は、ソルダ層222bを具備し、これに対し、アンカリングバンプ224は、ソルダ層を具備しなくてもよい。アンカリングバンプランド124の上面S124は、アンカリングバンプ224の下面S224と前記高さ方向に沿って接しないように、側面方向に互いにずれて配置される。アンカリングバンプ224は、前記長軸方向に沿って、アンカリングバンプランド124よりも、半導体パッケージ30の外郭方向に配置され、アンカリングバンプ224は、アンカリングバンプランド124の側壁部の少なくとも一部分をカバーするように配置される。これによって、図7図10に関して後述するように、信号バンプランド122と信号バンプ222との間でソルダ接合工程を進行させる時、接合信頼性を向上させることができる。
【0043】
図7は、本出願の一実施形態に係るパッケージ基板および半導体チップの接合工程のステップを概略的に示す模式図である。図8図10は、本出願の一実施形態に係るパッケージ基板および半導体チップの接合工程を概略的に示す断面図である。図8図10では、説明の便宜上、基板ボディ部110において、信号バンプランド122とアンカリングバンプランド124を一面110S上で互いに隣接して示し、チップボディ部210において、信号バンプ222とアンカリングバンプ224を一面210S上で互いに隣接して示す。図7を参照すれば、パッケージ基板10および半導体チップ20の接合工程は、リフローオーブンでリフローチャンバ400と搬送装置500を用いて行われる。搬送装置500は、一対の駆動軸510、520を駆動して搬送プレート530を所定の方向M1に移動させることができる。前記接合工程は、パッケージ基板10上に半導体チップ20を載置させた積層構造物30iを、リフローチャンバ400の内部に区画された第1~第4区間T1、T2、T3、T4を順次に通過させることにより行われる。
【0044】
図8を参照すれば、図1および図2に関して上述したパッケージ基板10と、図3および図4に関連して上述した半導体チップ20とを準備する。具体的には、ソルダ層222bが含まれた信号バンプ222が形成された半導体チップ20を準備する。一実施形態において、ソルダ層222bは、定形または非定形の形態を有するソルダをバンプボディ222a上にメッキした後に、前記ソルダを加熱して半球状に変形させることにより形成することができる。次に、パッケージ基板10の一面S110と半導体チップ20の一面S210とが互いに対面するように積層させて、積層構造物30iを形成する。積層構造物30iにおいて、信号バンプ222と信号バンプランド122とが互いに対応する位置に配置され、アンカリングバンプ224とアンカリングバンプランド124とが側面方向に互いにずれて配置される。図8に示されるように、信号バンプ222のソルダ層222bは、信号バンプランド122と接触するように配置される。アンカリングバンプ224の側壁部とアンカリングバンプランド124の側壁部は、少なくとも一部分が側面方向(例として、y-方向)に互いに重なるように配置される。この時、図8に示されるように、アンカリングバンプ224の側壁部とアンカリングバンプランド124の側壁部は、側面方向(例として、y-方向)に物理的に離隔するように、パッケージ基板10と半導体チップ20が配置される。ただし、この場合でも、図9および図10に関して後述するように、パッケージ基板10の熱膨張時に、アンカリングバンプランド124がアンカリングバンプ224に押す力を十分に伝達するために、アンカリングバンプ224の側壁部とアンカリングバンプランド124の側壁部は、側面方向(例として、y-方向)に、所定の距離以内に配置される。一方、一実施形態において、アンカリングバンプ224の下面S224は、基板ボディ部110の一面S110と一定間隔離隔するように配置される。
【0045】
図7をさらに参照すれば、積層構造物30iは、搬送装置500の搬送プレート530上に装着された後に、所定の方向M1に沿って移動し、リフローチャンバ400の第1区間T1を通過することができる。第1区間T1は、前-熱処理(pre-heat)およびソーク(soak)ステップへの昇温ステップであり得る。一例として、第1区間T1で、積層構造物30iは、常温から約150℃~180℃の温度に昇温する。
【0046】
次に、積層構造物30iがリフローチャンバ400の第2区間T2を通過することができる。第2区間T2は、第1高温区間であって、前-熱処理(pre-heat)およびソーク(soak)ステップであり得る。一例として、第2区間T2は、積層構造物30iが約150℃~180℃の範囲内の温度を維持することができる。第2区間T2を通過する間、ソルダ層222b内部の揮発成分が除去可能である。また、ソルダ層222bのフラックスが活性化されるにつれ、接合対象物である信号バンプランド122の表面が還元できる。さらに、第2区間T2では、第3区間T3であるリフロー区間に先立って、積層構造物30iがリフロー工程温度より低い温度で熱的に安定化できる。
【0047】
図7および図9を参照すれば、積層構造物30iがリフローチャンバ400の第3区間T3を通過することができる。第3区間T2は、第2高温区間であって、リフロー区間であり得る。第3区間T3では、積層構造物30iが約200℃~250℃の範囲内の温度に昇温されて、ソルダ層222bが溶融できる。第3区間T3を通過する間、溶融するソルダ層222bは、信号バンプランド122と十分に接触するように流動できる。図9に示されるように、ソルダ層222bは、信号バンプ222から信号バンプランド122に流動して、信号バンプ222と信号バンプランド122の両方に対して濡れ領域(wetting region)を十分に形成することができる。
【0048】
一方、図9を参照すれば、第3区間T3を通過する間、リフローチャンバ400から提供された熱によって、パッケージ基板10と半導体チップ20が熱膨張することができる。通常、パッケージ基板10は、主にポリマー物質から構成されるので、シリコン基板に形成される半導体チップ20より熱膨張係数が大きい。これによって、半導体チップ20に対比して、パッケージ基板10は、側面方向E1、E2に相対的に大きく増加できる。図9に示されるように、パッケージ基板10が増加すると、アンカリングバンプランド124が、図8の位置に対比して、側面方向E1、E2に移動する。この過程で、アンカリングバンプランド124が隣接するアンカリングバンプ224と完全に接するにつれ、隣接するアンカリングバンプ224に対して側面方向に押す力F1、F2を作用する。アンカリングバンプランド124が隣接するアンカリングバンプ224と接するので、側面方向に押す力F1、F2は、アンカリングバンプ224を介して半導体チップ20に伝達される。チップボディ部210の一方の面に固定されているアンカリングバンプ224に側面方向に押す力F1、F2が作用するので、押す力F1、F2は、半導体チップ20全体に対して半導体チップ20を撓ませる力として作用する。つまり、押す力F1、F2を受け入れるアンカリングバンプ224は、半導体チップ20に対してz-方向の圧縮力F210が発生するように作用できる。図3をさらに参照すれば、熱膨張による変形は、パッケージ基板10において長軸方向により大きく発生しうる。したがって、アンカリングバンプランド124がアンカリングバンプ224を押す力は、前記長軸方向に沿って相対的に大きく発生しうる。
【0049】
図7をさらに参照すれば、積層構造物30iがリフローチャンバ400の第4区間T4を通過することができる。第4区間T4は、第3区間T3のリフロー区間の温度から常温まで温度を減少させる区間である。図9をさらに参照すれば、第3区間T3を通過する間、溶融したソルダ層222bは、第4区間T4を通過しながら固形化されてソルダ接合部を形成することができる。前記第3区間T3で発生した圧縮力F210は、積層構造物30iが第4区間T4を通過する間に維持できる。
【0050】
第4区間T4を通過した後、信号バンプランド122と信号バンプ222との間の接合工程が完了する。その結果、リフローチャンバ400から出た後に、図10に示されるパッケージ基板10と半導体チップ20とが接合された半導体パッケージ30が製造される。前記接合工程が完了した後に、図10に示されるように、アンカリングバンプ222の側壁部とアンカリングバンプランド124の側壁部は、互いに接する状態(contact state)を維持することができる。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、いくつかの他の実施形態では、前記接合工程が完了した後に、アンカリングバンプ222の側壁部とアンカリングバンプランド124の側壁部は、接しない状態(non-contact state)を維持することもできる。
【0051】
上述した本出願の実施形態によれば、互いに隣接して配置されるアンカリングバンプ224とアンカリングバンプランド124とを備える半導体パッケージ30を提供することができる。アンカリングバンプ224を備える半導体チップ20およびアンカリングバンプランド124を備えるパッケージ基板10が接合される時、半導体チップ20とパッケージ基板10との熱膨張率の差によって、アンカリングバンプランド124がアンカリングバンプ224に対して押す力を印加し、前記押す力は、半導体チップ20およびパッケージ基板10の間のソルダ接合力を向上させる圧縮力を発生させることができる。これによって、半導体チップ20およびパッケージ基板10の間の接合信頼性を向上させることができる。
【0052】
アンカリングバンプランド124とアンカリングバンプ224は、前記接合工程の際に、半導体チップ20およびパッケージ基板10の位置を固定させる役割を果たすことができる。図7図10を参照すれば、第1区間T1~第4区間T4において、リフローチャンバ400から積層構造物30iに熱を提供する方式であって、空気の対流方式を適用する場合、前記空気の流れは、積層構造物30iに対して多様な形態および方向の外力または圧力を印加することができる。側面方向に印加される空気圧力の場合、半導体チップ20およびパッケージ基板10を所定の位置から離脱させることがあるが、アンカリングバンプランド124とアンカリングバンプ224は、前記位置離脱を防止可能な係止段の役割を果たすことができる。これによって、半導体チップ20およびパッケージ基板10の間の接合信頼性を向上させることができる。
【0053】
上述のように、本出願の実施形態を図面を例示して説明するが、これは、本出願で提示しようとすることを説明するためのものであり、詳しく提示された形状に本出願で提示しようとすることを限定しようとしたわけではない。本出願で提示した技術的思想が反映される限り、多様な他の変形例が可能であろう。
【符号の説明】
【0054】
10:パッケージ基板
110:基板ボディ部
122:信号バンプランド
124:アンカリングバンプランド
20:半導体チップ
210:チップボディ部
222:信号バンプ
224:アンカリングバンプ
30:半導体パッケージ
30i:積層構造物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10